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特開2024-111662業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111662
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20240809BHJP
【FI】
G06Q20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016296
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 香奈
(72)【発明者】
【氏名】須藤 裕之
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA23
5L055AA23
(57)【要約】
【課題】共同事業の販売協定毎の送金管理業務を支援する。
【解決手段】検出部が記憶部を参照し、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて商品の販売代金を按分した金額を送金する第1の送金形態、又は、共同企業体を構成する各企業のうち、代表となる幹事企業に対して商品の販売代金の全額を送金する第2の送金形態のうち、いずれかの送金形態を検出する。データ生成部は、第1の送金形態が検出された場合、商品の販売代金を、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて按分した各企業に対する送金金額、及び、各送金金額の支払先を示す支払先情報を含む支払依頼データを生成する。また、第2の送金形態が検出された場合、代表企業となる幹事企業に対する、商品の販売代金の全額の送金金額、及び、幹事企業の支払先情報を含む支払依頼データを生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共同企業体を構成する各企業の持分に応じて商品の販売代金を按分した金額を送金する第1の送金形態、又は、共同企業体を構成する各企業のうち、代表となる幹事企業に対して前記商品の販売代金の全額を送金する第2の送金形態のうち、いずれかの送金形態を示す送金形態情報が記憶されている記憶部を参照し、前記記憶部に記憶されているいずれかの送金形態を検出する検出部と、
前記第1の送金形態が検出された場合、前記共同企業体により販売される商品の販売代金を、前記共同企業体を構成する各企業の持分に応じて按分した各前記企業に対する送金金額、及び、前記記憶部に記憶されている、各送金金額の支払先を示す支払先情報を含む支払依頼データを生成し、前記第2の送金形態が検出された場合、前記共同企業体を構成する各企業のうち、代表企業となる幹事企業に対する、前記共同企業体により販売される商品の販売代金の全額の送金金額、及び、前記記憶部に記憶されている、前記幹事企業の支払先情報を含む支払依頼データを生成するデータ生成部と、
を有する業務支援装置。
【請求項2】
前記データ生成部は、
前記商品の販売代金の入金消込処理を行うための入金消込データを生成すると共に、前記共同企業体を構成する各企業の持分に基づいて前記商品の販売代金を按分した金額を含む入金消込内訳データを生成し、
前記入金消込データ及び前記入金消込内訳データに基づいて、支払を行う各企業である送金対象を抽出し、抽出した前記送金対象、及び、前記入金消込内訳データに基づいて、前記支払依頼データを生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記データ生成部は、
前記第1の送金形態が検出された場合、各前記企業に対する前記送金金額、及び、各送金金額の振込先を示す振込先情報と共に、各前記企業を債務先とした債務先情報、及び、各前記企業を支払先とした支払先情報を含む前記支払依頼データを生成し、
前記第2の送金形態が検出された場合、前記幹事企業に対する、前記商品の販売代金の全額の送金金額、及び、前記幹事企業の振込先情報と共に、各前記企業を債務先とした債務先情報、及び、前記幹事企業を支払先とした支払先情報を含む前記支払依頼データを生成すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
検出部が、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて商品の販売代金を按分した金額を送金する第1の送金形態、又は、共同企業体を構成する各企業のうち、代表となる幹事企業に対して前記商品の販売代金の全額を送金する第2の送金形態のうち、いずれかの送金形態を示す送金形態情報が記憶されている記憶部を参照し、前記記憶部に記憶されているいずれかの送金形態を検出する検出ステップと、
データ生成部が、前記第1の送金形態が検出された場合、前記共同企業体により販売される商品の販売代金を、前記共同企業体を構成する各企業の持分に応じて按分した各前記企業に対する送金金額、及び、前記記憶部に記憶されている、各送金金額の支払先を示す支払先情報を含む支払依頼データを生成し、前記第2の送金形態が検出された場合、前記共同企業体を構成する各企業のうち、代表企業となる幹事企業に対する、前記共同企業体により販売される商品の販売代金の全額の送金金額、及び、前記記憶部に記憶されている、前記幹事企業の支払先情報を含む支払依頼データを生成するデータ生成ステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項5】
コンピュータを、
共同企業体を構成する各企業の持分に応じて商品の販売代金を按分した金額を送金する第1の送金形態、又は、共同企業体を構成する各企業のうち、代表となる幹事企業に対して前記商品の販売代金の全額を送金する第2の送金形態のうち、いずれかの送金形態を示す送金形態情報が記憶されている記憶部を参照し、前記記憶部に記憶されているいずれかの送金形態を検出する検出部と、
前記第1の送金形態が検出された場合、前記共同企業体により販売される商品の販売代金を、前記共同企業体を構成する各企業の持分に応じて按分した各前記企業に対する送金金額、及び、前記記憶部に記憶されている、各送金金額の支払先を示す支払先情報を含む支払依頼データを生成し、前記第2の送金形態が検出された場合、前記共同企業体を構成する各企業のうち、代表企業となる幹事企業に対する、前記共同企業体により販売される商品の販売代金の全額の送金金額、及び、前記記憶部に記憶されている、前記幹事企業の支払先情報を含む支払依頼データを生成するデータ生成部として機能させること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、一つの商品を、複数の企業が共同出資して製造して販売する共同出資型の販売形態が知られている。この共同出資型の販売形態においては、商品を販売したことにより得られた金銭は、販売協定の取り決めに基づいて各企業に送金される。具体的には、商品を販売したことにより得られた金銭は、管理会社が各企業の持分に応じて按分して各企業に送金し、又は、管理会社が代表となる企業(幹事企業)に一括送金し、この幹事企業が、共同出資を行った他の企業に対して、持分に応じて按分した金銭を送金する。
【0003】
特許文献1(特開2002-063259号公報)には、賃貸建物オーナーの採算性のシミュレーションを可能とし、オーナーが全額出資を行ったときの採算性と、同額を共同出資して、より大きな賃貸建物を建築したときの採算性とを比較可能とした賃貸建物採算シミュレーション装置が開示されている。
【0004】
この賃貸建物採算シミュレーション装置は、土地オーナーと不動産販売会社が一定の期間共同出資してマンション経営を行うことで、採算性が向上することをオーナーに提示する。このシミュレーションでは、躯体構造部分とその他設備仕様部分を規定し、オーナーは基本的に躯体構造部分に相当する額を負担し、共同出資期間は償却期間が比較的短い設備仕様部分に相当する額を不動産販売会社が負担する。共同出資期間は出資比率に応じた賃料がオーナーに支払われ、設備仕様部分の法定耐用年数を考慮した期間経過した後に、設備仕様部分をオーナーに売却して独立経営に転換する。シミュレーション結果は、表又はグラフとして表示され、さらにプリント物として印刷可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-063259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、共同事業の場合、業務オペレータは、販売協定毎に異なる送金管理に対応して管理業務を行う必要があり、管理業務が面倒となる問題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、共同事業の販売協定毎の送金管理業務を支援可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて商品の販売代金を按分した金額を送金する第1の送金形態、又は、共同企業体を構成する各企業のうち、代表となる幹事企業に対して商品の販売代金の全額を送金する第2の送金形態のうち、いずれかの送金形態を示す送金形態情報が記憶されている記憶部を参照し、記憶部に記憶されているいずれかの送金形態を検出する検出部と、第1の送金形態が検出された場合、共同企業体により販売される商品の販売代金を、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて按分した各企業に対する送金金額、及び、記憶部に記憶されている、各送金金額の支払先を示す支払先情報を含む支払依頼データを生成し、第2の送金形態が検出された場合、共同企業体を構成する各企業のうち、代表企業となる幹事企業に対する、共同企業体により販売される商品の販売代金の全額の送金金額、及び、記憶部に記憶されている、幹事企業の支払先情報を含む支払依頼データを生成するデータ生成部と、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、検出部が、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて商品の販売代金を按分した金額を送金する第1の送金形態、又は、共同企業体を構成する各企業のうち、代表となる幹事企業に対して商品の販売代金の全額を送金する第2の送金形態のうち、いずれかの送金形態を示す送金形態情報が記憶されている記憶部を参照し、記憶部に記憶されているいずれかの送金形態を検出する検出ステップと、データ生成部が、第1の送金形態が検出された場合、共同企業体により販売される商品の販売代金を、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて按分した各企業に対する送金金額、及び、記憶部に記憶されている、各送金金額の支払先を示す支払先情報を含む支払依頼データを生成し、第2の送金形態が検出された場合、共同企業体を構成する各企業のうち、代表企業となる幹事企業に対する、共同企業体により販売される商品の販売代金の全額の送金金額、及び、記憶部に記憶されている、幹事企業の支払先情報を含む支払依頼データを生成するデータ生成ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて商品の販売代金を按分した金額を送金する第1の送金形態、又は、共同企業体を構成する各企業のうち、代表となる幹事企業に対して商品の販売代金の全額を送金する第2の送金形態のうち、いずれかの送金形態を示す送金形態情報が記憶されている記憶部を参照し、記憶部に記憶されているいずれかの送金形態を検出する検出部と、第1の送金形態が検出された場合、共同企業体により販売される商品の販売代金を、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて按分した各企業に対する送金金額、及び、記憶部に記憶されている、各送金金額の支払先を示す支払先情報を含む支払依頼データを生成し、第2の送金形態が検出された場合、共同企業体を構成する各企業のうち、代表企業となる幹事企業に対する、共同企業体により販売される商品の販売代金の全額の送金金額、及び、記憶部に記憶されている、幹事企業の支払先情報を含む支払依頼データを生成するデータ生成部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、共同事業の販売協定毎の送金管理業務を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、プロジェクトマスタの一例を示す図である。
図3図3は、預り金送金マスタの一例を示す図である。
図4図4は、区画マスタの一例を示す図である。
図5図5は、事業主マスタの一例を示す図である。
図6図6は、契約マスタの一例を示す図である。
図7図7は、回収予定データの一例を示す図である。
図8図8は、内訳データの一例を示す図である。
図9図9は、買主からの手付金を、各デベロッパー企業の持分に応じて按分して送金する様子を示す図である。
図10図10は、預り金送金先区分が「各事業主」に設定された預り金送金マスタを示す図である。
図11図11は、入金データの一例を示す図である。
図12図12は、入金消込入力画面の一例を示す図である。
図13図13は、内訳登録画面の一例を示す図である。
図14図14は、回収予定データ及び内訳データに基づいて生成される入金消込データ及び入金消込内訳データの一例を示す図である。
図15図15は、回収予定データ及び入金消込内訳データに基づいて生成される送金対象一時ワークデータの一例を示す図である。
図16図16は、送金対象一時ワークデータ及び入金消込内訳データに基づいて生成される支払依頼データの一例を示す図である。
図17図17は、送金対象一時ワークデータに基づいて生成される入金消込内訳データの一例を示す図である。
図18図18は、各デベロッパー企業の持分に応じた送金を依頼する支払依頼データを示す図である。
図19図19は、各デベロッパー企業に対する送金通知書の一例を示す図である。
図20図20は、各デベロッパー企業の持分に応じた送金一覧表を示す図である。
図21図21は、買主からの手付金を、各デベロッパー企業の幹事企業に対して送金し、幹事企業が、他デベロッパー企業の持分に応じて按分した金額の送金を行う様子を示す図である。
図22図22は、預り金送金先区分が「事業主一括」に設定された預り金送金マスタを示す図である。
図23図23は、幹事企業に対して買主からの手付金の一括送金を依頼する支払依頼データを示す図である。
図24図24は、幹事企業に対する送金通知書の一例を示す図である。
図25図25は、幹事企業に対して一括送金した買主からの手付金の内訳を示す送金一覧表を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下一例として、デベロッパー企業A~デベロッパー企業Cで、いわゆるジョイントベンチャー(JV)を構成しており、このジョイントベンチャーは、共同で集合住宅(いわゆるマンション:商品の一例)を建築して販売していることとして説明を行う。
【0014】
実施の形態の業務支援装置は、各デベロッパー企業A~デベロッパー企業Cと買主との間でマンションの販売を仲介する販売会社の業務支援装置である。この実施の形態の業務支援装置は、マンションを購入した買主からの手付金等を、各デベロッパー企業A~デベロッパー企業Cに送金処理するための支払依頼データ等を自動作成することで、業務オペレータの業務支援を図るものである。
【0015】
なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。このため、商品は、マンション以外でも、各デベロッパー企業で共同開発して販売する商品であれば、どのような商品でもよい。また、この「商品」の概念は、いわゆるサービス(役務)を含む概念である。
【0016】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、印刷装置、又は、スピーカ装置等が相当する。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0017】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワーク50に接続される。ネットワーク50には、買主の預金口座を管理する銀行の銀行端末装置51、実施の形態の業務支援装置1を備える販売会社の預金口座を管理する銀行の銀行端末装置52、及び、各デベロッパーA~デベロッパーCの預金口座を管理する銀行の銀行端末装置61~63が接続されている。
【0018】
実施の形態の業務支援装置1は、買主の銀行端末装置51から手付金等の入金データを取得すると、各デベロッパーA~デベロッパーCに対して送金を行うための支払依頼データを生成し、販売会社の銀行端末装置52に送信する。販売会社の銀行端末装置52は、支払依頼データに基づいて、各デベロッパーA~デベロッパーCの銀行端末装置61~63に対して、持分に応じた金額の送金処理を行う(按分送金処理)。
【0019】
または、販売会社の銀行端末装置52は、支払依頼データに基づいて、各デベロッパーA~デベロッパーCのうち、幹事企業となっているデベロッパーの銀行端末装置に対して、手付金等の一括送金処理を行う(一括送金処理)。この場合、幹事企業となっているデベロッパーは、一括送金処理された手付金等を、他のデベロッパーの持分に応じて按分し、他のデベロッパーの銀行端末装置に送金処理する。
【0020】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、各デベロッパーA~デベロッパーCに対する支払依頼データ等を自動作成して業務オペレータの送金業務の支援を図る業務支援プログラムが記憶されている。また、この記憶部2には、プロジェクトマスタ11、預り金送金マスタ12、区画マスタ13、事業主マスタ14、及び、契約マスタ15が記憶されている。
【0021】
また、記憶部2には、回収予定データ、内訳データ、入金データ、入金消込データ、入金消込内訳データ、送金対象一時ワークデータ、支払依頼データ、送金通知書データ、及び、送金一覧表データ等が記憶される。
【0022】
プロジェクトマスタ11は、図2に示すように、販売されるマンションのプロジェクトコード、枝番、及び、プロジェクト名を含んで構成される。この図2の例の場合、プロジェクトコードは、「PJ00001」、枝番は「0」、プロジェクト名は「京橋マンション」となっている。
【0023】
預り金送金マスタ12には、図3に示すように、各プロジェクトの預り金送金区分及び送金先が登録(記憶)されている。この図3に示す「1:各事業主」の預り金送金区分は、買主からの入金を、各デベロッパーA~デベロッパーCの持分に応じて按分し、各デベロッパーA~デベロッパーCに送金する「按分送金処理」を示す預り金送金区分である。
【0024】
また、図3に示す「2:事業主一括」の預り金送金区分は、買主からの入金を、各デベロッパーA~デベロッパーCのうち、幹事企業となっているデベロッパーに一括送金し、この幹事企業が、他のデベロッパーの持分に応じた金額を、他のデベロッパーに送金する「一括送金処理」を示す預り金送金区分である。図3の例は、デベロッパーAが幹事企業であるため、「送金先」としてデベロッパーAが設定されている。
【0025】
この図3の例は、「PJ00001」のプロジェクトに対して「1:各事業主」及び「2:事業主一括」の預り金送金区分がそれぞれ設定されているが、実際には、いずれか一方の預り金送金区分が設定される。実施の形態の業務支援装置1は、後述するように、この預り金送金マスタ12を参照することで、買主の送金に対応するプロジェクトに設定されている預り金送金区分を検出し、検出した預り金送金区分に応じた送金形態で送金処理を行うための支払依頼データを自動生成する。
【0026】
区画マスタ13は、図4に示すように、マンションのプロジェクトコード、枝番、及び、マンションが建設された地理的位置を示す区画の区画番号が登録(記憶)されている。
【0027】
事業主マスタ14は、図5に示すように各プロジェクトに対する各デベロッパーの振込先口座、持分比率、及び、幹事フラグ情報が登録(記憶)されている。この図5の例の場合、「PJ00001」のプロジェクトに対するデベロッパーAの持分比率は「50%」、デベロッパーBの持分比率は「25%」、デベロッパーCの持分比率は「25%」に設定されている。また、デベロッパーAに対しては、「1」の幹事フラグ情報が付加されている。これは、デベロッパーA~デベロッパーCのうち、デベロッパーAが幹事企業として設定されていることを示している。
【0028】
契約マスタ15は、図6に示すようにマンションの購入を契約した契約者の契約情報が登録(記憶)されている。この図6の例は、「PJ00001」のプロジェクトにより建設されたマンションの「101」の区画番号の部屋を、「2022年11月9日」を契約日として、「サンプル太郎」との契約者名の契約者が購入契約をしたことを示している。
【0029】
(業務支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、図1に示すように、検出部21、データ生成部22、表示制御部23、記憶制御部24、及び、通信制御部25として機能する。
【0030】
検出部21は、共同企業体を構成する各企業(デベロッパーA~デベロッパーC)の持分に応じて商品の販売代金を按分した金額を送金する第1の送金形態(按分送金処理の送金形態)、又は、共同企業体を構成する各企業のうち、代表となる幹事企業に対して商品の販売代金の全額を送金する第2の送金形態(一括送金処理の送金形態)のうち、いずれかの送金形態を示す送金形態情報が記憶されている記憶部(図3の預り金送金マスタ12)を参照し、記憶部(図3の預り金送金マスタ12)に記憶されているいずれかの送金形態を検出する。
【0031】
データ生成部22は、第1の送金形態(按分送金処理の送金形態)が検出された場合、共同企業体により販売される商品の販売代金を、共同企業体を構成する各企業の持分に応じて按分した各企業に対する送金金額、及び、記憶部(図5の事業主マスタ14)に記憶されている、各送金金額の支払先を示す支払先情報(振込先口座)を含む支払依頼データを生成する。
【0032】
また、データ生成部22は、第2の送金形態(一括送金処理の送金形態)が検出された場合、共同企業体を構成する各企業のうち、代表企業となる幹事企業(図5の例の場合、デベロッパーA)に対する、共同企業体により販売される商品の販売代金の全額の送金金額、及び、記憶部(図5の事業主マスタ14)に記憶されている、幹事企業の支払先情報(振込先口座)を含む支払依頼データを生成する。
【0033】
また、データ生成部22は、商品の販売代金の入金消込処理を行うための入金消込データを生成すると共に(後述する図14(c)のデータ)、共同企業体を構成する各企業の持分に基づいて商品の販売代金を按分した金額を含む入金消込内訳データを生成する(図14(d)のデータ)。
【0034】
また、データ生成部22は、入金消込データ及び入金消込内訳データに基づいて、支払を行う各企業である送金対象を抽出し(後述する図15(c)の送金対象一時ワークデータ)、抽出した送金対象、及び、入金消込内訳データに基づいて、支払依頼データを生成する。
【0035】
また、データ生成部22は、第1の送金形態(按分送金処理の送金形態)が検出された場合、各企業に対する送金金額、及び、各送金金額の振込先を示す振込先情報(図5の振込先口座)と共に、各企業を債務先とした債務先情報、及び、各企業を支払先とした支払先情報を含む支払依頼データを生成する(図18参照)。
【0036】
また、データ生成部22は、第2の送金形態(一括送金処理の送金形態)が検出された場合、幹事企業(例えば、デベロッパーA(図5参照))に対する、商品の販売代金の全額の送金金額、及び、幹事企業の振込先情報(振込先口座)と共に、各企業を債務先とした債務先情報、及び、幹事企業を支払先とした支払先情報を含む支払依頼データを生成する(図23参照)。
【0037】
(支払依頼データの自動生成動作)
次に、実施の形態の業務支援装置1における支払依頼データの自動生成動作を説明する。自社が販売会社の場合、買主の手付金等を売主であるデベロッパーへ送金する。売主が複数企業でジョイントベンチャー(JV)を構成する場合、手付金等を送金する際に、各企業の持分に対応する金額の振込を行うか、又は、幹事会社に全額の振込を行うかは、販売協定により予め取り決められている。このような販売協定は、不動産物件毎に異なるため、実施の形態は、不動産物件毎に販売協定を確認し、この販売協定に従って支払依頼データを自動的に生成する。
【0038】
(按分送金処理時の支払依頼データの生成動作)
まず、図9に示すように、実施の形態の業務支援装置1を備える販売会社が、買主にマンションを販売することで入金された手付金を、ジョイントベンチャー(JV)を構成するデベロッパーA~デベロッパーCの持分に応じて送金する支払依頼データを生成する例を説明する。
【0039】
この場合、物件の買主は、例えば手付金等を、図1に示す買主の銀行端末装置を介して、販売会社に対する入金を行う。この入金が行われると、買主の銀行端末装置51は、販売会社の銀行端末装置に対して、買主から手付金を送金処理する。業務支援装置1の業務オペレータは、販売会社の銀行端末装置52に対する入出金明細データにより、買主からの手付金の入金を確認すると、入力装置6を介して資金登録画面の表示を指定操作する。
【0040】
これにより、制御部3は、業務支援プログラムに基づいて表示制御部23として機能し、図示しない資金登録画面を、出力装置7を介して表示する。業務オペレータは、この資金登録画面に対して、物件の引き渡しまでの資金計画の登録を行う。これにより、制御部3は、業務支援プログラムに基づいてデータ生成部22として機能し、図7に示すように、業務オペレータの入力操作に基づいて、回収予定識別番号(回収予定Guid)、プロジェクトコード、枝番、契約者名、区画番号、入金日、費目、金額、及び、請求先区分を含む回収予定データを生成する。回収予定識別番号(回収予定Guid)は、制御部3により新規に自動採番されて付加される。
【0041】
この図7の例は、「PJ00001」のプロジェクトの物件の「101」の区画番号の部屋を、「サンプル太郎」が購入契約し、「2022年11月10日」に「手付金」として、「400万円」を入金する予定であることを示している。
【0042】
また、データ生成部22は、図5に示す事業主マスタ14を参照し、各デベロッパーの持分を検出し、図8に示すように、内訳識別番号(内訳Guid)、回収予定Guid、取引先、及び、金額を含む内訳データを生成する。この図8の例は、回収予定Guidが「KY00001」の物件は、デベロッパーA~デベロッパーCが共同で建設した物件であり、デベロッパーA~デベロッパーCの持分は、それぞれ50%、25%、25%であるため、今回の400万円の手付金は、デベロッパーA~デベロッパーCに対して、200万円、100万円、100万円に按分されることを示している。なお、内訳Guidは、制御部3により、それぞれ新規に自動採番される。
【0043】
このように回収予定データ及びその内訳データが生成されると、制御部3は、業務支援プログラムに基づいて記憶制御部24として機能し、生成された回収予定データ及び内訳データを記憶部2に記憶制御する。
【0044】
次に、制御部3は、業務支援プログラムに基づいて検出部21として機能し、図10に示すように預り金送金マスタ12を参照し、預り金送金先区分を検出する。この例の場合、検出部21は、各デベロッパーに対して、持分に応じて按分した金額を送金する「1:各事業主」であることを検出する。
【0045】
次に、業務オペレータは、図示しない入金入力画面に基づいて、入金日及び入金された金額を入力する。これにより、データ生成部22は、図11に示すように、例えば「2022年11月10日」に「400万円」が入金されたことを示す入金データを生成する。記憶制御部24は、この入金データを記憶部2に記憶する。
【0046】
次に、業務オペレータは、入金消込入力画面の表示指定操作を行う。この表示指定操作が行われると、表示制御部23は、図12に例示する入金消込入力画面を、出力装置7を介して表示する。業務オペレータは、この入金消込入力画面に対して、今回の手付金の入金額である「400万円」の入金額を入力する。また、「PJ00001」のプロジェクトコード、「サンプル太郎」の契約者名、「手付金」の費目、及び、「400万円」の消込金額を入力する。
【0047】
また、この入金消込入力画面には、内訳登録画面の表示を指定するための、「内訳」の文字が表示されたボタンが設けられている。業務オペレータにより、この「内訳」の文字が表示されたボタンが操作されると、表示制御部23は、図13に示す内訳登録画面を、出力装置7に表示する。データ生成部22は、今回の「400万円」の手付金の入金を、デベロッパーA~デベロッパーCの持分に応じて按分した「200万円」、「100万円」、「100万円」の金額を算出する。表示制御部23は、算出された「200万円」、「100万円」、「100万円」の金額を、内訳登録画面に表示する。なお、この内訳登録画面に表示される金額は、業務オペレータが必要に応じて修正入力可能となっている。また、この内訳登録画面に対しては、業務オペレータに手動で金額を入力させてもよい。業務オペレータは、図12に示す入金消込入力画面の「消込」のチェックボックスにチェックを入れる操作を行い、入力した入金消込データ及び入金消込内訳データの登録を指定する。
【0048】
この登録が指定されると、データ生成部22は、図14(a)に示す回収予定単位で、図14(c)に示すように「400万円」の入金の消込を行うための入金消込データを生成すると共に、図14(b)に示す内訳単位で、図14(d)に示すようにデベロッパーA~デベロッパーCに対して按分した金額の消込を行うための、入金消込内訳データを生成する。記憶制御部24は、この入金消込データ及び入金消込内訳データを記憶部2に記憶制御する。
【0049】
次に、データ生成部22は、図15(a)に示す回収予定データ、及び、図15(b)に示す入金消込内訳データに基づいて、図15(c)に示すように、消込済みの入金に相当し、送金対象を示す送金対象一時ワークデータを生成する。この送金対象一時ワークデータは、上述の例の場合、デベロッパーA~デベロッパーCへの入金に対応する、支払依頼識別番号(支払依頼Guid)、回収予定Guid、入金消込内訳Guid、及び、請求先区分を含んで構成されている。支払依頼Guidは、制御部3により、新規に自動採番されて付加される。また、請求先区分は、それぞれ「契約者」とされる。
【0050】
次に、データ生成部22は、このように生成した図16(a)に示す送金一時ワークデータ、図16(b)に示す入金消込内訳データ、及び、図5に示す事業主マスタ14に基づいて、図16(c)に示すように、デベロッパーA~デベロッパーCに対する支払を依頼するための支払依頼データを生成する。
【0051】
この支払依頼データは、支払依頼識別番号(支払依頼Guid)、債務先、支払先、振込口座、金額、及び、送金確定番号を含んで構成される。支払依頼Guidは、制御部3により、新規に自動採番されて付加される。また、この例の場合、デベロッパーA~デベロッパーCの持分に応じて買主からの入金を按分して送金する「按分送金処理」の例であるため、「債務先」及び「支払先」は、それぞれデベロッパーA、デベロッパーB、デベロッパーCとされる。
【0052】
また、「振込先口座」としては、図5に示す事業主マスタ14に設定されている各デベロッパーA~Cの振込先口座が入力される。また、支払が依頼される「金額」としては、データ生成部22は、各デベロッパーの持分に応じて按分した金額を自動で算出して入力する。すなわち、データ生成部22は、上述の「400万円」の手付金の入金の場合、50%を持分とするデベロッパーAに対しては「200万円」を、25%を持分とするデベロッパーBに対しては「100万円」を、25%を持分とするデベロッパーCに対しては「100万円」を、それぞれ算出して「金額」の入力欄に入力する。
【0053】
次に、データ生成部22は、図17(a)に示す送金対象一時ワークデータに基づいて、それまで「NULL」となっていた入金消込内訳データの支払依頼Guidを(図16(b)参照)、図17(b)に示すように、送金対象一時ワークデータの生成時に付加された支払依頼Guidに更新する。
【0054】
次に、データ生成部22は、図18に示すように支払依頼データの送金確定番号を、新規に自動採番して更新する。この例の場合、各デベロッパーA~Cに対してそれぞれ送金を行う例であるため、データ生成部22は、送金確定番号もデベロッパー毎に採番して入力する。
【0055】
次に、制御部3は、業務オペレータに指示されたタイミング等の所定のタイミングで、業務支援プログラムに基づいて通信制御部25として機能し、この例の場合、支払依頼データを、各デベロッパーA~Cの銀行端末装置61~63に送信する。これにより、各デベロッパーA~Cの銀行端末装置61~63は、支払依頼データに基づいて、各デベロッパーの持分に応じた金額を、各デベロッパーA~Cの預金口座に入金処理する。
【0056】
次に、データ生成部22は、図19(a)~図19(c)に示すように、各デベロッパーA~Cに対する送金通知書の送金通知書データを生成する。記憶制御部24は、この送金通知書データを記憶部2に記憶する。図19(a)~図19(c)に示すように、送金通知書データは、各デベロッパーに対する送金金額、振込先口座及び金額小計(総額400万円、持分200万円)を含んで構成される。この送金通知書データは、業務オペレータにより指定されたタイミング等で記憶部2から読み出され、印刷装置の一例である出力装置7に供給され、印刷処理される。
【0057】
また、データ生成部22は、図20に示す各デベロッパーA~Cに対する送金一覧表の送金一覧表データを生成する。記憶制御部24は、この送金一覧表データを記憶部2に記憶する。この送金一覧表データは、各デベロッパーA~Cの、送金の対象となった物件のプロジェクトコード、区画、費目、債務先及び金額を一覧として示すデータである。この送金一覧表データは、業務オペレータにより指定されたタイミング等で記憶部2から読み出され、印刷装置の一例である出力装置7に供給され、印刷処理される。
【0058】
(一括送金処理時の支払依頼データの生成動作)
次に、図21に示すように、実施の形態の業務支援装置1を備える販売会社が、買主にマンションを販売することで入金された手付金を、ジョイントベンチャー(JV)を構成するデベロッパーA~デベロッパーCのうち、幹事企業となっているデベロッパーAに一括送金し、デベロッパーAがデベロッパーB及びデベロッパーBに対して持分に応じた送金を行うための支払依頼データを生成する例を説明する。
【0059】
この一括送金処理の場合も、図7に示した回収予定データ、及び、図8に示した内訳データが生成され、検出部21により、図22に示す預り金送金マスタ12が参照され、預り金送金先区分が検出される。この例の場合、検出部21は、各デベロッパーの幹事企業に対して、買主からの手付金等を一括送金する「2:事業主一括」であることを検出する。
【0060】
また、業務オペレータの入力操作に基づいて、図11に示した入金データが生成され、図12に示した入金消込入力画面及び図13に示した内訳登録画面に対する入力内容に基づいて(回収予定データ及び内訳データに基づいて)、図14(c)に示した回収予定単位の入金消込データ、及び、図14(d)に示した内訳単位の入金消込内訳データが生成される。
【0061】
また、回収予定データ及び入金消込内訳データに基づいて、図15(c)に示した、消込済みの入金に相当し、送金対象を示す送金対象一時ワークデータが生成される。ここまでは、上述の按分送金処理と同様の処理及び動作である。
【0062】
次に、送金対象一時ワークデータを生成すると、データ生成部22は、生成した送金対象一時ワークデータ(図16(a)参照)、及び、入金消込内訳データ(図16(b)参照)に基づいて、図23に示す支払依頼データを生成する。
【0063】
上述の按分送金処理の際に生成された支払依頼データは、図18に示したように、債務先及び支払先に対して、それぞれ各デベロッパーA~Cを入力した。これに対して、一括送金処理の場合、データ生成部22は、図23に示すように、債務先を各デベロッパーA~Cとし、支払先は、幹事企業となっているデベロッパーAのみとする。
【0064】
このような支払依頼データを生成すると、データ生成部22は、図17(b)に示したように、送金対象一時ワークデータに基づいて、入金消込内訳データの支払依頼Guidを更新し、また、図23に示すように送金確定番号を更新する。
【0065】
次に、通信制御部25は、支払依頼データを、デベロッパーAの銀行端末装置61に送信する。これにより、デベロッパーAの銀行端末装置61は、支払依頼データの振込先口座及び金額に基づいて、他の(幹事企業以外の)デベロッパーであるデベロッパーB及びデベロッパーCの持分に応じた金額(この例の場合、それぞれ100万円)を、デベロッパーB及びデベロッパーCの銀行端末装置62、63にそれぞれ送金処理する。これにより、幹事企業となっているデベロッパーAの預金口座に、持分に応じた入金処理が完了すると共に、デベロッパーB及びデベロッパーCの預金口座に、それぞれ持分に応じた入金処理が完了する。
【0066】
次に、データ生成部22は、図24に示すように、一括送金を行ったデベロッパーAに対する送金通知書の送金通知書データを生成する。記憶制御部24は、この送金通知書データを記憶部2に記憶する。図24に示すように、送金通知書データは、デベロッパーAに対する送金金額、振込先口座及び金額小計(総額400万円、持分400万円)を含んで構成される。この送金通知書データは、業務オペレータにより指定されたタイミング等で記憶部2から読み出され、印刷装置の一例である出力装置7に供給され、印刷処理される。
【0067】
また、データ生成部22は、図25に示す各デベロッパーA~Cに対する送金一覧表の送金一覧表データを生成する。記憶制御部24は、この送金一覧表データを記憶部2に記憶する。この送金一覧表データは、デベロッパーAを送金先として示すと共に、各デベロッパーA~Cの、送金の対象となった物件のプロジェクトコード、区画、費目(手付金)、債務先(デベロッパーA~デベロッパーC)及び金額(200万円、100万円、100万円)を一覧として示すデータである。この送金一覧表データは、業務オペレータにより指定されたタイミング等で記憶部2から読み出され、印刷装置の一例である出力装置7に供給され、印刷処理される。
【0068】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の業務支援装置1は、共同事業の販売協定毎の送金管理に必要なデータを自動生成することができ、業務オペレータによる送金管理業務に係る負荷を大幅に軽減して業務の支援を図ることができる。
【0069】
また、販売協定毎に指定されている送金先への支払データを自動生成できるため、人為的ミス及び誤送金を削減でき、顧客の業務品質及び業務効率の向上を図ることができる。
【0070】
また、支払を幹事会社へ行う場合でも、預り金管理を債務先毎に行うことで、取引先毎の正確な債務残高を把握可能とすることができる。
【0071】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0072】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0074】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態で実施してもよい。
【0075】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0076】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0077】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0078】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0079】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0080】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0081】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0082】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0083】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0084】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、例えば不動産販売業等の、複数の企業が共同出資して商品の製造を行い販売する共同出資型の販売形態が業務支援に適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 プロジェクトマスタ
12 預り金送金マスタ
13 区画マスタ
14 事業主マスタ
15 契約マスタ
21 検出部
22 データ生成部
23 表示制御部
24 記憶制御部
25 通信制御部
50 ネットワーク
51 買主の銀行端末装置
52 販売会社の銀行端末装置
61 デベロッパーAの銀行端末装置
62 デベロッパーBの銀行端末装置
63 デベロッパーCの銀行端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25