IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

特開2024-111758情報処理装置及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置及び情報処理プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111758
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/06 20060101AFI20240809BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20240809BHJP
   G06F 3/08 20060101ALI20240809BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G06F3/06 304R
G06F12/00 564D
G06F3/08 A
G06K7/00 013
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016452
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 冬馬
(72)【発明者】
【氏名】大津 正彦
(72)【発明者】
【氏名】谷畑 友樹
(72)【発明者】
【氏名】塩安 麻人
(72)【発明者】
【氏名】野村 建太
【テーマコード(参考)】
5B160
【Fターム(参考)】
5B160CC01
5B160MM09
(57)【要約】
【課題】通信に先立ってチューニングを実行するメモリのチューニングを、チューニングパラメータ毎に設けた閾値を超える度に繰り返す場合に比べて、チューニングの時間を低減可能な情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】プロセッサが、eMMCの起動時またはエラー発生時に、温度毎に予め作成したチューニングパラメータの中から起動時またはエラー発生時の温度に当てはまるチューニングパラメータを検索し(104、118)、当てはまるチューニングパラメータがある場合は当該チューニングパラメータを設定する(108、122)。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
通信に先立ってチューニングを実行するメモリの起動時またはエラー発生時に、温度毎に予め作成したチューニングパラメータの中から前記起動時または前記エラー発生時の温度に当てはまる前記チューニングパラメータを検索し、
当てはまる前記チューニングパラメータがある場合は当該チューニングパラメータを設定して前記通信を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、当てはまるチューニングパラメータがない場合はチューニングを行い、温度とチューニングパラメータを保存し、次回の起動時またはエラー発生時に利用する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、チューニングパラメータの設定後にエラーが発生した場合はチューニングを行い、温度とチューニングパラメータを保存し、次回の起動時またはエラー発生時に利用する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、チューニングパラメータとして、通信を行う際の遅延時間を設定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、チューンイングパラメータとして、エラーが発生するまでの時間を更に設定し、エラーが発生する時間が経過する前にチューニングを行う請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、チューニングパラメータが、遅延時間及びエラーが発生するまでの時間の場合、現在の温度に当てはまるチューニングパラメータが複数存在する際には、エラーが発生するまでの時間に近いものをチューニングパラメータとして設定する請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、当てはまる温度のチューニングパラメータがない場合、予め定めた範囲の温度のチューニングパラメータを検索する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
通信に先立ってチューニングを実行するメモリの起動時またはエラー発生時に、温度毎に予め作成したチューニングパラメータの中から前記起動時または前記エラー発生時の温度に当てはまる前記チューニングパラメータを検索し、
当てはまる前記チューニングパラメータがある場合は当該チューニングパラメータを設定して前記通信を行う処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、メモリカードと関連付けられた少なくとも1つのチューニングパラメータを判断し、メモリカードを用いて読取り動作を開始し、その少なくとも1つのチューニングパラメータに基づいて、チューニングコマンドをメモリカードに送信することが開示されていると共に、メモリカードからデータを読み取り、その読み取られたデータと関連付けられた巡回冗長検査(CRC)エラーを検出し、CRCエラーを検出するとすぐに、チューニングコマンドをメモリカードに送信することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-125040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
eMMC(embedded Multi Media Card)やSD(Secure Digital)カード等のメモリでは、通信に先立って遅延時間等のチューニングパラメータのチューニングを実行する。メモリとの通信は、例えば、環境温度等の環境変化のような様々な環境変化の影響を受ける。このため、環境変化に対してチューニングパラメータを変更するための温度変化や経過時間等の閾値をチューニングパラメータ毎に設け、閾値を超える度にチューニングを繰り返している。
【0005】
そこで、本開示は、通信に先立ってチューニングを実行するメモリのチューニングを、チューニングパラメータ毎に設けた閾値を超える度に繰り返す場合に比べて、チューニングの時間を低減可能な情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、通信に先立ってチューニングを実行するメモリの起動時またはエラー発生時に、温度毎に予め作成したチューニングパラメータの中から前記起動時または前記エラー発生時の温度に当てはまる前記チューニングパラメータを検索し、当てはまる前記チューニングパラメータがある場合は当該チューニングパラメータを設定して前記通信を行う。
【0007】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、当てはまるチューニングパラメータがない場合はチューニングを行い、温度とチューニングパラメータを保存し、次回の起動時またはエラー発生時に利用する。
【0008】
第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、チューニングパラメータの設定後にエラーが発生した場合はチューニングを行い、温度とチューニングパラメータを保存し、次回の起動時またはエラー発生時に利用する。
【0009】
第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、チューニングパラメータとして、通信を行う際の遅延時間を設定する。
【0010】
第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、チューンイングパラメータとして、エラーが発生するまでの時間を更に設定し、エラーが発生する時間が経過する前にチューニングを行う。
【0011】
第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、チューニングパラメータが、遅延時間及びエラーが発生するまでの時間の場合、現在の温度に当てはまるチューニングパラメータが複数存在する際には、エラーが発生するまでの時間に近いものをチューニングパラメータとして設定する。
【0012】
第7態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、当てはまる温度のチューニングパラメータがない場合、予め定めた範囲の温度のチューニングパラメータを検索する。
【0013】
第8態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、信に先立ってチューニングを実行するメモリの起動時またはエラー発生時に、温度毎に予め作成したチューニングパラメータの中から前記起動時または前記エラー発生時の温度に当てはまる前記チューニングパラメータを検索し、当てはまる前記チューニングパラメータがある場合は当該チューニングパラメータを設定して前記通信を行う処理を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
第1態様によれば、通信に先立ってチューニングを実行するメモリのチューニングを、チューニングパラメータ毎に設けた閾値を超える度に繰り返す場合に比べて、チューニングの時間を低減可能な情報処理装置を提供できる。
【0015】
第2態様によれば、チューニングの度に、温度とチューニングパラメータを充実できる。
【0016】
第3態様によれば、チューニングパラメータの設定後のエラー発生の度に、温度とチューニングパラメータを充実できる。
【0017】
第4態様によれば、温度依存によるタイミングずれを考慮して予め余裕のある伝送レートで通信を行う場合に比べて、最適な伝送レートでの通信が可能となる。
【0018】
第5態様によれば、エラーの発生を防止できる。
【0019】
第6態様によれば、現在の温度に当てはまるチューニングパラメータが複数存在する場合であってもチューニングパラメータを設定することが可能となる。
【0020】
第7態様によれば、当てはまる温度のチューニングパラメータがない場合でも、予め定めた範囲の温度のチューニングパラメータがある場合にはチューニングを設定することが可能となる。
【0021】
第8態様によれば、通信に先立ってチューニングを実行するメモリのチューニングを、チューニングパラメータ毎に設けた閾値を超える度に繰り返す場合に比べて、チューニングの時間を低減可能な情報処理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】eMMCのチューニングを説明するための図である。
図3】チューニングパラメータとして最適遅延パラメータの追加を示す図である。
図4】チューニングパラメータとしてエラーが起こるまでの経過時間の追加を示す図である。
図5】温度、時間(経過時間)、及び最適遅延パラメータの保存例を示す図である。
図6】本実施形態に係る情報処理装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本開示の実施形態の一例を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
本実施形態に係る情報処理装置10は、例えば、複数の機能を搭載した画像形成装置に設けられ、画像形成装置の各種機能や情報の設定等を行う。
【0025】
本実施形態に係る情報処理装置10は、図1に示すように、コントローラ基板12、通信に先立ってチューニングを実行するメモリの一例としてのeMMC(embedded Multi Media Card)18、温度センサ20、及び高速メモリ22を備えている。
【0026】
コントローラ基板12には、プロセッサ14及び不揮発性メモリ16等が搭載されており、不揮発性メモリ16、eMMC18、高速メモリ22、及び温度センサ20がプロセッサ14に接続されている。
【0027】
eMMC18には、例えば、OS(Operating System)や設定情報等が記憶され、プロセッサ14は、eMMC18からOSや設定情報を読み出して、高速メモリ22に展開して実行する処理等を行う。また、プロセッサ14は、eMMC18の起動時またはエラー発生時に、チューニングコマンドを発行してチューニングを行う。例えば、eMMC18の起動時として、画像形成装置の節電復帰時や電源オン時にチューニングを行う。
【0028】
ここで、eMMC18のチューニングについて簡単に説明する。図2は、eMMC18のチューニングを説明するための図である。図2の例では、説明を簡単にするために、1クロックに対して8分割でチューニングを行う例を示す。
【0029】
プロセッサ14は、チューニングコマンドを発行することにより、eMMC18のチューニングを行う。例えば、プロセッサ14は、eMMC18に対して1クロックを8分割の各タイミングでデータの読み書きを行い、データが正常に読み書きされているかを判定する。そして、正常に読み書きされた中央値をチューニングパラメータの遅延時間の設定値に採用する。基本的に正常の読み書きが3点以上連続する範囲から設定値を採用する。
【0030】
図2の例では、i=3とi=4の間でデータ変化がある場合を示す。この例では、4~7の中央値を設定値として採用する。
【0031】
ところで、従来のeMMC18のチューニングは、起動時にチューニングを行い、温度依存によるタイミングずれを考慮して予め余裕のある伝送レートで通信していた。
【0032】
この場合、起動時の環境でチューニングをするため、その後の温度変化と共にタイミングずれを起こしハングしかねない。そのため、もともとの伝送レートを遅くしタイミングのマージンに余裕を持たせていた。
【0033】
また、チューニング時の環境から大きく温度変化があると再度エラーを起こしてしまい、エラーが起きると再チューニングのために時間を要してしまう。
【0034】
そこで、本実施形態では、プロセッサ14が、eMMC18の起動時またはエラー発生時に、温度毎に予め作成したチューニングパラメータの中から起動時またはエラー発生時の温度に当てはまるチューニングパラメータを検索し、当てはまるチューニングパラメータがある場合は当該チューニングパラメータを設定して通信を行うようになっている。
【0035】
具体的には、温度、時間経過による条件とそれにマッチするチューニングパラメータである最適遅延のデータを持っておく或いは作成する。本実施形態では、チューニングパラメータとして、最適遅延パラメータの他に、エラーが起こるまでの経過時間を適用するが、最適遅延パラメータのみでもよい。
【0036】
一度目のチューニングでは温度依存の最適遅延パラメータのデータは無いため、図3、4に示すように、チューニングの結果を不揮発性メモリ16等に保存する。その後、起動時またはエラー発生時に、温度が一致すれば参照し、一致するデータがない場合は、追加し最適遅延パラメータを充実させていく。これにより、チューニングに要する時間を低減する。なお、図3は、チューニングパラメータとして最適遅延パラメータの追加を示す図であり、図4は、チューニングパラメータとしてエラーが起こるまでの経過時間の追加を示す図である。
【0037】
例えば、図5に温度、時間(経過時間)、及び最適遅延パラメータの保存例を示す。図5の例では、アドレス6以降はまだデータ取得が出来ておらず、追加されていない。チューニングするたびにアドレス6以降にデータ1-3を追加する。図5の例では、アドレス0からアドレス255までのデータが保存されるが、アドレス255まで保存された後は、アドレス0から順番に上書きしてもよい。或いは、チューニング時の温度と同じ温度のデータが保存されたアドレスを上書きしてもよい。
【0038】
図5のデータ2は、エラーが起こるまでの経過時間であるが、一度参照したパラメータで次のエラーが起こるまでの時間を保存する。
【0039】
温度依存によるものが大きいため温度による最適遅延パラメータのサブ条件として経過時間によるエラーまでの時間(頻度)を保存する。これらから、次回エラーが起こると予測されるタイミングより前に再チューニングを実行する。
【0040】
なお、図5のアドレス0とアドレス5のように温度が同じデータがある場合には、新しい方を採用してもよいし、現在の経過時間に近い時間のデータを採用してもよい。
【0041】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る情報処理装置10で行われる具体的な処理について説明する。図6は、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図6の処理は、情報処理装置10の起動が指示された場合に開始する。
【0042】
ステップ100では、プロセッサ14が、初期化を行ってステップ102へ移行する。例えば、各種情報のリセットを行うことにより、情報処理装置10の初期化を行う。
【0043】
ステップ102では、プロセッサ14が、温度検出結果を取得してステップ104へ移行する。すなわち、温度センサ20によって検出された温度を取得する。
【0044】
ステップ104では、プロセッサ14が、現在温度と一致するデータがあるか否かを判定する。該判定は、温度センサ20によって検出された温度に対応するチューニングパラメータが不揮発性メモリ16に保存されているか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ106へ移行し、肯定された場合にはステップ108へ移行する。なお、現在温度と一致するデータがあるか否かの判定は、現在温度の予め定めた温度範囲のデータがあるか否かを判定してもよい。
【0045】
ステップ106では、プロセッサ14が、eMMC18のチューニングを実施してデータを追加し、ステップ110へ移行する。
【0046】
一方、ステップ108では、プロセッサ14が、不揮発性メモリ16に保存されたデータを参照して温度に対応するチューニングパラメータを設定してステップ110へ移行する。
【0047】
ステップ110では、プロセッサ14が、処理を終了するか否かを判定する。該判定は、例えば、情報処理装置10の終了操作が行われたか否か等を判定する。該判定が肯定された場合には一連の処理を終了し、否定された場合にはステップ112へ移行する。
【0048】
ステップ112では、プロセッサ14が、eMMC18に対して読み書きを要求してステップ114へ移行する。
【0049】
ステップ114では、プロセッサ14が、エラーを検出したか否かを判定する。該判定は、eMMC18に対して読み書きができたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ110に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ116へ移行する。
【0050】
ステップ116では、プロセッサ14が、温度検出結果を取得してステップ118へ移行する。すなわち、温度センサ20によって検出された温度を取得する。
【0051】
ステップ118では、プロセッサ14が、現在温度と一致するデータがあるか否かを判定する。該判定は、温度センサ20によって検出された温度に対応するチューニングパラメータが不揮発性メモリ16に保存されているか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ120へ移行し、肯定された場合にはステップ122へ移行する。なお、現在温度と一致するデータがあるか否かの判定は、現在温度の予め定めた温度範囲のデータがあるか否かを判定してもよい。
【0052】
ステップ120では、プロセッサ14が、eMMC18のチューニングを実施してデータを追加し、ステップ110に戻って上述の処理を繰り返す。
【0053】
一方、ステップ122では、プロセッサ14が、不揮発性メモリ16に保存されたデータを参照して温度に対応するチューニングパラメータを設定し、ステップ110に戻って上述の処理を繰り返す。
【0054】
このように、現在温度に対応するチューニングパラメータが保存されている場合には、チューニングを行う必要がなくなるので、チューニング時間が低減される。
【0055】
なお、上記の実施形態では、現在温度に一致するデータがない場合にはチューニングを行うようにしたが、これに限るものではない。例えば、現在温度に当てはまる温度として現在温度の予め定めた範囲の温度のデータを検索してもよい。
【0056】
また、上記の実施形態では、通信に先立ってチューニングを実行するメモリの一例としてeMMC18を適用する例を説明したが、メモリはこれに限定されるものではない。通信に先立ってチューニングを実行するメモリであれば、例えば、SDカード等の他のメモリを適用してもよい。
【0057】
また、上記の実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0058】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0059】
また、上記の実施形態に係る情報処理装置10で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、情報処理装置10で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0060】
また、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0061】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(((1)))
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
通信に先立ってチューニングを実行するメモリの起動時またはエラー発生時に、温度毎に予め作成したチューニングパラメータの中から前記起動時または前記エラー発生時の温度に当てはまる前記チューニングパラメータを検索し、
当てはまる前記チューニングパラメータがある場合は当該チューニングパラメータを設定して前記通信を行う情報処理装置。
【0062】
(((2)))
前記プロセッサは、当てはまるチューニングパラメータがない場合はチューニングを行い、温度とチューニングパラメータを保存し、次回の起動時またはエラー発生時に利用する(((1)))に記載の情報処理装置。
【0063】
(((3)))
前記プロセッサは、チューニングパラメータの設定後にエラーが発生した場合はチューニングを行い、温度とチューニングパラメータを保存し、次回の起動時またはエラー発生時に利用する(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理装置。
【0064】
(((4)))
前記プロセッサは、チューニングパラメータとして、通信を行う際の遅延時間を設定する(((1)))~(((3)))の何れか1に記載の情報処理装置。
【0065】
(((5)))
前記プロセッサは、チューンイングパラメータとして、エラーが発生するまでの時間を更に設定し、エラーが発生する時間が経過する前にチューニングを行う(((4)))に記載の情報処理装置。
【0066】
(((6)))
前記プロセッサは、チューニングパラメータが、遅延時間及びエラーが発生するまでの時間の場合、現在の温度に当てはまるチューニングパラメータが複数存在する際には、エラーが発生するまでの時間に近いものをチューニングパラメータとして設定する(((5)))に記載の情報処理装置。
【0067】
(((7)))
前記プロセッサは、当てはまる温度のチューニングパラメータがない場合、予め定めた範囲の温度のチューニングパラメータを検索する(((1)))~(((6)))の何れか1に記載の情報処理装置。
【0068】
(((8)))
コンピュータに、
通信に先立ってチューニングを実行するメモリの起動時またはエラー発生時に、温度毎に予め作成したチューニングパラメータの中から前記起動時または前記エラー発生時の温度に当てはまる前記チューニングパラメータを検索し、
当てはまる前記チューニングパラメータがある場合は当該チューニングパラメータを設定して前記通信を行う処理を実行させるための情報処理プログラム。
【0069】
(((1)))によれば、通信に先立ってチューニングを実行するメモリのチューニングを、チューニングパラメータ毎に設けた閾値を超える度に繰り返す場合に比べて、チューニングの時間を低減可能な情報処理装置を提供できる。
【0070】
(((2)))によれば、チューニングの度に、温度とチューニングパラメータを充実できる。
【0071】
(((3)))によれば、チューニングパラメータの設定後のエラー発生の度に、温度とチューニングパラメータを充実できる。
【0072】
(((4)))によれば、温度依存によるタイミングずれを考慮して予め余裕のある伝送レートで通信を行う場合に比べて、最適な伝送レートでの通信が可能となる。
【0073】
(((5)))によれば、エラーの発生を防止できる。
【0074】
(((6)))によれば、現在の温度に当てはまるチューニングパラメータが複数存在する場合であってもチューニングパラメータを設定することが可能となる。
【0075】
(((7)))によれば、当てはまる温度のチューニングパラメータがない場合でも、予め定めた範囲の温度のチューニングパラメータがある場合にはチューニングを設定することが可能となる。
【0076】
(((8)))によれば、通信に先立ってチューニングを実行するメモリのチューニングを、チューニングパラメータ毎に設けた閾値を超える度に繰り返す場合に比べて、チューニングの時間を低減可能な情報処理プログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0077】
10 情報処理装置
14 プロセッサ
16 不揮発性メモリ
18 eMMC
20 温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6