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特開2024-111783超薄型力覚センサ、モニタリングシステム、モニタリング方法及び適用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111783
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】超薄型力覚センサ、モニタリングシステム、モニタリング方法及び適用
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20240809BHJP
   G01L 25/00 20060101ALI20240809BHJP
   G01L 1/00 20060101ALI20240809BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
G01L25/00 Z
G01L1/00 M
G01L5/00 103D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060967
(22)【出願日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】202310095306.9
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523125769
【氏名又は名称】広州市市政工程試験検測有限公司
【氏名又は名称原語表記】Guangzhou Municipal Engineering Testing Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】The First Floor of Building B, Yulongju, No. 1111, Tianyuan Road, Longdong Street, Tianhe District, Guangzhou, Guangdong 510000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】孫暁立
(72)【発明者】
【氏名】周治国
(72)【発明者】
【氏名】楊軍
(72)【発明者】
【氏名】周伍陽
(72)【発明者】
【氏名】卞徳存
(72)【発明者】
【氏名】呉建良
(72)【発明者】
【氏名】袁暁華
(72)【発明者】
【氏名】張玉珠
(72)【発明者】
【氏名】李皓
【テーマコード(参考)】
2F051
2G024
【Fターム(参考)】
2F051AA06
2F051AB09
2F051AC07
2G024CA04
2G024CA30
2G024FA06
2G024FA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プリテンション監視の確実性を高めるために、超薄型力覚センサ、モニタリングシステム、モニタリング方法及び適用を提供する。
【解決手段】本願は、超薄型力覚センサ、モニタリングシステム、モニタリング方法及び適用を開示し、超薄型力覚センサは、力覚ワッシャと、いくつかのひずみゲージと、保護ケースとを含み、力覚ワッシャに測定対象部品を穿設させるための構造孔が開設され、力覚ワッシャの外周壁にひずみ溝が開設され、いくつかのひずみゲージはひずみ溝の底部に円周方向に固定的に接続され、ひずみゲージにひずみゲージの変形量を検出するための変形監視回路が電気的に接続され、保護ケースは力覚ワッシャの外周壁に外嵌され固定的に接続され、ひずみ溝内にポッティング体が充填される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力覚ワッシャ(1)と、いくつかのひずみゲージ(3)と、保護ケース(2)とを含み、力覚ワッシャ(1)に測定対象部品を穿設させるための構造孔(11)が開設され、力覚ワッシャ(1)の外周壁にひずみ溝(12)が開設され、いくつかのひずみゲージ(3)はひずみ溝(12)の底部に円周方向に固定的に接続され、ひずみゲージ(3)にひずみゲージ(3)の変形量を検出するための変形監視回路が電気的に接続され、保護ケース(2)は力覚ワッシャ(1)の外周壁に外嵌され固定的に接続され、ひずみ溝(12)内にポッティング体(4)が充填される超薄型力覚センサ。
【請求項2】
力覚ワッシャ(1)の部材接触面から離れる面に環状突起(13)が設置され、力覚ワッシャ(1)の軸方向寸法は保護ケース(2)の軸方向寸法よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の超薄型力覚センサ。
【請求項3】
変形監視回路は、
調整可能な電源を含み、変形監視回路に特定の数値の入力電圧を入力するための入力電圧制御モジュール(5)と、
入力電圧制御モジュール(5)に電気的に接続され、力覚ワッシャ(1)の変形量に応じて抵抗ブリッジモジュール(6)の出力電圧と入力電圧との比率を調整するために用いられ、ひずみゲージ(3)に固定的に接続されるひずみ抵抗器R1からなるホイートストンブリッジを含む抵抗ブリッジモジュール(6)と、
抵抗ブリッジモジュール(6)に電気的に接続され、抵抗ブリッジモジュール(6)の出力電圧の数値を検出するための出力電圧検出モジュール(7)と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の超薄型力覚センサ。
【請求項4】
いくつかの超薄型力覚センサ(100)と、調整可能な電源と、検電センサと、データ分析モジュール(9)と、システム制御モジュール(8)とを含み、調整可能な電源、検電センサ、データ分析モジュール(9)及びシステム制御モジュール(8)にいずれも無線伝送ユニットが電気的に接続され、システム制御モジュール(8)は無線伝送ユニットにより調整可能な電源に監視制御信号を送信し、調整可能な電源は各超薄型力覚センサ(100)の抵抗ブリッジモジュール(6)に入力電圧を提供し、検電センサは抵抗ブリッジモジュール(6)の出力電圧に基づいて応力監視データを生成し、検電センサは無線伝送ユニットによりデータ分析モジュール(9)に応力監視データを送信し、データ分析モジュール(9)は応力監視データを分析し、フィードバック制御情報を生成し、無線伝送ユニットによりシステム制御モジュール(8)に送信し、
超薄型力覚センサ(100)が配置された箇所に取り付けられた現場警報器を含む警告モジュールであって、遠隔警報信号を送信するための遠隔警報器をさらに含む警告モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする超薄型力覚センサを適用したモニタリングシステム。
【請求項5】
各超薄型力覚センサに対応する応力監視データを取得し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警告情報を生成するステップと、
モニタリング対象設備の設計図面を取得し、設計図面に基づいて各部材及び締結具の性能パラメータを決定し、力学的情報モデルを作成するステップと、
応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、力学的情報モデルに基づいて各締結点の危険度情報を判断するステップと、
各締結点の危険度情報に基づいて、対応する監視頻度を決定し、監視頻度に基づいてフィードバック制御情報を生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項6】
各超薄型力覚センサに対応する応力監視データを取得し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警告情報を生成するステップにおいて、
締結具の型番情報を取得し、型番情報に基づいて各警告段階の警告閾値区間を決定し、閾値区間セットを生成するステップと、
各応力監視データを取得し、各応力監視データを対応する閾値区間セットと比較し、対応する警告段階を決定するステップと、
各締結具の警告段階に基づいて対応する警告信号をマッチングし、各締結具の警告信号に基づいて警告情報を生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項7】
各応力監視データを取得するステップにおいて、
センサ信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングし、各サンプリング周期内に第1の数値の個数の監視データを含む1つのサンプリングデータセットを取得するステップと、
サンプリングデータセットにおける各監視データを平均化計算し、複数セットの平均値を生成し、サンプリングデータセットにおける各監視データから複数セットの平均値を減算し、低波動データを得、各低波動データに基づいて低波動データセットを生成するステップと、
低波動データセットに対してデータ統計を行い、各数値セグメント内の低波動データの数を統計し、各数値セグメントの低波動データの数をノイズ除去閾値と比較するステップと、
低波動データの数のノイズ除去閾値よりも大きい全ての数値セグメントの監視データの平均値を計算して当該サンプリング周期の応力監視データとするステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項8】
センサ信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングするステップの前に、
測定対象部品に段階的にプリテンションを加え、対応する校正測定データを読み取るステップと、
各段階のプリテンションに対応する校正測定データ及び上段階のプリテンションに対応する校正測定データに基づいて、本段階のプリテンション区間に対応する弾性係数を計算するステップと、
各弾性係数をデータ分析モジュールに入力し、超薄型力覚センサの自動的な校正を実行するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項9】
各弾性係数をデータ分析モジュールに入力し、超薄型力覚センサの自動的な校正を実行するステップの後に、
測定対象部品に試験プリテンションを加え、対応する試験測定データを読み取り、試験測定データに基づいて、所定の精度要求に適合するか否かを判断するステップと、
試験測定データが所定の精度要求に適合しない場合、精度が不合格であるプリテンション区間に補間点を設定し、補間点に基づいて対応するプリテンション部分区間を決定するステップと、
各プリテンション部分区間に対応する部分弾性係数を計算し、隣接するプリテンション部分区間に対応する部分弾性係数の差を計算して、弾性差を生成するステップと、
各弾性差がいずれも対応する弾性差閾値よりも小さければ、補正校正を完了し、いずれかの弾性差が弾性差閾値よりも大きければ、対応するプリテンション部分区間に新たな補間点を設定し、引き続き補正校正を行うステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項10】
応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、力学的情報モデルに基づいて各締結点の危険度情報を判断するステップにおいて、
応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、モニタリング対象設備の各部材の力受けデータに基づいて、各締結点の負荷データを判断するステップと、
各締結点の負荷データ及び応力監視データに基づいて、各締結点の負荷率を計算して、危険度情報を生成するステップと、を含む、超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法であって、
所定のひずみ校正周期に基づいて、ひずみ校正命令を生成し抵抗ブリッジモジュールに送信するステップと、
所定の校正抵抗データセットに基づいて校正抵抗器R5を制御し、校正監視データセットを取得するステップと、
校正抵抗データセット及び対応する校正監視データセットに基づいて、ひずみ抵抗値を計算し、ひずみ抵抗値に基づいてひずみ抵抗器R1を校正するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、プリテンション監視の技術分野に関し、特に、超薄型力覚センサ、モニタリングシステム、モニタリング方法及び適用に関する。
【背景技術】
【0002】
プレストレストアンカー構造、ケーブル系橋梁構造、ボルト締結構造は、土木、交通、機械工学などの分野に広く適用され、当該種類の構造は、複雑で過酷な自然環境に長期間さらされることや、日増しに重くなる交通荷重がかかることから、長期使用における安全性に工学業界からの大きな関心が寄せられる。
【0003】
工学業界では、通常、振動弦式センサ、超音波法、及び振動加速度法で、ケーブル張力又はボルトプリテンションを試験するが、上記の方法は、実際の適用において多くの欠点が存在する。
【0004】
振動弦式力覚センサは、大型であり、斜張橋の引張ケーブル、組立式管廊の継手、吊り橋のケーブルクランプスクリューなどのアンカー位置の空間の狭い場合に適用されにくく、当該センサには、鋼弦の予め引張り後のクリープ、出力信号が微力変化を認識しにくく、データ収集伝送の消費電力が大きいなどの問題が存在し、ケーブル橋梁構造のような大量のスクリュー締結力監視の要求に応えることが困難である。
【0005】
振動加速度法と超音波法は、いずれも締結力を間接的に推定する検出方法であり、振動加速度法は、斜張橋張力監視に用いられることが多く、現場試験は、便利で素早いが、試験位置は、通常、橋梁面に近く、制振ダンパ装置の影響を受けやすく、且つ引張ケーブルの弛みによる低次周波数への影響が大きく、試験張力値と実際値との差は大きいことが多い。
【0006】
超音波法は、スクリュー内における音波の伝達時間と軸力との関係を確立することで、スクリューの現在の締結力値を推定することであり、当該方法は、金属スクリュー材料のクリープによる測定誤差及び超音波トランスデューサの耐久性不足などの問題を解消することが困難であり、有効な監視時間が通常1年間未満であり、その後、データが実際値から大きく外れ、超音波法による監視は、専用スクリューを採用する必要があり、加工精度が高く要求され、センサのコストが高く、超音波法は、これまで主に科学研究試験に使用され、実際の工事で広く適用されることが困難である。
【0007】
したがって、低コストで高品質の超薄型インテリジェントセンシング力覚センサ及びモニタリングシステムを開発することが非常に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願は、プリテンション監視の確実性を高めるために、超薄型力覚センサ、モニタリングシステム、モニタリング方法及び適用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は、以下の技術的解決手段を採用して実現される。
【0010】
力覚ワッシャと、いくつかのひずみゲージと、保護ケースとを含み、力覚ワッシャに測定対象部品を穿設させるための構造孔が開設され、力覚ワッシャの外周壁にひずみ溝が開設され、いくつかのひずみゲージはひずみ溝の底部に円周方向に固定的に接続され、ひずみゲージにひずみゲージの変形量を検出するための変形監視回路が電気的に接続され、保護ケースは力覚ワッシャの外周壁に外嵌され固定的に接続され、ひずみ溝内にポッティング体が充填される、超薄型力覚センサである。
【0011】
力覚ワッシャにプリテンション監視を必要とする部品を穿設させるための構造孔が開設されることで、力覚ワッシャは締結具のガスケットとして機能することが可能になり、力覚ワッシャの外周壁にひずみ溝が開設され、且ついくつかのひずみゲージがひずみ溝の底部に円周方向に分布し固定的に接続されることで、ひずみゲージにより力覚ワッシャの変形量を監視することが容易になり、ひずみゲージにひずみゲージの変形量を検出するための変形監視回路が電気的に接続されることで、変形量を電気信号に変換し、電気信号の数値及び変化を測定することにより、測定対象部品のプリテンションの数値及び変化を計算することが容易になり、保護ケースが力覚ワッシャの外周壁に外嵌され固定的に接続され、且つひずみ溝内に、ひずみゲージを外部環境から隔離して、ひずみゲージを保護し、保護ケースが力覚ワッシャの弾性変形に与える影響を低減するために、ポッティング体が充填される。
【0012】
選択可能に、力覚ワッシャの部材接触面から離れる面に環状突起が設置される。力覚ワッシャの部材に接触するための面が部材接触面であり、測定対象部品と力覚ワッシャの部材接触面から離れる面との間に偏心荷重が生じる可能性を低減し、力覚ワッシャが測定対象部品の締結力を受ける均一性を高めるために、力覚ワッシャの部材接触面から離れる面に環状突起が設置される。
【0013】
選択可能に、保護ケースが力覚ワッシャの軸方向変形に与える影響を低減するために、力覚ワッシャの軸方向寸法は保護ケースの軸方向寸法よりも大きい。
【0014】
選択可能に、変形監視回路は、
調整可能な電源を含む入力電圧制御モジュールと、
入力電圧制御モジュールに電気的に接続され、ひずみゲージに固定的に接続されるひずみ抵抗器R1からなるホイートストンブリッジを含む抵抗ブリッジモジュールと、
抵抗ブリッジモジュールに電気的に接続される出力電圧検出モジュールと、を含む。
【0015】
入力電圧制御モジュールは、調整可能な電源を含み、変形監視回路の抵抗ブリッジモジュールに特定の数値の入力電圧を入力するために用いられ、抵抗ブリッジモジュールは、ひずみ抵抗器R1からなるホイートストンブリッジを含み、ここで、ひずみ抵抗器R1は測定対象抵抗器であり、且つ力覚ワッシャの変形量に応じてひずみ抵抗器R1の抵抗値を調整するために、ひずみ抵抗器R1はひずみゲージに固定的に接続され、出力電圧検出モジュールは、抵抗ブリッジモジュールに電気的に接続され、ひずみ抵抗器R1の実際の抵抗値を計算するように、抵抗ブリッジモジュールの出力電圧の数値を検出するために用いられ、それにより、力覚ワッシャの変形量という非電気的量の電気的計測を実現する。
【0016】
本願は、以下の技術的解決手段を採用して実現される。
【0017】
いくつかの超薄型力覚センサと、調整可能な電源と、検電センサと、データ分析モジュールと、システム制御モジュールとを含み、調整可能な電源、検電センサ、データ分析モジュール及びシステム制御モジュールにいずれも無線伝送ユニットが電気的に接続され、システム制御モジュールは、無線伝送ユニットにより調整可能な電源に監視制御信号を送信し、調整可能な電源は、各超薄型力覚センサの抵抗ブリッジモジュールに入力電圧を提供し、検電センサは、抵抗ブリッジモジュールの出力電圧に基づいて応力監視データを生成し、検電センサは、無線伝送ユニットによりデータ分析モジュールに応力監視データを送信し、データ分析モジュールは、応力監視データを分析し、フィードバック制御情報を生成し、無線伝送ユニットによりシステム制御モジュールに送信する、超薄型力覚センサを適用したモニタリングシステムである。
【0018】
超薄型力覚センサを適用したモニタリングシステムにおける調整可能な電源、検電センサ、データ分析モジュール及びシステム制御モジュールに、モニタリングシステムの各機器間で情報を無線で伝達するために、いずれも無線伝送ユニットが電気的に接続され、そのうち、システム制御モジュールは、調整可能な電源に監視制御信号を送信して、調整可能な電源を各超薄型力覚センサに入力電圧を提供するように制御するために用いられ、入力電圧が超薄型力覚センサにおける抵抗ブリッジモジュールにより処理された後、検電センサは、抵抗ブリッジモジュールの出力電圧を検出することによって応力監視データを生成し、検電センサが応力監視データをデータ分析モジュールに送信した後、データ分析モジュールは応力監視データを分析して、各超薄型力覚センサが配置された箇所にある測定対象部品のプリテンションが正常であるか否かを決定することにより、調整を必要とする応力監視手段を決定し、フィードバック制御情報を生成し、システム制御モジュールに送信して、監視制御信号を調整する。
【0019】
選択可能に、超薄型力覚センサが配置された箇所に取り付けられた現場警報器を含む警告モジュールをさらに含み、警告モジュールは、遠隔警報信号を送信するための遠隔警報器をさらに含む。一部の超薄型力覚センサが配置された箇所にある測定対象部品のプリテンションが異常であることを監視すると、現場警報、及び遠隔警報信号を送信する方式で警報機能を実現し、それにより、近くの人を分散させるように警告し、隠れた危険を解消するように関係者に即時に知らせることが容易になる。
【0020】
本願は、以下の技術的解決手段を採用して実現される。
【0021】
各超薄型力覚センサに対応する応力監視データを取得し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警告情報を生成するステップと、
モニタリング対象設備の設計図面を取得し、設計図面に基づいて各部材及び締結具の性能パラメータを決定し、力学的情報モデルを作成するステップと、
応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、力学的情報モデルに基づいて各締結点の危険度情報を判断するステップと、
各締結点の危険度情報に基づいて、対応する監視頻度を決定し、監視頻度に基づいてフィードバック制御情報を生成するステップと、を含む、超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法である。
【0022】
各超薄型力覚センサにより監視された締結具のプリテンションを取得し、応力監視データを生成し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警報する必要があるか否か、及びどのような警報信号を発するかを判断して、警告情報を生成することで、締結具のプリテンションが異常である場合に警報信号を発し、モニタリング対象設備の設計図面を取得することで、設計図面に基づいて各部材及び締結具の性能パラメータを決定し、それにより、力学的情報モデルを作成し、その後、力学的情報モデルにより各領域におけるモニタリング対象設備の力学性能を判断することを容易にし、取得した応力監視データを力学的情報モデルにマーキングすることで、現在の各締結具のプリテンション及び各部材の性能パラメータに基づいて、各締結点の危険度を判断し、危険度情報を生成し、異なる締結点の現在の危険度情報に基づいて、各締結点に対する監視頻度を決定し、フィードバック制御情報を生成することで、その後、モニタリング対象設備に対する応力監視計画を調整することが容易になり、それにより、プリテンション監視の確実性を高める。
【0023】
選択可能に、各超薄型力覚センサに対応する応力監視データを取得し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警告情報を生成するステップにおいて、
締結具の型番情報を取得し、型番情報に基づいて各警告段階の警告閾値区間を決定し、閾値区間セットを生成するステップと、
各応力監視データを取得し、各応力監視データを対応する閾値区間セットと比較し、対応する警告段階を決定するステップと、
各締結具の警告段階に基づいて対応する警告信号をマッチングし、各締結具の警告信号に基づいて警告情報を生成するステップと、を含む。
【0024】
各締結具の型番情報を取得することで、各締結具の性能パラメータを決定し、各締結具の性能パラメータに基づいて、異なる危険度に対応する警告閾値区間を決定し、各警告閾値区間は、1つの警告段階に対応し、同一の締結具の複数の警告閾値区間に基づいて閾値区間セットを生成し、各締結具に対応する応力監視データを取得し、応力監視データを当該締結具の閾値区間セットと比較することで、対応する警告段階を決定し、各締結具の警告段階に基づいて、発する必要がある警告信号のタイプを決定し、各締結具の警告信号に基づいて警告情報を生成することで、その後、警告情報に基づいて警告モジュールの警報を制御する。
【0025】
選択可能に、各応力監視データを取得するステップにおいて、
センサ信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングし、各サンプリング周期内に第1の数値の個数の監視データを含む1つのサンプリングデータセットを取得するステップと、
サンプリングデータセットにおける各監視データを平均化計算し、複数セットの平均値を生成し、サンプリングデータセットにおける各監視データから複数セットの平均値を減算し、低波動データを得、各低波動データに基づいて低波動データセットを生成するステップと、
低波動データセットに対してデータ統計を行い、各数値セグメント内の低波動データの数を統計し、各数値セグメントの低波動データの数をノイズ除去閾値と比較するステップと、
低波動データの数のノイズ除去閾値よりも大きい全ての数値セグメントの監視データの平均値を計算して当該サンプリング周期の応力監視データとするステップと、を含む。
【0026】
センサの信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングすることで、収集したデータの真実性を高め、所定のサンプリング周期及びサンプリング頻度に基づいて、各サンプリング周期内に1つのサンプリングデータセットを取得し、ここで、各サンプリングデータセット内の監視データの数は、第1の数値の個数であり、サンプリングデータセットにおける各監視データを平均化計算することで、対応する複数セットの平均値を生成し、サンプリングデータセットにおける各監視データから複数セットの平均値を減算した後、低波動データセットを生成することで、データセットにおける各データの数値の範囲を小さくし、データ変動分析の正確性を高め、データサンプリングの過程において、信号処理回路の各素子及びモニタリングシステムにおける他のモジュールに、外乱によりノイズ波が発生することで、検出精度に影響を及ぼすため、低波動データセットにおける各データを統計し、各数値セグメント内にある低波動データの数を計算し、数が所定のノイズ除去閾値よりも小さい場合、当該数値セグメント内のデータがノイズ波であり、平均化計算に関与しないと考えられ、数が所定のノイズ除去閾値よりも大きい場合、保留し、保留された数値セグメント内の低波動データに対応する監視データを計算して当該サンプリング周期の応力監視データとする。
【0027】
選択可能に、センサ信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングするステップの前に、
測定対象部品に段階的にプリテンションを加え、対応する校正測定データを読み取るステップと、
各段階のプリテンションに対応する校正測定データ及び上段階のプリテンションに対応する校正測定データに基づいて、本段階のプリテンション区間に対応する弾性係数を計算するステップと、
各弾性係数をデータ分析モジュールに入力し、超薄型力覚センサの自動的な校正を実行するステップと、をさらに含む。
【0028】
本願の超薄型力覚センサは、ひずみゲージにより力覚ワッシャの変形量を検出して応力を計算するため、具体的に、材料の弾性変形の性質を利用しているが、材料の弾性区間における応力とひずみとの関係は、絶対的に線形ではなく、且つ力覚ワッシャの変形は、他の要因により妨害される可能性もあるため、超薄型力覚センサを校正して、測定対象部品のプリテンションに対する検出精度を向上させることが必要であり、測定対象部品に段階的にプリテンションを加え、各段階のプリテンションを加えた後に超薄型力覚センサにより検出された電圧値を読み取って校正測定データとし、各段階のプリテンションに対応する校正測定データと上段階のプリテンションに対応する校正測定データ、及び現在加えられたプリテンションの数値と上段階に加えられたプリテンションの数値に基づいて、本段階のプリテンションの区間に対応する弾性係数を計算し、各段階のプリテンションに対応する弾性係数をデータ分析モジュールに入力し、超薄型力覚センサを自動的に校正することで、その後、異なる応力区間内における超薄型力覚センサの弾性係数に基づいて、測定された応力監視データを計算することが容易になり、それにより超薄型力覚センサの検出精度を向上させる効果を達成する。
【0029】
選択可能に、各弾性係数をデータ分析モジュールに入力し、超薄型力覚センサの自動的な校正を実行するステップの後に、
測定対象部品に試験プリテンションを加え、対応する試験測定データを読み取り、試験測定データに基づいて、所定の精度要求に適合するか否かを判断するステップと、
試験測定データが所定の精度要求に適合しない場合、精度が不合格であるプリテンション区間に補間点を設定し、補間点に基づいて対応するプリテンション部分区間を決定するステップと、
各プリテンション部分区間に対応する部分弾性係数を計算し、隣接するプリテンション部分区間に対応する部分弾性係数の差を計算して、弾性差を生成するステップと、
各弾性差がいずれも対応する弾性差閾値よりも小さければ、補正校正を完了し、いずれかの弾性差が弾性差閾値よりも大きければ、対応するプリテンション部分区間に新たな補間点を設定し、引き続き補正校正を行うステップと、をさらに含む。
【0030】
超薄型力覚センサを自動的に校正した後、さらに自動的に校正した力覚センサの検査及び補正を行うことができ、測定対象部品に試験プリテンションを加え、超薄型力覚センサにより検出された電圧値を読み取って試験測定データと、試験測定データが所定の精度要求を満たすか否かを判断し、試験測定データが所定の精度要求を満たさない場合、精度が不合格であるプリテンション区間を決定し、精度が不合格であるプリテンション区間に補間点を設定し、設定された補間点に基づいて新たなプリテンション部分区間をさらに決定し、各プリテンション部分区間に対応する部分弾性係数を計算し、各隣接するプリテンション部分区間の部分弾性係数の間の差を計算して弾性差とし、各弾性差を所定の弾性差閾値と比較し、全ての弾性差がいずれも弾性差閾値よりも小さければ、隣接するプリテンション部分区間の間の弾性係数が近いと考えられて、補正校正を完了し、いずれかの弾性差が所定の弾性差閾値よりも大きければ、さらに対応するプリテンション部分区間に新たな補間点を設定し、引き続き補正校正作業を実行する必要がある。
【0031】
選択可能に、応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、力学的情報モデルに基づいて各締結点の危険度情報を判断するステップにおいて、
応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、モニタリング対象設備の各部材の力受けデータに基づいて、各締結点の負荷データを判断するステップと、
各締結点の負荷データ及び応力監視データに基づいて、各締結点の負荷率を計算して、危険度情報を生成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0032】
応力監視データを力学的情報モデルにマーキングすることで、モニタリング対象設備における各締結点の現在の締結力を判断し、モニタリング対象設備の各部材の力受けデータに基づいて、各締結点の現在の負荷状況を判断することにより、負荷データを生成し、各締結点の負荷データ及び対応する応力監視データに基づいて、各締結点の現在の負荷率を計算し、各締結点の危険度を評価して危険度情報を生成することで、その後、各締結点の異なる危険度情報に基づいて監視頻度を設定することが容易となり、それにより各締結点に対する応力監視の科学性を高める。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施例1における超薄型力覚センサの構造の概略図である。
図2】実施例1における変形監視回路の回路図である。
図3】実施例2における超薄型力覚センサの構造の概略図である。
図4】実施例3における超薄型力覚センサを適用したモニタリングシステムの概略図である。
図5】実施例5における超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法のフローチャートである。
図6】超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法のステップS10のフローチャートである。
図7】超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法のステップS12のフローチャートである。
図8】超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法の別のフローチャートである。
図9】超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法の別のフローチャートである。
図10】超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法のステップS30のフローチャートである。
図11】実施例6における変形監視回路の回路図である。
図12】超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法の別のフローチャートである。
図13】実施例7における機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本願は、超薄型力覚センサ、モニタリングシステム、モニタリング方法及び適用を開示する。
【0035】
以下、図面1~13に合わせて、本願をさらに詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
図1に示すように、本願は、力覚ワッシャ1と、いくつかのひずみゲージ3と、保護ケース2とを含む超薄型力覚センサ100であって、力覚ワッシャ1は、ひずみゲージ3を取り付けるために用いられ、測定対象締結具のガスケットとすることができ、ひずみゲージ3は、力覚ワッシャ1に固定的に接続され、且つ力覚ワッシャ1が受ける力の大きさを計算するように力覚ワッシャ1の変形量を検出するための変形監視回路が電気的に接続され、保護ケース2は、力覚ワッシャ1に取り付けられた電子デバイスを保護するために用いられる超薄型力覚センサ100を開示する。
【0037】
力覚ワッシャ1は円盤状を呈し、力覚ワッシャ1に測定対象締結具を穿設させるための構造孔11が軸線方向に沿って開設され、構造孔11の内径は、具体的には、測定対象締結具の直径に基づいて決定され、力覚ワッシャ1の一面は部材接触面であり、力覚ワッシャ1の部材接触面は平坦に設置され、締結具により接続する必要がある部材に接触するために用いられ、測定対象締結具と力覚ワッシャ1との間に偏心荷重が生じる可能性を低減し、力覚ワッシャ1が測定対象締結具の締結力を受ける均一性を高めるために、力覚ワッシャ1の部材接触面から離れる面に環状突起13が設置される。
【0038】
力覚ワッシャ1の外周壁にひずみ溝12が開設され、ひずみ溝12の底面が力覚ワッシャ1の軸線の周りに設置されて柱面を形成し、いくつかのひずみゲージ3は、その後、力覚ワッシャ1の軸方向の変形量を検出するために、力覚ワッシャ1の円周方向に沿ってひずみ溝12の底部に均一に固定的に接続され、力覚ワッシャ1は、締結具のプリテンションを受けると、軸方向に変形し、力覚ワッシャ1が弾性変形すると、力覚ワッシャ1の変形量と受けるプリテンションとは略線形関係となり、ひずみゲージ3は力覚ワッシャ1の変形量を検出するために用いることができるため、力覚ワッシャ1が締結具から受けるプリテンションを間接的に検出することができる。
【0039】
保護ケース2は円環状を呈し、力覚ワッシャ1にいくつかの第1の接続孔15が円周方向に均一に開設され、本実施例において、第1の接続孔15はネジ孔であり、且つ第1の接続孔15の数は4つであり、保護ケース2は力覚ワッシャ1に外嵌され、保護ケース2にいくつかの第2の接続孔21が開設され、第2の接続孔21の数は第1の接続孔15の数と同一であり、且つ第2の接続孔21は第1の接続孔15に正対して設置され、保護ケース2はネジ接続具により力覚ワッシャ1に取り外し可能に接続され、且つ力覚ワッシャ1が締結具の軸方向のプリテンションを単独で受け、保護ケース2が軸方向のプリテンションを受けることによる力覚ワッシャ1の変形量に対する影響を低減するように、力覚ワッシャ1の軸方向の寸法は保護ケース2の軸方向の寸法よりも大きく、それにより、プリテンションの大きさに対する検出の正確性を高める。
【0040】
保護ケース2にひずみゲージ3に接続される変形検出回路のケーブルを通すための糸通し孔22がさらに開設され、ひずみ溝12内にポッティング体4が充填され、本実施例において、ポッティング体4はポッティング接着剤が凝固して形成され、ひずみゲージ3を保護し、ひずみゲージ3の耐用年数を高めるためにひずみゲージ3を外部環境から隔離することを容易にする。
【0041】
図2に示すように、変形検出回路は、入力電圧制御モジュール5と、抵抗ブリッジモジュール6と、出力電圧検出モジュール7とを含む。
【0042】
入力電圧制御モジュール5は、変形監視回路に特定の数値の入力電圧を入力するために用いられ、入力電圧制御モジュール5は調整可能な電源を含み、調整可能な電源の2つの出力電極は、抵抗ブリッジモジュール6の2つの入力電極にそれぞれ接続される。
【0043】
抵抗ブリッジモジュール6は入力電圧制御モジュール5に電気的に接続され、抵抗ブリッジモジュール6は力覚ワッシャ1の変形量に応じて、抵抗ブリッジモジュール6の出力電圧と入力電圧との比率を調整するために用いられ、抵抗ブリッジモジュール6はひずみ抵抗器R1と、第2の抵抗器R2と、第3の抵抗器R3と、第4の抵抗器R4と、を含み、ひずみ抵抗器R1の一端が第2の抵抗器R2に接続され、ひずみ抵抗器R1から離れる第2の抵抗器R2の一端が第3の抵抗器R3に接続され、第2の抵抗器R2から離れる第3の抵抗器R3の一端が第4の抵抗器R4に接続され、第3の抵抗器R3から離れた第4の抵抗器R4の一端が第2の抵抗器R2から離れるひずみ抵抗器R1の一端に接続されることで、ホイートストンブリッジが構成され、そのうち、ひずみ抵抗器R1は測定対象抵抗器であり、ひずみ抵抗器R1はひずみゲージ3に固定的に接続され、抵抗ブリッジモジュール6の2つの入力電極は、それぞれ、ひずみ抵抗器R1と第4の抵抗器R4との接続ノード、第2の抵抗器R2と第3の抵抗器R3との接続ノードであり、ホイートストンブリッジ法による抵抗測定は従来技術であるため、本実施例において、どのようにして抵抗ブリッジモジュール6によりひずみ抵抗器R1の抵抗値を測定するか、またひずみ抵抗器R1の抵抗値を電圧量に変換して測定するかの原理については説明を省略し、ここで、第2の抵抗器R2、第3の抵抗器R3及び第4の抵抗器R4は長い導線を介して超薄型力覚センサ100におけるひずみ抵抗器R1に並列に接続されることで、第2の抵抗器R2、第3の抵抗器R3及び第4の抵抗器R4を、作業者がメンテナンス、デバッグを行うのに便利な位置に容易に取り付けることができる。
【0044】
出力電圧検出モジュール7は抵抗ブリッジモジュール6に電気的に接続され、抵抗ブリッジモジュール6の出力電圧の数値を検出するために用いられ、出力電圧検出モジュール7は検電センサを含み、検電センサの2つの入力電極は抵抗ブリッジモジュール6の2つの出力電極にそれぞれ接続され、抵抗ブリッジモジュール6の2つの出力電極は、ひずみ抵抗器R1と第2の抵抗器R2との接続ノード、第3の抵抗器R3と第4の抵抗器R4との接続ノードである。
【0045】
(実施例2)
図3に示すように、本願は、超薄型力覚センサ100を開示し、実施例1に加えて、力覚ワッシャ1の構造孔11の内壁に変形溝14がさらに開設され、変形溝14が力覚ワッシャ1の軸線に沿って円周方向に開設されることで、軸方向のプリテンションによる力覚ワッシャ1の変形程度を高め、さらに軸方向のプリテンションに対する検出精度を高めることが容易になる。
【0046】
(実施例3)
図4に示すように、本願は、超薄型力覚センサ100を適用したモニタリングシステムであって、いくつかの超薄型力覚センサ100と、調整可能な電源と、検電センサと、データ分析モジュール9と、システム制御モジュール8とを含み、そのうち、調整可能な電源、検電センサ、データ分析モジュール9及びシステム制御モジュール8にいずれも無線伝送ユニットが電気的に接続されるモニタリングシステムを開示し、本実施例において、無線伝送ユニットにLoRa通信チップが設置され、超薄型力覚センサ100を適用したモニタリングシステムはLoRa通信中継器をさらに含むことで、調整可能な電源、検電センサ、データ分析モジュール9及びシステム制御モジュール8の間がLoRa無線広域ネットワーク技術により無線通信接続を実現することを可能にし、消費電力が低く、信号伝送距離が遠いという利点を有する。
【0047】
システム制御モジュール8は、無線伝送ユニットにより、調整可能な電源に監視制御信号を送信することで、調整可能な電源は各超薄型力覚センサ100の抵抗ブリッジモジュール6に入力電圧を提供し、さらに検電センサは抵抗ブリッジモジュール6の出力電圧に基づいて応力監視データを生成することができ、ここで、監視制御信号とは、調整可能な電源が入力電圧を提供する時間ノードや電圧パラメータを制御するための信号である。
【0048】
検電センサが出力電圧を検出し、応力監視データを生成した後、データ分析モジュール9が応力監視データを分析できるように、検電センサは無線伝送ユニットによりデータ分析モジュール9に応力監視データを送信し、応力監視データを分析した後、フィードバック制御情報を生成し、フィードバック制御情報を無線伝送ユニットによりシステム制御モジュール8に送信することで、超薄型力覚センサ100が実行する監視動作を閉ループ制御する。
【0049】
超薄型力覚センサ100を適用したモニタリングシステムは、警告モジュールをさらに含み、警告モジュールは現場警報器と遠隔警報器とを含み、そのうち、現場警報器は超薄型力覚センサ100が配置された箇所に取り付けられ、具体的には、ブザー、スピーカ、警告灯のうちの1つ又は複数を含むことができ、これにより、超薄型力覚センサ100が締結具の異常を監視すると、音声信号及び/又は光信号により、近くの人に分散するように注意喚起するか、又は、メンテナンス作業者に締結具の異常の場所を注意喚起し、遠隔警報器は、締結具の異常を監視すると、メンテナンス作業者に遠隔警報信号を送信して、現在異常が発生している締結具が配置された箇所をメンテナンス作業者に知らせる。
【0050】
(実施例4)
本願は、測定対象締結具により接続又は補強される橋梁、建築物、管廊、送風機、アンカー構造、レール、及び機械機器などの安全性を高めるように、締結具の応力を監視するために用いることができる、超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法を開示し、本実施例において、超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法はデータ分析モジュールに記憶され、データ分析モジュールにより実行される。
【0051】
図5に示すように、超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法は、具体的には、以下のステップを含む。
【0052】
S10において、各超薄型力覚センサに対応する応力監視データを取得し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警告情報を生成する。
【0053】
本実施例において、応力監視データとは、超薄型力覚センサにより検出された対応する締結具の応力データである。
【0054】
具体的には、超薄型力覚センサに内蔵された変形監視回路により、力覚ワッシャの変形量を検出し、当該超薄型力覚センサに対応する締結具の応力データをさらに計算し、各締結具に対応する応力監視データ及び対応する締結具の性能パラメータに基づいて、各締結具の現在の応力データの設計図面における対応する応力データに対する外れ程度を評価することで、各締結具の警告段階を決定し、各締結具の警告段階に基づいて、発する必要がある警告信号タイプの情報をマッチングし、警告情報をさらに生成し、警告情報に基づいて警告モジュールを対応する警報信号を発するように制御することを容易にする。
【0055】
さらに、異なる温度で抵抗値が変化する抵抗器があるため、データ分析モジュールに、変形検出回路における各抵抗器の抵抗値データを温度補償するための温度補償アルゴリズムが記憶され、異なる温度における各抵抗器の具体的な補償値は、実験や関連技術のマニュアルに基づいて取得することができる。
【0056】
ここで、図6を参照すると、ステップS10において、以下を含む。
【0057】
S11において、締結具の型番情報を取得し、型番情報に基づいて各警告段階の警告閾値区間を決定し、閾値区間セットを生成する。
【0058】
具体的には、締結具の型番情報を取得し、締結具の型番情報に基づいて技術ファイルベースから対応する性能パラメータをマッチングして、正常な状況での各締結具の締結力数値の範囲を決定し、各締結具の性能パラメータに基づいて、各締結具に複数の警告閾値区間を設定し、各警告閾値区間は1つの警告段階に対応し、その後、締結具の締結力数値がある警告閾値区間に基づいて締結具の警告段階を決定することを容易にし、各締結具の複数の警告閾値区間に基づいて閾値区間セットを生成する。
【0059】
S12において、各応力監視データを取得し、各応力監視データを対応する閾値区間セットと比較し、対応する警告段階を決定する。
【0060】
具体的には、各締結具の現在の応力監視データを取得した後、各締結具の応力監視データを対応する閾値区間セットと比較することで、各締結具の現在の警告段階を決定し、各締結具の現在の危険度を知ることを容易にする。
【0061】
S13において、各締結具の警告段階に基づいて対応する警告信号をマッチングし、各締結具の警告信号に基づいて警告情報を生成する。
【0062】
本実施例において、警告信号とは、特定の警報動作を実行するように警告モジュールをトリガーするための信号であり、1つの警告信号は、例えば、サイレンを鳴らし、警告灯を点灯させ、遠隔警報信号を送信するなど、警告モジュールの1つの警報動作を対応してトリガーし、警告情報とは、超薄型力覚センサを適用したモニタリングシステムにおける全ての締結具の警告信号に基づいて生成された情報である。
【0063】
具体的には、各締結具の警告段階に基づいて対応する警告信号をマッチングし、各締結具の警告信号に基づいて警告情報を生成することで、その後、各締結具の現在の危険度情報に基づいてまとめた後に、警告モジュールを対応する警報動作を実行するように統合的にトリガーする。
【0064】
ここで、図7を参照すると、ステップS12において、以下を含む。
【0065】
S121において、センサ信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングし、各サンプリング周期内に第1の数値の個数の監視データを含む1つのサンプリングデータセットを取得する。
【0066】
本実施例において、監視データとは、超薄型力覚センサにより測定された応力データであり、サンプリング周期とは、1回の応力監視動作を実行し、超薄型力覚センサにより監視データを収集する周期であり、好ましくは、サンプリング周期は1Sであり、サンプリングデータセットとは、1つのサンプリング周期内に収集された全ての監視データからなるデータセットであり、1つの収集データセットは第1の数値の個数の監視データを含み、好ましくは、第1の数値は200である。
【0067】
具体的には、センサ信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングして、超薄型力覚センサにより測定された十分な応力データを取得し、その後、応力監視データに対する検出の精度を高めることを容易にし、各サンプリング周期内に第1の数値の個数の監視データを取得して、対応する1つのサンプリングデータセットを構成する。
【0068】
S122において、サンプリングデータセットにおける各監視データを平均化計算し、複数セットの平均値を生成し、サンプリングデータセットにおける各監視データから複数セットの平均値を減算し、低波動データを得、各低波動データに基づいて低波動データセットを生成する。
【0069】
具体的には、サンプリングデータセットにおける各監視データを平均化計算する具体的な方式は、各サンプリングデータセットにおける監視データを数値の大きさでソートし、第1の数値をAとし、除去比率値Bを設定し、好ましくは、除去比率値を0.05とし、サンプリングデータセットにおける監視データのA*B個の最大値とA*B個の最小値を除去した後、残りの監視データの平均値を計算して複数セットの平均値とすることである。
【0070】
具体的には、サンプリングデータセットにおける各監視データから複数セットの平均値を減算した後、低波動データを得、計算して得られた各低波動データに基づいて低波動データセットを生成し、サンプリングデータセットの代わりに低波動データセットでその後のデータ分析を行うことにより、データセットにおけるデータ変動範囲を小さくすることが容易になり、実際の使用において、サンプルデータセットの平均値は約20μVであり、低波動データセットの平均値は約1μVであり、データセットにおけるデータの変動範囲が低減される。
【0071】
S123において、低波動データセットに対してデータ統計を行い、各数値セグメント内の低波動データの数を統計し、各数値セグメントの低波動データの数をノイズ除去閾値と比較する。
【0072】
本実施例において、数値セグメントとは、データを離散化するために、連続した数値を区切った数値区間である。
【0073】
具体的には、データサンプリングの過程において、信号処理回路の各素子及びモニタリングシステムの他のモジュールに、外乱によりノイズ波が発生することがあるので、検出精度に影響を及ぼすため、データのノイズ除去処理を行う必要があり、データ統計要求に応じて、各数値セグメントに対応する数値区間を設定し、ノイズ除去閾値を設定し、好ましくは、ノイズ除去閾値の数値は10であり、低波動データセットに対してデータ統計を行い、各数値セグメント内における低波動データの数を統計し、ここで、同一の数値セグメント内にある低波動データは、ほぼ同一であると考えられ、各数値セグメント内の低波動データの数を統計し、各数値セグメントの低波動データの数をノイズ除去閾値と比較し、1つの数値セグメント内の低波動データの数がノイズ除去閾値よりも小さければ、当該数値セグメント内のデータはノイズ波であると考えられ、平均化計算に関与せず、除去する必要がある。
【0074】
S124において、低波動データの数のノイズ除去閾値よりも大きい全ての数値セグメントの監視データの平均値を計算して当該サンプリング周期の応力監視データとする。
【0075】
具体的には、低波動データの数のノイズ除去閾値よりも小さい数値セグメント内の低波動データを除去し、残りの低波動データの数のノイズ除去閾値よりも大きい全ての数値セグメントの監視データの平均値を計算することで、当該サンプリング周期の応力監視データを得る。
【0076】
本願の超薄型力覚センサは、ひずみゲージにより力覚ワッシャの変形量を検出して応力を計算するため、具体的に、材料の弾性変形の性質を利用しているが、材料の弾性区間における応力とひずみとの関係は、絶対的に線形ではなく、且つ力覚ワッシャの変形は、他の要因により妨害される可能性もあるため、超薄型力覚センサを校正して、測定対象部品のプリテンションに対する検出精度を向上させることが必要である。
【0077】
ここで、センサ信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングする前に、超薄型力覚センサを校正する必要があり、図8を参照すると、ステップS121の前に、以下を含む。
【0078】
S101において、測定対象部品に段階的にプリテンションを加え、対応する校正測定データを読み取る。
【0079】
本実施例において、加えられたプレテンションの段階は10段階に分けられ、各段階のプレテンションは、それぞれ、本願の超薄型力覚センサの定格最大応力測定値の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%であり、校正測定データとは、超薄型力覚センサを校正する時、プレテンションを加えた後に、対応して読み取られる応力データである。
【0080】
具体的には、測定対象部品に各段階のプレテンションを順次加え、1つの段階のプレテンションを加えた後に、対応する応力データを読み取って校正測定データとする。
【0081】
S102において、各段階のプリテンションに対応する校正測定データと上段階のプリテンションに対応する校正測定データに基づいて、本段階のプリテンション区間に対応する弾性係数を計算する。
【0082】
本実施例において、本段階のプリテンション区間とは、現在加えられたプリテンション数値と上段階に加えられたプリテンション数値とからなる区間であり、弾性係数とは、応力とひずみとの間の比率である。
【0083】
具体的には、各段階に加えられたプリテンション数値をYとし、対応する校正測定データをXとし、Y-Yn-1=(X-Xn-1)×Kの式により、Kを計算して当該段階におけるプレテンション区間に対応する弾性係数とし、nの値は、ゼロでない自然数であり、nの最大値は、加えられたプレテンションの最大段階であり、Xは0であり、Yはプレテンションが加えられない時に対応する校正プレテンションデータである。
【0084】
S103において、各弾性係数をデータ分析モジュールに入力し、超薄型力覚センサの自動的な校正を実行する。
【0085】
本実施例において、データ分析モジュールとは、計算して得られた弾性係数に基づいて超薄型力覚センサを自動的に校正するためのモデルである。
【0086】
具体的には、計算して得られた各弾性係数をデータ分析モジュールに入力して、超薄型力覚センサを自動的に校正し、本実施例において、超薄型力覚センサが受ける応力が最大応力測定値の0%から10%の間である場合、弾性係数はKであり、超薄型力覚センサが受ける応力が最大応力測定値の10%から20%の間である場合、弾性係数はKであり、これにより類推し、超薄型力覚センサの異なる応力区間内に異なる弾性係数を設定し、プレテンション数値を計算する測定精度を向上させることを容易にする。
【0087】
超薄型力覚センサを自動的に校正した後、さらに自動的に校正した力覚センサの検査及び補正を行うことができる。
【0088】
ここで、図9を参照すると、ステップS103の後に、以下を含む。
【0089】
S104において、測定対象部品に試験プリテンションを加え、対応する試験測定データを読み取り、試験測定データに基づいて、所定の精度要求に適合するか否かを判断する。
【0090】
本実施例において、試験プリテンションとは、自動的な校正が完了した後の超薄型力覚センサの試験動作を行う時に加えられる力であり、試験測定データとは、自動的な校正が完了した後の超薄型力覚センサを試験する時、試験プリテンションが加えられた後に対応して読み取られた応力データである。
【0091】
具体的には、測定対象部品に試験プリテンションを加え、対応する試験測定データを読み取り、読み取った試験測定データを所定の精度要求と比較し、試験測定データが所定の精度要求に適合するか否かを判断し、適合する場合、自動的な校正が合格であり、超薄型力覚センサが使用可能であることが示される。
【0092】
具体的には、試験プリテンションは、段階的に加える方式で加え、異なる段階間の試験プリテンションの差は、自動校正過程におけるプリテンションの段階間の差よりも小さい。
【0093】
S105において、試験測定データが所定の精度要求に適合しない場合、精度が不合格であるプリテンション区間に補間点を設定し、補間点に基づいて対応するプリテンション部分区間を決定する。
【0094】
具体的には、超薄型力覚センサの試験動作を実行する時、試験測定データが所定の精度要求に適合しない場合、精度が不合格であるプリテンション区間に補間点を設定し、例えば、超薄型力覚センサの定格最大応力測定値の5%~10%の区間内の精度が所定の精度要求に適合しない場合、定格最大応力測定値の7.5%を補間点として設定し、補間点に基づいて、定格最大応力測定値の5%~7.5%の区間、定格最大応力測定値の7.5%~10%の区間という2つのプリテンション部分区間を決定する。
【0095】
S106において、各プリテンション部分区間に対応する部分弾性係数を計算し、隣接するプリテンション部分区間に対応する部分弾性係数の差を計算して、弾性差を生成する。
【0096】
本実施例において、部分弾性係数は、各プリテンション部分区間に対応する弾性係数である。
【0097】
具体的には、各プリテンション部分区間に対応する部分弾性係数を計算し、各隣接するプリテンション部分区間の部分弾性係数の間の差を計算して弾性差とすることで、その後、弾性差により2つのプリテンション部分区間の間の部分弾性係数の相違性の大きさを判断することを容易にする。
【0098】
S107において、各弾性差がいずれも対応する弾性差閾値よりも小さければ、補正校正を完了し、いずれかの弾性差が弾性差閾値よりも大きければ、対応するプリテンション部分区間に新たな補間点を設定し、引き続き補正校正を行う。
【0099】
本実施例において、弾性差閾値とは、弾性差と比較して、隣接するプリテンション部分区間内の部分弾性係数差の大きさを判断するための閾値である。
【0100】
具体的には、各弾性差を所定の弾性差閾値と比較し、全ての弾性差がいずれも弾性差閾値よりも小さければ、隣接するプリテンション部分区間の間の弾性係数が近いと考えられ、補正校正を完了し、いずれかの弾性差が所定の弾性差閾値よりも大きければ、さらに対応するプリテンション部分区間に新たな補間点を設定し、引き続き補正校正作業を実行する必要がある。
【0101】
S20において、モニタリング対象設備の設計図面を取得し、設計図面に基づいて各部材及び締結具の性能パラメータを決定し、力学的情報モデルを作成する。
【0102】
本実施例において、力学的情報モデルとは、モニタリング対象設備に向けて構築されたモデルであり、モニタリング対象設備の安全性を判断するように、モニタリング対象設備における各部材の力学的性能や力受け状況などの情報を示すために用いられる。
【0103】
具体的には、モニタリング対象設備における各部材、各締結具の性能パラメータを決定するように、現在のモニタリング対象設備の設計図面を取得し、設計図面及び各部材、各締結具の性能パラメータに基づいて、モニタリング対象設備の力学的情報モデルを作成し、ここで、力学的情報モデルは、従来のBIMソフトウェアを用いて構築することができる。
【0104】
S30において、応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、力学的情報モデルに基づいて各締結点の危険度情報を判断する。
【0105】
本実施例において、危険度情報とは、各締結点の負荷状況に基づいて、各締結点に故障イベントが発生する可能性及び故障イベントの深刻度を評価する情報である。
【0106】
具体的には、現在の各締結具のプリテンション及び各部材の性能パラメータに基づいて、各締結点の危険度を判断し、危険度情報を生成するために、取得した応力監視データを力学的情報モデルにマーキングする。ここで、図10を参照すると、S30のステップは、具体的には、以下を含む。
【0107】
S31において、応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、モニタリング対象設備の各部材の力受けデータに基づいて、各締結点の負荷データを判断する。
【0108】
具体的には、応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、モニタリング対象設備に設置されたセンサによりモニタリング対象設備における各部材の力受けデータを取得し力学的情報モデルに入力し、各締結点の負荷状況を知るために、モニタリング対象設備における各部材の力受けデータ及び応力監視データに基づいて、各締結点の負荷データを計算する。
【0109】
S32において、各締結点の負荷データ及び応力監視データに基づいて、各締結点の負荷率を計算して、危険度情報を生成する。
【0110】
具体的には、力学的情報モデルから各締結点の力学性能パラメータを決定し、各締結点の現在の負荷データと対応する応力監視データに基づいて、各締結点の現在の負荷率を計算し、各締結点の危険度を評価して危険度情報を生成することで、その後、各締結点の異なる危険度情報に基づいて監視頻度を設定することを容易にし、それにより、各締結点に対する応力監視の科学性を高める。
【0111】
S40において、各締結点の危険度情報に基づいて、対応する監視頻度を決定し、監視頻度に基づいてフィードバック制御情報を生成する。
【0112】
本実施例において、監視頻度とは、ある締結点に対して応力監視動作を行う頻度である。
【0113】
具体的には、異なる締結点の現在の危険度情報に基づいて、各締結点に対する監視の頻度を決定し、フィードバック制御情報を生成することで、その後、モニタリング対象設備に対する応力監視計画を調整することが容易になり、ここで、締結点の危険度が高いほど、その監視頻度が高くなり、生成されたフィードバック制御情報は、当該締結点に対して応力監視動作を実行する頻度の増加を制御するために用いられ、それによりプリテンション監視の確実性を高める。
【0114】
上記実施例における各ステップの番号の大小は、実行順序の先後を意味するものではなく、各プロセスの実行順序は、その機能と固有の論理により決定されるべきであり、本願の実施例の実施プロセスに対して何ら限定するものではないことを理解すべきである。
【0115】
(実施例5)
一部の場面において、例えば超薄型力覚センサ100が、タワー、ブリッジなどの建築物に使用されるボルトの締結力を検出するために用いられる場合、超薄型力覚センサ100は、一旦取り付けられると、将来の数十年間に亘って監視タスクを継続的に実行することで、超薄型力覚センサを定期的にメンテナンスすることが困難になり、しかし、ひずみゲージ3、ひずみ抵抗器R1、第2の抵抗器R2、第3の抵抗器R3、及び第4の抵抗器R4は、長期間の使用中に、酸化、腐食により測定した抵抗値の正確度が低下するという問題が発生することがあり、さらに抵抗ブリッジモジュールにより測定されたデータから計算して得られた応力監視データの正確度に影響を及ぼす。
【0116】
実施例2と実施例5との技術的解決手段の統合に基づいて、図11を参照すると、抵抗ブリッジモジュール6に校正抵抗器R5及びデバッグスイッチS1がさらに設置され、校正抵抗器R5とデバッグスイッチS1とは直列に接続され、且つ校正抵抗器R5とデバッグスイッチS1とは直列に接続されて、ひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームに並列に接続され、校正抵抗器R5は調整可能な抵抗であり、デバッグスイッチS1は校正抵抗器R5をひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームに接続するか否かを制御するために用いられることで、その後、抵抗ブリッジモジュール6をデバッグし、再校正する必要がある場合、校正抵抗器R5をひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームに接続することが容易になり、校正抵抗器R5をひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームに接続した場合、ひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームの総抵抗は、R6=R1×R5÷(R1+R5)であり、ここで、校正抵抗器R5とデバッグスイッチS1とは、長い導線を介して超薄型力覚センサ100におけるひずみ抵抗器R1に並列に接続されることで、校正抵抗器R5とデバッグスイッチS1を作業者がメンテナンス、デバッグを行うのに便利な位置に容易に取り付けることができる。
【0117】
図12を参照すると、超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法は、さらに以下を含む。
【0118】
S50において、所定のひずみ校正周期に基づいて、ひずみ校正命令を生成し抵抗ブリッジモジュールに送信する。
【0119】
本実施例において、ひずみ校正周期とは、ひずみゲージにおけるひずみ抵抗器R1を定期的に校正する周期であり、ひずみ校正命令とは、ひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームに校正抵抗器R5を接続してひずみ校正動作を実行するように、デバッグスイッチS1の閉じを制御するための命令である。
【0120】
具体的には、所定のひずみ校正周期に従って、ひずみ校正命令を定期的に生成し、ひずみ校正命令を抵抗ブリッジモジュールに送信して、ひずみ校正動作の実行を開始し、具体的には、デバッグスイッチS1の閉じを制御し、校正抵抗器R5をひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームに接続するようにし、また、ひずみ校正動作に起因する誤警報を防止するために、応力監視データの受信を一時的に停止するように検電センサを制御することを含む。
【0121】
S60において、所定の校正抵抗データセットに基づいて校正抵抗器R5を制御し、校正監視データセットを取得する。
【0122】
本実施例において、校正抵抗データセットは、いくつかの抵抗値を含み、少なくとも2つであり、校正抵抗器R5の抵抗値を調整するために用いられ、校正監視データセットとは、校正抵抗器R5が接続された後にひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームの全抵抗に対して測定して得られたいくつかのデータであり、校正監視データセットのデータ個数は、校正抵抗データセットに対応する。
【0123】
具体的に、所定の校正抵抗データセットに基づいて校正抵抗器R5の抵抗値を調整し、校正抵抗器R5が接続された後にひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームの総抵抗を検電センサにより検出する。
【0124】
S70において、校正抵抗データセット及び対応する校正監視データセットに基づいて、ひずみ抵抗値を計算し、ひずみ抵抗値に基づいてひずみ抵抗器R1を校正する。
【0125】
本実施例において、ひずみ抵抗値とは、ひずみ校正動作において、ひずみ抵抗器R1が計算して得られたひずみ抵抗R1の実際の値である。
【0126】
具体的には、ひずみ抵抗器R1の抵抗値を未知数とし、校正抵抗器R5の抵抗値が既知であり、且つ校正抵抗器R5が接続された後にひずみ抵抗器R1が配置されたブリッジアームの総抵抗が測定可能であるため、2セットの校正抵抗データ及び校正監視データのみで、ひずみ抵抗器R1の実際の抵抗値を計算してひずみ抵抗値とすることができ、ひずみ抵抗値とひずみ校正動作前に測定されたひずみ抵抗器R1の抵抗値とを比較することで、2つのデータの偏差状況を判断し、偏差が大きければ、第2の抵抗器R2、第3の抵抗器R3、及び第4の抵抗器R4が酸化、腐食、劣化によりひずみ抵抗器R1の抵抗値の検出精度に影響を与える可能性があり、メンテナンスを行う必要があると考えられ、偏差が小さければ、測定されたひずみ抵抗値に基づいてひずみ抵抗器R1を校正することができる。
【0127】
本実施例において、抵抗ブリッジモジュールに、定期的な校正を行うことができる回路素子が設置されることで、超薄型力覚センサの使用開始後、超薄型力覚センサの監視精度を向上させ、超薄型力覚センサ又は内部の各抵抗器が屋外環境において長期間に亘って力を受けることによるクリープ、熱による膨張収縮の変形、酸化、腐食などの状況により測定精度が悪化する可能性を低減するために、定期的に、又は実際の需要に応じて抵抗ブリッジモジュールの再校正を行うことが容易になり、ここで、重要な測定点の抵抗ブリッジモジュールに対する再校正は、ユーザの実際の需要に応じて、バックプラットフォームにより制御される定期的又は常に行われるセンサ感度自己検査機能を提供することができ、野外環境で5年間を超えて使用する実践データによると、ガスケットセンサの校正精度は±0.1%Fsに達することができ、取り付けや使用精度が±1%よりも優れ、長期確実性や安定性に優れることが証明される。
【0128】
(実施例6)
サーバとすることができるコンピュータ機器であって、その内部構成図を図13に示すようにすることができるコンピュータ機器である。当該コンピュータ機器は、システムバスを介して接続されたプロセッサと、メモリと、ネットワークインタフェースと、データベースとを含む。そのうち、当該コンピュータ機器のプロセッサは、計算及び制御機能を提供するために用いられる。当該コンピュータ機器のメモリは、不揮発性記憶媒体と、内部メモリとを含む。当該不揮発性記憶媒体に、オペレーティングシステム、コンピュータプログラム及びデータベースが記憶される。当該内部メモリは、不揮発性記憶媒体内のオペレーティングシステム及びコンピュータプログラムの実行のために環境を提供する。当該コンピュータ機器のデータベースは、応力監視データ、警告段階情報、警告情報、モニタリング対象設備の設計図面、性能パラメータ、力学的情報モデル、危険度情報、監視頻度、及びフィードバック制御情報などのデータを記憶するために用いられる。当該コンピュータ機器のネットワークインタフェースは、ネットワークを介して外部の端末と接続通信を行うために用いられる。当該コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されると、超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法を実現する。
【0129】
1つの実施例において、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ機器が提供され、プロセッサは、コンピュータプログラムを実行すると、以下のステップを実現する。
S10において、超薄型力覚センサに対応する応力監視データを取得し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警告情報を生成し、
S20において、モニタリング対象設備の設計図面を取得し、設計図面に基づいて各部材及び締結具の性能パラメータを決定し、力学的情報モデルを作成し、
S30において、応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、力学的情報モデルに基づいて各締結点の危険度情報を判断し、
S40において、各締結点の危険度情報に基づいて、対応する監視頻度を決定し、監視頻度に基づいてフィードバック制御情報を生成する。
【0130】
1つの実施例において、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、以下のステップを実現する。
S10において、超薄型力覚センサに対応する応力監視データを取得し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警告情報を生成し、
S20において、モニタリング対象設備の設計図面を取得し、設計図面に基づいて各部材及び締結具の性能パラメータを決定し、力学的情報モデルを作成し、
S30において、応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、力学的情報モデルに基づいて各締結点の危険度情報を判断し、
S40において、各締結点の危険度情報に基づいて、対応する監視頻度を決定し、監視頻度に基づいてフィードバック制御情報を生成する。
【0131】
上記の実施例のいずれかにおいて、超薄型力覚センサは、締結具のプリテンションを検出するために適用することができ、ここで、締結具は、ネジ接続具、ピン、リベットなどを含み、且つ締結具の適用場面は、鉄骨建築物、交通輸送用機器、機械機器などを含む。
【符号の説明】
【0132】
100...超薄型力覚センサ、1...力覚ワッシャ、11...構造孔、12...ひずみ溝、13...環状突起、14...変形溝、15...第1の接続孔、2...保護ケース、21...第2の接続孔、22...糸通し孔、3...ひずみゲージ、4...ポッティング体、5...入力電圧制御モジュール、6...抵抗ブリッジモジュール、7...出力電圧検出モジュール、8...システム制御モジュール、9...データ分析モジュール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力覚ワッシャ(1)と、いくつかのひずみゲージ(3)と、保護ケース(2)とを含み、力覚ワッシャ(1)に測定対象部品を穿設させるための構造孔(11)が開設され、力覚ワッシャ(1)の外周壁にひずみ溝(12)が開設され、いくつかのひずみゲージ(3)はひずみ溝(12)の底部に円周方向に固定的に接続され、ひずみゲージ(3)にひずみゲージ(3)の変形量を検出するための変形監視回路が電気的に接続され、保護ケース(2)は力覚ワッシャ(1)の外周壁に外嵌され固定的に接続され、ひずみ溝(12)内にポッティング体(4)が充填され、力覚ワッシャ(1)の構造孔(11)の内壁に変形溝(14)がさらに開設され、変形溝(14)が力覚ワッシャ(1)の軸線に沿って円周方向に開設される、超薄型力覚センサ。
【請求項2】
力覚ワッシャ(1)の部材接触面から離れる面に環状突起(13)が設置され、力覚ワッシャ(1)の軸方向寸法は保護ケース(2)の軸方向寸法よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の超薄型力覚センサ。
【請求項3】
変形監視回路は、
調整可能な電源を含み、変形監視回路に特定の数値の入力電圧を入力するための入力電圧制御モジュール(5)と、
入力電圧制御モジュール(5)に電気的に接続され、力覚ワッシャ(1)の変形量に応じて抵抗ブリッジモジュール(6)の出力電圧と入力電圧との比率が変わり、ひずみゲージ(3)に固定的に接続されるひずみ抵抗器R1からなるホイートストンブリッジを含む抵抗ブリッジモジュール(6)と、
抵抗ブリッジモジュール(6)に電気的に接続され、抵抗ブリッジモジュール(6)の出力電圧の数値を検出するための出力電圧検出モジュール(7)と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の超薄型力覚センサ。
【請求項4】
いくつかの超薄型力覚センサ(100)と、調整可能な電源と、検電センサと、データ分析モジュール(9)と、システム制御モジュール(8)とを含み、調整可能な電源、検電センサ、データ分析モジュール(9)及びシステム制御モジュール(8)にいずれも無線伝送ユニットが電気的に接続され、システム制御モジュール(8)は無線伝送ユニットにより調整可能な電源に監視制御信号を送信し、調整可能な電源は各超薄型力覚センサ(100)の抵抗ブリッジモジュール(6)に入力電圧を提供し、検電センサは抵抗ブリッジモジュール(6)の出力電圧に基づいて応力監視データを生成し、検電センサは無線伝送ユニットによりデータ分析モジュール(9)に応力監視データを送信し、データ分析モジュール(9)は応力監視データを分析し、フィードバック制御情報を生成し、無線伝送ユニットによりシステム制御モジュール(8)に送信し、
超薄型力覚センサ(100)が配置された箇所に取り付けられた現場警報器を含む警告モジュールであって、遠隔警報信号を送信するための遠隔警報器をさらに含む警告モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリングシステム。
【請求項5】
各超薄型力覚センサに対応する応力監視データを取得し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警告情報を生成するステップと、
モニタリング対象設備の設計図面を取得し、設計図面に基づいて各部材及び締結具の性能パラメータを決定し、力学的情報モデルを作成するステップと、
応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、力学的情報モデルに基づいて各締結点の危険度情報を判断するステップと、
各締結点の危険度情報に基づいて、対応する監視頻度を決定し、監視頻度に基づいてフィードバック制御情報を生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項6】
各超薄型力覚センサに対応する応力監視データを取得し、応力監視データに基づいて各締結具の警告段階を評価し、警告段階情報に基づいて警告情報を生成するステップにおいて、
締結具の型番情報を取得し、型番情報に基づいて各警告段階の警告閾値区間を決定し、閾値区間セットを生成するステップと、
各応力監視データを取得し、各応力監視データを対応する閾値区間セットと比較し、対応する警告段階を決定するステップと、
各締結具の警告段階に基づいて対応する警告信号をマッチングし、各締結具の警告信号に基づいて警告情報を生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項7】
各応力監視データを取得するステップにおいて、
センサ信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングし、各サンプリング周期内に第1の数値の個数の監視データを含む1つのサンプリングデータセットを取得するステップと、
サンプリングデータセットにおける各監視データを平均化計算し、複数セットの平均値を生成し、サンプリングデータセットにおける各監視データから複数セットの平均値を減算し、低波動データを得、各低波動データに基づいて低波動データセットを生成するステップと、
低波動データセットに対してデータ統計を行い、各数値セグメント内の低波動データの数を統計し、各数値セグメントの低波動データの数をノイズ除去閾値と比較するステップと、
低波動データの数のノイズ除去閾値よりも大きい全ての数値セグメントの監視データの平均値を計算して当該サンプリング周期の応力監視データとするステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項8】
センサ信号処理回路により超薄型力覚センサをオーバーサンプリングするステップの前に、
測定対象部品に段階的にプリテンションを加え、対応する校正測定データを読み取るステップと、
各段階のプリテンションに対応する校正測定データ及び上段階のプリテンションに対応する校正測定データに基づいて、本段階のプリテンション区間に対応する弾性係数を計算するステップと、
各弾性係数をデータ分析モジュールに入力し、超薄型力覚センサの自動的な校正を実行するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項9】
各弾性係数をデータ分析モジュールに入力し、超薄型力覚センサの自動的な校正を実行するステップの後に、
測定対象部品に試験プリテンションを加え、対応する試験測定データを読み取り、試験測定データに基づいて、所定の精度要求に適合するか否かを判断するステップと、
試験測定データが所定の精度要求に適合しない場合、精度が不合格であるプリテンション区間に補間点を設定し、補間点に基づいて対応するプリテンション部分区間を決定するステップと、
各プリテンション部分区間に対応する部分弾性係数を計算し、隣接するプリテンション部分区間に対応する部分弾性係数の差を計算して、弾性差を生成するステップと、
各弾性差がいずれも対応する弾性差閾値よりも小さければ、補正校正を完了し、いずれかの弾性差が弾性差閾値よりも大きければ、対応するプリテンション部分区間に新たな補間点を設定し、引き続き補正校正を行うステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。
【請求項10】
応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、力学的情報モデルに基づいて各締結点の危険度情報を判断するステップにおいて、
応力監視データを力学的情報モデルにマーキングし、モニタリング対象設備の各部材の力受けデータに基づいて、各締結点の負荷データを判断するステップと、
各締結点の負荷データ及び応力監視データに基づいて、各締結点の負荷率を計算して、危険度情報を生成するステップと、を含む、超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法であって、
所定のひずみ校正周期に基づいて、ひずみ校正命令を生成し抵抗ブリッジモジュールに送信するステップと、
所定の校正抵抗データセットに基づいて校正抵抗器R5を制御し、校正監視データセットを取得するステップと、
校正抵抗データセット及び対応する校正監視データセットに基づいて、ひずみ抵抗値を計算し、ひずみ抵抗値に基づいてひずみ抵抗器R1を校正するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の超薄型力覚センサを適用したモニタリング方法。