(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111909
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】プラント設備管理システム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
G05B23/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016628
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 寛明
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223BA03
3C223BB02
3C223BB12
3C223CC04
3C223DD03
3C223EA04
3C223EA06
3C223EB05
3C223FF14
3C223FF16
3C223FF27
3C223FF42
3C223GG01
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】プラント内で生じたトラブルの解決時間を短縮可能にするプラント設備管理システムを提供する。
【解決手段】実施形態は、管理する複数のフィールド機器の近傍で自己を識別するビーコン識別情報を発信するビーコンと、前記ビーコンから前記ビーコン識別情報を取得する携帯型コンピュータ端末と、前記携帯型コンピュータ端末と通信ネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ装置と、を備える。前記サーバ装置は、前記ビーコン識別情報、複数のフィールド機器識別情報および前記複数のフィールド機器のトラブル事例をそれぞれ含む複数のトラブル情報を含むデータベースを有する。前記ビーコン識別情報を取得した前記携帯型コンピュータ端末と前記サーバ装置とは、相互に通信して、前記データベースから所望のトラブル情報を抽出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理する複数のフィールド機器の近傍に配置され、自己を識別するビーコン識別情報を発信するビーコンと、
前記ビーコンとの通信接続を確立して、前記ビーコン識別情報を取得する携帯型コンピュータ端末と、
前記携帯型コンピュータ端末と通信ネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ装置と、
を備え、
前記サーバ装置は、前記ビーコン識別情報、前記ビーコン識別情報にそれぞれ関連付けられ、前記複数のフィールド機器をそれぞれ識別する複数のフィールド機器識別情報、および、前記複数のフィールド機器識別情報に関連付けられ、前記複数のフィールド機器のトラブル事例をそれぞれ含む複数のトラブル情報を含むデータベースを有し、
前記携帯型コンピュータ端末は、取得した前記ビーコン識別情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、受信した前記ビーコン識別情報に応じて前記データベースの情報を送信可能である旨を通知するプッシュ通知を前記携帯型コンピュータ端末に送信し、
前記携帯型コンピュータ端末は、前記プッシュ通知に応じて、前記データベースから前記複数のトラブル情報を抽出して送信する第1要求を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、受信した前記第1要求に応じて、前記複数のトラブル情報を抽出して前記携帯型コンピュータ端末に送信するプラント設備管理システム。
【請求項2】
前記データベースは、前記複数のフィールド機器の配置位置に応じて設定された第1エリアを識別する第1エリア識別情報および第2エリアを識別する第2エリア識別情報を有し、
前記第1エリアおよび前記第2エリアは、異なる領域に定義され、
前記第1エリア識別情報および前記第2エリア識別情報は、前記ビーコン識別情報にそれぞれ関連付けられ、
前記複数のフィールド機器の一部は、前記第1エリア識別情報に関連付けられ、
前記複数のフィールド機器の残りは、前記第2エリア識別情報に関連付けられ、
前記サーバ装置は、前記第1要求に応じて、前記第1エリア識別情報および前記第2エリア識別情報を前記携帯型コンピュータ端末に送信し、
前記携帯型コンピュータ端末は、受信した前記第1エリア識別情報および前記第2エリア識別情報のいずれかを選択すべき第2要求を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、受信した前記第2要求によって選択された情報に関連付けられた前記複数のトラブル情報の一部を送信する請求項1記載のプラント設備管理システム。
【請求項3】
前記データベースは、前記複数のトラブル情報から抽出されたテキストデータである複数のキーワードを含むキーワード情報を有し、
前記キーワード情報は、前記ビーコン識別情報に関連付けられ、
前記複数のフィールド機器のうち、前記キーワード情報を共有するフィールド機器は、前記キーワード情報に関連付けられ、
前記サーバ装置は、前記第1要求に応じて、前記キーワード情報を前記携帯型コンピュータ端末に送信し、
前記携帯型コンピュータ端末は、前記複数のキーワードを選択すべき第3要求を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、受信した前記第3要求によって選択された情報に関連付けられた前記複数のトラブル情報の一部を送信する請求項1記載のプラント設備管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プラント内に配置されたフィールド機器に関する情報を収集するプラント設備管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
操業中にプラント内で発生するトラブル頻度は少なくない。プラント内のトラブルには、生産システム全体を停止せざるを得ないようなレベルの故障から、設備の部分的な停止で短時間で回復できるレベルの故障まであるが、それらの故障原因はさまざまである。それらの故障原因を特定し、生産システムをいち早く正常状態に復帰させることは、プラントの損失を抑える上で重要である。以上のことから、トラブル発生時の解決時間を短縮したいとの強い要望がある。
【0003】
一般的に、プラント内に配置されたフィールド機器は、フィールド機器を制御・監視するための装置とネットワークを介して接続されており、フィールド機器の異常は、それを制御・監視する装置によって検知することが可能である。しかしながら、異常の検知が可能であっても、故障原因の特定および原因解決までには至らないことも多い。
【0004】
フィールド機器を異常から正常状態に復帰させるトラブル解決手順は、過去に発生したトラブルのたびに、現場作業員によって蓄積され、整理されている。しかし、故障原因および原因解決手順が記載された情報は、ノート等紙ベースで管理されていることが多く、即座に探し出すことが難しい。
【0005】
特許文献1には、フィールド機器の点検・保守を容易に行える設備点検システムを提供する技術が開示されている。特許文献1に開示された技術では、プラント内のフィールド機器ごとに固有の識別情報を発信するビーコンを取り付け、可搬型端末がビーコンに接近してビーコン固有の識別情報を受信した時に、フィールド機器の点検プログラムを起動し、現場作業員の保守・点検作業を支援する。
【0006】
特許文献2には、フィールド機器の処理データをメッセージと共に携帯端末に表示させるプラント設備の管理方法が開示されている。特許文献2では、プラント内のフィールド機器ごとに固有の識別情報を発信するビーコンを取り付け、携帯端末がビーコンに接近してビーコン固有の識別情報を受信した時に、フィールド機器の状態(温度・圧力・位置等)を携帯端末に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-162334号公報
【特許文献2】特開2018-085105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような周知の技術では、異常や事故を未然に防ぐことが目的とされていたり、プラント内のフィールド機器の状態を管理したりすることを実現するに過ぎず、実際に生じ得るトラブルの解決時間を短縮するものではない。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、プラント内で生じたトラブルの解決時間を短縮可能にするプラント設備管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、管理する複数のフィールド機器の近傍に配置され、自己を識別するビーコン識別情報を発信するビーコンと、前記ビーコンとの通信接続を確立して、前記ビーコン識別情報を取得する携帯型コンピュータ端末と、前記携帯型コンピュータ端末と通信ネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ装置と、を備える。前記サーバ装置は、前記ビーコン識別情報、前記ビーコン識別情報にそれぞれ関連付けられ、前記複数のフィールド機器をそれぞれ識別する複数のフィールド機器識別情報、および、前記複数のフィールド機器識別情報に関連付けられ、前記複数のフィールド機器のトラブル事例をそれぞれ含む複数のトラブル情報を含むデータベースを有する。前記携帯型コンピュータ端末は、取得した前記ビーコン識別情報を前記サーバ装置に送信する。前記サーバ装置は、受信した前記ビーコン識別情報に応じて前記データベースの情報を送信可能である旨を通知するプッシュ通知を前記携帯型コンピュータ端末に送信する。前記携帯型コンピュータ端末は、前記プッシュ通知に応じて、前記データベースから前記複数のトラブル情報を抽出して送信する第1要求を前記サーバ装置に送信する。前記サーバ装置は、受信した前記第1要求に応じて、前記複数のトラブル情報を抽出して前記携帯型コンピュータ端末に送信する。
【発明の効果】
【0011】
実施形態によれば、プラント内で生じたトラブルの解決時間を短縮可能にするプラント設備管理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係るプラント設備管理システムを例示する模式的なブロック図である。
【
図2】
図2(a)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムが適用されたプラントの一部を例示する模式的な平面図である。
図2(b)は、
図2(a)のIIb部の模式的な拡大図である。
【
図3】
図3(a)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるサーバ装置の機能を例示する模式図である。
図3(b)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるビーコンの機能を例示する模式図である。
図3(c)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるスマートデバイスの機能を例示する模式図である。
【
図4】第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるサーバ装置のデータベース機能の構成を例示する模式図である。
【
図5】第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるサーバ装置の入力データ機能を説明するための入力データ画面の例である。
【
図6】第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるスマートデバイスの画面表示機能を説明するための模式図である。
【
図7】第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの動作を説明するための模式的なフローチャートの例である。
【
図8】第2の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるサーバ装置のデータベース機能を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムを例示する模式的なブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るプラント設備管理システム100は、サーバ装置1と、ビーコン2と、スマートデバイス(携帯型コンピュータ端末)3と、を備える。ビーコン2は、プラント内のあらかじめ設定されたエリアA内に配置されたフィールド機器20-1~20-nの近傍に配置される。フィールド機器20-1~20-nとは、プラント内に設置された機器や装置の制御対象物等に関連する物理量、あるいはプラント内の特定箇所の物理量を計測する計測器やセンサをいい、たとえば、流量計や温度計等を含む。また、フィールド機器20-1~20-nは、プラント内の機器や装置を操作したり駆動したりするための操作機器を含み、たとえばポンプやモータ、バルブ等を含んでもよい。
【0015】
ビーコン2は、スマートデバイス3と相互に通信可能に接続される。
図1では、1台のビーコン2が配置されているが、後述するように、ビーコン2は、複数台であってもよく、あらかじめ設定された複数のエリアのそれぞれの近傍に配置される。複数のエリアが設定される場合には、互いのエリアは重複しないように設定されることが好ましく、このように設定することによって、ビーコン2によってエリアを区別することができる。
【0016】
スマートデバイス3は、通信ネットワークを介して、サーバ装置1と相互に通信可能に接続される。スマートデバイス3は、たとえば、可搬型または携帯型のコンピュータ端末であり、プラントの作業者が携帯することが可能であり、作業者とともにしてプラント内を移動可能である。スマートデバイス3は、たとえば、サーバ装置1との通信により、サーバ装置1にリクエストを送信し、リクエストに応じてサーバ装置1から送信されたデータをブラウジングすることができる。
【0017】
通信ネットワークは、無線通信ネットワークを含み、この例では無線LANルータ4を含んでいる。スマートデバイス3は1台に限らず、複数台設けられてもよく、複数台のスマートデバイス3は、複数人の作業者がそれぞれ携帯することが可能である。無線LANルータ4は、複数のスマートデバイス3をサーバ装置1と通信可能に接続する。なお、サーバ装置1および無線LANルータ4は、複数のスマートデバイス3が設けられた場合には、それぞれを識別して相互通信可能であるが、以下の説明では、特に断らない限り、1台のスマートデバイス3がサーバ装置1に接続されるものとする。
【0018】
サーバ装置1は、コンピュータ装置であり、たとえば、プラント内の操作室や電気室に配置される。サーバ装置1は、データベースを有している。サーバ装置1に格納されたデータベースは、ビーコン2が設置されたエリアに関する情報、そのエリアに配置されているフィールド機器20-1~20-nに関する情報およびフィールド機器20-1~20-nのそれぞれについてのトラブル事例・懸案事項に関する情報を含む。
【0019】
ビーコン2にはあらかじめ識別情報が付与される。ビーコン2は、自己の識別情報をスマートデバイス3に送信する。後に詳述するように、ビーコン2は、Bluetooth(登録商標)のような近距離無線通信プロトコルにしたがって、スマートデバイス3と通信可能である。スマートデバイス3がビーコン2の通信エリア内に入ることによって、ビーコン2とスマートデバイス3との接続が確立され、相互の通信が可能となる。
【0020】
サーバ装置1が有するデータベースでは、ビーコン2の識別情報にビーコン2が設置されたエリアA内に配置されたフィールド機器20-1~20-nの情報が関連付けられている。また、このデータベースには、フィールド機器20-1~20-nごとに、過去のトラブル事例や懸案事項に関する情報として、テキストデータや動画データ、画像データ等を関連付けることができる。
【0021】
作業者がスマートデバイス3を携帯しながら、ビーコン2に近づくと、ビーコン2は自己の識別情報をスマートデバイス3に送信し、スマートデバイス3は、受信したビーコン2の識別情報をサーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、データベースから受信した識別情報を検索し、検索された識別情報に関連付けられた情報を抽出する。作業者は、スマートデバイス3を操作して、サーバ装置1によって抽出された情報を選択し、受信する。サーバ装置1によって抽出され、スマートデバイス3が取得する情報は、識別情報を受信したビーコン2の近傍に配置されたフィールド機器20-1~20-nのトラブル事例や懸案事項に関する情報である。作業者は、取得したトラブル事例等を参照して、故障原因の特定等に関する作業をその場で開始することができる。
【0022】
本実施形態に係るプラント設備管理システム100の構成および動作について、より具体的に説明する。
まず、ビーコン2の配置について説明する。
図2(a)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムが適用されたプラントの一部を例示する模式的な平面図である。
図2(b)は、
図2(a)のIIb部の模式的な拡大図である。
本実施形態に係るプラント設備管理システム100は、
図2(a)に示すようなプラントに適用される。
図2(a)には、プラント内の1つの施設Fのマップが示されており、施設Fには、マシンM、操作室や電気・計装室のような部屋R1~R4が配置されている。部屋R1、R2とマシンMとの間には、安全通路P1が設けられ、部屋R3、R4とマシンMとの間には、安全通路P2が設けられている。作業者は、
図1に示したスマートデバイス3を携帯して、安全通路P1、P2を移動することができる。
【0023】
図2(a)の例では、マップ上での方向や位置を表すために、X軸およびY軸からなるXY座標軸が設けられている。マシンMおよび部屋R1~R4は、X軸およびY軸を含むXY平面上に配置され、安全通路P1、P2は、X軸に沿って設けられている。X軸およびY軸を方位に対応させて、マップ上のそれぞれの位置を特定するようにしてもよい。
【0024】
施設F内には、柱C1~C5が設けられている。柱C1、C3、C4は、マシンMの周囲に配置されている。柱C2は、部屋R1、R2の間に配置されている。柱C5は、部屋R3、R4の間に配置されている。
【0025】
ビーコン2は、
図2(a)の例では、柱C1に配置される。複数のビーコンを設ける場合には、他の柱C2~C5に配置することができる。ビーコン2は、柱に限らず、他の場所、たとえば部屋の壁面等に配置してももちろんかまわない。
【0026】
1つのビーコン2は、1つのエリアに対応し、その1つのエリアは、分割された複数のエリアを含むことができる。
図2(b)の例では、1つのビーコン2が、1つのエリアをさらに分割したエリアAA~ADをカバーすることを示している。サーバ装置1に格納されるデータベースには、エリアAA~エリアADごとに異なるフィールド機器の情報が関連付けられて格納される。たとえば、データベースでは、エリアAAには、n台のフィールド機器が配置され、エリアABには、m台のフィールド機器が配置され、エリアACには、k台のフィールド機器が配置され、エリアADには、p台のフィールド機器が配置されている。なお、分割されたエリアは、この例では4つとしたが、フィールド機器の位置を特定できれば4つに限らず、2つでも3つでも5つ以上でももちろんよく、分割せずに1つのエリアとしてもよい。たとえば、データベースにおいて、各エリアに実際のマップのデータのリンク等を関連付けることによって、分割されたエリアに属するフィールド機器のおおよその配置位置を知ることが可能になる。
【0027】
次に、サーバ装置1、ビーコン2およびスマートデバイス3それぞれの機能について説明する。
図3(a)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるサーバ装置の機能を例示する模式図である。
【0028】
図3(a)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるサーバ装置の機能を例示する模式図である。
図3(b)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるビーコンの機能を例示する模式図である。
図3(c)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるスマートデバイスの機能を例示する模式図である。
【0029】
図3(a)に示すように、サーバ装置1は、データベース機能15、入力データ機能16、Webサーバ機能17、API機能18およびプッシュ通知機能19を有する。
【0030】
データベース機能15は、サーバ装置1によって管理されるデータベースを表している。データベースは、サーバ装置1に設けられた記憶装置に格納されてもよいし、サーバ装置1の外部で通信ネットワークを介して接続された記憶装置やデータサーバ等に格納されてもよい。
【0031】
データベース機能15には、ビーコン2およびフィールド機器20-1~20-nが配置されたエリアを識別するための情報、フィールド機器20-1~20-nを識別するための情報およびフィールド機器20-1~20-nそれぞれの過去のトラブル事例・懸案事項に関する情報が格納される。データベース機能15では、これらの情報は、ビーコン2の識別情報に関連付けられてデータベースに格納される。
【0032】
入力データ機能16は、データベース機能15に各種情報を入力するための機能である。データベース機能15の情報は、入力データ機能16によってあらかじめ入力される。
【0033】
Webサーバ機能17は、データベース機能15から抽出された情報をWebブラウザで表示するために用いられる。後述するように、Webブラウザでブラウジングが可能なスマートデバイス3によって、サーバ装置1にアクセスするとスマートデバイス3は、Webサーバ機能17によって送信されたデータを表示することができる。
【0034】
API(アプリケーションインタフェース)機能18は、データベース機能15のデータベースから所望の情報を検索し、抽出するためのインタフェース機能である。
【0035】
プッシュ通知機能19は、サーバ装置1がスマートデバイス3からビーコン2の識別情報を受信に応答して、識別情報を受信した旨の通知をスマートデバイス3へ送信する機能である。ビーコン2の識別情報をデータベース中に発見した場合に、その旨の通知をスマートデバイス3に送信するようにしてもよい。
【0036】
図3(b)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるビーコンの機能を例示する模式図である。
ビーコン2は、Bluetooth通信機能21を有する。ビーコン2は、Bluetooth通信機能を有するスマートデバイス3が通信圏内に入った場合に、自動的に通信の接続が確立するようにあらかじめペアリング等の処理が行われている。Bluetooth通信機能21は、識別情報送信機能22を含んでいる。識別情報送信機能22は、ビーコン2にあらかじめ設定された識別情報をBluetoothプロトコルによって送信する機能である。
【0037】
ビーコン2は、ボタン型電池や乾電池等を電源にして動作する。ビーコン2の電池交換頻度を少なくするために、ビーコン2の通信規格には、Bluetoothの低電力版規格等を適用することが好ましい。また、本実施形態では、1台のビーコン2に複数のフィールド機器を対応させ、関連付けることができるので、広いプラント等であっても、少ない数のビーコンでより多くのフィールド機器を管理することができる。ビーコン2の管理との観点からすると、電池等の交換頻度が全体として少なくすることが可能になり、より高い生産性を実現することが可能になる。
【0038】
図3(c)は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるスマートデバイスの機能を例示する模式図である。
スマートデバイス3は、Bluetooth通信機能31、ビーコン通信機能33、リクエスト機能34および画面表示機能35を有する。
【0039】
Bluetooth通信機能31は、ビーコン検知機能32を含んでいる。Bluetooth通信機能31は、ビーコン検知機能32によって、ビーコン2の通信圏内に入った場合に、ビーコン2と通信を確立する。スマートデバイス3は、ビーコン通信機能33によって、ビーコンとの間で確立された通信により、ビーコン2からそのビーコン2の識別情報を取得する。
【0040】
リクエスト機能34は、サーバ装置1との通信を実行する機能である。リクエスト機能34は、サーバ装置1のWebサーバ機能17にアクセスして、所望のデータを要求する。スマートデバイス3は、画面表示機能35によって、サーバ装置1が抽出した情報をスマートデバイス3の画面に表示する。
【0041】
サーバ装置1が有するデータベース機能15の構成について説明する。
図4は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるサーバ装置のデータベース機能の構成を例示する模式図である。
図4に示すように、データベース機能15は、場所情報151、フィールド機器情報152およびトラブル事例・懸案事項情報153を含む。
【0042】
場所情報151は、ビーコン2の識別情報151aおよびエリア情報151bを含む。識別情報151aは、ビーコン2ごとにあらかじめ設定される。
図4の例では、1つのビーコン2について、1つの識別情報151aが与えられている。複数のビーコンが配置される場合には、複数のビーコンを識別できるように識別情報が設定される。
【0043】
エリア情報151bは、ビーコン2が配置された位置を表す情報であり、ビーコン2の識別情報に関連付けられる。この例では、エリア(A)~エリア(D)は、
図2(a)および
図2(b)に関連して説明したエリアAA~ADにそれぞれ対応する。エリア(A)~エリア(D)は、たとえば、
図1に示したXY座標で特定され、識別される。あるいは、エリア(A)~エリア(D)には、マップ情報のデータのリンクが設定され、各エリアが選択され、スマートデバイス3からリクエストが送信されると、サーバ装置1のWebサーバ機能17は、選択されたエリアのマップ情報のデータまたはそのリンクをスマートデバイス3に送信する。
【0044】
フィールド機器情報152は、エリア(A)~エリア(D)のそれぞれに配置されたフィールド機器を識別する情報である。この例では、フィールド機器(1)~フィールド機器(n)は、エリア(A)に関連付けられる。フィールド機器(1)~フィールド機器(n)は、
図1に示したフィールド機器20-1~20-nにそれぞれ対応する。また、
図4には示していないが、エリア(B)~エリア(D)についても、それぞれに対応するフィールド機器が関連付けられる。なお、エリアのマップ情報にフィールド機器の位置情報を含めるようにしてもよい。
【0045】
トラブル事例・懸案事項情報153は、フィールド機器ごとのトラブル事例および懸案事項に関する情報である。トラブル発生日時欄153aには、関連付けられたフィールド機器について、トラブルが発生した日時が入力されている。トラブル原因欄153bには、関連付けられたフィールド機器のトラブルの原因が入力されている。解決手順欄153cには、関連付けられたフィールド機器のトラブルの解決手順に関する情報が入力されている。懸案事項欄153dには、関連付けられたフィールド機器のトラブルに関する懸案事項に関する情報が入力されている。これら各欄の情報は、たとえば、テキストデータで入力されている。動画・画像データ欄153eには、関連付けられたフィールド機器に関する動画や画像データが入力、あるいは、動画データ等が所在するリンクが入力されている。
【0046】
上述のデータベースには、あらかじめ各情報が入力されている。これらの情報の入力には、サーバ装置1の入力データ機能16が用いられる。
図5は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるサーバ装置の入力データ機能を説明するための入力データ画面の例である。
図5には、サーバ装置1の入力データ機能16を表す入力データ画面161が示されている。サーバ装置1の操作者は、サーバ装置1に入力データ機能16により、入力データ画面161を表示して、データベースの各情報を入力する。
【0047】
図5に示すように、入力データ画面161には、フィールド機器情報表示欄161aおよび入力データ欄161bが表示される。フィールド機器情報表示欄161aには、フィールド機器の識別情報が表示される。フィールド機器の識別情報は、たとえば、フィールド機器の型番や機能等を表すテキストデータである。この例では、n台のフィールド機器の識別情報が表示され、いずれかを選択(クリック)すると、そのフィールド機器に関する入力データ欄161bが表示される。
【0048】
「1.トラブル発生日時」の欄161b1は、
図4のトラブル発生日時欄153aに対応する。欄161b1には、選択されたフィールド機器のトラブル発生日時に関する情報が入力される。「2.トラブル原因」の欄161b2は、
図4のトラブル原因欄153bに対応する。欄161b2には、選択されたフィールド機器のトラブル原因に関する情報が入力される。「3.解決手順」の欄161b3は、
図4の解決手順欄153cに対応する。欄161b3には、選択されたフィールド機器のトラブルの解決手順に関する情報が入力される。「4.懸案事項」の欄161b4は、
図4の懸案事項欄153dに対応する。欄161b4には、選択されたフィールド機器に関する懸案事項に関する情報が入力される。「5.動画・画像データ」の欄161b5は、
図4の動画・画像データ欄153eに対応する。欄161b5には、選択されたフィールド機器に関する動画や画像データが入力される。
【0049】
なお、場所情報やフィールド機器情報についても、入力データ機能16を用いて、各情報の関連付けおよび情報の入力を行うことができる。また、1つのフィールド機器について複数のトラブル情報がある場合には、このようにして、データベース機能15には、あらかじめ各情報が入力される。データベース機能15や入力データ機能16の具体例は、一例であり、上述の例に限らないのは言うまでもない。
【0050】
サーバ装置1のプッシュ通知機能19について説明する。
図6は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるスマートデバイスの画面表示機能を説明するための模式図である。
図6には、スマートデバイス3の画面3aが模式的に示されている。
図6に示すように、サーバ装置1は、スマートデバイス3からビーコン2の識別情報を受信すると、受信したことをスマートデバイス3に通知するプッシュ通知機能19を有する。
図6に示すように、プッシュ通知機能19によって送信された通知は、スマートデバイス3の画面3aに表示される。プッシュ通知機能19による通知の文言は、あらかじめ設定されている。プッシュ通知機能19によって送信される通知は、テキストデータに限らず、音声データや画像データであってもよいし、これらを組み合わせてもよい。
【0051】
プッシュ通知機能19では、さらに、スマートデバイス3から受信したビーコン2の識別情報がデータベース中で発見された旨の通知をスマートデバイス3に送信してもよい。また、プッシュ通知機能19は、データベース中に、トラブル事例・懸案事項情報153のデータ入力がされているフィールド機器情報152が存在する旨の通知をスマートデバイス3に送信するようにしてもよい。これらの通知は、いずれかの通知がされてもよいし、これらの通知は、順次通知されるようにしてもよい。
【0052】
次に、本実施形態に係るプラント設備管理システム100の動作について説明する。
図7は、第1の実施形態に係るプラント設備管理システムの動作を説明するための模式的なフローチャートの例である。
図7を用いて、
図2の柱C1付近でトラブルが発生した場合のプラント設備管理システム100の動作について説明する。
図7のかっこ内の数字は、プラント設備管理システム100の動作の手順を表しており、小さい数字から大きい数字に処理の手順が進むことを示している。なお、
図7では、サーバ装置1とスマートデバイス3との通信経路に無線LANルータ4が設けられている。無線LANルータ4は、無線通信によるデータと有線通信によるデータとの相互の変換を行うが、情報は、サーバ装置1とスマートデバイス3との間で相互にやり取りされるものとする。
【0053】
図7に示すように、ビーコン2は、Bluetooth通信機能21が動作し、手順(1)において、識別情報送信機能22は、ビーコン2の識別情報を発信する。
【0054】
作業者が携帯するスマートデバイス3がビーコン2の通信範囲内に入ると、手順(2)において、スマートデバイス3は、ビーコン検知機能32によって、ビーコン通信機能33をアクティブにする。ビーコン2の通信機能がこの例のようにBluetoothの場合には、ビーコン2の通信範囲は、数十メートル程度である。
【0055】
手順(3)において、ビーコン通信機能33は、ビーコン2から受信したそのビーコン2の識別情報を受信し、受信したビーコン2の識別情報をサーバ装置1に送信する。
【0056】
手順(4)において、サーバ装置1のAPI機能18は、データベース機能15のデータベースから検索して、スマートデバイス3から受信したビーコン2の識別情報を抽出する。
【0057】
手順(5)において、サーバ装置1のAPI機能18は、抽出した識別情報をプッシュ通知機能19に渡す。
【0058】
手順(6)において、サーバ装置1のプッシュ通知機能19は、柱C1のエリアに関する情報がある旨のプッシュ通知をスマートデバイス3に送信する。スマートデバイス3の画面表示機能35は、受信したプッシュ通知を画面3aに表示する。
【0059】
手順(7)において、スマートデバイス3を携帯する作業者は、受信したプッシュ通知を表示する画面3aをタップする。
【0060】
手順(8)において、スマートデバイス3のリクエスト機能34は、ビーコン2の識別情報に関連付けられたエリア情報151bをサーバ装置1に要求する。この例では、エリア情報151bは、エリア(A)~エリア(D)の情報を含んでいる。
【0061】
手順(9)において、サーバ装置1のAPI機能18は、データベースからビーコン2の識別情報に関連付けられたエリア情報151bのそれぞれの情報を抽出する。各エリア(A)~エリア(D)にマップが関連付けられている場合には、これらのマップを抽出する。
【0062】
手順(10)において、サーバ装置1のWebサーバ機能17は、抽出したエリア情報151bをスマートデバイス3に送信する。この例では、抽出したエリア情報151bは、エリア(A)~エリア(D)の情報である。
【0063】
手順(11)において、スマートデバイス3は、エリア情報151bを受信する。エリア情報151bがマップ情報を含んでいる場合には、スマートデバイス3の画面表示機能35は、受信したマップ情報をスマートデバイス3の画面3aに表示する。スマートデバイス3を携帯する作業者は、所望のマップ、たとえばエリア(A)のマップをタップして選択する。
【0064】
手順(12)において、スマートデバイス3のリクエスト機能34は、エリア(A)が選択されたことをサーバ装置1に送信する。
【0065】
手順(13)において、サーバ装置1のAPI機能18は、エリア(A)に関連付けられているフィールド機器情報152を抽出する。
【0066】
手順(14)において、サーバ装置1のWebサーバ機能17は、抽出したフィールド機器情報152をスマートデバイス3に送信する。
【0067】
手順(15)において、スマートデバイス3は、フィールド機器情報152を受信し、画面表示機能35によって、受信したフィールド機器情報152を表示する。スマートデバイス3を携帯する作業者は、受信したフィールド機器情報152から所望のフィールド機器をタップし、選択する。
【0068】
手順(16)において、スマートデバイス3のリクエスト機能34は、選択されたフィールド機器を識別する情報をサーバ装置1に送信する。
【0069】
手順(17)において、サーバ装置1のAPI機能18は、選択されたフィールド機器に関連付けられたトラブル事例・懸案事項情報153を抽出する。
【0070】
手順(18)において、サーバ装置1のWebサーバ機能17は、抽出されたトラブル事例・懸案事項情報153をスマートデバイス3に送信する。これによって、スマートデバイス3を携帯する作業者は、トラブルが生じた現場において、所望の情報に、より早く到達することができる。
【0071】
本実施形態に係るプラント設備管理システム100の効果について説明する。
本実施形態に係るプラント設備管理システム100は、サーバ装置1を備えており、サーバ装置1は、ビーコン2の識別情報に関連付けられたフィールド機器のトラブル事例・懸案事項情報153を含むデータベースを有している。また、プラント設備管理システム100は、ビーコン2と通信可能に接続されるスマートデバイス3を備えており、スマートデバイス3は、ビーコン2との通信によりビーコン2の識別情報を取得することができる。スマートデバイス3は、取得したビーコン2の識別情報をサーバ装置1に送信し、サーバ装置1は、ビーコン2の識別情報に関連付けられたフィールド機器のトラブル事例・懸案事項情報153をスマートデバイス3に送信する。ビーコン2の配置を、フィールド機器が配置された近傍とすることができる。そのため、スマートデバイス3を携帯する作業者は、ビーコン2に近づくことによって、関連付けされたフィールド機器のトラブル事例・懸案事項情報153を迅速かつ容易に入手することができる。作業者は、入手したフィールド機器のトラブル事例・懸案事項情報153をもとに、トラブルシュート作業をすることができ、トラブルの迅速な解決が可能になる。
【0072】
本実施形態に係るプラント設備管理システム100では、フィールド機器は、プラントのエリア単位で管理される。具体的には、プラント設備管理システム100のデータベースでは、1つのビーコンの識別情報に、エリアを介して、複数のフィールド機器の情報を関連付けることができる。これによって、フィールド機器ごとにビーコンを配置する必要がなくなり、ビーコンの電源交換等のメンテナンスの負担が低減され、生産性の向上に貢献することができる。
【0073】
サーバ装置1のデータベースでは、ビーコン2の識別情報151aに複数のエリアを関連付けることができ、エリアごとにフィールド機器を関連付けることができる。このようにすることによって、所望のフィールド機器に関する情報を絞り込むことが容易になり、情報調査に要する時間を短縮することが可能になる。
【0074】
データベースには、文字等のテキストデータに限らず、動画・画像データを含めることができる。エリア情報151bに画像データを含むマップデータのリンクを関連付けることによって、実際に配置されているフィールド機器の場所を知ることができ、必要な情報を調査の短縮に貢献できる。トラブル事例・懸案事項情報153に動画や画像データを含めることによって、テキストデータでは、わかりにくいトラブルの現象や対策等もより容易かつ迅速に事態を把握することが可能になる。
【0075】
サーバ装置1は、データベースにビーコン2の識別情報に関連付けられたデータに応じて、状況に応じた通知するプッシュ通知機能19を有している。これによって、プッシュ通知のある場所で、必要な情報を収集することによって、情報調査に要する時間を短縮することができ、トラブルの迅速な解決に寄与する。
【0076】
(第2の実施形態)
サーバ装置1が管理するデータベースには、上述のほかの情報を含めることができ、トラブル事例や懸案事項に関連するキーワードをデータベースに含めることができる。
図8は、第2の実施形態に係るプラント設備管理システムの一部であるサーバ装置のデータベース機能を例示する模式図である。
図8に示すように、本実施形態に係るプラント設備管理システムのサーバ装置1のデータベース機能251が管理するデータベースは、エリア情報に関連付けられたキーワード情報254を含む。キーワード情報254は、複数のキーワード254aを含むことができる。キーワード254aは、トラブル事例・懸案事項情報153からあらかじめ抽出されて、キーワード情報254として設定される。
【0077】
この例のように、キーワード情報254には、n個のキーワード254aが設定され、1つのキーワード254aは、1種類のフィールド機器に関するものに限らず、複数種類のフィールド機器に関するものとすることができる。
【0078】
上述のようなデータベース機能251を有するサーバ装置を備えたプラント設備管理システムは、以下のように動作する。
【0079】
すなわち、
図7に関連して説明した手順(12)において、スマートデバイス3のリクエスト機能34が選択したエリア情報をサーバ装置1に送信した後、サーバ装置1のAPI機能18は、エリア情報に関連付けられたキーワード254aを抽出する。
【0080】
その後、サーバ装置1のWebサーバ機能17は、選択されたエリア情報に関連付けられたキーワード情報254をスマートデバイス3に送信する。スマートデバイスの画面表示機能35は、キーワード情報254の各キーワード254aをスマートデバイス3の画面3aに表示する。
【0081】
スマートデバイス3を携帯する作業者は、画面3aに表示されたキーワード254aから所望のキーワード254aをタップし、選択する。スマートデバイス3のビーコン通信機能33は、選択されたキーワード254aをサーバ装置1に送信する。
【0082】
サーバ装置1のAPI機能18は、フィールド機器情報152から、選択されたキーワード254aに関連付けられたフィールド機器(1)およびフィールド機器(2)を抽出する。サーバ装置1のWebサーバ機能17は、抽出したフィールド機器(1)およびフィールド機器(2)を識別する情報をスマートデバイス3に送信する。
【0083】
本実施形態に係るプラント設備管理システムは、上述のように動作することによって、フィールド機器情報152では、キーワードに関連したフィールド機器(1)およびフィールド機器(2)に限定されてスマートデバイス3は、受信することができる。そのため、所望のトラブル事例・懸案事項情報を探し出す時間が短縮される。
【0084】
このようにして、プラント内で生じたトラブルの解決時間を短縮可能にするプラント設備管理システムを実現することができる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1…サーバ装置、2…ビーコン、3…スマートデバイス、4…無線LANルータ、15、251…データベース、16…入力データ機能、17…Webサーバ機能、18…API機能、19…プッシュ通知機能、20-1~20-n…フィールド機器、21、31…Bluetooth通信機能、22…識別情報送信機能、32…ビーコン検知機能、33…ビーコン通信機能、34…リクエスト機能、35…画面表示機能、100…プラント設備管理システム、151…場所情報、152…フィールド機器情報、153…トラブル事例・懸案事項情報、161…入力データ画面