(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111896
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
A61H 33/10 20060101AFI20240813BHJP
F24H 15/196 20220101ALI20240813BHJP
F24H 15/176 20220101ALI20240813BHJP
F24H 15/32 20220101ALI20240813BHJP
F24H 15/20 20220101ALI20240813BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
A61H33/10 G
F24H15/196 301Z
F24H15/176
F24H15/32
F24H15/20
A61H33/10 N
A47K3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016601
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕康
(72)【発明者】
【氏名】島津 智行
【テーマコード(参考)】
2D005
3L024
4C094
【Fターム(参考)】
2D005FA06
3L024CC10
4C094AA01
4C094BB18
4C094DD08
4C094DD14
4C094DD17
4C094EE02
4C094EE20
4C094GG13
(57)【要約】
【課題】専用のサウナ施設でのサウナ浴に近い体験を浴室で簡易に実現可能な浴室システムを提供する。
【解決手段】本発明の浴室システム100は、水蒸気発生装置15と、水供給手段S1と、外気供給装置21と、制御装置23とを備えている。制御装置23は、スチーム浴運転と、水浴運転と、外気浴運転と、第1サウナ浴運転と、第2サウナ浴運転とを実行可能である。スチーム浴運転では、水蒸気を浴室Hに供給する。水浴運転では、給水源Wからの水を非加熱で浴室Hに供給する。外気浴運転では、外気を浴室Hに供給する。第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転では、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転をこの順番で行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱して水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、
浴室に水を供給可能に給水源と前記浴室とを接続する水供給手段と、
屋外の空気である外気を前記浴室へ流通させる外気供給装置と、
前記水蒸気発生装置、前記水供給手段及び外気供給装置の制御を行う制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記水蒸気を前記浴室に供給するスチーム浴運転と、
前記給水源からの水を非加熱で浴室に供給する水浴運転と、
前記外気を前記浴室に供給する外気浴運転と、
前記スチーム浴運転、前記水浴運転及び前記外気浴運転の順番で行うサウナ浴運転とを実行可能であることを特徴とする浴室システム。
【請求項2】
前記スチーム浴運転、前記水浴運転及び前記外気浴運転は、この順番が運転サイクルとされ、
前記制御装置は、前記サウナ浴運転において前記運転サイクルを複数回実行する請求項1記載の浴室システム。
【請求項3】
前記水浴運転では水を霧状で前記浴室に供給する請求項1記載の浴室システム。
【請求項4】
前記サウナ浴運転では、前記スチーム浴運転、前記水浴運転及び前記外気浴運転の少なくとも1つの運転において香料を付加する請求項1記載の浴室システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記外気浴運転において前記浴室内に供給される前記外気の供給量を変化させる請求項1記載の浴室システム。
【請求項6】
前記浴室内には浴槽が設けられ、
前記浴槽は、前記水蒸気発生装置、前記水供給手段及び前記外気供給装置と接続され、前記浴槽内に水、前記水蒸気及び前記外気を供給可能な供給部を有している請求項1記載の浴室システム。
【請求項7】
前記制御装置は、入浴者の体温及び心拍数の少なくとも一方を含む身体情報を取得可能であり、
前記サウナ浴運転において、前記制御装置は前記身体情報に基づいて前記スチーム浴運転、前記水浴運転及び前記外気浴運転の各運転状態を決定する請求項1乃至6のいずれか1項記載の浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の浴室システムが開示されている。この浴室システムは、浴槽と、水蒸気発生装置と、制御装置とを備えている。浴槽は浴室内に設けられている。水蒸気発生装置は、浴室内に設けられており、浴槽の外部に位置している。また、水蒸気発生装置は給水源に接続されている。水蒸気発生装置は、給水源から供給された水を加熱して水蒸気を発生させる。制御装置は入浴者の操作によって水蒸気発生装置の作動を制御する。
【0003】
この浴室システムでは、水蒸気発生装置で水蒸気を発生させ、入浴者は、水蒸気が充満した状態にある浴槽内に入ることにより、スチーム浴を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年はサウナ浴の人気が高まっているものの、専用のサウナ施設において頻繁にサウナ浴を行うことは時間や費用の面で難しい。また、上記従来の浴室システムでは、水蒸気発生装置が発生させた水蒸気によって、入浴者は浴室でスチーム浴を行うことができるものの、専用のサウナ施設でのサウナ浴とは異なる。そこで、住宅等の浴室でありながら、専用のサウナ施設でのサウナ浴に近い体験を簡易に実現可能な浴室システムが求められる。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、専用のサウナ施設でのサウナ浴に近い体験を浴室で簡易に実現可能な浴室システムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の浴室システムは、水を加熱して水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、
浴室に水を供給可能に給水源と前記浴室とを接続する水供給手段と、
屋外の空気である外気を前記浴室へ流通させる外気供給装置と、
前記水蒸気発生装置、前記水供給手段及び外気供給装置の制御を行う制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記水蒸気を前記浴室に供給するスチーム浴運転と、
前記給水源からの水を非加熱で浴室に供給する水浴運転と、
前記外気を前記浴室に供給する外気浴運転と、
前記スチーム浴運転、前記水浴運転及び前記外気浴運転の順番で行うサウナ浴運転とを実行可能であることを特徴とする。
【0008】
専用のサウナ施設でサウナ浴を行うに当たり、入浴者は、高温のサウナ室に入室して体温を上昇させ、その後、水風呂に入浴するなどにより、上昇した体温を低温の水によって低下させる。そして、入浴者は、外気を浴びることにより、体温の調整を行いつつ身体をリラックスさせることが一般的である。
【0009】
この点、本発明の浴室システムでは、制御装置がスチーム浴運転、水浴運転、外気浴運転及びサウナ浴運転を実行可能である。そして、サウナ浴運転では、制御装置は、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転をこの順番で行う。
【0010】
これにより、サウナ浴運転では、入浴者は、スチーム浴運転において浴室に供給された水蒸気によって体温を上昇させた後、水浴運転において浴室に供給された非加熱の水によって体温を低下させることができる。そして、入浴者は、外気浴運転において浴室に供給された外気によって、体温の調整を行いつつ身体をリラックスさせることができる。
【0011】
したがって、本発明の浴室システムによれば、専用のサウナ施設でのサウナ浴に近い体験を浴室で簡易に実現できる。
【0012】
本発明の浴室システムにおいて、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転は、この順番が運転サイクルとされ得る。そして、制御装置は、サウナ浴運転において運転サイクルを複数回実行することが好ましい。
【0013】
専用のサウナ施設でのサウナ浴においては、入浴者は、サウナ室での体温の上昇と、低温の水による体温の低下と、外気による体温の調整及び身体のリラックスとをこの順番で複数回実行することが一般的である。このため、制御装置がサウナ浴運転において運転サイクルを複数回実行するによって、入浴者は専用のサウナ施設でのサウナ浴により近い体験を得ることができる。
【0014】
水浴運転では水を霧状で浴室に供給することが好ましい。この場合には、水浴運転によって入浴者の体温を好適に低下させることができるため、水浴運転による効果を高くできる。
【0015】
サウナ浴運転では、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の少なくとも1つの運転において香料を付加することが好ましい。この場合には、浴室に供給される水蒸気、水及び外気に例えば専用のサウナ施設の雰囲気に似た香料を付加することにより、入浴者は専用のサウナ施設での雰囲気も疑似的に体験できる。また、これらの水蒸気、水及び外気に入浴者が嗜好する香料を付加することにより、サウナ浴運転によって入浴者はより高いリラックス効果を得ることができる。
【0016】
また、制御装置は、外気浴運転において浴室内に供給される外気の供給量を変化させることが好ましい。これにより、入浴者は、屋外の自然環境に似た状態で外気を浴びることができる。
【0017】
本発明の浴室システムにおいて、浴室内には浴槽が設けられ得る。そして、浴槽は、水蒸気発生装置、水供給装置及び外気供給装置と接続され、浴槽内に水、水蒸気及び外気を供給可能な供給部を有していることが好ましい。
【0018】
この場合には、入浴者は浴槽内でサウナ浴を行うことができる。また、この浴室システムでは、1つの供給部によって浴槽内に水、水蒸気及び外気を供給できるため、構成を簡素化できる。
【0019】
また、制御装置は、入浴者の体温及び心拍数の少なくとも一方を含む身体情報を取得可能であり得る。そして、サウナ浴運転において、制御装置は身体情報に基づいてスチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の各運転状態を決定することが好ましい。
【0020】
この場合には、入浴者の身体の状態に応じてサウナ浴運転を適切に行うことができるため、サウナ浴運転において、入浴者の身体に過度の負担が掛かることを防止できる。ここで、サウナ浴運転におけるスチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の各運転状態とは、例えば、サウナ浴運転時のスチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の各運転時間の他、サウナ浴運転時に実行される運転サイクルの回数等が挙げられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の浴室システムによれば、専用のサウナ施設でのサウナ浴に近い体験を浴室で簡易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施例1の浴室システムの模式図である。
【
図2】
図2は、実施例1の浴室システムに係り、給水具の模式断面図である。
【
図3】
図3は、実施例1の浴室システムに係り、スチーム浴運転時の模式図である。
【
図4】
図4は、実施例1の浴室システムに係り、スチーム浴運転時及び外気浴運転時における給水具の模式図である。
【
図5】
図5は、実施例1の浴室システムに係り、水浴運転時の模式図である。
【
図6】
図6は、実施例1の浴室システムに係り、水浴運転時における給水具の模式図である。
【
図7】
図7は、実施例1の浴室システムに係り、外気浴運転時の模式図である。
【
図8】
図8は、実施例1の浴室システムに係り、第1サウナ浴運転時における制御フロー図である。
【
図9】
図9は、実施例1の浴室システムに係り、第1サウナ浴運転時における制御フロー図である。
【
図10】
図10は、実施例1の浴室システムに係り、第2サウナ浴運転時における制御フロー図である。
【
図12】
図12は、実施例2の浴室システムに係り、スチーム浴運転時の模式図である。
【
図13】
図13は、実施例2の浴室システムに係り、水浴運転時の模式図である。
【
図14】
図14は、実施例2の浴室システムに係り、外気浴運転時の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の浴室システム100は、浴室Hと、風呂用加熱装置3と、給湯用加熱装置9と、水供給手段S1と、ポンプ7と、水蒸気発生装置15と、バイパス流路17と、切替ユニット19と、外気供給装置21と、制御装置23とを備えている。この浴室システム100は、図示しない住宅に用いられている。
【0025】
浴室Hは住宅内に形成されている。浴室H内には、浴槽1が設けられている。浴槽1は、上部が開口する略矩形の箱状に形成されており、内部に水を貯留可能となっている。
【0026】
浴槽1は給水具25を有している。給水具25は本発明における「供給部」の一例である。
図2に示すように、給水具25はハウジング25aを有している。ハウジング25aは浴槽1に固定されている。ハウジング25aには、浴槽1内に向かって開口する供給口250が形成されている他、浴槽1の外部に向かって開口する第1接続口251及び第2接続口252が形成されている。また、ハウジング25aには、カバー25bが着脱可能に取り付けられている。
【0027】
ハウジング25a内には、内部流路26a~26dが設けられている他、逆止弁27a~27c、ノズル28及び香料カートリッジ29が設けられている。
【0028】
内部流路26aは、一端が第1接続口251内に延びており、他端が供給口250内に延びている。内部流路26bは、一端が第2接続口252内に延びており、他端が内部流路26c及び内部流路26dの各一端と接続している。内部流路26cの他端は供給口250内に延びている。内部流路26dの他端はノズル28と接続している。
【0029】
逆止弁27aは内部流路26aに設けられている。逆止弁27aは、内部流路26aにおいて水を浴槽1に向けて流通させる一方、水が浴槽1側から流通することを防止する。逆止弁27bは内部流路26cに設けられている。逆止弁27bは、内部流路26cにおいて浴槽1側から水を流通させる一方、水が浴槽1に向かって流通することを防止する。逆止弁27cは内部流路26dに設けられている。逆止弁27cは、内部流路26dにおいて水蒸気及び外気を浴槽1に向けて流通させる一方、浴槽1側からノズル28を経て水が流通することを防止する。
【0030】
ノズル28は供給口250内に配置されている。ノズル28は、内部流路26dを流通した水蒸気及び外気を供給口250から浴槽1内に向けて噴射可能となっている。香料カートリッジ29は、内部流路26dに設けられており、ノズル28と逆止弁27cとの間に配置されている。香料カートリッジ29は、カバー25bを通じて内部流路26dと着脱可能となっている。これにより、給水具25では香料カートリッジ29の交換が可能となっている。また、香料カートリッジ29は、檜の香料を含んだオイル(図示略)が内部に充填されており、内部流路26dを流通する水蒸気及び外気に檜の香料を付加することが可能となっている。なお、水蒸気及び外気については後述する。また、給水具25は他の構成であっても良い。
【0031】
図1に示すように、風呂用加熱装置3は浴室Hの外部に設置されている。風呂用加熱装置3は内部に水を流入させる流入口3aと、内部から水を流出させる流出口3bとを有している。風呂用加熱装置3は、内部で燃料ガスを燃焼させた際の熱との熱交換によって水を加熱可能となっている。
【0032】
給湯用加熱装置9は浴室Hの外部に設置されておいる。給湯用加熱装置9は上述の風呂用加熱装置3とは別体をなしている。給湯用加熱装置9は内部に水を流入させる流入口9aと、内部から水を流出させる流出口9bとを有している。風呂用加熱装置3と同様、給湯用加熱装置9についても、内部で燃料ガスを燃焼させた際の熱との熱交換によって水を加熱可能となっている。
【0033】
水供給手段S1は、接続流路5、給水流路11、連絡流路12及び第1開閉弁13によって構成されている。
【0034】
接続流路5は第1接続流路51と第2接続流路52とを有している。接続流路5は配管5a~5hによって構成されている。配管5aは、一端が浴室Hの外部で第1流路切替弁19aと接続している。配管5aは第1流路切替弁19aから浴室Hに向かって延びている。そして、配管5aの他端は、
図2に示す給水具25の第2接続口252を通じて内部流路26cの一端と接続している。
図1に示すように、配管5bは、一端が配管5c、5dの各他端と接続しており、他端が第1流路切替弁19aと接続している。配管5cは、一端が第2流路切替弁19bと接続しており、他端が配管5bの一端及び配管5dの他端と接続している。なお、第1流路切替弁19a及び第2流路切替弁19bについての詳細は後述する。
【0035】
配管5dは、一端が配管5e及び連絡流路12の各他端と接続しており、他端が配管5bの一端及び配管5cの他端と接続している。配管5eは、一端が風呂用加熱装置3の流入口3aと接続しており、他端が配管5dの一端及び連絡流路12の他端と接続している。配管5fは、一端が風呂用加熱装置3の流出口3bと接続しており、他端が配管5g、17aの各一端と接続している。
【0036】
配管5gは、一端が配管5fの他端及び配管17aの一端と接続しており、他端が第2流路切替弁19bと接続している。配管5hは、一端が第2流路切替弁19bと接続している。配管5hは第2流路切替弁19bから浴室Hに向かって延びている。そして、配管5hの他端は、
図2に示す給水具25の第1接続口251を通じて内部流路26aの一端と接続している。
【0037】
こうして、
図1に示すように、接続流路5は、給水具25、ひいては浴槽1と、風呂用加熱装置3とを接続している。つまり、風呂用加熱装置3は接続流路5に設けられている。また、接続流路5では、配管5a、5b、5d、5eによって給水具25と風呂用加熱装置3の流入口3aとが接続されており、配管5f、5g、5hによって給水具25と風呂用加熱装置3の流出口3bとが接続されている。これにより、配管5a、5b、5d、5eは第1接続流路51を構成しており、配管5f、5g、5hは第2接続流路52を構成している。
【0038】
給水流路11は配管11aと配管11bとによって構成されている。配管11aは、一端が給水源Wと接続しており、他端が給湯用加熱装置9の流入口9aと接続している。配管11bは、一端が住宅内のキッチン(図示略)等と接続しており、他端が給湯用加熱装置9の流出口9bと接続している。こうして、給湯用加熱装置9は給水流路11に設けられている。
【0039】
連絡流路12は、接続流路5と給水流路11との間に配置されている。連絡流路12は、一端が配管11bと接続しており、他端が配管5dの一端及び配管5eの他端と接続している。これにより、連絡流路12は、接続流路5と給水流路11とを接続している。なお、接続流路5及び給水流路11と同様、連絡流路12は配管によって構成されている。
【0040】
第1開閉弁13は連絡流路12に設けられている。第1開閉弁13は、開状態となることにより連絡流路12を開放する。一方、第1開閉弁13は、閉状態となることにより連絡流路12を閉鎖する。
【0041】
こうして、水供給手段S1では、接続流路5、給水流路11及び連絡流路12によって、浴槽1の給水具25、ひいては浴室Hと、給水源Wとを接続している。また、第1開閉弁13は、開状態となって連絡流路12を開放することにより、連絡流路12を通じて給水流路11から接続流路5へ水が流通することを許容する。一方、第1開閉弁13は、閉状態となって連絡流路12を閉鎖することにより、連絡流路12を通じて給水流路11から接続流路5へ水が流通することを禁止する。なお、図示を省略するものの、配管12には、接続流路5から給水流路11へ水が流通することを防止する逆止弁が設けられている。
【0042】
ポンプ7は配管5eに設けられている。つまり、ポンプ7は接続流路5に設けられている。ポンプ7は作動することによって接続流路5で水を流通させることが可能となっている。なお、ポンプ7は配管5fに設けられても良い。
【0043】
水蒸気発生装置15は周知の構成を採用している。詳細な図示を省略するものの、水蒸気発生装置15は内部に流入させた水を加熱することにより、水蒸気を発生させることが可能となっている。水蒸気発生装置15は内部に水を流入させるための流入口15aを有している他、発生させた水蒸気を流出させる流出口15bを有している。
【0044】
バイパス流路17は配管17a~17dによって構成されている。配管17aは、一端が配管5fの他端及び配管5gの一端と接続しており、他端が水蒸気発生装置15の流入口15aと接続している。配管17bは、一端が水蒸気発生装置15の流出口15bと接続しており、他端が第3流路切替弁21bと接続している。配管17cは、一端が第3流路切替弁21bと接続しており、他端が送風ファン21aと接続している。配管17dは、一端が第3流路切替弁21bと接続しており、他端が第1流路切替弁19aと接続されている。なお、送風ファン21a及び第3流路切替弁21bについての詳細は後述する。
【0045】
バイパス流路17は、第1流路切替弁19a及び第2流路切替弁19bを通じて、接続流路5、ひいては水供給手段S1と接続している。より具体的には、バイパス流路17は、配管17d及び第1流路切替弁19aを通じて接続流路5の配管5a、すなわち第1接続流路51と接続している。また、バイパス流路17は、配管17aを通じて接続流路5の配管5f、5g、すなわち第2接続流路52と接続している。
【0046】
ここで、上述のように、接続流路5では、配管5aが給水具25と接続している。このため、バイパス流路17の配管17dが配管5aと接続することにより、配管5a、配管17d及び配管17bを通じて給水具25と水蒸気発生装置15とが接続している。
【0047】
切替ユニット19は、上述の第1流路切替弁19a及び第2流路切替弁19bと、第2開閉弁19cとによって構成されている。第1流路切替弁19aは、配管5aと配管5bとを連通しつつ、配管5a、5bと配管17dとを非連通とする場合と、配管5aと配管17dとを連通しつつ、配管5a、17dと配管5bとを非連通とする場合と、配管5a、5b、17dを互いに非連通とする場合とを切り替え可能となっている。
【0048】
第2流路切替弁19bは、配管5gと配管5hとを連通しつつ、配管5g、5hと配管5cとを非連通とする場合と、配管5gと配管5cとを連通しつつ、配管5g、5cと配管5hとを非連通とする場合と、配管5cと配管5hとを連通しつつ、配管5c、5hと配管5gとを非連通とする場合と、配管5c、5g、5hを互いに非連通とする場合とに切替可能となっている。
【0049】
第2開閉弁19cは配管17aに設けられている。第2開閉弁19cは、開状態となることにより配管17aを開放する。これにより、第2開閉弁19cは、配管5fから配管17aへ水が流通することを許容する。一方、第2開閉弁19cは、閉状態となることにより配管17aを閉鎖する。これにより、第2流路切替弁19bは、配管5fから配管17aへ水が流通することを禁止する。
【0050】
外気供給装置21は、上述の送風ファン21a及び第3流路切替弁21bによって構成されている。送風ファン21aは、配管17cと接続されることによりバイパス流路17に設けられている。送風ファン21aは、屋外、つまり住宅の外部と連通している。なお、送風ファン21aに換えて送風ポンプを採用しても良い。
【0051】
第3流路切替弁21bは、配管17cと配管17dとを連通しつつ、配管17c、17dと配管17bとを非連通とする場合と、配管17bと配管17dとを連通しつつ、配管17b、17dと配管17cとを非連通とする場合と、配管17b、17c、17dを互いに非連通とする場合とを切り替え可能となっている。
【0052】
外気供給装置21では、送風ファン21aがバイパス流路17の配管17c及び17dと、接続流路5の配管5aとを通じて給水具25と接続している。そして、外気供給装置21では、送風ファン21aが作動し、かつ、第3流路切替弁21bが配管17cと配管17dとを連通することにより、屋外の空気である外気を配管17c、17d、5a及び給水具25を通じて浴槽1内、ひいては浴室Hに向けて流通させる。
【0053】
制御装置23は、リモコン23aと装置本体23bとで構成されている。リモコン23aは、浴室H内に設けられている。リモコン23aは、操作部231と表示部232とを有している。操作部231を通じて入浴者10は浴室システム100の操作が可能となっている。具体的には、入浴者10は、操作部231を操作することにより、スチーム浴運転、水浴運転、外気浴運転、第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転を選択可能となっている。表示部232には、入浴者10の現在の身体情報が表示される。
【0054】
また、リモコン23aは、生体センサ2と通信可能に接続されている。生体センサ2は、入浴者10の腕部や脚部等の身体に装着可能となっている。生体センサ2は、入浴者10に装着された状態で入浴者10の身体情報を随時検出する。この身体情報は、具体的には入浴者10の体温及び心拍数である。生体センサ2は、検出した入浴者10の体温及び心拍数を随時リモコン23aに向けて送信する。
【0055】
装置本体23bは、浴室Hの外部に設けられている。詳細な図示を省略するものの、装置本体23bは、CPU、RAM及びROM等の半導体によって構成されている。装置本体23bは、リモコン23aと通信可能に接続されている。これにより、装置本体23bは、生体センサ2が検出した入浴者10の体温及び心拍数を取得可能となっている。また、装置本体23bは、取得した入浴者10の心拍数を基に入浴者10の運動強度を算出可能となっている。具体的には、装置本体23bは以下の計算式によって入浴者10の運動強度を算出する。
運動強度(%)=現在の1分間当たりの心拍数÷最大心拍数×100
【0056】
ここで、装置本体23bは、基準値として220を設定し、この基準値から入浴者10の年齢を引くことによって入浴者10の最大心拍数を決定する。このため、例えば入浴者10が30歳である場合、装置本体23bは、220から30を引いた値である190を入浴者10の最大心拍数とする。これにより、装置本体23bは、30歳の入浴者10について、現在の1分間当たりの心拍数が80である場合、運動強度は約42%と算出する。なお、装置本体23bは、異なる計算式によって運動強度を算出したり、入浴者10の最大心拍数を決定したりしても良い。
【0057】
さらに、装置本体23bは、第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転において、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転をこの順番で自動的に実行する。また、装置本体23bは、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の順番で実行することを1回の運転サイクルとしている。そして、装置本体23bには、第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転において実行される運転サイクルの回数である設定回数が予め設定されている。これにより、第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転では、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転がこの順番で設定回数分繰り返して実行される。ここで、本実施例では、設定回数として4回が設定されている。なお、設定回数は適宜設定可能であり、第1サウナ浴運転と第2サウナ浴運転とで設定回数が異なっていても良い。
【0058】
また、装置本体23bには、スチーム浴設定時間と、水浴設定量と、外気浴設定時間とが予め設定されている。スチーム浴設定時間は、スチーム浴運転を単独で行う際の実行時間である。水浴設定量は、水浴運転で浴槽1に貯留される水の量である。外気浴設定時間は、外気浴運転を単独で行う際の実行時間である。なお、これらのスチーム浴設定時間、水浴設定量及び外気浴設定時間は適宜設定可能である。
【0059】
さらに、装置本体23bには、第1設定時間と、サウナ用水浴設定量と、第2設定時間と、第3設定時間とが予め設定されている。第1設定時間は、第2サウナ浴運転において1回の運転サイクルでのスチーム浴運転の実行時間である。サウナ用水浴設定量は、1回の運転サイクルにおける水浴運転で浴槽1に貯留される水の量である。第2設定時間は、水浴運転によって浴槽1に貯留された水に入浴する時間、すなわち、水浴運転に基づく水風呂の実行時間である。第3設定時間は第2サウナ浴運転において、1回の運転サイクルでの外気浴運転の実行時間である。ここで、本実施例では、具体的には、第1設定時間として10分が設定されており、第2設定時間として2分が設定されており、第3設定時間として4分が設定されている。なお、これらの第1~3設定時間についても適宜設定可能である。また、第1設定時間とスチーム浴設定時間とは等しくても異なっていても良く、第3設定時間と外気浴設定時間とは等しくても異なっていても良い。さらに、1回の運転サイクルにおける水浴運転でのサウナ用水浴設定量は、水浴運転を単独で行う場合の水浴設定量と等しくても良く、異なっていても良い。
【0060】
以上のように構成された浴室システム100では、装置本体23bが風呂用加熱装置3、給湯用加熱装置9及びポンプ7等に通電を行いつつ、風呂用加熱装置3、給湯用加熱装置9及びポンプ7等の各作動制御を行う。これにより、装置本体23bは、リモコン23aを通じて入浴者10が選択したスチーム浴運転、水浴運転、外気浴運転、第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転を実行する。以下、具体的に説明する。なお、第1サウナ浴運転以外を行う場合には、入浴者10は必ずしも生体センサ2を身体に装着する必要はない。
【0061】
<スチーム浴運転>
スチーム浴運転を実行するに当たっては、装置本体23bは、
図3に示すように、水蒸気発生装置15を作動させるとともに、第1開閉弁13及び第2開閉弁19cをそれぞれ開状態とする。また、装置本体23bは、給湯用加熱装置9、風呂用加熱装置3、ポンプ7及び送風ファン21aをそれぞれ停止させる。
【0062】
さらに、装置本体23bは、第1流路切替弁19aについて、配管5aと配管17dとを連通しつつ配管5a、17dと配管5bとを非連通とし、第2流路切替弁19bについて、配管5c、5g、5hを互いに非連通とする。また、装置本体23bは、第3流路切替弁21bについて、配管17bと配管17dとを連通しつつ配管17b、17dと配管17cとを非連通とする。
【0063】
これらにより、
図3の黒色矢印で示すように、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されることなく、配管11b内から連絡流路12内を流通して接続流路5に至る。そして、接続流路5に至った水は、配管5e内から、風呂用加熱装置3、配管5f内、配管5g内、配管5c内及び配管5d内の順で流通する。ここで、第2開閉弁19cが開状態であるため、配管5g内を流通する水は、全て配管17a内を流通して水蒸気発生装置15に至る。この際、本実施例では、1分間当たり約0.1リットルの水が水蒸気発生装置15に供給される。なお、水蒸気発生装置15に供給される水量は適宜設計可能である。
【0064】
そして、水蒸気発生装置15において水は加熱されて水蒸気となる。この水蒸気は、流出口15bから配管17b内、配管17d内及び配管5a内の順に流通する。こうして、
図4に示すように、配管5aを経て給水具25に至った水蒸気は、内部流路26b内及び内部流路26d内の順に流通する。この際、内部流路26d内を流通する水蒸気は、香料カートリッジ29において檜の香料が付加されつつノズル28に向かって流通する。こうして、檜の香料が付加された水蒸気はノズル28から浴槽1内に供給される。なお、浴槽1内に供給される水蒸気の量は、水蒸気発生装置15内に設けられた図示しない流量調整弁によって適宜調整される。
【0065】
このように、スチーム浴運転では、第1流路切替弁19aが配管5aと配管17dとを連通するとともに、第2開閉弁19cが開状態となる。このため、配管5g、ひいては第2接続流路52からバイパス流路17に水が流通することが許容される。また、配管5a、ひいては第1接続流路51と給水具25とを介して水蒸気を浴槽1内に供給することが許容される。
【0066】
また、
図3に示すように、スチーム浴運転時には、蓋材1aによって浴槽1を上方から覆うことにより、水蒸気を浴槽1内に充満させる。そして、入浴者10は、水蒸気が充満した状態にある浴槽1内に入ることにより、スチーム浴を行うことが可能となっている。なお、スチーム浴運転は、上述のスチーム浴設定時間が経過することによって終了する他、入浴者10がリモコン23aを通じて任意に終了させることができる。
【0067】
また、スチーム浴運転では、第3流路切替弁21bが配管17b、17dと配管17cとを非連通としているため、バイパス流路17を流通する水蒸気が送風ファン21aに向かって流通することがない。
【0068】
<水浴運転>
水浴運転を実行するに当たっては、装置本体23bは、
図5に示すように、第1開閉弁13を開状態とする。また、装置本体23bは、給湯用加熱装置9、風呂用加熱装置3、ポンプ7、水蒸気発生装置15及び送風ファン21aをそれぞれ停止させるとともに、第2開閉弁19cを閉状態とする。
【0069】
さらに、装置本体23bは、第1流路切替弁19aについて、配管5a、5b、17dを互いに非連通とし、第2流路切替弁19bについて、配管5gと配管5hとを連通しつつ配管5g、5hと配管5cとを非連通とする。また、装置本体23bは、第3流路切替弁21bについて、配管17b、17c、17dを互いに非連通とする。また、装置本体23bは、浴槽1に設けられた排水栓(図示略)を閉栓状態とする。なお、装置本体23bは、リモコン23aの表示部232を通じて入浴者10に排水栓を閉栓状態とする旨の案内を行うことにより、排水栓の閉栓動作は入浴者10自身が行っても良い。
【0070】
これらにより、
図5の黒色矢印で示すように、給水流路11では、給水源Wから供給された水が給湯用加熱装置9によって加熱されることなく、配管11b内から連絡流路12内を流通して接続流路5に至る。
【0071】
このようにして接続流路5に至った水は、配管5e内、風呂用加熱装置3、配管5f内、配管5g内及び配管5h内を順に流通する。そして、
図6に示すように、配管5hを経て給水具25に至った水は、内部流路26a内を流通し、供給口250から浴槽1内に供給される。このため、浴槽1内には、給湯用加熱装置9によって加熱されていない低温の水が貯留される。
【0072】
こうして、水浴運転では、入浴者10は、浴槽1内において、低温の水に浸かることが可能となっている。つまり、水浴運転を行うことにより、浴槽1内に低温の水が張られた「水風呂」を行うことができる。ここで、入浴者10が水に浸かっている間を含め、水浴運転は蓋材1aによって浴槽1を上方から覆った状態で行う。また、水浴運転は、浴槽1内の水が上述の水浴設定量に到達することによって終了する他、入浴者10がリモコン23aを通じて任意に終了させることができる。なお、水浴運転は、装置本体23bに設けられた水浴設定時間が経過することによって終了させても良い。また、蓋材1aによって浴槽1を覆うことなく水浴運転を行っても良い。
【0073】
<外気浴運転>
外気浴運転を実行するに当たっては、装置本体23bは、
図7に示すように、送風ファン21aを作動させる一方、給湯用加熱装置9、風呂用加熱装置3、ポンプ7及び水蒸気発生装置15をそれぞれ停止させる。また、装置本体23bは、第1開閉弁13及び第2開閉弁19cをそれぞれ閉状態とする。
【0074】
さらに、装置本体23bは、第1流路切替弁19aについて、配管5aと配管17dとを連通しつつ配管5a、17dと配管5bとを非連通とし、第2流路切替弁19bについて、配管5c、5g、5hを互いに非連通とする。また、装置本体23bは、第3流路切替弁21bについて、配管17cと配管17dとを連通しつつ配管17c、17dと配管17bとを非連通とする。
【0075】
これらにより、
図7の白色矢印で示すように、送風ファン21aによって外気が配管17c内、17d内及び配管5a内の順で流通して給水具25に至る。こうして、給水具25に至った外気は、スチーム浴運転時における水蒸気と同様、内部流路26b内及び内部流路26d内の順に流通する(
図4参照)。ここで、内部流路26b内を流通する外気についても、水蒸気と同様に、香料カートリッジ29において檜の香料が付加されつつノズル28に向かって流通し、ノズル28から浴槽1内に供給される。
【0076】
また、
図7に示すように、外気浴運転時にも、蓋材1aによって浴槽1を上方から覆う。これにより、外気浴運転では、入浴者10は、浴槽1内において、檜の香料が付加された外気を浴びることが可能となっている。ここで、外気浴運転において、装置本体23bは、所定の周期で送風ファン21aの回転数を変化させるとともに、送風ファン21aの作動と停止と繰り返す。これにより、外気浴運転時には、浴槽1内に供給される外気の供給量が所定の周期で変化するようになっている。なお、本実施例では、装置本体23bは、送風ファン21aの回転数を15秒周期で変化させる。この外気浴運転は上述の外気浴設定時間が経過することによって終了する他、入浴者10がリモコン23aを通じて任意に終了させることができる。
【0077】
<第1サウナ浴運転>
第1サウナ浴運転を実行するに当たっては、入浴者10は、
図1等に示すように身体に生体センサ2を装着しつつ浴槽1内で待機する。これにより、生体センサ2は、入浴者10の体温及び心拍数の検出を開始する。そして、装置本体23bは、
図8及び
図9に示す制御フローに沿って第1サウナ浴運転を実行する。
【0078】
第1サウナ浴運転を実行することにより、装置本体23bは、生体センサ2が検出した入浴者10の体温及び心拍数に基づいて、入浴者10の体温及び心拍数の取得を開始する(
図8のステップS101)。そして、装置本体23bは、入浴者10の体温及び心拍数の取得を開始した直後の入浴者10の体温及び心拍数について、それぞれ初期体温及び初期心拍数として記憶する(ステップS102)。さらに、装置本体23bは、記憶している運転サイクル数をリセットし、現在の運転サイクル数を1回とする(ステップS103)。
【0079】
また、装置本体23bは、入浴者10の現在の体温、つまり、スチーム浴運転の開始前の入浴者10の体温を取得し、この体温をスチーム浴前体温として記憶する(ステップS104)。そして、装置本体23bは、スチーム浴運転を開始する(ステップS105)。また、装置本体23bは、生体センサ2が検出する入浴者10の体温及び心拍数を参照し、スチーム浴運転中の入浴者10の体温及び心拍数を随時記憶する。さらに、装置本体23bは、取得した心拍数からスチーム浴運転が実行されている間における1分間当たりの入浴者10の心拍数を算出する。そして、装置本体23bは、上述の計算式と、スチーム浴運転が実行されている間における1分間当たりの入浴者10の心拍数とを基に、スチーム浴運転が実行されている間の入浴者10の運動強度を算出する(ステップS106)。
【0080】
次に、装置本体23bは、スチーム浴運転が実行されている間において、入浴者10の体温がステップS104で記憶したスチーム浴前体温から0.6°C以上上昇している否か、又は、運動強度が66%以上となっているか否かを判断する(ステップS107)。ここで、入浴者10の体温がスチーム浴前体温から0.6°C以上上昇しておらず、又は、運動強度が66%以上となっていなければ(ステップS107:NO)、装置本体23bはスチーム浴運転を継続する。
【0081】
一方、入浴者10の体温がスチーム浴前体温から0.6°C以上上昇していたり、又は、運動強度が66%以上となっていたりすれば(ステップS107:YES)、装置本体23bはスチーム浴運転を終了する(ステップS108)。
【0082】
次に、装置本体23bは、水浴運転を開始する(ステップS109)。ここで、第1サウナ浴運転時における水浴運転においても、開始時に装置本体23b又は入浴者10は排水栓を閉栓状態にする。これにより、浴槽1内に非加熱の水が供給され、入浴者10はその水に浸かることになる。
【0083】
また、装置本体23bは、水浴運転中、つまり、浴槽1内に貯留された低温の水に浸かっている間における入浴者10の体温及び心拍数についても随時記憶する。さらに、装置本体23bは、取得した心拍数から水浴運転が実行されている間における1分間当たりの入浴者10の心拍数を算出する。そして、装置本体23bは、上述の計算式と、水浴運転が実行されている間における1分間当たりの入浴者10の心拍数とを基に、水浴運転が実行されている間の入浴者10の運動強度を算出する(ステップS110)。
【0084】
これにより、装置本体23bは、水浴運転が実行されている間において、運動強度が50%以下となっているか否かを判断する(ステップS111)。ここで、運動強度が50%を超えていれば(ステップS111:NO)、装置本体23bは水浴運転を継続する。一方、運動強度が50%以下となっていれば(ステップS111:YES)、装置本体23bは水浴運転を終了する(ステップS112)。また、装置本体23bは、水浴運転の終了に伴い、水浴運転の開始時(ステップS109)に閉じた排水栓を開くことにより、水浴運転時に浴槽1内に供給された水を排出する。なお、装置本体23bは、リモコン23aの表示部232を通じて入浴者10に排水栓を開栓状態とする旨の案内を行うことにより、排水栓の開栓動作は入浴者10自身が行っても良い。
【0085】
また、ステップS111において、運動強度が50%以下となる前に浴槽1内に供給される水量がサウナ用水浴設定量に到達した場合、装置本体23bは、浴槽1内への水の供給を停止しつつ、運動強度が50%以下となるまでは第1サウナ浴運転としての水浴運転として動作を継続する。すなわち、浴槽1内への水の供給から入浴者10が浴槽1内の水に浸かっている状態が継続される間を第1サウナ浴運転としての水浴運転ということができる。
【0086】
次に、装置本体23bは、外気浴運転を開始する(
図9のステップS113)。また、装置本体23bは、外気浴運転中の入浴者10の体温及び心拍数についても随時記憶する。さらに、装置本体23bは、取得した心拍数から外気浴運転が実行されている間における1分間当たりの入浴者10の心拍数を算出する。そして、装置本体23bは、外気浴運転が実行されている間の入浴者10の1分間当たりの心拍数と、初期心拍数との比較を行う。
【0087】
これにより、装置本体23bは、外気浴運転が実行されている間において、入浴者10の1分間当たりの心拍数の増減が初期心拍数に対して10回以内となっているか否かを判断する(ステップS114)。ここで、入浴者10の1分間当たりの心拍数の増減が初期心拍数に対して10回を超えている場合(ステップS114:NO)には、装置本体23bは外気浴運転を継続する。
【0088】
一方、入浴者10の1分間当たりの心拍数の増減が初期心拍数に対して10回以内となっていれば(ステップS114:YES)、装置本体23bは外気浴運転を終了する(ステップS115)。
【0089】
次に、装置本体23bは、外気浴運転が終了した段階での入浴者10の体温、つまり、入浴者10の現在の体温が初期体温から1.8°C以上上昇しているか否か、又は、現在の運転サイクル数が設定回数である4回に達しているか否かを判断する(ステップS116)。
【0090】
ここで、外気浴運転が終了した段階での入浴者10の体温が初期体温から1.8°C以上上昇しておらず、また、現在の運転サイクル数が設定回数にも達していない場合(ステップS116:NO)には、装置本体23bは現在の運転サイクル数に1を追加しつつ、この運転サイクル数を記憶する(ステップS117)。そして、装置本体23bは
図8に示すステップS104以降の処理を再び開始する。つまり、装置本体23bは、第1サウナ浴運転を終了させずに新たな運転サイクルを開始する。
【0091】
一方、外気浴運転が終了した段階での入浴者10の体温が初期体温から1.8°C以上上昇していたり、現在の運転サイクル数が設定回数に達していたりした場合(
図9のステップS116:YES)には、装置本体23bは第1サウナ浴運転を終了する。つまり、外気浴運転まで終了した段階での入浴者10の体温が初期体温から1.8°C以上上昇している場合には、たとえ運転サイクル数が設定回数に達していなくて装置本体23bは第1サウナ浴運転を終了させる。また、外気浴運転まで終了した段階での入浴者10の体温が初期体温から1.8°C以上上昇していない場合であっても、運転サイクル数が設定回数に達していれば装置本体23bは第1サウナ浴運転を終了させる。なお、ステップS116における装置本体23bの判断に依ることなく、入浴者10はリモコン23aを通じて任意に第1サウナ浴運転を終了させることもできる。
【0092】
<第2サウナ浴運転>
第2サウナ浴運転では、装置本体23bは、
図10に示す制御フローに沿ってスチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転をそれぞれ実行する。
【0093】
入浴者10によって第2サウナ浴運転が選択されることにより、まず初めに装置本体23bは、記憶している運転サイクル数をリセットし、現在の運転サイクル数を1回とする(ステップS201)。そして、装置本体23bは、スチーム浴運転を開始する(ステップS202)。このスチーム浴運転は、第1設定時間である10分が経過するまで継続される(ステップS203:NO)。そして、第1設定時間が経過すれば(ステップS203:YES)、装置本体23bは、スチーム浴運転を終了する(ステップS204)。
【0094】
次に、装置本体23bは、水浴運転を開始する(ステップS205)。この際も装置本体23b又は入浴者10は排水栓を閉栓状態にする。この水浴運転は、浴槽1内の水がサウナ用水浴設定量に達するまで継続される(ステップS206:NO)。そして、サウナ用水浴設定量に到達すれば(ステップS206:YES)、装置本体23bは、水浴運転を終了する(ステップS107)。
【0095】
これにより、水風呂が開始され(ステップS208)、入浴者10は水風呂に入浴する。この水風呂は、第2設定時間である2分が経過するまで行われる(ステップS209:NO)。一方、第2設定時間が経過すれば(ステップS209:YES)、装置本体23bは、水浴運転の開始時に閉じた排水栓を開くことにより、水浴運転時に浴槽1内に供給された水を排出する。こうして、装置本体23bは水風呂を終了させる(ステップS210)。このように、浴槽1内への水の供給から入浴者10が浴槽1内の水に浸かっている状態が継続される間を第2サウナ浴運転としての水浴運転ということができる。なお、水風呂を終了する際の排水栓の開栓動作についても入浴者10自身が行っても良い。
【0096】
次に、装置本体23bは、外気浴運転を開始する(ステップS211)。この外気浴運転は、第3設定時間である4分が経過するまで継続される(ステップS212:NO)。そして、第3設定時間が経過すれば(ステップS212:YES)、装置本体23bは、外気浴運転を終了する(ステップS213)。
【0097】
このように外気浴運転まで終了した後、装置本体23bは現在の運転サイクル数を参照し、運転サイクル数が設定回数、すなわち4回に達しているか否か判断する(ステップS214)。ここで、現在の運転サイクル数が設定回数に達していなければ(ステップS214:NO)、装置本体23bは現在の運転サイクル数に1を追加しつつ、この運転サイクル数を記憶する(ステップS215)。そして、装置本体23bはステップS202以降の処理を再び開始する。つまり、装置本体23bは、第2サウナ浴運転を終了させずに新たな運転サイクルを開始する。
【0098】
一方、ステップS214において、現在の運転サイクル数が設定回数に達していれば(ステップS214:YES)、装置本体23bは第2サウナ浴運転を終了する。なお、運転サイクル数が設定回数に達していない場合であっても、入浴者10はリモコン23aを通じて任意に第2サウナ浴運転を終了させることができる。
【0099】
また、この浴室システム100では、リモコン23aは、これらのスチーム浴運転、水浴運転、外気浴運転、第1サウナ浴運転及び第2サウナ運転の他に、湯張り運転、追い焚き運転及び複合運転も選択可能となっている。そして、湯張り運転、追い焚き運転及び複合運転が選択された場合、装置本体23bは以下のようにして湯張り運転、追い焚き運転及び複合運転をそれぞれ実行する。
【0100】
湯張り運転では、装置本体23bは、給湯用加熱装置9を作動させつつ、第1開閉弁13等については、水浴運転時と同様に制御する(
図5参照)。これにより、湯張り運転では、給湯用加熱装置9によって加熱された水、つまり湯が水供給手段S1によって浴槽1内に供給されて浴槽1内に貯留される。
【0101】
追い焚き運転では、装置本体23bは、切替ユニット19によって接続流路5とバイパス流路17とを非連通としつつ、風呂用加熱装置3及びポンプ7をそれぞれ作動させる。これにより、接続流路5を通じて浴槽1内と風呂用加熱装置3との間で水が循環する。このため、追い焚き運転では、浴槽1内の水が風呂用加熱装置3によって加熱されて浴槽1内に再供給される。
【0102】
複合運転では、装置本体23bは、第2流路切替弁19bについて、配管5gと配管5hとを連通させつつ配管5g、5hと配管5cとを非連通とする。また、装置本体23bは、給湯用加熱装置9等については、スチーム浴運転時と同様に制御する(
図3参照)。これにより、複合運転では、配管5f内を流通する水の一部が配管17a内を流通する。そして、残りの一部の水が配管5g内から配管5h内を流通し、給水具25から浴槽1内に供給される。こうして、複合運転では、給水具25から浴槽1内に水蒸気と、給湯用加熱装置9で加熱された水とが同時に供給される。
【0103】
また、この浴室システム100において、スチーム浴運転、水浴運転、外気浴運転、第1サウナ浴運転、第2サウナ浴運転、湯張り運転、追い焚き運転及び複合運転のいずれも実行していない場合、
図1に示すように、装置本体23bは、第1流路切替弁19aについて、配管5a、5b、17dを互いに非連通とする。また、装置本体23bは、第2流路切替弁19bについて、配管5c、5g、5hを互いに非連通とし、第3流路切替弁21bについて、配管17b、17c、17dを互いに非連通とする。さらに、装置本体23bは、第1開閉弁13及び第2開閉弁19cをそれぞれ閉状態とする。これらにより、スチーム浴運転、水浴運転、外気浴運転、第1サウナ浴運転、第2サウナ浴運転、湯張り運転、追い焚き運転及び複合運転のいずれも実行していない場合において、接続流路5内の水やバイパス流路17の水蒸気等が不必要に浴槽1内に流入することが防止されている。
【0104】
このように、この浴室システム100では、入浴者10が第1サウナ浴運転又は第2サウナ浴運転を選択することにより、制御装置23は、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転をこの順番で行う。
【0105】
これにより、この浴室システム100では、入浴者10は、スチーム浴運転で浴槽1内に供給された水蒸気によって体温を上昇させた後、水浴運転で浴槽1内に供給された非加熱の水に浸かることによって体温を低下させることができる。そして、入浴者10は、外気浴運転で浴槽1内に供給された外気によって、体温の調整を行いつつ身体をリラックスさせることができる。
【0106】
したがって、実施例1の浴室システム100によれば、専用のサウナ施設でのサウナ浴に近い体験を浴室Hで簡易に実現できる。
【0107】
特に、この浴室システム100では、第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転において、装置本体23b、ひいては制御装置23は、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の順番で実行することを1回の運転サイクルとしている。そして、装置本体23bは、原則としてこの運転サイクルを設定回数である4回実行する。この点においても、この浴室システム100では、専用のサウナ施設でのサウナ浴に近い体験を浴室Hで簡易に実現可能となっている。
【0108】
また、第1サウナ浴運転では、装置本体23bは、生体センサ2を通じて取得した入浴者10の体温及び心拍数に基づいて、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転を終了させる。さらに、装置本体23bは、入浴者10の体温及び心拍数に基づくことで、運転サイクル数が設定回数に達していない場合であっても運転サイクル、つまり第1サウナ浴運転を終了させる。これらのため、この浴室システム100では、入浴者の身体の状態に応じて第1サウナ浴運転を適切に行うことができる。この結果、この浴室システム100では、第1サウナ浴運転でのスチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の各効果を高めつつも、第1サウナ浴運転時に入浴者10の身体に過度の負担が掛かることを防止できる。
【0109】
また、第1、2サウナ浴運転時におけるスチーム浴運転及び外気浴運転を含め、スチーム浴運転で浴槽1内に供給される水蒸気、及び、外気浴運転で浴槽1内に供給される外気には、檜の香料が付加されている。そして、専用のサウナ施設では、檜等の木材が用いられていることが一般的である。このため、檜の香料が付加された水蒸気及び外気が浴槽1内に供給されることにより、入浴者10は、専用のサウナ施設での雰囲気を疑似的に体験しつつ、第1、2サウナ浴運転時の他、単独でのスチーム浴運転及び外気浴運転時に高いリラックス効果を得ることが可能となっている。
【0110】
さらに、外気浴運転では、装置本体23bが浴槽1内に供給される外気の供給量を変化させるため、入浴者10は、浴槽1内、ひいては浴室H内に居ながらも、屋外の自然環境に近い雰囲気で外気を浴びることが可能となっている。
【0111】
また、水蒸気、水、外気はいずれも浴槽1内に供給されるため、水蒸気、水、外気が浴室H内に供給する場合に比べて、この浴室システム100では、水蒸気等の供給量を少なくしつつも、スチーム浴運転等を効果的に実行することが可能となっている。
【0112】
さらに、水蒸気、水、外気はいずれも給水具25から浴槽1内に供給される。このため、水蒸気、水、外気がそれぞれ別々の供給部材によって浴槽1内に供給される場合に比べて、この浴室システム100では、構成を簡素化することが可能となっている。
【0113】
また、この浴室システム100では、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転をそれぞれ単独で実行可能となっている。さらに、この浴室システム100では、湯張り運転及び複合運転も実行可能であるため、入浴者10は、給湯用加熱装置9で加熱されて浴槽1に貯留された湯に浸かる通常の入浴も可能となっている。特に、複合運転では、浴槽1内への水蒸気の供給と、浴槽1内の湯張りとを同時に行うことができる。このため、この浴室システム100では、浴槽1内に水がない状態でのスチーム浴(以下、「全身スチーム浴」という。)を行った後に、浴槽1内に入浴者10の半身程度が浸かる程度に加熱された水が貯留された状態でのスチーム浴(以下、「半身スチーム浴」という。)に変更するに当たって、浴槽1内への水蒸気の供給を途切れさせることなく全身スチーム浴から半身スチーム浴に移行することが可能となっている。さらに、この浴室システム100では、追い焚き運転も実行可能であるため、浴槽1内において入浴者10は好適な温度の湯に浸かることが可能となっている。これらのため、この浴室システム100は利便性が高くなっている。
【0114】
また、この浴室システム100では、スチーム浴運転時に、水蒸気発生装置15が給水源Wから供給された水を加熱して水蒸気とする。このため、例えば、水蒸気発生装置15が浴槽1内に貯留された水を加熱して水蒸気とする場合に比べて、水蒸気発生装置15内に入浴者10の老廃物等が侵入し難く、また、浴槽1内に供給される水蒸気の衛生も好適に担保できる。これらにより、この浴室システム100では、入浴者10が浴槽1内でスチーム浴を快適に行うことができる。なお、複合運転時における水蒸気についても同様である。
【0115】
(実施例2)
図11に示すように、実施例2の浴室システム200は、水供給手段S2と、水蒸気発生装置15と、バイパス流路43と、切替装置45と、外気供給装置22と、制御装置23とを備えている。この浴室システム200も住宅に用いられている。
【0116】
また、この浴室システム200では、浴室H内に浴槽1が設けられていない一方で、ベンチ6が設けられている。ベンチ6は入浴者10が着座可能となっている。また、この浴室システム200では、浴室Hに水供給口8aと、水蒸気供給口8bと、外気供給口8cとが設けられている。水供給口8a及び外気供給口8cとは、互いに異なる位置で浴室Hの側壁に配置されている。一方、水蒸気供給口8bは、浴室Hの天井に配置されている。なお、水供給口8a、水蒸気供給口8b及び外気供給口8cの各配置は適宜設計可能である。
【0117】
水供給手段S2は、配管41a~41dによって構成されている。配管41aは、一端が給水源Wと接続しており、他端が配管41bの一端と接続している。配管41bは、他端が住宅内のキッチン(図示略)等に接続されている。配管41cは、一端が配管41bと接続しており、他端が切替装置45と接続している。配管41dは、一端が切替装置45と接続している。配管41dは切替装置45から浴室Hに向かって延びている。そして、配管41dの他端は、水供給口8aと接続している。こうして、水供給手段S2は、水供給口8aを通じて浴室Hと給水源Wとを接続している。
【0118】
バイパス流路43は配管43aと配管43bとによって構成されている。配管43aは、一端が切替装置45と接続しており、他端が水蒸気発生装置15の流入口15aと接続している。配管43bは、一端が水蒸気発生装置15の流出口15bと接続している。配管43bは、水蒸気発生装置15から浴室Hに向かって延びている。そして、配管43bの他端は、水蒸気供給口8bと接続している。
【0119】
切替装置45は、配管41cと配管41dとを連通しつつ、配管41c、41dと配管43aとを非連通とする場合と、配管41cと配管43aとを連通しつつ、配管41c、43aと配管41dとを非連通とする場合と、配管41c、41d、43aを互いに非連通にする場合とを切り替え可能となっている。
【0120】
外気供給装置22は、送風ファン21aと外気流路47とによって構成されている。外気流路47は、一端が送風ファン21aと接続している。外気流路47は、送風ファン21aから浴室Hに向かって延びている。そして、外気流路47は、他端が外気供給口8cと接続している。
【0121】
また、この浴室システム200では、制御装置23の装置本体23bが水蒸気発生装置15、切替装置45及び送風ファン21aと通電可能に接続されている。この浴室システム200における他の構成は実施例1の浴室システム100と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0122】
以上のように構成された浴室システム200では、装置本体23bが水蒸気発生装置15等に通電を行いつつ、水蒸気発生装置15等の各作動制御を行う。これにより、装置本体23bは、リモコン23aを通じて入浴者10が選択したスチーム浴運転、水浴運転、外気浴運転、第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転を実行する。以下、具体的に説明する。なお、この浴室システム200においても、第1サウナ浴運転以外を行う場合には、入浴者10は必ずしも生体センサ2を身体に装着する必要はない。
【0123】
<スチーム浴運転>
スチーム浴運転を実行するに当たっては、装置本体23bは、
図12に示すように、水蒸気発生装置15を作動させる一方、送風ファン21aを停止させる。また、装置本体23bは、切替装置45について、配管41cと配管43aとを連通しつつ配管41c、43aと配管41dとを非連通とする。
【0124】
これらにより、
図12の黒色矢印で示すように、給水源Wから供給された水が配管41a内から配管41c内を順に流通し、さらに、この水は、配管41c内から配管43a内を流通することで水蒸気発生装置15に至る。
【0125】
そして、水蒸気発生装置15において水は加熱されて水蒸気となる。この水蒸気は、流出口15bから、配管43b内を流通し、水蒸気供給口8bから浴室H内に供給される。ここで、水蒸気供給口8bは浴室Hの天井に配置されているため、水蒸気は浴室Hの天井から供給されて浴室H内に充満する。こうして、この浴室システム200では、スチーム浴運転を実行することにより、入浴者10は浴室H内に充満した水蒸気によってスチーム浴を行うことができる。なお、この浴室システム200では、浴室Hに供給される水蒸気に対して檜の香料は付加されない。
【0126】
<水浴運転>
水浴運転を実行するに当たっては、装置本体23bは、
図13に示すように、水蒸気発生装置15及び送風ファン21aを停止させる。また、装置本体23bは、切替装置45について、配管41cと配管41dとを連通しつつ配管41c、41dと配管43aとを非連通とする。
【0127】
これらにより、
図13の黒色矢印で示すように、配管41a~41d、すなわち水供給手段S2によって、給水源Wから水が非加熱の状態で水供給口8aを通じて浴室H内に供給される。ここで、水供給口8aには噴霧ノズル(図示略)が設けられており、水供給口8aは、この噴霧ノズルを介して水を霧状に噴射しつつ浴室H内に供給する。こうして、この浴室システム200では、水浴運転によって入浴者10は非加熱かつ霧状の水を浴びることが可能となっている。
【0128】
<外気浴運転>
外気浴運転を実行するに当たっては、装置本体23bは、
図14に示すように、送風ファン21aを作動させる一方、水蒸気発生装置15を停止させる。また、装置本体23bは、切替装置45について、配管41c、41d、43aを互いに非連通とする。
【0129】
これらにより、
図14の白色矢印で示すように、送風ファン21aによって外気が外気流路47内を流通し、外気供給口8cから浴室H内に供給される。これにより、入浴者10は、浴室H内において、外気を浴びることが可能となっている。ここで、この浴室システム200でも、装置本体23bは、所定の周期で送風ファン21aの回転数を変化させるとともに、送風ファン21aの作動と停止と繰り返す。これにより、外気浴運転時には、浴室H内に供給される外気の供給量が所定の周期で変化するようになっている。一方、この浴室システム200では、外気に対して檜の香料を付加することなく、浴室H内に供給する。
【0130】
また、外気浴運転では、切替装置45について、配管41c、41d、43aを互いに非連通としている。このため、外気浴運転が行われている間に給水源Wからの水が浴室H内に供給されたり、水蒸気発生装置15に向かって流通したりすることはない。
【0131】
<第1サウナ浴運転・第2サウナ浴運転>
この浴室システム200でも、装置本体23bは、第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転において、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転の順番で実行することを1回の運転サイクルとしており、運転サイクルを設定回数分繰り返して実行する。これにより、この浴室システム200でも、装置本体23bは、実施例1の浴室システム100と同様に第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転をそれぞれ実行する。このため、この浴室システム200で第1サウナ浴運転を選択する場合、入浴者10は生体センサ2を装着する。
【0132】
また、この浴室システム200において第2サウナ浴運転を実行する場合、装置本体23bは、
図10に示すステップS206~ステップS208の処理を実行しない。また、装置本体23bは、ステップS210において水浴運転を終了させる。さらに、装置本体23bは、第2設定時間を第2サウナ浴運転における1回の運転サイクルでの水浴運転の実行時間とする。こうして、第2サウナ浴運転では、装置本体23bは、水浴運転を開始し(ステップS205)、第2設定時間である2分が経過すれば(ステップS209:YES)、水浴運転を終了する(ステップS210)。つまり、この浴室システム200では、第2サウナ浴運転としての水浴運転が行われ、浴室H内への水の供給が継続している間は、入浴者10は浴室H内で霧状の水を継続して浴びることができる。
【0133】
このように、この浴室システム200でも、入浴者10が第1サウナ浴運転又は第2サウナ浴運転を選択することにより、入浴者10は専用のサウナ施設でのサウナ浴に近い体験を浴室Hで簡易に実現できる。
【0134】
特に、この浴室システム200では、水浴運転において、非加熱の水が霧状で浴室H内に供給されるため、入浴者10は、霧状の水を浴びることにより、例えばスチーム浴運転等によって上昇した身体の熱を好適に下げることが可能となっている。
【0135】
また、この浴室システム200では、浴室H内に浴槽1が設けられておらず、このため、湯張り運転、追い焚き運転及び複合運転が行われないものの、実施例1の浴室システム100に比べて構成をより簡素化することが可能となっている。
【0136】
さらに、この浴室システム200では、給水源Wからの水、水蒸気及び外気がそれぞれ水供給口8a、水蒸気供給口8b及び外気供給口8cによって、別々に浴室H内に供給される。このため、この浴室システム200では、水、水蒸気及び外気について、それぞれ最適な位置で浴室H内に供給することが可能となっている。
【0137】
また、この浴室システム200では、水及び水蒸気とは異なる位置から外気が浴室H内に供給されることにより、浴室H内に供給される外気は水や水蒸気による湿気を帯び難くなっている。この浴室システム200における他の作用は実施例1の浴室システム100と同様である。
【0138】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0139】
例えば、実施例1の浴室システム100において、浴槽1内に供給される外気の温度調節が可能な温度調整装置を設けても良い。実施例2の浴室システム200についても同様である。
【0140】
また、実施例1の浴室システム100において、装置本体23bは、第1サウナ浴運転及び第2サウナ浴運転のいずれか一方を実行する構成としても良い。実施例2の浴室システム200についても同様である。
【0141】
また、実施例1の浴室システム100では、装置本体23bは、リモコン23aを通じて生体センサ2が検出した入浴者10の体温及び心拍数、すなわち入浴者10の身体情報を取得している。しかし、これに限らず、装置本体23bは、生体センサ2と直接通信可能に接続することにより、入浴者10の身体情報を取得しても良い。実施例2の浴室システム200についても同様である。
【0142】
また、実施例1の浴室システム100において、生体センサ2が入浴者10の体温又は心拍数の一方のみを検出することにより、装置本体23bは入浴者10の体温又は心拍数の一方のみを入浴者10の身体情報として取得しても良い。実施例2の浴室システム200についても同様である。
【0143】
また、実施例1の浴室システム100では、入浴者10に装着された生体センサ2が浴者10の身体情報を検出しているが、これに換えて、浴槽1やリモコン23bに非接触式のセンサを設け、このセンサによって浴者10の身体情報を検出しても良い。実施例2の浴室システム200についても同様である。
【0144】
また、実施例1の浴室システム100において、装置本体23bは、スチーム浴運転及び水浴運転を順番に実行する第1簡易サウナ運転の他、スチーム浴運転及び外気浴運転を順番に実行する第2簡易サウナ運転、及び、水浴運転及び外気浴運転を順番に実行する第3簡易サウナ運転等をさらに実行可能であっても良い。実施例2の浴室システム200についても同様である。
【0145】
また、実施例1の浴室システム100において、水浴運転時に配管5a内に水を流通させることにより、水が配管5a内から、給水具25の内部流路26c及び内部流路26dを経て、ノズル28から浴槽1内に供給される構成としても良い。
【0146】
また、実施例1の浴室システム100では、スチーム浴運転時及び外気浴運転時に水蒸気や外気に檜の香料を付加して浴槽1内に供給している。しかし、これに限らず、入浴者10の嗜好に応じて草花や果実等の香料を水蒸気や外気に付加して浴槽1内に供給しても良い。また、香料カートリッジ29を省略し、香料を付加せずに水蒸気や外気を浴槽1内に供給しても良い。
【0147】
また、実施例1の浴室システム100では、給水具25に香料カートリッジ29を設けているが、これに限らず、配管5aに香料付加装置を設けることにより、配管5a内を流通する水蒸気や外気に香料を付加しても良い。また、上述のように、水浴運転時に配管5a内に水が流通する場合には、香料付加装置が配管5a内を流通する水に香料を付加することにより、水浴運転時に香料が付加された水を浴槽1内に供給することも可能となる。さらに、香料付加装置は、配管5a内を流通する水蒸気、水及び外気に対して香料を付加する場合と付加しない場合とを切り替え可能であっても良い。これにより、第1、2サウナ浴運転時には配管5a内を流通する水蒸気、水及び外気に対して香料を付加する一方、スチーム浴運転、水浴運転及び外気浴運転をそれぞれ単独で実行している場合には、配管5a内を流通する水蒸気、水及び外気に対して香料を付加しないことも可能となる。また、入浴者10が所望する場合のみ水蒸気、水及び外気に対して香料を付加することも可能となる。
【0148】
また、実施例2の浴室システム200において、スチーム浴運転時に水蒸気に香料を付加して浴室H内に供給したり、水浴運転時に水に香料を付加して浴室H内に供給したり、外気浴運転時に外気に香料を付加して浴室H内に供給したりしても良い。
【0149】
また、実施例1の浴室システム100において、外気浴運転時に装置本体23bは、所定の周期で送風ファン21aの作動と停止とを繰り返すことのみによって、外気の供給量を変化させても良い。また、装置本体23bは、送風ファン21aの回転数を変化させることのみによって、外気の供給量を変化させても良い。さらに、装置本体23bは、外気浴運転時に常に一定の流量で外気を浴槽1内に供給しても良い。実施例2の浴室システム200についても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は住宅や介護施設等の浴室に利用可能である。
【符号の説明】
【0151】
1…浴槽
15…水蒸気発生装置
17、43…バイパス流路
S1、S2…水供給手段
21、22…外気供給装置
23…制御装置
25…給水具(供給部)
H…浴室
W…給水源