(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111643
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】状態判定装置、状態判定方法及び状態判定システム
(51)【国際特許分類】
A61G 12/00 20060101AFI20240809BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20240809BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
A61G12/00 Z
A61G7/05
A61B5/00 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016270
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】牛尾 勝也
【テーマコード(参考)】
4C040
4C117
4C341
【Fターム(参考)】
4C040AA05
4C040AA18
4C040BB01
4C040DD04
4C040EE05
4C117XA03
4C117XB02
4C117XC02
4C117XE26
4C117XE27
4C117XE55
4C117XF22
4C117XG03
4C117XG05
4C117XJ03
4C117XL01
4C341LL30
(57)【要約】
【課題】利用者から得られたデータを基に、該利用者の在床離床状態を良好に判定する。
【解決手段】離床センササーバ6は、利用者が使用するベッド2に設けられ該利用者が該ベッド2に近接した際の静電容量の変化に応じて静電センサ3Bが生成した静電センサ値と、ベッド2におけるリクライニングの角度を示すリクライニング角度とを取得するデータ管理部41と、静電センサ値及びリクライニング角度に応じて利用者の状態を判定する状態判定部44と、状態判定部44による判定結果を出力する出力処理部45とを設ける。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が使用する器具に設けられ該利用者が該器具に近接した際の静電容量の変化に応じて静電センサが生成した静電センサ値と、前記器具におけるリクライニングの角度を示すリクライニング角度とを取得する取得部と、
前記静電センサ値及び前記リクライニング角度に応じて前記利用者の状態を判定する状態判定部と、
前記状態判定部による判定結果を出力する出力部と
を有する状態判定装置。
【請求項2】
前記状態判定部は、
前記静電センサ値及び前記リクライニング角度に応じて、前記利用者の状態が前記器具に対し在床状態又は離床状態の何れであるかを判定する
請求項1に記載の状態判定装置。
【請求項3】
前記状態判定部は、
前記静電センサ値と、前記リクライニング角度に応じた前記静電センサ値の閾値である静電センサ値閾値とを比較し、前記静電センサ値が前記静電センサ値閾値以上である場合は前記在床状態であると判定する一方、前記静電センサ値が前記静電センサ値閾値未満である場合は前記離床状態であると判定する
請求項2に記載の状態判定装置。
【請求項4】
前記静電センサ値閾値は、
前記器具がフラットな状態である基準状態から起き上がる方向への前記リクライニング角度が大きい状態の方が、前記基準状態から起き上がる方向への前記リクライニング角度が小さい状態よりも、小さく設定されている
請求項3に記載の状態判定装置。
【請求項5】
前記静電センサ値閾値は、
前記リクライニング角度が大きくなるほど、小さく設定されている
請求項4に記載の状態判定装置。
【請求項6】
前記静電センサ値閾値は、
前記利用者が前記器具に触れる表面積が大きいほど、大きく設定されている
請求項3に記載の状態判定装置。
【請求項7】
前記取得部は、
前記器具又は前記器具の近傍に設けられ、前記利用者から受ける圧力に応じて圧電センサが生成した圧電センサ値を受信し、
前記状態判定部は、
前記静電センサ値、前記リクライニング角度及び前記圧電センサ値に応じて、前記在床状態又は前記離床状態の何れであるかを判定する
請求項2に記載の状態判定装置。
【請求項8】
前記状態判定部は、
前記静電センサ値と、前記リクライニング角度に応じた前記静電センサ値の閾値である静電センサ値閾値とを比較すると共に、前記圧電センサ値と、前記リクライニング角度に応じた前記圧電センサ値の閾値である圧電センサ値閾値とを比較し、前記静電センサ値が前記静電センサ値閾値以上、又は、前記圧電センサ値が前記圧電センサ値閾値以上の少なくとも何れか一方を満たす場合は前記在床状態であると判定する一方、前記静電センサ値が前記静電センサ値閾値未満であり、かつ、前記圧電センサ値が前記圧電センサ値閾値未満である場合は前記離床状態であると判定する
請求項7に記載の状態判定装置。
【請求項9】
前記圧電センサ値閾値は、
前記器具がフラットな状態である基準状態から起き上がる方向への前記リクライニング角度が大きい状態の方が、前記基準状態から起き上がる方向への前記リクライニング角度が小さい状態よりも、小さく設定されている
請求項8に記載の状態判定装置。
【請求項10】
前記圧電センサ値閾値は、
前記リクライニング角度が大きくなるほど、小さく設定されている
請求項9に記載の状態判定装置。
【請求項11】
前記リクライニング角度は、
前記器具に設けられたジャイロセンサが生成した値である
請求項2に記載の状態判定装置。
【請求項12】
前記器具は、前記利用者の寝具である
請求項1乃至請求項11の何れかに記載の状態判定装置。
【請求項13】
利用者が使用する器具に設けられ該利用者が該器具に近接した際の静電容量の変化に応じて静電センサが生成した静電センサ値と、前記器具におけるリクライニングの角度を示すリクライニング角度とを取得する取得ステップと、
前記静電センサ値及び前記リクライニング角度に応じて前記利用者の状態を判定する状態判定ステップと、
前記状態判定ステップによる判定結果を出力する出力ステップと
を有する状態判定方法。
【請求項14】
利用者が使用する器具に設けられ該利用者が該器具に近接した際の静電容量の変化に応じて静電センサ値を出力する静電センサと、
前記器具におけるリクライニングの角度を示すリクライニング角度を出力するリクライニング角度出力部と、
前記静電センサから前記静電センサ値を、前記リクライニング角度出力部から前記リクライニング角度を取得する取得部と、
前記静電センサ値及び前記リクライニング角度に応じて、前記利用者の状態を判定する状態判定部と、
前記状態判定部による判定結果を出力する出力部と
を有する状態判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は状態判定装置、状態判定方法及び状態判定システムに関し、例えば介護施設において利用者の状態を判定する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、介護施設においては、介護の対象である利用者にできるだけ快適な生活をしてもらいながらも、該利用者の健康状態等を把握し、必要な介護を適切なタイミングで提供することが求められている。
【0003】
このような介護施設では、職員の負担を軽減する目的で、種々の介護システムが利用されている。一例として、利用者が使用するベッド等の寝具に種々のセンサを取り付けることにより、利用者が寝具に乗っている在床状態か、又は、利用者が寝具から離れた離床状態かの何れであるかを示す、在床離床状態を判定する介護システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような介護システムにおいては、利用者から得られたデータを基に、該利用者の状態を精度良くより一層良好に判定することが望まれている。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、利用者から得られたデータを基に、該利用者の状態を良好に判定し得る状態判定装置、状態判定方法及び状態判定システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明の状態判定装置においては、利用者が使用する器具に設けられ該利用者が該器具に近接した際の静電容量の変化に応じて静電センサが生成した静電センサ値と、器具におけるリクライニングの角度を示すリクライニング角度とを取得する取得部と、静電センサ値及びリクライニング角度に応じて利用者の状態を判定する状態判定部と、状態判定部による判定結果を出力する出力部とを設けるようにした。
【0008】
また本発明の状態判定方法においては、利用者が使用する器具に設けられ該利用者が該器具に近接した際の静電容量の変化に応じて静電センサが生成した静電センサ値と、器具におけるリクライニングの角度を示すリクライニング角度とを取得する取得ステップと、静電センサ値及びリクライニング角度に応じて利用者の状態を判定する状態判定ステップと、状態判定ステップによる判定結果を出力する出力ステップとを有するようにした。
【0009】
さらに本発明の状態判定システムにおいては、利用者が使用する器具に設けられ該利用者が該器具に近接した際の静電容量の変化に応じて静電センサ値を出力する静電センサと、器具におけるリクライニングの角度を示すリクライニング角度を出力するリクライニング角度出力部と、静電センサから静電センサ値を、リクライニング角度出力部からリクライニング角度を取得する取得部と、静電センサ値及びリクライニング角度に応じて利用者の状態を判定する状態判定部と、状態判定部による判定結果を出力する出力部とを設けるようにした。
【0010】
本発明は、同一の利用者であってもリクライニング角度に応じて変化する静電センサ値に対応した静電センサ値閾値を選択し、静電センサ値と該静電センサ値閾値とを比較することにより、利用者の状態の判定精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、同一の利用者であってもリクライニング角度に応じて変化する静電センサ値に対応した静電センサ値閾値を選択し、静電センサ値と該静電センサ値閾値とを比較することにより、利用者の状態の判定精度を向上させることができ、かくして、利用者から得られたデータを基に、該利用者の状態を良好に判定し得る状態判定装置、状態判定方法及び状態判定システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】介護システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】センサ群及び離床センサ端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】離床センササーバの構成を示すブロック図である。
【
図7】在床離床状態判定処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0014】
[1.介護システムの構成]
図1に示すように、介護システム1は、主に有料老人ホーム等の所定の介護施設に設置されており、主に、ベッド2、離床センサ端末4、離床センササーバ6及び表示端末8により構成されている。ベッド2は、利用者が睡眠時等に使用するための設備であり、複数のセンサでなるセンサ群3が設置されている。またこのベッド2は、リクライニング機能を有しており、ほぼ水平方向に沿うフラットな状態から、ベッド2における利用者の主に背中が接する箇所(背もたれ箇所とも呼ぶ)が起き上がるように変形することが可能である。センサ群3は、離床センサ端末4と接続されている。また離床センサ端末4、離床センササーバ6及び表示端末8は、ネットワーク9を介して相互に接続されている。ネットワーク9は、図示しないルータやハブ、或いは無線基地局等によって構成されており、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3やIEEE802.11等に準拠した有線LAN(Local Area Network)やWiFi(登録商標)等の無線LANとして構成されている。
【0015】
なお
図1においては1組のベッド2及び離床センサ端末4のみ図示するものの、実際には、介護施設には、複数の利用者居室が設けられており、各利用者居室に1組又は複数組のベッド2及び離床センサ端末4がそれぞれ設けられており、これらの離床センサ端末4がネットワーク9を介して離床センササーバ6と接続されている。
【0016】
[2.センサ群の構成]
センサ群3は、ベッド2を使用する利用者に関する種々の信号を生成して離床センサ端末4へ供給する。このセンサ群3は、
図2に示すように、圧電センサ3A、静電センサ3B及びジャイロセンサ3C等が含まれている。
【0017】
圧電センサ3Aは、ベッド2における背もたれ箇所に設けられており、ベッド2に敷設されたマットレスの上面等に加えられた圧力を検出し、この圧力の大きさに応じた電圧の検出信号を生成して離床センサ端末4へ供給する。静電センサ3Bは、ベッド2における背もたれ箇所に設けられており、ベッド2に敷設されたマットレスの上面等における静電容量を検出し、この静電容量の大きさに応じた電圧の検出信号を生成して離床センサ端末4へ供給する。換言すれば静電センサ3Bは、対象物が該静電センサ3Bの検出用電極の電界に進入した際の静電容量の変化により対象物を検出する。リクライニング角度出力部としてのジャイロセンサ3Cは、ジャイロセンサ3C自身の角速度を検出し、この角速度を示す検出信号を生成して離床センサ端末4へ供給する。
【0018】
[3.離床センサ端末の構成]
離床センサ端末4(
図1)は、センサ群3から得られる各検出信号に対して所定の解析処理等を行うことにより離床データ(後述する)を生成し、ネットワーク9を介して離床センササーバ6へ送信する。この離床センサ端末4は、
図2に示したように、制御部11、記憶部12、通信部13、表示部14及び操作部15がバス10を介して相互に接続された構成となっている。
【0019】
制御部11は、離床センサ端末4を統括的に制御する部分であり、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を有している。この制御部11は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部12等から読み出した各種プログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行う。また制御部11は、図示しない計時回路を有しており、現在の日時を取得することや、時間を計測することができる。
【0020】
また制御部11は、所定のプログラムを実行することにより、解析部21及びデータ生成部22といった複数の機能ブロックを内部に形成する。解析部21は、センサ群3の各センサから取得した各検出信号に対し所定の解析処理を行い定量評価する。
【0021】
具体的に解析部21は、圧電センサ3Aから得られた検出信号(圧電値)を解析することにより、利用者に関する1種類以上のバイタルデータ(生体情報)として、1分間あたりの心拍数及び呼吸数をそれぞれ計測する。また解析部21は、圧電センサ3A及び静電センサ3Bから得られた検出信号(圧電値及び静電値)を解析することにより、利用者の姿勢状態として、ベッド2に横たわっている「寝姿勢」、ベッド2から離れた「離床」、又はベッド2の端部に座している「端座位」の何れであるかを判定する。さらに解析部21は、ジャイロセンサ3Cから得られた検出信号を解析することにより、ベッド2のリクライニング角度を判定する。リクライニング角度とは、ベッド2がほぼ水平方向に沿うフラットな状態を基準状態として、該基準状態からベッド2の背もたれ箇所が起きるほど大きくなる角度である。
【0022】
データ生成部22は、圧電センサ3A及び静電センサ3Bから得られる各検出信号や解析部21により生成されたバイタルデータ、姿勢状態及びリクライニング角度を基に、利用者の状態に関する複数種類の情報を含む離床データD1を生成する。
【0023】
図3に示すように、離床データD1には、日時、端末ID(IDentifier)、姿勢状態、圧電センサ値、静電センサ値、心拍数、呼吸数及びリクライニング角度といった項目が設けられている。日時は、制御部11の計時回路(図示せず)から得られる値であり、「年(西暦の下2桁)/月/日/時:分:秒:ミリ秒」といった形式の文字列により表される。端末IDは、予め各離床センサ端末4に対し個別に割り当てられた一意の文字列であり、記憶部12に記憶されている。
【0024】
姿勢状態は、解析部21により解析された利用者の姿勢状態を数値により表した情報であり、「寝姿勢」であれば「1」、「離床」であれば「2」、「端座位」であれば「3」が格納される。圧電センサ値は、圧電センサ3Aから供給された検出信号の電圧値[mV]を表す数値である。静電センサ値は、静電センサ3Bから供給された検出信号の電圧値[mV]を表す数値である。心拍数及び呼吸数は、何れも解析部21により解析された利用者のバイタルデータに含まれており、1分間あたりの回数を表す値が格納される。
【0025】
リクライニング角度は、解析部21により解析されたベッド2のリクライニング角度を表す値が格納される。例えば、ベッド2がリクライニングされておらず水平状態である場合、リクライニング角度を示す値は0[°]となる。一方、ベッド2の背もたれ箇所が水平状態に対し75[°]起こされている状態である場合、リクライニング角度を示す値は75[°]となる。
【0026】
なお
図3では、説明の都合上、離床データD1を、各項目の項目名と、データの形式等と、データの例とを互いに対応付けた表形式として表した。しかしながら、実際の離床データD1は、所定のフォーマットに従って各項目の値のみが格納されている。
【0027】
記憶部12は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)のような不揮発性の記憶媒体であり、各種プログラム、各種情報及び端末ID等を記憶する。通信部13は、例えばIEEE802.3等の規格に準拠した有線LANやIEEE802.11等の規格に準拠した無線LANのインタフェース等を有している。この通信部13は、ネットワーク9(
図1)を介して離床センササーバ6や表示端末8との間で種々の情報を送受信する。
【0028】
表示部14は、例えば液晶パネルのような表示デバイスであり、制御部11の制御に基づき種々の情報を表示する。操作部15は、例えば表示部14を構成する液晶パネルの表面に設けられたタッチセンサや押下可能な操作ボタン等であり、介護職員等からの操作指示を受け付ける。
【0029】
[4.離床センササーバの構成]
離床センササーバ6(
図1)は、離床センサ端末4から定期的に送信される離床データD1を蓄積すると共に、該離床データD1に基づいた演算処理や判定処理等を行う。この離床センササーバ6は、
図4に示すように、制御部31、記憶部32、通信部33、表示部34及び操作部35がバス30を介して相互に接続された構成となっている。
【0030】
制御部31は、離床センササーバ6を統括的に制御する部分であり、離床センサ端末4の制御部11と同様、図示しないCPU、RAM及びROM等を有している。この制御部31は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部32等から読み出した各種プログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行う。
【0031】
また制御部31は、所定のプログラムを実行することにより、データ管理部41、状態判定部44及び出力処理部45といった複数の機能ブロックを内部に形成する。データ管理部41は、離床センサ端末4から受信した離床データD1の記憶や読み出し等、該離床データD1の管理に関する種々の処理を行うと共に、体格情報記憶部53からの体格情報(後述する)の読み出しと、判定閾値表記憶部54からの判定閾値表55(
図5)(後述する)の読み出しとを行う。
【0032】
状態判定部44は、体格情報記憶部53から読み出された、離床データD1に含まれる端末IDに対応した体格情報と、離床データD1に含まれるリクライニング角度とから、判定閾値表55を参照して、在床状態であると判定するための静電センサ値閾値を決定する。また状態判定部44は、利用者の在床離床状態、すなわち、利用者がベッド2に乗っている在床状態か、又は、利用者がベッド2から離れた離床状態かの何れであるかを判定する。具体的に状態判定部44は、離床データD1に含まれる静電センサ値が静電センサ値閾値以上である場合は利用者が在床状態であると判定する一方、離床データD1に含まれる静電センサ値が静電センサ値閾値未満である場合は利用者が離床状態であると判定する。
【0033】
出力処理部45は、状態判定部44による判定結果を基に、表示端末8(
図1)の表示部64(
図6)に表示すべき内容を決定し、その内容を表す表示データを生成して出力する。
【0034】
記憶部32は、離床センサ端末4の記憶部12と同様、例えばSSDやHDDのような不揮発性の記憶媒体であり、各種プログラムや各種情報を記憶する。この記憶部32には、データ記憶部51、体格情報記憶部53及び判定閾値表記憶部54が設けられている。データ記憶部51は、離床データD1等を記憶する。
【0035】
体格情報記憶部53は、端末IDと、該端末IDが割り当てられた離床センサ端末4を用いている利用者の体格とを対応付けた体格情報を予め記憶している。ここで、一般的に、利用者の体格が大きいほど、利用者の背中がベッド2と接触する表面積が大きくなる傾向にある。利用者の体がベッド2と接触する表面積が大きくなるほど、検出される静電センサ値は大きくなる傾向にある。
【0036】
判定閾値表記憶部54は、
図5に示す判定閾値表55を予め記憶している。
図5に示すように、判定閾値表55は、体格情報記憶部53の体格情報により示される利用者の体格と、離床データD1に含まれるリクライニング角度とに応じた、静電センサ値閾値を格納している。
【0037】
通信部33は、例えばIEEE802.3等の規格に準拠した有線LANやIEEE802.11等の規格に準拠した無線LANのインタフェース等を有している。この通信部33は、ネットワーク9(
図1)を介して離床センサ端末4や表示端末8との間で種々の情報を送受信する。
【0038】
表示部34は、離床センサ端末4の表示部14と同様、例えば液晶パネルのような表示デバイスであり、制御部31の制御に基づき種々の情報を表示する。操作部35は、例えば表示部34を構成する液晶パネルの表面に設けられたタッチセンサや、キーボード、マウス又はタッチパッド等であり、介護職員等からの操作指示を受け付ける。
【0039】
[5.表示端末の構成]
表示端末8(
図1)は、離床センササーバ6から供給される表示データを基に、主に介護職員に通知すべき情報を表示する部分である。表示端末8は、
図6に示すように、制御部61、記憶部62、通信部63、表示部64及び操作部65がバス60を介して相互に接続された構成となっている。
【0040】
制御部61は、表示端末8を統括的に制御する部分であり、離床センサ端末4の制御部11等と同様、図示しないCPU、RAM及びROM等を有している。この制御部61は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部62等から読み出した各種プログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行う。
【0041】
記憶部62は、離床センサ端末4の記憶部12と同様、例えばSSDやHDDのような不揮発性の記憶媒体であり、各種プログラムや各種情報等を記憶する。通信部63は、離床センサ端末4の通信部13等と同様、例えばIEEE802.3等の規格に準拠した有線LANやIEEE802.11等の規格に準拠した無線LANのインタフェース等を有している。この通信部63は、ネットワーク9(
図1)を介して離床センサ端末4や離床センササーバ6との間で種々の情報を送受信する。
【0042】
表示部64は、離床センサ端末4の表示部14等と同様、例えば液晶パネルのような表示デバイスであり、制御部61の制御に基づき種々の情報を表示する。操作部65は、例えば表示部64を構成する液晶パネルの表面に設けられたタッチセンサや押下可能な操作ボタン等であり、介護職員等からの操作指示を受け付ける。
【0043】
[6.在床離床状態の判定について]
ここで、離床データD1に含まれる静電センサ値と利用者の在床離床状態との関係を調査したところ、在床状態の場合には静電センサ値が大きい値を取る一方、離床状態の場合には静電センサ値が小さい値を取る、という関係があることが判明した。そこで離床センササーバ6は、静電センサ3Bの値に基づき、利用者が在床状態か又は離床状態かの何れであるか、すなわち在床離床状態を判定し、得られた判定結果を表示端末8(
図1及び
図6)により介護職員等に通知するようにした。
【0044】
また、離床データD1に含まれる静電センサ値と利用者の体格との関係を調査したところ、体格が大柄の場合には静電センサ値が大きい値を取る一方、体格が小柄の場合には、静電センサ値が小さい値を取る、という関係があることが判明した。そこで離床センササーバ6は、利用者の体格が大柄であるほど静電センサ値閾値を高く設定する一方、利用者の体格が小柄であるほど静電センサ値閾値を低く設定するようにした。
【0045】
さらに、離床データD1に含まれるリクライニング角度と静電センサ値との関係を調査したところ、リクライニング角度が小さい場合には静電センサ値が大きい値を取る一方、リクライニング角度が大きい場合には静電センサ値が小さい値を取る、という関係があることが判明した。そこで離床センササーバ6は、リクライニング角度が大きいほど静電センサ値閾値を低く設定する一方、リクライニング角度が小さいほど静電センサ値閾値を高く設定するようにした。
【0046】
[7.在床離床状態判定処理]
次に、離床センササーバ6が在床離床状態の判定を行う在床離床状態判定処理について、
図7のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、離床センササーバ6の制御部31は、在床離床状態判定処理手順RT1(
図7)とは別の処理として、通信部33(
図4)により、離床センサ端末4から離床データD1(
図3)を定期的に取得し、データ記憶部51に順次記憶させている。これにより、記憶部32のデータ記憶部51は、過去及び最新の離床データD1が記憶された状態となる。
【0047】
離床センササーバ6の制御部31(
図4)は、所定の初期化処理等を行った後、在床離床状態判定処理手順RT1(
図7)を開始し、ステップSP1に移る。ステップSP1において制御部31は、記憶部32のデータ記憶部51から最新の離床データD1をデータ管理部41(
図4)により読み出し、ステップSP2に移る。ステップSP2において制御部31は、離床データD1に含まれる端末IDに対応した体格情報をデータ管理部41により記憶部32の体格情報記憶部53から読み出し、ステップSP3に移る。ステップSP3において制御部31は、記憶部32の判定閾値表記憶部54から判定閾値表55をデータ管理部41により読み出し、ステップSP4に移る。
【0048】
ステップSP4において制御部31は、体格情報と、離床データD1に含まれるリクライニング角度とから、判定閾値表55を参照して状態判定部44(
図4)により静電センサ値閾値を決定し、ステップSP5に移る。
【0049】
ステップSP5において制御部31は、離床データD1に含まれる静電センサ値は静電センサ値閾値以上であるか否かを状態判定部44により判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、利用者が在床状態であることを表しており、このとき制御部31は、ステップSP6に移る。ステップSP6において制御部31は、利用者は在床状態であると状態判定部44により判定し、ステップSP7に移る。ステップSP7において制御部31は、利用者が在床状態であることを通知するための表示データを出力処理部45(
図4)により生成し、ステップSP10に移る。このとき生成される表示データは、表示端末8の表示部64(
図6)に画像や文字等を表示させることにより、利用者が在床状態であることを通知する在床通知画面(図示せず)を表示させるものとなる。
【0050】
一方、ステップSP5において否定結果が得られると、このことは、利用者が離床状態であることを表しており、このとき制御部31は、ステップSP8に移る。ステップSP8において制御部31は、利用者は離床状態であると状態判定部44により判定し、ステップSP9に移る。ステップSP9において制御部31は、利用者が離床状態であることを通知するための表示データを出力処理部45により生成し、ステップSP10に移る。このとき生成される表示データは、表示端末8の表示部64(
図6)に画像や文字等を表示させることにより、利用者が離床状態であることを通知する離床通知画面(図示せず)を表示させるものとなる。
【0051】
ステップSP10において制御部31は、生成された表示データを出力処理部45により通信部33から表示端末8(
図1及び
図6)へ送信させた後、ステップSP11に移り、在床離床状態判定処理手順RT1を終了する。これに応じて表示端末8は、送信された表示データに基づき、在床通知画面又は離床通知画面(以下、両者をまとめて在床離床状態通知画面とも呼ぶ)を表示部64に表示させる。
【0052】
なお制御部31は、所定時間(例えば3秒間)毎に在床離床状態判定処理手順RT1を繰り返す。これにより離床センササーバ6は、最新の離床データD1に基づいた利用者の最新の状態を定期的に判定し、表示端末8に表示させる在床通知画面又は離床通知画面を逐次更新することができる。
【0053】
[8.効果等]
介護施設では、ベッド2のリクライニング機能を用いて、背中を立てて座ったような姿勢で利用者が安眠することが行われている。
【0054】
ここで、従来の在床離床状態検知装置においては、ベッドにかかる荷重値の変化に基づき在床離床状態を判定するものがあった。しかしながらそのような在床離床状態検知装置は、利用者が寝姿勢から端座位姿勢を取ったのか、リクライニングで端座位姿勢のようになったのか、どちらもベッドにかかる荷重は同じであるため、違いを判断できなかった。
【0055】
また従来の在床離床状態検知装置においては、利用者を撮影した撮像映像に基づき利用者の姿勢を推定し、ベッドから抜け出して離床する前の端座位姿勢を検出するものがあった。しかしながらそのような在床離床状態検知装置は、リクライニング状態において撮影映像では利用者が起き上がった姿勢に見えるため、ベッドから抜け出すために端座位姿勢を取ったと誤判定してしまう場合があった。
【0056】
さらに従来の在床離床状態検知装置においては、圧電センサ値及び静電センサ値に基づき在床離床状態を判定するものがあった。しかしながらそのような在床離床状態検知装置は、リクライニング状態で利用者が就寝している場合、利用者の背中とベッドとの密着度が下がり、在床状態にかかわらず離床状態であると誤判定してしまう場合があった。
【0057】
このように従来の在床離床状態検知装置は、ベッドがリクライニング状態の場合、在床離床状態を精度良く判定できない場合があった。
【0058】
これに対し離床センササーバ6は、体格情報記憶部53の体格情報により示される利用者の体格と、離床データD1に含まれるリクライニング角度とに応じた、静電センサ値閾値を、判定閾値表55から選択するようにした。この静電センサ値閾値は、体格が大きいほど大きく設定されていると共に、リクライニング角度が大きくなるほど小さく設定されている。
【0059】
続いて離床センササーバ6は、静電センサ値が静電センサ値閾値以上である場合は利用者が在床状態であると判定する一方、静電センサ値が静電センサ値閾値未満である場合は利用者が離床状態であると判定するようにした。また離床センササーバ6は、判定結果に基づいた在床離床状態通知画面(在床通知画面又は離床通知画面)を表示端末8の表示部64に表示させるようにした。
【0060】
このため離床センササーバ6は、リクライニング状態のベッド2において利用者が座っているような姿勢を取り、利用者の背中が寝姿勢に比べベッド2から離れてしまっても、在床離床状態を精度良く判定できる。
【0061】
これにより介護システム1では、在床状態であるにもかかわらず離床状態であると誤判定してしまい、本来であれば必要がない状況で介護職員等が利用者を訪問するという手間が発生してしまうことを防止できる。
【0062】
以上の構成によれば離床センササーバ6は、利用者が使用する器具としてのベッド2に設けられ該利用者が該ベッド2に近接した際の静電容量の変化に応じて静電センサ3Bが生成した静電センサ値と、ベッド2におけるリクライニングの角度を示すリクライニング角度とを取得するデータ管理部41と、静電センサ値及びリクライニング角度に応じて、利用者の状態がベッド2に対し在床状態又は離床状態の何れであるかを判定する状態判定部44と、状態判定部44による判定結果を出力する出力処理部45とを設けるようにした。
【0063】
これにより離床センササーバ6は、同一の利用者であってもリクライニング角度に応じて変化する静電センサ値に対応した静電センサ値閾値を選択し、静電センサ値と該静電センサ値閾値とを比較することにより、利用者の在床離床状態の判定精度を向上させることができる。
【0064】
[9.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態において離床センササーバ6は、離床データD1の静電センサ値及びリクライニング角度に基づき、利用者の在床離床状態を判定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、静電センサ値及びリクライニング角度と共に、圧電センサ値に基づき、利用者の在床離床状態を判定しても良い。その場合、リクライニング角度が大きくなるほど圧電センサ値は小さい値を取るため、離床センササーバ6は、リクライニング角度に応じた圧電センサ値の閾値である圧電センサ値閾値を、リクライニング角度が大きくなるほど小さく設定し、静電センサ値が静電センサ値閾値以上、又は、圧電センサ値が圧電センサ値閾値以上の少なくとも何れか一方を満たす場合は在床状態であると判定する一方、静電センサ値が静電センサ値閾値未満であり、かつ、圧電センサ値が圧電センサ値閾値未満である場合は離床状態であると判定すれば良い。
【0065】
また上述した実施の形態において離床センササーバ6は、ジャイロセンサ3Cから得られた検出信号を解析することにより、ベッド2のリクライニング角度を判定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、例えば、ベッド2から出力されたリクライニング角度の出力値や、ベッド2に対しリクライニング角度を指定する入力値等、他の種々のデータに基づき、ベッド2のリクライニング角度を判定しても良い。
【0066】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6は、センサ群3に圧電センサ3A、静電センサ3B及びジャイロセンサ3Cといった3種類のセンサを設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、圧電センサ3Aを省略しても良く、又は、他の種々のセンサを追加しても良い。
【0067】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6は、ベッド2に設けられたセンサ群3から取得した静電センサ値及びリクライニング角度に基づき在床離床状態を判定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、例えば、背もたれがリクライニングする椅子等、リクライニング機能を有する他の種々の装置に設けられたセンサ群3から取得した静電センサ値及びリクライニング角度に基づき在床離床状態を判定しても良い。
【0068】
さらに上述した実施の形態においては、介護施設に設けられたベッド2における利用者の在床離床状態の判定に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、病院に設けられたベッドにおける入院患者の在床離床状態の判定、家庭に設けられたベッドにおける新生児の在床離床状態の判定、幼稚園や保育園に設けられたベッドにおける園児の在床離床状態の判定や、事業所の仮眠所等に設けられたベッドにおける利用者の在床離床状態の判定等、在床離床状態の判定を必要とするような他の種々の場所に本発明を適用しても良い。またさらに、利用者の在床離床状態の判定以外にも、利用者の他の種々の状態としての姿勢等の判定にも本発明を適用しても良い。
【0069】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6は、利用者の在床離床状態を通知する在床通知画面又は離床通知画面を表示端末8に出力し、表示端末8の表示部64に表示させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、例えば介護職員室に離床センササーバ6が設置されている場合等に、在床通知画面又は離床通知画面を表示部34(
図4)に出力し、該離床センササーバ6の表示部34に在床通知画面又は離床通知画面を表示させても良い。
【0070】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6は、表示端末8の表示部64に在床通知画面又は離床通知画面を表示させることにより、介護職員等に対して利用者の在床離床状態を通知する場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、例えば表示端末8にスピーカを設け、音声により利用者の在床離床状態を通知しても良い。又は離床センササーバ6は、例えばネットワーク9に無線LAN等によって接続された携帯情報端末を介護職員等が使用する場合に、該携帯情報端末に対し電子メール等によって利用者の在床離床状態を記載したメールを送信しても良く、或いは、該携帯情報端末の表示画面に在床離床状態通知画面を表示させても良い。すなわち離床センササーバ6は、種々の通知手法により介護職員等に対し利用者の在床離床状態を通知しても良い。さらに離床センササーバ6は、状態判定部44による在床離床状態の判定結果を、他の種々の出力先に出力しても良い。
【0071】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6は、所定時間(例えば3秒間)毎に在床離床状態判定処理手順RT1(
図7)を繰り返す場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、例えば離床センサ端末4から離床データD1を取得する度に在床離床状態判定処理手順RT1を実行したり、表示端末8の操作部65を介して介護職員等から所定の操作を受け付けることを契機として、在床離床状態判定処理手順RT1を実行したりしても良い。
【0072】
さらに上述した実施の形態においては、離床センサ端末4から離床センササーバ6へ送信される離床データD1(
図3)の項目として、日時、端末ID、姿勢状態、圧電センサ値、静電センサ値、心拍数、呼吸数及びリクライニング角度を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床データD1の項目として、例えば姿勢状態等の一部の項目を省略しても良く、また他の項目を追加しても良い。要は離床データD1は、少なくとも静電センサ値及びリクライニング角度が含まれていれば良い。
【0073】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6は、表示部34及び操作部35を有する場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、例えば表示部34及び操作部35の少なくとも一方を省略しても良い。離床センサ端末4の表示部14及び操作部15、並びに表示端末8の操作部65についても同様である。
【0074】
さらに上述した実施の形態においては、介護システム1に複数のセンサ群3及び離床センサ端末4を設ける一方、離床センササーバ6を1台のみ設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば離床センササーバ6を複数台設け、対応するセンサ群3及び離床センサ端末4を各離床センササーバ6に分担させても良い。
【0075】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6で行う処理の一部を、離床センサ端末4や表示端末8において実行するようにしても良い。
【0076】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6は、離床センササーバ6の制御部31において各種プログラムを実行することにより、データ管理部41、状態判定部44及び出力処理部45の各ブロックをソフトウェアによる機能ブロックとして構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、データ管理部41、状態判定部44及び出力処理部45をハードウェアにより構成しても良く、又は、ハードウェア及びソフトウェアの協働により実現しても良い。離床センサ端末4についても同様である。
【0077】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6は、離床センササーバ6の制御部31が記憶部32に予め記憶されている各種プログラムを読み出して実行する場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、例えばネットワーク9に接続された所定のサーバ装置(図示せず)から取得し、又はUSB(Universal Serial Bus)メモリのような着脱可能な記憶媒体から読み出すことにより、各種プログラムを取得して実行しても良い。離床センサ端末4及び表示端末8についても同様である。
【0078】
さらに上述した実施の形態においては、ネットワーク9を有線LANやWiFi等の無線LANにより構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ネットワーク9を例えばLoRa(登録商標)やSmartHop(登録商標)等の他の種々のネットワークにより構成しても良い。
【0079】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用した実施の形態や、抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加した実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【0080】
さらに上述した実施の形態において離床センササーバ6は、取得部としてのデータ管理部41と、状態判定部としての状態判定部44と、出力部としての出力処理部45とによって、状態判定装置としての離床センササーバ6を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、離床センササーバ6は、その他種々の構成でなる取得部と、記憶部と、状態判定部と、出力部とによって、状態判定装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、例えば介護施設に設置される介護システムで利用できる。
【符号の説明】
【0082】
1……介護システム、2……ベッド、3……センサ群、3A……圧電センサ、3B……静電センサ、3C……ジャイロセンサ、4……離床センサ端末、6……離床センササーバ、8……表示端末、10……バス、11……制御部、12……記憶部、13……通信部、14……表示部、15……操作部、30……バス、31……制御部、32……記憶部、33……通信部、34……表示部、35……操作部、41……データ管理部、44……状態判定部、45……出力処理部、51……データ記憶部、53……体格情報記憶部、54……判定閾値表記憶部、55……判定閾値表、61……制御部、62……記憶部、63……通信部、64……表示部、65……操作部、60……バス、D1……離床データ。