(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111940
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】賞品買取所システム、制御装置及び帳簿データ処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
A63F7/02 329
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016686
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】西尾 彰一郎
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB21
2C088BB32
2C088BB33
2C088BC80
(57)【要約】
【課題】インボイス制度に円滑に対応することを課題とする。
【解決手段】賞品買取管理装置10等の装置が故障等によって使用できない場合には、従業員が手作業で賞品買取を行う(S11)。賞品買取管理装置10の復旧後、従業員が買取内容を入力したならば(S12)、賞品買取管理装置10は、賞品買取データを買取履歴管理装置40に送信する(S13)。買取履歴管理装置40は、受信した賞品買取データを記憶し(S14)、帳簿出力指示を受け付けたならば、帳簿ファイルとして出力する(S15)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定し、前記賞品に相当する金額分の貨幣を払い出す制御装置を有する賞品買取所システムであって、
前記制御装置は、
前記賞品の自動買取処理が行われたならば、該自動買取処理に係る賞品買取データを所定のデータ収集機に送信し、賞品買取所の係員による前記賞品の手買取操作が行われたならば、該手買取操作された手入力買取データを前記データ収集機に送信するよう制御する制御手段を備え、
前記データ収集機は、
前記賞品買取データ及び前記手入力買取データに基づいてインボイス用帳簿データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたインボイス用帳簿データを記憶する記憶手段と、前記インボイス用帳簿データを出力する出力手段とを備えた
ことを特徴とする賞品買取所システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定する賞品判定装置から前記賞品の種別ごとの個数を受け取り、該賞品の種別ごとの個数に相当する金額分の貨幣の払い出しを行うよう貨幣払出機に指示するターミナル装置であることを特徴とする請求項1に記載の賞品買取所システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定する賞品判定装置であることを特徴とする請求項1に記載の賞品買取所システム。
【請求項4】
前記手買取データは、
自装置の障害により賞品の自動買取処理が行うことができなかった場合に、障害復旧後に前記賞品買取所の係員により手入力されたデータであることを特徴とする請求項1に記載の賞品買取所システム。
【請求項5】
前記自動買取データは、
少なくとも所定の操作に応答して読み取られた賞品ごとの個数を含むことを特徴とする請求項1に記載の賞品買取所システム。
【請求項6】
前記出力手段は、
前記インボイス用帳簿データを所定の可搬型記憶媒体に書き込むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の賞品買取所システム。
【請求項7】
前記出力手段は、
前記インボイス用帳簿データを所定の装置に向けて送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の賞品買取所システム。
【請求項8】
遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定し、前記賞品に相当する金額分の貨幣を払い出す制御装置であって、
前記賞品の自動買取処理が行われたならば、該自動買取処理に係る賞品買取データを所定のデータ収集機に送信する第1の制御手段と、
賞品買取所の係員による前記賞品の手買取操作が行われたならば、該手買取操作された手入力買取データを前記データ収集機に送信するよう制御する第2の制御手段と
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項9】
遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定し、前記賞品に相当する金額分の貨幣を払い出す制御装置を有する賞品買取所システムにおける帳簿データ処理方法であって、
前記制御装置が、前記賞品の自動買取処理が行われたならば、該自動買取処理に係る賞品買取データを所定のデータ収集機に送信し、賞品買取所の係員による前記賞品の手買取操作が行われたならば、該手買取操作された手入力買取データを前記データ収集機に送信するよう制御する制御工程と、
前記データ収集機が、前記賞品買取データ及び前記手入力買取データに基づいてインボイス用帳簿データを生成する生成工程と、
前記データ収集機が、前記生成工程により生成されたインボイス用帳簿データを所定の記憶部に記憶する記憶工程と、
前記データ収集機が、前記インボイス用帳簿データを出力する出力工程と
を含むことを特徴とする帳簿データ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インボイス制度に円滑に対応することができる賞品買取所システム、制御装置及び帳簿データ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店の近傍には、賞品買取所が設けられることが多い。この賞品買取所は、遊技客が遊技店で取得した特殊賞品を受け取り、この特殊賞品分の貨幣を出金する。
【0003】
このため、賞品買取所に設置される賞品買取所システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。賞品買取所システムは、遊技客により獲得された特殊賞品を読み取ってその種別を判定する賞品判定装置と、特殊賞品に相当する金額分の貨幣を払い出す貨幣払出機と、各種処理及びデータの記憶を行うターミナル装置とを有する。かかる賞品買取所システムを用いることにより、賞品買取所の係員による手計算を不要とし、特殊賞品及び貨幣の数え間違いを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の賞品買取所システムでは、今後導入されるインボイス制度に円滑に対応することが難しいという問題がある。インボイス(適格請求書)とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものであり、具体的には、区分記載請求書に登録番号、適用税率及び消費税額等の記載が追加された書類やデータを指す。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、インボイス制度に円滑に対応することができる賞品買取所システム、制御装置及び帳簿データ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定し、前記賞品に相当する金額分の貨幣を払い出す制御装置を有する賞品買取所システムであって、前記制御装置は、前記賞品の自動買取処理が行われたならば、該自動買取処理に係る賞品買取データを所定のデータ収集機に送信し、賞品買取所の係員による前記賞品の手買取操作が行われたならば、該手買取操作された手入力買取データを前記データ収集機に送信するよう制御する制御手段を備え、前記データ収集機は、前記賞品買取データ及び前記手入力買取データに基づいてインボイス用帳簿データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたインボイス用帳簿データを記憶する記憶手段と、前記インボイス用帳簿データを出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記制御装置は、遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定する賞品判定装置から前記賞品の種別ごとの個数を受け取り、該賞品の種別ごとの個数に相当する金額分の貨幣の払い出しを行うよう貨幣払出機に指示するターミナル装置であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記制御装置は、遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定する賞品判定装置であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記手買取データは、自装置の障害により賞品の自動買取処理が行うことができなかった場合に、障害復旧後に前記賞品買取所の係員により手入力されたデータであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記自動買取データは、少なくとも所定の操作に応答して読み取られた賞品ごとの個数を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記出力手段は、前記インボイス用帳簿データを所定の可搬型記憶媒体に書き込むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記出力手段は、前記インボイス用帳簿データを所定の装置に向けて送信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定し、前記賞品に相当する金額分の貨幣を払い出す制御装置であって、前記賞品の自動買取処理が行われたならば、該自動買取処理に係る賞品買取データを所定のデータ収集機に送信する第1の制御手段と、賞品買取所の係員による前記賞品の手買取操作が行われたならば、該手買取操作された手入力買取データを前記データ収集機に送信するよう制御する第2の制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、遊技客により獲得された賞品を読み取ってその種別を判定し、前記賞品に相当する金額分の貨幣を払い出す制御装置を有する賞品買取所システムにおける帳簿データ処理方法であって、前記制御装置が、前記賞品の自動買取処理が行われたならば、該自動買取処理に係る賞品買取データを所定のデータ収集機に送信し、賞品買取所の係員による前記賞品の手買取操作が行われたならば、該手買取操作された手入力買取データを前記データ収集機に送信するよう制御する制御工程と、前記データ収集機が、前記賞品買取データ及び前記手入力買取データに基づいてインボイス用帳簿データを生成する生成工程と、前記データ収集機が、前記生成工程により生成されたインボイス用帳簿データを所定の記憶部に記憶する記憶工程と、前記データ収集機が、前記インボイス用帳簿データを出力する出力工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、インボイス制度に円滑に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る賞品買取所システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】
図2は、従来の賞品買取所システムの概要の説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る賞品買取所システムの概要の説明図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した賞品買取管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した賞品設定データ及び賞品買取データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図3に示した買取履歴管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、
図6に示した賞品買取データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係る賞品買取管理装置の手入力操作に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態2に係る賞品買取所システムの概要の説明図である。
【
図10】
図10は、実施形態2に係る賞品読取データの優先処理に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態3に係る賞品買取所システムの概要の説明図である。
【
図12】
図12は、実施形態4に係る賞品買取所システムにおける賞品買取データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態1]
以下に、本実施形態1に係る賞品買取所システム、制御装置及び帳簿データ処理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
本実施形態1に係る賞品買取所システムは、賞品買取所に設置されるシステムであり、この賞品買取所での賞品買取履歴を1賞品毎に賞品買取データとして記録する。このことにより、インボイス制度において必要とされる取引の詳細を証明することができる。
【0020】
<実施形態1に係る賞品買取所システムのシステム構成>
まず、本実施形態1に係る賞品買取所システムのシステム構成について説明する。
図1は、本実施形態1に係る賞品買取所システムのシステム構成を示す図である。
【0021】
図1に示すように、賞品買取所には、賞品買取の状況を管理する賞品買取管理装置10が設置される。この賞品買取管理装置10は、賞品読取機20、貨幣出金機30及び買取履歴管理装置40と通信可能に接続される。
【0022】
賞品読取機20は、買取の対象となる賞品を読み取る装置であり、賞品を読み取ったならば、賞品読取データを賞品買取管理装置10に通知する。この賞品読取データは、読み取った個々の賞品の賞品名を含む。
【0023】
貨幣出金機30は、買い取った賞品の買取代金を出金する装置であり、賞品買取管理装置10から出金指示を受信したならば、この出金指示に基づいて貨幣を出金する。
【0024】
買取履歴管理装置40は、賞品買取の履歴を管理する装置であり、賞品買取管理装置10から賞品買取データを受信したならば、この賞品買取データを記憶する。買取履歴管理装置40は、帳簿出力指示を受け付けたならば、帳簿ファイルを出力する。この帳簿ファイルにより、インボイス制度において必要とされる取引の詳細を証明することができる。
【0025】
なお、本実施形態1では、賞品を読み取る賞品読取機と賞品買取管理装置を別の装置として説明したが、賞品読取機において賞品買取の状況を管理することにより、賞品買取管理装置をなくした構成とすることもできる。
【0026】
<従来の賞品買取所システムの概要>
次に、従来の賞品買取所システムの概要について説明する。
図2は、従来の賞品買取所システムの概要の説明図である。従来の賞品買取所システムでは、従業員が、客から受け取った賞品を賞品読取機20にセットする。
【0027】
賞品読取機20は、セットされた賞品を順次読み取り、賞品読取データとして賞品買取管理装置50に送信する(S1)。賞品買取管理装置50は、受信した賞品読取データに基づいて出金指示を貨幣出金機30に送信し(S2)、貨幣出金機30は、この出金指示に基づいて貨幣を出金し、従業員がこの貨幣を客に支払う。
【0028】
また、賞品買取管理装置50は、受信した賞品読取データから賞品買取データを生成して買取履歴管理装置40に送信する(S3)。買取履歴管理装置40は、受信した賞品買取データを記憶する(S4)。買取履歴管理装置40は、帳簿出力指示を受け付けたならば、帳簿ファイルとして出力する(S5)。この帳簿ファイルは、USBメモリ等の記憶媒体に記憶される。この帳簿ファイルを用いて、インボイス制度において必要とされる取引の詳細を証明することができる。
【0029】
しかしながら、従来の賞品買取所システムでは、賞品買取管理装置50等の装置が故障等によって使用できない場合に賞品買取を行ったならば、装置の復旧後に、賞品買取管理装置50において故障間の賞品買取の内容を手作業で入力して賞品買取データを生成するとともに、この賞品買取データの買取履歴管理装置40への送信も手動で行う必要がある。
【0030】
<実施形態1に係る賞品買取所システムの概要>
次に、本実施形態1に係る賞品買取所システムの概要について説明する。
図3は、本実施形態1に係る賞品買取所システムの概要を説明するための説明図である。
【0031】
図3(a)に示すように、本実施形態1に係る賞品買取所システムでは、賞品買取管理装置10等の装置が故障等によって使用できない場合には、従業員が手作業で賞品買取を行う(S11)。
【0032】
図3(b)に示すように、賞品買取管理装置10の復旧後、従業員が買取内容を入力したならば(S12)、賞品買取管理装置10は、賞品買取データを買取履歴管理装置40に送信する(S13)。
【0033】
買取履歴管理装置40は、受信した賞品買取データを記憶し(S14)、帳簿出力指示を受け付けたならば、帳簿ファイルとして出力する(S15)。例えば、USBメモリに記憶することができる。
【0034】
このように、本実施形態1に係る賞品買取所システムでは、賞品買取管理装置が、故障から復旧後に手入力された賞品買取データを自動的に買取履歴管理装置に送信するよう構成したので、インボイス制度に円滑に対応することができる。
【0035】
<賞品買取管理装置10の構成>
次に、
図3に示した賞品買取管理装置10の構成について説明する。
図4は、
図3に示した賞品買取管理装置10の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、賞品買取管理装置10は、入力部11、表示部12、帳票印字部13、通信部15、記憶部16及び制御部17を有する。
【0036】
入力部11は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。表示部12は、液晶パネル等の表示デバイスである。帳票印字部13は、帳票を印字する出力デバイスである。通信部15は、賞品読取機20、貨幣出金機30及び買取履歴管理装置40とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0037】
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、賞品設定データ16a及び賞品買取データ16bを記憶する。
【0038】
賞品設定データ16aは、賞品の買取金額を示すデータである。賞品買取データ16bは、賞品の買取履歴及び買取履歴管理装置40への送信状態を示すデータである。
【0039】
制御部17は、賞品買取管理装置10を全体制御する制御部であり、設定管理部17a、賞品買取処理部17b、手入力処理部17c、データ送信部17d、出金指示部17e及び印字処理部17fを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、設定管理部17a、賞品買取処理部17b及び手入力処理部17c、データ送信部17d、出金指示部17e及び印字処理部17fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0040】
設定管理部17aは、賞品設定データ16aを管理する処理部である。設定管理部17aは、入力部11から賞品設定を受け付けたならば、この賞品設定を賞品設定データ16aに記憶する。
【0041】
賞品買取処理部17bは、賞品買取データ16bを管理する処理部である。賞品買取処理部17bは、賞品読取機20から賞品読取データを受信したならば、この賞品読取データを賞品買取データ16bに記憶する。この際、賞品読取データの賞品毎に賞品設定データ16aの該当する買取金額と対応付けるとともに、送信状態の項目は「未送信」として記憶する。
【0042】
手入力処理部17cは、入力部11からの入力を受け付けて賞品買取データ16bを更新する処理部である。手入力処理部17cは、入力部11から賞品買取データの入力を受け付けたならば、この賞品買取データを賞品買取データ16bに記憶する。この際、賞品買取データの賞品毎に賞品設定データ16aの該当する買取金額と対応付けるとともに、送信状態の項目は「未送信」として記憶する。
【0043】
データ送信部17dは、賞品買取データ16bを送信する処理部である。データ送信部17dは、賞品買取処理部17b又は手入力処理部17cにより賞品買取データ16bが更新されたならば、買取履歴管理装置40との通信が可能であることを確認した後に、賞品買取データ16bから送信状態の項目が「未送信」のデータを抽出し、抽出したデータを買取履歴管理装置40に送信する。そして、賞品買取データ16bの送信状態の項目が「未送信」であるデータを「送信済」として更新する。
【0044】
出金指示部17eは、貨幣出金機30に対して出金指示を通知する処理部である。出金指示部17eは、賞品読取機20から賞品読取データを受信したならば、この賞品読取データの賞品毎に賞品設定データ16aの該当する買取金額を対応付け、この対応付けた買取金額の合計額を含む出金指示を貨幣出金機30に通知する。
【0045】
印字処理部17fは、賞品買取データ16bの印字出力を制御する処理部である。印字処理部17fは、入力部11から印字指示を受け付けたならば、帳票印字部13から賞品買取データ16bの印字出力を行う。
【0046】
次に、
図4に示した賞品買取管理装置10の記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。
図5は、
図4に示した賞品設定データ16a及び賞品買取データ16bの一例を示す図である。
【0047】
図5(a)に示す賞品設定データ16aは、賞品ID「S001」に対して、賞品名が「遊技賞品(大)」であり、買取金額が「5000円」である状態を対応付け、賞品ID「S002」に対して、賞品名が「遊技賞品(中)」であり、買取金額が「1000円」である状態を対応付け、賞品ID「S003」に対して、賞品名が「遊技賞品(小)」であり、買取金額が「200円」である状態を対応付けている。
【0048】
図5(b)に示す賞品買取データ16bは、番号「1」に対して、取引日時が「2023/3/15 14:30」であり、買取賞品が「遊技賞品(大)」であり、買取金額が「5000円」であり、送信状態が「送信済」である状態を対応付け、番号「2」に対して、取引日時が「2023/3/15 14:30」であり、買取賞品が「遊技賞品(小)」であり、買取金額が「200円」であり、送信状態が「送信済」である状態を対応付け、番号「3」に対して、取引日時が「2023/3/15 14:45」であり、買取賞品が「遊技賞品(中)」であり、買取金額が「1000円」であり、送信状態が「未送信」である状態を対応付けている。
【0049】
<買取履歴管理装置40の構成>
次に、
図3に示した買取履歴管理装置40の構成について説明する。
図6は、
図3に示した買取履歴管理装置40の構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、買取履歴管理装置40は、表示操作部41、データ出力部42、通信部45、記憶部46及び制御部47を有する。
【0050】
表示操作部41は、タッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。データ出力部42は、帳簿ファイルをUSBメモリ等の可搬型記憶媒体にデータ出力するためのインタフェース部である。通信部45は、賞品買取管理装置10等の装置とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0051】
記憶部46は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、賞品買取データ46aを記憶する。賞品買取データ46aは、賞品の買取履歴を示すデータである。
【0052】
制御部47は、買取履歴管理装置40を全体制御する制御部であり、データ管理部47a及びデータ出力制御部47bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、データ管理部47a及びデータ出力制御部47bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0053】
データ管理部47aは、賞品買取データ46aを管理する処理部である。データ管理部47aは、賞品買取管理装置10から賞品買取データを受信したならば、受信したデータを賞品買取データ46aに記憶する。
【0054】
データ出力制御部47bは、帳簿ファイルの出力を制御する処理部である。データ出力制御部47bは、表示操作部41から帳簿出力指示を受け付けたならば、データ出力部42からUSBメモリ等の可搬型記憶媒体に賞品買取データ46aを出力する。この出力した帳簿を用いて、インボイス制度において必要とされる取引の詳細を証明することができる。なお、通信部45から図示しないインターネットを介して、図示しない賞品の卸売業者のサーバ等に対して賞品買取データ46aを送信するよう構成してもよい。
【0055】
次に、
図6に示した買取履歴管理装置40の記憶部46が記憶するデータの具体例について説明する。
図7は、
図6に示した賞品買取データ46aの一例を示す図である。
【0056】
図7に示す賞品買取データ46aは、番号「1」に対して、取引日時が「2023/3/15 14:30」であり、買取賞品が「遊技賞品(大)」であり、買取金額が「5000円」である状態を対応付け、番号「2」に対して、取引日時が「2023/3/15 14:30」であり、買取賞品が「遊技賞品(小)」であり、買取金額が「200円」である状態を対応付け、番号「3」に対して、取引日時が「2023/3/15 14:45」であり、買取賞品が「遊技賞品(中)」であり、買取金額が「1000円」である状態を対応付けている。
【0057】
<実施形態1に係る賞品買取管理装置10の手入力操作に関する処理手順>
次に、本実施形態1に係る賞品買取管理装置10の手入力操作に関する処理手順について説明する。
図8は、本実施形態1に係る賞品買取管理装置10の手入力操作に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
図8に示すように、賞品買取管理装置10は、入力部11から賞品買取データの入力を受け付けたならば(ステップS101:Yes)、この賞品買取データを賞品買取データ16bに記憶する(ステップS102)。
【0059】
買取履歴管理装置40との通信が可能であれば(ステップS103:Yes)、賞品買取データ16bを買取履歴管理装置40に自動的に送信し(ステップS104)、処理を終了する。
【0060】
上述してきたように、本実施形態1に係る賞品買取所システムでは、賞品買取管理装置が、故障から復旧後に手入力された賞品買取データを自動的に買取履歴管理装置に送信するよう構成したので、インボイス制度に円滑に対応することができる。
【0061】
なお、上記の実施形態1では、インボイス制度において必要とされる取引の詳細を出力する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インボイス制度以外の用途に必要な取引の詳細を出力するよう構成することもできる。
【0062】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、賞品買取管理装置が、故障から復旧後に手入力された賞品買取データを自動的に買取履歴管理装置に送信する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。賞品買取管理装置が、買取履歴管理装置に賞品買取データを送信中に、賞品読取機から賞品読取データを受信したならば、この賞品読取データを優先して受信するよう構成することもできる。本実施形態2では、賞品買取管理装置が、賞品買取データの送信より賞品読取データを優先して受信する賞品買取所システムについて説明する。
【0063】
<実施形態2に係る賞品買取所システムの概要>
まず、本実施形態2に係る賞品買取所システムの概要について説明する。
図9は、本実施形態2に係る賞品買取所システムの概要の説明図である。
【0064】
図9に示すように、本実施形態2に係る賞品買取所システムでは、賞品買取管理装置100は、買取履歴管理装置200及び貨幣出金機30と通信可能に接続されるとともに、買取履歴管理装置200を介して賞品読取機20と接続される。
【0065】
賞品買取管理装置100が、買取履歴管理装置200に対して賞品買取データを送信中に、賞品読取機20から賞品読取データを受信したならば、この賞品読取データを賞品買取データの送信より優先して受信する。これにより、客に対する賞品買取処理の遅延を防ぐことができる。
【0066】
<実施形態2に係る賞品読取データの優先処理に関する処理手順>
次に、本実施形態2に係る賞品読取データの優先処理に関する処理手順について説明する。
図10は、本実施形態2に係る賞品読取データの優先処理に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
図10に示すように、賞品買取管理装置100が賞品買取データを送信中に(ステップS201)、賞品読取機20が賞品読取データを買取履歴管理装置200に送信し(ステップS202)、買取履歴管理装置200がこの賞品読取データを中継して賞品買取管理装置100に送信する(ステップS203)。
【0068】
賞品買取管理装置100は、賞品買取データの送信を停止して(ステップS204)、賞品読取データを受信し、受信が完了したならばその旨を買取履歴管理装置200に通知する(ステップS205)。
【0069】
買取履歴管理装置200は、賞品読取データの受信完了を賞品読取機20に通知し(ステップS206)、処理を終了する。
【0070】
上述してきたように、本実施形態2に係る賞品買取所システムでは、賞品買取管理装置が、買取履歴管理装置に賞品買取データを送信中に、賞品読取機から賞品読取データを受信したならば、この賞品読取データを優先して受信するよう構成したので、賞品買取処理の遅延を防ぐことができる。
【0071】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態1では、賞品買取管理装置が、故障から復旧後に手入力された賞品買取データを自動的に買取履歴管理装置に送信する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0072】
賞品買取管理装置が買取履歴管理装置との通信が不通になった場合は、賞品買取管理装置から送信する賞品買取データが未送信となり、この未送信データが所定数以上となるとエラー表示される。このエラー表示は、未送信発生の都度表示されるため、従業員の業務の負担となる虞がある。
【0073】
このため、賞品買取管理装置と買取履歴管理装置との通信が不通の場合は、賞品買取データの未送信に係るエラー表示を非表示にするよう構成することもできる。本実施形態3では、賞品買取管理装置と買取履歴管理装置との通信が不通の場合に、賞品買取データの未送信に係るエラー表示を非表示にする賞品買取所システムについて説明する。
【0074】
<実施形態3に係る賞品買取所システムの概要>
まず、本実施形態3に係る賞品買取所システムの概要について説明する。
図11は、本実施形態3に係る賞品買取所システムの概要の説明図である。
【0075】
図11(a)に示すように、従来の賞品買取所システムでは、賞品買取管理装置50と買取履歴管理装置40との通信が不通になった場合に、賞品買取管理装置50から送信する賞品買取データが未送信となり、この未送信の賞品買取データが所定数以上になるとエラー表示される(S21)。
【0076】
図11(b)に示すように、本実施形態3に係る賞品買取所システムでは、賞品買取管理装置300と買取履歴管理装置40との通信が不通になった場合は、賞品買取管理装置300と買取履歴管理装置40との接続設定をオフにする(S22)。これにより、賞品買取管理装置300の未送信の賞品買取データが所定数以上になってもエラー表示されない。
【0077】
上述してきたように、本実施形態3に係る賞品買取所システムでは、賞品買取管理装置と買取履歴管理装置との通信が不通の場合は、賞品買取管理装置と買取履歴管理装置との接続設定をオフにすることにより、賞品買取データの未送信に係るエラー表示を非表示にすることができる。
【0078】
[実施形態4]
ところで、上記の実施形態1では、賞品買取管理装置が、故障から復旧後に手入力された賞品買取データを自動的に買取履歴管理装置に送信する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0079】
賞品買取管理装置が管理する賞品買取データは、賞品読取機が読み取った順序で記憶されるため、賞品買取データでは買取賞品の種類がばらばらに記憶され、賞品の種類毎の確認が容易ではない。
【0080】
この課題を解決するため、同一取引においては買取賞品の種類毎に賞品買取データに記憶するよう構成することもできる。本実施形態4では、同一取引においては買取賞品の種類毎に賞品買取データに記憶する賞品買取所システムについて説明する。
【0081】
<実施形態4に係る賞品買取所システムにおける賞品買取データの一例>
まず、本実施形態4に係る賞品買取所システムにおける賞品買取データの一例について説明する。
図12は、本実施形態4に係る賞品買取所システムにおける賞品買取データの一例を示す図である。
【0082】
従来の賞品買取所システムでは、賞品買取データは、賞品読取機が読み取った順序で記憶されている。例えば、
図12(a)に示すように、取引日時が「2023/3/15 14:30」である取引においては、番号「1」に対して、買取賞品が「遊技賞品(大)」であり、買取金額が「5000円」である状態を対応付け、番号「2」に対して、買取賞品が「遊技賞品(小)」であり、買取金額が「200円」である状態を対応付け、番号「3」に対して、買取賞品が「遊技賞品(中)」であり、買取金額が「1000円」である状態を対応付けている。
【0083】
また、取引日時が「2023/3/15 14:45」である取引においては、番号「4」に対して、買取賞品が「遊技賞品(小)」であり、買取金額が「200円」である状態を対応付け、番号「5」に対して、買取賞品が「遊技賞品(中)」であり、買取金額が「1000円」である状態を対応付け、番号「6」に対して、買取賞品が「遊技賞品(大)」であり、買取金額が「5000円」である状態を対応付けている。
【0084】
一方、本実施形態4に係る賞品買取所システムでは、賞品買取データは、同一取引においては買取賞品の種類毎に記憶されている。例えば、
図12(b)に示すように、取引日時が「2023/3/15 14:30」である取引においては、番号「1」に対して、買取賞品が「遊技賞品(大)」であり、買取金額が「5000円」である状態を対応付け、番号「2」に対して、買取賞品が「遊技賞品(中)」であり、買取金額が「1000円」である状態を対応付け、番号「3」に対して、買取賞品が「遊技賞品(小)」であり、買取金額が「200円」である状態を対応付けている。
【0085】
また、取引日時が「2023/3/15 14:45」である取引においては、番号「4」に対して、買取賞品が「遊技賞品(大)」であり、買取金額が「5000円」である状態を対応付け、番号「5」に対して、買取賞品が「遊技賞品(中)」であり、買取金額が「1000円」である状態を対応付けている。番号「6」に対して、買取賞品が「遊技賞品(小)」であり、買取金額が「200円」である状態を対応付けている。
【0086】
上述してきたように、本実施形態4に係る賞品買取所システムでは、同一取引においては買取賞品の種類毎に賞品買取データに記憶することができる。
【0087】
なお、上記の実施形態4では、賞品買取管理装置の管理する賞品買取データにおいて、同一取引での買取賞品の種類毎に記憶する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定時間毎に取引を区分し、この区分内において買取賞品の種類毎に記憶するよう構成することもできる。
【0088】
また、上記の実施形態4では、賞品買取管理装置の管理する賞品買取データにおいて、同一取引での買取賞品の種類毎に記憶する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、賞品読取機が読み取った賞品読取データにおいて、同一取引での買取賞品の種類毎に記憶し、この賞品読取データを賞品買取管理装置に送信するよう構成することもできる。
【0089】
また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明に係る賞品買取所システム、制御装置及び帳簿データ処理方法は、インボイス制度に円滑に対応する場合に適している。
【符号の説明】
【0091】
10 賞品買取管理装置
11 入力部
12 表示部
13 帳票印字部
15 通信部
16 記憶部
16a 賞品設定データ
16b 賞品買取データ
17 制御部
17a 設定管理部
17b 賞品買取処理部
17c 手入力処理部
17d データ送信部
17e 出金指示部
17f 印字処理部
20 賞品読取機
30 貨幣出金機
40 買取履歴管理装置
41 表示操作部
42 データ出力部
45 通信部
46 記憶部
46a 賞品買取データ
47 制御部
47a データ管理部
47b データ出力制御部
50 賞品買取管理装置
100 賞品買取管理装置
200 買取履歴管理装置
300 賞品買取管理装置