(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111819
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】プラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール及びそれを有するプラズマ装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
H05H1/46 R
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014118
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】10-2023-0015658
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521036654
【氏名又は名称】コリア インスティテュート オブ フュージョン エナジー
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンシク
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084CC04
2G084CC12
2G084CC13
2G084DD53
2G084DD55
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH24
2G084HH28
2G084HH43
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラズマを利用した基板処理時にプラズマ発生及び維持のために印加される電流/電圧、入射波及び反射波電力を測定するプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュールに関する。
【解決手段】プラズマが形成され、基板処理実行のための密閉された処理空間(S)を形成するプロセスチャンバ(10)と、基板(W)が載置される基板支持部(11)と、前記処理空間(S)に工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部(12)と、を含み、RF電源(30)を印加して基板処理を行う基板処理装置において、前記RF電源(30)の印加のための第1電源印加線(110)及び接地のための接地線(120)の少なくとも1つの印加線に隣接して設けられ、前記処理空間(S)で発生したプラズマにより発生されるRF電圧、電流、入力波と反射波の電力を測定することを特徴とするプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュールを開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマが形成され、基板処理実行のための密閉された処理空間を形成するプロセスチャンバと、
前記処理空間に設けられ、基板が載置される基板支持部と、
前記処理空間に工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、
を含み、
前記プロセスチャンバ、前記基板支持部及び前記ガス噴射部の少なくとも一方に1つ以上のRF電源を印加して基板処理を行う基板処理装置において、
前記RF電源の印加のための第1電源印加線及び接地のための接地線の少なくとも1つの印加線に隣接して設けられ、前記処理空間で発生したプラズマにより発生されるRF電圧、電流、入力波と反射波の電力を測定することを特徴とするプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項2】
前記印加線に隣接し、入力波によって出力される電力を測定するための第1方向性結合器と、
前記印加線に隣接し、反射波によって出力される電力を測定するための第2方向性結合器と、
前記印加線に隣接して設けられ、コンデンサの原理を利用して前記RF電圧を測定する電圧測定部と、
前記印加線に隣接して設けられ、インダクタンスの原理を利用して前記RF電流を測定する電流測定部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項3】
前記第1方向性結合器及び前記第2方向性結合器は、
インダクタンス素子の巻線方向が異なる方向を有することを特徴とする請求項2に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項4】
前記第1方向性結合器は、
前記印加線に隣接し、前記印加線と相互作用するコンデンサ素子及びインダクタンス素子が組み合わせられ、前記印加線に流れる入射波方向を基準に巻線されるLC組み合わせ回路部と、
一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部の一端に接続される第1リファレンス抵抗素子と、一端が第1出力ポートと接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部の一端に接続される第2リファレンス抵抗素子とを含む抵抗素子部を含み、
前記第2方向性結合器は、
前記印加線に隣接し、前記印加線と相互作用するコンデンサ素子及びインダクタンス素子が組み合わせされ、前記印加線に流れる反射波方向を基準に巻線されるLC組み合わせ回路部と、
一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部の一端に接続される第3リファレンス抵抗素子と、一端が第2出力ポートと接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部の一端に接続される第4リファレンス抵抗素子とを含む抵抗素子部と、を含むことを特徴とする請求項3に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項5】
前記第1方向性結合器は、前記抵抗素子部及び前記LC組み合わせ回路部の間で分岐される分岐点に1つ以上のフィルタ部が設けられ、
前記第2方向性結合器は、前記抵抗素子部及び前記LC組み合わせ回路部の間で分岐される分岐点に1つ以上のフィルタ部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項6】
前記印加線の少なくとも一部が挿入されるように、前記印加線の外径よりも大きい内径を有する挿入部が形成されたPCBボードを含み、
前記第1方向性結合器のコンデンサ素子及び前記第2方向性結合器のコンデンサ素子は、前記挿入部の内周面に円周方向に沿って間隔を置いて形成された複数のコンデンサ部を含み、
前記第1方向性結合器のインダクタンス素子及び前記第2方向性結合器のインダクタンス素子は、前記PCBボードを貫通し、1回以上巻回して互いに隣接する前記コンデンサ部と終端を接続する巻回部を含むことを特徴とする請求項4に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項7】
前記巻回部は、前記PCBボードの上面及び底面に形成された金属パターン部と、前記PCBボードを上下に貫通し、前記金属パターン部を電気的に接続する垂直接続部と、を含むことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項8】
前記電圧測定部は、
前記挿入部の内周面、前記挿入部の縁の上面及び底面の少なくとも一方に予め設定された角度で円周方向に沿って形成されたコンデンサ部と、
前記コンデンサ部に接続される第3出力ポート部と、を含むことを特徴とする請求項6に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項9】
前記コンデンサ部及び前記第3出力ポート部の間における分岐点及び第1接地部の間には、抵抗素子部と第3フィルタ部の少なくとも一方が設けられていることを特徴とする請求項8に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項10】
前記電流測定部は、
前記挿入部の内周面を基準に前記電圧測定部よりも遠くに前記電圧測定部と同心をなし、前記PCBボードを貫通し、1回以上巻回するインダクタンス部と、
前記インダクタンス部に接続される第4出力ポート部と、を含むことを特徴とする請求項7に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項11】
前記インダクタンス部及び前記第4出力ポート部の間における分岐点及び第2接地部の間には、抵抗素子部及び第4フィルタ部の少なくとも一方が設けられていることを特徴とする請求項10に記載のプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール。
【請求項12】
プラズマが形成される密閉された処理空間を形成するプロセスチャンバと、
前記処理空間で発生したプラズマにより発生されるRF電圧、電流、入力波と反射波の電力を測定することを特徴とするプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュールと、を含み、
前記プラズマ装置は、請求項1~11のいずれか1項に記載の電流/電圧/電力測定モジュールであることを特徴とするプラズマ装置。
【請求項13】
前記処理空間に設けられ、基板が載置される基板支持部と、
前記処理空間に工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、を含み、
プラズマにより基板を処理することを特徴とする請求項12に記載のプラズマ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ装置に関し、より具体的には、プラズマを利用した基板処理時にプラズマ発生及び維持のために印加される電流/電圧、さらに入射波及び反射波電力を測定するプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール及びそれを有するプラズマ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマ装置は、密閉された処理空間にプラズマ状態を形成して基板処理を行う装置をいう。
【0003】
また、プラズマ装置は、プラズマ形成原理に応じてCCP、ICPなど様々な構造を有するプラズマソースを有することができる。
【0004】
一例として、プラズマ装置は、
図1に示すように、プラズマが形成され、基板処理実行のための密閉された処理空間(S)を形成するプロセスチャンバ(10)と、前記処理空間(S)に設けられ、基板(W)が載置される基板支持部(11)と、前記処理空間(S)に工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部(12)と、を含んで構成されるのが一般的である。
【0005】
一方、均一な基板処理固定と再現性のある工程を行うためには、処理空間(S)に形成されるプラズマの制御を伴い、プラズマ制御のためにプラズマ状態をモニタリングするための様々な方案が提示されている。
【0006】
基板処理装置の処理空間(S)で発生するプラズマ状態を直接的に測定するための手段としてVI probeが提供されており、従来のVI probeは、RF電圧/電流測定の正確性を確保したが、RF電圧電流波形から位相差を測定してIVcos(θ)で伝達パワーを計算する従来の技術では伝達パワー測定に対する信頼性の確保が難しい問題があった。
【0007】
即ち、基板処理装置の処理空間(S)で発生するプラズマ状態測定のために使用される従来の商用化された位相差を利用した伝達パワー測定方式(VI probe)は、プラズマに伝達されるRF電力の測定及び制御に難しい多くの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するために、RF電力測定を電圧電流の位相差検出、すなわち、ベクトルの原理ではない進行波電力(Forward power)の量と反射波電力(reflect power)の量、すなわち、スカラー値を検出できるようにコンデンサ及びインダクタの性質を同時に有するように構成され、プラズマ形成のために印加される電力を測定できるプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール及びそれを有するプラズマ装置を提供することにある。
【0009】
即ち、本発明は、処理空間Sに入力されるRF電力をRF電圧、電流、進行波電力及び反射波電力のような4つのパラメータを1つのモジュールで測定できる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記の本発明の目的を達成するために創出されたものであり、プラズマが形成され、基板処理実行のための密閉された処理空間を形成するプロセスチャンバと、前記処理空間に設けられ、基板が載置される基板支持部と、前記処理空間に工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、を含み、 前記プロセスチャンバ、前記基板支持部及び前記ガス噴射部の少なくとも一方に1つ以上のRF電源を印加して基板処理を行う基板処理装置において、前記RF電源の印加のための第1電源印加線及び接地のための接地線の少なくとも1つの印加線に隣接して設けられ、前記処理空間で発生したプラズマにより発生されるRF電圧、電流、入力波と反射波の電力を測定することを特徴とするプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュールを開示する。
【0011】
本発明による電流/電圧/電力測定モジュールは、入力波によって出力される電力を測定するための第1方向性結合器と、反射波によって出力される電力を測定するための第2方向性結合器と、を含む。
【0012】
前記第1方向性結合器は、前記印加線に隣接し、前記印加線と相互作用するコンデンサ素子及びインダクタンス素子が組み合わせられ、前記印加線に流れる入射波方向を基準に巻線されるLC組み合わせ回路部と、一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部の一端に接続される第1リファレンス抵抗素子と、一端が第1出力ポートと接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部の一端に接続される第2リファレンス抵抗素子とを含む抵抗素子部と、を含む。
【0013】
前記第2方向性結合器は、前記印加線に隣接し、前記印加線と相互作用するコンデンサ素子及びインダクタンス素子が組み合わせされ、前記印加線に流れる反射波方向を基準に巻線されるLC組み合わせ回路部と、一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部の一端に接続される第3リファレンス抵抗素子と、一端が第2出力ポートと接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部の一端に接続される第4リファレンス抵抗素子とを含む抵抗素子部と、を含む。
【0014】
前記第1方向性結合器は、前記抵抗素子部及び前記LC組み合わせ回路部の間で分岐される分岐点に1つ以上のフィルタ部が設けられている。
【0015】
前記第2方向性結合器は、前記抵抗素子部及び前記LC組み合わせ回路部の間で分岐される分岐点に1つ以上のフィルタ部が設けられている。
【0016】
前記印加線の少なくとも一部が挿入されるように、前記印加線の外径よりも大きい内径を有する挿入部が形成されたPCBボードを含み、前記第1方向性結合器のコンデンサ素子及び前記第2方向性結合器のコンデンサ素子は、前記挿入部の内周面に円周方向に沿って間隔を置いて形成された複数のコンデンサ部を含み、前記第1方向性結合器のインダクタンス素子及び前記第2方向性結合器のインダクタンス素子は、前記PCBボードを貫通し、1回以上巻回して互いに隣接する前記コンデンサ部と終端を接続する巻回部を含む。
【0017】
前記巻回部は、前記PCBボードの上面及び底面に形成された金属パターン部と、前記PCBボードを上下に貫通し、前記金属パターン部を電気的に接続する垂直接続部と、を含む。
【0018】
前記電圧測定部は、前記挿入部の内周面、前記挿入部の縁の上面及び底面の少なくとも一方に予め設定された角度で円周方向に沿って形成されたコンデンサ部と、前記コンデンサ部に接続される第3出力ポート部と、を含む。
【0019】
前記コンデンサ部及び前記第3出力ポート部の間における分岐点及び第1接地部の間には、抵抗素子部と第3フィルタ部の少なくとも一方が設けられている。
【0020】
前記電流測定部は、前記挿入部の内周面を基準に前記電圧測定部よりも遠くに前記電圧測定部と同心をなし、前記PCBボードを貫通し、1回以上巻回するインダクタンス部と、前記インダクタンス部に接続される第4出力ポート部と、を含む。
【0021】
前記インダクタンス部及び前記第4出力ポート部の間における分岐点及び第2接地部の間には、抵抗素子部及び第4フィルタ部の少なくとも一方が設けられている。
【0022】
本発明はまた、プラズマが形成される密閉された処理空間を形成するプロセスチャンバと、前記処理空間で発生したプラズマにより発生されるRF電圧、電流、入力波と反射波の電力を測定することを特徴とするプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュールと、を含み、前記電圧/電力測定モジュールは、前述のような構成を有する電流/電圧/電力測定モジュールであることを特徴とするプラズマ装置を開示する。
【0023】
前記処理空間に設けられ、基板が載置される基板支持部と、前記処理空間に工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、を含み、プラズマにより基板を処理する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によるプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール及びそれを有するプラズマ装置は、RF電源印加及びプラズマ形成によって発生される電圧及び電流を測定するとともに、LC組み合わせ回路を利用して入射波及び反射波の電力を測定することにより、基板処理実行のための処理空間で発生するプラズマ状態を測定することができ、工程遂行のためのプラズマ制御を行うことができるという利点がある。
【0025】
具体的に、本発明によるプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール及びそれを有するプラズマ装置は、電流及び電圧測定のための構成に加えて、反射波の電力測定のための第1方向性結合器と入射波の電力測定のための第2方向性結合器とを含むことにより、プラズマ発生及び維持のために印加される電流/電圧/電力を測定することができ、工程遂行のためのプラズマ制御を正確に行うことができるという利点がある。
【0026】
さらに、本発明によるプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール及びそれを有するプラズマ装置は、プラズマ発生及び維持のために印加される電流/電圧、入射波及び反射波の電力測定のための構成を1つのPCBボードに実装することにより、簡単な構造によってプラズマ発生及び維持のために印加される電流/電圧/電力を測定することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による電流/電圧/電力測定モジュールが設けられるプラズマ装置の一例を示す概念図である。
【
図2】本発明による電流/電圧/電力測定モジュールを構成するPCBボードの一例を示す斜視図である。
【
図3a-3b】それぞれ
図2のPCBボードの平面図及び背面図である。
【
図4a】
図2のPCBボードに回路として実装された概念を示す概念図である。
【
図4b】
図4aのA部分を拡大した拡大斜視図である。
【
図4c】
図4aのB部分を拡大した拡大斜視図である。
【
図6】
図2における電流測定部のインダクタンス部を示す断面図である。
【
図7】本発明による電流/電圧/電力測定モジュールのうち、第1方向性結合器及び第2方向性結合器の等価回路図である。
【
図8】本発明による電流/電圧/電力測定モジュールのうち、電力測定部及び電圧測定部の等価回路図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明によるプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュール及びそれを有するプラズマ装置について添付の図面を参照して説明すると、以下の通りである。
【0029】
まず、本発明による電流/電圧/電力測定モジュールが使用されるプラズマ装置は、プラズマを形成して予め設定される機能を行う装置であり、プラズマの利用態様によって様々な構成が可能である。
【0030】
一例として、本発明による電流/電圧/電力測定モジュールが使用されるプラズマ装置は、処理空間Sにプラズマを形成して蒸着、エッチングなどの基板処理を行う装置であり、ICP(Inductively coupled plasma)、CCP(Conductively coupled plasma)等プラズマ形成構造に様々な構成が可能である。
【0031】
前記プラズマ装置は、一例として、
図1に示すように、プラズマが形成され、基板処理実行のための密閉された処理空間Sを形成するプロセスチャンバ10と、前記処理空間Sに設けられ、基板Wが載置される基板支持部11と、前記処理空間Sに工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部12と、を含むことができる。
【0032】
前記プロセスチャンバ10は、プラズマが形成され、基板処理実行のための密閉された処理空間Sを形成する構成であり、様々な構成が可能である。
【0033】
一例として、前記プロセスチャンバ10は、処理空間Sが形成される容器と、前記容器の上側に脱着可能に結合される上部リードなどで構成される。
【0034】
前記基板支持部11は、前記処理空間Sに設けられ、基板Wが載置される構成であり、様々な構成が可能である。
【0035】
一例として、前記基板支持部11は、基板Wが載置されるサセプタ部と前記サセプタ部の底面から延びて前記サセプタ部を支持する支持ロッド部とを含むことができる。
【0036】
前記ガス噴射部12は、前記処理空間Sに工程遂行のためのガスを噴射する構成であり、ガス噴射構造に応じて様々な構成が可能である。
【0037】
一例として、前記ガス噴射部12は、上側に設けられたガス供給管を介して供給されたガスを下側に噴射するシャワーヘッドで構成される。
【0038】
一方、前記プラズマ装置は、前記プロセスチャンバ10、前記基板支持部11及び前記ガス噴射部12の少なくとも一方に、1つ以上のRF電源30を印加して、基板処理を行うことに特徴がある。
【0039】
そのために、前記プロセスチャンバ10、前記基板支持部11及び前記ガス噴射部12の少なくとも一方に、1つ以上のRF電源30が印加され、RF電源30及び電源印加線110の間にはマッチング回路20が設けられる。
【0040】
また、前記RF電源30は、工程条件に応じて高周波及び低周波などの1つ以上のRF電源が印加することができる。
【0041】
一方、本発明によるプラズマ装置は、その利用態様に応じで様々な構成が可能であり、プラズマが形成される密閉された処理空間Sを形成するプロセスチャンバ10を必須構成とし、ガス噴射部12、基板支持部11などはその利用態様に応じて付帯的に備えることができる。
【0042】
即ち、本発明によるプラズマ装置は、プラズマが形成される密閉された処理空間Sを形成するプロセスチャンバ10と、前記処理空間Sで発生したプラズマにより発生されるRF電圧、電流、入力波と反射波の電力を測定することを特徴とするプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュールを含むことができる。
【0043】
また、前記プラズマ装置は、前記処理空間Sに設けられ、基板Wが載置される基板支持部11と、前記処理空間Sに工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部12とをさらに含み、このとき、プラズマによって基板Wを処理することができる。
【0044】
一方、本発明による電流/電圧/電力測定モジュール100は、
図1に示すように、前記RF電源30の印加のための第1電源印加線110及び接地のための接地線120の少なくとも1つの印加線100に隣接して設けられ、前記処理空間Sで発生したプラズマにより発生されるRF電圧、電流、入力波と反射波の電力を測定することに特徴がある。
【0045】
このとき、本発明による電流/電圧/電力測定モジュール100は、電流、電圧、特に電力測定原理に従って様々な構成が可能である。
【0046】
一例として、本発明による電流/電圧/電力測定モジュール100は、
図7~
図8に示すように、前記印加線に隣接し、入力波によって出力される電力を測定するための第1方向性結合器300と、前記印加線に隣接し、反射波によって出力される電力を測定するための第2方向性結合器400と、前記印加線100に隣接して設けられ、コンデンサの原理を利用して前記RF電圧を測定する電圧測定部500と、前記印加線100に隣接して設けられ、インダクタンスの原理を利用して前記RF電流を測定する電流測定部600と、を含むことができる。
【0047】
前記電圧測定部500は、前記印加線100に隣接して設けられ、コンデンサの原理を利用して前記RF電圧を測定する構成であり、様々な構成が可能である。
【0048】
一例として、前記電圧測定部500は、
図7に示すように、前記印加線100に隣接して設けられたコンデンサ部510と、前記コンデンサ部510と接続され、前記入力波の電圧を測定する第3出力ポート部710とを含むことができる。
【0049】
前記コンデンサ部510は、前記印加線100に隣接して設けられる構成であり、前記印加線100の外周側から予め設定された間隔で設けられ、回路的にコンデンサを構成する銅材質などのコンデンサ導体で構成されるなど様々な構成が可能である。
【0050】
このとき、前記印加線100の外周面及びコンデンサ導体間には、誘電率調整のための誘電物質が形成されることはもちろんである。
【0051】
前記第3出力ポート部710は、前記コンデンサ部510と接続され、前記印加線100に印加される入射波の電圧を測定する構成であり、様々な構成が可能である。
【0052】
特に、前記第3出力ポート部710は、後記するPCBボード220の縁に配線形状で形成することができる。
【0053】
また、前記第3出力ポート部710は、前記コンデンサ部510の長さを基準にして中間位置に接続されることが好ましい。
【0054】
一方、前記第3出力ポート部710及び前記コンデンサ部510の間における分岐点及び第1接地部730の間では、抵抗素子部520及び第3フィルタ部530の少なくとも1つが設けられ得る。
【0055】
前記第1接地部730は、外部タイミングとの結合を通じて接地するための構成であり、後記する接地端子と同様に構成することができる。
【0056】
前記抵抗素子部520及び第3フィルタ部530は、前記第3出力ポート部710に出力される電気信号によって前記入力波の電圧を安定的に測定することができるように設けられる電気素子であり、第3フィルタ部530は、抵抗、コンデンサ、コイルなどの組み合わせによって構成することができる。
【0057】
前記電流測定部600は、前記印加線100に隣接して設けられ、インダクタンスの原理を利用して前記RF電流を測定する構成であり、様々な構成が可能である。
【0058】
一例として、前記電流測定部600は、
図7に示すように、印加線100に隣接して設けられたインダクタンス部610と、前記インダクタンス部610と接続され、前記印加線100に流れる電流を測定する第4出力ポート部720を含むことができる。
【0059】
前記インダクタンス部610は、前記印加線100に隣接して設けられる構成であり、前記印加線100の外周側から予め設定された間隔で設けられ、回路的にインダクタンスを構成する銅材質などのインダクタンス配線で構成されるなど様々な構成が可能である。
【0060】
前記第4出力ポート部720は、前記インダクタンス部610と接続され、前記印加線100に流れる電流を測定する構成であり、様々な構成が可能である。
【0061】
特に、前記第4出力ポート部720は、後記するPCBボード220の縁に配線形状で形成することができる。
【0062】
また、前記第4出力ポート部720は、前記インダクタンス部610の長さを基準に一端に接続されることが好ましい。
【0063】
一方、前記第4出力ポート部720及び前記インダクタンス部610の間における分岐点及び第2接地部740の間では、抵抗素子部620及び第4フィルタ部630少なくとも1つが設け得る。
【0064】
前記第2接地部740は、外部タイミングとの結合を通じて接地のための構成であり、後記する接地端子と同様に構成することができる。
【0065】
前記抵抗素子部620及び第4フィルタ部630は、前記第3出力ポート部710に出力される電気信号によって前記入力波の電圧を安定的に測定することができるように設けられる電気素子であり、第4フィルタ部630は、抵抗、コンデンサ、コイルなどの組み合わせによって構成することができる。
【0066】
前記第1方向性結合器300は、前記印加線に隣接し、入力波によって出力される電力を測定するための構成であり、様々な構成が可能である。
【0067】
一例として、前記第1方向性結合器300は、
図8に示すように、前記印加線100に隣接し、前記印加線100と相互作用するコンデンサ素子311及びインダクタンス素子312が組み合わせられ、前記印加線100に流れる入射波方向を基準に巻線されるLC組み合わせ回路部310と、一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部310の一端に接続される第1リファレンス抵抗素子321と、一端が第1出力ポート323と接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部310の一端に接続される第2リファレンス抵抗素子322を含む抵抗素子部320と、を含むことができる。
【0068】
前記LC回路組み合わせ部310は、前記印加線100に隣接し、前記印加線100と相互作用するコンデンサ素子311及びインダクタンス素子312が組み合わせられ、前記印加線100に流れる入射波方向を基準に巻線される構成であり、特に、コンデンサ素子311及びインダクタンス素子312が組み合わせて構成されるなど、様々な構成が可能である。
【0069】
特に、前記インダクタンス素子312は、入射波の電力を測定することを考慮して、入射波の進行方向を基準にして順方向、すなわち入射波の進行方向を基準にして反時計回りの巻線構造を形成することが好ましい。
【0070】
また、前記コンデンサ素子311及びインダクタンス素子312は、互いに併合された構造を形成することを考慮して、全体として1つのコイルを構成すると、コイルの一部がコンデンサ部分を形成するように、印加線100の外周面に向く方向に板面を形成するように構成することができる。
【0071】
前記LC組み合わせ回路部310は、コンデンサ素子311及びインダクタンス素子312が組み合わせられ、1つの回路を構成することができる。
【0072】
前記抵抗素子部310は、一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部310の一端に接続される第1リファレンス抵抗素子321と、一端が第1出力ポート323と接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部310の一端に接続される第2リファレンス抵抗素子322を含む構成であり、様々な構成が可能である。
【0073】
前記第1リファレンス抵抗素子321は、一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部310の一端に接続される構成であり、予め設定された大きさの抵抗値、例えば、50Ωの値を有することができる。
【0074】
ここで、前記第1リファレンス抵抗素子321がPCBボード220に設けられるとき、後記するPCBボード220の縁に接地端子324形状で形成することができる。
【0075】
前記第2リファレンス抵抗素子322は、一端が第1出力ポート323と接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部310の一端に接続される構成であり、予め設定された大きさの抵抗値、例えば、第1リファレンス抵抗素子321と同じ抵抗値を有することができる。
【0076】
ここで、前記第1出力ポート323は、後記するPCBボード220の縁に端子として形成することができる。
【0077】
一方、前記第1方向性結合器300は、前記抵抗素子部320及び前記LC組み合わせ回路部310の間で分岐される分岐点に1つ以上のフィルタ部330が設けられ得る。
【0078】
前記フィルタ部330は、前記抵抗素子部320及び前記LC組み合わせ回路部310の間で分岐される分岐点に設けられる電気素子であり、コンデンサ、コイルなどで構成することができる。
【0079】
前記第2方向性結合器400は、前記印加線に隣接し、反射波によって出力される電力を測定するための構成であり、様々な構成が可能である。
【0080】
一例として、前記第2方向性結合器400は、
図8に示すように、前記印加線100に隣接して前記印加線100と相互作用するコンデンサ素子411及びインダクタンス素子412が組み合わせられ、前記印加線100に流れる反射波方向を基準に巻線されるLC組み合わせ回路部410と、一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部410の一端に接続される第3リファレンス抵抗素子421と一端が第2出力ポート423と接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部410の一端に接続される第4リファレンス抵抗素子422とを含む抵抗素子部420と、を含むことができる。
【0081】
前記LC回路組み合わせ部410は、コンデンサ素子411及びインダクタンス素子412が組み合わせられた構成であり、様々な構成が可能である。
【0082】
特に、前記インダクタンス素子412は、反射波の電力を測定することを考慮して、反射波の進行方向を基準にして順方向、すなわち反射波の進行方向-入射波と反射波は互いに反対方向をなすので、第1方向性結合器300のインダクタンス素子312の巻線方向及び前記第2方向性結合器400のインダクタンス素子412の巻線方向が互いに反対になる-を基準にして反時計回りの巻線構造を形成することが好ましい。
【0083】
また、前記コンデンサ素子411及びインダクタンス素子412は、互いに併合された構造を形成することを考慮して、全体として1つのコイルを構成すると、コイルの一部がコンデンサ部分を形成するように、印加線100の外周面に向く方向に板面を形成するように構成することができる。
【0084】
前記LC組み合わせ回路部410は、コンデンサ素子411及びインダクタンス素子412が組み合わせられ、1つの回路を構成することができる。
【0085】
前記抵抗素子部420は、一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部410の一端に接続される第3リファレンス抵抗素子421と、一端が第2出力ポート423と接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部410の一端に接続される第4リファレンス抵抗素子422とを含む構成であり、様々な構成が可能である。
【0086】
前記第3リファレンス抵抗素子421は、一端が接地され、他端が前記LC組み合わせ回路部410の一端に設置される構成であり、予め設定された大きさの抵抗値、例えば、50Ωの値を有することができる。
【0087】
ここで、前記第3リファレンス抵抗素子421がPCBボード220に設けられるとき、後記するPCBボード220の縁に接地端子424形状で形成することができる。
【0088】
前記第4リファレンス抵抗素子422は、一端が第2出力ポート423と接続され、他端が前記LC組み合わせ回路部410の一端に接続される構成であり、予め設定された大きさの抵抗値、例えば、第3リファレンス抵抗素子421と同じ抵抗値を有することができる。
【0089】
ここで、前記第2出力ポート423は、後記するPCBボード220の縁に端子として形成され得る。
【0090】
一方、前記第2方向性結合器400は、前記抵抗素子部420及び前記LC組み合わせ回路部410の間で分岐される分岐点に1つ以上のフィルタ部430が設けられ得る。
【0091】
前記フィルタ部430は、前記抵抗素子部420及び前記LC組み合わせ回路部410の間で分岐される分岐点に設けられる電気素子であり、コンデンサ、コイルなどで構成することができる。
【0092】
一方、前述のような構成を有する本発明によるプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュールは、1つのPCBボード220を含む1つのモジュールで構成することができる。
【0093】
すなわち、本発明によるプラズマ装置の電流/電圧/電力測定モジュールは、前記印加線100の少なくとも一部が挿入されるように、前記印加線100の外径よりも大きい内径を有する挿入部210が形成されたPCBボード220を含むことができる。
【0094】
前記挿入部210は、後記するコンデンサ素子311、411及びインダクタンス素子312、412が同じ条件を形成するために、印加線100の端面形状が円形であることを考慮して、一側が開放された円弧、円など様々な形状に形成することができる。
【0095】
また、前記印加線100の端面が矩形状に形成されるなど、条件によって前記挿入部210の形状は多角形に形成されることはもちろんである。
【0096】
一方、前記第1方向性結合器300のコンデンサ素子311及び前記第2方向性結合器400のコンデンサ素子411は、
図2~
図5に示すように、前記挿入部210の内周面に円周方向に沿って間隔を置いて形成された複数のコンデンサ部311a、411aを含み、前記第1方向性結合器300のインダクタンス素子312及び前記第2方向性結合器400のインダクタンス素子412は、前記PCBボード220を貫通し、1回以上巻回して隣接した前記コンデンサ部311a、411aと終端を接続する巻回部340、440を含むことができる。
【0097】
具体的な実施例として、前記第1方向性結合器300のコンデンサ素子311及び前記第2方向性結合器400のコンデンサ素子411は、挿入部210の内周面に予め設定された円弧角に沿って銅のような導電性材料で形成された複数のコンデンサ部311a、411aを含むことができる。
【0098】
前記複数のコンデンサ部311a、411aは、材料は、展開された状態で矩形状に形成され、挿入部210の内周面に沿って予め設定された間隔で形成することができる。
【0099】
一方、前記巻回部340、440は、前記第1方向性結合器300のインダクタンス素子312及び前記第2方向性結合器400のインダクタンス素子412は、前記PCBボード220を貫通し、1回以上巻回して隣接した前記コンデンサ部311a、411aと終端を接続する構成であり、コイル巻線の構造によって様々な構成が可能である。
【0100】
具体的な実施例として、前記巻回部340、440は、前記PCBボード220の上面及び底面に形成された金属パターン部810、820、830、840と、前記PCBボード220を上下に貫通し、前記金属パターン部810、820、830、840を電気的に接続する垂直接続部850を含むことができる。
【0101】
前記金属パターン部810、820、830、840は、前記PCBボード220の上面及び底面に形成された金属パターンであって、垂直接続部850とともに1つのコイルを形成する構成であり、様々なパターンで形成することができる。
【0102】
一例として、前記金属パターン部810、820、830、840は、時計回りを基準に前記コンデンサ部311aの後方終端で前記PCBボード220の上面から半径方向に延び、終端の部分に第1接続点811が設定された第1上部成分810と、時計回りを基準に前記コンデンサ部311aの前方終端で前記PCBボード220の底面から半径方向に延び、終端の部分に第2接続点821が設定された第1下部成分820と、前記第1接続点811の直下部に設定された第3接続点832と時計回りを基準に互いに隣接した前記コンデンサ部311aの間で前記PCBボード220の底面に設定された第4接続点831を接続する第2下部成分830と、前記第3接続点831の直上部に位置された第5接続点841と前記第2接続点821の直上部に設定された第6接続点842を接続する第2上部成分840と、を含むことができる。
【0103】
前記第1上部成分810、前記第2上部成分840、前記第1下部成分820及び前記第2下部成分830は、それぞれ前記PCBボード220の上面及び底面に銅のような電気導電性物質が形成された部分であり、前記コンデンサ部311a、411a及び後記する垂直接続部850と共に全体としてインダクタンス成分を形成する構成であり、様々な構成が可能である。
【0104】
一方、前記第1接続点811~第6接続点842は、前記第1上部成分810、前記第2上部成分840、前記第1下部成分820及び前記第2下部成分830において、垂直接続部850が上下に接続される部分として設定された位置であり、前記第1上部成分810、前記第2上部成分840、前記第1下部成分820及び前記第2下部成分830に対して垂直接続部850が接続される構造により、様々な構成が可能である。
【0105】
特に、前記第5接続点841及び前記第4接続点831は、前記挿入部210の内周面から前記第1接続点811及び前記第2接続点821よりも近くに形成することができる。
【0106】
前記垂直接続部850は、前記PCBボード220を上下に貫通し、前記金属パターン部810、820、830、840を電気的に接続する構成であり、前記第1接続点811及び前記第3接続点832の間、前記第6接続点842及び前記第2接続点821の間、前記第5接続点841及び前記第4接続点831の間をそれぞれ上下に電気的に接続する複数の接続部材850を含むことができる。
【0107】
一方、前記第2方向性結合器400の金属パターン部441及び垂直接続部442は、
図2~
図5に示すように、前記挿入部210の中心を基準に前記第1方向性結合器300の金属パターン部810、820、830、840及び垂直接続部850に対して線対称に形成されるが、詳細説明は省略する。
【0108】
参考までに、前記第2方向性結合器400のインダクタンス成分が前記第1方向性結合器300のインダクタンス成分と反対をなすところ、前記第1方向性結合器300の形成基準が時計回りである場合、前記第2方向性結合器400の形成基準は反時計回りを基準とする。
【0109】
一方、前記PCBボード220は、前記第1方向性結合器300及び前記第2方向性結合器400の前記LC組み合わせ回路部310、410が一側に形成され、残りの構成である前記抵抗素子部320、420及び前記フィルタ部330、430の少なくとも一部が他側に形成される。
【0110】
また、前述のような構成を有する前記PCBボード220は、平面形状が矩形状を形成し、前記LC組み合わせ回路部310、410及び挿入部210が形成された第1領域と、前記第1領域に接して前記抵抗素子部320、420が位置された第2領域に区分することができる。
【0111】
一方、前記第1領域に位置する前記LC組み合わせ回路部310、410及び前記第2領域に位置する前記抵抗素子部320、420は、前記PCBボード220の上面及び底面の少なくとも一方に形成された1つ以上の配線パターン390、490によって電気的に接続することができる。
【0112】
特に、前記配線パターン390、490は、前記第1領域に位置する前記LC組み合わせ回路部310、410及び前記第2領域に位置する前記抵抗素子部320、420の効率的な接続のために、前記PCBボード220の上面及び底面に適切に配置して形成することができる。
【0113】
また、前記第1領域及び前記第2領域の間には、前記LC組み合わせ回路部310、410が設けられた第1領域から電磁波を遮断するための1つ以上の配線パターン240が上面及び底面のうち少なくとも一面に形成することができる。
【0114】
一方、前記電圧測定部500は、前記PCBボード220に併合されて設けられる。
【0115】
具体的に、前記コンデンサ部510は、前記PCBボード220の第1領域に前記挿入部210の内周面、前記挿入部210の縁の上面及び底面の少なくとも一方に予め設定された角度で円周方向に沿って形成することができる。
【0116】
ここで、前記コンデンサ部510は、前記挿入部210の円周方向を基準に前記第1方向性結合器300のLC組み合わせ回路部310のコンデンサ素子311及び前記第2方向性結合器400のLC組み合わせ回路部410のコンデンサ素子311の間に位置することができる。
【0117】
また、前記抵抗素子部520は、前記PCBボード220の第2領域に設けることができる。
【0118】
そして、前記抵抗素子部520は、コンデンサ部510と前記PCBボード220の上面及び底面のうち少なくとも一面に形成された配線パターン590によって電気的に接続することができる。
【0119】
また、前記第3フィルタ部530は、前記抵抗素子部520及び前記コンデンサ部510の間、特に配線パターン590から分岐される分岐点であり、前記PCBボード220の任意の位置に設定することができる。
【0120】
また、前記電流測定部600は、前記PCBボード220に併合して設けることができる。
【0121】
前記インダクタンス部610は、前記挿入部210の内周面を基準に前記電圧測定部500よりも遠く前記電圧測定部500と同心をなして、前記PCBボード220を貫通し、1回以上巻回して前記第1領域に形成される。
【0122】
具体的に、前記インダクタンス部610は、前記PCBボード220の上面に前記挿入部210の半径方向に延び、円周方向に沿って間隔を置いて形成される複数の上部成分611と、前記上部成分611の外側一端の第1相部接続点で前記PCBボード220を上下に貫通して位置する第1下部接続点と隣接した上部成分611の内側他端の第2下部接続点との間を接続する下部成分612と、前記第1相部接続点と前記第1下部接続点を上下に電気的に接続する第1接続部613と、前記第2相部接続点と前記第2相部接続点で前記PCBボード220を上下に貫通して位置する第2下部接続点を上下に電気的に接続する第2接続部614を含むことができる。
【0123】
一方、前記抵抗素子部620は、前記PCBボード220の第2領域に設けることができる。
【0124】
そして、前記抵抗素子部620は、前記インダクタンス部610と前記PCBボード220の上面及び底面のうち少なくとも一面に形成された配線パターン690によって電気的に接続することができる。
【0125】
また、前記第4フィルタ部630は、前記抵抗素子部620及び前記インダクタンス部610の間、特に配線パターン690で分岐される分岐点であり、前記PCBボード220の任意に位置に設定することができる。
【0126】
一方、前記PCBボード220は、前記第2領域側から第1出力ポート323及び接地端子324、第2出力ポート423及び接地端子424、第1接地部730、第2接地部740、第3出力ポート710及び第4出力ポート720が、縁に端子形態で形成することができる。
【0127】
前記PCBボード220に形成された端子は、外部モジュールと接続され、各出力ポート323、423、710、720を介して電気信号が出力され、電流/電圧/電力の測定が可能になる。
【0128】
一方、前述のような構成を有する本発明による電流/電圧/電力測定モジュール200は、前記第1方向性結合器300及び前記第2方向性結合器400を利用して入射波及び反射波の電力を測定することができる。
【0129】
ところで、前記第1方向性結合器300及び前記第2方向性結合器400を介して出力される電気信号は、多くのノイズが含まれた状態で出力されるので、これに対する正しい抽出及び確認が必要である。
【0130】
そこで、本発明による電流/電圧/電力測定モジュール200は、工程条件に合わせて予め行われた実験を通じて予め構築されたルックアップテーブル(lookup table)、関係式等を通じて、印加線100に印加される電圧及び電流、入射波及び反射波の電力を測定することができる。
【0131】
一方、本発明において、電圧測定部500、電流測定部600、入射波電力測定のための第1方向性結合器300、反射波電力測定のための第2方向性結合器400を全て含む構成を挙げて説明したが、本発明は、必要に応じて前記電圧測定部500、電流測定部600、入射波電力測定のための第1方向性結合器300、反射波電力測定のための第2方向性結合器400の少なくとも1つの組み合わせによっても構成が可能であることはもちろんである。
【0132】
特に本発明は、必要に応じて、前記電圧測定部500、電流測定部600、入射波電力測定のための第1方向性結合器300、反射波電力測定のための第2方向性結合器400の少なくとも1つの組み合わせを1つのPCBに実装することもできることはもちろんである。
【0133】
以上は、本発明によって実施することができる好ましい実施例の一部について説明したものに過ぎず、周知のように本発明の範囲は、前記の実施例に限定して解釈されるべきではなく、前述した本発明の技術的思想とその根幹をなす技術思想はすべて本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
10 プロセスチャンバ
11 基板支持部
12 ガス噴射部
100 印加線
200 電流/電圧/電力測定モジュール