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  • 特開-ロックナット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111780
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】ロックナット
(51)【国際特許分類】
   F16B 39/12 20060101AFI20240809BHJP
   F16B 37/00 20060101ALI20240809BHJP
   F16B 37/08 20060101ALI20240809BHJP
   F16B 33/02 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
F16B39/12 A
F16B37/00 F
F16B37/08 Z
F16B33/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023027768
(22)【出願日】2023-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】512109312
【氏名又は名称】田中 昌枝
(71)【出願人】
【識別番号】506296673
【氏名又は名称】田中 文吉
(72)【発明者】
【氏名】田中 文吉
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造で製造コストを削減するとともに、操作を容易とし、ボルトに締結した際のナットの締付効果を向上させることができるロックナットを提供すること。
【解決手段】 ボルト30のネジ部31に螺着される第一ナット10と、第一ナット10に螺着される第ニナット20とで構成されるロックナット1であって、
前記第一ナット10は、ヘッド部11と、ヘッド部11に連設された筒状部12と、筒状部12の内周に施された内周ネジ部13と、筒状部12に形成された切欠部14と、筒状部14の先方に形成された、外周に螺子切りが施された第一螺子部15と、で形成されており、
前記第ニナット20は、多角形部21と、多角形部21の内周に形成された、前記第一ナット10の第一螺子部15に螺着する側が大径に形成された第二螺着部22と、で形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルトの螺子部に螺着される第一ナットと、第一ナットに螺着される第ニナットとで構成されるロックナットであって、
前記第一ナットは、ヘッド部と、ヘッド部に連設された筒状部と、筒状部の内周に施された内周螺子部と、筒状部に形成された切欠部と、筒状部の先方に形成された、外周に螺子切りが施された第一螺子部と、で形成されており、
前記第ニナットは、多角形部と、多角形部の内周に形成された、前記第一ナットの第一螺子部に螺着する側が大径に形成された第二螺着部と、で形成されていることを特徴とするロックナット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単な構造で且つ操作を容易とし、ボルトに締結した際のナットの締付を効率よく向上させることができるロックナットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、二つ以上の部材を結合するには、ボルトとナットが使用される。この際、部材の貫通孔にボルトを挿入させ、ボルトの先端よりナットを螺着させてナットを締め付ける結合させる。
【0003】
しかし、時間が経につれて、振動の発生や部材の変形によりナットが緩み、締付効力が低下するという問題が発生する。そのため、定期的に検査を行いナットの締付作業を実施しなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
それらの課題を解決する従来技術として、本出願人により、簡単な構造で製造コストを削減するとともに、操作を容易とし、ボルトに締結した際のナットの締付効果を向上させることができるロックナットが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
上掲特許文献1のロックナットは多角形部と、多角形部に突出された筒状部と、多角形部と筒状部とを軸方向に貫通する第一螺子部と、前記筒状部の外周に形成された第二螺子部とを備える第一ナットと、前記筒状部の第二螺子部に羅合される第三螺子部を備える第二ナットと、を具備するロックナットにおいて、前記第一ナットの筒状部をテーパ状に形成するとともに、前記第二ナットの第三螺子部を第二螺子部に螺合するテーパ状に形成したことを特徴とするものである。
【特許文献1】特開2021-183865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上掲特許文献1のロックナットは、第一ナットの筒状部をテーパ状に形成するとともに、第二ナットの第三螺子部を第二螺子部に螺合するテーパ状に形成したことにより、ボルトに締結した際のナットの締付効果を向上させることができるが、一方で、第二ナットを奥まで回し込まないとナットを理想的な状態で締付けることができなかった。
【0007】
そこで本発明は上記の点に鑑み、簡単な構造で製造コストを削減するとともに、少ない回転でナットの締付効果を向上させることができるロックナットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、ボルトのネジ部に螺着される第一ナットと、第一ナットに螺着される第ニナットとで構成されるロックナットであって、
前記第一ナットは、ヘッド部と、ヘッド部に連設された筒状部と、筒状部の内周に施された内周螺子部と、筒状部に形成された切欠部と、筒状部の先方に形成された、外周に螺子切りが施された第一螺子部と、で形成されており、
前記第ニナットは、多角形部と、多角形部の内周に形成された、前記第一ナットの第一螺子部に螺着する側が大径に形成された第二螺着部と、で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
前記第一ナットの筒状部には第一螺子部が形成され、且つ、第ニナットの第二螺着部は螺着する側が大径に形成されたテーパ状に形成されているため、第一螺子部に第ニナットを螺合した状態で少し回転させるだけで締付効果が増大され、ナットの締付を効率よく一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明におけるロックナットの分解斜視図である。
図2】ボルトと第一ナット、及び第二ナットを示す側面図である。
図3】ボルトに第一ナットを装着させた状態である。
図4】第一ナットに第二ナットを装着させた状態である。
図5】第一ナットと第二ナットの拡大断面図である。
図6】第一ナットを第二ナットに螺着させた状態の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のロックナットにおける実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明のロックナットは、簡単な構造で製造コストを削減するとともに、操作を容易とし、ボルトに締結した際のナットの締付効果をより向上させることを特徴とする。
【0012】
図1乃至図4に示すロックナット1は、市販のボルト30のネジ部31に螺着されるもので、第一ナット10と、第一ナット10に螺着される第ニナット20とで構成される。
【0013】
前記第一ナット10は、ヘッド部11と、ヘッド部11に連設された筒状部12と、筒状部12の内周に施された内周螺子部13と、筒状部12に形成された切欠部14と、筒状部12の先方に形成された、外周に螺子切りが施された第一螺子部15と、で形成されている。
【0014】
ヘッド部11は、台形円柱状を呈しており、内周にはボルト30の螺子部31に螺合させる内周螺子部13が螺刻されている。また前記ヘッド部11は、特に車両のホイールを固定する際に使用されるもので、先方が小径の台形円柱状に形成されている。なお、ヘッド部11は前述の形状に限定されるものではなく、円柱状や多角形状に形成してもよい。
【0015】
また前記第一ナット10のヘッド部11の基部には、筒状部12が連設されている。前記筒状部12の内周には、前記ヘッド部11の内周螺子部13が連続した状態で螺刻されている。また前記筒状部12の長手方向には切欠部14が形成されている。この切欠部14は筒状部12に単一、もしくは複数形成することが望ましい。
【0016】
また特に、前記筒状部12の先方には、螺子切りが施された第一螺子部15が形成されている。前記第一螺子部15は、筒状部12よりやや大径に形成されている。なお前記第一螺子部15は、先方が傾斜状に広がるテーパ状に形成してもよい。
【0017】
第ニナット20は、第一ナット10に螺着されるもので、外観的には多角形部21からなる六角ナットの形状を呈している。また第ニナット20の内周には、前記第一ナット10の第一螺子部15に螺合される第二螺子部22が形成されている。
【0018】
また特に前記第二螺子部22は、図示するように、前記第一ナット10の第一螺子部15に螺着する側が大径となる大径部23を備える、テーパ状のテーパ部24が形成されている。
【0019】
前記第二螺子部22をテーパ状に形成することにより、図5及び図6に示すように、前記第一ナット10の第一螺子部15に第二ナット20の大径部23を配置させ、第二ナット20を締付方向に回転させることで、第一ナット10の第一螺子部15が第二螺子部22の第二テーパ部24にて次第に加圧され、切欠部14が圧縮されて第一ナット10がボルト30の螺子部31に強固に螺着される。
【0020】
次に、図3乃至図6に基づいて、本発明のロックナットの使用方法及び作用の詳細を説明する。
【0021】
先ず図3に示すように、ボルト30の螺子部31に第一ナット10の内周螺子部13を配置させ、ねじ込み方向に回転させ装着させる。
【0022】
次に図4に示すように、第一ナット10の螺子部15に第二ナット20の大径部23を配置させ、第二ナット20をねじ込み方向に回転させる。この時、図6に示すように、第一螺子部15とテーパ状の第二螺子部22が螺合された状態となる。
【0023】
そしてさらに第二ナット20を回転させると、第二ナット20のテーパ部24が第一ナット10の第一螺子部15の周囲を締め付ける。この時、筒状部12の切欠部14が圧縮され、ボルト30と第一ナット10が強固に固定される。
【0024】
なお図示するように、第二螺子部22はテーパ状に形成されているため、第二ナット20の少ない回転で、より強固に締結することができる。
【0025】
上述の構成により、本発明のロックナットは、第二ナット20の第二螺子部22をテーパ状に形成することにより、少ない回転で、より強固にナット同士をロックすることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 ロックナット
10 第一ナット
11 ヘッド部
12 筒状部
13 内周螺子部
14 切欠部
15 第一螺子部
20 第二ナット
21 多角形部
22 第二螺子部
23 大径部
24 テーパ部
30 ボルト
31 螺子部
図1
図2
図3
図4
図5
図6