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特開2024-111810情報処理システム、情報処理端末、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111810
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理端末、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20240809BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
G06Q20/20
G07G1/12 321L
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005080
(22)【出願日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2023015768
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523041193
【氏名又は名称】荒谷 賢太
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】荒谷 賢太
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA13
3E142CA17
3E142EA04
3E142FA01
3E142JA02
(57)【要約】
【課題】キャッシュレス決済と現金決済の両立を補助する技術を提供する。
【解決手段】アプリ情報取得部60は、利用者端末2で管理されている利用者の管理する第1口座に関する情報、本サービスにかかる自動募金機能の設定に関する情報及び本サービスにかかる自動貯金機能の設定に関する情報等を取得する。お釣り受付部62は、現金による決済を担当した店員等の入力に基づいて、本来、店舗が利用者に支払うべきお釣りの額を決定する。店舗端末1の送金要求管理部66は、後述する各種処理に基づいて決定された募金額、貯金額、送金額に相当する金銭等を、それぞれの指定された送金先に対して、送金してもよいかどうかの承認を管理サーバ3に要求する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者により管理される第1端末と、
前記利用者に商品又は役務を提供する提供者により管理される第2端末と、
管理者により管理される第3端末と、
を含み構成される情報処理システムであって、
前記第1端末は、
前記利用者の口座に関する口座情報を送信する口座情報送信手段を備え、
前記第2端末は、
前記口座情報を取得する口座情報取得手段と、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記お釣りを送金するための承認を前記第3端末に要求する承認要求手段と、
前記送金金額情報に基づいて、送金処理を実行するための各種処理を実行する第1送金管理手段と、
を備え、
前記第3端末は、
前記要求に対する承認を実行する承認実行手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
利用者に商品又は役務を提供する提供者により管理される情報処理端末であって、
前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得手段と、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記お釣りの送金処理の実行または承認を他の情報処理装置に要求する承認要求手段と、
前記送金金額情報に基づいて、前記送金処理に関する各種処理を実行する第1送金管理手段と、
を備える情報処理端末。
【請求項3】
前記承認要求手段は、前記利用者の決済にかかる前記送金金額情報、前記情報処理端末を利用する提供者を識別する提供者識別情報、及び前記利用者を識別する利用者識別情報をさらに前記他の情報処理装置に送信する、
請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を所定の非営利団体の口座に送金するための各種処理を実行する第2送金管理手段をさらに備える、
請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を、前記利用者にかかる他の口座に送金するための各種処理を実行する第3送金管理手段をさらに備える、
請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項6】
前記送金金額情報に基づいて、前記利用者が現実世界で決済を行った場合に最も効率的に引き渡す硬貨の組み合わせを決定する硬貨決定手段をさらに備える、
請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項7】
前記第1送金管理手段は、前記送金金額情報で特定された金額と同じ金額又は所定の金額を減額した金額を前記利用者の口座に送金するための各種処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項8】
前記第2送金管理手段は、前記利用者により取得された情報に基づいて決定された送金額、及び事前に設定された前記非営利団体の識別情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を前記非営利団体の口座に送金するための各種処理を実行する、
請求項4に記載の情報処理端末。
【請求項9】
前記第2送金管理手段は、前記利用者により取得された情報により決定された金額に対して、所定の金額を増加した金額を、前記非営利団体の口座に送金するための各種処理を実行する、
請求項4又は8に記載の情報処理端末。
【請求項10】
前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を所定の非営利団体の口座に送金するための各種処理を実行する第2送金管理手段と、
前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を前記利用者にかかる他の口座に送金するための各種処理を実行する第3送金管理手段と、
を備え、
前記第3送金管理手段は、前記第2送金管理手段による各種処理の後に、各種処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項11】
前記第3送金管理手段は、前記利用者により取得された情報により決定された金額に対して、所定の金額を増加した金額を、前記利用者にかかる他の口座に送金するための各種処理を実行する。
請求項5に記載の情報処理端末。
【請求項12】
前記第2送金管理手段により送金された金額が所定の条件を満たした場合、前記非営利団体の取引に関する情報を、前記利用者に提示させるための各種処理を実行する取引情報提示管理手段をさらに備える、
請求項4に記載の情報処理端末。
【請求項13】
利用者に商品又は役務を提供する提供者との決済の管理に利用される情報処理端末であって、
前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得手段と、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記お釣りを送金するための承認を管理者により管理される第3端末に要求する承認要求手段と、
前記送金金額情報に基づいて、送金処理を実行するための各種処理を実行する第1送金管理手段と、
を備える情報処理端末からの、
承認の前記要求に対する承認を実行する承認実行手段を備える、
情報処理端末。
【請求項14】
前記承認実行手段は、
前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を、前記利用者にかかる他の口座に送金するための各種処理を実行する第3送金管理手段をさらに備える前記情報処理端末からの、
承認の前記要求に対する承認を実行する、
請求項13に記載の情報処理端末。
【請求項15】
前記利用者から硬貨を受領し、受領した硬貨の種別及び枚数に応じて、前記利用者に所定の対価を付与する対価付与手段をさらに備える、
請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項16】
管理者により管理される情報処理装置であって、
利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得手段と、
前記利用者による決済のお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記利用者により設定された条件に基づいて、所定の団体の口座に自動的に送金する募金額、前記利用者に属する他の口座に自動的に送金する貯金額のいずれかを決定する金額決定手段と、
他の情報処理端末から取得される承認要求に基づいて、前記お釣りの送金処理を実行する送金処理手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項17】
利用者に商品又は役務を提供する提供者により管理される情報処理端末が実行する情報処理方法であって、
前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得ステップと、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得ステップと、
前記お釣りの送金処理の実行または承認を他の情報処理装置に要求する承認要求ステップと、
前記送金金額情報に基づいて、前記送金処理に関する各種処理を実行する第1送金管理ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項18】
利用者に商品又は役務を提供する提供者により管理される情報処理端末を、
前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得手段と、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記お釣りの送金処理の実行または承認を他の情報処理装置に要求する承認要求手段と、
前記送金金額情報に基づいて、前記送金処理に関する各種処理を実行する第1送金管理手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理端末、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非現金化によるインフラコスト削減や業務の効率化等を目的に、いわゆるキャッシュレス決済手段が数多く提供されている。例えば、特許文献1の技術によれば、キャッシュレス決済で発生した仮想的なお釣りを、自動的に所定の口座に送金する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7140904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含む従来技術は、基本的に決済全体の電子化を前提としているため、現金による決済は対象となっていない。これに対して、現在の社会状況では、すべてのユーザがキャッシュレス決済を利用しているわけではなく、現金を利用した決済を希望する人も多い。また、従前のキャッシュレス決済は、システムの導入や維持にあたり、店舗や販売店(商品又は役務の提供者)に過度な負担が生じることも知られている。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、キャッシュレス決済と現金決済の両立を補助する技術を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理端末は、
利用者に商品又は役務を提供する提供者により管理される情報処理端末であって、
前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得手段と、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記お釣りを送金するための承認を管理者により管理される管理端末に要求する承認要求手段と、
前記送金金額情報に基づいて、送金処理を実行するための各種処理を実行する第1送金管理手段と、
を備える情報処理端末である。
【0007】
本発明の一態様の情報処理システム、情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理端末に対応する情報処理システム、情報処理方法又はプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、キャッシュレス決済と現金決済の両立を補助する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する店舗端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する店舗端末、利用者端末及び管理サーバの機能的構成の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する利用者端末に表示される画像の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する利用者端末に表示される画像の一例を示す図であり、図4の例とは異なる例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する利用者端末に表示される画像の一例を示す図であり、図4及び図5の例とは異なる例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する店舗端末で管理されている情報の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する店舗端末、利用者端末及び管理サーバにより実行される各種処理の流れの一例を説明するアローチャートである。
図9】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムが提供し得る機能の一例を説明するためのイメージ図である。
図10】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムが提供し得る機能の一例を説明するためのイメージ図であり、図9の例とは異なる例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムが提供し得る機能の一例を説明するためのイメージ図であり、図9及び図10の例とは異なる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
まず、本発明の実施形態を説明するに先立ち、現在の決済における現実的な課題について、簡単に説明する。
上述の通り、近年では、電子的な決済方法(以下、「キャッシュレス決済」と呼ぶ)が普及し、利用者も増加傾向ではあるものの、まだまだ現金での決済を希望するユーザも多く、キャッシュレス決済の利用できない店舗や販売店(以下、「店舗等」と呼ぶ)も少なくない。この状況の原因の一つとして、特に一部の店舗等においては、キャッシュレス決済を導入する利点に対して、支払う手数料が高額になってしまうことが原因の一つと考えられている。
他方、金融機関等においては、現金、特に硬貨の取り扱いコストが上昇し、現金決済のみを継続していくことは難しいと考えられる。
このような現状から、本発明の目的の一つは、キャッシュレス決済と現金決済の両立を目指し、そのような環境を補助することにある。本発明は、例えば、従来のお札による現金決済を継続した上で、お釣り(特に硬貨)の部分のみを電子化して管理することで、キャッシュレス決済と現金決済の両立を試みる。これにより、実質的なユーザの手数料負担を軽減し、従来の現金決済とキャッシュレス決済を無理のない形で実現できると考えられる。以下、本発明の実施形態について具体的に説明していく。
【0011】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システム(以下、「本システム」と呼ぶ)の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本システムは、店舗端末1と、利用者端末2と、管理サーバ3とを含み構成される。店舗端末1と、利用者端末2と、管理サーバ3とは、インターネット等の所定のネットワークNを介して接続されている。ただし、ネットワークNは必須の構成要素ではなく、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、LAN(Local Area Network)等が利用されてもよい。
【0012】
店舗端末1は、商品又は役務を提供する店舗や販売店等により使用される情報処理端末等である。店舗端末1は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット等で構成される。店舗端末1は、例えば、店舗端末を利用するユーザ(以下、「店員」と呼ぶ)等により入力された決済のお釣りに関する情報を受け付け、本システムの適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の提供に関する各種処理を実行する。
【0013】
利用者端末2は、本サービスの利用を希望するユーザ(以下、「利用者」と呼ぶ)により使用される情報処理端末等である。利用者端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット等で構成される。利用者端末2は、本サービスの利用に必要となる各種情報等を管理し、その情報を店舗端末1等に提供する。なお、本実施形態では、利用者は、本サービス専用のアプリケーション(以下、「アプリ」と呼ぶ)を利用者端末2にインストールして、各種入力操作を行うことで、本サービスの提供を受けることが可能となる。
【0014】
管理サーバ3は、本サービスの管理者等により管理される情報処理装置等である。管理サーバ3は、例えば、汎用的なPC等で構成される。管理サーバ3は、例えば、店舗端末1による送金に対する承認に関する各種処理を実行する。
【0015】
<ハードウェア構成>
図2は、本システムを構成する店舗端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0016】
図2に示すように、店舗端末1は、制御部11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0017】
制御部11は、CPU、GPU、半導体メモリを含むマイクロコンピュータ等により構成される。制御部11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、制御部11が各種の処理を実行する上で必要な情報等も適宜記憶される。
【0018】
制御部11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。
【0019】
出力部16は、各種ディスプレイやスピーカ等を含み構成される。出力部16は、各種画像や音声等を出力する。
【0020】
入力部17は、例えば、各種タッチパネル等により構成される。入力部17は、各種情報の入力を受け付ける。
【0021】
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種情報を記憶する。記憶部18には、本サービスの提供に関する各種プログラム等が記憶されている。
【0022】
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して、他のハードウェア等との間で相互に行う通信等を制御する。
【0023】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。リムーバブルメディア31には、各種処理を実行するためのプログラム等が格納される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種情報も、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0024】
ここで、利用者端末2及び管理サーバ3のハードウェア構成は、店舗端末1のハードウェア構成と基本的に同様とすることができるため、説明を省略する。このような各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、店舗端末1、利用者端末2及び管理サーバ3における各種処理の実行が可能となる。
【0025】
図3は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する店舗端末、利用者端末及び管理サーバの機能的構成の一例を示す図である。
図3に示すように、店舗端末1の制御部11は、各種プログラムなどを実行することにより、アプリ情報取得部60と、お釣り受付部62と、送金管理部64と、送金要求管理部66とが機能する。
【0026】
店舗端末1のアプリ情報取得部60は、前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する。
具体的にアプリ情報取得部60は、利用者端末2に表示されるQRコード(登録商標)等をスキャン等で読み込むことで、利用者端末2で管理されている利用者の管理する通常の電子マネー口座又は銀行口座(以下、「第1口座」と呼ぶ)に関する情報、本サービスにかかる自動募金機能の設定に関する情報及び本サービスにかかる自動貯金機能の設定に関する情報等を取得する。なお、以降の説明は、これらの情報をまとめて、アプリ情報と呼ぶ。
【0027】
店舗端末1のお釣り受付部62は、前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する。
具体的にお釣り受付部62は、現金による決済を担当した店員等の入力に基づいて、本来、店舗が利用者に支払うべきお釣りの額を決定する。なお、お釣り受付部62で決定されたお釣りの額に関する情報を、以下、お釣り情報と呼ぶ。
【0028】
店舗端末1の送金管理部64は、前記送金金額情報に基づいて、管理サーバ3が送金処理を実行するための各種処理を実行する。
ここで、送金管理部64には、自動募金管理部80と、自動貯金管理部82と、送金額管理部84とが設けられている。
【0029】
自動募金管理部80は、アプリ情報取得部60で取得されたアプリ情報及びお釣り受付部62で決定されたお釣りの額に基づいて、所定の非営利団体の電子マネー口座又は銀行口座(以下、「第3口座」と呼ぶ)に自動的に送金する金額(以下、「募金額」と呼ぶ)を決定し、その情報を管理サーバ3へ送信する。
【0030】
自動貯金管理部82は、アプリ情報取得部60で取得されたアプリ情報及びお釣り受付部62で決定されたお釣りの額に基づいて、利用者の管理する第1口座とは異なる他の電子マネー口座又は銀行口座(以下、「第2口座」と呼ぶ)に自動送金する金額(以下、「貯金額」と呼ぶ)を決定し、その情報を管理サーバ3へ送信する。
【0031】
送金額管理部84は、アプリ情報取得部60で取得されたアプリ情報及びお釣り受付部62で決定されたお釣りの額に基づいて、最終的に第1口座に送金する金額(以下、「送金額」と呼ぶ)を決定し、その情報を管理サーバ3へ送信する。
【0032】
店舗端末1の送金要求管理部66は、前記お釣りを送金するための承認を管理者により管理される管理端末に要求する。
具体的に店舗端末1の送金要求管理部66は、後述する各種処理に基づいて決定された募金額、貯金額、送金額に相当する金銭等を、それぞれの指定された送金先への送金の承認に関する情報を、管理サーバ3に送信する。
また、送金要求管理部66は、管理サーバ3から送信されてきた承認の結果に関する情報を、通信部19を介して取得する。
【0033】
図3に示すように、利用者端末2の制御部100は、各種プログラムなどを実行することにより、アプリ情報管理部120と、QR表示部122と、送金受取部124とが機能する。
利用者端末2のアプリ情報管理部120は、本サービスにかかるアプリに関するアプリ情報を管理する。具体的に、アプリ情報管理部120には、口座情報管理部130と、自動募金設定部132と、自動貯金設定部134とが設けられている。
【0034】
利用者端末2の口座情報管理部130は、利用者の入力内容等に基づいて、利用者の管理する第1口座に関する情報(例えば、利用者ID、各種電子マネー口座のアドレス等)を取得し、管理する。
【0035】
利用者端末2の自動募金設定部132は、利用者の入力内容等に基づいて、自動募金機能の設定に関する情報を取得し、管理する。
【0036】
利用者端末2の自動貯金設定部134は、利用者の入力内容等に基づいて、自動貯金機能の設定に関する情報を取得し、管理する。
【0037】
利用者端末2のQR表示部122は、口座情報管理部130で管理されている各種情報、自動募金設定部132で管理されている各種情報、自動貯金設定部134で管理されている各種情報、すなわちアプリ情報を取得するためのQRコード(登録商標)等を生成し、利用者端末2の図示せぬ表示部等に表示する。
【0038】
利用者端末2の送金受取部124は、店舗端末1からの送金に関する各種情報を、通信部110を介して取得する。具体的に送金受取部124には、第1口座管理部140と、第2口座管理部142とが設けられている。
【0039】
利用者端末2の第1口座管理部140は、店舗端末1からの第1口座に関する送金の内容を受け付けて、管理する。
【0040】
利用者端末2の第2口座管理部142は、店舗端末1からの第2口座に関する送金の内容を受け付けて、管理する
【0041】
図3に示すように、管理サーバ3の制御部200は、各種プログラムなどを実行することにより、送金要求管理部220と、送金処理部222とが機能する。
管理サーバ3の送金要求管理部220は、店舗端末1から送信されてきた承認の要求に関する情報を取得し、適宜、店舗端末1による送金を承認する。
また、送金要求管理部220は、店舗端末1の送金に対する承認の結果に関する情報を、店舗端末1へ送信する。
【0042】
管理サーバ3の送金処理部222は、店舗端末1から送信されてきた第1口座、第2口座及び第3口座への送金する金額に関する情報を、通信部210を介して取得する。
また、管理サーバ3の送金処理部222は、送金要求管理部220で各口座に対する送金が承認された場合、取得した第1口座、第2口座及び第3口座への送金する金額に関する情報に基づいて、所定の金額の金銭を第1口座、第2口座、第3口座のそれぞれに送金する処理を実行する。
【0043】
次に、図4乃至図6を参照しながら、利用者が自動募金機能及び自動貯金機能の設定を行う際の操作方法を簡単に説明する。図4乃至図6は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する利用者端末に表示される画像の一例を示す図である。
【0044】
図4の例では、利用者が自動募金機能に関する設定として、「金額を設定する」、「割合を設定する」、「小銭(硬貨)を選択する」の3種類の選択肢が表示されている。
具体的に、「金額を設定する」という設定は、例えば、募金をせずに、常に利用できる金額を指定して、それを超過する金額を募金額とする設定である。すなわち、ここで設定された金額を超過する金額が自動募金の対象となる募金額として算出される。
「割合を設定する」という設定は、例えば、お釣りとして利用者に支払われる合計金額に対して一定の割合の金額を募金額とする設定である。すなわち、現金における決済の結果生じたお釣りの合計額に対して、一定の割合が積算された金額が自動募金の対象となる募金額として算出される。
「小銭(硬貨)を選択する」という設定は、例えば、現金でお釣りが支払われる場合に選択される小銭(硬貨)の種別を指定して、その分の小銭(硬貨)が示す金額を募金額とする設定である。具体的に例えば、現金で170円を支払う場合、100円玉が一枚、50円玉が一枚、10円玉が二枚を支払うのが理想的である。この場合において、例えば、利用者の設定した小銭(硬貨)が10円玉であれば、10円玉として支払われるはずの20円という金額が募金額として算出される。なお、利用者は、例えば図5に示す画像を参照しながら、任意の硬貨を選択することができる。
また、図4の例では、自動募金機能の設定に関する注意書きとして、「1.貯金や募金は新規受取時に自動で行われます」、「2.貯金と募金の両方が設定されている場合、まず募金が行われます」、「3.別途目標金額を設定した場合、達成まで貯金口座から残高を移すことはできません」、「4.硬貨は一種類しか選択できません」というメッセージが表示されている。これらの注意書きは、本システムの実装の一例として表示されているものであり、変更や改変は本サービスの管理者等の任意である。
【0045】
同様に図6の例では、利用者が自動貯金機能に関する設定を行う際に表示される画像の一例が表示されている。利用者は、図6の画像等を参照することで、自動貯金についても同様の方法で任意の条件を設定することができる。
【0046】
続いて、図7を参照しながらアプリ情報の内容の一例を説明する。図7は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する店舗端末で管理されている情報の一例を示す図である。
【0047】
図7の例では、「利用者ID」、「電話番号」、「通常口座(アドレス)」、「貯金口座(アドレス)」、「自動募金設定」、「自動貯金設定」という項目が具体的に表示されている。
電話番号とは、いわゆる一般的な電話番号を意味しており、利用者の特定に利用される。
通常口座(アドレス)とは、例えば、利用者の利用する通常の電子マネー口座のURL等を示している。すなわち、通常口座(アドレス)には、上述の第1口座の送金先に関する情報が格納されている。
貯金口座(アドレス)とは、例えば、利用者の所有する貯金のための他の電子マネー口座のURL等を示している。すなわち、貯金口座(アドレス)には、上述の第2口座の送金先に関する情報が格納されている。
自動募金設定とは、利用者により設定された自動募金機能に関する設定を意味している。図7の例では、小銭を選択するという項目において、「5円玉」が選択され、表示されている。
自動貯金設定とは、利用者により設定された自動貯金機能に関する設定を意味している。図7の例では、割合を設定するという項目において、「10%」が選択され、表示されている。
【0048】
図8は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成する店舗端末、利用者端末及び管理サーバにより実行される各種処理の流れの一例を説明するアローチャートである。
【0049】
ステップS1において、利用者端末2のQR表示部122は、アプリ情報を取得するためのQRコード(登録商標)等を生成し、図示せぬ表示部等に表示する。
【0050】
ステップS21において、店舗端末1のアプリ情報取得部60は、利用者端末2に表示されるQRコード(登録商標)等をスキャン機能等により読み込むことで、アプリ情報を取得する。
【0051】
ステップS22において、店舗端末1のお釣り受付部62は、店員等の入力操作に基づいて、店舗で利用者が現金で決済を行った際のお釣りの額に関するお釣り情報を取得する。
【0052】
ステップS23において、店舗端末1の自動募金管理部80は、お釣り受付部62で取得されたお釣り情報に基づいて、利用者により設定された条件に基づいて、決定されたお釣りのうちから、所定の非営利団体の口座に自動的に送金する募金額を決定する。
【0053】
ステップS24において、店舗端末1の自動貯金管理部82は、お釣り受付部62で取得されたお釣り情報に基づいて、決定されたお釣りのうちから、利用者により設定された条件に基づいて、利用者に属する他の口座(第2口座)に自動送金する貯金額を決定する。
【0054】
ステップS25において、店舗端末1の送金額管理部84は、お釣り受付部62で取得されたお釣り情報、募金額及び貯金額に基づいて、利用者の通常利用する第1口座に送金する送金額を決定する。
【0055】
ステップS26において、店舗端末1の送金要求管理部66は、後述する各種処理に基づいて決定された募金額、貯金額、送金額に相当する金銭等を、それぞれの指定された送金先への送金の承認に関する情報を、管理サーバ3に送信する。
なお、ステップS26において、店舗端末1の自動募金管理部80,自動貯金管理部82及び送金額管理部84のそれぞれは、第1口座、第2口座及び第3口座への送金する金額に関する情報を、管理サーバ3へ送信する。
【0056】
ステップS41において、管理サーバ3の送金要求管理部220は、店舗端末1から送信されてきた承認の要求に関する情報を取得する。
また、ステップS41において、管理サーバ3の送金処理部222は、店舗端末1から送信されてきた第1口座、第2口座及び第3口座への送金する金額に関する情報を、通信部210を介して取得する。
【0057】
ステップS42において、管理サーバ3の送金要求管理部220は、取得した内容での送金処理を承認する。
【0058】
ステップS43において、管理サーバ3の送金要求管理部220は、店舗端末1の送金に対する承認の結果に関する情報を店舗端末1に送信する。
【0059】
ステップS44において、管理サーバ3の送金処理部222は、送金要求管理部220で各口座に対する送金が承認された場合、取得した第1口座、第2口座及び第3口座への送金する金額に関する情報に基づいて、所定の金額の金銭を第1口座、第2口座、第3口座のそれぞれに送金する処理を実行する。
【0060】
ステップS27において、店舗端末1の送金要求管理部66は、管理サーバ3から送信されてきた承認の結果に関する情報を、通信部19を介して取得する。
【0061】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
【0062】
<他の実施形態>
【0063】
また、上述の実施形態において、本システムは、各送金先に対する送金額(募金額、貯金額、送金額等)を含めて、管理サーバ3に承認を要求するものとして説明したが限定されない。例えば、本システムは、お釣り情報に基づいて決定された、募金額、貯金額、送金額の合計の金額を送金することに対して、まとめて管理サーバ3に承認を要求してもよい。
【0064】
また、上述の実施形態において、本システムは、各種金額の金銭を指定の口座に送金するものとして説明したが、限定されない。例えば、本システムは、各種決済に利用可能なポイントや与信等を対象口座の管理者等に付与するものとしてもよい。
【0065】
また、上述の実施形態において、本システムは、現金でお釣りが支払われた場合に理想的な硬貨の組み合わせを基準として、募金額を決定するものとして説明したが、限定されない。例えば、本システムは小銭(硬貨)の種別に応じて、募金額や貯金額を決定する場合、任意の条件や状況を設定し、募金額や貯金額を決定してもよい。
【0066】
また、上述の実施形態において、本システムは、QRコード(登録商標)等を用いてアプリ情報等の送受信を実現するものとして、説明したが限定されない。本システムは、例えば、インターネットや各種近距離無線通信等の任意の通信手段を用いて、アプリ情報等の送受信を実現してもよい。
具体的に例えば、本システムは、非接触又は接触方式によるICチップやQRを埋め込んだ物理的な媒体(例えば、クレジットカード等)からアプリ情報を取得するような形態を採用してもよい。
【0067】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、募金先の候補となる非営利団体の登録に際して、所定の条件等を設定してもよい。例えば、本システムは、集めたい金額、募金の使い道等の提供を条件に上述の非営利団体の候補として登録する仕様を備えていてもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、利用者が興味のある募金活動(例えば、子供、教育、環境、災害、地域等)を事前に登録する仕様を備えていてもよい。これにより、本システムは、利用者の目的に沿った募金先の候補を提供できる可能性がある。
【0069】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、非営利団体等の募金の使い道が適切か否か、又は目標金額が適切か否か等を判断する仕様を備えていてもよい。本システムは、募金の使い道又は目標金額が不適切であると判定した場合は、当該非営利団体の登録を取り消してもよいし、送金予定の募金を他の非営利団体等の口座に再分配する等してもよい。
【0070】
さらに言えば、本システムは、例えば、非営利団体等の取引の履歴等を、利用者に一定の条件のもと、開示する仕様を備えていてもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では簡易的な説明に留めたが、本サービスは原則として決済後に提供されるサービスである。そのため、本システムで取り扱う、全利用者の資産の総額は全利用者の決済の清算前における負債の総額と同額となる。本システムは、任意のタイミングで全利用者の資産の総額は全利用者の負債の総額と同額であることを確認することにより、残高の上書きや改ざん等のハッキングを効率的に防止することができる。
【0072】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムにおいて、「お釣り」の概念は、利用者が支払った金額と実際の商品やサービス等の金額の差額、決済の差額によって生じる1000円未満の金銭(いわゆる釣り銭)の両方の意味を含むものである。しかしながら、本システムは、「お釣り」を後者の狭義の概念として捉え、取り扱うお釣りの上限を999円と設定することもできる。
【0073】
ここで、本システムの目的や効果について、さらに説明する。
本システムは、このような少額の電子決済(送金)に特化した管理を実行することなどから、従前の電子決済システムや現金決済と比較して、多くの利点が存在する。
(1)少額の決済(送金)のみを行うため、いわゆるマネーロンダリングに利用されるリスクを低減することができる。
(2)現金決済特有の小銭のやり取りを行わないため手間やハンドリングコストを低減することができる。
(3)本システムを導入した場合であってもユーザが現金を持ち歩く状態を維持することができるため、(本システムを含む)キャッシュレス決済未導入の店舗においても、引き続き決済を行うことができる。
(4)少額の決済(送金)のみを行うため、個人間の送金などに対してハッキングのインセンティブを低減させることができる。
(5)電子マネーの発行単価を制限することで、電子マネーの発行残高をある程度コントロールすることができる。
本システムは、例えば、従前の電子決済システムや現金決済と比較して、このような利点を有している。従来の電子決済システムでは、電子マネーの残高チャージが決済手数料の大部分を占めているが、本システムは、現金による支払いにより、本来発生するお釣りとしての硬貨が、支払い時に直接消費者の電子マネー口座にチャージされるため、決済手数料の相対的な低下が期待できる。また、決済を行った店舗にとっても、現金の一部が一時的な手元余剰資金となるため、資金繰りコストの軽減も期待できる。すなわち、本システムは、現金決済と電子決済の両立だけでなく、現状の決済方法と比べても、様々な利点を有していると考えられる。
【0074】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、金銭等の送金先は、各種電子マネー口座や各種銀行口座に限られない。例えば、各種投資先における投資額の増大や、各種サービス提供者により提供されるサービスの拡充など、本サービスにおける送金とは、単に電子的な手続きによる口座残高の増減だけでない、幅広い概念として捉えることができる。
【0075】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、例えば、ユーザに金銭を確認させる機能を備えていてもよい。具体的に本システムは、例えば、ユーザが送金された金銭を受け取る際に、「受け取る」又は「保留する」という表示を行い、「受け取る」が選択された場合にのみ、各種口座の残高を増加させる機能を備えていてもよい。ユーザは、敢えてこのような作業を行うことで、決済のたびに自身の口座の残高を確認することができる。
【0076】
ここで、本システムが実装し得る補助的な機能について、図9乃至図11を参照しながらさらに説明する。
図9の例では、本システムにかかる硬貨回収機能において、ユーザが店舗等に硬貨回収を依頼する場合に、店舗端末等に表示される画像の一例を示している。図9の例では、10円の項目の表示が9、50円の項目の表示が3、100円の項目の表示が7、500円の項目の表示が4と表示されている。これは、ユーザが店舗に回収を依頼した効果の種別が、10円玉が9枚、50円玉が3枚、100円玉が7枚、500円玉が4枚であることを示している。図9の例では、これらの硬貨の合計が2,940円で手数料が30円となり、差額の2,910円が、ユーザが実際にチャージ可能な金額として表示されている。このような機能を利用することで、ユーザは不要な硬貨を処分し、効果的に電子的な金銭として利用することができる。また、図9の例では、店舗側が回収可能な硬貨の枚数が合わせて表示されている。このような仕組みにより店舗において許容量を超える量の硬貨の回収を防止することも可能となる。なお、図9の例では、硬貨の回収に手数料がかかるものとして説明しているが、手数料を設定するか否かは本システムの管理者等の任意であり、限定されない。また、このようにして店舗が硬貨の回収した場合、ユーザに付与される電子的な金銭は、硬貨を回収した店舗のみで利用できてもよいし、どのような店舗でも利用できてもよい。なお、各店舗が回収した硬貨は、例えば、対価の清算を終えるまでの間、現金のみの利用者等の釣り銭として利用してもよい。
【0077】
図10の例では、本システムにかかる両替(変換、交換)機能において、ユーザ端末に表示される画像の一例を示している。図10の左部には、残高1,196円、貯金額9,500円という表示とともに両替という選択領域が表示されている。これに対して、図10の右部には、残高である1,196円に対して500円を1単位として両替できる枚数及び手数料が表示されている。このように本システムは、電子的な金銭を現実の硬貨と同様の金銭単位として管理することができ、電子的な金銭であっても現実の金銭と近い感覚を維持しながら管理運用することができる。
【0078】
図11の例では、本システムにかかるランキング機能において、ユーザ端末に表示される画像の一例を示している。本システムは、このようなランキング機能を設けることで、ユーザが楽しみながら貯金を継続しやすい環境をすることもできる。また、図示は省略するが、本システムは、例えば、ユーザの貯金額と貯金日数等に応じて、ユーザに特典を付与する(いわゆる預金に類似する)機能を備えていてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態において、本システムにかかるサービスは、情報処理端末等にインストールされたアプリにより提供されるものとして説明したが、限定されない。例えば、本システムは、識別子等の埋め込まれたカード、QRコード(登録商標)等を介して、各種サービスを提供してもよい。
【0080】
ここで、本発明にかかる課題や目的に関して補足する。
現在の日本において、キャッシュレス決済の普及は一定程度進んでいるものの、十分に普及が進んでいるとは言えず、まだまだ現金を利用するユーザが多く存在しているのが実情である。そうであるにも関わらず、例えば、コンビニ銀行等の提供する売上入金サービスや各種硬貨の変換サービス等が減少し、現金を利用するユーザの現金管理手段が減少しているという状況がある。その上、各種銀行等は、現金(特に硬貨)の取り扱いに手数料を設定することも増え、さらに現金(特に硬貨)の取り扱いコストは上昇している。本発明は、このような近年の日本社会の課題を解決することを目的の一つとしている。
【0081】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3などの機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは図3などの例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図3などの例に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成されてもよいし、ソフトウェア単体で構成されてもよいし、それらの組み合わせで構成されてもよい。
【0082】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、並列的または個別に実行されてもよい。また、上述の実施形態で記載するステップは、一部が省略されてもよい。
さらに言えば、各ステップとして行われる処理は、図8に示す各ハードウェアにより実行される必要がなく、例えば、店舗端末1による処理の一部を管理サーバ3が行ってもよいし、管理サーバ3による処理の一部を店舗端末1が行ってもよい。
【0083】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味している。
【0084】
また、本システムを構成する各種ハードウェアの数や使用者は任意であるし、他のハードウェアなどを含み構成されてもよい。
さらに言えば、本システムは、例えば、上述した一連の処理の一部又は全てをクラウド等で管理される他のサーバ等により実行させてもよい。
【0085】
また、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0086】
また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータであってもよい。
すなわち、例えば、上述の実施形態における各種ハードウェアには、任意のコンピュータ、任意のスマートフォンなどの携帯端末などが自由に採用されてもよい。さらに言えば、各種入力部や各種出力部などの種別や内容についても任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0087】
また、このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザなどにプログラムを提供するために装置本体とは別に提供される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体などで構成されてもよい。
【0088】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0089】
以上をまとめると、本発明適用される情報処理端末は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
利用者に商品又は役務を提供する提供者により管理される情報処理端末であって、
前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得手段(例えば、アプリ情報取得部60)と、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段(例えば、お釣り受付部62)と、
前記お釣りの送金処理の実行または承認を他の情報処理装置に要求する承認要求手段(例えば、送金要求管理部66)と、
前記送金金額情報に基づいて、前記送金処理に関する各種処理を実行する第1送金管理手段(例えば、送金管理部64)と、
を備える情報処理端末であれば足りる。
【0090】
また、前記承認要求手段は、前記利用者の決済にかかる前記送金金額情報、前記情報処理端末を利用する提供者を識別する提供者識別情報、及び前記利用者を識別する利用者識別情報をさらに前記他の情報処理装置に送信することができる。
【0091】
また、前記情報処理端末は、前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を所定の非営利団体の口座に送金するための各種処理を実行する第2送金管理手段をさらに備えることができる。
【0092】
また、前記情報処理端末は、前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を、前記利用者にかかる他の口座に送金するための各種処理を実行する第3送金管理手段をさらに備えることができる。
【0093】
また、前記情報処理端末は、前記送金金額情報に基づいて、前記利用者が現実世界で決済を行った場合に最も効率的に引き渡す硬貨の組み合わせを決定する硬貨決定手段をさらに備えることができる。
【0094】
また、前記第1送金管理手段は、前記送金金額情報で特定された金額と同じ金額又は所定の金額を減額した金額を前記利用者の口座に送金するための各種処理を実行することができる。
【0095】
また、前記第2送金管理手段は、前記利用者により取得された情報に基づいて決定された送金額、及び事前に設定された前記非営利団体の識別情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を前記非営利団体の口座に送金するための各種処理を実行することができる。
【0096】
また、前記第2送金管理手段は、前記利用者により取得された情報により決定された金額に対して、所定の金額を増加した金額を、前記非営利団体の口座に送金するための各種処理を実行することができる。
【0097】
また、前記情報処理端末は、
前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を所定の非営利団体の口座に送金するための各種処理を実行する第2送金管理手段と、
前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を前記利用者にかかる他の口座に送金するための各種処理を実行する第3送金管理手段と、
を備え、
前記第3送金管理手段は、前記第2送金管理手段による各種処理の後に、各種処理を実行することができる。
【0098】
また、前記第3送金管理手段は、前記利用者により取得された情報により決定された金額に対して、所定の金額を増加した金額を、前記利用者にかかる他の口座に送金するための各種処理を実行することができる。
【0099】
また、前記情報処理端末は、前記第2送金管理手段により送金された金額が所定の条件を満たした場合、前記非営利団体の取引に関する情報を、前記利用者に提示させるための各種処理を実行する取引情報提示管理手段をさらに備えることができる。
【0100】
また、本発明の他の態様として、
利用者に商品又は役務を提供する提供者との決済の管理に利用される情報処理端末であって、
前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得手段と、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記お釣りを送金するための承認を管理者により管理される第3端末に要求する承認要求手段と、
前記送金金額情報に基づいて、送金処理を実行するための各種処理を実行する第1送金管理手段と、
を備える情報処理端末からの、
承認の前記要求に対する承認を実行する承認実行手段を備える、
情報処理端末であれば足りる。
【0101】
また、前記承認実行手段は、前記利用者より取得された情報に基づいて、前記お釣りの額のうちのすべて又は一部を、前記利用者にかかる他の口座に送金するための各種処理を実行する第3送金管理手段をさらに備える前記情報処理端末からの、承認の前記要求に対する承認を実行することができる。
【0102】
また、前記情報処理装置は、前記利用者から硬貨を受領し、受領した硬貨の種別及び枚数に応じて、前記利用者に所定の対価を付与する対価付与手段さらに備えていてもよい。
【0103】
また、本発明の他の態様として、
管理者により管理される情報処理装置であって、
利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得手段と、
前記利用者による決済のお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記利用者により設定された条件に基づいて、所定の団体の口座に自動的に送金する募金額、前記利用者に属する他の口座に自動的に送金する貯金額のいずれかを決定する金額決定手段と、
他の情報処理端末から取得される承認要求に基づいて、前記お釣りの送金処理を実行する送金処理手段と、
を備える情報処理装置。
【0104】
また、本発明の他の態様として、
利用者に商品又は役務を提供する提供者により管理される情報処理端末が実行する情報処理方法であって、
前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得ステップと、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得ステップと、
前記お釣りの送金処理の実行または承認を他の情報処理装置に要求する承認要求ステップと、
前記送金金額情報に基づいて、前記送金処理に関する各種処理を実行する第1送金管理ステップと、
を含む情報処理方法であれば足りる。
【0105】
また、本発明の他の態様として、
利用者に商品又は役務を提供する提供者により管理される情報処理端末を、
前記利用者の管理する口座に関する情報を取得する口座情報取得手段と、
前記利用者による前記商品又は役務の提供にかかる現金を含む決済におけるお釣りの額に関する送金金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記お釣りの送金処理の実行または承認を他の情報処理装置に要求する承認要求手段と、
前記送金金額情報に基づいて、前記送金処理に関する各種処理を実行する第1送金管理手段と、
として機能させるプログラムであれば足りる。
【0106】
<効果>
これにより、利用者は、キャッシュレス決済の利便性を享受しつつ、現金での決済も行うことができる。
【符号の説明】
【0107】
1 店舗端末
11 制御部
60 アプリ情報取得部
62 お釣り受付部
64 送金管理部
80 自動募金管理部
82 自動貯金管理部
84 送金額管理部
66 送金要求管理部
2 利用者端末
100 制御部
120 アプリ情報管理部
130 口座情報管理部
132 自動募金設定部
134 自動貯金設定部
122 QR表示部
124 送金受取部
140 第1口座管理部
142 第2口座管理部
3 管理サーバ
200 制御部
220 送金要求管理部
222 送金処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11