(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111765
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/494 20060101AFI20240809BHJP
A61F 13/511 20060101ALI20240809BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20240809BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20240809BHJP
A61F 13/505 20060101ALI20240809BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20240809BHJP
A61F 13/532 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
A61F13/494 110
A61F13/511 500
A61F13/514 400
A61F13/49 315Z
A61F13/505 100
A61F13/53 100
A61F13/532 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016467
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 高志
(72)【発明者】
【氏名】南岡 政宏
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BA15
3B200CA02
3B200DA02
3B200DB05
3B200DC01
3B200DD01
(57)【要約】
【課題】吸収パッドを装着する場合の位置決め操作をスムーズに行うことができ、吸収パッドの併用による効果が十分に得られる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】おむつ1は、吸収体の縦中心線と横中心線とが重なる位置に中央部欠落部25を有している。またおむつ1は、コアラップシート16と、エンド不織布21と、立体ギャザー24を形成しているシート23と弾性部材22とを有しており、これらは着色されている。おむつ1を肌対向面から目視したとき、コアラップシートの非肌側部16bの色が中央部欠落部25を通して視認可能あり、且つエンド不織布21と、立体ギャザー24を形成しているシート23又は弾性部材22との色が目視可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性材料からなる吸収性コアを含む吸収体を備え、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する、肌対向面側に吸収パッドを装着して使用可能な吸収性物品であって、
前記横方向に沿って配され、前記吸収体の前記縦方向の端部を覆うエンド不織布と、該吸収体の前記縦方向の両側に配され、シート及び弾性部材を含む立体ギャザーとを有し、
前記吸収体は、前記吸収性コアを被覆するコアラップシートを含んでおり、
前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌対向面側を被覆する肌側部と、非肌対向面側を被覆する非肌側部を有し、
前記吸収体は、前記吸収性物品を前記縦方向に2等分する縦中心線と、該吸収性物品を前記横方向に2等分する横中心線とが重なる位置に、中央部欠落部を有し、
前記コアラップシートの前記非肌側部と、前記エンド不織布と、前記立体ギャザーを形成している前記シート又は前記弾性部材とが着色されており、
前記吸収性物品を肌対向面から目視したとき、前記非肌側部の色が前記中央部欠落部を通して視認可能であり、且つ前記エンド不織布と、前記立体ギャザーを形成している前記シート又は前記弾性部材との色が目視可能である、吸収性物品。
【請求項2】
前記非肌側部に加えて、前記肌側部も着色されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収体は、平面視において前記中央部欠落部と重なる位置に、着色された3枚のコアラップシートを有する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性コアは、前記横方向の両端領域に、前記縦方向に沿って延びる1対の側部欠落部を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収性コアは、前記縦方向の端部に端部欠落部を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記立体ギャザーを形成しているシートが着色されており、
表面シート、裏面シート及び内層シートが白色であって、且つ模様も柄も有しない、請求項1~5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつやおむつカバーの肌対向面側に吸収パッドを取り付けて使用することが一般的に行われており、活動度や交換頻度に応じて吸収パッドの種類を変更しながら使用することが多い。
しかし吸収パッドは、吸収性物品における所定の適切な位置に装着して初めてその本来の性能が発揮されるものであるため、吸収パッドの吸収性物品への装着時には位置決め操作が重要になる。しかし、位置決め操作においては、吸収パッドの装着位置が、一度の操作では装着位置が決まらず、吸収パッドの吸収性物品への着脱を何度も繰り返すことが少なくない。
【0003】
そこで、本出願人は先に、吸収パッドの位置決め操作をスムーズに行うための吸収性物品を提案した。特許文献1には、おむつの胴回りの弾性部材として、少なくとも1種類の非白色の弾性部材を用いることで、肌対向面から目視したとき、前記非白色の弾性部材を目印として、吸収パッドの位置決め操作をスムーズに行うことが可能である、吸収性物品が開示されている。
また、特許文献2には、吸収性コアの非肌対向面に色付きシートを用い、該吸収性コアの一部に、前記吸収性材料の坪量がその他の部分に比して低い低坪量を有する吸収性物品であって、肌対向面から目視したとき、前記低坪量が位置する部分において前記色付きシートの色が視認可能である、吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020―93177号公報
【特許文献2】特開2021―153752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、パンツ型使い捨ておむつの着用者が自ら吸収パッドを装着する場合には、該おむつのレッグ開口部に両足を挿入して該おむつを膝の高さ程度まで引き上げておき、その引き上げ途中状態の該おむつの内面(肌対向面)を、該おむつのウエスト開口部を介して目視で確認しつつ、該内面に対して吸収パッドの位置決めを行うことが多いが、吸収パッドの種類によらずに、おむつの前後方向又は幅方向の中心位置の判別が容易で、斯かる位置決め操作をスムーズに行うことが可能となる技術は未だ提供されていない。
【0006】
したがって本発明の課題は、吸収パッドを装着する場合の位置決め操作をスムーズに行うことができ、吸収パッドの位置ズレに起因する着用中の違和感や漏れなどの不都合を起こさずに、吸収パッドの併用による効果が十分に得られる、吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、吸収性材料からなる吸収性コアを含む吸収体を備え、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する、肌対向面側に吸収パッドを装着して使用可能な吸収性物品を提供するものである。
前記横方向に沿って配され、前記吸収体の前記縦方向の端部を覆うエンド不織布と、該吸収体の前記縦方向の両側に配され、シート及び弾性部材を含む立体ギャザーとを有していることが好ましい。
前記吸収体は、前記吸収性コアを被覆するコアラップシートを含んでいることが好ましい。
前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌対向面側を被覆する肌側部と、非肌対向面側を被覆する非肌側部を有していることが好ましい。
前記吸収体は、前記吸収性物品を前記縦方向に2等分する縦中心線と、該吸収性物品を前記横方向に2等分する横中心線とが重なる位置に、中央部欠落部を有していることが好ましい。
前記コアラップシートの前記非肌側部と、前記エンド不織布と、前記立体ギャザーを形成している前記シート又は前記弾性部材とが着色されていることが好ましい。
前記吸収性物品を肌対向面から目視したとき、前記非肌側部の色が前記中央部欠落部を通して視認可能であり、且つ前記エンド不織布と、前記立体ギャザーを形成している前記シート又は前記弾性部材との色が目視可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸収パッドを装着する場合の位置決め操作をスムーズに行うことができ、吸収パッドの位置ズレに起因する着用中の違和感や漏れなどの不都合を起こさずに、吸収パッドの併用による効果が十分に得られる、吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側を模式的に示す展開平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の吸収性物品に取り付ける吸収パッドの展開且つ伸長状態における肌対向面側を模式的に示す展開平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1には、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1が示されている。おむつ1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有している。おむつ1は、縦方向Xの全長を3等分して、着用時に着用者の前側に配される腹側部A、着用時に着用者の後側に配される背側部B、及び腹側部Aと背側部Bとの間に位置する股下部Cとに区分することができる。おむつ1は、パンツ型の使い捨ておむつである。
【0011】
おむつ1は、液保持性の吸収体14を具備しており、吸収体14の肌対向面側に位置している液透過性の表面シート12と、吸収体14の非肌対向面側に位置している液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート13とを具備している(
図2及び
図3)。より具体的には、表面シート12、裏面シート13及び吸収体14は一体化されて、吸収性本体3を形成しており、吸収性本体3が外装体17の幅方向中央域に固定されている。おむつ1は、裏面シート13の非肌対向面側に外装体17を有している。外装体17は、
図1に示すようにおむつ1の外形を形作っており、外装体17の周縁は、その状態のおむつ1の輪郭線を形成している。外装体17は、
図1に示すように、外装体17の縦方向Xに沿う両側縁部が横方向Yの中央に向かって凸の円弧状に湾曲しており、横方向Yの内方に向けて括れている。
【0012】
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収性本体)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側、すなわち相対的に着用者の肌から遠い側に向けられる面である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
【0013】
外装体17は、
図2及び
図3に示すように、外層シート31と内層シート32との積層体を含んで構成されている。おむつ1の着用状態において、外層シート31は着用者の身体から遠い側に位置して、おむつ1の非肌対向面を形成し、内層シート32は、着用者の身体に近い側に位置して、おむつ1の肌対向面を形成する。外層シート31と内層シート32との間は、所定の部位において接着剤によって接合されている。外層シート31は、内層シート32と同形状・同寸法の部分に加えて更に、両シート31,32を積層した際に内層シート32の腹側部A側の縦方向Xの端部から外方に延出する腹側延出部33を有している。外層シート31の腹側延出部33は、
図3に示すように、エンド不織布21の縦方向Xの端部を覆うように、内層シート32側に折り返され、接着剤によって、腹側延出部33と対向するおむつ1の他の構成部材に固定されている。背側延出部34においても、腹側延出部33と同様の操作で、背側延出部34と対向するおむつ1の他の構成部材とが固定されている。
【0014】
エンド不織布21は、好ましくは、吸収体14の端部の一部を覆って、吸収体14の端部からの液漏れを防ぐために固定する不織布である。エンド不織布21は、外装体17を構成する外層シート31及び内層シート32の一方又は両方が、肌対向面側に折り返されて形成されていてもよい。例えば、外層シート31の腹側延出部33又は背側延出部34が、吸収体14の縦方向Xの端部を覆うように内層シート32側に折り返されており、その折り返された部分の全域又は一部が着色されてエンド不織布21が形成されていてもよい。前記折り返された部分は、接着剤などの接合手段によって、対向するおむつ1の他の構成部材に固定されていることが好ましい。
【0015】
本実施形態のおむつ1においては、エンド不織布21が、
図1及び
図3に示すように、吸収体14の縦方向Xの端部の一部を覆うように、横方向Yに沿って配されている。エンド不織布21は横方向Yに長い形状を有している。具体的には、平面視においてエンド不織布21は横方向Yに長い長方形形状を有している。また、エンド不織布21の横方向Yの長さは、吸収体14の横方向Yの長さよりも長い長さを有することが好ましく、サイドシール部S、S間に達する長さを有していることがより好ましい。更にエンド不織布21は、外装体17のサイドシール部Sに固定されていてもよく、サイドシール部S以外に固定されていてもよい。
【0016】
また
図1及び
図2に示すように、吸収性本体3の縦方向Xに沿う左右両側部に、少なくとも股下部Cにおいて着用時に着用者の肌側に向かって起立する立体ギャザー24が形成されている。立体ギャザー24は、立体ギャザー24を形成しているシート23と、自由端近傍に配された弾性部材22とを有しており、吸収体14の横方向Yの端部を覆うように配されている。より具体的には吸収性本体3の両側縁に沿って縦方向Xに延びる立体ギャザー24を有している。立体ギャザー24は、吸収体14側を基端とし着用者の肌側に自由端をなすように起立するものであり、その自由端には縦方向Xに沿って弾性部材22が伸長状態で配されている。弾性部材22は、少なくとも股下部Cの縦方向Xの全長に延在し、本実施形態では更に、腹側部A及び背側部Bそれぞれの股下部C寄りの部分にも延びている。またおむつ1では、通常、股下部Cにおける脚周りに配される部位に、レッグ弾性部材35が伸長状態で配されており、その収縮により、着用状態における股下部Cに着用者の脚周りへのフィット性を向上させるレッグギャザーが形成される。
図1に示す概略図では、弾性部材22及びレッグギャザーの図示を省略している。
【0017】
吸収体14は、主たる吸液部位であり、尿等の体液を吸収して保持する機能を有する吸収性コア15と、吸収性コア15を被覆するコアラップシート16を有している(
図2参照)。吸収性コア15は、吸収性材料からなる。本実施形態において吸収性コア15は、吸収性材料として繊維材料及び吸水性ポリマーを含んで構成されている。本実施形態の吸収性コア15は、吸収体14の横方向Yの長さを2等分して縦方向Xに延びる縦中心線CLxに対してほぼ左右対称の形状を有している。また、本実施形態の吸収性コア15は、吸収体14の縦方向Xの長さを2等分して横方向Yに延びる横中心線CLyに対してほぼ前後対称の形状を有している。
【0018】
吸収性コア15は、その全域がコアラップシート16によって被覆されており、吸収性コア15の肌対向面側を被覆する肌側部16aと、非肌対向面側を被覆する非肌側部16bとを有している。斯かる非肌側部16bは着色されている。肌側部16aも着色されていてもよい。コアラップシート16と吸収性コア15は、接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。尚、吸収性コア15は1枚のコアラップシートで被覆されていてもよく、複数のコアラップシートで被覆されていてもよい。
図1では、吸収性コア15を被覆するコアラップシート16の図示を省略している。
【0019】
更に吸収性コア15は、その中心に、吸収性材料が存在しない中央部欠落部25を有している(
図1及び
図2参照)。中央部欠落部25は、吸収性材料が存在しない部分であるか、又は他の部分に比して吸収性材料の坪量が顕著に少ない部分である。すなわち、中央部欠落部25は、吸収性材料が存在しない貫通孔となっていてもよいし、吸収性材料が存在するが、その坪量が他の部分に比して顕著に低い部分であってもよい。
坪量が他の部分に比して顕著に低い部分であるか否かは、吸収体14の肌側対向面から見たときに欠落部を介して、コアラップシートの非肌側部16bの色が視認できるか否かで判断することができる。また例えば、欠落部の中心を中心点とする直径10mmの中央領域内における吸収性材料の質量と、該中心点から縦方向X又は横方向Yに20mm離れた地点を中心点とする直径10mmの隣接領域における吸収性材料の質量とを比較したときに、中央領域内における吸収性材料の質量が、隣接領域における吸収性材料の質量の1/5以下であるか否かで判断することができ、好ましくは1/10であるか否かで判断することもできる。
【0020】
欠落部は、好ましくは、吸収性材料の坪量が3g/m2以下、より好ましくは1g/m2以下である。吸収性材料の坪量は、吸収性コア15が、パルプ等の繊維材料及び高吸収性ポリマーの一方のみを含む場合は、その一方の坪量であり、パルプ等の繊維材料及び高吸収性ポリマーの両方を有する場合は、繊維材料の坪量と高吸収性ポリマーの坪量の合計の坪量である。欠落部には、コアラップシートの非肌側部16bの色が視認できる程度に低い吸収性材料が存在していることが好ましい。
本実施形態の吸収性コア15は、縦中心線CLxと横中心線CLyとが重なる位置に、中央部欠落部25を有している。具体的には、中央部欠落部25は、縦中心線CLxが中央部欠落部25の横方向Yの長さを2等分するように、縦中心線CLxと重なっており、横中心線CLyが中央部欠落部25の縦方向Xの長さを2等分するように、横中心線CLyと重なっている。
【0021】
本実施形態のおむつ1においては、コアラップシートの非肌側部16bと、エンド不織布21と、立体ギャザー24を形成しているシート23又は弾性部材22とが着色されている。これらの色は同じ色であってもよいし、それぞれ別の色であってもよい。立体ギャザー24を形成しているシート23が着色されている場合、おむつ1を肌対向面から目視したとき、立体ギャザー24を形成しているシート23の目視可能な範囲が少なくとも着色されていることが好ましい。これらの着色は、色材が練り込まれた繊維を含むこと、又は印刷によって、行われている。着色とは、白色以外の色を呈することを意味する。
コアラップシートの非肌側部16bの色、エンド不織布21の色及び立体ギャザー24を形成しているシート23の色又は弾性部材22の色は、例えば、黒色、藍色、赤色、黄色、緑色、ピンク色、紫色、茶色、黄緑色、水色、青色などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの色は、単独又は異なる色で塗分けられていてもよい。尚、表面シート12が着色されている場合、コアラップシートの非肌側部16bの色とは異なっていることが好ましい。
【0022】
また、1対のエンド不織布21の位置及び1対のエンド不織布21同士間の空間を把握しやすくし、吸収パッドの縦方向Xにおける位置合わせを容易とする観点、又は1対の立体ギャザー24の位置及び1対の立体ギャザー24同士間の空間を把握しやすくし、吸収パッドの横方向Yにおける位置合わせを容易とする観点から、1対のエンド不織布同士の色が同じであることが好ましく、1対の立体ギャザー24についてもシート23の色が同じであるか又は弾性部材22の色が同じであることが好ましい。例えば、腹側部A側と背側部B側に配されているエンド不織布21同士の色が同じであることが好ましく、吸収体14の横方向Yの一端と他端を覆う、立体ギャザー24を形成しているシート23同士の色が同じであるか又は吸収体14の横方向Yの一端と他端に配されている弾性部材22同士の色が同じであることが好ましい。着色の一例を示すと、コアラップシートの非肌側部16bの色が黒色、腹側部A側と背側部B側に配されているエンド不織布21のそれぞれの色が赤色、吸収体14の横方向Yの一端と他端を覆う、立体ギャザー24を形成しているシート23のそれぞれの色が青色、吸収体14の横方向Yの一端と他端に配されている弾性部材22のそれぞれの色が黄色であることが挙げられる。
【0023】
本実施形態のおむつ1は、これとは別体の他の吸収性物品(例えば、尿取りパッド)を肌対向面側に配して使用することが好ましい。すなわち、おむつ1はアウター、他の吸収パッドはインナーとして使用される。
本実施形態のおむつ1を肌対向面から目視したとき、エンド不織布21と、立体ギャザー24を形成しているシート23又は弾性部材22との色が目視可能である。更に、中央部欠落部25が位置する部分において、コアラップシートの非肌側部16bの色が視認可能である。例えば、
図1に示すように、おむつ1を平面視したとき、エンド不織布21の色を目視することができる。このエンド不織布21は、おむつ1の縦方向Xの端部域に位置しているので、吸収性物品の縦方向Xにおける位置決め操作の目印とすることができる。また立体ギャザー24を形成しているシート23又は弾性部材22の色が目視可能であることによって、吸収性物品の横方向Yにおける位置決め操作の目印とすることができる。更に、中央部欠落部25が位置する部分において、コアラップシートの非肌側部16bの色を、表面シート12を介して視認することができる。この中央部欠落部25は、吸収性コア15の縦方向Xの中央部及び横方向Yの中央部に位置しているので、中央部における位置決め操作の目印とすることができる。これらの目印が、位置決め操作の目印として機能するため、吸収パッドの位置決め操作をスムーズに行うことが可能となり、吸収パッドの位置ズレに起因する着用中の違和感や漏れなどの不都合を起こさずに、吸収パッドの併用による効果が十分に得られるようになる。すなわち、おむつ1の着用者が自ら吸収パッドを装着する場合には通常、おむつ1に両足を挿入しておむつ1を膝の高さ程度まで引き上げておき、その状態のおむつ1の内部、すなわち肌対向面側を、両足で拡げられた状態のウエスト開口部を介して目視で確認しつつ、吸収パッドをおむつ1の内部に入れて位置決め操作を行うところ、位置決め操作において着用者はウエスト開口部を介して上記目印を目視確認できるため、上記目印を頼りに吸収パッドの位置決めをスムーズに行うことができる。
【0024】
尚、おむつ1の着色された部材、すなわち、コアラップシートの非肌側部16bと、エンド不織布21と、立体ギャザー24を形成しているシート23又は弾性部材22とが、おむつ1の非肌対向面側から目視可能であるか否かは、本実施形態においては重要ではない。前述した通り、上記着色された部材は、おむつ1の内面側を目視で確認しつつ該内面側に吸収パッドを装着する際の目印として活用するものであり、おむつ1の外面側から着色された部材が目視で確認できなくても、吸収パッドの装着操作には何等問題が生じないからである。
【0025】
本実施形態における中央部欠落部25のサイズは、コアラップシートの非肌側部16bの色の視認性をより向上させる観点から以下の範囲であることが好ましい。
平面視における中央部欠落部25の面積は、好ましくは100mm
2以上、より好ましくは200mm
2以上、更に好ましくは240mm
2以上である。また、本発明である吸収性物品を単体でパンツおむつとして使用する場合であっても所要の吸収容量を確保できる観点から、平面視における中央部欠落部25の面積は、好ましくは1600mm
2以下、より好ましくは1200mm
2以下、更に好ましくは900mm
2以下である。
縦方向Xにおける中央部欠落部25の長さL1(
図1参照)は、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、また好ましくは80mm以下、より好ましくは60mm以下であり、また好ましくは20mm以上80mm以下、より好ましくは30mm以上60mm以下である。
横方向Yにおける中央部欠落部25の長さL2(
図1参照)は、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは5mm以上20mm以下、より好ましくは8mm以上15mm以下である。
また縦方向Xにおける中央部欠落部25の長さL1は、吸収性コア15の欠落部が存在する領域における縦方向Xの全長の長さA1(
図1参照)に対して、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であり、また好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下であり、また好ましくは3%以上15%以下、より好ましくは5%以上10%以下である。
横方向Yにおける中央部欠落部25の長さL2は、吸収性コア15の欠落部が存在する領域における横方向Yの全長の長さA2(
図1参照)に対して、好ましくは2%以上、より好ましくは4%以上であり、また好ましくは12%以下、より好ましくは8%以下であり、また好ましくは2%以上12%以下、より好ましくは4%以上8%以下である。
【0026】
前述したような、おむつの着用者自らが吸収パッドを装着する場合における位置決め操作の操作性の向上を考慮すると、コアラップシートの非肌側部16bに加えて、肌側部16aも着色されていることが好ましい。この場合、非肌側部16bの色と肌側部16aの色とが合わさって、おむつ1を肌対向面から目視したときの視認性を向上させることができる。こうすることにより、中央部欠落部25がおむつ1の中央部における位置決め操作の目印として機能し、吸収パッドの位置決め操作をよりスムーズに行うことができる。
非肌側部16bの色及び肌側部16aの色は、視認性を向上させることができる色の組み合わせであればよく、非肌側部16bの色と肌側部16aとの色が、同じ色であっても異なる色であってもよい。着色の一例を示すと、非肌側部16bの色と肌側部16aとの色が、それぞれ淡い赤色に着色されていることが挙げられる。この場合、非肌側部16bの色と肌側部16aの色とが合わさって濃い赤色に見えるようになり、視認性を向上させることができる。
【0027】
更に上述の効果をより一層奏させるようにする観点から、吸収体14は、平面視において中央部欠落部25と重なる位置に、着色された3枚のコアラップシート16を有していることが好ましい。例えば、吸収体14はコアラップシート16を3枚有し、コアラップシートの肌側部16aを2枚備え、且つコアラップシートの非肌側部16bを1枚備えていることが挙げられる。また吸収体14がコアラップシート16を1枚有し、コアラップシートの非肌側部16bが、吸収性コア15の非肌対向面側から横方向Yの外方に延出する延出部を有し、その延出部が肌対向面側に巻き上げられて、吸収性コア15の肌対向面側を被覆し、中央部欠落部25において、コアラップシート16の端部同士が重なっていてもよい。こうすることにより、中央部欠落部25において、コアラップシート16の色をより一層際立たせることができ、中央部欠落部25が吸収性物品の中央部における位置決め操作の目印として機能し、吸収パッドの位置決め操作をよりスムーズに行うことができる。
【0028】
本発明において、コアラップシート16の肌側部及び非肌側部は、それぞれが、連続する1枚のコアラップシート16の各一部分であってもよい。またコアラップシート16の肌側部及び非肌側部が、複数枚のコアラップシート16によって形成されていてもよく、例えばコアラップシートの肌側部が、吸収性コアの肌対向面に配されたコアラップシートから形成され、コアラップシートの非肌側部が、吸収性コアの非肌対向面側に配されたコアラップシートから形成されていてもよい。
【0029】
また、おむつの着用者自らが吸収パッドを装着する場合における位置決め操作の操作性の向上の観点から、吸収性コア15は、
図1及び
図2に示すように、横方向Yの両端領域に、縦方向Xに沿って延びる、1対の側部欠落部26a、26bを有していることが好ましい。側部欠落部26a、26bは、吸収性材料が存在しない部分であるか、又は他の部分に比して吸収性材料の坪量が顕著に少ない部分である。坪量が他の部分に比して顕著に低い部分であるか否かは、中央部欠落部25と同様にして判断する。
この場合、側部欠落部26a、26bは、縦方向Xに沿う1対の側部欠落部26a、26bにおいて繊維材料等の吸収性材料は存在しない部分であるか、又は他の部分に比して吸収性材料の坪量が顕著に少ない部分であるので、コアラップシートの非肌側部16bの色をより際立たせることができ、吸収性物品の横方向Yにおける位置決め操作の目印として機能することで、吸収パッドの位置決めをよりスムーズに行うことができる。
【0030】
尚、側部欠落部26a、26bは、コアラップシートの非肌側部16bの色の視認性の向上及び吸収性材料確保の観点から、以下の範囲内であることが好ましい。
平面視における側部欠落部26a、26bの面積はそれぞれ、好ましくは1500mm
2以上、より好ましくは3000mm
2以上、更に好ましくは3500mm
2以上であり、好ましくは12500mm
2以下、より好ましくは10000mm
2以下、更に好ましくは9000mm
2以下である。
縦方向Xにおける側部欠落部26a、26bの長さL3(
図1参照)は、好ましくは300mm以上、より好ましくは350mm以上であり、また好ましくは500mm以下、より好ましくは450mm以下であり、また好ましくは300mm以上500mm以下、より好ましくは350mm以上450mm以下である。
横方向Yにおける側部欠落部26a、26bの長さL4(
図1参照)は、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下であり、また好ましくは5mm以上25mm以下、より好ましくは10mm以上20mm以下である。
【0031】
更に、吸収性コア15は、おむつの着用者自らが吸収パッドを装着する場合における位置決め操作の操作性の向上の観点から、
図1に示すように、縦方向端部に、1対の端部欠落部27a、27bを有していることが好ましい。端部欠落部27a、27bは、吸収性材料が存在しない部分であるか、又は他の部分に比して吸収性材料の坪量が顕著に少ない部分である。坪量が他の部分に比して顕著に低い部分であるか否かは、中央部欠落部25と同様にして判断する。ただし、隣接領域は、横方向Yにおける中央領域の両側(
図1中の左右両側)に設定する。端部欠落部27a、27bは略三角形の形状を有し、縦中心線CLxに対してほぼ左右対称の形状を有している。縦方向Xの端部に位置する端部欠落部27a、27bにおいて繊維材料等の吸収性材料は存在しない部分であるか、又は他の部分に比して吸収性材料の坪量が顕著に少ない部分であるので、コアラップシートの非肌側部16bの色をより際立たせることができ、吸収性物品の縦方向Xにおける位置決め操作の目印として機能することで、吸収パッドの位置決め操作をよりスムーズに行うことができる。尚、上記の観点から、端部欠落部27a、27bの一部の領域は、エンド不織布21と重ならない領域を有することが好ましい。
【0032】
端部欠落部27a、27bにおいて、コアラップシートの非肌側部16bの色の視認性の向上及び吸収性材料確保の観点から、平面視における端部欠落部27a、27bの面積はそれぞれ、好ましくは500mm
2以上、より好ましくは750mm
2以上、更に好ましくは1000mm
2以上であり、また好ましくは3100mm
2以下、より好ましくは2500mm
2以下、更に好ましくは2200mm
2以下である。また端部欠落部27a、27bにおける、エンド不織布21と重ならない領域の面積はそれぞれ、好ましくは1000mm
2以上、より好ましくは1500mm
2以上、更に好ましくは2000mm
2以上である。
縦方向Xにおける端部欠落部27a、27bの長さL5(
図1参照)は、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、また好ましくは65mm以下、より好ましくは55mm以下であり、また好ましくは20mm以上65mm以下、より好ましくは30mm以上55mm以下である。
横方向Yにおける端部欠落部27a、27bの長さL6(
図1参照)は、好ましくは50mm以上、より好ましくは60mm以上であり、また好ましくは95mm以下、より好ましくは85mm以下であり、また好ましくは50mm以上95mm以下、より好ましくは60mm以上85mm以下である。
【0033】
中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27bに関し、欠落部とは、上述したように、吸収性材料が存在しない部分であるか、又は他の部分に比して吸収性材料の坪量が顕著に少ない部分である。すなわち、欠落部は、吸収性材料が存在しない貫通孔となっていてもよいし、吸収性材料が存在するが、その坪量が他の部分に顕著に低い部分であってもよい部分である。
【0034】
コアラップシートの非肌側部16bの色の視認性をより向上させる観点から、中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27bの厚みは以下の範囲内であることが好ましい。
中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27bの厚みD2は、吸収性コア15の厚みD1に対して好ましくは0%以上、より好ましくは3%以上であり、また好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下であり、また好ましくは0%以上10%以下、より好ましくは3%以上8%以下である。
中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27b厚みD2は、好ましくは0mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下であり、また好ましくは0mm以上6mm以下、より好ましくは0.5mm以上5mm以下である。
吸収性コア15の厚みD1は、吸収性コア15における中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27b以外の部分の厚みである。
尚、本明細書において吸収性コア15の厚みは、以下の方法により測定される。
【0035】
[吸収性コアの厚みの測定方法]
吸収性コア15の厚みD1及び中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27bの厚みD2の測定は、水平な場所にシワや折れ曲がりがないように吸収性コア15を置き、5cN/cm2の荷重をかけた状態で測定する。具体的には、厚み計(尾崎製作所社製 PEACOCK DIAL GAUGE 207F-PL)を用いて測定する。このとき、厚み計の先端部と測定対象物との間に、荷重が5cN/cm2となるように、大きさを調整した平面視円形状又は正方形状のプレートを配置して、厚みを測定する。
【0036】
上記と同様の観点から、中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27bの坪量は以下の範囲内であることが好ましい。
中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27bの坪量は、吸収性コア15の中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27b以外の部分における坪量に対して好ましくは0%以上、より好ましくは3%以上であり、また好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下であり、また好ましくは0%以上10%以下、より好ましくは3%以上8%以下である。
中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27bの坪量は、好ましくは0g/m2以上、より好ましくは3g/m2以上であり、また好ましくは10g/m2以下、より好ましくは8g/m2以下であり、また好ましくは0g/m2以上10g/m2以下、より好ましくは3g/m2以上8g/m2以下である。
【0037】
コアラップシートの非肌側部16bの色の視認性をより向上させる観点から、吸収性コア15の中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27b以外の部分における坪量は、好ましくは100g/m2以上、より好ましくは150g/m2以上であり、また好ましくは1000g/m2以下であり、また好ましくは100g/m2以上1000g/m2以下、より好ましくは150g/m2以上1000g/m2以下である。吸収性コア15の中央部欠落部25、側部欠落部26a、26b及び端部欠落部27a、27b以外の部分における坪量を上記の範囲とすると、特にコアラップシートの非肌側部16bを着色した場合に、色の視認性を向上させることができる点で好ましい。
【0038】
尚、おむつ1の肌対向面側から、コアラップシートの非肌側部16bと、エンド不織布21と、立体ギャザー24を形成しているシート23との色の目視可能性を一層高める観点から、表面シート12、裏面シート13及び内層シート32が白色であって、且つ模様も柄も有しないことが好ましい。この場合、コアラップシートの非肌側部16bと、エンド不織布21と、立体ギャザー24を形成しているシート23とが一層目立つようになり、より目印として機能しやすくなる。
【0039】
図4には、おむつ1の肌対向面側に配されて使用される他の吸収性物品の一例である吸収パッド100の概略図が示されている。吸収パッド100は縦方向X
1に長い形状を有している。具体的には、平面視において吸収パッド100は縦方向X
1に長い長方形形状を有している。吸収パッド100は、横方向Y
1の長さを2等分して縦方向X
1に延びる縦中心線CLx
1に対してほぼ左右対称の形状を有している。また、吸収パッド100は、縦方向X
1の長さを2等分して横方向Y
1に延びる横中心線CLy
1に対してほぼ前後対称の形状を有している。
同図の吸収パッドは、展開状態とし、且つ各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態となっている。
【0040】
吸収パッド100の吸収体44は、
図4及び
図5に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート41、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート42、及び両シート41、42間に介在配置された液保持性の吸収性コア43、コアラップシート47を具備しており、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。吸収性コア43は、平面視長方形形状をなし、吸収体44の外形を形作っている。
【0041】
図4及び
図5に示すように、吸収パッド100の肌対向面における縦方向X
1に沿う左右両側部には、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性のシート材から構成された一対の立体ギャザー45、45が設けられている。立体ギャザー45の自由端部の近傍には糸状の弾性部材46が1本以上伸長状態で配されている。立体ギャザー45は、伸長状態で配された弾性部材46がおむつ1の着用時に収縮することによって少なくとも股下部で起立し、それによって尿等の排泄液の横方向Yの外方への流出を阻止する。
【0042】
本実施形態のおむつ1は、吸収体14と、エンド不織布21と、立体ギャザー24を形成しているシート23を含む立体ギャザー24とを含んで構成されている。また吸収体は、吸収性材料からなる吸収性コア15と、コアラップシート16とを含んで構成されている。斯かるコアラップシート16と、エンド不織布と21、立体ギャザー24を形成しているシート23又は弾性部材22は前述の通り着色されている。また、吸収性コア15は、おむつ1を肌対向面から目視したとき、コアラップシートの非肌側部16bの色が視認可能である中央部欠落部25を有している。
【0043】
おむつ1をアウターとし、吸収パッド100をインナーとして使用する場合、おむつ1の中央部欠落部25と、エンド不織布21と、立体ギャザー24を形成しているシート23又は弾性部材22とを目印とすることで、おむつ1を横方向Yに2等分する縦方向Xに沿う縦中心線CLxと、吸収パッド100の縦中心線CLx1とを合わせる操作を容易に行うことができる。また、おむつ1を縦方向Xに2等分する横方向Yに沿う横中心線CLyと、吸収パッド100の横中心線CLy1とを合わせる操作を容易に行うことができる。更におむつ1の縦方向X1における端部と吸収パッド100の縦方向X1における端部の位置を合わせる操作を容易に行うことができ、おむつ1における横方向Yの位置と吸収パッド100における横方向Y1の位置を合わせる操作を容易に行うことができる。すなわち、おむつ1において吸収パッド100を適正な位置に取り付ける操作を容易に行うことができる。
【0044】
上述した実施形態のおむつにおける各部の形成材料は、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート12及び裏面シート13としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。表面シート12としては、親水化処理が施された各種不織布や開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。各種不織布としては、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、立体賦形不織布等が挙げられる。不織布を構成する繊維としては、例えばポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維等が挙げられる。また、裏面シート13としては、液難透過性の素材でもよい。液難透過性とは、水等の液体は通さないが、水蒸気等の気体は通す性質をいう。液難透過性のシートとしては、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等を用いることができる。透湿性を有する樹脂フィルムとしては、例えば、炭酸カルシウム等のフィラーからなる微粉を分散させた、ポリエチレン等の合成樹脂製のフィルムを延伸し、微細な孔を設けた多孔質フィルム等が挙げられる。また、裏面シート13として、液難透過性のシートと、液透過性のシート(例えば不織布)との積層体を用いることもできる。
【0045】
吸収性コア15の形成材料としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ等の天然セルロース繊維、親水性合成繊維等の繊維材料、粒子状又は繊維状等の所定形状の吸水性ポリマー等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらに加えて抗菌剤等を含んでいてもよい。
【0046】
コアラップシート16としては、それぞれ、液透過性のシートを用いることができ、例えば、ティッシュペーパー等の紙や、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布、メッシュシート、開孔フィルム等を用いることができる。コアラップシート16は、親水性のシート部材であることが好ましい。
【0047】
立体ギャザー24を形成しているシート23としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば撥水性の不織布(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド不織布(いわゆるSMS、SMMS,SSMMS不織布)、スパンボンド・メルトブローン不織布(SM不織布)、スパンボンド不織布)、樹脂フィルム製のシート、不織布と樹脂フィルムとのラミネート体等を用いることができる。
また、立体ギャザー24を構成する弾性部材22としては、例えば、スチレン-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材22は、糸状でも帯状又はフィルム状でもよい。
【0048】
外層シート31及び内層シート32としては、それぞれ、この種の吸収性物品において外装体として従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布等の各種製法による不織布等を用いることができる。
【0049】
レッグ弾性部材35及びウエスト弾性部材36は、何れも外装体17を構成する外層シート31と内層シート32との間に接着剤等の接合手段により挟持固定されている。レッグ弾性部材35及びウエスト弾性部材36としては、天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、発泡ウレタン系樹脂、ホットメルト系伸縮部材等の伸縮性素材を糸状(糸ゴム)又は帯状(平ゴム)に形成したものが好ましく用いられる。
【0050】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態においては、外装体17を構成する外層シート31及び内層シート32は、それぞれ、1枚の連続したシートから構成されていたが、複数枚のシートが組み合わされて構成されていてもよい。また、外装体17が、腹側部Aに位置する外装体腹側領域と背側部Bに位置する外装体背側領域とに分割され、吸収体14が、該外装体腹側領域及び該外装体背側領域に架け渡して固定されていても良い。更に、外層シート31は腹側延出部33を有していなくてもよい。更にまた、本発明の吸収性物品は、パンツ型使い捨ておむつに制限されず、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含し、展開型使い捨ておむつ、生理用ショーツ等も包含される。
【符号の説明】
【0051】
1 おむつ
3 吸収性本体
12 表面シート
13 裏面シート
14 吸収体
15 吸収性コア
16 コアラップシート
16a、16b 肌側部、非肌側部
17 外装体
21 エンド不織布
22 弾性部材
23 立体ギャザー形成用のシート
24 立体ギャザー
25 中央部欠落部
26a、26b 側部欠落部
27a、27b 端部欠落部
31 外層シート
32 内層シート
33 腹側延出部
34 背側延出部
35 レッグ弾性部材
36 ウエスト弾性部材
CLx 縦中心線
CLy 横中心線