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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111806
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】回路基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240809BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H05K3/00 K
H05K3/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023208424
(22)【出願日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】10-2023-0015439
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 帝 相
(72)【発明者】
【氏名】呉 昌 建
(72)【発明者】
【氏名】李 亮 制
(72)【発明者】
【氏名】朴 賢 耕
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316CC58
5E316EE31
5E316GG15
5E316GG22
5E316GG24
5E316GG28
5E316HH32
5E316JJ03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】容易に絶縁層にキャビティを形成できる回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による回路基板は、第1絶縁層100と、第1絶縁層100上に位置する第1回路配線200と、第1絶縁層100および第1回路配線200を覆い、第1絶縁層100と異なる材質を含む第2絶縁層300と、第2絶縁層300上に位置し、キャビティCAを有する第3絶縁層400とを含み、キャビティCAの底面は、第2絶縁層300の上部面である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に位置する第1回路配線と、
前記第1絶縁層および前記第1回路配線を覆い、前記第1絶縁層とは異なる材質を含む第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に位置し、キャビティを有する第3絶縁層と、
を含み、
前記キャビティの底面は、前記第2絶縁層の上部面であることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
複数の前記第3絶縁層の間に位置する第2回路配線をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記キャビティは、
前記第2絶縁層に隣接した第1キャビティ部分と、
前記第1キャビティ部分と連通し、前記第1キャビティ部分上に位置する第2キャビティ部分と、を含み、
前記第1キャビティ部分の幅は、前記第2キャビティ部分の幅よりも広いことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第3絶縁層は、
前記第2絶縁層と接触し、前記第1キャビティ部分を有する下部絶縁層と、
前記下部絶縁層上に位置し、前記第2キャビティ部分を有する少なくとも1つの上部絶縁層と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記下部絶縁層は、内部に前記第2回路配線を含まないことを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第3絶縁層上に位置するソルダレジスト層をさらに含み、
前記ソルダレジスト層は、前記第2回路配線と重なる第1開口部と、前記キャビティと重なる第2開口部とを有することを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第2開口部の幅は、前記第2キャビティ部分の幅よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
複数の前記第3絶縁層は、前記第1絶縁層と同一の材質を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第1絶縁層および前記第3絶縁層は、プリプレグを含み、
前記第2絶縁層は、ガラス繊維を含まない樹脂を含むことを特徴とする請求項8に記載の回路基板。
【請求項10】
第1絶縁層上に第1回路配線を形成する段階と、
前記第1回路配線を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に位置する導電層とを含む、マスク層を形成する段階と、
前記マスク層の一部をエッチングして、エッチング防止層を形成する段階と、
前記エッチング防止層を覆う第3絶縁層を形成する段階と、
前記第3絶縁層上に第2回路配線と、前記エッチング防止層と重なるダミー配線とを形成する段階と、
前記第3絶縁層において前記エッチング防止層および前記ダミー配線を含む部分を除去してキャビティを形成する段階と、
を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記導電層は、
前記第2絶縁層上に位置する第1導電層と、前記第1導電層上に位置する第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層との間に位置する剥離層とを含み、
前記エッチング防止層を形成する段階は、
前記第1導電層、前記第2導電層、および前記剥離層をそれぞれエッチングして、第1導電部材、第2導電部材、および剥離部材を形成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記第2導電層の厚さは、前記第1導電層の厚さよりも厚く形成することを特徴とする請求項11に記載の回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記キャビティを形成する段階は、
レーザ加工工程を用いて、前記第3絶縁層を貫通する切開部を形成する段階と、
エッチング工程を用いて、前記切開部を通して第1エッチング液を流入して前記第3絶縁層と分離されるキャビティブロックを形成する段階と、
前記キャビティブロックを除去する段階と、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記キャビティブロックを形成する段階は、
前記第1エッチング液を流入して前記剥離部材を除去して、前記第1導電部材と前記第2導電部材とを分離する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の回路基板の製造方法。
【請求項15】
第2エッチング液を用いて前記第2絶縁層を覆う前記第1導電部材を除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記キャビティブロックを形成する段階は、
前記エッチング液を流入して前記エッチング防止層を除去する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の回路基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、5G時代の到来に伴い、アンテナの大きさを縮小し、アンテナの性能向上のために回路基板を含むアンテナ基板が用いられている。アンテナ基板の性能を向上させるためには、パッチアンテナと接地(Ground)との間の絶縁層の厚さが重要な役割を果たす。アンテナ基板で用いられる絶縁層の誘電率は約3~4の水準であるため、良好な性能を確保するためには絶縁層の層数が14~16層にならなければならないので、一般的なICパッケージ用回路基板に比べて絶縁層の厚さが大きくなる。したがって、アンテナ基板の製造時間が長くかかるので、最近は2つのアンテナ基板をソルダボールで接合するアンテナモジュールが開発されている。
【0003】
しかし、2つのアンテナ基板をソルダボールで接合したアンテナモジュールの厚さは大きくなるため、1つのアンテナ基板にキャビティ(Cavity)を形成し、キャビティの内部に積層セラミックコンデンサ(Multi-Layer Ceramic Capacitor、MLCC)などの受動素子を配置することができる。
【0004】
このようなキャビティ(Cavity)は、レーザドリリング(laser drilling)方法を用いてアンテナ基板に直接形成するか、メッキレジスト(Dry Film Resist、DFR)を剥離層(Release layer)として活用してレーザドリルトリミング(laser drill trimming)方法で形成される。しかし、レーザドリリング(laser drilling)方法は、レーザビームを用いてアンテナ基板の絶縁層の全面にキャビティを形成しなければならないので、製造時間が長くかかって生産性が低くなる。さらに、レーザドリルトリミング方法は、剥離層として用いられるメッキレジスト(Dry Film Resist、DFR)がレーザビームの加工時にエッチング防止層の役割を果たしにくく、トリミングされた絶縁層の一部がきれいに分離されにくく、残留メッキレジストをきれいに除去することも難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-145395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、容易に絶縁層にキャビティを形成できる回路基板およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
しかし、本発明が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的思想の範囲で多様に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に位置する第1回路配線と、前記第1絶縁層および前記第1回路配線を覆い、前記第1絶縁層とは異なる材質を含む第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に位置し、キャビティを有する第3絶縁層と、を含み、前記キャビティの底面は、前記第2絶縁層の上部面であることを特徴とする。
【0009】
本発明による回路基板は、複数の前記第3絶縁層の間に位置する第2回路配線をさらに含むことができる。
前記キャビティは、前記第2絶縁層に隣接した第1キャビティ部分と、前記第1キャビティ部分と連通し、前記第1キャビティ部分上に位置する第2キャビティ部分とを含み、前記第1キャビティ部分の幅は、前記第2キャビティ部分の幅よりも広い。
前記複数の第3絶縁層は、前記第2絶縁層と接触し、前記第1キャビティ部分を有する下部絶縁層と、前記下部絶縁層上に位置し、前記第2キャビティ部分を有する少なくとも1つの上部絶縁層とを含むことができる。
前記下部絶縁層は、内部に前記第2回路配線を含まなくてもよい。
前記第3絶縁層上に位置するソルダレジスト層をさらに含み、前記ソルダレジスト層は、前記第2回路配線と重なる第1開口部と、前記キャビティと重なる第2開口部とを有することができる。
前記第2開口部の幅は、前記第2キャビティ部分の幅よりも大きい。
前記複数の第3絶縁層は、前記第1絶縁層と同一の材質を含むことができる。
前記第1絶縁層および前記第3絶縁層は、プリプレグを含み、前記第2絶縁層は、ガラス繊維を含まない樹脂を含むことができる。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による回路基板の製造方法は、第1絶縁層上に第1回路配線を形成する段階と、前記第1回路配線を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に位置する導電層とを含む、マスク層を形成する段階と、前記マスク層の一部をエッチングして、エッチング防止層を形成する段階と、前記エッチング防止層を覆う第3絶縁層を形成する段階と、前記第3絶縁層上に第2回路配線と、前記エッチング防止層と重なるダミー配線とを形成する段階と、前記第3絶縁層において前記エッチング防止層および前記ダミー配線を含む部分を除去してキャビティを形成する段階と、を含むことを特徴とする。
【0011】
前記導電層は、前記第2絶縁層上に位置する第1導電層と、前記第1導電層上に位置する第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層との間に位置する剥離層とを含み、前記エッチング防止層を形成する段階は、前記第1導電層、前記第2導電層、および前記剥離層をそれぞれエッチングして、第1導電部材、第2導電部材、および剥離部材を形成する段階を含むことができる。
前記第2導電層の厚さは、前記第1導電層の厚さよりも厚く形成することができる。
前記キャビティを形成する段階は、レーザ加工工程を用いて、前記第3絶縁層を貫通する切開部を形成する段階と、エッチング工程を用いて、前記切開部を通して第1エッチング液を流入して前記第3絶縁層と分離されるキャビティブロックを形成する段階と、前記キャビティブロックを除去する段階と、を含むことができる。
前記キャビティブロックを形成する段階は、前記第1エッチング液を流入して前記剥離部材を除去して、前記第1導電部材と前記第2導電部材とを分離する段階を含むことができる。
【0012】
前記回路基板の製造方法は、第2エッチング液を用いて前記第2絶縁層を覆う前記第1導電部材を除去する段階をさらに含むことができる。
前記キャビティブロックを形成する段階は、前記エッチング液を流入して前記エッチング防止層を除去する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レーザビームによる絶縁層の過度な加工を防止するためのエッチング防止層を形成し、レーザビームを用いて絶縁層に形成した切開部を用いてキャビティを形成することによって、レーザビームだけで絶縁層にキャビティを形成することより生産性を向上させることができる。
また、エッチング防止層をエッチング液を用いてすべて除去することによって、残留物が残らず、容易にきれいなキャビティを形成することができる。
【0014】
しかし、本発明の効果は上述した効果に限定されるものではなく、本発明の思想および領域を逸脱しない範囲で多様に拡張できることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施例による回路基板の断面図である。
図2】一実施例による回路基板の製造方法を順に示す断面図である。
図3】一実施例による回路基板の製造方法を順に示す断面図である。
図4】一実施例による回路基板の製造方法を順に示す断面図である。
図5】一実施例による回路基板の製造方法を順に示す断面図である。
図6】一実施例による回路基板の製造方法を順に示す断面図である。
図7】一実施例による回路基板の製造方法を順に示す断面図である。
図8】一実施例による回路基板の製造方法を順に示す断面図である。
図9】他の実施例による回路基板の製造方法の一段階を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0017】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0018】
また、図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、図面によって本明細書に開示された技術的思想が限定されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
【0019】
さらに、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したもので、本発明は必ずしも図示のものに限定されない。図面において、様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0020】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは、他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には中間に他の部分がないことを意味する。なお、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向側に「上に」位置することを意味するものではない。
【0021】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含し得ることを意味する。
【0022】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0023】
また、明細書全体において、「連結される」とする時、これは2以上の構成要素が直接的に連結されることだけを意味するものではなく、2以上の構成要素が他の構成要素を介して間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく、電気的に連結されること、または位置や機能により異なる名称で称されたものの一切を意味する。
【0024】
以下、図面を参照して、多様な実施例と変形例を詳細に説明する。
【0025】
図1を参照して、一実施例による回路基板について説明する。
【0026】
図1は、一実施例による回路基板の断面図である。
【0027】
図1に示すように、一実施例による回路基板は、第1絶縁層100と、第1回路配線200と、第2絶縁層300と、複数の第3絶縁層400と、複数の第2回路配線500と、ソルダレジスト層600とを含む。
【0028】
第1絶縁層100は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂などを含む。例えば、第1絶縁層110は、プリプレグ(Prepreg)を含む。
【0029】
第1回路配線200は、第1絶縁層100上に位置する。第1回路配線200は、電気的信号を伝達する。第1回路配線200は、多様なパターンで配置される。第1回路配線200は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0030】
第2絶縁層300は、第1絶縁層100および第1回路配線200を覆い、第1絶縁層100とは異なる材質を含む。例えば、第2絶縁層300は、ガラス繊維を含まない樹脂(resin)などからなる。
【0031】
第3絶縁層400は、第2絶縁層300上に位置し、キャビティ(cavity)CAを有する。キャビティCAは、第1キャビティ部分CA1と、第2キャビティ部分CA2とを含む。第3絶縁層400は、第1絶縁層100と同一の材質を含む。例えば、第3絶縁層400は、プリプレグを含む。
【0032】
第3絶縁層400は、下部絶縁層410と、少なくとも1つの上部絶縁層420とを含む。
【0033】
下部絶縁層410は、第2絶縁層300と接触し、第1キャビティ部分CA1と第2キャビティ部分CA2の一部を有する。下部絶縁層410は、第2回路配線500を覆わない。つまり、下部絶縁層410は、その内部に第2回路配線500を含まない。
【0034】
上部絶縁層420は、下部絶縁層410上に位置し、第2キャビティ部分CA2を有する。第1キャビティ部分CA1は、第2絶縁層300に隣接して形成される。つまり、第1キャビティ部分CA1の底面は、第2絶縁層300の上部面である。
【0035】
第2キャビティ部分CA2は、第1キャビティ部分CA1と連通し、第1キャビティ部分CA1上に位置する。
【0036】
ここで、第1キャビティ部分CA1の幅W1は、第2キャビティ部分CA2の幅W2よりも広い。
【0037】
本実施例では、2つの上部絶縁層420が積層されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な層数の上部絶縁層420が積層可能である。
【0038】
このように、一実施例による回路基板は、キャビティを有することによって、キャビティの内部に積層セラミックコンデンサ(Multi-Layer Ceramic Capacitor、MLCC)などの受動素子を配置して、アンテナモジュール全体の厚さを減少させることができる。また、キャビティ内に受動素子を配置することによって、受動素子とICチップを同一の平面上に配置させず、回路基板の上下にそれぞれ配置可能なため、アンテナモジュール全体の平面サイズを最小化することができる。
【0039】
複数の第2回路配線500は、複数の第3絶縁層410、420の間または最上部の第3絶縁層420上に位置する。つまり、一部の第2回路配線510、520は、上下に隣接する第3絶縁層410、420の間に位置し、最上部の第2回路配線530は、最上部の第3絶縁層420上に位置する。
【0040】
第2回路配線500は、電気的信号を伝達し、多様なパターンで配置される。第2回路配線500は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0041】
ソルダレジスト層600は、第3絶縁層400上に位置する。ソルダレジスト層600は、ソルダレジスト(Solder resist)などの絶縁物質を含む。
【0042】
ソルダレジスト層600は、第2回路配線500と重なる第1開口部OH1と、キャビティCAと重なる第2開口部OH2とを有する。
【0043】
ここで、第2開口部OH2の幅W3は、第2キャビティ部分CA2の幅W1よりも大きい。
【0044】
最上部の第2回路配線530は、第1開口部によって外部に露出してソルダボール(図示せず)と接触する導電パッド530として用いられる。このような導電パッド530上には、表面処理工程のメッキ工程によって形成される補助パッド50が位置する。補助パッド50は、下部補助層51と、上部補助層52とを含む。上部補助層52は、下部補助層51上に位置する。下部補助層51は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)などを含み、第1上部補助層52は、金(Au)を含む。
【0045】
以下、図1と共に、図2図8を参照して、一実施例による回路基板の製造方法について詳しく説明する。
【0046】
図2図8は、一実施例による回路基板の製造方法を順に示す断面図である。
【0047】
図2に示すように、第1絶縁層100上に第1回路配線200を形成する。
【0048】
そして、第1回路配線200を覆うマスク層MLを形成する。マスク層MLは、第1回路配線200を覆う第2絶縁層300と、第2絶縁層300上に位置する導電層30とを含む。導電層30は、第2絶縁層300上に位置する第1導電層31と、第1導電層31上に位置する第2導電層32と、第1導電層31と第2導電層32との間に位置する剥離層33とを含む。
【0049】
例えば、マスク層MLは、レジンコーティング銅箔(Resin Coating Copper、RCC)であり、ガラス繊維を含まない樹脂(resin)で形成された第2絶縁層300上に、約18umの厚さを有し、キャリアの役割を果たす第2導電層32上に剥離層33を形成し、剥離層33上に約1.5umの厚さを有する超薄型の第1導電層31を形成して製造される。ここで、第2導電層32の厚さは、第1導電層31の厚さよりも厚く形成され、第1導電層31および第2導電層32は、銅などを含む。
【0050】
図3に示すように、マスク層MLの一部をエッチングして、エッチング防止層40を形成する。
【0051】
エッチング防止層40は、第1導電層31をエッチングして形成した第1導電部材41と、第1導電部材41上に位置し、第2導電層32をエッチングして形成した第2導電部材42と、第1導電部材41と第2導電部材42との間に位置する剥離部材43とを含む。このようなエッチング防止層40は、後のレーザ加工工程でレーザビームLによる第2絶縁層300のエッチングを防止する。
【0052】
図4に示すように、第2絶縁層300上にエッチング防止層40を覆う下部絶縁層410を形成する。そして、下部絶縁層410上に第2回路配線510とダミー配線DLとを形成する。ダミー配線DLは、第2回路配線510と同一の材質を含む。
【0053】
ダミー配線DLは、エッチング防止層40と重なる。このようなダミー配線DLの幅d1は、エッチング防止層40の幅d2よりも小さい。したがって、後の工程で、レーザビームLで第3絶縁層400に切開部400aを形成する場合、レーザビームLでダミー配線DLを加工しなくても良いので、レーザ加工工程が容易になる。
【0054】
そして、下部絶縁層410上に少なくとも1つの上部絶縁層420と第2回路配線520、530およびダミー配線DLを繰り返し積層する。本実施例では、2つの上部絶縁層420を形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な層数の上部絶縁層420を形成することができる。
【0055】
このような上部絶縁層420の層数を調整することによって、キャビティCAの深さを調整することができる。つまり、上部絶縁層420の層数を増加することによって、キャビティCAの深さを増加させることができる。
【0056】
図5に示すように、上部絶縁層420上に第1開口部OH1および第2開口部OH2を有するソルダレジスト層600を形成する。第1開口部OH1は、第2回路配線500と重なり、第2開口部OH2は、ダミー配線DLと重なる。特に、ダミー配線DLは、第2開口部OH2内に位置して重なる。第1開口部OH1および第2開口部OH2は、マスクを用いてソルダレジスト層600に露光、硬化、現像などの工程を進行させて形成される。この時、第2開口部OH2の幅W3は、エッチング防止層40の幅d2よりも大きく形成される。そして、最上部の第2回路配線530である導電パッド530上に表面処理工程のメッキ工程を進行させて、下部補助層51および上部補助層52を含む補助パッド50を形成する。
【0057】
図6に示すように、レーザ加工工程を用いて、第2開口部OH2と重なる位置に第3絶縁層400を貫通する切開部400aを形成する。つまり、レーザビームLを用いて第3絶縁層400を加工して切開部400aを形成し、エッチング防止層40の第2導電部材42の上部面が露出するまで下部絶縁層410を切断する。このようなエッチング防止層40は、レーザビームLによって第2絶縁層300まで過度に切断されることを遮断する役割を果たす。
【0058】
図7に示すように、エッチング工程を用いて、切開部400aを通して第1エッチング液を流入させてエッチング防止層40の剥離部材43を除去する。したがって、除去された剥離部材43の位置には空き空間HOが発生し、第1導電部材41と第2導電部材42とは分離される。この場合、第3絶縁層400から分離されるキャビティブロックCBが形成される。
【0059】
このようなキャビティブロックCBは、第2導電部材42と、第2導電部材42上に位置し、切開部400aによって第3絶縁層400から分離された絶縁ブロック410aと、絶縁ブロック410a内に位置するダミー配線DLとを含む。
【0060】
図8に示すように、真空吸着、接着剤などを用いてキャビティブロックCBを上部へ引っ張って除去する。したがって、キャビティブロックCBのあった位置に第2キャビティ部分CA2および第1キャビティ部分CA1の一部が形成される。
【0061】
図1に示すように、第2エッチング液を用いて第2絶縁層300上にあった第1導電部材41と第2導電部材42の残りを除去することによって、第1キャビティ部分CA1および第2キャビティ部分CA2をすべて形成する。
【0062】
このように、一実施例による回路基板の製造方法は、レーザビームによる絶縁層の過度な加工を防止するためのエッチング防止層を形成し、レーザビームを用いて絶縁層に形成した切開部を用いてキャビティを形成することによって、レーザビームだけで絶縁層にキャビティを形成することより生産性を向上させることができる。
【0063】
また、エッチング防止層をエッチング液を用いてすべて除去することによって、残留物が残らず、容易にきれいなキャビティを形成することができる。
【0064】
一方、上記の実施例では、第2エッチング液を用いて第1導電部材と第2導電部材の残りを除去する工程を追加的に必要とするが、第1エッチング液のみで第1導電部材と第2導電部材をすべて除去する他の実施例も可能である。
【0065】
以下、図1図6と共に、図9を参照して、他の実施例による回路基板の製造方法について詳しく説明する。
【0066】
図9は、他の実施例による回路基板の製造方法の一段階を示す断面図である。
【0067】
図9に示す他の実施例は、図2図8に示された一実施例の製造方法と比較して、第1エッチング液のみでエッチング防止層を除去することだけを除いて実質的に同一であるので、繰り返しの説明は省略する。
【0068】
図2図6に示すように、他の実施例による回路基板の製造方法は、第1絶縁層100上に第1回路配線200を形成する。そして、第1回路配線200を覆うマスク層MLを形成し、マスク層MLの一部をエッチングして、エッチング防止層40を形成する。そして、第2絶縁層300上にエッチング防止層40を覆う下部絶縁層410を形成し、下部絶縁層410上に第2回路配線510とダミー配線DLとを形成する。そして、下部絶縁層410上に少なくとも1つの上部絶縁層420と第2回路配線520、530およびダミー配線DLを繰り返し積層する。そして、上部絶縁層420上に第1開口部OH1および第2開口部OH2を有するソルダレジスト層600を形成する。そして、最上部の第2回路配線530である導電パッド530上に表面処理工程のメッキ工程を進行させて、下部補助層51および上部補助層52を含む補助パッド50を形成する。そして、レーザ加工工程を用いて、第2開口部OH2と重なる位置に複数の第3絶縁層400を貫通する切開部400aを形成する。
【0069】
図9に示すように、エッチング工程を用いて、切開部400aを通して第1エッチング液を流入してエッチング防止層40を除去する。つまり、第1エッチング液を十分に流入させてエッチング防止層40をなす第1導電部材41、第2導電部材42、および剥離部材43をすべて除去する。
【0070】
したがって、除去されたエッチング防止層40の位置には空き空間HOが発生し、第3絶縁層400および第2絶縁層300から分離されるキャビティブロックCBが形成される。このようなキャビティブロックCBは、切開部400aによって第3絶縁層400から分離された絶縁ブロック410aと、絶縁ブロック410a内に位置するダミー配線DLとを含む。
【0071】
図1に示すように、キャビティブロックCBを除去することによって、キャビティブロックCBのあった位置にキャビティCAを形成する。
【0072】
このように、第1エッチング液のみでエッチング防止層40をすべて除去することによって、第2エッチング液を用いて第1導電部材41と第2導電部材42の残りを除去する工程を追加的に必要としないので、製造工程を単純化することができる。
【0073】
また、真空吸着、接着剤などを用いなくてもキャビティブロックCBを容易に除去することができる。
【0074】
以上、本発明の好ましい一実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の詳細な説明および図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0075】
30:導電層
40:エッチング防止層
50:補助パッド
100:第1絶縁層
200:第1回路配線
300:第2絶縁層
400:複数の第3絶縁層
410:下部絶縁層
420:上部絶縁層
500:複数の第2回路配線
530:導電パッド
600:ソルダレジスト層
CA:キャビティ
CA1:第1キャビティ部分
CA2:第2キャビティ部分

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9