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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111930
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ケースおよびケース用運搬装置
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/02 20060101AFI20240813BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20240813BHJP
   B25H 3/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
B25H3/02
A45C11/00 P
B25H3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016663
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀山 徹
【テーマコード(参考)】
3B045
3C012
【Fターム(参考)】
3B045BA24
3B045CE09
3B045DA44
3B045EA03
3B045EB01
3B045GA02
3B045GB02
3B045GC01
3B045GD01
3B045LA10
3C012BG01
3C012BH01
(57)【要約】
【課題】複数個をまとめて持ち運び易いケース、または複数のケースをまとめて持ち運び易いケース用運搬装置が必要とされている。
【解決手段】相互に連結可能なケース1は、箱状のケース本体2を有する。ケース1は、ケース本体2の上面2aに設けられかつ作業者に把持されるハンドル7を有する。ケース1は、ケース本体2の上面2aに設けられる被係合部11を有する。ケース1は、ケース1の左右いずれか一方に並んだ横のケース1に向けて張出して横のケース1の被係合部11に係合する係合部12を有する。係合部12が被係合部11と協働してケース1と横のケース1が左右方向に離間することを抑制する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に連結可能なケースであって、
箱状のケース本体と、
前記ケース本体の上面に設けられかつ作業者に把持されるハンドルと、
前記ケース本体の前記上面に設けられる被係合部と、
前記ケースの左右いずれか一方に並んだ横のケースに向けて張出して前記横のケースの前記被係合部に係合する係合部を有し、前記係合部が前記被係合部と協働して前記ケースと前記横のケースが左右方向に離間することを抑制するケース。
【請求項2】
相互に連結可能なケースであって、
箱状のケース本体と、
前記ケース本体の上面に設けられかつ作業者に把持されるハンドルと、
前記ケース本体の前記上面に設けられる上被係合部と、
前記ケースの左右いずれか一方に並んだ横のケースに向けて張出して前記横のケースの前記上被係合部に上方から係合する上係合部を有し、前記上係合部が前記上被係合部と協働して前記ケースと前記横のケースが左右方向に離間することを抑制するケース。
【請求項3】
請求項2に記載のケースであって、
前記上係合部は、前記ケース本体から前記横のケースに向けて突出する基部と、前記基部の先端から前後いずれか一方に延出する腕部を具備し、
前記上被係合部は、前記基部と前記腕部を進入可能に前記上面に形成された溝を具備するケース。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載のケースであって、
前記ケース本体の下面から下方に突出する下連結部と、
前記ケース本体に回転可能に設けられて前記ケースの上方に並んだ上のケースの前記下連結部の外方に位置する開き位置と、前記上のケースの前記下連結部に係合する係合位置とに移動する上連結部を有するケース。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載のケースであって、
前記ケース本体の下面に設けられた下被係合部と、
前記ケース本体に回転可能に設けられて前記横のケースの前記下被係合部に下方から係合される下係合部を有し、前記下係合部が前記下被係合部と協働して前記ケースと前記横のケースが左右方向に離間することを抑制するケース。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載のケースであって、
前記ケース本体の前記上面から上方へ突出する凸部と、
前記ケース本体に回転可能に設けられて前記横のケースの前記凸部に上方から係合するラッチを有するケース。
【請求項7】
相互に連結可能なケースであって、
箱状のケース本体と、
前記ケース本体の上面に設けられかつ作業者に把持されるハンドルと、
前記ケース本体の下面に設けられた第1連結部と、
前記ケース本体に設けられて前記ケースの上方に並んだ上のケースの前記第1連結部に係合する第2連結部を有するケース。
【請求項8】
相互に連結可能なケースであって、
箱状のケース本体と、
前記ケース本体の上面に設けられかつ作業者に把持されるハンドルと、
前記ケース本体の下面から下方に突出する下連結部と、
前記ケース本体に回転可能に設けられて前記ケースの上方に並んだ上のケースの前記下連結部の外方に位置する開き位置と、前記上のケースの前記下連結部に係合する係合位置とに移動する上連結部を有するケース。
【請求項9】
請求項4または8に記載のケースであって、
前記下連結部は、設置されて前記ケース本体を支持する脚部を兼ねるケース。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1つに記載のケースであって、
前記ケース本体は、開口を備えるボックスと、前記ボックスに移動可能に設けられて前記開口を塞ぐ蓋を有し、
前記ボックスには、前記開口に近い開口側領域と前記開口から離れた奥側領域に区分けする仕切りが設けられ、
前記仕切りは、ウレタン樹脂製の板部材、もしくは繊維製の網であるケース。
【請求項11】
ケース用運搬装置であって、
ケースが載置される台座と、
前記台座に移動可能に設けられて前記ケースに解除可能に連結するケース連結部と、
前記台座に回転可能に設けられ、前記台座の上面に沿う収納位置と前記台座に対して起立する使用位置との間で回転する背面部と、
前記背面部に設けられた肩掛け用ハーネスを有するケース用運搬装置。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1つに記載のケースを運搬するためのケース用運搬装置であって、
ケースが載置される台座と、
前記台座に移動可能に設けられて前記ケースに解除可能に連結するケース連結部と、
前記台座に回転可能に設けられ、前記台座の上面に沿う収納位置と前記台座に対して起立する使用位置との間で回転する背面部と、
前記背面部に設けられた肩掛け用ハーネスを有するケース用運搬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばねじ締め機等の電動工具または付属品等を収納して持ち運び可能なケースおよびケースを運搬するためのケース用運搬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ねじ締め機等の電動工具や、電動工具用のバッテリ、小物等を収納して持ち運びできるケースが提供されている。この種のケースに関する様々な技術が下記の特許文献等に開示されている。例えば特許文献1に開示されるケースは、上方が開口した矩形箱形のボックスと、ボックスの開口を開閉可能にボックスに回転可能に連結された蓋を有する。ケースには、蓋を閉じ位置でボックスに固定するラッチ(ロック錠)が設けられる。
【0003】
ラッチを利用して、ケースを他のケースと連結させることもできる。ボックスには、他のケースのラッチと係合可能に突出した凸部が設けられる。他のケースのラッチを凸部に係合させることで、複数のケースをボックスの開口方向に並べて連結させることができる。相互に連結した複数のケースは、例えば最上位置のケースの蓋に設けられたハンドルを把持してまとめて持ち運ぶことができる。
【0004】
従来、特許文献1に開示されるケースとはボックスの開口サイズが異なるケース、例えばインパクトドライバ専用のケースが提供されている。従来、この種のケースには、他のケースと連結可能なラッチや凸部等の連結構造は設けられていなかった。そのため複数のケースをまとめて持ち運び易くするために改良の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-226621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって複数個をまとめて持ち運び易いケース、または複数のケースをまとめて持ち運び易いケース用運搬装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの特徴によると相互に連結可能なケースは、箱状のケース本体を有する。ケースは、ケース本体の上面に設けられかつ作業者に把持されるハンドルを有する。ケースは、ケース本体の上面に設けられる被係合部を有する。ケースは、ケースの左右いずれか一方に並んだ横のケースに向けて張出して横のケースの被係合部に係合する係合部を有する。係合部が被係合部と協働してケースと横のケースが左右方向に離間することを抑制する。
【0008】
したがってケースの係合部と横のケースの被係合部を係合させることで、左右に並んだ複数のケースを離間しないようにしてまとめて持ち運びできる。しかも複数のケースを持ち運ぶ際には、ケース本体の上面に設けられかつケースを単体で持ち運ぶ際にも使用可能なハンドルを利用することができる。そのため従来のケース本体から大きく設計変更することなく本開示のケースを設けることができる。また、係合部と被係合部を、ケース本体の容量を減らさないように設けることができる。係合部と被係合部を、複数のケースを積載する際に邪魔にならない位置に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1実施例のケースを左右に係合させた状態を示す斜視図である。
図2】左右に係合したケースの上面図である。
図3】左右の係合を解除した状態のケースを一部拡大した上面図である。
図4】相互に係合したケースの下面図である。
図5】ケースの分解斜視図である。
図6】本開示の第2実施例のケースを上下に連結させた状態を示す斜視図である。
図7】上下に連結したケースの左側面図である。
図8】上下の連結を解除した状態のケースを一部拡大した左側面図である。
図9】上下に連結したケースの前面図である。
図10】上下の連結を解除した状態のケースを一部拡大した前面図である。
図11】本開示の第3実施例のケースを左右に係合させかつ上下に連結させた状態を示す斜視図である。
図12】本開示の第4実施例に係るケース用運搬装置の斜視図である。
図13】ケース用運搬装置の左側面図である。
図14】ケース用運搬装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の他の特徴によると相互に連結可能なケースは、箱状のケース本体を有する。ケースは、ケース本体の上面に設けられかつ作業者に把持されるハンドルを有する。ケースは、ケース本体の上面に設けられる上被係合部を有する。ケースは、ケースの左右いずれか一方に並んだ横のケースに向けて張出して横のケースの上被係合部に上方から係合する上係合部を有する。上係合部が上被係合部と協働してケースと横のケースが左右方向に離間することを抑制する。
【0011】
したがってケースの上係合部と横のケースの上被係合部を係合させることで、左右に並んだ複数のケースを離間しないようにしてまとめて持ち運びできる。しかも被係合部と上から係合する上係合部は、使用者が視認しながら係合させることができる。また、複数のケースを持ち運ぶ際には、ケース本体の上面に設けられかつケースを単体で持ち運ぶ際にも使用可能なハンドルを利用することができる。そのため従来のケース本体から大きく設計変更することなく本開示のケースを設けることができる。また、上係合部と上被係合部を、ケース本体の容量を減らさないように設けることができる。上係合部と上被係合部を、複数のケースを積載する際に邪魔にならない位置に設けることができる。
【0012】
本開示の他の特徴によると上係合部は、ケース本体から横のケースに向けて突出する基部と、基部の先端から前後いずれか一方に延出する腕部を具備する。上被係合部は、基部と腕部を進入可能に上面に形成された溝を具備する。
【0013】
したがってケースを横のケースに隣接するように上方から下方へ移動させる。この移動操作のみで上係合部の腕部を横のケースの上被係合部に設けられた溝に進入させて、上係合部と上被係合部を係合させることができる。上係合部と上被係合部の係合を解除する場合には、ケースを横のケースに対して上方へ移動させるだけで良い。そのため複雑な操作を必要とせず複数のケースを左右方向に連結可能かつ連結解除可能に設けることができる。
【0014】
本開示の他の特徴によるとケースは、ケース本体の下面から下方に突出する下連結部を有する。ケースは、ケース本体に回転可能に設けられてケースの上方に並んだ上のケースの下連結部の外方に位置する開き位置と、上のケースの下連結部に係合する係合位置とに移動する上連結部を有する。
【0015】
したがってケースの上連結部を係合位置に移動させて上のケースの下連結部に係合させることで、上下に並んだ複数のケースを相互に離間しないようにまとめて持ち運びできる。しかも上連結部は、下連結部に係合する係合位置と下連結部に係合しない開き位置の間で回転する。そのため複数のケースを容易に上下に連結させることができ、かつ上下に連結された複数のケースを容易に単体のケースに分けることができる。また、上連結部と下連結部を、ケース本体の容量を減らさないように設けることができる。上連結部と下連結部を、複数のケースを積載する際に邪魔にならない位置に設けることができる。なお、以下の記載において「回転」は、部材が軸回りに回転する動作を含み、かつ部材が正逆方向に円運動する「回動」も含む。
【0016】
本開示の他の特徴によるとケースは、ケース本体の下面に設けられた下被係合部を有する。ケースは、ケース本体に回転可能に設けられて横のケースの下被係合部に下方から係合される下係合部を有する。下係合部が下被係合部と協働してケースと横のケースが左右方向に離間することを抑制する。したがって下係合部は、横のケースの下被係合部に対して下方から係合するように設けられる。そのためシンプルな構造の下係合部で、複数のケースが左右方向に離間することを抑制できる。
【0017】
本開示の他の特徴によるとケースは、ケース本体の上面から上方へ突出する凸部を有する。ケースは、ケース本体に回転可能に設けられて横のケースの凸部に上方から係合するラッチを有する。したがってラッチは、左右方向と交差する上下方向に回転して上方から凸部に係合する。そのためシンプルな構造のラッチで、複数のケースが左右方向に離間することをより確実に抑制できる。
【0018】
本開示の他の特徴によるとケースは、箱状のケース本体を有する。ケースは、ケース本体の上面に設けられかつ作業者に把持されるハンドルを有する。ケースは、ケース本体の下面に設けられた第1連結部を有する。ケースは、ケース本体に設けられてケースの上方に並んだ上のケースの第1連結部に係合する第2連結部を有する。
【0019】
したがって第2連結部と上のケースの第1連結部を係合させることで、上下に並んだ複数のケースを相互に離間しないようにまとめて持ち運びできる。しかも複数のケースを持ち運ぶ際には、ケース本体の上面に設けられかつケースを単体で持ち運ぶ際にも使用可能なハンドルを利用することができる。そのため従来のケース本体から大きく設計変更することなく本開示のケースを設けることができる。また、第1連結部と第2連結部を、ケース本体の容量を減らさないように設けることができる。第1連結部と第2連結部を、複数のケースを積載する際に邪魔にならない位置に設けることができる。
【0020】
本開示の他の特徴によるとケースは、箱状のケース本体を有する。ケースは、ケース本体の上面に設けられかつ作業者に把持されるハンドルを有する。ケースは、ケース本体の下面から下方に突出する下連結部を有する。ケースは、ケース本体に回転可能に設けられてケースの上方に並んだ上のケースの下連結部の外方に位置する開き位置と、上のケースの下連結部に係合する係合位置とに移動する上連結部を有する。
【0021】
したがって上連結部を係合位置に移動させて上のケースの下連結部に係合させることで、上下に並んだ複数のケースを相互に離間しないようにまとめて持ち運びできる。また、上連結部を下連結部とは係合しない開き位置に移動可能とすることで、上連結部と下連結部の係合を容易に解除できる。しかも複数のケースを持ち運ぶ際には、ケース本体の上面に設けられかつケースを単体で持ち運ぶ際にも使用可能なハンドルを利用することができる。そのため従来のケース本体から大きく設計変更することなく本開示のケースを設けることができる。さらに上連結部は、開き位置と係合位置の間で回転することで、下連結部と係合または係合を解除される。そのため複数のケースを容易に上下に連結させることができ、かつ上下に連結された複数のケースを容易に単体のケースに分けることができる。また、上連結部と下連結部を、ケース本体の容量を減らさないように設けることができる。上連結部と下連結部を、複数のケースを積載する際に邪魔にならない位置に設けることができる。
【0022】
本開示の他の特徴によると下連結部は、設置されてケース本体を支持する脚部を兼ねる。したがって下連結部を下側にして床や作業台等に設置させることで、ケースを安定した姿勢で載置できる。しかもケースの姿勢が安定した状態で、ケースの上面に設けられた上連結部を上のケースの下連結部に係合させることができる。
【0023】
本開示の他の特徴によるとケース本体は、開口を備えるボックスを有する。ケース本体は、ボックスに移動可能に設けられて開口を塞ぐ蓋を有する。ボックスには、開口に近い開口側領域と開口から離れた奥側領域に区分けする仕切りが設けられる。仕切りは、ウレタン樹脂製の板部材、もしくは繊維製の網である。
【0024】
したがって仕切りは、可撓性を有する材料で設けられる。仕切りが撓んで変形することで、開口側領域と奥側領域のサイズと容量が変化する。例えば奥側領域に比較的大きい電動工具等を収容して仕切りで奥側領域を塞ぐ時、仕切りの可撓性が低い場合には仕切りを閉じることができない恐れがある。例えば開口側領域に多数の小物等を収容して蓋で開口側領域を塞ぐ時、仕切りの可撓性が低い場合には蓋を閉じることができない恐れがある。仕切りに可撓性を持たせることで、収容物のサイズや容量が開口側領域または奥側領域のサイズや容量と略同じ場合でも、仕切りおよび蓋を閉じることができる。
【0025】
本開示の他の特徴によるとケース用運搬装置は、ケースが載置される台座を有する。ケース用運搬装置は、台座に移動可能に設けられてケースに解除可能に連結するケース連結部を有する。ケース用運搬装置は、台座に回転可能に設けられ、台座の上面に沿う収納位置と台座に対して起立する使用位置との間で回転する背面部を有する。ケース用運搬装置は、背面部に設けられた肩掛け用ハーネスを有する。
【0026】
したがって台座に載置したケースをケース連結部で台座と連結できる。そのため使用者が肩掛け用ハーネスを肩に掛けてケースを容易に持ち運ぶことができる。しかもケースの上に他のケースを連結させることで複数のケースを容易に持ち運びできる。また、背面部を収納位置に格納することで、非使用時のケース用運搬装置をコンパクトにして持ち運ぶことや収納することができる。
【0027】
次に本開示の1つの実施例を図1~5に基づいて説明する。ケース1は、例えば充電式インパクトドライバ等の電動工具、先端工具や充電式バッテリや充電器等の付属品、ねじやアンカボルト等の取付具、メジャー等の道具類等を収容できる。図1に示すようにケース1は、矩形箱形のケース本体2を有する。ケース本体2は、開口を具備する矩形箱形のボックス3と、ボックス3の開口を開閉可能にボックス3に連結される蓋4を有する。蓋4は、ボックス3の開口を覆う矩形箱形に設けられる。ケース本体2の上面2aには、使用者が把持可能なハンドル7が設けられる。以下の説明において、ハンドル7が設けられる側を上方、ボックス3の開口が設けられる側を左方として上下左右方向を規定する。前後方向については、図1の手前側を前方として規定する。
【0028】
図1,5に示すようにボックス3は、蓋4との間に介装される仕切り5を有する。仕切り5は、ボックス3の開口形状と略同じ矩形箱形に設けられる。仕切り5は、ボックス3の収容領域を蓋4側の開口側領域S1とボックス3の底面(右面)側の奥側領域S2に区分けする。ボックス3の下面の開口端には、前後方向に延出するヒンジ軸6が設けられる。蓋4と仕切り5は、それぞれヒンジ軸6を中心にして左右方向へ回転可能にボックス3に連結される。仕切り5は、開き位置と閉じ位置へ回転することでボックス3の奥側領域S2を開閉する。蓋4は、仕切り5を閉じ位置へ移動させた状態で、開き位置と閉じ位置へ回転することでボックス3の開口側領域S1を開閉する。
【0029】
図5に示すようにボックス3は、底面から開口側の左方に向けて延出する複数のリブ3aを有する。複数のリブ3aは、ボックス3の奥側領域S2を区分けする。区分けされた各奥側領域S2には、例えば電動工具、充電式バッテリ、充電器等の比較的大きい物品を収容できる。仕切り5は、底面から開口側の左方に向けて延出する複数のリブ5aを有する。複数のリブ5aは、ボックス3の開口側領域S1を区分けする。区分けされた各開口側領域S1には、例えば先端工具、取付具、道具類等の小物を収容できる。リブ5aを含む仕切り5は、ボックス3や蓋4よりも可撓性の高い材料、例えばウレタン樹脂を材料にして板状に設けられる。
【0030】
図1,5に示すようにケース本体2の上面2aには、ボックス3と蓋4を連結する蓋連結ラッチ8が設けられる。蓋連結ラッチ8は、上面2aの前部と後部に1つずつ、計2つ設けられる。蓋連結ラッチ8は、上下方向に回転可能にボックス3に設けられる。蓋4の上面には、上方へ突出する凸部4aが設けられる。仕切り5の上面には、上方へ突出する凸部5bが設けられる。凸部4aと凸部5bは、蓋連結ラッチ8と同じ前後位置に設けられる。蓋連結ラッチ8は、回転して凸部4aと凸部5bを上方から係合する。凸部4aおよび凸部5bが蓋連結ラッチ8と係合することで、蓋4と仕切り5は閉じ位置でボックス3に保持される。
【0031】
図1,2に示すようにボックス3の上面には、ハンドル7が回転可能に連結される。ハンドル7は、略U字状に設けられる。ハンドル7の中央部には、前後方向に棒状に延出する把持部7aが設けられる。ハンドル7の両端には、ボックス3の上面に回転可能に連結される支軸部7bが設けられる。2つの支軸部7bがボックス3に連結されることで、ハンドル7はボックス3と協働してループ形状を形成する。ハンドル7は、上方へ回転した使用位置と下方へ回転した収納位置の間で移動可能である。使用者は、使用位置のハンドル7の把持部7aを把持することでケース1を持ち運びできる。収納位置のハンドル7は、ケース本体2の上端に倣うように収納される。
【0032】
図2に示すようにハンドル7の支軸部7bには、ハンドル7の回転軸回りに延出する係合爪7cが設けられる。蓋4の上面には、右方へ延出した矩形ループ状のハンドル被係合部4bが設けられる。ハンドル被係合部4bは、係合爪7cと同じ前後位置に設けられる。蓋4を閉じ位置へ移動させ、かつハンドル7を使用位置へ移動させると、係合爪7cはハンドル被係合部4bの貫通孔に進入する。これにより蓋4は、ハンドル7と係合してハンドル7から左方へ離間することが抑制される。そのため蓋連結ラッチ8が蓋4の凸部4aと万一係合していない場合であっても、ハンドル7を把持してケース1を持ち運ぶ際、蓋4が不用意に開き位置へ移動することが抑制される。ハンドル7を収納位置へ移動させると、係合爪7cとハンドル被係合部4bの係合が解除される。そのため蓋4を開き位置へ移動させることができる。
【0033】
図1~3に示すようにケース本体2の上面2aには、上被係合部(被係合部)11と上係合部(係合部)12が設けられる。上被係合部11と上係合部12は、上面2aの前部と後部に1つずつ、それぞれ計2つ設けられる。上被係合部11は、ボックス3の右端側(底面側)に設けられる。上係合部12は、蓋4の左端から左方へ突出するように設けられる。上係合部12は、上被係合部11と同じ前後位置に設けられる。上被係合部11と上係合部12は、複数のケース1を上下または前後に積載する際に他のケース1の邪魔にならない位置に設けられる。
【0034】
図1~3に示すように上被係合部11は、ボックス3の上面から上方へ張出した略矩形の柱状に設けられる。上被係合部11には、矩形箱形に切欠かれた溝11aが設けられる。ボックス3の前部に設けられた溝11aは、上被係合部11の左端から右方へ切欠かれ、かつ上被係合部11の前端から後方へ切欠かれている。ボックス3の後部に設けられた溝11aは、上被係合部11の左端から右方へ切欠かれ、かつ上被係合部11の後端から前方へ切欠かれている。上被係合部11は、溝11aを有することで上方から見てL字状である。
【0035】
図1~3に示すように上係合部12は、蓋4の左面から左方へ直線状に延出する基部12aと、基部12aの先端から前後方向に直線状に延出する腕部12bを有する。上係合部12は、上方から見てL字状である。蓋4の前部に設けられた上係合部12の腕部12bは、基部12aの先端から後方へ延出する。蓋4の後部に設けられた上係合部12の腕部12bは、基部12aの先端から前方へ延出する。
【0036】
図1,2に示すようにケース1Aを、上面2aを上側にして床や作業台等に載置する。ケース1Bを、ケース1Aの右方で隣接するようにケース1Aの右面に倣って上方から下方へ移動させる。この時、ケース1Bの上係合部12の腕部12bは、上方から下方へ移動してケース1Aの上被係合部11の溝11aに進入する。腕部12bと溝11aが係合することで、ケース1Aがケース1Bから左方へ離間することを抑制でき、かつケース1Bがケース1Aから右方へ離間することを抑制できる。
【0037】
図1,2を参照するように使用者がケース1Aのハンドル7を把持してケース1Aを持ち上げる場合、ケース1Aの溝11aの位置に対応するケース本体2の上面2aはケース1Bの腕部12bを持ち上げる。これによりケース1Aとケース1Bは、相互に左右方向に離間することを抑制された状態で共に持ち上げられる。使用者がケース1Bのハンドル7を把持してケース1Bを持ち上げる場合、ケース1Bの腕部12bが溝11aから上方へ離脱する。そのためケース1Aとケース1Bの左右方向の係合状態が解除されてケース1Bのみが持ち上げられる。
【0038】
図4に示すようにケース本体2の下面2cには、下被係合部13と下係合部14が設けられる。下被係合部13と下係合部14は、下面2cの前後方向において中央にそれぞれ1つずつ設けられる。下被係合部13は、蓋4の下面に設けられる。下係合部14は、ボックス3の下面の右部に設けられる。下係合部14は、下被係合部13と同じ前後位置に設けられる。下係合部14は、ボックス3に回転可能(回動可能)に設けられ、下方から上方へ回転して下被係合部13に係合する。下被係合部13と下係合部14を係合させることで、ケース1Aのボックス3の下面とケース1Bの蓋4の下面が左右方向に離間することを抑制できる。上面2a側の上被係合部11と上係合部12を係合させ(図2参照)、かつ下面2c側の下被係合部13と下係合部14を係合させることで、ケース1Aとケース1Bが左右方向に離間することをさらに抑制できる。
【0039】
図1~3に示すようにケース本体2の上面2aには、ラッチ15と凸部2bが設けられる。ラッチ15と凸部2bは、上面2aの前部と後部に1つずつ、それぞれ計2つ設けられる。ラッチ15は、蓋4に回転可能(回動可能)に設けられる。ラッチ15は、上係合部12と前後方向に横並びで設けられる。凸部2bは、ボックス3の右端側(底面側)に設けられる。凸部2bは、上被係合部11と前後方向に横並びで設けられて上方へ突出する。凸部2bは、ラッチ15と同じ前後位置に設けられる。ラッチ15は、上方から下方へ回転して凸部2bに係合する。ラッチ15と凸部2bを係合させることで、ケース1Aのボックス3の上面とケース1Bの蓋4の上面が左右方向に離間することをさらに抑制できる。ラッチ15を凸部2bと係合させた状態で、蓋連結ラッチ8を外すこともできる。そのためケース1Aとケース1Bを連結させたまた一方のケースを開閉できる。
【0040】
上述するように相互に連結可能なケース1は、図1に示すように箱状のケース本体2を有する。ケース1は、ケース本体2の上面に設けられかつ作業者に把持されるハンドル7を有する。ケース1は、ケース本体2の上面に設けられる被係合部11を有する。ケース1は、ケース1の左右いずれか一方に並んだ横のケース1に向けて張出して横のケース1の被係合部11に係合する係合部12を有する。係合部12が被係合部11と協働してケース1と横のケース1が左右方向に離間することを抑制する。
【0041】
したがってケース1の係合部12と横のケース1の被係合部11を係合させることで、左右に並んだ複数のケース1を離間しないようにしてまとめて持ち運びできる。しかも複数のケース1を持ち運ぶ際には、ケース本体2の上面に設けられかつケース1を単体で持ち運ぶ際にも使用可能なハンドル7を利用することができる。そのため従来のケース本体2から大きく設計変更することなく本開示のケース1を設けることができる。また、係合部12と被係合部11を、ケース本体2の容量を減らさないように設けることができる。係合部12と被係合部11を、複数のケース1を積載する際に邪魔にならない位置に設けることができる。
【0042】
図1に示すように相互に連結可能なケース1は、箱状のケース本体2を有する。ケース1は、ケース本体2の上面2aに設けられかつ作業者に把持されるハンドル7を有する。ケース1は、ケース本体2の上面2aに設けられる上被係合部11を有する。ケース1は、ケース1の左右いずれか一方に並んだ横のケース1に向けて張出して横のケース1の上被係合部11に上方から係合する上係合部12を有する。上係合部12が上被係合部11と協働してケース1と横のケース1が左右方向に離間することを抑制する。
【0043】
したがってケース1の上係合部12と横のケース1の上被係合部11を係合させることで、左右に並んだ複数のケース1を離間しないようにしてまとめて持ち運びできる。しかも被係合部と上から係合する上係合部は、使用者が視認しながら係合させることができる。また、複数のケース1を持ち運ぶ際には、ケース本体2の上面2aに設けられかつケース1を単体で持ち運ぶ際にも使用可能なハンドル7を利用することができる。そのため従来のケース本体2から大きく設計変更することなく本開示のケース1を設けることができる。また、上係合部12と上被係合部11を、ケース本体2の容量を減らさないように設けることができる。上係合部12と上被係合部11を、複数のケース1を積載する際に邪魔にならない位置に設けることができる。
【0044】
図2,3に示すように上係合部12は、ケース本体2から横のケース1に向けて突出する基部12aと、基部12aの先端から前後いずれか一方に延出する腕部12bを具備する。上被係合部11は、基部12aと腕部12bを進入可能に上面2aに形成された溝11aを具備する。
【0045】
したがってケース1を横のケース1に隣接するように上方から下方へ移動させる。この移動操作のみで上係合部12の腕部12bを横のケース1の上被係合部11に設けられた溝11aに進入させて、上係合部12と上被係合部11を係合させることができる。上係合部12と上被係合部11の係合を解除する場合には、ケース1を横のケース1に対して上方へ移動させるだけで良い。そのため複雑な操作を必要とせず複数のケース1を左右方向に連結可能かつ連結解除可能に設けることができる。
【0046】
図4に示すようにケース1は、ケース本体2の下面2cに設けられた下被係合部13を有する。ケース1は、ケース本体2に回転可能(回動可能)に設けられて横のケース1の下被係合部13に下方から係合される下係合部14を有する。下係合部14が下被係合部13と協働してケース1と横のケース1が左右方向に離間することを抑制する。したがって下係合部14は、横のケース1の下被係合部13に対して下方から係合するように設けられる。そのためシンプルな構造の下係合部14で、複数のケース1が左右方向に離間することを抑制できる。
【0047】
図1~3に示すようにケース1は、ケース本体2の上面2aから上方へ突出する凸部2bを有する。ケース1は、ケース本体2に回転可能(回動可能)に設けられて横のケース1の凸部2bに上方から係合するラッチ15を有する。したがってラッチ15は、左右方向と交差する上下方向に回転して上方から凸部2bに係合する。そのためシンプルな構造のラッチ15で、複数のケース1が左右方向に離間することをより確実に抑制できる。
【0048】
図5に示すようにケース本体2は、開口を備えるボックス3を有する。ケース本体2は、ボックス3に移動可能に設けられて開口を塞ぐ蓋4を有する。ボックス3には、開口に近い開口側領域S1と開口から離れた奥側領域S2に区分けする仕切り5が設けられる。仕切り5は、ウレタン樹脂製の板部材である。
【0049】
したがって仕切り5は、可撓性を有する材料で設けられる。仕切り5が撓んで変形することで、開口側領域S1と奥側領域S2のサイズと容量が変化する。例えば奥側領域S2に比較的大きい電動工具等を収容して仕切り5で奥側領域S2を塞ぐ時、仕切り5の可撓性が低い場合には仕切り5を閉じることができない恐れがある。例えば開口側領域S1に多数の小物等を収容して蓋4で開口側領域S1を塞ぐ時、仕切り5の可撓性が低い場合には蓋4を閉じることができない恐れがある。仕切り5に可撓性を持たせることで、収容物のサイズや容量が開口側領域S1または奥側領域S2のサイズや容量と略同じ場合でも、仕切り5および蓋4を閉じることができる。
【0050】
次に本開示の第2実施例を図6~10に基づいて説明する。ケース20は、図1に示すケース1のケース本体2に代えて、矩形箱形のケース本体21を有する。以下の説明では第1実施例と異なる箇所のみを詳細に説明する。図6に示すようにケース本体21は、開口を具備する矩形箱形のボックス22と、ボックス22の開口を開閉可能にボックス22に連結される矩形箱形の蓋23を有する。ボックス22の上面には、使用者が把持可能なハンドル7が回転可能に設けられる。ボックス22は、蓋23との間に介装される仕切り5を有する。蓋23と仕切り5は、それぞれボックス22の下部に設けられたヒンジ軸を中心にして左右方向へ回転可能にボックス22に連結される。
【0051】
図6~10に示すようにケース本体21の下面21bには、下連結部(第1連結部)25が設けられる。下連結部25は、ボックス22の前部と後部に1つずつ、計2つ設けられる。下連結部25は、ボックス22と一体に設けられる基部25cと、基部25cの下部に設けられる外壁25bを有する。外壁25bは、下側が開口したU字状に設けられてボックス22から前後方向外方へ張り出す。外壁25bの内周側の凹部には、被連結部25aが設けられる。被連結部25aは、下連結部25の下部に設けられ、外壁25bと略平行に前後方向外方へ張り出す。下連結部25の下端は、水平方向に延出する平面状に設けられる。下連結部25は、下端を床や作業台等に設置させることで、ケース20を床や作業台等に載置する際の脚部としても機能する。下連結部25は、複数のケース20を左右または前後に積載する際に邪魔にならない位置に設けられる。
【0052】
図8~10に示すようにケース本体21の上面21aには、上連結部(第2連結部)26が設けられる。上連結部26は、ボックス22の前部と後部に1つずつ、計2つ設けられる。上連結部26は、複数のケース20を左右または前後に積載する際に邪魔にならない位置に設けられる。上連結部26は、左右方向に延出する回転軸26cを中心に回転可能(回動可能)に設けられる。上連結部26は、上方に向けて略垂直に延出する係合位置P1と、ボックス22に対して前後方向外方へ延出する開き位置(非係合位置)P2の間で回転可能である。上連結部26は、開き位置P2から係合位置P1に向けてばね付勢されている。上連結部26は、回転軸26cの上方に押し操作部26bを有する。押し操作部26bをボックス22の外方から内方に向けて指で押すことで、上連結部26は付勢力に抗して係合位置P1から開き位置P2へ移動する。
【0053】
図8に示すように上連結部26は、押し操作部26bの上方に連結爪26aを有する。連結爪26aは、係合位置P1において上連結部26の上部からボックス22の前後方向内方に向けて延出する。連結爪26aは、係合位置P1においてボックス22の前後方向内方に向けてわずかに下方へ延出する。
【0054】
図6~8を参照するようにケース20Bを、下連結部25を脚部として床や作業台等に載置する。ケース20Aを、上面21aを上側にしかつケース20Bの上方から下方へ降ろし、ケース20Bの上面21aに載せる。この時、ケース20Bの上連結部26は、ケース20Aの下連結部25に押されて付勢力に抗して係合位置P1から下連結部25に係合しない開き位置P2へ移動する。上連結部26の連結爪26aが下連結部25の外壁25bの内周側と略同じ高さになると、上連結部26は付勢力によって係合位置P1へ復帰する。これにより連結爪26aは、外壁25bの内周側に進入して被連結部25aと連結する。連結爪26aと被連結部25aが連結することで、ケース20Aとケース20Bが上下方向に離間することが抑制される。使用者は、ケース20Aのハンドル7を把持することで、上下に並んだ2つのケース20A,20Bをまとめて持ち運びできる。
【0055】
図6~8を参照するようにケース20Bの上連結部26の押し操作部26bをボックス22の内方に向けて押すと、上連結部26は付勢力に抗して、下連結部25と係合している係合位置P1から下連結部25に係合しない開き位置P2へ移動する。これにより連結爪26aと被連結部25aの連結が解除され、ケース20Aとケース20Bは上下方向に離間可能になる。
【0056】
上述するようにケース20は、図6~8に示すように箱状のケース本体21を有する。ケース20は、ケース本体21の上面21aに設けられかつ作業者に把持されるハンドル7を有する。ケース20は、ケース本体21の下面21bに設けられた第1連結部25を有する。ケース20は、ケース本体21に設けられてケース20の上方に並んだ上のケース20の第1連結部25に係合する第2連結部26を有する。
【0057】
したがって第2連結部26と上のケース20の第1連結部25を係合させることで、上下に並んだ複数のケース20を相互に離間しないようにまとめて持ち運びできる。しかも複数のケース20を持ち運ぶ際には、ケース本体21の上面21aに設けられかつケース20を単体で持ち運ぶ際にも使用可能なハンドル7を利用することができる。そのため従来のケース本体21から大きく設計変更することなく本開示のケース20を設けることができる。また、第1連結部25と第2連結部26を、ケース本体21の容量を減らさないように設けることができる。第1連結部25と第2連結部26を、複数のケース20を積載する際に邪魔にならない位置に設けることができる。
【0058】
図6~8に示すように箱状のケース本体21を有する。ケース20は、ケース本体21の上面21aに設けられかつ作業者に把持されるハンドル7を有する。ケース20は、ケース本体21の下面21bから下方に突出する下連結部25を有する。ケース20は、ケース本体21に回転可能(回動可能)に設けられてケース20の上方に並んだ上のケース20の下連結部25の外方に位置する開き位置P2と、上のケース20の下連結部25に係合する係合位置P1とに移動する上連結部26を有する。
【0059】
したがって上連結部26を係合位置P1に移動させてと上のケース20の下連結部25に係合させることで、上下に並んだ複数のケース20を相互に離間しないようにまとめて持ち運びできる。また、上連結部を下連結部とは係合しない開き位置に移動可能とすることで、上連結部と下連結部の係合を容易に解除できる。しかも複数のケース20を持ち運ぶ際には、ケース本体21の上面21aに設けられかつケース20を単体で持ち運ぶ際にも使用可能なハンドル7を利用することができる。そのため従来のケース本体21から大きく設計変更することなく本開示のケース20を設けることができる。さらに上連結部26は、下連結部25に係合する係合位置P1と下連結部25に係合しない開き位置P2の間で回転する。そのため複数のケース20を容易に上下に連結させることができ、かつ上下に連結された複数のケース20を容易に単体のケース20に分けることができる。また、上連結部26と下連結部25を、ケース本体21の容量を減らさないように設けることができる。上連結部26と下連結部25を、複数のケース20を積載する際に邪魔にならない位置に設けることができる。
【0060】
図7,9に示すように下連結部25は、設置されてケース本体21を支持する脚部を兼ねる。したがって下連結部25を下側にして床や作業台等に設置させることで、ケース20を安定した姿勢で載置できる。しかもケース20の姿勢が安定した状態で、ケース20の上面21aに設けられた上連結部26を上のケース20の下連結部25に係合させることができる。
【0061】
次に本開示の第3実施例を図11に基づいて説明する。ケース30は、図1に示すケース1のケース本体2に代えて、矩形箱形のケース本体31を有する。以下の説明では第1,第2実施例と異なる箇所のみを詳細に説明する。図11に示すようにケース本体31は、開口を具備する矩形箱形のボックス32と、ボックス32の開口を開閉可能にボックス32に連結される矩形箱形の蓋33を有する。ボックス32の上面には、使用者が把持可能なハンドル7が回転可能に設けられる。ボックス32は、蓋33との間に介装される仕切り5を有する。蓋33と仕切り5は、それぞれボックス32の下部に設けられたヒンジ軸を中心にして左右方向へ回転可能にボックス32に連結される。
【0062】
図11に示すようにケース本体31の上面31aには、上被係合部11と上係合部12が設けられる。上被係合部11と上係合部12は、上面31aの前部と後部に1つずつ、それぞれ計2つ設けられる。上被係合部11は、ボックス32の右端側(底面側)に設けられる。上係合部12は、蓋33の左端から左方へ突出するように設けられる。上係合部12は、上被係合部11と同じ前後位置に設けられる。
【0063】
図11に示すようにケース本体31の下面31cには、下連結部25が設けられる。下連結部25は、ボックス32の前部と後部に1つずつ、計2つ設けられる。ケース本体31の上面31aには、上連結部26が設けられる。上連結部26は、ボックス32の前部と後部に1つずつ、計2つ設けられる。
【0064】
図11に示すようにケース本体31の上面31aには、ラッチ15と凸部31bが設けられる。ラッチ15と凸部31bは、上面31aの前部と後部に1つずつ、それぞれ計2つ設けられる。凸部31bは、ボックス3の右端側(底面側)に設けられて上方へ突出する。凸部31bは、ラッチ15と同じ前後位置に設けられる。ケース本体31の下面31cには、下被係合部13と下係合部14が設けられる(図4参照)。下被係合部13と下係合部14は、下面31cの前後方向において中央にそれぞれ1つずつ設けられる。下被係合部13は、蓋33の下面に設けられる。下係合部14は、ボックス32の下面の右部に設けられる。
【0065】
図11に示すように上被係合部11と上係合部12を係合させることで、ケース30Aとケース30Bを左右横並びで連結できる。上被係合部11と上係合部12を係合させることで、ケース30Cとケース30Dを左右横並びで連結できる。下連結部25と上連結部26を連結させることで、ケース30Aとケース30Cを上下に連結できる。下連結部25と上連結部26を連結させることで、ケース30Bとケース30Dを上下に連結できる。かくして4つのケース30A,30B,30C,30Dを2段2列の箱形に連結できる。使用者は、ケース30Aのハンドル7を把持することで、4つのケース30A,30B,30C,30Dをまとめて持ち運びできる。
【0066】
次に本開示の第4実施例を図12~14に基づいて説明する。ケース用運搬装置40は、図1に示す第1実施例のケース1、図6に示す第2実施例のケース20、図11に示す第3実施例のケース30、その他のケースを連結させて運搬することができる。以下の説明では、ケース用運搬装置40を使用者が背面に背負って運搬する際の使用者の視点に基づいて上下左右前後方向を規定する。前後方向は、背面側を後方として規定する。
【0067】
図12~14に示すようにケース用運搬装置40は、水平方向に延出する矩形板状の台座41を有する。台座41の上面41aには、例えばケース1を載置できる。複数のケース1を上下に連結して台座41の上面41aに載置することもできる。上面41aには、前後方向に延出する2つの溝41bが設けられる。溝41bは、上面41aから下方に向けて凹設される。溝41bには、後述する背面部43を収納することができる。
【0068】
図12~14に示すように台座41の外周には、複数のラッチ(ケース連結部)42が回転可能(回動可能)に設けられる。台座41の後面には、ケース1の被係合部と係合可能なラッチ42aが設けられる。ラッチ42aは、後方から前に向けて回転してケース1の被係合部と係合する。台座41の左右側面には、ケース1の被係合部と係合可能なラッチ42bが設けられる。ラッチ42bは、台座41の左右方向外方から内方に向けて回転してケース1の被係合部と係合する。上面41aに載置されたケース1は、ラッチ42aとラッチ42bを係合させることで台座41から離間しないように保持される。
【0069】
図12~14に示すようにケース用運搬装置40は、台座41の前方に背面部43を有する。背面部43は、脚部が長いU字状の背面部本体43aと、左右方向に延出する回転軸43bを有する。回転軸43bは、台座41の前部に保持される。背面部本体43aの両端は、下部に位置して回転軸43bに連結される。背面部本体43aは、回転軸43bを中心にして後方に延出する収納位置R1と上方に延出する使用位置R2の間で上下に回転可能に設けられる。収納位置R1の背面部本体43aは、台座41の溝41bに収納される。使用位置R2の背面部本体43aは、台座41に対して略垂直に延出する。
【0070】
図12~14に示すように背面部43は、回転軸43bの左方に固定操作部43cを有する。使用者は、固定操作部43cを把持して回転軸43bの軸回りに回転操作することができる。固定操作部43cを緩め方向に回転させることで、背面部本体43aを収納位置R1と使用位置R2の間で回転させることができる。固定操作部43cを締め方向に回転させることで、背面部本体43aを所定の回転位置で保持することができる。使用位置R2における背面部本体43aの上部には、使用者が把持可能なループ形状のハンドル43dが設けられる。使用者は、ハンドル43dを把持して背面部本体43aを収納位置R1と使用位置R2の間で回転させることができる。
【0071】
図12に示すように背面部43には、肩掛け用ハーネス44が装着される。肩掛け用ハーネス44は、上ベルト44aと下ベルト44bを有する。上ベルト44aと下ベルト44bを係合させることで、使用者は背面部43を背中に当てた姿勢でケース用運搬装置40を背負うことができる。
【0072】
上述するようにケース用運搬装置40は、図12~14に示すようにケース1が載置される台座41を有する。ケース用運搬装置40は、台座41に移動可能に設けられてケース1に解除可能に連結するラッチ(ケース連結部)42を有する。ケース用運搬装置40は、台座41に回転可能に設けられ、台座41の上面に沿う収納位置R1と台座41に対して起立する使用位置R2との間で回転する背面部43を有する。ケース用運搬装置40は、背面部43に設けられた肩掛け用ハーネス44を有する。
【0073】
したがって台座41に載置したケース1をラッチ42で台座41と連結できる。そのため使用者が肩掛け用ハーネス44を肩に掛けてケースを容易に持ち運ぶことができる。しかもケース1の上に他のケース1を連結させることで複数のケース1を容易に持ち運びできる。また、背面部43を収納位置R1に格納することで、非使用時のケース用運搬装置40をコンパクトにして持ち運ぶことや収納することができる。
【0074】
以上説明した各実施例には種々変更を加えることができる。蓋4に上被係合部11を設け、ボックス3に上係合部12を設ける構成を例示した。これに代えて、ボックス3に上被係合部11を設け、蓋4に上係合部12を設ける構成としても良い。上被係合部11に対して上から係合する上係合部12を例示したが、上被係合部11と上係合部12が係合する方向はこれに限定されず適宜変更して良い。ラッチ状に回転可能に設けられた下係合部14を例示した。これに代えて、例えばケース本体2の壁面に沿ってスライドする下係合部14であっても良い。下被係合部13と下係合部14を設けない構成であっても良い。ラッチ15を設けない構成であっても良い。上被係合部11、上係合部12、下被係合部13、下係合部14、ラッチ15等の各個数や上面2aまたは下面2cにおける配置は、例示したものに限らず適宜変更して良い。
【0075】
ボックス3と蓋4の間に介装される仕切り5を例示した。これに代えて仕切り5は、例えばボックス3または蓋4の内部に収容される構成であっても良い。可撓性の高いウレタン樹脂製の仕切り5を例示した。これに代えて仕切り5は、例えば繊維製の網であっても良い。仕切り5を網で設けることで、仕切り5の可撓性を更に高めることができる。また、仕切り5が閉じ位置の場合でも仕切り5を介して奥側領域S2を視認することができる。仕切り5を1つ設ける構成を例示したが、仕切り5を複数個設けて奥側領域S2をさらに区分けする構成としても良い。仕切り5を設けない構成としても良い。
【0076】
押し操作で回転する上連結部26を例示した。これに代えて上連結部26は、例えば引き操作で回転する構成であっても良い。ボックス22に下連結部25と上連結部26を設ける構成を例示した。これに代えて、例えば下連結部25と上連結部26の一方または両方を蓋4に設ける構成としても良い。下連結部25、上連結部26等の各個数や上面21aまたは下面21bにおける配置は、例示したものに限らず適宜変更して良い。
【0077】
ラッチ状のケース連結部42が設けられた台座41を例示した。これに代えてケース連結部42は、例えば台座41の側面に沿ってスライドしてケース1と係合する構成であっても良い。ケース1を上下方向に積載して台座41に載置する構成を例示した。これに代えて、ケースを前後方向または左右方向に積載して台座41に載置し、台座41に連結させる構成であっても良い。
【符号の説明】
【0078】
1,1A,1B…ケース
2…ケース本体、2a…上面、2b…凸部、2c…下面
3…ボックス、3a…リブ
4…蓋、4a…凸部、4b…ハンドル被係合部
5…仕切り、5a…リブ、5b…凸部
6…ヒンジ軸
7…ハンドル、7a…把持部、7b…支軸部、7c…係合爪
8…蓋連結ラッチ
11…上被係合部(被係合部)、11a…溝
12…上係合部(係合部)、12a…基部、12b…腕部
13…下被係合部
14…下係合部
15…ラッチ
20,20A,20B…ケース
21…ケース本体、21a…上面、21b…下面
22…ボックス
23…蓋
25…下連結部(第1連結部、脚部)、25a…被連結部、25b…外壁
25c…基部
26…上連結部(第2連結部)、26a…連結爪、26b…押し操作部
26c…回転軸
30,30A,30B,30C,30D…ケース
31…ケース本体、31a…上面、31b…凸部、31c…下面
32…ボックス
33…蓋
40…ケース用運搬装置
41…台座、41a…上面、41b…溝
42,42a,42b…ラッチ(ケース連結部)
43…背面部、43a…背面部本体、43b…回転軸、43c…固定操作部
43d…ハンドル
44…肩掛け用ハーネス、44a…上ベルト、44b…下ベルト
S1…開口側領域、S2…奥側領域
P1…係合位置、P2…開き位置(非係合位置)
R1…収納位置、R2…使用位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14