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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111621
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240809BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240809BHJP
   F21Y 105/16 20160101ALN20240809BHJP
   F21Y 109/00 20160101ALN20240809BHJP
【FI】
F21S2/00 419
F21S2/00 411
F21S2/00 413
F21S2/00 414
F21S2/00 420
F21S2/00 421
F21Y115:10
F21Y105:16
F21Y109:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016236
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 正雄
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA07
3K244BA08
3K244BA11
3K244BA23
3K244BA27
3K244BA31
3K244BA37
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA25
3K244EA02
3K244EA16
3K244EA19
3K244EA22
3K244EA31
3K244EC23
3K244EC27
3K244FA12
3K244GA01
3K244GA04
3K244LA02
3K244LA10
(57)【要約】
【課題】輝度均一性の低下を防止することのできる面状照明装置を提供すること。
【解決手段】実施形態の面状照明装置は、基板と、導光板と、反射板とを備える。前記基板は、透明であり、複数の光源が2次元に配置される。前記導光板は、前記基板の前記光源が配置される面側に配置され、前記複数の光源の個々を収容する複数の穴を有する。前記反射板は、前記基板の前記光源が配置される面と反対側の面に配置される。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源が2次元に配置される透明な基板と、
前記基板の前記光源が配置される面側に配置され、前記複数の光源の個々を収容する複数の穴を有する導光板と、
前記基板の前記光源が配置される面と反対側の面に配置される反射板と、
を備える面状照明装置。
【請求項2】
前記基板に設けられる配線用の金属箔は、前記導光板から前記反射板に向かう光を妨げない密度で設けられる、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記導光板は、前記光源が収容されない疑似光源用の穴を有する、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記導光板の出射側に配置され、前記光源が収容される穴を覆う光量抑制層を有する他の導光板を備える、
請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記光量抑制層は、前記他の導光板に塗料の印刷により形成される、
請求項4に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記反射板は、正反射または拡散反射による反射を行う、
請求項1に記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライト等として用いられる面状照明装置であって、導光板に設けられた穴(貫通した穴または貫通していない穴)に発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の点状の光源が配置された、いわゆる直下型の面状照明装置が知られている(特許文献1~3等を参照)。
【0003】
この種の面状照明装置では、発光ダイオード等の光源が実装された基板の上に、穴が設けられた導光板が配置され、穴の中に光源の頭部側の一部が入るように配置される。穴の中に光源の頭部側の一部が入るように配置されるのは、光源からの光を効率よく導光板に入射させるためである。
【0004】
また、基板の表面は白色にされる等、基板側に到来した光を反射しやすくして輝度を向上するようにされているが、反射率をより高めるために、基板の上に、導光板の穴と同等のサイズの貫通した穴が設けられた、鏡面反射を行う反射板が設けられる場合がある。反射板が設けられるのは、基板上を鏡面反射面とすることは困難だからである。また、反射板の厚みは、光源の光軸方向の厚みよりも小さく設定され、光源の頭部側の一部が導光板の穴に入るように考慮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/170548号
【特許文献2】特開2022-78947号公報
【特許文献3】国際公開第2006/107105号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、光源の光軸方向の厚みが反射板の厚みよりもわずかしか大きくないため、基板や反射板や導光板に反りやうねりが生じた場合、光源の頭部が導光板の穴に入らない領域が出てくる可能性がある。この場合、光源から出射する光が充分に導光板に入射しなくなり、その部分の輝度が低下し、面状照明装置として輝度の均一性が低下してしまう可能性があり、照明品質を低下させてしまう。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、輝度均一性の低下を防止することのできる面状照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、基板と、導光板と、反射板とを備える。前記基板は、透明であり、複数の光源が2次元に配置される。前記導光板は、前記基板の前記光源が配置される面側に配置され、前記複数の光源の個々を収容する複数の穴を有する。前記反射板は、前記基板の前記光源が配置される面と反対側の面に配置される。
【0009】
本発明の一態様に係る面状照明装置は、輝度均一性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態にかかる面状照明装置の出射面側から見た図である。
図2図2は、図1におけるY-Y断面図である。
図3図3は、比較例の面状照明装置の光源付近の断面図である。
図4図4は、図3の比較例の面状照明装置において基板や反射板や導光板に反りやうねりが生じた場合の例を示す図である。
図5図5は、実施形態の面状照明装置において基板や反射板や導光板に反りやうねりが生じた場合の例を示す図である。
図6図6は、疑似光源が設けられた他の実施形態にかかる面状照明装置の出射面側から見た図である。
図7図7は、図6におけるY-Y断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る面状照明装置について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0012】
図1は、一実施形態にかかる面状照明装置1の出射面側から見た図である。図2は、図1におけるY-Y断面図である。なお、図1および図2において、面状照明装置1の筐体フレームについては、図示が省略されている。また、面状照明装置1の出射面をX-Y平面に一致させ、出射方向をZ軸方向としているが、使用時における面状照明装置1の姿勢は任意である。
【0013】
図1および図2において、面状照明装置1は、略矩形状の平面形状をしており、光源3が配置された基板2の出射側(図2における上側)に導光板5および印刷導光板6が順に積層され、基板2の非出射側(図2における下側)に反射板4が積層された構造になっている。なお、面状照明装置1は略矩形状の平面形状に限定されるものではなく、三角形や多角形や円形や楕円形等の任意の平面形状とすることができる。また、印刷導光板6の出射側にプリズムシートや蛍光体シート等の光学シートが更に積層される構造でもよい。また、面状照明装置1は平坦なものだけでなく、湾曲したものであってもよい。
【0014】
基板2はプラスチック等による透明な材料により形成されている。基板2上には、発光ダイオード等による点状の複数の光源3が、例えば格子状に2次元に配置されている。なお、光源3の配置は格子状に限定されるものではなく、配置のピッチも均一である必要はない。
【0015】
光源3は、出射側に向かって所定の広がりをもって発光する。また、複数の光源3は、いわゆるローカルディミングの制御により、個別に、または複数個のグループ単位に点灯が制御される。なお、基板2上には金属箔等により光源3の配線パターンが形成されるが、それらは基板2を透過する光(導光板5側から反射板4側に向かう光および反射板4側から導光板5側に向かう光)を妨げない密度で設けられる。実際上、光源3が5mm程度のピッチで配置されるのに対し、配線は1mm以下、実際には0.2mm程度あるいはそれ以下の幅であるため、基板2を透過する光を妨げることはない。
【0016】
基板2の非出射側には、反射板4が配置されている。反射板4は、例えば正反射面を有し、その正反射面が基板2側に向けられている。なお、設計上、反射率を落としても問題がない場合、正反射面に代えて白色等による拡散反射面としてもよい。反射板4は、導光板5側から透明な基板2を通って到来する光を導光板5側に反射することで、光のロスを低減し、輝度を向上させる。
【0017】
基板2の出射側には、プラスチック等による透明な材料により形成される導光板5が配置されている。導光板5には、光源3の位置に対応して、光源3を収容できるサイズの貫通穴5aが設けられている。なお、貫通穴5aに代えて、貫通しない穴としてもよい。導光板5は、光源3から貫通穴5aの内壁面を通して光を受け入れ、内部を通過させた後に、光を出射する。
【0018】
導光板5の出射側には、プラスチック等による透明な材料により形成される印刷導光板6が配置されている。印刷導光板6には、導光板5の貫通穴5aの位置に対応して、貫通穴5aを覆うサイズの印刷部6aが設けられている。印刷部6aは、例えば白色の塗料により形成され、中央が厚く、周辺が薄くなっており、厚みによって透過する光の量を制御する。印刷部6aは光量抑制層を形成している。これにより、光源3から導光板5の貫通穴5aを通して真上に出射する強い光を抑制し、輝度の均一性を高める。
【0019】
図3は、比較例の面状照明装置1’の光源付近の断面図であり、図2に対応する断面図であり、平面図は図1と同様である。図3において、基板2’と光源3’との関係と、導光板5’と印刷導光板6’と印刷部6a’との関係は図2と同様であり、異なるのは、基板2’の材質と、反射板4’の構造および配置とである。すなわち、図3では、基板2’は透明ではない通常の樹脂等により形成されている。また、反射板4’には光源3’の位置に対応して光源3’を収容できるサイズの貫通穴4a’が設けられており、基板2’の出射側に貫通穴4a’が光源3’を収容するように配置されている。反射板4’の反射面(正反射面または拡散反射面)は導光板5’側を向いている。
【0020】
図4は、図3の比較例の面状照明装置1’において基板2’や反射板4’や導光板5’に反りやうねりが生じた場合の例を示す図である。図4において、反りやうねりが生じた結果、導光板5’と反射板4’との間に間隔dの隙間ができた場合、光源3’の頭部が導光板5’の貫通穴5a’に入らなくなり、光源3’からの光が効率よく導光板5’に入らなくなって、この部分における輝度が低下し、輝度の均一性が低下してしまう。
【0021】
一方、図5は、実施形態の面状照明装置1において基板2や反射板4や導光板5に反りやうねりが生じた場合の例を示す図である。図5において、反りやうねりが生じた結果、導光板5と基板2との間に図4と同じ間隔dの隙間ができた場合、反射板4’(図4)が基板2と導光板5との間にない分、光源3の発光側の頭部の一部が導光板5の貫通穴5a内に留まりやすくなり、導光板5への光の取り込みが大きく低下することがなくなる。これにより、輝度の均一性の低下を防止することができる。また、反射板4は基板2の非出射側に配置され、光源3を収容するための穴を開けなくて済むため、製造工程を簡略化することができ、コストダウンに貢献することもできる。更に、反射板4の厚みを光源3の厚みよりも小さくなければならないという制約がなくなり、反射板4の素材の選定の自由度が高まる。
【0022】
図6は、疑似光源が設けられた他の実施形態にかかる面状照明装置1の出射面側から見た図である。図7は、図6におけるY-Y断面図である。図6および図7の面状照明装置1が図1および図2の面状照明装置1と異なるのは、格子状に配置された複数の光源3の間に疑似光源が設けられた点である。疑似光源は、貫通穴が設けられているのみで実際の光源は収容されていないが、光源が設けられているのと同様に作用するものである。ただし、実際の光源のように直接に光を出射しないため、印刷導光板6の印刷部6aを設ける必要はない。これにより、光源の配置密度を高めて輝度均一性を高めることができ、出射面のサイズが一定であれば実際の光源の個数を減らすことができる。
【0023】
図6および図7において、非出射側(図7における下側)から反射板4、基板2、導光板5、印刷導光板6が順次に積層される点は図1および図2の面状照明装置1と同様である。基板2および反射板4は図1および図2の面状照明装置1と同様である。
【0024】
基板2に複数の光源3が配置される点は図1および図2の面状照明装置1と同様であるが、疑似光源が設けられることに対応して、配置のピッチは異なってもよい。
【0025】
導光板5は、光源3の位置に対応して、光源3を収容できるサイズの貫通穴5aが設けられている点は図1および図2の面状照明装置1と同様であるが、光源3の間および貫通穴5aの間に疑似光源用の貫通穴5bが設けられている。貫通穴5bは、貫通穴5aと同様に貫通しない穴でもよい。また、疑似光源用の貫通穴5bの配置や個数やサイズは、図示の例に限定されない。印刷導光板6の印刷部6aが光源3に対応して設けられる点は図1および図2の面状照明装置1と同様であるが、疑似光源用の貫通穴5bに対して印刷部6aは設けられない(真上に直接に出てくる光がないため、設ける必要がない)。
【0026】
図6および図7の面状照明装置1においても、反射板4は透明な基板2の非出射側(図7における下側)に配置されるため、基板2や反射板4や導光板5に反りやうねりが生じた場合であっても、反射板4’(図4)が基板2と導光板5との間にない分、光源3の発光側の頭部の一部が導光板5の貫通穴5a内に留まりやすくなり、導光板5への光の取り込みが大きく低下することがなくなる。これにより、輝度の均一性の低下を防止することができる。また、反射板4に穴を開けなくて済むため、製造工程を簡略化することができ、コストダウンに貢献することもできる。反射板4の厚みを光源3の厚みよりも小さくなければならないという制約がなくなり、反射板4の素材の選定の自由度が高まる。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0028】
以上のように、実施形態に係る面状照明装置は、複数の光源が2次元に配置される透明な基板と、前記基板の前記光源が配置される面側に配置され、前記複数の光源の個々を収容する複数の穴を有する導光板と、前記基板の前記光源が配置される面と反対側の面に配置される反射板と、を備える。これにより、輝度均一性の低下を防止することができる。
【0029】
すなわち、反射板が光源側に配置されないことにより、光源が導光板の穴に留まる深さを確保することができ、基板や反射板や導光板に反りやうねりが生じても光源が導光板の穴から出にくくなり、輝度均一性の低下を防止することができる。また、反射板に穴を開けなくて済むため、製造工程を簡略化することができ、コストダウンに貢献することもできる。また、反射板の厚みを光源の厚みよりも小さくなければならないという制約がなくなり、素材の選定の自由度が高まる。
【0030】
また、前記基板に設けられる配線用の金属箔は、前記導光板から前記反射板に向かう光を妨げない密度で設けられる。これにより、導光板から非出射側に向かう光を邪魔せずに透明な基板を通して反射板まで到達させ、反射板で反射し出射側に向かう光を透明な基板を通して邪魔せずに導光板まで到達させることができ、光効率を低下させることがない。
【0031】
また、前記導光板は、前記光源が収容されない疑似光源用の穴を有する。これにより、疑似光源が実際の光源と同様に作用することで輝度均一性を高めることができ、輝度均一性を一定とする場合は光源の個数を削減することができる。
【0032】
また、前記導光板の出射側に配置され、前記光源が収容される穴を覆う光量抑制層を有する他の導光板を備える。これにより、光源から直接に出る光を弱め、輝度均一性を高めることができる。
【0033】
また、前記光量抑制層は、前記他の導光板に塗料の印刷により形成される。これにより、光量抑制層を容易に製造することができる。
【0034】
また、前記反射板は、正反射または拡散反射による反射を行う。これにより、要求される輝度に応じた柔軟な構成をとることができる。
【0035】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 面状照明装置,2 基板,3 光源,4 反射板,5 導光板,5a、5b 貫通穴,6 印刷導光板,6a 印刷部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7