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特開2024-111807円筒型バッテリーとその加工方法、加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111807
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】円筒型バッテリーとその加工方法、加工装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/536 20210101AFI20240809BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240809BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240809BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240809BHJP
【FI】
H01M50/536
H01M10/04 W
H01M50/548 201
H01M50/533
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209520
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】202310088555.5
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202320165745.8
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2023/077071
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518405050
【氏名又は名称】恵州億緯▲リ▼能股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】EVE ENERGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 38, Huifeng 7th Road, Zhongkai Hi-Tech Zone Huizhou, Guangdong 516006, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 国乾
(72)【発明者】
【氏名】劉 昇起
(72)【発明者】
【氏名】宋 鵬元
【テーマコード(参考)】
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H028BB07
5H028CC13
5H043AA04
5H043AA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043HA02E
5H043HA11E
5H043JA02E
5H043LA02E
5H043LA03D
5H043LA21E
5H043LA23E
(57)【要約】      (修正有)
【課題】巻コアをハウジングに入れる工程でバッテリーハウジングに掻き傷を付けて金属のくずを生じさせない円筒型バッテリー、その加工方法および加工装置を提供する。
【解決手段】円筒型バッテリーは、巻きコア10を含み、前記巻きコア10は極板を含み、前記極板の一端部にタブ12が設けられ、前記タブ12と前記極板の巻回開始端とは間隔を置いて配置され、前記タブ12と前記極板の巻回終了端とは間隔を置いて配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻きコア(10)を含み、前記巻きコア(10)は極板(11)を含み、前記極板(11)の一端部にタブ(12)が設けられ、前記タブ(12)と前記極板(11)の巻回開始端(101)とは間隔を置いて配置され、前記タブ(12)と前記極板(11)の巻回終了端(102)とは間隔を置いて配置されている円筒型バッテリー。
【請求項2】
前記円筒型バッテリーはさらに集電板(20)を含み、前記集電板(20)はエンドキャップ(22)と、前記エンドキャップ(22)の一方側に沿って垂直に延伸する溶接部(21)とを含み、前記溶接部(21)の前記エンドキャップ(22)から遠い一端部は前記タブ(12)に接触し、前記溶接部(21)の外側壁は前記タブ(12)の外周側壁に溶接され、
ここで、前記エンドキャップ(22)の直径は前記巻きコア(10)の最大直径以下である、請求項1に記載の円筒型バッテリー。
【請求項3】
前記巻きコア(10)の巻回中心に巻きコア孔(14)が設けられ、前記エンドキャップ(22)の端面に前記集電板(20)を貫通した溶接孔(221)が設けられ、
ここで、前記溶接孔(221)の直径は前記巻きコア孔(14)の直径以上である、請求項2に記載の円筒型バッテリー。
【請求項4】
前記タブ(12)は離間するように配置された複数のサブタブ(120)を含み、前記サブタブ(120)は前記巻きコア(10)の中心軸(103)の方向に折り曲げられ、隣接する2つの前記サブタブ(120)は前記巻きコア(10)の中心軸(103)に垂直な平面における正投影が少なくとも一部が重なる、請求項1に記載の円筒型バッテリー。
【請求項5】
前記巻きコア(10)の巻回中心に巻きコア孔(14)が設けられ、前記サブタブ(120)は前記巻きコア(10)の中心軸(103)に垂直な平面における正投影が前記巻きコア孔(14)の周縁に位置する、請求項4に記載の円筒型バッテリー。
【請求項6】
前記サブタブ(120)の形状は平行四辺形又は台形である、請求項4に記載の円筒型バッテリー。
【請求項7】
前記サブタブ(120)の隣接する両側辺のなす角は鋭角であり、30°~80°である、請求項6に記載の円筒型バッテリー。
【請求項8】
前記円筒型バッテリーは集電板(20)をさらに含み、前記集電板(20)の前記サブタブ(120)に対向する端面は前記サブタブ(120)に溶接され、前記集電板(20)の直径は前記巻きコア(10)の最大直径以下である、請求項4に記載の円筒型バッテリー。
【請求項9】
前記タブ(12)と前記極板(11)の巻回開始端(101)との周方向における距離は5ミリ~300ミリであり、前記タブ(12)と前記極板(11)の巻回終了端(102)との周方向における距離は5ミリ~300ミリである、請求項1~8のいずれか一項に記載の円筒型バッテリー。
【請求項10】
前記極板(11)は前記タブ(12)と材料領域(13)を含み、前記タブ(12)は前記材料領域(13)の一端部に位置し、前記極板(11)の前記巻回開始端(101)と前記巻回終了端(102)はそれぞれ前記材料領域(13)の両側端である、請求項1~8のいずれか一項に記載の円筒型バッテリー。
【請求項11】
前記タブ(12)と前記材料領域(13)との間に余白箔(113)が配置され、前記余白箔(113)の巻回方向における長さは前記材料領域(13)の巻回方向における長さと同じである、請求項10に記載の円筒型バッテリー。
【請求項12】
前記極板(11)は金属箔からなり、前記材料領域(13)は前記金属箔の一部の領域にスラリーを塗布することにより構成される、請求項11に記載の円筒型バッテリー。
【請求項13】
前記巻きコア(10)は2つの極板(11)と、セパレータ(15)とを含み、前記セパレータ(15)は2つの前記極板(11)の間に位置し、前記セパレータ(15)と2つの前記極板(11)とは積層するように巻回して前記巻きコア(10)を構成し、ここで、一方の前記極板(11)の前記タブ(12)と他方の前記極板(11)の前記タブ(12)とはそれぞれ前記巻きコア(10)の対向する両端に位置する、請求項1~8のいずれか一項に記載の円筒型バッテリー。
【請求項14】
請求項4~8のいずれか一項に記載の、極板(11)が正極板と負極板とを含む円筒型バッテリーを加工する円筒型バッテリーの加工方法であって、
塗布された正極板と負極板を提供し、前記正極板と前記負極板の一端部に対して型抜きを行いタブ(12)を構成し、前記タブ(12)と前記極板(11)の巻回開始端(101)とを間隔を置いて配置し、前記タブ(12)と前記極板(11)の巻回終了端(102)とを間隔を置いて配置し、前記タブ(12)が複数のサブタブ(120)を含むことと、
順に積層された前記正極板、セパレータ(15)、前記負極板を巻回させて巻きコア(10)を構成することと、
前記巻きコア(10)の両端のサブタブ(120)に対し所定の角度までプレス加工を行うことと、
前記サブタブ(120)と集電板(20)を溶接することとを含む、円筒型バッテリーの加工方法。
【請求項15】
請求項4~8のいずれか一項に記載の円筒型バッテリーを加工する円筒型バッテリーの加工装置であって、
上部クランプブロック(31)と下部クランプブロック(32)とを含み、前記上部クランプブロック(31)と前記下部クランプブロック(32)とが密接するように配置され、前記位置決めクランプブロック(30)の中間領域に巻きコア固定部(33)が設けられ、前記巻きコア固定部(33)が前記円筒型バッテリーの前記巻きコア(10)を固定するように配置される位置決めクランプブロック(30)と、
タブ成形部(41)を含み、前記タブ成形部(41)は前記円筒型バッテリーのタブ(12)を収容するように配置され、前記タブ成形部(41)は円錐面(411)を有し、前記円錐面(411)は前記円筒型バッテリーの前記タブ(12)を前記円筒型バッテリーの前記巻きコア(10)の前記中心軸(103)の方向に折り曲げられるプレス機構(40)と、を含む円筒型バッテリーの加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2023年2月6日に中国特許局に提出された出願番号202310088555.5、及び2023年2月6日に中国特許局に提出された出願番号202320165745.8の中国特許出願の優先権を主張し、当該出願のすべての内容は引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願はバッテリー技術分野、例えば円筒型バッテリーとその加工方法、加工装置に関する。
【背景技術】
【0003】
円筒型バッテリーは極板が巻回してなる巻きコアを含み、極板の一端部には一条の余白箔が正タブ又は負タブとして残され、巻きコアがバッテリーハウジングに入れられる。タブが外側に曲がりやすいため、ハウジングに入れる工程ではバッテリーハウジングに掻き傷を付けて金属のくずを生じさせやすい。金属のくずは極板やセパレータを傷つけてセルの短絡をもたらす恐れがある。
【0004】
そのため、上記の技術課題を解決するために、円筒型バッテリーを提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、巻きコアをハウジングに入れる工程においてタブが外側に曲がりバッテリーハウジングに掻き傷を付ける技術課題を改善するために、円筒型バッテリーとその加工方法、加工装置を提供する。
【0006】
これを実現するために、本願の技術案は以下となる。
第1の方面では、本願の実施例は円筒型バッテリーを提供し、前記円筒型バッテリーは、極板を含む巻きコアであって、前記極板の一端部にタブが設けられ、前記タブと前記極板の巻回開始端とは間隔を置いて配置され、前記タブと前記極板の巻回終了端とは間隔を置いて配置される前記巻きコアを含む。
第2の方面では、本願がさらに提供した円筒型バッテリーの加工方法は、上記の円筒型バッテリーを加工し、前記円筒型バッテリーの極板は正極板と負極板を含み、前記加工方法は、
塗布された正極板と負極板を提供し、前記極板の一端部に対し型抜きを行い、タブを構成し、前記タブと前記極板の巻回開始端とを間隔を置いて配置し、前記タブと前記極板の巻回終了端とを間隔を置いて配置し、前記タブは複数のサブタブを含むことと、
順に積層された前記正極板と、セパレータと、前記負極板とを巻回させて巻きコアを構成することと、
前記巻きコアの両端のサブタブに対して所定の角度までプレス加工を行うことと、
前記サブタブと集電板を溶接することと、を含む。
【0007】
第3の方面では、本願がさらに提供した円筒型バッテリーの加工装置は、上記の円筒型バッテリーを加工し、前記加工装置は、
上部クランプブロックと下部クランプブロックとを含む位置決めクランプブロックであって、前記上部クランプブロックと前記下部クランプブロックが密接するように配置され、前記位置決めクランプブロックの中間領域に巻きコア固定部が設けられ、前記巻きコア固定部が前記円筒型バッテリーの前記巻きコアを固定するように配置される位置決めクランプブロックと、
タブ成形部を含むプレス機構であって、前記タブ成形部が前記円筒型バッテリーの前記タブを収容するように配置され、前記タブ成形部が円錐面を有し、前記円錐面が前記円筒型バッテリーの前記タブを前記円筒型バッテリーの前記巻きコアの中心軸に折り曲げるプレス機構と、を含む。
【0008】
本願の実施例による技術的效果は以下となる。本願は円筒型バッテリーとその加工方法、加工装置を提供し、前記円筒型バッテリーは巻きコアを含み、前記巻きコアは極板を含み、前記極板の一端部にタブが設けられ、前記タブと前記極板の巻回開始端とが間隔を置いて配置され、前記タブと前記極板の巻回終了端とが間隔を置いて配置される。本願はタブと極板の巻回開始端とを特定の距離で離間させるとともに、タブと極板の巻回終了端とを特定の距離で離間させることにより、極板が巻回して巻きコアになると、タブの最外周の直径が巻きコアの他の位置の最外周の直径より小さくなるため、巻きコアをハウジングに入れる工程ではタブが外側に曲がりバッテリーハウジングに掻き傷を付けるという課題を改善した。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は本願の実施例に係る第1種の円筒型バッテリーの巻きコアが開いた概略図である。
図2図2は本願の実施例に係る第1種の円筒型バッテリーの巻きコアの構造の概略図である。
図3図3は本願の実施例に係る第1種の円筒型バッテリーの構造の概略図である。
図4図4は本願の実施例に係る第1種の円筒型バッテリーの巻きコアの巻回を示す概略図である。
図5図5は本願の実施例に係る第2種の円筒型バッテリーの巻きコアが開いた概略図である。
図6図6は本願の実施例に係る第2種の円筒型バッテリーの巻きコアの構造の概略図である。
図7図7は本願の実施例に係る位置決めクランプブロックの構造の概略図である。
図8図8は本願の実施例に係るプレス機構の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願では、特に反対の説明がない限り、使用される「上」や「下」などの方向に関する用語は、通常、装置の実際の使用又は動作状態における上と下を指し、具体的には図面における方向を指す。そして、「内」と「外」という用語は、装置の輪郭に対して使用される。
【0011】
円筒型バッテリーは極板が巻回してなる巻きコアを含み、極板の一端部には一条の空白が正タブ又は負タブとして残され、巻きコアがバッテリーハウジングに入れられる。タブが外側に曲がりやすいため、ハウジングに入れる工程ではバッテリーハウジングに掻き傷を付けて金属のくずを生じさせやすい。金属のくずは極板やセパレータを傷つけてセルの短絡をもたらす恐れがある。そのため、上記の技術課題を解決するために、円筒型バッテリーを提供する必要がある。本願は、上記の技術課題を解決するために、以下の技術案を提案する。
本願の実施例は円筒型バッテリーを提供し、前記円筒型バッテリーは巻きコア10を含み、前記巻きコア10は極板11を含み、前記極板11の一端部にタブ12が設けられ、前記タブ12と前記極板11の巻回開始端101とは間隔を置いて配置され、前記タブ12と前記極板11の巻回終了端102とは間隔を置いて配置される。
【0012】
本願はタブ12と極板11の巻回開始端101とを特定の距離で離間させるとともに、タブ12と極板11の巻回終了端102とを特定の距離で離間させることにより、極板11が巻回して巻きコア10になると、タブ12の最外周の直径が巻きコア10の他の位置の最外周の直径より小さくなるため、巻きコア10をハウジングに入れる工程ではタブ12が外側に曲がりバッテリーハウジングに掻き傷を付けるという課題を改善した。
【0013】
以下、具体的な実施例に基づいて本願の内容を説明する。
【0014】
図1図4は本願の第1種の実施例を示している。図1は本願の実施例に係る第1種の円筒型バッテリーの巻きコア10が開いた概略図である。図2は本願の実施例に係る第1種の円筒型バッテリーの巻きコア10の構造の概略図である。ここで、図2の(a)は第1種の円筒型バッテリーの巻きコア10の正面視構造の概略図であり、図2の(b)は第1種の円筒型バッテリーの巻きコア10の上面視構造の概略図である。図3は本願の実施例に係る第1種の円筒型バッテリーの構造の概略図である。図4は本願の実施例に係る第1種の円筒型バッテリーの巻きコア10の巻回を示す概略図である。
【0015】
第1種の実施例では、円筒型バッテリーは極板11が巻回してなる円筒状の巻きコア10を含む。図1に示すように、極板11は材料領域13とタブ12とを含み、極板11は金属箔、例えばアルミニウム箔や銅箔であってもよい。材料領域13は金属箔にスラリーを塗布することによって構成され、タブ12は材料領域13の一端部に余白を残す(即ち、スラリーが塗されず)ことによって構成される。タブ12と極板11の巻回開始端101とは特定の距離で離間し、タブ12と極板11の巻回終了端102も特定の距離で離間する。例えば、タブ12と極板11の巻回開始端101との距離D1は5ミリ~300ミリであってもよく、タブ12と極板11の巻回終了端102との距離D2は5ミリ~300ミリであってもよい。なお、D1とD2の長さは需要に応じて調整してもよく、本願はこれを制限しない。
【0016】
本実施例では、タブ12は巻きコア10の軸方向に延伸する長さが3ミリ~15ミリであってもよいが、これに限らない。
【0017】
図2に示すように、タブ12と極板11の巻回開始端101とは特定の距離で離間するため、巻きコア10の巻回成形後、この間隔領域にタブ12が存在せず、巻きコア10の巻きコア孔14が塞がれない。これにより、その後の電解液の注入が容易になるとともに、負極タブと円筒型バッテリーのバッテリーハウジングとの溶接に影響を与えることを回避できる。
【0018】
図2に示すように、タブ12と極板11の巻回終了端102とは間隔特定で離間するため、巻きコア10の巻回成形後、この間隔領域内にタブ12が存在せず、これにより、タブ12の最外周の直径が材料領域13の最外周の直径より小さくなる。タブ12の直径が小さいため、ハウジングに入れる時にタブ12が外側に曲がりバッテリーハウジングに掻き傷を付けるという課題を改善することができる。
【0019】
本実施例では、図3に示すように、円筒型バッテリーは集電板20をさらに含み、集電板20は接続するように配置されたエンドキャップ22と溶接部21とを含む。前記溶接部21の前記エンドキャップ22から遠い一端部は前記タブ12に接触し、且つ前記溶接部21の外側壁は前記タブ12の外周側壁に溶接される。本実施例のタブ12は平坦化する必要がなく、タブ12の端面と溶接部21の端面とを直接に対向して接続し、両者の側壁から溶接を行うため、タブ12の平坦化工程により金属のくずが巻きコア10の内部に落ちてバッテリーを短絡させることを回避でき、それと同時に、集電板20が溶接される際に貫通されて極板11とセパレータ15が焼かれる課題も回避できるとともに、プロセスを簡単化させ、生産コストを降下させ、セルの生産効率と良品率を向上させることができる。
【0020】
エンドキャップ22は円形プレートであり、溶接部21は円筒体であってもよく、溶接部21はエンドキャップ22の中間領域に配置される。エンドキャップ22の直径は巻きコア10の最大直径以下であるため、巻きコア10をハウジングに入れやすくなる。例えば、エンドキャップ22の直径は巻きコア10の最大直径より0ミリ~5ミリ小さくされてもよい。
【0021】
集電板20にエンドキャップ22と溶接部21の中間領域を貫通する溶接孔221が設けられる。巻きコア10の巻回中心に巻きコア孔14が設けられ、溶接孔221の直径は巻きコア孔14の直径以上であり、これにより、タブ12と溶接部21の溶接が容易に行われる。
【0022】
本実施例では、図3に示すように、溶接部21の外周側壁はタブ12の外周側壁に溶接され、溶接点211は溶接部21の外周側壁に分布していてもよい。溶接の軌跡は鉛直方向、横方向、斜め方向のスポット溶接又はライン溶接であってもよく、溶接方法は超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接などの方法のうち1つまたは複数の方法を利用してもよく、本願はこれを制限しない。
【0023】
本実施例では、タブ12と材料領域13との間に余白箔113が配置され、余白箔113の巻回方向における長さは材料領域13の巻回方向における長さと等しく、タブ12の巻回方向における長さは余白箔113の巻回方向における長さより小さい。タブ12と材料領域13との間に一条の余白箔113を配置することにより、集電板20が溶接される際に貫通され或いは材料領域13が焼かれ、極板11を損傷することを防止することができる。余白箔113の巻きコア10の軸方向に沿って延伸する長さは1.5ミリ~8ミリであってもよく、これに限らない。
【0024】
本実施例では、図4に示すように、円筒型バッテリーは積層されたの第1の極板111と、セパレータ15と、第2の極板112とを含み、セパレータ15は前記第1の極板111と前記第2の極板112との間に位置し、前記第1の極板111の一端部に第1のタブ121が設けられ、前記第2の極板112の一端部に第2のタブ122が設けられ、第1の極板111、セパレータ15、第2の極板112は積層されて巻きコア10となるように巻回し、前記第1のタブ121と前記第2のタブ122はそれぞれ前記巻きコア10の両端に位置する。第1のタブ121と第2のタブ122は円筒型バッテリーの正タブと負タブとされる。
【0025】
本願の第2種の円筒型バッテリーでは、図5図6に示すように、図5は本願の実施例に係る第2種の円筒型バッテリーの巻きコア10が開いた概略図である。図6は本願の実施例に係る第2種の円筒型バッテリーの巻きコア10の構造の概略図である。第2種の円筒型バッテリーのタブ12の配置は第1種の円筒型バッテリーと異なり、第1種の円筒型バッテリーのタブ12は全タブであり、第2種の円筒型バッテリーのタブ12は複数タブである。以下、第2種の円筒型バッテリーの技術方案を説明する。
【0026】
本実施例では、図5に示すように、巻きコア10は、一端部にタブ12が設けられた極板11を含み、前記タブ12と前記極板11の巻回開始端101は間隔を置いて配置され、前記タブ12と前記極板11の巻回終了端102は間隔を置いて配置されている。タブ12と極板11の巻回開始端101は特定の距離D1で離間し、タブ12と極板11の巻回終了端102も特定の距離D2で離間し、D1、D2の配置については第1種の円筒型バッテリーの配置を参照すればよく、ここで重複しない。
【0027】
タブ12は離間するように配置された複数のサブタブ120を含む。サブタブ120の形状は、平行四辺形、台形などであってもよく、これに限らない。サブタブ120の極板11の巻回方向に沿った周方向の長さは1ミリ~5ミリであり、サブタブ120の材料領域13から遠い側と材料領域13に近い側との間の距離は1.5ミリ~5ミリである。一例では、サブタブ120は四角形であり、サブタブ120の隣接する両側辺のなす角は鋭角であり、30°~80°であってもよい。サブタブ120の数は極板11の長さに応じて調整すればよい。
【0028】
図6に示すように、前記サブタブ120は前記巻きコア10の中心軸103の方向に折り曲げられ、サブタブ120の巻きコア10の中心軸103に近い側の平面は巻きコア10の端面に近接し、隣接する2つの前記サブタブ120は前記巻きコア10の中心軸103に垂直な平面における正投影が少なくとも一部が重なる。サブタブ120を折り曲げることにより、円筒型バッテリーの軸方向の長さを短くすることができる。
【0029】
一例では、前記巻きコア10の巻回中心に巻きコア孔14が設けられ、前記サブタブ120は前記巻きコア10の中心軸103に垂直な平面における正投影が前記巻きコア孔14の周縁に位置し、即ち、成形後のサブタブ120は巻きコア10の巻きコア孔14を塞ぐことがない。
【0030】
一例では、前記円筒型バッテリーは集電板20をさらに含み、前記集電板20の前記サブタブ120に対向する端面は前記サブタブ120に溶接され、前記集電板20の直径は前記巻きコア10の最大直径以下である。
【0031】
一例では、前記タブ12と前記極板11との間に余白箔113が配置され、前記余白箔113の巻回方向における長さは材料領域13の巻回方向における長さと同じである。タブ12と材料領域13との間に一条の余白箔113を配置することにより、集電板20が溶接される際に貫通され或いは材料領域13が焼かれ、極板11を損傷することを防止することができ、プレス機構40でタブ12に対してプレス加工を行う際に材料領域13をプレスして壊してしまうことも防止することができる。巻きコア10の軸方向に延伸する余白箔113の長さは1.5ミリ~8ミリであってもよく、これに限らない。
【0032】
一例では、前記円筒型バッテリーは第1の極板111と、第2の極板112と、セパレータ15とを含み、前記第1の極板111の一端部に第1のタブ121が設けられ、第1のタブ121は複数のサブタブ120を含み、前記第2の極板112の一端部に第2のタブ122が設けられ、第2のタブ122は複数のサブタブ120を含み、前記セパレータ15は前記第1の極板111と前記第2の極板112との間に位置する。ここで、前記第1の極板111と、前記セパレータ15と、前記第2の極板112とが積層するように配置され巻きコア10となるように巻回し、前記第1のタブ121と前記第2のタブ122はそれぞれ前記巻きコア10の両端に位置する。
【0033】
本願は第2種の円筒型バッテリーを加工する円筒型バッテリーの加工方法を提供し、前記円筒型バッテリーの極板11は正極板と負極板を含み、前記加工方法は以下のステップを含む。
【0034】
S10、塗布された正極板と負極板を提供し、前記極板11の一端部に対して型抜きを行い、複数のタブ12を構成し、前記タブ12と前記極板11の巻回開始端101とが間隔を置いて配置され、前記タブ12と前記極板11の巻回終了端102とが間隔を置いて配置され、前記タブ12が複数のサブタブ120を含む。
【0035】
ステップS10では、極板11に対して型抜きを行いタブ12と複数のサブタブ120を構成することは同一の工程での型抜きで完成してもよく、工程を分けて行ってもよい。工程を分ける場合、型抜きの前後順序は制限されない。
【0036】
正極板の箔はアルミニウム箔であってもよく、負極板の箔は銅箔であってもよいが、これに限らない。
【0037】
S20、順に積層された前記正極板、セパレータ15、前記負極板を巻回させ、巻きコア10を構成する。
【0038】
ステップS20では、正極板、セパレータ15、負極板は積層するように配置され、正極板のタブ12と負極板のタブ12はそれぞれ巻きコア10の両端に位置する。
【0039】
S30、前記巻きコア10両端のサブタブ120に対し所定の角度までプレス加工を行う。
【0040】
ステップS30では、巻きコア10の中間領域を固定し、巻きコア10両端のタブ12を露出させ、プレス機構40で巻きコア10の両端のタブ12に対してプレス加工を行う。具体的に、プレス機構40で巻きコア10に対して2回又は複数回の予備プレスを行ってから、最終的に完全なプレス加工を行ってもよい。所定の角度は需要に応じて配置されてもよく、例えば、プレス加工後のサブタブ120の表面は巻きコア10の中心軸103に垂直となってもよく、所定の角度は他の角度であってもよいが、これを制限しない。プレス機構40は空気圧伝達手段で制御してもよく、これにより、予備プレスをより正確に行うことができる。巻きコア10に対して最終的なプレス加工を行うことはサーボ電極によって駆動されてもよい。タブ12に対して予備プレスを行うことによりタブ12に比較的に大きな摩擦力を生じず、タブ12を損傷することを回避でき、ひいては金属のくずが生じて巻きコア10の内部に落ちて巻きコア10が短絡することを回避できる。それだけではなく、予備プレス後の巻きコア10のタブ12の平坦度が良くなり、タブ12が集電板20に溶接される時に貫通して巻きコア10を損傷することで短絡することを回避でき、巻きコア10のタブ12の成形平坦度や、円筒型バッテリーの良品率を向上させ、生産コストを降下させることができる。
【0041】
S40、前記サブタブ120と集電板20を溶接する。
【0042】
ステップS40では、サブタブ120に対しプレス加工を行った後、サブタブ120の端面を集電板20の端面に溶接する。
【0043】
本願は円筒型バッテリーの加工装置をさらに提供し、前記加工装置は第2種の円筒型バッテリーを加工するように配置される。前記加工装置は、位置決めクランプブロック30とプレス機構40を含む。図7図8に示すように、図7は本願の実施例に係る位置決めクランプブロック30の構造の概略図であり、図7の(a)は位置決めクランプブロック30の正面視構造の概略図であり、図7の(b)は位置決めクランプブロック30の上面視構造の概略図である。図8は本願の実施例に係るプレス機構40の構造の概略図である。図8の(a)はプレス機構40の正面視構造の概略図であり、図8の(b)はプレス機構40の上面視構造の概略図である。
【0044】
図7に示すように、位置決めクランプブロック30は上部クランプブロック31と下部クランプブロック32を含み、前記上部クランプブロック31と前記下部クランプブロック32は密接するように配置され、上部クランプブロック31と下部クランプブロック32は接続部材50によって固定的に接続されてもよい。接続部材50はボルトなどであってもよい。前記位置決めクランプブロック30の中間領域に巻きコア固定部33が設けられ、前記巻きコア固定部33は前記円筒型バッテリーの巻きコア10を固定するように配置される。巻きコア固定部33は上部クランプブロック31に配置された第一固定部と下部クランプブロック32に配置された第二固定部とを含み、第一固定部と第二固定部は密接し、第一固定部と第二固定部の互いに近接する表面は凹んで巻きコア10を収容するための円筒形腔室を構成する。巻きコア固定部33の材料の硬さは位置決めクランプブロック30の他の部分の材料の硬さより小さいため、巻きコア固定部33の材料があまり硬すぎて巻きコア10を損傷することを回避できる。
【0045】
位置決めクランプブロック30の幅の寸法は巻きコア10の長さより小さく、巻きコア10を巻きコア固定部33に載置した後、巻きコア10の両端のタブ12は位置決めクランプブロック30の両側から露出するため、プレス機構40を用いてタブ12に対してプレス加工を行いやすくなる。
【0046】
図8に示すように、プレス機構40はタブ成形部41を含み、前記タブ成形部41は前記円筒型バッテリーのタブ12を収容するように配置され、前記タブ成形部41は円錐面411を有し、前記円錐面411は前記円筒型バッテリーのタブ12を前記円筒型バッテリーの巻きコア10の中心軸103の方向に折り曲げることができる。ここで、円錐面411の角度はタブ12のプレス加工での所定の角度に応じて調整することができる。タブ成形部41の直径はタブ12の最外周の直径より大きいため、巻きコア10全体のタブ12を収容することができる。タブ成形部41の中間領域に貫通孔が設けられたため、タブ成形部41とタブ12で予備プレスを行う時、ガスが貫通孔から排出することができる。
【0047】
タブ成形部41は接続部材50によってプレス機構40に接続されてもよく、タブ成形部41は取り外し可能であるため、円筒型バッテリーのサイズに応じて異なるタブ成形部41に接続することが可能になり、プレス機構40の互換性が向上する。
【0048】
タブ成形部41は2対であってもよいため、同時に巻きコア10の両端のタブ12に対してプレス加工を行うことができる。タブ成形部41は複数対であってもよいため、同時に複数の巻きコア10のタブ12に対してプレス加工を行うことができ、生産効率が向上し、また、本願はこれを制限しない。
【0049】
加工装置は空気圧伝達部、サーボモーター、制御部などをさらに含むため、プレス機構40を所定方向に移動するように駆動し、円筒型バッテリーのタブ12に対してプレス加工を行うことができる。
【符号の説明】
【0050】
巻きコア10、極板11、タブ12、材料領域13、巻回開始端101、巻回終了端102、集電板20、溶接部21、溶接点211、エンドキャップ22、巻きコア孔14、溶接孔221、サブタブ120、中心軸103、余白箔113、第1の極板111、第1のタブ121、第2の極板112、第2のタブ122、セパレータ15、位置決めクランプブロック30、上部クランプブロック31、下部クランプブロック32、巻きコア固定部33、プレス機構40、タブ成形部41、円錐面411、接続部材50
図1
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図6
図7
図8