(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111960
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】電流検出器
(51)【国際特許分類】
G01R 15/20 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
G01R15/20 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016736
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】三ツ木 智也
(72)【発明者】
【氏名】橋本 誠
【テーマコード(参考)】
2G025
【Fターム(参考)】
2G025AA01
2G025AA04
2G025AA07
2G025AA11
2G025AB01
2G025AB02
2G025AC01
(57)【要約】
【課題】より好適な構造を実現する技術を提供する。
【解決手段】電流センサ100は、ギャップ端面106a間にギャップが形成された環状の磁性体コア106と、ギャップ内に配置されるASIC108と、磁性体コア106及びASIC108を内部に収容して配置した状態で、磁性体コア106及びASIC108を相対的に位置決めする下ケース部102と、下ケース部102と組み合わされた状態で、下ケース部102とともに磁性体コア106及びASIC108を内部に収容するとともに、一次導体を挿通可能な挿通部105を有したケース体を構成する上カバー部104と、上カバー部104と一体に設けられ、相互に導通したシールド板110及び端子107を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部にギャップが形成された環状の磁性体コアと、
前記ギャップ内に配置される磁気検出素子と、
前記磁性体コア及び前記磁気検出素子を内部に配置した状態で、前記磁性体コア及び前記磁気検出素子を相対的に位置決めする第1ケース半体と、
前記第1ケース半体と組み合わされた状態で、前記第1ケース半体とともに前記磁性体コア及び前記磁気検出素子を内部に収容するとともに、前記磁性体コアの内側に一次導体を挿通可能な挿通部を有したケース体を構成する第2ケース半体と、
前記第2ケース半体と一体に設けられ、前記第1及び第2ケース半体の組み合わせ状態で前記磁性体コアの外面に沿って配置されるシールド板と、
前記シールド板と導通した状態で前記第2ケース半体と一体に設けられ、前記第1及び第2ケース半体の組み合わせ状態で前記第1ケース半体の内部を貫通しつつ前記ケース体の外部に突出して延びる接地導体と
を備えた電流検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の電流検出器において、
前記第1ケース半体は、
前記接地導体が内部を貫通する部位で前記接地導体を保持することにより、前記接地導体を介して前記第2ケース半体との組み合わせ状態を保持していることを特徴とする電流検出器。
【請求項3】
請求項1に記載の電流検出器において、
前記第2ケース半体は、
前記シールド板及び前記接地導体の各一部が内部に埋設された樹脂成形体で構成されていることを特徴とする電流検出器。
【請求項4】
請求項1に記載の電流検出器において、
前記第2ケース半体には、
前記シールド板と前記接地導体とが互いに面接触により導通する状態で一体に設けられていることを特徴とする電流検出器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載に電流検出器において、
前記第1ケース半体は、
前記磁気検出素子を単独で収容して前記ギャップ内に位置決めする素子収容部を有することを特徴とする電流検出器。
【請求項6】
請求項5に記載の電流検出器において、
前記第1ケース半体は、
前記磁性体コアの外面との接触により前記一次導体の挿通方向に前記磁性体コアを位置決めするリブ状部と、
前記素子収容部を挟んで前記ギャップ間に形成され、前記ギャップの端面との接触により前記磁性体コアを前記挿通方向と直交する第1方向に位置決めする収容壁部と、
前記素子収容部を挟んで前記ギャップの外側に形成され、前記磁性体コアの周面との接触により前記磁性体コアを前記挿通方向と直交する第2方向に位置決めするガイド部とを有することを特徴とする電流検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一次導体に導通する被検出電流の検出に適した電流検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電流検出器に関する先行技術として、ハウジング内に磁気コアや磁気検出素子とともに、複数の部品で構成される接地装置を収容した構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この先行技術は、接地装置を構成する部品のうち、2本の柱状の部位とこれらを繋ぐ桁状の部位を有する部品を2つ平行に並べた状態で磁気コアを載置し、さらに反対側からリングプレート状の部品を被せて磁気コアを間にクランプすることで、磁気コアを接地装置に導通させた構造となっている。これにより、磁気コアと接地装置との間の電気的接続が行われ、磁気コアの外部接地によるシールド効果が得られると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した先行技術は、電流検出器の完成状態で磁気コアに対する外部接地を提供することができる。しかしながら、その組み立て工程では、接地装置の外部端子となる2つの部品を所定間隔に並べて配置したり、それらの桁状の部位に磁気コアを載置したり、柱状の部位の自由端部をリングプレート状の部品の開口部に挿通させて組み付けたりするといった数多くの工数を必要とする。さらに、接地装置で磁気コアを確実にクランプするためには、組み立て工程でリングプレート状の部品に挿通させた自由端部を大きく塑性変形させる(いわゆるカシメる)必要があるため、その分の工数も多く必要となるという問題がある。また、組み立て工程で部品に塑性変形加工(カシメ加工)を施す場合、製品ごとに加工精度のばらつきがあったり、加工不良による品質悪化を生じたりする。
【0005】
このように、電流検出器において磁気コアを外部接地させる構造を採用すると、そのために相応の部品点数が必要となり、組み立て工程ではそれだけ工数が多く必要となる。また、加工精度のばらつきや加工不良の問題も生じてくる。
【0006】
そこで本発明は、より好適な構造を実現する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の解決手段を提供する。なお、以下の説明における括弧書き等はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】
本発明の電流検出器は、磁性体コア及び磁気検出素子(ホール素子及び電流検出回路を備えたIC素子部品でもよい)を備える他、これら部品を収容するケース体を備える。ケース体は、第1ケース半体(例えば下ケース部)と第2ケース半体(例えば上カバー部)との組み合わせで構成され、組み合わせ状態では被検出電流が導通する一次導体を挿通可能な挿通部を有するものとなる。
【0009】
また、本発明の電流検出器は、シールド板及び接地導体を備える。このうちシールド板は、ケース体の組み合わせ状態で磁性体コアの外面に沿って配置されている(磁性体コアをシールドする配置)。また接地導体は、組み合わせ状態では第1ケース半体の内部を貫通しつつ、ケース体の外部に突出して延びている。これにより、シールド板及び接地導体は、電流検出器の完成状態において磁性体コアを外部に接地(例えば実装基板にグランド)させることができる。
【0010】
ここで本発明の電流検出器は、シールド板及び接地導体がケース体の一方の部品である第2ケース半体と一体に設けられた構造を採用する。また特に、シールド板と接地導体とが相互に導通(電気的に導通)した状態で第2ケース半体と一体化された構造となっている。
【0011】
本発明によれば、電流検出器の組み立て工程において、磁性体コア、磁気検出素子、第1ケース半体、そして第2ケース半体といった4つの部品を組み合わせるだけでよい。すなわち、完成状態では磁性体コアをシールド板でシールドし、かつ、接地導体により外部に接地(グランド)させる構造を採用しつつも、シールド板と接地導体といった点数の多い部品が予め第2ケース半体と一体化されている。このため、例えば第1ケース半体に磁性体コア及び磁気検出素子をそれぞれ組み付ける工数の他は、第2ケース半体と第1ケース半体とを組み合わせる工数を必要とするだけでよい。
【0012】
また本発明によれば、第1ケース半体と第2ケース半体との組み合わせ状態(電流検出器の完成状態)において、第2ケース半体と一体に設けられた接地導体が第1ケース半体の内部を貫通する構造である。このため、接地導体の貫通を強固なもの(例えば締まり嵌め)にすることで、組み立て工程で接地導体を第1ケース半体に挿通(例えば圧入)させるだけで、第1ケース半体と第2ケース半体との組み合わせ状態を確実なものにすることができる。
【0013】
この点、上述した先行技術の構造では、組み立て工程の中で接地装置の構成部品同士を正しい位置関係に組み合わせたり、部品の一部に塑性変形加工を施したりする必要があるが、本発明の構造ではこれらの工数を必要とせず、組み立て工程全体として工数を削減することができる。また、組み立て工程での部品加工を必要としないため、加工精度のばらつきが加工不良をなくすことができる。
【0014】
本発明の電流検出器は、以下の構成も備えることができる。
(1)第1ケース半体は、接地導体が内部を貫通する部位で接地導体を保持(例えば、締まり嵌めにより嵌合)することにより、接地導体を介して第2ケース半体との組み合わせ状態を保持することができる。
【0015】
上記の構成によれば、組み立て工程において第1ケース半体の内部を貫通するように接地導体を挿入(例えば圧入)することにより、組み合わせ状態で接地導体が強固に保持されるので、それによって第1ケース半体と第2ケース半体との組み合わせ状態を確実に保持することができる。
【0016】
(2)第2ケース半体は、シールド板及び接地導体の各一部が内部に埋設された樹脂成形体で構成された構造とすることができる。
【0017】
このような構造は、第2ケース半体を樹脂成形する際に、シールド板や接地導体といった部品(金属部品)をインサート成形することで容易に実現することができる。このため、全体として組み立て工程での工数を削減しつつ、部品製造コストも抑えることができる。
【0018】
(3)第2ケース半体は、シールド板と接地導体とが互いに面接触により導通する状態で一体に設けられている構造とすることができる。
【0019】
これにより、線接触や点接触の関係と比較して、シールド板と接地導体との電気的な導通をより確実にすることができる。特に、部品同士を塑性変形加工(カシメ加工)して導通させる構造(上述した先行技術等)の場合、加工箇所が線接触や点接触だけとなり、そこでの良好な導電性が得られないが、本構造によれば、面接触での導通により良好な導電性を得ることができる点で優位である。また、シールド板と接地導体とが樹脂成形体にインサートされている構造とすれば、インサート成形時の樹脂圧力により両者の圧着を確実にすることができる。
【0020】
(4)第1ケース半体は、素子収容部を有する構成としてもよい。素子収容部は、磁気検出素子を単独で収容し、この収容状態で磁性体コアのギャップ内に位置決めすることができる。
【0021】
これにより、磁気検出素子をケース体(第1ケース半体)に対して接合するための補助器具等を必要とすることなく、素子収容部に磁気検出素子を単独で収容するだけで適切に位置決め(ギャップ内での検出に適した位置決め)を完成させることができる。
【0022】
(5)第1ケース半体は、収容状態で磁性体コアを位置決めする各種の部位を有することができる。各種の部位は、リブ状部、収容壁部及びガイド部である。このうちリブ状部は、磁性体コアの外面(一次導体の挿通方向で対向する環状の端面)との接触により、一次導体の挿通方向に磁性体コアを位置決めする。また、収容壁部は、素子収容部を挟んで磁性体コアのギャップ間に形成されており、ギャップの端面との接触により磁性体コアを挿通方向と直交する第1方向に位置決めする。さらにガイド部は、素子収容部を挟んで磁性体コアのギャップの外側に形成されており、磁性体コアの周面(ケース体に挿通される一次導体を取り囲むように位置する内周面及びその外周面)との接触により、磁性体コアを挿通方向と直交する第2方向に位置決めする。
【0023】
上記の構成によれば、第1ケース半体の内部に磁性体コアを収容するだけで、磁性体コアの位置決め(3次元方向の位置決め)を適切に実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように本発明によれば、より好適な構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】一実施形態の電流センサ100の斜視図である。
【
図2】一実施形態の電流センサ100の斜視図である。
【
図3】電流センサ100の基本構成を示す分解斜視図である。
【
図4】電流センサ100の基本構成を示す分解斜視図である。
【
図5】上カバー部104を単独で示した斜視図及び内部構造を示す部分断面図である。
【
図6】電流センサ100の内部構造を示す断面図である。
【
図7】下ケース部102内にASIC108が収容された状態を示す図である。
【
図8】下ケース部102内に磁性体コア106が収容された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、電流検出器の一例として基板実装型の電流センサを挙げているが、本発明はこれに限られるものではない。
【0027】
図1及び
図2は、一実施形態の電流センサ100の斜視図である。このうち
図1が電流センサ100を使用状態で見た上方斜視図であり、
図1中(A)と(B)とでは電流センサ100の向き(Y軸方向)が反転している。
図2は、
図1に示される電流センサ100の下方斜視図であり、同じく
図2中(A)と(B)とでは電流センサ100の向き(Y軸方向)が反転している。また、
図3及び
図4は、電流センサ100の基本構成を示す分解斜視図である。なお、
図3と
図4とでは、分解状態でみた電流センサ100の向き(Y軸方向)が反転している。
【0028】
〔全体構成〕
図1~
図4に示されているように、電流センサ100は、下ケース部102及び上カバー部104からなるケース体の内部に各部品を収容した構造(形態)である。なお、下ケース部102及び上カバー部104の呼称における上、下は便宜上のものであり、製品の使用方向を限定するものではない。
【0029】
下ケース部102及び上カバー部104は樹脂成形品であり、これらを組み合わせて1つのケース体が構成されている。ケース体の内部に収容される部品としては、磁性体コア106、ASIC108、シールド板110(
図1~
図4には現れない)及び端子107がある。
図1及び
図2の完成状態では、磁性体コア106やASIC108の本体、シールド板110等は露出しておらず、端子107の一部分だけがケース体の外側に露出(突出)している。
【0030】
〔部品構成〕
図3及び
図4に示されているように、本実施形態の電流センサ100は大きく分けて4つのパーツP1,P2,P3,P4で構成されている。例えば、第1のパーツP1が下ケース部102であり、第2のパーツP2がASIC108であり、第3のパーツP3が磁性体コア106であり、そして第4のパーツP4が上カバー部104である。各パーツP1~P4は、いずれも組み立て工程の前工程で個別に完成されており、例えば、下ケース部102(P1)は樹脂成形されたものであり、ASIC108(P2)はパッケージされた電子部品であり、磁性体コア106は磁性材料を用いて成形されており、上カバー部104はシールド板110及び端子107を樹脂にインサート成形したものである。
【0031】
このため、本実施形態の電流センサ100の組み立て工程では、4つのパーツP1,P2,P3,P4を組み合わせるだけでよく、シールド板110や端子107といった金属部品の組み立て(組み付け)に工数を必要としない。なお、電流センサ100の組み立て工程についてはさらに後述する。
【0032】
電流センサ100は、例えば
図1に示される姿勢で、図示しない実装基板に面実装(X-Y面に実装)されることで使用形態となる。この使用形態において、電流センサ100の挿通部105内には図示しないバスバー等の一次導体が挿通される。また使用形態において、端子107が実装基板のグランド(GND)に接続され、ASIC108のリード端子108bが実装基板の回路に接続される。以下、より詳細に説明する。
【0033】
〔磁性体コア〕
磁性体コア106は、一部にギャップが形成された環状(C字形状)をなしており、ギャップの両側がギャップ端面106aとなっている。
図1に示される電流センサ100の使用形態で、例えば上下方向(Z軸方向)に図示しない一次導体が挿通されるとすると、磁性体コア106は一次導体の周囲で環状に配置されることになる。この状態で磁性体コア106は、バスバー等の一次導体の周囲に発生する磁界を収束させて磁気回路を構成する。磁性体コア106は、磁性材料(例えば、珪素鋼鈑)を積層又は巻回して形成されている。
【0034】
〔磁気検出素子〕
ASIC108は、例えば直方体形状をなす樹脂パッケージ部108aを有しており、この樹脂パッケージ部108a内に例えばホール素子を含む電流検出回路が集積された電子デバイスである。また、樹脂パッケージ部108aからは複数のリード端子108bが延びており、ASIC108は、リード端子108bを通じて電流センサ100の実装先基板(図示しない)の回路と接続される。ケース体(下ケース部102)への収容状態において、ASIC108は磁性体コア106のギャップ内に配置され、一次導体に導通する被検出電流の検出信号を生成する。
【0035】
〔ケース体〕
本実施形態において例えば、下ケース部102と上カバー部104とは、電流センサ100の使用形態でみた上下方向(Z軸方向)に組み合わされてケース体を構成する。このうち下ケース部102は、底板部102aを有しており、底板部102aは、平面視(X-Y平面)で磁性体コア106よりも全体的に一回り大きい範囲に広がっている。また下ケース部102は、底板部102aの周縁に沿って形成された周壁部102b,102c,102dを有しており、これら周壁部102b,102c,102dは、内部に収容した磁性体コア106を取り囲んでいる。上カバー部104は、天板104aを有しており、この天板104aもまた、平面視で磁性体コア106よりも全体的に一回り大きい範囲に広がっている。
【0036】
電流センサ100は、上記のように一次導体の挿通部105を有しており、この挿通部105は、下ケース部102及び上カバー部104により形成されている。上カバー部104には、天板104aの中央位置に挿通部105の開口が形成されており、この開口から円筒形状のスリーブ104bが下方向に延びて形成されている。一方、下ケース部102には、底板部102aの中央位置に円形状の開口102hが形成されており、スリーブ104bは開口102hを通じて下ケース部102の下方にまで達している(
図2参照)。以下、下ケース部102及び上カバー部104についてさらに説明する。
【0037】
〔第1ケース半体〕
下ケース部102は、上記のように磁性体コア106及びASIC108を収容可能な大きさと形状を有しており、例えば樹脂成形体で構成されている。ここで便宜上、平面視でケース体(下ケース部102及び上カバー部104)の長手方向(Y軸方向)を前後方向として、磁性体コア106のギャップが位置する方向を前方とする(これ以降も同様とする)と、下ケース部102の前側には、磁性体コア106のギャップ間に素子収容部102kが形成されている。素子収容部102kは、ギャップ間を前後方向に延びるスリット形状の空隙として形成されており、底板部102aを貫通して下ケース部102の下方に開口している。ASIC108は、素子収容部102k内に収容された状態で磁性体コア106のギャップ内に位置付けられる。また、ASIC108のリード端子108bは、素子収容部102kの下面開口を通じて下ケース部102の下方に突出する(
図2参照)。なお、素子収容部102kによるASIC108の位置決めについてはさらに後述する。
【0038】
また、下ケース部102には、素子収容部102kを挟んで両側(X軸方向の両側)に一対をなす壁形状の収容壁部102q(
図4参照)が形成されており、磁性体コア106が下ケース部102に収容された状態で、一対の収容壁部102qがギャップ間に位置する。このとき、磁性体コア106のギャップ端面106aが収容壁部102qで位置決めされることで、磁性体コア106(ギャップ位置)とASIC108とが相対的に位置決めされる。
【0039】
また、下ケース部102には、底板部102aの複数箇所にリブ状部102gが形成されており、これらリブ状部102gは底板部102aから上方に突出した突条体となっている。リブ状部102gは、部位(位置)によって長さや形状が異なるが、底板部102aからの突出高さが一定に設定されている。このため下ケース部102内に磁性体コア106が収容された状態では、その下側の外面106bがリブ状部102gに載置されることで、磁性体コア106が上下方向(Z軸方向)に位置決めされるものとなっている。なお、上記の収容壁部102qやリブ状部102g、及びこれらによる磁性体コア106の位置決めについてもさらに後述する。
【0040】
〔第2ケース半体〕
上カバー部104は、下ケース部102の上面開口を閉塞可能な大きさと形状を有しており、例えば樹脂成形体で構成されている。上記の端子107は、上カバー部104と一体に設けられており、上カバー部104と下ケース部102との組み合わせ状態では、複数本のピン形状の端子107(ここでは4本)がいずれも下ケース部102を貫通し、さらにその下面から突出するものとなっている。このため下ケース部102には、各端子107に対応する箇所(ここでは4箇所)に略円柱形状の貫通部102eが形成されており、各貫通部102eの中央には貫通孔102fが形成されている。貫通孔102fは、貫通部102e内を上下方向に貫通して延び、下ケース部102の下面にて開口している(
図1、
図2参照)。以下、上カバー部104の構造についてさらに説明する。
【0041】
図5は、上カバー部104を単独で示した斜視図及び内部構造を示す部分断面図である。このうち
図5中(A)が全体斜視図であり、
図5中(B),(C)が前後方向に沿う垂直断面図(
図5(A)中のB-B断面図、C-C断面図)であり、
図5中(D),(E)が左右方向に沿う垂直断面図(
図5中(A)のD-D断面図、E-E断面図)である。なお、ここでは
図3に示される上カバー部104を上下反転(Y軸回りに反転)させた状態で示している。
【0042】
図5中(A):上カバー部104は、上記のように樹脂成形体で構成されており、さらに上記の端子107とともにシールド板110が一体に設けられた構造である。これら端子107及びシールド板110はいずれも金属部品であり、製造過程で樹脂成形体としての上カバー部104にインサート成形されている。このため、各端子107はその基端部分が上カバー部104内に埋設されており、上カバー部104には、各端子107の基端部分を取り囲むようにしてボス部104c(ここでは4箇所)が形成されている。また、上カバー部104の内面からは前後方向に対向する一対の挿通壁部104eが突出して形成されており、これら挿通壁部104eは、下ケース部102との組み合わせ状態で磁性体コア106のギャップ間に挿通され、上側からASIC108を抑え込むようにして配置される。
【0043】
また、上カバー部104には、天板104aの内側に窪み部104dが形成されており、この窪み部104d内にシールド板110が埋設されるようにしてインサート成形されている。シールド板110は、板状をなすプレート部110aを有しており、このプレート部110aが磁性体コア106の外面106bから周囲(外側)にはみ出る大きさと形状を有している。プレート部110aの内側には開口部110bが形成されており、この開口部110b内に上記のスリーブ104bが位置している。開口部110bの周縁には、複数箇所(ここでは4箇所)に爪部110cが形成されており、これら爪部110cはプレート部110aから上カバー部104の樹脂形成体内部へ斜め方向に屈曲して延びることで、さらに樹脂成形体内部に深く埋め込まれている。以下、断面図を参照しながらさらに説明する。
【0044】
〔シールド板〕
図5中(B),(D):上記のように、シールド板110は全体として上カバー部104の窪み部104d内に埋め込まれているが、さらに爪部110cが樹脂成形体の内部に食い込んだ構造となっている。このため、シールド板110はプレート部110aのほとんどが上カバー部104の内面に露出しているものの、爪部110cの食い込みにより確実に上カバー部104と一体化(保持)され、その脱落が防止されている。
【0045】
〔接地端子部〕
図5中(C),(E):また上記のように、端子107はその基端部分が上カバー部104の樹脂成形体の内部に埋設されており、この基端部分をボス部104cが取り囲むことで端子107の保持を確実なものにしている。そして、各端子107の基端(
図5では下端)にはフランジ部107aが形成されており、このフランジ部107aは端子107の他の部位よりも大きい外径を有している。これにより、インサート成形状態における端子107の脱落が防止されている。
【0046】
さらにシールド板110は、そのプレート部110aがボス部104cよりも外側(X-Y平面の外方向)にまで拡がっており、下ケース部102(樹脂成形体)に対してはボス部104cの内部にまでインサート成形されている。また、各端子107をシールド板110との関係で見ると、各端子107は、下ケース部102の内部でシールド板110を貫通した構造となっている。具体的には、シールド板110には各端子107に対応する箇所(ここではボス部104c内の4箇所)に挿通孔110dが形成されており、この挿通孔110dは、フランジ部107aを除く各端子107のピン形状の部位を挿通可能な大きさを有している。そして、各端子107の挿通状態では、フランジ部107aがプレート部110aの片面(
図5では下側の面)に接触した状態にあり、挿通孔110dを貫通して反対側(
図5では上側)に各端子107のピン形状の部位が延びている。下ケース部102の製造過程では、各端子107がシールド板110の挿通孔110dに挿通された状態でインサート成形されることにより、樹脂の成形圧力でフランジ部107aとプレート部110aとが圧着され、両者の確実な電気的導通が得られるものとなっている。なお、端子107とシールド板110との面接触についてはさらに別の図面を用いて後述する。
【0047】
〔内部構造〕
図6は、電流センサ100の内部構造を示す断面図である。このうち
図6中(A)が左右方向に沿う垂直断面図(
図1中(A)のVIA-VIA断面図)であり、
図6中(C)が前後方向に沿う垂直断面図(
図1中(A)のVIC-VIC断面図)であり、
図6中(B)が(A)の一点鎖線で囲まれた範囲の部分拡大図である。
【0048】
図6中(A),(C):上記のように、電流センサ100の完成状態では、磁性体コア106及びASIC108の各部品は、下ケース部102の内部に収容及び配置され、上カバー部104により覆われている。また、下ケース部102と上カバー部104とが組み合わされた状態で、シールド板110が磁性体コア106の外面106b(ここでは上側の外面)を覆うように配置されている。このとき、シールド板110のプレート部110aが磁性体コア106の外面106bと面接触し、電気的な導通が得られる。また、上カバー部104のスリーブ104bが環状をなす磁性体コア106及びシールド板110の内側を貫通し、その内側には一次導体の挿通部105が形成されている。
【0049】
〔端子圧入構造〕
上記のように、下ケース部102と上カバー部104との組み合わせ状態では各端子107が下ケース部102の貫通孔102fを貫通し、下ケース部102から外方(ここでは下方)に突出する。また、
図6中(A)に示されているように、各貫通孔102fは内部が段付き孔形状となっており、端子107の貫通方向(組み立て時の挿通方向)でみた最奥部(ここでは下部)に縮径された圧入部102mが形成されている。圧入部102mの内径は、貫通孔102fのその他の部分の内径よりも小さく設定されることで、端子107と締まり嵌めの関係で嵌合する。したがって、下ケース部102と上カバー部104との組み立て工程では、各貫通孔102f内に貫通(挿通)させた端子107を圧入部102mに圧入(押し込む)ようにして組み合わせることで、組み立て後は各端子107が圧入部102mで強固に保持された状態となる。これにより、上カバー部104が全体として端子107を介して下ケース部102に保持されることにより、両者の組み合わせ状態が確実に保持される。
【0050】
なお、
図6中(A)に示されているように、電流センサ100が実装基板CBに実装された状態では、各端子107が実装基板CBのスルーホールに挿通され、グランド電極に半田付けされる。これにより、シールド板110を実装基板CBに対して確実にグランド接続することができる。
【0051】
〔面接触による導通〕
図6中(B):上カバー部104の樹脂成形体内部では、シールド板110のプレート部110aと端子107のフランジ部107aとが面接触で導通する構造となっている。これにより、シールド板110と端子107とのより確実な電気的導通が図られるとともに、塑性変形加工等を行うことなくインサート成形時の樹脂圧力(周囲の樹脂による圧力)で両者を面で圧着させるため、製品毎のばらつきを生じることがなく、安定した電気的導通を得ることができる。
【0052】
図6中(C):ASIC108は、上記のように素子収容部102k内に単独で配置されている。本実施形態では、特にASIC108を下ケース部102に対して装着させる中間的な部品は設けられていない。
【0053】
〔各種部品位置決め構造〕
次に、各種部品の位置決め構造について説明する。本実施形態では、ASIC108の位置決め、及び磁性体コア106の位置決めについて特徴的な構造を採用している。以下、電流センサ100の組み立て工程に沿い、下ケース部102内に各部品が収容されていく順に説明する。また、以下の説明では適宜、位置決めの方向を「X方向」、「Y方向」、「Z方向」として説明する。これまでの左右方向が「X方向」に対応し、前後方向が「Y方向」に対応し、上下方向が「Z方向」に対応する。
【0054】
〔ASICの位置決め構造〕
図7は、下ケース部102内にASIC108が収容された状態を示す図である。このうち、
図7中(A)が平面図(X-Y平面)であり、
図7中(B)が(A)の一点鎖線で囲まれた範囲の部分拡大図であり、
図7中(C)が拡大した垂直断面図((B)のC-C断面図)である。
【0055】
〔X方向位置決め〕
図7中(A),(B):上記のように、素子収容部102kはスリット形状の空隙であり、素子収容部102kのX方向間隔は、ASIC108の樹脂パッケージ部108aのX方向厚みと略同等に設定されている。このため、素子収容部102k内にASIC108が収容されると、樹脂パッケージ部108aが空隙内に嵌まり込むことで、ASIC108がX方向に位置決めされる。
【0056】
〔Y方向位置決め〕
図7中(B):素子収容部102kは、Y方向でみて樹脂パッケージ部108aが嵌まり込む範囲の外側がX方向への段付き形状に狭められており、この狭められた範囲にはリード端子108bだけが収容可能であり、樹脂パッケージ部108aを収容するだけの大きさを有していない。このため、素子収容部102k内にASIC108が収容されると、X方向の位置決めと同時にY方向にもASIC108が位置決めされることになる。
【0057】
〔Z方向位置決め〕
図7中(C):素子収容部102kは、Z方向でみて樹脂パッケージ部108aが嵌まり込む範囲より下方の部位の間隔がX方向への段付き形状に狭められることで、素子収容部102k内には段形状の受部102pが形成されている。そして、受部102pより下方の範囲にはリード端子108bだけが収容可能となっており、樹脂パッケージ部108aは受部102pに接触してそれより下方には収容されない構造となっている。このため、素子収容部102k内にASIC108が収容されると、樹脂パッケージ部108aが受部102pに接触することで、ASIC108がZ方向に位置決めされる。
【0058】
〔磁性体コア(ギャップ)の位置決め構造〕
図8は、下ケース部102内に磁性体コア106が収容された状態を示す図である。このうち、
図8中(A)が平面図(X-Y平面)であり、
図8中(B)が垂直断面図((A)のB-B断面図)である。
【0059】
〔X方向位置決め〕
図8中(A):磁性体コア106が下ケース部102内に収容された状態では、そのギャップ間にASIC108(素子収容部102k)が位置付けられる配置となる。下ケース部102には、上記の素子収容部102kを挟んで両側(X方向でみた両側)に一対をなす収容壁部102qが形成されており、下ケース部102内に磁性体コア106が収容されると、ギャップ間に一対の収容壁部102qが位置するとともに、2つのギャップ端面106aがそれぞれ収容壁部102qに対向かつ近接して配置された状態となる。これにより、磁性体コア106及びそのギャップがX方向に位置決めされることになる。
【0060】
〔Y方向位置決め〕
図8中(A):また、下ケース部102には、素子収容部102kを挟んで両側(X方向でみた両側)に、Y方向で二対をなすガイド部102sが形成されている。これらガイド部102sは、素子収容部102kを挟んだ両側に位置し、かつ、磁性体コア106のギャップ近傍の部位を挟んでY方向に対向して配置されている。磁性体コア106が下ケース部102内に収容された状態では、磁性体コア106のギャップ近傍の外周面106c及び内周面106dがそれぞれガイド部102sに対向かつ近接して配置された状態となる。これにより、磁性体コア106及びそのギャップがY方向に位置決めされることになる。
【0061】
〔Z方向位置決め〕
図8中(B):Z方向に関しては、磁性体コア106が下ケース部102のリブ状部102g上に載置され、下側の外面106bがリブ状部102gと接触する。この状態で、下ケース部102内で磁性体コア106がZ方向に位置決めされる。
【0062】
〔ギャップとASICとの相対的位置決め〕
以上のように、下ケース部102にASIC108及び磁性体コア106が収容された状態では、ASIC108及び磁性体コア106が個々にXYZ方向に位置決めされることにより、最終的に磁性体コア106のギャップ内の所望の位置にASIC108が相対的に位置決めされることになる。これにより、電流センサ100の検出精度を安定化させ、品質保持を図ることができる。
【0063】
〔シールド板の位置決め構造〕
シールド板110については、上カバー部104が端子107の圧入により下ケース部102に組み合わされて位置決めされることにより、磁性体コア106の外面106bをプレート部110aが覆う配置(X方向及びY方向)に位置決めされるとともに、磁性体コア106の外面106bに対してプレート部110aが面接触する配置(Z方向)に位置決めされる。また、このとき端子107の圧入によって上カバー部104が下ケース部102に対する圧着状態で強固に保持されていることにより、シールド板110のプレート部110aと磁性体コア106の外面106bとの電気的な導通がより確実に得られ、端子107を通じたシールド板110のグランドを確実に得ることができる。
【0064】
上述した実施形態の電流センサ100によれば、以下のような有用性を得ることができる。
(1)磁性体コア106及びASIC108は、これらを組み立て工程で下ケース部102内に収容するだけで、それぞれを適切な配置へ確実かつ正確に安定して位置決めすることができる。このため、製品毎の位置のばらつきを低減し、電流センサ100の使用形態において本来の検出性能を十分かつ確実に発揮することができ、信頼性や動作特性を向上することができる。
(2)また、組み立て工程で磁性体コア106やASIC108といった各種部品の位置決めを特に気にする必要がなく、下ケース部102の形態に従って各種部品を組み付けていくだけでよいため、作業性や作業効率を向上することができる。
【0065】
(3)また、電流センサ100の完成状態では、下ケース部102(リブ状部102g)と上カバー部104(シールド板110)とで磁性体コア106を厚み方向に挟み込んだ構造とすることで、磁性体コア106のがたつき(微振動)をなくし、電流センサ100の使用形態において耐振動性や耐衝撃性を向上させることができる。
(4)さらに、各種部品の位置決め構造が確実かつ堅固であることから、電流センサ100を長期にわたって耐久使用しても、各種部品の位置決め精度に狂いが生じることがなく、長期間にわたり信頼性を維持することができる。
【0066】
(5)金属部品のシールド板110及び端子107を上カバー部104にインサート成形して一体化させた構造であることから、ロバスト設計を実現することができる。
この点、先行技術で挙げた例のように、組み立て工程で金属部品を塑性変形加工(カシメ加工)する構造であると、製品毎に加工精度のばらつきが生じるため、ロバスト設計を実現することが困難である。
(6)また、先行技術で挙げた例のように、組み立て工程中で金属部品が別途3点追加される態様では、それだけ組み立て工程での部品点数が多くなり、工数も多くなるが、本実施形態では、組み立て工程中での部品点数が4点(
図3、
図4)で済むため、組み立て工程での部品点数や組み付けの工数を削減することができ、製造コストの低減、及び品質向上を図ることができる。
【0067】
(7)先行技術で挙げた例のように、組み立て工程で金属部品に塑性変形加工を施す態様では、加工に適した軟材(例えば黄銅)を金属部品に採用しなければならないが、本実施形態では、上カバー部104に金属部品を一体化させているため、塑性変形を行う加工をする必要がなく、より剛性の高い材料を採用することが可能となり、それに伴い電流センサ100の使用状態での耐振動性や耐衝撃性を向上させることができる。
【0068】
(8)先行技術で挙げた例の構造では、電流センサに対する天面方向(上下方向)の加速度に対し、樹脂ケースと樹脂カバーの爪嵌合、そして金属部品の塑性変形(カシメ)のみで磁気コアのような構造物を保持する構造であるため、天面方向の加速度によるがたつきが発生する可能性がある。
この点、本実施形態では上カバー部104が一体成形であるため、天面方向(上下方向)の加速度を受けても磁性体コア106のような構造物やその他の各部品間でがたつきが発生しにくい構造であり、製品個体差のばらつきが生じにくい点で優位である。また、電流センサ100の使用環境で一定周波数の振動を受けたとしても、内部構造物のがたつきが抑えられていることにより、共振の発生も抑えることができる。
【0069】
本発明は、上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。
一実施形態では、電流センサ100の使用形態で下側に下ケース部102が位置し、上側に上カバー部104が位置する例を挙げているが、上下が反転した使用形態であってもよい。また、「下ケース部」や「上カバー部」といった上下の呼称は便宜上のものであり、単に「ケース部」や「カバー部」等としてもよい。
【0070】
ケース体を構成する2つの部品は、一方が下ケース部102のような容器形状であり、他方が上カバー部104のような蓋形状であるだけでなく、両方が半容器形状であってもよい。また、下ケース部102が底蓋形状であり、上カバー部104が容器形状であってもよい。
【0071】
上カバー部104の樹脂成形体内部での端子107とシールド板110との位置関係は、一実施形態で挙げたものに限られず、例えば、フランジ部107aの天面(
図5では下面)がシールド板110のプレート部110aに面接触する態様であってもよい。また、シールド板110に挿通孔110dが形成されていなくてもよく、切欠であってもよい。あるいは、シールド板110に挿通孔110dや切欠が形成されておらず、フランジ部107aが端子107から一方向だけに延びていて、シールド板110の外縁からプレート部110aに面接触するように配置されていてもよい。
【0072】
その他、一実施形態で挙げた磁性体コア106やASIC108、シールド板110、下ケース部102、上カバー部104等の形状はあくまで例示であり、これらの具体的な形状やサイズは適宜に変形可能である。
【符号の説明】
【0073】
100 電流センサ
102 下ケース部
102g リブ状部
102k 素子収容部
102q 収容壁部
102s ガイド部
104 上カバー部
106 磁性体コア
107 端子
107a フランジ部
108 ASIC
110 シールド板
110d 挿通孔