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特開2024-111538情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111538
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240809BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240809BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G08G1/01 C
G01C21/26 B
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016109
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】安部 亮太
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB22
2C032HC08
2C032HD07
2C032HD12
2C032HD26
2C032HD30
2F129AA03
2F129BB03
2F129EE02
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF57
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181DD03
5H181FF05
5H181FF10
(57)【要約】
【課題】上空遮蔽道の入口又は出口の位置を推定する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、車両の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する取得部と、取得部によって取得した車両走行情報に基づいて、車両の走行開始地点の走行速度及び車両の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する判定部と、判定部によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行開始地点の位置情報と、判定部によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行終了地点の位置情報とを特定する特定部と、複数の車両について特定部によって特定した走行開始地点の位置情報及び走行終了地点の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する推定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得した車両走行情報に基づいて、車両の走行開始地点の走行速度及び前記車両の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する判定部と、
前記判定部によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく前記走行開始地点の位置情報と、前記判定部によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく前記走行終了地点の位置情報とを特定する特定部と、
複数の車両について前記特定部によって特定した走行開始地点の位置情報及び走行終了地点の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する推定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、上空遮蔽道が対面通行の場合、走行開始地点の位置情報が集まる位置と、走行終了地点の位置情報が集まる位置との間の位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、上空遮蔽道が片側通行の場合、走行開始地点の位置情報が集まる位置及び走行終了地点の位置情報が集まる位置それぞれよりも車両の進行方向に対して上流側の位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、同一車両で生成される一連の車両走行情報に基づいて、所定時間以上の位置情報の欠測期間が有る場合、当該欠測期間の前後において異なるトリップと推定し、各トリップに対応する車両走行情報に基づいて位置情報を特定する
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記欠測期間の直前のトリップに基づく走行終了地点の位置情報に応じて上空遮蔽道の入口を推定すると共に、前記欠測期間の直後のトリップに基づく走行開始地点の位置情報に応じて当該上空遮蔽道の出口を推定する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、上空遮蔽道として、トンネル、ボックスカルバート、橋下、地下駐車場及び立体駐車場の出口及び入口それぞれを推定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
車両の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得した車両走行情報に基づいて、車両の走行開始地点の走行速度及び前記車両の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく前記走行開始地点の位置情報と、前記判定ステップによって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく前記走行終了地点の位置情報とを特定する特定ステップと、
複数の車両について前記特定ステップによって特定した走行開始地点の位置情報及び走行終了地点の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する推定ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
車両の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する取得機能と、
前記取得機能によって取得した車両走行情報に基づいて、車両の走行開始地点の走行速度及び前記車両の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する判定機能と、
前記判定機能によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく前記走行開始地点の位置情報と、前記判定機能によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく前記走行終了地点の位置情報とを特定する特定機能と、
複数の車両について前記特定機能によって特定した走行開始地点の位置情報及び走行終了地点の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する推定機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、経路案内を行うナビゲーション装置が存在する。特許文献1に記載されたナビゲーション装置は、GPSを用いて取得した現在位置と、地図とを利用して、マップマッチングを行う。この際、ナビゲーション装置は、撮像した映像を解析することにより、自己が居る場所を特定し、特定した自己の居る位置を利用してマップマッチングの結果を補正する。なお、ナビゲーション装置は、GPSを利用した現在位置を測位できない場合、映像を解析して照明の設置位置及び配列パターンを取得してトンネル内及び地下道内かを推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-200218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、トンネル内及び地下道内かを推定するために、カメラ部で撮像した映像を必要とする。
しかしながら、車両に搭載されるカメラ部(車載カメラ)で撮像を行う場合、撮像の際の位置が、GPSで取得した位置情報と正確にマッチングしないことがある。すなわち、車載カメラで撮像した映像の位置に誤差があり、その位置があてにならないことがある。
この場合、トンネル内及び地下道内かの推定に誤差が生じる可能性がある。
【0005】
本開示は、上空が遮蔽された道の入口又は出口の位置を推定する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、車両の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する取得部と、取得部によって取得した車両走行情報に基づいて、車両の走行開始地点の走行速度及び車両の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する判定部と、判定部によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行開始地点の位置情報と、判定部によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行終了地点の位置情報とを特定する特定部と、複数の車両について特定部によって特定した走行開始地点の位置情報及び走行終了地点の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する推定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、上空遮蔽道の入口又は出口の位置を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報処理装置について説明するための図である。
図2】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
図3】対面通行の上空遮蔽道の入口及び出口(出入口)の推定の概要について説明するための図である。
図4】片側通行の上空遮蔽道の入口及び出口の推定の概要について説明するための図である。(A)は上空遮蔽道の入口を推定する際について説明するための図であり、(B)は上空遮蔽道の出口を推定する際について説明するための図である。
図5】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について説明する。
【0010】
[情報処理装置100の概要]
まず、一実施形態に係る情報処理装置100の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するための図である。
【0011】
情報処理装置100は、例えば、上空が遮蔽される道(上空遮蔽道400)の入口及び出口の少なくとも一方の位置を推定する推定装置等として構成されてもよい。情報処理装置100は、例えば、推定した位置を道路地図に登録する登録装置等として構成されてもよい。情報処理装置100は、例えば、推定した位置に応じて経路案内を行う案内装置等として構成されてもよい。情報処理装置100は、上述した一例の装置に限らず、種々の装置等を構成してもよい。
ここで、上空遮蔽道400の一例は、トンネル、ボックスカルバート、橋下、地下駐車場及び立体駐車場等であってもよい。
情報処理装置100は、例えば、サーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等のコンピュータであってもよい。
【0012】
情報処理装置100は、車両走行情報を取得する。車両走行情報は、例えば、CANプローブ情報等であってもよい。すなわち、車両走行情報は、車両200の走行位置に関する位置情報、時刻に関する時刻情報、及び、走行速度に関する速度情報を含んでもよい。位置情報は、例えば、車両においてGNSS衛星500の信号(GNSS信号)を受信することに応じて取得される位置情報であってもよい。
【0013】
情報処理装置100は、車両走行情報に基づいて、車両200の走行開始地点の走行速度及び車両200の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する。走行開始地点A1,B1は、車両200が出発地Sから目的地Gまで移動する際の一連の移動経路Rのうちの1又は複数のトリップT1,T2それぞれの始点であってもよい。走行終了地点A2,B2は、車両200が出発地Sから目的地Gまで移動する際の一連の移動経路Rのうちの1又は複数のトリップT1,T2それぞれの終点であってもよい。
情報処理装置100は、例えば、上述した一例の移動経路Rのうち、車両走行情報に基づき所定時間以上の位置情報の欠測期間が有る場合、その欠測期間の前後において異なるトリップT1,T2と推定してもよい。具体的な一例として、情報処理装置100は、同一車両200の一連の移動経路Rにおいて、位置情報の欠測期間が1つある場合、欠測期間の直前のトリップを第1トリップT1とし、欠測期間の直後のトリップを第2トリップT2としてもよい。ここで、欠測期間が複数有る場合、2つの欠測期間に挟まれる区間を1つのトリップとしてもよい。
情報処理装置100は、欠測期間の直前のトリップ(第1トリップT1)の終点(第1走行終了地点A2)と、その欠測期間の直後のトリップ(第2トリップT2)の始点(第2走行開始地点B1)とのそれぞれの車両200の走行速度が所定の走行速度以上かを判定する。
なおさらに、情報処理装置100は、第1トリップT1の始点(第1走行開始地点A1)と、第2トリップT2の終点(第2走行終了地点B2)とのそれぞれの車両200の走行速度が所定の走行速度以上かを判定してもよい。
また、トリップの数は、2つに限定されることはなく、3つ以上であってもよい。
【0014】
情報処理装置100は、上述したように第1走行終了地点A2における車両200の走行速度が所定の走行速度以上と判定された場合、車両走行情報に基づき第1走行終了地点A2の位置情報とを特定する。同様に、情報処理装置100は、第2走行開始地点B1における車両200の走行速度が所定の走行速度以上と判定された場合、車両走行情報に基づき第2走行開始地点B1の位置情報を特定する。
【0015】
情報処理装置100は、上述したように第1走行終了地点A2の位置情報が集まる位置を、上空遮蔽道400の入口と推定する。同様に、情報処理装置100は、第2走行開始地点B1の位置情報が集まる位置を、上空遮蔽道400の出口と推定する。
【0016】
[情報処理装置100の詳細]
次に、一実施形態に係る情報処理装置100について詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するためのブロック図である。
【0017】
情報処理装置100は、例えば、通信部121、記憶部122、表示部123及び制御部110等を備える。通信部121、記憶部122及び表示部123は、出力部の一実施形態であってもよい。制御部110は、例えば、取得部111、判定部112、特定部113、推定部114、登録部115及び経路案内部116等を備える。制御部110は、例えば、情報処理装置100の演算処理装置等によって構成されてもよい。制御部110(例えば、演算処理装置等)は、例えば、記憶部122等に記憶される各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、各部(取得部111、判定部112、特定部113、推定部114、登録部115及び経路案内部116等)の機能を実現してもよい。
【0018】
通信部121は、例えば、情報処理装置100の外部にある装置(外部装置)等との間で種々の情報の送受信が可能な通信インターフェースである。外部装置は、例えば、サーバ300及び車両200等であってもよい。
【0019】
記憶部122は、例えば、種々の情報及びプログラムを記憶してもよい。記憶部122の一例は、メモリ、ソリッドステートドライブ及びハードディスクドライブ等であってもよい。なお、記憶部122は、例えば、クラウド上にある記憶領域及びサーバ等であってもよい。
【0020】
表示部123は、例えば、種々の文字、記号及び画像等を表示することが可能なディスプレイである。
【0021】
取得部111は、車両200の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する。車両走行情報は、例えば、CANプローブ情報等であってもよい。車両走行情報は、例えば、車両200を識別する車両ID(識別情報)を含んでもよい。取得部111は、例えば、通信部121を介して、車両200又はサーバから車両走行情報を取得してもよい。又は、取得部111は、例えば、車両走行情報が記録された外部メモリが情報処理装置100のインターフェースに接続された場合、その外部メモリから車両走行情報を取得してもよい。
【0022】
ここで、車両200は、例えば、GNSS等を利用して位置情報及び時刻情報を取得してもよい。また、車両200は、例えば、種々の方法を利用して速度情報を取得してもよい。車両200は、例えば、位置情報、時刻情報及び速度情報等を含む、車両200で取得される種々の情報を車両走行情報として、情報処理装置100又はサーバ300に送信する。
【0023】
判定部112は、取得部111によって取得した車両走行情報に基づいて、車両200の走行開始地点の走行速度及び車両200の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する。
判定部112は、例えば、同一車両200で生成される一連の移動経路Rにおける車両走行情報に基づいて、所定時間以上の位置情報の欠測期間が有る場合、その欠測期間の前後において異なるトリップと推定してもよい。なお、判定部112は、例えば、同一車両200の出発地Sから目的地Gまでの一連の移動経路Rにおいて、1以上の欠測期間がある場合には車両走行情報を2以上のトリップT1,T2に分割して、各トリップT1、T2の始点(車両200の進行方向の上流側(走行開始地点A1,B1))及び終点(車両200の進行方向の下流側(走行終了地点A2,B2))それぞれにおいて車両200の走行速度が所定以上かを判定してもよい。
すなわち、判定部112は、同一車両200の一連の移動経路Rに基づく各トリップT1,T2の始点(走行開始地点A1,B1)における、その車両200の走行速度が所定の走行速度以上かを判定する。また、判定部112は、同一車両200の一連の移動経路Rに基づく各トリップT1,T2の終点(走行終了地点A2,B2)における、その車両200の走行速度が所定の走行速度以上か、又は、所定の第1走行速度以上であり所定の第2走行速度未満である(所定の走行の速度範囲内)かを判定する。
【0024】
所定の走行速度は、例えば、20km、30km、40km、50km、60km、80km及び100km等を始めとする種々の走行速度であってもよい。所定の走行速度は、例えば、渋滞を通過中の車両200の走行速度、停車中の車両200の走行速度(0km)、及び、GNSSの位置ずれが相対的に大きくなるような相対的に速い走行速度を除外するような速度等であってもよい。
所定時間は、例えば、5秒、10秒、15秒、20秒、30秒等を始めとする種々の時間であってもよい。所定時間は、例えば、上空遮蔽道400の長さ及び車両200の走行速度等に応じた、その上空遮蔽道400内を走行したと考えられる時間等に応じて決定されてもよい。
【0025】
特定部113は、判定部112によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行開始地点B1の位置情報と、判定部112によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行終了地点A2の位置情報とを特定する。ここで、特定部113は、同一車両200で生成される一連の車両走行情報に基づいて、所定時間以上の位置情報の欠測期間が有る場合、その欠測期間の前後において異なるトリップT1,T2と推定し、各トリップT1,T2に対応する車両走行情報に基づいて位置情報を特定してもよい。
特定部113は、判定部112によって車両200の走行速度が所定の走行速度以上と判定された走行開始地点の位置情報を特定する。また、特定部113は、判定部112によって車両200の走行速度が所定の走行速度以上と判定された走行終了地点の位置情報を特定する。
所定の走行速度は、例えば、上述した「判定部112」において説明した「所定の走行速度」と同様であってもよい。所定時間は、例えば、上述した「判定部112」において説明した「所定時間」と同様であってもよい。
【0026】
なお、特定部113は、例えば、位置情報の欠測期間の直前にあるトリップ(第1トリップT1)の走行終了地点(第1走行終了地点A2)の位置情報と、その欠測期間の直後にあるトリップ(第2トリップT2)の走行開始地点(第2走行開始地点B1)の位置情報とを対応付けて特定してもよい。
【0027】
制御部110(判定部112)は、複数の車両200(複数の車両走行情報)それぞれに基づいて、同一車両200の走行開始地点A1,B1の走行速度及び同一車両200の走行終了地点A2,B2の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定してもよい。
制御部110(特定部113)は、判定部112によって同一車両200の走行速度が所定の走行速度以上と判定された場合のその車両200の車両走行情報に基づく走行開始地点B1の位置情報と、その車両200の車両走行情報に基づく走行終了地点A2の位置情報とを特定してもよい。
【0028】
推定部114は、複数の車両200について特定部113によって特定した走行開始地点B1の位置情報及び走行終了地点A2の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道400の出口及び入口と推定する。ここで、推定部114は、上空遮蔽道400として、トンネル、ボックスカルバート、橋下、地下駐車場及び立体駐車場の出口及び入口それぞれを推定してもよい。
【0029】
推定部114は、欠測期間の直前のトリップT1に基づく走行終了地点A2の位置情報に応じて上空遮蔽道400の入口を推定すると共に、その欠測期間の直後のトリップT2に基づく走行開始地点B1の位置情報に応じてその上空遮蔽道400の出口を推定してもよい。すなわち、推定部114、例えば、位置情報の欠測期間の直前のトリップ(第1トリップT1)における走行終了地点(第1走行終了地点A2)の位置情報が集まる位置を、上空遮蔽道400の入口と推定する。また、推定部114は、例えば、位置情報の欠測期間の直後のトリップ(第2トリップT2)における走行開始地点(第2走行開始地点B1)の位置情報が集まる位置を、上空遮蔽道400の出口と推定する。
【0030】
なお、推定部114は、位置情報の欠測期間の直前の位置情報と、その欠測期間の直後の位置情報とに基づいて、上空遮蔽道400の入口と出口とを推定すると、その入口と出口との間にあるその欠測期間の部分が上空遮蔽道400と推定してもよい。
【0031】
また、推定部114は、例えば、上述したように特定部113によって、位置情報の欠測期間の直前にある第1トリップT1の第1走行終了地点A2の位置情報と、その欠測期間の直後にある第2トリップT2の第2走行開始地点B1の位置情報とを対応付けた場合、上空遮蔽道400の入口と出口とを対応付けて推定してもよい。
【0032】
図3は、対面通行の上空遮蔽道400の入口及び出口(出入口)の推定の概要について説明するための図である。
図4は、片側通行の上空遮蔽道400の入口及び出口の推定の概要について説明するための図である。図4(A)は上空遮蔽道400の入口を推定する際、図4(B)は上空遮蔽道400の出口を推定する際について説明するための図である。
【0033】
推定部114は、例えば、図3に例示するように、上空遮蔽道400が対面通行の場合、走行開始地点の位置情報が集まる位置601と、走行終了地点の位置情報が集まる位置602との間の位置603(一例として、中間(略中間)等の位置)を、上空遮蔽道400の出口及び入口(出入口410)と推定してもよい。
ここで一例として、推定部114は、走行開始地点の位置情報が集まる領域(601)と、走行終了地点の位置情報が集まる領域(602)との距離が所定距離以下の場合、対面通行と推定してもよい。
車両200は、例えば、上空遮蔽道400の出口を出た直後から位置情報を取得することはできず、その出口を出てから約数秒を経過して位置情報を取得することが可能になる。同様に、車両200は、例えば、上空遮蔽道400の入口に直前まで受信していたGNSS信号に基づいて、その入口を通過した上空遮蔽道400の内部で位置情報が記録されることがある。
したがって、上空遮蔽道400が対面通行の場合には、走行開始地点の位置情報が集まる領域(601)と、走行終了地点の位置情報が集まる領域(602)との距離が所定距離以下になるため、推定部114は、この複数領域間の距離の特性に基づいて、上空遮蔽道400の出入口410を推定してもよい。
【0034】
走行開始地点の位置情報が集まる位置601は、例えば、複数の位置情報が集まる領域の中心、重心、上空遮蔽道400の出口(410)に最も近い位置情報(複数の車両200の対応するトリップのうちの車両200の進行方向に対して最も上流側にある始点(位置))、及び、上空遮蔽道400の出口(410)から最も遠い位置情報(複数の車両200の対応するトリップのうちの車両200の進行方向に対して最も下流側にある始点(位置))等を始めとする種々の位置であってもよい。
【0035】
同様に、走行終了地点の位置情報が集まる位置602は、例えば、複数の位置情報が集まる領域の中心、重心、上空遮蔽道400の入口(410)に最も近い位置情報(複数の車両200の対応するトリップのうちの車両200の進行方向に対して最も上流側にある終点(位置))、及び、上空遮蔽道400の入口(410)から最も遠い位置情報(複数の車両200の対応するトリップのうちの車両200の進行方向に対して最も下流側にある終点(位置))等を始めとする種々の位置であってもよい。
【0036】
走行開始地点の位置情報が集まる位置601と、走行終了地点の位置情報が集まる位置602との間の位置603は、例えば、走行開始地点の位置情報が集まる位置601と、走行終了地点の位置情報が集まる位置602との中間地点等を始めとする種々の位置であってもよい。
【0037】
推定部114は、例えば、図4に例示するように、上空遮蔽道400が片側通行の場合、走行開始地点の位置情報が集まる位置612及び走行終了地点の位置情報が集まる位置611それぞれよりも車両200の進行方向Dに対して上流側の位置614,613を、上空遮蔽道400の出口422及び入口421と推定してもよい。
【0038】
上述したように、車両200は、例えば、上空遮蔽道400の入口421に直前まで受信していたGNSS信号に基づいて、その入口421を通過した上空遮蔽道400の内部で位置情報が記録されることがある。したがって、推定部114は、図4(A)に例示するように、走行終了地点の位置情報が集まる位置611よりも車両200の進行方向Dに対して上流側の位置613を、上空遮蔽道400の入口421と推定してもよい。
【0039】
同様に上述したように、車両200は、例えば、上空遮蔽道400の出口422を出た直後から位置情報を取得することはできず、その出口422を出てから約数秒を経過して位置情報を取得することが可能になる。したがって、推定部114は、図4(B)に例示するように、走行開始地点の位置情報が集まる位置612よりも車両200の進行方向Dに対して上流側の位置614を、上空遮蔽道400の出口422と推定してもよい。
【0040】
推定部114は、例えば、走行開始地点の位置情報が集まる位置612及び走行終了地点の位置情報が集まる位置611それぞれから所定距離だけ上流側の位置614,613を、上空遮蔽道400の出口422及び入口421と推定してもよい。
この場合の所定距離は、例えば、予め設定された任意の距離であってもよく、GNSSを利用して位置情報を取得する際の誤差を考慮した予め設定された距離であってもよい。
又は、所定距離は、例えば、車両走行情報に含まれる走行速度(速度情報)と、予め設定された時間とに基づく距離であってもよい。この場合の走行速度は、例えば、1台の車両200の車両走行情報又は複数台の車両200の車両走行情報に基づく、走行開始地点の走行速度、及び、走行終了地点の走行速度等であってもよい。また、走行速度は、例えば、複数台の車両200の車両走行情報に基づく、走行開始地点の走行速度及び走行終了地点の走行速度それぞれを平均した走行開始地点の平均走行速度及び走行終了地点の平均走行速度等であってもよい。またこの場合の予め設定された時間は、例えば、GNSS信号を受信して位置情報を記録する際の時間的な誤差に基づいた時間等であってもよい。
【0041】
登録部115は、例えば、推定部114によって推定した上空遮蔽道400の出入口(入口(位置情報)及び出口(位置情報))を道路地図に登録してもよい。登録部115は、例えば、道路地図に関する地図情報を記憶部122に記憶してもよい。
【0042】
経路案内部116は、例えば、推定部114によって推定した上空遮蔽道400の出入口(入口(位置情報)及び出口(位置情報))、及び、登録部115によって出入口(入口及び出口)を登録した地図情報のうち少なくとも一方を利用して、経路案内を行ってもよい。
【0043】
ここで、経路案内部116は、情報処理装置100の制御部110に配されてもよく、車両200に搭載されるナビゲーション装置(図示せず)等に配されてもよい。
経路案内部116が車両200のナビゲーション装置に配される場合、推定部114によって推定した上空遮蔽道400の入口及び出口、及び、登録部115によって入口及び出口を登録した地図情報はナビゲーション装置に記憶されてもよい。
【0044】
経路案内部116は、例えば、情報処理装置100の制御部110に配される場合、通信部121を介して、情報処理装置100に外部にある端末(図示せず)に対して経路案内の情報を提供してもよい。端末は、経路案内を利用するユーザが使用するユーザ端末等であってもよい。端末は、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等の携帯端末であってもよく、デスクトップ等の据置型端末であってもよい。
経路案内部116は、例えば、経路案内の際の案内画像等を、表示部123に表示してもよく、ナビゲーション装置の表示部(図示せず)、及び、端末の表示部(図示せず)等に表示してもよい。
【0045】
なお、情報処理装置100としては、例えば、上述したように、サーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等を例示した。しかし、情報処理装置100は、例えば、その例示に限定されず、車両200に搭載されてもよく、その車両200に搭載されるナビゲーション装置と協働してもよい。
【0046】
[情報処理方法]
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図5は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0047】
ステップST101において、取得部111は、車両200の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する。
【0048】
ステップST102において、判定部112は、ステップST101で取得した車両走行情報に基づいて、車両200の走行開始地点の走行速度及び車両200の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する。
【0049】
ステップST103において、特定部113は、ステップST102で所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行開始地点の位置情報と、ステップST102で所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行終了地点の位置情報とを特定する。ここで、特定部113は、同一車両200で生成される一連の車両走行情報に基づいて、所定時間以上の位置情報の欠測期間が有る場合、その欠測期間の前後において異なるトリップと推定し、各トリップに対応する車両走行情報に基づいて位置情報を特定してもよい。
【0050】
ステップST104において、推定部114は、複数の車両200についてステップST103で特定した走行開始地点の位置情報及び走行終了地点の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道400の出口及び入口と推定する。ここで、推定部114は、上空遮蔽道400として、トンネル、ボックスカルバート、橋下、地下駐車場及び立体駐車場の出口及び入口それぞれを推定してもよい。
推定部114は、欠測期間の直前のトリップに基づく走行終了地点の位置情報に応じて上空遮蔽道400の入口を推定すると共に、その欠測期間の直後のトリップに基づく走行開始地点の位置情報に応じてその上空遮蔽道400の出口を推定してもよい。
推定部114は、例えば、上空遮蔽道400が対面通行の場合、走行開始地点の位置情報が集まる位置と、走行終了地点の位置情報が集まる位置との間の位置を、上空遮蔽道400の出口及び入口(出入口)と推定してもよい。
推定部114は、例えば、上空遮蔽道400が片側通行の場合、走行開始地点の位置情報が集まる位置及び走行終了地点の位置情報が集まる位置それぞれよりも車両200の進行方向に対して上流側の位置を、上空遮蔽道400の出口及び入口と推定してもよい。
【0051】
[実施例]
次に、本実施形態の一実施例について説明する。
本実施例では、上空遮蔽道400の一例としてトンネルを挙げて説明する。
【0052】
情報処理装置100は、車両200の走行か位置地点又は走行終了地点の位置情報(GNSSを利用した座標等)が所定範囲の密集し、且つ、その車両200が所定の走行速度の範囲で走行していると判断できる場合、その位置情報に基づく位置をトンネルの出入口と推定する。
以下、制御部110等の主な処理内容について説明する。
【0053】
制御部110(例えば、取得部111等)は、相対的に多数のCANプローブ情報(車両走行情報)を取得する。CANプローブ情報は、車両200毎にセンサによる走行情報とGNSSを利用した位置座標(GNSS座標)とが約1秒間隔で記録(出力)されるデータである。本実施例のCANプローブ情報には、車両ID(VIN:Vehicle Identification Number)、GNSS座標(緯度・経度)、車速及び記録時刻等の情報が含まれる。
【0054】
制御部110(例えば、判定部112等)は、CANプローブ情報に記録される車両ID毎に、そのCANプローブ情報を分割してトリップ化(グループ化)を行う。制御部110(例えば、判定部112等)は、同一の車両IDのCANプローブ情報であっても、CANプローブ情報内に記録時刻の間隔が所定時間(一例として、10秒等)以上空いた場合には、異なるトリップとする。
【0055】
CANプローブ情報に記録されるGNSS信号に受信不良が起きた場合、欠測となり、トリップが途切れる。トリップが途切れる場合には、車両200がトンネル内を走行している可能性が高い。車両200がトンネル内に進入した場合、及び、車両200がトンネルから退出した場合、一定の走行速度を持った状態でトリップが終了し又は開始するようになる。したがって、制御部110は、一定の速度(所定の走行速度)を持ったトリップの先頭レコードと最終レコードとの位置(例えば、GNSS座標)を複数のトリップに対して抽出し、それらが密集する地点を特定することで、その地点をトンネルの出入口と推定することが可能である。
以下、トンネルの出入口の推定について説明する。
【0056】
制御部110(例えば、判定部112等)は、トリップの先頭レコード(走行時間帯が最も早いCANプローブ情報)と、トリップの最終レコード(走行時間帯が最も遅いCANプローブ情報)とを抽出する。ここで、車両200が走行する際にGNSS信号の受信不良が起こるとトリップが途切れ、GNSS信号の受信不良が起こらなくなると(回復すると)トリップが開始される。
【0057】
制御部110(例えば、判定部112等)は、CANプローブ情報に含まれる速度情報(車速の情報)を利用して、所定の走行速度(一例として、30km/h等)以上(又は、所定の走行速度の範囲内)で走行中のトリップの先頭レコード及び最終レコードを特定する。ここで、車速を制限することにより、交通渋滞及び駐車場等に駐車中の車両200の位置情報を除外することが可能になる。また、他車と比べて走行速度が速すぎる車両200の位置情報についても、GNSSを利用した位置のズレ幅が大きくなるため除外することが可能になる。
【0058】
制御部110(例えば、特定部113)は、抽出した(上述した特定後の)トリップの先頭レコード及び最終レコードとなっている位置情報(CANプローブ情報)を特定する。制御部110(例えば、特定部113等)は、位置情報(CANプローブ情報)が密集する位置を特定する。
【0059】
制御部110(例えば、推定部114等)は、上述したように特定した位置情報(位置情報が密集する位置)に基づいて、トンネルの出入口と推定する。ここで、制御部110(例えば、推定部114等)は、複数の車両200のCANプローブ情報を利用して、トンネルの出入口と推定される位置を収集し、その位置を特定する精度を高めてもよい。
【0060】
制御部110(例えば、推定部114等)は、トンネルの出入口の位置ずれを補正することが可能である。
ここで一般的に、車両200は、約1秒間隔でGNSS信号を利用した位置情報を記録している。このため、トンネルから退出する際には、位置情報はトンネルの外側にずれやすい(位置ずれ1)。また、トンネルに入った直後はGNSS信号を受信できることから、トンネルに進入する際の位置情報はトンネルの内側にずれやすい(位置ずれ2)。
そこで、制御部110(例えば、推定部114等)は、位置情報に基づく位置が密集する中心位置等をトンネルの出入口と推定するのではなく、位置補正を行う。すなわち、制御部110(例えば、推定部114等)は、対面通行のトンネルの場合、位置ずれ1と位置ずれ2との間の位置に補正する。また、制御部110(例えば、推定部114等)は、片側通行のトンネルの場合、位置ずれ1及び位置ずれ2の両方とも、車両200の進行方向に対して上流(手前)側に位置を補正する。
【0061】
すなわち、制御部110(例えば、推定部114等)は、トンネルに進入して約1~2秒程度は位置情報(GNSS座標)が記録されること、トンネルから退出して約1~2秒程度は位置情報(GNSS座標)が記録されないことから、実際のトンネルの出入口の位置からずれた位置にトリップの先頭レコード及び最終レコードが密集しやすい。対面通行のトンネルにおいては、先頭レコードと最終レコードが密集している地点それぞれを特定し、その間の地点をトンネルの出入口とすることで位置ずれを補正することが可能である。
【0062】
以上をまとめると、情報処理装置100は、GNSS信号の受信不良の際のCANプローブ情報を利用することで、トンネルの出入口を推定する。また、情報処理装置100は、位置情報に基づく位置が密集する中心位置を単にトンネルの出入口を推定する例に限定されず、トンネルの進入及び退出で区別して位置補正を行う。
【0063】
[機能及び回路について]
次に、上述した情報処理装置100の機能及び回路について説明する。
情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の取得部111、判定部112、特定部113、推定部114、登録部115及び経路案内部116(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等による取得機能、判定機能、特定機能、推定機能、登録機能及び経路案内機能(制御機能)としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、例えば、メモリ、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体等に記録されていてもよい。記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体と言い換えてもよい。
また、上述したように、情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置100の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の取得部111、判定部112、特定部113、推定部114、登録部115及び経路案内部116(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等を構成する取得回路、判定回路、特定回路、推定回路、登録回路及び経路案内回路(制御回路)として実現されてもよい。
また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、記憶機能及び表示機能(出力機能)として実現されてもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、記憶回路及び表示回路(出力回路)として実現されてもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、記憶装置及び表示装置(出力装置)として構成されてもよい。
【0064】
情報処理装置100は、上述した複数の各部のうち1又は任意の複数を組み合わせることが可能である。
本開示では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0065】
[本実施形態の態様及び効果]
次に、本実施形態の一態様及び各態様が奏する効果について説明する。なお、以下に記載する各態様は出願時の一例であり、本実施形態は以下に記載する態様に限定されることはない。すなわち、本実施形態は以下に記載する各態様に限定されることはなく、上述した各部を適宜組み合わせて実現されてもよい。また、下位の態様は、それよりも上位の態様のいずれでも引用できる場合がある。
また、以下に記載する効果は一例であり、各態様が奏する効果は以下に記載するものに限定されることはない。また、各態様は、例えば、以下に記載する少なくとも1つの効果を奏してもよい。
【0066】
(態様1)
一態様の情報処理装置は、車両の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する取得部と、取得部によって取得した車両走行情報に基づいて、車両の走行開始地点の走行速度及び車両の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する判定部と、判定部によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行開始地点の位置情報と、判定部によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行終了地点の位置情報とを特定する特定部と、複数の車両について特定部によって特定した走行開始地点の位置情報及び走行終了地点の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する推定部と、を備える。
これにより、情報処理装置は、車両走行情報に基づいて、上空遮蔽道の入口及び出口を推定できるので、車載カメラを利用してトンネル等を推定する場合に比べて、出入口(位置)の誤差を少なくすることができる。
また、情報処理装置は、例えば、一般的に走行する車両の車両走行情報を利用してもよい。一般的に走行する車両は、新たに上空遮蔽道が開通した場合でも、その上空遮蔽道を相対的に早期に通過する可能性が高い。したがって、情報処理装置は、新たに開通した上空遮蔽道の出入口(位置)を相対的に早期に推定することができ、出入口を登録した道路地図の提供及び経路案内等を始めとしたユーザに対するサービスを向上させることができる。
また、情報処理装置は、推定した上空遮蔽道の入口及び出口を利用して経路案内を行う場合の一例として、上空遮蔽道の入口及び出口に対して車両の進行方向の上流側において、入口及び出口が有ることの注意喚起を行うことができる。すなわち、情報処理装置は、上空遮蔽道の外側と内側とで急激に路面状況が変化したり、上空遮蔽道から外側へ出た際に横風を受けたり等の車両の運転に支障が生じる恐れについて、予め注意喚起を行うことができる。また、情報処理装置は、上空遮蔽道の外側と内側とで周囲の明るさが急激に変化することで視界確保に時間がかかり、事故が起こる恐れについて、予め注意喚起を行うことができる。したがって、情報処理装置は、車両事故等が起こる可能性を低減できる。
【0067】
(態様2)
一態様の情報処理装置では、推定部は、上空遮蔽道が対面通行の場合、走行開始地点の位置情報が集まる位置と、走行終了地点の位置情報が集まる位置との間の位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、例えば、GNSS等を利用した位置情報の取得の際に位置ずれが生じる場合であっても、出口及び入口の位置を補正することができる。すなわち、情報処理装置は、出口及び入口の正確な位置を特定することができる。
【0068】
(態様3)
一態様の情報処理装置では、推定部は、上空遮蔽道が片側通行の場合、走行開始地点の位置情報が集まる位置及び走行終了地点の位置情報が集まる位置それぞれよりも車両の進行方向に対して上流側の位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、例えば、GNSS等を利用した位置情報の取得の際に位置ずれが生じる場合であっても、出口及び入口の位置を補正することができる。すなわち、情報処理装置は、出口及び入口の正確な位置を特定することができる。
【0069】
(態様4)
一態様の情報処理装置では、特定部は、同一車両で生成される一連の車両走行情報に基づいて、所定時間以上の位置情報の欠測期間が有る場合、その欠測期間の前後において異なるトリップと推定し、各トリップに対応する車両走行情報に基づいて位置情報を特定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、所定条件の基に位置情報の欠測期間が有る場合、上空遮蔽道が有ると推定することができる。
【0070】
(態様5)
一態様の情報処理装置では、推定部は、欠測期間の直前のトリップに基づく走行終了地点の位置情報に応じて上空遮蔽道の入口を推定すると共に、欠測期間の直後のトリップに基づく走行開始地点の位置情報に応じてその上空遮蔽道の出口を推定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、所定条件の基に位置情報の欠測期間が有る場合、その直前と直後とで上空遮蔽道の入口及び出口を推定することができる。
【0071】
(態様6)
一態様の情報処理装置では、推定部は、上空遮蔽道として、トンネル、ボックスカルバート、橋下、地下駐車場及び立体駐車場の出口及び入口それぞれを推定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、上空遮蔽道の上述した具体的一例の出口及び入口の位置を推定することができる。
【0072】
(態様7)
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、車両の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する取得ステップと、取得ステップによって取得した車両走行情報に基づいて、車両の走行開始地点の走行速度及び車両の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する判定ステップと、判定ステップによって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行開始地点の位置情報と、判定ステップによって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行終了地点の位置情報とを特定する特定ステップと、複数の車両について特定ステップによって特定した走行開始地点の位置情報及び走行終了地点の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する推定ステップと、を実行する。
情報処理方法は、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0073】
(態様8)
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、車両の走行位置に関する位置情報と、時刻に関する時刻情報と、走行速度に関する速度情報とを含む車両走行情報を取得する取得機能と、取得機能によって取得した車両走行情報に基づいて、車両の走行開始地点の走行速度及び車両の走行終了地点の走行速度それぞれが所定の走行速度以上かを判定する判定機能と、判定機能によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行開始地点の位置情報と、判定機能によって所定の走行速度以上と判定された場合の車両走行情報に基づく走行終了地点の位置情報とを特定する特定機能と、複数の車両について特定機能によって特定した走行開始地点の位置情報及び走行終了地点の位置情報それぞれが集まる位置を、上空遮蔽道の出口及び入口と推定する推定機能と、
を実現させる。
情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 情報処理装置
110 制御部
111 取得部
112 判定部
113 特定部
114 推定部
115 登録部
116 経路案内部
121 通信部
122 記憶部
123 表示部
400 上空遮蔽道
図1
図2
図3
図4
図5