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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111828
(43)【公開日】2024-08-19
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/06 20060101AFI20240809BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20240809BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20240809BHJP
C11D 3/04 20060101ALI20240809BHJP
C11D 1/38 20060101ALI20240809BHJP
C11D 1/86 20060101ALI20240809BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20240809BHJP
C11D 1/62 20060101ALI20240809BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20240809BHJP
【ＦＩ】
C11D17/06
C11D1/02
C11D1/66
C11D3/04
C11D1/38
C11D1/86
C11D3/37
C11D1/62
C11D17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2024015364
(22)【出願日】2024-02-05
(31)【優先権主張番号】P 2023015856
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100203242
【弁理士】
【氏名又は名称】河戸 春樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 渉
(72)【発明者】
【氏名】小島 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】久米 敏正
(72)【発明者】
【氏名】齊川 勝也
(72)【発明者】
【氏名】福田 雅弥
(72)【発明者】
【氏名】石炭 大輝
【テーマコード（参考）】
4H003
【Ｆターム（参考）】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB27
4H003AC08
4H003AE05
4H003BA01
4H003BA09
4H003BA17
4H003DA01
4H003DA05
4H003DA17
4H003DA19
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA12
4H003EA16
4H003EA19
4H003EA27
4H003EA28
4H003EB30
4H003EB36
4H003EC02
4H003FA04
4H003FA23
4H003FA34
4H003FA40
(57)【要約】
【課題】繊維製品の優れた洗浄性、すすぎ性及び仕上がり性を有し、更に繊維製品に抗菌性を付与する洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】下記（Ａ）成分、下記（Ｂ）成分、（Ｃ）水不溶性無機成分、（Ｄ）カチオン界面活性剤及び（Ｅ）アニオン性ポリマーを所定量含有し、（Ｂ）の含有量と、（Ｂ）と（Ｃ）の合計含有量との質量比が０を超え０．５０以下である、洗浄剤組成物。
（Ａ）成分：（ａ１）ノニオン界面活性剤と任意に（ａ２）アニオン界面活性剤を所定の割合で含む界面活性剤
（Ｂ）成分：下記（ｂ１）成分と（ｂ２）成分を所定の割合で含む水溶性無機塩
（ｂ１）成分：０．１ｇ／Ｌ水溶液のｐＨが９．０以上である水溶性無機塩
（ｂ２）成分：０．１ｇ／Ｌ水溶液のｐＨが９．０未満である水溶性無機塩
【選択図】なし
【解決手段】下記（Ａ）成分、下記（Ｂ）成分、（Ｃ）水不溶性無機成分、（Ｄ）カチオン界面活性剤及び（Ｅ）アニオン性ポリマーを所定量含有し、（Ｂ）の含有量と、（Ｂ）と（Ｃ）の合計含有量との質量比が０を超え０．５０以下である、洗浄剤組成物。
（Ａ）成分：（ａ１）ノニオン界面活性剤と任意に（ａ２）アニオン界面活性剤を所定の割合で含む界面活性剤
（Ｂ）成分：下記（ｂ１）成分と（ｂ２）成分を所定の割合で含む水溶性無機塩
（ｂ１）成分：０．１ｇ／Ｌ水溶液のｐＨが９．０以上である水溶性無機塩
（ｂ２）成分：０．１ｇ／Ｌ水溶液のｐＨが９．０未満である水溶性無機塩
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記（Ａ）成分を５質量％以上４０質量％以下、下記（Ｂ）成分を２０質量％以上８０質量％以下、下記（Ｃ）成分を５質量％以上４０質量％以下、下記（Ｄ）成分を０．１質量％以上５．０質量％以下、下記（Ｅ）成分を０．１質量％以上１０質量％以下含有し、
（ａ２）成分の含有量と、（ａ１）成分と（ａ２）成分の合計含有量との質量比（ａ２）／［（ａ１）＋（ａ２）］が０以上０．５以下、
（ｂ２）成分の含有量と、（ｂ１）成分と（ｂ２）成分の合計含有量との質量比（ｂ２）／［（ｂ１）＋（ｂ２）］が０．２以上０．８以下、
（Ｃ）成分の含有量と、（Ｂ）成分と（Ｃ）成分の合計含有量との質量比（Ｃ）／［（Ｂ）＋（Ｃ）］が０を超え０．５０以下である、
洗浄剤組成物。
（Ａ）成分：下記（ａ１）成分及び下記（ａ２）成分から選ばれる１種以上
（ａ１）成分：ノニオン界面活性剤
（ａ２）成分：アニオン界面活性剤
（Ｂ）成分：下記（ｂ１）成分及び下記（ｂ２）成分から選ばれる１種以上
（ｂ１）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩
（ｂ２）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩
（Ｃ）成分：水不溶性無機成分
（Ｄ）成分：カチオン界面活性剤
（Ｅ）成分：アニオン性ポリマー
（ａ２）成分の含有量と、（ａ１）成分と（ａ２）成分の合計含有量との質量比（ａ２）／［（ａ１）＋（ａ２）］が０以上０．５以下、
（ｂ２）成分の含有量と、（ｂ１）成分と（ｂ２）成分の合計含有量との質量比（ｂ２）／［（ｂ１）＋（ｂ２）］が０．２以上０．８以下、
（Ｃ）成分の含有量と、（Ｂ）成分と（Ｃ）成分の合計含有量との質量比（Ｃ）／［（Ｂ）＋（Ｃ）］が０を超え０．５０以下である、
洗浄剤組成物。
（Ａ）成分：下記（ａ１）成分及び下記（ａ２）成分から選ばれる１種以上
（ａ１）成分：ノニオン界面活性剤
（ａ２）成分：アニオン界面活性剤
（Ｂ）成分：下記（ｂ１）成分及び下記（ｂ２）成分から選ばれる１種以上
（ｂ１）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩
（ｂ２）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩
（Ｃ）成分：水不溶性無機成分
（Ｄ）成分：カチオン界面活性剤
（Ｅ）成分：アニオン性ポリマー
【請求項2】
（ｂ１）成分は、アルカリ金属炭酸塩から選ばれる１種以上のアルカリ剤である、請求項１に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
（ｂ２）成分は、無機硫酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる１種以上の水溶性無機塩を含む、請求項１又は２に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
（Ｄ）成分は、塩化ベンザルコニウム及びアルキルトリメチルアンモニウムクロライドから選ばれる１種以上である、請求項１又は２に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
固体洗浄剤組成物である、請求項１又は２に記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
錠剤、粉末状又はペースト状である、請求項１又は２に記載の洗浄剤組成物。
【請求項7】
繊維製品用である、請求項１又は２に記載の洗浄剤組成物。
【請求項8】
請求項１又は２に記載の洗浄剤組成物と、前記洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を備える洗浄剤物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷低減や持続可能な社会システムへの観点、すなわちエコ・サステナブルの観点から、洗浄剤組成物の使用量、特に界面活性剤の量を低減することが求められている。
一方で、最近では夜洗濯や部屋干しなどが増加しており、それに伴って菌由来の洗濯物のニオイ悩みも増加してきている。更には近年のコロナウイルスの影響で衛生意識がより高まってきており、洗剤の基本機能として菌に対する効果は必須となってきている。
一方で、最近では夜洗濯や部屋干しなどが増加しており、それに伴って菌由来の洗濯物のニオイ悩みも増加してきている。更には近年のコロナウイルスの影響で衛生意識がより高まってきており、洗剤の基本機能として菌に対する効果は必須となってきている。
【0003】
特許文献１には、（ａ）非イオン界面活性剤、（ｂ）ＳｉＯ２分を５０重量％以上含む多孔質無機粉体、（ｃ）石鹸、を所定の量で均一に捏和・混合して固形洗剤を形成し、ついで無機質粉体を粉砕助剤として添加し該固形洗剤を破砕して粉粒状ないしは顆粒の洗剤粒子とする粒状非イオン洗剤組成物の製造方法が開示されている。
特許文献２には、（ａ）ノニオン界面活性剤、（ｂ）粘土鉱物、（ｃ）吸油性担体、（ｄ）所定の高分子キレートビルダー、及び（ｅ）陽荷電窒素原子を分子内に有し、前記ノニオン界面活性剤（ａ）に少なくとも部分的に溶解するとともに、前記粘土鉱物（ｂ）に吸着されている陽荷電窒素原子含有化合物、を含有する、高嵩密度粒状ノニオン洗剤組成物が開示されている。
特許文献３には、（ａ）所定のアミン化合物、（ｂ）スルホン酸塩、（ｃ）所定の非イオン性化合物、及び（ｄ）水溶性無機塩を含有し、ＪＩＳ Ｋ３３６２：１９９８記載の界面活性剤相当分が１０～６０質量％である粒状洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献２には、（ａ）ノニオン界面活性剤、（ｂ）粘土鉱物、（ｃ）吸油性担体、（ｄ）所定の高分子キレートビルダー、及び（ｅ）陽荷電窒素原子を分子内に有し、前記ノニオン界面活性剤（ａ）に少なくとも部分的に溶解するとともに、前記粘土鉱物（ｂ）に吸着されている陽荷電窒素原子含有化合物、を含有する、高嵩密度粒状ノニオン洗剤組成物が開示されている。
特許文献３には、（ａ）所定のアミン化合物、（ｂ）スルホン酸塩、（ｃ）所定の非イオン性化合物、及び（ｄ）水溶性無機塩を含有し、ＪＩＳ Ｋ３３６２：１９９８記載の界面活性剤相当分が１０～６０質量％である粒状洗浄剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平７－２８６１９５号公報
【特許文献2】特開平１０－１５８６９７号公報
【特許文献3】特開２００４－１０６８１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エコ・サステナブルの観点から、洗浄剤組成物には、少ない基剤量で高い洗浄性能が求められる。また、環境への配慮からすすぎの回数は少ないことが望ましい。
本発明は、繊維製品の優れた洗浄性、すすぎ性及び仕上がり性を有し、更に繊維製品に抗菌性を付与する洗浄剤組成物を提供する。
本発明における仕上がり性は、洗浄剤組成物の溶け残りを低減すること、被洗浄物におけるスジ残りを低減することをいう。
本発明は、繊維製品の優れた洗浄性、すすぎ性及び仕上がり性を有し、更に繊維製品に抗菌性を付与する洗浄剤組成物を提供する。
本発明における仕上がり性は、洗浄剤組成物の溶け残りを低減すること、被洗浄物におけるスジ残りを低減することをいう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記（Ａ）成分を５質量％以上４０質量％以下、下記（Ｂ）成分を２０質量％以上８０質量％以下、下記（Ｃ）成分を５質量％以上４０質量％以下、下記（Ｄ）成分を０．１質量％以上５．０質量％以下、下記（Ｅ）成分を０．１質量％以上１０質量％以下含有し、
（ａ２）成分の含有量と、（ａ１）成分と（ａ２）成分の合計含有量との質量比（ａ２）／［（ａ１）＋（ａ２）］が０以上０．５以下、
（ｂ２）成分の含有量と、（ｂ１）成分と（ｂ２）成分の合計含有量との質量比（ｂ２）／［（ｂ１）＋（ｂ２）］が０．２以上０．８以下、
（Ｃ）成分の含有量と、（Ｂ）成分と（Ｃ）成分の合計含有量との質量比（Ｃ）／［（Ｂ）＋（Ｃ）］が０を超え０．５０以下である、
洗浄剤組成物に関する。
（Ａ）成分：下記（ａ１）成分及び下記（ａ２）成分から選ばれる１種以上
（ａ１）成分：ノニオン界面活性剤
（ａ２）成分：アニオン界面活性剤
（Ｂ）成分：下記（ｂ１）成分及び下記（ｂ２）成分から選ばれる１種以上
（ｂ１）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩
（ｂ２）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩
（Ｃ）成分：水不溶性無機成分
（Ｄ）成分：カチオン界面活性剤
（Ｅ）成分：アニオン性ポリマー
（ａ２）成分の含有量と、（ａ１）成分と（ａ２）成分の合計含有量との質量比（ａ２）／［（ａ１）＋（ａ２）］が０以上０．５以下、
（ｂ２）成分の含有量と、（ｂ１）成分と（ｂ２）成分の合計含有量との質量比（ｂ２）／［（ｂ１）＋（ｂ２）］が０．２以上０．８以下、
（Ｃ）成分の含有量と、（Ｂ）成分と（Ｃ）成分の合計含有量との質量比（Ｃ）／［（Ｂ）＋（Ｃ）］が０を超え０．５０以下である、
洗浄剤組成物に関する。
（Ａ）成分：下記（ａ１）成分及び下記（ａ２）成分から選ばれる１種以上
（ａ１）成分：ノニオン界面活性剤
（ａ２）成分：アニオン界面活性剤
（Ｂ）成分：下記（ｂ１）成分及び下記（ｂ２）成分から選ばれる１種以上
（ｂ１）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩
（ｂ２）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩
（Ｃ）成分：水不溶性無機成分
（Ｄ）成分：カチオン界面活性剤
（Ｅ）成分：アニオン性ポリマー
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、繊維製品の優れた洗浄性、すすぎ性及び仕上がり性を有し、更に繊維製品に抗菌性を付与する洗浄剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の洗浄剤組成物が、繊維製品の優れた洗浄性、すすぎ性及び仕上がり性を有し、更に繊維製品に抗菌性を付与する機構は定かではないが、以下のように推察される。
本発明の洗浄剤組成物は、（ａ１）成分のノニオン界面活性剤と、（ａ２）成分のアニオン界面活性剤及び（ｂ１）成分のアルカリ剤を併用することで、皮脂汚れの洗浄性が向上すると推察される。
また、本発明の洗浄剤組成物は、（ａ２）成分と（Ｅ）成分のアニオン性ポリマーとの併用により、泥汚れの洗浄力が向上すると推察される。
また、本発明の洗浄剤組成物は、所定の（Ａ）成分を含み、更に（Ｂ）成分の水溶性無機塩と（Ｃ）成分の水不溶性無機塩の割合を所定の範囲とすることで、すすぎ性と仕上がり性の両立が達成できたものと推察される。なお、本発明における仕上がり性は、洗浄剤組成物の溶け残りを低減すること、被洗浄物におけるスジ残りを低減することをいう。
更に、本発明の洗浄剤組成物は、（Ａ）成分～（Ｅ）成分を組み合わせることで、（Ｄ）成分の抗菌性能を損なうことなく、繊維製品の優れた洗浄性、すすぎ性及び仕上がり性が得られたものと推察される。
なお、本発明の洗浄剤組成物は、上記の作用機構になんら限定されるものではない。
本発明の洗浄剤組成物は、（ａ１）成分のノニオン界面活性剤と、（ａ２）成分のアニオン界面活性剤及び（ｂ１）成分のアルカリ剤を併用することで、皮脂汚れの洗浄性が向上すると推察される。
また、本発明の洗浄剤組成物は、（ａ２）成分と（Ｅ）成分のアニオン性ポリマーとの併用により、泥汚れの洗浄力が向上すると推察される。
また、本発明の洗浄剤組成物は、所定の（Ａ）成分を含み、更に（Ｂ）成分の水溶性無機塩と（Ｃ）成分の水不溶性無機塩の割合を所定の範囲とすることで、すすぎ性と仕上がり性の両立が達成できたものと推察される。なお、本発明における仕上がり性は、洗浄剤組成物の溶け残りを低減すること、被洗浄物におけるスジ残りを低減することをいう。
更に、本発明の洗浄剤組成物は、（Ａ）成分～（Ｅ）成分を組み合わせることで、（Ｄ）成分の抗菌性能を損なうことなく、繊維製品の優れた洗浄性、すすぎ性及び仕上がり性が得られたものと推察される。
なお、本発明の洗浄剤組成物は、上記の作用機構になんら限定されるものではない。
【0009】
［洗浄剤組成物］
本発明の洗浄剤組成物は、下記の（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、（Ｄ）成分、及び（Ｅ）成分を所定量含有する。
（Ａ）成分：下記（ａ１）成分及び下記（ａ２）成分から選ばれる１種以上
（ａ１）成分：ノニオン界面活性剤
（ａ２）成分：アニオン界面活性剤
（Ｂ）成分：下記（ｂ１）成分及び下記（ｂ２）成分から選ばれる１種以上
（ｂ１）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩
（ｂ２）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩
（Ｃ）成分：水不溶性無機成分
（Ｄ）成分：カチオン界面活性剤
（Ｅ）成分：アニオン性ポリマー
本発明の洗浄剤組成物は、下記の（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、（Ｄ）成分、及び（Ｅ）成分を所定量含有する。
（Ａ）成分：下記（ａ１）成分及び下記（ａ２）成分から選ばれる１種以上
（ａ１）成分：ノニオン界面活性剤
（ａ２）成分：アニオン界面活性剤
（Ｂ）成分：下記（ｂ１）成分及び下記（ｂ２）成分から選ばれる１種以上
（ｂ１）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩
（ｂ２）成分：水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩
（Ｃ）成分：水不溶性無機成分
（Ｄ）成分：カチオン界面活性剤
（Ｅ）成分：アニオン性ポリマー
【0010】
＜（Ａ）成分＞
（Ａ）成分は、（ａ１）ノニオン界面活性剤及び（ａ２）アニオン界面活性剤から選ばれる１種以上の界面活性剤である。（Ａ）成分は、（ａ１）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤と、任意に（ａ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤と、を含む界面活性剤であってよい。
（Ａ）成分は、（ａ１）ノニオン界面活性剤及び（ａ２）アニオン界面活性剤から選ばれる１種以上の界面活性剤である。（Ａ）成分は、（ａ１）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤と、任意に（ａ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤と、を含む界面活性剤であってよい。
【0011】
＜（ａ１）成分＞
（ａ１）成分は、ノニオン界面活性剤である。（ａ１）成分は、洗浄性能の観点から、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、アルキル（ポリ）グリコシド（グリコシド型ノニオン界面活性剤）、ソルビタン系ノニオン界面活性剤、長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した化合物、脂肪酸モノグリセライド、及び蔗糖脂肪酸エステルから選ばれる１種以上を挙げることができる。
（ａ１）成分は、ノニオン界面活性剤である。（ａ１）成分は、洗浄性能の観点から、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、アルキル（ポリ）グリコシド（グリコシド型ノニオン界面活性剤）、ソルビタン系ノニオン界面活性剤、長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した化合物、脂肪酸モノグリセライド、及び蔗糖脂肪酸エステルから選ばれる１種以上を挙げることができる。
【0012】
（ａ１）成分のノニオン界面活性剤としては、（ａ１－１）アルキレンオキシ基を含み、アルキレンオキシ基の平均付加モル数が１以上３０以下である、ノニオン界面活性剤（以下、（ａ１－１）成分という）が好ましい。
（ａ１－１）成分のアルキレンオキシ基は、炭素数２以上４以下のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上の基が好ましく、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる１種以上の基がより好ましい。
（ａ１－１）成分のアルキレンオキシ基の平均付加モル数は、皮脂汚れに対する洗浄性の観点から、１以上、好ましくは６以上、より好ましくは８以上、そして、３０以下、好ましくは２５以下、より好ましくは２０以下、更に好ましくは１５以下である。
（ａ１－１）成分のアルキレンオキシ基は、炭素数２以上４以下のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上の基が好ましく、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる１種以上の基がより好ましい。
（ａ１－１）成分のアルキレンオキシ基の平均付加モル数は、皮脂汚れに対する洗浄性の観点から、１以上、好ましくは６以上、より好ましくは８以上、そして、３０以下、好ましくは２５以下、より好ましくは２０以下、更に好ましくは１５以下である。
【0013】
（ａ１－１）成分は、下記一般式（ａ１－１）で表されるノニオン界面活性剤が好ましい。
Ｒ１ａ（ＣＯ）ｍＯ－（Ａ１ａＯ）ｎ－Ｒ２ａ（ａ１－１）
〔式中、Ｒ１ａは炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基であり、Ｒ２ａは水素原子又はメチル基である。ＣＯはカルボニル基であり、ｍは０又は１の数である。Ａ１ａＯ基は炭素数２以上４以下のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上である。ｎはＡ１ａＯ基の平均付加モル数であって、１以上３０以下の数である。〕
Ｒ１ａ（ＣＯ）ｍＯ－（Ａ１ａＯ）ｎ－Ｒ２ａ（ａ１－１）
〔式中、Ｒ１ａは炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基であり、Ｒ２ａは水素原子又はメチル基である。ＣＯはカルボニル基であり、ｍは０又は１の数である。Ａ１ａＯ基は炭素数２以上４以下のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上である。ｎはＡ１ａＯ基の平均付加モル数であって、１以上３０以下の数である。〕
【0014】
一般式（ａ１－１）中、Ｒ１ａの炭素数は、皮脂に対する洗浄性の観点から、８以上、好ましくは１０以上、より好ましくは１２以上、そして、１８以下、好ましくは１６以下、より好ましくは１４以下である。
Ｒ１ａは、脂肪族炭化水素基であり、好ましくはアルキル基及びアルケニル基から選ばれる基である。
Ｒ１ａは、脂肪族炭化水素基であり、好ましくはアルキル基及びアルケニル基から選ばれる基である。
【0015】
一般式（ａ１－１）中、Ａ１ａＯ基は、炭素数２以上４以下のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上、好ましくは炭素数２以上３以下のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上、より好ましくはエチレンオキシ基である。Ａ１ａＯ基が、異なる複数のアルキレンオキシ基を含む場合、異なるアルキレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であってもよい。
【0016】
一般式（ａ１－１）中、ｎは、Ａ１ａＯ基の平均付加モル数であって、１以上３０以下の数である。一般式（ａ１－１）中、ｎは、皮脂汚れに対する洗浄性の観点から、１以上、好ましくは６以上、より好ましくは８以上、そして、３０以下、好ましくは２５以下、より好ましくは２０以下、更に好ましくは１５以下である。
一般式（ａ１－１）中、ｍは、洗浄性の観点から０が好ましい。
一般式（ａ１－１）中、Ｒ２ａは、洗浄性の観点から、水素原子が好ましい。
一般式（ａ１－１）中、ｍは、洗浄性の観点から０が好ましい。
一般式（ａ１－１）中、Ｒ２ａは、洗浄性の観点から、水素原子が好ましい。
【0017】
（ａ１－１）成分以外のアルキレンオキシ基を有さないノニオン界面活性剤の具体例としては、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、及びグリセリルモノエーテルから選ばれる１種以上が挙げられる。
【0018】
＜（ａ２）成分＞
（ａ２）成分は、アニオン界面活性剤である。（ａ２）成分は、粒子汚れの洗浄性能の観点から、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、アルカンスルホン酸型界面活性剤、オレフィンスルホン酸型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤、スルホ脂肪酸エステル型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる１種以上が好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる１種以上がより好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる１種以上が更に好ましい。
なお、（ａ２）成分が塩の場合、（ａ２）成分の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩等の無機塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩等の有機塩が挙げられる。（ａ２）成分の塩は、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩から選ばれる無機塩であり、より好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはナトリウム塩である。
（ａ２）成分は、アニオン界面活性剤である。（ａ２）成分は、粒子汚れの洗浄性能の観点から、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、アルカンスルホン酸型界面活性剤、オレフィンスルホン酸型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤、スルホ脂肪酸エステル型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる１種以上が好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる１種以上がより好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる１種以上が更に好ましい。
なお、（ａ２）成分が塩の場合、（ａ２）成分の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩等の無機塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩等の有機塩が挙げられる。（ａ２）成分の塩は、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩から選ばれる無機塩であり、より好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはナトリウム塩である。
【0019】
（ａ２）成分としては、下記一般式（ａ２－１）で表される化合物〔以下、（ａ２－１）成分という〕、一般式（ａ２－２）で表される化合物〔以下、（ａ２－２）成分という〕、一般式（ａ２－３）で表される化合物〔以下、（ａ２－３）成分という〕及び一般式（ａ２－４）で表される化合物〔以下、（ａ２－４）成分という〕から選ばれる１種以上の化合物が挙げられる。（ａ２）成分は、粒子汚れの洗浄性能の観点から、（ａ２－１）成分、（ａ２－２）成分、及び（ａ２－３）成分から選ばれる１種以上が好ましく、（ａ２－１）成分、及び（ａ２－２）成分から選ばれる１種以上がより好ましい。
Ｒ３ａ－Ｂ－ＳＯ３Ｍ （ａ２－１）
〔式（ａ２－１）中、Ｒ３ａは炭素数９以上１４以下のアルキル基を示し、Ｂはベンゼン環を示し、Ｂの炭素原子と結合するＲ３ａの炭素原子が第２級炭素原子であり、Ｍは陽イオンを示す。Ｂに結合するＲ３ａに対して、スルホン酸基はオルト、メタ又はパラ位に結合している。〕
Ｒ４ａ－ＣＯＯＭ （ａ２－２）
〔式（ａ２－２）中、Ｒ４ａは炭素数１０以上１８以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Ｍは陽イオンを示す。〕
Ｒ５ａ－Ｏ－（ＡＯ）ｎ－ＳＯ３Ｍ （ａ２－３）
〔式（ａ２－３）中、Ｒ５ａは炭素数１０以上１８以下の脂肪族炭化水素基であり、ＡＯ基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる１種以上のアルキレンオキシ基であり、ｎは０以上２０以下の数であり、Ｍは陽イオンである。〕
Ｒ６ａ－ＣＨ（ＳＯ３Ｍ）ＣＯＯＲ７ａ （ａ２－４）
〔式（ａ２－４）中、Ｒ６ａは炭素数８以上１８以下のアルキル基を示し、Ｒ７ａは、水素原子又は炭素数１以上５以下のアルキル基を示し、Ｍは陽イオンを示す。〕
Ｒ３ａ－Ｂ－ＳＯ３Ｍ （ａ２－１）
〔式（ａ２－１）中、Ｒ３ａは炭素数９以上１４以下のアルキル基を示し、Ｂはベンゼン環を示し、Ｂの炭素原子と結合するＲ３ａの炭素原子が第２級炭素原子であり、Ｍは陽イオンを示す。Ｂに結合するＲ３ａに対して、スルホン酸基はオルト、メタ又はパラ位に結合している。〕
Ｒ４ａ－ＣＯＯＭ （ａ２－２）
〔式（ａ２－２）中、Ｒ４ａは炭素数１０以上１８以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Ｍは陽イオンを示す。〕
Ｒ５ａ－Ｏ－（ＡＯ）ｎ－ＳＯ３Ｍ （ａ２－３）
〔式（ａ２－３）中、Ｒ５ａは炭素数１０以上１８以下の脂肪族炭化水素基であり、ＡＯ基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる１種以上のアルキレンオキシ基であり、ｎは０以上２０以下の数であり、Ｍは陽イオンである。〕
Ｒ６ａ－ＣＨ（ＳＯ３Ｍ）ＣＯＯＲ７ａ （ａ２－４）
〔式（ａ２－４）中、Ｒ６ａは炭素数８以上１８以下のアルキル基を示し、Ｒ７ａは、水素原子又は炭素数１以上５以下のアルキル基を示し、Ｍは陽イオンを示す。〕
【0020】
一般式（ａ２－１）中、Ｒ３ａは、炭素数９以上、好ましくは１０以上、そして、好ましくは１４以下、より好ましくは１３以下のアルキル基である。
一般式（ａ２－１）中、Ｍは、好ましくは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属（１／２原子）イオン、又は有機アンモニウムイオンである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Ｍは、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、又はモノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン等のアルカノールアンモニウムイオンであり、より好ましくはナトリウムイオンである。
一般式（ａ２－１）中、Ｍは、好ましくは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属（１／２原子）イオン、又は有機アンモニウムイオンである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Ｍは、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、又はモノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン等のアルカノールアンモニウムイオンであり、より好ましくはナトリウムイオンである。
【0021】
（ａ２－１）成分としては、アルキル基の炭素数が１０以上１４以下のｐ－アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が１０以上１４以下のｐ－アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩がより好ましい。すなわち、（ａ２－１）成分は、一般式（ａ２－１）中、Ｒ３ａが炭素数１０以上１４以下のアルキル基、Ｍがナトリウムイオンである化合物が好ましい。
【0022】
一般式（ａ２－２）中、Ｒ４ａは、炭素数１０以上、好ましくは１１以上、そして、１８以下、好ましくは１６以下、より好ましくは１４以下、更に好ましくは１３以下のアルキル基又はアルケニル基である。Ｒ４ａは、直鎖のアルキル基、分岐鎖のアルキル基、直鎖のアルケニル基及び分岐鎖のアルケニル基から選ばれる１種以上の基が挙げられ、直鎖のアルキル基が好ましい。
一般式（ａ２－２）中、Ｍは、好ましくは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属（１／２原子）イオン、又は有機アンモニウムイオンである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Ｍは、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、又はモノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン等のアルカノールアンモニウムイオンであり、より好ましくはナトリウムイオンである。
一般式（ａ２－２）中、Ｍは、好ましくは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属（１／２原子）イオン、又は有機アンモニウムイオンである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Ｍは、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、又はモノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン等のアルカノールアンモニウムイオンであり、より好ましくはナトリウムイオンである。
【0023】
（ａ２－２）成分としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸及びこれらの塩から選ばれる１種以上が好ましく、より好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びこれらの塩から選ばれる１種以上、更に好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸及びこれらの塩から選ばれる１種以上である。
（ａ２－２）成分は、一般式（ａ２－２）中、Ｒ４ａが炭素数１０以上１６以下のアルキル基、Ｍが陽イオンである化合物が好ましく、Ｍが水素イオン又はナトリウムイオンである化合物がより好ましい。
（ａ２－２）成分は、一般式（ａ２－２）中、Ｒ４ａが炭素数１０以上１６以下のアルキル基、Ｍが陽イオンである化合物が好ましく、Ｍが水素イオン又はナトリウムイオンである化合物がより好ましい。
【0024】
一般式（ａ２－３）中、Ｒ５ａは、好ましくは１０以上、より好ましくは１１以上、更に好ましくは１２以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１６以下、更に好ましくは１４以下の脂肪族炭化水素基である。Ｒ５ａは、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは直鎖の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。
【0025】
一般式（ａ２－３）中、ＡＯ基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる１種以上のアルキレンオキシ基である。ＡＯ基が、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であっても良い。ＡＯ基は、洗浄性向上の観点から、エチレンオキシ基を含む基であることが好ましい。
【0026】
一般式（ａ２－３）中、ｎは、ＡＯ基の平均付加モル数であって、０以上２０以下の数である。ｎは、洗浄性向上の観点から、０以上、そして、洗浄性向上の観点から、２０以下、好ましくは１６以下、より好ましくは１２以下、更に好ましくは８以下、より更に好ましくは４以下である。
【0027】
一般式（ａ２－３）中、ＡＯがプロピレンオキシ基を含む場合、プロピレンオキシ基の平均付加モル数は、好ましくは４以下、より好ましくは３以下、そして、好ましくは０以上である。一般式（ａ２－３）中、プロピレンオキシ基の平均付加モル数は、０であってもよい。
一般式（ａ２－３）中、ＡＯがエチレンオキシ基を含む場合、エチレンオキシ基の平均付加モル数は、好ましくは０以上、そして、好ましくは１０以下、より好ましくは５以下、更に好ましくは４以下である。
一般式（ａ２－３）中、ＡＯがエチレンオキシ基を含む場合、エチレンオキシ基の平均付加モル数は、好ましくは０以上、そして、好ましくは１０以下、より好ましくは５以下、更に好ましくは４以下である。
【0028】
一般式（ａ２－３）中、Ｍは、好ましくは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属（１／２原子）イオン、又は有機アンモニウムイオンである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Ｍは、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、又はモノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン等のアルカノールアンモニウムイオンであり、より好ましくはナトリウムイオンである。
【0029】
一般式（ａ２－４）中、Ｒ６ａは、好ましくは炭素数８以上、より好ましくは１０以上、更に好ましくは１２以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１６以下のアルキル基である。
一般式（ａ２－４）中、Ｒ７ａは、好ましくは炭素数１以上、そして、好ましくは５以下、より好ましくは４以下、更に好ましくは３以下のアルキル基である。
一般式（ａ２－４）中、Ｒ７ａは、好ましくは炭素数１以上、そして、好ましくは５以下、より好ましくは４以下、更に好ましくは３以下のアルキル基である。
【0030】
一般式（ａ２－４）中、Ｍは、好ましくは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属（１／２原子）イオン、又は有機アンモニウムイオンである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Ｍは、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、又はモノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン等のアルカノールアンモニウムイオンであり、より好ましくはナトリウムイオンである。
【0031】
（ａ２－４）成分としては、一般式（ａ２－４）中、Ｒ６ａ炭素数が１１以上１４以下のアルキル基、Ｒ７ａがメチル基、Ｍがナトリウムイオンである、α－スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩が好ましい。
【0032】
＜（Ｂ）成分＞
（Ｂ）成分は、（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の水溶性無機塩である。
（Ｂ）成分は、（ｂ１）成分から選ばれる１種以上の水溶性無機塩と、（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の水溶性無機塩と、を含む水溶性無機塩であってよい。
（Ｂ）成分は、（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の水溶性無機塩である。
（Ｂ）成分は、（ｂ１）成分から選ばれる１種以上の水溶性無機塩と、（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の水溶性無機塩と、を含む水溶性無機塩であってよい。
【0033】
本発明において、（Ｂ）成分における水溶性無機塩とは、２０℃の水１００ｇに１ｇ以上溶解する無機塩をいう。
（ｂ１）成分は、水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩である。
（ｂ２）成分は、水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩である。
（ｂ１）成分は、水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩である。
（ｂ２）成分は、水溶性無機塩であり、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩である。
【0034】
本発明の洗浄剤組成物において、（ｂ１）成分と（ｂ２）成分を適した割合で用いることで、後述する水不溶性無機成分である（Ｃ）成分を含んでいても、当該洗浄剤組成物の水への溶け残りの抑制と洗浄性の低下を抑制することができる。
【0035】
＜ｐＨの測定法＞
（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分の０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨは、具体的には、下記ｐＨの測定方法で測定される。
ｐＨメーター（例えば、株式会社堀場製作所製、ｐＨ／イオンメーター Ｆ－２３）にｐＨ電極内部液を飽和塩化カリウム水溶液（３．３３モル／Ｌ）としたｐＨ測定用複合電極（例えば、株式会社堀場製作所製、ガラス摺り合わせスリーブ型）を接続する。次に、ｐＨ４．０１標準液（フタル酸塩標準液）、ｐＨ６．８６（中性リン酸塩標準液）、ｐＨ９．１８標準液（ホウ酸塩標準液）をそれぞれ１００ｍＬビーカーに充填し、２０℃の恒温槽に３０分間浸漬する。恒温に調整された標準液にｐＨ測定用電極を３分間浸し、ｐＨ６．８６→ｐＨ９．１８→ｐＨ４．０１の順に校正操作を行う。測定対象となる（ｂ１）の０．１ｇ／Ｌ水溶液又は（ｂ２）成分の０．１ｇ／Ｌ水溶液を２０℃に調整し、前記のｐＨメーターの電極をサンプルに浸漬し、１分後のｐＨを測定する。
（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分の０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨは、具体的には、下記ｐＨの測定方法で測定される。
ｐＨメーター（例えば、株式会社堀場製作所製、ｐＨ／イオンメーター Ｆ－２３）にｐＨ電極内部液を飽和塩化カリウム水溶液（３．３３モル／Ｌ）としたｐＨ測定用複合電極（例えば、株式会社堀場製作所製、ガラス摺り合わせスリーブ型）を接続する。次に、ｐＨ４．０１標準液（フタル酸塩標準液）、ｐＨ６．８６（中性リン酸塩標準液）、ｐＨ９．１８標準液（ホウ酸塩標準液）をそれぞれ１００ｍＬビーカーに充填し、２０℃の恒温槽に３０分間浸漬する。恒温に調整された標準液にｐＨ測定用電極を３分間浸し、ｐＨ６．８６→ｐＨ９．１８→ｐＨ４．０１の順に校正操作を行う。測定対象となる（ｂ１）の０．１ｇ／Ｌ水溶液又は（ｂ２）成分の０．１ｇ／Ｌ水溶液を２０℃に調整し、前記のｐＨメーターの電極をサンプルに浸漬し、１分後のｐＨを測定する。
【0036】
＜（ｂ１）成分＞
（ｂ１）成分は、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩である。（ｂ１）成分は、アルカリ剤であってよい。（ｂ１）成分は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、トリポリリン酸塩、アルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属の過ホウ酸塩、及びアルカリ金属の過炭酸塩から選ばれる１種以上のアルカリ剤が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及びセスキ炭酸ナトリウムから選ばれる１種以上が挙げられ、炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、及びメタケイ酸カリウムから選ばれる１種以上が挙げられる。
トリポリリン酸塩としては、トリポリリン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
アルカリ金属亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる１種以上が挙げられる。
アルカリ金属の過ホウ酸塩としては、過ホウ酸ナトリウムが挙げられる。
アルカリ金属の過炭酸塩としては、過炭酸ナトリウムが挙げられる。
（ｂ１）成分は、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０以上である水溶性無機塩である。（ｂ１）成分は、アルカリ剤であってよい。（ｂ１）成分は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、トリポリリン酸塩、アルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属の過ホウ酸塩、及びアルカリ金属の過炭酸塩から選ばれる１種以上のアルカリ剤が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及びセスキ炭酸ナトリウムから選ばれる１種以上が挙げられ、炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、及びメタケイ酸カリウムから選ばれる１種以上が挙げられる。
トリポリリン酸塩としては、トリポリリン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
アルカリ金属亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる１種以上が挙げられる。
アルカリ金属の過ホウ酸塩としては、過ホウ酸ナトリウムが挙げられる。
アルカリ金属の過炭酸塩としては、過炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0037】
（ｂ１）成分は、洗浄性能の観点から、好ましくはアルカリ金属炭酸塩から選ばれる１種以上、より好ましくは炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムから選ばれる１種以上、更に好ましくは炭酸ナトリウムである。
【0038】
＜（ｂ２）成分＞
（ｂ２）成分は、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩である。（ｂ２）成分は、無機硫酸塩、無機ハロゲン化合物、及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる１種以上の化合物であってよい。（ｂ２）成分は、無機硫酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる１種以上の水溶性無機塩を含むことが好ましい。
（ｂ２）成分は、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムから選ばれる１種以上の化合物が挙げられる。（ｂ２）成分は、水和物であっても無水物であっても良い。
（ｂ２）成分は、その０．１ｇ／Ｌ水溶液の２０℃におけるｐＨが９．０未満である水溶性無機塩である。（ｂ２）成分は、無機硫酸塩、無機ハロゲン化合物、及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる１種以上の化合物であってよい。（ｂ２）成分は、無機硫酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる１種以上の水溶性無機塩を含むことが好ましい。
（ｂ２）成分は、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムから選ばれる１種以上の化合物が挙げられる。（ｂ２）成分は、水和物であっても無水物であっても良い。
【0039】
＜（Ｃ）成分＞
（Ｃ）成分は、水不溶性無機成分である。（Ｃ）成分は、水不溶性担体であってよい。（Ｃ）成分について、「水不溶性」とは、２０℃の水１００ｇに１ｇ以上溶解しないことをいう。
（Ｃ）成分は、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、粘土鉱物、結晶性アルミノケイ酸塩及び非晶質アルミノケイ酸塩から選ばれる１種以上であってよく、好ましくは粘土鉱物、及び結晶性アルミノケイ酸塩から選ばれる１種以上である。（Ｃ）成分は、前記（Ｂ）成分と特定の割合で用いることで、当該洗浄剤組成物を用いた被洗物の洗浄後の溶け残りの抑制と、すすぎ水が濁りを低減する作用を有する。
（Ｃ）成分は、水不溶性無機成分である。（Ｃ）成分は、水不溶性担体であってよい。（Ｃ）成分について、「水不溶性」とは、２０℃の水１００ｇに１ｇ以上溶解しないことをいう。
（Ｃ）成分は、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、粘土鉱物、結晶性アルミノケイ酸塩及び非晶質アルミノケイ酸塩から選ばれる１種以上であってよく、好ましくは粘土鉱物、及び結晶性アルミノケイ酸塩から選ばれる１種以上である。（Ｃ）成分は、前記（Ｂ）成分と特定の割合で用いることで、当該洗浄剤組成物を用いた被洗物の洗浄後の溶け残りの抑制と、すすぎ水が濁りを低減する作用を有する。
【0040】
（Ｃ）成分の平均一次粒子径は、好ましくは０．１μｍ以上、より好ましくは１μｍ以上、そして、好ましくは１０μｍ以下、より好ましくは５μｍ以下である。（Ｃ）成分の平均一次粒子径は、レーザー回折／散乱式粒子径分布測定装置（例えば、HORIBA社、LA-950）により測定されたものである。この平均一次粒子径は、体積基準による累積粒度分布のＤ５０（メジアン径）である。
【0041】
（Ｃ）成分としては、具体的には、特開平９－１３２７９４号公報、特開平７－１０５２６号公報、特開平６－２２７８１１号公報、特開平８－１１９６２２号公報などに記載されている非晶質アルミノシリケート（吸油能：２８５ｍＬ／１００ｇ）等を挙げることができる。
更に具体的には、（Ｃ）成分のケイ酸カルシウムとして、フローライトＲ（（株）トクヤマ製、吸油能：４００～５００ｍＬ／１００ｇ）、（Ｃ）成分の非晶質シリカとして、トクシールＮＲ（（株）トクヤマ製、吸油能：２１０～２７０ｍＬ／１００ｇ）、サイロピュア（富士シリシア化学（株）社製、吸油能：２４０～２８０ｍＬ／１００ｇ）、（Ｃ）成分の非晶質アルミノケイ酸塩として、ＴＩＸＯＲＥＸ２５（韓仏化学社製、２２０～２７０ｍＬ／１００ｇ）、等を用いることができる。
更に具体的には、（Ｃ）成分のケイ酸カルシウムとして、フローライトＲ（（株）トクヤマ製、吸油能：４００～５００ｍＬ／１００ｇ）、（Ｃ）成分の非晶質シリカとして、トクシールＮＲ（（株）トクヤマ製、吸油能：２１０～２７０ｍＬ／１００ｇ）、サイロピュア（富士シリシア化学（株）社製、吸油能：２４０～２８０ｍＬ／１００ｇ）、（Ｃ）成分の非晶質アルミノケイ酸塩として、ＴＩＸＯＲＥＸ２５（韓仏化学社製、２２０～２７０ｍＬ／１００ｇ）、等を用いることができる。
【0042】
また、結晶性アルミノケイ酸塩は、ゼオライトが挙げられる。具体的なゼオライトとして、Ａ型、Ｘ型、Ｐ型ゼオライト等の結晶性アルミノケイ酸塩が挙げられる。結晶性アルミノケイ酸塩は、Ａ型ゼオライト（例えば、商品名「トヨビルダー」：東ソー（株）製、ＪＩＳＫ ５１０１法による吸油能：４０ｍＬ／１００ｇ以上）が好ましい。その他に、Ｐ型（例えば、商品名「Ｄｏｕｃｉｌ Ａ２４」、「ＺＳＥＯ６４」等；いずれもCrosfield社製；吸油能６０～１５０ｍＬ／１００ｇ）、Ｘ型（例えば、商品名「WessalithXD」、；Degussa社製；吸油能８０～１００ｍＬ／１００ｇ）、国際公開第９８／４２６２
２号記載のハイブリッドゼオライトも好適なものとして挙げられる。
２号記載のハイブリッドゼオライトも好適なものとして挙げられる。
【0043】
（Ｃ）成分の粘土鉱物としては、ベントナイトが挙げられる。ベントナイトは、５０～１００ｍｅｑ／１００ｇのイオン交換能力を有するものが好ましい。ベントナイトは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属モンモリロナイト、サポナイト又はヘクトライトからなる群から選択されるモンモリロン石群鉱物粘土（smectitic clay）、イライト、アタパルジャイト（attapulgite）及びカオリナイトから選ばれる１種以上が挙げられる。ベントナイトは、粉末化したもの、粒状化したものを用いることができる。例えば、特開２００８－１８９７１９号公報の粘土鉱物の造粒物を参照することができる。
【0044】
＜（Ｄ）成分＞
（Ｄ）成分は、カチオン界面活性剤である。（Ｄ）成分は、４級アンモニウム塩型界面活性剤が挙げられる。（Ｄ）成分は、殺菌作用、抗菌作用及び除菌作用から選ばれる１以上の作用を有するものであってよい。
（Ｄ）成分の４級アンモニウム塩型界面活性剤としては、下記一般式（ｄ１）で表される化合物、及び下記一般式（ｄ２）で表される化合物から選ばれる１種以上が好ましい。
（Ｄ）成分は、カチオン界面活性剤である。（Ｄ）成分は、４級アンモニウム塩型界面活性剤が挙げられる。（Ｄ）成分は、殺菌作用、抗菌作用及び除菌作用から選ばれる１以上の作用を有するものであってよい。
（Ｄ）成分の４級アンモニウム塩型界面活性剤としては、下記一般式（ｄ１）で表される化合物、及び下記一般式（ｄ２）で表される化合物から選ばれる１種以上が好ましい。
【0045】
【化1】
【0046】
〔式中、Ｒ１ｄは、炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基であり、Ｒ２ｄは、炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基、炭素数１以上３以下のアルキル基及び炭素数１以上３以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、Ｒ３ｄ及びＲ４ｄは、それぞれ独立に、炭素数１以上３以下のアルキル基及び炭素数１以上３以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、Ｘ－は陰イオンである。〕
【0047】
【化2】
【0048】
〔式中、Ｒ５ｄは、炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基であり、Ｒ６ｄ及びＲ７ｄは、それぞれ独立に、炭素数１以上３以下のアルキル基及び炭素数１以上３以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、Ｘ－は陰イオンである。〕
【0049】
一般式（ｄ１）において、Ｒ１ｄの炭素数は、洗浄力の観点から、好ましくは９以上、より好ましくは１０以上、更に好ましくは１２以上、そして、好ましくは１６以下である。Ｒ１ｄは、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基が好ましい。
一般式（ｄ１）において、Ｒ２ｄは、炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基、炭素数１以上３以下のアルキル基及び炭素数１以上３以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基である。
Ｒ２ｄが、炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基である場合、Ｒ２ｄは、洗浄力の観点から、好ましくは８以上、そして、好ましくは１４以下、より好ましくは１２以下のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
一般式（ｄ１）において、Ｒ２ｄは、炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基、炭素数１以上３以下のアルキル基及び炭素数１以上３以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基である。
Ｒ２ｄが、炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基である場合、Ｒ２ｄは、洗浄力の観点から、好ましくは８以上、そして、好ましくは１４以下、より好ましくは１２以下のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
【0050】
一般式（ｄ１）において、Ｒ３ｄ及びＲ４ｄは、それぞれ独立に、炭素数１以上３以下のアルキル基及び炭素数１以上３以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基である。Ｒ３ｄ及びＲ４ｄは、それぞれ独立に、炭素数１以上３以下のアルキル基から選ばれる基であることが好ましい。炭素数１以上３以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。炭素数１以上３以下のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が挙げられる。
【0051】
一般式（ｄ１）において、Ｘ－は陰イオンである。陰イオンとしては、ハロゲンイオン、及び炭素数１以上３以下のアルキル硫酸イオンから選ばれる１種以上の陰イオンが挙げられる。ハロゲンイオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンが挙げられる。また、炭素数１以上３以下のアルキル硫酸イオンとしては、例えばメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン及びプロピル硫酸イオンが挙げられる。
【0052】
一般式（ｄ２）において、Ｒ５ｄは、炭素数８以上１８以下の脂肪族炭化水素基である。Ｒ５ｄの炭素数は、抗菌性能の観点から、好ましくは８以上、より好ましくは１０以上、更に好ましくは１２以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１６以下である。Ｒ５ｄは、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
【0053】
一般式（ｄ２）において、Ｒ６ｄ及びＲ７ｄは、それぞれ独立に、炭素数１以上３以下のアルキル基及び炭素数１以上３以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基である。Ｒ６ｄ及びＲ７ｄは、それぞれ独立に、炭素数１以上３以下のアルキル基から選ばれる基であることが好ましい。炭素数１以上３以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。炭素数１以上３以下のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が挙げられる。
【0054】
一般式（ｄ２）において、Ｘ－は陰イオンである。陰イオンとしては、ハロゲンイオン、及び炭素数１以上３以下のアルキル硫酸イオンから選ばれる１種以上の陰イオンが挙げられる。ハロゲンイオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンが挙げられる。また、炭素数１以上３以下のアルキル硫酸イオンとしては、例えばメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン及びプロピル硫酸イオンが挙げられる。
【0055】
一般式（ｄ２）の化合物の具体例としては、Ｎ－ドデシル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－トリデシル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－テトラデシル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－ペンタデシル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－ヘキサデシル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－ドデシル－Ｎ，Ｎ－ジエチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－トリデシル－Ｎ，Ｎ－ジエチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－テトラデシル－Ｎ，Ｎ－ジエチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－ペンタデシル－Ｎ，Ｎ－ジエチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－ヘキサデシル－Ｎ，Ｎ－ジエチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－ドデシル－Ｎ－メチル－Ｎ－エチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－トリデシル－Ｎ－メチル－Ｎ－エチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－テトラデシル－Ｎ－メチル－Ｎ－エチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、Ｎ－ペンタデシル－Ｎ－メチル－Ｎ－エチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩、及びＮ－ヘキサデシル－Ｎ－メチル－Ｎ－エチル－Ｎ－ベンジルアンモニウム塩から選ばれる１種以上の化合物が挙げられる。
【0056】
（Ｄ）成分は、塩化ベンザルコニウム及びアルキルトリメチルアンモニウムクロライドから選ばれる１種以上が好ましい。塩化ベンザルコニウムとしては、前記一般式（ｄ２）で表される化合物が好ましい。また、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドは、前記一般式（ｄ１）で表される化合物が好ましい。
【0057】
＜（Ｅ）成分＞
（Ｅ）成分は、アニオン性ポリマーである。（Ｅ）成分としては、カルボン酸基又はその塩を有し、重量平均分子量が３，０００以上のポリマーが挙げられる。
（Ｅ）成分としては、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー及びその塩、並びにポリマレイン酸及びその塩から選ばれる１種以上のポリマー（以下、（Ｅ１）成分という）が挙げられる。
ポリアクリル酸及びその塩としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、及びポリアクリル酸カリウム等から選ばれる１種以上が挙げられ、好ましくはポリアクリル酸ナトリウム、及びポリアクリル酸カリウムから選ばれる１種以上が挙げられる。
アクリル酸とマレイン酸のコポリマー及びその塩としては、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩等から選ばれる１種以上が挙げられ、好ましくはアクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩から選ばれる１種以上が挙げられる。アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのモル比は、アクリル酸のモル数／マレイン酸のモル数として、好ましくは１／９９以上、より好ましくは１０／９０以上、そして、好ましくは９９／１以下、より好ましくは９０／１０以下である。
ポリマレイン酸及びその塩としては、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸ナトリウム、及びポリマレイン酸カリウム等から選ばれる１種以上が挙げられ、好ましくはポリマレイン酸ナトリウム、及びポリマレイン酸カリウムから選ばれる１種以上が挙げられる。
（Ｅ）成分は、アニオン性ポリマーである。（Ｅ）成分としては、カルボン酸基又はその塩を有し、重量平均分子量が３，０００以上のポリマーが挙げられる。
（Ｅ）成分としては、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー及びその塩、並びにポリマレイン酸及びその塩から選ばれる１種以上のポリマー（以下、（Ｅ１）成分という）が挙げられる。
ポリアクリル酸及びその塩としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、及びポリアクリル酸カリウム等から選ばれる１種以上が挙げられ、好ましくはポリアクリル酸ナトリウム、及びポリアクリル酸カリウムから選ばれる１種以上が挙げられる。
アクリル酸とマレイン酸のコポリマー及びその塩としては、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩等から選ばれる１種以上が挙げられ、好ましくはアクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩から選ばれる１種以上が挙げられる。アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのモル比は、アクリル酸のモル数／マレイン酸のモル数として、好ましくは１／９９以上、より好ましくは１０／９０以上、そして、好ましくは９９／１以下、より好ましくは９０／１０以下である。
ポリマレイン酸及びその塩としては、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸ナトリウム、及びポリマレイン酸カリウム等から選ばれる１種以上が挙げられ、好ましくはポリマレイン酸ナトリウム、及びポリマレイン酸カリウムから選ばれる１種以上が挙げられる。
【0058】
（Ｅ１）成分は、本発明の効果の発現を妨げない程度であれば、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び／又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを含んだコポリマーであってもよい。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び／又はマレイン酸と共重合可能なモノマーとしては、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、及びスチレン系モノマー等から選ばれる１種以上が挙げられ、より具体的にはメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、及びスチレン等から選ばれる１種以上が挙げられる。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び／又はマレイン酸と共重合可能なモノマーの（Ｅ１）成分中のモル比は、（Ｅ１）成分中に、好ましくは０モル％以上、そして、好ましくは５モル％以下、より好ましくは３モル％以下であり、０モル％であることが更に好ましい。従って、本発明のポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー及びその塩は、及びポリマレイン酸及びその塩は、全構成モノマー中、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び／又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを、０モル％以上５モル％以下の範囲で含むポリマー又はコポリマーであってよい。
【0059】
（Ｅ）成分の重量平均分子量は、好ましくは３，０００以上、より好ましくは３，５００以上、更に好ましくは４，０００以上、より更に好ましくは５，０００以上、より更に好ましくは６，０００以上、より更に好ましくは７，０００以上、より更に好ましくは８，０００以上、より更に好ましくは９，０００以上、より更に好ましくは１０，０００以上、そして、好ましくは１００，０００以下、より好ましくは５０，０００以下、更に好ましくは２５，０００以下、より更に好ましくは１５，０００以下である。
この重量平均分子量は、下記の重量平均分子量の測定方法に従って測定することができる。
＜重量平均分子量の測定方法＞
（Ｅ）成分の重量平均分子量は、ＧＰＣ（ゲル浸透クロマトグラフィー）により測定を行い、換算標準物質により重量平均分子量（Ｍｗ）を求めることができる。
以下に、ＧＰＣの測定条件を示す。
・カラム：東ソー（株）製、商品名:TSK-GEL guard PWXL
東ソー（株）製、商品名:TSK-GEL G4000 PWXL
東ソー（株）製、商品名:TSK-GEL G2500 PWXL
・移動相：０．１ｍｏｌ／Ｌリン酸二水素カリウム及び０．１ｍｏｌ／Ｌリン酸二水素ナトリウムの水溶液／アセトニトリル＝９０／１０（体積比）
・検出器：示差屈折率検出器
・カラム温度：４０℃
・流速：１．０ｍＬ／ｍｉｎ
・換算標準物質：ポリアクリル酸〔アメリカン・スタンダード・コーポレーション（AMERICANSTANDARDCORP）社製〕
・試料：固形分０．８ｇを含む重合体水溶液にイオン交換水を添加し、総液量が２００ｍＬとなるように調製し、この調製液から１０μＬを分取してカラムに注入する。
この重量平均分子量は、下記の重量平均分子量の測定方法に従って測定することができる。
＜重量平均分子量の測定方法＞
（Ｅ）成分の重量平均分子量は、ＧＰＣ（ゲル浸透クロマトグラフィー）により測定を行い、換算標準物質により重量平均分子量（Ｍｗ）を求めることができる。
以下に、ＧＰＣの測定条件を示す。
・カラム：東ソー（株）製、商品名:TSK-GEL guard PWXL
東ソー（株）製、商品名:TSK-GEL G4000 PWXL
東ソー（株）製、商品名:TSK-GEL G2500 PWXL
・移動相：０．１ｍｏｌ／Ｌリン酸二水素カリウム及び０．１ｍｏｌ／Ｌリン酸二水素ナトリウムの水溶液／アセトニトリル＝９０／１０（体積比）
・検出器：示差屈折率検出器
・カラム温度：４０℃
・流速：１．０ｍＬ／ｍｉｎ
・換算標準物質：ポリアクリル酸〔アメリカン・スタンダード・コーポレーション（AMERICANSTANDARDCORP）社製〕
・試料：固形分０．８ｇを含む重合体水溶液にイオン交換水を添加し、総液量が２００ｍＬとなるように調製し、この調製液から１０μＬを分取してカラムに注入する。
【0060】
＜組成等＞
本発明の洗浄剤組成物は、（Ａ）成分を、洗浄力の観点から、前記洗浄剤組成物中、５質量％以上、好ましくは７質量％以上、より好ましくは９質量％以上、更に好ましくは１１質量％以上、そして、すすぎ性の観点から、４０質量％以下、好ましくは３０質量％以下、より好ましくは２５質量％以下、更に好ましくは２０質量％以下含有する。なお、本発明において（Ａ）成分として（ａ２）成分を含む場合、（ａ２）成分の質量は、ナトリウム塩に換算した値を用いるものとする。
本発明の洗浄剤組成物は、（Ａ）成分を、洗浄力の観点から、前記洗浄剤組成物中、５質量％以上、好ましくは７質量％以上、より好ましくは９質量％以上、更に好ましくは１１質量％以上、そして、すすぎ性の観点から、４０質量％以下、好ましくは３０質量％以下、より好ましくは２５質量％以下、更に好ましくは２０質量％以下含有する。なお、本発明において（Ａ）成分として（ａ２）成分を含む場合、（ａ２）成分の質量は、ナトリウム塩に換算した値を用いるものとする。
【0061】
本発明の洗浄剤組成物中、（ａ２）成分の含有量と、（ａ１）成分と（ａ２）成分の合計含有量との質量比（ａ２）／［（ａ１）＋（ａ２）］は、洗浄性能の観点から、０以上、好ましくは０．０５以上、より好ましくは０．１０以上、更に好ましくは０．１５以上、そして、すすぎ性能、及び抗菌性能の観点から、０．５以下、好ましくは０．４５以下、より好ましくは０．４０以下、更に好ましくは０．３５以下である。
【0062】
本発明の洗浄剤組成物は、（Ｂ）成分を、洗浄性能の観点から、前記洗浄剤組成物中、２０質量％以上、好ましくは２５質量％以上、より好ましくは３０質量％以上、更に好ましくは４０質量％以上、そして、溶け残りの抑制の観点から、８０質量％以下、好ましくは７０質量％以下、より好ましくは６５質量％以下、更に好ましくは６０質量％以下、より更に好ましくは５５質量％以下含有する。
【0063】
本発明の洗浄剤組成物中、（ｂ２）成分の含有量と、（ｂ１）成分と（ｂ２）成分の合計含有量との質量比（ｂ２）／［（ｂ１）＋（ｂ２）］は、溶け残りの抑制、及び抗菌性能の観点から、０．２以上、好ましくは０．３０以上、より好ましくは０．３５以上、更に好ましくは０．４０以上、そして、洗浄性能、及び抗菌性能の観点から、０．８以下、好ましくは０．７以下、より好ましくは０．６５以下、更に好ましくは０．６０以下、より更に好ましくは０．５５以下、より更に好ましくは０．５０以下である。
【0064】
本発明の洗浄剤組成物は、（Ｃ）成分を、溶け残りの抑制の観点から、前記洗浄剤組成物中、５質量％以上、好ましくは１０質量％以上、より好ましくは１５質量％以上、更に好ましくは２０質量％以上、より更に好ましくは２５質量％以上、そして、スジ残りの生成抑制の観点から、４０質量％以下、好ましくは３５質量％以下、より好ましくは３２．５質量％以下、更に好ましくは３０質量％以下含有する。
【0065】
本発明の洗浄剤組成物中、（Ｃ）成分の含有量と、（Ｂ）成分と（Ｃ）成分の合計含有量との質量比（Ｃ）／［（Ｂ）＋（Ｃ）］は、溶け残りの抑制の観点から、０を超え、好ましくは０．０５以上、より好ましくは０．１以上、更に好ましくは０．１５以上、より更に好ましくは０．２０以上、より更に好ましくは０．２５以上、より更に好ましくは０．３０以上、そして、スジ残りの生成抑制の観点から、０．５０以下、好ましくは０．４５以下、より好ましくは０．４０以下、更に好ましくは０．３８以下である。
【0066】
本発明の洗浄剤組成物は、（Ｄ）成分を、抗菌性能の観点から、前記洗浄剤組成物中、０．１質量％以上、好ましくは０．５質量％以上、より好ましくは０．７質量％以上、更に好ましくは１．０質量％以上、より更に好ましくは２．０質量％以上、そして、その上限は特に限定するものではないが、例えば５．０質量％以下、更には４．０質量％以下、更には３．５質量％以下、更には３．０質量％以下含有する。
【0067】
本発明の洗浄剤組成物は、（Ｅ）成分を、粒子汚れの洗浄性能の観点から、前記洗浄剤組成物中、０．１質量％以上、好ましくは１．０質量％以上、より好ましくは２．０質量％以上、更に好ましくは３．０質量％以上、より更に好ましくは４．０質量％以上、そして、１０質量％以下、好ましくは８．０質量％以下、より好ましくは６．０質量％以下、更に好ましくは５．０質量％以下含有する。
【0068】
本発明の洗浄剤組成物において、前記洗浄剤組成物中に含まれる界面活性剤の合計含有量に対する、（Ａ）成分の含有量の割合（Ａ）／（界面活性剤の合計含有量）は、洗浄性能の観点から、好ましくは５０質量％以上、より好ましくは６０質量％以上、更に好ましくは７０質量％以上、より更に好ましくは８０質量％以上、そして、抗菌性能の観点から、好ましくは９８質量％以下、より好ましくは９６質量％以下、更に好ましくは９４質量％以下である。洗浄剤組成物に含まれる界面活性剤の合計は、（Ａ）成分、（Ｄ）成分及び下記（Ｆ）成分の合計含有量であってよい。
【0069】
＜（Ｆ）成分＞
本発明の洗浄剤組成物は、洗浄や泡立ち抑制の観点から、（Ｆ）成分として、（Ａ）成分及び（Ｄ）成分以外の界面活性剤を任意に含有することができる。
（Ａ）成分及び（Ｄ）成分以外の界面活性剤としては、両性界面活性剤から選ばれる１種以上が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、洗浄や泡立ち抑制の観点から、（Ｆ）成分として、（Ａ）成分及び（Ｄ）成分以外の界面活性剤を任意に含有することができる。
（Ａ）成分及び（Ｄ）成分以外の界面活性剤としては、両性界面活性剤から選ばれる１種以上が挙げられる。
【0070】
両性界面活性剤としては、Ｎ－アルカノイルアミノプロピル－Ｎ，Ｎ－ジメチルアミンオキシド、Ｎ－アルキル－Ｎ，Ｎ－ジメチルアミンオキシド、Ｎ－アルカノイルアミノプロピル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－カルボキシメチルアンモニウムベタイン、Ｎ－アルキル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－カルボキシメチルアンモニウムベタイン、Ｎ－アルキル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、Ｎ－アルキル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－（２－ヒドロキシスルホプロピル）アンモニウムスルホベタイン、Ｎ－アルカノイルアミノプロピル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、及びＮ－アルカノイルアミノプロピル－Ｎ，Ｎ－ジメチル－Ｎ－（２－ヒドロキシスルホプロピル）アンモニウムスルホベタインから選ばれる１種以上を挙げることができる。これらにおいて、アルカノイル基は、例えばラウロイル又はミリスチロイルである。また、これらにおいて、アルキル基は、例えばラウリル基又はミリスチル基である。
【0071】
本発明の洗浄剤組成物が（Ｆ）成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、（Ｆ）成分を、洗浄性能及び泡立ちの観点から、前記洗浄剤組成物中、好ましくは０．１質量％以上、より好ましくは０．２質量％以上、更に好ましくは０．３質量％以上、そして、好ましくは２質量％以下、より好ましくは１．５質量％以下、更に好ましくは１．２質量％以下含有する。
【0072】
＜（Ｇ）成分＞
本発明の洗浄剤組成物は、（Ｇ）成分として、重量平均分子量が１００以上１００，０００以下のポリアルキレングリコールを任意に含有することができる。
（Ｇ）成分としては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれる１種以上が挙げられる。
（Ｇ）成分の重量平均分子量は、１００以上、好ましくは１，０００以上、より好ましくは５，０００以上、そして、１００，０００以下、好ましくは３０，０００以下、より好ましくは２０，０００以下、更に好ましくは１５，０００以下である。
ここで重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めた値である。
本発明の洗浄剤組成物は、（Ｇ）成分として、重量平均分子量が１００以上１００，０００以下のポリアルキレングリコールを任意に含有することができる。
（Ｇ）成分としては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれる１種以上が挙げられる。
（Ｇ）成分の重量平均分子量は、１００以上、好ましくは１，０００以上、より好ましくは５，０００以上、そして、１００，０００以下、好ましくは３０，０００以下、より好ましくは２０，０００以下、更に好ましくは１５，０００以下である。
ここで重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めた値である。
【0073】
本発明の洗浄剤組成物は、（Ｇ）成分を含有する場合、（Ｇ）成分を、安定性の観点から、前記洗浄剤組成物中、好ましくは０．００１質量％以上、より好ましくは０．０１質量％以上、更に好ましくは０．１質量％以上、より更に好ましくは０．２質量％以上、そして、好ましくは５質量％以下、より好ましくは４質量％以下、更に好ましくは３質量％以下、より更に好ましくは２質量％以下、より更に好ましくは１質量％以下含有する。
【0074】
＜（Ｈ）成分＞
本発明の洗浄剤組成物は、（Ｈ）成分として、任意に、プロテアーゼ、リパーゼ及びアミラーゼから選ばれる１種以上の酵素を含むことができる。
プロテアーゼは、例えば、セリンプロテアーゼ（ＥＣ３．４．２１）やメタロプロテアーゼ（ＥＣ３．４．１７又はＥＣ３．４．２４）などが挙げられる。好適なプロテアーゼの例としては、サブチリシン（ＥＣ３．４．２１．６２）などの中性又はアルカリ性セリンプロテアーゼがある。
リパーゼは、例えば、トリアシルグリセロールリパーゼ（ＥＣ３．１．１．３）、ホスホリパーゼＡ２（ＥＣ３．１．１．４）、リゾホスホリパーゼ（ＥＣ３．１．１．５）、モノグリセリドリパーゼ（ＥＣ３．１．１．２３）、ガラクトリパーゼ（ＥＣ３．１．１．２６）、ホスホリパーゼＡ１（ＥＣ３．１．１．３２）、リポタンパク質リパーゼ（ＥＣ３．１．１．３４）などが挙げられる。
アミラーゼは、例えば、α－アミラーゼ（ＥＣ３．２．１．１）、β－アミラーゼ（ＥＣ３．２．１．２）及び／又はグルコアミラーゼ（ＥＣ３．２．１．３）などが挙げられる。好適なアミラーゼの例としては中性又はアルカリ性α－アミラーゼがあり、細菌や真菌などの微生物起源のものが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、（Ｈ）成分として、任意に、プロテアーゼ、リパーゼ及びアミラーゼから選ばれる１種以上の酵素を含むことができる。
プロテアーゼは、例えば、セリンプロテアーゼ（ＥＣ３．４．２１）やメタロプロテアーゼ（ＥＣ３．４．１７又はＥＣ３．４．２４）などが挙げられる。好適なプロテアーゼの例としては、サブチリシン（ＥＣ３．４．２１．６２）などの中性又はアルカリ性セリンプロテアーゼがある。
リパーゼは、例えば、トリアシルグリセロールリパーゼ（ＥＣ３．１．１．３）、ホスホリパーゼＡ２（ＥＣ３．１．１．４）、リゾホスホリパーゼ（ＥＣ３．１．１．５）、モノグリセリドリパーゼ（ＥＣ３．１．１．２３）、ガラクトリパーゼ（ＥＣ３．１．１．２６）、ホスホリパーゼＡ１（ＥＣ３．１．１．３２）、リポタンパク質リパーゼ（ＥＣ３．１．１．３４）などが挙げられる。
アミラーゼは、例えば、α－アミラーゼ（ＥＣ３．２．１．１）、β－アミラーゼ（ＥＣ３．２．１．２）及び／又はグルコアミラーゼ（ＥＣ３．２．１．３）などが挙げられる。好適なアミラーゼの例としては中性又はアルカリ性α－アミラーゼがあり、細菌や真菌などの微生物起源のものが好ましい。
【0075】
本発明の洗浄剤組成物が（Ｈ）成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、（Ｈ）成分を、洗浄性能の観点から、前記洗浄剤組成物中、酵素タンパク質量として、好ましくは０．００２質量％以上、より好ましくは０．００４質量％以上、更に好ましくは０．００８質量％以上、そして、好ましくは０．１２質量％以下、より好ましくは０．１質量％以下、更に好ましくは０．０８質量％以下、より更に好ましくは０．０４質量％以下含有する。
本発明において、（Ｈ）成分の質量に関する規定は、酵素タンパク質の量として算出するものとする。
なお、（Ｈ）成分について、酵素たんぱく質の定量法は、例えば、ナカライテクス株式会社製のプロテインアッセイキット Lowryキットを用い、取り扱い説明書に準拠した方法を採用できる。
本発明において、（Ｈ）成分の質量に関する規定は、酵素タンパク質の量として算出するものとする。
なお、（Ｈ）成分について、酵素たんぱく質の定量法は、例えば、ナカライテクス株式会社製のプロテインアッセイキット Lowryキットを用い、取り扱い説明書に準拠した方法を採用できる。
【0076】
＜（Ｉ）キレート剤＞
本発明の洗浄剤組成物は、任意に（Ｉ）キレート剤〔以下、（Ｉ）成分という〕を含有することができる。
（Ｉ）成分の具体例として、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸又はこれらの塩、１－ヒドロキシエチリデン－１，１－ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ（メチレンホスホン酸）、これらのアルカリ金属又は低級アミン塩等が挙げられ、これらは１種以上を用いることができる。
（Ｉ）成分の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低級アミン塩等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、任意に（Ｉ）キレート剤〔以下、（Ｉ）成分という〕を含有することができる。
（Ｉ）成分の具体例として、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸又はこれらの塩、１－ヒドロキシエチリデン－１，１－ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ（メチレンホスホン酸）、これらのアルカリ金属又は低級アミン塩等が挙げられ、これらは１種以上を用いることができる。
（Ｉ）成分の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低級アミン塩等が挙げられる。
【0077】
本発明の洗浄剤組成物が（Ｉ）成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、（Ｉ）成分を、洗浄性能の観点から、前記洗浄剤組成物中、好ましくは０．５質量％以上、より好ましくは１．０質量％以上、更に好ましくは２．０質量％以上、そして、製剤化の観点から、好ましくは１０質量％以下、より好ましくは８質量％以下、更に好ましくは６質量％以下含有する。
【0078】
本発明の洗浄剤組成物は、水を含有することができる。水は、イオン交換水、精製水、蒸留水が挙げられる。水は、（Ａ）成分～（Ｉ）成分及び任意成分以外の残部として用いられる。水には、洗浄剤組成物の配合成分を投入するために用いられる水も含まれる。
【0079】
本発明の洗浄剤組成物は、その他の成分として、衣料用洗剤の分野で公知の他の成分、例えば漂白剤（漂白活性化剤等）、再汚染防止剤、有機系の還元剤、蛍光増白剤、抑泡剤（シリコーン等）、有機溶剤、香料、着色剤、抗菌剤（例えば、トリクロサン等）等の成分〔但し、（Ａ）成分～（Ｉ）成分に該当するものは除く〕を任意に含有することができる。
【0080】
本発明の洗浄剤組成物は、固体洗浄剤組成物であってよい。本発明の洗浄剤組成物は、錠剤、粉末状、粒状、顆粒状又はペースト状であってよい。溶解性の観点から、本発明の洗浄剤組成物は、錠剤、粉末状、粒状、顆粒状及びペースト状から選ばれる洗浄剤組成物が好ましく、より好ましくは錠剤、粉末状及びペースト状から選ばれる洗浄剤組成物である。本発明の洗浄剤組成物は、粉末洗浄剤組成物であってよい。
【0081】
本発明の洗浄剤組成物は、公知の方法で製造することができる。例えば、噴霧乾燥法、ドライ中和法、乾燥造粒法、ドライブレンド法、流動層乾燥法、薄膜乾燥法、押出し造粒法、転動造粒法、撹拌造粒法、圧密造粒法、界面活性剤担持法又はこれらから選択して組み合わせた方法を適用して、製造することができる。
【0082】
本発明の洗浄剤組成物の嵩密度は、製造方法によっても異なるが、好ましくは０．２ｇ／ｃｍ３以上、より好ましくは０．３ｇ／ｃｍ３以上、更に好ましくは０．３５ｇ／ｃｍ３以上、そして、好ましくは１ｇ／ｃｍ３以下、より好ましくは０．９５ｇ／ｃｍ３以下、更に好ましくは０．９ｇ／ｃｍ３以下である。
【0083】
本発明の洗浄剤組成物が粉末洗浄剤組成物である場合、本発明の洗浄剤組成物の平均粒子径は、好ましくは１００μｍ以上、より好ましくは１５０μｍ以上、更に好ましくは２００μｍ以上、そして、好ましくは８００μｍ以下、より好ましくは７５０μｍ以下、更に好ましくは７００μｍ以下である。
この平均粒子径は、ＪＩＳ Ｚ ８８０１の標準篩を用いて５分間振動させた後、篩目のサイズによる質量分率から求める。
この平均粒子径は、ＪＩＳ Ｚ ８８０１の標準篩を用いて５分間振動させた後、篩目のサイズによる質量分率から求める。
【0084】
＜洗浄剤物品＞
本発明は、本発明の洗浄剤組成物と、前記洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を備える洗浄剤物品を提供する。換言すれば、本発明は、本発明の洗浄剤組成物と水溶性フィルムからなる洗浄剤物品であって、前記洗浄剤組成物が前記水溶性フィルムに包装されている、洗浄剤物品を提供する。
本発明の洗浄剤物品は、本発明の洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる、洗浄剤物品であってよい。すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、水溶性フィルムで包装されてなる洗浄剤組成物であってよい。
本発明は、本発明の洗浄剤組成物と、前記洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を備える洗浄剤物品を提供する。換言すれば、本発明は、本発明の洗浄剤組成物と水溶性フィルムからなる洗浄剤物品であって、前記洗浄剤組成物が前記水溶性フィルムに包装されている、洗浄剤物品を提供する。
本発明の洗浄剤物品は、本発明の洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる、洗浄剤物品であってよい。すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、水溶性フィルムで包装されてなる洗浄剤組成物であってよい。
【0085】
本発明において、水溶性フィルムの「水溶性」とは、１リットルのガラスビーカーに５００ｇの３０℃のイオン交換水を入れ、直径が８ｃｍのテフロン（登録商標）製の撹拌子を入れ、その中に評価対象のフィルム１ｇを投入し、１００ｒｐｍで３０分間撹拌した後に、見かけ上、不溶物が見られないものをいう。
また、水溶性フィルムの厚さは、誤飲防止、溶解性の観点から、好ましくは１μｍ以上、より好ましくは１０μｍ以上、更に好ましくは５０μｍ以上、そして、好ましくは２００μｍ以下、より好ましくは１５０μｍ以下、更に好ましくは１００μｍ以下である。
また、水溶性フィルムの厚さは、誤飲防止、溶解性の観点から、好ましくは１μｍ以上、より好ましくは１０μｍ以上、更に好ましくは５０μｍ以上、そして、好ましくは２００μｍ以下、より好ましくは１５０μｍ以下、更に好ましくは１００μｍ以下である。
【0086】
水溶性フィルムは、好ましくはポリマーを含んで構成される。水溶性フィルムは、当該技術分野において既知の方法、例えば、ポリマーの注型成形、吹込み成形、押出成形、射出成形などによって得ることができる。水溶性フィルムを製造するためのポリマーの非限定例として、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ）、ビニルアルコールコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、（変性）セルロース、（変性）セルロース－エーテル又は－エステル又は－アミド、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸及びその塩、マレイン酸／アクリル酸のコポリマー、ポリアミノ酸つまりペプチド、ポリアクリルアミドなどのポリアミド、デンプン及びゼラチンなどの多糖、キサンタン及びカラゴム（carragum）などの天然ゴムが挙げられる。ビニルアルコールコポリマーは、ビニルアルコールと他のモノマー、例えばエチレン、アクリル酸とのコポリマーである。好ましくは、水溶性フィルムは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む。より好ましくは、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれるポリマーを含む。更に好ましくは、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール、例えば、株式会社アイセロから入手可能なソルブロンを含む。水溶性フィルムを製造するのに好適なポリマーは、例えば、米国特許第６９９５１２６号に記載されている。
【0087】
本発明の洗浄剤物品において、本発明の洗浄剤組成物と接触する水溶性フィルムの総面積は、製品安定性をより高める観点から、好ましくは１０ｃｍ２以上、より好ましくは２０ｃｍ２以上、更に好ましくは３０ｃｍ２以上、より更に好ましくは４０ｃｍ２以上、そして、同じ観点から、好ましくは１００ｃｍ２以下、より好ましくは７０ｃｍ２以下、更に好ましくは６０ｃｍ２以下、より更に好ましくは４５ｃｍ２以下である。
【0088】
本発明の洗浄剤物品は、当該技術分野において既知の任意の好適なプロセス、例えば既知の洗剤パウチの作製プロセスによって作製できる。パウチの作製プロセス例は、米国特許第６，９９５，１２６号、同第７，１２７，８７４号、同第８，１５６，７１３号、同第７，３８６，９７１号、同第７，４３９，２１５号、及び米国特許出願公開第２００９／１９９８７７号に記載されている。
【0089】
本発明の洗浄剤物品は、１個あたりの内容物の量が、好ましくは５ｇ以上、より好ましくは８ｇ以上、更に好ましくは１０ｇ以上、そして、好ましくは５０ｇ以下、より好ましくは３０ｇ以下、更に好ましくは２５ｇ以下である。
【0090】
本発明の洗浄剤物品の１個あたりの好ましい形状、大きさは、例えば四辺形の形状であり、１辺の長さが、好ましくは１ｃｍ以上５ｃｍ以下、そして、厚みが好ましくは１ｃｍ以上５ｃｍ以下、より好ましくは１ｃｍ以上４ｃｍ以下である。また、本発明の洗浄剤物品の１個あたりの質量は、好ましくは５ｇ以上、より好ましくは１０ｇ以上、更に好ましくは１５ｇ以上、そして、好ましくは５０ｇ以下、より好ましくは４０ｇ以下、更に好ましくは３０ｇ以下である。
【0091】
また、本発明の洗浄剤物品の１個あたりの別の好ましい形状、大きさは、例えば直方体の形状であり、縦の長さが、好ましくは５ｃｍ以上２０ｃｍ以下、横の長さが、好ましくは１ｃｍ以上４ｃｍ以下、そして、厚みが好ましくは１ｃｍ以上５ｃｍ以下、より好ましくは１ｃｍ以上４ｃｍ以下である。また、本発明の洗浄剤物品の１個あたりの質量は、好ましくは５ｇ以上、より好ましくは１０ｇ以上、そして、好ましくは５０ｇ以下、より好ましくは４０ｇ以下、更に好ましくは３０ｇ以下、更に好ましくは２０ｇ以下である。
【0092】
本発明の洗浄剤物品としては、例えば、本発明の洗浄剤組成物を水溶性フィルムに包装してなる洗浄剤物品であって、前記洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径が、３０ｍｍ以上２００ｍｍ以下であり、長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比（長軸径／短軸径）が、５以上であり、破裂強度が３００Ｎ以上である、洗浄剤物品が挙げられる。換言すると、本発明の洗浄剤物品は、本発明の洗浄剤組成物と水溶性フィルムからなる洗浄剤物品であって、前記洗浄剤組成物が前記水溶性フィルムに包装されており、前記洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径が、３０ｍｍ以上２００ｍｍ以下であり、長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比（長軸径／短軸径）が、５以上であり、破裂強度が３００Ｎ以上である、洗浄剤物品であってよい。
【0093】
本発明の洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比（長軸径／短軸径）は、洗浄力の低下が抑制できる観点から、好ましくは５以上、より好ましくは６以上、更に好ましくは７以上、より更に好ましくは８以上、そして、使いやすさ及び収納の観点から、好ましくは２０以下、より好ましくは１６以下、更に好ましくは１３以下、より更に好ましくは１０以下である。
本発明の洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径は、使いやすさの観点から、好ましくは３０ｍｍ以上、より好ましくは５０ｍｍ以上、更に好ましくは８０ｍｍ以上、そして、好ましくは２００ｍｍ以下、より好ましくは１６０ｍｍ以下、更に好ましくは１２０ｍｍ以下である。
本発明の洗浄剤物品の最大投影面積の短軸径は、使いやすさの観点から、好ましくは５ｍｍ以上、より好ましくは１０ｍｍ以上、更に好ましくは１２ｍｍ以上、より更に好ましくは１４ｍｍ以上、そして、好ましくは２５ｍｍ以下、より好ましくは２３ｍｍ以下、更に好ましくは２０ｍｍ以下である。
本発明の洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径は、使いやすさの観点から、好ましくは３０ｍｍ以上、より好ましくは５０ｍｍ以上、更に好ましくは８０ｍｍ以上、そして、好ましくは２００ｍｍ以下、より好ましくは１６０ｍｍ以下、更に好ましくは１２０ｍｍ以下である。
本発明の洗浄剤物品の最大投影面積の短軸径は、使いやすさの観点から、好ましくは５ｍｍ以上、より好ましくは１０ｍｍ以上、更に好ましくは１２ｍｍ以上、より更に好ましくは１４ｍｍ以上、そして、好ましくは２５ｍｍ以下、より好ましくは２３ｍｍ以下、更に好ましくは２０ｍｍ以下である。
【0094】
本発明において、最大投影面積とは、あらゆる面から洗浄剤物品を水平方向に投影したときの投影図において、水平投影面積が最大になる投影図の面積である。「投影」とは数学において用いられる「投影」と同義であり、すなわち物体に水平方向に平行光線をあてて、その影を平面上に写すことである。
また本発明において、洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径と短軸径の測定方法は、洗浄剤物品の最大投影面積の形状が楕円形である場合、そのまま長軸径と短軸径を測定する。また洗浄剤物品の最大投影面積の形状が矩形である場合（縦軸の長さ＞横軸の長さ）、縦軸の長さを長軸径、横軸の長さを短軸径として測定する。また洗浄剤物品の最大投影面積の形状が不定形である場合、最長部分を長軸径とし、前記長軸径と直交する線（軸）の最長部分を短軸径として測定する。
洗浄剤物品の最大投影面積には、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムを含み、シール部分のような水溶性フィルム同士が重なる部分も含む。
例えば、２枚の水溶性フィルムを張り合わせて洗浄剤組成物を該水溶性フィルムで包装する場合、水溶性フィルムが洗浄剤組成物と接触する面積は大きいほど好ましい。２枚の水溶性フィルムを張り合わせて洗浄剤組成物を該水溶性フィルムで包装する場合、水溶性フィルム１枚あたり、他の水溶性フィルムと対向する面の総面積に対する該水溶性フィルムの洗浄剤組成物と接触する面積の割合は、好ましくは６０％以上、より好ましくは７０％以上、更に好ましくは８０％以上、更により好ましくは９０％以上、そして、１００％未満である。本明細書において、水溶性フィルムが洗浄剤組成物と接触する面積は、洗浄剤組成物を収容する空間を形成する水溶性フィルム面の面積であってよい。
また、洗浄剤物品は、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムの端部が、他の洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムの端部と切り離し可能な状態で、接続されていてもよい。このような場合、洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比（長軸径／短軸径）は、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルム毎に、洗浄剤物品の最大投影面積を算出して、算出された最大投影面積に基づいて測定される。すなわち、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムの端部同士が切り離し可能な状態で接続されている洗浄剤物品の場合、前記のアスペクト比は、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムの接続部分を切り離して測定する。なお、この接続部分が不明の場合は、包装された洗浄剤組成物毎に等分する線を接続部分とみなすことができる。
また本発明において、洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径と短軸径の測定方法は、洗浄剤物品の最大投影面積の形状が楕円形である場合、そのまま長軸径と短軸径を測定する。また洗浄剤物品の最大投影面積の形状が矩形である場合（縦軸の長さ＞横軸の長さ）、縦軸の長さを長軸径、横軸の長さを短軸径として測定する。また洗浄剤物品の最大投影面積の形状が不定形である場合、最長部分を長軸径とし、前記長軸径と直交する線（軸）の最長部分を短軸径として測定する。
洗浄剤物品の最大投影面積には、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムを含み、シール部分のような水溶性フィルム同士が重なる部分も含む。
例えば、２枚の水溶性フィルムを張り合わせて洗浄剤組成物を該水溶性フィルムで包装する場合、水溶性フィルムが洗浄剤組成物と接触する面積は大きいほど好ましい。２枚の水溶性フィルムを張り合わせて洗浄剤組成物を該水溶性フィルムで包装する場合、水溶性フィルム１枚あたり、他の水溶性フィルムと対向する面の総面積に対する該水溶性フィルムの洗浄剤組成物と接触する面積の割合は、好ましくは６０％以上、より好ましくは７０％以上、更に好ましくは８０％以上、更により好ましくは９０％以上、そして、１００％未満である。本明細書において、水溶性フィルムが洗浄剤組成物と接触する面積は、洗浄剤組成物を収容する空間を形成する水溶性フィルム面の面積であってよい。
また、洗浄剤物品は、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムの端部が、他の洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムの端部と切り離し可能な状態で、接続されていてもよい。このような場合、洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比（長軸径／短軸径）は、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルム毎に、洗浄剤物品の最大投影面積を算出して、算出された最大投影面積に基づいて測定される。すなわち、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムの端部同士が切り離し可能な状態で接続されている洗浄剤物品の場合、前記のアスペクト比は、洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムの接続部分を切り離して測定する。なお、この接続部分が不明の場合は、包装された洗浄剤組成物毎に等分する線を接続部分とみなすことができる。
【0095】
本発明の洗浄剤組成物及び洗浄剤物品は、繊維製品用、食器などの硬質表面用、又は自動食器洗浄機用として好適に用いることができ、繊維製品用として用いるのが好ましい。
【0096】
本発明の洗浄剤組成物又は洗浄剤物品で繊維製品を洗浄する場合、洗浄する繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維（牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど）、ポリアミド系繊維（ナイロンなど）、ポリエステル系繊維（ポリエステルなど）、ポリアクリロニトリル系繊維（アクリルなど）、ポリビニルアルコール系繊維（ビニロンなど）、ポリ塩化ビニル系繊維（ポリ塩化ビニルなど）、ポリ塩化ビニリデン系繊維（ビニリデンなど）、ポリオレフィン系繊維（ポリエチレン、ポリプロピレンなど）、ポリウレタン系繊維（ポリウレタンなど）、ポリ塩化ビニル／ポリビニルアルコール共重合系繊維（ポリクレラールなど）、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維（ベンゾエートなど）、ポリフルオロエチレン系繊維（ポリテトラフルオロエチレンなど）、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイト繊維、岩石繊維（ロックファイバー）、鉱滓繊維（スラッグファイバー）、金属繊維（金糸、銀糸、スチール繊維）等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維（木綿、カポックなど）、靭皮繊維（麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など）、葉脈繊維（マニラ麻、サイザル麻など）、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維（羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど）、絹繊維（家蚕絹、野蚕絹）、羽毛、セルロース系繊維（レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど）等が例示される。
繊維は、仕上がり性の観点から、繊維は木綿繊維を含む繊維であることが好ましい。繊維中の木綿繊維の含有量は、繊維の仕上がり性の観点から、好ましくは５質量％以上、より好ましくは１０質量％以上、更に好ましくは１５質量％以上、より更に好ましくは２０質量％以上、より更に好ましくは４０質量％以上、より更に好ましくは６０質量％以上、より更に好ましくは８０質量％以上、そして、好ましくは１００質量％以下であり、１００質量％であってよい。
繊維は、仕上がり性の観点から、繊維は木綿繊維を含む繊維であることが好ましい。繊維中の木綿繊維の含有量は、繊維の仕上がり性の観点から、好ましくは５質量％以上、より好ましくは１０質量％以上、更に好ましくは１５質量％以上、より更に好ましくは２０質量％以上、より更に好ましくは４０質量％以上、より更に好ましくは６０質量％以上、より更に好ましくは８０質量％以上、そして、好ましくは１００質量％以下であり、１００質量％であってよい。
【0097】
本発明において繊維製品とは、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Ｔシャツ、Ｙシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。
【0098】
［繊維製品の洗浄方法］
本発明は、本発明の洗浄剤組成物と水を混合した洗浄液（以下、本発明の洗浄液という）で、繊維製品を洗浄する、繊維製品の洗浄方法を提供する。本発明の繊維製品の洗浄方法において、本発明の洗浄剤組成物は、本発明の洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品の形態で使用することができる。すなわち、本発明は、本発明の洗浄剤物品と水を混合した洗浄液（以下、前記と同様に本発明の洗浄液という）で、繊維製品を洗浄する、繊維製品の洗浄方法を提供する。
本発明の繊維製品の洗浄方法では、本発明の洗浄剤組成物及び本発明の洗浄剤物品で記載した態様を適宜適用することができる。
本発明の繊維製品の洗浄方法では、予め洗浄槽に本発明の洗浄剤組成物と水とを投入、混合して本発明の洗浄液を調製してから、被洗浄物である繊維製品を投入して、繊維製品を洗浄する方法でもよいが、本発明の効果を享受する観点から、洗浄槽に本発明の洗浄剤組成物、水及び繊維製品を投入し、本発明の洗浄剤組成物を水に溶かしながら本発明の洗浄液を調製するのと同時に繊維製品を洗浄する方法が好ましい。
なお、本発明の繊維製品の洗浄方法において、本発明の洗浄剤物品を用いることができ、その場合、洗浄液は、上記の方法において、本発明の洗浄剤組成物を本発明の洗浄剤物品と読み替えて調製することができる。
本発明は、本発明の洗浄剤組成物と水を混合した洗浄液（以下、本発明の洗浄液という）で、繊維製品を洗浄する、繊維製品の洗浄方法を提供する。本発明の繊維製品の洗浄方法において、本発明の洗浄剤組成物は、本発明の洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品の形態で使用することができる。すなわち、本発明は、本発明の洗浄剤物品と水を混合した洗浄液（以下、前記と同様に本発明の洗浄液という）で、繊維製品を洗浄する、繊維製品の洗浄方法を提供する。
本発明の繊維製品の洗浄方法では、本発明の洗浄剤組成物及び本発明の洗浄剤物品で記載した態様を適宜適用することができる。
本発明の繊維製品の洗浄方法では、予め洗浄槽に本発明の洗浄剤組成物と水とを投入、混合して本発明の洗浄液を調製してから、被洗浄物である繊維製品を投入して、繊維製品を洗浄する方法でもよいが、本発明の効果を享受する観点から、洗浄槽に本発明の洗浄剤組成物、水及び繊維製品を投入し、本発明の洗浄剤組成物を水に溶かしながら本発明の洗浄液を調製するのと同時に繊維製品を洗浄する方法が好ましい。
なお、本発明の繊維製品の洗浄方法において、本発明の洗浄剤物品を用いることができ、その場合、洗浄液は、上記の方法において、本発明の洗浄剤組成物を本発明の洗浄剤物品と読み替えて調製することができる。
【0099】
本発明の洗浄液において、本発明の洗浄剤組成物と水とを混合する際の水の量は、水１Ｌに対して、本発明の洗浄剤組成物の総量が、環境配慮及び洗浄性能の観点から、好ましくは０．０１ｇ以上、より好ましくは０．１ｇ以上、更に好ましくは０．３ｇ以上、そして、好ましくは１０ｇ以下、より好ましくは１ｇ以下、更に好ましくは０．５ｇ以下の濃度となるように調製する。
【0100】
本発明の洗浄液は、（Ａ）成分を、洗浄性能の観点から、前記洗浄液中、好ましくは１５ｐｐｍ以上、より好ましくは３０ｐｐｍ以上、更に好ましくは４５ｐｐｍ以上、そして、すすぎの観点から、好ましくは３００ｐｐｍ以下、より好ましくは２５０ｐｐｍ以下、更に好ましくは２００ｐｐｍ以下含有する。
【0101】
本発明の洗浄液は、（Ｂ）成分を、洗浄性能の観点から、前記洗浄液中、好ましくは５０ｐｐｍ以上、より好ましくは１００ｐｐｍ以上、更に好ましくは１５０ｐｐｍ以上、そして、冷水での残りの観点から、好ましくは８００ｐｐｍ以下、より好ましくは７００ｐｐｍ以下、更に好ましくは６００ｐｐｍ以下含有する。
【0102】
本発明の洗浄液は、（Ｃ）成分を、溶け残りの抑制の観点から、前記洗浄液中、好ましくは３０ｐｐｍ以上、より好ましくは６０ｐｐｍ以上、更に好ましくは１００ｐｐｍ以上、そして、スジ残りの生成抑制の観点から、好ましくは１６０ｐｐｍ以下、より好ましくは１５０ｐｐｍ以下、更に好ましくは１４０ｐｐｍ以下含有する。
【0103】
本発明の洗浄液は、（Ｄ）成分を、抗菌性能の観点から、前記洗浄液中、好ましくは３ｐｐｍ以上、より好ましくは５ｐｐｍ以上、更に好ましくは８ｐｐｍ以上、そして、例えば、５０ｐｐｍ以下含有する。
【0104】
本発明の洗浄液は、（Ｅ）成分を、粒子汚れの洗浄性能の観点から、前記洗浄液中、好ましくは５ｐｐｍ以上、より好ましくは１０ｐｐｍ以上、更に好ましくは１５ｐｐｍ以上、そして、例えば、１００ｐｐｍ以下含有する。
【0105】
本発明の洗浄液は、（Ｆ）成分を含有する場合、（Ｆ）成分を、洗浄性能及び泡立ち性能の観点から、前記洗浄液中、好ましくは０．５ｐｐｍ以上、より好ましくは１．０ｐｐｍ以上、更に好ましくは１．５ｐｐｍ以上、そして、すすぎ性能の観点から、好ましくは２０ｐｐｍ以下、より好ましくは１８ｐｐｍ以下、更に好ましくは１６ｐｐｍ以下含有する。
【0106】
本発明の洗浄液は、（Ｇ）成分を含有する場合、（Ｇ）成分を、安定性及び疎水性粒子の分散性の観点から、前記洗浄液中、好ましくは０．５ｐｐｍ以上、より好ましくは１ｐｐｍ以上、更に好ましくは１．５ｐｐｍ以上、そして、例えば、５０ｐｐｍ以下含有する。
【0107】
本発明の洗浄液は、（Ｈ）成分を含有する場合、（Ｈ）成分を、洗浄性能の観点からの観点から、前記洗浄液中、酵素タンパク質量として、好ましくは０．０２ｐｐｍ以上、より好ましくは０．０４ｐｐｍ以上、更に好ましくは０．０６ｐｐｍ以上、そして、肌への刺激性の観点から、好ましくは１．２ｐｐｍ以下、より好ましくは１．０ｐｐｍ以下、更に好ましくは０．８０ｐｐｍ以下含有する。
【0108】
本発明の洗浄液は、（Ｉ）成分を含有する場合、（Ｉ）成分を洗浄性能の観点から、前記洗浄液中、好ましくは１ｐｐｍ以上、より好ましくは２．５ｐｐｍ以上、更に好ましくは５ｐｐｍ以上、そして、例えば、１００ｐｐｍ以下含有する。
【0109】
近年、洗濯機が大型化し、繊維製品の質量（ｋｇ）と洗浄液の水量（リットル）の比で表される浴比の値、すなわち洗浄液の水量（リットル）／繊維製品の質量（ｋｇ）（以下、この比を浴比とする場合もある）の値が小さくなる傾向にある。家庭用洗濯機を用いた場合に浴比が小さくなると、洗浄時の撹拌により繊維製品同士の擦れが大きくなり、繊維製品の仕上がり性が損なわれる場合がある。浴比は、洗浄性能の観点から、好ましくは５以上、より好ましくは１０以上、更に好ましくは２０以上、そして、洗濯効率の観点から好ましくは１００以下、より好ましくは５０以下、更に好ましくは３０以下である。
【0110】
本発明の繊維製品の洗浄方法は、ローラー等で繊維を送りながら、精錬に使用する液に浸漬する方法、回転式洗浄方法に適している。回転式洗浄方法とは、回転機器に固定されていない繊維製品が洗浄液と共に、回転軸の周りに回転する洗浄方法を意味する。回転式洗浄方法は、回転式洗濯機により実施できる。従って、本発明では、繊維製品がよりきれいに仕上げる点で、繊維製品の洗浄を、回転式洗濯機を用いて行うことが好ましい。回転式の洗濯機としては、具体的には、ドラム式洗濯機、パルセータ式洗濯機又はアジテータ式洗濯機が挙げられる。これらの回転式洗濯機は、それぞれ、家庭用として市販されているものを使用することができる。
【実施例0111】
［実施例、比較例］
＜配合成分＞
実施例及び比較例では、以下の成分を用いた。
＜（Ａ）成分＞
〔（ａ１）成分：ノニオン界面活性剤〕
・ＡＥＯ（１０）：ポリオキシエチレンアルキルエーテル（アルキル基の炭素数１２、オキシエチレンの平均付加モル数１０）、エマルゲン１１０、花王株式会社製
〔（ａ２）成分：アニオン界面活性剤〕
・ＬＡＳ：ラウリルベンゼンスルホン酸、ネオペレックスＧＳ、花王株式会社製
・ＡＳ－Ｎａ：アルキル硫酸エステルナトリウム（アルキル基の炭素数１２～１６）、エマール１０Ｇ、花王株式会社製
・脂肪酸：脂肪酸（炭素数１２～１８）、ルナックＬ－５５、花王株式会社製
※ＬＡＳ及び脂肪酸は、炭酸ナトリウムとの乾式中和によりナトリウム塩となるので、表１の（ａ２）成分は、「ＬＡＳ－Ｎａ」又は「脂肪酸ナトリウム」と記載した。また、本発明の洗浄剤組成物の製造において、ＬＡＳ又は脂肪酸の乾式中和により消費される炭酸ナトリウムは別途添加した。
＜（Ｂ）成分＞
〔（ｂ１）成分〕
・炭酸ナトリウム：ライト灰、嵩密度６００ｇ／Ｌ、平均粒子径１００μｍ、セントラル硝子株式会社製
〔（ｂ２）成分〕
・硫酸ナトリウム：無水中性芒硝、四国化成株式会社製
・塩化ナトリウム：ナクル Ｎ、南海塩業株式会社製
＜（Ｃ）成分＞
・ゼオライト： ゼオビルダー、４Ａ型、平均粒子径３．５μｍ、ZEOBUILDER社製
・ベントナイト：スメクタイト型層状粘土鉱物「オドソルブＫ－４００」、メジアン粒子径 １０μｍ、主成分 ［ＭｇａＡｌｂ（Ｓｉ２Ｏ５）４（ＯＨ）４］Ｘ－・ＭｅＸ＋、ａ＝１、ｂ＝３、Ｘ＝１、ナトリウム含有量 １．６％、モル比〔（Ｎａ＋Ｋ＋Ｌｉ）／（Ｃａ＋Ｍｇ）〕＝２．１、黒崎白土株式会社製
＜（Ｄ）成分：カチオン界面活性剤＞
・ＢＡＣ：塩化ベンザルコニウム（アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキル基の炭素数：１２～１６）、サニゾールＢ－５０、花王株式会社製
・Ｃ１６ＴＭＡＣ：アルキルトリメチルアンモニウムクロライド（アルキル基の炭素数１６）、コータミン６０Ｗ、花王株式会社製
＜（Ｅ）成分＞
・ポリアクリル酸：ポリアクリル酸ナトリウム、重量平均分子量１万、商品名 ポイズ５３６、花王株式会社製
＜（Ｇ）成分＞
・ポリエチレングリコール：ＰＥＧ１３０００ 、重量平均分子量 １０，０００、固形分６０％、三井化学株式会社製
＜（Ｈ）成分＞
・酵素：プロテアーゼ、サビナーゼ８．０Ｔ、ノボザイムズ社製
＜配合成分＞
実施例及び比較例では、以下の成分を用いた。
＜（Ａ）成分＞
〔（ａ１）成分：ノニオン界面活性剤〕
・ＡＥＯ（１０）：ポリオキシエチレンアルキルエーテル（アルキル基の炭素数１２、オキシエチレンの平均付加モル数１０）、エマルゲン１１０、花王株式会社製
〔（ａ２）成分：アニオン界面活性剤〕
・ＬＡＳ：ラウリルベンゼンスルホン酸、ネオペレックスＧＳ、花王株式会社製
・ＡＳ－Ｎａ：アルキル硫酸エステルナトリウム（アルキル基の炭素数１２～１６）、エマール１０Ｇ、花王株式会社製
・脂肪酸：脂肪酸（炭素数１２～１８）、ルナックＬ－５５、花王株式会社製
※ＬＡＳ及び脂肪酸は、炭酸ナトリウムとの乾式中和によりナトリウム塩となるので、表１の（ａ２）成分は、「ＬＡＳ－Ｎａ」又は「脂肪酸ナトリウム」と記載した。また、本発明の洗浄剤組成物の製造において、ＬＡＳ又は脂肪酸の乾式中和により消費される炭酸ナトリウムは別途添加した。
＜（Ｂ）成分＞
〔（ｂ１）成分〕
・炭酸ナトリウム：ライト灰、嵩密度６００ｇ／Ｌ、平均粒子径１００μｍ、セントラル硝子株式会社製
〔（ｂ２）成分〕
・硫酸ナトリウム：無水中性芒硝、四国化成株式会社製
・塩化ナトリウム：ナクル Ｎ、南海塩業株式会社製
＜（Ｃ）成分＞
・ゼオライト： ゼオビルダー、４Ａ型、平均粒子径３．５μｍ、ZEOBUILDER社製
・ベントナイト：スメクタイト型層状粘土鉱物「オドソルブＫ－４００」、メジアン粒子径 １０μｍ、主成分 ［ＭｇａＡｌｂ（Ｓｉ２Ｏ５）４（ＯＨ）４］Ｘ－・ＭｅＸ＋、ａ＝１、ｂ＝３、Ｘ＝１、ナトリウム含有量 １．６％、モル比〔（Ｎａ＋Ｋ＋Ｌｉ）／（Ｃａ＋Ｍｇ）〕＝２．１、黒崎白土株式会社製
＜（Ｄ）成分：カチオン界面活性剤＞
・ＢＡＣ：塩化ベンザルコニウム（アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキル基の炭素数：１２～１６）、サニゾールＢ－５０、花王株式会社製
・Ｃ１６ＴＭＡＣ：アルキルトリメチルアンモニウムクロライド（アルキル基の炭素数１６）、コータミン６０Ｗ、花王株式会社製
＜（Ｅ）成分＞
・ポリアクリル酸：ポリアクリル酸ナトリウム、重量平均分子量１万、商品名 ポイズ５３６、花王株式会社製
＜（Ｇ）成分＞
・ポリエチレングリコール：ＰＥＧ１３０００ 、重量平均分子量 １０，０００、固形分６０％、三井化学株式会社製
＜（Ｈ）成分＞
・酵素：プロテアーゼ、サビナーゼ８．０Ｔ、ノボザイムズ社製
【0112】
＜洗浄剤組成物の調製＞
上記の配合成分を用いて下記の方法で表１に示す洗浄剤組成物を調製した。
混合槽にて硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム１１０ｋｇ、４０％ポリアクリル酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ゼオライト９３ｋｇを混合して、スラリーを調製した。このスラリーをポンプで噴霧乾燥塔（向流式）に供給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルからスラリーを噴霧して、噴霧乾燥粒子を得た。次に得られた噴霧乾燥粒子、表１の配合組成となるように残りの炭酸ナトリウム及び（ｂ２）成分の乾式中和により消費される炭酸ナトリウムを混合し、（ａ１）成分のノニオン界面活性剤、ポリエチレングリコール及び（Ｄ）成分のカチオン界面活性剤を混合した後に、(ａ２)成分を用いて乾式中和を行った。次いで、ベントナイトを添加し、更に表１の配合組成となるように残りのゼオライトを添加した。最後に酵素及び香料をブレントして粉末状の洗剤組成物とした。
なお、実施例１－３では、（ａ２）成分を用いた乾式中和を行わず、アルキル硫酸塩の顆粒を、最後に酵素及び香料と共にブレンドで混合した。
なお、表中の（Ｈ）成分以外の配合成分の質量％は、全て有効分に基づく数値であり、（Ｈ）成分は有姿としての配合量（質量％）を示している。また表中の（ａ２）成分の配合量（質量％）は、乾式中和後、すなわちナトリウム塩としての量を示している。
上記の配合成分を用いて下記の方法で表１に示す洗浄剤組成物を調製した。
混合槽にて硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム１１０ｋｇ、４０％ポリアクリル酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ゼオライト９３ｋｇを混合して、スラリーを調製した。このスラリーをポンプで噴霧乾燥塔（向流式）に供給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルからスラリーを噴霧して、噴霧乾燥粒子を得た。次に得られた噴霧乾燥粒子、表１の配合組成となるように残りの炭酸ナトリウム及び（ｂ２）成分の乾式中和により消費される炭酸ナトリウムを混合し、（ａ１）成分のノニオン界面活性剤、ポリエチレングリコール及び（Ｄ）成分のカチオン界面活性剤を混合した後に、(ａ２)成分を用いて乾式中和を行った。次いで、ベントナイトを添加し、更に表１の配合組成となるように残りのゼオライトを添加した。最後に酵素及び香料をブレントして粉末状の洗剤組成物とした。
なお、実施例１－３では、（ａ２）成分を用いた乾式中和を行わず、アルキル硫酸塩の顆粒を、最後に酵素及び香料と共にブレンドで混合した。
なお、表中の（Ｈ）成分以外の配合成分の質量％は、全て有効分に基づく数値であり、（Ｈ）成分は有姿としての配合量（質量％）を示している。また表中の（ａ２）成分の配合量（質量％）は、乾式中和後、すなわちナトリウム塩としての量を示している。
【0113】
＜洗浄性評価＞
１．皮脂汚れの人工汚染布の作製
使用した人工汚染布は６ｃｍ×６ｃｍの木綿／ポリエステルブロード混紡染着布（木綿／ポリエステル比＝３５／６５、谷頭商店より購入）に、下記組成からなる人工汚垢を１枚当たり１００ｍｇになるようグラビア塗工したものである。
・人工汚垢
下記Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅを含有する組成物を人工汚垢とした。それぞれの質量％は最終組成の人工汚垢の割合であり、合計が１００質量％となるようにＢの量を調節した。
Ａ ：モデル皮脂汚れ（人工汚垢中の質量％がラウリン酸０．４４質量％、ミリスチン酸３．１５質量％、ペンタデカン酸２．３５質量％、パルミチン酸６．３１質量％、ヘプタデカン酸０．４４質量％、ステアリン酸１．６０質量％、オレイン酸７．９１質量％、パルミチン酸ｎ－ヘキサデシル２．２２質量％、スクアレン６．６６質量％となる量で用いる）
Ｂ：塩化カルシウムの２水塩１０５ｍｇを秤量し、蒸留水に溶かして１，０００ｍＬとして得た硬水
Ｃ：卵白レシチン液晶物１．９８質量％（蒸留水８０ｍＬにアルギニン塩酸塩１１．３７ｇ、ヒスチジン４．２０ｇ、セリン２．４４ｇを溶解し、濃塩酸でｐＨを５．０に調整した後、この溶液と卵白レシチンをミキサーで十分混ぜ合わせて得た卵白レシチン液晶物）
Ｄ：鹿沼赤土８．１１質量％
Ｅ：カーボンブラック０．０２５質量％
１．皮脂汚れの人工汚染布の作製
使用した人工汚染布は６ｃｍ×６ｃｍの木綿／ポリエステルブロード混紡染着布（木綿／ポリエステル比＝３５／６５、谷頭商店より購入）に、下記組成からなる人工汚垢を１枚当たり１００ｍｇになるようグラビア塗工したものである。
・人工汚垢
下記Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅを含有する組成物を人工汚垢とした。それぞれの質量％は最終組成の人工汚垢の割合であり、合計が１００質量％となるようにＢの量を調節した。
Ａ ：モデル皮脂汚れ（人工汚垢中の質量％がラウリン酸０．４４質量％、ミリスチン酸３．１５質量％、ペンタデカン酸２．３５質量％、パルミチン酸６．３１質量％、ヘプタデカン酸０．４４質量％、ステアリン酸１．６０質量％、オレイン酸７．９１質量％、パルミチン酸ｎ－ヘキサデシル２．２２質量％、スクアレン６．６６質量％となる量で用いる）
Ｂ：塩化カルシウムの２水塩１０５ｍｇを秤量し、蒸留水に溶かして１，０００ｍＬとして得た硬水
Ｃ：卵白レシチン液晶物１．９８質量％（蒸留水８０ｍＬにアルギニン塩酸塩１１．３７ｇ、ヒスチジン４．２０ｇ、セリン２．４４ｇを溶解し、濃塩酸でｐＨを５．０に調整した後、この溶液と卵白レシチンをミキサーで十分混ぜ合わせて得た卵白レシチン液晶物）
Ｄ：鹿沼赤土８．１１質量％
Ｅ：カーボンブラック０．０２５質量％
【0114】
２．泥汚れの人工汚染布の作製
泥汚れ汚染布は、１０ｃｍ×１０ｃｍの綿メリヤス（綿１００％、谷頭商店より購入）を用いて、特開平１０－２０４７６９号の段落００３０～００３８に記載の製法により作製した。
泥汚れ汚染布は、１０ｃｍ×１０ｃｍの綿メリヤス（綿１００％、谷頭商店より購入）を用いて、特開平１０－２０４７６９号の段落００３０～００３８に記載の製法により作製した。
【0115】
３．洗浄性評価
皮脂汚れの人工汚染布と泥汚れの人工汚染布のそれぞれの人工汚染布について、下記方法で洗浄を行い、洗浄性の評価を行った。
人工汚染布４枚を、ターゴトメーター（Ｕｅｓｈｉｍａ製、ＭＳ－８２１２）にて、１００ｒｐｍで１０分間洗浄した。具体的な洗浄条件は、いずれも、人工汚染布４枚と、表１に記載の各洗浄剤組成物を０．３０ｇターゴトメーターに投入し、水を６００ｍＬ注入し、洗浄剤組成物を水に溶かしながら洗浄液を調製するのと同時に人工汚染布の洗浄を１００ｒｐｍで１０分間行った。また各洗浄液の水温は２０℃であった。
洗浄後、市水（２０℃）で１分間すすいだ。その後二層式洗濯機を用いてすすぎ後の汚染布の脱水処理を３分間行った後、２０℃、５０％ＲＨの条件下で５時間放置し乾燥させた。
洗浄率（％）を下記の（１）式に基づいて算出し、４枚の平均値を求めた。なお、人工汚染布の原布、及び洗浄前後の人工汚染布の波長５５０ｎｍにおける反射率は、分光色彩計（日本電色株式会社製、ＳＥ２０００）にて測定した。結果を表１に示す。洗浄率の値が大きいほど、洗浄力に優れた洗浄剤組成物である。
洗浄率（％）＝１００×［（洗浄後の人工汚染布の反射率－洗浄前の人工汚染布の反射率）／（原布の反射率－洗浄前の人工汚染布の反射率）］ （１）
皮脂汚れの人工汚染布と泥汚れの人工汚染布のそれぞれの人工汚染布について、下記方法で洗浄を行い、洗浄性の評価を行った。
人工汚染布４枚を、ターゴトメーター（Ｕｅｓｈｉｍａ製、ＭＳ－８２１２）にて、１００ｒｐｍで１０分間洗浄した。具体的な洗浄条件は、いずれも、人工汚染布４枚と、表１に記載の各洗浄剤組成物を０．３０ｇターゴトメーターに投入し、水を６００ｍＬ注入し、洗浄剤組成物を水に溶かしながら洗浄液を調製するのと同時に人工汚染布の洗浄を１００ｒｐｍで１０分間行った。また各洗浄液の水温は２０℃であった。
洗浄後、市水（２０℃）で１分間すすいだ。その後二層式洗濯機を用いてすすぎ後の汚染布の脱水処理を３分間行った後、２０℃、５０％ＲＨの条件下で５時間放置し乾燥させた。
洗浄率（％）を下記の（１）式に基づいて算出し、４枚の平均値を求めた。なお、人工汚染布の原布、及び洗浄前後の人工汚染布の波長５５０ｎｍにおける反射率は、分光色彩計（日本電色株式会社製、ＳＥ２０００）にて測定した。結果を表１に示す。洗浄率の値が大きいほど、洗浄力に優れた洗浄剤組成物である。
洗浄率（％）＝１００×［（洗浄後の人工汚染布の反射率－洗浄前の人工汚染布の反射率）／（原布の反射率－洗浄前の人工汚染布の反射率）］ （１）
【0116】
＜すすぎ性の評価＞
１．泡残りの評価
ドラム式洗濯機（ＮＡ－ＶＧ１０００Ｌ、Ｐａｎａｓｏｎｉｃ社製）に、表１の洗浄剤組成物を４０ｇと、ズボン（ＵＮＩＱＬＯ社製）、トレーナー（ＵＮＩＱＬＯ社製）、ボクサーパンツ（ＵＮＩＱＬＯ社製）、靴下（ＵＮＩＱＬＯ社製）、上長袖（ヒートテック、ＵＮＩＱＬＯ社製）を各３セットずつと全体重量が７．５ｋｇになるように木綿製のＴシャツ（ＹＧ、グンゼ社製）を加えて、標準コース、洗い９分、すすぎ１回、脱水６分で洗浄を行った。洗浄工程後のドラム式洗濯機の洗濯槽を該ドラム式洗濯機の正面から目視で確認し、下記評価指標にしたがって、泡残りの評価を行った。結果を表１に示す。泡残りの評価で、「０」と評価された洗浄剤組成物は、すすぎ性に優れた洗浄性組成物である。
泡残りの評価指標
０：泡の残量が洗濯槽の１／４未満である
１：泡の残量が洗濯槽の１／４以上である
１．泡残りの評価
ドラム式洗濯機（ＮＡ－ＶＧ１０００Ｌ、Ｐａｎａｓｏｎｉｃ社製）に、表１の洗浄剤組成物を４０ｇと、ズボン（ＵＮＩＱＬＯ社製）、トレーナー（ＵＮＩＱＬＯ社製）、ボクサーパンツ（ＵＮＩＱＬＯ社製）、靴下（ＵＮＩＱＬＯ社製）、上長袖（ヒートテック、ＵＮＩＱＬＯ社製）を各３セットずつと全体重量が７．５ｋｇになるように木綿製のＴシャツ（ＹＧ、グンゼ社製）を加えて、標準コース、洗い９分、すすぎ１回、脱水６分で洗浄を行った。洗浄工程後のドラム式洗濯機の洗濯槽を該ドラム式洗濯機の正面から目視で確認し、下記評価指標にしたがって、泡残りの評価を行った。結果を表１に示す。泡残りの評価で、「０」と評価された洗浄剤組成物は、すすぎ性に優れた洗浄性組成物である。
泡残りの評価指標
０：泡の残量が洗濯槽の１／４未満である
１：泡の残量が洗濯槽の１／４以上である
【0117】
２．濁りの評価
上記ドラム式洗濯機での洗浄工程後に行った１回目のすすぎ工程後のすすぎ水の排水の一部を、たらい（直径３０ｃｍ、高さ１３．５ｃｍ）に５Ｌ貯留した。たらいの底部には、フォントサイズ１８の黒色の文字が記載されたシールを予め張り付けた。たらいにすすぎ水が貯留された状態で、たらい底部に張り付けた文字を、すすぎ水の水面から真上に０．７ｍ離れた位置から目視で観察した。５人のパネラーによって、下記の指標に基づき評価し、５人のパネラーの評価の合計値を求めた。結果を表１に示す。
濁りの評価で、各パネラーの評価の合計値が低い洗浄剤組成物、更には該合計値が「０」の洗浄剤組成物は、すすぎ性に優れた洗浄性組成物である。
濁りの評価指標
０：たらい底部に張り付けた文字が認識できた。
１：たらい底部に張り付けた文字が認識できなかった。
上記ドラム式洗濯機での洗浄工程後に行った１回目のすすぎ工程後のすすぎ水の排水の一部を、たらい（直径３０ｃｍ、高さ１３．５ｃｍ）に５Ｌ貯留した。たらいの底部には、フォントサイズ１８の黒色の文字が記載されたシールを予め張り付けた。たらいにすすぎ水が貯留された状態で、たらい底部に張り付けた文字を、すすぎ水の水面から真上に０．７ｍ離れた位置から目視で観察した。５人のパネラーによって、下記の指標に基づき評価し、５人のパネラーの評価の合計値を求めた。結果を表１に示す。
濁りの評価で、各パネラーの評価の合計値が低い洗浄剤組成物、更には該合計値が「０」の洗浄剤組成物は、すすぎ性に優れた洗浄性組成物である。
濁りの評価指標
０：たらい底部に張り付けた文字が認識できた。
１：たらい底部に張り付けた文字が認識できなかった。
【0118】
＜抗菌性能の評価＞
１．抗菌性の試験方法
（１）抗菌性試験に用いる布の調製
ターゴトメーターに、木綿布（木綿＃２００３、谷頭商店製）３０ｇ、及び表１に記載の各洗浄剤組成物を０．３ｇ溶かした洗浄液６００ｍＬを投入し、８５ｒｐｍで洗浄１０分、すすぎ３分の操作を５回累積して行ったものを試験布とした。水は全て煮沸滅菌済みの水道水を使用した。
（２）抗菌性試験
着用済の衣料から分離したモラクセラ・オスロエンシスを用いて、ＪＩＳ Ｌ １９０２に則り抗菌性試験を行った。具体的には以下のように行った。
上記（１）の方法で作製した試験布を２ｃｍ四方に裁断した試験片（１片あたりの質量は約０．４ｇ）を検体とした。
（ｉ）着用済みの衣類から分離されたモラクセラ・オスロエンシスをＳＣＤ－ＬＰ寒天培地を平板としたプレートに画線培養し、３７℃、２４時間培養したものを白金耳でかきとり、ニュートリエント（ＮＴ）培地１０ｍＬに入れて、３７℃、１１０ｒｐｍの条件で２４時間前培養した。前培養した培養液の濃度を吸光光度法によって推定し、菌濃度を約１×１０８個／ｍＬに調整した。その後、１／２０ＮＴ培地でさらに希釈し、菌濃度を１×１０５個／ｍＬに調整し、試験菌液とした。
（ii）試験菌液をピペットで正確に０．２ｍＬ採取し、各検体又は未処理布である標準布（ＪＩＳ Ｌ １９０２の標準布）のそれぞれについて、１枚につき数ヵ所に接触させ、バイアル瓶に投入し、蓋を閉めた状態で、３７℃で１８時間培養した。試験菌液の接種、培養は、検体と標準布のそれぞれについて、複数を行った。
（iii）培養後の標準布及び接触直後の標準布を無作為に５つずつ選定し、洗い出し用ＬＰ希釈液２０ｍＬを加え、蓋を閉め、試験用撹拌器で３０秒撹拌し、菌を洗い流し、菌数を計測した。培養後の検体を無作為に５つ選定し、検体ごとに、洗い流し用ＬＰ希釈液２０ｍＬを加え、蓋を閉め、試験用撹拌器で３０秒撹拌し、菌を洗い流し、菌数を計測した。
静菌活性値を下記の式で求めた。結果を表１に示す。静菌活性値が高い程、抗菌性能が高いことを表す。
静菌活性値＝ ＬｏｇＢ － ＬｏｇＣ
Ａ：接種直後の標準布から回収した菌数の平均値
Ｂ：１８時間培養後の標準布から回収した菌数の平均値
Ｃ：１８時間培養後の検体から回収した菌数の平均値
ただし、試験成立条件である、ＬｏｇＢ － ＬｏｇＡが１．５を超えることを満たすものとする。
１．抗菌性の試験方法
（１）抗菌性試験に用いる布の調製
ターゴトメーターに、木綿布（木綿＃２００３、谷頭商店製）３０ｇ、及び表１に記載の各洗浄剤組成物を０．３ｇ溶かした洗浄液６００ｍＬを投入し、８５ｒｐｍで洗浄１０分、すすぎ３分の操作を５回累積して行ったものを試験布とした。水は全て煮沸滅菌済みの水道水を使用した。
（２）抗菌性試験
着用済の衣料から分離したモラクセラ・オスロエンシスを用いて、ＪＩＳ Ｌ １９０２に則り抗菌性試験を行った。具体的には以下のように行った。
上記（１）の方法で作製した試験布を２ｃｍ四方に裁断した試験片（１片あたりの質量は約０．４ｇ）を検体とした。
（ｉ）着用済みの衣類から分離されたモラクセラ・オスロエンシスをＳＣＤ－ＬＰ寒天培地を平板としたプレートに画線培養し、３７℃、２４時間培養したものを白金耳でかきとり、ニュートリエント（ＮＴ）培地１０ｍＬに入れて、３７℃、１１０ｒｐｍの条件で２４時間前培養した。前培養した培養液の濃度を吸光光度法によって推定し、菌濃度を約１×１０８個／ｍＬに調整した。その後、１／２０ＮＴ培地でさらに希釈し、菌濃度を１×１０５個／ｍＬに調整し、試験菌液とした。
（ii）試験菌液をピペットで正確に０．２ｍＬ採取し、各検体又は未処理布である標準布（ＪＩＳ Ｌ １９０２の標準布）のそれぞれについて、１枚につき数ヵ所に接触させ、バイアル瓶に投入し、蓋を閉めた状態で、３７℃で１８時間培養した。試験菌液の接種、培養は、検体と標準布のそれぞれについて、複数を行った。
（iii）培養後の標準布及び接触直後の標準布を無作為に５つずつ選定し、洗い出し用ＬＰ希釈液２０ｍＬを加え、蓋を閉め、試験用撹拌器で３０秒撹拌し、菌を洗い流し、菌数を計測した。培養後の検体を無作為に５つ選定し、検体ごとに、洗い流し用ＬＰ希釈液２０ｍＬを加え、蓋を閉め、試験用撹拌器で３０秒撹拌し、菌を洗い流し、菌数を計測した。
静菌活性値を下記の式で求めた。結果を表１に示す。静菌活性値が高い程、抗菌性能が高いことを表す。
静菌活性値＝ ＬｏｇＢ － ＬｏｇＣ
Ａ：接種直後の標準布から回収した菌数の平均値
Ｂ：１８時間培養後の標準布から回収した菌数の平均値
Ｃ：１８時間培養後の検体から回収した菌数の平均値
ただし、試験成立条件である、ＬｏｇＢ － ＬｏｇＡが１．５を超えることを満たすものとする。
【0119】
＜溶け残り性の評価＞
表１の実施例及び比較例の各洗浄剤組成物の溶け残り性を、被洗浄物におけるスジ残りの有無と、洗浄後に溶け残った洗浄剤組成物の溶け残り残留物の直径と、に基づいて評価した。溶け残り性の評価は、下記の方法で行った。
１５ｃｍ×１５ｃｍにカットした黒色木綿布（黒染着綿ブロード４０、谷頭商店より購入）に表１の各洗浄剤組成物４０ｇを載せ、該洗浄剤組成物を包み込むように織り込む。木綿製のＴシャツ（ＹＧ、グンゼ社製）を７ｋｇ（約７０枚）準備し、まずは４ｋｇ分を全自動洗濯機（ＮＡ－ＦＲ８０Ｈ６８ｋｇ、Ｐａｎａｓｏｎｉｃ社製）の中に入れ、その上に洗浄剤組成物を包んだ黒色木綿布を載せ、残りの３ｋｇをその上にかぶせるように入れた。５℃に温調した水道水（和歌山市水）にて、おまかせコース（水量６０Ｌ）、洗い９分、すすぎ１回、脱水７分にセットして、洗濯を開始した。
表１の実施例及び比較例の各洗浄剤組成物の溶け残り性を、被洗浄物におけるスジ残りの有無と、洗浄後に溶け残った洗浄剤組成物の溶け残り残留物の直径と、に基づいて評価した。溶け残り性の評価は、下記の方法で行った。
１５ｃｍ×１５ｃｍにカットした黒色木綿布（黒染着綿ブロード４０、谷頭商店より購入）に表１の各洗浄剤組成物４０ｇを載せ、該洗浄剤組成物を包み込むように織り込む。木綿製のＴシャツ（ＹＧ、グンゼ社製）を７ｋｇ（約７０枚）準備し、まずは４ｋｇ分を全自動洗濯機（ＮＡ－ＦＲ８０Ｈ６８ｋｇ、Ｐａｎａｓｏｎｉｃ社製）の中に入れ、その上に洗浄剤組成物を包んだ黒色木綿布を載せ、残りの３ｋｇをその上にかぶせるように入れた。５℃に温調した水道水（和歌山市水）にて、おまかせコース（水量６０Ｌ）、洗い９分、すすぎ１回、脱水７分にセットして、洗濯を開始した。
【0120】
１．スジ残りの有無
洗濯終了後、黒色木綿布を目視で確認し、黒色木綿布におけるスジ残りの有無を確認した。スジ残りの有無は、１枚の黒色木綿布を５人のパネラーによって、下記の指標に基づき評価し、５人のパネラーの評価の合計値を求めた。結果を表１に示す。５人のパネラーの評価の合計値の値が小さく、スジ残りの少ない洗浄剤組成物は、溶解性に優れ、溶け残り性が改善された洗浄剤組成物である。
スジ残りの有無の評価指標
０：まったくスジ残りなし
１：スジ残りあり
洗濯終了後、黒色木綿布を目視で確認し、黒色木綿布におけるスジ残りの有無を確認した。スジ残りの有無は、１枚の黒色木綿布を５人のパネラーによって、下記の指標に基づき評価し、５人のパネラーの評価の合計値を求めた。結果を表１に示す。５人のパネラーの評価の合計値の値が小さく、スジ残りの少ない洗浄剤組成物は、溶解性に優れ、溶け残り性が改善された洗浄剤組成物である。
スジ残りの有無の評価指標
０：まったくスジ残りなし
１：スジ残りあり
【0121】
２．溶け残り残留物の評価
また、黒色木綿布における洗浄剤組成物の溶け残り残留物を回収し、回収した残留物の最大直径（ｍｍ）をノギスで測定した。
そして、下記の指標に基づいて、洗浄剤組成物の溶け残り残留物の評価を行った。結果を表１に示す。溶け残り残留物の評価が、０又は１であれば、十分な溶解性を有する洗浄剤組成物と評価でき、溶け残り残留物の評価は、０であることが好ましい。
溶け残り残留物の評価指標
０：まったく溶け残りなし
１：１ｍｍ以上５ｍｍ以下の洗浄剤組成物の塊が確認された。
２：５ｍｍ以上の洗浄剤組成物の塊が確認された。
また、黒色木綿布における洗浄剤組成物の溶け残り残留物を回収し、回収した残留物の最大直径（ｍｍ）をノギスで測定した。
そして、下記の指標に基づいて、洗浄剤組成物の溶け残り残留物の評価を行った。結果を表１に示す。溶け残り残留物の評価が、０又は１であれば、十分な溶解性を有する洗浄剤組成物と評価でき、溶け残り残留物の評価は、０であることが好ましい。
溶け残り残留物の評価指標
０：まったく溶け残りなし
１：１ｍｍ以上５ｍｍ以下の洗浄剤組成物の塊が確認された。
２：５ｍｍ以上の洗浄剤組成物の塊が確認された。
【0122】
【表1】
【0123】
［参考例］
以下に、本発明の洗浄剤組成物と、前記洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を備える洗浄剤物品について例示する。前記洗浄剤物品は、以下に示す破裂強度の測定で破裂強度が３００Ｎ以上とすることができ、以下に示す洗浄性の評価で、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装した場合でも洗浄力の低下を抑制することができる。
以下に、本発明の洗浄剤組成物と、前記洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を備える洗浄剤物品について例示する。前記洗浄剤物品は、以下に示す破裂強度の測定で破裂強度が３００Ｎ以上とすることができ、以下に示す洗浄性の評価で、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装した場合でも洗浄力の低下を抑制することができる。
【0124】
＜洗浄剤物品の作製＞
参考例ごとに既定の矩形のサイズにカットした７６μｍの水溶性フィルム（Ｍ８６８５、クラレ（株）製）を２枚重ね、ヒートシーラー（富士インパルス（株）製）を用い、ヒートシーラーのシール条件を８に設定して、水溶性フィルムの三辺をヒートシーラーで各辺の縁から幅２ｍｍ融着させ、一辺だけ開口した袋を作製し、この袋に表１の実施例１－４の洗浄剤組成物を各参考例ともに１５ｇ入れる。その後、ヒートシーラーで、袋の開口した一辺を融着して閉じて、洗浄剤組成物が水溶性フィルムに内包された円柱状の各洗浄剤物品を得る。得られる各洗浄剤物品の最大投影面積は、矩形であり、最大投影面積の長軸径、及び長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比（長軸径／短軸径）は表２に記載の通りである。また洗浄剤組成物と接触している水溶性フィルムの総面積は、４８ｃｍ２である。なお、最大投影面積の測定において、シール部分の面積は、なお、最大投影面積の測定において、水溶性フィルムのシール部分の面積は、最大投影面積に含まれる。
洗浄剤組成物と接触する水溶性フィルムの総面積は、洗浄剤物品の長軸径からシール部（４ｍｍ）を除いた長さと洗浄剤物品の短軸径からシール部（４ｍｍ）を除いた長さの積の２倍で求められ、参考例１～５の順に、それぞれ、３０．４ｃｍ２、３４．２ｃｍ２、３５．６ｃｍ２、３７．１ｃｍ２、３８．６ｃｍ２である。
参考例ごとに既定の矩形のサイズにカットした７６μｍの水溶性フィルム（Ｍ８６８５、クラレ（株）製）を２枚重ね、ヒートシーラー（富士インパルス（株）製）を用い、ヒートシーラーのシール条件を８に設定して、水溶性フィルムの三辺をヒートシーラーで各辺の縁から幅２ｍｍ融着させ、一辺だけ開口した袋を作製し、この袋に表１の実施例１－４の洗浄剤組成物を各参考例ともに１５ｇ入れる。その後、ヒートシーラーで、袋の開口した一辺を融着して閉じて、洗浄剤組成物が水溶性フィルムに内包された円柱状の各洗浄剤物品を得る。得られる各洗浄剤物品の最大投影面積は、矩形であり、最大投影面積の長軸径、及び長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比（長軸径／短軸径）は表２に記載の通りである。また洗浄剤組成物と接触している水溶性フィルムの総面積は、４８ｃｍ２である。なお、最大投影面積の測定において、シール部分の面積は、なお、最大投影面積の測定において、水溶性フィルムのシール部分の面積は、最大投影面積に含まれる。
洗浄剤組成物と接触する水溶性フィルムの総面積は、洗浄剤物品の長軸径からシール部（４ｍｍ）を除いた長さと洗浄剤物品の短軸径からシール部（４ｍｍ）を除いた長さの積の２倍で求められ、参考例１～５の順に、それぞれ、３０．４ｃｍ２、３４．２ｃｍ２、３５．６ｃｍ２、３７．１ｃｍ２、３８．６ｃｍ２である。
【0125】
＜破裂強度の測定＞
表２の各洗浄剤物品について破裂強度の測定を行う。測定環境が室温（２０℃）／相対湿度約５０％の条件下にて、圧縮試験機（AUTOGRAPH AG-X、島津サイエンス（株）製）を用いて、各洗浄剤物品を、最大投影面積となる面が圧縮試験機の固定式圧盤（球座式ではなく、各洗浄剤物品の最大投影面積よりも面積が広い）に接触するように置き、２００ｍｍ／ｍｉｎの速度にて３００Ｎの圧縮力を加えて評価を行う。この測定により、各参考例の洗浄剤物品はともに３００Ｎの圧縮力で破裂せず、破裂強度が３００Ｎ以上であることを示すことができる。
表２の各洗浄剤物品について破裂強度の測定を行う。測定環境が室温（２０℃）／相対湿度約５０％の条件下にて、圧縮試験機（AUTOGRAPH AG-X、島津サイエンス（株）製）を用いて、各洗浄剤物品を、最大投影面積となる面が圧縮試験機の固定式圧盤（球座式ではなく、各洗浄剤物品の最大投影面積よりも面積が広い）に接触するように置き、２００ｍｍ／ｍｉｎの速度にて３００Ｎの圧縮力を加えて評価を行う。この測定により、各参考例の洗浄剤物品はともに３００Ｎの圧縮力で破裂せず、破裂強度が３００Ｎ以上であることを示すことができる。
【0126】
＜洗浄性評価＞
モデル皮脂汚れの調製
以下の組成を有するモデル皮脂汚れを作製し、モデル皮脂汚れを含む人工汚布及の作製に用いる。
・モデル皮脂汚れ組成：
ラウリン酸０．４４質量％、ミリスチン酸３．１５質量％、ペンタデカン酸２．３５質量％、パルチミチン酸６．３１質量％、ヘプタデカン酸０．４４質量％、ステアリン酸１．６質量％、オレイン酸７．９１質量％、トリオレイン１３．３３質量％、パルミチン酸ｎ－ヘキサデシル２．２２質量％、スクアレン６．６６質量％、及び残部の水（合計１００質量％）
モデル皮脂汚れの調製
以下の組成を有するモデル皮脂汚れを作製し、モデル皮脂汚れを含む人工汚布及の作製に用いる。
・モデル皮脂汚れ組成：
ラウリン酸０．４４質量％、ミリスチン酸３．１５質量％、ペンタデカン酸２．３５質量％、パルチミチン酸６．３１質量％、ヘプタデカン酸０．４４質量％、ステアリン酸１．６質量％、オレイン酸７．９１質量％、トリオレイン１３．３３質量％、パルミチン酸ｎ－ヘキサデシル２．２２質量％、スクアレン６．６６質量％、及び残部の水（合計１００質量％）
【0127】
人工汚染布の作製
使用した人工汚染布は、６ｃｍ×６ｃｍの木綿／ポリエステルブロード混紡布（木綿／ポリエステル比＝３５／６５ 谷頭商店より購入）に、上記組成から成るモデル皮脂汚れを１枚当り１００ｍｇになるようグラビア塗工して調製する。
使用した人工汚染布は、６ｃｍ×６ｃｍの木綿／ポリエステルブロード混紡布（木綿／ポリエステル比＝３５／６５ 谷頭商店より購入）に、上記組成から成るモデル皮脂汚れを１枚当り１００ｍｇになるようグラビア塗工して調製する。
【0128】
洗浄方法
綿Ｔシャツ（グンゼ（株）製）の胸部に作製した人工汚染布４枚を縫い付けた。洗濯機は、縦型洗濯機（パナソニック（株）製、NA-F70PB1）、を用いた。表２の各参考例の洗浄剤物品を洗濯槽の一番下に置き、その後綿Ｔシャツ（グンゼ（株）製）を総重量２ｋｇとなるように投入する。
各参考例はともに、洗濯槽内の洗浄剤物品に含まれる洗浄剤組成物の濃度が０．５ｇ／Ｌとなるように水を投入して、洗浄時間９分、濯ぎ時間１回、脱水時間７分で洗浄する。また洗浄、及び濯ぎに用いた水の温度は２０℃である。
また各洗浄剤物品に代えて、水溶性フィルムに包装されていない表１の実施例１－４の洗浄剤組成物を洗濯槽に投入し、上記と同様の洗浄方法を行う。これを基準例とする。
綿Ｔシャツ（グンゼ（株）製）の胸部に作製した人工汚染布４枚を縫い付けた。洗濯機は、縦型洗濯機（パナソニック（株）製、NA-F70PB1）、を用いた。表２の各参考例の洗浄剤物品を洗濯槽の一番下に置き、その後綿Ｔシャツ（グンゼ（株）製）を総重量２ｋｇとなるように投入する。
各参考例はともに、洗濯槽内の洗浄剤物品に含まれる洗浄剤組成物の濃度が０．５ｇ／Ｌとなるように水を投入して、洗浄時間９分、濯ぎ時間１回、脱水時間７分で洗浄する。また洗浄、及び濯ぎに用いた水の温度は２０℃である。
また各洗浄剤物品に代えて、水溶性フィルムに包装されていない表１の実施例１－４の洗浄剤組成物を洗濯槽に投入し、上記と同様の洗浄方法を行う。これを基準例とする。
【0129】
洗浄性評価
綿Ｔシャツに縫い付けた４枚の人工汚染布を外して、洗浄率を下記の方法にて測定し、４枚の平均値を求める。
汚染前の原布、及び人工汚染布の洗浄前後の５５０ｎｍにおける反射率を分光色彩計（日本電色株式会社製、SE-2000）にて測定し、次式によって洗浄率（％）を求め、４枚の平均値を算出する。
洗浄率（％）＝１００×［（洗浄後の反射率－洗浄前の反射率）／（原布の反射率－洗浄前の反射率）］
算出する各参考例の洗浄率について、水溶性フィルムに包装していない洗浄剤組成物を用いた基準例の洗浄率を１００％とした場合の基準例との相対洗浄率（％）を算出する。表２の各洗浄剤物品は相対洗浄率が高くすることができ、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装した場合でも洗浄力の低下を抑制することができる。
綿Ｔシャツに縫い付けた４枚の人工汚染布を外して、洗浄率を下記の方法にて測定し、４枚の平均値を求める。
汚染前の原布、及び人工汚染布の洗浄前後の５５０ｎｍにおける反射率を分光色彩計（日本電色株式会社製、SE-2000）にて測定し、次式によって洗浄率（％）を求め、４枚の平均値を算出する。
洗浄率（％）＝１００×［（洗浄後の反射率－洗浄前の反射率）／（原布の反射率－洗浄前の反射率）］
算出する各参考例の洗浄率について、水溶性フィルムに包装していない洗浄剤組成物を用いた基準例の洗浄率を１００％とした場合の基準例との相対洗浄率（％）を算出する。表２の各洗浄剤物品は相対洗浄率が高くすることができ、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装した場合でも洗浄力の低下を抑制することができる。
【0130】
【表2】
