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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111540
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】駐車場精算機
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240809BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G07B15/00 L
G08G1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016111
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】上田 直史
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA05
3E127CA21
3E127CA41
3E127EA04
3E127FA18
3E127FA20
3E127FA24
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181DD10
5H181EE07
5H181EE10
5H181FF01
5H181FF13
5H181FF33
5H181KK01
5H181KK02
5H181KK03
5H181KK04
5H181KK06
5H181KK07
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】利用者が車両の駐車されている場所まで移動しなくとも、精算対象の車両を確定可能な駐車場精算機を提供する。
【解決手段】駐車場精算機10は、制御部15と、記憶部16と、検索条件設定部42とを有する。記憶部15は、駐車場へ入庫した車両に対応付けられた駐車情報を記憶する。検索条件設定部42は、検索条件を受け付ける。制御部10は、第1検索処理と、精算対象確定処理とを行う。制御部10は第1検索処理において、検索条件に該当する駐車情報と対応付けられている車両を記憶部15から検索する。制御部10は精算対象確定処理において、第1検索処理の検索結果となる少なくとも1つの車両の中から、精算対象となる車両の選択を受け付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
駐車場へ入庫した車両に対応付けられた駐車情報を記憶する記憶部と、
検索条件を受け付ける検索条件設定部と
を有し、
前記制御部は、前記検索条件に該当する前記駐車情報と対応付けられている前記車両を前記記憶部から検索する第1検索処理と、前記第1検索処理の検索結果となる少なくとも1つの前記車両の中から、精算対象となる前記車両の選択を受け付ける精算対象確定処理と、を行う、駐車場精算機。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1検索処理の検索結果となる前記車両の数が予め定められた基準台数よりも多い場合、前記検索条件設定部に、追加の検索条件を受け付けさせる、請求項1に記載の駐車場精算機。
【請求項3】
前記検索条件設定部が受け付ける前記検索条件の項目を複数並べて表示する表示部をさらに有し、
前記制御部は、検索効率が最大になるように、前記表示部に表示される前記項目の並び順を変更する、請求項1に記載の駐車場精算機。
【請求項4】
前記制御部は、前記駐車場に入庫している車両が予め定められた最低台数よりも少ない場合、前記検索条件設定部に前記検索条件の受け付けをスキップさせて、前記精算対象確定処理を行い、前記精算対象確定処理において、入庫している全ての前記車両の中から、精算対象となる前記車両の選択を受け付ける、請求項1に記載の駐車場精算機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車場精算機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された駐車場の駐車位置確認システムにおいては、中央精算機に駐車位置番号が入力されたときに、駐車位置番号に対応する駐車区画に駐車されている車両の画像が、画像表示画面に表示される。そして、駐車場の駐車位置確認システムは、車両の画像表示後の、利用者の車両確認操作に基づいて、料金精算処理を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4666969号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の駐車場の駐車位置確認システムにおいては、利用者が駐車位置番号を覚えていない場合には、利用者は車両の駐車されている駐車区画まで徒歩で移動して、駐車位置番号を確認する必要がある。
【0005】
上記の問題点に鑑み、本開示は、利用者が車両の駐車されている場所まで移動しなくとも、精算対象の車両を確定可能な駐車場精算機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面によれば、駐車場精算機は、制御部と、記憶部と、検索条件設定部とを有する。記憶部は、駐車場へ入庫した車両に対応付けられた駐車情報を記憶する。検索条件設定部は、検索条件を受け付ける。制御部は、第1検索処理と、精算対象確定処理とを行う。制御部は第1検索処理において、検索条件に該当する駐車情報と対応付けられている車両を記憶部から検索する。制御部は精算対象確定処理において、第1検索処理の検索結果となる少なくとも1つの車両の中から、精算対象となる車両の選択を受け付ける。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一局面の駐車場精算機によれば、利用者が車両の駐車されている場所まで移動しなくとも、精算対象の車両を確定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】駐車場精算機の一例の構成を概略的に示す構成図である。
図2】精算開始画面の一例を示す図である。
図3】精算初期画面の一例を示す図である。
図4】その他の条件設定画面の一例を示す図である。
図5】おおよその入庫時刻指定画面の一例を示す図である。
図6】車両の色指定画面の一例を示す図である。
図7】車両の形状指定画面の一例を示す図である。
図8】入庫ゲート指定画面の一例を示す図である。
図9】ナンバーの一部分の指定画面の一例を示す図である。
図10】条件設定後の画面表示の一例を示す図である。
図11】条件追加を促す警告メッセージの一例を示す図である。
図12】追加の検索条件設定後の画面表示の一例を示す図である。
図13】検索結果となる車両の選択画面の一例を示す図である。
図14】駐車場精算機の動作の一例を示すフロー図である。
図15】検索処理の一例を示すフロー図である。
図16】精算処理の一例を示すフロー図である。
図17】精算初期画面の別例を示す図である。
図18】駐車エリア選択画面の一例を示す図である。
図19】駐車エリアのカメラ配置の一例を示す図である。
図20】車室選択画面の一例を示す図である。
図21】駐車場精算機の動作の別例を示すフロー図である。
図22】駐車場所選択処理の一例を示すフロー図である。
図23】その他の条件設定画面の別例を示す図である。
図24】その他の条件設定画面の別例において入庫時間が入力された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
まず、図1を参照して、駐車場精算機10の一例の構成について説明する。図1は、駐車場精算機10の一例の構成を概略的に示す構成図である。駐車場精算機10は、例えば、駐車場に設けられた装置、あるいは、駐車場に設けられた通信機とネットワークを介して通信可能な、駐車場の外部に設けられた装置である。
【0011】
図1の駐車場精算機10は、通信網12と、制御部15と、記憶部16と、通信部18と、撮像部20と、駐車情報取得部28と、表示部32と、操作部34と、検索条件設定部42と、検索処理部44と、精算処理部50と、満空看板制御部61とを有する。撮像部20は、複数のカメラ22を有する。満空看板制御部61は、満空看板62に接続されている。
【0012】
通信網12は、駐車場精算機10の各要素間での通信を中継する。通信網12は、例えば、駐車場に設けられたコンピュータの内部データバス、あるいは、駐車場の内部と外部との間で情報の送受信を可能とするネットワークである。
【0013】
制御部15は、駐車場精算機10の全体動作を制御する。制御部15は、CPU(Central Processing Unit)などの演算器、およびROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などの記憶装置を含むユニットである。制御部15は例えば、駐車場に設けられたコンピュータ、あるいは、駐車場に設けられた通信機とネットワークを介して通信可能な、駐車場の外部に設けられたコンピュータである。
【0014】
記憶部16は、駐車場精算機10で用いられる各種データを記憶する。記憶部16は特に、駐車場へ入庫した車両に対応付けられた駐車情報を記憶する。記憶部16は例えば、ROM、RAMなどの記憶装置、あるいは、ハードディスクドライブなどのストレージ機器である。
【0015】
通信部18は、駐車場精算機10と、駐車場精算機10以外の機器との間での通信を行う。通信部18は例えば、有線LAN(Local Area Network)通信を行う通信インタフェースユニット、あるいは無線LAN通信を行う通信インタフェースユニットである。駐車場精算機10以外の機器としては例えば、駐車場の利用料金滞納者、あるいは優待利用者に関する利用者情報データを記憶しているデータサーバが挙げられる。
【0016】
撮像部20は、車両の画像を撮像する。撮像部20は駐車場内に設けられた複数のカメラ22(図1においてはカメラ#1からカメラ#NまでのN台のカメラ)を有している。撮像部20は例えば、複数のカメラ22の撮影した画像のデータを通信網12に送信する通信ユニットである。個々のカメラ22は例えば、車両が駐車場へ入庫する際に通過する位置(入庫ゲート)などに設けられている。また、カメラ22は車両が駐車される個々の駐車スペース(車室)に対応して設けられていてもよい。カメラ22として例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ、CCD(Charge-Coupled Device)カメラなどが利用できる。なおカメラ22は、静止画を撮影するカメラであってもよいし、動画を撮影するカメラであってもよい。
【0017】
駐車情報取得部28は、撮像部20が画像を撮像した車両に関する駐車情報を取得する。駐車情報取得部28は例えば、撮像部20が撮像した画像に対する画像解析を行うことによって駐車情報を取得することができる。そして、駐車情報取得部28が取得した駐車情報は、各車両に対応付けられて記憶部16に記憶される。駐車情報取得部28は例えば、画像解析を行うプログラムを実行するCPUなどの演算器を含むユニットである。車両に関する駐車情報とは、駐車場に入庫した車両の1つ1つに対して個別に対応付けて記憶される情報であり、車両を特定する情報、車両の外見的特性、車両が入庫した際の状況に関する情報などの、複数の項目が含まれる。駐車情報としては例えば、車両のナンバープレートに表示されているナンバー(車両番号)、車両の色、車両の形状などが挙げられる。駐車情報取得部28は例えば、車両を撮像した画像を複数の部分入力画像に分割し、各部分入力画像を予め用意された複数種類のモデル画像と比較し、部分入力画像に類似するモデル画像を決定する。そして、駐車情報取得部28は、部分入力画像に類似するモデル画像に割り当てられた情報を、車両の外見的特性に関する情報として取得することができる。例えばナンバープレート部分の部分入力画像が、数字、文字、記号などのモデル画像に類似していれば、駐車情報取得部28は、ナンバープレートに表示されている数字、文字、記号の情報を駐車情報として取得できる。
【0018】
なお駐車情報取得部28は、画像解析から得られる情報以外にも、車両が駐車場に入庫した状況に応じた情報を駐車情報として取得することができる。例えば車両が通過した入庫ゲートの位置、車両が駐車場に入庫した入庫時刻などの情報が駐車情報に含まれる。例えば駐車情報取得部28は、入庫した車両を撮影したカメラ22が複数のカメラ22のうちどれであるかを識別するための、カメラの識別情報から、入庫ゲートの位置の情報を取得できる。また駐車情報取得部28は、入庫した車両を撮像した画像のタイムスタンプから、入庫時刻の情報を取得できる。
【0019】
表示部32は、駐車場の利用者に対して車両の画像、操作の案内情報、精算料金などの各種情報を表示する。表示部32は例えば、駐車場に設けられた液晶ディスプレイである。また表示部32は、利用者の携行する携帯端末(スマートフォン、タブレット端末など)のディスプレイであってもよい。
【0020】
操作部34は、利用者からの操作を受け付ける。操作部34は例えば、駐車場に設けられた機械的なボタンを含むスイッチ群である。操作部34には例えば、数字を入力するための数字キー、選択肢を選択するための方向キー、入力を確定するための決定キーなどが含まれる。また操作部34は、表示部32と一体となったタッチパネルであってもよい。操作部34は、利用者の携行する携帯端末の入力インターフェース(例えばタッチパネルおよび機械的なボタンなど)であってもよい。
【0021】
検索条件設定部42は、利用者からの操作に応じて、精算対象の車両を検索するための検索条件を受け付ける。検索条件設定部42は例えば、記憶部16に記憶されて制御部15によって実行されるプログラムデータ、および、検索条件を利用者に入力させるために表示部32に表示されるユーザインタフェースの画像情報などが含まれる。検索条件は例えば、駐車情報の項目のそれぞれに対応する各検索条件の項目について、利用者が特定の値あるいは特定の選択肢を指定することで設定される。
【0022】
検索処理部44は、検索条件設定部42が受け付けた検索条件に該当する駐車情報と対応付けられている車両を、記憶部16から検索する検索処理を行う。検索処理部44は例えば、記憶部16に記憶されて制御部15によって実行されるプログラムデータである。
【0023】
精算処理部50は、精算対象の車両が確定した際に、駐車時間などの条件に応じた精算料金を利用者に対して表示し、利用者からの精算料金の入金を受け付ける。精算処理部50は例えば、記憶部16に記憶されて制御部15によって実行されるプログラムデータと、現金(紙幣および硬貨)を受け取って計数する機器、釣銭を出金する機器などを含む。また精算処理部50は、電子マネーおよびクレジットカード決済などの、現金とは異なる形態での入金を受け付ける機能を有していてもよい。
【0024】
満空看板制御部61は、駐車場内の駐車スペース(車室)に空きがあるか否かを判定して、判定結果に応じた表示を行う指令を満空看板62に送信する。満空看板制御部61は、CPUなどの演算器、およびROMまたはRAMなどの記憶装置を含むユニットである。例えば、撮像部20のカメラ22が個々の車室に対応して設けられているならば、満空看板制御部61は、車両を撮像していないカメラ22があるか否かによって、車室に空きがあるか否かを判定できる。
【0025】
満空看板62は、満空看板制御部61からの指令に応じて、車室に空きがあることを示す表示(例えば「空」マーク)、または車室に空きがないことを示す表示(例えば「満」マーク)を行う。満空看板62は例えば、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイである。
【0026】
次に、図1から図13を参照して、駐車場精算機10の動作を説明する。図2から図13はそれぞれ、表示部32に表示される画像の一例を示している。駐車場精算機10による精算が行われる前に、駐車場において、入庫処理が行われる。入庫処理とは、車両が駐車場に入庫した際に駐車情報を記憶部16に記憶させる処理である。入庫処理においてはまず、車両が駐車場に入庫した時、入庫ゲート(駐車場の入口)に設けられたカメラ22が、車両の画像を撮像する。入庫ゲートのカメラ22は例えば、一定時間毎(例えば0.5秒毎)に撮像を行い、入庫ゲートを通過する車両の存在を監視する。なお、車両が駐車場に入庫したことを検知する入庫センサ(赤外線センサなど)が設けられていて、入庫センサの検知信号に応じてカメラ22による撮影が行われてもよい。
【0027】
カメラ22が車両の画像を撮像すると、駐車情報取得部28が、車両に関する駐車情報を取得し、駐車情報を車両に対応付けて記憶部16に記憶させる。駐車情報としては例えば表1に示すように、車両を特定するナンバープレートのナンバー(車両番号)、入庫時刻、車両の色、車両の形状、入庫ゲート(A、Bなどの符号で区別される)などの複数の項目が含まれる。また駐車情報の項目には、撮像された車両画像ファイルのファイル名も含まれる。なお、駐車情報を車両に対応付けて記憶させる、とは、車両を特定する情報と、駐車情報とを、一式のデータ(レコード)として記憶させることである。また、駐車情報の一部が車両を特定する情報(ナンバープレートのナンバーなど)であってもよい。
【0028】
【表1】
【0029】
なお、表1にも示されているように、ナンバープレートの4桁ナンバーは複数の車両の間で重複している場合もあるが、その他の駐車情報が異なっていれば、ナンバーが重複している複数の車両を互いに区別することが可能である。
【0030】
また、駐車情報として利用可能な情報は表1に記載のものに限られず、駐車情報取得部28が取得可能な情報を任意に利用することが可能である。例えば、車両のメーカ名、車種(ブランド)、駐車階数(立体駐車場などの場合)、車両運転者の顔画像なども、駐車情報として利用可能である。
【0031】
そして、車両を駐車場から出庫させようとする利用者は、駐車場精算機10を起動する。駐車場精算機10が駐車場に設けられた装置である場合には、例えば利用者が駐車場精算機10に近づく、駐車場精算機10に触れるなどの、駐車場精算機10を起動させるための操作を行うことにより、駐車場精算機10が起動する。駐車場精算機10が駐車場の外部に設けられた装置である場合には、例えば利用者が携帯端末にインストールされた精算用アプリケーションを起動することで、携帯端末から駐車場精算機10に起動信号が送信されて、駐車場精算機10が起動する。
【0032】
駐車場精算機10が起動すると、表示部32に、図2のような精算開始画面が表示される。図2は、精算開始画面の一例を示す図である。以下においては、表示部32および操作部34が、一体となったタッチパネルであるものとして説明を行う。図2の精算開始画面には、「精算開始」ボタンが含まれている。駐車場から車両を出庫させようとする利用者は、「精算開始」ボタンを押すことで、駐車場精算機10による精算を開始する。
【0033】
精算開始画面の「精算開始」ボタンが押されると、表示部32に、図3のような精算初期画面が表示される。図3は、精算初期画面の一例を示す図である。精算初期画面には、ナンバープレートを模したナンバー(車両番号)の入力欄(4桁)と、数字を入力するための数字キーと、ナンバー以外の条件での検索を行うための「その他の条件で検索」ボタンが含まれる。また、精算初期画面には、入力を確定するための「確定」ボタン、および精算開始画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれている。
【0034】
利用者は、車両のナンバーを覚えているならば、数字キーを操作してナンバーの入力欄に車両のナンバーを入力し、「確定」ボタンを押す。ナンバーが確定された場合は、表示部32に、精算処理を行うための画面(図示せず)が表示され、後述の精算処理が行われる。
【0035】
利用者は、車両のナンバーを覚えていないならば、「その他の条件で検索」ボタンを押す。精算初期画面の「その他の条件で検索」ボタンが押されると、表示部32に、図4のようなその他の条件設定画面が表示される。図4は、その他の条件設定画面の一例を示す図である。
【0036】
図4に示されているように、その他の条件設定画面において、表示部32は、検索条件設定部42が受け付ける検索条件の項目を複数並べて表示する。図4のその他の条件設定画面には、検索条件の複数の項目に対応して、「おおよその入庫時刻」、「車両の色」、「車両の形状」、「入庫ゲート位置」、「ナンバーの一部分を入力」のボタンが表示されている。利用者は、各項目に対して、車両について覚えている情報を検索条件として入力する。利用者が検索条件を入力する前は、検索条件の各項目について「条件なし」(検索条件が未設定であることを示す)と表示される。また、その他の条件設定画面には、検索条件を確定して検索を実行するための「検索」のボタン、および精算初期画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれる。
【0037】
図4のその他の条件設定画面で「おおよその入庫時刻」のボタンが押された場合は、表示部32に、図5のようなおおよその入庫時刻指定画面が表示される。図5は、おおよその入庫時刻指定画面の一例を示す図である。おおよその入庫時刻指定画面には、時刻の入力欄と数字を入力するための数字キーが含まれる。また、おおよその入庫時刻指定画面には、入力を確定するための「確定」ボタン、および、その他の条件設定画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれる。
【0038】
おおよその入庫時刻指定画面において利用者は、数字キーを操作して、車両が入庫した時刻に近いと考えるおおおよその時刻を入力欄に入力し「確定」ボタンを押す。検索条件設定部42は入力された時刻を、検索条件として受け付ける。なお、「戻る」ボタンが押された場合には、検索条件設定部42は、おおよその入庫時刻の指定を未設定(「条件なし」)とする。
【0039】
検索処理部44は、入力された時刻に近い入庫時刻を含む駐車情報と対応付けられた車両に関する一式のデータ(レコード)を、記憶部16から検索することができる。入力された時刻に近い入庫時刻とは、入力された時刻の前後数分の範囲に収まる入庫時刻である。前後何分までの範囲を入力された時刻に近い入庫時刻とするかの具体例としては、例えば15分、30分などの時間幅が挙げられる。時間幅の具体的な値は、利用者または駐車場精算機10の管理者が変更できる。
【0040】
図4のその他の条件設定画面で「車両の色」のボタンが押された場合は、表示部32に、図6のような車両の色指定画面が表示される。図6は、車両の色指定画面の一例を示す図である。車両の色指定画面には、色の選択肢(図6では「白」、「黒」、「赤」、「青」、「シルバー」、「その他」)のボタンと、選択を確定するための「確定」ボタン、および精算初期画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれている。
【0041】
車両の色指定画面において利用者は、車両の色に相当する選択肢のボタンを押してから、「確定」ボタンを押すことで選択を確定する。検索条件設定部42は選択された色を、検索条件として受け付ける。なお、「戻る」ボタンが押された場合には、検索条件設定部42は、車両の色の指定を未設定(「条件なし」)とする。検索処理部44は、選択された色の情報を含む駐車情報と対応付けられた車両に関する一式のデータ(レコード)を、記憶部16から検索することができる。
【0042】
図4のその他の条件設定画面で「車両の形状」のボタンが押された場合は、表示部32に、図7のような車両の形状指定画面が表示される。図7は、車両の形状指定画面の一例を示す図である。車両の形状指定画面には、形状の選択肢(図7では「ワンボックスミニバン」、「ハッチバッククーペ」、「ワゴン」、「SUV」、「セダン」、「その他」)のボタンが含まれている。また車両の形状指定画面には、選択を確定するための「確定」ボタン、および精算初期画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれている。また利用者の利便性のため、選択肢のボタンの近傍には、選択肢に相当する形状を示すイラストが並べて表示される。
【0043】
車両の形状指定画面において利用者は、車両の形状に相当する選択肢のボタンを押してから、「確定」ボタンを押すことで選択を確定する。検索条件設定部42は選択された形状を、検索条件として受け付ける。なお、「戻る」ボタンが押された場合には、検索条件設定部42は、車両の形状の指定を未設定(「条件なし」)とする。検索処理部44は、選択された形状の情報を含む駐車情報と対応付けられた車両に関する一式のデータ(レコード)を、記憶部16から検索することができる。
【0044】
図4のその他の条件設定画面で「入庫ゲート位置」のボタンが押された場合は、表示部32に、図8のような入庫ゲート指定画面が表示される。図8は、入庫ゲート指定画面の一例を示す図である。入庫ゲート指定画面には、駐車場のレイアウト図(パーキング見取り図)と、方角を示す表示(例えば「北方向」)と、レイアウト図において複数の入庫ゲートのそれぞれに対応する位置に配置されたボタン(例えば「A」および「B」)が含まれる。また入庫ゲート指定画面には、選択を確定するための「確定」ボタン、および精算初期画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれている。なお「入庫ゲート位置」のボタンは、駐車場に複数の入庫ゲートが存在する場合にのみ押すことが可能となる。
【0045】
入庫ゲート指定画面において利用者は、車両が入庫した際に通過した入庫ゲートのボタンを押してから、「確定」ボタンを押すことで選択を確定する。検索条件設定部42は選択された入庫ゲートの情報を、検索条件として受け付ける。なお、「戻る」ボタンが押された場合には、検索条件設定部42は、入庫ゲートの指定を未設定(「条件なし」)とする。検索処理部44は、選択された入庫ゲートの情報を含む駐車情報と対応付けられた車両に関する一式のデータ(レコード)を、記憶部16から検索することができる。
【0046】
図4のその他の条件設定画面で「ナンバーの一部分を入力」のボタンが押された場合は、表示部32に、図9のようなナンバーの一部分の指定画面が表示される。図9は、ナンバーの一部分の指定画面の一例を示す図である。ナンバーの一部分の指定画面には、ナンバーの入力欄と、数字キーが含まれる。またナンバーの一部分の指定画面には、入力を確定するための「確定」ボタン、および精算初期画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれている。ナンバーの一部分の指定画面におけるナンバーの入力欄の各桁(全部で4桁)には、数字が未設定であることを示す記号(「*」)が予め入力されている。また数字キーの横にも、数字が未設定であることを示す記号を入力するためのキー(「*」キー)が配置されている。
【0047】
ナンバーの一部分の指定画面において利用者は、車両のナンバーのうち、覚えている桁の数字のみを入力し、覚えていない桁については「*」のままとして、「確定」ボタンを押すことで入力を確定する。検索条件設定部42は、入力された桁の数字を、検索条件として受け付ける。なお、「戻る」ボタンが押された場合には、検索条件設定部42は、ナンバーの全ての桁(4桁)を未設定(「*」)とする。検索処理部44は、入力された桁の数字がナンバーの数字と一致する車両に関する一式のデータ(レコード)を、記憶部16から検索することができる。
【0048】
おおよその入庫時刻指定画面、車両の色指定画面、車両の形状指定画面、入庫ゲート指定画面、ナンバーの一部分の指定画面において「確定」ボタンまたは「戻る」ボタンが押されると、表示部32の表示は精算初期画面に戻る。いずれかの検索条件が確定(設定)された場合には、精算初期画面において、図10のように、設定された検索条件が表示される。図10は条件設定後の画面表示の一例を示す図である。
【0049】
図10においては、おおよその入庫時刻として「10:30頃」、入庫ゲート位置として「A」が設定された状態が示されている。そして、少なくとも1つの検索条件が設定された状態で「検索」ボタンが押されると、制御部15は、検索処理部44を用いて、設定された検索条件に該当する駐車情報と対応付けられている車両(車両のレコード)を記憶部16から検索する第1検索処理を行う。なお、複数の条件が設定された場合、制御部15は、第1検索処理において論理積検索を行う。すなわち、制御部15は、設定された複数の条件を全て満たすレコードを、記憶部16から検索する。
【0050】
第1検索処理の検索結果となる車両が複数存在する場合、制御部15は、検索結果となる車両の数を予め定められた基準台数(例えば10台)と比較する。制御部15は、第1検索処理の検索結果となる車両の数が基準台数よりも多い場合、検索条件設定部42に、追加の検索条件を受け付けさせる。具体的には、検索条件設定部42は、表示部32に、図11のような警告メッセージを表示させる。図11は、条件追加を促す警告メッセージの一例を示す図である。なお基準台数は、検索結果の全てを表示部32に表示した際に、利用者が精算対象の車両を選択することが困難となると考えられる程度に大きい数である。基準台数は、駐車場精算機10の管理者などが変更することも可能である。
【0051】
警告メッセージを見た利用者は、追加の検索条件を入力する。例えばおおよその入庫時刻と入庫ゲート位置のみを入力した結果、警告メッセージが表示された場合、利用者は、車両の色などの、追加の検索条件を入力する。なお、警告メッセージが表示されなくとも、利用者は、自発的に追加の検索条件を入力してもよい。検索条件設定部42は、利用者が自発的に入力した検索条件も受け付ける。図12は、追加の検索条件設定後の画面表示の一例を示す図である。図12においては、車両の色として「赤」、ナンバーの一部分として「***3」が入力されている。
【0052】
追加の検索条件が設定された状態で「検索」ボタンが押されると、制御部15は、検索処理部44を用いて、追加の検索条件も含めた検索条件に該当する駐車情報と対応付けられている車両を検索する第2検索処理を行う。第2検索処理においても検索結果となる車両の数が基準台数よりも多い場合、制御部15は、検索条件設定部42に、さらに追加の検索条件を受け付けさせる。さらに追加の検索条件が設定された後、制御部15は、検索処理部44を用いて、さらに追加された検索条件も含めた検索条件に該当する駐車情報と対応付けられている車両を検索する第3検索処理を行う。
【0053】
第1検索処理(または第2検索処理、第3検索処理)の検索結果となる車両の数が基準台数以下であれば、制御部15は、第1検索処理の検索結果となる少なくとも1つの車両の中から、精算対象となる車両の選択を受け付ける精算対象確定処理を行う。精算対象確定処理において、制御部15は、表示部32に、図13に示されるような、検索結果となる車両の選択画面を表示する。図13は、検索結果となる車両の選択画面の一例を示す図である。
【0054】
検索結果となる車両の選択画面には、検索条件に該当する駐車情報と対応付けられている車両(検索結果となる車両)が入庫した際に撮像された画像が少なくとも1つ表示される。検索結果となる車両が複数存在する場合には、複数の車両の画像が表示される。また、検索結果となる車両の選択画面には、選択を確定するための「確定」ボタン、および精算初期画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれている。
【0055】
検索結果となる車両の選択画面において利用者は、検索結果となる車両の中から、精算対象となる車両の画像を選択して、「確定」ボタンを押すことで選択を確定する。車両が確定された場合は、表示部32に、精算処理を行うための画面(図示せず)が表示され、後述の精算処理が行われる。
【0056】
次に、図1から図13、および図14図15図16を参照して、駐車場精算機10において行われる動作の流れの一例について説明する。図14は、駐車場精算機10の動作の流れの一例を示すフロー図である。
【0057】
まず、駐車場精算機10が起動されることで、駐車場精算機10による動作が開始し、表示部32に図2の精算開始画面が表示される(START)。ステップS10において、制御部15は、精算開始画面の「精算開始」ボタンが押されたか否かを確認する。「精算開始」ボタンが押されていない場合(ステップS10でNO)、制御部15は、「精算開始」ボタンが押されるまで待機する(ステップS10を繰り返す)。
【0058】
「精算開始」ボタンが押された場合(ステップS10でYES)、制御部15は、ステップS11に進み、表示部32に図3の精算初期画面を表示する。そしてステップS12において制御部15は、精算初期画面の「戻る」ボタンが押されたか否かを確認する。「戻る」ボタンが押された場合(ステップS12でYES)、制御部15はステップS10に戻って表示部32に精算開始画面を表示する。
【0059】
「戻る」ボタンが押されていない場合(ステップS12でNO)、制御部15は、ステップS13に進み、ナンバーが入力されたか否かを確認する。ナンバーが入力された場合(ステップS13でYES)、制御部15はステップS14に進み、後述の精算処理を行う。
【0060】
精算初期画面でナンバーが入力されていない場合(ステップS13でNO)、制御部15は、ステップS15に進み、「その他の条件で検索」ボタンが押されたか否かを確認する。「その他の条件で検索」ボタンが押されていない場合(ステップS15でNO)、制御部15は、「戻る」ボタンが押されたか否かの確認に戻る(ステップS12に戻る)。
【0061】
「その他の条件で検索」ボタンが押された場合(ステップS15でYES)、制御部15は、ステップS16に進み、図15の検索処理を実行する。図15は、検索処理の一例を示すフロー図である。
【0062】
検索処理が実行される(START)と、制御部15は、ステップS20において、表示部32に図4のその他の条件設定画面を表示する。そして制御部15は、ステップS21において、「戻る」ボタンが押されたか否かを確認する。「戻る」ボタンが押された場合(ステップS21でYES)、制御部15は、ステップS23に進み、表示部32に精算初期画面を表示し、検索処理を終了する(END)。なお、ステップS23で検索処理が終了された場合、制御部15は、表示部32に精算初期画面を表示させる(図14のステップS11まで戻る)。
【0063】
「戻る」ボタンが押されていない場合(ステップS21でNO)、制御部15は、ステップS24において、いずれかの検索条件が入力されたか否か(いずれかの検索条件の項目のボタンが押されたか否か)を確認する。検索条件が入力されていない場合(ステップS24でNO)、制御部15は、検索条件が入力されるまで待機する(ステップS24を繰り替す)。
【0064】
いずれかの検索条件が入力された場合(ステップS24でYES)、制御部15は、ステップS25に進み、入力された検索条件の項目に応じて図5から図9の検索条件設定画面を表示して、検索条件設定部42に検索条件を受け付けさせる。
【0065】
検索条件を受け付けた後、制御部15は、ステップS26に進み、その他の条件設定画面の「検索」ボタンが押されたか否かを確認する。「検索」ボタンが押されていない場合、追加の検索条件が入力されるまで待機する(ステップS24に戻る)。
【0066】
「検索」ボタンが押された場合(ステップS26でYES)、制御部15は、ステップS27に進み、検索処理部44を用いて、検索条件に該当する車両を記憶部16から検索する(第1検索処理)。検索条件に該当する車両が検索されたら、制御部15は、ステップS28において、検索条件に該当する車両の台数(該当台数)が、予め定められた基準台数以下か否かを確認する。
【0067】
該当台数が、基準台数より多い場合(ステップS28でNO)、制御部15は、ステップS29に進み、表示部32に図11の警告メッセージ画面を表示して、追加の検索条件が入力されるまで待機する(ステップS24に戻る)。
【0068】
該当台数が、基準台数以下の場合(ステップS28でYES)、制御部15は、ステップS30に進み、図13の検索結果となる車両(該当する車)の選択画面を表示する(精算対象確定処理)。検索結果となる車両の選択画面を表示している間、制御部15は、ステップS31において、「戻る」ボタンが押されたか否かを確認する。「戻る」ボタンが押された場合(ステップS31でYES)、設定された検索条件を残したまま、表示部32にその他の条件設定画面を表示させる(ステップS26に戻る)。
【0069】
「戻る」ボタンが押されていない場合(ステップS31でNO)、制御部15はステップS32に進み、利用者がいずれかの車両の選択を確定したか否かを確認する。車両の選択を確定されていない場合(ステップS32でNO)、制御部15は車両の選択が確定されるまで待機する(ステップS32を繰り替えす)。
【0070】
車両の選択が確定された場合(ステップS32でYES)、制御部15は検索処理を終了する(END)。車両の選択が確定されて検索処理が終了した場合、制御部15は図16の精算処理に進む。図16は精算処理の一例を示すフロー図である。
【0071】
精算処理が開始される(START)と、制御部15は、ステップS40において、表示部32に精算金額を表示する。精算金額は、車両の入庫時刻と現在時刻との差分と、単位時間当たりの料金とを積算することなどによって計算される。そして制御部15はステップS41に進み、利用者が入金する(支払う)精算金額を受け付ける。なお、精算金額は現金(紙幣および硬貨)で入金されてもよいし、電子マネーおよびクレジットカード決済などによって、現金以外の形態で入金されてもよい。
【0072】
制御部15は利用者の入金を受け付けたら、ステップS42に進み、現金での入金の場合に釣銭が発生したか否かを確認する。釣銭が発生していない場合(ステップS42でNO)は、制御部15は精算処理を終了する(END)。釣銭が発生した場合(ステップS42でYES)は、制御部15はステップS43に進み、釣銭の金額に相当する現金を出金する(払い出す)。釣銭の出金が終了したら、制御部15は精算処理を終了する(END)。なお、精算処理の終了時には、制御部15は出庫する車両の駐車情報を記憶部16から消去することが好ましい。
【0073】
以上の駐車場精算機10においては、利用者が車両を特定する情報(ナンバープレートのナンバーなど)を覚えていない場合でも、検索条件設定部42によって受け付けられた検索条件に該当する駐車情報と対応付けられている車両が検索される。したがって精算を行って車両を駐車場から出庫しようとする利用者は、覚えている範囲の情報で検索条件を設定することにより、精算対象の車両を特定することができる。すなわち、利用者はナンバーなどの確認のために、車両を駐車している位置まで徒歩で移動しなくともよく、利用者にとって利便性が高い。
【0074】
また、駐車場精算機10の制御部15は、検索対象となる車両の数が基準台数よりも多い場合、検索条件設定部42に追加の検索条件を受け付けさせる。したがって、最終的に表示部32に表示される検索結果の車両の数は、利用者が精算対象の車両を選択することが容易な程度の、基準台数以下の数に留まり、利用者にとって利便性が高い。
【0075】
次に、図1図2図15図16、および図17から図20を参照して、駐車場精算機10の別例について説明する。別例の駐車場精算機10においては、駐車場内の車室に個別の車室番号が割り振られている。そして、駐車情報の一部として、車両が駐車されている車室の車室番号が記憶部16に記憶される。別例の駐車場精算機10において、駐車場精算機10が起動した際には図2の精算開始画面が表示部32に表示され、利用者が「精算開始」ボタンを押すことで精算が開始される。
【0076】
別例の駐車場精算機10では、精算が開始されると、図17のような精算初期画面が表示部32に表示される。図17は、精算初期画面の別例を示す図である。図17の精算初期画面には、ナンバープレートのナンバーの入力欄の代わりに、車室番号の入力欄が含まれる。また、図17の精算初期画面には、数字キー、「確定」ボタン、「戻る」ボタン、「その他の条件で検索」ボタンの他に、「駐車している場所から指定」のボタンが含まれる。
【0077】
利用者は、車両を駐車した車室の車室番号を覚えているならば、数字キーを操作して車室番号の入力欄に車室番号を入力し、「確定」ボタンを押す。車室番号が確定された場合は、車室番号に対応する車室に駐車されている車両に対して、図16の精算処理が行われる。一方、利用者が車室番号を覚えておらず、「その他の条件で検索」ボタンを押した場合は、図15の検索処理が行われ、検索結果から精算対象の車両が特定されて、図16の精算処理が行われる。
【0078】
また、利用者が「駐車している場所から指定」のボタンを押した場合には、表示部32に、図18のような駐車エリア選択画面が表示される。図18は、駐車エリア選択画面の一例を示す図である。
【0079】
駐車エリア選択画面には、駐車場のレイアウト図と、駐車場内で区分けされた複数の駐車エリアを示す表示(図18においてはA、B、C、Dの4つの駐車エリア)が含まれる。駐車エリアのそれぞれには、複数の車室が含まれる。また駐車エリア選択画面には、選択を確定するための「確定」ボタン、および精算初期画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれている。
【0080】
駐車エリア選択画面において利用者は、レイアウト図を参考にして、精算対象の車両が駐車されている車室を含むと思われる駐車エリアを選択し、「確定」ボタンを押すことで選択を確定する。駐車エリアの選択が確定されると、制御部15は、選択された駐車エリアに対応するカメラ22を特定する。
【0081】
駐車場内のカメラ22の一部は、駐車エリア選択画面に表示される複数の駐車エリアのそれぞれに対応して配置されている。図19は、駐車エリアのカメラ配置の一例を示す図である。図19には4つの駐車エリアにそれぞれ対応するカメラA、カメラB、カメラC、カメラDが示されている。
【0082】
カメラAは駐車エリアAの対面に配置されている。同様に、カメラBは駐車エリアBの対面に、カメラCは駐車エリアCの対面に、カメラDは駐車エリアDの対面に配置されている。そしてカメラA、カメラB、カメラC、カメラDはそれぞれ、対応する駐車エリアに含まれる車室を全て撮像範囲に含めることができる。図19において各カメラから延びる二点鎖線で示される範囲は、各カメラの撮像範囲を示している。
【0083】
制御部15は、利用者が選択した駐車エリアに対応するカメラ22を特定したら、表示部32に図20のような車室選択画面を表示する。図20は、車室選択画面の一例を示す図である。車室選択画面には、利用者が選択した駐車エリアに対応するカメラ22が撮像している画像が含まれる。
【0084】
カメラ22が撮像している画像には、駐車エリアに含まれる車室、および各車室に駐車している車両の画像が含まれる。そして、車室選択画面には、駐車エリアに含まれる各車室に対応する車室番号も表示される。また車室選択画面には、選択を確定するための「確定」ボタン、および駐車エリア選択画面に戻るための「戻る」ボタンが含まれている。
【0085】
車室選択画面において利用者は、車両の画像を参考にして、精算対象となる車両が駐車されている車室の車室番号を選択し、「確定」ボタンを押して選択を確定する。車室番号の選択が確定されると、車室番号に対応する車室に駐車されている車両に対して、図16の精算処理が行われる。なお、車室番号が設定されている駐車場においては、車両を車室内に束縛(ロック)する機構(フラップ板など)が車室毎に配置されている場合がある。精算処理が行われた後は、精算対象となった車両のロックが解除され、車両が出庫可能となる。
【0086】
次に、図1図2図15から図20、および図21図22を参照して、駐車場精算機10の別例において行われる動作の流れの一例について説明する。図21は、駐車場精算機10の動作の別例を示すフロー図である。
【0087】
まず、駐車場精算機10が起動されることで、駐車場精算機10による動作が開始し、表示部32に図2の精算開始画面が表示される(START)。ステップS50において、制御部15は、精算開始画面の「精算開始」ボタンが押されたか否かを確認する。「精算開始」ボタンが押されていない場合(ステップS50でNO)、制御部15は、「精算開始」ボタンが押されるまで待機する(ステップS50を繰り返す)。
【0088】
「精算開始」ボタンが押された場合(ステップS50でYES)、制御部15は、ステップS51に進み、表示部32に図17の精算初期画面を表示する。そしてステップS52において制御部15は、精算初期画面の「戻る」ボタンが押されたか否かを確認する。「戻る」ボタンが押された場合(ステップS52でYES)、制御部15はステップS50に戻って表示部32に精算開始画面を表示する。
【0089】
「戻る」ボタンが押されていない場合(ステップS52でNO)、制御部15は、ステップS53に進み、車室番号が入力されたか否かを確認する。車室番号が入力された場合(ステップS53でYES)、制御部15はステップS54に進み、図16の精算処理を行った後、精算を終了する(END)。
【0090】
精算初期画面で車室番号が入力されていない場合(ステップS53でNO)、制御部15は、ステップS55に進み、「その他の条件で検索」ボタンが押されたか否かを確認する。「その他の条件で検索」ボタンが押された場合(ステップS55でYES)、制御部15は、ステップS56に進み、図15の検索処理を実行する。検索処理の実行後、制御部15は、ステップS54に進み、検索結果となる車両から選択された精算対象となる車両に対して、図16の精算処理を行った後、精算を終了する(END)。
【0091】
精算初期画面で「その他の条件で検索」ボタンが押されていない場合(ステップS55でNO)、制御部15はステップS57に進み、「駐車している場所から指定」のボタンが押されたか否かを確認する。「駐車している場所から指定」のボタンが押されていない場合(ステップS57でNO)、制御部15は、「戻る」ボタンが押されたか否かの確認に戻る(ステップS52に戻る)。
【0092】
「駐車している場所から指定」のボタンが押された場合(ステップS58でYES)、ステップS58に進み、図22の駐車場所選択処理を行う。図22は、駐車場所選択処理の一例を示すフロー図である。
【0093】
駐車場所選択処理が開始される(START)と、制御部15は、ステップS60において、表示部32に図18の駐車エリア選択画面を表示する。そして制御部15は、ステップS61において、駐車エリア選択画面の「戻る」ボタンが押されたか否かを確認する。「戻る」ボタンが押された場合(ステップS61でYES)、制御部15はステップS62に進み、精算初期画面に戻って駐車場所選択処理を終了する(END)。ステップS62で駐車場所選択処理が終了された場合、制御部15は図17の精算初期画面を表示部32に表示する(図21のステップS51に戻る)。
【0094】
「戻る」ボタンが押されていない場合(ステップS61でNO)、制御部15はステップS63に進み、駐車エリア選択画面でいずれかのエリアが選択されたか否かを確認する。いずれのエリアも選択されていない場合(ステップS63でNO)、制御部15はいずれかのエリアが選択されるまで待機する(ステップS63を繰り替えす)。
【0095】
いずれかのエリアが選択された場合(ステップS63でYES)、制御部15はステップS64に進み、選択されたエリアに対応するカメラ22を特定して、表示部32に図20の車室選択画面を表示する。
【0096】
そして制御部15はステップS65に進み、車室選択画面の「戻る」ボタンが押されたか否かを確認する。「戻る」ボタンが押された場合(ステップS65でYES)、制御部15は表示部32に駐車エリア選択画面を表示する(ステップS60に戻る)。
【0097】
「戻る」ボタンが押されていない場合(ステップS65でNO)、制御部15はステップS66に進み、いずれかの車室番号の選択が確定されたか否かを確認する。車室番号の選択が確定されていない場合(ステップS66でNO)、制御部15は車室番号の選択が確定されるまで待機する(ステップS66を繰り返す)。
【0098】
車室番号の選択が確定された場合(ステップS66でYES)、制御部15は駐車場所選択処理を終了し(END)、確定された車室番号に駐車されている車両に対して図16の精算処理を行う(図21のステップS54に進む)。
【0099】
以上の駐車場精算機10の別例では、利用者が車室番号を覚えていない場合でも、検索条件設定部42によって受け付けられた検索条件に該当する駐車情報と対応付けられている車両が検索される。したがって精算を行って車両を駐車場から出庫しようとする利用者は、車室番号の確認のために車両を駐車している位置まで徒歩で移動しなくともよく、利用者にとって利便性が高い。
【0100】
また、利用者が車室番号に加えて車両に関する各種情報を覚えていない場合でも、駐車エリア選択画面と車室選択画面によって、精算対象の車両が駐車されている車室の車室番号を特定することができる。
【0101】
以上においては、「その他の条件設定」画面において、検索条件の項目の並び順が一定であるものとして説明している。しかしながら、検索条件の項目の並び順は、状況に応じて変更されてもよい。制御部15は、検索効率が最大になるように、表示部32に表示される項目の並び順を変更することが好ましい。以下、図23および図24を参照して、検索条件の項目の並び順を変更することについて説明する。図23は、その他の条件設定画面の別例を示す図である。図24は、その他の条件設定画面の別例において、入庫時間が入力された状態を示す図である。
【0102】
検索効率が最大になるように検索条件の項目の並び順を変更する、とは、利用者にとって検索条件の入力の手間が最小限になるように項目の並び順を変更するということである。例えば駐車場に同じ色の車両が多数入庫している場合、車両の色で検索を行っても、検索条件に該当する車両の数を基準台数以下まで絞り込めない可能性がある。したがって、駐車場に同じ色の車両が多数入庫している場合には、「車両の色」の検索条件の項目が下位に位置するように項目の並び順を変更することが好ましい。
【0103】
検索効率が最大になるように検索条件の項目の並び順を変更する方法の一例としては、検索結果数が小さくなる項目がその他の条件設定画面においてより上方に配置されるように配置する、という方法がある。
【0104】
例えば制御部15は、利用者によって検索条件が入力される前に、予め検索条件の各項目について様々な条件で検索を行い、検索条件の各項目について、最も検索結果数が大きくなる最大検索条件を特定しておく。そして、最大検索条件による検索結果数が小さい項目がその他の条件設定画面においてより上方に配置されるように検索条件の項目の並び順を変更する。
【0105】
例えば駐車場内に100台の車両が駐車しているとして、制御部15は、検索条件の各項目について、各条件のみで検索した場合の、検索結果の最大台数の情報を調べる。例えば制御部15は、「入庫時刻」の検索項目についてはn時m分頃(例えばn時m分前後15分の間)が最大台数となり、最大台数は20台である、といった情報を調べる。以下、他の項目の最大台数の情報の一例を示す。
・「車両の色」の検索項目については白が最大台数となり、最大台数は30台である。
・「車両の形状」の検索項目についてはセダンが最大台数となり、最大台数は25台である。
・「入庫ゲート」の検索項目についてはAゲートが最大台数となり、最大台数は70台である。
【0106】
以上の検索結果の最大台数の情報の一例を、表2に示す。なお、「ナンバーの一部分」の検索項目については、設定可能な検索条件の総数が膨大になるため、最大台数の計数は行わない。
【0107】
【表2】
【0108】
表2に示されている最大台数の大小を見ると、「入庫時刻」、「車両の形状」、「車両の色」、「入庫ゲート」の順に大きくなっていく。したがって、表2に記載されている表示順位の順番で検索条件を設定すると、検索結果となる車両を効率的に絞り込むことが可能だと考えられる。
【0109】
したがって制御部15は、初期状態のその他の条件設定画面において、上方から順に、表2に記載されている表示順位の通りに検索条件の項目を並べて、図23のようにその他の条件設定画面を表示部32に表示する。
【0110】
そして、利用者が「入庫時刻」として10:15頃(例えば10:00から10:30の間)の検索条件を入力したとする。そして、「入庫時刻が10:15頃」に該当する車両の総数が18台であったとする。制御部15は、「入庫時刻が10:15頃」に該当する車両の中で、他の検索条件の各項目について、最大台数の情報を調べる。以下、「入庫時刻が10:15頃」に該当する車両の中での、他の項目の最大台数の情報の一例を示す。
・「車両の色」の検索項目については赤が最大台数となり、最大台数は9台である。
・「車両の形状」の検索項目についてはハッチバックが最大台数となり、最大台数は12台である。
・「入庫ゲート」の検索項目についてはAゲートが最大台数となり、最大台数は10台である。
【0111】
以上の検索結果の最大台数の情報の一例を、表3に示す。
【0112】
【表3】
【0113】
表3に示されている最大台数の大小を見ると、条件入力済みの「入庫時刻」と、計数しない「ナンバーの一部分」を除くと、「車両の色」、「入庫ゲート」、「車両の形状」の順に最大台数が大きくなっていく。したがって、表3に記載されている表示順位の順番で検索条件を設定すると、検索結果となる車両を効率的に絞り込むことが可能だと考えられる。
【0114】
したがって制御部15は、入庫時間が入力された状態のその他の条件設定画面において、上方から順に、表3に記載されている表示順位の通りに検索条件の項目を並べて、図24のようにその他の条件設定画面を表示部32に表示する。
【0115】
さらに次の条件が利用者によって入力されたら、制御部15は、条件が未入力(条件なし)である検索条件の項目について、検索結果の最大台数を調べる。そして制御部15は、最大台数が小さい項目が、その他の条件設定画面の上方に配置されるように項目を並び替える。
【0116】
以上のように制御部15が検索条件の項目の並び順を変更することにより、利用者は、その他の条件設定画面においてより上方(上位)に表示されている検索条件の項目から順に条件を入力することで、より効率的に精算対象の車両を検索することができる。
【0117】
なお、制御部15が検索条件の項目の並び順を変更するにあたっては、利用者にとって検索条件の入力の手間が最小限になる(検索効率が最大になる)のであれば、どのような基準で並び順を変更してもよい。例えば制御部15は、検索結果となる車両の台数が基準台数以下になる選択肢の存在する検索条件の項目が、その他の条件設定画面においてより上方に配置されるように、検索条件の項目の並び順を変更してもよい。
【0118】
例えば駐車場内に白色の車両と赤色の車両のみが存在し、白色の車両が5台しか存在しない場合には、利用者が「車両の色」の検索項目について「白」を選択すると、他の条件を指定しなくとも、検索結果となる車両の台数が基準台数(例えば10台)以下となる。したがって、検索結果となる車両の台数が基準台数以下になる選択肢の存在する「車両の色」の検索項目を、その他の条件設定画面においてより上方に配置することで、利用者にとって検索条件の入力の手間が最小限になる可能性がある。
【0119】
また、利用者にとって検索条件の入力の手間が最小限になる状況の別例としては、駐車場内の車両の台数が非常に少ないという状況が挙げられる。例えば駐車場内に車両が全部で3台しか存在しない場合、検索条件設定部42がどのような検索条件を受け付けたとしても、検索結果となる車両の数は必ず基準台数(例えば10台)以下となる。
【0120】
したがって、制御部15は、駐車場に入庫している車両が予め定められた最低台数(例えば基準台数と同じ10台)よりも少ない場合、検索条件設定部42に検索条件の受け付け(精算初期画面およびその他の条件設定画面の表示)をスキップさせて、精算対象確定処理を行うとよい。そして制御部15は、精算対象確定処理(検索結果となる車両の選択画面の表示)において、入庫している全ての車両の中から、精算対象となる車両の選択を受け付けるとよい。
【0121】
制御部15が検索条件設定部42に検索条件の受け付けをスキップさせ、入庫している全ての車両の中から、精算対象となる車両を利用者に選択させることで、利用者は検索条件の入力を行うことなく精算処理へ進むことが可能となる。したがって、利用者にとっての利便性が高くなる。
【0122】
以上、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明した。但し、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本開示は駐車場精算機を提供するものであり、本開示は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0124】
10 駐車場精算機
12 通信網
15 制御部
16 記憶部
18 通信部
20 撮像部
22 カメラ
28 駐車情報取得部
32 表示部
34 操作部
42 検索条件設定部
44 検索処理部
50 精算処理部
61 満空看板制御部
62 満空看板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24