(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111654
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】インク調整方法および印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41F 31/02 20060101AFI20240809BHJP
B41F 17/22 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
B41F31/02 A
B41F17/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016284
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末森 亮介
(72)【発明者】
【氏名】白坂 竜矢
(72)【発明者】
【氏名】尾関 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】石井 佑直
【テーマコード(参考)】
2C250
【Fターム(参考)】
2C250DB02
2C250EA02
2C250EA03
2C250EA23
2C250EB34
(57)【要約】
【解決手段】金属缶に印刷する印刷図柄に応じて、印刷装置のインク供給量を調整するためのインク調整方法であって、予め定められた第1印刷機会において、前記印刷装置で供給されたインクの第1初期供給量と、前記印刷装置において追加で供給されたインクの第1追加供給量とを含むインク供給量のインク供給データを取得する段階と、前記インク供給データを蓄積したインク供給情報を表示する段階と、前記インク供給情報に基づいて、予め定められた予測対象図柄を印刷するためのインク供給量を取得する段階と、前記インク供給量の予測結果を出力する段階と、を備えるインク調整方法を提供する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属缶に印刷する印刷図柄に応じて、印刷装置のインク供給量を調整するためのインク調整方法であって、
予め定められた第1印刷機会において、前記印刷装置で供給されたインクの第1初期供給量と、前記印刷装置において追加で供給されたインクの第1追加供給量とを含むインク供給量のインク供給データを取得する段階と、
前記インク供給データを蓄積したインク供給情報を表示する段階と、
前記インク供給情報に基づいて、予め定められた予測対象図柄を印刷するためのインク供給量を取得する段階と、
前記インク供給量の予測結果を出力する段階と、
を備えるインク調整方法。
【請求項2】
前記インク供給データを蓄積した情報を前記インク供給情報として記憶部に記憶する段階を備える
請求項1に記載のインク調整方法。
【請求項3】
前記第1印刷機会は、前記印刷図柄の試し刷り工程および連続生産工程を含む、
請求項1に記載のインク調整方法。
【請求項4】
前記第1印刷機会で使用された前記第1初期供給量および前記第1追加供給量に基づいて、前記第1印刷機会よりも後の機会に実行される第2印刷機会に用いられる第2初期供給量を予測する段階を備える
請求項1に記載のインク調整方法。
【請求項5】
前記第2初期供給量は、前記第1初期供給量および前記第1追加供給量の合計である第1インク総供給量よりも少ない
請求項4に記載のインク調整方法。
【請求項6】
前記第2印刷機会において供給された、前記第2初期供給量および第2追加供給量に基づいて、前記第2印刷機会よりも後の機会に実行される第3印刷機会で用いられる第3初期供給量を予測する段階を備える
請求項4に記載のインク調整方法。
【請求項7】
前記インク供給情報は、前記印刷装置のダクターローラの分割領域毎のインク供給量を示すダクター供給データを含み、
前記インク供給量の変更履歴は、前記試し刷り工程および/または前記連続生産工程における前記ダクター供給データの変更履歴を含む
請求項3に記載のインク調整方法。
【請求項8】
前記連続生産工程における前記ダクター供給データの前記変更履歴に基づいて、第2印刷機会または第3印刷機会の連続生産工程のためのダクター供給データを予測する段階を備える
請求項7に記載のインク調整方法。
【請求項9】
前記印刷図柄の画像データに基づいて、前記印刷装置のダクターローラの分割領域毎に、前記予測対象図柄の図柄面積率を測定する段階と、
前記図柄面積率に基づいて、前記予測対象図柄を印刷するための前記ダクター供給データの基準値を作成する段階と、
前記基準値および前記インク供給情報に基づいて、前記ダクター供給データを予測する段階と、
を備える請求項7に記載のインク調整方法。
【請求項10】
前記インク供給情報を記憶する段階は、印刷時の環境に関するデータを含み、前記インク供給データと紐づけられた環境データを記憶する段階を含み、
前記インク供給量の予測結果を取得する段階は、前記インク供給データおよび前記環境データに基づいて、前記予測対象図柄に対応する前記インク供給量の予測結果を取得する段階を含む、
請求項7に記載のインク調整方法。
【請求項11】
前記インク供給量の予測結果を取得する段階は、前記インク供給情報から予め定められた条件に該当するデータを除外して、前記インク供給量の予測結果を取得する段階を含む
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項12】
同一の前記印刷装置で用いられる直前の印刷機会と、インカー番号およびインクの種類が同一の場合に、アラート情報を記録する段階を備える
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項13】
前記インク供給情報は、複数の前記印刷図柄の前記インク供給データを含み、
前記インク供給量の予測結果を取得する段階は、前記予測対象図柄と同一の前記印刷図柄の前記インク供給データを用いて前記インク供給量の予測結果を取得する段階を含む
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項14】
前記インク供給情報は、複数のインク種のそれぞれに対応する前記インク供給データを含み、
前記インク供給情報は、前記インク供給データに対応するインク種のインカー番号および前記インク供給データに対応するインク種の色データを含む
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項15】
前記インク供給情報は、複数のインク種のそれぞれに対応する前記インク供給データを含み、
前記インク供給情報は、前記インク供給データに対応する印刷図柄に関する製品データを含む
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項16】
前記インク供給情報の前記インク供給データは、前記印刷図柄のネガ番号と紐づけられている
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項17】
前記インク供給情報の前記インク供給データは、インク供給時の環境データおよび日付データと紐づけられている
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項18】
前記インク供給情報は、前記印刷図柄に応じた試し刷り工程の所要時間および試し刷りの回数を含む
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項19】
前記インク供給量を予測する段階は、前記印刷図柄に応じて設定された補正値を用いて、前記予測対象図柄に対応する前記インク供給量を予測する段階を含む
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項20】
前記インク供給量を予測する段階は、前記印刷図柄を印刷するための生産ライン毎に前記補正値を設定する段階を含む
請求項19に記載のインク調整方法。
【請求項21】
前記インク供給量を予測する段階は、前記印刷図柄の印刷版種毎に前記補正値を設定する段階を含む
請求項19に記載のインク調整方法。
【請求項22】
前記インク供給量を予測する段階は、インク種毎に前記補正値を設定する段階を含む
請求項19に記載のインク調整方法。
【請求項23】
前記インク供給データを取得する段階は、予め定められた入力部から入力された入力情報から前記インク供給データを取得する段階を含む
請求項1から10のいずれか一項に記載のインク調整方法。
【請求項24】
金属缶に印刷する印刷図柄に応じてインク供給量を調整する印刷装置であって、
予め定められた第1印刷機会において、前記印刷装置で供給されたインクの第1初期供給量と、前記印刷装置において追加で供給されたインクの第1追加供給量とを含むインク供給量のインク供給データを取得するインク供給データ取得部と、
前記インク供給データを蓄積した情報をインク供給情報として記憶する記憶部と、
前記インク供給情報を表示する表示部と、
前記インク供給情報に基づいて、予め定められた予測対象図柄を印刷するためのインク供給量を取得するインク供給量取得部と、
前記インク供給量の予測結果を出力する出力部と、
を備える印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク調整方法および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、「濃度不良品の発生を防止することができる缶印刷装置」が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
特許文献1 特許6310665号公報
【0003】
過去の印刷機会に印刷装置で供給したインク供給量に基づいて、将来のインク供給量を予測することが好ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様においては、金属缶に印刷する印刷図柄に応じて、印刷装置のインク供給量を調整するためのインク調整方法であって、予め定められた第1印刷機会において、前記印刷装置で供給されたインクの第1初期供給量と、前記印刷装置において追加で供給されたインクの第1追加供給量とを含むインク供給量のインク供給データを取得する段階と、前記インク供給データを蓄積したインク供給情報を表示する段階と、前記インク供給情報に基づいて、予め定められた予測対象図柄を印刷するためのインク供給量を取得する段階と、前記インク供給量の予測結果を出力する段階と、を備えるインク調整方法を提供する。
【0005】
上記インク調整方法は、前記インク供給データを蓄積した情報を前記インク供給情報として記憶部に記憶する段階を備えてよい。
【0006】
上記いずれかのインク調整方法において、前記第1印刷機会は、前記印刷図柄の試し刷り工程および連続生産工程を含んでよい。
【0007】
上記いずれかのインク調整方法は、前記第1印刷機会で使用された前記第1初期供給量および前記第1追加供給量に基づいて、前記第1印刷機会よりも後の機会に実行される第2印刷機会に用いられる第2初期供給量を予測する段階を備えてよい。
【0008】
上記いずれかのインク調整方法において、前記第2初期供給量は、前記第1初期供給量および前記第1追加供給量の合計である第1インク総供給量よりも少なくてよい。
【0009】
上記いずれかのインク調整方法において、前記第2印刷機会において供給された、前記第2初期供給量および第2追加供給量に基づいて、前記第2印刷機会よりも後の機会に実行される第3印刷機会で用いられる第3初期供給量を予測する段階を備えてよい。
【0010】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給情報は、前記印刷装置のダクターローラの分割領域毎のインク供給量を示すダクター供給データを含んでよい。前記インク供給量の変更履歴は、前記試し刷り工程および/または前記連続生産工程における前記ダクター供給データの変更履歴を含んでよい。
【0011】
上記いずれかのインク調整方法は、前記連続生産工程における前記ダクター供給データの前記変更履歴に基づいて、第2印刷機会または第3印刷機会の連続生産工程のためのダクター供給データを予測する段階を備えてよい。
【0012】
上記いずれかのインク調整方法は、前記印刷図柄の画像データに基づいて、前記印刷装置のダクターローラの分割領域毎に、前記予測対象図柄の図柄面積率を測定する段階と、前記図柄面積率に基づいて、前記予測対象図柄を印刷するための前記ダクター供給データの基準値を作成する段階と、前記基準値および前記インク供給情報に基づいて、前記ダクター供給データを予測する段階と、を備えてよい。
【0013】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給情報を記憶する段階は、印刷時の環境に関するデータを含み、前記インク供給データと紐づけられた環境データを記憶する段階を含んでよい。前記インク供給量の予測結果を取得する段階は、前記インク供給データおよび前記環境データに基づいて、前記予測対象図柄に対応する前記インク供給量の予測結果を取得する段階を含んでよい。
【0014】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給量の予測結果を取得する段階は、前記インク供給情報から予め定められた条件に該当するデータを除外して、前記インク供給量の予測結果を取得する段階を含んでよい。
【0015】
上記いずれかのインク調整方法は、同一の前記印刷装置で用いられる直前の印刷機会と、インカー番号およびインクの種類が同一の場合に、アラート情報を記録する段階を備えてよい。
【0016】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給情報は、複数の前記印刷図柄の前記インク供給データを含んでよい。前記インク供給量の予測結果を取得する段階は、前記予測対象図柄と同一の前記印刷図柄の前記インク供給データを用いて前記インク供給量の予測結果を取得する段階を含んでよい。
【0017】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給情報は、複数のインク種のそれぞれに対応する前記インク供給データを含んでよい。前記インク供給情報は、前記インク供給データに対応するインク種のインカー番号および前記インク供給データに対応するインク種の色データを含んでよい。
【0018】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給情報は、複数のインク種のそれぞれに対応する前記インク供給データを含んでよい。前記インク供給情報は、前記インク供給データに対応する印刷図柄に関する製品データを含んでよい。
【0019】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給情報の前記インク供給データは、前記印刷図柄のネガ番号と紐づけられていてよい。
【0020】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給情報の前記インク供給データは、インク供給時の環境データおよび日付データと紐づけられていてよい。
【0021】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給情報は、前記印刷図柄に応じた試し刷り工程の所要時間および試し刷りの回数を含んでよい。
【0022】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給量を予測する段階は、前記印刷図柄に応じて設定された補正値を用いて、前記予測対象図柄に対応する前記インク供給量を予測する段階を含んでよい。
【0023】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給量を予測する段階は、前記印刷図柄を印刷するための生産ライン毎に前記補正値を設定する段階を含んでよい。
【0024】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給量を予測する段階は、前記印刷図柄の印刷版種毎に前記補正値を設定する段階を含んでよい。
【0025】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給量を予測する段階は、インク種毎に前記補正値を設定する段階を含んでよい。
【0026】
上記いずれかのインク調整方法において、前記インク供給データを取得する段階は、予め定められた入力部から入力された入力情報から前記インク供給データを取得する段階を含んでよい。
【0027】
本発明の第2の態様においては、上記いずれかのインク調整方法において、金属缶に印刷する印刷図柄に応じてインク供給量を調整する印刷装置であって、予め定められた第1印刷機会において、前記印刷装置で供給されたインクの第1初期供給量と、前記印刷装置において追加で供給されたインクの第1追加供給量とを含むインク供給量のインク供給データを取得するインク供給データ取得部と、前記インク供給データを蓄積した情報をインク供給情報として記憶する記憶部と、前記インク供給情報を表示する表示部と、前記インク供給情報に基づいて、予め定められた予測対象図柄を印刷するためのインク供給量を取得するインク供給量取得部と、前記インク供給量の予測結果を出力する出力部と、を備える印刷装置を提供する。
【0028】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1B】インク調整方法のフローチャートの概要を示す。
【
図2A】金属缶300に図柄を印刷するための印刷装置100一例である。
【
図2B】プレートシリンダ214の拡大図の一例である。
【
図2C】インクステーション212の構成の一例を示す。
【
図3A】第1印刷機会201におけるインク供給量の一例を示す。
【
図3B】第2印刷機会202におけるインク供給量の一例を示す。
【
図5】試し刷り工程と連続生産工程におけるインク供給例を示す。
【
図6】表示部30に表示するインク供給量の設定画面400の一例を示す。
【
図8】本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0031】
図1Aは、印刷装置100の構成の一例を示す。印刷装置100は、第1印刷機会201で取得した情報に基づいて、第2印刷機会202における動作条件を設定する。第1印刷機会201は、印刷図柄の試し刷り工程および連続生産工程を含んでよい。
【0032】
印刷装置100は、インク供給データ取得部10と、記憶部20と、表示部30と、インク供給量取得部40と、出力部50とを備える。本例の印刷装置100は、入力部12と、情報取得部60と、補正値取得部70とをさらに備える。本例の印刷装置100は、金属缶300に印刷する印刷図柄に応じてインク供給量を調整する。
【0033】
インク供給データ取得部10は、第1印刷機会201において、印刷装置100で供給されたインクの第1初期供給量311と、印刷装置100において追加で供給されたインクの第1追加供給量312とを含むインク供給量のインク供給データDpを取得する。第1初期供給量311および第1追加供給量312については後述する。
【0034】
インク供給データDpは、インクの初期供給量、インクの追加供給量、インクの追加供給回数、試し刷り回数、試し刷り所要時間または連続生産時のインク供給量などの過去の操作履歴を含んでよい。インク供給データDpは、第1印刷機会201で使用した印刷ラインの種類、印刷図柄の種類、インクの種類または印刷版の版種等の情報を含んでよい。
【0035】
インク供給データDpは、予測時に使用する印刷装置100と異なる印刷装置100を使用した場合の過去のデータを含んでよい。インク供給データDpは、予測時に使用する印刷ラインと異なる印刷ラインを使用した場合の過去のデータを含んでよい。インク供給データDpは、予測時に使用する予測対象図柄と異なる印刷図柄を使用した場合の過去のデータを含んでよい。
【0036】
入力部12は、作業者が予め定められた入力情報を入力するために用いられる。入力部12は、作業者が入力情報を入力するためのタッチパネル、キーボードまたはマウスなどを含んでよい。入力部12は、入力情報をインク供給データ取得部10に入力してよい。即ち、インク供給データ取得部10は、入力部12から入力された入力情報からインク供給データDpを取得してよい。なお、入力部12は、記憶部20に入力情報を直接入力して、記憶部20に記憶させてもよい。
【0037】
記憶部20は、インク供給データDpを蓄積した情報をインク供給情報Ipとして記憶する。即ち、記憶部20は、複数の印刷機会で取得したインク供給データDpを蓄積して記憶してよい。記憶部20は、金属缶300に印刷するためのプリンタに備え付けられてもよいし、プリンタとネットワークを介して接続された外部の記憶装置であってもよいし、クラウド上に設けられてもよい。
【0038】
インク供給情報Ipは、印刷装置100の動作条件を予測するための任意の情報を含んでよい。インク供給情報Ipは、インク供給データDpを含んでよく、インク供給データDpの各データを他のデータと紐づけた紐づけデータを含んでよい。インク供給情報Ipは、印刷装置100とインク供給データDpとを紐づけた情報であってよく、印刷ラインとインク供給データDpとを紐づけた情報であってよく、印刷図柄とインク供給データDpとを紐づけた情報であってよい。インク供給情報Ipは、インクの種類とインク供給データDpとを紐づけた情報であってよい。
【0039】
表示部30は、インク供給情報Ipを表示する。表示部30は、作業者が確認可能なモニタであってよい。表示部30は、作業者が有する携帯端末等のディスプレイであってもよい。表示部30は、テーブル形式でインク供給情報Ipを表示してもよいし、グラフ等の図表を用いてインク供給情報Ipを表示してもよい。表示部30は、インク供給情報Ipが紐づけデータを含む場合、データ間の紐づけが作業者に分かるように表示してよい。
【0040】
インク供給量取得部40は、インク供給情報Ipに基づいて、予め定められた予測対象図柄を印刷するためのインク供給量を取得する。インク供給量取得部40は、予測対象図柄に応じてインク供給量を予測してもよいし、予測されたインク供給量を外部から取得してもよい。インク供給量取得部40は、表示部30に表示されたインク供給情報Ipに基づいて作業者が決定したインク供給量を取得してもよい。この場合、インク供給量取得部40は、入力部12を用いて作業者が入力したインク供給量を取得してよい。
【0041】
出力部50は、インク供給量の予測結果Rpを出力する。出力部50は、インク供給量の予測結果Rpをモニタに表示してもよいし、他の印刷装置100等に送信してもよい。出力部50は、記憶部20等の記憶デバイスに送信して記憶してもよい。出力部50は、インク供給量の予測結果Rpを数値で出力してもよいし、グラフ等の視覚的に分かりやすい方法で出力してもよいし、音声等の他の方法で出力してもよい。
【0042】
情報取得部60は、インク供給量を予測するために必要な情報を取得する。情報取得部60は、第1印刷機会201の印刷時の気温または湿度などの環境データDaを取得してよい。情報取得部60は、印刷日時などの日付データDdを取得してよい。情報取得部60は、取得した環境データDaおよび日付データDdを記憶部20に記憶してよい。例えば、情報取得部60は、環境データDaおよび日付データDdをインク供給データDpと紐づけて記憶部20に記憶する。インク供給量取得部40は、インク供給データDp、環境データDaおよび日付データDdに基づいて、予測対象図柄に対応するインク供給量の予測結果Rpを取得してよい。
【0043】
補正値取得部70は、環境データDa等による影響を補正して、適切な予測結果Rpを取得するための補正値Vcを取得する。印刷装置100は、補正値取得部70が取得した補正値Vcに基づいて、インク供給量の予測結果Rpを取得することで、より精度の高い予測結果Rpを提供することができる。即ち、本例の印刷装置100は、環境データDaのようにインクの物性などに与える影響を考慮してインク供給量を予測することができる。補正値取得部70は、工場毎に補正値Vcを設定してもよいし、印刷装置100毎または印刷装置100を構成する各部位毎に補正値Vcを設定してもよい。補正値取得部70は、印刷図柄の図柄面積率に応じて、インキ種毎に補正値Vcを取得してもよい。
【0044】
印刷装置100は、インク供給量を予測することにより、インクの追加供給回数を少なくしてインキ量調整の時間(試し刷り工程の時間)を短縮することができる。印刷装置100は、インク供給量を予測することで、インクの膜厚を調整して印刷図柄の色の濃淡を調整することができる。本例の印刷装置100は、インク供給データDpを蓄積したインク供給情報Ipを記憶することにより、熟練技術を蓄積して共有することができる。これにより、作業者の熟練度によらず印刷品質を安定させることができる。
【0045】
図1Bは、インク調整方法のフローチャートの概要を示す。本例では、第1印刷機会201に基づいて第2印刷機会202のインク供給量を予測する場合について説明するが、2つ以上の印刷機会に基づいて、将来のインク供給量を予測してよい。
【0046】
第1印刷機会201は、試し刷り工程(ステップS210)および連続生産工程(ステップS212)を含む。第1印刷機会201は、第2印刷機会202の過去の印刷機会であって、第2印刷機会202におけるインク供給量の予測のために用いられ得る印刷機会である。第1印刷機会201は、第2印刷機会202と同一の印刷ラインでの印刷機会であってもよいし、異なる印刷ラインの印刷機会であってもよい。また、第1印刷機会201の印刷の図柄と第2印刷機会202の印刷の図柄は同一であってもよいし、異なる図柄であってもよい。インク供給量の予測は試し刷り工程(ステップS210)の試し刷り1回目の結果に基づいて行ってもよい。この時、試し刷り1回目終了時に、予測したインク供給量を記憶部20に入力する入力画面を表示させてもよい。
【0047】
第2印刷機会202は、予測結果Rpを取得する工程(ステップS220)と、試し刷り工程(ステップS222)と、連続生産工程(ステップS224)とを含む。ステップS220において、第1印刷機会201に基づいてインク供給量の予測結果Rpを取得する。第2印刷機会202では、予測結果Rpに基づいたインク供給量を用いて試し刷り工程(ステップS222)を実行することにより、試し刷り工程の時間を短縮できる。ステップS222においては、試し刷り工程の開始前にローラに付着したインキを洗浄してよい。
【0048】
図2Aは、金属缶300に図柄を印刷するための印刷装置100一例である。印刷装置100は、印刷部210および容器供給搬出部220を備え、金属缶300に予め定められた図柄を印刷する。
【0049】
印刷部210は、金属缶300に予め定められた図柄を印刷する。印刷部210は、インクステーション(インカー)212と、プレートシリンダ214と、ブランケット215と、ブランケット胴217と、回転軸218とを備える。本例の印刷部210は、8種類のインクステーション212およびプレートシリンダ214を有するが、インクの種類はこれに限定されない。
【0050】
インクステーション212は、予め定められた色のインクを貯留して、プレートシリンダ214が支持する印刷版に供給する。インクステーション212は、インクを供給するためのフォームローラを有してよい。インクステーション212は、フォームローラを介して、プレートシリンダ214が有する印刷版へインクを供給する。
【0051】
ブランケット215は、各インクステーション212により載置されたインクを移送するゴム状の部材である。ブランケット215は、ブランケット胴217の外周に支持される。ブランケット215は、回転軸218を中心としたブランケット胴217の回転に応じて、各インクステーション212と対応する位置に移送される。ブランケット215が各プレートシリンダ214の印刷版に次々に接触して、ブランケット215上にインクが載置される。
【0052】
ブランケット215は、ブランケット胴217とマンドレルターレット224との間に移送され、ブランケット胴217および金属缶300の間で押圧される。これにより、ブランケット215に載置されたインクは、金属缶300へと転写される。
【0053】
容器供給搬出部220は、シュータ222と、マンドレルターレット224と、トランスファターレット226と、バニッシュコーティング部228と、搬出経路229とを有する。金属缶300は、シュータ222を通過して、マンドレルターレット224に搬送される。
【0054】
マンドレルターレット224は、ブランケット胴217と対向して設けられる。マンドレルターレット224は、マンドレルにて金属缶300を保持して回転して、金属缶300をブランケット215と対向する位置に移動する。そして、マンドレルターレット224とブランケット胴217との間において、金属缶300が印刷される。
【0055】
その後、金属缶300は、トランスファターレット226を介して、搬出経路229に搬出される。バニッシュコーティング部228は、マンドレルターレット224に併設され、印刷処理後の金属缶300にオーバーバニッシュ(仕上げ用ニス)を塗布してよい。
【0056】
図2Bは、プレートシリンダ214の拡大図の一例である。プレートシリンダ214には、印刷版240が支持される。インクは、インクステーション212のインク供給機構であるフォームローラ230から、印刷版240を通じてブランケット215へと転写される。
【0057】
印刷版240は、表面上に凸部242を有する。印刷版240は、フォームローラ230等のインクステーション212におけるインク供給機構に接触し、印刷版240の凸部242にインクが付着する。インクが付着した印刷版240は、プレートシリンダ214およびブランケット胴217の回転により、ブランケット胴217の支持部219に支持されるブランケット215の表面に次々に接触する。これにより、印刷版240の凸部242に付着しているインクは、ブランケット215へと転写される。印刷版240は凸部の無い平版であってもよい。
【0058】
印刷版240は、A版である印刷版240aと、B版である印刷版240bとを有する。即ち、本例の印刷装置100は、1つのプレートシリンダ214にA版とB版の2つの印刷版240が取り付けられているが、1つまたは3つ以上の複数の印刷版240が取り付けられてもよい。
【0059】
図2Cは、インクステーション212の構成の一例を示す。インクステーション212は、ファンテン231と、ファンテンローラ232と、ダクターローラ234と、インカーローラ236とを有する。
【0060】
ファンテン231は、インクステーション212から印刷版240に供給するためのインクを保持する。ファンテンローラ232は、ファンテン231で保持されたインクと接触した状態で、予め定められた速度で回転する。
【0061】
ダクターローラ234は、ファンテンローラ232およびインカーローラ236との接触時間を制御して、インクステーション212によるインキ供給量を制御する。ダクターローラ234は、ファンテンローラ232と接触する位置と、インカーローラ236と接触する位置との間で移動可能であってよい。本例のダクターローラ234は、軸方向に等分割された円筒状の複数の分割ローラを有する。即ち、ダクターローラ234は、複数の分割ローラ毎にファンテンローラ232との接触時間を制御することで、ダクターローラ234の各分割領域にインク供給量を制御することができる。複数の分割ローラ毎のインク供給量を示すデータをダクター供給データと称する。
【0062】
インカーローラ236は、ダクターローラ234から受け取ったインクを他の複数のローラを介して、フォームローラ230に供給する。これにより、インクステーション212は、予測対象図柄に対してダクターローラ234の各分割領域に任意のインク供給量で各色のインクを提供することができる。
【0063】
図3Aは、第1印刷機会201の試し刷り工程S210におけるインク供給量の一例を示す。試し刷り工程S210では、第1初期供給量311にて1回目の試し刷りを行う。その結果を基に第1追加供給量312を決めて第1追加供給を行い、2回目の試し刷りを行う。その結果を基に再度、第1追加供給量312を決めて2回目の第1追加供給を行い、3回目の試し刷りを行う。この試し刷りの作業を所望の図柄になるまで繰り返してよい。本図は、8色のインクのそれぞれについて、第1初期供給量311および第1追加供給量312を示している。
【0064】
第1初期供給量311は、第1印刷機会201において、印刷装置100で供給したインクの供給量である。第1初期供給量311は、印刷図柄によらずダクターローラ234の全ての分割領域において一定であるローラ補給と、ダクターローラ234の各分割領域に対応する印刷図柄の面積に応じて定めた図柄補給の2つの方法で設定されたインク供給量を含んでよい。第1初期供給量311は、印刷図柄によらないローラ補給のみで供給されてよい。
【0065】
ローラ補給では、ダクターローラ234の分割領域毎にインク供給量が一定である。ローラ補給は、固定のダクター供給データ×ダクター往復回数で定義されてよい。印刷装置100は、ダクター供給データを印刷機会によらず一律値として、ダクター往復回数を予測してよい。印刷装置100は、ダクター供給データおよびダクター往復回数の両方を印刷機会毎に予測してもよい。
【0066】
図柄補給では、ダクターローラ234の分割領域毎にインク供給量が異なってよい。図柄補給は、図柄面積に応じたダクター供給データ×ダクター往復回数で定義されてよい。印刷装置100は、図柄面積に応じたダクター供給データと、ダクター往復回数との両方を予測してよい。印刷装置100は、ダクター供給データまたはダクター往復回数のいずれかを印刷機会によらず一律値として、他方を予測してもよい。
【0067】
第1追加供給量312は、第1印刷機会201において、印刷装置100において追加で供給されたインクの供給量である。第1追加供給量312は、印刷図柄に応じて供給量が決定される図柄補給で供給されてよい。第1追加供給量312は、ローラ補給と図柄補給の組み合わせで供給されてもよい。例えば、黄色のインカーでは、第1追加供給量312としてインクが3回、第1追加供給されている。
【0068】
図3Bは、第2印刷機会202におけるインク供給量の一例を示す。本例の印刷装置100は、第1印刷機会201で供給したインク供給データDpに基づいて設定された第2初期供給量321を示す。本図は、8色のインクのそれぞれについての第2初期供給量321を示している。
【0069】
第2初期供給量321は、第1印刷機会201でのインク供給量に応じて予測されてよい。第2初期供給量321は、ローラ補給および図柄補給の2つの方法で供給されてよい。第2初期供給量321は、第1初期供給量311および第1追加供給量312の合計である第1インク総供給量よりも少なくてよい。第2初期供給量321を大きくして画像が濃くなり過ぎると、インクステーション212のローラの拭き作業が必要となってしまう場合がある。印刷装置100は、インク供給情報Ipとして、第1初期供給量311および第1追加供給量312の調整過程のデータを蓄積して、第2初期供給量321を適切に設定することにより、第2追加供給量の供給回数(試し刷り回数)を削減して、調整作業を短縮化することができる。
【0070】
図4は、記憶部20に記憶される情報の一例を示す。記憶部20は、インク供給情報Ipとして、試し刷り工程におけるローラ補給と図柄補給のそれぞれの回数を記憶してよい。
【0071】
インク供給情報Ipは、印刷図柄に応じた試し刷り工程における試し刷りの日時、試し刷り1回目からの経過時間、試し刷り工程の所要時間および試し刷りの回数を含んでよい。インク供給情報Ipは、ローラ補給と図柄補給とに分けて、試し刷りの回数を含んでよい。印刷装置100は、試し刷り工程の所要時間が予め定められた時間よりも長い場合に、イレギュラーデータが混じる可能性が高いものとしてアラートを発してよい。イレギュラーが発生すると調整時間および試し刷り回数が増加しやすくなるので、アラートを表示することでイレギュラーの発生を作業者に知らせることができる。
【0072】
なお、印刷装置100は、インク供給情報Ipから予め定められた条件に該当するデータを除外して、インク供給量の予測結果Rpを取得してよい。これにより、過去の履歴からのイレギュラーな値を除外して、インク供給量を予測することができる。例えば、印刷装置100は、イレギュラー発生による長い停止時間等の影響を考慮して、予測結果Rpを取得してよい。印刷装置100は、画面上の表示色を変更することでアラートを通知してもよいし、音声でアラートを通知してもよい。印刷装置100は、不具合の原因となり得る工程を特定して、アラートと共に作業者に通知してもよい。
【0073】
インク供給情報Ipは、複数のインク種のそれぞれに対応するインク供給データDpを含んでよい。インク供給情報Ipは、インク供給データDpに対応するインク種のインカー(インクステーション)番号およびインク供給データDpに対応するインク種の色データを含んでよい。これにより、金属缶300の下地またはベース色の種類に応じて、インク供給量を調整することができる。
【0074】
インク供給情報Ipは、インク供給データDpに対応する印刷図柄に関する製品データを含んでよい。製品データは、品名、缶型、ネガ番号等の印刷図柄が印刷された金属缶300の製品に関する他の情報を含んでよい。印刷装置100は、光学的文字認識(OCR)などの技術を用いて金属缶300に印刷された文字を読み込むことにより、金属缶300の製品データを取得してよい。印刷装置100は、金属缶300に印字された個体番号またはコードを読み取り、サーバーから金属缶300の製品データを取得してよい。
【0075】
インク供給情報Ipのインク供給データDpは、印刷図柄のネガ番号と紐づけられてよい。印刷装置100は、インク供給データDpとネガ番号とを紐づけて記憶することにより、印刷図柄の情報に応じて、将来のインク供給量を予測することができる。印刷装置100は、図柄面積率、インク種およびインク供給量などのデータをそれぞれ紐づけて記憶してよい。
【0076】
インク供給情報Ipのインク供給データDpは、インク供給時の環境データDaおよび日付データDdと紐づけられていてよい。印刷装置100は、インク供給時の環境データDaおよび日付データDdと、インク供給データDpとを紐づけて記憶することにより、環境データDaをより高精度に反映させて将来のインク供給量を予測することができる。
【0077】
印刷装置100は、操作履歴を印刷図柄毎に記憶して、その記録データに基づいて作業者に適切なインク供給量を提示することができる。また、印刷装置100は、予測したインク供給量にはイレギュラーが含まれることを明記することで、作業者により状況に即した対応を促すことができる。本例の印刷装置100は、新しい印刷図柄についても、初期設定からインク供給量を決定する必要がなく、過去の生産実績の設定データを流用することで、より適切値に近い状態から試し刷りを開始することができる。
【0078】
図5は、試し刷り工程と連続生産工程におけるインク供給例を示す。縦軸はインク供給量を示し、横軸は時刻を示す。
【0079】
試し刷り工程においては、予め定められたインク供給量を供給して、試し刷り工程を開始する。印刷装置100は、連続生産工程前に、印刷図柄およびインク色等に応じて、インク供給量を増加させてよい。例えば、特定の色が連続生産によって薄くなると予測した場合、連続生産工程前に一時的に該当するインクのインク供給量を増加させてよい。試し刷り工程におけるインクの供給は、印刷された金属缶300の出来栄えを確認しながら任意の間隔で実行されてよい。
【0080】
連続生産工程においては、予め定められた缶数毎にインクが供給されてよい。例えば、印刷装置100は、12缶に1回の頻度でインクを供給してよい。また、印刷装置100は、連続生産工程においては図柄補給でインクを供給してよい。例えば、連続生産工程における図柄補給は、図柄面積に応じたダクター供給データ×12缶毎に1回で定義される。図柄補給の頻度は、固定であってもよいし、可変であってもよい。また、ダクター供給データを変更してもよい。なお、印刷装置100は、試し刷り工程および連続生産工程におけるインク供給量の変更履歴を記憶部20に記憶してよい。
【0081】
インク供給量の変更履歴は、試し刷り工程および/または連続生産工程におけるダクター供給データの変更履歴を含んでよい。ダクター供給データは、ダクターローラ234の分割領域毎のインク供給量を示すインク供給情報Ipの一例である。これにより、熟練者により近い方法で金属缶300の連続生産を実現して、印刷時の品質を安定化することができる。
【0082】
なお、インク供給データDpに変化点が存在する場合、オーバーホールまたは部品交換の前後でデータが大幅に変わるので、変化点を登録して前後でデータの扱いを分けてよい。印刷装置100は、オーバーホールまたは部品交換が発生した日時を記憶部20に記憶して、表示部30に表示させてもよい。印刷装置100は、インク供給データDpに変化点を記憶部20に記憶してよい。
【0083】
図6は、表示部30に表示するインク供給量の設定画面400の一例を示す。設定画面400は、画像データ410と、インカー選択部420と、ダクター供給データ設定部430とを有する。
【0084】
画像データ410は、金属缶300に印刷する印刷図柄を示す。画像データ410は、印刷版毎の画像を表示してもよいし、印刷図柄の完成形の画像を表示してもよい。
【0085】
インカー選択部420は、設定対象となるインカーを選択するためのボタンを表示している。インカー選択部420のU1~U8は、8つのインクステーション212にそれぞれ対応する。本例では、インクステーション212bに対応するU2が選択されている。よって、本例の画像データ410は、インカー選択部420で選択されたインクステーション212bで印刷するための印刷版の画像を表示している。
【0086】
印刷装置100は、予め決められた生産計画から印刷を行う図柄を決定し、印刷図柄の画像データ410に基づいて、ダクターローラ234の分割領域毎に、予測対象図柄の図柄面積率を測定してよい。インク供給データ取得部10は、図柄面積率をインク供給データDpとして取得してよい。印刷装置100は、図柄面積率に基づいて、予測対象図柄を印刷するためのダクター供給データの基準値を作成してよい。例えば、印刷装置100は、ダクターローラ234の分割領域毎に、予測対象図柄の図柄面積率に応じたダクター供給データの基準値を作成する。予測対象図柄の図柄面積率の測定およびダクター供給データの基準値の作成は印刷装置100とは別の装置で行い、印刷装置100へ入力してもよい。印刷装置100は、ダクター供給データの基準値およびインク供給情報Ipに基づいて、ダクター供給データを予測してよい。
【0087】
ダクター供給データ設定部430は、インカー選択部420で選択したインクステーション212のインク供給量を設定する。ダクター供給データ設定部430は、ダクター供給データの基準値を読み込んでもよいし、予測されたダクター供給データを読み込んで表示してよい。本例のダクター供給データ設定部430は、7つの領域に分割されたダクターローラ234の各領域におけるインク供給量を設定している。ダクター供給データ設定部430は、図柄補給のインク供給量を設定してもよいし、ローラ補給のインク供給量を設定してもよい。
【0088】
なお、表示部30は、インキ供給量の設定画面から、過去の変更履歴を示す画面に切り替え可能であってよい。表示部30は、現在の印刷機会のためのインキ供給量の設定画面から、他の印刷機会のためのインキ供給量の設定画面に切り替え可能であってよい。
【0089】
図7Aは、インク供給量の予測方法の一例を示す。本例では、同一の印刷ラインAで同一の図柄Aをリピート印刷する場合について説明する。
【0090】
印刷装置100は、第1印刷機会201を印刷したものと同一の印刷ラインAを用いて第2印刷機会202を印刷する。第1印刷機会201と第2印刷機会202との間には、他の印刷機会が設けられてもよいし、第1印刷機会201の次の印刷機会が第2印刷機会202であってもよい。
【0091】
印刷装置100は、図柄Aを印刷した第1印刷機会201のインク供給量に基づいて、図柄Aを印刷するための第2印刷機会202のインク供給量を予測する。例えば、印刷装置100は、第1印刷機会201で使用された第1初期供給量311および第1追加供給量312に基づいて、第1印刷機会201よりも後の機会に実行される第2印刷機会202に用いられる第2初期供給量321を予測する。
【0092】
ここで、第1印刷機会201の直前の印刷機会と、第1印刷機会201とで同一のインク色を使用する場合に、インカー洗浄およびインク交換を省略してインカーを使用する場合がある。この場合、第1印刷機会201における対応がイレギュラーとなるので、第2印刷機会202のインク供給量を予測する際に、第1印刷機会201におけるインク供給量をそのまま使用することができない。よって、印刷装置100は、同一の印刷装置100で用いられる第1印刷機会201の直前の印刷機会と、第1印刷機会201とで、インカー番号およびインクの種類が同一の場合に、アラート情報を記録してよい。印刷装置100は、第1印刷機会201でアラート情報を記録した場合に、第2印刷機会202において該当するインカー番号を表示部30に表示させてよい。
【0093】
図7Bは、インク供給量の予測方法の変形例を示す。本例では、同一の印刷ラインAで異なる図柄Aおよび図柄Bを印刷する場合について説明する。
【0094】
印刷装置100は、第1印刷機会201で使用したものと同一の印刷ラインAを用いて第2印刷機会202の印刷を実行してよい。本例の印刷装置100は、図柄Aを印刷した第1印刷機会201のインク供給量に基づいて、図柄Bを印刷するための第2印刷機会202のインク供給量を予測する。印刷装置100は、図柄Aと図柄Bとの印刷図柄の相違に基づいて、図柄Bのインク供給量を予測してもよい。例えば、印刷装置100は、図柄Aと図柄Bとの印刷図柄の図柄面積率の相違に基づいて、図柄Bのインク供給量を予測する。印刷装置100は、図柄Aと図柄Bとの印刷図柄の相違に影響しない要因に基づいて、図柄Bのインク供給量を予測してもよい。例えば、気温または湿度などの環境データDaによる傾向、印刷装置100を構成する要素毎の傾向、インク種または印刷版の種類毎の傾向などに基づいて図柄Bのインク供給量を予測する。
【0095】
ここで、第1印刷機会201から第2印刷機会202までの期間が長いと、温度および湿度等の環境の影響が出やすくなる場合がある。印刷装置100は、環境データDaに基づいてインク供給量を予測することにより、第1印刷機会201と第2印刷機会202との間の温度差などの影響を考慮した予測結果Rpを得ることができる。これにより、環境起因の影響を低減して、インク供給量の予測精度を向上することができる。
【0096】
図7Cは、インク供給量の予測方法の変形例を示す。本例では、第1印刷機会201からの予測結果Rpに基づいて印刷された第2印刷機会202のインク供給量に更に基づいて予測結果Rpを算出して、第3印刷機会203のインク供給量を予測する場合について説明する。
【0097】
第3印刷機会203は、第1印刷機会201および第2印刷機会202よりも後に実行される。印刷装置100は、第2印刷機会202において供給された、第2初期供給量321および第2追加供給量に基づいて、第3印刷機会203で用いられる第3初期供給量を予測してよい。本例の第3印刷機会203は、第1印刷機会201および第2印刷機会202と同一の印刷ラインAを用いて印刷するが、第1印刷機会201および第2印刷機会202と異なる印刷ラインを用いて印刷してもよい。
【0098】
また、印刷装置100は、第1印刷機会201の連続生産工程におけるダクター供給データの変更履歴に基づいて、第2印刷機会202または第3印刷機会203の連続生産工程のためのダクター供給データを予測してよい。印刷装置100は、第2印刷機会202の連続生産工程におけるダクター供給データの変更履歴に基づいて、第3印刷機会203の連続生産工程のためのダクター供給データを予測してよい。
【0099】
図7Dは、インク供給量の予測方法の変形例を示す。本例では、印刷装置100が、異なる印刷ラインBのインク供給量に基づいて、印刷ラインAにおける印刷機会のインク供給量を予測する場合について説明する。
【0100】
印刷装置100は、予測対象となる第2印刷機会202の印刷ラインAとは異なる印刷ラインBの第1印刷機会201に基づいて、インク供給量を予測してよい。印刷装置100は、印刷ラインAの第1印刷機会201と、印刷ラインBの第1印刷機会201のそれぞれに基づいて、インク供給量を予測してよい。
【0101】
印刷装置100は、複数の印刷図柄のインク供給データDpから同一の印刷図柄のインク供給データDpに基づいて、インク供給量の予測結果Rpを取得してもよい。即ち、印刷装置100は、予測したい印刷ラインAにおける図柄Cと、異なる印刷ラインBにおける同一の図柄Cの第1印刷機会201に基づいて、インク供給量を予測してよい。例えば、印刷ラインまたは印刷装置100毎の傾向などに基づいて図柄Cのインク供給量を予測してよい。但し、印刷装置100は、複数の印刷図柄のインク供給データDpから異なる印刷図柄のインク供給データDpに基づいて、インク供給量の予測結果Rpを取得してもよい。
【0102】
印刷装置100は、印刷ラインBの第1印刷機会201に基づいて、インク供給量を予測する場合、印刷ラインAと印刷ラインBとのインク供給量の相違に基づいて補正値Vcを決定して、第2印刷機会202のインク供給量を予測してよい。例えば、印刷ラインAの第1印刷機会201の図柄Aと印刷ラインBの第1印刷機会201の図柄Aとのインク供給量の相違に基づいて、補正値Vcを決定して、印刷ラインBの図柄Cのインク供給量に補正値Vc適用することで、印刷ラインAの図柄Cのインク供給量を予測する。
【0103】
図7Eは、インク供給量の予測方法の変形例を示す。本例では、補正値取得部70が取得した補正値Vcに基づいて、インク供給量を予測する場合について説明する。
【0104】
印刷装置100は、印刷図柄に応じて設定された補正値Vcを用いて、予測対象図柄に対応するインク供給量を予測してよい。印刷装置100は、複数の印刷図柄1~nに対してそれぞれ補正値Vc1~Vcnを設定してよい。本例では、補正値Vcを補正係数として説明するがこれに限定されない。
【0105】
印刷装置100は、補正値Vc1~Vcnの分散が予め定められた値よりも小さければ、補正値Vc1~Vcnの平均値を用いて将来のインク供給量を予測してよい。例えば、印刷装置100は、印刷ラインAおよび印刷ラインBの補正値Vcに基づいて、第2印刷機会202のインク供給量を予測する。
【0106】
一方、補正値Vc1~Vcnの分散が予め定められた値よりも大きい場合、補正値Vc1~Vcnの平均値を用いても予測精度が得られない場合がある。この場合、印刷装置100は、インク供給データDp、環境データDaまたは日付データDdなどを用いて、近似するデータの補正値Vcを集めることで、補正値Vc1~Vcnの分散を小さくして、予測精度を向上させることができる。
【0107】
例えば、印刷装置100は、印刷図柄を印刷するための生産ライン毎に補正値Vcを設定する。即ち、印刷装置100は、印刷ラインBの補正値Vcのみを用いて、第2印刷機会202のインク供給量を予測してよい。また、印刷装置100は、印刷図柄の印刷版種毎に補正値Vcを設定してもよい。即ち、印刷装置100は、予測したい図柄Cの補正値Vcのみを用いて、第2印刷機会202のインク供給量を予測してよい。同様に、印刷装置100は、インク種毎に補正値Vcを設定してもよい。即ち、第2印刷機会202の属するデータ群A2が予め定められたインク種で印刷されている場合に、データ群A2と同一のインク種で印刷されたデータ群B2の補正値Vcを用いて、第2印刷機会202のインク供給量を予測してよい。
【0108】
印刷装置100は、過去に一度も生産したことのない印刷図柄に対してもインキ供給量を予測することができる。また、印刷装置100は、補正値Vcを適切に設定することにより、過去に一度も生産したことのない印刷図柄に対する予測精度をさらに向上することができる。
【0109】
図8は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作又は当該装置の1又は複数のセクションとして機能させることができ、又は当該操作又は当該1又は複数のセクションを実行させることができ、及び/又はコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0110】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、及びディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、及びICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230及びキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0111】
CPU2212は、ROM2230及びRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0112】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラム又はデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0113】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0114】
プログラムが、DVD-ROM2201又はICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、又はROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0115】
例えば、通信がコンピュータ2200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0116】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0117】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0118】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上又はコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0119】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0120】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0121】
10・・・インク供給データ取得部、12・・・入力部、20・・・記憶部、30・・・表示部、40・・・インク供給量取得部、50・・・出力部、60・・・情報取得部、70・・・補正値取得部、100・・・印刷装置、201・・・第1印刷機会、202・・・第2印刷機会、203・・・第3印刷機会、210・・・印刷部、212・・・インクステーション、214・・・プレートシリンダ、215・・・ブランケット、217・・・ブランケット胴、218・・・回転軸、219・・・支持部、220・・・容器供給搬出部、222・・・シュータ、224・・・マンドレルターレット、226・・・トランスファターレット、228・・・バニッシュコーティング部、229・・・搬出経路、230・・・フォームローラ、231・・・ファンテン、232・・・ファンテンローラ、234・・・ダクターローラ、236・・・インカーローラ、240・・・印刷版、242・・・凸部、300・・・金属缶、311・・・第1初期供給量、312・・・第1追加供給量、321・・・第2初期供給量、400・・・設定画面、410・・・画像データ、420・・・インカー選択部、430・・・ダクター供給データ設定部、2200・・・コンピュータ、2201・・・DVD-ROM、2210・・・ホストコントローラ、2212・・・CPU、2214・・・RAM、2216・・・グラフィックコントローラ、2218・・・ディスプレイデバイス、2220・・・入/出力コントローラ、2222・・・通信インタフェース、2224・・・ハードディスクドライブ、2226・・・DVD-ROMドライブ、2230・・・ROM、2240・・・入/出力チップ、2242・・・キーボード