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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111561
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】遊技用装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 328
A63F7/02 352L
A63F7/02 352F
A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016144
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】岩田 陽平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB05
2C088CA11
2C088CA28
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】遊技点数による遊技を行う遊技機において試打を行う場合であっても、誤差や不正に繋がる虞を排除することを可能にする。
【解決手段】遊技機から出力される情報に基づき、所定の条件でカードユニットが非試打モードに切替わらないように禁止することによって、試打や確認作業後に、遊技機に遊技点数が残ってしまう可能性を排除でき、遊技機に残った遊技点数に由来する誤差や不正を未然に排除することができるようになる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機内の記憶部に遊技点数を記憶する遊技機による遊技を可能とするための遊技用装置において、
前記記憶部に記憶されている前記遊技点数を持点数に変換するための操作が行われることに基づいて、前記遊技点数を前記持点数に変換する変換処理を実行可能な変換処理手段と、
前記遊技用装置の状態を試打モードと当該試打モード以外の状態である非試打モードとの何れかに設定するモード設定手段と、
前記遊技機から出力される各情報を受信可能な受信手段と、を備え、
前記モード設定手段は、
前記遊技機から出力される情報が所定の条件を満たす場合に、前記遊技用装置の状態について前記試打モードから前記非試打モードへの切替えを禁止するように構成されている遊技用装置。
【請求項2】
前記試打モード或いは前記非試打モードに関するモード情報を報知する報知手段を備え、
前記報知手段は、前記モード情報として前記試打モードから前記非試打モードへの切替えが禁止されていることを認識可能に報知する請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】
前記モード設定手段は、前記遊技機の記憶部に所定値を超える遊技点数が記憶されていることを前記条件として、前記試打モードから前記非試打モードへの切替えを禁止する請求項1又は2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
前記モード設定手段は、前記変換処理手段による前記変換処理が実行中であることを前記条件として、前記試打モードから前記非試打モードへ切替えることを禁止する請求項1又は2に記載の遊技用装置。
【請求項5】
前記遊技用装置の管理を行う管理装置と通信可能であって、
前記モード設定手段は、前記管理装置との通信により受信した所定の指示に基づいて前記試打モードと前記非試打モードとの間での切替えを可能とする請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項6】
前記管理装置は、遊技場の営業状態を管理するために設定する状態として当該遊技場の営業中状態と非営業中状態とに設定が可能であり、
前記モード設定手段は、前記管理装置との通信に基づき受信した前記営業状態が非営業中状態である場合は、前記非試打モードから前記試打モードへの切替えを可能とする請求項5に記載の遊技用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では例えば特許文献1に開示されているように、遊技用装置では通常のモードとは異なる試打モードがあり、遊技用装置をその試打モードに設定した上で遊技機の動作確認や遊技機からの各種信号受信確認といった確認作業を行うことが一般的である。
ところで、近年の遊技機では、遊技媒体を払出すことなく遊技媒体を遊技点数により管理し、遊技点数を消費することで遊技を行う機種が登場している。こうした機種についても、新規設置等に際して上記の確認作業が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-078703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の遊技点数により遊技を行う遊技機では、従来の払出式の遊技機と異なり、払出される遊技玉や遊技メダルが存在せず、機内の記憶部に遊技点数が記憶される。このため、試打モードでの確認作業を終えた場合に、その遊技機において当該記憶部の遊技点数が残ったまま試打モードが解除される虞がある。
即ち、従来の遊技機では上皿等の視認できる箇所に遊技玉や遊技メダルが存在するため、計数忘れといった状況が発生し難いものであったが、近年の遊技機において使用される遊技点数は確認作業で遊技玉として視認されずに(失念され)、その後の遊技に利用されたり景品交換が行われたりすることで、誤差や不正に繋がる虞がある等、解決すべき特有の課題を内在する。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技点数による遊技を行う遊技機において試打を行う場合であっても、誤差や不正に繋がる虞を排除することを可能にする遊技用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、機内の記憶部(例えばROM21bやRAM21c等のメモリ)に遊技点数を記憶する遊技機による遊技を可能とするための遊技用装置(例えばカードユニット2)において、
前記記憶部に記憶されている前記遊技点数を持点数に変換するための操作(例えば遊技機1のタッチパネル11aにおける計数ボタンでの計数操作)が行われることに基づいて、前記遊技点数を前記持点数に変換する変換処理を実行可能な変換処理手段(例えばカードユニット2の制御部41)と、
前記遊技用装置の状態を試打モードと当該試打モード以外の状態である非試打モードとの何れかに設定するモード設定手段(例えばカードユニット2は、表示部45に通常時の表示画面を表示する非試打モードにおいて、モード切替操作が行われると当該非試打モードから試打モードに切替わり、試打が終了すると、リモコンでのモード切替操作や管理装置6からのモード切替操作が行われることにより、カードユニット2は試打モードから非試打モードへ切替わる)と、
前記遊技機から出力される各情報を受信可能な受信手段(例えばI/F部42とこれに接続された制御部41)と、を備え、
前記モード設定手段は、
前記遊技機から出力される情報が所定の条件(例えば遊技機1の記憶部に所定値を超える遊技点数が記憶されていることを条件1とし、遊技機1側で計数操作が行われることに伴い持玉への変換処理が実行中であることを条件2とした場合の、少なくとも一方の条件)を満たす場合に、前記遊技用装置の状態について前記試打モードから前記非試打モードへの切替えを禁止する(例えば図5のS5、S7の処理を実行する)ように構成されている。
【0007】
上記構成によれば、遊技機から出力される情報に基づき、所定の条件でカードユニットが非試打モードに切替わらないように禁止することにより、その条件によって試打や確認作業後に遊技機に遊技点数が残ってしまう可能性を排除できるようになり、遊技機に残った遊技点数に由来する誤差や不正を未然に排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
図2】遊技機及びカードユニットの正面図
図3】遊技機及びカードユニットの機能ブロック図
図4】カードユニットにおいて表示される試打中の画面を示す図
図5】試打モードから非試打モードへの切替えを禁止する報知画面を示す図
図6】非試打モードから試打モードへの切替えを禁止する報知画面を示す図
図7】モード設定処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示す遊技場内には、多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応してカードユニット2が設置されている。これら遊技機1及びカードユニット2は2台ずつ中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。また、各遊技機1の上方には遊技情報表示装置3が設置されており、遊技機1から出力される各種遊技信号(遊技情報)をカードユニット2及び中継装置4経由で受信して(図3参照)、各種の表示用情報を作成し、表示する。中継装置4は、遊技機1やカードユニット2、遊技情報表示装置3の情報を収集する。
【0010】
遊技場内にはPOSや残高精算機(何れも図示略)も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。なお、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1(複数機種の遊技機1)が管理装置6の管理対象となっている。
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されている。詳しい図示は省略するが、管理装置6の制御部は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、当該制御部には、遊技場管理者が操作するキーボード7、モニタ8、プリンタ(図示略)等が接続されている。
【0011】
管理装置6は、遊技機1側から出力される遊技信号をカードユニット2及び中継装置4を順次経由して受信することで、遊技機1毎の遊技情報、会員登録された会員毎の個人データを管理するとともに、遊技機1やカードユニット2、前記遊技情報表示装置3の情報を管理する。一方、管理装置6において管理される各種の情報(後述の営業状態等の設定情報を含む)は、管理装置6側から中継装置4を経由してカードユニット2にて受信される。
なお、遊技場管理者とは遊技場の管理者のことであり、以下では単に「管理者」と称する。また、管理装置6の制御部を単に「管理装置6」と称して説明を簡単化する。
【0012】
管理装置6では、上記のように遊技場内の各種機器を管理するとともに、遊技場全体の営業状態を管理するための状態(設定情報)として当該遊技場の営業中状態と非営業中状態とに設定が可能である。具体的には例えば、管理装置6において、キーボード7等での管理者による入力操作が行われることで、遊技場の営業状態について営業中と非営業中との何れかの状態に設定する。或いは、予め入力操作により営業開始時刻や営業終了時刻が入力されることで当該遊技場の営業時間を設定しておくことにより、当該遊技場が営業中と非営業中との何れかの状態にあるかの特定乃至設定が可能である。
【0013】
図2に示す遊技機1は、予め機内に封入された循環遊技媒体(例えば循環パチンコ玉)を使用する封入式のパチンコ機である。遊技機1で用いられる遊技価値(遊技媒体)は仮想上のパチンコ玉であるが、機内の記憶部に記憶される遊技価値であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、盤面9に打出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外に払出されず、遊技に応じて記憶部の遊技価値(遊技点数)が増減される。
【0014】
遊技機1は、カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分のパチンコ玉を発射可能となり、遊技点数が「0」になった時点でパチンコ玉を発射不可能となる。遊技機1は、計数操作(図3のタッチパネル11aでの操作)に応じて遊技点数をカードユニット2へ送信して遊技点数を減算する。遊技機1は、情報表示操作(同タッチパネル11aでの操作)に応じて各種の遊技データ(大当り回数、特図抽選回数等)を図2の情報表示部11に表示する。
【0015】
即ち、同図2に示すように、遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面9と、発射装置を構成する発射ハンドル10と、タッチパネル11a(図3参照)を表面に有するタッチパネル式の情報表示部11と、左右一対の装飾ランプ12a,12bとを有する。盤面9には、液晶表示部13及びその表示部13における図柄表示部(特図表示部14・普図表示部15)と、左右一対の普図始動口16a,16bと、特図1始動口17(ヘソ)と、特図2始動口18(電チュー)と、大入賞口19と、開閉入賞装置20とが設けられている。
【0016】
遊技機1のスペックは以下の通りである。
(1)大当り確率(特図1抽選、特図2抽選共通)は1/239(TS=239)である。
(2)小当り確率(特図2抽選)は1/6であり、特図2中の実質的な大当り確率は1/5.8(=1/239+1/6)(TSA=5.8)である。
(3)遊技状態として、初期状態、内部時短状態、時短状態、大当り状態等を発生可能である。
【0017】
初期状態は、遊技機1における初期化操作を受付けるか、大当り状態が終了する際の一部で移行する状態である。初期状態における特図1抽選では時短図柄の抽選も行われる。
内部時短状態は、初期状態における特定図柄(時短図柄)に当選するか、大当り状態が終了する際の一部で移行する状態である。内部時短状態では、普通図柄(普図)抽選の当選確率は向上するが、当選した場合であっても電チューの開放時間が極めて短い(例えば0.1秒)ため遊技者は電チューに入賞させることはできない。内部時短状態における特図1抽選では時短図柄の抽選は行われない。
時短状態は、初期状態における時短図柄に当選するか、大当り状態が終了する際の一部で移行する状態である。時短状態では普図抽選の当選確率が向上する。普図抽選に当選すると、電チューが開放する(例えば3秒)。
大当り状態は、特図抽選に当選することで移行する状態である。
【0018】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)通常状態(初期状態、内部時短状態)では左打ちを行い、ヘソへの入賞を目指す。ヘソへ入賞することで特図1での大当り抽選(特図1抽選)を行う。大当り抽選1回をスタートと称する場合もある。特図1抽選では1/239の確率で大当り抽選を行う。特図1抽選で大当りに当選すると、大当り遊技が開始(大当り状態に移行)され、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口19が開放する。特図1では全て4Rとなる。なお、1Rの上限入賞数は10個である。大入賞口19に入賞すると、15点分の遊技点数が加算される。
【0019】
(2)特図1での大当り遊技が終了すると、大当りに当選した際の特図の種類によって異なる遊技状態に移行する。大当り後の80%で時短状態に移行する。時短状態は特図2抽選に当選するか特図2抽選が連続して128回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。大当り後の15%で内部時短状態に移行する。内部時短状態は特図1抽選に当選するか特図1抽選が連続して9999回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。大当り後の5%で初期状態に移行する。
【0020】
(3)時短状態では右打ちを行い、スルーである普図始動口16a,16bへの入賞を目指す。普図始動口16a,16bに入賞すると、1/1の確率で普図抽選を行う。普図抽選に当選すると、電チューが開放し、電チューに入賞させることができるようになる。電チューでは特図2での大当り抽選(特図2抽選)を行い、1/239の確率で大当りに当選し、1/6の確率で小当りに当選する。
【0021】
(4)特図2抽選で大当りに当選した場合、特図1同様大当り遊技が開始され、そのR数は10Rである。特図2抽選で小当り当選すると、開閉入賞装置20が開放する。開閉入賞装置20の内部にはV入賞口(特定領域)が設けられており、V入賞口に入賞すると、大当り遊技が開始される。即ち、小当りを経由することで大当り遊技を行うことができるようになる。
【0022】
(5)小当り経由での大当りでは小当り当選時の特別図柄の種類に応じたR数だけ大入賞口19が開放し、大当り遊技終了後は時短状態、内部時短状態、及び初期状態の何れかに移行する。それぞれの割合は次の通りである。
10R+時短状態:20%
2R+時短状態:60%
2R+内部時短状態:15%
2R+初期状態:5%
【0023】
(6)時短状態は、特図2抽選に当選するか特図2抽選が128回非当選で終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。内部時短状態は、特図1抽選に当選するか特図1抽選が9999回非当選で終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。
【0024】
(7)初期状態における特図1抽選では時短図柄の抽選を行い、時短図柄に当選すると、50%の割合で時短状態に移行し、50%の割合で内部時短状態に移行する。時短図柄由来の時短状態は特図2抽選に当選するか特図2抽選が128回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。時短図柄由来の内部時短状態は特図2抽選に当選するか特図2抽選が9999回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。なお、時短図柄の当選確率は1/50である。また、時短図柄由来の時短状態を突時と称する場合もある。
【0025】
(8)通常状態とは時短状態及び大当り状態を除く状態である。初期状態における普図抽選の当選確率は1/65536である。また、時短状態と大当り状態とに設定される状態を特別状態とする。
以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。なお、上記した特別状態の抽選は、設定操作部39(図3参照)で設定された設定値に応じて実行される。設定操作部39は遊技機1内部に設けられており、管理者の操作によって、特別状態の発生頻度を異ならせた複数段階の設定値(例えば設定1、設定2、・・・)の中から何れか1つが選択される。
【0026】
遊技機1からは例えば以下の遊技信号(遊技情報)を含む各情報が出力される。
セーフ信号=遊技者に付与される遊技点数であるセーフを特定可能な信号である。
アウト信号=発射されたパチンコ玉の数(遊技機にて消費される遊技価値)であるアウトを特定可能な信号である。
大当り信号=大当り状態を特定可能な信号である。
特別状態信号=大当り状態中及び時短状態中に出力される信号である。
初期化信号=遊技機1におけるクリアスイッチ(図示略)の操作(初期化操作)を受付けた場合に出力される信号である。
スタート信号(図柄変動停止信号)=特図1始動口17又は特図2始動口18への入賞により変動する液晶表示部13における図柄変動を特定可能な信号である。
入賞信号(始動口入賞信号)=特図1始動口17又は特図2始動口18への入賞により出力される信号である。
【0027】
上記遊技信号は、何れもデータ項目(例えばアウト=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示すデータ項目)として一括した、或いは複数の遊技情報を電文によりまとめたデータ信号としてもよい。この場合、所定期間(例えば200ms)単位でデータを集計し、その集計したデータやその時点における状態を特定可能な電文によるデータ信号を送信対象(出力対象)とすることができる。また、遊技信号は、係るデータ信号の他、パルス信号や状態信号等を含みうることは勿論である。
【0028】
遊技機1の電気的な構成について図3を参照して説明する。遊技機1は、主制御部21と、送受信回路としてのI/F部22とを有する。主制御部21は、CPU21a、ROM21b、RAM21c、I/O21dを有するマイクロコンピュータを主体として構成され、乱数発生部、乱数抽出部、変動パターン判定部として機能する。ROM21bは、複数の図柄変動パターンが格納された変動テーブルを記憶しており、主制御部21は、ROM21bに記憶されている複数の図柄変動パターンのうち何れを採用するかを、乱数抽出部として抽出した乱数に応じて判定する。
【0029】
図1入賞センサ23aは、特図1始動口17に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御部21へ出力する。主制御部21は、特図1入賞センサ23aから検出信号を入力すると、特図1での大当り抽選を行い、特図1抽選で大当りに当選すると、大当り遊技を開始し、駆動信号を大入賞口ソレノイド29へ出力し、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口19を開放する。
【0030】
図2入賞センサ23bは、特図2始動口18に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御部21へ出力する。主制御部21は、特図2入賞センサ23bから検出信号を入力すると、特図2での大当り抽選を行い、特図2抽選で大当りに当選すると、大当り遊技を開始し、駆動信号を大入賞口ソレノイド29へ出力し、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口19を開放する。特図2抽選で小当りに当選すると、駆動信号を開閉装置ソレノイド30、V入賞口ソレノイド31へ出力し、開閉入賞装置20、V入賞口を開放する。
【0031】
普図入賞センサ25は、普図始動口16a,16bに入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御部21へ出力する。主制御部21は、普図入賞センサ25から検出信号を入力すると、1/1の確率で普図抽選を行い、普図抽選に当選すると、駆動信号を特図2始動ソレノイド32へ出力し、電チューを開放する。
【0032】
大入賞センサ26は、大入賞口19に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御部21へ出力する。主制御部21は、大入賞センサ26から検出信号を入力すると、15点分の遊技点数を加算する。
開閉装置入賞センサ27は開閉入賞装置20に入賞した玉を検出し、V入賞センサ24は、その開閉入賞装置20内部のV入賞口に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御部21へ出力する。主制御部21は、V入賞センサ24から検出信号を入力すると、大当り遊技を開始する。
【0033】
電源回路部28は、外部からの供給電源を駆動電源として主制御部21へ供給する。タッチパネル11aは、遊技者からのタッチ操作入力を検出し、検出信号を主制御部21へ出力する。
主制御部21は、表示制御信号を特図表示部14へ出力し、特図表示部14の表示を制御する一方、表示制御信号を普図表示部15へ出力し、普図表示部15の表示を制御する。
【0034】
主制御部21は、演出制御信号を演出制御部34へ出力する。演出制御部34は、主制御部21から演出制御信号を入力すると、演出指示信号をアンプ35、装飾ランプ12a,12b及び表示制御部36へ出力し、大当り等に応じた演出音をスピーカ37から発生させたり演出内容を装飾ランプ12a,12bにより表示したりする。
そして、主制御部21は、ROM21bやRAM21cといった機内の記憶部に、遊技機1での遊技の結果により発生する(遊技に応じて増減される)遊技点数を記憶させ、情報表示部11に表示させる。
【0035】
図2に示すカードユニット2は、上記の遊技点数を使用する遊技機1による遊技を可能とするための遊技用装置であり、遊技機1と1対1で対応して設けられる。
同図に示すように、カードユニット2は、遊技機1の遊技状態やカードユニット2の状態(エラー状態等)を示す状態ランプ40と、紙幣が投入される紙幣挿入口43と、遊技者からの操作入力を受付けると共に各種の遊技情報を表示するタッチパネル式の液晶表示部45と、貸出操作を行うための貸出ボタン46と、再遊技操作を行うための再遊技ボタン47と、返却操作を行うための返却ボタン48と、ICカード(図示略)が挿入されるカード挿入口44等を有する。また、カードユニット2は、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ(図示略)も有する。
【0036】
図3の機能ブロック図において、カードユニット2は、制御部41(変換処理手段、モード設定手段、受信手段、報知手段)と、送受信回路としてのI/F部42とを有する。制御部41は、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/O41d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。I/F部42は、遊技機1から出力される各情報を受信可能な受信手段であり、当該遊技機1での遊技点数を使用した遊技の実行に応じて各種の遊技情報を受付ける(信号出力等を受信する)とともに、管理装置6との通信により設定情報等を受付ける。
【0037】
制御部41に接続された周辺部としては、上記した状態ランプ40を構成するLED、液晶表示部45及び当該表示部45上に設けられた前記タッチパネル、貸出ボタン46、再遊技ボタン47、返却ボタン48を含むとともに、遊技機1や管理装置6との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部42、紙幣挿入口43に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部43a、カード挿入口44に挿入されたICカードに記録されている各種情報を読取ったり、書込んだりするカード処理部(リーダライタ)44aを含む。また、図示は省略するが、制御部41に接続された周辺部として、最大10枚のICカードをストック可能なカードストック部、遊技場の従業員により携帯される従業員リモコンから送信されるリモコン信号を受信する(受光する)リモコン受光部を含む。
【0038】
カードユニット2は、以下のように動作する。
(1)遊技機1から上記した各種の遊技信号を受信して集計及び記憶するとともに中継装置4を経由して管理装置6や遊技情報表示装置3へ送信する。遊技者の入金残高及び遊技点数も管理装置6へ送信する。管理装置6から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価の他、前記営業状態の設定に係る情報を含む)を受信して記憶する。
(2)紙幣が紙幣挿入口43に挿入されると、入金残高に加算して記憶する。ICカードがカード挿入口44に挿入されると、カードIDに対応付けられた入金残高及び持点数を読み出して表示する。貸出ボタン46が操作されると、一定金額(例えば1000円)に対応する点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。
【0039】
(3)再遊技ボタン47が操作されると、持点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。一方、遊技に応じて遊技機1の遊技点数が増加した場合、遊技機1のタッチパネル11aでのタッチ操作により計数操作が行われると、その計数操作に基づいて遊技点数を持点数に変換する。これは、前記記憶部に記憶されている遊技点数を持点数に変換するための変換処理として制御部41により実行されるものであり、例えば1回の計数操作(タッチ操作)に応じて1点(1玉)を換算対象とするが、タッチ操作状態を継続させると連続的、且つ加速的に換算可能となる。なお、以下では説明の便宜上、計数操作が行われるタッチパネル11aの該当部分を「計数ボタン11a」と称する。
(4)持点数、遊技点数、全得点数(持点数と遊技点数との合計)を記憶して表示する。この場合、図4の液晶表示部45で例示するように持点数を「持玉」、全得点数を「保有玉」とも称する。遊技機1からの得点加算情報及び得点減算情報を受信し、記憶している得点数を、その受信した得点加算情報及び得点減算情報に応じて更新し、得点数の更新に応じて得点数情報を中継装置4へ送信する。
【0040】
(5)入金残高及び持点数の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却ボタン48が操作されると、その入金残高及び持点数をICカードに記録して発行する。遊技点数は記録せず、遊技機1側に残る。
(6)ICカードを、前記カードストック部に最大10枚ストックしている。
【0041】
上記のカードユニット2について、封入式の遊技機1に対応した動作を説明したが、封入式に対応するものに限らず、中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉(持点数)、貸出玉数(前記貸出時の点数)、変換玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び記録媒体の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とする。これらはパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。なお、遊技機1との通信は中継装置4を介さず、遊技機1とカードユニット2とで直接通信してもよいし、中継装置4を介して通信してもよい。
【0042】
さて、遊技場における遊技機1設置時の動作確認や、セーフ/アウトといった各種遊技情報の受信確認といった確認作業を行う場合に、カードユニット2は試打モードに設定される。試打モード中は、遊技機から受信した各種遊技情報を記憶したり表示したりできるが(図4参照)、当該各種遊技情報は営業中の遊技情報とは区別して管理されるようになっている。
以下では、「1.カードユニットにおける試打中の表示」について、液晶表示部45を「表示部45」、制御主体としての制御部41を単に「カードユニット2」と称し、図4以降の図面も参照しながら詳述する。
【0043】
<1.カードユニットにおける試打中の表示>
カードユニット2では、例えば従業員による前記リモコンでのモード切替操作或いは管理者による管理装置6からのモード切替操作を受付けることにより、当該カードユニット2の状態を試打モードと当該試打モード以外の状態である非試打モードとの何れかに設定可能である。例えば、カードユニット2は、表示部45に通常時の表示画面(図示しない営業中の通常画面)を表示する非試打モードにおいて、モード切替操作が行われると当該非試打モードから試打モードに切替わるとともに、通常画面から図4の表示画面51へと切替わる。
【0044】
これにより、カードユニット2は試打モードに設定されると、貸出ボタン46の押下により、所定の点数(例えば250点)だけ遊技点数を遊技機1に送信する。試打モード中は、従業員により遊技機1の操作(試打)が行われるとともに、表示画面51の各種遊技情報を確認しながら動作チェックするといった確認作業が行われる。
【0045】
ここで、図4に示す表示画面51では、その最上覧において試打モード(試打中)であることを特定する「試打中」、対応する台番「123番台」、並びに各種遊技情報としての「大当り回数」、「確変突入」、「只今スタート」、「累計スタート」、持点数を示す「持玉」、全得点数を示す「保有玉」、「累計アウト」、「累計セーフ」が表示される。これにより、試打モードに設定されたカードユニット2において、表示される各種遊技情報が「試打中」のものであることが把握される。また、試打中の表示画面51は、その一例であり、各確認作業が滞りなく行われるように、確認作業に関する他の表示を行うようにしてもよい。このように、カードユニット2は、「試打中」等の試打モード或いは非試打モードに関するモード情報を表示部45で報知する報知手段として機能する。
【0046】
そして、試打により発生した遊技点数は、遊技機1の計数ボタン11aを操作することでカードユニット2に送信され、「持玉」として記憶され同画面51に表示される。この後、試打が終了すると、リモコンでのモード切替操作や管理装置6からのモード切替操作が行われることにより、カードユニット2は試打モードから非試打モードへ切替わる。これにより、非試打モードに設定されたカードユニット2は、試打モード中に記憶した各種遊技情報(図4参照)をクリアして、元の通常画面を表示させる。
【0047】
<2.カードユニットにおけるモード切替えの禁止>
上記の非試打モードは営業中におけるモード(営業中モード)に対応しているものとも言える。それ故、カードユニット2を試打モードから非試打モードに切替える際、遊技機1側に遊技点数が残ったままの状態であれば、例えばその後の営業開始以降の非試打モードにおいて当該遊技点数を計数し、或いは計数した持点数を利用しての遊技や景品交換といった不正や誤差の原因になってしまう。
【0048】
そこで、本実施形態では遊技機1から出力される情報が所定の条件を満たす場合に、カードユニット2の状態について試打モードから非試打モードへの切替えを禁止するように構成されている。この場合例えば、試打モード中に遊技機1から送信される各種遊技信号について、以下の条件1,2の何れかを満たすときに、非試打モードへの設定切替えが禁止されるものとする。
即ち、遊技機1の記憶部に所定値(例えば0)を超える遊技点数が記憶されていることを条件1とし、遊技機1側で計数操作が行われることに伴い持玉への変換処理が実行中であることを条件2としている。係る条件1,2は、モード設定処理(後述の図7参照)を実行するカードユニット2において予め規定(記憶)されている。
【0049】
カードユニット2は、遊技機1との間で所定周期(例えば200ms)ごとに通信を行っていることから、遊技機1側で記憶されている遊技点数や、計数操作が行われているか否かといった情報を当該通信により取得して係る条件1,2を満たすか否かを判定することが可能である。
よって、試打モード中に、リモコン或いは管理装置6でモード切替操作がなされても、その時点で例えば1点以上の遊技点数が遊技機1側に記憶されているケースでは、カードユニット2において非試打モードへの設定切替えが禁止され、試打モードが維持される。また、試打モード中に、リモコン或いは管理装置6でモード切替操作がなされた時点で、計数操作が行われているケース(カードユニット2で変換処理を実行中のケース)でも、カードユニット2において非試打モードへの設定切替えが禁止され、試打モードが維持される。
【0050】
このように、何れのケースにおいても非試打モードへの設定切替えが禁止される結果、前者のケースでは試打中に発生した遊技点数が非試打モードへ移行しても残ってしまうという事態を防止することができ、後者のケースでは未だ計数されていない遊技点数が非試打モードへ移行しても残ってしまうという事態を防止することができ、それらの事態に起因する不正や誤差を未然に排除することができるようになる。
【0051】
また、何れのケースにおいても、リモコン或いは管理装置6でのモード切替操作を行ったにもかかわらず、非試打モードへの設定切替えが禁止されることから、その旨を従業員或いは管理者に対して報知する。ここで、図5は、モード情報として試打モードから非試打モードへの切替えが禁止されていることを認識可能に報知する表示画面52,53の一例を示している。
【0052】
左側の表示画面52では、同図5に示すように「確認!」との注意を引くメッセージとともに「遊技機に遊技玉が残っています。遊技機の計数操作を行ってから再度試打モードを終了してください。」との表示がなされる。
右側の表示画面53でも「確認!」との注意を引くメッセージが表示され、「遊技機での計数中です。計数が終了してから再度試打モードを終了して下さい。」との表示がなされる。
【0053】
こうした表示画面52,53は、カードユニット2において禁止されたモードへの切替操作に応じて、その切替操作をした従業員等に対し、設定切替えができない理由(禁止されている旨)を個々のケースに対応した内容で表示するものであるから、その表示内容に従って計数操作を行い或いは計数が終了するのを待って処置を行う等、従業員の業務負担の軽減にも寄与するものである。
【0054】
管理装置6でのモード切替操作については、遊技機1各々に対応するカードユニット2の一部又は全部に対して、試打モードから非試打モードへの切替えと、非試打モードから試打モードへの切替えと、を夫々指示する操作を含む。これにより、カードユニット2は、管理装置6との通信により受信した当該指示(所定の指示)に基づいて試打モードと非試打モードとの間での切替えを可能とする。
【0055】
また、管理装置6でのモード切替操作については、当該遊技場の営業中状態と非営業中状態との何れかに設定する入力操作、或いは所定時刻になったら試打モードへ切替わるように予め入力しておく操作を含む。
具体的には、上記した確認作業は通常、遊技場が閉店してから行われることが多いことから、管理装置6において遊技場が当日の営業を開始する際の開店処理に合わせて営業中状態の設定が行われ、当日の営業を終了する際の閉店処理に合わせて非営業中状態の設定が行われるものとする。これにより、カードユニット2は、管理装置6との通信に基づき受信した営業状態が非営業中状態である場合は、非試打モードから試打モードへの切替えを可能とする。或いは、管理装置6において予め入力操作により営業開始時刻や営業終了時刻を入力しておくことで、カードユニット2は、管理装置6との通信に基づき非営業中(非営業中状態)と判定した場合は、非試打モードから試打モードへの切替えを可能とする(図7のS2,S3参照)。なお、営業中においてカードユニット2を交換した場合に動作確認を行うことも想定されるので、営業中状態であっても非試打モードから試打モードへの切替えを可能とする設定を設けるようにしたり、管理者に対して確認操作を促すことにより切替えを可能にしたりしてもよい。
【0056】
ここで、図6は、営業中にカードユニット2においてリモコン操作により試打モードへの切替操作が行われた場合の表示画面54を示している。
表示画面54では、同図に示すように「確認!」との注意を引くメッセージとともに「営業中です。試打モードを行う場合は閉店処理を行ってください。」との表示がなされる。このように、カードユニット2では、営業状態が非営業中状態であることを、非試打モードから試打モードへの切替えの条件として規定しており、営業中の試打モードへの切替えを禁止するとともに、その切替操作に応じて同表示画面54を表示させる。
【0057】
これに対し、カードユニット2では、営業状態が非営業中であれば試打モードに設定できる構成とされていることから、例えば表示画面54の表示内容に対応して、管理装置6での閉店処理に合わせた非営業中状態の設定を行うことにより、再度のリモコン操作(モード切替操作)で非試打モードから試打モードへ切替えることができる。このように、非営業中に試打モードに設定できる(試打モードへの設定切替えを許容する)ようにすることで、営業中のデータを非営業中のデータに含んでしまうといったミスを未然に防ぐことができるようになる。
【0058】
<3.カードユニットにおけるモード設定処理>
続いて、カードユニット2において図5図6で示した報知を行うケースを含む、モード設定処理の流れを図7のフローチャートも参照しながら説明する。なお、図7のS1,S2,・・・は、カードユニット2により実行されるステップを示すものとし、カードユニット2は非試打モードに設定された状態にあるものとする。
【0059】
カードユニット2は、待機フローとしてリモコン或いは管理装置6でのモード切替操作を受信したか否か(モード切替操作を受付けたか否か、S1:No)を判定する処理を実行する。カードユニット2は、例えば従業員のリモコンを用いたモード切替操作を受付けたと判定した場合(S1:Yes)、非営業中(非営業中状態)か否かを判定する(S2)。
【0060】
カードユニット2は、管理装置6との通信に基づき営業中と判定した場合(S2:No)、表示部45に図6の表示画面54を表示させることにより、試打モードへの切替えが禁止されていることを認識可能に報知して、リターンする。
これに対し、カードユニット2は、非営業中と判定した場合(S2:Yes)、非試打モードから試打モードへの設定の切替えを行う(S3)。これにより、カードユニット2では、例えば従業員のリモコンを用いた再度のモード切替操作或いは管理者の管理装置6でのモード切替操作を受付けるまで(S4:Yesと判定されるまで)、試打モードを維持する(S7)。
【0061】
一方、カードユニット2は、S3で試打モードに設定されている場合に、再度のモード切替操作を受付けると(S4)、遊技機1の記憶部に所定値(例えば0)を超える遊技点数が記憶されているか否か(遊技玉>0か否か)、及び、自装置2にて持玉への変換処理が実行中であるか否か(遊技機1側での計数操作による計数中であるか否か)の、条件1及び2を夫々判定する(S5)
【0062】
そして、カードユニット2は、遊技機1から出力される情報に基づき、条件1,2の何れか(所定の条件)を満たすと判定した場合に(S5:Yes)、自装置2の状態について試打モードから非試打モードへの切替えを禁止する(S7にて試打モードを維持する)とともに、その条件1,2に対応する図5の表示画面52,53を表示させて、その切替えが禁止されていることを認識可能に報知する。
【0063】
一方、カードユニット2は、例えば遊技機1側の遊技点数が0で且つ持玉への変換処理が実行されていなければ、条件1,2の何れも満たさないものとして(S5:No)、試打モードから非試打モードへの設定の切替えを行い(S6)、この処理を終了する(リターンする)。
【0064】
以上説明したように、本実施形態のカードユニット2は、自装置2の状態を試打モードと当該試打モード以外の状態である非試打モードとの何れかに設定するモード設定手段と、遊技機1から出力される各情報を受信可能な受信手段(例えばI/F部42)と、を備え、遊技機1から出力される情報が所定の条件1,2を満たす場合に、自装置2の状態について試打モードから非試打モードへの切替えを禁止する処理(例えばS5,S7の処理)を実行する。
これによれば、遊技機1から出力される情報に基づき、所定の条件1,2でカードユニット2が非試打モードに切替わらないように禁止することにより、その条件によって試打や確認作業後に遊技機1に遊技点数が残ってしまう可能性を排除でき、遊技機1に残った遊技点数に由来する誤差や不正を未然に排除することができるようになる。
【0065】
カードユニット2は、試打モード或いは非試打モードに関するモード情報を報知する報知手段(例えば表示部45)を備え、モード情報として試打モードから非試打モードへの切替えが禁止されていることを認識可能に報知する。
これによれば、非試打モードへの設定が禁止されている場合に、従業員に対してその旨を(例えば図5の表示画面52,53で)報知することができ、どのような理由で非試打モードへの設定禁止がなされたかを好適に把握できるようになり従業員の業務負担を軽減させることができる。
【0066】
カードユニット2は、遊技機1の記憶部に所定値(例えば0)を超える遊技点数が記憶されていることを条件1として、試打モードから非試打モードへの切替えを禁止する。これによれば、非試打モードへの切替えの禁止により、試打中に発生した遊技点数が非試打モードへ切替えてもなお残ってしまうという事態を確実に防止することができ、非試打モードへの切替えが禁止されなかった場合でも、上記した不正や誤差を未然に排除するという機能を担保することができる。
【0067】
カードユニット2は、例えば遊技点数を持点数に変換する変換処理が実行中であることを条件2として、試打モードから非試打モードへ切替えることを禁止する。これによれば、変換処理が実行中である場合に非試打モードへの切替えが禁止されるため、試打中に未だ変換されていなかった遊技点数が、その試打や確認作業後に残ってしまうという事態を確実防止することができ、非試打モードへの切替えが禁止されなかった場合でも、上記した不正や誤差を未然に排除するという機能を担保することができる。
【0068】
カードユニット2は、管理装置6との通信により受信した所定の指示に基づいて試打モードと非試打モードとの間での切替えを可能とする。これによれば、管理装置6との通信によりカードユニット2を試打モードと非試打モードとに設定することができ、非試打モードから試打モードへの設定忘れや、試打モードから非試打モードへの設定忘れといった事態を未然に防ぐことができるようになる。
【0069】
カードユニット2は、管理装置6との通信に基づき受信した営業状態が非営業中状態である場合は、非試打モードから試打モードへの切替えを可能とする(例えばS2,S3の処理を実行する)。これによれば、非営業中に試打モードに設定でき、営業中のデータを非営業中のデータに含んでしまうといった不具合が生じないようにすることができる。
【0070】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張してもよい。
カードユニット2において試打モード中に貸出ボタン46を押下するごとに遊技機1に遊技点数を送信するが、送信する遊技点数は予め管理者により設定できるようにしてもよい。また、遊技機1から遊技点数に関する情報を受信可能であるため、遊技点数が所定値未満(例えば50点)になった場合に、自動で遊技点数を送信するようにしてもよい。さらに、貸出ボタン46の押下に加えて、リモコン操作や管理装置6から貸出操作に対応する操作を行うことで遊技点数を送信できるようにしてもよい。
【0071】
遊技点数の有無に係る条件1や計数中か否かの条件2により、非試打モードへの設定を禁止するようにしたが、こうした条件については遊技機1に遊技点数が残る可能性を排除できればどのように設定してもよく、例えば、遊技機1の遊技状態が所定の状態(例えば大当り状態)であれば非試打モードへの設定を禁止するようにしてもよい。
【0072】
非試打モードへの設定を禁止した場合に、カードユニット2で報知するようにしたが、カードユニット2に加えて或いは代えて管理装置6や遊技情報表示装置3、店内アナウンス等で報知するようにしてもよい。このように、カードユニット2以外の機器が報知を行う場合でも、そのカードユニット2が報知手段(報知させる主体)として、対応する遊技情報表示装置3等で好適に報知することができ、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0073】
カードユニット2に対するリモコン操作や管理装置6からの切替操作により、カードユニット2の状態(モード)を設定するようにしたが、カードユニット2の表示部45上のタッチパネル等を操作することで設定できるようにしてもよい。
また、遊技機1側に試打モードに対応する状態を設けてもよく、遊技機1側の設定に基づきカードユニット2の状態を設定できるようにしてもよい。
【0074】
試打モード中に遊技機1から送信された遊技情報をカードユニット2に表示できるようにしたが、カードユニット2から管理装置6に送信することで、管理装置6のモニタ8に表示できるようにしてもよい。
超えるや未満といった表現は、その数値を含んでもよいし含まなくてもよい。さらにその両方を包含してもよい。また、必要に応じて以上や以下といった表現を用いてもよい。
【0075】
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用してもよい。
対象となる遊技機1として封入式遊技機を例示したが、機内の記憶部に遊技点数を記憶する遊技機であればよく、上記した実施形態のものに限定するものではない。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせてもよいし、適宜、採用しない構成を設けてもよい。
【符号の説明】
【0076】
図面中、1は遊技機、2はカードユニット(遊技用装置、変換処理手段、モード設定手段、受信手段、報知手段)、6は管理装置、21bはROM(記憶部)、21cはRAM(記憶部)、41は制御部(変換処理手段、モード設定手段、受信手段、報知手段)、42はI/F部(受信手段)、45は表示部(報知手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7