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特開2024-111586プログラム、情報処理システム、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111586
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/792 20140101AFI20240809BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240809BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240809BHJP
【FI】
A63F13/792
A63F13/69 510
A63F13/53
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016181
(22)【出願日】2023-02-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100131680
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【弁理士】
【氏名又は名称】原 弘晃
(72)【発明者】
【氏名】江澤 知憲
(72)【発明者】
【氏名】川崎 星志
(72)【発明者】
【氏名】中島 誠也
(57)【要約】
【課題】ゲーム内通貨の消費に関する利便性を向上させるプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供する。
【解決手段】通常獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されていない一方で、割引獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されており、有償ゲーム内通貨および無償ゲーム内通貨のいずれを消費した場合でも通常獲得機能を利用可能とし、有償ゲーム内通貨を消費した場合に限って割引獲得機能を利用可能とする制御を行い、通常獲得機能を利用するための入力を受け付けた場合に、有償ゲーム内通貨の所持情報および割引獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件が成立したか否かを判定し、特定条件が成立している場合にアラートダイアログを表示する制御を行う。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム内通貨を消費して複数種類のゲーム媒体から抽選で決定されたゲーム媒体を獲得するゲームのためのプログラムであって、
第1入力に基づいてゲーム媒体を獲得する第1獲得機能と、第2入力に基づいてゲーム媒体を獲得し、第1獲得機能よりプレーヤに有利な第2獲得機能とを提供する獲得機能提供部としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム内通貨として、料金を支払うことによって入手可能な有償ゲーム内通貨と、料金の支払いを要さずに入手可能な無償ゲーム内通貨とが存在し、
前記第1獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されていない一方で、前記第2獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されており、
前記獲得機能提供部が、
前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨のいずれを消費した場合でも前記第1獲得機能を利用可能とし、前記有償ゲーム内通貨を消費した場合に限って前記第2獲得機能を利用可能とする制御を行い、前記第1入力を受け付けた場合に、前記有償ゲーム内通貨の所持情報および前記第2獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件が成立したか否かを判定し、特定条件が成立している場合に所定の通知を表示する制御を行うプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記獲得機能提供部が、
プレーヤが前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨の双方を所持している状況において前記第1入力を受け付けた場合、前記無償ゲーム内通貨を前記有償ゲーム内通貨に優先して消費対象とする制御を行うプログラム。
【請求項3】
請求項1において、
前記獲得機能提供部が、
プレーヤが前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨の双方を所持している状況において、前記無償ゲーム内通貨の所持量が前記第1獲得機能の利用に必要な消費量に満たない場合であっても、前記無償ゲーム内通貨および前記有償ゲーム内通貨を合算して当該第1獲得機能の利用に必要な消費量となる場合には、前記第1入力を受け付けた場合に前記無償ゲーム内通貨および前記有償ゲーム内通貨の双方を消費対象とする制御を行うプログラム。
【請求項4】
ゲーム内通貨を消費して複数種類のゲーム媒体から抽選で決定されたゲーム媒体を獲得するゲームのための情報処理システムであって、
第1入力に基づいてゲーム媒体を獲得する第1獲得機能と、第2入力に基づいてゲーム媒体を獲得し、第1獲得機能よりプレーヤに有利な第2獲得機能とを提供する獲得機能提供部を含み、
前記ゲーム内通貨として、料金を支払うことによって入手可能な有償ゲーム内通貨と、料金の支払いを要さずに入手可能な無償ゲーム内通貨とが存在し、
前記第1獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されていない一方で、前記第2獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されており、
前記獲得機能提供部が、
前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨のいずれを消費した場合でも前記第1獲得機能を利用可能とし、前記有償ゲーム内通貨を消費した場合に限って前記第2獲得機能を利用可能とする制御を行い、前記第1入力を受け付けた場合に、前記有償ゲーム内通貨の所持情報および前記第2獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件が成立したか否かを判定し、特定条件が成立している場合に所定の通知を表示する制御を行う情報処理システム。
【請求項5】
ゲーム内通貨を消費して複数種類のゲーム媒体から抽選で決定されたゲーム媒体を獲得するゲームのための情報処理方法であって、
第1入力に基づいてゲーム媒体を獲得する第1獲得機能と、第2入力に基づいてゲーム媒体を獲得し、第1獲得機能よりプレーヤに有利な第2獲得機能とを提供する獲得機能提供処理をコンピュータに実行させ、
前記ゲーム内通貨として、料金を支払うことによって入手可能な有償ゲーム内通貨と、料金の支払いを要さずに入手可能な無償ゲーム内通貨とが存在し、
前記第1獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されていない一方で、前記第2獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されており、
前記獲得機能提供処理において、
前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨のいずれを消費した場合でも前記第1獲得機能を利用可能とし、前記有償ゲーム内通貨を消費した場合に限って前記第2獲得機能を利用可能とする制御と、前記第1入力を受け付けた場合に、前記有償ゲーム内通貨の所持情報および前記第2獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件が成立したか否かを判定し、特定条件が成立している場合に所定の通知を表示する制御とを前記コンピュータに実行させる情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム内通貨を消費して複数種類のゲーム媒体から抽選で決定されたゲーム媒体を獲得するゲームのためのプログラム、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からゲーム内通貨を消費することによって抽選が実行され、抽選結果に基づいて決定されたゲーム媒体を獲得できるゲームが存在する。この種のゲームにおいて、ゲーム内通貨として、料金の支払いを条件として入手可能な有償ゲーム内通貨と料金の支払いを要さずに入手可能な無償ゲーム内通貨とが用意されている場合に、有償ゲーム内通貨を消費することを条件として割安でゲーム媒体を獲得できる手法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-112465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでプレーヤがゲーム内通貨として、無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨の双方を所持している場合、有償ゲーム内通貨の消費に対して慎重になる傾向があり、プレーヤが損失感を得ずに安心して有償ゲーム内通貨を消費できる仕様が望まれている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲーム内通貨の消費に関する利便性を向上させるプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、ゲーム内通貨を消費して複数種類のゲーム媒体から抽選で決定されたゲーム媒体を獲得するゲームのためのプログラムであって、第1入力に基づいてゲーム媒体を獲得する第1獲得機能と、第2入力に基づいてゲーム媒体を獲得し、第1獲得機能よりプレーヤに有利な第2獲得機能とを提供する獲得機能提供部としてコンピュータを機能させ、前記ゲーム内通貨として、料金を支払うことによって入手可能な有償ゲーム内通貨と、料金の支払いを要さずに入手可能な無償ゲーム内通貨とが存在し、前記第1獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されていない一方で、前記第2獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されており、前記獲得機能提供部が、前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨のいずれを消費した場合でも前記第1獲得機能を利用可能とし、前記有償ゲーム内通貨を消費した場合に限って前記第2獲得機能を利用可能とする制御を行い、前記第1入力を受け付けた場合に、前記有償ゲーム内通貨の所持情報および前記第2獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件が成立したか否かを判定し、特定条件が成立している場合に所定の通知を表示する制御を行うプログラムに関するものである。
【0007】
(2)本発明のプログラムでは、前記獲得機能提供部が、プレーヤが前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨の双方を所持している状況において前記第1入力を受け付けた場合、前記無償ゲーム内通貨を前記有償ゲーム内通貨に優先して消費対象とする制御を行うようにしてもよい。
【0008】
(3)本発明のプログラムでは、前記獲得機能提供部が、プレーヤが前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨の双方を所持している状況において、前記無償ゲーム内通貨の所持量が前記第1獲得機能の利用に必要な消費量に満たない場合であっても、前記無償ゲーム内通貨および前記有償ゲーム内通貨を合算して当該第1獲得機能の利用に必要な消費量となる場合には、前記第1入力を受け付けた場合に前記無償ゲーム内通貨および前記有償ゲーム内通貨の双方を消費対象とする制御を行うようにしてもよい。
【0009】
(4)本発明は、ゲーム内通貨を消費して複数種類のゲーム媒体から抽選で決定されたゲーム媒体を獲得するゲームのための情報処理システムであって、第1入力に基づいてゲーム媒体を獲得する第1獲得機能と、第2入力に基づいてゲーム媒体を獲得し、第1獲得機能よりプレーヤに有利な第2獲得機能とを提供する獲得機能提供部を含み、前記ゲーム内通貨として、料金を支払うことによって入手可能な有償ゲーム内通貨と、料金の支払いを要さずに入手可能な無償ゲーム内通貨とが存在し、前記第1獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されていない一方で、前記第2獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されており、前記獲得機能提供部が、前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨のいずれを消費した場合でも前記第1獲得機能を利用可能とし、前記有償ゲーム内通貨を消費した場合に限って前記第2獲得機能を利用可能とする制御を行い、前記第1入力を受け付けた場合に、前記有償ゲーム内通貨の所持情報および前記第2獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件が成立したか否かを判定し、特定条件が成立している場合に所定の通知を表示する制御を行う情報処理システムに関するものである。
【0010】
(5)本発明は、ゲーム内通貨を消費して複数種類のゲーム媒体から抽選で決定されたゲーム媒体を獲得するゲームのための情報処理方法であって、第1入力に基づいてゲーム媒体を獲得する第1獲得機能と、第2入力に基づいてゲーム媒体を獲得し、第1獲得機能よりプレーヤに有利な第2獲得機能とを提供する獲得機能提供処理をコンピュータに実行させ、前記ゲーム内通貨として、料金を支払うことによって入手可能な有償ゲーム内通貨と、料金の支払いを要さずに入手可能な無償ゲーム内通貨とが存在し、前記第1獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されていない一方で、前記第2獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されており、前記獲得機能提供処理において、前記有償ゲーム内通貨および前記無償ゲーム内通貨のいずれを消費した場合でも前記第1獲得機能を利用可能とし、前記有償ゲーム内通貨を消費した場合に限って前記第2獲得機能を利用可能とする制御と、前記第1入力を受け付けた場合に、前記有償ゲーム内通貨の所持情報および前記第2獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件が成立したか否かを判定し、特定条件が成立している場合に所定の通知を表示する制御とを前記コンピュータに実行させる情報処理方法に関するものである。
【0011】
上記した本発明のプログラム、情報処理システム、および情報処理方法では、有償ゲーム内通貨を消費する場合がある第1入力を受け付けた場合に、有償ゲーム内通貨の所持情報および第2獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件を判定し、特定条件が成立している場合に所定の通知を表示するようにしたため、有償ゲーム内通貨の消費に関する比較考量の機会をプレーヤに与えることによってゲーム内通貨の消費に関する利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2】情報処理システムで実現される機能のうち、キャラクタを獲得する機能に関連するサーバーの機能ブロック図である。
図3】情報処理システムで実現される機能のうち、キャラクタを獲得する機能に関連するプレーヤ端末の機能ブロック図である。
図4】プレーヤ端末で表示される抽選受付画面の一例を示す図である。
図5】プレーヤ端末で表示される抽選受付画面の一例を示す図である。
図6】プレーヤ端末で実行される抽選ボタンの有効化に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図7】プレーヤ端末で実行される割引獲得機能に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図8】プレーヤ端末で表示される購入案内ダイアログの一例を示す図である。
図9】プレーヤ端末で表示される実行確認ダイアログの一例を示す図である。
図10】プレーヤ端末で表示される獲得結果通知画面の一例を示す図である。
図11】プレーヤ端末で表示される獲得結果通知画面の一例を示すフローチャートである。
図12】プレーヤ端末で実行される通常獲得機能に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図13】プレーヤ端末で表示される実行確認ダイアログの一例を示す図である。
図14】プレーヤ端末で表示されるアラートダイアログの一例を示す図である。
図15】プレーヤ端末で表示される獲得結果通知画面の一例を示す図である。
図16】プレーヤ端末で表示される獲得結果通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0014】
1.情報処理システムの構成
図1は、本実施形態の情報処理システム10の全体構成を示す図である。図1にしめすように情報処理システム10では、サーバー20と複数のプレーヤ端末40が、インターネット、携帯電話網、LAN、WANなどのネットワーク30により接続されており、いわゆるクライアント・サーバー方式の通信システムが構築されている。そして複数のプレーヤ端末40のそれぞれは、ネットワーク30を介してサーバー20と互いに通信を行って種々の情報を送受信する。また複数のプレーヤ端末40のそれぞれは、ネットワーク30およびサーバー20を介して他のプレーヤ端末40と互いに通信を行って種々の情報を送受信する。
【0015】
サーバー20は、CPU等のプロセッサーからなる制御部21と、ROMやRAM等の主記憶装置、およびHDDやSSD等の補助記憶装置からなる記憶部22と、通信モジュールや通信インターフェースからなる通信部23とを含む。サーバー20は、制御部21が記憶部22に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。またサーバー20は、通信部23によってプレーヤ端末40から情報を受信し、制御部21が実行した処理の結果に関する情報等をプレーヤ端末40に送信する。
【0016】
プレーヤ端末40は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、携帯ゲーム機、店舗や家庭に設置される据え置きゲーム機等である。プレーヤ端末40は、CPU等のプロセッサーからなる制御部41と、ROMやRAM等の主記憶装置、およびフラッシュメモリ、HDD、SDD等の補助記憶装置からなる記憶部42と、タッチパネルやキーボード、マイク等からなる操作・入力部43と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等からなる表示部44と、通信モジュールや通信インターフェースからなる通信部45とを含む。プレーヤ端末40も、記憶部42に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。またプレーヤ端末40は、通信部45によってサーバー20からの情報を受信し、サーバー20や他のプレーヤ端末40に情報を送信する。
【0017】
本実施形態の情報処理システム10は、プレーヤが所有するキャラクタをクエストに出撃させて敵キャラクタと戦わせるゲームを、プレーヤ端末40を通じて提供する機能を有している。特に本実施形態の情報処理システム10は、キャラクタ(ゲーム媒体の一例)を獲得するキャラクタ獲得機能を有しており、以下では、キャラクタ獲得機能がサーバー20とプレーヤ端末40とにおいて分担されて実現される場合を説明する。ただし、先に述べた機能が、サーバー20を主体として実現されてもよいし、プレーヤ端末40を主体として実現されてもよい。
【0018】
図2は、サーバー20の主要な機能を示す機能ブロック図である。
【0019】
情報処理システム10におけるサーバー20は、各種の識別情報によってプレーヤやキャラクタ等を管理する機能、プレーヤ端末20からの要求に応答してゲームの進行に必要な演算を行い、演算結果をプレーヤ端末40に送信する機能を有し、これらの機能を、サーバーデータ記憶部50と、ゲーム演算部60とが協働して実現する。
【0020】
サーバーデータ記憶部50は、プレーヤ管理データベース51を含み、主として記憶部22により実現される。本実施形態では、プレーヤごとに付与されるプレーヤIDに紐付けて、キャラクタリストおよびアイテムリストなどがプレーヤ管理データベース51に記憶されている。
【0021】
キャラクタリストには、プレーヤが所有するキャラクタについて、例えば、キャラクタごとに付与されるキャラクタID、キャラクタのレアリティ、キャラクタのステータスに関するデータが含まれる。また本実施形態では、プレーヤ毎のキャラクタリストにおいて各キャラクタが解放済みであるかどうかが管理されており、キャラクタの初回獲得時に、獲得したキャラクタのキャラクタIDに紐付けて解放済みフラグが設定される。またアイテムリストには、例えば、プレーヤが所有するアイテムやゲーム内通貨に関するデータが含まれる。
【0022】
またプレーヤ管理データベース51には、キャラクタ獲得機能で利用されるキャラクタ交換ポイントの情報がプレーヤIDに紐付けて記憶される。本実施形態では、キャラクタ獲得機能で提供対象となるキャラクタを決定する提供対象決定抽選を1回受ける毎にキャラクタ交換ポイントが1ポイント付与され、キャラクタ交換ポイントが200ポイントに達すると、キャラクタ交換ポイントを200ポイント消費することによって所定のキャラクタと交換することができる仕様となっている。すなわち本実施形態では、キャラクタ獲得機能において200回の提供対象決定抽選を受けることで、キャラクタ交換ポイントを用いたキャラクタの獲得が可能である。本実施形態のキャラクタ獲得機能では、優遇対象となるキャラクタが設定されており、優遇対象となるキャラクタについては、同じレアリティに属する優遇対象ではないキャラクタよりも提供確率が高くなるように提供対象決定抽選が行われ、キャラクタ交換ポイントを消費して交換することができるキャラクタは優遇対象として設定されたキャラクタとなっている。
【0023】
またサーバーデータ記憶部50は、抽選情報データベース52を含み、抽選情報データベース52には、キャラクタ獲得機能で実行される抽選のためのテーブルデータ(以下、抽選テーブルと称する)が記憶されている。
【0024】
本実施形態では、キャラクタ獲得機能に関して、サーバー20が提供対象となるキャラクタを決定する提供対象決定抽選を実行可能である。提供対象決定抽選については2段階抽選となっており、サーバー20が、提供対象のレアリティを決定する第1抽選と、第1抽選の結果に対応するレアリティのキャラクタから提供対象を決定する第2抽選とを実行可能である。抽選情報データベース52には、既述の各抽選のための抽選テーブルが記憶されている。
【0025】
また本実施形態では、提供対象決定抽選に関して、優遇対象となるキャラクタが設定され、優遇対象となるキャラクタについては、同じレアリティの優遇対象ではないキャラクタよりも第2抽選において抽出されやすくなるように第2抽選のための抽選テーブルが設定されている。
【0026】
ゲーム演算部60は、プレーヤ端末20からの要求に応答してゲームの進行に必要な演算を行い、演算結果をプレーヤ端末40に送信する処理、プレーヤ端末20からの要求に応答してゲームの進行に必要なデータをプレーヤ端末40に送信する処理などを行い、主として制御部41および通信部45により実現される。例えば、キャラクタ獲得機能においてプレーヤ端末20から抽選要求を受け取ると、ゲーム演算部60が提供対象決定抽選を行って提供対象となるキャラクタを決定し、プレーヤ端末40に抽選結果を送信する。なお本実施形態では、キャラクタ獲得機能において提供対象となったキャラクタがプレーヤ管理データベース51のキャラクタリストにおいて未解放である場合、解放済みフラグが設定される。また解放済みフラグが設定されているキャラクタが提供対象となった場合には、キャラクタのレアリティを上昇させるために必要となるキャラクタピースと交換可能なピース交換用アイテムに変換され、ピース交換用アイテムの所持数がプレーヤ管理データベース51のアイテムリストにおいて更新される。
【0027】
またゲーム演算部60は、提供対象決定部61を含む。提供対象決定部61は、提供対象となるキャラクタを決定する処理を行う。本実施形態では、提供対象決定部61は、第1抽選および第2抽選からなる提供対象決定抽選を行い、第1抽選によってレアリティを決定し、第2抽選において第1抽選で決定されたレアリティに属するキャラクタの中から提供対象となるキャラクタを決定する。特に第2抽選については、複数種類のキャラクタのうち優遇対象に設定されたキャラクタが少なくとも同じレアリティに属する優遇対象ではないキャラクタよりも提供確率が高くなるように提供対象となるキャラクタを決定する。
【0028】
図3は、プレーヤ端末40の主要な機能を示す機能ブロック図である。
【0029】
本実施形態の情報処理システム10におけるプレーヤ端末40は、図3に示すように、端末データ記憶部70と、ゲーム実行部80とが協働して、キャラクタ獲得機能を実現する。
【0030】
端末データ記憶部70は、ゲーム実行部80が各種の処理を行うためのデータを記憶するものであり、主として記憶部42により実現される。
【0031】
端末データ記憶部70は、プレーヤデータ記憶部71を含み、プレーヤデータ記憶部71には、プレーヤIDに対応するキャラクタリストおよびアイテムリストに関するデータなどが記憶される。本実施形態では、アプリケーションの起動時および終了時、その他の必要な状況において、プレーヤ端末40のプレーヤデータ記憶部71とサーバー20のプレーヤ管理データベース51との間でプレーヤIDに紐付けられたデータ(キャラクタリストおよびアイテムリストなど)に関する同期処理を行い、プレーヤデータ記憶部71に格納されているデータを利用して、各種ゲーム処理を実行する。本実施形態では、各種ゲーム処理の実行に伴ってキャラクタリストやアイテムリストの変更が必要となった場合、プレーヤデータ記憶部71の記憶内容が更新されるとともにサーバー20のプレーヤ管理データベース51に更新された記憶内容がバックアップされ、両者の記憶内容の同期が行われる。なおキャラクタリストおよびアイテムリスト等のプレーヤIDに紐付けられたデータをアプリケーションの起動時など必要に応じてプレーヤ管理データベース51からプレーヤデータ記憶部71にダウンロードするようにしてもよい。
【0032】
ゲーム実行部80は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、複数種類のゲームモードのうち選択されたゲームモードを実行する処理、ゲームを進行させる処理、イベント発生条件が満たされた場合にイベントを発生させる処理、ゲーム結果を演算する処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、サーバー20に演算を要求する処理、サーバー20から演算結果や必要なデータを取得する処理、およびサーバー20にプレーヤ端末40の演算結果やデータを送信する処理などを行い、主として制御部41および通信部45により実現される。本実施形態では、ゲーム実行部80が、キャラクタ獲得機能提供部81を含む。
【0033】
キャラクタ獲得機能提供部81は、プレーヤの入力を受け付けてサーバー20に対して抽選要求を送信し、サーバー20によって決定された提供対象のキャラクタの情報を取得して、キャラクタの獲得結果をプレーヤに通知するキャラクタ獲得機能を提供する処理を行う。本実施形態では、抽選受付画面を通じてプレーヤの入力を受け付けてサーバー20から提供対象決定抽選の結果を取得し、抽選結果表示画面を通じてキャラクタの獲得結果をプレーヤに通知する態様でキャラクタ獲得機能が提供される。また本実施形態のキャラクタ獲得機能は、ゲーム内通貨を消費して提供対象決定抽選で決定されたキャラクタを獲得するゲーム機能である。ゲーム内通貨としては、料金を支払うことによって入手可能な有償ゲーム内通貨と、料金の支払いを要さずにゲームにおいてミッションを達成することなどによって入手可能な無償ゲーム内通貨とが存在する。なお無償ゲーム内通貨は、ゲームの運営管理を行う事業者からの配布により入手する場合が存在していてもよい。無償ゲーム内通貨をゲームの運営管理を行う事業者からの配布により入手する場合、配布先となるプレーヤは、全てのプレーヤであってもよいし、配布条件を満たしたプレーヤのみであってもよい。
【0034】
またキャラクタ獲得機能提供部81は、キャラクタ獲得機能として、通常獲得機能(第1獲得機能の一例)と、通常獲得機能よりもゲーム内通貨の消費に関して有利な割引獲得機能(第2獲得機能の一例)とを提供する。本実施形態では、割引獲得機能では、ゲーム内通貨の消費単価(提供対象決定抽選1回分の消費量)が通常獲得機能の半分となっている。キャラクタ獲得機能提供部81は、抽選受付画面を通じて、通常獲得機能を利用するための入力(第1入力の一例)と割引獲得機能を利用するための入力(第2入力の一例)とを受け付けて、サーバー20に対して抽選要求を送信する。
【0035】
またキャラクタ獲得機能提供部81は、有償ゲーム内通貨および無償ゲーム内通貨のいずれを消費した場合でも通常獲得機能を利用可能とし、有償ゲーム内通貨を消費した場合に限って割引獲得機能を利用可能とする制御を行う。本実施形態の割引獲得機能は、有償ゲーム内通貨を消費することを条件に通常獲得機能よりも割安な条件でキャラクタ獲得機能を利用可能とするものである。また通常獲得機能に対しては利用回数の上限が設定されていない一方で、割引獲得機能に対しては利用回数の上限(例えば、20回)が設定されている。キャラクタ獲得機能提供部81は、割引獲得機能が利用される毎にプレーヤデータ記憶部71に記憶されている利用回数のカウントを行い、利用回数の上限に達したことを条件に割引各機能の利用を制限する制御を行う。なお割引獲得機能の利用回数についてはサーバー20側でも管理されており、サーバーデータ記憶部50のプレーヤ管理データベース51に、プレーヤ毎の割引獲得機能の利用回数が記憶されている。サーバー20では、プレーヤIDに紐付けて利用回数の情報を管理し、割引獲得機能に係る抽選要求をプレーヤ端末40から受信すると、抽選要求の送信元のプレーヤ端末40に係るプレーヤIDに紐付く利用回数の情報を更新する。
【0036】
またキャラクタ獲得機能提供部81は、通常獲得機能を利用するための入力を受け付けた場合に、有償ゲーム内通貨の所持情報および割引獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件が成立したか否かを判定し、特定条件が成立している場合にアラートダイアログ(所定の通知の一例)を表示する制御を行う。
【0037】
またキャラクタ獲得機能提供部81は、プレーヤが有償ゲーム内通貨および無償ゲーム内通貨の双方を所持している状況において通常獲得機能を利用するための入力を受け付けた場合、無償ゲーム内通貨を有償ゲーム内通貨に優先して消費対象とする制御を行う。なおプレーヤが所持するゲーム内通貨の消費対象についての判断は、抽選要求を受け取ったサーバー20側で提供対象決定抽選を実行する段階において行われるようにしてもよい。例えば、プレーヤ端末40側では、無償ゲーム内通貨と有償ゲーム内通貨との合計に基づいて通常獲得機能を利用可能であるか否かを判断して通常獲得機能を利用するための入力を受け付けて抽選要求をサーバー20に対して送信する。抽選要求を受け取ったサーバー20側では、抽選要求の送信元に係るプレーヤのゲーム内通貨の所持情報に基づきゲーム内通貨の消費対象の内訳を判断することができる。
【0038】
またキャラクタ獲得機能提供部81は、プレーヤが有償ゲーム内通貨および無償ゲーム内通貨の双方を所持している状況において、無償ゲーム内通貨の所持量が通常獲得機能の利用に必要な消費量に満たない場合であっても、無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨を合算して通常獲得機能の利用に必要な消費量となる場合には、通常獲得機能を利用するための入力を受け付けた場合に無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨の双方を消費対象とする制御を行う。
【0039】
またキャラクタ獲得機能提供部81は、キャラクタ獲得機能において提供対象となったキャラクタがプレーヤデータ記憶部71のキャラクタリストにおいて未解放である場合、解放済みフラグを設定する。またキャラクタ獲得機能提供部81は、解放済みフラグが設定されているキャラクタが提供対象となった場合には、キャラクタのレアリティを上昇させるために必要となるキャラクタピースと交換可能なピース交換用アイテムに変換し、プレーヤデータ記憶部71のアイテムリストに関して、ピース交換用アイテムの所持数を更新する。
【0040】
またキャラクタ獲得機能部81は、キャラクタ獲得機能が利用される毎に、既述のキャラクタ交換ポイントについての情報を更新する。具体的には、キャラクタ獲得機能の利用に伴う提供対象決定抽選の抽選回数をキャラクタ交換ポイントとしてカウントして、プレーヤデータ記憶部71に記憶されているキャラクタ交換ポイントのカウント情報を更新する。またキャラクタ獲得機能部81は、キャラクタ交換ポイントが200ポイントに達すると、キャラクタ交換ポイントの消費を伴う優遇対象のキャラクタの獲得を許容する。キャラクタ交換ポイントを消費して優遇対象のキャラクタの獲得が行われると、キャラクタ交換ポイントの消費量に基づいてプレーヤデータ記憶部71に記憶されているキャラクタ交換ポイントの情報を更新する。
【0041】
2.本実施形態の制御手法
以下では、本実施形態の制御手法について、本実施形態のゲームプログラムをスマートフォンとして設けられたプレーヤ端末40のゲームアプリケーションに適用した場合を例に挙げて説明する。
【0042】
本実施形態のゲームプログラムは、複数種類のゲーム機能を提供可能に構成されており、その中でもキャラクタ獲得機能では、提供対象決定抽選により提供対象として決定されたキャラクタを獲得して、他のゲーム機能において使用可能なキャラクタの種類を増やすことができる。
【0043】
そして本実施形態では、キャラクタ獲得機能がプレーヤ端末40において「キャラクタ優遇ガチャ」として提供され、キャラクタ獲得機能においてサーバー20が提供対象となるキャラクタを決定する提供対象決定抽選に関して、一部のキャラクタを優遇対象として提供確率を優遇し、優遇対象のキャラクタを獲得しやすい仕様となっている。
【0044】
提供対象決定抽選は、提供対象のレアリティを決定する第1抽選と、第1抽選で決定されたレアリティに属するキャラクタ群から1体を抽出する第2抽選との2段階抽選となっている。提供対象決定抽選は、キャラクタと追加特典とを決定する仕様としてもよくメイン抽選として第1抽選および第2抽選を行って提供対象のキャラクタを決定し、サブ抽選で提供対象となる追加特典を決定するようにしてもよい。
【0045】
提供対象決定抽選を受けるためには対価としてゲーム内通貨の消費を必要とする。ゲーム内通貨には、料金を支払うことによって入手可能な有償ゲーム内通貨と料金の支払いを要さずにゲームにおいてミッションを達成するなどして入手可能な無償ゲーム内通貨とが存在する。本実施形態では「ジュエル」を通貨単位とするゲーム内通貨が用意されている。プレーヤが所持するゲーム内通貨の情報は、プレーヤデータ記憶部71において有償ゲーム内通貨と無償ゲーム内通貨とを区別して記憶されている。またプレーヤが所持するゲーム内通貨の情報は、サーバー20側でも管理されており、プレーヤ管理データベース51においてプレーヤIDに紐付けて有償ゲーム内通貨と無償ゲーム内通貨とを区別して記憶されている。
【0046】
本実施形態のキャラクタ獲得機能では、通常獲得機能と割引獲得機能とが設けられている。通常獲得機能は、無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨のいずれを消費しても提供対象決定抽選を受けることができる機能であり、割引獲得機能は、有償ゲーム内通貨を消費した場合に限って提供対象決定抽選を受けることができる機能であって、ゲーム内通貨の消費量が通常獲得機能の半分となっている。具体的に説明すると、通常獲得機能では1回の抽選当たり150ジュエルの消費を必要とし、割引獲得機能では1回の抽選当たり75ジュエルの消費を必要とする。通常獲得機能では、1回抽選と10回抽選とをプレーヤの任意で選択することができ、割引獲得機能では、10回抽選のみとなっている。なお割引獲得機能については、10回抽選のみとするのではなく、1回抽選の利用形態が設けられていてもよい。また1回抽選の割引獲得機能を設ける場合、1回抽選の利用回数については1日1回としてもよい。また、1回抽選の割引獲得機能については、本実施形態のアラートダイアログの表示対象としてもよいし、本実施形態のアラートダイアログの表示対象外としてもよい。
【0047】
サーバー20では、プレーヤ端末40から抽選要求を受けて提供対象決定抽選を実行する。プレーヤ端末40では、通常獲得機能に係るゲーム内通貨の消費情報を含む抽選要求と割引獲得機能に係るゲーム内通貨の消費情報を含む抽選要求とを区別してサーバーに送信する。説明の便宜上、通常獲得機能に係る抽選要求を通常抽選要求とし、割引獲得機能に係る抽選要求を割引抽選要求とし、単に抽選要求と述べる場合には通常抽選要求と割引抽選要求とを含むものとする。なお抽選要求においてゲーム内通貨の消費情報を含めるのではなく、ゲーム内通貨を消費した後のゲーム内通貨の所持情報を抽選要求に含めて送信することによって通常獲得機能と割引獲得機能とを区別せずにサーバーに抽選要求を行うようにしてもよい。
【0048】
プレーヤ端末40では、抽選受付画面において通常抽選ボタンと割引抽選ボタンとを表示し、通常獲得機能または割引獲得機能の利用に関する入力を受け付ける。図4および図5は、抽選受付画面の表示例を示す図である。通常抽選ボタンとしては、1回抽選を行うための通常1回抽選ボタン91と、10回抽選を行うための通常10回抽選ボタン92とが設けられている。割引抽選ボタンとしては、10回抽選を行うための割引10回抽選ボタン93が設けられている。本実施形態では、割引獲得機能の利用に際して利用回数に制限が設けられているため、割引10回抽選ボタン93には、割引獲得機能の利用回数の残数(割引利用残数)を示す残数表示領域94が設けられている。本実施形態では、抽選受付画面に遷移する際に、プレーヤデータ記憶部71に記憶されている利用回数の情報を参照して割引10回抽選ボタン93を有効化するか否かを判定する。なお割引獲得機能の利用回数の情報については、ゲームのログイン時にプレーヤ端末40がサーバー20から取得する。例えば、プレーヤ端末40においてゲームのアプリケーションが起動され、サーバー20によってプレーヤIDに基づくログインが承認された場合に、プレーヤ端末40がサーバー20から割引獲得機能の利用回数の情報を取得してプレーヤデータ記憶部71に保存する。割引10回抽選ボタン93が有効化されている場合、図4に示すように、割引10回抽選ボタン93が通常表示され、割引10回抽選ボタン93が無効化されている場合、図5に示すように、割引10回抽選ボタン93がグレーアウト表示される。
【0049】
図6は、割引10回抽選ボタンの有効化に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
抽選受付画面に遷移した場合に(ステップS101でY)、割引獲得機能の利用回数を参照して、利用回数の残数(割引利用残数)が0であるか否かを判定する。本実施形態では、割引獲得機能の利用回数の上限が20回に設定されており、割引獲得機能による10回抽選の1回の利用につき割引利用残数が1回ずつ減算される。割引利用残数が0ではない場合には(ステップS102でN)、割引獲得機能の利用が可能であると判断して割引10回抽選ボタン95を有効化する(ステップS103)。一方、割引利用残数が0である場合には(ステップS102でY)、割引獲得機能の利用が不可能であると判断して割引10回抽選ボタン95を無効化する(ステップS104)。
【0051】
このように抽選受付画面では、割引10回抽選ボタン93が有効化されている状況において割引獲得機能を利用するための入力を受け付けることができる。
【0052】
また抽選受付画面には、詳細確認ボタン95が設けられており、詳細確認ボタン95に対してタップ入力を行うことで、提供対象決定抽選で抽選対象となっているキャラクタごとの提供確率などを確認するダイアログが表示される。
【0053】
また抽選受付画面には、交換ラインナップ確認ボタン96が設けられており、交換ラインナップ確認ボタン96に対するタップ入力を行うことで、キャラクタ交換ポイントで交換可能なキャラクタ(優遇対象のキャラクタ)を確認するダイアログが表示される。
【0054】
以下では、割引獲得機で10回抽選を利用する場合と、通常獲得機能で10回抽選を利用する場合とについて、それぞれにおける処理の流れを説明する。
【0055】
図7は、割引獲得機能で10回抽選を利用する場合における処理の一例を示すフローチャートである。
【0056】
まず割引10回抽選ボタンに対するタップ入力が行われると(ステップS201でY)、割引獲得機能による10回抽選の利用に必要な有償ゲーム内通貨を所持しているか否かが判定される(ステップS202)。本実施形態では、割引獲得機能の利用に際して750ジュエルの有償ゲーム内通貨の消費を必要とするため、プレーヤが所持する有償ゲーム内通貨の所持情報を参照して750ジュエル以上の有償ゲーム内通貨を所持しているか否かが判定される。
【0057】
プレーヤの所持する有償ゲーム内通貨が750ジュエル未満であった場合には(ステップS202でN)、有償ゲーム内通貨の購入案内ダイアログを表示する。図8は、購入案内ダイアログの表示例を示す図である。購入案内ダイアログには、購入ボタン101とキャンセルボタン102とが設けられている。購入ボタン101に対するタップ入力が行われると、有償ゲーム内通貨を購入する有償通貨購入画面(図示省略)に遷移して有償ゲーム内通貨を購入することができる。またキャンセルボタン102に対するタップ入力が行われると、購入案内ダイアログを閉じて抽選受付画面に復帰する。
【0058】
一方、プレーヤの所持する有償ゲーム内通貨が750ジュエル以上であった場合には(ステップS202でY)、割引獲得機能を利用することを確認する実行確認ダイアログが表示される(ステップS203)。図9は、実行確認ダイアログの表示例を示す図である。実行確認ダイアログには、OKボタン103とキャンセルボタン104とが設けられている。OKボタン103に対するタップ入力(確認入力)が行われると(ステップS204でY)、有償ゲーム内通貨の消費情報を含む割引抽選要求がサーバー20に対して送信され(ステップS206)、キャンセルボタン104に対するタップ入力(キャンセル入力)が行われると(ステップS205でY)、抽選受付画面に復帰する。割引抽選要求を受け取ったサーバー20では、10回分の提供対象決定抽選を行って提供対象となる10体のキャラクタを決定し、提供対象となったキャラクタの情報(例えば、キャラクタID)を含む抽選結果応答をプレーヤ端末に送信する。
【0059】
キャラクタ獲得機能において割引抽選要求を受信したサーバー20では、提供対象決定抽選として第1抽選と第2抽選とを順に実行して提供対象となるキャラクタを決定する。
【0060】
第1抽選では、提供対象のキャラクタのレアリティを決定する。本実施形態では、キャラクタのレアリティとして星1~星5の5段階が設定されているが、提供対象となり得るキャラクタのレアリティは星1~星3となっている。レアリティは星1<星2<星3<星4<星5の順に高いものとする。なおキャラクタのレアリティを上昇させるためには同じキャラクタのキャラクタピースを集めて、所定量のキャラクタピースを消費することが必要であり、いずれのキャラクタもレアリティを星5まで上昇させることが可能である。
【0061】
本実施形態では、第1抽選における各レアリティの当選確率は、星1が79%、星2が18%、星3が3%となっている。ただし10回の連続抽選を行う場合については、10回目の抽選において星2以上のレアリティのキャラクタを獲得できる仕様となっており、10回目の抽選については、星2が97%、星3が3%の当選確率で実行される。
【0062】
第1抽選でレアリティが決定されると、決定されたレアリティのキャラクタの中から提供対象のキャラクタを決定するための第2抽選を行う。具体的に説明すると、第1抽選で星1のキャラクタを提供することが決定された場合には、星1のキャラクタを抽選対象とし、各キャラクタの当選確率を均等とする第2抽選を行って、当選したキャラクタを提供対象として決定する。また第2抽選で星2のキャラクタを提供することが決定された場合には、星2のキャラクタを抽選対象とし、各キャラクタの当選確率を均等とする第2抽選を行って、当選したキャラクタを提供対象として決定する。また第2抽選で星3のキャラクタを提供することが決定された場合には、星3のキャラクタを抽選対象とし、優遇対象のキャラクタの当選確率が優遇対象ではないキャラクタの当選確率よりも高い第2抽選を行って、当選したキャラクタを提供対象として決定する。
【0063】
またサーバー20では、提供対象のキャラクタの決定結果に基づきプレーヤ管理データベース51が更新される。具体的には、提供対象のキャラクタについて、プレーヤIDに紐付くキャラクタリストにおいて解放済みフラグが設定されているか否かをチェックし、解放済みフラグが設定されていない場合には、解放済みフラグを設定する。提供対象のキャラクタについて解放済みフラグが設定されている場合には、キャラクタのレアリティに応じた数量のピース交換用アイテムに変換して、プレーヤIDに紐付くアイテムリストのピース交換用アイテムの所持数を更新する。例えば、提供対象のキャラクタのレアリティが星1であった場合、1個のピース交換用アイテムに変換され、提供対象のキャラクタのレアリティが星2であった場合、10個のピース交換用アイテムに変換され、提供対象のキャラクタのレアリティが星3であった場合、50個のピース交換用アイテムに変換される。
【0064】
サーバー20から抽選結果応答を受け取ったプレーヤ端末10では(ステップS207でY)、割引獲得機能の利用回数とキャラクタ交換ポイントとを更新し(ステップS208)、抽選結果に基づくキャラクタの獲得内容を通知する獲得結果通知画面を表示する(ステップS209)。またサーバー20から抽選結果応答を受信したプレーヤ端末40では、サーバー20側と同様にプレーヤデータ記憶部71におけるキャラクタリストにおけるキャラクタの解放状況に関するデータやアイテムリストにおけるアイテムの所持数に関するデータを更新する。
【0065】
図10および図11は獲得結果通知画面の表示例を示す図である。獲得結果通知画面では、獲得結果表示領域201において提供対象として決定された10体のキャラクタがキャラクタアイコン202で示される。
【0066】
また獲得結果通知画面には、再抽選ボタン203とキャンセルボタン205とが設けられており、再抽選ボタン203についてはプレーヤが所持する有償ゲーム内通貨が750ジュエル以上であれば有効化され、図10に示すように、通常表示される再抽選ボタン203に付随するように吹き出し通知204も表示される。一方、プレーヤが所持する有償ゲーム内通貨が750ジュエル未満であれば、図11に示すように、再抽選ボタン203が無効化されてグレーアウト表示される。
【0067】
獲得結果通知画面での再抽選ボタン203は、抽選受付画面の割引10回抽選ボタン93と同じ役割を有しており、再抽選ボタン203に対するタップ入力が行われると実行確認ダイアログが表示され(ステップS203)、抽選受付画面を経由せずに有償ゲーム内通貨を750ジュエル分消費して割引獲得機能を再び利用することができる。すなわち割引獲得機能を複数回利用するプレーヤにとっては再抽選ボタン203を用いることで画面遷移の回数が減ることにより時間節約となる。また獲得結果通知画面においてキャンセルボタン205に対するタップ入力が行われると抽選受付画面に復帰する。
【0068】
図12は、通常獲得機能で10回抽選を利用する場合における処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
まず通常10回抽選ボタン92に対するタップ入力が行われると(ステップS301でY)、通常獲得機能の利用に必要なゲーム内通貨を所持しているか否かが判定される(ステップS302)。本実施形態では、通常獲得機能による10回抽選の利用に際して1500ジュエルのゲーム内通貨の消費を必要とするため、プレーヤが所持する無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨の所持情報を参照して、無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨の合計で1500ジュエル以上のゲーム内通貨を所持しているか否かが判定される。
【0070】
プレーヤの所持する無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨の合計が1500ジュエル未満であった場合には(ステップS302でN)、有償ゲーム内通貨の購入案内ダイアログを表示する。図8は、購入案内ダイアログの表示例を示す図である。購入案内ダイアログには、購入ボタン101とキャンセルボタン102とが設けられている。購入ボタン101に対するタップ入力が行われると、有償ゲーム内通貨を購入する有償通貨購入画面(図示省略)に遷移して有償ゲーム内通貨を購入することができる。またキャンセルボタン102に対するタップ入力が行われると、購入案内ダイアログを閉じて抽選受付画面に復帰する。
【0071】
一方、プレーヤの所持するゲーム内通貨が1500ジュエル以上であった場合には(ステップS302でY)、通常獲得機能を利用することを確認する実行確認ダイアログが表示される。図13は、実行確認ダイアログの表示例を示す図である。例えば、無償ゲーム内通貨を1000ジュエル所持し、有償ゲーム内通貨を2000ジュエル所持している本実施形態の場合、無償ゲーム内通貨を優先して消費するように消費対象のゲーム内通貨が決定され、今回の通常獲得機能の利用において無償ゲーム内通貨を1000ジュエル消費し、有償ゲーム内通貨を500ジュエル消費することになる。実行確認ダイアログには、OKボタン105とキャンセルボタン106とが設けられている。OKボタン105に対するタップ入力(確認入力)が行われると(ステップS304でY)、特定条件判定処理が行われ(ステップS306)、キャンセルボタン106に対するタップ入力が行われると(ステップS305でY)、抽選受付画面に復帰する。本実施形態では、特定条件判定処理において、特定条件1~特定条件3の全てを満たしているか否かが判定される。
【0072】
特定条件1は、有償ゲーム内通貨を750ジュエル以上所持していることである。本実施形態では、有償ゲーム内通貨を750ジュエル消費することで割引獲得機能を利用することができるため、特定条件1の判定によってプレーヤの有償ゲーム内通貨の所持情報を参照して割引獲得機能の利用に必要な有償ゲーム内通貨を所持しているか否かをチェックする。
【0073】
特定条件2は、今回の通常獲得機能の利用において有償ゲーム内通貨を1ジュエル以上消費することである。本実施形態では、通常獲得機能によるゲーム内通貨の消費量が1500ジュエルであるのに対して、割引獲得機能によるゲーム内通貨の消費量が750ジュエルであるため、有償ゲーム内通貨を消費するのであれば割引獲得機能を利用して方がゲーム内通貨の消費負担が少ない。そこで特定条件2の判定によってプレーヤの無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨の所持情報に基づくゲーム内通貨の消費内容を参照して有償ゲーム内通貨を消費することになるか否かをチェックする。
【0074】
特定条件3は、割引獲得機能の利用回数が1回以上残っていることである。本実施形態では、既述のように割引獲得機能の利用回数に20回の上限が設定されているため、特定条件3の判定によって割引獲得機能の利用回数の情報を参照して割引獲得機能を利用可能であるか否かをチェックする。
【0075】
特定条件判定処理の結果、特定条件1~特定条件3の全てを満たしていると判定された場合には(ステップS307でY)、アラートダイアログを表示して通常獲得機能の利用に対する最終確認を行う(ステップS308)。図14は、アラートダイアログの表示例を示す図である。アラートダイアログでは、有償ゲーム内通貨を消費して通常獲得機能を利用することを通知してプレーヤに有償ゲーム内通貨の消費に対する判断の機会が与えられる。またアラートダイアログには、OKボタン107とキャンセルボタン108とが設けられている。OKボタン107に対するタップ入力が行われると(ステップS309でY)、ゲーム内通貨の消費情報を含む通常抽選要求がサーバー20に対して送信され(ステップS311)、キャンセルボタンに対するタップ入力が行われると(ステップS310でY)、抽選受付画面に復帰する。一方、特定条件判定処理の結果、特定条件1~特定条件3の少なくとも1つを満たしていないと判定された場合には(ステップS307でN)、アラートダイアログの表示は行わずに通常抽選要求がサーバー20に対して送信される(ステップS311)。通常抽選要求を受け取ったサーバー20では、10回分の提供対象決定抽選を行って提供対象となる10体のキャラクタを決定し、提供対象となったキャラクタの情報(例えば、キャラクタID)を含む抽選結果応答をプレーヤ端末40に送信する。
【0076】
キャラクタ獲得機能において通常抽選要求を受信したサーバー20では、提供対象決定抽選として第1抽選と第2抽選とを順に実行して提供対象となるキャラクタを決定する。通常抽選要求に基づいて実行される提供対象決定抽選も、既述の割引抽選要求に基づいて実行される場合と同様の処理で提供対象のキャラクタが決定される。
【0077】
またサーバー20では、提供対象のキャラクタの決定結果に基づきプレーヤ管理データベース51が更新される。具体的には、提供対象のキャラクタについて、プレーヤIDに紐付くキャラクタリストにおいて解放済みフラグが設定されているか否かをチェックし、解放済みフラグが設定されていない場合には、解放済みフラグを設定する。提供対象のキャラクタについて解放済みフラグが設定されている場合には、キャラクタのレアリティに応じた数量のピース交換用アイテムに変換して、プレーヤIDに紐付くアイテムリストのピース交換用アイテムの所持数を更新する。例えば、提供対象のキャラクタのレアリティが星1であった場合、1個のピース交換用アイテムに変換され、提供対象のキャラクタのレアリティが星2であった場合、10個のピース交換用アイテムに変換され、提供対象のキャラクタのレアリティが星3であった場合、50個のピース交換用アイテムに変換される。
【0078】
サーバー20から抽選結果応答を受け取ったプレーヤ端末40では、キャラクタ交換ポイントを更新し(ステップS313)、抽選結果に基づくキャラクタの獲得内容を通知する獲得結果通知画面を表示する(ステップS314)。またサーバー20から抽選結果応答を受信したプレーヤ端末40では、サーバー20側と同様にプレーヤデータ記憶部71におけるキャラクタリストにおけるキャラクタの解放状況に関するデータやアイテムリストにおけるアイテムの所持数に関するデータを更新する。
【0079】
図15および図16は、獲得結果通知画面の表示例を示す図である。獲得結果通知画面では、獲得結果表示領域211において提供対象として決定された10体のキャラクタがキャラクタアイコン212で示される。
【0080】
また獲得結果通知画面には、再抽選ボタン213とキャンセルボタン215とが設けられており、再抽選ボタン213については無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨の合計が1500ジュエル以上であれば有効化されて図15に示すように通常表示され、無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨の合計が1500ジュエル未満であれば無効化されて図16に示すようにグレーアウト表示される。
【0081】
獲得結果通知画面での再抽選ボタン213は、抽選受付画面の通常10回抽選ボタン92と同じ役割を有しており、再抽選ボタン213に対するタップ入力が行われると実行確認ダイアログが表示され、抽選受付画面を経由せずにゲーム内通貨を1500ジュエル分消費して通常獲得機能を再び利用することができる。なお再抽選ボタン213を用いて通常獲得機能による10回抽選を利用する場合であっても特定条件判定処理は実行され(ステップS306)、特定条件1~特定条件3の全てを満たしていると判定された場合には(ステップS307でY)、アラートダイアログの表示が行われる(ステップS308)。また獲得結果通知画面においてキャンセルボタン215に対するタップ入力が行われると抽選受付画面に復帰する。
【0082】
以上に述べた本実施形態の情報処理システム10では、抽選受付画面において通常獲得機能を利用するために通常10回抽選ボタン92に対する入力を受け付けた際に今回の通常獲得機能の利用において有償ゲーム内通貨を消費する場合に、有償ゲーム内通貨の所持情報および割引獲得機能の利用回数の情報に基づいて特定条件1~特定条件3の成否を判定し、特定条件1~特定条件3の全てが成立していることに基づいてアラートダイアログを表示するようにしたため、有償ゲーム内通貨の消費に関する比較考量の機会をプレーヤに与えることによってゲーム内通貨の消費に関する利便性を向上させることができる。
【0083】
より具体的に説明すると、プレーヤが、例えば、図4に示すように、無償ゲーム内通貨を1000ジュエルと、有償ゲーム内通貨を2000ジュエルとの合計3000ジュエル分のゲーム内通貨を所持していたとする。この状況において、通常獲得機能のみを利用した場合、10回抽選を2回行うことでゲーム内通貨の消費量が3000ジュエルに達する。一方、このプレーヤは、有償ゲーム内通貨を2000ジュエル所持していることから、割引獲得機能を2回利用することで1500ジュエルの消費で20回分の抽選を受けることができる。さらに割引獲得機能を2回利用した上で有償ゲーム内通貨が500ジュエル残り、無償ゲーム内通貨を1000ジュエル所持しているため、通常獲得機能で10回抽選を利用することができる。すなわち通常獲得機能のみを利用した場合には20回の抽選を受けることができ、割引獲得機能と通常獲得機能を併用した場合には30回の抽選を受けることができる。このため本実施形態のように通常獲得機能の利用に際して特定条件を満たした場合にアラートダイアログを表示して有償ゲーム内通貨の使用について判断する機会を与えることで効率よく有償ゲーム内通貨を消費させることができる。
【0084】
また本実施形態では、キャラクタ獲得機能において提供対象決定抽選を1回受けるごとにキャラクタ交換ポイントが1ポイント付与され、キャラクタ交換ポイントが200ポイントに達することで、キャラクタ交換ポイントを消費して優遇対象のキャラクタを獲得することができる仕様となっている。そして割引獲得機能の利用回数には上限が設けられており、その上限は20回に設定されていることにより、割引獲得機能の利用回数の上限に達するまで割引獲得機能を利用すれば、キャラクタ交換ポイントが200ポイントに達するようになっている。プレーヤとしてはキャラクタ交換ポイントの消費によって優遇対象のキャラクタを獲得することになる場合、できる限りゲーム内通貨の消費が抑えられることを好む傾向がある。そこで本実施形態では、通常獲得機能の利用における有償ゲーム内通貨の消費に関してアラートダイアログを表示する手法を採用することによって、ゲーム内通貨を効率よく消費してキャラクタ交換ポイントを貯めることを補助することができるのでプレーヤの利便性を向上させることができる。
【0085】
なお本実施形態では、アラートダイアログにおいて有償ゲーム内通貨の使用確認を行うようにしたが、割引獲得機能を利用可能であることを案内する表示を行うようにしてもよい。またアラートダイアログでは、プレーヤの所持するゲーム内通貨を最も効率よく消費してキャラクタ獲得機能を利用できるゲーム内通貨の消費内容を提示するようにしてもよい。例えば、既述の有償ゲーム内通貨を2000ジュエル、無償ゲーム内通貨を1000ジュエル所持している場合であれば、アラートダイアログにおいて、割引獲得機能による10回抽選を2回利用し、通常獲得機能による10回抽選を1回利用することで最大回数の抽選を受けることができることを案内する表示を行うことができる。
【0086】
また本実施形態では、プレーヤが有償ゲーム内通貨および無償ゲーム内通貨の双方を所持している状況において通常獲得機能を利用するための入力(通常1回抽選ボタン91や通常10回抽選ボタン92に対するタップ入力)を受け付けた場合、無償ゲーム内通貨を有償ゲーム内通貨に優先して消費対象とする制御を行う。このようにすれば、料金の支払いを伴っている有償ゲーム内通貨を慎重に利用したいという多くのプレーヤの意向に沿ったゲーム内通貨の消費を補助することができる。
【0087】
また本実施形態では、プレーヤが有償ゲーム内通貨および無償ゲーム内通貨の双方を所持している状況において、無償ゲーム内通貨の所持量が通常獲得機能の利用に必要な消費量に満たない場合であっても、無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨を合算して通常獲得機能の利用に必要な消費量となる場合には、通常獲得機能を利用するための入力(通常1回抽選ボタン91や通常10回抽選ボタン92に対するタップ入力)を受け付けた場合に無償ゲーム内通貨および有償ゲーム内通貨の双方を消費対象とする制御を行う。このようにすれば、無償ゲーム内通貨を消費してキャラクタ獲得機能を利用する場合に有償ゲーム内通貨を消費できない仕様や、有償ゲーム内通貨を消費してキャラクタ獲得機能を利用する場合に無償ゲーム内通貨を消費できない仕様に比べてゲーム内通貨を効率よく消費してキャラクタ獲得機能を利用することができるため、ゲーム内通貨を効率よく消費したいという多くのプレーヤの意向に沿ったゲーム内通貨の消費を補助することができる。
【0088】
また特定条件判定処理については、特定条件1の成否を判定する第1判定処理と、特定条件2の成否を判定する第2判定処理と、特定条件3の成否を判定する第3判定処理とを、第1判定処理で特定条件1を満たした場合に第2判定処理を実行し、第2判定処理で特定条件2を満たした場合に第3判定処理を実行するようにしてもよい。例えば、第1判定処理で特定条件1を満たしていないと判定された時点で特定条件判定処理を終えて通常抽選要求を送信することができる。また例えば、第1判定処理で特定条件1を満たすと判定されたが、第2判定処理で特定条件2を満たしていないと判定された時点で特定条件判定処理を終えて通常抽選要求を送信することができる。また例えば、第1判定処理で特定条件1を満たすと判定され、第2判定処理で特定条件2を満たすと判定されたが、第3判定処理で特定条件3を満たしていないと判定された時点で特定条件判定処理を終えて通常抽選要求を送信することができる。また例えば、第1判定処理で特定条件1を満たすと判定され、第2判定処理で特定条件2を満たすと判定され、第3判定処理で特定条件3を満たすと判定された場合にアラートダイアログの表示を行うことができる。
【0089】
また上記実施形態では、キャラクタ獲得機能において、キャラクタのみが提供される仕様であったが、キャラクタに加えて追加特典が提供される仕様であってもよい。この場合には、プレーヤ端末40からの通常抽選要求や割引抽選要求に対して提供対象決定抽選としてメイン抽選とサブ抽選とを行い、メイン抽選で提供対象のキャラクタを決定し、サブ抽選で提供対象の追加特典を決定する構成とすることができる。
【0090】
また通常獲得機能より有利なキャラクタ獲得機能(以下、特別獲得機能とする)としては、割引獲得機能に限られない。例えば、通常獲得機能では追加特典が付与されないが、特別獲得機能では1回の提供対象決定抽選ごとにアイテム等の追加特典が付与される態様であってもよい。すなわち特別獲得機能は、ゲーム内通貨の消費に関して通常獲得機能より有利であってもよいし、提供対象決定抽選(抽選方式や抽選結果など)に関して通常獲得機能よりも有利であってもよい。また特別獲得機能では、通常獲得機能よりも抽選回数が多くてもよい。例えば、通常獲得機能は10回抽選であるのに対して、特別獲得機能では11回抽選であってもよい。この場合、通常獲得機能の10回抽選の対価として消費するゲーム内通貨の消費量と特別獲得機能の11回抽選の対価として消費するゲーム内通貨の消費量とが同じであってもよいし、特別獲得機能では通常獲得機能よりもゲーム内通貨の消費量が少なくなっていてもよい。また通常獲得機能を10回抽選とし、特別獲得機能を11回抽選とする場合、特別獲得機能を利用する場合のゲーム内通貨の消費量が通常獲得機能を利用する場合のゲーム内通貨の消費量よりも多くなっていてもよいが、その場合、抽選1回分のゲーム内通貨の消費単価について特別獲得機能のほうが通常獲得機能よりも有利であってもよいし、特別獲得機能では通常獲得機能には存在しない有利な特典(例えば、追加特典の提供や抽選の優遇)を得ることができるようにしてもよい。
【0091】
通常獲得機能および特別獲得機能のいずれにおいても追加特典がある場合に、特別獲得機能の方が通常獲得機能よりも追加特典の付与に関して優遇されている仕様であってもよい。例えば、特別獲得機能では通常獲得機能よりもレアリティの高いアイテムの付与率が高くなっていてもよい。また例えば、通常獲得機能と特別獲得機能とでは、追加特典の内容が異なり、特別獲得機能では通常獲得機能よりレアリティの高いアイテムが付与されるようにしてもよい。また例えば、特別獲得機能では、通常獲得機能よりも追加特典の付与数が多くなっていてもよい。
【0092】
特別獲得機能では、レアリティの高いキャラクタの提供確率が通常獲得機能よりも有利であってもよい。通常獲得機能では優遇対象のキャラクタが固定であるが、特別獲得機能では優遇対象のキャラクタがプレーヤの任意で選択できるようにしてもよい。
【0093】
また本実施形態では、キャラクタ獲得機能の利用においてゲーム内通貨の消費を必要とする仕様であったが、キャラクタ獲得機能において消費される対象はチケットやトークンなどの抽選用のアイテムであってもよい。例えば、通常獲得機能を利用するための通常抽選チケットと割引獲得機能を利用するための割引抽選チケットとが設けられており、いずれもキャラクタ獲得機能において10回抽選を受けるためのアイテムであるが、通常抽選チケットはゲーム内通貨を1500ジュエル消費して交換することができ、割引抽選チケットは750ジュエルを消費して交換することができる仕様とすることができる。またキャラクタ獲得機能において、アプリケーション内で課金する機能を利用して直接的に料金を支払うことでゲーム内通貨を介さずに通常獲得機能や割引獲得機能を利用することができるようにしてもよい。
【0094】
またキャラクタ獲得機能以外の他のゲーム機能に関してゲーム内通貨の消費を行うことができる場合に有償ゲーム内通貨の消費を伴う状況において特定条件判定処理を実行して、特定条件が成立している場合に割引獲得機能が利用可能であることを通知するアラートダイアログを表示するようにしてもよい。
【0095】
また通常獲得機能と割引獲得機能とを備えた第1キャラクタ獲得機能と通常獲得機能を備えているが割引獲得機能を備えていない第2キャラクタ獲得機能とが存在する場合に、第2キャラクタ獲得機能を利用するための入力を受け付けたことに基づいて特定条件判定処理を実行して、特定条件が成立している場合に、第1キャラクタ獲得機能における割引獲得機能の利用を案内するアラートダイアログを表示するようにしてもよい。
【0096】
また通常10回抽選ボタン92に対するタップ入力が行われた場合、プレーヤの所持するゲーム内通貨の所持情報を参照して、有償ゲーム内通貨を消費することになるか否かを判定して、判定結果に応じて、その後の処理内容が異なるようにしてもよい。例えば、有償ゲーム内通貨を消費せず無償ゲーム内通貨のみを消費して通常獲得機能を利用する場合については1500ジュエル以上の無償ゲーム内通貨を所持している場合であり、この場合には、通常10回抽選ボタン92に対するタップ入力が受け付けられたことに基づいて実行確認ダイアログを表示せずにサーバー20に対して無償ゲーム内通貨の消費情報を含む通常抽選要求を送信し、有償ゲーム内通貨の消費を伴って通常獲得機能を利用する場合については実行確認ダイアログを表示して上記実施形態の場合と同様の流れで処理を進行させることができる。
【0097】
またキャラクタ獲得機能では、一定期間が経過する毎に優遇対象となるキャラクタがプレーヤの選択に依らずに変更される仕様であってもよいし、プレーヤが優遇対象を選択することができる仕様であってもよい。
【0098】
また上記実施形態では、提供対象決定抽選は2段階抽選としたが、提供対象決定抽選を1回の抽選で行うようにしてもよく、1回の抽選で提供対象のキャラクタが決定される態様を採用することができる。
【0099】
また上記実施形態におけるキャラクタ獲得機能は、ゲーム媒体をプレーヤに提供する機能の一例に過ぎず、キャラクタ以外のゲーム媒体(例えば、アイテム、装備品など)を提供する機能に関して、上記実施形態の手法を等しく適用することができる。
【0100】
また上記実施形態では、キャラクタ獲得機能をサーバー20とプレーヤ端末40とにおいて分担して実現する場合について説明をしたが、単一の装置でキャラクタ獲得機能に関する全ての機能を実現できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 情報処理システム、
20 サーバー、40 プレーヤ端末、21,41 制御部、22,42 記憶部、
23,45 通信部、43 操作入力部、44 表示部、
50 サーバーデータ記憶部、51 プレーヤ管理データベース、52 抽選情報データベース、
60 ゲーム演算部、63 提供対象決定部、
70 端末データ記憶部、71 プレーヤデータ記憶部、
80 ゲーム実行部、81 キャラクタ獲得機能提供部
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