(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111686
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、医用情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 30/00 20180101AFI20240809BHJP
【FI】
G16H30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016332
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】寺井 公一
(72)【発明者】
【氏名】吉脇 正泰
(72)【発明者】
【氏名】田古島 太郎
(72)【発明者】
【氏名】前田 伊知朗
(72)【発明者】
【氏名】山崎 裕之
(72)【発明者】
【氏名】伴苗 修平
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】医用画像に適切な医用情報処理を実行する。
【解決手段】医用情報処理装置は、医用画像受信手段と、記憶手段と、処理決定手段と、処理実行手段と、を備える。前記医用画像受信手段は、医用画像を受信する。前記記憶手段は、前記医用画像に関する情報及び当該医用画像に対して実行した処理の情報を紐付けて格納する。前記処理決定手段は、前記医用画像に関する情報及び前記記憶手段に格納されている処理の情報に基づいて、実行する処理を決定する。前記処理実行手段は、前記医用画像が受信されると、前記医用画像に関する情報に基づいて前記処理決定手段が決定した処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を受信する、医用画像受信手段と、
前記医用画像に関する情報及び当該医用画像に対して実行した処理の情報を紐付けて格納する、記憶手段と、
前記医用画像に関する情報及び前記記憶手段に格納されている処理の情報に基づいて、実行する処理を決定する、処理決定手段と、
前記医用画像が受信されると、前記医用画像に関する情報に基づいて前記処理決定手段が決定した処理を実行する、処理実行手段と、
を備える、
医用情報処理装置。
【請求項2】
第1処理として、
前記処理決定手段は、ユーザが入力した処理を前記医用画像に実行する処理として決定し、
前記記憶手段は、前記処理実行手段により決定された前記医用画像に対する処理を格納する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段に格納されているユーザの入力により前記処理実行手段が実行した処理に基づいて、前記医用画像に対する1種類又は複数種類の処理をユーザに提案する、処理提案手段と、
前記処理提案手段が提案した処理について、ユーザが選択した処理の情報を取得する、提案結果取得手段と、
をさらに備え、
入力された前記医用画像に関する情報に対して、過去に前記第1処理において取得された処理に関する情報が第1条件を満たした場合に、
第2処理として、
前記処理決定手段は、前記提案結果取得手段が取得したユーザが選択した処理を、入力された前記医用画像に対して実行する処理として決定し、
前記記憶手段は、前記提案結果取得手段が取得したユーザが選択した処理を、入力された前記医用画像に関する情報と紐付けて格納する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
入力された前記医用画像に関する情報に対して、過去に前記第2処理において取得された処理に関する情報が第2条件を満たした場合に、
第2処理として、
前記処理決定手段は、入力された前記医用画像に関する情報及び前記記憶手段に格納されている過去の処理に関するデータに基づいて、入力された前記医用画像に対して自動実行する処理を決定する、
請求項3に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
入力された前記医用画像に関する情報に対して、過去に前記第1処理において取得された処理に関する情報が第1条件を満たした場合に、
第3処理として、
前記処理決定手段は、入力された前記医用画像に関する情報及び前記記憶手段に格納されている過去の処理に関するデータに基づいて、入力された前記医用画像に対して自動実行する処理を決定する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記医用画像は、メタデータを含むデータであり、
前記医用画像に関する情報は、前記メタデータから抽出された情報である、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理決定手段により処理された前記医用画像を外部へと送信する、送信手段、
をさらに備える、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、複数の医用情報処理装置において前記医用画像に対して実行された処理を格納し、
前記処理決定手段は、所定台数以上の医用情報処理装置において前記医用画像に対して実行された処理を、前記医用画像に適用する処理として選択する、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記処理決定手段は、前記医用画像に対して所定回数以上実行された処理を、前記医用画像に適用する処理として選択する、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
1又は複数の医用情報処理装置と、
1又は複数の記憶手段と、
を備える医用画像処理システムであって、
前記記憶手段は、医用画像に対して前記医用情報処理装置において実行した処理の情報を格納し、
前記医用情報処理装置は、前記記憶手段に格納されている前記医用画像に対して実行された処理に基づいて、前記医用画像に対して実行する処理をユーザに提案し、又は、前記医用画像に対して実行する処理を自動的に決定する、
医用情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータに、
医用画像を受信する、医用画像受信手段、
前記医用画像に対して実行した処理を格納する、記憶手段、
前記医用画像及び前記記憶手段に格納されているデータに基づいて、実行する処理を決定する、処理決定手段、
前記医用画像が受信されると、前記処理決定手段が決定した処理を自動実行する、自動実行手段、
として動作させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像の処理は、その後の診断や治療における判断基準の1つであり、撮像装置から出力された画像データの適切かつ高速な処理が求められる。医用情報処理装置は、例えば、医用画像の受信をトリガとし、あらかじめ設定されたルールにしたがって実行する画像解析アプリケーションを特定し、アプリケーションを自動実行する。
【0003】
このような医用情報処理装置においては、ルールについて、アプリケーションをどの撮影装置のどの撮影プロトコルのどのシリーズに対して実行するかを定義する設定が非常に煩雑であり、装置の据え付け及びメンテナンスに大きな工数が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようと課題の1つは、適切な処理を自動的に実行することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は、上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る医用情報処理装置は、医用情報処理装置は、医用画像受信手段と、記憶手段と、処理決定手段と、処理実行手段と、を備える。前記医用画像受信手段は、医用画像を受信する。前記記憶手段は、前記医用画像に関する情報及び当該医用画像に対して実行した処理の情報を紐付けて格納する。前記処理決定手段は、前記医用画像に関する情報及び前記記憶手段に格納されている処理の情報に基づいて、実行する処理を決定する。前記処理実行手段は、前記医用画像が受信されると、前記医用画像に関する情報に基づいて前記処理決定手段が決定した処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る医用情報処理装置の一例を模式的に示すブロック図。
【
図2】一実施形態に係る医用情報処理装置の処理の一例を示すフローチャート。
【
図3】一実施形態に係る医用情報処理装置の処理の一例を示すフローチャート。
【
図4】一実施形態に係る医用情報処理装置の処理の一例を示すフローチャート。
【
図5】一実施形態に係る医用情報処理装置の処理の一例を示すフローチャート。
【
図6】一実施形態に係る医用情報処理装置の処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】一実施形態に係る医用情報処理システムの一例を模式的に示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。本開示において、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて具体的に実現される形態については、このソフトウェアは、プログラムにより実行され、プログラム自体又はプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体により実施することができる。また、本明細書及び図面における各種データにおいて、主に情報処理装置により用いられるものは、典型的にはデジタルデータである。
【0009】
本開示における医用情報処理装置は、医用画像に対して自動実行する処理を選択するいくつかの段階を遷移することで、医用画像に対して自動実行する適切な処理を決定する段階へと遷移する。本開示において、医用画像は、1枚の画像に限定されず、複数のフレームからなる時系列のデータであってもよいし、何らかの処理に適した複数の画像データであってもよい。医用画像は、この他、適切に医用画像と称することが可能なデータで構成されていてもよい。
【0010】
この段階は、例えば、ユーザが医用情報処理装置に対して医用画像に施す処理を入力する段階、医用情報処理装置がユーザに対して医用画像に施す処理を提案する段階、及び、医用情報処理装置が自動的に医用画像に施す処理を決定して実行する段階を含むことができる。
【0011】
以下の説明においては、特に記載のない限り、一実施形態として上記の3段階を含む形態について説明するが、これらの段階は、全てが必須というわけではなく、例えば、ユーザが処理を入力する段階及びユーザに処理を提案する段階のうち一方を省略することができる。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、一実施形態に係る医用情報処理装置の一例を模式的に示すブロック図である。医用情報処理装置 1 は、医用画像受信部 100 と、表示部 102 と、記憶部 104 と、処理入力部 106 と、処理提案部 108 と、提案結果取得部 110 と、処理決定部 112 と、処理実行部 114 と、出力部 116 と、を備える。この他、医用情報処理装置 1 は、全体の構成を制御する制御部、電源を供給する電源部等が図示されていないが、必要に応じて備えられる。
【0013】
医用画像受信部 100 は、医用情報処理装置 1 において医用画像受信手段として動作し、外部に備えられるセンサ等から医用画像を受信する。医用画像受信部 100 は、センサ等ではなく、他の医用情報処理装置から医用画像を受信することもできる。医用画像は、シリーズの画像であってもよい。この医用画像は、例えば、DICOM (Digital Imaging and Communications in Medicine) の規格に沿ったメタデータを備える画像である。
【0014】
医用画像の情報の一例としてのメタデータは、例えば、撮影した機器に関する情報 (型情報等) 、撮影方法に関する情報、撮影のパラメータ等の情報を含むデータである。また、メタデータは、より具体的に撮影した機器個別に与えられる識別子、個々の患者に関する情報等のデータを含んでいてもよい。このようなメタデータを用いることで、同じ型の撮影機器、当該撮影機器といった一般的な範囲における処理の決定をするとともに、同じ型の撮影機器における個々の機器の個体差、患者個人による差異といったより具体的な範囲における処理の決定をすることも可能となる。
【0015】
表示部 102 は、医用情報処理装置 1 において表示手段として動作し、医用情報処理装置 1 における任意の情報を表示することができるディスプレイ等により構成される。
【0016】
記憶部 104 は、医用情報処理装置 1 において記憶手段として動作し、医用情報処理装置 1 における任意の情報を格納することができる、メモリ、ストレージ等の任意の記憶デバイス、記憶モジュールにより構成される。記憶部 104 は、医用情報処理装置 1 の内部に備えられることに限定されず、その一部が医用情報処理装置 1 の外部に備えられる形態であってもよい。
【0017】
処理入力部 106 、処理提案部 108 、提案結果取得部 110 、処理決定部 112 及び処理実行部 114 は、処理部として 1 つのまとまりであってもよい。処理部は、少なくとも一部が汎用回路により形成されてもよいし、少なくとも一部が専用回路により形成されてもよい。処理実行部 114 においては、一部又は全部が医用情報処理装置 1 の外部に備えられてもよい。
【0018】
処理入力部 106 は、医用情報処理装置 1 において処理入力手段として動作し、ユーザが入力した、受信した医用画像に対して施す処理を受け付ける。表示部 102 は、例えば、受信した医用画像に関する情報、例えば、画像に付帯するメタデータ、又は、入力された画像そのものを表示することができる。これに対して、ユーザは、処理入力部 106 を介して当該医用画像に対する処理を指令することができ、処理入力部 106 は、このユーザから入力された処理を受け付ける。
【0019】
処理提案部 108 は、医用情報処理装置 1 において処理提案手段として動作し、受信した医用画像に対して施す処理の候補をユーザに提案する。この提案は、表示部 102 を介して実行されてもよい。
【0020】
提案結果取得部 110 は、医用情報処理装置 1において提案結果処理手段として動作し、ユーザが処理提案部 108 により提案された処理を選択したか否か、及び、ユーザがどの処理を選択したかを取得する。
【0021】
処理決定部 112 は、医用情報処理装置 1 において処理決定手段として動作し、処理に応じて処理入力部 106 、提案結果取得部 110 、又は、医用画像受信部 100 からの出力に応じた処理を決定する。
【0022】
受信した医用画像に対してユーザが処理を指定する第1処理において、処理決定部 112 は、処理入力部 106 が受け付けたユーザが指定した処理を、受信した医用画像に対して施す処理として決定する。
【0023】
受信した医用画像に対してユーザに処理を提案する第2処理において、処理決定部 112 は、提案結果取得部 110 が取得したユーザが選択した処理を、受信したいよう画像に対して施す処理として決定する。
【0024】
受信した医用画像に対する処理を自動的に実行する第3処理において、処理決定部 112 は、医用画像受信部 100 が受信した医用画像のメタデータから自動的に当該医用画像に施す処理を決定する。
【0025】
図1の処理部において、点線で示す経路が第1処理における処理決定の経路、破線で示す経路が第2処理における処理決定の経路、実線で示す経路が第3処理における処理決定の経路である。
【0026】
処理実行部 114 は、医用情報処理装置 1 において処理実行機能として動作し、処理決定部 112 が決定した処理を医用画像に対して実行する。処理実行部 114 は、一部又は全部が医用情報処理装置 1 の外部に存在していてもよい。例えば、医用情報処理装置 1 において対応できず、他の装置において処理することが可能な処理が処理決定部 112 により選択されている場合、医用情報処理装置 1 は、受信した医用画像を当該他の装置に送信するとともに、当該他の装置における処理の要求をすることで、受信した医用画像の処理を実行することができる。
【0027】
出力部 116 は、医用情報処理装置 1 において出力機能として動作し、処理実行部 114 が処理した処理済みの医用画像を任意に医用情報処理装置 1 の外部へと出力することができる。
【0028】
なお、出力部 116 は、医用情報処理装置 1 の外部に出力することのみならず、例えば、医用情報処理装置 1 の記憶部 104 に処理されたデータを格納することも可能である。すなわち、医用情報処理装置 1 は、処理された医用画像を処理後すぐに外部へと出力してもよいし、記憶部 104 に格納しておき、適切なタイミングでユーザが取得することもできる。
【0029】
医用画像受信部 100 及び出力部 116 は、例えば、入力部又は表示部といったユーザインタフェース、通信部といった通信インタフェース等の任意のインタフェースを備えることができる。
【0030】
次に、医用情報処理装置 1 の処理の流れについて説明する。
【0031】
医用情報処理装置 1 は、医用画像に応じた自動処理を実行して実行した結果を取得する装置である。医用情報処理装置 1 は、受信した医用画像のメタデータを取得し、当該メタデータに応じた処理を自動的に取得できる場合には自動実行する。
【0032】
医用情報処理装置 1 は、医用画像に対して条件に基づいて自動実行ができない場合には、ユーザから処理の指示を受信する。ユーザからの処理の指示は、2段階で構成されてもよい。医用情報処理装置 1 は、メタデータに基づいていくつかの処理の候補を取得できる場合には、この候補である処理をユーザに提示することができる。候補を取得できない場合には、医用情報処理装置 1 は、ユーザから医用画像についての処理の入力を受け付ける。
【0033】
初期の段階である第1処理においては、医用情報処理装置 1 は、医用画像を受信すると、ユーザからの処理の指示を受信し、この指示を受けた処理と、医用画像のメタデータとを紐付けて記憶部 104 にユーザ指定データとして格納する。
【0034】
次の段階である第2処理においては、医用情報処理装置 1 は、医用画像を受信すると、当該医用画像のメタデータに基づいた1又は複数の処理の候補をユーザに提案し、ユーザが選択した処理を実行する。医用情報処理装置 1 は、ユーザが選択した処理と、医用画像のメタデータとを紐付けて記憶部 104 に提案結果データとして格納する。
【0035】
最終段階である第3処理においては、医用情報処理装置 1 は、医用画像を受信すると、当該医用画像のメタデータに基づいた処理を自動的に実行する。
【0036】
医用画像のメタデータに応じて、第1処理から第3処理までがそれぞれ設定され、医用情報処理装置 1 は、受信した医用データに応じて、処理に応じて処理を実行する。処理は、一例として、第1処理から第2処理、第2処理から第3処理へと遷移する。処理は、別の例として、第1処理から第3処理へと直接的に遷移してもよい。
【0037】
フローチャートを用いて医用情報処理装置 1 の医用画像に対する処理、及び、処理の遷移について詳しく説明する。
【0038】
医用情報処理装置 1 は、まず、医用画像受信部 100 を介して、処理の対象となる医用画像を取得する (S100) 。
【0039】
上述したように、医用画像は、時間方向、及び/又は、空間方向において形成される一連の画像であってもよい。もちろん、医用画像は、1枚の画像から形成されていてもよい。医用画像は、例えば、赤外線を用いて取得された画像、紫外線を用いて取得された画像、X線を用いて取得された画像、トモグラフィにより取得された画像、超音波により取得された画像等、任意のソースを用いて取得された画像であってもよい。
【0040】
医用情報処理装置 1 は、医用画像受信部 100 を介して医用画像を受信すると、この医用画像に付与されているメタデータを用いて処理を分岐させる。分岐の条件は、医用画像に対して処理を提案できるか否か、及び、医用画像に対して自動的に処理を決定できるか否か、に基づいた条件である。
【0041】
医用情報処理装置 1 は、記憶部 104 に格納されているデータを参照することで、受信した医用画像が第1条件を満たすかを判定する (S102) 。この第1条件は、受信した医用画像に対して実行する処理を提案可能であり、又は、実行する処理を自動的に決定可能である状態であることを判定するための条件である。すなわち、医用情報処理装置 1 は、受信した医用画像が処理を提案も決定もできない場合に第1条件を満たさない (S102: NO) と判定し、少なくとも一方が可能である場合に第1条件を満たす (S102: YES) と判定する。
【0042】
一例として、今までに医用情報処理装置 1 が処理の決定をしたことがない機器及び/又は今までに処理を決定したことがない撮影時のパラメータの組み合わせを有する医用画像は、この第1条件を満たさないと判定される。
【0043】
第1条件を満たさないと判定した場合 (S102) 、医用情報処理装置 1 は、第1処理へと移行する (S104) 。第1処理は、ユーザが入力した処理を受信した医用画像に実行する処理として決定し、この医用画像と決定した処理とを紐付けて格納する処理である。
【0044】
図3は、第1処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
処理入力部 106 は、ユーザに処理の入力を要求する (S200) 。処理入力部 106 は、例えば、表示部 102 に受信した医用画像そのもの、メタデータから読み取った撮影時のパラメータ等、又は、それらの双方を表示し、ユーザインタフェースを介してユーザに実行するべき処理を入力させる。
【0046】
処理入力部 106 は、処理が入力されたか否かを判定する (S202) 。
【0047】
ユーザが処理入力部 106 に受信した医用画像に対する処理を入力されない場合 (S202: NO) 、処理入力部 106 は、処理が終了しているか否かを判定してもよい (S204) 。
【0048】
処理が終了していると判定した場合 (S204: YES) 、医用情報処理装置 1 は、処理を終了する。処理が終了していないと判定した場合 (S204: NO) 、医用情報処理装置 1 は、 S200 の処理の待機状態へと移行してもよい。
【0049】
処理入力部 106 は、例えば、ユーザから無効な処理を受け付けた、ユーザからの応答が所定時間なかったといった場合には、処理が終了すると判定してもよい。無効な処理は、例えば、医用情報処理装置 1 において実行ができない処理が入力された、画像処理において適用ができないパラメータ (組み合わせを含む) が入力された、といったことを含む。
【0050】
処理入力部 106 が受信した医用画像に適用可能な処理を受け付けた場合 (S202: YES) 、処理決定部 112 は、ユーザが入力した処理を受信した医用画像に適用する処理であると決定し、処理実行部 114 は、処理決定部 112 が決定した処理を実行する (S206) 。
【0051】
処理決定部 112 は、メタデータと、決定した (実行した) 処理とを紐付けて、記憶部 104 に格納する (S208) 。このように第1処理においては、ユーザからの入力を受け付け、この入力に基づいて処理を決定し、決定された処理を受信した医用画像のメタデータと紐付けて入力処理データとして記憶部 104 に格納する。
【0052】
図2に戻り、第1条件を満たす、すなわち、受信した医用画像に対して処理を提案可能であり、かつ、処理を自動的に決定可能ではない場合に、医用情報処理装置 1 は、第2条件を満たすか否かを判定する (S106) 。この第2条件は、受信した医用画像に対して、受信した医用画像に対する処理を自動的に決定可能である状態を判定するための条件である。
【0053】
第1条件を満たし、かつ、第2条件を満たさないと判定した場合 (S106: NO) 、医用情報処理装置 1 は、第2処理へと移行する (S108) 。第2処理は、医用情報処理装置 1 から実行する処理を提案し、ユーザが実行すると選択した処理を取得し、取得した処理を当該医用画像に適用する処理と決定し、この医用画像と決定した処理とを紐付けて格納する処理である。
【0054】
図4は、第2処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
処理提案部 108 は、記憶部 104 に格納されているデータに基づいて、受信した医用画像についてのメタデータから提案する処理を抽出し、ユーザに処理を提案する (S300) 。処理提案部 108 は、例えば、表示部 102 に処理を表示することで、ユーザに処理を提案する。
【0056】
提案結果取得部 110 は、ユーザから選択された処理の結果を取得する (S302) 。
【0057】
一例として、処理提案部 108 は、受信した医用画像に適用する1つの処理を提案し、提案結果取得部 110 は、ユーザが当該1つの処理を適用するか否かの選択したことを取得する形態であってもよい。
【0058】
別の例として、処理提案部 108 は、受信した医用画像に適用する可能性がある複数の処理を提案し、提案結果取得部 110 は、ユーザが当該複数の処理から選択した1つの処理を取得する形態であってもよい。
【0059】
処理が選択されない場合 (S302: NO) 、提案結果取得部 110 は、第1処理における処理と同様に、処理が終了したか否かを判定し (S304) 、処理の提案の結果待ち、又は、処理の終了をすることができる。
【0060】
処理決定部 112 は、例えば、提案結果取得部 110 において、ユーザが1つの提案に対して処理をしないことを選択した場合、又は、ユーザが複数の提案に対していずれの処理もしないことを選択した場合 (S302: NO) に、提案処理を終了する (S304: YES) と判定することもできる。この場合、医用情報処理装置 1 は、第2処理ではなく、第1処理へと移行する形態であってもよい。
【0061】
処理が選択された場合 (S302: YES) 、提案結果取得部 110 が取得した処理に基づいて、処理決定部 112 が受信した医用画像に適用する処理を決定し、処理実行部 114 が処理を実行する (S306) 。
【0062】
処理決定部 112 は、メタデータと、決定した (実行した) 処理とを紐付けて、記憶部 104 に格納する (S308) 。このように第2処理においては、医用情報処理装置 1 が提案し、提案に対するユーザの選択を受け付け、この選択に基づいて処理を決定し、決定された処理を受信した医用画像のメタデータと紐付けて提案選択データとして記憶部 104 に格納する。
【0063】
なお、医用情報処理装置 1 は、第2処理において、提案の選択として別の処理を入力する、という選択肢を備えていてもよく、ユーザが処理を入力することを選択した場合に、第1処理を実行する処理を加えてもよい。
【0064】
図2に戻り、第2条件を満たす、すなわち、受信した医用画像に対して処理を自動的に決定可能である場合に、医用情報処理装置 1 は、第3処理を実行する (S110) 。第3処理は、受信した医用画像に関する情報及び記憶部 104 に格納されている過去の処理に関するデータに基づいて、当該医用画像に対して処理を実行する処理を自動的に決定し、決定した処理を実行する。
【0065】
図5は、第3処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
処理決定部 112 は、記憶部 104 を参照し、受信した医用画像に関するデータと紐付けられている自動実行する処理を抽出し、当該医用画像に適用する処理を決定する (S400) 。この処理は、ユーザからの入力、選択を受け取ることなく自動的に実行される。
【0067】
処理実行部 114 は、受信した医用画像に対して、処理決定部 112 が決定した処理を実行する (S402) 。
【0068】
処理実行部 114 は、受信した医用画像に対して処理が自動実行された場合には、自動実行した処理をユーザが認識できるように出力してもよい (S404) 。処理実行部 114 は、例えば、表示部 102 に医用画像に自動実行した処理を表示してもよい。この表示は、例えば、どのルールに従って実行されたかの情報を含んでもよい。この情報は、ルールの識別子等の他、識別子からハイパーリンク等をたどることで、どの処理が自動実行されたかを表示することもできる。
【0069】
また、処理実行部 114 は、自動実行した処理とともに、少なくとも自動実行した後の画像を表示してもよい。この場合、処理実行部 114 は、処理の自動実行前の画像を合わせて表示することもできる。
【0070】
なお、処理実行部 114 は、自動実行したことを表示により出力するのではなく、印刷での出力、音声出力、又は、任意のインタフェースを介した出力をすることもできる。
【0071】
図2に戻り、医用情報処理装置 1 は、第1処理、第2処理又は第3処理を施された医用画像を出力部 116 から出力する (S112) 。上述したように、出力は、医用情報処理装置 1 の外部への出力、又は、記憶部 104 への格納を含む概念であってもよい。
【0072】
このように、医用情報処理装置 1 は、入力された医用画像の情報に基づいて、ユーザが入力した処理、提案に対してユーザが選択した処理、又は、自動的に決定された処理を実行することができる。
【0073】
次に、第1条件、第2条件について説明する。第1条件は、医用画像に対する処理をユーザが入力するか医用情報処理装置 1 が提案するかを判定する条件である。第2条件は、医用画像に対する処理を、提案するか、自動実行するかを判定する条件である。
【0074】
限定されない一例として、第1条件は、過去の医用画像に関する情報及び当該医用画像に紐付けられている処理が第1所定数以上あるか否かにより判定する条件であってもよい。例えば、あるメタデータの組み合わせ A を有する画像に対して、過去に第1所定数以上の回数同じ処理 Pa がユーザにより入力されている場合には、医用情報処理装置 1 は、処理提案部 108 にこの処理をユーザに提案する制御をすることができる。
【0075】
組み合わせ A に対して、複数の処理 Pa1 、 Pa2 、・・・が第1所定数以上の回数入力されている場合には、処理提案部 108 は、ユーザに対してこれら複数の処理を提案することもできる。
【0076】
限定されない別の一例として、第1条件は、過去の医用画像に関する情報及び当該医用画像に紐付けられている処理が第2所定数以上の医用情報処理装置 1 において入力されているか、に基づいて判定する条件であってもよい。
【0077】
医用情報処理システムの一部として複数の医用情報処理装置 1 が備えられる場合には、このように何台の医用情報処理装置 1 において入力されたか否かを判定条件とすることもできる。
【0078】
第2条件についても同様であり、医用情報処理装置 1 は、過去の医用画像の情報と当該医用画像に対して提案して実行された処理との紐付け情報に基づいて、第3所定数以上の回数、当該処理が選択されたか否か、又は、第4所定数以上の台数の医用情報処理装置 1 において当該処理が選択されたか否か、を第2条件とすることができる。
【0079】
なお、第1条件及び/又は第2条件は、組み合わせに対して柔軟性を持たせてもよい。
【0080】
医用情報処理装置 1 は、例えば、受信した医用画像におけるDICOMデータに含まれるメタデータの全てが一致する医用画像についての処理を条件として用いることができる。
【0081】
医用情報処理装置 1 は、別の例として、受信した医用画像におけるDICOMデータに含まれるメタデータにおいて、無視できるパラメータを設定した条件を設定することができる。
【0082】
医用情報処理装置 1 は、別の例として、受信した医用画像におけるDICOMデータに含まれるメタデータのそれぞれのパラメータにおいて、許容できる誤差の範囲を設定した条件を設定することができる。
【0083】
医用情報処理装置 1 は、別の例として、受信した医用画像におけるDICOMデータに含まれるメタデータを学習済みのモデルに入力して、同じ処理を実行するのに適しているか否かを条件として設定することができる。
【0084】
上記においてはDICOMデータを参照しているが、DICOMデータに限定されるものではなく、任意のメタデータであってもよい。また、メタデータでなくてもよく、画像とともに入力される画像の状態を示す情報を含むデータであってもよい。
【0085】
以上のように本実施形態に係る医用情報処理装置 1 によれば、医用画像に対する処理を、(1)ユーザからの入力により決定して実行、(2)ユーザへの提案&ユーザの選択により決定して実行、という段階を経て、(3)自動的に決定して実行する段階へと至ることができる。
【0086】
このような処理段階を経ることで、DICOMデータを用いた複雑な分岐でプログラミングをすることがなく、1又は複数のユーザが望ましいと考える処理を医用画像に対して自動的に決定する装置を形成することが可能となる。この装置は、GUIを介してユーザがキーボード等により入力したり、ボタン等を選択したりといった簡易な処理により形成することができ、専門家によるメンテナンスを軽減、及び、メンテナンスコストを削減することが可能となる。
【0087】
(第2実施形態)
前述の実施形態においては、医用情報処理装置 1 がユーザに処理を提案することを経由していたが、さらに簡略化した形式であってもよい。
【0088】
図6は、一実施形態に係る医用情報処理装置 1 の処理の一例を示すフローチャートである。
図2と同じ符号が付与されている処理は、基本的に前述の第1実施形態と同様の処理であるので詳細な説明は省略する。
【0089】
医用情報処理装置 1 は、医用画像を取得した (S100) のち、当該医用画像が第1条件を満たすか否かを判定する (S120) 。第1条件は、条件としては前述の第1実施形態と同様であるが、判定結果として、第1処理を実行するか、第3処理を実行するかが第1実施形態とは異なる。
【0090】
すなわち、本実施形態においては、第1条件は、受信した医用画像に対して実行する処理を自動的に決定可能である状態であることを判定するための条件である。本実施形態において、医用情報処理装置 1 は、過去に第1処理により取得されているデータに基づいて、第1条件により自動的に処理を決定するか、又は、ユーザの入力により処理を決定するかが判定される。
【0091】
このように、本実施形態に係る医用情報処理装置 1 によれば、2段階の処理として自動実行する処理を決定することが可能となる。
【0092】
なお、上記においては第1実施形態よりも処理の段階を削減することについて説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態における医用情報処理装置 1 は、別の例として、処理の段階を増加することもできる。
【0093】
医用情報処理装置 1 は、例えば、前述の第1実施形態において説明した第1処理及び第2処理の少なくとも一方をさらに2段階以上に増加させることもできる。
【0094】
医用情報処理装置 1 は、例えば、第1処理の第1段階として、前述の第1処理と同様の処理を実行する。その後、医用情報処理装置 1 は、過去に第1処理の第1段階により取得されているデータに基づいた処理の処理を選択し、当該選択された処理におけるパラメータ等をユーザから入力を受け付ける第1処理の第2段階を備えてもよい。
【0095】
第1処理の第1段階と第2段階の分岐の判定として、例えば、ユーザから入力された処理が同等の処理である回数、又は、複数の医用情報処理装置 1 のうち入力された台数を用いることができる。
【0096】
医用情報処理装置 1 は、例えば、第2処理の第1段階として、前述の第2処理における複数の処理をユーザに提案し、ユーザが複数の処理から実行する処理を選択して決定する。その後、医用情報処理装置 1 は、過去に第2処理の第1段階により紐付けられている処理に基づいて、ユーザに1つの処理を提案し、この処理を実行する処理として決定するか否かを選択させてもよい。
【0097】
第2処理の第1段階と第2段階の分岐の判定として、例えば、複数の提案のうちユーザが選択した回数、又は、医用情報処理装置 1 における選択された台数を用いることができる。さらに、第2処理の第1段階においては、3以上の処理を提案し、第2処理の第1段階と第2段階との間に、選択された回数又は台数に基づいて、徐々に提案する処理を削減していく1又は複数の段階を備える形態であってもよい。
【0098】
(第3実施形態)
医用情報処理装置 1 は、処理ごとに当該処理を実行するためのアプリケーションを呼び出すことにより、医用画像に対する決定された処理を実行してもよい。
【0099】
別の例として、アプリケーションは、他の医用情報処理装置に備えられていてもよく、この場合、医用情報処理装置 1 は、他の医用情報処理装置に当該画像及び決定された処理についての情報を送信し、当該他の医用情報処理装置において処理を実行することもできる。
【0100】
3以上の医用情報処理装置が備えられていてもよい。
【0101】
図7は、一実施形態に係る医用情報処理装置 1 を複数備える医用情報処理システムの一例を模式的に示すブロック図である。医用情報処理システム 2 は、複数の医用情報処理装置 1A 、 1B 、・・・、 1X と、サーバ 20 と、管理システム 22 と、を備える。
【0102】
それぞれの医用情報処理システムは、前述した医用情報処理システムと同等の機能を有する。
【0103】
サーバ 20 は、それぞれの医用情報処理装置と接続し、これらの医用情報処理装置を制御する。この形態においては、前述の実施形態で説明した記憶部 104 のうち、過去のデータを格納する記憶部は、サーバ 20 に備えられてそれぞれの医用情報処理装置において決定された処理と医用画像に関する情報との紐付けを包括的に管理することができる。
【0104】
すなわち、医用情報処理装置は、入力により決定され、提案した結果選択により決定され、又は、自動的に決定された処理をした医用画像を、外部へと送信する送信部を備えることができる。この送信部は、医用情報処理装置 1 における送信手段として機能することができる。
【0105】
なお、サーバ 20 は、独立して備えられることに限定されず、複数の医用情報処理装置 1 のうち1又は複数の医用情報処理装置がサーバとしても動作することが可能な形態であってもよい。
【0106】
管理システム 22 は、サーバ 20 と接続される医用情報を管理するシステムである。管理システム 22 は、例えば、PACS (Picture Archiving and Communication System) といったシステムであってもよく、サーバ 20 は、処理された医用画像をこの管理システム 22 において管理することができる。
【0107】
なお、図においてはサーバ 20 と管理システム 22 が接続されているが、この形態に限定されるものではなく、個々の医用情報処理装置が管理システム 22 へと直接的にデータを送信する形態であってもよい。
【0108】
このように、本実施形態に係る医用情報システムによれば、より包括的な自動する処理を決定するシステムを構築することができる。この医用情報処理システムは、例えば、病院内といった限定された環境における複数の医用情報処理装置を用いて構築することもできるし、1つの医用情報処理システム 2 において構築された条件を、他の医用情報処理システムと共有してよりグローバルな制御を形態とすることもできる。この場合、医用画像に付帯する情報が患者の情報を含む場合には、プライバシーを保護した共有をすることもできるし、撮像装置の個体差に関する情報を含む場合には、個体差についての条件を緩和した条件を共有することもできる。
【0109】
上記の実施形態では、入力インタフェースは、各種設定等を行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現することができる。入力インタフェースは、制御回路に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し制御回路へと出力する。なお、本明細書において入力インタフェースは、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェースの例に含まれる。
【0110】
また、上記の実施形態では、情報処理機能の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路に記録されている。処理回路は、プロセッサを含むことができる。例えば、処理回路は、プログラムから記憶回路を読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路は、図面に示した処理回路内に示されている各機能を有する。なお、図面においては、単一のプロセッサにおいてそれぞれの処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現してもよい。また、図面においては単一の記憶回路が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置し、処理回路は、それぞれの記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としてもよい。
【0111】
上記説明では、「プロセッサ」が各機能に対応するプログラムを記憶回路から読み出して実行する例を説明したが、実施形態はこれに限定されない。「プロセッサ」という文言は、例えば、 CPU (Central Processing Unit) 、 GPU (Graphics Processing Unit) 、特定用途向け集積回路 (Application Specific Integrated Circuit: ASIC) 、プログラマブル論理デバイス (例えば、単純プログラマブル論理デバイス (Simple Programmable Logic Device: SPLD) 、復号プログラマブル論理デバイス (Complex Programmable Logic Device: CPLD) 及びフィールドプログラマブルゲートアレイ (Field Programmable Gate Array: FPGA)) 等の回路を意味することができる。プロセッサが例えば CPU である場合、プロセッサは、記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが ASIC である場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限られず、複数の独立した回路を組み合わせて 1 つのプロセッサとして構成し、その機能を実現してもよい。さらに、図面における複数の構成要素を 1 つのプロセッサへ統合してその機能を実現してもよい。
【0112】
以上説明した少なくとも 1 つの実施形態によれば、医用画像の画像処理を適切に自動的又は半自動的に実行することができる。
【0113】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0114】
1: 医用情報処理装置、
100: 医用画像受信部、
102: 表示部、
104: 記憶部、
106: 処理入力部、
108: 処理提案部、
110: 提案結果取得部、
112: 処理決定部、
114: 処理実行部、
116: 出力部
2: 医用情報処理システム、
20: サーバ、
22: 管理システム