(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111895
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
A61H 33/10 20060101AFI20240813BHJP
F24H 15/196 20220101ALI20240813BHJP
F24H 15/176 20220101ALI20240813BHJP
F24H 15/20 20220101ALI20240813BHJP
F24H 15/32 20220101ALI20240813BHJP
A47K 3/00 20060101ALN20240813BHJP
【FI】
A61H33/10 G
F24H15/196 301Z
F24H15/176
F24H15/20
F24H15/32
A61H33/10 N
A47K3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016600
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】島津 智行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕康
【テーマコード(参考)】
2D005
3L024
4C094
【Fターム(参考)】
2D005FA06
3L024CC10
4C094AA01
4C094BB18
4C094DD08
4C094DD14
4C094EE02
4C094EE20
4C094FF02
4C094GG03
(57)【要約】
【課題】構成の複雑化を抑止しつつ、浴槽内の湯張りと、浴槽内に貯留された水の追い焚きと、浴槽内への水蒸気の供給とが可能な浴室システムを提供する。
【解決手段】本発明の浴室システム100は、浴槽1と、接続流路5と、ポンプ7と、第1加熱装置3と、第2加熱装置9と、第1切替装置13と、バイパス流路17と、水蒸気発生装置15と、第2切替装置19と、制御装置23とを備えている。制御装置23は、第2加熱装置9を作動させるとともに第1切替装置13を第1許容状態とすることにより、湯張り運転を実行する。また、制御装置23は、第1加熱装置3及びポンプ7を作動させることにより、追い焚き運転を実行する。さらに、制御装置23は、水蒸気発生装置15を作動させるとともに第2切替装置19を第2許容状態とすることにより、スチーム浴運転を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に設けられて水を貯留可能な浴槽と、
前記浴槽に接続される接続流路と、
前記接続流路に設けられ、前記接続流路で水を流通させるポンプと、
前記接続流路に設けられ、前記接続流路内の水を加熱可能な第1加熱装置と、
前記接続流路に接続される給水流路に設けられ、給水源から供給される水を加熱可能な第2加熱装置と、
前記給水流路から前記接続流路へ水が流通することを許容する第1許容状態と、前記給水流路から前記接続流路へ水が流通することを禁止する第1禁止状態とを切り替え可能な第1切替装置と、
前記接続流路から分岐し、かつ、再び前記接続流路に合流するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられ、水を加熱して水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、
接続流路及びバイパス流路を介して前記水蒸気発生装置に水が流通することを許容するとともに前記バイパス流路及び前記接続流路を介して前記水蒸気を前記浴槽内に供給することを許容する第2許容状態と、前記接続流路から前記バイパス流路に水が流通することを禁止する第2禁止状態とを切り替え可能な第2切替装置と、
前記ポンプ、前記第1加熱装置、前記第2加熱装置、前記第1切替装置、前記水蒸気発生装置及び前記第2切替装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第2加熱装置を作動させるとともに前記第1切替装置を前記第1許容状態とする一方で前記第2切替装置を前記第2禁止状態とすることにより、前記第2加熱装置で加熱された水を前記浴槽内に供給する湯張り運転と、
前記第1加熱装置及び前記ポンプを作動させる一方で前記第2加熱装置及び前記水蒸気発生装置を停止させ、かつ、前記第1切替装置を前記第1禁止状態とするとともに前記第2切替装置を前記第2禁止状態とすることにより、前記浴槽内の水を前記第1加熱装置によって加熱して前記浴槽内に供給する追い焚き運転と、
前記水蒸気発生装置を作動させるとともに前記第2切替装置を前記第2許容状態とし、かつ、前記第1切替装置を前記第1許容状態とすることにより、前記浴槽内に前記水蒸気を供給するスチーム浴運転とを実行可能であることを特徴とする浴室システム。
【請求項2】
前記第1加熱装置は、流入口と流出口とを有し、
前記接続流路は、前記浴槽と前記流入口とを接続する第1接続流路と、前記流出口と前記浴槽とを接続する第2接続流路とを有し、
前記第2切替装置は、前記第2許容状態では、前記第2接続流路及び前記バイパス流路を介して前記水蒸気発生装置に水が流通することを許容するとともに、前記バイパス流路及び前記第1接続流路を介して前記水蒸気を前記浴槽内に供給することを許容する請求項1記載の浴室システム。
【請求項3】
前記第1加熱装置は、流入口と流出口とを有し、
前記接続流路は、前記浴槽と前記流入口とを接続する第1接続流路と、前記流出口と前記浴槽とを接続する第2接続流路とを有し、
前記第2切替装置は、前記第2許容状態では、前記第1接続流路及び前記バイパス流路を介して前記水蒸気発生装置に水が流通することを許容するとともに、前記バイパス流路及び前記第2接続流路を介して前記水蒸気を前記浴槽内に供給することを許容する請求項1記載の浴室システム。
【請求項4】
前記第2切替装置は、前記第2許容状態において前記接続流路から前記浴槽内及び前記バイパス流路の双方に水が流通することを許容し、
前記制御装置は、前記第2加熱装置及び前記水蒸気発生装置を作動させ、かつ、前記第1切替装置を前記第1許容状態とするとともに前記第2切替装置を前記第2許容状態とすることにより、前記第2加熱装置で加熱された水を前記浴槽内に供給しつつ前記浴槽内に前記水蒸気の供給も同時に行う複合運転を実行可能である請求項1乃至3のいずれか1項記載の浴室システム。
【請求項5】
前記バイパス流路には、屋外に連通し、前記屋外の空気である外気を前記バイパス流路に供給可能な外気供給装置が設けられ、
前記外気供給装置は前記制御装置によって制御され、
前記制御装置は、前記外気供給装置を作動させる一方で前記第1加熱装置、前記第2加熱装置及び前記水蒸気発生装置を停止させ、かつ、前記第1切替装置を前記第1禁止状態とし、前記第2切替装置を前記第2許容状態とすることにより、前記外気を前記浴槽内に供給する外気浴運転を実行可能である請求項1乃至3のいずれか1項記載の浴室システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記外気浴運転において前記浴室内に供給される前記外気の供給量を変化させる請求項5記載の浴室システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第1加熱装置、前記第2加熱装置及び前記水蒸気発生装置を停止させ、かつ、前記第1切替装置を前記第1許容状態とするとともに前記第2切替装置を前記第2禁止状態とすることにより、前記第2加熱装置による加熱を行わずに前記給水源からの水を前記浴槽内に供給する水浴運転を実行可能であり、
前記制御装置は、前記スチーム浴運転、前記水浴運転及び前記外気浴運転の順番で実行する請求項5記載の浴室システム。
【請求項8】
前記第1加熱装置及び前記第2加熱装置の少なくとも一方は、前記水蒸気の熱を利用して水の加熱を行う請求項1記載の浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の浴室システムが開示されている。この浴室システムは、浴槽と、水蒸気発生装置と、制御装置とを備えている。浴槽は浴室内に設けられている。水蒸気発生装置は、浴室内に設けられており、浴槽の外部に位置している。また、水蒸気発生装置は給水源に接続されている。水蒸気発生装置は、給水源から供給された水を加熱して水蒸気を発生させる。制御装置は入浴者の操作によって水蒸気発生装置の作動を制御する。
【0003】
この浴室システムでは、水蒸気発生装置で水蒸気を発生させ、入浴者は、水蒸気が充満した状態にある浴槽内に入ることにより、スチーム浴を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スチーム浴が可能な浴室システムにおいて、浴槽内に湯張りを行うためには、給水源から供給された水の加熱を行う加熱装置と、加熱装置で加熱された水を浴槽内に供給する供給流路とを含んだ湯張り手段が必要となる。また、浴槽内に貯留された水の追い焚きを行うためには、浴槽内の水の加熱を行う加熱装置と、加熱装置と浴槽とで水を循環させる循環流路とを含んだ追い焚き手段が必要となる。しかし、水蒸気発生装置、湯張り手段及び追い焚き手段をそれぞれ個別に設けた場合には、浴室システムの複雑化を招いてしまう。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、構成の複雑化を抑止しつつ、浴槽内の湯張りと、浴槽内に貯留された水の追い焚きと、浴槽内への水蒸気の供給とが可能な浴室システムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の浴室システムは、浴室内に設けられて水を貯留可能な浴槽と、
前記浴槽に接続される接続流路と、
前記接続流路に設けられ、前記接続流路で水を流通させるポンプと、
前記接続流路に設けられ、前記接続流路内の水を加熱可能な第1加熱装置と、
前記接続流路に接続される給水流路に設けられ、給水源から供給される水を加熱可能な第2加熱装置と、
前記給水流路から前記接続流路へ水が流通することを許容する第1許容状態と、前記給水流路から前記接続流路へ水が流通することを禁止する第1禁止状態とを切り替え可能な第1切替装置と、
前記接続流路から分岐し、かつ、再び前記接続流路に合流するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられ、水を加熱して水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、
接続流路及びバイパス流路を介して前記水蒸気発生装置に水が流通することを許容するとともに前記バイパス流路及び前記接続流路を介して前記水蒸気を前記浴槽内に供給することを許容する第2許容状態と、前記接続流路から前記バイパス流路に水が流通することを禁止する第2禁止状態とを切り替え可能な第2切替装置と、
前記ポンプ、前記第1加熱装置、前記第2加熱装置、前記第1切替装置、前記水蒸気発生装置及び前記第2切替装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第2加熱装置を作動させるとともに前記第1切替装置を前記第1許容状態とする一方で前記第2切替装置を前記第2禁止状態とすることにより、前記第2加熱装置で加熱された水を前記浴槽内に供給する湯張り運転と、
前記第1加熱装置及び前記ポンプを作動させる一方で前記第2加熱装置及び前記水蒸気発生装置を停止させ、かつ、前記第1切替装置を前記第1禁止状態とするとともに前記第2切替装置を前記第2禁止状態とすることにより、前記浴槽内の水を前記第1加熱装置によって加熱して前記浴槽内に供給する追い焚き運転と、
前記水蒸気発生装置を作動させるとともに前記第2切替装置を前記第2許容状態とし、かつ、前記第1切替装置を前記第1許容状態とすることにより、前記浴槽内に前記水蒸気を供給するスチーム浴運転とを実行可能であることを特徴とする。
【0008】
本発明の浴室システムでは、第2加熱装置で加熱された水を浴槽内に供給することによって湯張り運転が実行可能である他、浴槽内の水を第1加熱装置によって加熱して浴槽内に供給することにより追い焚き運転を実行可能である。さらに、この浴室システムでは、水蒸気発生装置が発生させた水蒸気を浴槽内に供給することでスチーム浴運転を実行することが可能である。
【0009】
そして、湯張り運転時には制御装置が第1切替装置を第1許容状態とする。これにより、第2加熱装置で加熱された水が給水流路から接続流路へ流通することが許容されるため、湯張り運転時には、第2加熱装置で加熱された水を接続流路を通じて浴槽内に供給できる。これにより、この浴室システムでは、第2加熱装置で加熱された水を浴槽内に供給するための専用の流路が不要である。ここで、湯張り運転時には制御装置は、第2切替装置を第2禁止状態とする。このため、第2加熱装置で加熱された水がバイパス流路に設けられた水蒸気発生装置に供給されることを防止できる。
【0010】
また、追い焚き運転時には制御装置は、第1切替装置を第1禁止状態とするとともに第2切替装置を第2禁止状態とする。このため、追い焚き運転時には、給水流路から接続流路へ水が流通したり、接続流路を流通する水がバイパス流路、ひいては水蒸気発生装置に向かって流通したりすることを防止できる。
【0011】
また、スチーム浴運転時には制御装置が第2切替装置を第2許容状態とし、第1切替装置を第1許容状態とする。これにより、スチーム浴運転では、水蒸気発生装置が給水源から供給された水を加熱して水蒸気とし、この水蒸気をバイパス流路及び接続流路の第1接続流路を介して浴槽内に供給できる。これにより、この浴室システムでは、水蒸気発生装置が発生させた水蒸気を浴槽内に供給するための専用の流路も不要である。
【0012】
したがって、本発明の浴室システムによれば、構成の複雑化を抑止しつつ、浴槽内の湯張りと、浴槽内に貯留された水の追い焚きと、浴槽内への水蒸気の供給とが可能である。
【0013】
第1加熱装置は、流入口と流出口とを有し得る。また、接続流路は、浴槽と流入口とを接続する第1接続流路と、流出口と浴槽とを接続する第2接続流路とを有し得る。そして、第2切替装置は、第2許容状態では、第2接続流路及びバイパス流路を介して水蒸気発生装置に水が流通することを許容するとともに、バイパス流路及び第1接続流路を介して水蒸気を浴槽内に供給することを許容することが好ましい。
【0014】
また、第1加熱装置は、流入口と流出口とを有し得る。さらに、接続流路は、浴槽と流入口とを接続する第1接続流路と、流出口と浴槽とを接続する第2接続流路とを有し得る。そして、第2切替装置は、第2許容状態では、第1接続流路及びバイパス流路を介して水蒸気発生装置に水が流通することを許容するとともに、バイパス流路及び第2接続流路を介して水蒸気を浴槽内に供給することを許容することも好ましい。
【0015】
これらの構成とすることにより、構成の複雑化を抑止しつつ、浴槽内の湯張りと、浴槽内に貯留された水の追い焚きと、浴槽内への高温の水蒸気の供給とが可能なシステムを好適に実現することができる。
【0016】
また、第2切替装置は、第2許容状態において接続流路から浴槽内及びバイパス流路の双方に水が流通することを許容し得る。そして、制御装置は、第2加熱装置及び水蒸気発生装置を作動させ、かつ、第1切替装置を第1許容状態とするとともに第2切替装置を第2許容状態とすることにより、第2加熱装置で加熱された水を浴槽内に供給しつつ浴槽内に水蒸気の供給も同時に行う複合運転を実行可能であることが好ましい。
【0017】
この場合には、複合運転によってスチーム浴を行いつつ浴槽に湯張りを行うことができるため、入浴者は、スチーム浴と同時に浴槽内の水、つまり第2加熱装置で加熱された水に浸かることが可能となる。これにより、浴槽内に水がない状態でのスチーム浴(以下、「全身スチーム浴」という。)を行った後に、浴槽内に入浴者の半身程度が浸かる程度に加熱された水が貯留された状態でのスチーム浴(以下、「半身スチーム浴」という。)に変更するに当たって、浴槽内への水蒸気の供給を途切れさせることなく全身スチーム浴から半身スチーム浴に移行することが可能となる。このため、この浴室システムでは利便性が向上する。また、この浴室システムでは、複合運転を実行するに当たって構成の複雑化も抑制できる。
【0018】
また、バイパス流路には、屋外に連通し、屋外の空気である外気をバイパス流路に供給可能な外気供給装置が設けられ得る。さらに、外気供給装置は制御装置によって制御され得る。そして、制御装置は、外気供給装置を作動させる一方で第1加熱装置、第2加熱装置及び水蒸気発生装置を停止させ、かつ、第1切替装置を第1禁止状態とし、第2切替装置を第2許容状態とすることにより、外気を浴槽内に供給する外気浴運転を実行可能であることが好ましい。
【0019】
この場合には、湯張り運転、追い焚き運転及びスチーム浴運転に加えて外気浴運転も可能となるため、入浴者は浴槽内、ひいては浴室に居ながら外気を浴びることが可能となる。ここで、外気供給装置はバイパス流路に設けられており、外気供給装置は、第2切替装置が第2許容状態となることでバイパス流路から接続流路を介して外気を浴槽内に供給する。このため、この浴室システムでは、外気を浴槽内に供給するための専用の流路が不要であるため、外気浴運転を実行するに当たって構成の複雑化も抑制できる。
【0020】
また、この場合、制御装置は、外気浴運転において浴室内に供給される外気の供給量を変化させることが好ましい。これにより、入浴者は、屋外の自然環境に似た状態で外気浴を行うことができる。
【0021】
制御装置は、第1加熱装置、第2加熱装置及び水蒸気発生装置を停止させ、かつ、第1切替装置を第1許容状態とするとともに第2切替装置を第2禁止状態とすることにより、第2加熱装置による加熱を行わずに給水源からの水を浴槽内に供給する水浴運転を実行可能であり得る。そして、制御装置は、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の順番で実行することが好ましい。
【0022】
この場合には、湯張り運転、追い焚き運転及びスチーム浴運転に加えて、水浴運転及び外気浴運転も可能となる。そして、制御装置がスチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転を順番に実行する。これにより、入浴者は、スチーム浴で上昇した身体の熱を水浴運転で素早く低下させ、その後の外気浴運転よって身体をリラックスさせつつ身体の温度を調整できるため、爽快感が向上する。こうして、この浴室システムによれば、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転による各効果を高くすることができる。
【0023】
本発明の浴室システムにおいて、第1加熱装置及び第2加熱装置の少なくとも一方は、水蒸気の熱を利用して水の加熱を行うことが好ましい。このように蒸気発生装置が発生させた水蒸気を利用することにより、第1加熱装置又は第2加熱装置において水を加熱するための加熱機構(例えば、バーナやヒートポンプなど)の構造を簡略化することができる。このため、浴室システムを低廉化することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の浴室システムによれば、構成の複雑化を抑止しつつ、浴槽内の湯張りと、浴槽内に貯留された水の追い焚きと、浴槽内への水蒸気の供給とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、実施例1の浴室システムの模式図である。
【
図2】
図2は、実施例1の浴室システムに係り、給水具の模式断面図である。
【
図3】
図3は、実施例1の浴室システムに係り、湯張り運転時及び水浴運転時の模式図である。
【
図4】
図4は、実施例1の浴室システムに係り、湯張り運転時及び水浴運転時における給水具の模式図である。
【
図5】
図5は、実施例1の浴室システムに係り、追い焚き運転時の模式図である。
【
図6】
図6は、実施例1の浴室システムに係り、追い焚き運転時における給水具の模式図である。
【
図7】
図7は、実施例1の浴室システムに係り、スチーム浴運転時の模式図である。
【
図8】
図8は、実施例1の浴室システムに係り、スチーム浴運転時及び外気浴運転時における給水具の模式図である。
【
図9】
図9は、実施例1の浴室システムに係り、複合運転時の模式図である。
【
図10】
図10は、実施例1の浴室システムに係り、複合運転時における給水具の模式図である。
【
図11】
図11は、実施例1の浴室システムに係り、外気浴運転時の模式図である。
【
図12】
図12は、実施例1の浴室システムに係り、実施例1の浴室システムに係り、サウナ浴運転時における制御フロー図である。
【
図14】
図14は、実施例2の浴室システムに係り、湯張り運転時及び水浴運転時の模式図である。
【
図15】
図15は、実施例2の浴室システムに係り、追い焚き運転時の模式図である。
【
図16】
図16は、実施例2の浴室システムに係り、スチーム浴運転時の模式図である。
【
図17】
図17は、実施例2の浴室システムに係り、複合運転時の模式図である。
【
図19】
図19は、実施例3の浴室システムに係り、湯張り運転時及び水浴運転の模式図である。
【
図20】
図20は、実施例3の浴室システムに係り、追い焚き運転時の模式図である。
【
図21】
図21は、実施例3の浴室システムに係り、スチーム浴運転時の模式図である。
【
図22】
図22は、実施例3の浴室システムに係り、複合運転時の模式図である。
【
図23】
図23は、実施例4の浴室システムに係り、追い焚き運転時の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施例1~4を図面を参照しつつ説明する。
【0027】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の浴室システム100は、浴槽1と、リモコン2と、風呂用加熱装置3と、接続流路5と、ポンプ7と、給湯用加熱装置9と、給水流路11と、第1開閉弁13と、水蒸気発生装置15と、バイパス流路17と、切替ユニット19と、外気供給装置21と、制御装置23とを備えている。風呂用加熱装置3は本発明における「第1加熱装置」の一例であり、給湯用加熱装置9は本発明における「第2加熱装置」の一例である。また、第1開閉弁13は本発明における「第1切替装置」の一例であり、切替ユニット19は本発明における「第2切替装置」の一例である。この浴室システム100は、図示しない住宅に用いられている。
【0028】
浴槽1は、住宅の浴室H内に設けられている。浴槽1は、上部が開口する略矩形の箱状に形成されており、内部に水を貯留可能となっている。
【0029】
浴槽1は給水具25を有している。
図2に示すように、給水具25はハウジング25aを有している。ハウジング25aは浴槽1に固定されている。ハウジング25aには、浴槽1内に向かって開口する供給口250が形成されている他、浴槽1の外部に向かって開口する第1接続口251及び第2接続口252が形成されている。
【0030】
ハウジング25a内には、内部流路26a~26dが設けられている他、逆止弁27a~27c及びノズル28が設けられている。
【0031】
内部流路26aは、一端が第1接続口251内に延びており、他端が供給口250内に延びている。内部流路26bは、一端が第2接続口252内に延びており、他端が内部流路26c及び内部流路26dの各一端と接続している。内部流路26cの他端は供給口250内に延びている。内部流路26dの他端はノズル28と接続している。
【0032】
逆止弁27aは内部流路26aに設けられている。逆止弁27aは、内部流路26aにおいて水を浴槽1に向けて流通させる一方、水が浴槽1側から流通することを防止する。逆止弁27bは内部流路26cに設けられている。逆止弁27bは、内部流路26cにおいて浴槽1側から水を流通させる一方、水が浴槽1に向かって流通することを防止する。逆止弁27cは内部流路26dに設けられている。逆止弁27cは、内部流路26dにおいて水蒸気及び外気を浴槽1に向けて流通させる一方、浴槽1側からノズル28を経て水が流通することを防止する。
【0033】
ノズル28は供給口250内に配置されている。ノズル28は、内部流路26dを流通した水蒸気及び外気を供給口250から浴槽1内に向けて噴射可能となっている。なお、水蒸気及び外気については後述する。また、給水具25は他の構成であっても良い。
【0034】
図1に示すように、リモコン2は、浴室H内に設けられている。リモコン2は、入浴者10が操作を行うことにより、湯張り運転と、追い焚き運転と、スチーム浴運転と、複合運転と、水浴運転と、外気浴運転と、サウナ浴運転とを選択可能となっている。なお、湯張り運転等の詳細については後述する。
【0035】
風呂用加熱装置3は浴室Hの外部に設置されている。風呂用加熱装置3は内部に水を流入させる流入口3aと、内部から水を流出させる流出口3bとを有している。風呂用加熱装置3は、内部で燃料ガスを燃焼させた際の熱との熱交換によって水を加熱可能となっている。
【0036】
接続流路5は第1接続流路51と第2接続流路52とを有している。接続流路5は配管5a~5hによって構成されている。配管5aは、一端が浴室Hの外部で第1流路切替弁19aと接続している。配管5aは第1流路切替弁19aから浴室Hに向かって延びている。そして、配管5aの他端は、
図2に示す給水具25の第2接続口252を通じて内部流路26bの一端と接続している。
図1に示すように、配管5bは、一端が配管5c、5dの各他端と接続しており、他端が第1流路切替弁19aと接続している。配管5cは、一端が第2流路切替弁19bと接続しており、他端が配管5bの一端及び配管5dの他端と接続している。なお、第1流路切替弁19a及び第2流路切替弁19bについての詳細は後述する。
【0037】
配管5dは、一端が配管5e及び配管12の各他端と接続しており、他端が配管5bの一端及び配管5cの他端と接続している。配管5eは、一端が風呂用加熱装置3の流入口3aと接続しており、他端が配管5dの一端及び配管12の他端と接続している。配管5fは、一端が風呂用加熱装置3の流出口3bと接続しており、他端が配管5g及び配管17aの各一端と接続している。
【0038】
配管5gは、一端が配管5fの他端及び配管17aの一端と接続しており、他端が第2流路切替弁19bと接続している。配管5hは、一端が第2流路切替弁19bと接続している。配管5hは第2流路切替弁19bから浴室Hに向かって延びている。そして、配管5hの他端は、
図2に示す給水具25の第1接続口251を通じて内部流路26aの一端と接続している。
【0039】
こうして、
図1に示すように、接続流路5は、給水具25、ひいては浴槽1と、風呂用加熱装置3とを接続している。つまり、風呂用加熱装置3は接続流路5に設けられている。また、接続流路5では、配管5a、5b、5d、5eによって給水具25と風呂用加熱装置3の流入口3aとが接続されており、配管5f、5g、5hによって給水具25と風呂用加熱装置3の流出口3bとが接続されている。これにより、配管5a、5b、5d、5eは第1接続流路51を構成しており、配管5f、5g、5hは第2接続流路52を構成している。
【0040】
ポンプ7は配管5eに設けられている。つまり、ポンプ7は接続流路5に設けられている。ポンプ7は作動することによって接続流路5で水を流通させることが可能となっている。なお、ポンプ7は配管5fに設けられても良い。
【0041】
給湯用加熱装置9は浴室Hの外部に設置されている。給湯用加熱装置9は上述の風呂用加熱装置3とは別体をなしている。給湯用加熱装置9は内部に水を流入させる流入口9aと、内部から水を流出させる流出口9bとを有している。風呂用加熱装置3と同様、給湯用加熱装置9についても、内部で燃料ガスを燃焼させた際の熱との熱交換によって水を加熱可能となっている。
【0042】
給水流路11は配管11aと配管11bとによって構成されている。配管11aは、一端が給水源Wと接続しており、他端が給湯用加熱装置9の流入口9aと接続している。配管11bは、一端が住宅内のキッチン(図示略)等と接続しており、他端が給湯用加熱装置9の流出口9bと接続している。こうして、給湯用加熱装置9は給水流路11に設けられている。
【0043】
また、配管11bには、配管12の一端が接続している。これにより、配管12によって接続流路5と給水流路11とが接続されている。換言すれば、配管12は、接続流路5と給水流路11とを接続する連絡流路として機能している。
【0044】
第1開閉弁13は配管12に設けられている。第1開閉弁13は、第1許容状態としての開状態となることにより配管12を開放する。これにより、第1開閉弁13は、配管12を通じて給水流路11から接続流路5へ水が流通することを許容する。一方、第1開閉弁13は、第1禁止状態としての閉状態となることにより配管12を閉鎖する。これにより、第1開閉弁13は、配管12を通じて給水流路11から接続流路5へ水が流通することを禁止する。なお、図示を省略するものの、配管12には、接続流路5から給水流路11へ水が流通することを防止する逆止弁が設けられている。
【0045】
水蒸気発生装置15は周知の構成を採用している。詳細な図示を省略するものの、水蒸気発生装置15は内部に流入させた水を加熱することにより、水蒸気を発生させることが可能となっている。水蒸気発生装置15は内部に水を流入させるための流入口15aを有している他、発生させた水蒸気を流出させる流出口15bを有している。
【0046】
バイパス流路17は配管17a~17dによって構成されている。配管17aは、一端が配管5fの他端及び配管5gの一端と接続しており、他端が水蒸気発生装置15の流入口15aと接続している。配管17bは、一端が水蒸気発生装置15の流出口15bと接続しており、他端が第3流路切替弁21bと接続している。配管17cは、一端が第3流路切替弁21bと接続しており、他端が送風ファン21aと接続している。配管17dは、一端が第3流路切替弁21bと接続しており、他端が第1流路切替弁19aと接続されている。なお、送風ファン21a及び第3流路切替弁21bについての詳細は後述する。
【0047】
バイパス流路17は、配管17d及び第1流路切替弁19aを通じて接続流路5の配管5a、5b、ひいては第1接続流路51と接続している。また、バイパス流路17は、配管17aを通じて接続流路5の配管5f、5g、ひいては第2接続流路52と接続している。換言すれば、バイパス流路17は、接続流路5から分岐し、かつ、再び接続流路5に合流している。
【0048】
切替ユニット19は、上述の第1流路切替弁19a及び第2流路切替弁19bと、第2開閉弁19cとによって構成されている。第1流路切替弁19aは、配管5aと配管5bとを連通しつつ、配管5a、5bと配管17dとを非連通とする場合と、配管5aと配管17dとを連通しつつ、配管5a、17dと配管5bとを非連通とする場合と、配管5a、5b、17dを互いに非連通とする場合とを切り替え可能となっている。
【0049】
第2流路切替弁19bは、配管5gと配管5hとを連通しつつ、配管5g、5hと配管5cとを非連通とする場合と、配管5gと配管5cとを連通しつつ、配管5g、5cと配管5hとを非連通とする場合と、配管5cと配管5hとを連通しつつ、配管5c、5hと配管5gとを非連通とする場合と、配管5c、5g、5hを互いに非連通とする場合とに切替可能となっている。
【0050】
第2開閉弁19cは配管17aに設けられている。第2開閉弁19cは、開状態となることにより配管17aを開放する。これにより、第2開閉弁19cは、配管5fから配管17aへ水が流通することを許容する。一方、第2開閉弁19cは、閉状態となることにより配管17aを閉鎖する。これにより、第2流路切替弁19bは、配管5fから配管17aへ水が流通することを禁止する。
【0051】
切替ユニット19は、第2許容状態と第2禁止状態とに切替可能となっている。切替ユニット19は、第2許容状態となることにより、第2接続流路52及びバイパス流路17を介して水蒸気発生装置15に水が流通することを許容するとともに、バイパス流路17及び第1接続流路51を介して水蒸気を浴槽1内に供給することを許容する。一方、切替ユニット19は、第2禁止状態となることにより、第2接続流路52からバイパス流路17に水が流通することを禁止する。また、切替ユニット19は、第2禁止状態では、接続流路5と浴槽1内との間で水が流通することを許容する。なお、切替ユニット19における第2許容状態及び第2禁止状態についての詳細は後述する。
【0052】
外気供給装置21は、上述の送風ファン21a及び第3流路切替弁21bによって構成されている。送風ファン21aは、配管17cと接続されることによりバイパス流路17に設けられている。送風ファン21aは、屋外、つまり住宅の外部と連通している。送風ファン21aは作動することにより、屋外の空気である外気を配管17c、17d、5a及び給水具25を通じて浴槽1内に供給可能となっている。なお、送風ファン21aに換えて送風ポンプを採用しても良い。
【0053】
第3流路切替弁21bは、配管17cと配管17dとを連通しつつ、配管17c、17dと配管17bとを非連通とする場合と、配管17bと配管17dとを連通しつつ、配管17b、17dと配管17cとを非連通とする場合と、配管17b、17c、17dを互いに非連通とする場合とを切り替え可能となっている。
【0054】
制御装置23は、浴室Hの外部に設けられている。詳細な図示を省略するものの、制御装置23は、CPU、RAM及びROM等の半導体によって構成されている。制御装置23は、リモコン2と通信可能に接続されている。また、制御装置23は、風呂用加熱装置3、ポンプ7、給湯用加熱装置9、第1開閉弁13、水蒸気発生装置15、第1流路切替弁19a、第2流路切替弁19b、第2開閉弁19c、送風ファン21a及び第3流路切替弁21bとそれぞれ通電可能に接続されている。
【0055】
以上のように構成された浴室システム100では、制御装置23が風呂用加熱装置3、給湯用加熱装置9及びポンプ7等に通電を行いつつ、風呂用加熱装置3及びポンプ7等の各作動制御を行う。これにより、制御装置23は、リモコン2を通じて入浴者10が選択した湯張り運転、追い焚き運転、スチーム浴運転、複合運転、水浴運転、外気浴運転及びサウナ浴運転を実行する。以下、具体的に説明する。
【0056】
<湯張り運転>
湯張り運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図3に示すように、給湯用加熱装置9を作動させるとともに、第1開閉弁13を開状態とする。また、制御装置23は、風呂用加熱装置3、ポンプ7、水蒸気発生装置15及び送風ファン21aをそれぞれ停止させるとともに、第2開閉弁19cを閉状態とする。
【0057】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁19aについて、配管5a、5b、17dを互いに非連通とし、第2流路切替弁19bについて、配管5gと配管5hとを連通しつつ、配管5g、5hと配管5cとを非連通とする。また、制御装置23は、第3流路切替弁21bについて、配管17b、17c、17dを互いに非連通とする。
【0058】
これらにより、
図3の黒色矢印で示すように、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9に向かって配管11a内を流通する。そして、給湯用加熱装置9に至った水は、給湯用加熱装置9によって加熱される。つまり、給湯用加熱装置9は、給水源Wから供給された水の加熱を行う。こうして、給湯用加熱装置9で加熱された水は、配管11b内から配管12内を流通して接続流路5に至る。
【0059】
このようにして接続流路5に至った水は、配管5e内、風呂用加熱装置3、配管5f内、配管5g内及び配管5h内を順に流通する。そして、
図4に示すように、配管5hを経て給水具25に至った水は、内部流路26a内を流通し、供給口250から浴槽1内に供給される。こうして、湯張り運転では、給湯用加熱装置9で加熱された水、すなわち湯が浴槽1内に供給されて浴槽1内に貯留される。ここで、制御装置23には、湯張り設定量が設けられており、制御装置23は、浴槽1内に貯留される水の水量が湯張り設定量に到達することによって湯張り運転を自動的に終了させる。なお、湯張り設定量は、入浴者10が任意に設定することができる。
【0060】
また、
図3に示すように、湯張り運転では、第1流路切替弁19aが配管5a、5b、17dを互いに非連通としているため、配管11b内から配管12内を流通して接続流路5に至った水が、配管5b内を経て第1流路切替弁19aから配管5a及び配管17dに向かって流通することはない。そして、第2開閉弁19cが閉状態となっているため、配管5f内から配管5g内に向かって流通する水が配管17aを流通することもない。このように、湯張り運転では、第1流路切替弁19aが配管5a、5b、17dを互いに非連通とし、第2開閉弁19cが閉状態となることにより、切替ユニット19が第2禁止状態となる。このため、接続流路5の第2接続流路52を流通する水がバイパス流路17に流通することが禁止される。なお、切替ユニット19が第2禁止状態となることにより、たとえバイパス流路17内に水蒸気や水が残存していた場合であっても、この水蒸気や水が配管5a、5b、すなわち第1接続流路51に流通することも禁止される。
【0061】
<追い焚き運転>
追い焚き運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図5に示すように、風呂用加熱装置3及びポンプ7を作動させる。そして、制御装置23は、給湯用加熱装置9、水蒸気発生装置15及び送風ファン21aをそれぞれ停止させるとともに、第1開閉弁13及び第2開閉弁19cをそれぞれ閉状態とする。
【0062】
また、制御装置23は、第1流路切替弁19aについて、配管5aと配管5bとを連通しつつ配管5a、5bと配管17dとを非連通とし、第2流路切替弁19bについて、配管5gと配管5hとを連通しつつ、配管5g、5hと配管5cとを非連通とする。さらに、制御装置23は、第3流路切替弁21bについて、配管17b、17c、17dを互いに非連通とする。
【0063】
これらにより、
図5及び
図6の黒色矢印で示すように、ポンプ7の作動によって、浴槽1内に貯留された水が給水具25の内部流路26c内から、内部流路26b内、配管5a内、配管5b内、配管5d内及び配管5e内の順に流通して風呂用加熱装置3に至る。そして、風呂用加熱装置3において浴槽1内に貯留された水の加熱が行われる。こうして風呂用加熱装置3で加熱された水は、配管5f内から、配管5g内、配管5h内及び内部流路26a内の順で流通して浴槽1内に再供給される。
【0064】
こうして、追い焚き運転では、接続流路5を介して浴槽1内と風呂用加熱装置3との間で水が循環しつつ、風呂用加熱装置3による水の加熱と、浴槽1内への水の再供給とが行われる。ここで、追い焚き運転では、第1開閉弁13が閉状態となっているため、給水流路11から配管12を経て水が接続流路5へ流通することがない。また、追い焚き運転では、第1流路切替弁19aが配管5aと配管5bとを連通しつつ配管5a、5bと配管17dとを非連通とし、第2開閉弁19cが閉状態となることにより、切替ユニット19が第2禁止状態となる。このため、第1接続流路51及び第2接続流路52を流通する水がバイパス流路17に流通することが禁止される。なお、追い焚き運転は、制御装置23に設けられた追い焚き設定時間が経過することによって終了する他、入浴者10がリモコン2を通じて任意に終了させることができる。
【0065】
<スチーム浴運転>
スチーム浴運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図7に示すように、水蒸気発生装置15を作動させるとともに、第1開閉弁13及び第2開閉弁19cをそれぞれ開状態とする。また、制御装置23は、給湯用加熱装置9、風呂用加熱装置3、ポンプ7及び送風ファン21aをそれぞれ停止させる。
【0066】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁19aについて、配管5aと配管17dとを連通しつつ配管5a、17dと配管5bとを非連通とし、第2流路切替弁19bについて、配管5c、5g、5hを互いに非連通とする。また、制御装置23は、第3流路切替弁21bについて、配管17bと配管17dとを連通しつつ配管17b、17dと配管17cとを非連通とする。
【0067】
これらにより、
図7の黒色矢印で示すように、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されることなく、配管11b内から配管12内を流通して接続流路5に至る。そして、接続流路5に至った水は、配管5e内から、風呂用加熱装置3、配管5f内の順で流通する。ここで、第2開閉弁19cが開状態であるため、配管5f内を流通する水は、全て配管17a内を流通し、流入口15aから水蒸気発生装置15に供給される。この際、本実施例では、1分間当たり約0.1リットルの水が水蒸気発生装置15に供給される。なお、水蒸気発生装置15に供給される水量は適宜設計可能である。
【0068】
そして、水蒸気発生装置15において水は加熱されて水蒸気となる。この水蒸気は、第1流出口15bから配管17b内、配管17d内及び配管5a内の順に流通する。こうして、
図8に示すように、配管5aを経て給水具25に至った水蒸気は、内部流路26b内及び内部流路26d内の順に流通し、ノズル28から浴槽1内に供給される。なお、浴槽1内に供給される水蒸気の量は、水蒸気発生装置15内に設けられた図示しない流量調整弁によって適宜調整される。
【0069】
このように、スチーム浴運転では、第1流路切替弁19aが配管5aと配管17dとを連通するとともに、第2開閉弁19cが開状態となることにより、切替ユニット19が第2許容状態となる。このため、配管5f、ひいては第2接続流路52からバイパス流路17に水が流通することが許容される。また、配管5a、ひいては第1接続流路51と給水具25とを介して水蒸気を浴槽1内に供給することが許容される。
【0070】
また、スチーム浴運転時には、蓋材1aによって浴槽1を上方から覆うことにより、水蒸気を浴槽1内に充満させる。そして、入浴者10は、水蒸気が充満した状態にある浴槽1内に入ることにより、スチーム浴を行うことが可能となっている。なお、スチーム浴運転についても、制御装置23に設けられたスチーム浴設定時間が経過することによって終了する他、入浴者10がリモコン2を通じて任意に終了させることができる。
【0071】
また、スチーム浴運転では、第3流路切替弁21bが配管17b、17dと配管17cとを非連通としているため、バイパス流路17を流通する水蒸気が送風ファン21aに向かって流通することがない。なお、スチーム浴運転時に風呂用加熱装置3や給湯用加熱装置9を作動させることにより、風呂用加熱装置3や給湯用加熱装置9で予備加熱された水を水蒸気発生装置15に供給しても良い。
【0072】
<複合運転>
複合運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図9に示すように、給湯用加熱装置9及び水蒸気発生装置15を作動させるとともに、第1開閉弁13及び第2開閉弁19cをそれぞれ開状態とする。また、制御装置23は、風呂用加熱装置3、ポンプ7、水蒸気発生装置15及び送風ファン21aをそれぞれ停止させる。
【0073】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁19aについて、配管5aと配管17dとを連通しつつ配管5a、17dと配管5bとを非連通とし、第2流路切替弁19bについて、配管5cと配管5hとを連通しつつ配管5c、5hと配管5gとを非連通とする。また、制御装置23は、第3流路切替弁21bについて、配管17bと配管17dとを連通しつつ配管17b、17dと配管17cとを非連通とする。
【0074】
これらにより、
図9の黒色矢印で示すように、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されつつ、配管11b内から配管12内を流通して接続流路5に至る。そして、接続流路5に至った水は、配管5d内及び配管5e内を流通する。そして、配管5d内を流通する水は、配管5c内及び配管5h内の順で流通し、給水具25に至る。こうして、給水具25に至った水は、
図10に示すように、内部流路26a内を流通して、浴槽1内に供給される。
【0075】
一方、
図9に示すように、配管5e内を流通する水は、風呂用加熱装置3、配管5f内及び配管17a内の順で流通して水蒸気発生装置15に至る。こうして、水蒸気発生装置15に至った水は、スチーム浴運転時と同様に、水蒸気発生装置15において水蒸気とされ、第1流出口15bから配管17b内、配管17d内及び配管5a内の順に流通して給水具25に至る。そして、給水具25に至った水蒸気は、
図10に示すように、内部流路26b内及び内部流路26d内の順に流通し、ノズル28から浴槽1内に供給される。また、
図9に示すように、複合運転時にもスチーム浴運転時と同様に、蓋材1aによって浴槽1を上方から覆うことで水蒸気を浴槽1内に充満させる。
【0076】
このように、複合運転では、第1流路切替弁19aが配管5aと配管17dとを連通しつつ配管5a、17dと配管5bとを非連通とし、第2流路切替弁19bが配管5cと配管5hとを連通しつつ配管5c、5hと配管5gとを非連通とし、第2開閉弁19cが開状態となることにより、切替ユニット19が第2許容状態となる。ここで、第1流路切替弁19a及び第2流路切替弁19bにより、この場合の第2許容状態では、接続流路5から浴槽1内及びバイパス流路17の双方に水が流通することが許容される。このため、給水具25には、配管5aを経て水蒸気が流通するだけでなく、配管5hを経て給湯用加熱装置9で加熱された水が流通する。この結果、複合運転では、給水具25から浴槽1内に水蒸気と、給湯用加熱装置9で加熱された水とが同時に供給される。これにより、複合運転を行うことにより、入浴者10は、全身スチーム浴を行った後に半身スチーム浴を所望する場合、浴槽1内への水蒸気の供給を途切れさせることなく全身スチーム浴から半身スチーム浴に移行することができる。
【0077】
また、スチーム浴運転時と同様、複合運転時においても、バイパス流路17を流通する水蒸気は送風ファン21aに向かって流通することがない。なお、複合運転についても、入浴者10がリモコン2を通じて任意に終了させることができる他、浴槽1内の水が制御装置23に設けられた複合運転用湯張り設定量に到達することにより、自動的に終了させることができる。また、制御装置23は、複合運転の終了後に自動的にスチーム浴運転の実行を開始しても良い。
【0078】
<水浴運転>
水浴運転を実行するに当たっては、制御装置23は、給湯用加熱装置9を停止させる。また、制御装置23は、第1開閉弁13等について、上述の湯張り運転時と同様に制御する(
図3参照)。
【0079】
これらにより、水浴運転では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されることなく、配管11b内から配管12内を流通して接続流路5に至る。そして、接続流路5に至った水は、湯張り運転時と同様に、給水具25の内部流路26aを流通して浴槽1内に供給される(
図4参照)。
【0080】
こうして、水浴運転では、入浴者10は、浴槽1内において、低温の水に浸かることが可能となっている。つまり、水浴運転を行うことにより、浴槽1内に低温の水が張られた所謂「水風呂」を行うことができる。なお、水浴運転は、浴槽1内の水が制御装置23に設けられた水浴設定量に到達することによって終了する他、入浴者10がリモコン2を通じて任意に終了させることができる。また、水浴運転は、制御装置23に設けられた水浴設定時間が経過することによって終了させても良い。
【0081】
<外気浴運転>
外気浴運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図11に示すように、送風ファン21aを作動させる一方、給湯用加熱装置9、風呂用加熱装置3、ポンプ7及び水蒸気発生装置15をそれぞれ停止させる。また、制御装置23は、第1開閉弁13及び第2開閉弁19cをそれぞれ閉状態とする。
【0082】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁19aについて、配管5aと配管17dとを連通しつつ配管5a、17dと配管5bとを非連通とし、第2流路切替弁19bについて、配管5c、5g、5hを互いに非連通とする。また、制御装置23は、第3流路切替弁21bについて、配管17cと配管17dとを連通しつつ配管17c、17dと配管17bとを非連通とする。
【0083】
これらにより、
図15の白色矢印で示すように、送風ファン21aによって外気が配管17c内、ひいてはバイパス流路17内に供給される。そして、バイパス流路17内の外気は、配管17d内から配管5a内を流通して給水具25に至る。こうして、給水具25に至った外気は、スチーム浴運転時及び複合運転時における水蒸気と同様、内部流路26b内及び内部流路26d内の順に流通し、ノズル28から浴槽1内に供給される。また、外気浴運転時にも、蓋材1aによって浴槽1を上方から覆う。これにより、外気浴運転では、入浴者10は、浴槽1内において、外気を浴びることが可能となっている。
【0084】
ここで、外気浴運転において、制御装置23は、所定の周期で送風ファン21aの回転数を変化させるとともに、送風ファン21aの作動と停止と繰り返す。これにより、外気浴運転時には、浴槽1内に供給される外気の供給量が所定の周期で変化するようになっている。なお、本実施例では、制御装置23は、送風ファン21aの回転数を15秒周期で変化させる。また、外気浴運転についても、制御装置23に設けられた外気浴設定時間が経過することによって終了する他、入浴者10がリモコン2を通じて任意に終了させることができる。
【0085】
<サウナ浴運転>
サウナ浴運転では、制御装置23は、上述のスチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転をこの順番で自動的に実行する。また、制御装置23は、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の順番で実行することを1回の運転サイクルとしている。そして、制御装置23には、サウナ浴運転において実行される運転サイクルの回数である設定回数が予め設定されている。これにより、サウナ浴運転では、上述のスチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転がこの順番で設定回数分繰り返して実行される。ここで、本実施例では、設定回数として4回が設定されている。なお、設定回数は適宜設定可能である。
【0086】
また、制御装置23には、1回の運転サイクルにおけるスチーム浴運転の実行時間としての第1設定時間と、1回の運転サイクルにおける水浴運転での水浴設定量と、この水浴運転に基づく水風呂の実行時間として第2設定時間と、1回の運転サイクルにおける外気浴運転の実行時間としての第3設定時間が設定されている。また、第1設定時間は上述のスチーム浴設定時間とは異なる時間が設定されており、第3設定時間は上述の外気浴設定時間とは異なる時間が設定されている。ここで、本実施例では、具体的には、第1設定時間として10分が設定されており、第2設定時間として2分が設定されており、第3設定時間として4分が設定されている。なお、これらの第1~3設定時間についても適宜設定可能である。また、第1設定時間とスチーム浴設定時間とが等しくても良く、第3設定時間と外気浴設定時間とが等しくても良い。さらに、1回の運転サイクルにおける水浴運転での水浴設定量は、水浴運転を単独で行う場合の水浴設定量と等しくても良く、異なっていても良い。
【0087】
そして、制御装置23は、具体的には、
図12に示す制御フローに沿ってサウナ浴運転を実行する。
【0088】
入浴者10によってサウナ浴運転が選択されることにより、制御装置23は、サウナ浴運転を開始する。そして、まず初めに、制御装置23は、記憶している運転サイクル数をリセットし、現在の運転サイクル数を1回とする(ステップS101)。そして、制御装置23は、スチーム浴運転を開始する(ステップS102)。このスチーム浴運転は、第1設定時間である10分が経過するまで継続される(ステップS103:NO)。そして、第1設定時間が経過すれば(ステップS103:YES)、制御装置23は、スチーム浴運転を終了する(ステップS104)。
【0089】
次に、制御装置23は、水浴運転を開始する(ステップS105)。また、制御装置23は、水浴運転の開始とともに、浴槽1に設けられた排水栓(図示略)を閉栓状態とする。なお、制御装置23は、入浴者10に対して排水栓を閉栓状態とする旨の案内を行うことにより、排水栓の閉栓動作は入浴者10自身が行っても良い。
【0090】
この水浴運転は、浴槽1内の水が水浴設定量に達するまで継続される(ステップS106:NO)。そして、水浴設定量に到達すれば(ステップS106:YES)、制御装置23は、水浴運転を終了する(ステップS107)。これにより、水風呂が開始され(ステップS108)、入浴者10は水風呂に入浴する。この水風呂は、第2設定時間である2分が経過するまで行われる(ステップS109:NO)。一方、第2設定時間が経過すれば(ステップS109:YES)、制御装置23は、水浴運転の開始時に閉じた排水栓を開くことにより、水浴運転時に浴槽1内に供給された水を排出する。こうして水風呂を終了させる(ステップS110)。なお、制御装置23は、第2設定時間が経過することにより、入浴者10に対して排水栓を開栓状態とする旨の案内を行うことにより、排水栓の開栓動作は入浴者10自身が行っても良い。
【0091】
次に、制御装置23は、外気浴運転を開始する(ステップS111)。この外気浴運転は、第3設定時間である4分が経過するまで継続される(ステップS112:NO)。そして、第3設定時間が経過すれば(ステップS112:YES)、制御装置23は、外気浴運転を終了する(ステップS113)。
【0092】
このように外気浴運転まで終了した後、制御装置23は現在の運転サイクル数を参照し、運転サイクル数が設定回数、すなわち4回に達しているか否か判断する(ステップS114)。ここで、現在の運転サイクル数が設定回数に達していなければ(ステップS114:NO)、制御装置23は現在の運転サイクル数に1を追加しつつ、この運転サイクル数を記憶する(ステップS115)。そして、制御装置23はステップS102以降の処理を再び開始する。
【0093】
一方、ステップS114において、現在の運転サイクル数が設定回数に達していれば(ステップS114:YES)、制御装置23はサウナ浴運転を終了する。なお、運転サイクル数が設定回数に達していない場合であっても、入浴者10はリモコン2を通じて任意にサウナ浴運転を終了させることができる。
【0094】
このように、この浴室システム100では、湯張り運転時及び複合運転時に給湯用加熱装置9で加熱された水を接続流路5を通じて浴槽1内に供給できる。また、この浴室システム100では、スチーム浴運転時及び複合運転時に水蒸気発生装置15が発生させた水蒸気をバイパス流路17及び接続流路5の第1接続流路51を介して浴槽1内に供給できる。これらのため、この浴室システム100では、給湯用加熱装置9で加熱された水を浴槽1内に供給するための専用の流路が不要となっているとともに、水蒸気発生装置15が発生させた水蒸気を浴槽1内に供給するための専用の流路も不要となっている。
【0095】
したがって、本発明の浴室システム100によれば、構成の複雑化を抑止しつつ、浴槽1内の湯張りと、浴槽1内に貯留された水の追い焚きと、浴槽1内への水蒸気の供給とが可能である。
【0096】
特に、この浴室システム100では、湯張り運転時に給湯用加熱装置9で加熱された水が第2接続流路52からバイパス流路17へ流通することがないため、給湯用加熱装置9で加熱された水がバイパス流路17に設けられた水蒸気発生装置15に供給されることが防止されている。また、この浴室システム100では、追い焚き運転時に給水流路11から配管12を通じて接続流路5に水が流通したり、接続流路5を流通する水がバイパス流路17、ひいては水蒸気発生装置15及び送風ファン21aに向かって流通したりすることも防止されている。これらにより、この浴室システムでは、浴槽1内の湯張り及び浴槽1内の水の追い焚きを好適に行うことが可能となっている。
【0097】
また、この浴室システム100では、スチーム浴運転時に、水蒸気発生装置15が給水源Wから供給された水を加熱して水蒸気とする。このため、例えば、水蒸気発生装置15が浴槽1内に貯留された水を加熱して水蒸気とする場合に比べて、水蒸気発生装置15内に入浴者10の老廃物等が侵入し難く、また、浴槽1内に供給される水蒸気の衛生も好適に担保できる。これらにより、この浴室システム100では、入浴者10が浴槽1内でスチーム浴を快適に行うことができる。
【0098】
さらに、この浴室システム100では、湯張り運転、追い焚き運転及びスチーム浴運転に加えて、複合運転、水浴運転、外気浴運転及びサウナ浴運転も実行可能となっている。このため、この浴室システム100では、利便性が高くなっている。また、外気浴運転では、外気がバイパス流路17及び接続流路5の第1接続流路51を介して浴槽1内に供給されるため、外気を浴槽1内に供給するための専用の流路も不要となっている。そして、水、水蒸気及び外気は、全て給水具25から浴槽1内に供給される。これらの点においても、この浴室システム100では構成の複雑化を抑止できる。
【0099】
ここで、この浴室システム100では、複合運転を行うことにより、例えば、入浴者10は、全身スチーム浴を行った後に半身スチーム浴に変更する際、浴槽1内への水蒸気の供給を途切れさせることなく半身スチーム浴に移行することが可能となっている。これにより、この浴室システム100では、入浴者10の利便性及び快適性が高くなっている。
【0100】
また、水浴運転では、給湯用加熱装置9及び風呂用加熱装置3のいずれによっても加熱されていない水が浴槽1内に供給される。このため、入浴者10は、例えばスチーム浴運転等によって上昇した身体の熱を水浴運転で好適に冷却することが可能となっている。
【0101】
さらに、外気浴運転では、制御装置23が浴槽1内に供給される外気の供給量を変化させるため、入浴者10は、浴槽1内、ひいては浴室H内に居ながらも、屋外の自然環境に近い雰囲気で外気を浴びることが可能となっている。このため、外気浴運転における入浴者10の快適性が高くなっている。
【0102】
(実施例2)
図13に示すように、実施例2の浴室システム200は、接続流路41と、バイパス流路43と、切替ユニット45とを備えている。切替ユニット45も本発明における「第2切替装置」の一例である。また、この浴室システム200は、実施例1の浴室システム100と同様に、浴槽1と、リモコン2と、風呂用加熱装置3と、給湯用加熱装置9と、水蒸気発生装置15と、ポンプ7と、給水流路11と、配管12と、第1開閉弁13と、制御装置23とを備えている。一方、この浴室システム200は、外気供給装置21を備えていない。
【0103】
また、この浴室システム200では、リモコン2は、湯張り運転、追い焚き運転、スチーム浴運転、複合運転及び水浴運転のみが選択可能となっている。この浴室システム200も住宅に用いられている。
【0104】
接続流路41は第1接続流路411と第2接続流路412とを有している。接続流路41は配管41a~41eによって構成されている。配管41aは、一端が浴室Hの外部で第1流路切替弁45aと接続している。配管41aは第1流路切替弁45aから浴室Hに向かって延びている。そして、配管41aの他端は、給水具25の内部流路26bと接続している。配管41bは、一端が配管41c及び配管12の各他端と接続しており、他端が第1流路切替弁45aと接続している。配管41cは、一端が風呂用加熱装置3の流入口3aと接続しており、他端が配管41bの一端及び配管12の他端と接続している。また、この浴室システム200では、ポンプ7が配管41cに設けられている。
【0105】
配管41dは、一端が風呂用加熱装置3の流出口3bと接続しており、他端が第2流路切替弁45bと接続している。配管41eは、一端が第2流路切替弁45bと接続している。配管41eは第2流路切替弁45bから浴室Hに向かって延びている。そして、配管41eの他端は、給水具25の内部流路26aと接続している。
【0106】
こうして、接続流路41は、浴槽1と、風呂用加熱装置3とを接続している。つまり、風呂用加熱装置3は接続流路41に設けられている。また、接続流路41では、配管41a~41cによって給水具25と風呂用加熱装置3の流入口3aとが接続されており、配管41d、41eによって給水具25と風呂用加熱装置3の流出口3bとが接続されている。これにより、配管41a~41cは第1接続流路411を構成しており、配管41d、41eは第2接続流路412を構成している。なお、第1流路切替弁45a及び第2流路切替弁45bについての詳細は後述する。
【0107】
バイパス流路43は配管43aと配管43bとによって構成されている。配管43aは、一端が第2流路切替弁45bと接続しており、他端が水蒸気発生装置15の流入口15aと接続している。配管43bは、一端が水蒸気発生装置15の流出口15bと接続しており、他端が第1流路切替弁45aと接続している。こうして、バイパス流路43は、配管43b及び第1流路切替弁45aを通じて接続流路41の第1接続流路411と接続している。また、バイパス流路43は、配管43a及び第2流路切替弁45bを通じて接続流路41の第2接続流路412と接続している。換言すれば、バイパス流路43は、接続流路41から分岐し、かつ、再び接続流路41に合流している。
【0108】
切替ユニット45は、上述の第1流路切替弁45aと第2流路切替弁45bとによって構成されている。第1流路切替弁45aは、配管41aと配管41bとを連通しつつ、配管41a、41bと配管43bとを非連通とする場合と、配管41aと配管43bとを連通しつつ、配管41a、43bと配管41bとを非連通とする場合と、配管41a、41b、43bを互いに非連通にする場合とを切り替え可能となっている。
【0109】
第2流路切替弁45bは、配管41dと配管41eとを連通しつつ、配管41d、41eと配管43aとを非連通とする場合と、配管41dと配管43aとを連通しつつ、配管41d、43aと配管41eとを非連通とする場合と、配管41d、41e、43aを互いに連通させる場合と、配管41d、41e、43aを互いに非連通にする場合とを切り替え可能となっている。
【0110】
切替ユニット45は、第2許容状態と第2禁止状態とに切替可能となっている。切替ユニット45は、第2許容状態となることにより、第2接続流路412及びバイパス流路43を介して水蒸気発生装置15に水が流通することを許容するとともに、バイパス流路43及び第1接続流路411を介して水蒸気を浴槽1内に供給することを許容する。一方、切替ユニット45は、第2禁止状態となることにより、第2接続流路412からバイパス流路43に水が流通することを禁止する。また、切替ユニット45は、第2禁止状態では、接続流路41と浴槽1との間で水が流通することを許容する。なお、切替ユニット45における第2許容状態及び第2禁止状態についての詳細は後述する。
【0111】
制御装置23は、第1流路切替弁45a及び第2流路切替弁45bと通電可能に接続されている他、実施例1の浴室システム100と同様に、風呂用加熱装置3、給湯用加熱装置9及びポンプ7等と通電可能に接続されている。この浴室システム200における他の構成は実施例1の浴室システム100と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0112】
以上のように構成された浴室システム200では、制御装置23は、風呂用加熱装置3、給湯用加熱装置9及びポンプ7等の各作動制御を行うことにより、湯張り運転、追い焚き運転、スチーム浴運転、複合運転及び水浴運転を実行する。以下、具体的に説明する。
【0113】
<湯張り運転>
湯張り運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図14に示すように、給湯用加熱装置9を作動させるとともに、第1開閉弁13を開状態とする。また、制御装置23は、風呂用加熱装置3、ポンプ7及び水蒸気発生装置15をそれぞれ停止させる。
【0114】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁45aについて、配管41a、41b、43bを互いに非連通とする。また、制御装置23は、第2流路切替弁45bついて、配管41dと配管41eとを連通しつつ配管41d、41eと配管43aとを非連通とする。
【0115】
これらにより、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱される。こうして、給湯用加熱装置9で加熱された水は、配管12内を流通して接続流路41に至り、配管41c内を流通する。そして、配管41c内を流通する水は、風呂用加熱装置3に向かって流通し、風呂用加熱装置3から、配管41d内及び配管41e内の順に流通し、給水具25の内部流路26aから浴槽1内に供給される。
【0116】
こうして、この湯張り運転でも、給湯用加熱装置9で加熱された水が浴槽1内に供給さる。ここで、この浴室システム200では、第1流路切替弁45aが配管41a、41b、43bを互いに非連通とし、第2流路切替弁45bが配管41d、41eと配管43aとを非連通とすることにより、切替ユニット45が第2禁止状態となる。このため、この浴室システム200では、第2接続流路412を流通する水がバイパス流路43に流通することが禁止される。
【0117】
<追い焚き運転>
追い焚き運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図15に示すように、風呂用加熱装置3及びポンプ7を作動させる。そして、制御装置23は、給湯用加熱装置9及び水蒸気発生装置15をそれぞれ停止させるとともに、第1開閉弁13を閉状態とする。
【0118】
また、制御装置23は、第1流路切替弁45aについて、配管41aと配管41bとを連通しつつ配管41a、41bと配管43bとを非連通とする。また、制御装置23は、第2流路切替弁45bについて、配管41dと配管41eとを連通しつつ配管41d、41eと配管43aとを非連通とする。
【0119】
これらにより、ポンプ7の作動によって、浴槽1内に貯留された水が給水具25の内部流路26c、26bから、配管41a内、配管41b及び配管41c内の順に流通して風呂用加熱装置3に至る。そして、風呂用加熱装置3において浴槽1内に貯留された水の加熱が行われる。こうして風呂用加熱装置3で加熱された水は、配管41d内から配管41e内の順に流通し、給水具25の内部流路26aから浴槽1内に再供給される。
【0120】
こうして、追い焚き運転では、接続流路41を介して浴槽1内と風呂用加熱装置3との間で水が循環しつつ、風呂用加熱装置3による水の加熱と、浴槽1内への水の再供給とが行われる。また、追い焚き運転では、第1流路切替弁45aが配管41aと配管41bとを連通しつつ配管41a、41bと配管43bとを非連通とし、第2流路切替弁45bが配管41dと配管41eとを連通しつつ配管41d、41eと配管43aとを非連通とすることにより、切替ユニット45が第2禁止状態となる。これにより、第1接続流路411及び第2接続流路412を流通する水がバイパス流路43に流通することが禁止される。さらに、追い焚き運転では、第1開閉弁13が閉状態となっているため、給水流路11から配管12を経て水が接続流路41へ流通することがない。
【0121】
<スチーム浴運転>
スチーム浴運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図16に示すように、水蒸気発生装置15を作動させるとともに、第1開閉弁13を開状態とする。また、制御装置23は、給湯用加熱装置9、風呂用加熱装置3及びポンプ7をそれぞれ停止させる。
【0122】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁45aについて、配管41aと配管43bとを連通しつつ配管41a、43bと配管41bとを非連通とする。また、制御装置23は、第2流路切替弁45bについて、配管41dと配管43aとを連通しつつ配管41d、43aと配管41eとを非連通とする。
【0123】
これらにより、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されることなく、配管11b内から配管12内を流通して接続流路41に至る。そして、接続流路41に至った水は、配管41c内から、風呂用加熱装置3、配管41d内及び配管43a内の順で流通して水蒸気発生装置15に至る。
【0124】
そして、水蒸気発生装置15において水は加熱されて水蒸気となる。この水蒸気は、流出口15bから、配管43b内及び配管41a内の順に流通し、給水具25の内部流路26b、26dを経てノズル28から浴槽1内に供給される。
【0125】
このように、スチーム浴運転では、第1流路切替弁45aが配管41aと配管43bとを連通し、第2流路切替弁45bが配管41dと配管43aとを連通することにより、切替ユニット45が第2許容状態となる。このため、配管41d、ひいては第2接続流路412からバイパス流路43に水が流通することが許容される。また、バイパス流路43から配管41a、ひいては第1接続流路411と給水具25とを介して水蒸気を浴槽1内に供給することが許容される。また、この浴室システム200においても、実施例1の浴室システム100と同様、スチーム浴運転時には、蓋材1aによって浴槽1を上方から覆うことにより、水蒸気を浴槽1内に充満させる。
【0126】
<複合運転>
複合運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図17に示すように、給湯用加熱装置9及び水蒸気発生装置15を作動させるとともに、第1開閉弁13を開状態とする。また、制御装置23は、風呂用加熱装置3及びポンプ7をそれぞれ停止させる。
【0127】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁45aについて、配管41aと配管43bとを連通しつつ配管41a、43bと配管41bとを非連通とする。また、制御装置23は、第2流路切替弁45bについて、配管41d、41e、43aを互いに連通させる。
【0128】
これらにより、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されつつ、配管11b内から配管12内を流通して接続流路41に至る。そして、接続流路41に至った水は、配管41c内から、風呂用加熱装置3を経て配管41d内を流通する。そして、配管41d内を流通する水は、配管43a内及び配管41e内を流通する。これにより、配管43a内を流通する水は、水蒸気発生装置15において水蒸気とされる。この水蒸気は、配管43b内及び配管41a内の順に流通し、給水具25の内部流路26b及び内部流路26dを経てノズル28から浴槽1内に供給される。一方、配管41e内を流通する水は、給水具25の内部流路26aから浴槽1内に供給される。
【0129】
このように、複合運転では、第1流路切替弁45aが配管41aと配管43bとを連通しつつ配管41a、43bと配管41bとを非連通とし、第2流路切替弁45bが配管41d、41e、43aを互いに連通させることにより、切替ユニット45が第2許容状態となる。ここで、第2流路切替弁45bが配管41d、41e、43aを互いに連通させるため、この場合の第2許容状態では、第2接続流路412から浴槽1内及びバイパス流路43の双方に水が流通することが許容される。こうして、この複合運転においても、給水具25から浴槽1内に水蒸気と、給湯用加熱装置9で加熱された水とが同時に供給される。なお、複合運転時にもスチーム浴運転時と同様に、蓋材1aによって浴槽1を上方から覆うことで水蒸気を浴槽1内に充満させる。
【0130】
<水浴運転>
水浴運転を実行するに当たっては、制御装置23は、給湯用加熱装置9を停止させる。また、制御装置23は、第1開閉弁13等について、上述の湯張り運転時と同様に制御する(
図14参照)。これにより、この浴室システム200でも、水浴運転時には、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されることなく浴槽1内に供給される。
【0131】
このように、この浴室システム200でも、湯張り運転時及び複合運転時には、給湯用加熱装置9で加熱された水を接続流路41を通じて浴槽1内に供給できる。また、この浴室システム200では、スチーム浴運転時及び複合運転時に、水蒸気発生装置15が発生させた水蒸気をバイパス流路43及び接続流路41の第1接続流路411を介して浴槽1内に供給できる。これらのため、この浴室システム200でも、給湯用加熱装置9で加熱された水を浴槽1内に供給するための専用の流路が不要となっているとともに、水蒸気発生装置15が発生させた水蒸気を浴槽1内に供給するための専用の流路が不要となっている。
【0132】
また、この浴室システム200では、実施例1の浴室システム100と異なり、外気浴運転及びサウナ浴運転が不可能となっているものの、その分、構成の複雑化がより抑制されている。この浴室システム200における他の作用は実施例1の浴室システム100と同様である。
【0133】
(実施例3)
図18に示すように、実施例3の浴室システム300は、接続流路42と、バイパス流路44と、切替ユニット46とを備えている。また、この浴室システム300は、実施例2の浴室システム200と同様に、浴槽1と、リモコン2と、風呂用加熱装置3と、給湯用加熱装置9と、水蒸気発生装置15と、ポンプ7と、給水流路11と、配管12と、第1開閉弁13と、制御装置23とを備えている。この浴室システム300も住宅に用いられている。
【0134】
この浴室システム300でも、リモコン2は、湯張り運転、追い焚き運転、スチーム浴運転及び複合運転のみが選択可能となっている。また、この浴室システム300では、浴槽1が給水具125を有している。詳細な図示を省略するものの、給水具125には複数の内部流路が設けられている一方、ノズルは設けられていない。なお、給水具125に対してノズルを設けても良い。
【0135】
接続流路42は第1接続流路421と第2接続流路422とを有している。接続流路42は配管42a~42eによって構成されている。配管41aは、一端が浴室Hの外部で第1流路切替弁46aと接続している。配管42aは第1流路切替弁46aから浴室Hに向かって延びている。そして、配管42aの他端は、給水具125と接続している。配管42bは、一端が配管42c及び配管12の各他端と接続しており、他端が第1流路切替弁46aと接続している。配管42cは、一端が風呂用加熱装置3の流入口3aと接続しており、他端が配管42bの一端及び配管12の他端と接続している。また、この浴室システム300では、ポンプ7が配管42cに設けられている。
【0136】
配管42dは、一端が風呂用加熱装置3の流出口3bと接続しており、他端が第2流路切替弁46bと接続している。配管41eは、一端が第2流路切替弁46bと接続している。配管42eは第2流路切替弁46bから浴室Hに向かって延びている。そして、配管42eの他端は、給水具125と接続している。
【0137】
こうして、接続流路42は、給水具125、ひいては浴槽1と、風呂用加熱装置3とを接続している。つまり、風呂用加熱装置3は接続流路42に設けられている。また、接続流路42では、配管42a~42cによって給水具125と風呂用加熱装置3の流入口3aとが接続されており、配管42d、42eによって給水具125と風呂用加熱装置3の流出口3bとが接続されている。これにより、配管42a~42cは第1接続流路421を構成しており、配管42d、42eは第2接続流路422を構成している。なお、第1流路切替弁46a及び第2流路切替弁46bについての詳細は後述する。
【0138】
バイパス流路44は配管44aと配管44bとによって構成されている。配管44aは、一端が第2流路切替弁46aと接続しており、他端が水蒸気発生装置15の流入口15aと接続している。配管44bは、一端が水蒸気発生装置15の流出口15bと接続しており、他端が第1流路切替弁46bと接続している。こうして、バイパス流路44は、配管44a及び第1流路切替弁46aを通じて接続流路42の第1接続流路421と接続している。また、バイパス流路44は、配管44b及び第2流路切替弁46bを通じて接続流路42の第2接続流路422と接続している。換言すれば、バイパス流路44は、接続流路42から分岐し、かつ、再び接続流路42に合流している。
【0139】
切替ユニット46は、上述の第1流路切替弁46aと第2流路切替弁46bとによって構成されている。第1流路切替弁46aは、配管42aと配管42bとを連通しつつ、配管42a、42bと配管44aとを非連通とする場合と、配管42bと配管44aとを連通しつつ、配管42b、44aと配管42aとを非連通とする場合と、配管42a、42b、44aを互いに連通させる場合と、配管42a、42b、44aを互いに非連通にする場合とを切り替え可能となっている。
【0140】
第2流路切替弁46bは、配管42dと配管42eとを連通しつつ、配管42d、42eと配管44bとを非連通とする場合と、配管42eと配管44bとを連通しつつ、配管42e、44bと配管42dとを非連通とする場合と、配管42d、42e、44bを互いに非連通にする場合とを切り替え可能となっている。
【0141】
切替ユニット46は、第2許容状態と第2禁止状態とに切替可能となっている。切替ユニット46は、第2許容状態となることにより、第1接続流路421及びバイパス流路44を介して水蒸気発生装置15に水が流通することを許容するとともに、バイパス流路44及び第2接続流路422を介して水蒸気を浴槽1内に供給することを許容する。一方、切替ユニット46は、第2禁止状態となることにより、第1接続流路421からバイパス流路44に水が流通することを禁止する。また、切替ユニット46は、第2禁止状態では、接続流路42と浴槽1との間で水が流通することを許容する。なお、切替ユニット46における第2許容状態及び第2禁止状態についての詳細は後述する。
【0142】
制御装置23は、第1流路切替弁46a及び第2流路切替弁46bと通電可能に接続されている他、実施例2の浴室システム200と同様に、風呂用加熱装置3等と通電可能に接続されている。この浴室システム300における他の構成は実施例2の浴室システム200と同様である。
【0143】
以上のように構成された浴室システム300でも、実施例2の浴室システム200と同様に、制御装置23が湯張り運転、追い焚き運転、スチーム浴運転、複合運転及び水浴運転を実行する。以下、具体的に説明する。
【0144】
<湯張り運転>
湯張り運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図19に示すように、給湯用加熱装置9を作動させるとともに、第1開閉弁13を開状態とする。また、制御装置23は、風呂用加熱装置3、ポンプ7及び水蒸気発生装置15をそれぞれ停止させる。
【0145】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁46aについて、配管42a、42b、44aを互いに非連通とする。また、制御装置23は、第2流路切替弁46bついて、配管42dと配管42eとを連通しつつ配管42d、42eと配管44bとを非連通とする。
【0146】
これらにより、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱される。こうして、給湯用加熱装置9で加熱された水は、配管12内を流通して接続流路42に至り、配管42c内を流通する。そして、配管42c内を流通する水は、風呂用加熱装置3に向かって流通し、風呂用加熱装置3から、配管42d内及び配管42e内の順に流通し、給水具125から浴槽1内に供給される。
【0147】
こうして、この湯張り運転でも、給湯用加熱装置9で加熱された水が浴槽1内に供給さる。ここで、この浴室システム300では、第1流路切替弁46aが配管42a、42b、44aを互いに非連通とし、第2流路切替弁46bが配管42d、42eと配管44bとを非連通とすることにより、切替ユニット46が第2禁止状態となる。このため、接続流路42を流通する水がバイパス流路44に流通することが禁止される。
【0148】
<追い焚き運転>
追い焚き運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図20に示すように、風呂用加熱装置3及びポンプ7を作動させる。そして、制御装置23は、給湯用加熱装置9及び水蒸気発生装置15をそれぞれ停止させるとともに、第1開閉弁13を閉状態とする。
【0149】
また、制御装置23は、第1流路切替弁46aについて、配管42aと配管42bとを連通しつつ配管42a、42bと配管44aとを非連通とする。また、制御装置23は、第2流路切替弁46bついて、配管42dと配管42eとを連通しつつ配管42d、42eと配管44bとを非連通とする。
【0150】
これらにより、浴槽1内に貯留された水が給水具125から配管42a内、配管42b内及び配管42c内の順に流通して風呂用加熱装置3に至る。そして、風呂用加熱装置3において浴槽1内に貯留された水の加熱が行われる。こうして風呂用加熱装置3で加熱された水は、配管42d内から配管42e内の順に流通し、給水具125から浴槽1内に再供給される。
【0151】
こうして、この追い焚き運転では、接続流路42を介して浴槽1内と風呂用加熱装置3との間で水が循環しつつ、風呂用加熱装置3による水の加熱と、浴槽1内への水の再供給とが行われる。また、追い焚き運転では、第1流路切替弁46aが配管42aと配管42bとを連通しつつ配管42a、42bと配管44aとを非連通とし、第2流路切替弁46bが配管42dと配管42eとを連通しつつ配管42d、42eと配管44bとを非連通とすることにより、切替ユニット46が第2禁止状態となる。これにより、接続流路42を流通する水がバイパス流路44に流通することが禁止される。さらに、追い焚き運転では、第1開閉弁13が閉状態となっているため、給水流路11から配管12を経て水が接続流路42へ流通することがない。
【0152】
<スチーム浴運転>
スチーム浴運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図21に示すように、水蒸気発生装置15を作動させるとともに、第1開閉弁13を開状態とする。また、制御装置23は、給湯用加熱装置9、風呂用加熱装置3及びポンプ7をそれぞれ停止させる。
【0153】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁46aについて、配管42bと配管44aとを連通しつつ配管42b、44aと配管42aとを非連通とする。また、制御装置23は、第2流路切替弁46bについて、配管42eと配管44bとを連通しつつ配管42e、44bと配管42dとを非連通とする。
【0154】
これらにより、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されることなく、配管11b内から配管12内を流通して接続流路42に至る。そして、接続流路42に至った水は、配管42b内から配管44a内を流通して水蒸気発生装置15に至る。
【0155】
そして、水蒸気発生装置15において水は加熱されて水蒸気となる。この水蒸気は、流出口15bから、配管44b内及び配管42e内の順に流通し、給水具125の内部流路を経て浴槽1内に供給される。
【0156】
このように、スチーム浴運転では、第1流路切替弁46aが配管42bと配管44aとを連通しつつ配管42b、44aと配管42aとを非連通とし、第2流路切替弁46bが配管42eと配管44bとを連通しつつ配管42e、44bと配管42dとを非連通とすることにより、切替ユニット46が第2許容状態となる。このため、配管42b、ひいては第1接続流路421からバイパス流路44に水が流通することが許容される。また、バイパス流路44から配管42d、ひいては第2接続流路422と給水具125とを介して水蒸気を浴槽1内に供給することが許容される。また、この浴室システム300においても、スチーム浴運転時には、蓋材1aによって浴槽1を上方から覆うことにより、水蒸気を浴槽1内に充満させる。
【0157】
<複合運転>
複合運転を実行するに当たっては、制御装置23は、
図22に示すように、給湯用加熱装置9及び水蒸気発生装置15を作動させるとともに、第1開閉弁13を開状態とする。また、制御装置23は、風呂用加熱装置3及びポンプ7をそれぞれ停止させる。
【0158】
さらに、制御装置23は、第1流路切替弁46aについて、配管42a、42b、44aを互いに連通させる。また、制御装置23は、第2流路切替弁46bについて、配管42eと配管44bとを連通しつつ配管42e、44bと配管42dとを非連通とする。
【0159】
これらにより、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されつつ、配管11b内から配管12内を流通して接続流路42に至る。そして、接続流路42に至った水は、配管42b内から配管44a内及び配管42a内を流通する。これにより、配管44a内を流通する水は、水蒸気発生装置15において水蒸気とされる。この水蒸気は、配管44b内及び配管42e内の順に流通し、給水具125から浴槽1内に供給される。一方、配管42a内を流通する水は、給水具125から浴槽1内に供給される。
【0160】
このように、複合運転では、第1流路切替弁46aが配管42a、42b、44aを互いに連通させ、第2流路切替弁46bが配管42eと配管44bとを連通しつつ配管42e、44bと配管42dとを非連通とすることにより、切替ユニット46が第2許容状態となる。ここで、複合運転時には、第2流路切替弁46aが配管42a、42b、44aを互いに連通させるため、この場合の第2許容状態では、第1接続流路421から浴槽1内及びバイパス流路44の双方に水が流通することが許容される。こうして、この複合運転においても、給水具125から浴槽1内に水蒸気と、給湯用加熱装置9で加熱された水とが同時に供給される。なお、複合運転時にもスチーム浴運転時と同様に、蓋材1aによって浴槽1を上方から覆うことで水蒸気を浴槽1内に充満させる。
【0161】
<水浴運転>
水浴運転を実行するに当たっては、制御装置23は、給湯用加熱装置9を停止させる。また、制御装置23は、第1開閉弁13等について、上述の湯張り運転時と同様に制御する(
図19参照)。これにより、この浴室システム300でも、水浴運転時には、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されることなく浴槽1内に供給される。
【0162】
これらにより、この浴室システム300でも、実施例2の浴室システム200と同様の作用を奏することが可能となっている。
【0163】
(実施例4)
図23に示すように、実施例4の浴室システム400は、実施例1の浴室システム100における風呂用加熱装置3及び水蒸気発生装置15に換えて、風呂用加熱装置4及び水蒸気発生装置16を備えている。この浴室システム400も住宅に用いられている。
【0164】
風呂用加熱装置4も浴室Hの外部に設置されている。風呂用加熱装置4は内部に水を流入させる流入口4aと、内部から水を流出させる流出口4bとを有している。また、風呂用加熱装置4は内部に水蒸気を流入させる水蒸気流入口4cを有している。風呂用加熱装置4は、水蒸気流入口4cから流入した水蒸気の熱との熱交換によって水を加熱可能となっている。
【0165】
流入口4aは配管5eの一端と接続している。流出口4bは、配管5fの一端と接続している。これにより、風呂用加熱装置4は接続流路5に設けられている。
【0166】
水蒸気発生装置16も周知の構成を採用しており、内部に流入させた水を加熱することにより、水蒸気を発生させることが可能となっている。水蒸気発生装置16は内部に水を流入させるための第1流入口16a及び第2流入口16bを有している他、発生させた水蒸気を流出させる第1流出口16c及び第2流出口16dを有している。
【0167】
第1流入口16aは配管17aの他端と接続している。第1流出口16cは配管17bの一端と接続している。これにより、水蒸気発生装置16はバイパス流路17に設けられている。また、この水蒸気発生装置16では、第2流入口16bに配管14の一端が接続されている。図示を省略するものの、配管14の他端は給水源Wに接続されている。また、配管14には、給水源Wから水蒸気発生装置16に水が流通することを許容する場合と、給水源Wから水蒸気発生装置16に水が流通することを禁止する場合とを切り替え可能な切替弁(図示略)が設けられている。
【0168】
第2流出口16dには、水蒸気流路30の他端が接続している。水蒸気流路30の一端は風呂用加熱装置4の水蒸気流入口4cと接続している。これにより、風呂用加熱装置4と水蒸気発生装置16とが接続されている。また、水蒸気流路30には、水蒸気流路開閉弁31が設けられている。水蒸気流路開閉弁31は、開状態となることにより、水蒸気発生装置16から風呂用加熱装置4へ水蒸気が流通することを許容する。一方、水蒸気流路開閉弁31は、閉状態となることにより、水蒸気発生装置16から風呂用加熱装置4へ水蒸気が流通することを禁止する。
【0169】
制御装置23は、風呂用加熱装置4、水蒸気発生装置16及び水蒸気流路開閉弁31と通電可能に接続されている他、実施例1の浴室システム100と同様に給湯用加熱装置9等を通電可能に接続されている。この浴室システム400における他の構成は実施例1の浴室システム同様である。
【0170】
この浴室システム400でも、実施例1の浴室システム100と同様に、制御装置23は、湯張り運転、追い焚き運転、スチーム浴運転、複合運転、水浴運転、外気浴運転及びサウナ浴運転を実行する。ここで、この浴室システム400では、追い焚き運転を除いて、制御装置23は、水蒸気流路開閉弁31を閉状態とするとともに、配管14を通じて給水源Wから水蒸気発生装置16へ水が流通することを禁止する。
【0171】
これにより、スチーム浴運転時及び複合運転時には、配管17aを経て第1流入口16aから水蒸気発生装置16に水が流入する。そして、水蒸気発生装置16が発生させた水蒸気は、第1流出口16cから配管17bに流出する。これにより、この浴室システム400でも水蒸気発生装置16が発生させた水蒸気を浴槽1内に供給することができる。
【0172】
一方、追い焚き運転時には、制御装置23は、水蒸気流路開閉弁31を開状態とするとともに、第3流路切替弁21bについて、配管17b、17c、17dを互いに非連通とする。また、制御装置23は、配管14を通じて給水源Wから水蒸気発生装置16に水を流通させる。このため、追い焚き運転時には、水蒸気発生装置16に対して第2流入口16bから水が流入する。なお、追い焚き運転時には、第2開閉弁19cが閉状態であるため、第1流入口16aから水蒸気発生装置16に水が流入することはない。
【0173】
そして、水蒸気発生装置16が発生させた水蒸気は、第2流出口16dから水蒸気流路30に流出し、水蒸気流入口4cから風呂用加熱装置4に流入する。これにより、この浴室システム400では、追い焚き運転時に風呂用加熱装置4は、水蒸気発生装置16が発生させた水蒸気の熱との熱交換によって、浴槽1内に貯留された水を加熱する。そして、このように風呂用加熱装置4によって加熱された水は、実施例1の浴室システム100と同様に浴槽1内に再供給される。
【0174】
この浴室システム400では、風呂用加熱装置4は、水蒸気発生装置16が発生させた水蒸気の熱を利用して水の加熱を行うため、風呂用加熱装4では、水を加熱するための加熱機構の構造が簡略化されている。これにより、浴室システム400の低廉化が可能となっている。この浴室システム400における他の作用は、実施例1の浴室システム100と同様である。
【0175】
以上において、本発明を実施例1~4に即して説明したが、本発明は上記実施例1~4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0176】
例えば、実施例1、4の浴室システム100、400において、浴槽1内に供給される外気の温度調節が可能な温度調整装置を設けても良い。
【0177】
また、実施例2、3の浴室システム200、300について、外気供給装置21を設けることにより、外気浴運転及びサウナ浴運転を実行可能に構成されても良い。
【0178】
また、実施例1の浴室システム100において、湯張り運転時に配管5a及び配管5hにそれぞれ水を流通させることにより、給水具25の内部流路26a及びノズル28の双方から浴槽1内に水を供給しても良い。実施例2、4の浴室システム200、400についても同様である。さらに、実施例3の浴室システム300において、湯張り運転時に配管42a及び配管42eにそれぞれ水を流通させつつ、給水具125から浴槽1内に水を供給しても良い。
【0179】
また、実施例1の浴室システム100において、水浴運転時にノズル28から浴槽1内に水を供給しても良い。実施例2、4の浴室システム200、400についても同様である。
【0180】
また、実施例1の浴室システム100において、風呂用加熱装置3が配管5e、5fと接続し、給湯用加熱装置9が配管11a、11bと接続した状態で、風呂用加熱装置3と給湯用加熱装置9とが一つの加熱装置ユニットを構成していても良い。実施例2~4の浴室システム200~400についても同様である。
【0181】
また、実施例4の浴室システム400では、風呂用加熱装置4が水蒸気の熱を利用して水の加熱を行っているが、これに限らず、給湯用加熱装置9が水蒸気の熱を利用して水の加熱を行っても良い。また、実施例4の浴室システム400において、風呂用加熱装置4及び給湯用加熱装置9の両方が水蒸気の熱を利用して水の加熱を行っても良い。実施例2、3の浴室システム200、300についても同様である。
【0182】
また、実施例1、4の浴室システム100、400において、制御装置23は、スチーム浴運転及び水浴運転を順番に実行する第1簡易サウナ運転の他、スチーム浴運転及び外気浴運転を順番に実行する第2簡易サウナ運転、及び、水浴運転及び外気浴運転を順番に実行する第3簡易サウナ運転等をさらに実行可能であっても良い。
【0183】
また、実施例1の浴室システム100において、制御装置23は、給湯用加熱装置9の作動を停止させつつ、他の第1開閉弁13等については、複合運転時と同様に制御することにより、浴槽1内に水蒸気と、給湯用加熱装置9による加熱が行われていない水とが同時に供給される低温複合運転をさらに実行可能であっても良い。実施例2~4の浴室システム200~400についても同様である。
【0184】
また、実施例1、4の浴室システム100、400において、外気浴運転時に外気に所定の香料を付加して浴槽1内に供給しても良い。
【0185】
また、実施例1の浴室システム100、400において、外気浴運転時に制御装置23は、常に一定の流量で外気を浴槽1内に供給しても良い。
【0186】
また、実施例1の浴室システム100、400において、外気浴運転時に制御装置23は、所定の周期で送風ファン21aの作動と停止とを繰り返すことのみによって、外気の供給量を変化させても良い。また、制御装置23は、送風ファン21aの回転数を変化させることのみによって、外気の供給量を変化させても良い。
【0187】
また、実施例1~4の浴室システム100~400は住宅に用いられているが、これに限らず、業務用の入浴施設等に用いられても良い。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本発明は住宅等の浴室に利用可能である。
【符号の説明】
【0189】
1…浴槽
3、4…風呂用加熱装置(第1加熱装置)
3a、4a…流入口
3b、4b…流出口
5、41、42…接続流路
7…ポンプ
9…給湯用加熱装置(第2加熱装置)
13…第1開閉弁(第1切替装置)
15、16…水蒸気発生装置
17、43、44…バイパス流路
19、45、46…切替ユニット(第2切替装置)
21…外気供給装置
23…制御装置
51、411、421…第1接続流路
52、412、422…第2接続流路
100、200、300、400…浴室システム
H…浴室
W…給水源