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特開2024-111525情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111525
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/13 20200101AFI20240809BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20240809BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240809BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/12
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016084
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】516280912
【氏名又は名称】アジアクエスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】山下 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】菊池 啓介
【テーマコード(参考)】
5B146
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146BA01
5B146DC06
5B146DE06
5B146DE12
5B146DE13
5B146DE16
5B146DL02
5B146DL08
5B146EC04
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】構造物の設計のためのシステムの利便性を向上させること。
【解決手段】エレベータのカゴやドア、操作パネルといった部材から構成されるエレベータのデータを処理するサーバ1の表示制御部511は、3種類の部材の夫々のBIMデータに基づいて、エレベータの3Dモデルをユーザ端末2に表示させ、3種類のうち第1種類を指定する操作を受付けると、第1種類の部材の3Dモデルを、エレベータの3Dモデルから切り離してユーザ端末2に表示させる制御を実行する。表示制御部511は、第2操作が受け付けられると、第2種類の部材が旧部材から新部材に変更されたエレベータの3Dモデルをユーザ端末2に表示させ、第1種類として第2種類を指定する第1操作が受け付けられると、新部材の3Dモデルを、所定構造物の3Dモデルから切り離してユーザ端末2に表示させる制御を実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N種類の部材から構成される所定構造物のデータを処理する情報処理装置であって、
前記N種類の部材の夫々の3Dモデルデータに基づいて、前記所定構造物の3Dモデルを表示デバイスに表示させ、前記N種類のうち第1種類を指定する第1操作を受付けると、当該第1種類の部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行する表示制御手段と、
前記N種類のうち変更対象の第2種類について旧部材から新部材に変更する指示を示す第2操作を受付ける変更指示受付手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第2操作が受け付けられると、前記第2種類の部材が前記旧部材から前記新部材に変更された前記所定構造物の3Dモデルを前記表示デバイスに表示させ、前記第1種類として前記第2種類を指定する前記第1操作が受け付けられると、前記新部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、所定ネットワークで接続された第1別情報処理装置に設けられた前記表示デバイスにおいて、前記所定構造物の3Dモデルを、前記第1操作を受付けると前記第1種類の部材の3Dモデルを、所定のWebブラウザに夫々表示させる制御を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記3Dモデルデータは、メタ情報を含み得るデータであり、
前記N種類の部材毎に、単価及び工期を少なくとも含む属性情報を前記メタ情報として有する前記3Dモデルデータが所定のデータベースに保持されており、
前記表示制御手段の制御による表示対象となっている、前記所定構造物を構成する前記N種類の部材の夫々の工期又は単価を前記属性情報から認識して積算を行うことで、当該所定構造物の工期又は単価を算出する積算手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、さらに、表示対象となっている前記所定構造物の前記工期若しくは前記単価、並びに、表示対象となっている当該所定構造物を構成する前記N種類の部材の夫々の前記工期若しくは前記単価を、前記表示デバイスに表示させる制御を実行する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記N種類のうち所定種類の部材として登録を所望する部材を登録部材として、当該登録部材を登録するための操作であって、前記属性情報の入力を含む操作を、第3操作として受付けるGUIを、前記所定ネットワークで接続された第2別情報処理装置に提供するGUI提供手段と、
前記GUIにより前記第3操作が受け付けられた場合、入力された前記属性情報を含む、前記登録部材の前記3Dモデルデータを前記データベースに登録する登録手段と、
をさらに備える請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記登録手段は、所定の重複ルールに従って、前記登録部材が前記データベースに既に登録されているか否かを判定し、既に登録されていると判定した場合、当該登録部材の登録を禁止する重複判定手段
をさらに備える請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の重複ルールは、前記N種類のうち同一種類の素材について登録済みの既登録素材が存在する場合について、同一か否かを判断するための選定基準を含む、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
与えられた所定条件を満たす前記所定構造物となるように、前記N種類の素材の夫々として適切なものを選択して推薦する推薦手段
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
N種類の部材から構成される所定構造物のデータを処理する情報処理装置が実行する情報処理方法において、
前記N種類の部材の夫々の3Dモデルデータに基づいて、前記所定構造物の3Dモデルを表示デバイスに表示させ、前記N種類のうち第1種類を指定する第1操作を受付けると、当該第1種類の部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行する表示制御ステップと、
前記N種類のうち変更対象の第2種類について旧部材から新部材に変更する指示を示す第2操作を受付ける変更指示受付ステップと、
を含み、
前記表示制御ステップは、前記第2操作が受け付けられると、前記第2種類の部材が前記旧部材から前記新部材に変更された前記所定構造物の3Dモデルを前記表示デバイスに表示させ、前記第1種類として前記第2種類を指定する前記第1操作が受け付けられると、前記新部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行するステップを含む、
情報処理方法。
【請求項9】
N種類の部材から構成される所定構造物のデータを処理するコンピュータに、
前記N種類の部材の夫々の3Dモデルデータに基づいて、前記所定構造物の3Dモデルを表示デバイスに表示させ、前記N種類のうち第1種類を指定する第1操作を受付けると、当該第1種類の部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行する表示制御ステップと、
前記N種類のうち変更対象の第2種類について旧部材から新部材に変更する指示を示す第2操作を受付ける変更指示受付ステップと、
を含む制御処理を実行させ、
前記表示制御ステップとして、前記第2操作が受け付けられると、前記第2種類の部材が前記旧部材から前記新部材に変更された前記所定構造物の3Dモデルを前記表示デバイスに表示させ、前記第1種類として前記第2種類を指定する前記第1操作が受け付けられると、前記新部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行するステップを含む制御処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築前に、建築物(構造物)に用いる建築部材等の組み合わせによりどのような見栄えとなるかシミュレートする技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-033317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、建築部材の組み合わせは、最終的な建築物(構造物)の金銭的コストや時間的コストの変動への影響があり、単に好みの見栄えとするのみならず、各種各様な事情を勘案して決定する必要がある。
さらに言えば、建築素材は、各種各様なメーカにより製造されている。そのため、建築素材の管理も煩雑なものとなっていた。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、構造物の設計のためのシステムの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の情報処理装置は、
N種類の部材から構成される所定構造物のデータを処理する情報処理装置であって、
前記N種類の部材の夫々のBIMデータに基づいて、前記所定構造物の3Dモデルを表示デバイスに表示させ、前記N種類のうち第1種類を指定する第1操作を受付けると、当該第1種類の部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行する表示制御手段と、
前記N種類のうち変更対象の第2種類について旧部材から新部材に変更する指示を示す第2操作を受付ける変更指示受付手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第2操作が受け付けられると、前記第2種類の部材が前記旧部材から前記新部材に変更された前記所定構造物の3Dモデルを前記表示デバイスに表示させ、前記第1種類として前記第2種類を指定する前記第1操作が受け付けられると、前記新部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行する。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一態様の情報処理システムに対応する情報処理方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、構造物の設計のためのシステムの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される本サービスの概要を示すイメージ図である。
図2図1の本サービスを提供するサーバを含む情報処理システムの一例を示す図である。
図3図1及び図2のサービスを提供するサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図3のサーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
図5図4のサーバにより登録者端末に提示される登録画面の一例を示す図である。
図6図4のサーバによりユーザ端末に提示されるユーザ画面の一例を示す図である。
図7図4のサーバによりユーザ端末に提示されるユーザ画面のうち、図6と異なる例を示す図である。
図8図4のサーバによりユーザ端末に提示されるユーザ画面のうち、図6及び図7と異なる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される本サービスの概要を示すイメージ図である。
図2は、図1の本サービスの概要をより詳細に示す図である。
【0012】
以下、本サービスは、エレベータの設計のためのサービスであるものとして説明する。
また、エレベータは、カゴ、ドア、及び操作パネルの3種類の部材から構成されるものとして説明する。
即ち、エレベータは、建築物(構造物)の一例である。また、エレベータの部材(例えば、後述するカゴやドア、操作パネル)は、構造物を構成する部材の一例である。
【0013】
図1に示すように、建築物(構造物)を求めるエンドユーザが存在する。エレベータ(以下、「EV」と適宜略記する)メーカは、エンドユーザの要望に応じて、エレベータの部材を選択することで、完成品としてのエレベータをエンドユーザに提供する。EVメーカは、本サービスのユーザU1である。
【0014】
図1に示すEVパーツメーカ及び商社は、EVパーツを提供する企業として本サービスを利用するユーザである。EVパーツメーカ及び商社は、登録者U2としてエレベータの部材を登録する。
即ち、EVパーツメーカは、自社のエレベータの部材を、予め本サービスのサーバに登録する。また、商社は、自社で流通させているエレベータの部材を、予め本サービのサーバに登録する。
【0015】
本サービスは、このように、登録者U2により部材を予め登録させる。そして、完成品としてのエレベータを提供しようとするユーザU1に対して、所定の部材を選択させ、完成品のエレベータの見栄えや、コスト等の管理の支援をするサービスである。本サービスは、後述するサーバ1(例えば、図3のサーバ1)により提供される。
【0016】
本サービスのサーバ1は、登録者U2からの部材の登録や変更、削除を受付ける登録機能を有している。
ここで、本サービスのサーバ1は、複数の登録者U2により登録されたエレベータの部材(パーツ)を統合管理するデータベースを有している。即ち、登録された部材は、本サービスのサーバ1により、統合管理される。
そして、本サービスのサーバ1は、ユーザU1に対して、統合管理されたエレベータの部材から、ユーザU1による部材の選択に基づいて、見栄えやコストの情報を提供する3Dビューア,積算機能を有している。これにより、ユーザU1による部材の選定,エレベータの販売が実現する。
【0017】
より具体的には、例えば、図2に示すように、サーバ1は、複数の情報処理装置や仮想サーバを含んで構成されるサーバ群であってもよい。そこで、図2においては、サーバ1は、APIサーバとデータストアとから構成されているように図示されている。
本サービスのサーバ1(APIサーバ)により、ユーザU1により利用される端末(例えば、図4のユーザ端末2)や登録者U2により利用される端末(例えば、図4の登録者端末3)と通信を行い、各種アプリケーションの機能を利用させるためのAPI(Application Programming Interface)を提供される。
【0018】
データストアには、第1に、部材マスタ、単価マスタ、条件マスタが含まれている。
即ち、部材の名称や単価、部材の組み合わせ条件等が、記憶されている。
【0019】
また、データストアには、第2に、BIMモデル、一括登録用CSV(Comma Separated Values)が含まれている。
即ち、部材のBIMモデルや、典型的な部材の登録用のCSVデータが記憶されている。
【0020】
また、データストアには、第3に、保存された積算条件が含まれている。
即ち、ユーザU1により積算されたエレベータの条件(構成例やコストの制約等の条件)が、記憶されている。
【0021】
このようなサーバ1を前提に、ユーザU1には3Dビューア、積算画面が提供され、登録者U2には、登録画面が提供されることで、本サービスの利用がなされる。
より具体的には、図2に示すように、登録者U2の端末(例えば、図4の登録者端末3)には、本サービスのサーバ1により登録画面が提供される。登録者U2は、登録画面において、部材の検索、部材の登録、編集、削除、データの正確な重複管理が可能となっている。
即ち、登録者U2は、登録画面を介して、部材に関連する各種マスタ情報のメンテナンスが可能となっている。
登録画面については、図5を用いてより詳細に説明する。
【0022】
また、図2に示すように、ユーザU1の端末(例えば、図4のユーザ端末2)には、本サービスのサーバ1により3Dビューア、積算画面が提供される。ユーザU1は、3Dビューア、積算画面を用いて、部材の選択、比較、積算条件(カゴタイプ、定員、階数等)の編集、積算の計算が可能となっている。
即ち、ユーザU1は、3Dビューア、積算画面を介して、マスタ情報やBIMモデルを取得し、部材の選択や比較をすることが出来る。
そして、ユーザU1は、3Dビューア、積算画面を介して、積算条件の保存や呼び出しをすることが出来る。
3Dビューア、積算画面については、図6乃至8を用いてより詳細に説明する。
【0023】
このように、本サービスは、EV部材をシステム(本サービスのサーバ)上にカタログ化(統合管理)し、「積算時における部材比較選定の効率化」や「販売時の提案力向上」を行うことが出来る。
また、本サービスにより、工賃を含めた積算の自動化がなされるため、積算業務の属人化解消や納品速度向上が可能となるのである。
【0024】
図3は、図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0026】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0027】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0028】
入力部16は、各種ハードウェア釦等で構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、各種液晶ディスプレイ等で構成され、各種情報を出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(例えば図2のユーザ端末2-1乃至2-n)との間で行う通信を制御する。
【0029】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。またリムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0030】
なお、図示はしないが、ユーザU1により利用される端末(図4のユーザ端末2)及び登録者U2により利用される端末(図4の登録者端末3)も図3に示すハードウェア構成を有している。
【0031】
図4は、図3のサーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0032】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、ユーザ側制御部51と、登録者側制御部52とが機能する。
ユーザ側制御部51は、表示制御部511と、変更指示受付部512と、積算部513と、推薦部514とを有している。
登録者側制御部52は、GUI提供部521と、登録部522と、重複判定部523とを有している。
記憶部18には、データストア80が設けられている。
データストア80は、3種類の部材毎に、単価及び工期を少なくとも含む属性情報を有するBIMデータが所定のデータベースに保持している。
【0033】
表示制御部511は、3種類の部材の夫々のBIMデータに基づいて、エレベータの3Dモデルをユーザ端末2に表示させ、3種類のうち第1種類を指定する第1操作を受付けると、第1種類の部材の3Dモデルを、エレベータの3Dモデルから切り離して前記ユーザ端末2に表示させる制御を実行する。
具体的には例えば、サーバ1は、ユーザ端末2を介して、ユーザU1による任意のカゴを選択する操作を受付ける。すると、表示制御部511は、1種類の部材の3Dモデルを、エレベータの3Dモデルから切り離して前記ユーザ端末2に表示させる制御を実行する。
これにより、ユーザ端末2には、選択された部材が別個表示されるため、ユーザU1は部材の確認が容易となる。
【0034】
変更指示受付部512は、3種類のうち変更対象の第2種類について旧部材から新部材に変更する指示を示す第2操作を受付ける。具体的には例えば、変更指示受付部512は、ユーザ端末2を介して、ユーザU1による第1のカゴが選択された状態において第2のカゴを選択する操作を受付ける。
【0035】
ここで、表示制御部511は、第2操作が受け付けられると、第2種類の部材が旧部材から新部材に変更されたエレベータの3Dモデルをユーザ端末2に表示させ、第1種類として第2種類を指定する第1操作が受け付けられると、新部材の3Dモデルを、エレベータの3Dモデルから切り離して所定のユーザ端末2に表示させる制御を実行する。
【0036】
表示制御部511は、所定ネットワークで接続されたユーザ端末2において、エレベータの3Dモデルを、第1操作を受付けると第1種類の部材の3Dモデルを、所定のWebブラウザに夫々表示させる制御を実行する。
これにより、ユーザU1は、ユーザ端末2を用いて、所定のWebブラウザを用いて、各部材、及び、部材が用いられたエレベータの3Dモデルを用いて確認することが出来る。
【0037】
積算部513は、表示制御部511の制御による表示対象となっている、エレベータを構成する3種類の部材の夫々の工期又は単価を属性情報から認識して積算を行うことで、所定構造物の工期又は単価を算出する。
表示制御部511は、さらに、表示対象となっているエレベータの工期若しくは単価、並びに、表示対象となっている所定構造物を構成する3種類の部材の夫々の工期若しくは単価を、ユーザ端末2に表示させる制御を実行する。
これにより、ユーザU1は、ユーザ端末2を用いて、自身の選択した部材を用いたエレベータの金銭的、時間的コストを容易に確認することが出来る。
【0038】
推薦部514は、与えられた所定条件を満たすエレベータとなるように、3種類の素材の夫々として適切なものを選択して推薦する。
このようにして、ユーザU1は、自身の希望するエレベータの部材の選択、即ち、エレベータの設計を容易に行うことが可能となるのである。
【0039】
次に、登録者U2において利用される各機能ブロックについて説明する。
GUI提供部521は、3種類のうち所定種類の部材として登録を所望する部材を登録部材として、登録部材を登録するための操作であって、属性情報の入力を含む操作を、第3操作として受付けるGUIを、所定ネットワークで接続された登録者端末3に提供する。
登録部522は、GUIにより第3操作が受け付けられた場合、入力された属性情報を含む、登録部材のBIMデータをデータベースに登録する。
これにより、登録者U2は、エレベータの部材の登録を容易に行うことが可能となる。
【0040】
重複判定部523は、所定の重複ルールに従って、登録部材がデータベースに既に登録されているか否かを判定し、既に登録されていると判定した場合、登録部材の登録を禁止する。
ここで、所定の重複ルールは、3種類のうち同一種類の素材について登録済みの既登録素材が存在する場合について、同一か否かを判断するための選定基準を含む。
これにより、登録者U2が誤って重複した部材を登録してしまうことが防がれる。
【0041】
以上、図1乃至図4を用いて、本サービスの概要と、本サービスの提供に用いられるサーバ1の機能的構成等を説明した。以下、サーバ1によりユーザU1及び登録者U2に提供される各画面の詳細の例について、説明する。
【0042】
図5は、図4のサーバにより登録者端末に提示される登録画面の一例を示す図である。
図5の例においては、エレベータの部材には、カゴ、ドア、操作パネルの他、天井、壁の部材が採用されている例が図示されている。即ち、図5のハッチングされた領域には、ドア、天井、壁の部材が一覧されて表示されている。
登録者U2は、図5に示すように、各部材を一覧して閲覧し、把握することが出来る。
そして、登録者は、図5に示す検索窓に製品名等の所定のキーワードを入力することで、登録された部材を検索することが出来る。これにより、キーワードで指定した部材の登録状況の確認を容易に行うことが出来る。
【0043】
そして、図5に示すハッチングの無い領域には部材の登録窓が示されている。
部材の登録窓には、カテゴリ、ラベル、3Dファイル、使用する画像、製品名、製品番号、備考の項目の入力欄が配置されている。登録者U2は、各種項目を入力することで、部材を登録することが出来る。
上述したように、サーバ1の重複判定部523は、項目のうち、所定の数の項目について所定条件を満たす場合、登録しようとしている部材が登録されていると判定し、部材の登録がすでにされている旨の通知をするなどして、禁止することが出来る。
【0044】
図6は、図4のサーバによりユーザ端末に提示されるユーザ画面の一例を示す図である。
図7は、図4のサーバによりユーザ端末に提示されるユーザ画面のうち、図6と異なる例を示す図である。
図8は、図4のサーバによりユーザ端末に提示されるユーザ画面のうち、図6及び図7と異なる例を示す図である。
【0045】
図6乃至図8の画面の中央には、エレベータが3Dモデルで示されている。ユーザは、3Dモデルのエレベータを各方向から閲覧することが出来る。
そして、図6乃至図8の画面の左側には、色・パーツ選択窓が配置されている。ユーザは、色・パーツ選択窓から各部材を選択することで、3Dモデルのエレベータに利用される部材を選択することが出来る。
図6乃至図8の例においては、選択された部材は太線で囲んで表示されている。
【0046】
図6乃至図8の画面の右上には、操作窓が配置されている。操作窓には、カゴタイプ、定員、階数、視点、モードの各項目が配置されている。
カゴタイプは、予め設定されたタイプ(一式)のエレベータの部材群である。ユーザは、カゴタイプを選択するとで、予めされた一式のエレベータの部材の組み合わせを切替て表示させることが出来る。
定員及び階数は、エレベータの定員及びエレベータ配置する建物の階数である。
これらの項目は、部材の大きさ、即ち、金銭的及び時間的コストの算出に用いられる。
【0047】
視点は、3Dモデルで示されるエレベータにおける視点を指定する項目である。
ユーザU1は、カゴの視点を選択することで、図6乃至図8に示すカゴ内部からの視点で、エレベータを表示させることが出来る。
また、ユーザU1は、乗場の視点を選択することで、図6乃至図8に示すカゴ全体を把握可能な視点で、エレベータを表示させることが出来る。
【0048】
モードの項目は、3Dモデルのエレベータの表示モードの項目である。結合のモードは、各部材を結合、即ち、組み立てた際の配置で3Dモデルのエレベータを表示させるモードである。また、分離のモードは、各部材を分離、即ち、分解した配置で3Dモデルのエレベータを表示させるモードである。
【0049】
図6乃至図8の画面の右下には、金額窓が配置されている。金額窓には、選択されている各部材が反映された金額が表示されている。
【0050】
図6に示す例において、ユーザU1が、Aのカゴタイプが選択された状態から、Bのカゴタイプを選択する操作を行ったとする。
この場合、ユーザ端末2に表示される画面は、図6の例の画面から、図7の例の画面に遷移する。
即ち、扉の部材と、操作パネルの部材とが太線で囲われて表示されている。これは、カゴタイプに紐づけられた扉と操作パネルの部材が選択されたことを示している。
これにより、3Dモデルのエレベータの扉と操作パネルも選択されたものが結合されて表示される。
【0051】
このとき、金額窓には、選択された部材と、その金額が反映されている。このように、ユーザは、選択した部材を反映した金額を容易に把握することが出来るのである。
【0052】
次に、ユーザU1が視点のモードのうち分離を選択したとする。
この場合、ユーザ端末2に表示される画面は、図7の例の画面から、図8の例の画面に遷移する。
図8の例においては、各部材が分離、即ち、分解した配置で3Dモデルのエレベータとして表示されている。
このモードを切り替えることにより、ユーザは、各部材別個にいずれの部材が選択されているか、また、各部材の見た目などを容易に把握することが可能となっている。
【0053】
また、図示はしないが、ユーザU1は、色・パーツ選択窓を操作することで、部材毎に任意の部材を選択して、組み合わせて3Dモデルのエレベータを表示させることが出来る。
そして、金額窓には、選択された部材と、その金額が反映されている。このように、ユーザは、選択した部材を反映した金額を容易に把握することが出来るのである。
【0054】
このように、本サービスは、ユーザU1及び登録者U2にとって、構造物の設計のためのシステムの利便性を向上させることができる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0056】
例えば、上述の実施形態では各部材のBIMデータを用いて、各部材が結合されたエレベータの3Dモデルが表示されたり、各部材が分離されて表示された。しかしながら、各部材のデータは、特にBIMデータに限定されず、他との結合及び他からの分離が夫々可能な3Dモデルであればよい。
ただし、各部材の工期や単価を積算してエレベータの工期や単価の見積もりを出すためには、BIMデータのように、各部材の工期や単価等のメタ情報を含み得る3Dモデルデータであると好適である。
【0057】
また、図2に示す情報処理システムの構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
例えば上述の実施形態では、1つのサーバ1が用いられているが、特にこれに限定されず、2つ以上のサーバに分散されてもよい。
【0058】
また、図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0059】
また、図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図4の例に限定されない。
【0060】
また、機能ブロックの存在場所も、図4に限定されず、任意でよい。例えばサーバ1側の機能ブロックの少なくとも一部を、図2に示すユーザ端末2-1乃至2-n又はその他の図示せぬ装置に設けてもよいし、その逆でもよい。
そして、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体との組み合わせで構成してもよい。
換言すると、上述の電子署名処理は、ユーザ端末2-SがWebブラウザを用いて通信をすることで主にサーバ1が実行する処理とされたが、専用のアプリケーションプログラムをユーザ端末2-Sにインストールして(機能ブロックの少なくとも一部をユーザ端末2-Sに移譲して)主にユーザ端末2-Sが実行する処理としてもよい。
【0061】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0062】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0063】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0064】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図4のサーバ1)は、
N種類の部材(例えば、3種類のエレベータのカゴやドア、操作パネルといった部材)から構成される所定構造物(例えば、エレベータ)のデータを処理する情報処理装置であって、
前記N種類の部材の夫々の3Dモデルデータに基づいて、前記所定構造物の3Dモデルを表示デバイス(例えば、図4のユーザ端末2)に表示させ、前記N種類のうち第1種類を指定する第1操作(例えば、任意のカゴを選択する操作)を受付けると、当該第1種類の部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行する表示制御手段(例えば、表示制御部511)と、
前記N種類のうち変更対象の第2種類について旧部材から新部材に変更する指示を示す第2操作(例えば、第1のカゴが選択された状態において第2のカゴを選択する操作)を受付ける変更指示受付手段(例えば、変更指示受付部512)と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第2操作が受け付けられると、前記第2種類の部材が前記旧部材から前記新部材に変更された前記所定構造物の3Dモデルを前記表示デバイスに表示させ、前記第1種類として前記第2種類を指定する前記第1操作が受け付けられると、前記新部材の3Dモデルを、前記所定構造物の3Dモデルから切り離して前記表示デバイスに表示させる制御を実行する、
ことができる。
【0065】
前記表示制御手段は、所定ネットワークで接続された第1別情報処理装置に設けられた前記表示デバイスにおいて、前記所定構造物の3Dモデルを、前記第1操作を受付けると前記第1種類の部材の3Dモデルを、所定のWebブラウザに夫々表示させる制御を実行する、
ことができる。
【0066】
前記3Dモデルデータは、メタ情報を含み得るデータであり、
前記N種類の部材毎に、単価及び工期を少なくとも含む属性情報を前記メタ情報として有する前記3Dモデルデータが所定のデータベースに保持されており、
前記表示制御手段の制御による表示対象となっている、前記所定構造物を構成する前記N種類の部材の夫々の工期又は単価を前記属性情報から認識して積算を行うことで、当該所定構造物の工期又は単価を算出する積算手段(例えば、積算部513)をさらに備え、
前記表示制御手段は、さらに、表示対象となっている前記所定構造物の前記工期若しくは前記単価、並びに、表示対象となっている当該所定構造物を構成する前記N種類の部材の夫々の前記工期若しくは前記単価を、前記表示デバイスに表示させる制御を実行する、
ことができる。
【0067】
前記N種類のうち所定種類の部材として登録を所望する部材を登録部材として、当該登録部材を登録するための操作であって、前記属性情報の入力を含む操作を、第3操作として受付けるGUIを、前記所定ネットワークで接続された第2別情報処理装置に提供するGUI提供手段(例えば、GUI提供部521)と、
前記GUIにより前記第3操作が受け付けられた場合、入力された前記属性情報を含む、前記登録部材の3Dモデルデータを前記データベースに登録する登録手段(例えば、登録部522)と、
をさらに備えることができる。
【0068】
前記登録手段は、所定の重複ルールに従って、前記登録部材が前記データベースに既に登録されているか否かを判定し、既に登録されていると判定した場合、当該登録部材の登録を禁止する重複判定手段(例えば、重複判定部523)
をさらに備えることができる。
【0069】
前記所定の重複ルールは、前記N種類のうち同一種類の素材について登録済みの既登録素材が存在する場合について、同一か否かを判断するための選定基準を含む、
ことができる。
【0070】
与えられた所定条件を満たす前記所定構造物となるように、前記N種類の素材の夫々として適切なものを選択して推薦する推薦手段(例えば、推薦部514)
をさらに備えることができる。
【符号の説明】
【0071】
1・・・サーバ、2・・・ユーザ端末、3・・・登録者端末、11・・・CPU、18・・・記憶部、51・・・ユーザ側制御部、52・・・登録者側制御部、80・・・データストア、511・・・表示制御部、512・・・変更指示受付部、513・・・積算部、514・・・推薦部、521・・・提供部、522・・・登録部、523・・・重複判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8