(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011191
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20240118BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113007
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】渡 恭祐
(72)【発明者】
【氏名】花本 佳弘
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA25
5B376CA42
(57)【要約】
【課題】新規のオプション装置が接続された電子機器において、電子機器および新規のオプション装置のファームウェアを更新する場合の更新の手順の簡略化を図る。
【解決手段】印刷装置2のCPU14は、印刷装置2に新規のオプション装置3が接続された場合において、ファームウェアパッケージ41を取得してファームウェアパッケージ記憶部22に記憶させる。CPU14は、ファームウェア記憶部21に記憶されているファームウェアを、ファームウェアパッケージ記憶部22に記憶されたファームウェアパッケージ41を用いて更新する。CPU14は、新規のオプション装置3のファームウェアを更新する必要がある場合には、新規のオプション装置3のファームウェアを、ファームウェアパッケージ記憶部22に記憶されたファームウェアパッケージを用いて更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプション装置を接続可能な電子機器であって、
前記電子機器のファームウェアを記憶する第1記憶部と、
第2記憶部と、
前記第1記憶部に記憶されたファームウェアを実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記電子機器に新規のオプション装置が接続された場合において、
前記新規のオプション装置に対応したファームウェアパッケージを外部から取得して前記第2記憶部に記憶させ、
前記第1記憶部に記憶されているファームウェアを、前記第2記憶部に記憶された前記ファームウェアパッケージを用いて更新し、
前記新規のオプション装置のファームウェアを更新する必要がある場合には、更新後の前記電子機器のファームウェアにより、前記新規のオプション装置のファームウェアを、前記第2記憶部に記憶された前記ファームウェアパッケージを用いて更新することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記新規のオプション装置のファームウェアの更新をバックグラウンド処理により行うことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプション装置を接続可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
オプション装置として後処理装置等を接続可能な印刷装置等の、オプション装置を接続可能な電子機器が知られている。
【0003】
このような電子機器に関して、特許文献1には、オプション装置を制御する電子機器内のファームウェアを更新する際に、オプション装置の機能が増加した場合にも処理速度が低下することのないファームウェア更新システムが開示されている。
【0004】
ところで、オプション装置を接続可能な電子機器のなかには、当該電子機器に接続されたオプション装置が有するファームウェアの更新を、電子機器のファームウェアにより行うものがある。
【0005】
このような電子機器において、製品開発等により、新たに電子機器に接続可能となったオプション装置である新規のオプション装置が追加されることがある。
【0006】
この場合において、電子機器のファームウェアを、新規のオプション装置のファームウェアの更新に対応したファームウェアに更新することが行われている。これにより、新規のオプション装置が電子機器に接続された場合において、当該オプション装置のファームウェアの更新を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような新規のオプション装置が接続された電子機器において、電子機器および新規のオプション装置のファームウェアを更新する場合、次のような手順でそれぞれのファームウェアの更新が行われる。
【0009】
まず、新規のオプション装置のファームウェアの更新に対応したファームウェアを含む導入用のファームウェアパッケージを用いて電子機器のファームウェアを更新する。この後、作業者が電子機器を再起動させる。
【0010】
次いで、新規のオプション装置のファームウェアを含む本番用のファームウェアパッケージを用いて、更新後の電子機器のファームウェアにより新規のオプション装置のファームウェアを更新する。
【0011】
このように、新規のオプション装置のファームウェアを更新するには、互いに異なる2つのファームウェアパッケージをそれぞれ用いた2段階の手順が必要であった。この手順の簡略化が要望されていた。
【0012】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、新規のオプション装置が接続された電子機器において、電子機器および新規のオプション装置のファームウェアを更新する場合の更新の手順の簡略化が可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の電子機器は、オプション装置を接続可能な電子機器であって、前記電子機器のファームウェアを記憶する第1記憶部と、第2記憶部と、前記第1記憶部に記憶されたファームウェアを実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記電子機器に新規のオプション装置が接続された場合において、前記新規のオプション装置に対応したファームウェアパッケージを外部から取得して前記第2記憶部に記憶させ、前記第1記憶部に記憶されているファームウェアを、前記第2記憶部に記憶された前記ファームウェアパッケージを用いて更新し、前記新規のオプション装置のファームウェアを更新する必要がある場合には、更新後の前記電子機器のファームウェアにより、前記新規のオプション装置のファームウェアを、前記第2記憶部に記憶された前記ファームウェアパッケージを用いて更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、新規のオプション装置が接続された電子機器において、電子機器および新規のオプション装置のファームウェアを更新する場合の更新の手順の簡略化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】ファームウェアパッケージの構成を示す図である。
【
図3】
図1に示す印刷システムにおける装置のファームウェアを更新する動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る印刷システム1は、印刷装置(電子機器に相当)2と、オプション装置3A~3Cとを備える。なお、オプション装置3A~3Cの符号におけるアルファベットの添え字を省略して総括的に表記することがある。
【0018】
印刷装置2は、用紙に印刷を行う。印刷装置2は、プリンタ部11と、メモリポート12と、CPU(制御部に相当)13と、RAM14と、ROM15と、HDD16と、外部インタフェース部17とを備える。
【0019】
プリンタ部11は、インクジェットヘッド等の印刷機構を有し、用紙に印刷を行う。
【0020】
メモリポート12は、着脱可能な外部記憶装置18が装着される部分である。外部記憶装置18は、後述するファームウェアパッケージ41を記憶するものである。外部記憶装置18は、例えば、USBメモリからなる。
【0021】
CPU14は、後述するHDD16のファームウェア記憶部21に記憶されたファームウェア、およびその他のプログラムを実行して、印刷装置2全体を制御する。
【0022】
RAM14は、CPU14のワークエリアとして使用されるものである。ROM15は、各種の情報等を記憶するものである。
【0023】
HDD16は、各種のプログラムを記憶している。また、HDD16は、ファームウェア記憶部(第1記憶部に相当)21と、ファームウェアパッケージ記憶部(第2記憶部に相当)22とを有する。
【0024】
ファームウェア記憶部21は、印刷装置2のファームウェアを記憶している。印刷装置2のファームウェアは、ファームウェア更新システムを含む。ファームウェア更新システムは、印刷装置2およびオプション装置3A~3Cのファームウェアの更新を行うものである。
【0025】
ファームウェアパッケージ記憶部22は、外部記憶装置18から取得されたファームウェアパッケージ41を記憶する。ファームウェアパッケージ41の詳細は後述する。なお、ファームウェアパッケージ記憶部22は、ファームウェア記憶部21が設けられた記憶媒体とは異なる記憶媒体に設けられていてもよい。
【0026】
外部インタフェース部17は、印刷装置2をオプション装置3A~3Cとデータの送受信可能に接続する。
【0027】
オプション装置3A~3Cは、印刷装置2にオプションとして接続可能な装置である。オプション装置3A~3Cは、例えば、印刷物に後処理を施す後処理装置、大容量の給紙装置、大容量の排紙装置等である。
【0028】
なお、本実施の形態では、印刷装置2に3つのオプション装置3A~3Cが接続されているが、印刷装置2に接続されるオプション装置3の数はこれに限らない。
【0029】
オプション装置3Aは、オプション処理部31と、CPU32と、RAM33と、ROM34と、HDD35と、外部インタフェース部36とを備える。
【0030】
オプション処理部31は、オプション装置3Aが有するオプションの機能を実行する。
【0031】
外部インタフェース部36は、オプション装置3Aを印刷装置2とデータの送受信可能に接続する。
【0032】
CPU32は、後述するHDD35のファームウェア記憶部37に記憶されたファームウェア、およびその他のプログラムを実行して、オプション装置3A全体を制御する。
【0033】
RAM33は、CPU32のワークエリアとして使用されるものである。ROM34は、各種の情報等を記憶するものである。
【0034】
HDD35は、各種のプログラムを記憶している。また、HDD35は、ファームウェア記憶部37を有する。
【0035】
ファームウェア記憶部37は、オプション装置3Aのファームウェアを記憶している。
【0036】
オプション装置3B,3Cは、それぞれオプション装置3Aと同様に、オプション処理部31と、外部インタフェース部36と、CPU32と、RAM33と、ROM34と、HDD35とを備える。なお、オプション処理部31が行う処理は、オプション装置3A~3Cのそれぞれで異なることがある。
【0037】
次に、ファームウェアパッケージ41について説明する。
図2は、ファームウェアパッケージ41の構成を示す図である。
【0038】
図2に示すように、ファームウェアパッケージ41は、ヘッダ情報と、印刷装置2のファームウェアと、オプション装置3A~3Cのファームウェアとを有する。
【0039】
ヘッダ情報は、印刷装置2およびオプション装置3A~3Cのファームウェアを更新する上で必要となる情報を含むものである。具体的には、ヘッダ情報は、ファームウェアパッケージ41のバージョンを示す情報、ファームウェアパッケージ41にファームウェアが含まれる装置を示す情報、ファームウェアパッケージ41に含まれる各装置のファームウェアのバージョンを示す情報等を含む。
【0040】
印刷装置2のファームウェアは、前述のように、印刷装置2およびオプション装置3A~3Cのファームウェアの更新を行うファームウェア更新システムを含む。
【0041】
ファームウェアパッケージ41が有する各オプション装置3のファームウェアは、印刷装置2に接続可能な各オプション装置3のファームウェアである。本実施の形態では、オプション装置3A~3Cが、印刷装置2に接続可能なものであり、オプション装置3A~3Cのファームウェアがファームウェアパッケージ41に含まれている。
【0042】
ここで、製品開発等により、新たに印刷装置2に接続可能となったオプション装置3である新規のオプション装置3が発売される場合、当該新規のオプション装置3に対応した新たなバージョンのファームウェアパッケージ41が作成される。この新たなファームウェアパッケージ41は、新規のオプション装置3のファームウェアを有する。また、新たなバージョンのファームウェアパッケージ41における印刷装置2のファームウェアは、当該ファームウェアのファームウェア更新システムが新規のオプション装置3のファームウェアの更新を行うことができる新たなバージョンのものになっている。
【0043】
また、新規のオプション装置3がなくても、印刷装置2および各オプション装置3の少なくともいずれかのファームウェアの新たなバージョンが作成された場合、当該新たなバージョンのファームウェアを含む新たなバージョンのファームウェアパッケージ41が作成される。
【0044】
次に、印刷システム1における装置のファームウェアを更新する動作について説明する。
【0045】
図3は、印刷システム1における装置のファームウェアを更新する動作を説明するためのフローチャートである。
【0046】
図3のフローチャートの処理は、ファームウェアパッケージ41を記憶している外部記憶装置18が、作業者により印刷装置2のメモリポート12に装着されたことにより開始となる。
【0047】
ここで、印刷装置2およびオプション装置3A~3Cの少なくともいずれかのファームウェアを更新する必要がある場合に、最新のバージョンのファームウェアパッケージ41を記憶している外部記憶装置18が、作業者によりメモリポート12に装着される。
【0048】
例えば、新規のオプション装置3が印刷装置2に接続された際に、少なくとも印刷装置2のファームウェアを更新するために、最新のバージョンのファームウェアパッケージ41を記憶している外部記憶装置18がメモリポート12に装着される。
【0049】
この場合、最新のバージョンのファームウェアパッケージ41には、印刷装置2のファームウェアとして、新規のオプション装置3のファームウェアの更新を行うことができるファームウェア更新システムを含む最新のバージョンのものが含まれている。また、この最新のバージョンのファームウェアパッケージ41には、新規のオプション装置3を含む、印刷装置2に接続可能な各オプション装置3の最新のバージョンのファームウェアが含まれている。
【0050】
また、例えば、新規のオプション装置3がなくても、印刷装置2および各オプション装置3の少なくともいずれかのファームウェアを最新のバージョンのものに更新するために、最新のバージョンのファームウェアパッケージ41を記憶している外部記憶装置18がメモリポート12に装着される。この場合、最新のバージョンのファームウェアパッケージ41には、印刷装置2および印刷装置2に接続可能な各オプション装置3の最新のバージョンのファームウェアが含まれている。
【0051】
図3のステップS1において、印刷装置2のCPU14は、外部記憶装置18からファームウェアパッケージ41を取得し、これをファームウェアパッケージ記憶部22に記憶させる。
【0052】
次いで、ステップS2において、CPU14は、ファームウェアパッケージ記憶部22のファームウェアパッケージ41のヘッダ情報に基づき、当該ファームウェアパッケージ41に新規のオプション装置3のファームウェアがあるか否かを判断する。ここで、新規のオプション装置3は、ファームウェア記憶部21に記憶されているファームウェアのファームウェア更新システムでは、当該オプション装置3のファームウェアの更新に対応できないものであり、印刷装置2は新規のオプション装置3を認識できない。
【0053】
新規のオプション装置3のファームウェアがあると判断した場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、CPU14は、印刷装置2のファームウェアの更新を行う。具体的には、CPU14は、ファームウェア記憶部21に記憶されているファームウェアのファームウェア更新システムにより、当該ファームウェアを、ファームウェアパッケージ記憶部22に記憶されているファームウェアパッケージ41が有する印刷装置2のファームウェアに更新する。
【0054】
次いで、ステップS4において、CPU14は、印刷装置2を再起動させる。
【0055】
これにより、印刷装置2が自動的に再起動されてファームウェアの更新が完了となり、印刷装置2が更新後のファームウェアで動作可能となる。このため、ファームウェア記憶部21のファームウェアのファームウェア更新システムにより新規のオプション装置3のファームウェアの更新が可能となる。
【0056】
次いで、ステップS5において、CPU14は、印刷装置2に接続されているオプション装置3のなかに、ファームウェアの更新が必要なオプション装置3があるか否かを判断する。
【0057】
ここで、CPU14は、オプション装置3A~3Cのなかに、当該オプション装置3が記憶しているファームウェアが、ファームウェアパッケージ記憶部22に記憶されているファームウェアパッケージ41が有する当該オプション装置3のファームウェアよりも古いバージョンであるオプション装置3がある場合、ファームウェアの更新が必要なオプション装置3があると判断する。
【0058】
ファームウェアの更新が必要なオプション装置3がないとCPU14が判断した場合(ステップS5:NO)、一連の処理が終了となる。
【0059】
ファームウェアの更新が必要なオプション装置3があると判断した場合(ステップS5:YES)、ステップS6において、CPU14は、ファームウェアの更新が必要なオプション装置3のファームウェアを更新する。
【0060】
具体的には、CPU14は、ファームウェア更新システムにより、ファームウェアの更新が必要なオプション装置3のファームウェア記憶部37に記憶されているファームウェアを、当該オプション装置3のCPU32を介して、ファームウェアパッケージ記憶部22に記憶されているファームウェアパッケージ41の当該オプション装置3のファームウェアに更新する。
【0061】
この際、CPU14は、オプション装置3のファームウェアの更新をバックグラウンド処理により行う。このため、ファームウェアの更新を行わないオプション装置3は使用可能である。
【0062】
ここで、新規のオプション装置3が印刷装置2に接続されている場合において、当該オプション装置3のファームウェアの更新が必要な場合には、ステップS6において、当該オプション装置3のファームウェアの更新が行われる。例えば、オプション装置3Cが新規のオプション装置3であり、そのファームウェアの更新が必要な場合には、オプション装置3Cのファームウェアの更新が行われる。
【0063】
印刷装置2が新規のオプション装置3のファームウェアを含むファームウェアパッケージ41を取得した時点において、ファームウェアパッケージ41に含まれている新規のオプション装置3のファームウェアが、印刷装置2に接続されている新規のオプション装置3に記憶されているファームウェアよりも新しいバージョンになっている場合、新規のオプション装置3のファームウェアの更新が必要となる。
【0064】
オプション装置3のファームウェアの更新が終了すると、一連の処理が終了となる。
【0065】
ステップS2において、新規のオプション装置3のファームウェアがないと判断した場合(ステップS2:NO)、ステップS7において、CPU14は、印刷装置2およびオプション装置3A~3Cのうち、ファームウェアの更新が必要な装置のファームウェアを更新する。
【0066】
ここで、いずれかのオプション装置3のファームウェアの更新を行う場合、CPU14は、当該オプション装置3のファームウェアの更新をバックグラウンド処理により行う。このため、ファームウェアの更新を行わないオプション装置3は使用可能である。
【0067】
ファームウェアの更新が必要な装置のファームウェアの更新が終了すると、一連の処理が終了となる。
【0068】
印刷システム1では、上述のような
図3のフローチャートの処理が行われることから、新規のオプション装置3が接続された印刷装置2において、印刷装置2および新規のオプション装置3のファームウェアを更新する場合には、次のような処理が行われる。
【0069】
まず、印刷装置2のCPU14は、外部記憶装置18から新規のオプション装置3に対応したファームウェアパッケージ41を取得し、これをファームウェアパッケージ記憶部22に記憶させる(ステップS1)。このファームウェアパッケージ41には、印刷装置2のファームウェアとして、新規のオプション装置3のファームウェアの更新を行うことができるファームウェア更新システムを含む最新のバージョンのものが含まれている。また、このファームウェアパッケージ41には、新規のオプション装置3を含む、印刷装置2に接続可能な各オプション装置3の最新のバージョンのファームウェアが含まれている。
【0070】
次いで、CPU14は、ファームウェア記憶部21に記憶されているファームウェアを、ファームウェアパッケージ記憶部22に記憶されているファームウェアパッケージ41を用いて更新する(ステップS3)。この後、CPU14は、印刷装置2を再起動させる(ステップS4)。
【0071】
次いで、CPU14は、新規のオプション装置3を含む、ファームウェアの更新が必要な各オプション装置3のファームウェア記憶部37に記憶されているファームウェアを、ファームウェアパッケージ記憶部22に記憶されているファームウェアパッケージ41を用いて更新する(ステップS6)。
【0072】
以上説明したように、印刷装置2のCPU14は、印刷装置2に新規のオプション装置3が接続された場合において、新規のオプション装置3に対応したファームウェアパッケージ41を外部記憶装置18から取得してファームウェアパッケージ記憶部22に記憶させる。この後、CPU14は、ファームウェア記憶部21に記憶されているファームウェアを、ファームウェアパッケージ記憶部22に記憶されたファームウェアパッケージ41を用いて更新する。CPU14は、新規のオプション装置3のファームウェアを更新する必要がある場合には、更新後の印刷装置2のファームウェアにより、新規のオプション装置3のファームウェアを、ファームウェアパッケージ記憶部22に記憶されたファームウェアパッケージ41を用いて更新する。
【0073】
これにより、1つのファームウェアパッケージ41で、印刷装置2および新規のオプション装置3のファームウェアを一度に更新することができる。このため、ファームウェアパッケージ41を用いて新規のオプション装置3のファームウェアを更新する前に、導入用のファームウェアパッケージを用いた印刷装置2のファームウェアの更新を行う必要はない。すなわち、互いに異なる2つのファームウェアパッケージをそれぞれ用いて印刷装置2および新規のオプション装置3のファームウェアの更新を行う2段階の手順は必要ではない。したがって、新規のオプション装置3が接続された印刷装置2において、印刷装置2および新規のオプション装置3のファームウェアを更新する場合の更新の手順の簡略化が可能である。
【0074】
また、印刷装置2では、CPU14は、新規のオプション装置3を含む各オプション装置3のファームウェアの更新を行う際には、ファームウェアの更新をバックグラウンド処理により行う。このため、ファームウェアの更新を行わないオプション装置3は使用可能であるので、ダウンタイムを低減できる。
【0075】
なお、上述した実施の形態では、印刷装置2がファームウェアパッケージ41を外部記憶装置18から取得したが、ファームウェアパッケージ41を外部から取得する方法はこれに限らない。例えば、印刷装置2がネットワークを介して外部からファームウェアパッケージ41を取得してもよい。
【0076】
また、上述した実施の形態では、オプション装置3を接続可能な印刷装置2について説明したが、これに限らず、オプション装置を接続可能な電子機器に本発明は適用可能である。
【0077】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0078】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0079】
(付記1)
オプション装置を接続可能な電子機器であって、
前記電子機器のファームウェアを記憶する第1記憶部と、
第2記憶部と、
前記第1記憶部に記憶されたファームウェアを実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記電子機器に新規のオプション装置が接続された場合において、
前記新規のオプション装置に対応したファームウェアパッケージを外部から取得して前記第2記憶部に記憶させ、
前記第1記憶部に記憶されているファームウェアを、前記第2記憶部に記憶された前記ファームウェアパッケージを用いて更新し、
前記新規のオプション装置のファームウェアを更新する必要がある場合には、更新後の前記電子機器のファームウェアにより、前記新規のオプション装置のファームウェアを、前記第2記憶部に記憶された前記ファームウェアパッケージを用いて更新することを特徴とする電子機器。
【0080】
(付記2)
前記制御部は、前記新規のオプション装置のファームウェアの更新をバックグラウンド処理により行うことを特徴とする付記1に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0081】
1 印刷システム
2 印刷装置
3,3A~3C オプション装置
11 プリンタ部
12 メモリポート
13 CPU
14 RAM
15 ROM
16 HDD
17 外部インタフェース部
18 外部記憶装置
21 ファームウェア記憶部
22 ファームウェアパッケージ記憶部
31 オプション処理部
32 CPU
33 RAM
34 ROM
35 HDD
36 外部インタフェース部
37 ファームウェア記憶部
41 ファームウェアパッケージ