(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111821
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】チョコレート製品の生産用のロボット化ライン
(51)【国際特許分類】
A23G 1/20 20060101AFI20240809BHJP
【FI】
A23G1/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014455
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】23155056
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】524045312
【氏名又は名称】テクノ 3 エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポロ ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】サイニ マルコ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリシ リッカルド
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GB01
4B014GP05
4B014GP12
4B014GP27
4B014GQ05
4B014GT03
4B014GT20
4B014GU04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】チョコレート、チョコレートタブレット、チョコレートバーなどのチョコレート製品の生産方法、より具体的には、チョコレート製品の生産用のロボット化ラインを提供する。
【解決手段】キャスティングチャンバ2、冷蔵チャンバ3及び離型チャンバ4を備え、当該チャンバ2、3、4の各々は、生産プロセスの複数のステップ中にモールドを移動できる人型ロボット14、22、30を備える、チョコレート製品の生産用のロボット化ライン1。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モールドへと形成されるチョコレート製品の生産用のロボット化ラインであって、
・キャスティングマシンを有するキャスティングチャンバ、
・離型チャンバ、
・それぞれのモールドを受け入れるように構成されている座部を設けられた複数の棚を有する冷蔵チャンバ、ここで前記冷蔵チャンバは前記キャスティングチャンバ及び前記離型チャンバの間の中心位置に位置する、
・前記離型チャンバ内に位置する引入口部及び前記キャスティングチャンバ内に位置する排出口部を有するモールド移送コンベア、
・前記キャスティングチャンバ及び前記冷蔵チャンバの間の境界ゾーンに位置する振動ユニット、
・前記冷蔵チャンバ及び前記離型チャンバの間の境界ゾーンに位置するツイストユニット、
・前記キャスティングチャンバ内に位置し、且つ、前記モールド移送コンベアの前記排出口部から後続の空きモールドをピックし、後続のモールドを、それらを溶融したチョコレートで充填するために前記キャスティングマシンの近くに配置し、後続の満たされたモールドを前記振動ユニット内に置くように構成されている第1のロボット、
・前記冷蔵チャンバ内に位置し、且つ、前記振動ユニット内の後続の満たされたモールドをピックし、前記棚内に後続の満たされたモールドを配置し、前記棚から後続の満たされたモールドをピックし、それらを前記ツイストユニット内に配置するように構成されている第2のロボット、及び
・前記離型チャンバ内に位置し、且つ、前記ツイストユニット内の後続の満たされたモールドをピックし、後続の満たされたモールド6を空にし、後続の空きモールドを前記モールド移送コンベアの前記引入口部に配置するように構成されている第3のロボット
を備える、ロボット化ライン。
【請求項2】
複数の鉛直直立材及び複数の水平梁を有し、前記キャスティングチャンバ、前記離型チャンバ及び前記冷蔵チャンバを画定する複数の壁を有する、支持耐荷重性構造を備える、請求項1に記載のロボット化ライン。
【請求項3】
前記第1のロボット、前記第2のロボット、及び前記第3のロボットは、前記複数の鉛直直立材の上端部の近くに位置するそれぞれの支持部によって前記支持耐荷重性構造に固定されているそれぞれの基底部を有する、請求項2に記載のロボット化ライン。
【請求項4】
前記第1のロボット、前記第2のロボット、及び前記第3のロボットの前記基底部は、前記冷蔵チャンバを画定する前記支持耐荷重性構造の領域に固定されている、請求項3に記載のロボット化ライン。
【請求項5】
・前記モールド中の残留チョコレート製品を特定するために構成されている視覚システム;
・残留チョコレート製品を含む前記モールドを前記離型チャンバの外部へ移動するように構成されている退出モールドローラコンベア;及び
・前記モールドを前記離型チャンバ内部に再統合するように構成されているモールド再統合ローラコンベア
を有する離型済みモールド制御ステーションを備える、請求項1に記載のロボット化ライン。
【請求項6】
前記第1のロボット、前記第2のロボット、及び前記第3のロボットを連動させて制御するように構成されている電子制御ユニットを備える、請求項1に記載のロボット化ライン。
【請求項7】
前記キャスティングチャンバに入る前に前記モールド移送コンベアによって移動された前記モールドを加熱するように構成されているモールド加熱トンネルを備える、請求項1に記載のロボット化ライン。
【請求項8】
前記モールド移送コンベアの前記排出口部の近くに位置するモールド洗浄ユニットを備える、請求項1に記載のロボット化ライン。
【請求項9】
前記第3のロボットは、互いから独立して動作可能であり、前記モールドを把持し、それぞれのモールドに対してボードを押しつけて保持するようにそれぞれ構成されている、少なくとも2つのフィンガ及び少なくとも2つの加圧要素を備えるプライヤを備える、請求項1に記載のロボット化ライン。
【請求項10】
前記離型チャンバ内に位置し、且つ、単一のボードを分離し、前記ボードを前記ツイストユニット内に位置するそれぞれのモールドの上方に提供するように構成されているボードディスペンサを備える、請求項1に記載のロボット化ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チョコレート、チョコレートタブレット、チョコレートバーなどのようなチョコレート製品の生産に言及する。
【0002】
より具体的には、本発明はチョコレート製品の生産用のロボット化ラインに関する。
【背景技術】
【0003】
チョコレート製品の生産のために、所望の製品の形状を有する空洞を有する、様々なサイズのプラスチック又は金属モールドが、通常使用される。
【0004】
生産サイクルは通常、モールドが:キャスティングマシンでの充填、振動、冷却、ツイスト、製品抽出を含む、一連の動作を受けることを提供する。
【0005】
従来の解決策において、モールドは通常、コンベアチェーン又はベルトによって、固定された方向に、様々なワーキングステーションの間で移動される。
【0006】
例えば、EP-A-0940086は、移送デバイスによって提供される、様々なステーションを含むチョコレート製品の生産用のラインを開示している。
【0007】
従来のラインは概して、生産シーケンスが予め設定された方式で固定されており、異なる製品の生産にはめったに転換されない大きな工場の場合に有利である。従来のラインは概して、高精度を有する高い生産速度を可能にするために、特定の製品、例えば、プラリネ又は充填バーの生産のために設計及び構築されている。
【0008】
ある製品から別のものへの生産ラインの転換は通常、複雑であり、場合によっては不可能でさえある。従来の生産ラインは、相対的に小さなロットを製造する場合に問題となり得る。
【0009】
EP-A-3111768は、少なくとも1つの加工ステーション、及び制御デバイスによって制御される少なくとも1つの産業ロボットを備え、当該産業ロボットは、モールドが、予め設定された経路に沿って移動する間に:シェイク、遠心分離、回転、反転、スライド、持ち上げ、下降、ブロー、バキューム、洗浄、積み上げのような様々な加工動作を受け得るようにセットされ得る、チョコレート製品の生産用のシステムを開示する。
【0010】
産業ロボットによって提供されるチョコレート製品の生産用のラインは、生産の柔軟性を改善し、製造を意図される製品のタイプを迅速に変更することを可能にする。
【0011】
しかしながら、従来技術において、特定の動作シーケンスの高効率で自動的な実行のために最適化されたレイアウトを有し、異なる製品の生産のために容易に構成可能な、完全に自動的な且つ非常にコンパクトなロボット化ラインへの必要が残る。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、当該必要を満たすチョコレート製品の生産用のロボット化ラインを提供することである。
【0013】
本発明に係り、この目的は、請求項1の主題を形成する特徴を有するロボット化ラインによって実現される。
【0014】
本発明における好ましい実装形態は、従属請求項の主題である。
【0015】
請求項は、本発明に関連して与えられる教示の不可欠な部分を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明はここで、純粋に非限定的な例として与えられる添付の図面を参照して、詳細に説明される。
【
図1】本発明に係る、ロボット化ラインの斜視図である。
【
図2】外壁を有さない
図1のロボット化ラインの斜視図である。
【
図3】
図2のロボット化ラインの後部斜視図である。
【
図6】
図2中の矢印VIによって示される、冷蔵チャンバの斜視図である。
【
図7】
図2中の矢印VIIによって示される、振動ステーションの詳細斜視図である。
【
図8】
図3中の矢印VIIIによって示される、キャスティングチャンバ内の入口ベルト及びキャスティングチャンバの内部の斜視図である。
【
図9】
図3中の矢印IXによって示される、離型チャンバの内部、モールド退出ローラコンベア及びモールド再統合ローラコンベアの斜視図である。
【
図10】
図3中の矢印Xによって示されるツイストユニットの詳細斜視図である。
【
図11】
図9中の矢印XIによって示されるロボット把持プライヤの詳細図である。
【
図12】
図8中の矢印XIIによって示されるロボット把持プライヤの詳細図である。添付図面は概略的であること、及び特定の図において、いくつかの構成要素は、図の理解を容易にするために図示されていない場合があることが理解されるであろう。様々な図が、同じ縮尺で図示されていない場合があることも理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1~
図5を参照すると、参照符号1はチョコレート製品の生産用のロボット化ラインを示す。ライン1は、キャスティングチャンバ2、冷蔵チャンバ3及び離型チャンバ4を備える。
【0018】
図2~
図5を参照すると、ロボット化ライン1は3つのチャンバ2、3、4を区切り、それらを互いから及び外部からの両方で分離する複数の壁15を支持する支持耐荷重性構造10を備える。
【0019】
支持耐荷重性構造10は、地面に固定された複数の鉛直直立材17、及び鉛直直立材17の上端部で互いに接続されている複数の水平梁19を備え、かご状のレイアウトを有する構造を形成する。
【0020】
図2を参照すると、キャスティングチャンバ2及び冷蔵チャンバ3は、第1の境界ゾーン12において互いに連通しており、当該第1の境界ゾーン12内に振動ユニット20が位置する。
【0021】
図2を参照すると、冷蔵チャンバ3及び離型チャンバ4は、第2の境界ゾーン27において互いに連通しており、当該第2の境界ゾーン27内にツイストユニット26が位置する。
【0022】
図3を参照すると、ロボット化ライン1は、モールド6を離型チャンバ4からキャスティングチャンバ2へ移送する移送コンベア5を備える。移送コンベア5は、離型チャンバ4内に位置する引入口ステーション13、及びキャスティングチャンバ2内に位置する排出口ステーション9を有する。移送コンベア5は、チャンバ2、3、4の外部に延在する中間部を有する。
【0023】
図3を参照すると、移送コンベア5は、モールド6を加熱するための要素、例えば赤外線要素を備える加熱トンネル8を通って延在する。
【0024】
加熱トンネル8の排出口において、洗浄ユニット7が配置され、モールド6の洗浄のために排出口ステーション9の近くに置かれ、例えば、洗浄ローラを備え得る。
【0025】
図4を参照すると、ロボット化ライン1は、離型チャンバ4の開口部を通って延在する完成品コンベア36を備える。
【0026】
ロボット化ライン1は更に、離型チャンバ4内のそれぞれの開口部を通って延在するモールド退出ローラコンベア40及びモールド再統合ローラコンベア42を備える。
【0027】
3つのチャンバ2、3、4の各々は、外壁15内に位置するドア11を設けられている。
【0028】
図2~
図8を参照すると、キャスティングチャンバ2の内部に、第1のロボット14及びキャスティングマシン18が置かれている。第1のロボット14は、下記で開示される方式で、キャスティングチャンバ2の内部でモールド6を移動させるように構成されている人型ロボットである。
【0029】
図6を参照すると、ロボット化ライン1は、冷蔵チャンバ3を冷却するように構成されている冷蔵ユニット45を備える。冷蔵ユニット45は、支持耐荷重性構造10の上部水平梁19によって支持され得る。
【0030】
冷蔵チャンバ3の内部に、棚24が配置され、モールド6を受け入れるように構成されており、冷蔵チャンバ3の内側壁に沿って位置する。冷蔵チャンバ3の内部に、第2のロボット22が更に置かれている。第2のロボット22は、下記で開示される方式で、冷蔵チャンバ3の内部でモールド6を移動させるように構成されている人型ロボットである。
【0031】
図9を参照すると、離型チャンバ4の内部に、第3のロボット30、ボードディスペンサ32、完成品コンベア36の引入口部、モールド制御ステーション38、上記で既に言及された退出モールドローラコンベア40及び再統合モールドローラコンベア42、及び移送コンベア5の引入口ステーション13が位置している。第3のロボット30は、下記で開示される方式で、離型チャンバ4の内部でモールド6を移動させるように構成されている人型ロボットである。
【0032】
図1を参照すると、ロボット化ライン1はロボット14、22、30の動きを制御する電子制御ユニット43を備える。電子制御ユニット43は、ユーザインタフェースデバイス44に接続され得る。
図2~
図4を参照すると、3つのロボット14、22、30の各々は、その端部のリスト39のおかげでそれぞれのチャンバ内部で動作することが可能である、関節式アーム37を備える人型ロボットである。関節式アーム37の関節は、リスト39が全ての空間方向に沿って移動及び回転することが可能なようになっている。3つのロボット14、22、30の各々は、地面の上で邪魔となることを回避し、例えば、メンテナンス又は洗浄動作のためのチャンバ2、3、4へのアクセスを容易にするように、鉛直直立材17の上部の近くに位置する支持部47によって支持耐荷重性構造10に固定されている基底部41を更に備える。
【0033】
図6~
図12を参照すると、ロボット化ライン1の動作が下記で説明される。
【0034】
図8を参照すると、モールド移送コンベア5は、モールド6を方向Aに沿って第1のキャスティングチャンバ2へフィードする。モールド移送コンベア5の経路に沿って、モールド6がキャスティングチャンバ2へと導入される前に、モールド6は、加熱トンネル8を通る間に加熱され、洗浄ユニット7を通ることによって洗浄される。洗浄ユニット7の目的は、清浄なモールド6を新たなキャスティングステップへと提供するために、チョコレートのあらゆる残留をモールド6から除去することである。
【0035】
洗浄されると、モールド6は、第1のキャスティングチャンバ2内部へ導入され、第1のキャスティングチャンバ2内部に位置するモールド移送コンベア5の排出口ステーション9に到着する。
【0036】
キャスティングチャンバ2の内部で、第1のロボット14は、プライヤ16(
図12)によって排出口ステーション9に位置する清浄なモールド6をピックし、それらをキャスティングマシン18の下方のキャスティングステーションに置く。キャスティングステーションで、モールド6は、キャスティングマシン18によって分注される溶融したチョコレートを充填される。
【0037】
充填の後、第1のロボット14は、溶融したチョコレートを含むモールド6を、キャスティングチャンバ2及び冷蔵チャンバ3の間の境界12に位置する振動ユニット20の上に移送する。
【0038】
振動ユニット20は、均質な製品を提供するために、溶融したチョコレートの内部に閉じ込められたあらゆる気泡を解放するために、モールド6を振動させる。
【0039】
可能な実装形態において、振動ユニット20は、振動ステップの継続時間(モールド毎に約8秒)に起因するあらゆる減速を回避するためにそれぞれのモールド6を受け入れるように構成されている、少なくとも2つの振動棚を備え得る。
【0040】
振動ユニット20は、モールド6がロボット14によって挿入されるとそれのための止め具を形成する、2つの空気圧シリンダを設けられ得る。これらの止め具は、ライン1内のモールドのフローが、キャスティングチャンバ2から冷蔵チャンバ3に向けて一方向であること、及びモールド6を置いた第1のロボット14によってそれが振動ユニット20からピックされる可能性が存在しないことを確実にする。
【0041】
振動ステップが完了すると、冷蔵チャンバ3内に位置する第2のロボット22は、プライヤ16によって振動ユニット20内に位置するモールド6をピックし、冷蔵チャンバ3の壁に沿って配置されている棚24の上にそれらを置く。
【0042】
冷蔵チャンバ3は、冷蔵チャンバ3の上方に位置する冷蔵システム45を設けられ、これは、冷水流(例えば4℃の温度で)をフィードされる。
【0043】
約8~12℃、例えば約10℃の温度が、冷蔵チャンバ内で維持される。モールド6は、モールド内に含まれるチョコレートが固化するのに必要な時間(例えば30分)の間、冷蔵チャンバ内に残される。
【0044】
電子制御ユニット43は、モールド6の各々が冷蔵チャンバ3の棚24の上に置かれた位置及び時間を記憶している。固化のための予め設定された時間が過ぎると、第2のロボット22は、モールド6を棚24からピックし、それらを冷蔵チャンバ3及び離型チャンバ4の間の境界に位置するツイストユニット26の上に置く。
【0045】
固化したチョコレート製品を含むモールド6がツイストユニット26の上に置かれると、これは、モールド6に、固形チョコレート製品のそれぞれのモールド6からの取り外しを容易にする弾性変形を生じさせるツイスト運動を加える。
【0046】
離型チャンバ4内に位置するボードディスペンサ32は、複数の積み上げられたボード34を備え、単一のボード34を分離するように構成されている。
【0047】
離型チャンバ4内に位置する第3のロボット30は、モールド6を把持するための2つのフィンガ55及びそれぞれのモールド6に対してボード34を押しつけて保持する加圧要素57を備えるプライヤ28(
図11)を備える。モールド6を把持するためのフィンガ55、及び加圧要素57は、互いから独立して動作可能である。
【0048】
第3のロボット30は、プライヤ28によってツイストユニット26の上に位置するモールド6を把持し、モールド6をボードディスペンサ32の下に移すように構成されている。ボードディスペンサ32は、モールド6内に位置する固形チョコレート製品をそれぞれのボード34で覆うために、ボード34をモールド6の上方に落下させる。
【0049】
次に、第3のロボット30のプライヤ28は、モールド6及びそれぞれのボード34の集合体を把持し、それを180°反転させる。
【0050】
第3のロボット30は、モールド6をそれぞれのボード34と共に、ハンマユニットを設けられ得る離型ステーション内で移動させ、当該ハンマユニットはモールド6のボード34とは反対側の面上にハンマリングを加えて、モールド6のそれぞれの座部からのチョコレート製品の取り外しを容易にし得、それにより、それらがボード34の上に堆積し得る。
【0051】
次に第3のロボット30は、モールド6を、チョコレート製品が堆積したままのボード34から持ち上げる。
【0052】
完成品コンベア36の上に、そのようにして完成したチョコレート製品がそれぞれのボード34の上に配置される。完成品コンベア36は、ロボット化ライン1の外部に向けて、完成したチョコレート製品を、それらが後続のステップ、例えば、ラッピング、パッケージングなどを受け得る後続のステーションに向けて、移送する。
【0053】
空きモールド6は、第3のロボット30によって離型済みモールド制御ステーション38に向けて移動される。ここで、視覚システムが、モールド6から取り外されなかったチョコレート製品がモールド6の内部に留まっていないか否かをチェックする。モールド6が残留チョコレート製品を含む場合、モールド6は、モールドが手動で洗浄され得るロボット化ライン1の外部へモールド6を移動するように構成されている、モールド退出ローラコンベア40の上で移送される。清浄なモールド6は、モールド再統合ローラコンベア42によってロボット化ライン1内に再導入され得る。
【0054】
第3のロボット30は、空きモールド6(ツイストフェーズ後に正しく空になったモールド及びモールド再統合ローラコンベア42によって再導入されたモールド6の両方)を、モールド移送コンベア5の引入口ステーション13内に置くように構成され得る。
【0055】
引入口ステーション13から、空きモールド6は、新たな生産サイクルのためにキャスティングチャンバ2へ再び移送される。
【0056】
本発明に係る解決策の特に有利な特徴は、ロボットが冷蔵チャンバの構造の側面から吊り下がっていることである。ロボットが地面上に固定されている解決策に対して、本発明に係る解決策は、それが地面上のスリット、ケーブルなどの存在を回避しているので、洗浄をより簡単にしている。
【0057】
冷蔵チャンバの構造にロボットを固定することは、キャスティングチャンバ及び離型チャンバの構造を、これらがロボットを有する必要がないので、より軽量且つ安価にすることを可能にする。また、この配置は、分解及び再組立の動作を減らすことによってラインの運搬を単純化することを可能にする。ロボットの配線及び較正は、ワークショップ内で行われ得、運搬の後に繰り返される必要がなく、これはコストの減少及びより迅速な開始を示唆する。ロボットを有する必要に起因してより頑強である冷蔵チャンバの構造は、断熱により隠され、美しさにおいて及び保護を通した視認性において有利な結果となる。
【0058】
本発明に係るロボット化ラインは、清浄に保つことが非常に困難なチェーンコンベアを必要としない。
【0059】
本発明に係る解決策は、リフタ及びディセンダを棚と共に必要とする従来技術に係る解決策に対して、冷蔵チャンバの構造を単純化する(単純な棚によって構成され得る)ことを可能にする。
【0060】
当然ながら、構造及び実装形態の詳細は、説明及び図示されたものに対して大きく変動し得、それによって下記の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱しない。
【外国語明細書】