(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111967
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240813BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240813BHJP
G03G 15/20 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
G03G21/16 185
G03G15/00 680
G03G15/20 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016744
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 未都
(72)【発明者】
【氏名】入山 翔太
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
【Fターム(参考)】
2H033BA02
2H033BA06
2H033BB01
2H033BB28
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA19
2H171GA12
2H171GA31
2H171HA23
2H171JA12
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA48
2H171JA51
2H171JA52
2H171JA59
2H171KA05
2H171KA09
2H171KA13
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA27
2H171MA02
2H171MA07
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB14
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB52
2H171QC03
2H171QC05
2H171QC36
2H171SA10
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】ヒータへの通電が遮断された状態で定着器を本体筐体から外すことができる。
【解決手段】画像形成装置1は、本体筐体10に装着可能な定着器80を備える。本体筐体10は、オン状態でヒータ81Aへの通電が許容され、オフ状態で通電が遮断されるインターロックスイッチ87を有する。定着器80は、装着位置においてインターロックスイッチ87に当接するスイッチ当接部88を有する。定着器80は、第1工程と、第2工程とを経て本体筐体10に装着される。第1工程は、定着器80が装着方向にスライド移動して本体筐体内に進入する工程である。第2工程は、装着方向へのスライド移動とは異なる動きにより装着位置まで移動する工程である。スイッチ当接部88は、第1工程においては、インターロックスイッチ87に当接せず、第2工程において、インターロックスイッチ87に当接してインターロックスイッチ87をオフ状態からオン状態とする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
シートに現像剤像を形成するプロセス部と、
シートに形成された現像剤像を熱定着する定着器であって、ヒータを有する加熱部と、前記加熱部との間でシートを圧接する加圧部と、を有し、前記本体筐体の装着位置に装着可能な定着器と、を備え、
前記本体筐体は、オン状態である場合に前記ヒータへの通電が許容され、オフ状態である場合に前記ヒータへの通電が遮断されるインターロックスイッチを有し、
前記定着器は、
前記装着位置において、前記インターロックスイッチに当接するスイッチ当接部を有し、
前記定着器が装着される装着方向にスライド移動して前記本体筐体内に進入する第1工程と、
前記第1工程の後、前記装着方向へのスライド移動とは異なる動きにより前記装着位置まで移動する第2工程と、を経て前記本体筐体に装着され、
前記スイッチ当接部は、
前記第1工程においては、前記インターロックスイッチに当接せず、
前記第2工程において、前記インターロックスイッチに当接してインターロックスイッチをオフ状態からオン状態とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記定着器は、前記第2工程において、第1軸を中心に回動することで前記装着位置まで移動することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記定着器は、前記装着位置に位置決めする位置決め部を有し、
前記本体筐体は、前記位置決め部に係合する被位置決め部を有し、
前記位置決め部は、前記装着方向において、前記スイッチ当接部と、前記第1軸の間に位置することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記定着器は、前記第2工程において、前記第1工程の後、前記スイッチ当接部が下方に移動することで前記装着位置に位置することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記定着器は、回動軸を中心に第1位置と第2位置とに回動可能なレバーを有し、
前記レバーは、前記第1位置に位置する場合に、前記本体筐体と係合して前記定着器が前記本体筐体から外れるのを規制する係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記レバーは、前記定着器を前記本体筐体から外す場合に把持可能な把持部を有し、
前記把持部が把持された場合、前記レバーは前記第1位置から前記第2位置に回動することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記定着器は、前記本体筐体の本体コネクタに接続される定着コネクタであって、前記ヒータに電力を供給するための定着コネクタをさらに有し、
前記定着コネクタは、前記第1工程において前記本体コネクタに接続され、前記第2工程において前記本体コネクタへの接続が維持されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、定着器が着脱可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒータを有する定着器が着脱可能な画像形成装置が知られている。例えば、従来の画像形成装置は、特許文献1に記載されている。この画像形成装置では、開閉カバーを開いた状態で、定着器の取っ手部を把持して定着器を着脱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ヒータへの通電が遮断された状態で本体筐体から外すことが望ましい。
【0005】
そこで、本開示は、ヒータへの通電が遮断された状態で定着器を外すことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を達成するため、本願の画像形成装置は、本体筐体と、プロセス部と、定着器と、を備える。
プロセス部は、シートに現像剤像を形成する。定着器は、シートに形成された現像剤像を熱定着する。定着器は、加熱部と、加圧部と、を有する。加熱部は、ヒータを有する。加圧部は、加熱部との間でシートを圧接する。定着器は、本体筐体の装着位置に装着可能である。本体筐体は、インターロックスイッチを有する。インターロックスイッチは、オン状態である場合にヒータへの通電が許容され、オフ状態である場合にヒータへの通電が遮断される。定着器は、装着位置において、インターロックスイッチに当接するスイッチ当接部を有する。
定着器は、第1工程と、第2工程と、を経て本体筐体に装着される。第1工程は、定着器が装着される装着方向にスライド移動して本体筐体内に進入する工程である。第2工程は、第1工程の後、装着方向へのスライド移動とは異なる動きにより装着位置まで移動する工程である。スイッチ当接部は、第1工程においては、インターロックスイッチに当接しない。スイッチ当接部は、第2工程において、インターロックスイッチに当接してインターロックスイッチをオフ状態からオン状態とする。
【0007】
定着器を装着する場合、インターロックスイッチが第1工程ではオン状態とならず、第2工程によってオン状態となるため、インターロックスイッチがオフ状態である場合に、定着器を取り外すことができる。これにより、ヒータへ通電が遮断された状態で定着器を外すことができる。また、定着器を取り外す場合に、第2工程に対応する工程を経てから定着器が取り外される。このため、ユーザが定着器を装着方向の逆方向に引っ張って、不必要に定着器が外れてしまうことを防止できる。
【0008】
また、画像形成装置は、定着器が第2工程において、第1軸を中心に回動することで装着位置まで移動してもよい。
【0009】
また、画像形成装置は、定着器が、装着位置に位置決めする位置決め部を有し、本体筐体は、位置決め部に係合する被位置決め部を有し、位置決め部は、装着方向において、スイッチ当接部と、第1軸の間に位置してもよい。
【0010】
また、画像形成装置は、定着器が、第2工程において、第1工程の後、スイッチ当接部が下方に移動することで装着位置に位置してもよい。
【0011】
定着器が、スイッチ当接部が下方に移動することで装着位置に位置するため、重力を利用して定着器の位置決めができる。
【0012】
また、画像形成装置は、定着器が回動軸を中心に第1位置と第2位置とに回動可能なレバーを有してもよい。そして、レバーは、第1位置に位置する場合に、本体筐体と係合して定着器が本体筐体から外れるのを規制する係合部を有してもよい。
【0013】
レバーが第1位置に位置する場合に定着器が外れるのを規制する係合部を有することで、レバーを回動させないと定着器が外れないようにできる。
【0014】
また、画像形成装置は、レバーが、定着器を本体筐体から外す場合に把持可能な把持部を有してもよい。そして、把持部が把持された場合、レバーは第1位置から第2位置に回動してもよい。
【0015】
把持部を把持することでレバーが回動するため、定着器を外す操作が容易である。
【0016】
また、画像形成装置は、本体筐体の本体コネクタに接続される定着コネクタであって、ヒータに電力を供給するための定着コネクタをさらに有してもよい。そして、定着コネクタは、第1工程において本体コネクタに接続され、第2工程において本体コネクタへの接続が維持されてもよい。
【0017】
第2工程において、定着コネクタと本体コネクタの接続が維持されるため、定着器を外す場合に、インターロックスイッチがオフ状態でとなった後に、定着コネクタと本体コネクタの接続を解除できる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、ヒータへ通電が遮断された状態で定着器を画像形成装置から外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
【
図2】ヒータ、インターロックスイッチ、制御部の電気的接続を示すブロック図である。
【
図3】リヤカバーを開けた状態の画像形成装置を示す斜視図である。
【
図4】
図3の状態から定着器を引き出した状態の斜視図である。
【
図5】定着器を本体筐体に装着する前を示す図(a)と、定着器を本体筐体に装着する過程であり、第1基準部がガイド面と接触した状態を示す図(b)である。
【
図6】定着器を本体筐体に装着する過程であり、第1基準部が傾斜面と接触した状態を示す図(a)と、第1基準部が先端面から外れた状態を示す図(b)である。
【
図7】レバーが第1位置に位置し、定着器が装着位置に位置した状態を示す図(a)と、レバーが第2位置に位置し、定着器が装着位置に位置した状態を示す図(b)である。
【
図8】本体コネクタと定着コネクタが接続された状態を示す図(a)と、(a)の状態から定着器が回動した状態を示す図(b)と、本体コネクタから定着コネクタが外れた状態を示す図(c)である。
【
図9】インターロックスイッチが定着器の前側に配置された形態を示す図であり、第2工程の回動前を示す図(a)と、回動後を示す図(b)である。
【
図10】インターロックスイッチが定着器の上側に配置された形態を示す図であり、第2工程の回動前を示す図(a)と、回動後を示す図(b)である。
【
図11】他の形態におけるヒータ、インターロックスイッチ、制御部の電気的接続を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、シート供給部20と、プロセス部30と、定着器80と、シート排出部90とを備える。
【0021】
本体筐体10は、フロントカバー11と、排出トレイ12と、リヤカバー13とを有する。本体筐体10は、開口10Aと、開口10Bと、を有する。フロントカバー11は、本体筐体10の前側の開口10Aを開閉する。リヤカバー13は、本体筐体10の後側の開口10Bを開閉する。
【0022】
シート供給部20は、シートトレイ21と、供給機構22とを備える。シートトレイ21は、紙などのシートSを収容する。供給機構22は、シートトレイ21内のシートSをプロセス部30に供給する。
【0023】
プロセス部30は、シートSに現像剤像を形成する。プロセス部30は、露光装置40と、プロセスユニットPUと、転写ユニット70とを備える。
【0024】
露光装置40は、プロセスユニットPUの上に位置する。露光装置40は、光ビームを出射して感光ドラム51の表面を露光する。
【0025】
プロセスユニットPUは、シートトレイ21と露光装置40の間に位置する。プロセスユニットPUは、フロントカバー11を開くことで開放される本体筐体10の開口10Aを通して、本体筐体10に着脱可能である。プロセスユニットPUは、ドラムカートリッジ50と、複数のトナーカートリッジ60とを備える。
【0026】
ドラムカートリッジ50は、複数の感光ドラム51と、複数の感光ドラム51に対応する複数の帯電器52と、ドラムフレーム53とを備える。
【0027】
ドラムフレーム53は、感光ドラム51および帯電器52を支持する。ドラムフレーム53は、本体筐体10に移動可能に支持される。ドラムフレーム53には、トナーカートリッジ60が着脱可能である。
【0028】
複数のトナーカートリッジ60は、互いに異なる色のトナーを収容する。トナーカートリッジ60は、現像ローラ61と、供給ローラ62と、層厚規制ブレード63と、トナーを収容するトナー収容部64と、アジテータ65とを備える。
【0029】
アジテータ65は、トナー収容部64内のトナーを攪拌する。アジテータ65は、トナーを供給ローラ62に供給する。供給ローラ62は、トナーを現像ローラ61に供給する。層厚規制ブレード63は、現像ローラ61上のトナーを一定の厚さに規定する。
【0030】
転写ユニット70は、シートトレイ21とプロセスユニットPUの間に位置する。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、複数の転写ローラ74とを備える。搬送ベルト73は、シートSを搬送するための無端状のベルトである。駆動ローラ71および従動ローラ72は、搬送ベルト73を回転させる。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側に位置する。転写ローラ74は、感光ドラム51との間で搬送ベルト73を挟む。
【0031】
定着器80は、加熱部の一例としての加熱ローラ81と、加圧部の一例としての加圧ローラ82とを備える。加熱ローラ81は、ヒータ81Aを有する。加熱ローラ81は、図示せぬ駆動源の駆動力を受けて回転する。
【0032】
加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間でシートSを圧接する。加圧ローラ82は、加熱ローラ81に従動して回転する。
【0033】
帯電器52は、感光ドラム51の表面を帯電する。露光装置40は、感光ドラム51の表面を露光する。これにより、感光ドラム51上には、静電潜像が形成される。現像ローラ61は、感光ドラム51にトナーを供給する。これにより、感光ドラム51上には、トナー像が形成される。
【0034】
シート供給部20は、シートSを感光ドラム51と転写ローラ74の間に搬送する。感光ドラム51上のトナー像は、シートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間に搬送される。これにより、定着器80は、シートSに形成された現像剤像を熱定着する。
【0035】
シート排出部90は、搬送ローラ91と、排出ローラ92とを有する。搬送ローラ91は、シートSを排出ローラ92に搬送する。排出ローラ92は、シートSを排出トレイ12上に排出する。
【0036】
図2に示すように、画像形成装置1は、制御部83と、電源入力部84と、スイッチング回路85と、温度センサ86と、インターロックスイッチ87と、本体コネクタ160と、定着コネクタ170と、をさらに備える。制御部83、電源入力部84、スイッチング回路85、インターロックスイッチ87および本体コネクタ160は、本体筐体10に配置されている。温度センサ86および定着コネクタ170は、定着器80に配置されている。
【0037】
制御部83は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを備えており、ROMなどに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって制御を実行する。
【0038】
電源入力部84は、交流電源に接続され、スイッチング回路85に電力を供給する。
【0039】
リレー88は、電源入力部84とスイッチング回路85との間に設けられている。リレー88は、電源入力部84からスイッチング回路85に電力が供給される接続状態と、電源入力部84からスイッチング回路85に電力が供給されない切断状態に切り替え可能である。リレー88は、接続状態と切断状態に切り替える可動接点と、可動接点を動作させる電磁石を有している。制御部83の指令により、電磁石が動作されて可動接点が切り替わる。
【0040】
スイッチング回路85は、トライアック等の半導体素子を有する。スイッチング回路85は、制御部83からの指令により、ヒータ81Aに電力を供給したり遮断したりすることが可能な回路である。
【0041】
温度センサ86は、加熱ローラ81の温度を測定する。測定した加熱ローラ81の温度情報は、制御部83に送られる。制御部83は、温度センサ86からの情報に基づいてスイッチング回路85に指令を送る。
【0042】
インターロックスイッチ87は、オン状態である場合にヒータ81Aへの通電が許容される。インターロックスイッチ87は、オフ状態である場合にヒータ81Aへの通電が遮断される。
【0043】
具体的には、
図7(a)に示すように、インターロックスイッチ87は、装着位置に位置する定着器80の定着筐体100の下部と同じ高さであって、定着筐体100よりも上流に配置されている。インターロックスイッチ87は、変位可能なアームを有している。具体的には、インターロックスイッチ87のアームは、
図8(a)に示すオン状態と、
図8(b)に示すオフ状態に変位可能である。インターロックスイッチ87は、後述するレバー150にアームが押圧されると、導通状態となり、アームが押圧されないと非導通状態となる。
【0044】
本実施形態では、制御部83は、インターロックスイッチ87が導通状態である場合に、インターロックスイッチ87がオン状態であるとして、リレー88を接続状態とする。制御部83は、インターロックスイッチ87が非導通状態である場合にインターロックスイッチ87がオフ状態であるとして、リレー88を切断状態とする。リレー88が切断状態であるとき、スイッチング回路85への通電が遮断され、ヒータ81Aへの通電が遮断される。
【0045】
本体コネクタ160は、定着器80が本体筐体10に装着された場合に定着コネクタ170と接続される。本体コネクタ160と定着コネクタ170が接続されると、スイッチング回路85からヒータ81Aに電力が供給可能となる。また、本体コネクタ160と定着コネクタ170が接続されると、温度センサ86が検知した温度情報を制御部83に送ることができるようになる。
【0046】
図11(a),(b),(c)に示すように、本体コネクタ160は、本体筐体10に、回動可能に保持されている。具体的には、本体コネクタ160は、
図11(a)の位置と
図11(b)の位置との間で回動可能である。本体コネクタ160および定着コネクタ170が接続された状態では、本体コネクタ160が
図11(a)の位置と
図11(b)の位置の間を回動しても電気的な接続を維持する。しかし、
図11(c)に示すように、本体コネクタ160と定着コネクタ170が第3方向に離脱されると、電気的接続が維持されず、定着器80に電力が供給されない。すなわち、
図11(b)に示すように、定着器80が着脱される過程において、定着器80が装着位置から第2方向に傾いても、離脱方向に移動しなければ、定着器80に電力が供給可能である。
【0047】
図3、
図4に示すように、定着器80は、本体筐体10に着脱可能である。詳しくは、定着器80は、リヤカバー13を開くことで開放される本体筐体10の開口10Bを通して、本体筐体10に着脱可能である。つまり、本体筐体10は、定着器80を着脱可能に支持する。
【0048】
本実施形態において、第1方向は、加熱ローラ81の軸方向に沿った方向である。第1方向は、シートSの幅方向に沿った方向でもある。第2方向は、第1方向に直交する方向である。第2方向は、鉛直方向に沿っている。第3方向は、第1方向および第2方向に直交する方向である。
【0049】
また、図面における各方向を示す矢印は、各方向における一方側を指すこととする。本実施形態において、第1方向の一方側は、画像形成装置1の右側に相当する。第2方向の一方側は、鉛直方向の下側に相当する。第3方向の一方側は、画像形成装置1の後側に相当する。
【0050】
定着器80は、
図3に示す装着位置から第3方向の一方側に外される。以下の説明では、定着器80が外される方向を離脱方向ともいう。そして、定着器80は、
図4に示すように、第3方向の一方側から他方側に向けて装着される。以下の説明では、定着器80が装着される方向を装着方向ともいう。
【0051】
図4に示すように、定着器80は、定着定着筐体100と、第1基準部120と、第2基準部130と、固定ハンドル140と、レバー150と、バネSPと、を有する。なお、
図4では、第1基準部120と、第2基準部130およびバネSPは、第1方向の他方側のみ示している。
【0052】
第1基準部120は、外面に円筒面を有し、第1方向の外側に突出する軸である。第1基準部120は、定着定着筐体100の第1方向における一方側の面と、他方側の面とに位置する。2つの第1基準部120は、第1方向の一方側と、他方側とに向けてそれぞれ突出する。第1基準部120は、定着定着筐体100の第2方向の一方側の端部に位置する。第1基準部120は、定着定着筐体100の第3方向の他方側の端に位置する。別の言い方をすれば、第1基準部120は、装着方向の下流端に位置する。
【0053】
第1基準部120は、後述する被位置決め部と係合して、定着器80を装着位置に位置決めする。具体的には、第1基準部120は、本体筐体10の被位置決め部の一例としての第1凹部G3と接触する。これにより、第1基準部120は、本体筐体10に対して第2方向および第3方向に位置決めされる。第1基準部120は、第2基準部130よりも第3方向の他方側に位置する。
【0054】
第2基準部130は、外面に円筒面を有し、第1方向の外側に突出する軸である。第2基準部130は、定着筐体100の第1方向における一方側と、他方側の面とに位置する。2つの第2基準部130は、第1方向の一方側と、他方側と向けてそれぞれ突出する。第2基準部130は、定着筐体100の第2方向の一方側の端に位置する。第2基準部130は、第1基準部120より第2方向の一方側に位置する。第2基準部130は、装着方向において、定着筐体100の中央よりも上流側に位置する。また、装着方向において、第2基準部130より下流側の方が、第2基準部130より上流側よりも重量が大きい構成となっている。なお、以下の説明では、第2基準部130の中心を通り第1方向に延びる軸を第1軸1Xという。
【0055】
固定ハンドル140は、定着器80を着脱するときに、ユーザが把持するハンドルである。固定ハンドル140は、定着筐体100の第1方向における一方側の端と、他方側の端とに1つずつ設けられている。2つの固定ハンドル140は、第3方向の一方側の端に位置する。別の言い方をすれば、固定ハンドル140は、装着方向の上流端に位置する。
図5(a)に示すように、固定ハンドル140は、グリップ141と、第1突起143と、を有する。
図5(a)には、第1方向における他方側の端における固定ハンドル140を示している。固定ハンドル140の第2方向他方側の面は、第3方向一方側に向かうにつれて下方側に向かうように傾斜している。
【0056】
グリップ141は、定着器80を外すときに、ユーザが把持可能な部分である。
図3に示すように、グリップ141は、リヤカバー13を開いた状態で本体筐体10の外表面に露出する。第1突起143は、下方に突出する突起である。第1突起143は、バネSPの一端を保持する。
【0057】
レバー150は、L字状に形成されている。レバー150は、固定ハンドル140にネジNによって取り付けられている。レバー150は、レバー軸150Xを中心に、
図7(a)に示す第1位置と、
図7(b)に示す第2位置との間で回動可能である。なお、本実施形態では、レバー軸150Xの軸方向は、シートSの幅方向である。バネSPは、固定ハンドル140とレバー150の間に配置された圧縮バネである。バネSPは、レバー150を第2位置から第1位置に向けて常に付勢している。
【0058】
レバー150は、本体部151と、把持部152と、第2突起154と、係合部156と、を有する。
【0059】
本体部151は、第3方向に沿って延びている。把持部152は、第2方向に沿って延びている。すなわち、把持部152は、本体部151と異なる方向に延び、本体部151と共にL字を形成している。把持部152は、定着器80を本体筐体10から外す場合に把持可能である。ユーザがグリップ141と把持部152の両方を把持して、把持部152をグリップ141に近づけると、レバー150が
図7(a)に示す第1位置から、
図7(b)に示す第2位置に移動する。すなわち、把持部152は、レバー150が第1位置に位置する場合よりも、レバー150が第2位置に位置する場合の方がグリップ141の近くに位置する。
【0060】
図5(a)に示すように、第2突起154は、上方に突出する突起である。第2突起154は、バネSPの一端を保持する。
【0061】
係合部156は、本体部151の第3方向における他端側の端部から第2方向の一方側に延びる突起である。すなわち、係合部156は、レバー150の回動方向に突出する突起である。本実施形態では、係合部156は、先端が離脱方向に向けて折れ曲がるフック形状を有している。
【0062】
ここで、本体筐体10は、係合穴16を有する。係合穴16は、本体筐体10の内壁面に位置する。係合穴16は、定着器80が本体筐体10に装着され、かつ、レバー150が第1位置に位置する場合、係合部156が入り込む穴である。係合穴16は、係合部156が入り込んだ場合に、定着器80が本体筐体10から外れるのを規制する。
【0063】
図7(a)に示すように、係合部156は、レバー150が第1位置に位置する場合、係合穴16に入り込む。係合部156が係合穴16に入り込むと、係合部156は、本体筐体10と係合可能である。
【0064】
係合部156は、レバー150が、第1位置に位置する場合に、本体筐体10と係合して、定着器80が本体筐体10から外れるのを規制する。詳しくは、係合部156は、定着器が装着位置に位置する場合に、離脱方向にスライド移動するのを規制する。
【0065】
図7(b)に示すように、係合部156は、レバー150が、第2位置に位置する場合に、本体筐体10と係合せず、定着器80が本体筐体10から外れるのを規制しない。
【0066】
スイッチ当接部88は、定着筐体100の第3方向の他端側の端であって、第2方向の一方側の端に位置する。また、スイッチ当接部88は、定着定着筐体100の第1方向の他方側の端に位置する。スイッチ当接部88は、定着筐体100の第3方向における他端側の端から第3方向の他端側に突出する突起である。別の言い方をすれば、スイッチ当接部88は、定着筐体100から装着方向の上流側に向けて突出する突起である。装着方向において、第1基準部120は、スイッチ当接部88と、第1軸1Xの間に位置する。
【0067】
図7(a)に示すように、スイッチ当接部88は、定着器80が装着位置に位置する場合、インターロックスイッチ87のアームに当接可能である。スイッチ当接部88がインターロックスイッチ87のアームに当接した場合、前述したように、インターロックスイッチ87がオン状態となり、ヒータ81Aに電力が供給可能となる。
【0068】
図5(a)に示すように、スイッチ当接部88は、定着器80が装着位置に位置しない場合、インターロックスイッチ87のアームに当接しない。スイッチ当接部88がインターロックスイッチ87のアームに当接しない場合、前述したように、インターロックスイッチ87がオフ状態となり、ヒータ81Aに電力が供給可能でない。
【0069】
図5(a)に示すように、本体筐体10は、ガイド面G1と、突起G2と、被位置決め部の一例としての第1凹部G3と、第2凹部G4とを有する。
【0070】
ガイド面G1は、定着器80の第1基準部120を案内する面である。ガイド面G1は、第2方向に直交する。ガイド面G1は、定着器80が着脱される過程において、第1基準部120に下から接触する。
【0071】
突起G2は、ガイド面G1から上に突出する。突起G2は、傾斜面G21と、先端面G22と、基準面G23とを有する。
【0072】
傾斜面G21は、突起G2の第3方向の一方側の端部に位置する。つまり、傾斜面G21は、定着器80の装着方向において、突起G2の装着方向の上流側の端部に位置する。傾斜面G21は、ガイド面G1に対して傾斜している。詳しくは、傾斜面G21は、装着方向の下流側に向かうにつれて上に位置するように傾斜している。
【0073】
先端面G22は、傾斜面G21の装着方向の下流端から装着方向の下流側に向けて延びている。基準面G23は、先端面G22の装着方向の下流端から下に向けて延びている。基準面G23は、第3方向と直交する。基準面G23は、装着方向において、突起G2の下流側に位置する。基準面G23は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第1基準部120と接触する。
【0074】
第1凹部G3は、突起G2の先端面G22から下に凹んでいる。定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第1基準部120は第1凹部G3内に入る。第1凹部G3は、前述した基準面G23と、第2基準面G31と、ストッパ面G32とを有する。
【0075】
第2基準面G31は、基準面G23と交差している。詳しくは、第2基準面G31は、基準面G23と直交している。第2基準面G31は、基準面G23の下端から装着方向の下流側に向けて延びる。第2基準面G31は、第2方向に直交する。第2基準面G31は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第1基準部120と接触する。
【0076】
ストッパ面G32は、第2基準面G31の装着方向の下流端から上に向けて延びる。ストッパ面G32は、定着器80の装着の際に第1基準部120と接触することで、第1基準部120が装着方向の下流側に移動するのを抑制する。
【0077】
第2凹部G4は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第2基準部130が入る凹部である。第2凹部G4は、装着方向の上流側に開口している。第2凹部G4は、第1規制面G41と、底面G42と、第2規制面G43とを有する。
【0078】
第1規制面G41は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第2基準部130と接触することで、第2基準部130が下に移動するのを抑制する。第1規制面G41は、第2方向に直交する。第1規制面G41は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第2基準部130に下から接触する。第1規制面G41は、第2規制面G43よりも装着方向の上流側に延びる。
【0079】
底面G42は、第1規制面G41の装着方向の下流端から上に延びる。第2規制面G43は、底面G42の上端から装着方向の上流側に延びる。第2規制面G43は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第2基準部130と接触することで、第2基準部130が上に移動するのを抑制する。
【0080】
定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第2基準部130は、第1規制面G41と第2規制面G43との間に位置する。第1規制面G41および第2規制面G43は、定着器80が本体筐体10に装着された状態において、第1基準部120を中心に回転することを止めるための面である。
【0081】
次に、定着器80を着脱する動作について説明する。まず、定着器80を本体筐体10に取り付ける動作について説明する。
【0082】
本実施形態では、定着器80は、第1工程と、第2工程とを経て本体筐体10に装着される。
【0083】
第1工程は、定着器80が装着方向にスライド移動して本体筐体10内に進入する工程である。具体的には、
図5(a)に示す状態から
図5(b)の状態の状態を経て、
図6(a)の状態の状態に至るまでの工程である。
図5(a)の状態から、定着器80を装着方向に移動させていくと、
図5(b)に示すように、第1基準部120がガイド面G1と接触するので、定着器80は、ガイド面G1に沿って、装着方向に向けてスライド移動して本体筐体10内に案内される。
【0084】
図5(b)の状態から、定着器80がさらに装着方向に移動されると、
図5(c)に示すように、第2基準部130が第2凹部G4に入り込み、規制面G41と接触する。これにより、定着器80は、規制面G41に接触した後、規制面G41で装着位置に向けて案内される。すなわち、定着器80は、第1基準部120がガイド面G1と接触すると共に、第2基準部130が規制面G41に接触して装着位置に向けて案内される。このとき、ガイド面G1および規制面G41は、平行であるため、定着器80は、回動することなく、第1基準部120が傾斜面G21に接触するまで、第3方向に真っすぐスライド移動する。このように、定着器80の装着を開始してから、第1基準部120が傾斜面G21に接触するまでの工程が第1工程である。
【0085】
図6(a)に示すように、第1基準部120が傾斜面G21に接触した状態で、定着器80を装着方向にさらに移動させていくと、第2基準部130は第2凹部G4内で保持されたまま、第1基準部120が上方に持ち上げられていくので、第1基準部120が傾斜面G21に案内されるにつれて、定着器80が
図6(b)における反時計回りに回動しながら装着方向に移動する。別の言い方をすれば、
図6(a)の状態から、定着器80は、装着方向に進むにつれて、
図6(b)に示すように、装着方向の上流側の面が斜め上方を向いた姿勢となるように本体筐体10に進入していく。
【0086】
図6(a)の状態から、第1基準部120は、傾斜面G21で案内された後、先端面G22で第3方向に沿った方向に案内される。定着器80は、第1軸1Xより装着方向の下流側が上流側より重いので、第1基準部120が先端面G22から外れると、
図7(b)に示すように、第1基準部120が、重力によって、第1凹部G3内に入る。このとき、第2基準部130が依然として第2凹部G4内で保持されているので、定着器80は、第1軸1Xを中心に時計回りに回動することで装着位置まで移動する。
【0087】
このように、第1軸1Xを中心に回動することで装着位置まで移動する工程が第2工程である。すなわち、第2工程は、スライド移動する第1工程とは、異なる動きにより装着位置まで移動する。第2工程において、スイッチ当接部88は、下方に移動する。第1工程においては、スイッチ当接部88は、インターロックスイッチ87に当接しないが、第2工程において、スイッチ当接部88は、インターロックスイッチ87に当接してインターロックスイッチをオフ状態からオン状態とする。
【0088】
定着器80が装着位置に位置した状態で、ユーザがレバー150から手を離すと、バネSPの付勢力により、レバー150が
図7(b)に示す第2位置から
図7(a)に示す第1位置に移動する。
図7(a)に示すように、レバー150が第1位置に移動すると、係合部156が係合穴16に入り込み、ユーザがレバー150を把持しない限り、定着器80が本体筐体10から外れないようになる。
【0089】
なお、
図8(a),(b),(c)に示すように、第1工程において、定着コネクタ170は、
図8(c)に示す状態から
図8(b)に示す状態となる。第1工程において、定着コネクタ170は、本体コネクタ160に接続される。
また、第2工程において、定着コネクタ170は、
図8(b)に示す状態から
図8(a)に示す状態となる。第2工程において、定着コネクタ170は、本体コネクタ160への接続が維持されている。
【0090】
次に、定着器80を本体筐体10から取り外す過程を説明する。
【0091】
本実施形態では、定着器80は、第3工程と、第4工程とを経て本体筐体10から取り外される。第3工程は、第2工程と対応する工程である。第4工程は、第1工程と対応する工程である。
【0092】
定着器80が定着位置に位置するとき、レバー150の係合部156が係合穴16と係合している。
図7(b)に示すように、ユーザがレバー150を把持して、レバー150を反時計回りに回動させると、レバー150が第1位置から第2位置に移動して、係合穴16に入り込んでいた係合部156が係合穴15の外に出る。これにより、定着器80が本体筐体10から外れるようになる。
【0093】
仮に、レバー150を把持せずに、定着器80を取り外すそうとした場合、ユーザは、
図7(a)に示す状態から、固定ハンドル140のグリップ141を下に移動する。すると、定着器80は、第1軸1Xを中心として反時計回りに回動するが、係合部156は、係合穴16に入り込んでいるままなので、定着器80が離脱方向に移動できない。
【0094】
第3工程は、離脱方向へのスライド移動とは異なる動きにより装着位置から移動する工程である。具体的には、第3工程は、定着器80が第1軸1Xを中心に回動することで装着位置から離脱位置に向けて移動する工程である。
【0095】
詳しくは、第3工程において、ユーザは、
図7(b)の状態からグリップ141と把持部152を把持したまま下に引っ張る。すると、
図6(b)に示すように、第1軸1Xを中心として定着器80が反時計回りに回動する。このとき、定着器80は、レバー軸150Xが下に下がり、第1基準部120が上に上がる方向に回動する。この回動により、第1基準部120が第1凹部G3から外に出るので、第1基準部120が基準面G23に規制されず、定着器80が離脱方向に移動可能となる。
【0096】
第3工程において、スイッチ当接部88は、スイッチ当接部88が上方に移動する。第第3工程において、インターロックスイッチ87に当接していたスイッチ当接部88は、インターロックスイッチ87から離れて、インターロックスイッチ87をオン状態からオフ状態とする。
【0097】
第3工程において、
図8(b)に示すように、本体コネクタ160および定着コネクタ170は本体筐体10に対して第2方向に傾くが、本体コネクタ160と定着コネクタ170の電気的接続は維持されている。
【0098】
第4工程は、第3工程の後、定着器80が離脱方向にスライド移動して本体筐体10の外まで案内される工程である。具体的には、
図6(a)に示す状態から
図5(b)の状態の状態を経て、
図5(a)の状態の状態に至るまでの工程である。
【0099】
詳しくは、ユーザは、
図6(b)の状態からグリップ141と把持部152を把持したまま離脱方向に引っ張る。すると、
図6(a)に示すように、定着器80が離脱方向に移動し、第1基準部120が傾斜面G21と接触する。第1基準部120が傾斜面G21に案内されるにつれて、定着器80が時計回りに回動する。このとき、
図8(c)に示すように、本体コネクタ160と定着コネクタ170は離脱した状態である。
【0100】
グリップ141を離脱方向にさらに引っ張ると、
図5(b)に示すように、定着器80が離脱方向にさらに移動し、第1基準部120がガイド面G1と接触する。このとき、回転止め130は、第2凹部G4内で保持されているため、定着器80は、第1基準部120がガイド面G1と接触すると共に、第2基準部130が規制面G41に接触して本体筐体10の外に向けて案内される。ガイド面G1および規制面G41は、平行であるため、定着器80は、回動することなく、第3方向に真っすぐスライド移動する。このように、定着器80がガイド面G1に接触してから、本体筐体10の外に外されるまでの工程が第4工程である。
【0101】
第4工程において、
図8(c)に示すように、本体コネクタ160と定着コネクタ170は、離脱した状態となり、ヒータ81Aへの通電が遮断される。
【0102】
以上によれば、本実施形態において次のような効果を得ることができる。
上述したように、本実施形態の定着器80は、第1工程と、第2工程と、を経て本体筐体10の装着位置に装着される。この場合において、第1工程では、インターロックスイッチ87がオン状態とならず、第2工程でインターロックスイッチ87がオン状態となる。同様に、定着器80は、第3工程と、第4工程と、を経て本体筐体10の装着位置から取り外される。この場合において、第3工程では、インターロックスイッチ87のオン状態が維持され、第4工程でインターロックスイッチ87がオン状態からオフ状態となる。このため、ユーザは、インターロックスイッチ87がオフ状態である場合に、定着器80を取り外すことができる。この結果、ヒータへ通電が遮断された状態で定着器80を外すことができる。
また、定着器80を取り外す場合に、第2工程に対応する第3工程を経てから第4工程によって定着器80が取り外される。このため、ユーザが第3工程を経ずに定着器80を装着方向の逆方向に引っ張って、不必要に定着器80が外れてしまうことを防止できる。
【0103】
また、第2工程において、定着器80は、スイッチ当接部88が下方に移動することで装着位置に位置するため、重力を利用して定着器80の位置決めができる。また、第3工程において、定着器80は、スイッチ当接部88が上方に移動することで装着位置から取り外しが開始されるため、外し方のわからないユーザが不必要に定着器80を外してしまうことを防止できる。
【0104】
また、レバー150が第1位置に位置する場合に定着器80が外れるのを規制する係合部155を有することで、レバー150を回動させないと定着器80が外れないようにできる。
【0105】
また、把持部152を把持することでレバー150が回動するため、定着器80を外す操作が容易である。
【0106】
また、定着器80を装着する第2工程において、定着コネクタ170と本体コネクタ160の接続が維持されるため、定着器80を外す場合に、インターロックスイッチ87がオフ状態となった後に定着コネクタ170と本体コネクタ160の接続を解除できる。
【0107】
以上に実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。なお、以下の説明では、先に説明した形態と同様の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0108】
上述した実施形態では、インターロックスイッチ87が装着位置における定着器80の定着筐体100の下部と同じ高さであって、定着筐体100より装着方向の上流に配置されていたが、この形態に限定されない。
【0109】
例えば、
図9(a),(b)に示すように、インターロックスイッチ187は、装着位置における定着器80の定着筐体100の上部と同じ高さであって、定着筐体100より装着方向の下流に配置されている。これに対応して、スイッチ当接部188は、第3方向の他端側の端であって、第2方向の他方側の端に位置する。定着器80は、上述した実施形態と同様に、装着方向にスライド移動する第1工程と、第1軸1Xを中心に回動する第2工程を経て本体筐体10に装着される。
【0110】
図9(a)に示すように、スイッチ当接部188は、第1工程において、装着方向の上流から下流に向けてスライド移動するが、第1工程が終了した時点では、スイッチ当接部188がインターロックスイッチ187と接触しない。
図9(b)に示すように、スイッチ当接部188は、第2工程において、定着器80が第1軸1Xを中心に回動したときに、装着方向の上流から下流に移動して、インターロックスイッチ187に接触して、インターロックスイッチ187をオン状態とする。
【0111】
例えば、
図10(a),(b)に示すように、インターロックスイッチ287は、装着位置における定着器80の定着筐体100の装着方向における上流側の端部に対応した位置に配置されている。これに対応して、スイッチ当接部288は、第3方向の一方側の端部に位置する。定着器80は、上述した実施形態と同様に、装着方向にスライド移動する第1工程と、第1軸1Xを中心に回動する第2工程を経て本体筐体10に装着される。
【0112】
図10(a)に示すように、スイッチ当接部288は、第1工程において、装着方向の上流から下流に向けてスライド移動するが、第1工程が終了した時点では、スイッチ当接部288がインターロックスイッチ287と接触しない。
図10(b)に示すように、スイッチ当接部288は、第2工程において、定着器80が第1軸1Xを中心に回動したときに、下方から上方に移動して、インターロックスイッチ287に接触して、インターロックスイッチ287をオン状態とする。
【0113】
上述した実施形態では、制御部83は、インターロックスイッチ87がオン状態である場合にリレー88を導通状態とし、インターロックスイッチ87がオフ状態である場合にリレー88を非導通状態としたが、
図11に示す実施形態のように、リレー88は、制御部83を介さずにインターロックスイッチ87によって導通状態と非導通状態が切り替わるよう構成してもよい。これにより、制御部83がインターロックスイッチ87の状態によってヒータ81Aの電力の供給を判断することなく、インターロックスイッチ87がオン状態である場合に、ヒータ81Aに電力が供給され、インターロックスイッチ87がオフ状態である場合に、ヒータ81Aに電力が供給されない。
【0114】
上述した実施形態では、固定ハンドル140およびレバー150が第1方向における一方側の端と、他方側の端とに1つずつ設けられていたが、固定ハンドル140およびレバー150が1つだけ設けられている構成であってもよい。また、固定ハンドル140およびレバー150が第1方向の中央部に設けられていてもよい。
【0115】
上述した実施形態では、係合部156は、先端が離脱方向に向けて折れ曲がるフック形状を有していたが、この形態に限定されず、係合部は、円柱などの突起、凹部、穴、であってもよい。この場合において、係合部が凹部や穴であった場合には、本体筐体10には、凹部や穴形状の係合部に対応する凸部や突起を形成すればよい。
【0116】
また、画像形成装置は、カラープリンタに限られず、モノクロプリンタ、複合機、コピー機などのいずれであってもよい。また、前記実施形態では、電子写真方式の画像形成装置を例示したが、これに限定されず、例えば、インクジェット方式の画像形成装置などであってもよい。
【0117】
また、上述した実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 画像形成装置
1X 第1軸
10 本体筐体
80 定着器
87 インターロックスイッチ
88 スイッチ当接部
100 筐体