(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111936
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】電池パックおよび電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240813BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240813BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240813BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240813BHJP
H01M 10/655 20140101ALI20240813BHJP
H01M 50/129 20210101ALI20240813BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20240813BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20240813BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20240813BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240813BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/211
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/655
H01M50/129
H01M50/119
H01M50/121
H01M50/105
H01M50/289
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016679
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂内 喜幸
【テーマコード(参考)】
5H011
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H011AA02
5H011BB03
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H031AA00
5H031AA09
5H031HH08
5H031KK00
5H040AA28
5H040AS11
5H040AT04
5H040AY05
5H040NN01
(57)【要約】
【課題】電池セルで発生した熱を効率良く外部に放出することの可能な電池パックおよび電池モジュールを提供する。
【解決手段】本技術の一側面に係る電池パックは、電池セルと、離間部材と、電池セルおよび離間部材を収容するケースとを備えている。電池セルは、正極、負極およびセパレータを含む電極群と、電極群を覆うフィルム部材とを有している。電池セルにおいて、電極群と、フィルム部材のうち電極群と対向する部分とが第1部位を構成し、フィルム部材のうち電極群と非対向の部分が第2部位を構成する。離間部材は、第1部位と第2部位との連結部分を除いて、第1部位と第2部位とを離間させる位置に配置されている。第2部位は、ケースの内壁に沿って曲げられて配置されるとともに、ケースの内壁に接して配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルと、
離間部材と、
前記電池セルおよび前記離間部材を収容するケースと
を備え、
前記電池セルは、正極、負極およびセパレータを含む電極群と、前記電極群を覆うフィルム部材とを有し、
前記電池セルにおいて、前記電極群と、前記フィルム部材のうち前記電極群と対向する部分とが第1部位を構成し、前記フィルム部材のうち前記電極群と非対向の部分が第2部位を構成し、
前記離間部材は、前記第1部位と前記第2部位との連結部分を除いて、前記第1部位と前記第2部位とを離間させる位置に配置され、
前記第2部位は、前記ケースの内壁に沿って曲げられて配置されるとともに、前記ケースの内壁に接して配置されている
電池パック。
【請求項2】
前記第2部位は、前記第1部位の厚さよりも薄くなっている
請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
複数の前記電池セルと、
複数の前記離間部材と
を更に備え、
複数の前記電池セルおよび複数の前記離間部材は、1つずつ交互に積層され、
複数の前記離間部材のうち、互いに隣接する2つの前記電池セルの間に設けられた前記離間部材は、当該離間部材に隣り合う2つの前記電池セル同士を離間させる位置に配置されている
請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第2部材の長さは、前記第1部材の厚さよりも長くなっている
請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記ケースに収容された複数の前記第2部材のうち、互いに隣り合う2つの前記第2部材の一部が互いに重ね合わされている
請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記複数の電池セルのうち、前記複数の電池セルの積層方向の端部に設けられた前記電池セルを端部電池セルとすると、前記端部電池セルにおける前記第2部材が、前記ケースの内壁のうち、底面もしくは上面に接している
請求項3に記載の電池パック。
【請求項7】
各前記電池セルにおいて、前記第2部材は、前記複数の電池セルの積層方向と直交する方向において前記第1部材を間にして互いに対向する第3部位および第4部位を有し、
前記第3部位および前記第4部位の長さは、それぞれ、前記第1部材の厚さよりも長くなっている
請求項3に記載の電池パック。
【請求項8】
前記ケースの内壁において、前記第3部位が接する箇所と前記第4部位が接する箇所とが互いに異なっている
請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
前記フィルム部材は、前記電極群を挟み込む第1積層フィルムおよび第2積層フィルムを有し、
前記第1積層フィルムおよび前記第2積層フィルムは、それぞれ、金属層を第1樹脂層および第2樹脂層で挟み込んだ積層構造となっている
請求項1に記載の電池パック。
【請求項10】
前記離間部材は、前記第1部材の側面および上面を覆う蓋形状となっており、
前記第2部材は、前記離間部材の側面および上面のうち少なくとも側面を介して前記第1部材と対向するように配置されている
請求項1に記載の電池パック。
【請求項11】
電池セルおよび離間部材を備え、
前記電池セルは、
正極、負極およびセパレータを含む電極群と、
前記電極群を覆うフィルム部材と
を有し、
前記電極群と、前記フィルム部材のうち前記電極群と対向する部分とが第1部位を構成し、前記フィルム部材のうち前記電極群と非対向の部分が第2部位を構成し、
前記離間部材は、前記第1部位と前記第2部位との連結部分を除いて、前記第1部位と前記第2部位とを離間させる位置に配置されている
電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電池パックおよび電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器が広く普及しているため、その電子機器に適用される電源として電池セルの開発が進められている。この場合には、複数の電池セルを容易かつ安全に取り扱うために、その複数の電池セルを備えた電池パックが提案されている。
【0003】
電池パックの構成に関連する技術に関しては、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、小型化、軽量化および薄型化を実現可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電池パックでは、電池セルで発生した熱を効率良く外部に放出することが望まれる。電池セルで発生した熱を効率良く外部に放出することの可能な電池パックおよび電池モジュールを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面に係る電池パックは、電池セルと、離間部材と、電池セルおよび離間部材を収容するケースとを備えている。電池セルは、正極、負極およびセパレータを含む電極群と、電極群を覆うフィルム部材とを有している。電池セルにおいて、電極群と、フィルム部材のうち電極群と対向する部分とが第1部位を構成し、フィルム部材のうち電極群と非対向の部分が第2部位を構成する。離間部材は、第1部位と第2部位との連結部分を除いて、第1部位と第2部位とを離間させる位置に配置されている。第2部位は、ケースの内壁に沿って曲げられて配置されるとともに、ケースの内壁に接して配置されている。
【0007】
本技術の一側面に係る電池モジュールは、電池セルおよび離間部材を備えている。電池セルは、正極、負極およびセパレータを含む電極群と、電極群を覆うフィルム部材とを有している。電極群と、フィルム部材のうち電極群と対向する部分とが第1部位を構成し、フィルム部材のうち電極群と非対向の部分が第2部位を構成するとする。このとき、離間部材は、第1部位と第2部位との連結部分を除いて、第1部位と第2部位とを離間させる位置に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本技術の一側面に係る電池パックによれば、ケースに収容した電池セルの第2部材をケースの内壁に沿って曲げて配置するとともに、ケースの内壁に接して配置するようにしたので、電池セルで発生した熱を、フィルム部材を介して外部に放出することができる。
【0009】
本技術の一側面に係る電池モジュールによれば、離間部材を、第1部位と第2部位との連結部分を除いて、第1部位と第2部位とを離間させる位置に配置するようにしたので、第2部位が、第2部位と第1部位との連結部分を除いて、直接、第1部位に接することがない。これにより、第2部位を伝播する熱が、再び、第1部位に戻るのを防ぐことができる。従って、電池セルで発生した熱を、第2部位を介して効率良く外部に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本技術の一実施形態に係る電池パックの斜視構成例を表す図である。
【
図2】
図2は、電池パックの収容物の斜視構成例を表す図である。
【
図3】
図3は、電池セルの斜視構成例を表す図である。
【
図4】
図4は、
図3の電池セルのA-A線での断面構成例を表す図である。
【
図5】
図5は、
図3の電池パックのA-A線での断面構成の一変形例を表す図である。
【
図6】
図6は、積層フィルムの断面構成例を表す図である。
【
図7】
図7は、離間部材の斜視構成例を表す図である。
【
図8】
図8は、離間部材が被せられた電池パックの斜視構成例を表す図である。
【
図9】
図9は、
図8の電池パックおよび離間部材のA-A線での断面構成例を表す図である。
【
図10】
図10は、電池モジュールの側面構成例を表す図である。
【
図13】
図13は、電池モジュールの側面構成の一変形例を表す図である。
【
図16】
図16は、電池モジュールの側面構成の一変形例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本技術を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.電池パック
1-1.構成
1-2.効果
2.変形例
【0012】
<1.電池パック>
まず、本技術の一実施形態の電池パックに関して説明する。
【0013】
ここで説明する電池パックは、複数の電池を備えた電源であり、電子機器などの多様な用途に適用される。電池パックの用途の詳細に関しては、後述する。電池の種類は、特に限定されないため、一次電池でもよいし、二次電池でもよい。二次電池の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウムイオンの吸蔵放出を利用して電池容量が得られるリチウムイオン二次電池などである。電池の数は、特に限定されないため、任意に設定可能である。以下では、電池が二次電池(リチウムイオン二次電池)である場合に関して説明する。すなわち、以下で説明する電池パックは、複数の二次電池を備えた電源である。
【0014】
<1-1.全体構成>
図1は、電池パック1の斜視構成例を表したものである。
図2は、電池パック1の収容物の斜視構成例を表したものである。電池パック1は、例えば、
図1、
図2に示したように、外装ケース10と、外装ケース10に収容される電池モジュール20および制御基板30とを備えている。外装ケース10が、本開示の一実施の形態に係る「ケース」の一具体例に対応している。制御基板30は、例えば、電池モジュール20の正負極端子に接続されており、電池や電池モジュールの電圧計測や、電池モジュールの残容量の検出、電池モジュールから出力される電流を計測して過電流の有無の検知などをする回路を有している。
【0015】
外装ケース10は、例えば、下部ケースおよび上部ケースによって構成されている。下部ケースおよび上部ケースが互いに重ね合されることによって、電池モジュール20および制御基板30を収容する収容空間が形成される。外装ケース10は、例えば、主として金属によって構成されている。外装ケース10は、例えば、樹脂製、セラミック製、または、これらを組み合わせた複合材によって構成されていてもよい。外装ケース10に用いられ得る金属としては、例えば、アルミ、鉄、ステンレス、チタン、マグネシウム等やそれらの合金が挙げられる。外装ケース10に用いられ得る樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂等やそれらのアロイ樹脂が挙げられる。外装ケース10に用いられ得るセラミックとしては、例えば、炭化ケイ素、窒化アルミ、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。外装ケース10(例えば、下部ケース)には、制御基板30に接続された外部端子11が設けられている。外部端子11には、制御基板30を介して電池モジュール20が接続されている。
【0016】
電池パック1は、電池モジュール20から出力された電力を、外部端子11を介して負荷に供給する放電モードを有している。電池パック1は、さらに、外部端子11に接続された電源から、外部端子11を介して供給された電力を電池モジュール20に蓄積する充電モードを有していてもよい。後述の電池セル40が二次電池である場合、制御基板30は、外部端子11に接続された被接続物の種類に応じて、放電モードと充電モードとを切り替えるようになっている。後述の電池セル40が一次電池である場合、制御基板30は放電モードだけを実行するようになっている。
【0017】
電池モジュール20は、複数の電池セル40および複数の金属製タブを有している。複数の電池セル40は、電池セル40の厚さ方向に積層されている。電池セル40の厚さ方向とは、後述のセル本体部40aの厚さ方向を指している。セル本体部40aの厚さ方向とは、セル本体部40aの上面と、セル本体部40aの底面とが互いに向き合う方向を指している。セル本体部40aの上面とは、電池セル40を外装ケース10に収容したときの、セル本体部40aの上面を指しており、セル本体部40aの底面とは、電池セル40を外装ケース10に収容したときの、セル本体部40aの底面を指している。なお、セル本体部40aの表面において、セル本体部40aの上面および底面に挟まれた面が、セル本体部40aの側面に相当する。
【0018】
複数の電池セル40は、複数の金属製タブを介して電気的に接続されている。例えば、複数の電池セル40のうちの一部である複数の電池セル40が複数の金属製タブによって互いに直列に接続されており、さらに、互いに直列に接続された複数の電池セル40を直列ユニットと称したとき、複数の直列ユニットが複数の金属製タブによって互いに並列に接続されている。なお、複数の電池セル40の接続態様は、上記に限定されるものではない。
【0019】
各金属製タブは、例えば、金属製のリード板によって構成されている。各電池セル40は、一次電池または二次電池である。各電池セル40が二次電池である場合、二次電池の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウムイオンの吸蔵放出を利用して電池容量が得られるリチウムイオン二次電池などである。以下では、各電池セル40が二次電池(リチウムイオン二次電池)である場合に関して説明する。すなわち、以下で説明する電池パック1は、複数の二次電池を備えた電源である。
【0020】
電池モジュール20は、さらに、複数の離間部材50を有している。複数の離間部材50は、複数の電池セル40の積層方向と同一方向に積層されている。複数の電池セル40および複数の離間部材50は、複数の電池セル40の積層方向に1つずつ交互に配置されている。互いに隣接する2つの電池セル40の間に1つの離間部材50が設けられている。離間部材50は、当該離間部材50の上下に配置された2つの電池セル40のそれぞれに接している。離間部材50は、当該離間部材50に隣り合う2つの電池セル40同士を離間させる位置に配置されている。離間部材50は、絶縁性が高く、さらに、熱伝導性の低い材料によって構成されている。離間部材50に用いられ得る材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィンなどの樹脂やそれらのアロイ樹脂、または上記の樹脂を発泡させた発泡プラスチックが挙げられる。
【0021】
図3は、電池セル40の斜視構成例を表したものである。
図4は、電池セル40のA-A線での断面構成例を表したものである。
【0022】
各電池セル40は、例えば、
図3、
図4に示したように、帯状の正極41と、帯状の負極42と、電極群43とを有している。電極群43は、ポリマー電解質およびセパレータを含んで構成されている。電極群43は、例えば、積層されたポリマー電解質およびセパレータが巻回された巻回構造と、この巻回構造を包装する包装体とを有している。巻回構造における正極部分が正極41に接続され、巻回構造における負極部分が負極42に接続されており、正極41および負極42が外部に露出している。
【0023】
正極部分は、帯状の正極集電体上に正極活物質層が形成された構成となっており、正極活物質層上にポリマー電解質層が形成されている。また、負極部分は、帯状の負極集電体上に負極活物質層が形成された構成となっており、負極活物質層上にポリマー電解質層が形成されている。正極41は、正極集電体に接合されている。負極42は、負極集電体に接合されている。正極41は、例えば、アルミニウム(Al)からなる。負極42は、例えば、ニッケル(Ni)からなる。正極41および負極42が、外部端子11に連結されている。
【0024】
各電池セル40は、例えば、
図3、
図4に示したように、電極群43を覆う積層フィルム44,45を有している。各電池セル40において、積層フィルム44,45が、本開示の一実施の形態に係る「フィルム部材」の一具体例に対応している。積層フィルム44,45は、例えば、電極群43を、電極群43の厚さ方向から挟み込んだ構成となっている。電極群43の厚さ方向とは、電極群43の上面と、電極群43の底面とが互いに向き合う方向を指している。電極群43の上面とは、電池セル40を外装ケース10に収容したときの、電極群43の上面を指しており、電極群43の底面とは、電池セル40を外装ケース10に収容したときの、電極群43の底面を指している。積層フィルム44,45には、ラミネート加工が施されている。正極41および負極42は、セル本体部40aの側面に設けられている。正極41および負極42は、積層フィルム44,45で覆われておらず、外部に露出している。
【0025】
ここで、各電池セル40において、電極群43と、積層フィルム44,45のうち、電極群43の厚さ方向において電極群43と対向する部分とがセル本体部40aを構成するとする。また、積層フィルム44,45のうち、電極群43の厚さ方向において電極群43と非対向の部分がサイドシール部40bを構成するとする。また、セル本体部40aが、例えば、
図3、
図4に示したように、互いに対向する一対の側面S1を二組有する形状となっているとする。このとき、各電池セル40において、サイドシール部40bは、電池セル40の厚さ方向と直交する方向(第1の方向)においてセル本体部40aを間にして互いに対向する箇所のそれぞれに設けられている。第1の方向は、例えば、セル本体部40aの4つの側面S1のうち、正極41および負極42が設けられていない側面S1であって、かつ互いに対向する一対の側面S1の対向方向を指している。
【0026】
各電池セル40において、セル本体部40aが、本開示の一実施の形態に係る「第1部位」の一具体例に対応しており、2つのサイドシール部40bからなる部分が、本開示の一実施の形態に係る「第2部位」の一具体例に対応している。また、各電池セル40において、一方のサイドシール部40bが、本開示の一実施の形態に係る「第3部位」の一具体例に対応しており、他方のサイドシール部40bが、本開示の一実施の形態に係る「第4部位」の一具体例に対応している。
【0027】
サイドシール部40bは、セル本体部40aの厚さよりも薄くなっている。サイドシール部40bは、外装ケース10の内壁に沿って曲げられて配置されている。外装ケース10に収容された複数のサイドシール部40bのうち少なくとも1つが、外装ケース10の内壁に接して配置されている。サイドシール部40bの長さ(サイドシール部40bのうちセル本体部40aと接する箇所と、サイドシール部40bのうちセル本体部40aから最も離れた端辺との距離)は、セル本体部40aの厚さよりも長くなっている。サイドシール部40bの長さは、例えば、セル本体部40aの厚さの2倍程度の長さとなっている。
【0028】
サイドシール部40bは、例えば、
図4に示したように、セル本体部40aの側面S1と、セル本体部40aの底面S2との境界部分BPに連結されている。サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分は、セル本体部40aの側面S1と、セル本体部40aの底面S2との境界部分BPに限定されるものではない。サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分は、例えば、
図5に示したように、境界部分BPとは異なる箇所(例えば、セル本体部40aの側面S1の、セル本体部40aの厚さ方向の中央部分CP)であってもよい。サイドシール部40bは、少なくとも、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分、もしくはその近傍において、折り曲げ可能となっている。
【0029】
図6は、積層フィルム44,45の断面構成例を表したものである。積層フィルム44,45は、例えば、
図6に示したように、それぞれ、金属層62を樹脂層61および樹脂層63で挟み込んだ積層構造となっている。樹脂層61,63は、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によって構成されている。金属層62は、例えば、アルミニウム箔などの金属箔によって構成されている。金属層62は、樹脂層61,63と比べて高い熱伝導性を有している。そのため、金属層62は、電極群43を外部から保護する機能だけでなく、電池セル40で発生した熱を外部に放出する放熱経路としての機能も有している。
【0030】
図7は、離間部材50の斜視構成例を表したものである。
図8は、離間部材50が被せられた電池セル40の斜視構成例を表したものである。
図9は、
図8のA-A線での断面構成例を表したものである。離間部材50は、例えば、
図7~
図9に示したように、セル本体部40aの側面S1および上面S3を覆う蓋形状となっている。離間部材50は、例えば、
図7~
図9に示したように、上面S4および側面S5を有している。上面S4は、離間部材50が覆ったセル本体部40aの上面S3と対向する位置に配置されている。側面S5は、離間部材50が覆ったセル本体部40aの側面S1と対向する位置に配置されている。側面S5は、上面S4の端部に連結されている。側面S5は、例えば、
図8に示したように、離間部材50が覆ったセル本体部40aの正極41および負極42のそれぞれに対応して切り欠き51を有している。離間部材50によってセル本体部40aの側面S1および上面S3を覆ったときに、側面S5の下端部分EPは、例えば、
図9に示したように、サイドシール部40bに接する。
【0031】
図10は、電池モジュール20の側面構成例を表したものである。
図11は、
図10に記載の電池モジュール20の断面構成例を表したものである。
図12は、
図11に記載の電池モジュール20を外装ケース10に収容したときの電池パック1の断面構成例を表したものである。電池モジュール20では、複数の電池セル40および複数の離間部材50が複数の電池セル40の積層方向に交互に1つずつ配置されている。各電池セル40において、各サイドシール部40bは、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分、もしくはその近傍において、折り曲げられている。各電池セル40において、各サイドシール部40bは、例えば、
図11、
図12に示したように、離間部材50の下端部分EPと接する箇所において折り曲げられている。
【0032】
外装ケース10に収容された複数のサイドシール部40bのうち少なくとも1つが、外装ケース10の内壁に接して配置されている。
図12には、外装ケース10に収容された各サイドシール部40bが、外装ケース10の内壁に接して配置されている例が示されている。各電池セル40において、離間部材50は、例えば、
図12に示したように、セル本体部40aの側面S1および上面S3を覆っている。つまり、離間部材50は、セル本体部40aとサイドシール部40bとの連結部分を除いて、セル本体部40aとサイドシール部40bとを離間させる位置に配置されている。これにより、各電池セル40において、各サイドシール部40bは、離間部材50の側面S1および上面S3のうち少なくとも側面S1を介してセル本体部40aと対向配置されている。その結果、各電池セル40において、各サイドシール部40bが、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分を除いて、直接、セル本体部40aに接することがない。
【0033】
外装ケース10に収容された複数のサイドシール部40bのうち、互いに隣接する2つのサイドシール部40bの一部が互いに重ね合わされている。
図12には、互いに隣接する2つのサイドシール部40bのうち、互いに重ね合わされた箇所の最表面が外装ケース10の内壁に接している例が示されている。複数の電池セル40のうち、複数の電池セル40の積層方向の端部(最上面)に設けられた電池セル40を端部電池セルとする。このとき、端部電池セルにおける各サイドシール部40bが、例えば、
図11、
図12に示したように、離間部材50の側面S1および上面S3に接している。さらに、端部電池セルにおける各サイドシール部40bが、例えば、
図12に示したように、外装ケース10の内壁のうち、上面に接している。各電池セル40において、外装ケース10のうち、一方のサイドシール部40bが接する箇所と、他方のサイドシール部40bが接する箇所とが互いに異なっている。
【0034】
<1-2.効果>
次に、電池パック1の効果について説明する。
【0035】
本実施の形態では、外装ケース10に収容された各電池セル40のサイドシール部40bが外装ケース10の内壁に接して配置されている。これにより、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して外部に放出することができる。また、サイドシール部40bが外装ケース10の内壁に沿って曲げて配置されているので、サイドシール部40bと外装ケース10の内壁との接触面積を大きくすることができる。その結果、電池セル40の放熱性を向上させることができる。
【0036】
本実施の形態では、各サイドシール部40bが、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分を除いて、セル本体部40aとサイドシール部40bとを離間させる位置に配置されている。これにより、サイドシール部40bが、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分を除いて、直接、セル本体部40aに接することがない。その結果、サイドシール部40bを伝播する熱が、再び、セル本体部40aに戻るのを防ぐことができる。従って、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して効率良く外部に放出することができる。
【0037】
本実施の形態では、サイドシール部40bが電極群43を覆う積層フィルム44,45の一部となっている。これにより、各電池セル40で発生した熱を外装ケース10に伝播させるために新たな部材を設ける必要がない。その結果、少ない部品点数で効率良い放熱を実現することができる。
【0038】
本実施の形態では、サイドシール部40bがセル本体部40aの厚さよりも薄くなっている。これにより、複数の電池セル40を積層して外装ケース10に収容したときに、外装ケース10に収容した各電池セル40のサイドシール部40bを外装ケース10の内壁に接して配置することができる。その結果、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して外部に放出することができる。
【0039】
本実施の形態では、複数の電池セル40および複数の離間部材50は、複数の電池セル40の積層方向に交互に1つずつ配置されている。複数の離間部材50のうち、互いに隣接する2つの電池セル40の間に設けられた離間部材50は、当該離間部材50に隣り合う2つの電池セル40同士を離間させる位置に配置されている。これにより、互いに隣接する2つの電池セル40の間での熱伝導が抑制される。これにより、ある電池セル40で異常発熱が発生した場合に、異常発熱が発生した電池セル40に隣接する電池セル40が過熱され、異常発熱を起こすのを抑制することができる。つまり、誘爆を抑制することができる。また、内部短絡などにより異常発熱が発生した電池セル40で生じた熱を、外装ケース10の内壁に接したサイドシール部40bおよび外装ケース10を介して、電池パック1外部へ放出することができる。これにより、異常発熱が発生した電池セル40から異常発熱が発生した電池セル40に隣接する電池セル40への伝熱を抑制でき、誘爆を抑制することができる。
【0040】
本実施の形態では、サイドシール部40bの長さがセル本体部40aの厚さよりも長くなっている。これにより、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して外部に放出することができる。その結果、電池セル40の放熱性を向上させることができる。また、本実施の形態では、サイドシール部40bの長さがセル本体部40aの厚さよりも長くなっていることにより、外装ケース10に収容された複数のサイドシール部40bのうち、互いに隣接する2つのサイドシール部40bの一部を互いに重ね合わせることができる。つまり、サイドシール部40bと外装ケース10の内壁との間に空隙が生じることを防ぐことができる。これにより、各電池セル40のサイドシール部40bを、直接もしくは他のサイドシール部40bを介して外装ケース10の内壁に接触させることができる。その結果、各電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して外部に効率良く放出することができる。従って、電池セル40の放熱性を向上させることができる。
【0041】
本実施の形態では、複数の電池セル40のうち、複数の電池セル40の積層方向の端部(最上面)に設けられた電池セル40を端部電池セルとしたとき、端部電池セルにおける各サイドシール部40bが、外装ケース10の上面に接している。これにより、端部電池セルにおいて、サイドシール部40bと外装ケース10の内壁との接触面積を大きくすることができる。端部電池セルで発生した熱を、サイドシール部40bを介して外部に効率良く放出することができる。従って、その結果、電池セル40の放熱性を向上させることができる。
【0042】
本実施の形態では、各電池セル40において、サイドシール部40bは、電池セル40の厚さ方向と直交する方向においてセル本体部40aを間にして互いに対向する箇所のそれぞれに設けられている。これにより、各電池セル40において、放熱経路を2つ設けることができるので、各電池セル40の放熱性を向上させることができる。さらに、サイドシール部40bの長さがセル本体部40aの厚さよりも長くなっている。これにより、外装ケース10に収容された複数のサイドシール部40bのうち、互いに隣接する2つのサイドシール部40bの一部を互いに重ね合わせることができる。その結果、各電池セル40のサイドシール部40bを、直接もしくは他のサイドシール部40bを介して外装ケース10の内壁に接触させることができ、各電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して外部に効率良く放出することができる。従って、電池セル40の放熱性を向上させることができる。
【0043】
本実施の形態では、各電池セル40において、外装ケース10のうち、一方のサイドシール部40bが接する箇所と、他方のサイドシール部40bが接する箇所とが互いに異なっている。これにより、各電池セル40で発生した熱を、外装ケース10に伝播させる経路が2つになる。その結果、各電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して外部に効率良く放出することができる。従って、電池セル40の放熱性を向上させることができる。
【0044】
本実施の形態では、積層フィルム44,45が金属層62を樹脂層61,63で挟み込んだ積層構造となっている。これにより、電池セル40で発生した熱を、金属層62を介して外部に放出することができる。その結果、電池セル40の放熱性を向上させることができる。
【0045】
本実施の形態では、離間部材50がセル本体部40aの側面S1および上面S3を覆う蓋形状となっており、各サイドシール部40bが、離間部材50の側面S1および上面S3のうち少なくとも側面S1を介してセル本体部40aと対向配置されている。これにより、各電池セル40において、各サイドシール部40bが、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分を除いて、直接、セル本体部40aに接することがない。その結果、サイドシール部40bを伝播する熱が、再び、セル本体部40aに戻るのを防ぐことができる。従って、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して効率良く外部に放出することができ、電池セル40の放熱性を向上させることができる。
【0046】
<2.変形例>
次に、上記実施の形態に係る電池パック1の変形例について説明する。
【0047】
(変形例A)
上記実施の形態において、外装ケース10に収容された電池セル40の数は、4つに限られるものではなく、例えば、1つ、2つまたは3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0048】
図13は、本変形例に係る電池モジュール20の側面構成例を表したものである。
図14は、
図13に記載の電池モジュール20の断面構成例を表したものである。
図15は、
図14に記載の電池モジュール20を外装ケース10に収容したときの電池パック1の断面構成例を表したものである。本変形例において、電池モジュール20では、例えば、
図13に示したように、1つの電池セル40および1つの離間部材50を有していてもよい。電池セル40において、各サイドシール部40bは、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分、もしくはその近傍において、折り曲げられている。電池セル40において、各サイドシール部40bは、例えば、
図14、
図15に示したように、離間部材50の下端部分EPと接する箇所において折り曲げられている。
【0049】
外装ケース10に収容された各サイドシール部40bが、例えば、
図15に示したように、外装ケース10の内壁のうち上面に接して配置されている。電池セル40において、離間部材50は、例えば、
図14、
図15に示したように、セル本体部40aの側面S1および上面S3を覆っている。つまり、離間部材50は、セル本体部40aとサイドシール部40bとの連結部分を除いて、セル本体部40aとサイドシール部40bとを離間させる位置に配置されている。これにより、各サイドシール部40bは、離間部材50の側面S1および上面S3を介してセル本体部40aと対向配置されている。その結果、各サイドシール部40bが、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分を除いて、直接、セル本体部40aに接することがない。
【0050】
電池セル40における各サイドシール部40bが、例えば、
図15に示したように、外装ケース10の上面に接している。電池セル40において、外装ケース10のうち、一方のサイドシール部40bが接する箇所と、他方のサイドシール部40bが接する箇所とが互いに異なっている。
【0051】
本変形例では、電池セル40のサイドシール部40bが外装ケース10の内壁に接して配置されている。これにより、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して外部に放出することができる。また、サイドシール部40bが外装ケース10の内壁に沿って曲げて配置されているので、サイドシール部40bと外装ケース10の内壁との接触面積を大きくすることができる。その結果、電池セル40の放熱性を向上させることができる。
【0052】
本変形例では、サイドシール部40bが、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分を除いて、セル本体部40aとサイドシール部40bとを離間させる位置に配置されている。これにより、サイドシール部40bが、サイドシール部40bとセル本体部40aとの連結部分を除いて、直接、セル本体部40aに接することがない。その結果、サイドシール部40bを伝播する熱が、再び、セル本体部40aに戻るのを防ぐことができる。従って、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して効率良く外部に放出することができる。
【0053】
本変形例では、サイドシール部40bが電極群43を覆う積層フィルム44,45の一部によって構成されている。これにより、電池セル40で発生した熱を外装ケース10に伝播させるために新たな部材を設ける必要がない。その結果、少ない部品点数で効率良い放熱を実現することができる。
【0054】
本変形例では、サイドシール部40bの長さがセル本体部40aの厚さよりも長くなっている。これにより、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して外部に放出することができる。その結果、電池セル40の放熱性を向上させることができる。
【0055】
(変形例B)
図16は、電池モジュール20の側面構成の一変形例を表したものである。
図17は、
図16に記載の電池モジュール20の断面構成例を表したものである。
図18は、
図17に記載の電池モジュール20を外装ケース10に収容したときの電池パック1の断面構成例を表したものである。
【0056】
上記実施の形態およびその変形例において、複数の電池セル40のうち、複数の電池セル40の積層方向の上端部(最上面)に設けられた電池セル40を上端部電池セルとし、複数の電池セル40のうち、複数の電池セル40の積層方向の下端部(最下面)に設けられた電池セル40を下端部電池セルとする。このとき、例えば、
図16、
図17、
図18に示したように、上端部電池セルにおける一方のサイドシール部40bが、離間部材50の側面S1および上面S3を介してセル本体部40aと対向配置され、下端部電池セルにおける一方のサイドシール部40bが、離間部材50の側面S1およびセル本体部40aの底面を介してセル本体部40aと対向配置されてもよい。このようにした場合であっても、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して効率良く外部に放出することができる。
【0057】
(変形例C)
上記実施の形態およびその変形例において、複数の電池セル40のうち、複数の電池セル40の積層方向の上端部(最上面)に設けられた電池セル40を上端部電池セルとしたときに、上端部電池セルと外装ケース10の内壁との間において離間部材50が省略されてもよい。このようにした場合には、上端部電池セルが直接、外装ケース10の内壁と接する。これにより、電池セル40で発生した熱を、外装ケース10に効率良く放出することができる。
【0058】
(変形例D)
上記実施の形態およびその変形例において、電池モジュール20の上下関係が逆になっていてもよい。このようにした場合であっても、電池セル40で発生した熱を、サイドシール部40bを介して効率良く外部に放出することができる。
【0059】
以上、一実施形態を挙げながら本技術を説明したが、本技術は上記した一実施形態において説明した態様に限定されず、その本技術に関しては種々の変形が可能である。
【0060】
上記実施の形態およびその変形例では、電池セル40が巻回構造を有する場合に関して説明したが、電池セル40の構造は、特に限定されない。具体的には、電池セル40は、積層構造などの他の構造を有してもよい。また 、上記の実施形態およびその変形例では、電極群43にポリマー電解質が含まれている場合が例示されていたが、電極群43に含まれる電解質の状態はポリマーに限定されない。電極群43に含まれる電解質の状態は、例えば、液体であってもよいし、固体であってもよい。
【0061】
また、上記実施の形態およびその変形例では、電池セル40の電極反応物質としてリチウムを用いた例を説明したが、その電極反応物質の種類は、特に限定されない。具体的には、電極反応物質は、ナトリウムおよびカリウムどの長周期型周期表における他の1族の元素でもよいし、マグネシウムおよびカルシウムなどの長周期型周期表における2族の元素でもよいし、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。
【0062】
本明細書中に記載された効果はあくまで例示であるため、本技術の効果は本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して他の効果が得られてもよい。
【0063】
なお、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
<1>
電池セルと、
離間部材と、
前記電池セルおよび前記離間部材を収容するケースと
を備え、
前記電池セルは、正極、負極およびセパレータを含む電極群と、前記電極群を覆うフィルム部材とを有し、
前記電池セルにおいて、前記電極群と、前記フィルム部材のうち前記電極群と対向する部分とが第1部位を構成し、前記フィルム部材のうち前記電極群と非対向の部分が第2部位を構成し、
前記離間部材は、前記第1部位と前記第2部位との連結部分を除いて、前記第1部位と前記第2部位とを離間させる位置に配置され、
前記第2部位は、前記ケースの内壁に沿って曲げられて配置されるとともに、前記ケースの内壁に接して配置されている
電池パック。
<2>
前記第2部位は、前記第1部位の厚さよりも薄くなっている
<1>に記載の電池パック。
<3>
複数の前記電池セルと、
複数の前記離間部材と
を更に備え、
複数の前記電池セルおよび複数の前記離間部材は、1つずつ交互に配置され、
複数の前記離間部材のうち、互いに隣接する2つの前記電池セルの間に設けられた前記離間部材は、当該離間部材に隣り合う2つの前記電池セル同士を離間させる位置に配置されている
<1>または<2>に記載の電池パック。
<4>
前記第2部材の長さは、前記第1部材の厚さよりも長くなっている
<3>に記載の電池パック。
<5>
前記ケースに収容された複数の前記第2部位のうち、互いに隣り合う2つの前記第2部位の一部が互いに重ね合わされている
<4>に記載の電池パック。
<6>
前記複数の電池セルのうち、前記複数の電池セルの積層方向の端部に設けられた前記電池セルを端部電池セルとすると、前記端部電池セルにおける前記第2部位が、前記ケースの内壁のうち、底面もしくは上面に接している
<3>ないし<5>のいずれか1つに記載の電池パック。
<7>
各前記電池セルにおいて、前記第2部位は、前記複数の電池セルの積層方向と直交する方向において前記第1部位を間にして互いに対向する第3部位および第4部位を有し、
前記第3部位および前記第4部位の長さは、それぞれ、前記第1部位の厚さよりも長くなっている
<3>ないし<6>のいずれか1つに記載の電池パック。
<8>
前記ケースの内壁において、前記第3部位が接する箇所と前記第4部位が接する箇所とが互いに異なっている
<7>に記載の電池パック。
<9>
前記フィルム部材は、前記電極群を挟み込む第1積層フィルムおよび第2積層フィルムを有し、
前記第1積層フィルムおよび前記第2積層フィルムは、それぞれ、金属層を第1樹脂層および第2樹脂層で挟み込んだ積層構造となっている
<1>ないし<8>のいずれか1つに記載の電池パック。
<10>
前記離間部材は、前記第1部位の側面および上面を覆う蓋形状となっており、
前記第2部位は、前記離間部材の側面および上面のうち少なくとも側面を介して前記第1部位と対向するように配置されている
<1>ないし<9>のいずれか1つに記載の電池パック。
<11>
電池セルおよび離間部材を備え、
前記電池セルは、
正極、負極およびセパレータを含む電極群と、
前記電極群を覆うフィルム部材と
を有し、
前記電極群と、前記フィルム部材のうち前記電極群と対向する部分とが第1部位を構成し、前記フィルム部材のうち前記電極群と非対向の部分が第2部位を構成し、
前記離間部材は、前記第1部位と前記第2部位との連結部分を除いて、前記第1部位と前記第2部位とを離間させる位置に配置されている
電池モジュール。
【符号の説明】
【0064】
1…電池パック、10…外装ケース、11…外部端子、20…電池モジュール、30…制御基板、40…電池セル、40a…セル本体部、40b…サイドシール部、41…正極、42…負極、43…電極群、44,45…積層フィルム、50…離間部材、51…切り欠き、61,63…樹脂層、62…金属層、S1…側面、S2…底面、S3…上面、S4…上面、S5…側面。