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  • 特開-護符及び護符の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111775
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】護符及び護符の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
A47G33/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016482
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】521289191
【氏名又は名称】有限会社芳美商事
(74)【代理人】
【識別番号】100139996
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】熊木 裕高
(57)【要約】
【課題】 誰にでも入手可能な和紙を利用でき、構造がシンプルでコンパクトであって、容易に製造が可能であるろうそくに見立てた護符を提供すること。
【解決手段】
平面視四角形状の和紙100を柱状に巻いて形成されるろうそくに見立てた護符10であって、護符10の上端部100aには開口部110が形成され、下端部100bの内側には被収容物210を収容する収容部200を有する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろうそくに見立てた護符であって、
上記護符は、平面視四角形状の和紙を巻いて柱状に形成され、上端部に開口部を有し、下端部に被収容物を収容する収容部を有し、
上記収容部は、上記和紙を折ることにより形成された、護符。
【請求項2】
請求項1に記載の護符であって、上記開口部の断面形状は円形または楕円形上であり、上記開口部の内径は、上記下端部の内径よりも大きい、護符。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の護符であって、下端部に底面部を有し、当該底面部の面積は、上記開口部の面積よりも小さい、護符。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の護符であって、上記収容部は、上記護符の最内層より外側に、且つ、最外層より内側に存する、護符。
【請求項5】
平面視四角形状の和紙の一面側の下端部に被収容物を置く工程と、
当該被収容物の少なくとも一部が、上記和紙の一面側の下端部により保持されるように、上記和紙の垂直方向中央部より下方部を上方に折る工程と、
上記和紙の左右いずれかの端部を軸として当該和紙を筒状に巻く工程とを有する護符の製造方法であって、
上記護符は、ろうそくに見立てられ、上端部に開口部を有し、
上記開口部の内径は、上記護符の下端部の内径よりも大きい、護符の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、護符及び護符の製造方法、特に、和紙により形成されるろうそくに見立てた護符及びろうそくに見立てた護符の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
神符、御守または御札等とも称される護符としては、例えば、白紙や木の小片を基材に神仏の像や文字が描かれているもの等、種々のものが存在している。
【0003】
特許文献1には、立体感にあふれた新規な御札が開示されている。このものにあっては、基材の表面もしくは裏面の一部に、ホログラフ画像の周縁部分では蒸着反射層の厚さを基材が見える程度に薄くし、中央に向かつて徐々に蒸着厚さを厚くすることにより、中央に向かうにつれてホログラム画像が浮かび出るようにしたホログラム画像層を貼着または転写形成してなることを特徴とし、従来では得られなかった立体感に溢れた外観を有するようにしたものである。
【0004】
特許文献2には、着脱自在の護符付き名札が開示されている。この名札は、護符と、名札とを挿入する護符付き名札の容体において、前記護符を宗教を問わず、自由に挿着する着脱自在の護符付き名札であって、宗教に左右されることなく、護符を自由に交換できるようにしたものである。
【0005】
特許文献3には、材質が不透明な耐湿性の紙かまたは合成樹脂製の板またはフイルムと、材質が透明な耐湿性の紙か合成樹脂製の透明板またはフイルムを一体化する構成で、それらの材質の表面や裏面に合目的的に積層印刷した神社・仏閣のミニ「おふだ」が開示されている。このものにあっては、耐湿性の不透明な材質と、透明な材質を一体化することにより、湿度による変質から守り、積層印刷をすることにより神社・仏閣の「おふだ」としての要件を充たし、所持人からは一覧性が得られる効果と、小型化することによる色々な便利さの効果を兼ね備えている。
【0006】
特許文献4には、常に御札の護符を拝むことができるとともにメッセージ文を確認しつつ学業に励むことができる学業・進学祈願の御札が開示されている。このものにあっては、二つ折りにして折りたためる折れ線が設けられた台紙の内側一方面に護符を固定して拝むことを可能にすると共に、他方面に学業成就に必要なメッセージ文を表示し、勉学に励みながら視認可能とし、護符とメッセージ文をいつでも確認できるように机上にたてておくことができ、勉強の途中、あるいは受験時に護符を拝み、メッセージ文を確認することが可能となり、大願成就がより近いものとできるものである。
【0007】
特許文献5には、新規で資産価値が高く回収容易な御札が開示されている。このものにあっては、貴金属の無垢または複合材からなる貴金属プレートに文字を施し、木台にとりつけてなることを特徴とする。
【0008】
特許文献6には、芯板の背面と両側部に紙等のシート材を折り曲げて密着している御札の製造方法が開示されている。このものにあっては、(a)所定の形状に裁断されたシート材(1)の両側をV字状に折曲する工程、(b)V字状に折曲されたシート材(1)の前面に芯板(2)をセットする工程、(c)シート材(1)を芯板(2)の背面(2C)から両側面(2A)に沿って折曲する工程、(d)シート材(1)を芯板(2)の両側面(2A)から前面(2B)に沿って折曲する工程、(e)シート材(1)を芯板(2)の前面(2B)に押圧して、芯板前面(2B)の両側に押圧する状態に折曲する工程を有することを特徴とし、簡単かつ容易に、しかもシート材のシワを皆無にして綺麗に能率よく折曲できるお札の製造方法を提供できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実公平4-38797号公報
【特許文献2】実開平6-43677号公報
【特許文献3】実用新案登録第3013963号公報
【特許文献4】実用新案登録第3129583号公報
【特許文献5】特開平6-319635号公報
【特許文献6】特許第2632296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように種々の護符や護符の製造方法が提案されている。しかし、その構造や特徴は、特殊なものである。
【0011】
特許文献1及び特許文献3乃至特許文献5に開示されたものは、特殊または特別な素材や構成である。また、特許文献2に開示されたものは、特殊な構造と使用形態を呈するものである。さらに、特許文献6に開示されたものは、特別な製作方法の様相を呈している。特に、一般の人が護符を自作するには、好適なものとは言い難いものである。
【0012】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、誰にでも入手可能な素材(和紙)を利用して容易に製造できるろうそくに見立てた護符及びろうそくに見立てた護符の製造方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために以下の通りの構成とすることを特徴とする。
【0014】
(1)ろうそくに見立てた護符であって、上記護符は、平面視四角形状の和紙を巻いて柱状に形成され、上端部に開口部を有し、下端部に被収容物を収容する収容部を有し、上記収容部は、上記和紙を折ることにより形成された、護符。
【0015】
(2)上記(1)に記載の護符であって、上記開口部の内径は、上記下端部の内径よりも大きい。
【0016】
(3)上記(1)または(2)に記載の護符であって、下端部に底面部を有し、当該底面部の面積は、上記開口部の面積よりも小さい。
【0017】
(4)上記(1)または(2)に記載の護符であって、請求項1または請求項2に記載の護符であって、上記収容部は、上記護符の最内層より外側に、且つ、最外層より内側に存する。
【0018】
(5)平面視四角形状の和紙の一面側の下端部に被収容物を置く工程と、当該被収容物の少なくとも一部が、上記和紙の一面側の下端部により保持されるように、上記和紙の垂直方向中央部より下方部を上方に折る工程と、上記和紙の左右いずれかの端部を軸として当該和紙を筒状に巻く工程とを有する護符の製造方法であって、 上記護符は、ろうそくに見立てられ、上端部に開口部を有し、上記開口部の内径は、上記護符の下端部の内径よりも大きい。
【0019】
上記構成によれば、誰にでも入手可能な素材(和紙)を利用して容易に製作できるろうそくに見立てた護符及びその製造方法を提供できるものである。
【0020】
また、上記構成によれば、シンプル且つコンパクトな構造の、ろうそくに見立てた護符を提供できるので、実用性、製作性及び経済性の面でも優れるものである。
【0021】
さらに、上記構成によれば、天然素材の和紙を用いるため、環境負荷も少なく、SDGs(Sustainnable Development Goals)にも貢献でき、有用なものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、誰にでも入手可能な素材(和紙)を利用して容易に製造できるろうそくに見立てた護符及びろうそくに見立てた護符の製造方法を提供できる。
また、このろうそくに見立てた護符は、構造がシンプルでコンパクトであるため、実用性、製作性及び経済性の面でも優れた効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係わるろうそくに見立てた護符の全体の概略構成を模式的に示す図である。
図2】同実施形態に係わり、ろうそくに見立てた護符の平面展開図である。
図3】同実施形態に係わり、上面側から見たろうそくに見立てた護符を模式的に示す図である。
図4】同実施形態に係わり、ろうそくに見立てた護符の製造工程の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施形態の護符は、平面視四角形状の和紙を巻いて柱状に形成され、上端部に開口部を有し、下端部に被収容物を収容する収容部を有し、上記収容部は、上記和紙を折ることにより形成されている。
【0025】
上記護符は、上端部に開口部を有する柱状であればよく、例えば、角柱状、円柱状、角錘台状、円錐台状が挙げられる。その中でも、円柱状、特に、円錐台状であることが好ましい。上記護符の太さは特に限定されない。
上記開口部の断面形状は、特に限定されず、円形であっても、楕円形であっても、扇形であっても、多角形であってもよい。なお、上記開口部の断面形状が円形または楕円形の場合、上記開口部の内径は、上記下端部の内径よりも大きいことが好ましい。なお、この場合、上記開口部の断面形状は、おおむね円形または楕円形であってもよい。
また、上記護符は、下端部に底面部を有してもよく、当該底面部の面積は、上記開口部の面積よりも小さいことが好ましい。
【0026】
上記和紙の種類、材質等は、特に限定されないが、御朱印用和紙が好ましく用いられる。また、和紙の大きさは、収容部を形成できる大きさであればよく、特に限定されない。
【0027】
上記被収容物の種類、大きさ、重さ等は、和紙により保持できるものであれば、特に限定されない。
【0028】
また、上記収容部の形状は、上記被収容物を収容できるものであればよく、特に限定されない。また、上記和紙が上記被収容物を保持できるのであれば、上記収容部の形成にあたっての上記和紙の折り方、折る位置、折る回数、折る方向等は、特に限定されないが、上記下端部が上記被収容物を保持できるように、上記和紙の垂直方向中央部から下方部を上方に1回以上折ることが好ましい。なお、上記収容部は、上記護符の最内層より外側に、且つ、最外層より内側に存することが好ましい。
【0029】
以下、本発明の一実施形態につき、図を参照して説明する。
本実施形態に係わるろうそくに見立てた護符10は、縦(H)の寸法が100~110mm及び横(W)の寸法が150~170mmである平面視長方形状を呈する御朱印用和紙100を、被収容物200を内包するよう筒状に丸めるようにして巻くことにより形成されるものである。ここで、縦(H)及び横(W)の寸法は、本実施形態では入手が容易な御朱印用和紙の寸法であるが、これに限らず他の寸法でもよく、適宜変可能なことは勿論である。
【0030】
また、護符10は、その上端部100aから下端部100bに向けて内径が小さくなるよう形成されている。即ち、上端部100a側の内径(DU)は護符10の下端部100b側の内径(DL)より大となるよう形成されており、以って、護符10の上端部100aに形成される開口部110の開口面積(AU)は、下端部100bの面積より大となるよう形成されている。
【0031】
さらに、護符10の下端部100bには底面部120が形成されている。而して底面部120の面積(AL)は、上端部100aの開口部110の開口面積(AU)より小となるよう形成されている。
なお、底面部120は、例えば下端部100bに存するように、御朱印用和紙100の一部を折り込む等して形成されるものである。
【0032】
収容部200は、被収容物210を収容するものであり、御朱印用和紙100の下端部100bが、被収容物210を保持するよう構成されている。収容部200は、例えば、御朱印用和紙100の垂直方向中央部の下方部、特に、下端部100bまたは下端部100bの近傍を上方に折ることにより形成される。
【0033】
被収容物200は、例えば塩、水晶若しくは御札またはパワーストーン等である。被収容物200は、護符10の下端部100b側に例えば御朱印用和紙100の一部に折り込まれる状態で存するものである。
【0034】
なお、護符10はろうそくを模した形状を保持すべく、即ち御朱印用和紙100が筒状に巻かれた形状を保持すべく、最外周に位置する御朱印用和紙100の部位とその内側に位置する部位を糊付けしてもよい。または、護符10の側面部外周を1本の紐300で二重巻きにして蝶結びすることにより、形状を保持するよう構成してもよい。
【0035】
上記構成につき、ろうそくに見立てた護符10の製造方法について説明する。
【0036】
先ず、御朱印用和紙100の一面側の下端部に被収容物200を置く(図4のステップS410参照)。
【0037】
次に、被収容物210が、御朱印用和紙100の一面側の下端部により保持され、また、護符10の完成時に被収容物210が下端部100b側に位置するように、御朱印用和紙100の一面側の下端部を上方に折り込む。この際、上方に折り込まれた御朱印用和紙100により底面部120が形成され、被収容物210は、底面部120上に位置するよう、御朱印用和紙100を筒状に巻く(ステップS420)。
なお、御朱印用和紙100を筒状に巻くに際しては、完成した護符10の上端部100a側の内径(DU)が、下端部100b側の内径(DL)より大となるよう、即ち、上端部100aの開口部110の開口面積(AU)が、下端部100bの底面部120の面積(AL)より大となるように、御朱印用和紙100を巻く。
【0038】
この後、筒状に巻かれた御朱印用和紙100の形状を保持すべく、最外周に位置する御朱印用和紙100の部位とその内側に位置する部位を糊付けする。または、護符10の側面部外周を1本の紐300で二重巻きにして蝶結びする。これにより、形状保持がなされ、護符10が出来上がる(ステップS430)。
【0039】
上記実施形態によれば、誰でも入手可能な御朱印用和紙100を利用して護符を製造することができる。また、護符10は、構造がシンプルでコンパクトであり、あたかもろうそくに見立てた形状となる。しかも、護符10は、製作性及び経済性の面でも優れるものである。
【0040】
また、上記実施形態によれば、誰でも容易に自作の護符を製造することができ、オリジナルティ溢れるユニークな護符10の製作を可能とする。
【0041】
さらに、上記実施形態によれば、自然素材を利用しているため、環境負荷も少なくSDGsにも貢献でき、有用なものである。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
10 …護符
100 …御朱印用和紙
100a …上端部
100b …下端部
110 …開口部
120 …底面部
200 …収容部
210 …被収容物
300 …紐

図1
図2
図3
図4