(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111815
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】マルチストリングコーディネータ
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240809BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240809BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240809BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/00 P
H01M10/48 P
H01M10/44 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024011539
(22)【出願日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】63/443,505
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/419,371
(32)【優先日】2024-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521162861
【氏名又は名称】エレクトリック パワー システムズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アームストロング
(72)【発明者】
【氏名】スレシュ ジャヤゴンダル
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BA04
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB03
5G503GD03
5G503GD05
5G503GD06
5H030AS08
5H030BB01
5H030BB21
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
【課題】マルチストリングコーディネータを動作させるための方法を提供すること。
【解決手段】マルチストリングコーディネータは、マルチストリングコーディネータを介して、バッテリデータをバッテリシステムにおける第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットから受信することと、マルチストリングコーディネータを介して、第1のバッテリ電力管理ユニットと第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のストリング不平衡が、ストリング不平衡閾値を超過するかどうかを判定することと、マルチストリングコーディネータを介して、第1のバッテリ電力管理ユニットに、ストリング不平衡がストリング不平衡閾値を超過することに応答して、第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることとを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチストリングコーディネータを動作させるための方法であって、
前記マルチストリングコーディネータを介して、バッテリデータをバッテリシステムにおける第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットから受信することと、
前記マルチストリングコーディネータを介して、前記第1のバッテリ電力管理ユニットと前記第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のストリング不平衡が、ストリング不平衡閾値を超過するかどうかを判定することと、
前記マルチストリングコーディネータを介して、コマンドするステップを通して、前記ストリング不平衡が前記ストリング不平衡閾値を超過することに応答して、前記第1のバッテリ電力管理ユニットに、前記第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記マルチストリングコーディネータを介して、前記マルチストリングコーディネータに電気的に結合される充電器と関連付けられる充電器識別情報を受信することと、
前記マルチストリングコーディネータを介して、前記充電器識別情報を前記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび前記第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送することと、
前記マルチストリングコーディネータを介して、前記充電器識別情報に基づいて、前記バッテリシステムの充電限界値を修正することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のバッテリ電力管理ユニットは、前記充電器識別情報と関連付けられる充電プロトコルに基づいて充電される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マルチストリングコーディネータを介して、前記充電器識別情報に基づいて、前記バッテリシステムの容量値を前記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび前記第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のバッテリ電力管理ユニットにコマンドするステップに応答して、前記バッテリモジュールの第1のストリングは、前記第1のバッテリ電力管理ユニットを介して、前記第1の電圧から前記第2の電圧に充電される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マルチストリングコーディネータを介して、前記ストリング不平衡が前記ストリング不平衡閾値を下回ることに応答して、前記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび前記第2のバッテリ電力管理ユニットに、前記第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングおよび前記第2のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第2のストリングをともに充電するようにコマンドすることをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ストリング不平衡は、前記第1のバッテリ電力管理ユニットと前記第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のパーセント電圧差を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
マルチストリングコーディネータであって、
プロセッサと通信するように構成される、有形の非一過性デバイスを備え、
前記有形の非一過性デバイスは、その上に記憶される命令を有し、前記命令は、前記プロセッサに応答して、前記プロセッサに、
前記プロセッサを介して、前記マルチストリングコーディネータに電気的に結合される充電器と関連付けられる充電器識別情報を受信することと、
前記プロセッサを介して、前記充電器識別情報および前記充電器の容量のうちの1つを、電気車両のバッテリシステムの第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送することと
を含む、動作を実施させる、マルチストリングコーディネータ。
【請求項9】
前記伝送することに応答して、前記容量に基づいて、前記第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングおよび前記第2のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第2のストリングを充電する、請求項8に記載のマルチストリングコーディネータ。
【請求項10】
前記動作はさらに、前記バッテリモジュールの第1のストリングと前記バッテリモジュールの第2のストリングとの間のストリング不平衡を補正するために、前記第1のバッテリ電力管理ユニットに、前記バッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることを含む、請求項9に記載のマルチストリングコーディネータ。
【請求項11】
前記ストリング不平衡は、電圧差パーセント閾値よりも大きい電圧差パーセントを含む、請求項10に記載のマルチストリングコーディネータ。
【請求項12】
インジケータをさらに備え、前記動作はさらに、
前記プロセッサを介して、前記第1のバッテリ電力管理ユニットから、故障インジケータを受信することと、
前記プロセッサを介して、前記インジケータに、前記第1のバッテリ電力管理ユニットが故障しているというインジケーションを提供するようにコマンドすることと、
前記プロセッサを介して、前記故障インジケータを前記充電器に伝送することと
を含む、請求項8に記載のマルチストリングコーディネータ。
【請求項13】
前記動作はさらに、
前記プロセッサを介して、前記第1のバッテリ電力管理ユニットから、前記第1のバッテリ電力管理ユニットの動作データを受信することと、
前記プロセッサを介して、前記動作データを記憶させることと、
前記プロセッサを介して、前記マルチストリングコーディネータが充電器に結合されていることに応答して、前記動作データをオフボードで伝送することと
を含む、請求項8に記載のマルチストリングコーディネータ。
【請求項14】
前記動作はさらに、
前記プロセッサを介して、前記第1のバッテリ電力管理ユニットと前記第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のストリング不平衡が、ストリング不平衡閾値を超過するかどうかを判定することと、
前記プロセッサを介して、前記ストリング不平衡が前記ストリング不平衡閾値を超過することに応答して、前記第1のバッテリ電力管理ユニットに、前記第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることと
を含む、請求項8に記載のマルチストリングコーディネータ。
【請求項15】
充電インターフェースをさらに備え、前記充電インターフェースは、離散ピンの互換性と、種々の充電器をサポートするように構成されるモジュラーインターフェースとを備える、請求項8に記載のマルチストリングコーディネータ。
【請求項16】
エネルギー貯蔵システムであって、
複数のバッテリ電力管理ユニットを備える、バッテリシステムであって、前記複数のバッテリ電力管理ユニットのそれぞれは、バッテリモジュールのストリングと、前記バッテリモジュールのストリングの放電を制御するように構成される、バッテリ管理システムとを備える、バッテリシステムと、
前記複数のバッテリ電力管理ユニットのそれぞれの前記バッテリ管理システムに電気的に結合される、マルチストリングコーディネータであって、前記マルチストリングコーディネータは、前記複数のバッテリ電力管理ユニットのそれぞれの前記バッテリ管理システムと通信するように構成される、マルチストリングコーディネータと
を備える、エネルギー貯蔵システム。
【請求項17】
前記マルチストリングコーディネータは、充電器と通信するように構成され、前記充電器は、前記複数のバッテリ電力管理ユニット内の第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットを充電するように構成される、請求項16に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項18】
前記マルチストリングコーディネータはさらに、前記充電器から前記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび前記第2のバッテリ電力管理ユニットに充電器識別情報を受信するように構成される、請求項17に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項19】
前記マルチストリングコーディネータはさらに、前記充電器の容量および前記充電器識別情報のうちの1つを前記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび前記第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送するように構成される、請求項18に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項20】
電力スイッチをさらに備え、前記マルチストリングコーディネータはさらに、電源を備え、前記電力スイッチは、前記電源を「オン」状態から「オフ」状態およびその逆に移行させるように構成される、請求項16に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項21】
請求項16に記載のエネルギー貯蔵システムを備える、電気車両。
【請求項22】
前記バッテリシステムは、前記マルチストリングコーディネータが電源オフ状態にある電気車両に給電するように構成される、請求項16に記載のエネルギー貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによって、あらゆる目的のためにその全体として本明細書に組み込まれる、2023年2月6日に出願され、「MULTI-STRING COORDINATOR」と題された、米国仮出願第63/443,505号の非仮出願であり、その優先権および利益を主張する。
【0002】
(分野)
本開示は、概して、マルチストリングバッテリシステムの充電を主電力バスと協調させるための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
背景の節において議論される主題は、単に、背景の節におけるその記述の結果として、先行技術であると見なされるべきではない。同様に、背景の節において記述される、または背景の節の主題と関連付けられる問題は、先行技術において先に認識されているものと見なされるべきではない。背景の節における主題は、単に、異なるアプローチを表しているにすぎず、それ自体が、発明であり得る。
【0004】
典型的には、電気を動力源とする車のために利用される充電器は、種々かつ明確に異なる充電インターフェースを有する。電気を動力源とする航空機に関して、典型的には、電気を動力源とする車のために利用される充電インターフェースとインターフェースをとること、ならびに電気を動力源とする航空機のための代替充電インターフェースと可能性として通信することが可能である、充電インターフェースが、望ましくあり得る。
【0005】
電気を動力源とする航空機における使用のためのバッテリモジュールは、飛行に関して認証されるために、ある基準を満たす必要がある。電気を動力源とする航空機が、持続的に開発されるにつれて、電気を動力源とする航空機の充電インターフェースに対する変更が、まだ開発されていない技術に基づいて生じる潜在性を有する。しかしながら、充電インターフェースが、バッテリシステムのコンポーネントである場合、電気を動力源とする航空機に関する既存のバッテリモジュール(またはシステム)を修正することは、非常に費用がかかり得る(すなわち、開発および認証のコストが、適正な範囲を超え得る)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要約)
マルチストリングコーディネータを動作させるための方法が、本明細書において開示される。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータは、マルチストリングコーディネータを介して、バッテリデータをバッテリシステムにおける第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットから受信することと、マルチストリングコーディネータを介して、第1のバッテリ電力管理ユニットと第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のストリング不平衡が、ストリング不平衡閾値を超過するかどうかを判定することと、マルチストリングコーディネータを介して、ストリング不平衡がストリング不平衡閾値を超過することに応答して、第1のバッテリ電力管理ユニットに、第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることとを含む。
【0007】
種々の実施形態では、本方法はさらに、マルチストリングコーディネータを介して、マルチストリングコーディネータに電気的に結合される充電器と関連付けられる充電器識別情報を受信することと、マルチストリングコーディネータを介して、充電器識別情報を第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送することとを含む。種々の実施形態では、第1のバッテリ電力管理ユニットは、充電器識別情報と関連付けられる充電プロトコルに基づいて充電される。種々の実施形態では、本方法はさらに、マルチストリングコーディネータを介して、充電器識別情報に基づいて、バッテリシステムの容量値を第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送することを含む。
【0008】
種々の実施形態では、第1のバッテリ電力管理ユニットにコマンドすることに応答して、バッテリモジュールの第1のストリングは、第1のバッテリ電力管理ユニットを介して、第1の電圧から第2の電圧に充電される。種々の実施形態では、本方法はさらに、マルチストリングコーディネータを介して、ストリング不平衡がストリング不平衡閾値を下回ることに応答して、第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットに、第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングおよび第2のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第2のストリングをともに充電するようにコマンドすることを含む。
【0009】
種々の実施形態では、ストリング不平衡は、第1のバッテリ電力管理ユニットと第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のパーセント電圧差を含む。
【0010】
マルチストリングコーディネータが、本明細書において開示される。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータは、プロセッサと通信するように構成される、有形の非一過性デバイスを備え、有形の非一過性デバイスは、その上に記憶される命令を有し、命令は、プロセッサに応答して、プロセッサに、プロセッサを介して、マルチストリングコーディネータに電気的に結合される充電器と関連付けられる充電器識別情報を受信することと、プロセッサを介して、充電器識別情報および充電器の容量のうちの1つを、電気車両のバッテリシステムの第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送することとを含む、動作を実施させる。
【0011】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータは、伝送することに応答して、容量に基づいて、第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングおよび第2のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第2のストリングを充電する。種々の実施形態では、動作はさらに、バッテリモジュールの第1のストリングとバッテリモジュールの第2のストリングとの間のストリング不平衡を補正するために、第1のバッテリ電力管理ユニットに、バッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることを含む。種々の実施形態では、ストリング不平衡は、電圧差パーセント閾値よりも大きい電圧差パーセントを備える。
【0012】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータはさらに、インジケータを備え、動作はさらに、プロセッサを介して、第1のバッテリ電力管理ユニットから、故障インジケータを受信することと、プロセッサを介して、インジケータに、第1のバッテリ電力管理ユニットが故障しているというインジケーションを提供するようにコマンドすることとを含む。種々の実施形態では、動作はさらに、プロセッサを介して、故障インジケータを充電器に伝送することを含む。
【0013】
種々の実施形態では、動作はさらに、プロセッサを介して、第1のバッテリ電力管理ユニットと第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のストリング不平衡が、ストリング不平衡閾値を超過するかどうかを判定することと、プロセッサを介して、ストリング不平衡がストリング不平衡閾値を超過することに応答して、第1のバッテリ電力管理ユニットに、第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることとを含む。
【0014】
エネルギー貯蔵システムが、本明細書において開示される。種々の実施形態では、エネルギー貯蔵システムは、複数のバッテリ電力管理ユニットを備える、バッテリシステムであって、複数のバッテリ電力管理ユニット内の各バッテリ電力管理ユニットは、バッテリモジュールのストリングと、バッテリモジュールのストリングの放電を制御するように構成される、バッテリ管理システムとを備える、バッテリシステムと、複数のバッテリ電力管理ユニット内の各バッテリ電力管理ユニットのバッテリ管理システムに電気的に結合される、マルチストリングコーディネータであって、マルチストリングコーディネータは、複数のバッテリ電力管理ユニット内の各バッテリ電力管理ユニットのバッテリ管理システムと通信するように構成される、マルチストリングコーディネータとを備える。
【0015】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータは、充電器と通信するように構成され、充電器は、複数のバッテリ電力管理ユニット内の第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットを充電するように構成される。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータはさらに、充電器から第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットに充電器識別情報を受信するように構成される。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータはさらに、充電器の容量および充電器識別情報のうちの1つを第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送するように構成される。
【0016】
種々の実施形態では、エネルギー貯蔵システムはさらに、電力スイッチを備え、マルチストリングコーディネータはさらに、電源を備え、電力スイッチは、電源を「オン」状態から「オフ」状態およびその逆に移行させるように構成される。
【0017】
種々の実施形態では、電気車両は、エネルギー貯蔵システムを備える。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
マルチストリングコーディネータを動作させるための方法であって、
上記マルチストリングコーディネータを介して、バッテリデータをバッテリシステムにおける第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットから受信することと、
上記マルチストリングコーディネータを介して、上記第1のバッテリ電力管理ユニットと上記第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のストリング不平衡が、ストリング不平衡閾値を超過するかどうかを判定することと、
上記マルチストリングコーディネータを介して、コマンドするステップを通して、上記ストリング不平衡が上記ストリング不平衡閾値を超過することに応答して、上記第1のバッテリ電力管理ユニットに、上記第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることと
を含む、方法。
(項目2)
上記マルチストリングコーディネータを介して、上記マルチストリングコーディネータに電気的に結合される充電器と関連付けられる充電器識別情報を受信することと、
上記マルチストリングコーディネータを介して、上記充電器識別情報を上記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび上記第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送することと、
上記マルチストリングコーディネータを介して、上記充電器識別情報に基づいて、上記バッテリシステムの充電限界値を修正することと
をさらに含む、上記項目に記載の方法。
(項目3)
上記第1のバッテリ電力管理ユニットは、上記充電器識別情報と関連付けられる充電プロトコルに基づいて充電される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目4)
上記マルチストリングコーディネータを介して、上記充電器識別情報に基づいて、上記バッテリシステムの容量値を上記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび上記第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送することをさらに含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
上記第1のバッテリ電力管理ユニットにコマンドするステップに応答して、上記バッテリモジュールの第1のストリングは、上記第1のバッテリ電力管理ユニットを介して、上記第1の電圧から上記第2の電圧に充電される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
上記マルチストリングコーディネータを介して、上記ストリング不平衡が上記ストリング不平衡閾値を下回ることに応答して、上記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび上記第2のバッテリ電力管理ユニットに、上記第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングおよび上記第2のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第2のストリングをともに充電するようにコマンドすることをさらに含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
上記ストリング不平衡は、上記第1のバッテリ電力管理ユニットと上記第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のパーセント電圧差を備える、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
マルチストリングコーディネータであって、
プロセッサと通信するように構成される、有形の非一過性デバイスを備え、
上記有形の非一過性デバイスは、その上に記憶される命令を有し、上記命令は、上記プロセッサに応答して、上記プロセッサに、
上記プロセッサを介して、上記マルチストリングコーディネータに電気的に結合される充電器と関連付けられる充電器識別情報を受信することと、
上記プロセッサを介して、上記充電器識別情報および上記充電器の容量のうちの1つを、電気車両のバッテリシステムの第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送することと
を含む、動作を実施させる、マルチストリングコーディネータ。
(項目9)
上記伝送することに応答して、上記容量に基づいて、上記第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングおよび上記第2のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第2のストリングを充電する、上記項目のいずれか1項に記載のマルチストリングコーディネータ。
(項目10)
上記動作はさらに、上記バッテリモジュールの第1のストリングと上記バッテリモジュールの第2のストリングとの間のストリング不平衡を補正するために、上記第1のバッテリ電力管理ユニットに、上記バッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることを含む、上記項目のいずれか1項に記載のマルチストリングコーディネータ。
(項目11)
上記ストリング不平衡は、電圧差パーセント閾値よりも大きい電圧差パーセントを含む、上記項目のいずれか1項に記載のマルチストリングコーディネータ。
(項目12)
インジケータをさらに備え、上記動作はさらに、
上記プロセッサを介して、上記第1のバッテリ電力管理ユニットから、故障インジケータを受信することと、
上記プロセッサを介して、上記インジケータに、上記第1のバッテリ電力管理ユニットが故障しているというインジケーションを提供するようにコマンドすることと、
上記プロセッサを介して、上記故障インジケータを上記充電器に伝送することと
を含む、上記項目のいずれか1項に記載のマルチストリングコーディネータ。
(項目13)
上記動作はさらに、
上記プロセッサを介して、上記第1のバッテリ電力管理ユニットから、上記第1のバッテリ電力管理ユニットの動作データを受信することと、
上記プロセッサを介して、上記動作データを記憶させることと、
上記プロセッサを介して、上記マルチストリングコーディネータが充電器に結合されていることに応答して、上記動作データをオフボードで伝送することと
を含む、上記項目のいずれか1項に記載のマルチストリングコーディネータ。
(項目14)
上記動作はさらに、
上記プロセッサを介して、上記第1のバッテリ電力管理ユニットと上記第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のストリング不平衡が、ストリング不平衡閾値を超過するかどうかを判定することと、
上記プロセッサを介して、上記ストリング不平衡が上記ストリング不平衡閾値を超過することに応答して、上記第1のバッテリ電力管理ユニットに、上記第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることと
を含む、上記項目のいずれか1項に記載のマルチストリングコーディネータ。
(項目15)
充電インターフェースをさらに備え、上記充電インターフェースは、離散ピンの互換性と、種々の充電器をサポートするように構成されるモジュラーインターフェースとを備える、上記項目のいずれか1項に記載のマルチストリングコーディネータ。
(項目16)
エネルギー貯蔵システムであって、
複数のバッテリ電力管理ユニットを備える、バッテリシステムであって、上記複数のバッテリ電力管理ユニットのそれぞれは、バッテリモジュールのストリングと、上記バッテリモジュールのストリングの放電を制御するように構成される、バッテリ管理システムとを備える、バッテリシステムと、
上記複数のバッテリ電力管理ユニットのそれぞれの上記バッテリ管理システムに電気的に結合される、マルチストリングコーディネータであって、上記マルチストリングコーディネータは、上記複数のバッテリ電力管理ユニットのそれぞれの上記バッテリ管理システムと通信するように構成される、マルチストリングコーディネータと
を備える、エネルギー貯蔵システム。
(項目17)
上記マルチストリングコーディネータは、充電器と通信するように構成され、上記充電器は、上記複数のバッテリ電力管理ユニット内の第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットを充電するように構成される、上記項目のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システム。
(項目18)
上記マルチストリングコーディネータはさらに、上記充電器から上記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび上記第2のバッテリ電力管理ユニットに充電器識別情報を受信するように構成される、上記項目のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システム。
(項目19)
上記マルチストリングコーディネータはさらに、上記充電器の容量および上記充電器識別情報のうちの1つを上記第1のバッテリ電力管理ユニットおよび上記第2のバッテリ電力管理ユニットに伝送するように構成される、上記項目のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システム。
(項目20)
電力スイッチをさらに備え、上記マルチストリングコーディネータはさらに、電源を備え、上記電力スイッチは、上記電源を「オン」状態から「オフ」状態およびその逆に移行させるように構成される、上記項目のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システム。
(項目21)
上記項目のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システムを備える、電気車両。
(項目22)
上記バッテリシステムは、上記マルチストリングコーディネータが電源オフ状態にある電気車両に給電するように構成される、上記項目のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システム。
(摘要)
マルチストリングコーディネータを動作させるための方法が、本明細書において開示される。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータは、マルチストリングコーディネータを介して、バッテリデータをバッテリシステムにおける第1のバッテリ電力管理ユニットおよび第2のバッテリ電力管理ユニットから受信することと、マルチストリングコーディネータを介して、第1のバッテリ電力管理ユニットと第2のバッテリ電力管理ユニットとの間のストリング不平衡が、ストリング不平衡閾値を超過するかどうかを判定することと、マルチストリングコーディネータを介して、ストリング不平衡がストリング不平衡閾値を超過することに応答して、第1のバッテリ電力管理ユニットに、第1のバッテリ電力管理ユニットのバッテリモジュールの第1のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電するようにコマンドすることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の主題は、特に、本明細書の結論部分において指摘され、明確に主張される。しかしながら、本開示のより完全な理解は、以下の図面と関連して、以下の詳細な説明および請求項を参照することによって、最も深く取得され得る。図面は、本明細書において説明される原理を採用する種々の実施形態を図示するが、図面は、請求項の範囲を限定しない。
【0019】
【
図1】
図1は、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータを伴う、電気車両のエネルギー貯蔵システムの概略図を図示する。
【0020】
【
図2】
図2は、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータによって実施される、プロセスを図示する。
【0021】
【
図3】
図3は、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータによって実施される、プロセスを図示する。
【0022】
【
図4】
図4は、種々の実施形態による、
図1のエネルギー貯蔵システムとの併用のための充電エコシステムを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(詳細な説明)
本明細書における種々の実施形態の以下の詳細な説明は、例証として、種々の実施形態を示す、付随の図面を参照する。これらの種々の実施形態は、当業者が、本開示を実践することを有効にするために十分に詳細に説明されるが、他の実施形態も実現され得ること、および変更が本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。したがって、本明細書における詳細な説明は、限定の目的ではなく、例証の目的のみのために提示される。さらに、単数形のいずれの言及も、複数形の実施形態を含み、1つを上回るコンポーネントまたはステップのいずれの言及も、単数形の実施形態またはステップを含み得る。また、「取付される」、「固定される」、「接続される」、または同等語のいずれの言及も、永続的な、取外可能な、一時的な、部分的、完全な、または任意の他の可能性として考えられる取付の選択肢を含み得る。加えて、「接触を伴わない」(または類似する語句)のいずれの言及もまた、低減された接触または最小限の接触も含み得る。また、具体的に別様に述べられない限り、「a」、「an」、または「the」の言及は、1つまたは1つを上回るものを含み得ること、および単数形におけるアイテムの言及はまた、複数形におけるアイテムも含み得ることを理解されたい。さらに、全ての範囲が、上限および下限値を含み得、本明細書において開示される全ての範囲および比率限界値は、組み合わせられてもよい。
【0024】
ここで
図1を参照すると、種々の実施形態による、電気車両100(例えば、電気を動力源とする航空機、電気を動力源とする車、電気を動力源とするボート等)における使用のためのマルチストリングコーディネータ200の概略図が、図示されている。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、電気を動力源とする航空機における使用のためのものである(すなわち、電気車両100は、電気を動力源とする航空機である)。しかしながら、本開示は、本点において、限定されない。
【0025】
マルチストリングコーディネータ200は、充電器102(例えば、電気車両100のバッテリシステムを充電するように構成される充電システム)および電気車両100のバッテリシステム110とインターフェースをとるように構成される。種々の実施形態では、充電器102は、高出力DC急速充電のために構成される、コンバインド充電システム(CCS)を備える。本明細書では、米国式コンバインド充電システム(「CCS1」)を備えるものとして説明されるが、充電システムは、本点において、限定されない。例えば、種々の実施形態による、コンバインド充電システムは、欧州式コンバインド充電システム(「CCS2」)、Chademo、GBT、または任意の他の電気車両充電システム、もしくは新たに出現する航空宇宙標準充電システムを備えることができる。
【0026】
種々の実施形態では、充電器102は、充電システムのバッテリシステム(例えば、本明細書においてさらに説明されるような充電システム501のバッテリシステム510)、複数のバッテリモジュール、配電網、または当技術分野において公知の任意の他の好適な源と電気的に連通している(すなわち、それによって給電される)ことができる。本開示は、本点において、限定されない。種々の実施形態では、電気車両100のバッテリシステム110は、主電源バス150または同等物を通して、電気負荷160(例えば、電気モータまたは同等物)に給電するように構成される。
【0027】
電気車両100のバッテリシステム110は、複数のバッテリ電力管理ユニット(「BPMU」)(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)を備える。BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)は、バッテリ管理システム(「BMS」)(例えば、BMS-1 122、BMS-2 132、およびBMS-N 142)と、BMSに電気的に結合される、バッテリモジュールのストリング(例えば、バッテリモジュール124、134、144のストリング)とを備える。本点において、電気車両100のバッテリシステム110の複数のBMU内の各BPMUは、独立したバッテリシステムである(すなわち、電気車両100のバッテリシステム110における任意の他のBPMUから独立して制御されることが可能である)。本明細書において言及されるような「バッテリモジュールのストリング」は、BMSの負端子からBMSの正端子まで延在する、複数のバッテリモジュールを含む。
【0028】
種々の実施形態では、本明細書においてさらに説明されるように、マルチストリングコーディネータ200は、本明細書においてさらに説明されるように、電気車両100のバッテリシステム110の充電を取り扱い、ストリング不平衡に対して保護するための中央システムとして構成されることができる。例えば、電気車両100のためのバッテリシステム110のBPMU-1 120およびBPMU-2 130は、バッテリシステム110の充電の間、ストリング不平衡を有し得る。本明細書において開示されるような「ストリング不平衡」は、同一のバイナリユニットシステム(「BUS」)を経由して、バッテリモジュール124のストリングおよびバッテリモジュール134のストリングを充電するために、容認可能な電圧不平衡の範囲外にある、BPMU-1 120のバッテリモジュール124のストリングとBPMU-2 130のバッテリモジュール134のストリングとの間の電圧不平衡である。
【0029】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、電気車両100(例えば、電気を動力源とする航空機)の車載システムである。しかしながら、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリ管理から独立しており(すなわち、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリシステム110における各BPMUのBMSから独立したコンポーネントである)、航空機動作の間、非動作機器である(すなわち、電源オフ状態にある)。例えば、マルチストリングコーディネータ200は、本明細書においてさらに説明されるように、複数のBPMUの充電の間に受信されるデータ(例えば、バッテリシステム110における各BMSから受信されるデータ)に基づいて、バッテリシステム110の複数のBPMU内のBPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、および/またはBPMU-N 140)のBMS(例えば、BMS-1 122、BMS-2 132、および/またはBMS-N 142)にコマンドを提供するように構成される。本点において、マルチストリングコーディネータ200は、上記で概説されるように、ストリング不平衡に対して保護することによって、充電プロセスの間の付加的な保護層を電気車両100のためのバッテリシステム110に提供する。
【0030】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、マルチストリング充電を促進することができる。例えば、複数のBPMUの各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N)が、本質的に、対応するBMS(例えば、BPMU-1 120のためのBMS-1 122、BPMU-2 130のためのBMS-2 132、およびBPMU-N 140に関するBPMU-N 142)を伴う、独立したバッテリシステムであるため、マルチストリングコーディネータ200は、本明細書においてさらに説明されるように、複数のBPMU内のBPMUの全てを協調充電するように構成される。
【0031】
種々の実施形態では、本明細書において開示されるマルチストリングコーディネータ200は、充電インターフェース210を備える。マルチストリングコーディネータ200の充電インターフェース210は、充電器102の充電インターフェース210とインターフェースをとる。本点において、BPMUは、一般的な充電器とインターフェースをとるように設計または構成される必要はない。加えて、充電器(例えば、充電器102)の充電インターフェースが、変化すると、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータ200は、BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、および/またはBPMU-N 140)のいずれかを変更する必要もなく、変更されることができる。
【0032】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200はまた、(例えば、内部コントローラエリアネットワーク(「CAN」)を通した)データ取扱能力を含むこともできる。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、データ収集を実施することができる。例えば、各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、および/またはBPMU-N 140)は、航空機動作の間にデータを収集し、個別のBMS(例えば、BPMU-1 120のためのBMS-1 122、BPMU-2 130のためのBMS-2 132、BPMU-N 140のためのBMS-N 142)を介して、内部にデータを記憶することができる。BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、および/またはBPMU-N 140)の充電または保守の間、マルチストリングコーディネータ200は、給電され、動作可能である。したがって、マルチストリングコーディネータ200は、データを各BMS(例えば、BPMU-1 120のためのBMS-1 122、BPMU-2 130のためのBMS-2 132、およびBPMU-N 140のためのBMS-N 142)から効率的にダウンロードすることができ、したがって、マルチストリングコーディネータ200は、要求に応じて、データをパッケージ化し、それを充電器102に送信することができる。加えて、種々の実施形態では、種々の実施形態による、データ収集は、容量データの更新のために利用されることができる。例えば、収集されたデータは、容量アルゴリズムを起動し、比較するために手動容量点検プロセスと合致させ、より高い正確度を達成するために使用されることができる。
【0033】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200はさらに、コントローラ202と、電源204と、イーサネット(登録商標)206と、保守CAN212と、車両CAN214とを備える。種々の実施形態では、コントローラ202は、マルチストリングコーディネータ200の種々のシステムおよびコンポーネントにアクセスするための中央ネットワーク要素またはハブとして構成されることができる。種々の実施形態では、コントローラ202は、プロセッサを備えることができる。種々の実施形態では、コントローラ202は、単一のプロセッサ内で実装されることができる。種々の実施形態では、コントローラ202は、1つ以上のプロセッサおよび/または1つ以上の有形の非一過性メモリ(例えば、メモリ)として実装されることができ、それを含み、論理を実装することが可能であり得る。各プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートもしくはトランジスタ論理、離散ハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。コントローラ202は、命令、例えば、コントローラ202と通信するように構成される、非一過性の有形のコンピュータ可読媒体上に記憶される命令の実行に応答して、種々の論理動作を実装するように構成される、プロセッサを備えることができる。
【0034】
システムプログラム命令および/またはコントローラ命令は、コントローラ202のプロセッサによる実行に応答して、コントローラ202に種々の動作を実施させる、その上に記憶される命令を有する、コントローラ202の非一過性の有形のコンピュータ可読媒体の上にロードされることができる。用語「非一過性」は、請求項の範囲から、伝搬する一過性信号自体のみを除去し、一過性信号自体を伝搬しているだけではない、全ての標準的なコンピュータ可読媒体に対する権利を放棄しないことを理解されたい。換言すると、用語「非一過性コンピュータ可読媒体(non-transitory computer-readable medium)」および「非一過性コンピュータ可読記憶媒体(non-transitory computer-readable storage medium)」の意味は、米国特許法第101条第35章の下、特許性のある主題の範囲外にあることがIn Re Nuijtenにおいて見出された、これらのタイプの一過性コンピュータ可読媒体のみを除外すると解釈されるべきである。
【0035】
種々の実施形態では、コントローラ202は、保守CAN212、車両CAN214、内部CAN216、および/またはインジケータ218と電気的に連通している。本点において、コントローラ202は、データまたは他の通信を保守CAN212、車両CAN214、内部CAN216、および/またはインジケータ218から受信するように構成される。さらに、コントローラ202は、保守CAN212、車両CAN214、内部CAN216、および/またはインジケータ218を通して、コマンドを送信するように構成されることができる。
【0036】
種々の実施形態では、電源204は、電力スイッチ230に動作可能に結合されることができる。本点において、種々の実施形態では、電源204は、電力スイッチ230を介して、「オン」状態と「オフ」状態との間で切り替えられることができる。換言すると、種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、オフ状態に切り替えられることができる。例えば、マルチストリングコーディネータ200は、保守動作の間は「オン」状態に、電動車両100または同等物の動作の間はオフ状態に切り替えられることができる。本開示は、本点において、限定されない。
【0037】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリシステム110における複数のBPMU内の各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、および/またはBPMU-N 140)と通信するように構成される。例えば、マルチストリングコーディネータ200は、(例えば、保守CAN BUS170を通した)保守CAN212および/または(例えば、車両CAN BUS180を通した)車両CAN214を介して、複数のBPMU内の各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、および/またはBPMU-N 140)と通信することができる。本点において、マルチストリングコーディネータ200は、車両のものと類似するバッテリシステムデータの収集のために、車両CAN214を介して、車両CAN BUS180を通して、複数のBPMU内の各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、および/またはBPMU-N 140)と通信することができる。同様に、マルチストリングコーディネータ200は、保守データおよび充電制御を複数のBPMU内の各BPMUに、およびそれから転送するために、保守CAN212を介して、保守CAN BUS170を通して、複数のBPMU内の各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、および/またはBPMU-N 140)と通信することができる。
【0038】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、(例えば、保守CAN212を介して、および/または車両CAN214を介して)BPMU(例えば、BPMU-N 140)の数を判定することができる。種々の実施形態では、CAN識別番号(CAN ID)の番号およびそれらの識別情報に基づいて、マルチストリングコーディネータ200は、CAN上で伝送されるデータに基づいて(例えば、保守CAN212を介して、および/または車両CAN214を介して)、システムにおけるBPMUの数およびそれらの識別を判定することができる。
【0039】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、本明細書においてさらに説明されるように、(例えば、保守CAN212を介して、および/または車両CAN214を介して)ストリング不平衡が存在するかどうか(すなわち、BPMU-1 120とBPMU-2 130または同等物との間に電圧不平衡が存在するかどうか)を判定することができる。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、第1のBPMU内のバッテリモジュールのストリングをBUS電圧まで充電することによって、ストリング不平衡を補正することが可能である。
【0040】
例えば、第1のBPMU(例えば、BPMU-1 120)は、第1の電圧を有することができ、第2のBPMU(例えば、BPMU-2 130)は、第2の電圧を有することができる。第1の電圧は、第2の電圧よりも小さくあり得る。換言すると、電圧差が、第1の電圧と第2の電圧との間に存在し得る。電圧差に基づいて、第2の電圧からのパーセント電圧差が、計算されることができ(すなわち、
【数1】
)、式中、V
2は、第2の電圧であり、V
1は、第1の電圧であり、ΔVは、電圧差である。種々の実施形態では、本明細書においてさらに説明されるように、パーセント電圧差は、閾値電圧差よりも小さくあり得る。例えば、閾値電圧差が、5%であり得る。本点において、パーセント電圧差が、5%よりも大きいことに応答して、マルチストリングコーディネータ200は、第1のBPMU(例えば、BPMU-1 120)と第2のBPMU(例えば、BPMU-2 130)との間にストリング不平衡が存在することを判定することができる。本点において、ストリング不平衡が存在することを判定することに応答して、マルチストリングコーディネータ200は、第1のBPMU(例えば、BPMU-1 120)を第1の電圧から新しい電圧にコマンドすることができる。新しい電圧は、パーセント電圧差を下回る第2のBPMU(例えば、BPMU-2 130)とのパーセント電圧差を有し得る。本点において、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータ200は、本明細書においてさらに説明されるように、ストリング不平衡を補正し、第1のBPMU(例えば、BPMU-1 120)および第2のBPMU(例えば、BPMU-2 130)の充電をともに促進することができる。
【0041】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、高速通信BUSを経由して(例えば、保守イーサネット(登録商標)206を介して)、充電器102と通信する。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、インジケータ218を通して、故障を保守人員に通信することができる。例えば、バッテリシステム110の複数のBPMU内のBPMUのうちの1つにおけるバッテリ故障に応答して、種々の実施形態による、コントローラ202は、インジケータ218を通して、第1のライトに(例えば、赤色光または同等物を)照明するようにコマンドすることができる。同様に、バッテリ故障が、存在しない場合、コントローラ202は、第2のライトに(例えば、緑色光または同等物を)照明するようにコマンドすることができる。
【0042】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリシステム110からバッテリ容量値を受信し、CANを介して(例えば、保守CAN212および/または車両CAN214を介して)、容量値を各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)に通信するように構成される。本点において、全体としてのバッテリシステム110のバッテリ容量値は、バッテリシステム110における各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)によって把握されることができる。
【0043】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、充電器102に関する充電器のタイプを識別することができる。例えば、本明細書において先に説明されるように、マルチストリングコーディネータ200は、種々の充電器とインターフェースをとることが可能である、充電インターフェース210を備えることができる。本点において、充電インターフェース210に結合される充電器102に基づいて、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータ200は、充電器のタイプを識別し、情報をバッテリシステム110における複数のBPMU内の各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)に中継し、バッテリシステム110にとって適切な充電プロトコルを促進することができる。
【0044】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200の充電インターフェース210は、離散ピンの互換性を備えることができる。例えば、充電インターフェース210は、本明細書において先に説明されるように、種々の充電器をサポートするために、モジュラーインターフェースであることができる。
【0045】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200はさらに、故障データを充電器102に通信するように構成される。本点において、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータ200は、各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)とのその通信に基づいて、故障しているBPMUを識別し、BPMUが故障している充電器102に通信することができる。本点において、種々の実施形態による、故障しているBPMUが、より容易に識別されることができ、保守動作(すなわち、故障しているBPMUを取換すること)が、より効率的に実施されることができる。
【0046】
種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、軽量であり、最小物理的エンベロープを有するように構成されることができる。本点において、マルチストリングコーディネータ200は、電気車両100に対して有意な重量を付加せず、これは、電気を動力源とする航空機にとって重要な因子であり得る。
【0047】
ここで
図1および2を組み合わせて参照すると、種々の実施形態による、
図1からのマルチストリングコーディネータ200によって実施される、充電の間のストリング不平衡を補正するためのプロセス300(
図2)が、図示されている。
【0048】
種々の実施形態では、プロセス300は、マルチストリングコーディネータ200を介して、バッテリデータをバッテリシステム110の複数のBPMU内の各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)から受信すること(ステップ302)を含む。本点において、充電することに先立って、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリデータをバッテリシステム110の複数のBPMU内の各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)から受信することができる。本明細書においてさらに説明されるように、複数のBPMUから受信されるバッテリデータに基づいて、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリシステム110によって実施される充電プロセスを判定することができる。マルチストリングコーディネータ200は、バッテリデータを各BMS(例えば、BMS-1 122、BMS-2 132、およびBMS-N 142)から受信することができる。本点において、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリデータを各BMS(例えば、BMS-1 122、BMS-2 132、およびBMS-N 142)から要求することができ、バッテリデータを要求することに応答して、各BMS(例えば、BMS-1 122、BMS-2 132、およびBMS-N 142)は、各BPMU(例えば、BPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)と関連付けられるバッテリデータをマルチストリングコーディネータ200に伝送することができる。種々の実施形態では、各BMS(例えば、BMS-1 122、BMS-2 132、およびBMS-N 142)は、バッテリデータをそれぞれ(例えば、BMS-1 122、BMS-2 132、およびBMS-N 142)からマルチストリングコーディネータ200に自動的かつ/または持続的に伝送することができる(すなわち、本明細書において先に説明されるように、マルチストリングコーディネータ200が「オン」状態であることに応答して)。種々の実施形態では、バッテリデータは、電圧データ、電流データ、温度データ、容量データ等を含むことができる。本点において、マルチストリングコーディネータ200はまた、飛行の間等、充電することに先立って、動作データを先の飛行サイクルまたは同等物から受信することもできる。本開示は、本点において、限定されない。種々の実施形態では、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータ200は、動作データを個別の飛行サイクルから(例えば、本明細書においてさらに説明されるように、充電システム501の監視システム540に)オフボードで伝送するように構成されることができる。換言すると、種々の実施形態による、個別の飛行サイクルの間に蓄積される動作データは、マルチストリングコーディネータ200のメモリ内に一時的に記憶され、充電器102がマルチストリングコーディネータ200に電気的に結合されていることに応答して、監視システム540または同等物にオフボードで伝送されることができる。
【0049】
種々の実施形態では、プロセス300はさらに、マルチストリングコーディネータ200を介して、バッテリモジュールの第1のストリング(例えば、BPMU-1 120のバッテリモジュール124のストリング)とバッテリモジュールの第2のストリング(例えば、BPMU-2 130のバッテリモジュール134のストリング)との間のストリング不平衡が、ストリング不平衡閾値を超過するかどうかを判定すること(ステップ304)を含む。本点において、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリモジュール124のストリングおよびバッテリモジュール134のストリングの電圧差パーセントを電圧差閾値と比較することができる。電圧差閾値に基づいて、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリモジュール124のストリングおよびバッテリモジュール134のストリングが、ともに充電され得るかどうか、またはバッテリモジュール124のストリングおよびバッテリモジュール134の第2のストリングのうちの1つが、バッテリモジュール124のストリングとバッテリモジュール134のストリングとの間のストリング不平衡を補正するために、最初に充電されるべきかどうかを決定することができる。
【0050】
種々の実施形態では、プロセス300はさらに、マルチストリングコーディネータ200を介して、ストリング不平衡がストリング不平衡閾値を超過することに応答して、第1のバッテリ電力管理ユニット(例えば、BPMU-1 120)に、バッテリモジュールの第1のストリング(例えば、バッテリモジュール124のストリング)を充電するようにコマンドすること(ステップ306)を含む。ステップ306におけるコマンドすることに応答して、第1のBMS(例えば、BMS-1 120)は、(例えば、BMS-1 122を介して、充電器102を通して)バッテリモジュール124のストリングを第1の電圧から第2の電圧に充電する(ステップ308)ことができる。本点において、バッテリモジュール124のストリングの第1の電圧が、バッテリモジュール134のストリングの電圧よりも低く、電圧差パーセントが、閾値パーセント差よりも大きいことに応答して、バッテリモジュール124のストリングは、バッテリモジュール124のストリングの第1の電圧とバッテリモジュール134のストリングの電圧との間の電圧差パーセントを閾値パーセント差よりも小さい電圧差パーセントまで低減させるであろう第2の電圧に充電されることができる。
【0051】
種々の実施形態では、ステップ304、306、および308は、バッテリシステム110における複数のBPMU内のBPMU(例えば、BMS-1 122、BMS-2 132、およびBMS-N 142)毎に実施されることができる。例えば、バッテリシステム110における複数のBPMU内のBPMUの全てを充電することに先立って、マルチストリングコーディネータ200は、BPMUの全てが、相互に閾値電圧差を下回っていることを確実にすることができる。換言すると、種々の実施形態による、バッテリモジュールの各ストリング(例えば、バッテリモジュール124、134、144のストリング)は、充電器102を介して、バッテリモジュールのストリングの全てをともに充電することに先立って、相互から設定された電圧差パーセント内にあり得る。本点において、種々の実施形態による、バッテリシステム110における複数のBPMUは、効率的かつ有効に充電されることができる。
【0052】
種々の実施形態では、プロセス300はさらに、マルチストリングコーディネータ200を介して、ストリング不平衡がストリング不平衡閾値を下回ることに応答して、バッテリシステム110における複数のBPMUにともにコマンドすること(ステップ310)を含む。本点において、バッテリシステム110における複数のBPMUは、バッテリシステム110における全てのBPMUが、バッテリシステム110における任意の他のBPMUに対してストリング不平衡閾値を下回るため、BUS電圧において充電されることができる。
【0053】
ここで
図1および3を参照すると、種々の実施形態による、
図1からのマルチストリングコーディネータ200を動作させるためのプロセス400(
図3)が、図示されている。種々の実施形態では、プロセス400は、コントローラ202を介して、マルチストリングコーディネータ200に電気的に結合される充電器102と関連付けられる充電器識別情報を受信すること(ステップ402)を含む。本点において、本明細書において先に説明されるように、マルチストリングコーディネータ200の充電インターフェース210は、複数の充電器とインターフェースをとるように構成される。例えば、種々の実施形態による、充電インターフェース210は、米国式コンバインド充電システム(「CCS1」)、欧州式コンバインド充電システム(「CCS2」)、Chademo、GBT、または任意の他の電気車両充電システム、もしくは新たに出現する航空宇宙標準充電システムとインターフェースをとることができる。したがって、マルチストリングコーディネータ200は、充電器102から、充電器102がどのタイプの充電器であるかを示す、充電器識別情報を受信することができる。種々の実施形態では、充電器識別情報を受信することに応答して、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリシステム110の充電限界値を修正する(すなわち、急速充電または同等物を促進する)ことができる。
【0054】
種々の実施形態では、プロセス400はさらに、プロセッサを介して、充電器識別情報および充電器の容量のうちの1つを、バッテリシステム110の第1のバッテリ給電管理ユニット(例えば、BPMU-1 120)および第2のバッテリ給電管理ユニット(例えば、BPMU-2 130)に伝送すること(ステップ404)を含む。本点において、充電器102のタイプに基づいて、バッテリシステム110に関する充電プロトコルが、変更され得る。例えば、種々の充電器が、異なる容量、放電率等を有し得る。したがって、充電器識別情報およびバッテリシステム110の容量のうちの1つを伝送することに応答して、バッテリシステム110の第1のバッテリ給電管理ユニット(例えば、BPMU-1 120)および第2のバッテリ給電管理ユニット(例えば、BPMU-2 130)は、充電器102の容量に基づいて充電される(ステップ406)。
【0055】
種々の実施形態では、プロセス400はさらに、プロセッサを介して、バッテリシステム110の第1のバッテリ給電管理ユニット(例えば、BPMU-1 120)および第2のバッテリ給電管理ユニット(例えば、BPMU-2 130)に関する充電閾値を管理すること(ステップ408)を含む。本明細書において言及されるように、充電閾値を管理することは、各バッテリ給電管理ユニット(例えば、BPMU-1 120のBMS-1 122、BPMU-2のBMS-2 132、BMS-N 140のBPMU-N 142)から、個別のバッテリ給電管理ユニットの充電データ(例えば、電圧データ、電流データ等)を受信することと、充電閾値(例えば、BPMUまたは同等物の電圧閾値)が超過していることを判定することに基づいて、(例えば、充電器102にコマンドすることによって)充電プロトコルを修正することとを含む。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、ステップ402からの充電器識別情報に基づいて、充電器102がステップ408のために修正され得るかどうかを判定することができる。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、充電プロトコルを修正するために充電器102にコマンドすることに先立って、エネルギー貯蔵装置101の熱管理システムが、修正を取り扱うことができるかどうかを判定し得る。
【0056】
ここで
図4を参照すると、種々の実施形態による、電気車両100(例えば、電気を動力源とする航空機)のための充電エコシステム500の概略図が、図示されている。充電エコシステム500は、本明細書において先に説明されるような電気車両100のエネルギー貯蔵システム101と、充電システム501とを備える。充電システム501は、モバイル充電システム(すなわち、ある場所から別の場所まで輸送されるように構成される充電システム)を備え得るが、しかしながら、本開示は、本点において、限定されない。本明細書において言及されるような「モバイル充電システム(mobile charging system)」は、車輪付き車両(例えば、トラック、昇降機、小型トラック、バス、特殊車両、または同等物)または非車輪付き車両(例えば、連続軌道システム、列車システムを伴う車両等)に固定して結合される、バッテリシステムを指す。
【0057】
充電システム501は、バッテリシステム510を備える。電気車両100は、本明細書において先に説明される、バッテリシステム110を含む、エネルギー貯蔵システム101を備える。本明細書に説明されるような「バッテリシステム(battery system)」は、複数のバッテリモジュール(例えば、
図1に示されるような一連のバッテリモジュール)を指す。
【0058】
種々の実施形態では、充電システム501は、バッテリシステム510と、双方向性直流(「DC」)/DC変換器520と、制御システム530と、監視システム540とを備える。種々の実施形態では、バッテリシステム510は、複数のバッテリモジュール(すなわち、
図1からのバッテリモジュール124、134、144のストリングのバッテリモジュールによる)を含んでもよい。種々の実施形態では、バッテリシステム510は、電気車両100のバッテリシステム110(すなわち、
図2からのプロセス300による)を充電するように構成される。種々の実施形態では、バッテリシステム510は、(例えば、AC/DC入力電力を受信するように構成される)固着された配電網または同等物を介して充電されるように構成される。種々の実施形態では、双方向性DC/DC変換器520は、制御システム530と動作可能に通信している。本点において、制御システム530は、DC/DC変換器520を通して、バッテリシステム510を介して、電気車両100のバッテリシステム110の充電を制御するように構成され得る。種々の実施形態では、バッテリシステム510は、車両内に搭載され得る。種々の実施形態では、バッテリシステム510は、充電システム501のエネルギー貯蔵システムのコンポーネントであり得る。
【0059】
種々の実施形態では、充電エコシステム500は、高電力DC急速充電のために構成される、コンバインド充電システム(CCS)570を備える。米国式コンバインド充電システム(「CCS1」)を備えるものとして図示されるが、充電システムは、本点において、限定されない。例えば、コンバインド充電システム570は、種々の実施形態による、欧州式コンバインド充電システム(「CCS2」)、Chademo、GBT、または任意の他の新たに出現する航空宇宙標準充電システムを備えてもよい。
【0060】
種々の実施形態では、充電システム501は、電気ケーブル572を含む。電気ケーブル572は、双方向性DC/DC変換器520からコンバインド充電システム570のコンボプラグ574まで延在する。コンバインド充電システム570のコンボプラグ574は、コンバインド充電システム570のソケット(例えば、
図1に示されるようなマルチストリングコーディネータ200の充電インターフェース210)に電気的に結合されるように構成される。種々の実施形態では、コンボプラグ574は、充電システム501のコンポーネントであり、ソケットは、マルチストリングコーディネータ200のコンポーネントである。
【0061】
種々の実施形態では、双方向性DC/DC変換器520は、インピーダンス合致デバイスとして作用するように構成される。加えて、種々の実施形態による、双方向性DC/DC変換器520は、電力が、エネルギー貯蔵システム101のバッテリシステム110の各バッテリ電力管理ユニット(例えば、
図1からのBPMU-1 120、BPMU-2 130、およびBPMU-N 140)間を往復することを可能にするように構成され、それによって、あらゆる充電サイクルにおける高度なバッテリの健全性状態の推定を有効にする。したがって、種々の実施形態による、各充電サイクルは、電気車両100のバッテリシステム110のバッテリモジュールのストリング(例えば、バッテリモジュール124のストリング、バッテリモジュール134のストリング、およびバッテリモジュール144のストリング)内の各バッテリモジュールの健全性状態(「SoH」)を査定するための機会であり得、これは、各飛行に先立って、各バッテリモジュールを稼働させるために利用されてもよい。
【0062】
種々の実施形態では、制御システム530は、監督制御およびデータ入手システム(「SCADA」)を備える。本点において、SCADAシステムは、遠隔場所から、充電システム501のプロセスを監視および制御するように構成されてもよい。
【0063】
種々の実施形態では、監視システム540は、監視システム540が、マルチストリングコーディネータ200に電気的に結合されることに応答して、または電気車両100が、監視システム540の無線ネットワークの範囲内にある状態であることに応答して、マルチストリングコーディネータ200と動作可能に通信している。種々の実施形態では、監視システム540は、遠隔テレメトリ(すなわち、マルチストリングコーディネータ200の事象を監視および報告するように構成される、マイクロプロセッサベースの遠隔デバイスを伴う、遠隔テレメトリユニット(「RTU」))を備える。監視システム540は、無線または有線接続を通して、電気車両100のマルチストリングコーディネータ200と通信するように構成され得る。種々の実施形態では、監視システム540は、無線または有線接続を通したデータ収集のために、充電事象または同等物の間に受信される任意のデータを外部サーバに伝送するように構成され得る。本開示は、本点において、限定されない。種々の実施形態では、マルチストリングコーディネータ200は、無線ネットワークを介して、監視システム540と通信する。本点において、マルチストリングコーディネータ200が、無線ネットワークの範囲内にある状態であることに応答して、マルチストリングコーディネータ200は、バッテリシステム110の動作履歴に関連する情報を監視システム540に転送するように構成されてもよい。本点において、種々の実施形態による、バッテリシステム110は、耐空性に関して持続的に監視され得る。
【0064】
種々の実施形態では、本明細書において先に説明されるように、マルチストリングコーディネータ200は、データ取扱能力を含む。本点において、種々の実施形態による、マルチストリングコーディネータ200は、飛行の間に、バッテリデータをバッテリシステム110から受信し、それを記録し、そのバッテリデータを充電システム501の監視システム540に伝送することができる。
【0065】
さらに、充電システム501は、随意に、遠隔システムと接続されていることができ、バッテリシステム510およびバッテリシステム110を充電および/または放電するように構成され得る。それと関連して、バッテリシステム510、バッテリシステム110、および各バッテリシステム内の個々のバッテリモジュールのそれぞれのSoHを判定するために、充電および/または放電することが、実施され得る。したがって、バッテリシステム510、110の各モジュールのSoHは、航空機が充電システム501に接続される毎に把握され得、バッテリの取換の望ましさは、各航空機の充電セッションにおいて、リアルタイムに査定され得る。加えて、取換が、望ましいと示される場合、取換モジュールは、すでに航空機に近接して位置しており、その現在のSoHは、把握されている。
【0066】
種々の実施形態では、SoHは、測定される方法、予測される方法、または測定される方法と予測される方法との組み合わせによって判定され得る。種々の実施形態では、SoHは、負荷の下で測定され、内部インピーダンスを測定するために使用される電圧差から判定され得る。種々の実施形態では、SoHは、放電サイクルの大きい深度の間に供給または受信される、測定されるエネルギーに基づいて判定され得る。種々の実施形態では、SoHは、国防省の容量試験に基づいて判定され得る。本開示は、本点において、限定されない。
【0067】
利益、他の利点、および問題に対する解決策が、具体的な実施形態に関して、本明細書において説明されている。さらに、本明細書内に含有される種々の図において示される接続線は、種々の要素間の例示的な機能上の関係および/または物理的結合を表すことが意図される。多くの代替または付加的な機能上の関係または物理的接続が、実践的なシステムにおいて存在し得ることに留意されたい。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせる、またはより顕著な状態にさせ得る任意の要素は、本開示の重要かつ要求される、または不可欠な特徴または要素として解釈されないものとする。本開示の範囲は、故に、添付の請求項以外のいずれによっても限定されず、その中で単数形における要素の言及は、明示的にそのように述べられない限り、「唯一のもの(one and only one)」を意味することは意図されず、むしろ「1つ以上(one or more)」を意味することが意図される。さらに、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」に類似する語句が、請求項において使用される場合、その語句は、「A単独」が、ある実施形態において存在し得ること、「B単独」が、ある実施形態において存在し得ること、「C単独」が、ある実施形態において存在し得ること、または要素A、B、およびCの任意の組み合わせ、例えば、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBならびにCが、単一の実施形態において存在し得ることを意味するものとして解釈されることが意図される。異なるクロスハッチングが、図全体を通して使用され、異なる部品を示すが、必ずしも、同一または異なる材料を示すわけではない。
【0068】
システム、方法、および装置が、本明細書において提供される。本明細書における詳細な説明では、「一実施形態(one embodiment)」、「ある実施形態(an embodiment)」、「種々の実施形態(various embodiments)」等の言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、あらゆる実施形態が、必ずしも、その特徴、構造、または特性を含むわけではない場合があることを示す。さらに、そのような語句は、必ずしも、同一の実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、ある実施形態と関連して説明されるとき、これは、明示的に説明されるかどうかにかかわらず、他の実施形態と関連して、そのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内であることが、提起される。本説明を熟読後、当業者にとって、代替の実施形態において本開示を実装する方法は、明白であろう。
【0069】
さらに、本開示における要素、コンポーネント、または方法ステップはいずれも、その要素、コンポーネント、または方法ステップが、請求項において明示的に列挙されるかどうかにかかわらず、公衆に公開されることは意図されない。本明細書における請求項の要素はいずれも、その要素が、明示的に、語句「~のための手段(means for)」を使用して列挙されない限り、米国特許法第112条(f)第35章の規定下で解釈されないものとする。本明細書において使用されるように、用語「~を備える(comprises)」、「~を備える(comprising)」、またはそれらの任意の他の変形例は、非排他的な包含を網羅することが意図され、したがって、要素の一覧を備えるプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素のみを含まず、明示的に列挙されない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得る。
【0070】
最後に、上記に説明される概念はいずれも、単独で、または他の上記に説明される概念のいずれかまたは全てと組み合わせて使用されることができる。種々の実施形態が、開示され、説明されているが、当業者は、ある修正が、本開示の範囲内に該当することを認識するであろう。故に、本説明は、網羅的であること、または本明細書において説明または例証される原理を任意の精密な形態に限定することは意図されない。上記の教示を考慮した多くの修正および変形例が、可能性として考えられる。
【外国語明細書】