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特開2024-111782埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111782
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240809BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
H01L29/78 301S
H01L29/78 301P
H01L29/06 301M
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060430
(22)【出願日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】112104035
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】599039843
【氏名又は名称】聯華電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】蔡 明樺
(72)【発明者】
【氏名】郭 晉佳
(72)【発明者】
【氏名】張 維軒
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA24
5F140AA25
5F140BD04
5F140BF01
5F140BG08
5F140BH05
5F140BH08
5F140BH15
5F140BH16
5F140BH18
5F140BH30
5F140BJ08
5F140BJ15
5F140BK09
5F140BK40
5F140CB04
(57)【要約】
【課題】埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを提供する。
【解決手段】埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタは、基板を含む。ゲートが基板上に配置される。第1の軽ドープ領域がゲートの一方の側部に配置される。第2の軽ドープ領域がゲートのもう一方の側部に配置される。第1の軽ドープ領域と第2の軽ドープ領域は同じ伝導型を有する。第1の軽ドープ領域は第2の軽ドープ領域と対称である。第1のソース/ドレインドープ領域が第1の軽ドープ領域内に配置される。第2のソース/ドレインドープ領域が第2の軽ドープ領域内に配置される。第1の絶縁構造セットが第1の軽ドープ領域と第1のソース/ドレインドープ領域内に配置される。第1の絶縁構造セットは、基板内に埋め込まれた絶縁ブロックを含む。絶縁ブロックの側壁がゲート誘電体層に接触する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板であって、活性領域を含む、基板と;
前記活性領域内に配置されたゲートと;
前記ゲートと前記活性領域との間に配置されたゲート誘電体層と;
前記ゲートの一方の側部において前記活性領域内に配置された第1の軽ドープ領域と;
前記ゲートのもう一方の側部において前記活性領域内に配置された第2の軽ドープ領域であって、前記第1の軽ドープ領域と前記第2の軽ドープ領域は同じ導電型を有し、前記ゲートの対称線を所与の軸として取ることによって、前記第1の軽ドープ領域は前記第2の軽ドープ領域に対して対称である、第2の軽ドープ領域と;
前記第1の軽ドープ領域内に配置された第1のソース/ドレインドープ領域と;
前記第2の軽ドープ領域内に配置された第2のソース/ドレインドープ領域と;
前記第1の軽ドープ領域と前記第1のソース/ドレインドープ領域内に配置された第1の絶縁構造セットであって、前記第1の絶縁構造セットは前記基板内に埋め込まれた第1の絶縁ブロックを有し、前記第1の絶縁ブロックの側壁は前記ゲート誘電体層に接触する、第1の絶縁構造セットと;を有する、
埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項2】
前記ゲートの2つの側部にそれぞれ配置された2つのスペーサをさらに有し、前記第1の絶縁ブロックの一部は前記ゲートに重なり、前記第1の絶縁ブロックの別の部分が前記2つのスペーサの1つに重なる、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項3】
前記ゲートの2つの側部にそれぞれ配置された2つのスペーサをさらに有し、前記第1の絶縁ブロックは前記ゲートに重ならず、前記第1の絶縁ブロックの一部が前記2つのスペーサの1つに重なる、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項4】
前記基板内に埋め込まれた2つのシャロートレンチアイソレーションをさらに有し、前記2つのシャロートレンチアイソレーションは前記活性領域を画定し、前記第1の絶縁ブロックの深さは前記2つのシャロートレンチアイソレーションのそれぞれの深さよりも小さい、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項5】
前記基板に埋め込まれた2つのシャロートレンチアイソレーションをさらに有し、前記2つのシャロートレンチアイソレーションは前記活性領域を画定し、前記第1の絶縁ブロックの深さは前記2つのシャロートレンチアイソレーションのそれぞれの深さと同じである、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項6】
前記ゲート誘電体層は前記基板内に埋め込まれる、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項7】
前記第1の絶縁ブロックの前記側壁は前記ゲート誘電体層の端に接触する、
請求項6に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項8】
前記ゲート誘電体層は前記基板の表面に配置される、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項9】
前記第1の絶縁ブロックの一部が前記ゲート誘電体層に重なる、
請求項8に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項10】
前記第1の絶縁ブロックの深さが前記第1のソース/ドレインドープ領域の深さより大きく、前記第1の絶縁ブロックの前記深さは前記第1の軽ドープ領域の深さより小さい、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項11】
前記第1の絶縁ブロックの深さが、前記第1のソース/ドレインドープ領域の深さよりも小さい、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項12】
前記第1の絶縁構造セットは、さらに、前記第1の軽ドープ領域内に配置された第2の絶縁ブロックを有し、前記第2の絶縁ブロックは、前記第1の絶縁ブロックよりも前記ゲートから遠い、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項13】
前記第2の絶縁ブロックの幅が、前記第1の絶縁ブロックの幅と異なる、
請求項12に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項14】
前記第2の絶縁ブロックの深さが、前記第1の絶縁ブロックの深さと異なる、
請求項12に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項15】
前記第1の軽ドープ領域が前記第2の軽ドープ領域と接触しない、
請求項12に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項16】
前記第2の軽ドープ領域と前記第2のソース/ドレインドープ領域内に配置された第2の絶縁構造セットをさらに有する、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項17】
前記ゲートの前記対称線を前記所与の軸として取ることによって、前記第2の絶縁構造セットは前記第1の絶縁構造セットと対称である、
請求項16に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項18】
前記ゲートの前記対称線を前記所与の軸として取ることによって、前記第1のソース/ドレインドープ領域は前記第2のソース/ドレインドープ領域と対称である、
請求項16に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項19】
前記ゲートの前記対称線を前記所与の軸として取ることによって、前記第2の絶縁構造セットは前記第1の絶縁構造セットと非対称である、
請求項16に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項20】
前記第2の軽ドープ領域内に絶縁構造セットがない、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【請求項21】
前記第1のソース/ドレインドープ領域の上面に接触するシリサイド層と;
前記シリサイド層に接触する導電性プラグと;
第1のシャロートレンチアイソレーションと第2のシャロートレンチアイソレーションであって、前記第1のシャロートレンチアイソレーションと前記第2のシャロートレンチアイソレーションは前記基板内に埋め込まれ、前記第1のシャロートレンチアイソレーションと前記第2のシャロートレンチアイソレーションは前記活性領域を画定し、前記第1のシャロートレンチアイソレーションは前記第1の軽ドープ領域に接触する、第1のシャロートレンチアイソレーションと第2のシャロートレンチアイソレーションと;をさらに有し、
前記導電性プラグは、前記第1の絶縁構造セットの外側に配置され且つ前記第1の絶縁構造セットと前記第1のシャロートレンチアイソレーションとの間に配置される、
請求項1に記載の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化物半導体(MOS)トランジスタに関し、より具体的には、絶縁破壊電圧を増加させ、電流リークを減少させるために埋め込み絶縁構造セットを使用するMOSトランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高電圧MOSトランジスタの適用が増加しており、パーソナルコンピュータ、サーバ、電源、通信電子機器、携帯電話、民生用製品及び産業用製品に適用できる。パワートランジスタは、パワースイッチにおいて重要な役割を果たす。異なる耐電圧レベルのパワートランジスタが、異なる製品で使用される。
【0003】
トランジスタ間のピッチが小さくなると、ゲートとドレインとの間のスペースが小さくなるにつれて、絶縁破壊電圧は低下する。しかし、慣習的に、トランジスタがより高い絶縁破壊電圧を維持するためには、ゲートとドレインとの間のスペースを拡張する必要がある。拡張されたスペースは、トランジスタの面積の増加につながる。したがって、高電圧を維持でき且つトランジスタの面積を増加させないトランジスタ構造が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第11171222号
【特許文献2】米国特許第8643101号
【特許文献3】米国特許第8836067号
【発明の概要】
【0005】
この観点から、本発明は、より高い絶縁破壊電圧とより低い電流リークを達成するために埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを提供する。
【0006】
本発明の好ましい実施形態によれば、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタが、その上に活性領域を有する基板を含む。ゲートが活性領域内に配置される。ゲート誘電体層がゲートと活性領域との間に配置される。第1の軽ドープ(lightly doped(低濃度ドープ))領域が、ゲートの一方の側部において活性領域内に配置される。第2の軽ドープ領域がゲートのもう一方の側部において活性領域内に配置され、第1の軽ドープ領域と第2の軽ドープ領域は同じ導電型を有し、ゲートの対称線を所与の軸として取ることによって、第1の軽ドープ領域は第2の軽ドープ領域と対称である。第1のソース/ドレインドープ領域が第1の軽ドープ領域内に配置される。第2のソース/ドレインドープ領域が第2の軽ドープ領域内に配置される。配置された第1の絶縁構造セットが、第1の軽ドープ領域と第1のソース/ドレインドープ領域内にあり、第1の絶縁構造セットは、基板内に埋め込まれた第1の絶縁ブロックを含み、第1の絶縁ブロックの側壁がゲート誘電層に接触する。
【0007】
本発明のこれら及び他の目的は、種々の図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【0009】
図2】本発明の第2の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【0010】
図3】本発明の第3の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【0011】
図4】本発明の第4の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【0012】
図5】本発明の第5の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【0013】
図6】本発明の第6の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【0014】
図7】本発明の第7の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【0015】
図8】本発明の第8の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【0016】
図9】本発明の第9の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の第1の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示す。
【0018】
図1に示すように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ100は基板10を含む。第1のシャロートレンチアイソレーション(shallow trench isolation)12aと第2のシャロートレンチアイソレーション12bが基板10内に埋め込まれている。第1のシャロートレンチアイソレーション12aと第2のシャロートレンチアイソレーション12bは基板10上の活性領域Aを画定する。ディープウェル(deep well)14が活性領域A内に配置される。ウェル16がディープウェル領域14内に配置される。ゲートGが活性領域A内に配置される。2つのスペーサS1/S2がゲートGの2つの側部にそれぞれ配置される。ゲート誘電体層18がゲートGと活性領域Aとの間に配置され、ゲート誘電体層18は基板10内に埋め込まれる。第1の軽ドープ領域LDD1が、ゲートGの一方の側部において活性領域A内に配置される。第2の軽ドープ領域LDD2が、ゲートGのもう一方の側部において活性領域A内に配置される。第1の軽ドープ領域LDD1及び第2の軽ドープ領域LDD2は同じ導電型(conductive type)を有する。さらに、ゲートGの対称線Lを所与の軸として取ることで、第1の軽ドープ領域LDD1は第2の軽ドープ領域LDD2と対称である。第1のソース/ドレインドープ領域SD1が第1の軽ドープ領域LDD1内に配置される。第2のソース/ドレインドープ領域SD2が第2の軽ドープ領域LDD2内に配置される。シリサイド層20a/20bが、第1のソース/ドレインドープ領域SD1及び第2のソース/ドレインドープ領域SD2上にそれぞれ配置される。ディープウェル14、第1の軽ドープ領域LDD1、第2の軽ドープ領域LDD2、第1のソース/ドレインドープ領域SD1及び第2のソース/ドレインドープ領域SD2は第1の導電型を有する。ウェル16は第2の導電型を有する。本実施形態では、第1の導電型はN型である。第2の導電型はP型である。しかし、別の実施形態では、第1の導電型はP型であってもよい。第2の導電型はN型であってもよい。
【0019】
第1の絶縁構造セット22は、第1の軽ドープ領域LDD且つ第1のソース/ドレインドープ領域SD1内に配置される。第1の絶縁構造セット22は、基板10内に埋め込まれた少なくとも1つの絶縁ブロック22aを含む。絶縁ブロック22aの側壁は、ゲート誘電体層18の端部に接触する。絶縁ブロック22aの一部はゲートGに重なり、絶縁ブロック22aの別の部分は第1のソース/ドレインドープ領域SD1に近いスペーサS1に重なる。第1の絶縁構造セット22の絶縁ブロックの数は、異なる要件に基づいて調整することができる。絶縁ブロックの数は、1又は1より多くすることができる。第1の好ましい実施形態では、例として3つの絶縁ブロック22a/22b/22cが示されている。3つの絶縁ブロック22a/22b/22cのうち、絶縁ブロック22aはゲートGに最も近く、絶縁ブロック22cはゲートGから最も遠い。3つの絶縁ブロック22a/22b/22cのサイズ及び形状は同じである。さらに、3つの絶縁ブロック22a/22b/22cのそれぞれの深さは、第1のソース/ドレインドープ領域SD1の深さよりも大きい。
【0020】
さらに、ゲートGに対して、第1のシャロートレンチアイソレーション12aは、第1のソース/ドレインドープ領域SD1と同じ側に配置される。第1のソース/ドレインドープ領域SD1は、絶縁ブロック22a/22b/22cの間、及び第1の絶縁構造セット22と第1のシャロートレンチアイソレーション12aとの間にある。第1のソース/ドレインドープ領域SD1は、絶縁ブロック22a/22b/22c及び第1のシャロートレンチアイソレーション12aに接触する。導電性プラグ26aが、第1の絶縁構造セット22と第1のシャロートレンチアイソレーション12aとの間にある第1のソース/ドレインドープ領域SD1上のシリサイド層20aに接触する。
【0021】
加えて、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ100は、さらに、第2の軽ドープ領域LDD2且つ第2のソース/ドレインドープ領域SD2内に配置された第2の絶縁構造セット24を含む。ゲートGの対称線Lを所与の軸として取ることで、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ100は左右対称となる。したがって、第2の絶縁構造セット24の絶縁ブロックの位置は、第1の絶縁構造セット22の絶縁ブロックの位置と全く同じである。例えば、第2の絶縁構造セット24は、絶縁ブロック24a/24b/24cを含む。さらに、シリサイド層20bが第2のソース/ドレインドープ領域SD2上に配置される。導電性プラグ26bがシリサイド層20bに接触する。
【0022】
左右対称に埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ100を作る利点は、第1のソース/ドレインドープ領域SD1及び第2のソース/ドレインドープ領域SD2を要求に基づいて選択的にソース又はドレインにできることである。また、従来のMOSトランジスタも左右対称であるため、左右対称の埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ100の製造工程は、従来のMOSトランジスタの製造工程と互換性を持つことができる。
【0023】
埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ100の製造工程は、第1のシャロートレンチアイソレーション12a、第2のトレンチアイソレーション12b、第1の絶縁構造セット22、第2の絶縁構造セット24を形成することを含む。第1のシャロートレンチアイソレーション12a、第2のトレンチアイソレーション12b、第1の絶縁構造セット22、第2の絶縁構造セット24の深さが同じ場合、それらは、第1のシャロートレンチアイソレーション12a、第2のトレンチアイソレーション12b、第1の絶縁構造セット22及び第2の絶縁構造セット24を含むように基板10内に多数のトレンチを同時に形成することによって形成されることができる。第1のシャロートレンチアイソレーション12a、第2のトレンチアイソレーション12b、第1の絶縁構造セット22及び第2の絶縁構造セット24の深さが異なる場合、
異なる深さの多数のトレンチを異なる工程で製造しなければならない。次に、絶縁材料が、第1のシャロートレンチアイソレーション12a、第2のトレンチアイソレーション12b、第1の絶縁構造セット22及び第2の絶縁構造セット24を形成するように、異なる深さのトレンチに充填される。第1のシャロートレンチアイソレーション12a、第2のトレンチアイソレーション12b、第1の絶縁構造セット22及び第2の絶縁構造セット24が完成した後、ドーパントがディープウェル14を形成するように基板10に注入される。その後、他のドーパントがウェル16を形成するように基板10に注入される。その後、フォトレジスト(図示せず)がゲートGの所定の位置を覆うように形成される。次にフォトレジストをマスクとして、ドーパントが、第1の軽ドープ領域LDD1及び第2の軽ドープ領域LDD2を同時に形成するように注入される。その後、フォトレジストが除去される。次に、ゲート誘電体層18、ゲートG及びスペーサS1/S2が順に形成される。最後に、第1のソース/ドレインドープ領域SD1及び第2のソース/ドレインドープ領域SD2が、スペーサS1/S2、ゲートGをマスクとすることによって、形成される。
【0024】
埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ100では、ゲートGと第1のソース/ドレインドープ領域SD1との間の耐電圧及びゲートGと第2のソース/ドレインドープ領域SD2との間の耐電圧は、デバイス構造を変えることによって調整することができる。耐電圧を調整するとき、ゲートGと第1のソース/ドレインドープ領域SD1との間又はゲートGと第2のソース/ドレインドープ領域SD2と間の電流リークを低減することができる。
【0025】
上記のデバイス構造は、第1の絶縁構造セット22の絶縁ブロックの数、第1の絶縁構造セット22の絶縁ブロックの形状、第1のソース/ドレインドープ領域SD1の深さに対する第1の絶縁構造セット22の絶縁ブロックの相対的な深さ、第1の絶縁構造セット22の絶縁ブロックの位置、第1のソース/ドレインドープ領域SD1の範囲、ゲート誘電体層18の位置及び第1の絶縁構造セット22が第2の絶縁構造セット24に対して対称かどうかを含む。前述のデバイス構造を別異なって配置することで、異なる耐電圧を持つ多くのトランジスタを実現することができる。異なる耐電圧を持つトランジスタの各々は、以下のように同じ特徴を共有する。第1に、第1の軽ドープ領域LDD1と第2の軽ドープ領域LDD2は同じ導電型を有する。第2に、ゲートGの対称線Lを所与の軸として取ることによって、第1の軽ドープ領域LDD1は第2の軽ドープ領域LDD2と対称である。第3に、全ての絶縁ブロックの中で、絶縁ブロック22aなどの最もゲートGに近い絶縁ブロックは、ゲート誘電体層18に接する側壁を有する。
【0026】
以下の説明では、デバイス構造を変更する方法を説明するためにいくつかの実施形態を使用する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0027】
図2は、本発明の第2の好ましい実施形態に従ってセットされた埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示しており、第1の好ましい実施形態と実質的に同じ要素は同じ参照番号で示されている。したがって、付随する説明は省略する。
【0028】
図2に示すように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ200のゲート誘電体層18は基板10の上面に配置される。すなわち、ゲート誘電体層18は基板10内に埋め込まれていない。したがって、絶縁ブロック22aはゲート誘電体層18の底部に接触するが、ゲート誘電体層18の端部に接触しない。その他の要素は第1の実施形態と同じである。
【0029】
図3は、本発明の第3の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示しており、第1の好ましい実施形態と実質的に同じ要素は同じ参照番号で示されている。したがって、付随する説明は省略する。
【0030】
図3に示すように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ300の絶縁ブロック22aは、ゲートGと重ならず、スペーサS1と重なるだけである。このように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ300は、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ100よりも長いチャネルを有する。その他の要素は、第1の実施形態と同じである。
【0031】
図4は、本発明の第4の実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示しており、第1の実施形態と実質的に同じ要素は同じ参照番号で示されている。したがって、付随する説明は省略する。
【0032】
図4に示すように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ400の絶縁ブロック22a/22b/22cの深さは、第1のソース/ドレインドープ領域SD1の深さよりも小さい。この実施形態では、絶縁ブロック22b/22cは、第1のソース/ドレインドープ領域SD1内に完全に囲まれている。その他の要素は、第1の実施形態と同じである。
【0033】
図5は、本発明の第5の実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示しており、第1の実施形態と実質的に同じ要素は同じ参照番号で示されている。したがって、付随する説明は省略する。
【0034】
図5に示すように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ500の第1のソース/ドレインドープ領域SD1は、第1の絶縁構造セット22の外側且つ第1の絶縁構造セット22と第1のシャロートレンチアイソレーション12aとの間にのみ配置される。第1の絶縁構造セット22内に第1のソース/ドレインドープ領域SD1は存在しない。その他の要素は第1の実施形態と同じである。
【0035】
図6は、本発明の第6の実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示しており、第1の実施形態と実質的に同じ要素は同じ参照番号で示されている。したがって、付随する説明は省略する。
【0036】
図6に示すように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ600では、第1の絶縁構造セット22の絶縁ブロック22a/22bの幅が互いに異なっている。例えば、絶縁ブロック22aの幅は絶縁ブロック22bの幅よりも大きい。さらに、第1の実施形態と比較すると、第1の絶縁構造セット22には絶縁ブロック22a/22bが2つしかない。埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ600の第1の絶縁構造セット22内の絶縁ブロックの数は、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ100の第1の絶縁構造セット22の絶縁ブロックの数よりも少ない。それ以外の要素は第1の実施形態と同じである。加えて、大きい幅を持つ絶縁ブロックがゲート誘電体層18の近くに配置され、小さい幅を持つ絶縁ブロックはゲート誘電体層18から離れて配置される。大きい幅を持つ絶縁ブロックは、第1のソース/ドレインドープ領域SD1をゲート誘電体層18からより大きい距離で分離することができる。従って、第1のソース/ドレインドープ領域SD1とゲートGとの間の電流リークをより効率的に低減することができる。しかし、絶縁ブロック22bの幅も広ければ、トランジスタのサイズはさらに大きくなる。したがって、本発明は、大きい幅を持つ絶縁ブロックがゲート誘電体層18の近くに配置され、小さい幅を持つ絶縁ブロックがゲート誘電体層18から遠くに配置されて、トランジスタのサイズとリーク電流の両方に配慮するように特別に設計している。
【0037】
図7は、本発明の第7の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示しており、第1の好ましい実施形態と実質的に同じ要素を同じ参照番号で示している。したがって、付随する説明は省略する。
【0038】
図7に示すように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ700の絶縁ブロックa/22b/22cの深さは、第1のシャロートレンチアイソレーション12aと同じである。その他の要素は、第1の好ましい実施形態と同じである。
【0039】
図8は、本発明の第8の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示しており、第1の好ましい実施形態と実質的に同じ要素は、同じ参照番号で示されている。したがって、付随する説明は省略する。
【0040】
図8に示すように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ800は、第1の絶縁構造セット22のみを有するが、第2のソース/ドレインドープ領域SD2内に第2の絶縁構造セットは存在しない。すなわち、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ800は非対称構造である。この非対称構造は、第1のソース/ドレインドープ領域SD1と第2のソース/ドレインドープ領域SD2のデバイス構造が、ドレインドープ領域とソースドープ領域で必要とされる異なる耐電圧に応じて調整されるためである。さらに、第2の絶縁構造セットがないため、第2のソース/ドレインドープ領域SD2上の導電性プラグ26bは、水平方向に自由に配置でき、絶縁ブロックの位置によって制限されない。さらに、絶縁ブロック22aの深さが最も大きく、絶縁ブロック22cの深さが最も小さく、絶縁ブロック22bの深さは絶縁ブロック22aの深さと絶縁ブロック22cの深さとの間にある。すなわち、大きい深さを持つ絶縁ブロックはゲート誘電体層18に近く、小さい深さを持つ絶縁ブロックはゲート誘電体層18から遠い。この構造は、絶縁ブロック22aを通過するときに電流がより深く流れる必要があるという利点がある。このようにして、ゲート下部で発生する電流リークを低くすることができる。しかし、絶縁ブロック22b/22cの深さが絶縁ブロック22aと同じ場合、オン抵抗は大きく増加する。トランジスタのオン抵抗と電流リークの両方に対応するため、大きい深さを持つ絶縁ブロックはゲート誘電体層18の近くに配置され、小さい深さを持つ絶縁ブロックはゲート誘電体層18から遠くに配置される。
【0041】
図9は、本発明の第9の好ましい実施形態による埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタを示しており、第1の好ましい実施形態と実質的に同じ要素は同じ参照数字で示されている。したがって、付随する説明は省略する。
【0042】
図9に示すように、埋め込み絶縁構造セットを持つトランジスタ900は非対称構造である。第1の絶縁構造セット22内の絶縁ブロックの数は、第2の絶縁構造セット24内の絶縁ブロックの数とは異なる。さらに、第2の絶縁構造セット24の絶縁ブロック24aの幅は、絶縁ブロック22a/22bの幅よりも大きい。第1の絶縁構造セット22と第2の絶縁構造セット24は形状が互いに異なるため、第1のソース/ドレインドープ領域SD1と第2のソース/ドレインドープ領域SD2の範囲も互いに異なる。さらに、第1の絶縁構造セット22と第2の絶縁構造セット24は形状が互いに異なるため、導電性プラグ26aとゲートGとの間の相対位置、及び導電性プラグ26bとゲートGとの間の相対位置も異なる。
【0043】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、デバイス及び方法の多数の修正及び変更が行われる可能性があることを容易に観察するであろう。したがって、上記の開示は、添付された請求項の内容及び範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9