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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111773
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】キャップ用洗濯ネット
(51)【国際特許分類】
   D06F 35/00 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
D06F35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016480
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】500331714
【氏名又は名称】株式会社創和
(74)【代理人】
【識別番号】100178951
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 和家
(72)【発明者】
【氏名】宗 正雄
【テーマコード(参考)】
3B168
【Fターム(参考)】
3B168AD01
3B168AE01
3B168BA08
3B168BA86
3B168WA03
3B168WA12
(57)【要約】
【課題】単純な形態とすることで縫製作業が容易であるとともに、他の洗濯物との干渉を抑える工夫がなされたキャップ用洗濯ネットを提供する。
【解決手段】網目状の素材からなり、開口部2aから取り入れたキャップ9の全体を包み込んで収容する収容部2と、収容部2内に設けられ、収容部2に収容されたキャップ9のバイザー92が挿入されるバイザーポケット5と、開口部2aを閉塞する閉塞部材3と、を有し、収容部2は、開口部2aが形成された胴部21と、キャップ9が載置される底部22と、を有するものであり、バイザーポケット5は、底部22に載置されたキャップ9のバイザー92を保持するものであるものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
網目状の素材からなり、開口部から取り入れたキャップの全体を包み込んで収容する収容部と、
前記収容部内に設けられ、該収容部に収容された前記キャップのバイザーが挿入されるバイザーポケットと、
前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を有し、
前記収容部は、前記開口部が形成された胴部と、前記キャップが載置される底部と、を有するものであり、
前記バイザーポケットは、前記底部に載置された前記キャップの前記バイザーを保持するものであることを特徴とするキャップ用洗濯ネット。
【請求項2】
前記収容部は、巾着状のものであり、
前記閉塞部材は、前記開口部を絞る紐材とループエンドとから構成されるものであることを特徴とする請求項1記載のキャップ用洗濯ネット。
【請求項3】
前記バイザーポケットに挿入されるとともに、該バイザーポケットに挿入された前記バイザーを下方から支持する保護パットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のキャップ用洗濯ネット。
【請求項4】
前記保護パットは、浮力を有する発泡性素材で構成されたものであることを特徴とする請求項3記載のキャップ用洗濯ネット。
【請求項5】
前記保護パットは、角Rの角部を有する矩形状のものであることを特徴とする請求項3記載のキャップ用洗濯ネット。
【請求項6】
前記保護パットは、前記バイザーポケットからはみ出る大きさのものであり、
前記バイザーポケットに挿入された前記保護パットのうち、はみ出た部分が挿入されるサブポケットが設けられていることを特徴とする請求項3記載のキャップ用洗濯ネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウン(頭にかぶる部分全体)の前側にバイザー(鍔あるいは庇とも称する場合がある)を有するキャップの洗濯に好適なキャップ用洗濯ネットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、野球帽などのキャップを洗濯するためのキャップ用洗濯ネットが種々提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2等参照)。特許文献1や特許文献2に記載のキャップ用洗濯ネットは、クラウンを収容するクラウン収容部と、バイザーを収容するバイザー収容部とをそれぞれ制作し、これらを接合して構成されたものである。これにより、洗濯機に投入して洗濯する際における、キャップの型崩れ等を防止しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3008167号公報
【特許文献2】実用新案登録第3085837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されたキャップ用洗濯ネットでは、クラウンの形状に対応したクラウン収容部と、バイザーの形状に対応したバイザー収容部とを制作する必要があるため、縫製作業等に手間がかかりやすい。さらに、バイザー収容部がクラウン収容部から突出した形態になるため、バイザー収容部が他の洗濯物と干渉しやすい、といった問題もある。
【0005】
本発明は前記事情に鑑み、単純な形態とすることで縫製作業が容易であるとともに、他の洗濯物との干渉を抑える工夫がなされたキャップ用洗濯ネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を解決する本発明のキャップ用洗濯ネットは、網目状の素材からなり、開口部から取り入れたキャップの全体を包み込んで収容する収容部と、
前記収容部内に設けられ、該収容部に収容された前記キャップのバイザーが挿入されるバイザーポケットと、
前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を有し、
前記収容部は、前記開口部が形成された胴部と、前記キャップが載置される底部と、を有するものであり、
前記バイザーポケットは、前記底部に載置された前記キャップの前記バイザーを保持するものであることを特徴とする。
【0007】
本発明のキャップ用洗濯ネットは、前記収容部によってキャップの全体を包み込んで収容する態様を採用している。このため、例えば、角Rの角筒状の前記胴部と、角Rの矩形状の前記底部等によって単純な形態で構成することができる。すなわち、前述した特許文献1や特許文献2に記載されたキャップ用洗濯ネットのように、バイザーの形状に対応したバイザー収容部等を制作する必要はなく、縫製作業が容易になる。また、キャップのバイザーは、前記バイザーポケットによって保持されるため、洗濯機に投入して洗濯する際における、キャップの型崩れ等を抑えることができる。さらに、前記収容部によってキャップの全体を包み込む態様を採用することにより突出部等がなくなり、他の洗濯物との干渉が生じにくい。
【0008】
また、本発明のキャップ用洗濯ネットにおいて、前記収容部は、巾着状のものであり、
前記閉塞部材は、前記開口部を絞る紐材とループエンドとから構成されるものであってもよい。
【0009】
ここで、前記開口部は、平面視において、角Rの矩形状、円形状あるいは楕円形状であってもよい。また、前記胴部は、前記開口部を開けた状態において、角Rの角筒状、円筒状あるいは楕円筒状のものであってもよく、上方に向かうに従い窄まる形状のものであってもよい。さらに、前記底部は、前記開口部に対応し、平面視において、角Rの矩形状、円形状あるいは楕円形状であってもよい。
【0010】
また、本発明のキャップ用洗濯ネットにおいて、前記バイザーポケットに挿入されるとともに、該バイザーポケットに挿入された前記バイザーを下方から支持する保護パットが設けられている態様が好ましい。
【0011】
すなわち、前記バイザーポケットに挿入された前記バイザーの下方から前記保護パットが支持する態様となる。ここで、前記保護パットの素材は特に限定されるものではなく、樹脂等によって構成することもできる。
【0012】
この態様を態様すれば、前記バイザーがより安定し、洗濯機に投入して洗濯する際における、該バイザーの型崩れ等をより抑えることができる。
【0013】
さらに、本発明のキャップ用洗濯ネットにおいて、前記保護パットは、浮力を有する発泡性素材で構成されたものであってもよい。
【0014】
例えば、前記保護パットは、発泡樹脂(発泡プラスチック)で構成してもよい。
【0015】
この態様を採用すれば、洗濯機で洗濯される際に、前記保護パットの浮力によって、キャップを収容した前記キャップ用洗濯ネットは、他の洗濯物とは別に水面近くで洗濯されることになる。これにより、他の洗濯物と一緒に揉まれるといったこともなくなり、型崩れ等をより一層抑えることができる。
【0016】
またさらに、本発明のキャップ用洗濯ネットにおいて、前記保護パットは、角Rの角部を有する矩形状のものであてもよい。
【0017】
ここで、前記底部の形状を、平面視において、角Rの角部を有する矩形状に形成し、前記保護パットを、該底部の形状と略同じか、やや小さな相似形に形成する態様としてもよい。
【0018】
一般的に、野球帽などは、そのバイザーの幅方向の両側がR形状に形成されている。このため、前記保護パットとして、角Rの角部を有する矩形状のものを採用すれば、バイザーの形状に合致しやすくなり、前記バイザーポケットに挿入したバイザーの安定性を向上させることが可能となる。
【0019】
さらにまた、本発明のキャップ用洗濯ネットにおいて、前記保護パットは、前記バイザーポケットからはみ出る大きさのものであり、
前記バイザーポケットに挿入された前記保護パットのうち、はみ出た部分が挿入されるサブポケットが設けられている態様としてもよい。
【0020】
この態様を採用すれば、前記サブポケットによって前記保護パットが安定し、ひいてはキャップの姿勢を安定させることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のキャップ用洗濯ネットによれば、単純な形態とすることで縫製作業が容易であるとともに、他の洗濯物との干渉を抑える工夫がなされたキャップ用洗濯ネットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態を示すキャップ用洗濯ネットの斜視図である。
図2図1に示すキャップ用洗濯ネットに対して、保護パットを挿入し、キャップを収容する前の様子を説明するための図である。
図3図1に示すキャップ用洗濯ネットの断面図である。
図4】保護パットと、バイザーポケットに挿入されるバイザーとの関係を説明するための平面図である。
図5】キャップ用洗濯ネットにキャップを収容する手順を説明するための図である。
図6】キャップ用洗濯ネットにキャップを収容する手順を説明するための図である。
図7】キャップ用洗濯ネットにキャップを収容する手順を説明するための図である。
図8】キャップ用洗濯ネットにキャップを収容する手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態では、キャップ9として野球帽を収容する例を用いて説明するが、クラウンの前側にバイザーを有する、いわゆるワークキャップやハンチングキャップ、キャスケット等を収容することもできる。
【0024】
図1は、本発明の実施形態を示すキャップ用洗濯ネット10の斜視図である。図1では、キャップ9を収容した状態(洗濯機に投入するときの状態)を示している。図2は、図1に示すキャップ用洗濯ネット10に対して、保護パット4を挿入し、キャップ9を収容する前の様子を説明するための図である。また、図3は、キャップ9を収容した状態の図1に示すキャップ用洗濯ネット10の断面図である。
【0025】
図2及び図3に示すように、キャップ用洗濯ネット10は、収容部2と、閉塞部材3と、保護パット4と、バイザーポケット5と、サブポケット6と、を有するものである。本実施形態では、閉塞部材3として、紐材31とループエンド32を採用している。
【0026】
収容部2は、ポリエステル等の網目状の素材で構成された、例えば巾着状のものであり、上端部分に開口部2aが形成された胴部21と、この胴部21の下端側を閉塞する底部22とを有している。底部22は、収容されたキャップ9が載置される部分であり、特に限定されるものではないが、本実施形態では、平面視において角Rの矩形状に形成されている(図4参照)。また、胴部21は、図2に示す、開口部2aを開けた状態において、上方に向かうに従いやや窄まる形状であって、角Rの角筒状に形成されている。なお、開口部2aは胴部21に対応し、平面視において、角Rの矩形状に形成されている。この開口部2aは、底部22よりもやや小さい、底部22の相似形状に開いている。
【0027】
また、図2及び図3に示すように、胴部21の上端部分には、開口部2aの周縁に沿って挿通部211が形成されている。この挿通部211に紐材31が挿通され、図1及び図2に示すように、先端が挿通部211から引き出されている。紐材31は、開口部2aを絞るものであり、その引き出された部分に、留め具としてのループエンド32が設けられている。すなわち、図2に示す開口部2aを開けた状態から、紐材31によって開口部2aを絞り、図1に示す開口部2aを絞った状態では、この状態をループエンド32によって保持している。
【0028】
図2及び図3に示すように、バイザーポケット5とサブポケット6は、底部22の上面側(内側)に設けられている。なお、本実施形態のバイザーポケット5とサブポケット6は、収容部2と同じく、ポリエステル等の網目状の素材で構成されている。バイザーポケット5の縁部51とサブポケット6の縁部61は、それぞれ直線状に形成されている。そして、バイザーポケット5の縁部51とサブポケット6の縁部61は、底部22の中央部分において互いに平行に位置し、かつ、バイザーポケット5の縁部51を上側にしてわずかに重なるように形成されている。この態様を採用すれば、詳しくは後述するように、保護パット4が、バイザーポケット5とサブポケット6内で安定して保持されるとともに、バイザーポケット5の縁部51から、バイザー92が挿入しやすくなる。
【0029】
なお、バイザーポケット5とサブポケット6は、それぞれの縁部51,61が、平面視において一致する(揃う)ように形成してもよいし、それぞれの縁部51,61の間に隙間が生じるように形成してもよい。
【0030】
図2に示すように、本実施形態の保護パット4は、角Rの角部41を有する矩形状の板材であり、浮力を有する発泡性素材、例えば発泡樹脂(発泡プラスチック)で構成されている。なお、保護パット4には、水抜き用の孔4aが2つ形成されている。この保護パット4は、図3に示すように、その略半分が、バイザーポケット5に収容され、残りの略半分が、サブポケット6に収容される。すなわち、保護パット4は、バイザーポケット5からはみ出る大きさのものであり、バイザーポケット5に挿入された保護パット4のうち、はみ出た部分がサブポケット6に挿入されている。
【0031】
図3に示すように、本発明のキャップ用洗濯ネット10では、キャップ9のクラウン91を折り畳んだ状態で、キャップ9全体を収容部2に包み込んで収容している。これにより、収容部2を筒状の胴部21と平面状の底部22といった単純な形態で構成することができ、縫製作業が容易になる。また、いわゆる巾着状の収容部2によってキャップ9の全体を包み込む態様を採用することにより突出部等がなくなり、他の洗濯物との干渉を抑えることができる。
【0032】
さらに、キャップ9のバイザー92が、バイザーポケット5によって保持されるため、洗濯機に投入して洗濯する際における、キャップ9の型崩れ等を抑えることができる。特に、本実施形態では、バイザーポケット5に挿入されたバイザー92を下方から支持する保護パット4が設けられている。すなわち、図3に示すように、バイザーポケット5に挿入されたバイザー92の下方から保護パット4が支持する態様となる。このため、バイザー92がより安定し、洗濯機に投入して洗濯する際における、バイザー92の型崩れ等をより抑えることができる。
【0033】
図4は、保護パット4と、バイザーポケット5に挿入されるバイザー92との関係を説明するための平面図である。
【0034】
前述したように、本実施形態の保護パット4は、角Rの角部41を有する矩形状のものを採用している。一般的に、野球帽などは、バイザー92の幅方向の両側がR形状に形成されているため、保護パット4の形状がバイザー92の形状に合致しやすくなり、バイザーポケット5に挿入したバイザー92の安定性を向上させることが可能となる。
【0035】
さらに、本実施形態では、保護パット4を発泡樹脂(浮力を有する発泡性素材)で構成している。このため、バイザー92を収容したキャップ用洗濯ネット10を洗濯機に投入すると、保護パット4の浮力により、例えば底部22が上側となる逆さまの状態で、他の洗濯物とは別に水面近くで洗濯されることになる。これにより、他の洗濯物と一緒に揉まれるといったこともなくなり、型崩れ等をより一層抑えることができる。
【0036】
次いで、キャップ用洗濯ネット10にキャップ9を収容する手順について説明する。
【0037】
図5図8は、キャップ用洗濯ネット10にキャップ9を収容する手順を説明するための図である。
【0038】
図5に示すように、開口部2aを開いた状態の収容部2に対して、開口部2aからキャップ9を入れ、図6に示すように、バイザーポケット5の縁部51から、バイザー92を挿入する。
【0039】
次に、クラウン91を折り畳んで、図7に示すように、キャップ9全体を収容部2に収容する。そして、図8に示すように、紐材31を引っ張って開口部2aを絞り、開口部2aを絞った状態をループエンド32によって保持する。この状態で、キャップ用洗濯ネット10を洗濯機に投入すればよい。
【0040】
以上説明したキャップ用洗濯ネット10によれば、単純な形態とすることで縫製作業が容易であるとともに、他の洗濯物との干渉を抑えることが可能となる。
【0041】
本発明は前述した実施形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、前述した実施形態では、その略半分がバイザーポケット5に挿入され、残りの略半分がサブポケット6に挿入される保護パット4を採用しているが、全体がバイザーポケット5に収まる大きさの保護パット4を用い、サブポケット6を省略してもよい。また、円形の底部22と円筒形の胴部21とからなる収容部2と、円形の保護パット4を採用してもよい。
【0042】
また、収容部2は、上方にドーム状又はお椀状に膨らんだ胴部21を有するものであって、胴部21を分割するように、あるいは胴部21と底部22との接続部分に開口部2aが形成されるものであってもよい。この態様の場合には、閉塞部材3として、開口部2aを閉塞するファスナーを採用してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 キャップ用洗濯ネット
2 収容部
2a 開口部
21 胴部
22 底部
3 閉塞部材
31 紐材
32 ループエンド
4 保護パット
4a 孔
41 角部
5 バイザーポケット
51 縁部
6 サブポケット
61 縁部
9 キャップ
91 クラウン
92 バイザー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8