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特開2024-111823樹脂組成物、接着部材、及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111823
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】樹脂組成物、接着部材、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/14 20060101AFI20240809BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20240809BHJP
   C08L 33/14 20060101ALI20240809BHJP
   G02B 1/04 20060101ALI20240809BHJP
【FI】
C09J175/14
C09J4/02
C08L33/14
G02B1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014610
(22)【出願日】2024-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2023-0015792
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】藤原 徹弥
【テーマコード(参考)】
4J002
4J040
【Fターム(参考)】
4J002BG07W
4J002BG07X
4J002GJ01
4J040EF231
4J040FA081
4J040JA02
4J040JB08
4J040LA08
4J040MA02
4J040MA05
4J040MA10
4J040MB03
4J040MB05
4J040MB09
4J040NA17
4J040NA19
(57)【要約】
【課題】表示パネルの表示面側にウィンドウを貼り付けるための高温高湿環境下で優れた接着力を有する接着部材、及びそれを具現する、貼り付け用の樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明は2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートと、ガラス転移温度が80℃以上である脂環式(メタ)アクリレートとを含み、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含量とヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートの濃度を特定範囲で含むことで、硬化の際にガラス転移温度が-20℃以上20℃以下である樹脂組成物、それの硬化物を含む接着部材、及び表示装置に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、
単官能(メタ)アクリレートモノマーと、を含み、
前記単官能(メタ)アクリレートモノマーは、
ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートと、
ガラス転移温度が80℃以上である脂環式(メタ)アクリレートと、を含み、
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、樹脂組成物の全体100wt%に対して1wt%以上10wt%以下で含まれ、
前記ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートは、樹脂組成物の全体100mol%対して5mol%以上20mol%以下で含まれ、
硬化の際にガラス転移温度が-20℃以上20℃以下である樹脂組成物。
【請求項2】
前記脂環式(メタ)アクリレートは、樹脂組成物の全体100wt%に対して10wt%以上40wt%以下で含まれる請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレート及び前記脂環式(メタ)アクリレートのそれぞれは、重量平均分子量が150g/mol以上300g/mol以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、重量平均分子量が10,000g/mol以上40,000g/mol以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
30℃での粘度が5mPa・s以上20mPa・s以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記単官能(メタ)アクリレートモノマーは、アルキル(メタ)アクリレート及びヘテロ脂環式(メタ)アクリレートのうち少なくとも一つを更に含む請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記アルキル(メタ)アクリレート及び前記ヘテロ脂環式(メタ)アクリレートそれぞれは、重量平均分子量が150g/mol以上300g/mol以下である請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、
単官能(メタ)アクリレートモノマーと、を含み、
前記単官能(メタ)アクリレートモノマーは、
ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートと、
ガラス転移温度が80℃以上である脂環式(メタ)アクリレートモノマーと、を含み、
前記ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートは、樹脂組成物の全体100mol%対して5mol%以上20mol%以下で含まれ、
30℃の温度で5mPa・s以上20mPa・s以下の粘度を有する樹脂組成物の硬化物であり、
前記硬化物はガラス転移温度が-20℃以上20℃以下である接着部材。
【請求項9】
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、樹脂組成物の全体100wt%に対して1wt%以上10wt%以下で含まれる請求項8に記載の接着部材。
【請求項10】
前記硬化物は200μm以下の厚さでヘイズ(Haze)が1%以下である請求項8に記載の接着部材。
【請求項11】
前記硬化物は下記式1によるヘイズ変化率が2%以下である請求項8に記載の接着部材:
<式1>
ヘイズ変化率(%)=H2-H1
前記式1において、H1は前記硬化物形成直後のヘイズ値(単位:%)であり、H2は85℃の温度及び85%の湿度の条件で前記硬化物を72時間露出した際のヘイズ値(単位:%)である。
【請求項12】
前記硬化物は85℃の温度及び85%の湿度条件で72時間露出される際の吸湿率が2%以下である請求項8に記載の接着部材。
【請求項13】
前記硬化物は85℃の温度及び85%の湿度条件で72時間露出される際、ガラス基板及び高分子基板に対する180°ピール(peel)強度が400gf/25mm以上である請求項8に記載の接着部材。
【請求項14】
表示パネルと、
前記表示パネルの上に配置されるウィンドウと、
前記表示パネルと前記ウィンドウとの間に配置され、請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の樹脂組成物から由来する重合体を含む接着部材と、を含む表示装置。
【請求項15】
前記接着部材と前記ウィンドウとの間に配置される光制御層と、
前記光制御層とウィンドウとの間に配置される光学接着層と、を更に含み、
前記光学接着層は前記樹脂組成物から由来する重合体を含む請求項14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物、接着部材、及び表示装置に関し、より詳しくは、樹脂組成物、それの硬化物を含む接着部材、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、携帯電話、タブレットコンピュータ、ナビゲーション、ゲーム機などといったマルチメディア装置に使用される多様な表示装置が開発されている。多様な形状の表示装置に適用される接着部材を形成するために使用される接着樹脂は、多様な形態の表示装置の部材に対して優れたコーティング性を有する必要がある。
【0003】
一方、接着樹脂と表示装置の部材とを接合する際に、気泡及び/または異物が混入されるか、接合位置を逸脱する場合、接着樹脂と表示装置の部材が廃棄されるためそれを解決する方案が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第2022-0082131号公報(KR2022-0082131A)
【特許文献2】韓国公開特許第2022-0062209号公報(KR2022-0062209A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、高温高湿環境下で優れた接着力を有する接着部材、及びそれを具現する樹脂組成物を提供することである。
【0006】
また、本発明の一目的は、上述した接着部材を含むことで高温高湿環境下でも耐久性に優れた表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例の樹脂組成物は、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、単官能(メタ)アクリレートモノマーとを含む。前記単官能(メタ)アクリレートモノマーは、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートと、ガラス転移温度が80℃以上である脂環式(メタ)アクリレートとを含む。前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、樹脂組成物の全体100wt%に対して1wt%以上10wt%以下で含まれ、前記ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートは、樹脂組成物の全体100mol%対して5mol%以上20mol%以下で含まれうる。前記樹脂組成物は、硬化の際にガラス転移温度が-20℃以上20℃以下でありうる。
【0008】
前記脂環式(メタ)アクリレートは、樹脂組成物の全体100wt%に対して10wt%以上40wt%以下で含まれうる。
【0009】
前記ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレート及び前記脂環式(メタ)アクリレートそれぞれは、重量平均分子量が150g/mol以上300g/mol以下でありうる。
【0010】
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、重量平均分子量が10,000g/mol以上40,000g/mol以下でありうる。
【0011】
一実施例の樹脂組成物は、30℃での粘度が5mPa・s以上20mPa・s以下でありうる。
【0012】
前記単官能(メタ)アクリレートモノマーは、アルキル(メタ)アクリレート及びヘテロ脂環式(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つを更に含みうる。
【0013】
前記アルキル(メタ)アクリレート及び前記ヘテロ脂環式(メタ)アクリレートのそれぞれは、重量平均分子量が150g/mol以上300g/mol以下でありうる。
【0014】
一実施例の樹脂組成物は光開始剤を更に含みうる。前記光開始剤はラジカル重合開始剤を含みうる。
【0015】
一実施例の樹脂組成物は、無溶剤タイプで製造される、光硬化性樹脂組成物でありうる。
【0016】
一実施例の接着部材は樹脂組成物の硬化物であって、前記樹脂組成物は(メタ)アクリロイル基を含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、単官能(メタ)アクリレートモノマーとを含み、前記単官能(メタ)アクリレートモノマーは、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートとガラス転移温度が80℃以上の脂環式(メタ)アクリレートとを含み、前記ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートは、樹脂組成物の全体100mol%に対して5mol%以上20mol%以下で含まれ、30℃の温度で5mPa・s以上20mPa・s以下の粘度を有しうる。
【0017】
前記硬化物は、200μm以下の厚さにてヘイズ(Haze)が1%以下でありうる。
【0018】
前記硬化物は、後述する式1によるヘイズ変化率が2%以下ありうる。
【0019】
前記硬化物は、85℃の温度及び85%の湿度条件にて72時間露出される際の吸湿率が、2%以下でありうる。
【0020】
前記硬化物は、85℃の温度及び85%の湿度条件で72時間露出される際、ガラス基板及び高分子基板に対する180°ピール(peel)強度が、400gf/25mm以上でありうる。
【0021】
一実施例の表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの上に配置されるウィンドウと、前記表示パネルと前記ウィンドウとの間に配置され、上述した樹脂組成物から由来する重合体を含む接着部材とを含みうる。
【0022】
一実施例の表示装置は、前記接着部材と前記ウィンドウとの間に配置される光制御層と、前記光制御層とウィンドウとの間に配置される光学接着層とを更に含むが、前記光学接着層は上述した樹脂組成物から由来する重合体を含みうる。
【発明の効果】
【0023】
一実施例の樹脂組成物は、常温でインクジェットプリンティング法などの工程によって接着部材を形成しうる。また、一実施例の樹脂組成物からなる接着部材は、高温高湿環境下に露出される場合でも白濁及び剥離現象などが発生しないため、優れた接着特性を示しうる。
【0024】
一実施例の表示装置は、上述した樹脂組成物からなる接着部材を含むことで高温高湿環境下でも優れた耐久性及び表示品質を提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施例の表示装置を示す斜視図である。
図2】一実施例の表示装置を示す分解斜視図である。
図3】一実施例の表示装置を示す断面図である。
図4】一実施例の表示装置の製造ステップを概略的に示す図である。
図5】一実施例の表示装置の製造ステップを概略的に示す図である。
図6】一実施例の表示装置の製造ステップを概略的に示す図である。
図7】一実施例の表示装置を示す断面図である。
図8】一実施例の表示装置を示す断面図である。
図9】一実施例の表示装置が配置される車両を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるゆえ、特定実施例を図面に例示し、本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な開示形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解すべきである。
【0027】
本明細書において、ある構成要素(または領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、または「結合される」と言及されれば、それは他の構成要素の上に直接配置・連結・結合され得るか、またはそれらの間に第3の構成要素が配置され得ることを意味する。
【0028】
同じ図面符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。「及び/または」は、関連する構成要素が定義する一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0029】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながらも第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、類似して第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。単数の表面は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0030】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示した構成要素の連関関係を説明するために使用される。前記用語は相対的な概念であって、図面に示した方向を基準に説明される。
【0031】
「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、または、これらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、または、これらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0032】
異なるように定義されない限り、本明細書で使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるようなものと同じ意味を有する。また、一般的に使用される辞書で定義された用語と同じ用語は関連技術の脈絡で有する意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、ここで明示的に定義されない限り、過度に理想的であるか形式的な意味に解釈してはならない。
【0033】
以下では、図面を参照して、本発明の一実施例の接着部材、及び、それを含む表示装置について説明する。図1は、一実施例の表示装置を示す斜視図である。図2は、一実施例による表示装置の分解斜視図である。
【0034】
図1に示した一実施例の表示装置DDは、電気的信号によって活性化される装置である。例えば、表示装置DDは、パソコン、ノートパソコン、個人デジタル端末機、ゲーム機、携帯用電子機器、テレビ、モニタ、外部広告板、カーナビゲーション、またはウェアラブル装置でありうるが、実施例はこれに限らない。図1では表示装置DDが携帯電話であることを例示的に示している。
【0035】
一実施例による表示装置DDは、表示面DAを介して映像IMを表示する。表示領域DAは、第1方向軸DR1と第2方向軸DR2によって規定(定義)される平面を含む。表示領域DAは、第1方向軸DR1と第2方向軸DR2が定義する平面の少なくとも一側から曲げられる曲面を含む。図1に示した一実施例の表示装置DDは、第1方向軸DR1と第2方向軸DR2が定義する平面の両側面からそれぞれ曲げられる2つの曲面を含むと示されている。但し、表示領域DAの形状はこれに限らない。例えば、表示領域DAは第1方向軸DR1と第2方向軸DR2によって定義される平面のみを含んでもよく、表示領域DAは第1方向軸DR1と第2方向軸DR2によって定義される平面の少なくとも2つ以上、例えば、4つの側面からそれぞれ曲げられる4つの曲面を更に含んでもよい。
【0036】
一実施例の表示装置DDは、フレキシブル(flexible)なものでありうる。「フレキシブル」とは曲げられる特性を意味し、完全に折りたたまれる構造から、数ナノメートルのレベルに曲げられる構造まで全てを含みうる。例えば、表示装置DDは、折りたたみ可能な(foldable)表示装置でありうる。また、表示装置DDは、リジッド(rigid)なものでありうる。
【0037】
非表示領域NDAは、表示領域DAに隣接した領域でありうる。非表示領域NDAは表示領域DAを囲みうる。それに伴い、表示領域DAの形状は、実質的に非表示領域NDAによって規定(定義)されうる。但し、これは例示的な図示であって、非表示領域NDAは、表示領域DAの一側にのみ隣接して配置されてもよく、省略されてもよい。表示領域DAは、多様な形状に提供されうるのであって、いずれか一つの実施例に限らない。
【0038】
図1及び以降の図面には、第1方向軸DR1乃至第3方向軸DR3を示したが、本明細書で説明される第1乃至第3方向軸DR1、DR2、DR3が指示する方向は、相対的な概念であって、他の方向に変換されてもよい。また、第1乃至第3方向軸DR1、DR2、DR3が指示する方向は第1乃至第3方向と説明され、同じ図面符号が使用されうる。本明細書では、第1方向軸DR1と第2方向軸DR2とは互いに直交し、第3方向軸DR3は、第1方向軸R1と第2方向軸DR2とが規定(定義)する平面に対する法線方向でありうる。
【0039】
表示装置DDの厚さ方向は、第1方向軸DR1及び第2方向軸DR2が定義する表面に対する、法線方向である第3方向軸DR3に沿った方向でありうる。本明細書において、表示装置DDを構成する部材の前面(または上面、上部面、上側)と、背面(または下面、下部面、下側)とは、第3方向軸DR3を基準に規定(定義)されうる。また、本明細書において、第3方向軸DR3が延長される方向は、厚さ方向に沿っており、前面(または上面、上部面、上側)は、映像IMが表示される面、および、これに隣接する面(または方向)を意味し、背面(または下面、下部面、下側)は、映像IMが表示される面から離隔される面(または方向)を意味する。
【0040】
図2を参照すると、表示装置DDは、表示モジュールDMと、表示モジュールDMの上に配置されるウィンドウWPと、表示モジュールDMとウィンドウWPとの間に配置される接着部材APとを含みうる。また、表示装置DDは、表示モジュールDMが収納される筐体HAUを更に含みうる。
【0041】
図1及び図2に示した表示装置DDにおいて、ウィンドウWPと筐体HAUとが結合されて、表示装置DDの外観を構成しうる。筐体HAUは、表示モジュールDMの下側に配置される。筐体HAUは相対的に高い剛性を有する物質を含みうる。例えば、筐体HAUは、ガラス、プラスチック、または金属からなる複数のフレーム及び/またはプレートを含んでもよい。筐体HAUは、所定の収容空間を提供しうる。表示モジュールDMは、収容空間内に収容されて外部の衝撃から保護されうる。
【0042】
表示モジュールDMは、電気的信号によって活性化されうる。表示モジュールDMは、活性化されて表示装置DDの表示領域DA(図1)に映像IM(図1)を表示しうる。表示モジュールDMには、アクティブ領域AA-DMと、周辺領域NAA-DMとが区画形成(定義)されうる。アクティブ領域AA-DMは、電気的信号によって活性化される領域でありうる。周辺領域NAA-DMは、アクティブ領域AA-DMの少なくとも一側に隣接して位置する領域でありうる。周辺領域NAA-DMには、アクティブ領域AA-DMを駆動するための回路や配線などが配置されうる。
【0043】
接着部材APは、一実施例の樹脂組成物から形成されうる。接着部材APは、樹脂組成物から由来する重合体を含みうる。一実施例の樹脂組成物については後述する。接着部材APによって、表示モジュールDMとウィンドウWPとが結合されうる。一実施例の接着部剤APは、ガラス転移温度が-20℃以上20℃以下であって、高温及び高湿環境下でもウィンドウWPと表示モジュールDMに対する密着性が低下せず、優れた接着特性を示しうる。
【0044】
ウィンドウWPは、透過領域TAと、ベゼル領域BZAとを含みうる。透過領域TAは、表示モジュールDMのアクティブ領域AA-DMの少なくとも一部と重畳しうる。透過領域TAは光学的に透明な領域でありうる。映像IM(図1)は、透過領域TAを介してユーザに提供されうる。
【0045】
ベゼル領域BZAは、透過領域TAに比べ相対的に光透過率が低い領域でありうる。ベゼル領域BZAは透過領域TAの形状を規定(定義)しうる。ベゼル領域BZAは、透過領域TAに隣接して透過領域TAを取り囲みうる。
【0046】
ベゼル領域BZAは、所定のカラーを有しうる。ベゼル領域BZAは、表示モジュールDMの周辺領域NAA-DMをカバーし、周辺領域NAA-DMが外部から視認されることを遮断しうる。但し、実施例はこれに限らず、ベゼル領域BZAは透過領域TAの一側にのみ隣接して配置されてもよく、一部が省略されてもよい。
【0047】
図3は、図2の表示モジュールDM、接着部材AP、及びウィンドウWPを示す断面図である。また、図3は一実施例による表示装置DDを示す断面図である。
【0048】
図3を参照すると、表示モジュールDMは、表示パネルDPと、表示パネルDPの上に配置される入力感知部TPとを含みうる。表示パネルDPは、ベース基板BSと、ベース基板BSの上に配置される回路層DP-CLと、回路層DP-CLの上に配置される表示素子層DP-ELと、表示素子層DP-ELをカバーする封止層TFEとを含みうる。表示パネルDPとウィンドウWPとの間に接着部材APが配置されうる。
【0049】
一方、図3などに示した表示パネルDPの構成は例示的なものであって、表示パネルDPの構成はこれに限らない。例えば、表示パネルDPは液晶表示素子を含んでもよいが、この場合は、封止層TFEが省略されうる。
【0050】
ベース基板BSは、回路層DP-CLが配置されるベース面を提供しうる。ベース基板BSは、曲げ(bending)、折りたたみ(folding)、巻き取り(rolling)などが可能なフレキシブル基板でありうる。ベース基板BSは、ガラス基板、金属基板、または高分子基板などでありうる。しかし、実施例はこれに限らず、ベース基板BSは無機層、有機層、または複合材料層を含んでもよい。
【0051】
回路層DP-CLは、絶縁層、半導体パターン、導電パターン、及び信号ラインなどを含みうる。例えば、回路層DP-CLは、表示素子層DP-ELの発光素子(図示せず)を駆動するためのスイッチングトランジスタと駆動トランジスタとを含みうる。
【0052】
表示素子層DP-ELは、光を放出する発光素子(図示せず)を含みうる。例えば、発光素子(図示せず)は、有機発光物質、無機発光物質、有機-無機発光物質、量子ドット、量子ロッド、マイクロLED、またはナノLEDを含みうる。
【0053】
封止層TFEは、表示素子層DP-ELの上側に配置されうる。封止層TFEは、水分、酸素、及び/またはほこり粒子などのといった異物から表示素子層DP-ELを保護しうる。封止層TFEは、少なくとも一つの無機層を含みうる。また、封止層TFEは、少なくとも一つの有機層と少なくとも一つの無機層とを含んでもよい。例えば、封止層TFEは、順次に積層される無機層と、有機層と、無機層とを含んでもよい。
【0054】
入力感知部TPは、表示パネルDPの上に配置されうる。例えば、入力感知部TPは表示パネルDPの封止層TFEの上に直接配置されうる。入力感知部TPは、外部の入力を感知して所定の入力信号に変更し、入力信号を表示パネルDPに提供しうる。例えば、一実施例の表示装置DDにおいて、入力感知部TPは、タッチを感知するタッチ感知部でありうる。入力感知部TPは、ユーザの直接タッチ、ユーザの間接タッチ、物体の直接タッチ、または物体の間接タッチを認識しうる。
【0055】
入力感知部TPは、外部から印加されるタッチの位置及びタッチの強度(圧力)のうちの少なくともいずれか一つを感知しうる。一実施例において、入力感知部TPは多様な構造を有するか多様な物質から構成されうるのであり、いずれか一つの実施例に限らない。入力感知部TPは、外部の入力を感知するための複数個の感知電極(図示せず)を含みうる。感知電極(図示せず)は、静電容量方式で外部の入力を感知しうる。表示パネルDPは、入力感知部TPから入力信号が提供され、入力信号に対する映像を生成しうる。
【0056】
ウィンドウWPはベース層BLと、プリント層BMとを含む。図示していないが、ウィンドウWPはベース層BLの上に提供される少なくとも一つの機能性層(図示せず)を更に含む。例えば、機能性層(図示せず)はハードコーティング層、指紋防止コーティング層などであってもよいが、実施例はこれに限らない。
【0057】
ベース層BLはガラス基板でありうる。または、ベース層BLはプラスチック基板であってもよい。例えば、ベース層BLは、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、またはこれらの組み合わせからなりうる。
【0058】
プリント層BMは、ベース層BLの一面上に配置されうる。プリント層BMは、表示モジュールDMに隣接した、ベース層BLの下面に提供されうる。プリント層BMは、ベース層BLの周縁領域に配置されうる。プリント層BMは、インクプリント層でありうる。また、プリント層BMは、顔料または染料を含んで形成される層でありうる。ウィンドウWPにおいて、ベゼル領域BZAは、プリント層BMが提供される部分でありうる。
【0059】
接着部材APは、ウィンドウWPの下方に配置される。ウィンドウWPにおいて、プリント層BMが提供されていないベース層BLと、プリント層BMとの間には、段差SP-aが存在しうる。一実施例による樹脂組成物からなる接着部材APは、良好な柔軟性及び高い接着力を有することで、段差SP-a部分に浮きが生じることなくウィンドウWPに取り付けられうる。
【0060】
一実施例の樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、単官能(メタ)アクリレートモノマーとを含みうる。また、一実施例の樹脂組成物は光開始剤を更に含みうる。
【0061】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリロイル基を2つ以上含みうる。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、一つのオリゴマー当たりに、(メタ)アクリロイル基を2つ以上含みうる。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、一つのオリゴマー当たりに、ウレタン結合を有する(メタ)アクリロイル基を2つ以上含みうる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、一つのオリゴマー当たりに、(メタ)アクリロイル基を2つ以上4つ以下で含みうる。本明細書において、(メタ)アクリロイル基はアクリロイル基またはメタクリロイル基を示し、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを示す。
【0062】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、脂肪族ウレタンアクリレート、または芳香族ウレタンアクリレートを含みうる。例えば、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であれば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは芳香族ウレタンアクリレートを含みうる。また、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエーテル骨格を有するウレタンアクリレートを含みうる。ポリエーテル骨格を有するウレタンアクリレートとしては、ポリエステル骨格を有するウレタンアクリレート、ポリカーボネート骨格を有するウレタンアクリレートなどが挙げられうるが、実施例はこれに限らない。
【0063】
一実施例の樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを1種または2種以上含みうる。例えば、樹脂組成物はUV-3700B(ウレタンアクリレート、Mitsubishi Chemical Inc.製品)、UV-3300B(ウレタンアクリレート、Mitsubishi Chemical Inc.製品)、及びUN-7700(ウレタンアクリレート、Negami Chemical Industrial Co., Ltd.)のうちの少なくとも一つをウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして含みうる。但し、これは例示的なものであって、実施例はこれに限らない。
【0064】
一実施例において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、重量平均分子量(weight-average molecular weight、Mw)が10,000g/mol以上40,000g/mol以下でありうる。重量平均分子量が10,000g/mol以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、相対的に高い重合度を有するオリゴマーの状態で樹脂組成物に含まれ、光硬化の後も高い重合度を維持しうる。それに伴って、一実施例の樹脂組成物からなる接着部材APは、優れた剥離強度を示しうる。
【0065】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、樹脂組成物の全体100wt%を基準に、1wt%以上10wt%以下の含量で樹脂組成物に含まれうる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが樹脂組成物に2種以上含まれる場合、樹脂組成物に含まれる2種以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーについての全体の含量は、樹脂組成物の全体100wt%に対して1wt%以上10wt%以下で含まれうる。一実施例の樹脂組成物にウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが前記含量範囲で含まれる場合、樹脂組成物の粘度は、30℃の温度で5mPa・s以上20mPa・s以下でありうる。それに伴い、一実施例の樹脂組成物は、インクジェットプリンティング法によって表示モジュールDMまたはウィンドウWPの上に、均一な量及び均一な厚さで塗布されて接着部材APを形成しうる。
【0066】
それとは異なって、一実施例の樹脂組成物に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが1wt%以下の含量で含まれる場合、樹脂組成物の粘度が低すぎて、工程中に樹脂組成物が均一な厚さ及び/または量で塗布されず、接着部材APの厚さが不均一でありうる。また、一実施例の樹脂組成物に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが10wt%以上の含量で含まれる場合、樹脂組成物の粘度が高すぎて、工程中に吐出不良及びノズル詰まりが発生しやすい。
【0067】
一実施例において、樹脂組成物は、単官能(メタ)アクリレートモノマーを含む。単官能(メタ)アクリレートモノマーは、一つのアクリロイル基または一つのメタクリロイル基を含むアクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーである。単官能(メタ)アクリレートモノマーは複数個の互いに異なるモノマーを含みうる。例えば、一実施例の樹脂組成物において、単官能(メタ)アクリレートモノマーは、少なくとも一つの単官能アクリレートモノマーと、少なくとも一つの単官能メタクリレートモノマーとを含みうる。
【0068】
一実施例の樹脂組成物において、単官能(メタ)アクリレートモノマーは、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートと、脂環式(メタ)アクリレートとを含む。また、単官能(メタ)アクリレートモノマーは、アルキル(メタ)アクリレート及びヘテロ脂環式(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つを更に含みうる。
【0069】
ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートは、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートである。ヒドロキシ(メタ)アクリレートは、少なくとも一つのヒドロキシ基を有する炭素数1以上10以下の(メタ)アクリレートでありうる。例えば、ヒドロキシ(メタ)アクリレートは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、及び10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つを含みうる。
【0070】
一実施例において、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートは、樹脂組成物の全体100mol%に対して5mol%以上20mol%以下で含まれうる。例えば、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートは、濃度(mol%)が5mol%以上20mol%以下でありうる。
【0071】
一実施例の樹脂組成物に、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートが上述した濃度で含まれる場合、一実施例の樹脂組成物からなる接着部材APは、接着力に優れ、高温高湿の環境下で白濁が発生しないのでありうる。一方、一実施例の樹脂組成物に、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートが5mol%以下で含まれれば、ウィンドウWPに対する密着性が低下して180°ピール強度が低下しうる。また、樹脂組成物に、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートが20mol%以上で含まれれば、高温高湿の環境下で接着部材APの吸湿性が上昇してヘイズ変化率が大きいのでありうる。この場合、接着部材APに白濁が発生して、表示装置DDの視認性が低下しうる。
【0072】
脂環式(メタ)アクリレートは、脂環族基を含有する(メタ)アクリレートであって、ガラス転移温度が80℃以上でありうる。脂環式(メタ)アクリレートは、炭素数3以上10以下の単一環(monocyclic ring)または多重環(polycyclic ring)を有する、炭素のみからなる環を有する(メタ)アクリレートでありうる。例えば、ガラス転移温度が80℃以上である脂環式(メタ)アクリレートは、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一つを含みうる。
【0073】
一実施例において、脂環式(メタ)アクリレートは、樹脂組成物の全体100wt%に対して10wt%以上40wt%以下で含まれる。一実施例の樹脂組成物に脂環式(メタ)アクリレートが10wt%以上40wt%以下の含量範囲で含まれる場合、一実施例の樹脂組成物からなる接着部材APは、高温及び高湿の環境下に露出される場合でも優れた接着力を示しうる。
【0074】
アルキル(メタ)アクリレートは、アルキル基を有する(メタ)アクリレートである。アルキル(メタ)アクリレートは、非置換の炭素数1以上10以下のアルキル基を含有する(メタ)アクリレートでありうる。例えば、アルキル(メタ)アクリレートは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、へプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、iso-デシル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一つを含みうる。
【0075】
ヘテロ脂環式(メタ)アクリレートは、ヘテロ脂環族基を有する(メタ)アクリレートである。ヘテロ脂環式(メタ)アクリレートは、環をなす元素のうちに、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ元素を含有し、炭素数4乃至炭素数10の単一環または多重環を有する環を有する(メタ)アクリレートでありうる。例えば、ヘテロ脂環式(メタ)アクリレートは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどを含みうる。但し、これは例示的なものであって、実施例はこれに限らない。
【0076】
一実施例において、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、及びヘテロ脂環式(メタ)アクリレートのそれぞれは、重量平均分子量が150g/mol以上300g/mol以下でありうる。単官能(メタ)アクリレートモノマーに含まれた、それぞれのモノマーが、上述した範囲の重量平均分子量を有する場合、一実施例の樹脂組成物からなる接着部材APは、高温高湿環境下で優れた接着力を提供しうる。単官能(メタ)アクリレートモノマーの重量平均分子量が300g/molを超過する場合は、接着部材の接着力が低下しうるのであり、樹脂組成物の粘度が上がってインクジェット工程中で吐出不良が発生する恐れがある。単官能(メタ)アクリレートモノマーの重量平均分子量が150g/mol以下である場合は、硬化物の分子量が低下し、高温高湿環境下で白濁及び樹脂の劣化が発生する恐れがある。
【0077】
本発明において、樹脂組成物に含まれる単官能(メタ)アクリレートモノマーの含量は特に限らないが、例えば、単官能(メタ)アクリレートモノマーは樹脂組成物の全体100wt%に対して75wt%以上99wt%以下で含まれうる。樹脂組成物に単官能(メタ)アクリレートモノマーが前記含量範囲で含まれる場合、一実施例の接着部材APは、ガラス転移温度が-20℃以上20℃以下でありうる。それに伴い、接着部材APは、高温高湿環境下でも剥離が発生せず、優れた接着力を提供しうる。
【0078】
一実施例の樹脂組成物RCは光開始剤を含む。光開始剤はラジカル重合開始剤を含みうる。光開始剤は、樹脂組成物に1種または2種以上が含まれうる。樹脂組成物が複数個の光開始剤を含む場合、それぞれの光開始剤は、互いに異なる中心波長の紫外線光によって活性化されうる。
【0079】
例えば、光開始剤は、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン、及び、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オンのうちの少なくとも一つを含みうる。
【0080】
また、光開始剤は、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシド、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィナート、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド、[1-(4-フェニルスルファニルベンゾイル)ヘプチリデンアミノ]ベンゾアート、[1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)カルバゾール-3-イル]エチリデンアミノ]アセテート、及び、ビス(2,4-シクロペンタジエニル)ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1-ピリル)フェニル]チタン(IV)のうちの少なくとも一つを含みうる。また、樹脂組成物RCは、光開始剤としてOmnirad 819(IGM Resins社製)及びOmnirad 184(IGM Resins社製)のうちの少なくとも一つを含みうる。Omnirad 819(IGM Resins社製)及びOmnirad 184(IGM Resins社製)はラジカル重合開始剤でありうる。
【0081】
一実施例の樹脂組成物は、有機溶剤を樹脂組成物の全体100wt%に対して1wt%で含む。例えば、樹脂組成物は有機溶剤を実質的に含まない。つまり、一実施例の樹脂組成物は無溶剤タイプである。無溶剤タイプの樹脂組成物を利用して接着部材APを形成する場合、工程ステップのうちで、有機溶剤を乾燥するための工程が省略されうる。例えば、表示モジュールDMまたはウィンドウWPの上に樹脂組成物を塗布した後、追加の乾燥工程が省略されることで、長時間の連続工程が可能になり、生産効率及び製品品質が向上されうる。
【0082】
一実施例の樹脂組成物は、30℃での粘度が5mPa・s以上20mPa・s以下である。前記粘度は、日本産業規格(Japanese Industrial Standard)JIS K 2283に準拠して測定された値である。本発明によると、30℃の温度でJIS K 2283で測定された粘度が5mPa・s以下の樹脂組成物は、樹脂組成物を提供する際に、たれ・流れが発生するか、均一な量及び/または均一な厚さで塗布されない。「たれ」は組成物が目的の部材を逸脱して流れる現象を意味する。30℃の温度にてJIS K 2283で測定された粘度が20mPa・s以上の樹脂組成部は、吐出が容易ではなく、ノズルNZにて詰まりが発生する恐れがある。
【0083】
一実施例の接着部材APは、一実施例の樹脂組成物をウィンドウWPの一面または表示モジュールDMの一面の上に提供した後、ウィンドウWPの一面または表示モジュールDMの一面の上に提供される樹脂組成物に紫外線光を照射し硬化して形成される硬化物である。但し、実施例はこれに限らない。例えば、別途の工程で一実施例の樹脂組成物を紫外線光で硬化して接着部材APを形成し、接着フィルムの形態で硬化された状態の接着部材APの一面をウィンドウWPの一面または表示モジュールDMの一面の上に積層(lamination)し、接着部材APの残りの一面に取り付けられていないウィンドウWPの一面または表示モジュールDMの一面を取り付ける方法で接着部材APが提供されうる。
【0084】
一実施例において、接着部材APの厚さT0は、50μm以上200μm以下である。例えば、接着部材APは100μm以上200μm以下の厚さT0を有する。一実施例において、接着部材APの厚さT0は約200μmである。但し、これは例示的なものであって、接着部材APの厚さT0はこれに限らない。
【0085】
接着部材APは、200μm以下の厚さでヘイズが1%以下でありうる。例えば、接着部材APは、50μm以上200μm以下の厚さにてヘイズが0.1%以上1%以下でありうる。前記範囲のヘイズを有する接着部材APは、優れた透明度を示し、表示装置DDに適用する際に視認性を向上させうる。本明細書において、ヘイズ値は一実施例の樹脂組成物を硬化して形成する硬化物に対するヘイズ値であって、JIS K 7136:2000に準拠して測定された。ここで、前記硬化物は接着部材APに対応する。
【0086】
一実施例において、前記硬化物、つまり、接着部材APは、下記式1のヘイズ変化率が2%以下である。
【0087】
<式1>
ヘイズ変化率(%)=H2-H1
【0088】
前記式1において、H1は、前記硬化物(つまり、接着部材AP)形成直後のヘイズ値(単位:%)である。H2は85℃の温度及び85%の湿度条件で硬化物(つまり、接着部材AP)を72時間露出した際のヘイズ値(単位:%)である。
【0089】
一実施例の樹脂組成物からなる接着部材APは、高温及び高湿の条件で72時間露出された場合の吸湿率が2%以下である。本明細書において、高温は約85℃の温度で、高湿は約85%RHである。例えば、接着部材APは、高温高湿環境下での吸湿率が約0.1%以上2%以下、または約0.6%以上1.1%以下である。前記吸湿率は、前記85℃の温度及び85%RHの湿度条件で72時間露出される前の重量に対する割合で求める。接着部材APの吸湿率が、前記範囲以上、つまり、2%以上である場合、高温及び高湿の環境下で、接着部材APのヘイズ値が上昇し、表示装置DDの視認性が低下する。
【0090】
一実施例において、接着部材APは、ガラス基板及び高分子基板に対する180°ピール強度が400gf/25mm以上である。接着部材APは、高温高湿環境下で優れた180°ピール強度を示しうる。例えば、接着部材APは85℃の温度及び85%の湿度条件で72時間露出される際、ガラス基板及び高分子基板に対する180°ピール強度が400gf/25mm以上でありうる。
【0091】
高温及び高湿の条件でガラス基板及び/または高分子基板に対する180°ピール強度が400gf/25mm以下である接着部材APは、接着信頼性が低く、高温及び高湿の環境下で長時間露出される場合、表示モジュールDM及び/またはウィンドウWPから剥離されうる。これとは異なって、高温及び高湿の条件で、ガラス基板及び/または高分子基板に対する180°ピール強度が400gf/25mm以上である、一実施例の接着部材APは、優れた接着信頼性を示しうる。それに伴い、一実施例の接着部材APを含む表示装置DDは、優れた耐久性を示しうる。
【0092】
一実施例において、接着部材APのガラス転移温度(Tg、Glass Transition Temperature)は、-20℃以上20℃以下である。上述した範囲のガラス転移温度を有する接着部材APは、高温及び高湿の環境下に露出される場合でも、ウィンドウWPに対する高い接着力を示しうる。それに対し、接着部材APのガラス転移温度(Tg)が-20℃以下である場合は、湿熱環境での耐性が低くなり、樹脂組成物の硬化物である接着部材APがもろくなって接着強度が低下しうる。また、接着部材APのガラス転移温度(Tg)が20℃を超過する場合は、ウィンドウWPに対する密着性が低下し、湿熱環境下でウィンドウWPと接着部材APの界面に水分が浸透して、接着部材APの接着強度が低下しうる。
【0093】
一実施例の表示装置DDは、一実施例の表示装置の製造方法で形成されうる。一実施例の表示装置の製造方法において、接着部材APは、上述した一実施例の樹脂組成物からなる。一実施例の表示装置の製造方法は、第1基材の上に樹脂組成物を提供するステップと、樹脂組成物を1次硬化して予備接着部材を形成するステップと、予備接着部材の上に第2基材を配置した後、2次硬化することで接着部材を形成するするステップとを含む。一実施例において、第1基材及び第2基材のうちのいずれか一つは表示モジュールDM(図3)であり、表示モジュールDM(図3)ではない残りの一つはウィンドウWP(図3)である。
【0094】
図4乃至図6は、一実施例の表示装置の製造ステップを概略的に示す図である。以下、図4乃至図6を参照して説明する一実施例の表示装置の製造方法に関する説明において、上述した図1乃至図3を参照して説明した内容と重複する内容は再度説明せず、差の部分を中心に説明する。
【0095】
図4は、第1基材の上に接着部材を形成するための樹脂組成物を提供するステップを示す図である。図4を参照すると、第1基材の上に樹脂組成物RCがノズルNZを介して提供される。第1基材は、樹脂組成物RCが提供される部材であって、図4では表示モジュールDMの一面の上に樹脂組成物RCが提供されると示されている。この場合、第2基材はウィンドウWP(図6)でありうる。
【0096】
図4の図示とは異なって、樹脂組成物RCがウィンドウWPの一面の上に提供されてもよい。予備接着部材P-APはウィンドウWPの一面の上に提供される樹脂組成物RCからなってもよい。この場合、第2基材は表示モジュールDMでありうる。
【0097】
一部の実施例において、樹脂組成物RCは、別途の基板(例えば、キャリア基板)の上に提供される。別途の基板の上に樹脂組成物RCを提供して予備接着部材P-APを形成する場合、別途の基板には、樹脂組成物RCが塗布される面に離型処理(release treatment)がなされているのでありうる。
【0098】
樹脂組成物RCは、インクジェットプリンティング(Inkjet printing)法またはディスペンシング(Dispensing)法で提供されうる。樹脂組成物RCは30℃の温度で提供されうる。30℃以下の温度で樹脂組成物を提供する場合、温度を安定に維持することが容易ではなく、温度変化は、製造信頼性を低下させうる。30℃超過の温度で樹脂組成物を提供する場合、樹脂組成物に含まれるモノマー(単官能モノマーなど)の揮発性が増加するようになりうる。それに伴い、30℃超過の温度で樹脂組成物RCを提供する場合、ノズルNZから樹脂組成物RCを吐出することが難しく、接着部材APの形成が容易ではない。これとは異なって、30℃の温度で樹脂組成物RCを提供する場合、ノズルNZから樹脂組成物RCが円滑に吐出されて、一実施例による接着部材APの形成が容易でありうる。
【0099】
上述したように、一実施例の樹脂組成物RCは、約30℃で5mPa・s以上20mPa・s以下の粘度を有することで、ノズルNZなどから容易に吐出されるのであって、薄いながらも一定なコーティング厚さが維持されるように提供されうる。
【0100】
樹脂組成物RCは光によって硬化されうる。図5は、第1基材の上に塗布された樹脂組成物RCに第1光UV-1を提供して予備接着部材P-AP(図6)を形成するステップを示している。図7は、予備接着部材P-APの上にウィンドウWPを配置し、予備接着部材P-APに第2光UV-2を提供するステップを示している。予備接着部材P-APに第2光UV-2を照射して硬化させたなら、一実施例の接着部材AP(図3)を形成することができる。第2光UV-2は、ウィンドウWPを透過して予備接着部材P-APに提供されうる。
【0101】
第1光UV-1及び第2光UV-2は、紫外線領域の光でありうる。第2光UV-2の総量は第1光UV-1の総量より多いのでありうる。例えば、第1光UV-1の総量は200mJ/cm以上1000mJ/cm以下である。第2光UV-2の総量は3500mJ/cm以上4500mJ/cm以下でありうる。但し、これは例示的なものであって、第1光UV-1の総量及び第2光UV-2の総量はこれに限らない。
【0102】
上述したように、一実施例の樹脂組成物RCからなる接着部材APは、ガラス転移温度が-20℃以上20℃以下で、約200μm以下の厚さにてヘイズが1%以下で、85℃の温度及び85%の湿度の条件で72時間露出される場合に20%以下の吸湿率を示す。よって、一実施例の樹脂組成物RCからなる接着部材AP(図3)は、高温高湿環境下でも接着力及び透明性に優れ、表示装置DDに適用される際に優れた耐久性及び向上された表示品質を提供する。
【0103】
図7は、一実施例による表示装置を示す断面図である。以下、図7に示した表示装置に関する説明において、上述した図1乃至図6を参照して説明した内容と重複する内容は再度説明せず、差を中心に説明する。
【0104】
図7に示した表示装置DD-aは、図2及び図3を参照して説明した表示装置DDに比べ、光制御層PPと光学接着層AP-aとを更に含む。一実施例の表示装置DD-aは、接着部材APとウィンドウWPとの間に配置される光制御層PPと、光制御層PPとウィンドウWPとの間に配置される光学接着層AP-aとを更に含む。
【0105】
光制御層PPは表示パネルDPの上に配置され、外部光による表示パネルDPにおける反射光を制御する。光制御層PPは、例えば偏光板を含むか、またはカラーフィルタ層を含む。
【0106】
光学接着層AP-aは、光学透明接着樹脂層(OCR、optically clear adhesive resin layer)である。光学接着層AP-aは、上述した一実施例による樹脂組成物からなる。また、光学接着層AP-aは、光学透明接着樹脂層(OCA、optically clear adhesive film)であってもよい。
【0107】
一実施例の樹脂組成物からなる光学接着層AP-aは、高温高湿環境下で72時間露出される場合でも、ガラス基板及び高分子基板に対する180°ピール強度が400gf/25mm以上である。それに伴い、一実施例の光合接着層AP-aは、高い接着力を示す。一実施例の表示装置DD-aは、一実施例の樹脂組成物からなる光学接着層AP-aと接着部材APとを含む。光学接着層AP-a及び接着部材APが高い密着力を有することで、表示装置DD-aは、高温及び高湿の環境下で光学接着層AP-aと接着部材APとの界面にて浮き上がり現象が発生せず、優れた耐久性を示す。
【0108】
図8は、一実施例による表示装置を示す断面図である。以下、図8に示した一実施例に対する表示装置に関する説明において、上述した図1乃至図7を参照して説明した内容と重複する内容は再度説明せず、差の部分を中心に説明する。
【0109】
図8に示した表示装置DD-bは、図2及び図3を参照して説明した表示装置DDと比較して、光制御層PPと、光学接着層AP-aと、層間接着層PIBとを更に含む。図8に示した一実施例の表示装置DD-bは、図7に示した一実施例の表示装置DD-aのように、接着部材APとウィンドウWPとの間に配置される光制御層PPと、光制御層PPとウィンドウWPとの間に配置される光学接着層AP-aとを更に含む。
【0110】
一実施例の表示装置DD-bにおいて、接着部材APは、表示パネルDPと入力感知部TPとの間に配置される。つまり、入力感知部TPが表示パネルDPの上に直接配置されず、接着部材APによって表示パネルDPと入力感知部TPとが互いに結合しうる。例えば、接着部材APは、表示パネルDPの封止層TFE(図3)と入力感知部TPとの間に配置されうる。
【0111】
光制御層PPの下側には層間接着層PIBが提供されうる。層間接着層PIBは、入力感知部TPと光制御層PPとの間に配置され、透湿防止性に優れた接着材料からなる。例えば、層間接着層PIBはポリイソブチレンを含んで形成される。層間接着層PIBは入力感知部TPの上に配置され、入力感知部TPの感知電極の腐食を防止する。一実施例の表示装置DD-bは、一実施例による樹脂組成物RCからなる光学接着層AP-aと接着部材APとを含む。それによって、一実施例の表示装置DD-bは、優れた信頼性を示し、向上された表示品質を示す。
【0112】
図9は、第1乃至第4表示装置DD-1、DD-2、DD-3、DD-4が配置される車両AMを示す図である。第1乃至第4表示装置DD-1、DD-2、DD-3、DD-4のうちの少なくとも一つは、図1乃至3、7及び8を参照して説明した一実施例の表示装置DD、DD-a、DD-bのうちのいずれか一つと同じ構成を含む。
【0113】
図9では車両AMとして自動車を示しているが、これは例示的なものであって、第1乃至第4表示装置DD-1、DD-2、DD-3、DD-4は、自転車、バイク、電車、船、飛行機など、他の運送手段に配置されてもよい。また、一実施例の表示装置DD、DD-a、DD-bのうちのいずれか一つの構成を同じく含む第1乃至第4表示装置DD-1、DD-2、DD-3、DD-4のうちの少なくとも一つは、本発明の概念から逸脱しない限り、他の電子機器に採用されうる。
【0114】
第1乃至第4表示装置DD-1、DD-2、DD-3、DD-4のうちの少なくとも一つは、一実施例の接着部材APを含みうる。一実施例の接着部材APのガラス転移温度が-20℃以上20℃以下で、200μm以下の厚さでヘイズが1%以下でありうる。また、一実施例の接着部材APは、85℃の温度及び85%の湿度の条件で72時間露出される場合でも、吸湿率が2%以下であり、ガラス基板及び高分子基板に対する180°ピール強度が400gf/25mm以上でありうる。それによって、一実施例の接着部材APを含む第1乃至第4表示装置DD-1、DD-2、DD-3、DD-4のうちの少なくとも一つは、耐久性に優れ、優れた表示品質を提供しうる。
【0115】
図9を参照すると、車両AMは、車両AMを動作するためのハンドルHAとギアGRとを含みうるのであって、運転者を向くように前方ウィンドウ(フロントウィンドウ)GLが配置されうる。
【0116】
第1表示装置DD-1は、ハンドルHAと重畳する(重なり合う)第1領域に配置されうる。例えば、第1表示装置DD-1は、車両AMの第1情報を表示するデジタルクラスタでありうる。第1情報は、車両AMの走行速度を意味する第1目盛り、エンジンの回転数(つまり、RPM(revolutions per minute))を示す第2目盛り、及び、燃料状態を示す画像などを含みうる。第1目盛り及び第2目盛りは、デジタル画像で表示されうる。
【0117】
第2表示装置DD-2は、運転席と向き合い、前方ウィンドウGLと重畳する第2領域に配置されうる。運転席は、ハンドルHAが配置される座席でありうる。例えば、第2表示装置DD-2は、車両AMの第2情報を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD、Head Up Display)でありうる。第2表示装置DD-2は光学的に透明でありうる。第2情報は、車両AMの走行速度を示すデジタル数字を含み、現在時刻などの情報を更に含みうる。図示とは異なって、第2表示装置DD-2の第2情報は、前方ウィンドウGLに投影されて表示されてもよい。
【0118】
第3表示装置DD-3は、ギアGRに隣接した第3領域に配置されうる。例えば、第3表示装置DD-3は、運転席と助手席との間に配置され、第3情報を表示する車両AM用情報案内ディスプレイ(CID、Center Information Display)でありうる。助手席は、ギアGRを間に挟んで運転席と離隔された座席でありうる。第3情報は、道路の状況(例えば、ナビゲーション情報)、音楽またはラジオの再生、動的な映像(または画像)の再生、車両AM内部の温度などに関する情報を含みうる。
【0119】
第4表示装置DD-4は、ハンドルHA及びギアGRと離隔され、車両AMの側部に隣接した第4領域に配置されうる。例えば、第4表示装置DD-4は、第4情報を表示するデジタルサイドミラーでありうる。第4表示装置DD-4は、車両AMの外側に配置されるカメラモジュールCMで撮影された車両AM外部の映像を表示しうる。第4情報は車両AMの外部の映像を含みうる。
【0120】
上述した第1乃至第4情報は、例示的なものであって、第1乃至第4表示装置DD-1、DD-2、DD-3、DD-4は車両の内部及び外部に関する情報を更に表示してもよい。第1乃至第4情報は互いに異なる情報を含みうる。但し、実施例はこれに限らず、第1乃至第4情報の一部は、互いに同じ情報を含んでもよい。
【0121】
以下では実施例及び比較例を参照しながら、本発明の一実施形態による樹脂組成物からなる接着部材及び表示装置について詳しく説明する。また、以下に示す実施例は本発明の理解を助けるための一例示であって、本発明の範囲はこれに限らない。
【0122】
[実施例]
1.樹脂組成物の調製
実施例及び比較例の樹脂組成物は、表1及び表2に記載の配合比によって調製された。表1及び表2に開示の材料をそれぞれの重量割合で耐熱遮光容器に提供した。次に、組成物が均一に混合されるように公転自転式撹拌脱泡装置(SHASHIN KAGAKU CO.,LTD.製品)を使用し、1000rpmで30分間撹拌して実施例及び比較例の樹脂組成物を調製した。下記表にて、各実施例及び各比較例の列に記載された数字は、重量%(wt%)である。
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
<表1及び2の材料に対する資料>
UV-3700B:ウレタンアクリレート(Mitsubishi Chemical Inc.製品)
UV-3300B:ウレタンアクリレート(Mitsubishi Chemical Inc.製品)
UN-7700:ウレタンアクリレート(Negami Chemical Industrial Co., Ltd.製品)
UF-C051:ウレタンアクリレート(Kyoeisha Chemical Co., Ltd.)
TEAI-1000:ラジカル硬化性基を有するポリブタジエン化合物(Nippon Soda Co., Ltd.製品)
IDAA:イソデシルアクリレート(Osaka Organic Chemical Industry Ltd.製品)
IBXA:イソボルニルアクリレート(Osaka Organic Chemical Industry Ltd.製品)
FA-513AS:ジシクロペンタニルアクリレート(Showa Denko Materials社製)
2-EHA:2-エチルヘキシルアクリレート(Toagosei Co., Ltd.製品)
THF-A:テトラヒドロフルフリルアクリレート(Kyoeisha Chemical Co., Ltd.製品)
Medol-10:2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イルメチルアクリレート(Osaka Organic Chemical Industry Ltd.製品)
4-HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート(Osaka Organic Chemical Industry Ltd.製品)
SYA004:10-ヒドロキシデシルアクリレート(Sanyu Chemical Co.,Ltd.製品)
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
Omnirad 819:フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド(IGM Resins社製)
Omnirad 184:1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン(IGM Resins社製)
【0126】
2.樹脂組成物及び接着部材の評価
下記表3及び表4には、実施例及び比較例の樹脂組成物の粘度及び塗布性を評価し、その結果を示した。また、樹脂組成物の硬化物(つまり、接着部材)のガラス転移温度、ヘイズ、ヘイズ変化率、吸湿率、及び180°ピール強度を評価し、その結果を表3及び表4に示した。また、樹脂組成物に含まれたヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートの濃度(mol%)を計算し、表3及び表4に示した。
【0127】
<樹脂組成物の粘度測定>
JIS K 2283に準拠して30℃の温度で樹脂組成物の粘度を測定した。樹脂組成物の粘度は、粘度計TVE-25L(TOKI SANGYO Co.,Ltd.製品)を利用し、50rpmの速度条件で測定した。
【0128】
<樹脂組成物の塗布性(樹脂組成物のインクジェットプリンタへの提供)>
樹脂組成物のインクジェットプリンティングへの提供は、インクジェットプリンタ機器での塗布可否を評価した。調製した樹脂組成物を、ソーダライムガラス(Soda-lime glass、Central Glass Co., Ltd.製品)の上に、インクジェットプリンタ(MICROJET社製)を利用して厚さ200μmになるように塗布した。塗布された樹脂組成物に紫外線光を照射して硬化し、硬化後、硬化物(つまり、接着部材)の外観を肉眼で観察した。表3及び表4に樹脂組成物が安定的に吐出され均一な厚さで塗布された場合は「◎」で表記し、インクジェットプリンタから樹脂組成物が吐出されなかった場合は「X」で表記した。
【0129】
<ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートの濃度(mol%)>
ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートの濃度(mol%)は下記式1aで算出した。
【0130】
<式1a>
ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートの濃度(mol%)=樹脂組成物中のヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートのmol数÷樹脂組成物中の全化合物のmol数×100
【0131】
式1aにおいて、樹脂組成物中の全化合物のmol数は下記式1bで算出した。
【0132】
<式1b>
樹脂組成物中の全化合物のmol数=Σ{樹脂組成物中のそれぞれの化合物の含有量(g)÷それぞれの化合物の分子量(g/mol)}
【0133】
<接着部材のガラス転移温度>
スライドガラス(Matsunami Glass Ind.,Ltd.製品、スライドガラスS1112)の上に離型処理されたPETフィルム(PANAC CO.,LTD.製品、NP100A)、直径8mmの穴をあけたシリコーンゴムシート(Tigers Polymer Corporation製品)を順次に積層した。シリコーンゴムシートの穴に28μLの樹脂組成物を滴下し、405nm、365nmにピークを有するUV-LEDランプを利用して、それぞれ光の総量が220mJ/cm、380mJ/cmになるように紫外線光を照射した。次に、離型処理されたPETフィルム(PANAC CO.,LTD.製品、NP100A)、スライドガラス(Matsunami Glass Ind.,Ltd.製品、スライドガラスS1112)を順次に積層した。紫外線光を照射した後、積層されたスライドガラスの上側から395nmにピークを有するUV-LEDランプを利用し、光の総量が4000mJ/cmになるように紫外線光を照射して、接着部材(直径8mm、厚さ500μm)を得た。動的粘弾性測定装置(Anton Paar Japan K.K製品、MCR302)で接着部材のガラス転移温度を測定した。測定条件は、周波数1Hz、温度範囲-50℃乃至80℃、昇温速度2℃/分にした。
【0134】
<接着部材の初期ヘイズ値(%)>
調製した実施例及び比較例の樹脂組成物をスライドガラス(Matsunami Glass Ind.,Ltd.製品、スライドガラスS1112)の上に厚さが200μmになるように塗布し、スライドガラスで包んだ。次に、395nmにピークを有するUV-LEDランプを利用し、光の総量が4000mJ/cmになるように紫外線光を照射して、樹脂組成物を硬化させた。これから得られたヘイズ値評価用サンプルについて、JIS K 7136:2000に準拠してヘイズ値を評価し、それを樹脂硬化物の初期HAZE値(%)と表記した。
【0135】
<接着部材の吸湿率>
前記ガラス転移温度を測定するための接着部材と同じ製作方法で、直径20mm、厚さ5mmの吸湿率評価用サンプルを製造した。
【0136】
吸湿率評価用サンプルを85℃、85%RHの湿熱条件下で72時間保管してから取り出し、常温常湿(温度25℃、湿度50%)下で冷却のために1時間放置した。温度85℃及び湿度85%で72hの吸湿率(%)は下記式で算出した。
【0137】
温度85℃及び湿度85%で72hの吸湿率(%)={(温度85℃・湿度85%で72h保管後の重量[g])-(初期サンプルの重量[g])}÷(初期サンプルの重量[g])×100
【0138】
<接着部材のヘイズ変化率(%)>
上述したヘイズ値の測定方法と同じ方法でヘイズ変化率評価用サンプルを製作し、それを温度85℃、湿度85%の湿熱条件下で72時間保管してから取り出して、冷却のために、常温常湿下で1時間放置した。
【0139】
次に、前記初期ヘイズ値の測定と同じ方法で、ヘイズ変化率評価用サンプルのヘイズ値を測定した。温度85℃、湿度85%の条件下で72時間露出した後のヘイズ変化率(%)は、下記式1cで算出した。
【0140】
<式1c>
ヘイズ変化率(%)=85℃の温度及び85%の湿度の条件下で72時間露出させたヘイズ変化率評価用サンプルのヘイズ値(%)-初期ヘイズ値(%)
【0141】
<接着部材の180°ピール強度>
調製した樹脂組成物をソーダライムガラス(Soda-lime glass、Central Glass Co., Ltd.製品)の上に、厚さ200μmになるように塗布した。塗布された樹脂組成物に、405nm、365nmにピークを有するUV-LEDランプを利用し、それぞれ光の総量が220mJ/cm、380mJ/cmになるように紫外線光を照射して予備接着部材を形成した。形成された予備接着部材の上に、PETフィルム(TOYOBO Co., Ltd.製品、製品名A4360、厚さ50μm)を接合し、自動加熱加圧処理装置(Chiyoda Electric Co., Ltd.製品、製品名ACS-230)を利用して、30℃の温度及び0.5MPaの圧力条件で5分間処理した。次に、予備接着部材に、光の総量が4000mJ/cmになるように紫外線光を照射して、接着部材を含む積層体を得た。それを温度85℃、湿度85%の湿熱条件下で72時間保管した後、引張試験機(A&D Co,. Ltd.製品、TENSILON)を利用して得られた積層体の180°ピール強度を測定した。180°ピール強度は、85℃の温度及び86%の湿度環境下で、引張速度300mm/minで測定した。
【0142】
【表3】
【0143】
【表4】
【0144】
表3を参照すると、実施例1乃至5の樹脂組成物は、30℃の温度でJIS K 2283で測定した粘度が5mPa・s以上20mPa・s以下であることが分かる。粘度が5mPa・s以上20mPa・s以下である実施例1乃至5の樹脂組成物は、インクジェットプリンタ法への提供が容易であることが分かる。実施例1乃至5の樹脂組成物は一実施例による樹脂組成物であり、実施例1乃至5の樹脂組成物からなる接着部材は一実施例による接着部材である。
【0145】
実施例1乃至5の樹脂組成物からなる接着部材は、ガラス転移温度が-20℃以上20℃以下であることが分かる。実施例1乃至5の樹脂組成物からなる接着部材は、高温及び高湿の環境に露出される場合でも、優れた接着力を示すことが分かる。
【0146】
また、実施例1乃至5の樹脂組成物からなる接着部材は、温度85℃、湿度85%の環境下での180°ピール強度が400[gf/25mm]以上で高い数値を示しており、同時に湿熱環境下で72時間保管された後もヘイズ値の変化率が小さいため、視認性の低下を抑制することが分かる。
【0147】
それに対し、表4を参照すると、比較例1の樹脂組成物は、30℃の温度でJIS K 2283で測定した粘度が20mPa・s以上であることが分かる。比較例1の樹脂組成物は、樹脂組成物の全体の重量を基準に10wt%以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む(表2)ことで、20mPa・sを超える高い粘度を示し、インクジェットプリンタからの吐出が不良であることを確認した。
【0148】
比較例2の樹脂組成物からなる接着部材は、高温及び高温の条件下に露出される際にヘイズ変化率が高く、視認性が低下したことが分かる。比較例2の樹脂組成物は、樹脂組成物に含まれたヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートの濃度が20.9mol%と高く、吸湿性が上昇したためである。
【0149】
比較例3及び比較例4の樹脂組成物からなる接着部材は、高温及び高湿環境下で180°ピール強度が低下したことを確認した。比較例3の樹脂組成物は、樹脂組成物に含まれたヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートの濃度が4.4mol%で低く、極性基材であるガラス基板に対する密着性が低下したためであると考えられる。また、比較例4の樹脂組成物は、一実施例によるガラス転移温度を満足せず、高いガラス転移温度を有することからガラス基板に対する密着性が低下し、ガラス基板及び硬化物(つまり、接着部材)の界面に水分が浸透して180°ピール強度が低下した。
【0150】
比較例5の樹脂組成物からなる接着部材は、高温及び高湿環境下でのヘイズ変化率が大きいため視認性が著しく低下し、また、180°ピール強度も低下した。比較例5の樹脂組成物からなる接着部材は、ガラス転移温度が低くて高温及び高湿環境下での耐性が低く、吸性性の上昇及び耐久性の低下が発生した。
【0151】
比較例6の樹脂組成物からなる接着部材は、高温及び高湿環境下でのヘイズ変化率が高く、180°ピール強度が低下したことを確認した。比較例6の樹脂組成物はガラス転移温度が80℃以上の脂環式(メタ)アクリレートを含まないため、高温及び高湿環境下に露出される場合に接着力が低下すると考えられる。
【0152】
これまで本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者または該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるはずである。
【0153】
好ましい一実施形態によると、下記のとおりである。
【0154】
本件の背景及び課題は下記(i)~(vii)のとおりである。
【0155】
(i) スマートフォンなどのモバイル機器の表示パネルには、多くの場合、表示面を覆うように、「ウィンドウ」と呼ばれる保護用の透明板が貼り付けられている。
【0156】
(ii) 「ウィンドウ」の貼り付けのためには、OCA(Optically Clear Adhesive:光学透明粘着剤)と呼ばれる、粘着剤または粘着シートが用いられている。
【0157】
(iii) 粘着シートを用いる場合、気泡や粉じんなどを噛み込んで、貼り付け操作をやり直す必要が生じうる。そのため、一般には、接着剤を表示パネルまたはウィンドウに塗布し、少し乾燥または予備硬化を行わせてからウィンドウまたは表示パネルを貼り付けるといった工程を行うことが考えられる。
【0158】
(iv) 貼り合わせ前などの乾燥または予備硬化を行う必要がある場合、それだけ、工程時間が長くなり、粉じんなどの異物が入り込むリスクも増大する。
【0159】
(v) そこで、無溶剤であることから乾燥工程が不要であって、予備硬化のための時間やコストを最小化できるものが好ましい。
【0160】
(vi) また、塗布の操作が容易であるように、塗布液の粘性及びレオロジー(粘弾性)特性が適当であることが必要である。
【0161】
(vii) 一方では、「ウィンドウ」の粘着剤に対する耐久性の要求がますます増大している。すなわち、高温・高湿の環境に長期間曝されても、剥離や白濁が生じない耐久性に対する要求が一層高くなりつつある。
【0162】
このような要求を同時に満足するように、多数の硬化性モノマーの組み合わせについて検討した。その結果、特定のアクリレート組成物の組み合わせにより、優れた効果を得ることができた。
【0163】
すなわち、特に好ましい実施形態において、下記A1~A6またはA1~A8のとおりとする。
【0164】
なお、本願にて、重量平均分子量(Mw)は、光散乱検出器を備えるGPC(SEC)により、THFなどの溶媒にて、25~40℃などの適当な温度で測定することができる。すなわち、重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算などでなく、絶対分子量基準である。
【0165】
A1 重量平均分子量(Mw)が10,000g/mol以上40,000g/mol以下である単官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを、1wt%以上10wt%以下の含量で含む。
【0166】
A2 重量平均分子量(Mw)が150g/mol以上300g/mol以下であって一つのヒドロキシ基を含有する単官能(メタ)アクリレートモノマーを、5mol%以上20mol%以下で含有する。
【0167】
実施例では、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4-HBA)、10-ヒドロキシデシルアクリレート(SYA004)またはヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を10~15重量%で含有する。
【0168】
A3 重量平均分子量(Mw)が150g/mol以上300g/mol以下であって脂環式である単官能(メタ)アクリレートを10wt%以上40wt%以下で含有する。
実施例では、イソボルニルアクリレート(IBXA)またはジシクロペンタニルアクリレート(FA-513AS)を10~33重量%で含有する。
【0169】
A4 重量平均分子量(Mw)が150g/mol以上300g/mol以下であって一つのアルキル基を有する非脂環式で非ヒドロキシ性の単官能(メタ)アクリレートを10wt%以上50wt%以下で含有する。ここでのアルキル基は、炭素数4~12または6~10である。
【0170】
実施例では、イソデシルアクリレート(IDAA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)を30~47重量%で含有する。
【0171】
A5 重量平均分子量(Mw)が150g/mol以上300g/mol以下であって酸素含有ヘテロ脂環を有する単官能(メタ)アクリレートを10wt%以上40wt%以下で含有する。
【0172】
実施例では、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THF-A)を20重量%で含有する。
【0173】
A6 上記4種の単官能(メタ)アクリレートは、トータルで、75wt%以上99wt%以下が含有される。
【0174】
A7 樹脂組成物のガラス転移温度(粘弾性法)は、実施例にて-4~13℃である。
【0175】
A8 樹脂組成物の回転粘度(mPa・s、30℃;B型粘度計)は、実施例にて5~20mPa・sである。
【0176】
よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載の内容に限らず、特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0177】
DD:表示装置 DP:表示パネル
WP:ウィンドウ AP:接着部材
RC:樹脂組成物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9