(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111609
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】試供品配布システム及び試供品配布方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0208 20230101AFI20240809BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240809BHJP
G07F 7/02 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G06Q30/0208
G06Q30/0601
G07F7/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016223
(22)【出願日】2023-02-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】510111814
【氏名又は名称】株式会社アドインテ
(74)【代理人】
【識別番号】100170025
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 一
(72)【発明者】
【氏名】十河 慎治
【テーマコード(参考)】
3E044
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044AA20
3E044BA01
3E044BA10
3E044CA02
3E044CA10
3E044DA05
3E044DB20
3E044DE10
3E044EA11
3E044EB02
5L030BB07
5L030BB46
5L049BB07
5L049BB46
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザ端末に試供品を告知して、試供品に興味のあるユーザを自動販売機に円滑に誘導させる。
【解決手段】試供品配布システム1において、サーバ11は、試供品を取得するための認証キーが選択されると、ユーザ端末に認証画面を表示させる告知制御部、認証画面に所定のユーザ属性情報が入力されると、情報が未入力情報であるかを判定する情報判定制御部及び試供品情報と当該試供品を提供可能な回数情報とを含む認証コードをユーザ端末に発行する発行制御部を含む。自動販売機12の制御部12eは、自動販売機により、試供品を示す試供品キーの選択と、認証コードの入力と受け付ける受付制御部、入力された認証コードの試供品情報と、当該認証コードの入力時刻を含む入力条件が、自動販売機に予め設定された配布条件に合致するか否かを判定する条件判定制御部及び認証コードの回数情報に基づいて、該試供品キーが示す試供品を排出する出力制御部を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末により、試供品を紹介する告知画面のうち、当該試供品を取得するための認証キーが選択されると、サーバにより、当該ユーザ端末に、ユーザ属性情報を入力するための認証画面を表示させる告知制御部と、
前記ユーザ端末により、前記認証画面に所定のユーザ属性情報が入力されると、前記サーバにより、前記入力されたユーザ属性情報が、今まで入力されたことが無い未入力情報であるか否かを判定する情報判定制御部と、
前記ユーザ属性情報が前記未入力情報である場合、前記試供品を示す試供品情報と、当該試供品の提供可能な回数を示す回数情報とを含む認証コードを前記ユーザ端末に発行する発行制御部と、
自動販売機により、前記試供品を示す試供品キーの選択と、前記認証コードの入力と受け付ける受付制御部と、
ユーザにより、前記試供品キーが選択され、且つ、前記ユーザ端末により、前記自動販売機に前記認証コードが入力されると、前記自動販売機により、前記入力された認証コードの試供品情報と、当該認証コードの入力時刻とを含む入力条件が、前記自動販売機に予め設定された配布条件に合致するか否かを判定する条件判定制御部と、
前記判定の結果、前記入力条件が前記配布条件に合致する場合、前記自動販売機により、前記認証コードの回数情報に基づいて、前記選択された試供品キーが示す試供品を排出する出力制御部と、
を備える試供品配布システム。
【請求項2】
前記条件判定制御部は、前記認証コードの試供品情報が、前記選択された試供品キーに対応する配布試供品情報に含まれ、且つ、前記認証コードの入力時刻が、前記選択された試供品キーに対応する配布期間に含まれるか否かを判定し、
前記認証コードの試供品情報が、前記配布試供品情報に含まれ、且つ、前記認証コードの入力時刻が、前記配布期間に含まれる場合に、前記条件判定制御部は、前記入力条件が前記配布条件に合致すると判定する、
請求項1に記載の試供品配布システム。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記試供品を排出すると、前記認証コードの提供回数から1回を減算した減算値を新たな提供回数として算出し、新たな提供回数を現在の提供回数とし、現在の提供回数が0回か否かを判定し、
前記現在の提供回数が0回でない場合、前記出力制御部は、ユーザによる前記試供品キーの選択を受け付けて、前記試供品を排出し、
前記現在の提供回数が0回である場合、前記出力制御部は、ユーザへの前記試供品の排出を終了する、
請求項1に記載の試供品配布システム。
【請求項4】
前記現在の提供回数が0回でない場合、前記出力制御部は、予め設定された前記自動販売機の提供可能な試供品の種類数が前記現在の提供回数以下か否かを判定し、
前記試供品の種類数が前記現在の提供回数以下の場合、前記出力制御部は、同じ種類の試供品キーの選択を受け付け、
前記試供品の種類数が前記現在の提供回数を超える場合、前記出力制御部は、前記ユーザが一度選択した試供品キーの選択を制限し、前記ユーザが選択したことがない他の試供品キーの選択のみを受け付ける、
請求項3に記載の試供品配布システム。
【請求項5】
ユーザ端末により、試供品を紹介する告知画面のうち、当該試供品を取得するための認証キーが選択されると、サーバにより、当該ユーザ端末に、ユーザ属性情報を入力するための認証画面を表示させる告知制御工程と、
前記ユーザ端末により、前記認証画面に所定のユーザ属性情報が入力されると、前記サーバにより、前記入力されたユーザ属性情報が、今まで入力されたことが無い未入力情報であるか否かを判定する情報判定制御工程と、
前記ユーザ属性情報が前記未入力情報である場合、前記試供品を示す試供品情報と、当該試供品の提供可能な回数を示す回数情報とを含む認証コードを前記ユーザ端末に発行する発行制御工程と、
自動販売機により、前記試供品を示す試供品キーの選択と、前記認証コードの入力と受け付ける受付制御工程と、
ユーザにより、前記試供品キーが選択され、且つ、前記ユーザ端末により、前記自動販売機に前記認証コードが入力されると、前記自動販売機により、前記入力された認証コードの試供品情報と、当該認証コードの入力時刻とを含む入力条件が、前記自動販売機に予め設定された配布条件に合致するか否かを判定する条件判定制御工程と、
前記判定の結果、前記入力条件が前記配布条件に合致する場合、前記自動販売機により、前記認証コードの回数情報に基づいて、前記選択された試供品キーが示す試供品を排出する出力制御工程と、
を備える試供品配布システムの試供品配布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試供品配布システム及び試供品配布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市場には、至る所に自動販売機が普及しているが、近年、自動販売機を介して、ニーズのある顧客に対して試供品を提供する技術が登場している。例えば、特開2006-163486号公報(特許文献1)には、顧客に配布する試供品の提供を可能にした自動販売機が開示されている。この自動販売機は、媒体読み出し手段と、通信手段と、搬送制御手段と、を備え、媒体読み出し手段は、認証媒体を読み出す。通信手段は、認証媒体を一意に特定する媒体IDに関連付けて、認証媒体を携帯するユーザの属性情報及び、試供品の種類毎にユーザに対して過去に当該試供品を提供した累積回数である提供回数を記憶した試供品提供判定情報、ならびに、試供品の種類に関連付けて、ユーザの属性情報及び、ユーザに対して当該試供品を提供しうる累積回数である提供可能回数を記憶した試供品提供基準情報を格納した試供品管理データベースと通信する。搬送制御手段は、少なくとも1種類の試供品と少なくとも1種類の商品とをそれぞれの種類ごとに充填するスタッカから試供品または商品を取り出し、自動販売機の内部から外部に放出する商品取出口までの搬送を制御する。自動販売機は、媒体読み出し手段を介して、認証媒体を読み取り、媒体IDを取得し、通信手段を介して、試供品提供判定情報にアクセスし、取得された媒体ID及びユーザが選択した試供品の種類を検索キーとして、ユーザの属性情報及び提供回数を取得する。又、自動販売機は、通信手段を介して、試供品提供基準情報にアクセスし、ユーザが選択した試供品の種類を検索キーとして、ユーザの属性情報及び提供可能回数を取得する。更に、自動販売機は、取得された両者の属性情報が一致し、かつ、取得された提供回数が取得された提供可能回数未満である場合は、搬送制御手段を介して、ユーザが選択した試供品を放出する。これにより、ニーズのある顧客に対して確実に試供品を提供でき、また、試供品の製造コストを削減できる効果が得られるため、少ない試供品の配布数であっても効率よく販売促進を図ることが可能になるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動販売機の筐体の全面にデジタルスクリーンを配置することで、従来の自動販売機で実現することが出来なかった新たなワントゥワンマーケティングを可能とするスマート自販機(IoT自動販売機)が登場している。
【0005】
このスマート自販機では、デジタルスクリーンを活用したブランド品の宣伝広告から商品の陳列、ユーザのアクションに対するユーザインタラクション、商品の購買体験、ユーザの接触状況のセンシング等の全てを行うことが出来る。例えば、スマート自販機は、ユーザの接触状況から、最適化された動画広告をデジタルスクリーンに配信し、同時に、自動販売機として商品の陳列の表示や商品の提供を可能とし、これにより、ユーザに新たな購買体験を提供することが出来る。
【0006】
今後、このようなスマート自販機が普及することで、スマート自販機のデジタルスクリーンを介して、魅力的なモノを様々なユーザにつないで、リアルとバーチャルを繋ぐ新しいビジネスモデルを創出することが出来るであろう。
【0007】
よりスマート自販機をユーザに使用してもらうためには、ユーザへの認知や興味を掻き立てる動画広告と、ユーザの欲求や記憶を満たすためのサンプリング(試供品の提供)の組み合わせが重要となる。動画広告では、時間帯に応じたユーザのターゲティングが可能であり、動的なコンテンツで試供品の視聴的な訴求が可能である。サンプリングでは、その場でユーザに興味が湧くと、限られた期間内で、その場のスマート自販機を使って試供品を入手することが可能であり、直接実感することで、将来的な購買に繋げることが出来る。
【0008】
ここで、ユーザがスマート自販機を使用するためには、スマート自販機で試供品を手に入れることが出来ることをユーザに適切に告知して、ユーザをスマート自販機に円滑に誘導させる必要がある。しかしながら、現在、そのような仕組みやシステムが存在せず、スマート自販機を効果的に活用出来ていないという課題がある。上述した特許文献1に記載の技術では、このような課題を解決することは出来ない。
【0009】
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、ユーザ端末に試供品を告知して、試供品に興味のあるユーザを自動販売機に円滑に誘導させることが可能な試供品配布システム及び試供品配布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る試供品配布システムは、告知制御部と、情報判定制御部と、発行制御部と、受付制御部と、条件判定制御部と、出力制御部と、を備える。告知制御部は、ユーザ端末により、試供品を紹介する告知画面のうち、当該試供品を取得するための認証キーが選択されると、サーバにより、当該ユーザ端末に、ユーザ属性情報を入力するための認証画面を表示させる。情報判定制御部は、前記ユーザ端末により、前記認証画面に所定のユーザ属性情報が入力されると、前記サーバにより、前記入力されたユーザ属性情報が、今まで入力されたことが無い未入力情報であるか否かを判定する。発行制御部は、前記ユーザ属性情報が前記未入力情報である場合、前記試供品を示す試供品情報と、当該試供品の提供可能な回数を示す回数情報とを含む認証コードを前記ユーザ端末に発行する。受付制御部は、自動販売機により、前記試供品を示す試供品キーの選択と、前記認証コードの入力と受け付ける。条件判定制御部は、ユーザにより、前記試供品キーが選択され、且つ、前記ユーザ端末により、前記自動販売機に前記認証コードが入力されると、前記自動販売機により、前記入力された認証コードの試供品情報と、当該認証コードの入力時刻とを含む入力条件が、前記自動販売機に予め設定された配布条件に合致するか否かを判定する。出力制御部は、前記判定の結果、前記入力条件が前記配布条件に合致する場合、前記自動販売機により、前記認証コードの回数情報に基づいて、前記選択された試供品キーが示す試供品を排出する。
【0011】
又、本発明に係る試供品配布方法は、告知制御工程と、情報判定制御工程と、発行制御工程と、受付制御工程と、条件判定制御工程と、出力制御工程と、を備える。本発明に係る試供品配布方法の各工程は、本発明に係る試供品配布システムの各制御部に対応する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザ端末に試供品を告知して、試供品に興味のあるユーザを自動販売機に円滑に誘導させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る試供品配布システムの概略図及び機能ブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る試供品配布方法の実行手順の一例を示す図である。
【
図3】ユーザが案内コードに基づいて案内画面を表示させる場合の一例を示す図(
図3A)と、ユーザがデジタルサイネージやSNS、レジを介して案内画面を表示させる場合の一例を示す図(
図3B)と、である。
【
図4】ユーザが案内画面から告知画面へ移行し、認証画面を表示させる場合の一例を示す図(
図4A)と、ユーザ属性情報がユーザ端末からネットワークを介してサーバへ送信される場合の一例を示す図(
図4B)と、である。
【
図5】既入力ユーザ属性情報テーブルとユーザ属性情報との照合と、ユーザIDの発行の一例を示す図(
図5A)と、認証コードが発行されてサーバからネットワークを介してユーザ端末へ送信される場合の一例を示す図(
図5B)と、である。
【
図6】ユーザが自動販売機の試供品キーを選択して、認証コードを入力した場合の一例を示す図(
図6A)と、認証コードから変換されたユーザIDとサンプルIDと提供回数と、入力時刻と、配布条件テーブルとの照合の一例を示す図(
図6B)と、である。
【
図7】入力条件が配布条件に合致しない場合の一例を示す図(
図7A)と、入力条件が配布条件に合致した場合の一例を示す図(
図7B)と、である。
【
図8】提供回数が0回でない場合で、同じ種類の試供品が提供される場合の一例を示す図(
図8A)と、提供回数が0回である場合の一例を示す図(
図8B)と、である。
【
図9】提供回数が0回でない場合で、異なる種類の試供品が提供される場合の一例を示す図(
図9A)と、自動販売機に通信部を備えた場合の一例を示す図(
図9B)と、である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0015】
本発明の実施形態に係る試供品配布システム1は、
図1に示すように、ユーザ端末10と、サーバ11と、自動販売機12と、ネットワーク13とから基本的に構成されている。
【0016】
ユーザ端末10は、画面を表示する表示部(出力部)と、ユーザの操作により所定の指示の入力を受け付ける受付部(入力部)と、無線通信用の通信部と、データを記憶させる記憶部と、各部を制御する制御部と、を備えている。ユーザ端末10の通信部は、ネットワーク13を介してサーバ11と無線通信可能である。ユーザ端末10は、例えば、タッチパネル付きの携帯端末装置(スマートフォン)、タブレット型端末装置、携帯用のノートパソコン等である。
【0017】
又、サーバ11は、一般的に使用されるコンピュータ等であり、例えば、無線及び有線通信用の通信部と、データを蓄積する記憶部と、各部を制御する制御部と、を備えている。サーバ11は、主に、ネットワーク13を経由してユーザ端末10とデータの送受信をするが、自動販売機12に通信部が存在する場合は、サーバ11は、ネットワーク13を経由して自動販売機12とデータの送受信をしても構わない。
【0018】
又、自動販売機12は、コインや電子マネーを入れて、所定のキーを選択することで、当該キーに対応する様々な商品(物品)を購入することが出来る装置である。ここで、本発明の実施形態に係る自動販売機12では、無料で配布される試供品Sを排出することが可能である。自動販売機12は、上述したスマート自販機に対応し、一般的な自動販売機の制御部の他に、データを蓄積する記憶部と、商品や試供品Sを選択するための複数のキー12aと、情報を入力するための入力部12bと、商品や試供品Sを排出するための排出口12cと、動画広告を再生するためのデジタルスクリーン12dと、各部を制御する制御部12eと、を備えている。自動販売機12に、無線及び有線通信用の通信部が備えられている場合は、自動販売機12は、ネットワーク13を経由してサーバ11とデータの送受信をする。
【0019】
又、ネットワーク13は、ユーザ端末10と、サーバ11と、とのそれぞれに通信可能に接続される。ネットワーク13は、Wifi(登録商標)アクセスポイントを介したLAN(Local Area Network)の他、無線基地局を介したWAN(Wide Area Network)、第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、第5世代(5G)以降の通信方式、Bluetooth(登録商標)、特定小電力無線方式等の無線通信ネットワークを含む。ネットワーク13は、自動販売機12と通信可能に接続される場合もある。
【0020】
又、ユーザ端末10と、サーバ11、自動販売機12とは、図示しないCPU、ROM、RAM、HDD、SSD等を内蔵しており、CPUは、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM、HDD、SSD等に記憶されているプログラムを実行する。又、後述する各制御部についても、CPUがプログラムを実行することで当該各制御部を実現する。
【0021】
次に、
図1、
図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る試供品配布システム1及び試供品配布方法の実行手順について説明する。先ず、
図3Aに示すように、ユーザが、所定の場所に設置された自動販売機12に訪れ、自動販売機12のデジタルスクリーン12dを見ると、デジタルスクリーン12dでは、試供品を示す動画広告M1が再生されている。
図3Aでは、デジタルスクリーン12dのうち、4か所に動画広告Mが再生されており、例えば、そのうちの1か所の動画広告M1に、試供品の広告が示されている。
【0022】
ここで、試供品の動画広告M1には、例えば、試供品を示すメッセージや試供品の写真が表示されるとともに、試供品の案内画面へアクセスするための案内コードM11が表示されている。案内コードM11は、例えば、案内画面のリンク先を示したQRコード(登録商標)を挙げることが出来る。
【0023】
そこで、ユーザは、ユーザ端末11の入力部となるカメラCを起動させて、ユーザ端末11のカメラに案内コードM11を読み取らせると、ユーザ端末11は、
図3Aに示すように、案内コードM11に基づいて、案内画面300をユーザ端末11の表示部に表示させる。
【0024】
ここで、案内画面300の構成に特に限定は無いが、例えば、
図3Aに示すように、試供品の案内を示すメッセージ301(例えば、「コスメサンプル無料」)と、試供品を紹介する告知画面へ移行するための告知キー302(例えば、「告知ページへ」)とが表示される。告知キー302は、選択可能である。これにより、ユーザが、先ず、案内画面300を確認した上で、試供品の告知画面へ移行するか否かを検討することが出来る。
【0025】
ところで、上述では、自動販売機12のデジタルスクリーン12dの試供品の動画広告M11を介して、ユーザ端末11に案内画面300を表示させたが、これに限らず、デジタルサイネージやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)、電子マネーによるレジの決済を介して、ユーザ端末11に案内画面300を表示させても構わない。
【0026】
例えば、
図3Bに示すように、店舗や販売店に予め設けられたデジタルサイネージDに試供品の動画広告M11が再生されている場合、ユーザは、ユーザ端末11のカメラCで動画広告M11内の案内コードM11を読み取らせることで、ユーザ端末11に案内画面300を表示させることが出来る。又、
図3Bに示すように、SNSで、ユーザが他のユーザとつながっている場合、他のユーザが、SNS上で動画広告M11の案内コードM11を他のユーザ端末11の表示部に表示させており、SNSを介して、ユーザ端末10に案内コードM11を紹介通知として送信すると、ユーザは、ユーザ端末11で案内コードM11を受信して、案内画面300を表示させることが出来る。SNSの種類に特に限定は無いが、例えば、Twitter(登録商標)、Facebook(登録商標)、LINE(登録商標)、Instagram(登録商標)、TikTok(登録商標)、WhatsApp(登録商標)、LinkedIn(登録商標)、Mastodon、Clubhouse(登録商標)、YouTube(登録商標)、Flickr(登録商標)、ニコニコ動画(登録商標)等を挙げることが出来る。又、
図3Bに示すように、コンビニエンスストアや小売店のレジRで、ユーザ端末11が電子マネーで決済した際に、レジRからユーザ端末11に案内コードM11を送信して、ユーザは、ユーザ端末11で案内コードM11を受信して、案内画面300を表示させても構わない。
【0027】
さて、ユーザが、ユーザ端末11で案内画面300を確認し、試供品の告知画面へ移行したいと考え、案内画面300内の告知キー302(「告知ページへ」)を選択すると、ユーザ端末10は、告知キー302の選択を受け付けて、ネットワーク13を介してサーバ11と通信し、サーバ11の告知制御部101は、
図4Aに示すように、ネットワーク13を介して、ユーザ端末10に、試供品を紹介する告知画面400を表示させる(
図2:S101)。尚、ユーザが告知キー302を選択しない場合、処理は終了する。
【0028】
ここで、告知画面400の構成に特に限定は無いが、例えば、試供品の写真401と、試供品をもらうためのメッセージ402(例えば、「試供品をもらうために認証してください。」)と、認証画面へ移行するための認証キー403(例えば、「認証ページへ」)とが表示される。これにより、ユーザが、告知画面400を確認した上で、認証画面へ移行するか否かを検討することが出来る。
【0029】
さて、ユーザが、ユーザ端末10を見ながら、試供品を取得するために、告知画面400のうち、認証キー403を選択すると(
図2:S102YES)、サーバ11の告知制御部101は、ユーザ端末10に、ユーザ属性情報を入力するための認証画面を表示させる(
図2:S103)。尚、ユーザが認証キー403を選択しない場合、処理は終了する。
【0030】
ここで、ユーザ属性情報は、ユーザを一義的に特定することが可能な情報を意味する。又、認証画面404の構成は、ユーザ属性情報の種類によって適宜設定されるが、例えば、ユーザ属性情報に、ユーザの通知先情報(例えば、メール又は携帯電話番号)と、ユーザの生まれ年(又はユーザの年齢)と、ユーザの性別と、が設定された場合、下記のようになる。即ち、
図4Aに示すように、認証画面である旨のタイトル405(例えば、「認証ページ」)と、ユーザの通知先情報(メール又は携帯番号)を入力可能な第一の入力欄406と、ユーザが生まれた年を入力可能な第二の入力欄407と、ユーザの性別を入力可能な第三の入力欄408と、OKキー409と、CANCELキー410とが表示される。
【0031】
ここで、ユーザは、認証画面404を見ながら、
図4Bに示すように、第一の入力欄406にユーザの携帯番号(例えば、「0123456789」)を入力し、第二の入力欄407にユーザの生まれ年(例えば、「2001」)を入力し、第三の入力欄408にユーザの性別(例えば、「女」)を入力し、OKキー409を選択する(
図2:S104YES)。すると、ユーザ端末11は、入力されたユーザ属性情報411(ユーザの携帯番号「0123456789」、ユーザの生まれ年「2001」、ユーザの性別「女」)をサーバ11に送信する。そして、サーバ11の情報判定制御部102が、入力されたユーザ属性情報411を受信し、入力されたユーザ属性情報411が、今まで入力されたことが無い未入力情報であるか否かを判定する(
図2:S105)。尚、ユーザがユーザ属性情報を入力しない場合(
図2:S104NO)、処理は終了する。
【0032】
ここで、情報判定制御部102の判定方法に特に限定は無い。例えば、情報判定制御部102は、所定のメモリに予め記憶された既入力ユーザ属性情報テーブルを参照する。既入力ユーザ属性情報テーブル500には、
図5Aに示すように、既にユーザ属性情報を入力したユーザを示すユーザID500a(ユーザ識別情報)と、ユーザID500aのユーザにより、既に入力された既入力通知先情報(メール又は携帯番号)500bと、既に入力された既入力生まれ年500cと、既に入力された既入力性別500dとが関連付けて記憶されている。つまり、一つのユーザID500aに対して、当該ユーザID500aのユーザにより既に入力された既入力通知先情報500bと、既入力生まれ年500cと、既入力性別500dとが関連付けて記憶されている。
【0033】
そこで、情報判定制御部102は、入力されたユーザ属性情報411の入力通知先情報411a(ユーザの携帯番号「0123456789」)と入力生まれ年411b(「2001」)と入力性別411c(「女」)とのそれぞれと、既入力ユーザ属性情報テーブル500の一つのユーザID500aに関連付けられた既入力通知先情報500bと既入力生まれ年500cと既入力性別500dとのそれぞれとを照合して、入力通知先情報411aと入力生まれ年411bと入力性別411cとがそれぞれ一致する既入力通知先情報500bと既入力生まれ年500cと既入力性別500dとに関連付けられた既入力ユーザID500aが存在するか否かを判定する。
【0034】
判定の結果、既入力ユーザID500aが存在する場合(
図2:S105NO)、ユーザ属性情報411を入力したユーザは既にユーザ属性情報を入力したユーザであるため、情報判定制御部102は、入力されたユーザ属性情報411が未入力情報でないと判定する。この場合、情報判定制御部102は、例えば、告知制御部101を介して、ユーザ端末11に、試供品を受け取ることが出来ない旨のエラー画面を表示させて、処理は終了する。これにより、同じユーザ属性情報を入力したユーザには試供品の提供を禁止することが出来る。
【0035】
一方、S105において、判定の結果、既入力ユーザID500aが存在しない場合(
図2:S105YES)、ユーザ属性情報411を入力したユーザは未だユーザ属性情報を入力していないユーザであるため、情報判定制御部102は、入力されたユーザ属性情報411が未入力情報であると判定する。これにより、ユーザ属性情報を入力していないユーザに限定することが出来る。
【0036】
さて、入力されたユーザ属性情報411が未入力情報である場合(
図2:S105YES)、サーバ11の発行制御部103は、試供品を示す試供品情報と、当該試供品の提供可能な回数を示す回数情報とを含む認証コードをユーザ端末10に発行する(
図2:S106)。
【0037】
ここで、発行制御部103の発行方法に特に限定は無い。例えば、
図5Aに示すように、発行制御部103は、先ず、入力されたユーザ属性情報411に対して一意に特定することが可能な新たなユーザID501a(例えば、「ab1」)を発行し、発行した新たなユーザID501a(「ab1」)と、入力されたユーザ属性情報411の入力通知先情報411a(ユーザの携帯番号「0123456789」)と入力生まれ年411b(「2001」)と入力性別411c(「女」)とのそれぞれを、既入力ユーザ属性情報テーブル500のユーザID500aと既入力通知先情報500bと既入力生まれ年500cと既入力性別500dとのそれぞれに関連付けて記憶させる。これにより、先ほどユーザ属性情報411を入力したユーザのユーザID501a(「ab1」)やユーザ属性情報411を既入力ユーザ属性情報テーブル500に記憶させて履歴として残すことが可能となる。そのため、このユーザが、後から認証画面404を介して自身のユーザ属性情報を入力したとしても、既にユーザ属性情報を入力したユーザ(既入力ユーザ)として取り扱われるため、同一のユーザ(既入力ユーザ)が繰り返し試供品を取得することを防止することが出来る。
【0038】
次に、発行制御部103は、告知画面400で紹介された試供品に予め設定されているサンプルID501b(試供品情報)(例えば、「a01」)と、提供回数501c(回数情報)(例えば、「N2」)を取得し、
図5Bに示すように、発行した新たなユーザID501a(「a01」)と、サンプルID501b(「a01」)と、提供回数501c(「N2」)とを一つの認証コード502に変換して発行する。ここでは、発行制御部103は、認証コード502としてQRコード(登録商標)を発行している。認証コード502の種類に特に限定は無いが、QRコード(登録商標)の他に、二次元バーコード等を挙げることが出来る。これにより、認証コード502を利用することで、ユーザID501a(「ab1」)とサンプルID501b(「a01」)と提供回数501c(「N2」)とを取扱うことが出来る。
【0039】
そして、発行制御部103は、ネットワーク13を介して、発行した認証コード502をユーザ端末11に送信し、ユーザ端末11に、認証コード502を含む認証コード画面503を表示させる。
【0040】
ここで、認証コード画面に特に限定は無いが、例えば、認証コード画面503は、
図5Bに示すように、試供品のキャンペーンを示す旨の第一のメッセージ504(例えば、「キャンペーン中」)と、認証コード502の使い方を示す旨の第二のメッセージ505(例えば、「自販機Aに読み取らせてください。」)と、試供品の提供回数を知らせる旨の第三のメッセージ506(例えば、「一人 N2 回まで」)と、認証コード502とが表示される。ここで、第三のメッセージ506は、発行制御部103が、上述の提供回数501c(「N2」)を用いて表示させる。これにより、ユーザは、自動販売機12(自販機A)に行くことで、試供品の配布を受けることが可能となり、ユーザを自動販売機12に誘導させることが可能となる。又、認証コード画面503の表示により、ユーザに、自動販売機12から試供品をどのように取得するのかを理解させるとともに、提供回数501c(「N2」)も知らせることが可能となる。
【0041】
さて、ユーザ端末11で認証コード画面503を受け取ったユーザは、試供品を提供可能な自動販売機12(自販機A)へ訪れる。自動販売機12のデジタルスクリーン12dにおける試供品の動画広告M1から認証コード画面503を受け取ったユーザは、その場の自動販売機12に接近する。すると、自動販売機12には、
図6Aに示すように、複数の商品のそれぞれに対応する複数のキー12aが設けられるとともに、認証コードを入力可能なスキャナーに対応する入力部12bとが設けられている。
【0042】
そこで、ユーザは、複数のキー12aのうち、今回の試供品に対応する試供品キー12a1を選択し(
図2:S201YES)、次に、先ほどの認証コード画面503の認証コード502をスキャナーの入力部12bにかざして、自動販売機12の入力部12bに認証コード502を読み取らせる(
図2:S202YES)。
【0043】
すると、自動販売機12の受付制御部104は、選択された試供品キー12a1を点灯し、試供品を示す試供品キー12a1の選択と、認証コード502の入力と受け付ける。ここで、受付制御部104は、認証コード502の入力を受け付けた際に、認証コード502の入力時の入力時刻600(「t1」)を、自動販売機12に予め設けられたタイマー(時計回路)から取得する。
【0044】
尚、ユーザが試供品キー12a1を選択しない場合(
図2:S201NO)、又は、ユーザが試供品キー12a1を選択し(
図2:S201YES)、且つ、認証コード502を自動販売機12の入力部12bに読み取らせない場合(
図2:S202NO)、ユーザは試供品の提供を受ける気はないため、処理は終了する。
【0045】
さて、自動販売機12の条件判定制御部105は、ユーザにより、試供品キー12a1が選択され、且つ、ユーザ端末11により、自動販売機12に認証コード502が入力されると、入力された認証コード502のサンプルID501b(「a01」)と、当該認証コード502の入力時刻600(「t1」)とを含む入力条件が、自動販売機12に予め設定された配布条件に合致するか否かを判定する(
図2:S203)。
【0046】
ここで、条件判定制御部105の判定方法に特に限定は無い。例えば、条件判定制御部105は、入力された認証コード502から、ユーザID501a(「ab1」)と、サンプルID501b(「a01」)と、提供回数501c(「N1」)とを変換するとともに、受付制御部104から認証コード502の入力時刻600(「t1」)を取得する。次に、条件判定制御部105は、選択された試供品キー12a1に予め設定された配布条件テーブルを参照する。配布条件テーブル601は、試供品の配布条件を示し、
図6Bに示すように、配布サンプルID601a(配布試供品情報)(例えば、「a01」)と、配布期間601b(例えば、「Tc1 < t < Tc2」)とが関連付けて記憶されている。そこで、条件判定制御部105は、認証コード502のサンプルID501b(「a01」)が、(選択された試供品キー12a1に対応する)配布条件テーブル601の配布サンプルID601a(「a01」)に含まれ(又は対応し)、且つ、認証コード502の入力時刻600(「t1」)が、サンプルID501b(「a01」)が含まれた配布サンプルID601a(「a01」)に関連付けられた配布期間601b(「Tc1 < t < Tc2」)に含まれるか否かを判定する。ここで、配布条件テーブル601の配布サンプルID601aに、一つのサンプルIDが設定されている場合は、条件判定制御部105が、認証コード502のサンプルID501bが、選択された試供品キー12a1に対応する配布サンプルID601aに対応(一致)するか否かを判定すれば良いし、例えば、自動販売機12の種類や試供品Sの種類によって、配布条件テーブル601の配布サンプルID601aに、複数のサンプルIDが設定されている場合は、条件判定制御部105が、認証コード502のサンプルID501bが、選択された試供品キー12a1に対応する配布サンプルID601aに含まれるか否かを判定すれば良い。
【0047】
判定の結果、認証コード502のサンプルID501bが配布条件テーブル601の配布サンプルID601aに含まれない場合、又は、認証コード502の入力時刻600が、サンプルID501b(「a01」)に対応する配布サンプルID601a(「a01」)に関連付けられた配布期間601bに含まれない場合(
図2:S203NO)、条件判定制御部105は、入力条件が配布条件に合致しないと判定する。
【0048】
ここで、認証コード502のサンプルID501bが配布条件テーブル601の配布サンプルID601aに含まれない場合は、例えば、
図7Aに示すように、ユーザが、試供品を示す試供品キー12a1と異なる他のキー12a2を選択した場合や提供される試供品と異なる他の試供品キーを選択した場合、自動販売機12で提供できる試供品が存在しない場合等を挙げることが出来る。つまり、サンプルIDによって、自動販売機12で提供可能な試供品を制限することが出来る。又、認証コード502の入力時刻600が、配布サンプルID601aの配布期間601bに含まれない場合は、例えば、ユーザが、自動販売機12の入力部12bに認証コード画面503の認証コード502を読み取らせた際の入力時刻700(例えば、「t2」)が、配布サンプルID601aの配布期間601bから外れていた場合(試供品の配布期間が過ぎていた場合)等を挙げることが出来る。これらの場合は、自動販売機12の出力制御部106は、入力条件が配布条件に合致しない旨の通知画面を表示させる(
図2:S204)。
【0049】
ここで、出力制御部106の表示方法に特に限定は無いが、例えば、
図7Aに示すように、出力制御部106は、自動販売機12のデジタルスクリーン12d又はユーザ端末10に通知画面701を表示させる。通知画面701には、例えば、エラーを示す第一のメッセージ702(例えば、「エラー」)と、入力条件が配布条件に合致しない旨の第二のメッセージ703(例えば、「サンプル配布条件が合致しません。」)とが表示される。これにより、ユーザは、試供品キー12a1の選択を誤ったことや試供品の配布期間を誤ったことを認識することが出来る。又、試供品毎に配布条件を設定することで、ユーザに所望する試供品の配布期間内に自動販売機12に案内することも可能となる。
【0050】
一方、S203において、判定の結果、認証コード502のサンプルID501bが、配布条件テーブル601の配布サンプルID601aに対応し、且つ、認証コード502の入力時刻600が、対応する配布サンプルID601aの配布期間601bに含まれる場合(
図2:S203YES)、条件判定制御部105は、入力条件が配布条件に合致すると判定する。
【0051】
この場合は、例えば、ユーザが、試供品キー12a1を正しく選択し、且つ、入力時刻600(「t1」)が配布期間601b(「Tc1 < t < Tc2」)に含まれる場合(試供品の配布期間中の場合)等を挙げることが出来る。この場合は、出力制御部106は、認証コード502の提供回数501c(「N2」)に基づいて、選択された試供品キー12a1が示す試供品Sを排出する(
図2:S205)。
【0052】
ここで、出力制御部106の排出方法に特に限定は無いが、例えば、
図7Bに示すように、出力制御部106は、自動販売機12から、選択された試供品キー12a1の配布サンプルID601aに対応する試供品Sを自動販売機12の排出口12cから排出する。これにより、ユーザは、告知画面400で興味を持った試供品Sを自動販売機12で手に入れることが可能となる。又、例えば、自動販売機12で試供品Sに関係する関係商品が販売されている場合、試供品Sを手に入れたユーザに関係商品の購入を促すことも可能となる。
【0053】
さて、出力制御部106が試供品Sを排出すると、
図7Bに示すように、自動販売機12のデジタルスクリーン12d又はユーザ端末10に配布画面704を表示させる。配布画面704には、例えば、配布を祝う第一のメッセージ705(例えば、「おめでとうございます。」)と、入力条件が配布条件に合致した旨の第二のメッセージ706(例えば、「サンプルを試してください。」)とが表示される。これにより、ユーザは、試供品の配布を認識することが出来る。
【0054】
次に、出力制御部106は、認証コード502の提供回数501c(「N2」)から1回を減算した減算値(例えば、「N1」)を新たな提供回数として算出し、新たな提供回数(「N1」)を現在の提供回数とし、現在の提供回数が0回か否かを判定する(
図2:S206)。
【0055】
判定の結果、現在の提供回数(「N1」)が0回でない場合(
図2:S206NO)、例えば、認証コード502の提供回数501c(「N2」)が2回以上に設定されていた場合、出力制御部106は、現在の提供回数(「N1」)が0回でないと判定する。すると、次に、出力制御部106は、予め設定された自動販売機12の提供可能な試供品Sの種類数(例えば、「K1」)が、現在の提供回数(「N1」)以下か否かを判定する(
図2:S207)。
【0056】
判定の結果、試供品Sの種類数(「K1」)が現在の提供回数(「N1」)以下の場合(
図2:S207YES)、例えば、自動販売機12の提供可能な試供品Sの種類数(「K1」)が「1個」であり、現在の提供回数(「N1」)が「1回」の場合、自動販売機12の提供可能な試供品Sの種類数(「K1」)が「2個」であり、現在の提供回数(「N1」)が「3回」の場合等を挙げることが出来る。この場合、出力制御部106は、
図8Aに示すように、自動販売機12のデジタルスクリーン12d又はユーザ端末10に、現在の提供回数(「N1」)と、選択可能な同じ種類の試供品キー12a1と、を含む同一配布画面800を表示させる。
【0057】
ここで、同一配布画面800には、例えば、最初の提供回数(「N2」)と現在の提供回数(「N1」)を示す第一のメッセージ801(例えば、「一人 N2 回まで 現在 N1 回」)と、同じ種類の試供品キー12a1をまだ選択することが出来る旨の第二のメッセージ802(例えば、「まだ、同じサンプルを提供できます。同じサンプルのキーを押してください。」)と、が表示される。これにより、ユーザに同じ種類の試供品キー12a1の選択を促すことが出来る。
【0058】
ここで、例えば、ユーザが、再度、同じ種類の試供品キー12a1を選択すると、出力制御部106は、ユーザによる同じ種類の試供品キー12a1の選択を受け付け(
図2:S208)、選択された試供品キー12a1の試供品Sを排出する(
図2:S205)。これにより、ユーザに同じ種類の試供品を手に入れることが可能となる。
【0059】
さて、出力制御部106が試供品Sを排出すると、現在の提供回数(「N1」)から1回を減算した減算値(「N0」)を新たな提供回数として算出し、新たな提供回数を現在の提供回数(「N0」)とし、現在の提供回数(「N0」)が0回か否かを判定する(
図2:S206)。
【0060】
ここで、判定の結果、現在の提供回数(「N0」)が0回でない場合(
図2:S206NO)、再度、出力制御部106は、試供品Sの種類数(「K1」)が現在の提供回数(「N0」)以下か否かを判定する(
図2:S207)。ここで、一度、S208の工程を通過すると、現在の提供回数(「N0」)は増加することはないため、常に、試供品Sの種類数(「K1」)が現在の提供回数(「N0」)以下となる(
図2:S207YES)。そのため、出力制御部106は、上述と同様に、同一配布画面800を表示させ、ユーザに同じ種類の試供品キー12a1の選択を促すことになる。
【0061】
一方、S206において、判定の結果、現在の提供回数(「N0」)が0回となった場合(
図2:S206YES)、出力制御部106は、現在の提供回数(「N0」)が0回であると判定する。この場合は、ユーザが試供品Sを手に入れた回数が認証コード502の提供回数(「N2」)と一致するため、出力制御部106は、ユーザへの試供品Sの排出を終了し、
図8Bに示すように、自動販売機12のデジタルスクリーン12d又はユーザ端末10に、試供品Sの配布の終了を示す配布終了画面803を表示させる。
【0062】
ここで、配布終了画面803には、例えば、試供品Sの配布の終了を示す第一のメッセージ804(例えば、「サンプルの提供回数を超えました。」)と、試供品Sに関係する関係商品の購入を勧める第二のメッセージ805(例えば、「商品の購入を検討してください。」)とが表示される。これにより、ユーザは、もう試供品Sの配布を受けることが出来ないことを認識することが出来る。
【0063】
ところで、自動販売機12に多くの種類の試供品Sが設置され、試供品Sの種類数(「K3」)が多い場合、S207において、判定の結果、試供品Sの種類数(「K3」)が現在の提供回数(「N1」)を超える場合(
図2:S207NO)、例えば、自動販売機12の提供可能な試供品Sの種類数(「K3」)が「3個」であり、現在の提供回数(「N1」)が「1回」の場合等を挙げることが出来る。この場合、出力制御部106は、
図9Aに示すように、自動販売機12のデジタルスクリーン12d又はユーザ端末10に、現在の提供回数(「N1」)と、選択可能な異なる種類の試供品キー12a2と、を含む異種配布画面900を表示させる。
【0064】
ここで、異種配布画面900には、例えば、最初の提供回数(「N2」)と現在の提供回数(「N1」)を示す第一のメッセージ901(例えば、「一人 N2 回まで 現在 N1 回」)と、異なる種類の試供品キー12a2をまだ選択することが出来る旨の第二のメッセージ902(例えば、「まだ、他の種類のコスメサンプルを提供できます。他のサンプルのキーを押してください。」)と、が表示される。これにより、ユーザに異なる種類の試供品キー12a2の選択を促すことが出来る。つまり、試供品Sの種類数(「K3」)が現在の提供回数(「N1」)を超える場合、ユーザに他の種類の試供品Sを試してもらうことが可能となり、ユーザへの購買意欲の促進に役立てることが出来る。
【0065】
ここで、出力制御部106は、試供品Sの種類数(「K3」)が現在の提供回数(「N1」)を超える場合、ユーザが一度選択した試供品キー12a1の選択を制限し、ユーザが選択したことがない他の試供品キー12b2の選択のみを受け付けると好ましい。例えば、出力制御部106は、ユーザが選択した同じ種類の試供品キー12a1を消灯し、ユーザが未だ選択していない異なる種類の試供品キー12a2を点灯する。そして、出力制御部106は、ユーザが同じ種類の試供品キー12a1を選択しても、その選択を受け付けず、ユーザが異なる種類の試供品キー12a2を選択すると、その選択を受け付ける(
図2:S209)。これにより、ユーザに他の試供品キー12b2の選択を促し、異なる種類の試供品Sを試してもらうことが可能となる。
【0066】
さて、ユーザが、異なる種類の試供品キー12a2を選択し(
図2:S209)、出力制御部106が異なる種類の試供品Sを排出すると(
図2:S205)、上述と同様に、現在の提供回数(「N1」)から1回を減算した減算値(「N0」)を新たな提供回数として算出し、新たな提供回数を現在の提供回数(「N0」)とし、現在の提供回数(「N0」)が0回か否かを判定する(
図2:S206)。
【0067】
ここで、判定の結果、現在の提供回数(「N0」)が0回でない場合(
図2:S206NO)、再度、出力制御部106は、試供品Sの種類数(「K1」)が現在の提供回数(「N0」)以下か否かを判定する(
図2:S207)。ここで、一度、S209の工程を通過すると、現在の提供回数(「N0」)は増加することはないため、常に、試供品Sの種類数(「K1」)が現在の提供回数(「N0」)を超えることになる(
図2:S207NO)。そのため、出力制御部106は、上述と同様に、異種配布画面900を表示させ、ユーザに異なる種類の試供品キー12a2の選択を促すことになる。
【0068】
一方、S206において、判定の結果、現在の提供回数(「N0」)が0回となった場合(
図2:S206YES)、出力制御部106は、現在の提供回数(「N0」)が0回であると判定し、上述と同様に、配布終了画面803を表示させて、処理を終了する。
【0069】
尚、認証コード502の提供回数501c(「N2」)が1回に設定されていた場合、出力制御部106が、選択された試供品キー12a1が示す試供品Sを排出すると(
図2:S205)、現在の提供回数(「N0」)が0回となるため(
図2:S206YES)、出力制御部106は、試供品Sの配布を終了することになる。
【0070】
このように、本発明では、ユーザ端末11に試供品Sを告知して、試供品Sに興味のあるユーザを自動販売機12に円滑に誘導させることが可能となる。ここで、自動販売機12で提供される試供品Sの提供回数501cは、サーバ11側で決定して、認証コード502を利用してユーザに提供することが出来るため、サーバ11側で試供品Sの提供回数501cを加味した告知画面400の設計や試供品Sの関係商品のプロモーション方法等を行うことが可能となる。又、サーバ11側では、認証コード502を発行する際に、ユーザ属性情報411を得ることが出来るため、試供品Sに興味のあるユーザの年齢層や性別等を収集して、試供品Sの関係商品のプロモーション方法等を最適化することが可能となる。
【0071】
ところで、上述では、自動販売機12に通信部を想定していなかったが、自動販売機12に通信部を備えた場合は、自動販売機12がサーバ11と通信して、サーバ11が、試供品Sの配布に関するユーザの動向を分析しても構わない。例えば、
図9Bに示すように、S203において、条件判定制御部105が、判定の際に取得した認証コード502のユーザID501a(「ab1」)と、サンプルID501b(「a01」)とを、ネットワーク13を介して、サーバ11に送信する。サーバ11は、認証コード502を発行したユーザID501a(「ab1」)とサンプルID501b(「a01」)と、実際に自動販売機12に入力されたユーザID501a(「ab1」)とサンプルID501b(「a01」)とを照合することで、どのようなユーザが実際に自動販売機12に訪問して試供品Sを受け取ったかを分析しても良い。又、条件判定制御部105が、認証コード502の入力時刻600(「t1」)をサーバ11に送信し、サーバ11が、認証コード502の入力時刻600(「t1」)から、どのようなユーザがどのような時間帯に自動販売機12に訪問して試供品Sを受け取ったかを分析しても良い。又、サーバ11が、認証コード502の発行時刻から認証コード502の入力時刻までの時間間隔を算出し、どのようなユーザが認証コード502を受け取ってから自動販売機12へ認証コード502を入力するまでに時間が掛かるかを分析しても良い。更に、出力制御部106は、試供品Sの提供回数をサーバ11に送信し、サーバ11が、試供品Sの提供回数から、どのようなユーザが自動販売機12で何個ぐらい試供品を受け取るのかを分析しても良い。一方、認証コード502に含まれる情報として、サンプルID501bと提供回数501cとが設定され、ユーザID501aが除かれていても構わない。その場合は、単純に、自動販売機12において、サンプルID501bの照合と、提供回数501cに基づく試供品の提供とが行なわれる。
【0072】
又、上述では、S207において、出力制御部106は、試供品Sの種類数(「K1」)が現在の提供回数(「N1」)以下か否かを判定することで、試供品Sの種類数(「K1」)が多い場合、ユーザに異なる種類の試供品Sを提供するように構成したが、これに限らず、単純に、出力制御部106は、認証コード502のサンプルID501b(「a01」)と提供回数501c(「N2」)とに基づいて、サンプルID501b(「a01」)の試供品Sのみを提供回数501c(「N2」)だけ排出しても構わない。
【0073】
又、本発明の実施形態では、試供品配布システム1が各制御部を備えるよう構成したが、各制御部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、プログラムを装置に読み出させ、装置が各制御部を実現する。その場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各制御部が実行する工程をハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように、本発明は、試供品を提供することが可能な自動販売機であれば、どのような分野の自動販売機でも適用することが可能な技術として有用であり、ユーザ端末に試供品を告知して、試供品に興味のあるユーザを自動販売機に円滑に誘導させることが可能な試供品配布システム及び試供品配布方法として有効である。
【符号の説明】
【0075】
1 試供品配布システム
10 ユーザ端末
11 サーバ
12 自動販売機
13 ネットワーク
101 告知制御部
102 情報判定制御部
103 発行制御部
104 受付制御部
105 条件判定制御部
106 出力制御部
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、サーバと、自動販売機と、ネットワークとから構成されている試供品配布システムであって、
前記ユーザ端末により、試供品を紹介する告知画面のうち、当該試供品を取得するための認証キーが選択されると、前記サーバにおいて、当該ユーザ端末に、ユーザ属性情報を入力するための認証画面を表示させる告知制御部と、
前記ユーザ端末により、前記認証画面に所定のユーザ属性情報が入力されると、前記サーバにおいて、前記入力されたユーザ属性情報が、今まで入力されたことが無い未入力情報であるか否かを判定する情報判定制御部と、
前記ユーザ属性情報が前記未入力情報である場合、前記試供品を示す試供品情報と、当該試供品の提供可能な回数を示す回数情報とを含む認証コードを前記ユーザ端末に発行する発行制御部と、
前記自動販売機により、前記試供品を示す試供品キーの選択と、前記認証コードの入力と受け付ける受付制御部と、
ユーザにより、前記試供品キーが選択され、且つ、前記ユーザ端末により、前記自動販売機に前記認証コードが入力されると、前記自動販売機において、前記入力された認証コードの試供品情報と、当該認証コードの入力時刻とを含む入力条件が、前記自動販売機に予め設定された配布条件に合致するか否かを判定する条件判定制御部と、
前記判定の結果、前記入力条件が前記配布条件に合致する場合、前記自動販売機において、前記認証コードの回数情報に基づいて、前記選択された試供品キーが示す試供品を排出する出力制御部と、
を備える試供品配布システム。
【請求項2】
前記条件判定制御部は、前記認証コードの試供品情報が、前記選択された試供品キーに対応する配布試供品情報に含まれ、且つ、前記認証コードの入力時刻が、前記選択された試供品キーに対応する配布期間に含まれるか否かを判定し、
前記認証コードの試供品情報が、前記配布試供品情報に含まれ、且つ、前記認証コードの入力時刻が、前記配布期間に含まれる場合に、前記条件判定制御部は、前記入力条件が前記配布条件に合致すると判定する、
請求項1に記載の試供品配布システム。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記試供品を排出すると、前記認証コードの提供回数から1回を減算した減算値を新たな提供回数として算出し、新たな提供回数を現在の提供回数とし、現在の提供回数が0回か否かを判定し、
前記現在の提供回数が0回でない場合、前記出力制御部は、ユーザによる前記試供品キーの選択を受け付けて、前記試供品を排出し、
前記現在の提供回数が0回である場合、前記出力制御部は、ユーザへの前記試供品の排出を終了する、
請求項1に記載の試供品配布システム。
【請求項4】
前記現在の提供回数が0回でない場合、前記出力制御部は、予め設定された前記自動販売機の提供可能な試供品の種類数が前記現在の提供回数以下か否かを判定し、
前記試供品の種類数が前記現在の提供回数以下の場合、前記出力制御部は、同じ種類の試供品キーの選択を受け付け、
前記試供品の種類数が前記現在の提供回数を超える場合、前記出力制御部は、前記ユーザが一度選択した試供品キーの選択を制限し、前記ユーザが選択したことがない他の試供品キーの選択のみを受け付ける、
請求項3に記載の試供品配布システム。
【請求項5】
ユーザ端末と、サーバと、自動販売機と、ネットワークとから構成されている試供品配布システムの試供品配布方法であって、
前記ユーザ端末により、試供品を紹介する告知画面のうち、当該試供品を取得するための認証キーが選択されると、前記サーバにおいて、当該ユーザ端末に、ユーザ属性情報を入力するための認証画面を表示させる告知制御工程と、
前記ユーザ端末により、前記認証画面に所定のユーザ属性情報が入力されると、前記サーバにおいて、前記入力されたユーザ属性情報が、今まで入力されたことが無い未入力情報であるか否かを判定する情報判定制御工程と、
前記ユーザ属性情報が前記未入力情報である場合、前記試供品を示す試供品情報と、当該試供品の提供可能な回数を示す回数情報とを含む認証コードを前記ユーザ端末に発行する発行制御工程と、
前記自動販売機において、前記試供品を示す試供品キーの選択と、前記認証コードの入力と受け付ける受付制御工程と、
ユーザにより、前記試供品キーが選択され、且つ、前記ユーザ端末により、前記自動販売機に前記認証コードが入力されると、前記自動販売機において、前記入力された認証コードの試供品情報と、当該認証コードの入力時刻とを含む入力条件が、前記自動販売機に予め設定された配布条件に合致するか否かを判定する条件判定制御工程と、
前記判定の結果、前記入力条件が前記配布条件に合致する場合、前記自動販売機において、前記認証コードの回数情報に基づいて、前記選択された試供品キーが示す試供品を排出する出力制御工程と、
を備える試供品配布システムの試供品配布方法。