(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111533
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240809BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016100
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 亘児
(72)【発明者】
【氏名】宮内 楽斗
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB65
5L055BB65
(57)【要約】 (修正有)
【課題】給与明細データの各項目を選択することで、当該項目の金額等の根拠となるデータを表示させるプログラム、情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】給与計算業務システムによるワークフロー処理は、従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得し、給与計算根拠データに基づいて、従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成し、ユーザから給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れて、給与明細データを示す第1の表示データをユーザに提示させ、給与明細データの表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第2の表示データを生成して各表示項目に紐づけ、給与明細データの表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れて、当該表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データを、提示している給与明細データを示す第1の表示データと並列に提示させる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記給与計算根拠データに基づいて、前記従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップと、
前記事業者であるユーザから前記給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、前記第2ステップで生成した前記給与明細データを示す第1の表示データを前記ユーザに提示する第3ステップと、
前記第3ステップにおいて前記ユーザに提示している前記給与明細データにおける、それぞれの前記表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの前記表示項目に紐づける第4ステップと、
前記ユーザから、このユーザに提示している前記給与明細データにおける前記表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す第3の表示データを、提示している前記給与明細データを示す前記第1の表示データと並列に提示する第5ステップと
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記第5ステップにおいて、前記第2の操作入力により前記ユーザが前記給与明細データから選択した前記表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す前記第3の表示データと、前記給与明細データを示す前記第1の表示データとを、重畳させないように提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第5ステップにおいて、前記第3の表示データを、前記給与明細データを示す前記第1の表示データの提示状態におけるいずれかの端からスライドさせて提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第5ステップにおいて、前記第3の表示データを、前記給与明細データを示す前記第1の表示データを提示するための表示ウィンドウ上に、別ウィンドウとして提示する
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第5ステップにおいて、前記第3の表示データを、前記給与明細データを示す前記第1の表示データを提示するための表示ウィンドウに重畳し、かつ、この前記第1の表示データにおいて前記第2の操作入力により選択された前記表示項目に重畳しないように、ポップアップ画面として提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第5ステップにおいて、前記第1の表示データの表示状態を移動させて、前記第1の表示データにおいて前記第2の操作入力により選択された前記表示項目と前記第3の表示データとを重畳させないように提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第5ステップにおいて、前記第1の表示データを提示するときに、前記第1の表示データにおいて前記第2の操作入力により選択された前記表示項目を、前記第2の操作入力により選択されていない前記表示項目の提示態様と異なる提示態様で提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記メモリには、前記第2ステップにおいて過去に生成された前記給与明細データが格納されており、
前記第5ステップにおいて、当期の前記給与明細データを示す前記第1の表示データと、前期の前記給与明細データを示す前記第1の表示データとを比較可能に提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記メモリには、前記第2ステップにおいて過去に生成された前記給与明細データが格納されており、
前記第5ステップにおいて、当期の前記給与明細データと前期の前記給与明細データとを比較し、金額が異なる前記表示項目をそれ以外の前記表示項目と表示態様を異ならせて提示する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第5ステップにおいて、金額が異なる前記表示項目が前記第2の操作入力により選択されたら、当該表示項目に対応する当期及び前期の前記給与計算根拠データを示す前記第3の表示データを提示する
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記給与計算根拠データに基づいて、前記従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップと、
前記事業者であるユーザから前記給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、前記第2ステップで生成した前記給与明細データを示す第1の表示データを前記ユーザに提示する第3ステップと、
前記第3ステップにおいて前記ユーザに提示している前記給与明細データにおける、それぞれの前記表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの前記表示項目に紐づける第4ステップと、
前記ユーザから、このユーザに提示している前記給与明細データにおける前記表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す第3の表示データを、提示している前記給与明細データを示す前記第1の表示データと並列に提示する第5ステップと
を実行する、情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記給与計算根拠データに基づいて、前記従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップと、
前記事業者であるユーザから前記給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、前記第2ステップで生成した前記給与明細データを示す第1の表示データを前記ユーザに提示する第3ステップと、
前記第3ステップにおいて前記ユーザに提示している前記給与明細データにおける、それぞれの前記表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの前記表示項目に紐づける第4ステップと、
前記ユーザから、このユーザに提示している前記給与明細データにおける前記表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す第3の表示データを、提示している前記給与明細データを示す前記第1の表示データと並列に提示する第5ステップと
を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従業員の打刻(データの取得)から給与計算まで、一気通貫で管理する人事労務サービスは、すでに提供されている。
【0003】
また、給与計算業務システムにおいて、従業者の給与計算に必要な各種データが登録されていること、登録されている各種データに基づき、従業者の給与計算を行うこと、給与計算結果に基づき、給与明細データ(表示データ)を生成し、表示すること、サブウィンドウに各項目の計算式を表示させ、入力を受け付けること、について特許文献1に開示された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
事業者における従業者の給与計算は、所定の期間内に行う必要があり、かつ正確性が求められるため、人事労務担当者の負担になっている。
【0006】
上記のように、従業者の勤務データ等から給与を自動計算するサービスは各種提供されているが、その計算結果にズレがある(おそれがある)場合、そのズレを検知して確認する必要がある。しかしながら、その根拠となるデータを遡って確認するのは容易ではなく、場合によっては当該従業者のみのミスだけではない可能性もあるため、早急に確認できるようにするのが望ましい。
【0007】
本開示の目的は、給与明細データの各項目を選択することで、当該項目の金額等の根拠となるデータを表示させるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態によると、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップと、第1ステップで取得した給与計算根拠データに基づいて、従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップと、事業者であるユーザから給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、第2ステップで生成した給与明細データを示す第1の表示データをユーザに提示する第3ステップと、第3ステップにおいてユーザに提示している給与明細データにおける、それぞれの表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの表示項目に紐づける第4ステップと、ユーザから、このユーザに提示している給与明細データにおける表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データを、提示している給与明細データを示す第1の表示データと並列に提示する第5ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、給与明細データの各項目を選択することで、当該項目の金額等の根拠となるデータを表示させるシステムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1の給与計算業務システム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1の給与計算業務システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1の給与計算業務システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1の給与計算業務システム1を構成するサーバ20が記憶する、従業員データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】実施の形態1の給与計算業務システム1を構成するサーバ20が記憶する、給与データベース2023のデータ構造の例を示す図である。
【
図6】実施の形態1の給与計算業務システム1を構成するサーバ20が記憶する、勤怠データベース2024のデータ構造の例を示す図である。
【
図7】実施の形態1の給与計算業務システム1を構成するサーバ20が記憶する、給与支払履歴データベース2025のデータ構造の例を示す図である。
【
図8】実施の形態1の給与計算業務システム1によるワークフロー処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1の給与計算業務システム1によるワークフロー処理を行う流れの他の例を示すフローチャートである。
【
図10】端末装置10に表示する画面例を示す図である。
【
図11】端末装置10に表示する画面例を示す図である。
【
図12】端末装置10に表示する画面例を示す図である。
【
図13】端末装置10に表示する画面例を示す図である。
【
図14】端末装置10に表示する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0012】
なお、実施例を説明する図において、同一の機能を有する箇所には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0014】
以下の説明では、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0015】
また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
【0016】
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0017】
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGAやASIC)を含んでいてもよい。
【0018】
また、以下の説明において、「プロセッサ(部)」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
【0019】
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0020】
また、以下の説明において、「メモリ部」は、1以上のメモリであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリ部における少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリであってもよいし不揮発性メモリであってもよい。
【0021】
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0022】
本開示において、記憶デバイスは、1台のHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の1台のストレージドライブ、複数台のストレージドライブを含むRAID装置、及び複数のRAID装置を含む。また、ドライブがHDDである場合には、例えば、SAS(Serial Attached SCSI) HDDを含んでもよく、NL-SAS(ニアラインSAS) HDDを含んでもよい。
【0023】
また、以下の説明において、種々の対象の識別情報として、識別番号が使用されるが、識別番号以外の種類の識別情報(例えば、英字や符号を含んだ識別子)が採用されてもよい。
【0024】
また、以下の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
【0025】
また、以下の説明において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【0026】
<0 システムの概要>
以下、本開示に係る給与計算業務システムについて説明する。
【0027】
本開示に係る給与計算業務システムは、限定ではなく例として、事業者であるユーザである企業や個人事業主に対して、雇用している従業者に対する給与計算処理のサービスを提供するためのシステムである。企業や個人事業主で行われる給与計算処理とは、従業者の基本給や各種手当、社会保険料等の控除額、所得税等の源泉徴収額と、当該従業者の勤怠情報とに基づいて給与計算を行う処理のことである。
【0028】
また、このようなシステムでは、給与計算の結果に基づいて、従業者の金融機関口座へ振込を行うために金融機関サーバへ送信する支払データを生成して出力する処理、給与に付随する社会保険料や各種税金(所得税、住民税)を計上、支払をするための各種データ(付随支払データ)を生成する処理が行われ、企業や個人事業主による支払データの出力まで行う場合もある。金融機関サーバへ送信する支払データは、所定のフォーマット、例えば全銀協フォーマット(全国銀行協会連合会がデータ伝送を行うために定めたフォーマット)の形式で生成される。また、本開示に係る給与計算業務システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムであり、事業者であるユーザが所定の認証によりアクセス可能に構成されている。このような給与計算業務システムは、事業者における各種労務管理についての処理を行うための人事労務サービスとして提供されてもよい。
【0029】
このような給与計算業務システムにおいて、給与計算処理を行う基礎となるデータは、年度単位で変更の可能性がある従業者の基本給や各種手当、社会保険料等の控除額、所得税等の源泉徴収額と、月単位で変更の可能性がある従業者の勤怠情報とがある。特に、従業員の勤怠情報は当然のことながら当該従業員の勤怠実績に基づくものであり、月単位で大きく変動する可能性がある。従って、給与計算処理の結果である給与計算(額)は月単位で変動しうるものであり、前月の給与計算(額)と比較した場合でも変動する。
【0030】
しかしながら、事業者であるユーザは、従業員単位及び月単位における給与計算額が変動していることは承知しているとは言え、変動の根拠まで遡って変動の理由を把握し、変動の理由に根拠があること、そして、変動の理由の結果として給与計算額の変動に根拠があることを把握しなければならない。大抵の場合、変動の理由は従業者の勤怠承認申請のミスであるが、人事労務担当者側のミスである可能性もあるので、早急に確認できることが望ましい。
【0031】
このような確認作業は所定の期間内に行う必要があり、かつ、正確性が求められる作業であるため、事業者であるユーザ、特に事業者の人事労務担当者の負担になっている。
【0032】
そのため、本開示に係る給与計算業務システムでは、まず、事業者の従業者毎に、それぞれの従業者の給与計算処理に必要な給与計算根拠データを取得し、この給与計算根拠データに基づいて従業者毎の給与計算を行い、給与明細データを生成する。この給与明細データは、好ましくは複数の表示項目を有する。表示項目の具体例は後述するが、いわゆる給与明細として従業者にも開示される項目であり、基本給、残業手当、各種手当、社会保険料等の控除額、所得税等の源泉徴収額などが挙げられる。また、残業手当等については、この手当算出の根拠となる勤怠情報、残業時間なども表示項目として挙げられる。
【0033】
そして、ユーザの人事労務担当者等からの指示に基づいて、本開示に係る給与計算業務システムは生成した給与明細データを、指示があった人事労務担当者等が操作する端末装置に表示させるための表示データ(第1の表示データ)を、この端末装置に送信する。
【0034】
次いで、本開示に係る給与計算業務システムは、ユーザの人事労務担当者等に表示させている給与明細データについて、それぞれの表示項目に対応する給与計算根拠データを示す表示データ(第2の表示データ)を、この給与計算根拠データに基づいて生成し、この表示データを表示項目に紐付けておく。この紐付け作業は、後述する、ユーザの人事労務担当者等による、表示項目の選択指示に基づいて、この表示項目に対応する給与計算根拠データの提示処理の準備作業である。
【0035】
そして、本開示に係る給与計算業務システムは、ユーザの人事労務担当者等から具体的な表示項目の選択指示があると、選択指示があった表示項目に対応する給与計算根拠データを示す表示データ(第3の表示データ)を、人事労務担当者等が捜査する端末装置において、給与明細データを表示している表示データと並列に表示させるように、この端末装置に送信する。
【0036】
以下、「提示する」とは、一例としてユーザ(特に事業者であるユーザ)が操作する端末装置(特に、ユーザの人事労務担当者等が操作する端末装置)の表示装置の画面に表示することを指すが、例えば、端末装置において音声読み上げ機能を用いて音声により提示するなど、その提示態様に特段の限定はない。
【0037】
また、「操作入力」とは、一例として、ユーザが操作する端末装置における入力手段を用いて行う操作全般による入力を意味しており、端的には、ユーザがマウス、キーボード、タッチパネル等を操作することによる入力を指す。しかし、音声入力による入力等、その操作入力の態様に特段の限定はない。
【0038】
さらに、「表示データ」は、端的には、端末装置の表示装置の画面に特定の表示画面を表示させるためのデータであり、端末装置(の表示装置)が内容を解釈して表示画面を生成しうるデータを指す。しかしながら、音声出力による提示等の場合は、音声再生可能なデータを意味することもあり、ユーザに対して提示可能なデータであれば特段の限定はない。
【0039】
<実施の形態1>
以下、給与計算業務システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0040】
<1 給与計算業務システム1の全体構成>
図1は、給与計算業務システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、給与計算業務システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20と、金融機関サーバ30とを含む。端末装置10とサーバ20と金融機関サーバ30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)としての機能を有するサーバであり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0041】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して給与計算業務システム1の機能である、事業者が雇用している従業者に対する給与計算処理を行う者であり、例えば企業の管理部門や人事労務等の担当者、または個人事業主等をいう。加えて、ユーザには、事業者に雇用されている、すなわち、給与計算業務システム1により給与計算処理がされる対象の従業者であってもよい。また、「ユーザ」と称した場合、実体が法人等の組織全体を指すこともあり、また、企業等に属する特定の個人、グループ、組織等を指すこともある。さらに、本開示に係る給与計算業務システムを利用するユーザは、法人や個人事業主等、その主体に特段の限定はない。
【0042】
端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0043】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0044】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0045】
サーバ20は、従業者の給与情報及び勤怠情報を管理する装置である。サーバ20は、事業者であるユーザから給与計算を行う操作指示を受け付け、給与計算処理を行う。サーバ20は、給与計算処理の結果に基づき、給与支払データを生成し、給与支払に伴う付随支払データを生成し、給与等の各種支払を行うために支払データを金融機関サーバ30へ送信する。また、サーバ20は、ユーザからの指示に基づいて、給与明細データ、給与計算根拠データ等を端末装置10の出力装置14であるディスプレイ等に表示させるための表示データを生成し、この表示データを端末装置10へ送信して表示させる。
【0046】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0047】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0048】
金融機関サーバ30は、銀行等の金融機関により提供されるサーバ装置であり、事業者が使用している金融機関口座(例えば、当座預金口座)として給与計算業務システム1に登録している、金融機関口座の各種データを管理する。金融機関サーバ30は、例えば所定のAPI等を介して、給与支払データ及び付随支払データを受け付けると、所定の認証が行われ、正当なデータである場合に該当するユーザの金融機関口座から各従業者への給与の振込、及び付随支払データに係る支払の振込(例えば、従業者の居住地自治体への住民税の支払の振込)を行う。金融機関サーバ30は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
【0049】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の給与計算業務システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカ172と、ディスプレイ150と、記憶部170と、制御部180とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0050】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0051】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0052】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0053】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0054】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部180へ出力する。
【0055】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部180へ出力する。
【0056】
音声処理部17は、音声信号の変復調を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部180へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0057】
ディスプレイ150は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0058】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170は、ユーザ情報1701を記憶する。
【0059】
ユーザ情報1701は、端末装置10を使用して給与計算業務システム1の機能である事業者における従業者の給与計算処理を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの名称、ユーザが所属している企業等の組織情報等が含まれる。
【0060】
制御部180は、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部180は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部1801と、送受信部1802と、データ処理部1803と、通知制御部1804としての機能を発揮する。
【0061】
入力操作受付部1801は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0062】
送受信部1802は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0063】
データ処理部1803は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0064】
通知制御部1804は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部1804は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0065】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1の給与計算業務システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0066】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0067】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26から構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、従業員データベース(DB:Database)2022と、給与DB2023と、勤怠DB2024と、給与支払履歴DB2025等を記憶する。
【0068】
従業員DB2022は、給与計算業務システム1における管理対象である、事業者における従業者に関する情報、具体的には基本給ランクや各種手当の区分の情報等を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0069】
給与DB2023は、給与計算業務システム1における管理対象である、事業者における従業者の給与に関する情報、具体的には基本給や各種手当の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0070】
勤怠DB2024は、給与計算業務システム1における管理対象である、事業者における従業者の給与計算のもとになる勤怠の情報、具体的には出退勤や休暇の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0071】
給与支払履歴DB2025は、給与計算業務システム1における管理対象である、事業者における従業者の給与の支払履歴に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0072】
制御部203は、サーバ20のプロセッサが、記憶部202に格納されているアプリケーションプログラム2021に従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、給与根拠データ取得モジュール2033、給与計算モジュール2034、給与支払データ生成モジュール2035、及び給与根拠データ提示モジュール2036に示す機能を発揮する。
【0073】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0074】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0075】
給与根拠データ取得モジュール2033は、給与計算モジュール2034が行う給与計算処理の元となる、給与計算根拠データを取得する。具体的には、例えば、給与根拠データ取得モジュール2033は、給与計算根拠データとして、従業員DB2022に格納されている従業員ごとの基本給ランクや各種手当の区分の情報、給与DB2023に格納されている従業者ごとの基本給や各種手当の情報、及び勤怠DB2024に格納されている従業者ごとの勤怠の情報を取得する。なお、給与計算根拠データとして例示した上述した情報は単なる例示であり、給与計算根拠データがこれら情報に限定される趣旨ではない。給与根拠データ取得モジュール2033による給与計算根拠データの取得タイミングは任意であるが、後述する給与計算モジュール2034による給与計算処理に先立って、この給与計算処理に必要となる給与計算根拠データを取得することが望ましい。また、給与根拠データ取得モジュール2033が取得する給与計算根拠データは、ユーザである事業者に所属する(雇用されている)従業者全てについての給与計算根拠データである必要はない。言い換えれば、給与計算モジュール2034が行う給与計算処理に必要な給与計算根拠データを給与根拠データ取得モジュール2033が取得すればよい。
【0076】
給与計算モジュール2034は、給与計算業務システム1を使用するユーザである事業者が雇用する、従業者の所定期間(例えば、1ケ月)における給与計算を行う処理を制御する。給与計算モジュール2034は、例えば、給与根拠データ取得モジュール2033が取得した給与計算根拠データに基づいて給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する。ただし、従業者の給与形態によって給与計算の方法は異なってもよく、例えば、裁量労働制の従業者の場合は勤怠の情報は参照しなくてもよい。なお、給与計算モジュール2034は、従業者の給与だけではなく、賞与のような給与以外の報酬(定期的なものでも、臨時のものでもよい)の計算を行ってもよい。また、給与計算モジュール2034は、計算結果を一時的な記憶として記憶部202に格納してもよく、給与支払履歴DB2025に(未処理の給与支払情報として)格納してもよい。
【0077】
給与計算モジュール2034は、例えば、基本給の金額、役職手当や資格手当等の各種手当の金額、従業者ごとの勤怠の情報から算出される時間外手当の金額を加算して、支給総額を算出する。次に、給与計算モジュール2034は、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、及び雇用保険を加算した社会保険料の金額、給与総額から社会保険料の金額を差し引いた金額から算出される所得税の金額、あらかじめを算出された住民税の金額、及びその他控除額を加算して、控除総額を算出する。さらに、給与計算モジュール2034は、支給総額から控除総額を差し引き、給与支給額(いわゆる手取り給与額)を算出する。
【0078】
給与計算モジュール2034が生成する給与明細データは、給与支給額算出の根拠である給与計算根拠データ、給与計算処理を行う際に用いた各種金額である基本給の金額等を含む。これらデータそれぞれが給与明細データの表示項目である。給与明細データは、好ましくは給与計算モジュール2034による給与計算処理に用いた全てのデータであるが、事業者の人事労務担当者等、本開示に係る給与計算業務システム1の利用者が、後述する給与計算根拠データとして参照する必要がないデータについて、給与明細データに含めない構成も可能である。給与明細データの各々の表示項目には、この表示項目を特定することが可能な表示項目名称が紐付けられている。一例として、基本給の金額については「基本給」という表示項目名称が紐付けられている。
【0079】
給与計算モジュール2034は、例えば、ユーザの操作により端末装置10に給与計算を行うための操作画面が表示された状態で、ユーザが端末装置10の操作画面を操作して給与計算を指示することに応答して、給与計算を行い、端末装置10に表示させる。また、給与計算モジュール2034は、ユーザが端末装置10の操作画面を操作して給与明細データの表示を指示する(第1の)操作入力を行ったことに応答して、給与明細データを示す第1の表示データを生成し、この第1の表示データを端末装置10に送出することで、端末装置10の表示画面に給与明細データを表示させる。
【0080】
給与支払データ生成モジュール2035は、給与計算モジュール2034による給与支払額が確定した後、ユーザが端末装置10を操作して給与支払データの生成を指示することに応答して、従業者への給与支払データを生成し、金融機関サーバ30へ送信する処理を制御する。給与支払データ生成モジュール2035が生成する給与支払データは、金融機関サーバ30が受け付ける所定のフォーマット、例えば全銀協フォーマットの形式であり、ユーザである事業者の金融機関口座(例えば、当座預金口座)から、従業者の金融機関口座(例えば、普通預金口座)へ給与の振込を指示するための支払データである。なお、給与支払データ生成モジュール2035は、従業者の給与だけではなく、賞与のような給与以外の報酬(定期的なものでも、臨時のものでもよい)についても同様の支払データを生成し、送信してもよい。
【0081】
給与支払データ生成モジュール2035は、例えば、給与支払データの生成後、金融機関サーバ30へアクセスし、ユーザが使用している金融機関が提供しているAPI等を介して給与支払データを送信する。この送信により、金融機関サーバ30にて所定の認証が行われ、正当な送信データである場合に従業者への給与の振込処理を行う。給与支払データ生成モジュール2035は、給与支払データを送信する処理を、ユーザの操作により即時処理として行ってもよく、特定のタイミングでバッチ処理として行ってもよい。
【0082】
給与根拠データ提示モジュール2036は、給与計算モジュール2034がユーザの端末装置10に表示させている第1の表示データに係る給与明細データにおいて、この給与明細データを構成する表示項目に対応する給与計算根拠データを特定し、この給与計算根拠データをユーザの端末装置10に表示するための第2の表示データを生成し、この第2の表示データを各々の表示項目に紐付ける。この第2の表示データは、後述する、ユーザの人事労務担当者等からの(第2の)操作入力により、給与明細データを構成する表示項目のいずれかが選択されたことに基づいて、この表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データをユーザの端末装置10に送出するための準備作業である。
【0083】
そして、給与根拠データ提示モジュール2036は、ユーザの第1の操作入力に基づいてユーザの端末装置10に給与明細データを示す第1の表示データを送出し、この第1の表示データに基づいて端末装置10に給与明細データが表示されている状態で、ユーザが端末装置10の操作画面を操作して、端末装置10に表示されている給与明細データにおける表示項目のいずれかを選択する(第2の)操作入力を行ったことに応答して、(第2の)操作入力により選択された表示項目給与計算根拠データを示す第3の表示データを生成し、この第3の表示データに基づく給与計算根拠データが、ユーザの端末装置10において、(第1の表示データに基づく)給与明細データと並列に表示されるように、この端末装置10に送出する。
【0084】
給与根拠データ提示モジュール2036による、給与計算根拠データと給与明細データとの並列表示の態様は、これら給与計算根拠データと給与明細データとが並列に、つまり、ユーザの端末装置10において比較対照可能に表示されていれば、その具体的な表示態様に限定はない。ユーザは、特定の従業員の給与明細データを閲覧し、この給与明細データにおいて特定の表示項目(例えば「基本給」)について、その根拠となる給与計算根拠データを(第2の操作入力により)指定して閲覧し、給与明細データにおいて計算結果にズレが生じているか否かを容易に確認したいという要望がある。そして、計算結果に仮にズレがある(あるいはズレが生じているおそれがある)場合、そのズレを迅速に確認したいという要望がある。給与根拠データ提示モジュール2036により、給与計算根拠データと給与明細データと並列に表示させるのは、かかるユーザのニーズを満たすためのものである。従って、ユーザが上述したズレが生じているか否かを簡易にかつ迅速に確認しうる表示態様であれば、その表示態様に特段の制限はない。
【0085】
以下、表示態様の具体例について例示するが、以下の例示は給与根拠データ提示モジュール2036による表示態様に対する制限を課すものではない。
【0086】
一例として、給与根拠データ提示モジュール2036は、第2の操作入力によりユーザが給与明細データから選択した表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データと、給与明細データを示す第1の表示データとを、ユーザの端末装置10の表示画面において重畳させないように表示させてもよい。あるいは、給与根拠データ提示モジュール2036は、第1の表示データと第3の表示データとがユーザの端末装置10の表示画面において一部重畳するように表示させてもよいが、この場合、ユーザが選択した表示項目についての給与明細データと選択された給与計算根拠データとが重畳されないように、つまり、ユーザがいずれも視認可能な状態であるように表示させることが好ましい。この条件が満たされるならば、第1の表示データと第3の表示データとがユーザの端末装置10の表示画面において一部重畳するように表示させてもよい。特に、給与根拠データ提示モジュール2036は、第1の表示データと第3の表示データとのいずれかの透過率を調整して透過表示させてもよい。
【0087】
また、一例として、給与根拠データ提示モジュール2036は、第3の表示データを、給与明細データを示す第1の表示データの表示状態におけるいずれかの端からスライドさせてユーザの端末装置10の表示画面に表示させてもよい。例えば、給与明細データがユーザの端末装置10の表示画面の全面に表示されている状態で、ユーザからの第2の操作入力があったことに基づいて、この第2の操作入力に基づいて選択された表示項目に係る給与計算根拠データが、端末装置10の表示画面の右横、左横からスライドされて表示させてもよい。
【0088】
このとき、一例として、給与根拠データ提示モジュール2036は、第3の表示データを、給与明細データを示す第1の表示データを表示するための表示ウィンドウ上に、別ウィンドウとして表示させてもよい。
【0089】
また、一例として、給与根拠データ提示モジュール2036は、第3の表示データを、給与明細データを示す第1の表示データを提示するための表示ウィンドウに重畳し、かつ、この第1の表示データにおいて第2の操作入力により選択された表示項目に重畳しないように、ポップアップ画面として表示させてもよい。
【0090】
また、一例として、給与根拠データ提示モジュール2036は、ユーザの端末装置10の表示画面上における第1の表示データの表示状態を移動させて、第1の表示データにおいて第2の操作入力により選択された表示項目と第3の表示データとが重畳しないように表示させてもよい。ここに、表示状態を移動させるとは、ユーザの端末装置10の表示画面上において、第1の表示データに基づく給与明細データの表示を、表示画面上で上下左右に移動させることを含む。このように表示状態を移動させて、第1の表示データにおいて第2の操作入力により選択された表示項目と第3の表示データとが重畳しないように表示することができる。
【0091】
ユーザの端末装置10の表示画面において、第1の表示データにおいて第2の操作入力により選択された表示項目と第3の表示データとが重畳しないように表示するのは、給与計算根拠データを参照してミスがあるかどうかを確認するユーザが、第2の操作入力によりユーザが選択した表示項目と給与計算根拠データとを同時に視認可能な状態であるようにするためである。
【0092】
また、一例として、給与根拠データ提示モジュール2036は、第1の表示データを提示するときに、第1の表示データにおいて第2の操作入力により選択された表示項目を、第2の操作入力により選択されていない表示項目の提示態様と異なる表示態様でユーザの端末装置10の表示画面上に表示させてもよい。つまり、給与明細データを表示する際には複数の表示項目が表示されているので、ユーザが第2の操作入力により選択した表示項目を、他の表示項目(つまり第2の操作入力により選択されていない表示項目)と区別可能に表示させてもよい。
【0093】
異なる表示態様の具体例に特段の限定はない。一例として、表示項目を太字(ボールド)で表示する、表示項目の表示色を変える、表示項目の背景色を変える、などが挙げられる。また、点滅表示等も可能である。
【0094】
また、一例として、サーバ20の記憶部202に格納されている給与支払履歴DB2025に、給与計算モジュール2034が直近に給与計算処理を行った結果としての(当期の)給与明細データのみならず、以前に給与計算モジュール2034が給与計算結果を行った結果としての(前期の)給与明細データが格納されている場合、給与根拠データ提示モジュール2036は、当期の給与明細データを示す第1の表示データと、前期の給与明細データを示す第1の表示データとを比較可能にユーザの端末装置10の表示画面上に表示させてもよい。
【0095】
あるいは、給与根拠データ提示モジュール2036は、当期の給与明細データと前期の給与明細データとを比較し、金額が異なる表示項目をそれ以外の表示項目と表示態様を異ならせてユーザの端末装置10の表示画面上に表示させてもよい。さらに、給与根拠データ提示モジュール2036は、金額が異なる表示項目が第2の操作入力により選択されたら、当該表示項目に対応する当期及び前期の給与計算根拠データを示す第3の表示データをユーザの端末装置10の表示画面上に表示させてもよい。
【0096】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶する従業員DB2022のデータ構造の例を示す図である。また、
図5は、サーバ20が記憶する給与DB2023のデータ構造の例を示す図である。さらに、
図6は、サーバ20が記憶する勤怠DB2024のデータ構造の例を示す図である。そして、
図7は、サーバ20が記憶する給与支払履歴DB2025のデータ構造の例を示す図である。
【0097】
図4に示すように、従業員DB2022のレコードのそれぞれは、項目「従業者ID」と、項目「従業者名」と、項目「役職ランク」と、項目「詳細情報」等を含む。
【0098】
項目「従業者ID」は、給与計算業務システム1にて管理する対象である、事業者が給与を支払う従業者それぞれを識別する情報である。
【0099】
項目「従業者名」は、給与計算業務システム1にて管理する対象である、事業者が給与を支払う従業者の氏名である。
【0100】
項目「役職ランク」は、給与計算業務システム1にて管理する対象である、事業者が給与を支払う従業者の事業者内における役職等を示す情報である。この情報は、例えば、当該従業者の基本給を決定するために用いられる。
【0101】
項目「詳細情報」は、給与計算業務システム1にて管理する従業者ごとの情報であり、具体的には、項目「条件項目」と、項目「等級」等を含む。この項目「詳細情報」は、従業者の給与計算に必要な情報、すなわち従業者の給与を決定するための条件の情報が格納される情報であり、例えば、従業者ごとに給与に反映される手当のランク等が異なるように条件は異なるため、必要な条件の情報がレコードとして設定されるように構成されている。
【0102】
項目「詳細情報」に格納される情報は、項目「条件項目」が「基本給ランク」、「資格手当」、「住宅手当」のように、事業者内で決定される項目や、「所得税納税区分」のように、従業者の居住地自治体から通知される項目等がある。
【0103】
項目「条件項目」は、項目「従業者名」の従業者の給与を決定するための条件を示す項目の情報であり、例えば「基本給ランク」、「資格手当」等の項目名が格納されている。
【0104】
項目「等級」は、項目「条件項目」に対応するランク等を示す情報である。
【0105】
なお、
図4に示す項目「詳細情報」には、図示したもの以外の条件項目、等級に関する情報が格納されてもよい。
【0106】
サーバ20は、従業者が入社/退職することに伴って、従業員DB2022にレコードを追加/削除する。また、サーバ20は、当該従業者の昇給や降給、給与形態の変更等に伴って、従業員DB2022の項目「詳細情報」を更新する。
【0107】
図5に示すように、給与DB2023のレコードのそれぞれは、項目「従業者ID」と、項目「従業者名」と、項目「役職ランク」と、項目「給与詳細情報」等を含む。このうち、項目「従業者ID」、項目「従業者名」、及び項目「役職ランク」については、従業員DB2022の対応する項目と同様の内容であるので、その説明を省略する。
【0108】
項目「給与詳細情報」は、給与計算業務システム1にて管理する従業者ごとの給与情報であり、具体的には、項目「条件項目」と、項目「金額」等を含む。この項目「給与詳細情報」は、従業者の給与計算に必要な情報、すなわち従業者の給与を決定するための条件の情報が格納される情報であり、例えば、従業者ごとに給与に反映される手当が異なる(例として、役職手当が付与されるのは役職者のみ)ように条件は異なるため、必要な条件の情報がレコードとして設定されるように構成されている。
【0109】
項目「給与詳細情報」に格納される情報は、項目「条件項目」が「基本給」、「役職手当」、「残業手当(/h)」のように、事業者内で決定される項目や、「住民税」のように、従業者の居住地自治体から通知される項目、図示は省略するが標準報酬月額のように過去の給与支払額等から決定される項目等がある。
【0110】
項目「条件項目」は、項目「従業者名」の従業者の給与を決定するための条件を示す項目の情報であり、例えば「基本給」、「役職手当」等の項目名が格納されている。
【0111】
項目「金額」は、項目「条件項目」に対応する金額を示す情報である。
図5に示すように、「基本給」のように1ケ月分の金額が格納される場合や、「残業手当(/h)」のように1時間当たりの単価が格納される場合がある。
【0112】
なお、図示は省略するが、給与DB2023の項目「給与詳細情報」には、標準報酬月額の区分及び金額の情報、標準報酬月額から算出される社会保険料の情報、労働保険の年度更新を行うための情報が格納されてもよい。
【0113】
サーバ20は、従業者が入社/退職することに伴って、給与DB2023にレコードを追加/削除する。また、サーバ20は、当該従業者の昇給や降給、給与形態の変更等に伴って、給与DB2023の項目「給与詳細情報」を更新する。
【0114】
図6に示すように、勤怠DB2024のレコードのそれぞれは、項目「従業者ID」と、項目「勤怠管理有無」と、項目「勤怠詳細情報」等を含む。
【0115】
項目「従業者ID」は、給与計算業務システム1にて管理する対象である、事業者が給与を支払う従業者それぞれを識別する情報であり、従業員DB2022の項目「従業者ID」に対応している。
【0116】
項目「勤怠管理有無」は、給与計算業務システム1にて管理する対象である、事業者が給与を支払う従業者が勤怠管理の対象であるか否かを示す情報であり、例えば、勤怠管理の対象である場合は「有」、対象外である場合は「無」が格納される。勤怠管理の対象であるか否かは、労働基準法等の規定により従業者は勤怠管理の対象になるが、非常勤の場合等勤怠管理の対象外となる場合や、裁量労働制の場合のように給与計算には反映されないが法規制により勤怠管理を行っている場合等があり、必要に応じて勤怠管理を行うか否かを判断している。項目「勤怠管理有無」が「無」の場合は、後述する項目「勤怠詳細情報」は格納されない。
【0117】
項目「勤怠詳細情報」は、給与計算業務システム1にて管理する従業者ごとの勤怠情報であり、具体的には、項目「日付」と、項目「出勤時刻」と、項目「退勤時刻」と、項目「備考」等を含む。この項目「勤怠詳細情報」は、日付ごとの従業者の勤怠情報であり、例えば、項目「日付」ごとに、当該項目の順に日付順に格納されている。
【0118】
項目「日付」は、勤怠情報の日付の情報である。
【0119】
項目「出勤時刻」は、項目「日付」の日に当該従業者が出勤した時刻として記録された情報である。
【0120】
項目「退勤時刻」は、項目「日付」の日に当該従業者が退勤した時刻として記録された情報である。
【0121】
項目「出勤時刻」及び項目「退勤時刻」は、例えば、従業者が出退勤したことを記録する装置(いわゆるタイムカード等の打刻装置)から取得した情報、携帯端末等から送信された情報、従業者自身により記録された情報等が格納されるである。
【0122】
項目「備考」は、項目「勤怠詳細情報」の情報として補足すべき情報であり、例えば休暇取得の情報や、休日出勤、その代休等の情報が格納される。
【0123】
なお、図示は省略するが、勤怠DB2024には、従業者ごとに付与されている有給休暇の残日数を示す情報等が格納されてもよい。
【0124】
サーバ20は、従業者が入社/退職することに伴って、勤怠DB2024にレコードを追加/削除する。また、サーバ20は、当該従業者の出退勤に伴って、勤怠DB2024の項目「勤怠詳細情報」を更新する。
【0125】
図7に示すように、給与支払履歴DB2025のレコードのそれぞれは、項目「従業者ID」と、項目「従業者名」と、項目「給与支払詳細情報」等を含む。
【0126】
項目「従業者ID」は、給与計算業務システム1にて管理する対象である、事業者が給与を支払う従業者それぞれを識別する情報であり、従業員DB2022の項目「従業者ID」に対応している。
【0127】
項目「従業者名」は、給与計算業務システム1にて管理する対象である、事業者が給与を支払う従業者の氏名であり、給与DB2023の項目「従業者ID」に対応している。
【0128】
項目「給与支払詳細情報」は、給与計算業務システム1にて管理する従業者ごとに過去に支払った給与の履歴情報であり、具体的には、項目「月」と、項目「支給総額」と、項目「厚生年金保険料」と、項目「住民税」等を含む。この項目「給与支払詳細情報」は、従業者に給与を支払うたびにその情報が格納され、一般的な1カ月ごとの給与支払いの場合を例として、月次の情報として格納するように構成されている。
【0129】
項目「月」は、従業者に給与を支払った月(年の情報も含む)が格納されている。
【0130】
項目「支給総額」は、従業者への給与の支払総額の情報であり、例えば、各種控除がなされる前の、いわゆる額面金額が格納されている。
【0131】
項目「厚生年金保険料」は、従業者の給与から差し引かれる厚生年金保険料の情報である。当該項目は、従業者の給与から差し引かれる社会保険料の例として示している。
【0132】
項目「住民税」は、従業者の給与から差し引かれる住民税の情報である。当該項目は、従業者の給与から差し引かれる各種税金の例として示している。
【0133】
サーバ20の給与計算モジュール2034は、従業者の給与計算を行うことに伴って、給与支払履歴DB2025の項目「給与支払詳細情報」を更新する。
<3 動作>
以下、
図8及び
図9を参照しながら、実施の形態1における給与計算業務システム1による給与計算処理及び標準報酬月額変更処理について説明する。
【0134】
図8は、実施の形態1の給与計算業務システム1による給与計算処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0135】
ステップS801の前処理として、端末装置10の入力操作受付部1801は、給与計算処理を行うユーザである事業者(担当者)から、給与計算業務システム1のサービスを利用するために必要な認証を行うためのユーザID及びパスワードを入力する操作を受け付ける。送受信部1802は、受け付けたユーザID及びパスワード、及びユーザ情報をサーバ20へ送信する。サーバ20は、ユーザID及びパスワードを、通信部201を介して受け付けて当該ユーザのユーザID及びパスワードが正当であることを確認し、所定の認証を行う。正当である場合、サーバ20は、認証完了の情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。端末装置10の送受信部1802は、サーバ20から送信された認証完了の情報を受け付ける。通知制御部1804は、受け付けた認証完了の情報を、ディスプレイ150に表示させ、ステップS801が開始される。
【0136】
また、ステップS801の前処理として、端末装置10の入力操作受付部1801は、ユーザからの操作により給与計算処理を行うために必要な操作画面(給与計算画面)を表示する表示指示を受け付ける。送受信部1802は、受け付けた表示指示を、サーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部1802は、サーバ20から送信された給与計算画面の表示データを受け付ける。通知制御部1804は、受け付けた給与計算画面の表示データを、ディスプレイ150に表示させる。
【0137】
サーバ20は、端末装置10から送信された給与計算画面の表示指示を、通信部201を介して受け付ける。サーバ20は、給与計算画面の表示データを、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0138】
ステップS801において、端末装置10の入力操作受付部1801は、ユーザからの操作により給与計算を指示する給与計算開始指示(第1の操作入力)を受け付ける。送受信部1802は、受け付けた給与計算開始指示を、サーバ20へ送信する。
【0139】
ステップS851において、サーバ20の給与根拠データ取得モジュール2033は、端末装置10から送信された給与計算開始指示を、通信部201を介して受け付ける。給与根拠データ取得モジュール2033は、例えば、給与データベース2023に格納されている従業者ごとの基本給や各種手当の情報(給与情報)、及び勤怠データベース2024に格納されている従業者ごとの勤怠の情報(給与情報)を取得し、取得した給与根拠データを給与計算モジュール2034に送出する。給与計算モジュール2034は、給与根拠データ取得モジュール2033が取得した給与根拠データに基づいて給与計算を行う。
【0140】
ステップS852において、サーバ20の給与計算モジュール2034は、ステップS851で算出した給与の支給総額、控除総額、給与支給額(いわゆる手取り給与額)等の給与計算結果の情報を、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0141】
ステップS802において、端末装置10の送受信部1802は、サーバ20から送信された給与計算結果の情報を受け付ける。通知制御部1804は、受け付けた給与計算結果の情報をディスプレイ150に表示させる。
【0142】
ステップS853において、端末装置10の入力操作受付部1801は、ユーザから、給与計算結果に対して確定させ、給与支払データを送信させる指示の入力を受け付ける。送受信部1802は、受け付けた給与計算結果の確定及び給与支払データの送信指示の情報をサーバ20へ送信する。
【0143】
ステップS803において、サーバ20の給与支払データ生成モジュール2035は、端末装置10から送信された給与計算結果の確定及び給与支払データの送信指示の情報を、通信部201を介して受け付ける。給与支払データ生成モジュール2035は、受け付けた給与計算結果の確定により、事業者の金融機関口座(例えば、当座預金口座)から、従業者の金融機関口座(例えば、普通預金口座)へ給与の振込を指示するための給与支払データを生成する。給与支払データ生成モジュール2035は、受け付けた給与支払データの送信指示により、生成した給与支払データを、金融機関サーバ30へアクセスし、API等を介して給与支払データを送信する。
【0144】
ステップS854において、サーバ20の給与計算モジュール2034は、ステップS852で算出した給与計算結果について、給与支払履歴データベース2025に格納して更新する。
【0145】
以上のように、給与計算業務システム1では、従業者の給与計算に必要な給与情報、例えば基本給や各種手当の情報に基づき、所定期間(例えば、1ケ月)における従業者の給与計算を行い、給与支払データを生成して出力する。これにより、給与支払データを自動で生成し、支払を行うために金融機関口座に振り込むデータ出力を自動で行うことが可能になる。
【0146】
図9は、実施の形態1の給与計算業務システム1による給与計算根拠データ表示処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0147】
ステップS901、S902及びステップS951、S952の処理は、
図8におけるステップS801、S802及びステップS851、S852の処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0148】
ステップS953において、サーバ20の給与根拠データ提示モジュール2036は、ステップS951においてサーバ20の給与計算モジュール2034が生成した給与明細データにおける、この給与明細データが有する各表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第2の表示データを生成する。
【0149】
ステップS903において、端末装置10の入力操作受付部1801は、ユーザからの操作により、端末装置10に表示されている給与計算画面に表示されている表示項目のうち、いずれかの表示項目の選択入力(第2の操作入力)を受け付け、選択した表示項目に対応する給与計算根拠データの表示を指示する。送受信部1802は、受け付けた選択入力及び給与根拠データの表示指示を、サーバ20へ送信する。
【0150】
ステップS954において、サーバ20は、端末装置10から送信された表示項目の選択入力及び選択された表示項目に対応する給与根拠データの表示指示を、通信部201を介して受け付ける。そして、サーバ20の給与根拠データ提示モジュール2036は、通信部201が受信した第2の操作入力に基づいて、ステップS953で生成した第2の表示データの中から、第2の操作入力に基づく給与根拠データを示す第3の表示データを選択する。
【0151】
ステップS955において、サーバ20の給与根拠データ提示モジュール2036は、ステップS954で選択した第3の表示データを、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0152】
ステップS904において、端末装置10の送受信部1802は、サーバ20から送信された第3の表示データを受け付ける。通知制御部1804は、受け付けた第3の表示データを用いて、給与計算根拠データを、その時点で端末装置10のディスプレイ150に表示されている給与明細データと並列にディスプレイ150に表示させる。
【0153】
以上のように、給与計算業務システム1では、ユーザからの表示項目の選択入力があったら、選択入力があった表示項目に基づく給与根拠データを表示させる第3の表示データを端末装置10に送信し、給与明細データと並列に送信した給与根拠データを表示させる。これにより、ユーザは、給与明細データのうち、自身が確認するために選択した表示項目に係る給与根拠データを、同一画面で確認することができる。
【0154】
<4 画面例>
以下、
図10ないし
図14を参照しながら、給与計算業務システム1によるワークフロー処理の画面例について説明する。
【0155】
図10は、端末装置10のディスプレイ150に表示される給与明細データ表示画面1000の一例を示す図である。給与明細データ表示画面1000が表示されている時点では、給与計算モジュール2034による給与計算処理が終了しており、その給与計算処理の結果としての給与明細データが第1の画面1001に表示されている。第1の画面1001には、給与明細データを構成する表示項目1002が複数表示されている。
図10に示す例では、表示項目の一例として「基本給」「勤怠控除」「残業手当合計」「手当合計」などが表示され、さらに、基本給の算定根拠となる(つまり給与根拠データを構成する)残業手当合計の一例として「法定内残業時間」「時間外労働時間」などが表示されている。
【0156】
端末装置10を操作するユーザは、キーボード131、マウス132等の操作受付部130を操作して、第1の画面1001に表示されている給与明細データの表示項目の選択入力(第2の操作入力)を行う。
図10に示す例では、ユーザは表示項目「時間外労働時間」1002aを選択したものとする。
【0157】
第2の操作入力を受信したサーバ20の給与根拠データ提示モジュール2036は、表示項目「時間外労働時間」1002aの表示態様を、他の表示項目1002の表示態様と異ならせるような表示制御を行う。
図10に示す例では、表示項目「時間外労働時間」1002aの背景色を異ならせるような表示制御をしている(図示の制限のため、
図10では四角枠を用いて背景色が異なることを図示している)。
【0158】
また、サーバ20の給与根拠データ提示モジュール2036は、第2の操作入力により選択された表示項目「時間外労働時間」1002aに対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データを選択し、この第3の表示データに基づく給与計算根拠データを端末装置10に送出し、この第3の表示データに基づく給与計算根拠データが表示された第2の画面1003を、第1の画面1001と並列に表示させる。より詳細には、端末装置10のディスプレイ150において、第2の画面1003が給与明細データ表示画面1000において右端から進入し、第1の画面1001及び第2の画面1003が別ウィンドウとなるように表示させる。
【0159】
図11は、端末装置10のディスプレイ150に表示される給与明細データ表示画面1100の他の例を示す図である。
図11に示す給与明細データ表示画面1100は、
図10に示す給与明細データ表示画面1000において、第2の画面1103の表示内容を下方にスクロールして、
図10に示す第2の画面1003において表示されていなかった内容(つまり給与計算根拠データ)を表示したものである。
【0160】
図12は、端末装置10のディスプレイ150に表示される給与明細データ表示画面1200のまた他の例を示す図である。
図12に示す給与明細データ表示画面1200は、
図10に示す給与明細データ表示画面1000において、第1の画面1201の表示内容を下方にスクロールして、
図10に示す第1の画面1001において表示されていなかった内容(つまり表示項目)を表示したものである。
【0161】
端末装置10を操作するユーザは、キーボード131、マウス132等の操作受付部130を操作して、第1の画面1201に表示されている給与明細データの表示項目の選択入力(第2の操作入力)を行う。
図12に示す例では、ユーザは表示項目「健康保険料」1202aを選択したものとする。
【0162】
第2の操作入力を受信したサーバ20の給与根拠データ提示モジュール2036は、表示項目「健康保険料」1202aの表示態様を、他の表示項目1202の表示態様と異ならせるような表示制御を行う。
図12に示す例でも、表示項目「健康保険料」1202aの背景色を異ならせるような表示制御をしている(図示の制限のため、
図12でも四角枠を用いて背景色が異なることを図示している)。
【0163】
また、サーバ20の給与根拠データ提示モジュール2036は、第2の操作入力により選択された表示項目「健康保険料」1202aに対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データを選択し、この第3の表示データに基づく給与計算根拠データを端末装置10に送出し、この第3の表示データに基づく給与計算根拠データが表示された第2の画面1203を、第1の画面1201と並列に表示させる。
【0164】
図13は、端末装置10のディスプレイ150に表示される給与明細データ表示画面1300のまた他の例を示す図である。
図13において、第1の画面1301は
図12に示す第1の画面1201と同じであるが、端末装置10を操作するユーザが、表示項目「所得税」1302aを選択している。
【0165】
第2の操作入力を受信したサーバ20の給与根拠データ提示モジュール2036は、表示項目「所得税」1302aの表示態様を、他の表示項目1302の表示態様と異ならせるような表示制御を行う。
図12に示す例でも、表示項目「所得税」1302aの背景色を異ならせるような表示制御をしている(図示の制限のため、
図13でも四角枠を用いて背景色が異なることを図示している)。
【0166】
また、サーバ20の給与根拠データ提示モジュール2036は、第2の操作入力により選択された表示項目「所得税」1302aに対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データを選択し、この第3の表示データに基づく給与計算根拠データを端末装置10に送出し、この第3の表示データに基づく給与計算根拠データが表示された第2の画面1303を、第1の画面1301と並列に表示させる。
【0167】
図14は、端末装置10のディスプレイ150に表示される給与明細データ表示画面1400の他の例を示す図である。
図14に示す給与明細データ表示画面1400は、
図13に示す給与明細データ表示画面1300において、第2の画面1403の表示内容を下方にスクロールして、
図13に示す第2の画面1303において表示されていなかった内容(つまり給与計算根拠データ)を表示したものである。
【0168】
<5.小括>
以上のように、本実施形態によると、給与明細データをユーザの端末装置10に表示させている状態で、この給与明細データを構成する表示項目の選択入力があると、選択入力に係る表示項目に対応する給与計算根拠データをユーザの端末装置10に表示させ、しかも、給与明細データと給与計算根拠データとが端末装置10のディスプレイ150において並列に表示されるように表示制御している。これにより、給与明細データの各項目を選択することで、当該項目の金額等の根拠となるデータを表示させるシステムを提供することができる。よって、給与計算業務システムのユーザは、給与明細データを構成する表示項目の算出の根拠となる給与計算根拠データを容易に確認することができ、しかも、給与明細データと給与計算根拠データとを並列に比較することができ、確認作業を容易にかつ迅速に行うことができる。
【0169】
<6.付記>
なお、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0170】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0171】
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0172】
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0173】
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0174】
(付記1)
プロセッサ(29)とメモリ(25、26)とを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサ(29)に、事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップ(S951)と、第1ステップ(S951)で取得した給与計算根拠データに基づいて、従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップ(S951)と、事業者であるユーザから給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、第2ステップ(S951)で生成した給与明細データを示す第1の表示データをユーザに提示する第3ステップ(S952)と、第3ステップ(S952)においてユーザに提示している給与明細データにおける、それぞれの表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの表示項目に紐づける第4ステップ(S953)と、ユーザから、このユーザに提示している給与明細データにおける表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データを、提示している給与明細データを示す第1の表示データと並列に提示する第5ステップ(S954、S955)とを実行させる、プログラム。
(付記2)
第5ステップ(S954、S955)において、第2の操作入力によりユーザが給与明細データから選択した表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データと、給与明細データを示す第1の表示データとを、重畳させないように提示する付記1に記載のプログラム。
(付記3)
第5ステップ(S954、S955)において、第3の表示データを、給与明細データを示す第1の表示データの提示状態におけるいずれかの端からスライドさせて提示する付記1または2に記載のプログラム。
(付記4)
第5ステップ(S954、S955)において、第3の表示データを、給与明細データを示す第1の表示データを提示するための表示ウィンドウ上に、別ウィンドウとして提示する付記3に記載のプログラム。
(付記5)
第5ステップ(S954、S955)において、第3の表示データを、給与明細データを示す第1の表示データを提示するための表示ウィンドウに重畳し、かつ、この第1の表示データにおいて第2の操作入力により選択された表示項目に重畳しないように、ポップアップ画面として提示する付記1または2に記載のプログラム。
(付記6)
第5ステップ(S954、S955)において、第1の表示データの表示状態を移動させて、第1の表示データにおいて第2の操作入力により選択された表示項目と第3の表示データとを重畳させないように提示する付記1または2に記載のプログラム。
(付記7)
第5ステップ(S954、S955)において、第1の表示データを提示するときに、第1の表示データにおいて第2の操作入力により選択された表示項目を、第2の操作入力により選択されていない表示項目の提示態様と異なる提示態様で提示する付記1~6のいずれかに記載のプログラム。
(付記8)
メモリ(25、26)には、第2ステップ(S951)において過去に生成された給与明細データ(2025)が格納されており、第5ステップ(S954、S955)において、当期の給与明細データを示す第1の表示データと、前期の給与明細データを示す第1の表示データとを比較可能に提示する付記1~7のいずれかに記載のプログラム。
(付記9)
メモリ(25、26)には、第2ステップ(S951)において過去に生成された給与明細データ(2025)が格納されており、第5ステップ(S954、S955)において、当期の給与明細データと前期の給与明細データとを比較し、金額が異なる表示項目をそれ以外の表示項目と表示態様を異ならせて提示する付記1~8のいずれかに記載のプログラム。
(付記10)
第5ステップ(S954、S955)において、金額が異なる表示項目が第2の操作入力により選択されたら、当該表示項目に対応する当期及び前期の給与計算根拠データを示す第3の表示データを提示する付記9に記載のプログラム。
(付記11)
プロセッサ(29)とメモリ(25、26)とを備えた情報処理装置であって、プロセッサ(29)は、事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップ(S951)と、第1ステップ(S951)で取得した給与計算根拠データに基づいて、従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップ(S951)と、事業者であるユーザから給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、第2ステップ(S951)で生成した給与明細データを示す第1の表示データをユーザに提示する第3ステップ(S952)と、第3ステップ(S952)においてユーザに提示している給与明細データにおける、それぞれの表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの表示項目に紐づける第4ステップ(S953)と、ユーザから、このユーザに提示している給与明細データにおける表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データを、提示している給与明細データを示す第1の表示データと並列に提示する第5ステップ(S954、S955)とを実行する、情報処理装置。
(付記12)
プロセッサ(29)とメモリ(25、26)とを備えたコンピュータにより実行される方法であって、事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップ(S951)と、第1ステップ(S951)で取得した給与計算根拠データに基づいて、従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップ(S951)と、事業者であるユーザから給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、第2ステップ(S951)で生成した給与明細データを示す第1の表示データをユーザに提示する第3ステップ(S952)と、第3ステップ(S952)においてユーザに提示している給与明細データにおける、それぞれの表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの表示項目に紐づける第4ステップ(S953)と、ユーザから、このユーザに提示している給与明細データにおける表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する給与計算根拠データを示す第3の表示データを、提示している給与明細データを示す第1の表示データと並列に提示する第5ステップ(S954、S955)とを実行する、方法。
【符号の説明】
【0175】
1 給与計算業務システム、10 10A 10B 端末装置、20 サーバ、25 メモリ、29 プロセッサ、30 金融機関サーバ、80 ネットワーク、150 ディスプレイ、170 記憶部、180 制御部、202 記憶部、203 制御部、2022 従業員DB、2023 給与DB、2024 勤怠DB、2025 給与支払履歴DB、2031 受信制御モジュール、2032 送信制御モジュール、2033 給与根拠データ取得モジュール、2034 給与計算モジュール、2035 給与支払データ生成モジュール、2036 給与根拠データ提示モジュール
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記給与計算根拠データに基づいて、前記従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップと、
前記事業者であるユーザから前記給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、前記第2ステップで生成した前記給与明細データを示す第1の表示データを前記ユーザに提示する第3ステップと、
前記第3ステップにおいて前記ユーザに提示している前記給与明細データにおける、それぞれの前記表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの前記表示項目に紐づける第4ステップと、
前記ユーザから、このユーザに提示している前記給与明細データにおける前記表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す、前記第2の表示データの中から選択された当該表示項目に対応する第3の表示データを、提示している前記給与明細データを示す前記第1の表示データと並列に提示する第5ステップとを実行させ、
前記第5ステップにおいて、前記第3の表示データを、前記第1の表示データにおいて前記第2の操作入力により選択された前記表示項目に重畳しないように、かつ、前記給与明細データを示す前記第1の表示データの提示状態におけるいずれかの端からスライドさせて前記給与明細データを示す前記第1の表示データの提示状態におけるいずれかの端からスライドさせて、または、前記給与明細データを示す前記第1の表示データを提示するための表示ウィンドウ上に、別ウィンドウとして提示する、プログラム。
【請求項2】
前記第5ステップにおいて、前記第2の操作入力により前記ユーザが前記給与明細データから選択した前記表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す前記第3の表示データと、前記給与明細データを示す前記第1の表示データとを、重畳させないように提示する請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第5ステップにおいて、前記第1の表示データの表示状態を移動させて、前記第1の表示データにおいて前記第2の操作入力により選択された前記表示項目と前記第3の表示データとを重畳させないように提示する請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第5ステップにおいて、前記第1の表示データを提示するときに、前記第1の表示データにおいて前記第2の操作入力により選択された前記表示項目を、前記第2の操作入力により選択されていない前記表示項目の提示態様と異なる提示態様で提示する請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記メモリには、前記第2ステップにおいて過去に生成された前記給与明細データが格納されており、
前記第5ステップにおいて、当期の前記給与明細データを示す前記第1の表示データと、前期の前記給与明細データを示す前記第1の表示データとを比較可能に提示する請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記メモリには、前記第2ステップにおいて過去に生成された前記給与明細データが格納されており、
前記第5ステップにおいて、当期の前記給与明細データと前期の前記給与明細データとを比較し、金額が異なる前記表示項目をそれ以外の前記表示項目と表示態様を異ならせて提示する請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第5ステップにおいて、金額が異なる前記表示項目が前記第2の操作入力により選択されたら、当該表示項目に対応する当期及び前期の前記給与計算根拠データを示す前記第3の表示データを提示する請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記給与計算根拠データに基づいて、前記従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップと、
前記事業者であるユーザから前記給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、前記第2ステップで生成した前記給与明細データを示す第1の表示データを前記ユーザに提示する第3ステップと、
前記第3ステップにおいて前記ユーザに提示している前記給与明細データにおける、それぞれの前記表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの前記表示項目に紐づける第4ステップと、
前記ユーザから、このユーザに提示している前記給与明細データにおける前記表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す、前記第2の表示データの中から選択された当該表示項目に対応する第3の表示データを、提示している前記給与明細データを示す前記第1の表示データと並列に提示する第5ステップとを実行し、
前記第5ステップにおいて、前記第3の表示データを、前記第1の表示データにおいて前記第2の操作入力により選択された前記表示項目に重畳しないように、かつ、前記給与明細データを示す前記第1の表示データの提示状態におけるいずれかの端からスライドさせて前記給与明細データを示す前記第1の表示データの提示状態におけるいずれかの端からスライドさせて、または、前記給与明細データを示す前記第1の表示データを提示するための表示ウィンドウ上に、別ウィンドウとして提示する、情報処理装置。
【請求項9】
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
事業者における従業者ごとに、当該従業者の給与計算に必要な給与計算根拠データを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記給与計算根拠データに基づいて、前記従業者の給与計算を行い、少なくとも1つの表示項目を有する給与明細データを生成する第2ステップと、
前記事業者であるユーザから前記給与明細データを表示させる第1の操作入力を受け入れ、この第1の操作入力に基づいて、前記第2ステップで生成した前記給与明細データを示す第1の表示データを前記ユーザに提示する第3ステップと、
前記第3ステップにおいて前記ユーザに提示している前記給与明細データにおける、それぞれの前記表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す第2の表示データを、当該給与計算根拠データに基づいて生成し、それぞれの前記表示項目に紐づける第4ステップと、
前記ユーザから、このユーザに提示している前記給与明細データにおける前記表示項目を選択する第2の操作入力を受け入れ、この第2の操作入力に基づいて、当該表示項目に対応する前記給与計算根拠データを示す、前記第2の表示データの中から選択された当該表示項目に対応する第3の表示データを、提示している前記給与明細データを示す前記第1の表示データと並列に提示する第5ステップとを実行し、
前記第5ステップにおいて、前記第3の表示データを、前記第1の表示データにおいて前記第2の操作入力により選択された前記表示項目に重畳しないように、かつ、前記給与明細データを示す前記第1の表示データの提示状態におけるいずれかの端からスライドさせて前記給与明細データを示す前記第1の表示データの提示状態におけるいずれかの端からスライドさせて、または、前記給与明細データを示す前記第1の表示データを提示するための表示ウィンドウ上に、別ウィンドウとして提示する、方法。