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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111971
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240813BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20240813BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
G03G21/16 185
G03G21/18 117
G03G15/20 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016748
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】今枝 寛雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 訓史
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
【Fターム(参考)】
2H033AA23
2H033BA02
2H033BA03
2H033BA06
2H033BB01
2H033BB28
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA19
2H171GA09
2H171HA22
2H171HA23
2H171JA12
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA39
2H171JA46
2H171JA48
2H171JA59
2H171KA05
2H171KA06
2H171KA09
2H171KA17
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA24
2H171KA25
2H171KA27
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB14
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB52
2H171QC03
2H171QC05
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】定着装置のシャッタの可動機構の摩耗を抑制することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置は、定着装置と、本体筐体10を備える。本体筐体10は、定着装置を着脱可能に支持する。本体筐体10は、定着装置と接触する接触部(シャフト16)を有する。定着装置は、開口を有する筐体と、開口を開閉するシャッタ230と、バネ(260,270)と、移動部材220を備える。バネは、シャッタ230が閉まる方向にシャッタを付勢する。移動部材220は、シャッタ230とともに動く。移動部材220は、シャッタ230が閉じる第1位置と、シャッタ230が開く第2位置との間で移動可能である。定着装置を本体筐体10に取り付ける過程において、接触部が、移動部材220を第1位置から第2位置に動かすことで、シャッタ230がバネの付勢力に抗して開く。定着装置を本体筐体10から外す過程において、バネによってシャッタ230が閉じる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートにトナー像を熱定着させる定着装置と、
前記定着装置を着脱可能に支持する本体筐体であって、前記定着装置と接触する接触部を有する本体筐体と、を備え、
前記定着装置は、
シートが通過可能な開口を有する定着筐体と、
前記開口を開閉するシャッタと、
前記シャッタが閉まる方向に前記シャッタを付勢するバネと、
前記シャッタとともに動く移動部材であって、前記シャッタを閉じる第1位置と、前記シャッタを開く第2位置との間で移動可能な移動部材と、を備え、
前記定着装置を前記本体筐体に取り付ける過程において、前記接触部が、前記移動部材を前記第1位置から前記第2位置に動かすことで、前記シャッタが前記バネの付勢力に抗して開き、
前記定着装置を前記本体筐体から外す過程において、前記バネの付勢力によって前記シャッタが閉じることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記本体筐体に着脱可能なプロセスユニットをさらに備え、
前記プロセスユニットが前記本体筐体に装着された状態において、前記接触部が前記プロセスユニットに接触することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記移動部材から前記接触部に加わる力の向きは、前記プロセスユニットから前記接触部に加わる力の向きとは逆向きであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記接触部は、シートの幅方向に延びるシャフトであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記本体筐体は、
第1サイドフレームと、
前記第1サイドフレームから前記幅方向に離れた第2サイドフレームと、を有し、
前記シャフトは、前記第1サイドフレームと前記第2サイドフレームとを連結することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記移動部材は、前記シャッタを回動可能に支持するとともに、前記第2位置に位置するときに前記第1位置に位置するときよりも前記定着筐体内に退避し、
前記定着装置は、
前記移動部材の移動方向において前記シャッタと対向する対向部であって、前記移動方向に直交する方向において前記シャッタの回動軸線から離れた位置に位置する対向部をさらに備え、
前記移動部材が前記第1位置から前記第2位置に移動する過程において、前記シャッタが前記対向部に接触することで、前記シャッタが回動して前記開口が開放されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記バネは、
前記シャッタが閉まる方向に前記シャッタを付勢するシャッタ用バネと、
前記移動部材を前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する移動用バネと、備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記移動部材は、前記第1位置に位置するとき、前記定着筐体の外面から突出することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記移動部材を移動可能に支持する支持部材をさらに備え、
前記支持部材は、前記対向部を有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記シャッタは、
前記移動部材に回動可能に支持される第1シャッタと、
前記第1シャッタに回動可能に支持される第2シャッタと、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1シャッタは、前記第1シャッタを前記第1シャッタの厚み方向に貫通する貫通孔を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記開口は、前記定着筐体の外から前記定着筐体内に入るシートが通過する開口であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記シャッタは、貫通孔を有し、
前記シャッタが開いた状態において、前記貫通孔は、前記シャッタを上下方向に貫通することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記定着装置は、
シートを加熱する加熱部材と、
前記加熱部材との間でシートを挟む加圧部材と、さらに備えることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、加熱ローラを覆う閉位置と、覆わない開位置との間で回動するシャッタを備えたものが知られている(特許文献1参照)。シャッタは、画像形成装置の本体筐体の開口を開閉する本体カバーに連動して開閉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-224987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、定着装置を交換しない場合でも、本体カバーを開閉するとシャッタが開閉するので、シャッタが開閉する回数が増えて、シャッタを動かすための可動機構が摩耗するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、定着装置のシャッタの可動機構の摩耗を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、定着装置と、本体筐体と、を備える。
本体筐体は、定着装置を着脱可能に支持する。本体筐体は、接触部を有する。接触部は、定着装置と接触する。
定着装置は、シートにトナー像を熱定着させる。定着装置は、定着筐体と、シャッタと、バネと、移動部材と、を備える。
定着筐体は、シートが通過可能な開口を有する。
シャッタは、開口を開閉する。
バネは、シャッタが閉まる方向にシャッタを付勢する。
移動部材は、シャッタとともに動く。移動部材は、第1位置と、第2位置との間で移動可能である。移動部材が第1位置に位置するとき、シャッタは閉じる。移動部材が第2位置に位置するとき、シャッタは開く。
定着装置を本体筐体に取り付ける過程において、接触部が、移動部材を第1位置から第2位置に動かすことで、シャッタがバネの付勢力に抗して開く。
定着装置を本体筐体から外す過程において、バネの付勢力によってシャッタが閉じる。
【0007】
定着装置がシャッタ、移動部材およびバネを備える構成とすることで、定着装置を本体筐体に取り付けるときと本体筐体から外すときのみでシャッタが開閉するので、シャッタの可動機構の摩耗を抑えることができる。
【0008】
また、画像形成装置は、プロセスユニットをさらに備えていてもよい。プロセスユニットは、本体筐体に着脱可能である。
プロセスユニットが本体筐体に装着された状態において、接触部がプロセスユニットに接触する。
【0009】
接触部がプロセスユニットに接触する構成とすることで、接触部を、プロセスユニットの位置決めにも利用できる。
【0010】
また、移動部材から接触部に加わる力の向きは、プロセスユニットから接触部に加わる力の向きとは逆向きであってもよい。
【0011】
移動部材から接触部に加わる力の向きが、プロセスユニットから接触部に加わる力の向きとは逆向きとなる構成とすることで、移動用バネの付勢力とプロセスユニットからの力を相殺できるので、接触部が撓むのを抑制できる。
【0012】
また、接触部は、シャフトであってもよい。シャフトは、シートの幅方向に延びる。
【0013】
接触部をシャフトとすることで、定着装置を接触部に接触させる位置を、シートの幅方向の内側にすることができるので、定着装置が幅方向に大型化するのを抑制できる。
【0014】
また、本体筐体は、第1サイドフレームと、第2サイドフレームと、を有していてもよい。第2サイドフレームは、第1サイドフレームから幅方向に離れる。
シャフトは、第1サイドフレームと第2サイドフレームとを連結する。
【0015】
シャフトが第1サイドフレームと第2サイドフレームとを連結する構成とすることで、シャフトがプロセスユニット等からの力を受けても変形しにくくなるので、プロセスユニット等を精度よく位置決めできる。
【0016】
また、移動部材は、シャッタを回動可能に支持していてもよい。この場合、移動部材は、第2位置に位置するときに第1位置に位置するときよりも定着筐体内に退避する。
定着装置は、対向部をさらに備える。
対向部は、移動部材の移動方向においてシャッタと対向する。対向部は、移動方向に直交する方向においてシャッタの回動軸線から離れた位置に位置する。
移動部材が第1位置から第2位置に移動する過程において、シャッタが対向部に接触することで、シャッタが回動して開口が開放される。
【0017】
移動部材がシャッタを回動可能に支持する構成とすることで、移動部材を第1位置から第2位置に移動させた場合に、シャッタの回動軸線を定着筐体内に引き込むことができるので、シャッタが開いた状態においてシャッタが定着筐体の外側に突出する量を小さくすることができる。
【0018】
また、バネは、シャッタ用バネと、移動用バネと、備えていてもよい。
シャッタ用バネは、シャッタが閉まる方向にシャッタを付勢する。
移動用バネは、移動部材を第2位置から第1位置に向けて付勢する。
【0019】
定着装置がシャッタ用バネを備える構成とすることで、シャッタ用バネによってシャッタを閉めることができる。定着装置が移動用バネを備える構成とすることで、移動用バネによって移動部材を第1位置に戻すことができる。
【0020】
また、移動部材は、第1位置に位置するとき、定着筐体の外面から突出してもよい。
【0021】
第1位置に位置する移動部材が定着筐体の外面から突出する構成とすることで、移動部材を定着筐体の外側から押しやすくすることができる。
【0022】
また、定着装置は、支持部材をさらに備えていてもよい。支持部材は、移動部材を移動可能に支持する。支持部材は、対向部を有する。
【0023】
また、シャッタは、第1シャッタと、第2シャッタと、を有していてもよい。第1シャッタは、移動部材に回動可能に支持される。第2シャッタは、第1シャッタに回動可能に支持される。
【0024】
第1シャッタに対して第2シャッタが回動可能となる構成とすることで、例えばシャッタが開いた状態のときに第1シャッタに対して第2シャッタを折り曲げることが可能となるので、定着筐体からのシャッタの突出量をより小さくすることができる。
【0025】
また、第1シャッタは、貫通孔を有していてもよい。貫通孔は、第1シャッタを第1シャッタの厚み方向に貫通する。
【0026】
第1シャッタが貫通孔を有する構成とすることで、定着装置内の熱をシャッタの貫通孔から逃がすことができる。
【0027】
また、開口は、定着筐体の外から定着筐体内に入るシートが通過する開口であってもよい。
【0028】
また、シャッタは、貫通孔を有していてもよい。貫通孔は、シャッタが開いた状態において、上下方向に貫通する。
【0029】
シャッタが開いた状態においてシャッタの貫通孔が上下に貫通する構成とすることで、定着装置内の熱をシャッタの貫通孔から上方に逃がすことができる。
【0030】
また、定着装置は、加熱部材と、加圧部材と、をさらに備えていてもよい。加熱部材は、シートを加熱する。加圧部材は、加熱部材との間でシートを挟む。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、定着装置のシャッタの可動機構の摩耗を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
図2】定着装置を本体筐体から外した状態を示す図である。
図3】シャッタが開いた状態の定着装置の断面図である。
図4】シャッタが閉じた状態の定着装置の断面図である。
図5】定着装置を示す斜視図である。
図6】シャッタユニットを示す斜視図である。
図7】分解した状態のシャッタユニットを示す斜視図である。
図8】分解した状態のシャッタを示す斜視図(a)と、第1シャッタの第1方向の他端を示す斜視図(b)である。
図9】第1シャッタに対する第2シャッタの動きを示す斜視図である。
図10図6または図11のX-X断面図であり、移動部材が第1位置に位置するときの状態を示す図(a)と、移動部材が第1位置と第2位置の間に位置するときの状態を示す図(b)と、移動部材が第2位置に位置するときの状態を示す図(c)である。
図11】シャッタユニットを上から見た平面図である。
図12】シャフトとサイドフレームの関係を示す図(a)と、シャフト、プロセスユニットおよび定着装置の関係を示す図(b)である。
図13】定着筐体の突出部と本体筐体の長孔の関係を示す斜視図である。
図14】定着装置の装着方法を示す図であり、定着装置の基準シャフトがガイド面で案内されている状態を示す図(a)と、基準シャフトが傾斜面に到達した状態を示す図(b)である。
図15】定着装置の装着方法を示す図であり、基準シャフトが先端面から外れた状態を示す図(a)と、基準シャフトが第1凹部に入った状態を示す図(b)である。
図16】基準シャフトの変形例を示す図(a),(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、シート排出部90とを備える。
【0034】
本体筐体10は、フロントカバー11と、排出トレイ12と、リアカバー13とを有する。フロントカバー11は、本体筐体10の前側の開口を開閉する。リアカバー13は、本体筐体10の後側の開口を開閉する。
【0035】
シート供給部20は、シートトレイ21と、供給機構22とを備える。シートトレイ21は、紙などのシートSを収容する。供給機構22は、シートトレイ21内のシートSを画像形成部30に供給する。
【0036】
画像形成部30は、露光装置40と、プロセスユニットPUと、転写ユニット70と、定着装置80とを備える。
【0037】
露光装置40は、プロセスユニットPUの上に位置する。露光装置40は、光ビームを出射して感光ドラム51の表面を露光する。
【0038】
プロセスユニットPUは、シートトレイ21と露光装置40の間に位置する。プロセスユニットPUは、フロントカバー11を開くことで開放される本体筐体10の開口を通して、本体筐体10に着脱可能である。プロセスユニットPUは、ドラムカートリッジ50と、複数のトナーカートリッジ60とを備える。
【0039】
ドラムカートリッジ50は、複数の感光ドラム51と、複数の感光ドラム51に対応する複数の帯電器52と、ドラムフレーム53とを備える。
【0040】
ドラムフレーム53は、感光ドラム51および帯電器52を支持する。ドラムフレーム53は、本体筐体10に移動可能に支持される。ドラムフレーム53には、トナーカートリッジ60が着脱可能である。
【0041】
複数のトナーカートリッジ60は、互いに異なる色のトナーを収容する。トナーカートリッジ60は、現像ローラ61と、供給ローラ62と、層厚規制ブレード63と、トナーを収容するトナー収容部64と、アジテータ65とを備える。
【0042】
アジテータ65は、トナー収容部64内のトナーを攪拌する。アジテータ65は、トナーを供給ローラ62に供給する。供給ローラ62は、トナーを現像ローラ61に供給する。層厚規制ブレード63は、現像ローラ61上のトナーを一定の厚さに規定する。
【0043】
転写ユニット70は、シートトレイ21とプロセスユニットPUの間に位置する。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、複数の転写ローラ74とを備える。搬送ベルト73は、シートSを搬送するための無端状のベルトである。駆動ローラ71および従動ローラ72は、搬送ベルト73を回転させる。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側に位置する。転写ローラ74は、感光ドラム51との間で搬送ベルト73を挟む。
【0044】
定着装置80は、加熱部材の一例としての加熱ローラ81と、加圧部材の一例としての加圧ローラ82とを備える。加熱ローラ81は、シートSを加熱する。加熱ローラ81内には、2つのヒータ81Aが配置される。加熱ローラ81は、図示せぬ駆動源の駆動力を受けて回転する。
【0045】
加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間でシートSを挟む。加圧ローラ82は、加熱ローラ81に従動して回転する。
【0046】
帯電器52は、感光ドラム51の表面を帯電する。露光装置40は、感光ドラム51の表面を露光する。これにより、感光ドラム51上には、静電潜像が形成される。現像ローラ61は、感光ドラム51にトナーを供給する。これにより、感光ドラム51上には、トナー像が形成される。
【0047】
シート供給部20は、シートSを感光ドラム51と転写ローラ74の間に搬送する。感光ドラム51上のトナー像は、シートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間に搬送される。これにより、定着装置80は、シートSにトナー像を熱定着させる。
【0048】
シート排出部90は、搬送ローラ91と、排出ローラ92とを有する。搬送ローラ91は、シートSを排出ローラ92に搬送する。排出ローラ92は、シートSを排出トレイ12上に排出する。
【0049】
図2に示すように、定着装置80は、リアカバー13を開くことで開放される本体筐体10の開口を通して、本体筐体10に着脱可能である。つまり、本体筐体10は、定着装置80を着脱可能に支持する。
【0050】
図3に示すように、定着装置80は、定着筐体100と、シャッタユニット200とをさらに備える。
【0051】
定着筐体100は、シートSが通過可能な開口101を有する。開口101は、定着筐体100の外から定着筐体100内に入るシートSが通過する開口である。定着筐体100は、本体筐体10に着脱可能である。
【0052】
シャッタユニット200は、開口101を開閉するための機構である。シャッタユニット200は、図3に示す開状態と、図4に示す閉状態とに切替可能となっている。シャッタユニット200は、開状態であるとき、開口101を開放する。シャッタユニット200は、閉状態であるとき、開口101を閉じる。
【0053】
なお、シャッタユニット200は、閉状態であるときに、開口101の少なくとも一部を覆っていればよい。詳しくは、シャッタユニット200は、ユーザの指が開口101に入らない程度に、開口101を覆えばよい。
【0054】
図5および図6に示すように、シャッタユニット200は、支持部材210と、2つの移動部材220と、シャッタ230とを備えている。支持部材210、2つの移動部材220およびシャッタ230は、樹脂などからなる。なお、以下の説明において、方向を説明する場合、図5に示す第1方向、第2方向および第3方向を用いて説明する。
【0055】
本実施形態において、第1方向は、加熱ローラ81の軸方向に沿った方向である。第1方向は、シートの幅方向に沿った方向でもある。第2方向は、第1方向に直交する方向である。第2方向は、鉛直方向に沿っている。第3方向は、第1方向および第2方向に直交する方向である。
【0056】
また、図面における各方向を示す矢印は、各方向における一方側を指すこととする。本実施形態において、第1方向の一方側は、画像形成装置1の右側に相当する。第2方向の一方側は、鉛直方向の下側に相当する。第3方向の一方側は、画像形成装置1の後側に相当する。
【0057】
支持部材210は、移動部材220を第3方向に移動可能に支持している。図3に示すように、支持部材210は、定着筐体100に固定されている。
【0058】
図7に示すように、支持部材210は、対向部211と、2つの支持部212と、第1壁213と、第2壁214と、第3壁215とを有する。
【0059】
対向部211は、板状の部位である。対向部211は、第2方向に直交する面を有する。対向部211は、複数の孔211Aを有する。孔211Aは、第2方向、つまり上下方向において対向部211を貫通する。
【0060】
支持部212は、移動部材220を移動可能に支持するための部位である。2つのうち一方の支持部212は、対向部211の第1方向の一端に位置する。他方の支持部212は、対向部211の第1方向の他端に位置する。
【0061】
支持部212は、対向部211よりも第3方向の他方側に突出する。支持部212は、第3方向に長い長孔212Aを有する。
【0062】
第1壁213は、対向部211および各支持部212の第3方向の一端から、第2方向の他方側への向けて突出する。
【0063】
第2壁214は、第1壁213の第1方向の一端に位置する。第2壁214は、第1方向の一方側の支持部212から第2方向の他方側に延びる。第1方向の一方側の支持部212は、第1方向において、対向部211と第2壁214の間に位置する。
【0064】
第3壁215は、第1壁213の第1方向の他端に位置する。第3壁215は、第1方向の他方側の支持部212から第2方向の他方側に延びる。第1方向の他方側の支持部212は、第1方向において、対向部211と第3壁215の間に位置する。
【0065】
移動部材220は、図4に示す第1位置と、図3に示す第2位置との間で移動可能である。第2位置は、第1位置よりも移動部材220が定着筐体100内に退避した位置である。移動部材220は、第1位置に位置するとき、定着筐体100の外面102から突出している。
【0066】
図7に示すように、移動部材220は、シャッタ230の第1方向における一端と他端とにそれぞれ1つずつ配置されている。2つの移動部材220は、それぞれ、本体部221と、ボス222と、脚部223とを有する。なお、以下の説明では、第1方向の一方側の移動部材220を、「第1移動部材220A」とも称し、第1方向の他方側の移動部材220を、「第2移動部材220B」とも称する。
【0067】
本体部221は、支持部材210の支持部212によって下から支持される部位である。本体部221は、第1部位221Aと、第2部位221Bとを有する。第1部位221Aは、矩形の筒状である。第1部位221Aは、第3方向の寸法が、他の方向の寸法よりも大きい。第2部位221Bは、第1部位221Aの第3方向の一方側の開口を覆う。
【0068】
ボス222は、本体部221からシャッタ230に向けて第1方向に突出する。ボス222は、シャッタ230を回動可能に支持する。
【0069】
脚部223は、本体部221から下に突出する。脚部233は、支持部212の長孔212Aに入る。
【0070】
第1移動部材220Aは、バネ掛け部224をさらに有する。バネ掛け部224は、後述するシャッタ用バネ260を引っ掛けるための部位である。バネ掛け部224は、本体部221のシャッタ230側の面に位置する。
【0071】
図3および図4に示すように、シャッタ230は、定着筐体100の開口101を開閉する部材である。図7および図8に示すように、シャッタ230は、第1シャッタ240と、第2シャッタ250とを有する。
【0072】
図10に示すように、第1シャッタ240は、各移動部材220に回動可能に支持されている。これにより、第1シャッタ240の回動軸線AXは、各移動部材220とともに第3方向に移動可能となっている。第2シャッタ250は、第1シャッタ240に回動可能に支持されている。
【0073】
第1シャッタ240は、回動することで、図10(a)に示す第1姿勢と、図10(c)に示す第2姿勢とに切替可能となっている。詳しくは、第1シャッタ240は、図10(a),(b),(c)の順に回動することで開く。また、第1シャッタ240は、図10(c),(b),(a)の順に回動することで閉まる。第2シャッタ250は、第1シャッタ240の開閉につれて重力により回動する。第1シャッタ240は、第1姿勢となるとき、移動部材220のボス222から下に向けて延びる。第1シャッタ240は、第2姿勢となるとき、ボス222から第3方向の他方側に向けて延びる。第1シャッタ240は、第2姿勢となるとき、図3に示す開口101より上に位置する。
【0074】
第1シャッタ240は、シャッタ230が閉まった状態であるとき、第1姿勢となる。第1シャッタ240は、シャッタ230が開いた状態であるとき、第2姿勢となる。
【0075】
図8に示すように、第1シャッタ240は、板状部241と、第1側壁部242と、第2側壁部243と、バネ掛け部244とを有する。
【0076】
板状部241は、第1方向の寸法が他の方向の寸法よりも大きな板状の部位である。板状部241は、外面241Aと、複数の貫通孔241Bとを有する。
【0077】
図10(a)に示すように、外面241Aは、第1シャッタ240が第1姿勢であるとき、つまりシャッタ230が閉まった状態であるときに、第3方向の他方側を向く面である。図10(c)に示すように、外面241Aは、第1シャッタ240が第2姿勢であるとき、つまりシャッタ230が開いた状態であるときに、上を向く。
【0078】
図8に戻って、貫通孔241Bは、シャッタ230が閉まった状態において、板状部241を第3方向に貫通する孔である。そのため、貫通孔241Bは、シャッタ230が開いた状態においては、板状部241を上下に貫通する。
【0079】
第1側壁部242は、板状部241の第1方向の一端に位置する。第1側壁部242は、第1方向に貫通する穴242Aを有する。なお、穴242Aの内周面の一部は、射出成型後の第1シャッタ240を金型から外すために、第3方向に開放されている。
【0080】
穴242Aは、第1移動部材220Aのボス222が入る穴である。第1シャッタ240の第1側壁部242は、第1移動部材220Aのボス222に回動可能に支持されている。
【0081】
図8(b)に示すように、第2側壁部243は、板状部241の第1方向の他端に位置する。第2側壁部243は、第1方向に貫通する穴243Aを有する。なお、穴243Aの内周面の一部は、射出成型後の第1シャッタ240を金型から外すために、第3方向に開放されている。
【0082】
穴243Aは、第2移動部材220Bのボス222が入る穴である。第1シャッタ240の第2側壁部243は、第2移動部材220Bのボス222に回動可能に支持されている。
【0083】
バネ掛け部244は、後述するシャッタ用バネ260を引っ掛けるための部位である。バネ掛け部244は、第1側壁部242に位置する。
【0084】
図8(a)に示すように、第2シャッタ250は、板状部251と、2つのボス252とを有する。
板状部241は、第1方向の寸法が他の方向の寸法よりも大きな板状の部位である。
【0085】
ボス252は、板状部241の第1方向の一端と他端に、それぞれ1つずつ配置されている。各ボス252は、板状部241から第1方向に突出する。図8および図9に示すように、各ボス252は、第1シャッタ240の第1側壁部242および第2側壁部243に回動可能に支持されている。
【0086】
図10に示すように、第2シャッタ250は、第1シャッタ240から吊り下げられている。第2シャッタ250は、第1シャッタ240がどのような姿勢であっても、重力により、先端が下を向くことで略上下方向に沿っている。
【0087】
図10(a)に示すように、移動部材220が第1位置に位置するとき、第1シャッタ240は移動部材220から吊り下げられた第1姿勢となっている。つまり、移動部材220が第1位置に位置するとき、シャッタ230は閉じている。
【0088】
移動部材220が第1位置に位置するとき、支持部材210の対向部211は、移動部材220の移動方向、つまり第3方向において第1シャッタ240と対向する。本実施形態では、移動部材220が第1位置に位置するとき、対向部211は、第1シャッタ240と接触する。対向部211は、第3方向に直交する第2方向において、第1シャッタ240の回動軸線AXから離れた位置に位置する。詳しくは、対向部211は、回動軸線AXよりも下に位置する。
【0089】
これにより、移動部材220が第1位置から第2位置に移動する際に、第1シャッタ240の回動軸線AXよりも下の部分が対向部211で押されて、第1シャッタ240が第1姿勢から第2姿勢に回動するようになっている。つまり、移動部材220が第1位置から第2位置に移動する過程において、第1シャッタ240が対向部211に押されることで、第1シャッタ240が回動して、定着筐体100の開口101が開放されるようになっている。そのため、図10(c)に示すように、移動部材220が第2位置に位置するときには、シャッタ230は開いている。
【0090】
図10および図11に示すように、シャッタユニット200は、シャッタ用バネ260と、2つの移動用バネ270とをさらに備える。
【0091】
シャッタ用バネ260は、シャッタ230が閉まる方向にシャッタ230を付勢するバネである。本実施形態では、シャッタ用バネ260は、トーションバネである。シャッタ用バネ260は、第1シャッタ240が第2姿勢から第1姿勢に回動する方向に第1シャッタ240を付勢している。
【0092】
図11に示すように、シャッタ用バネ260は、第1シャッタ240と第1移動部材220Aの間に位置する。図10に示すように、シャッタ用バネ260の一端は、第1移動部材220Aのバネ掛け部224に引っ掛かる。
【0093】
シャッタ用バネ260の他端は、第1シャッタ240のバネ掛け部244に引っ掛かる。第1移動部材220Aのボス222は、シャッタ用バネ260のコイル部内に入って、コイル部を支持する。シャッタ用バネ260は、図10(c)に示す第2姿勢となる第1シャッタ240が、図10(a)に示す第1姿勢となるように、第1シャッタ240を図示時計回りに付勢する。
【0094】
図11に示すように、移動用バネ270は、移動部材220を第2位置から第1位置に向けて付勢するバネである。本実施形態では、移動用バネ270は、圧縮コイルバネである。
【0095】
以下の説明では、第1移動部材220Aを付勢する移動用バネ270を、「第1移動用バネ270A」とも称し、第2移動部材220Bを付勢する移動用バネ270を、「第2移動用バネ270B」とも称する。
【0096】
第1移動用バネ270Aは、支持部材210の第1壁213と、第1移動部材220Aとの間に位置する。第2移動用バネ270Bは、支持部材210の第1壁213と、第2移動部材220Bとの間に位置する。
【0097】
図12(a)に示すように、本体筐体10は、第1サイドフレーム14と、第2サイドフレーム15と、接触部の一例としてのシャフト16とをさらに有する。第1サイドフレーム14および第2サイドフレーム15は、樹脂などからなる。シャフト16は、金属などからなる。
【0098】
第1サイドフレーム14は、本体筐体10の第1方向の一端に位置する。
第2サイドフレーム15は、本体筐体10の第1方向の他端に位置する。第2サイドフレーム15は、第1サイドフレーム14から第1方向に離れる。
【0099】
シャフト16は、第1方向に延びる。シャフト16は、第1サイドフレーム14と第2サイドフレーム15とを連結する。
【0100】
図12(b)に示すように、定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、シャフト16は、各移動部材220と接触する。シャフト16は、各移動部材220と接触して、各移動用バネ270の付勢力を受ける。シャフト16は、各移動部材220と接触することで、各移動部材220を第2位置に保持している。
【0101】
プロセスユニットPUが本体筐体10に装着された状態において、シャフト16は、プロセスユニットPUに接触する。詳しくは、シャフト16は、ドラムフレーム53に接触する。ドラムフレーム53は、図示せぬバネによって、第3方向の一方側に付勢されている。ドラムフレーム53は、シャフト16と接触することで、第3方向に位置決めされている。
【0102】
定着装置80は、本体筐体10に対して第3方向の一方側から第3方向に着脱可能となっている。定着筐体100は、突出部110と、基準シャフト120と、回転止め部130とを有する。
【0103】
突出部110は、定着筐体100の第3方向における他方側の面に位置する。突出部110は、第3方向の他方側に向けて突出する。突出部110は、第3方向に直交する断面の形状が、十字形状となっている。
【0104】
基準シャフト120および回転止め部130は、円柱状のボスである。基準シャフト120および回転止め部130は、定着筐体100の第1方向における他方側の面に位置する。基準シャフト120および回転止め部130は、定着筐体100の第1方向における他方側の面から、第1方向の他方側に向けて突出する。
【0105】
基準シャフト120は、本体筐体10と接触することで、本体筐体10に対して第2方向および第3方向に位置決めされる部位である。基準シャフト120は、回転止め部130よりも第3方向の他方側に位置する。基準シャフト120の一部は、第3方向において、突出部110の範囲内に位置する。
【0106】
回転止め部130は、本体筐体10と接触することで、基準シャフト120を中心とした定着装置80の回転を止めるための部位である。回転止め部130は、基準シャフト120よりも下に位置する。第1方向から見て、回転止め部130の中心から基準シャフト120の中心までの距離は、基準シャフト120の中心から、移動部材220とシャフト16との接触点までの距離よりも大きい。
【0107】
図13に示すように、本体筐体10は、第2方向に長い長孔17を有する。定着筐体100の突出部110が長孔17に入ることで、定着装置80は、第1方向に位置決めされている。
【0108】
図12(b)に示すように、本体筐体10は、ガイド面G1と、突起G2と、第1凹部G3と、第2凹部G4とを有する。
【0109】
ガイド面G1は、定着装置80の基準シャフト120を案内する面である。ガイド面G1は、第2方向に直交する。ガイド面G1は、基準シャフト120に下から接触する。
【0110】
突起G2は、ガイド面G1から上に突出する。突起G2は、傾斜面G21と、先端面G22と、基準面G23とを有する。
【0111】
傾斜面G21は、突起G2の第3方向の一方側に位置する。つまり、傾斜面G21は、定着装置80の装着方向において、突起G2の上流側に位置する。傾斜面G21は、ガイド面G1に対して傾斜している。詳しくは、傾斜面G21は、装着方向の下流側に向かうにつれて上に位置するように傾斜している。
【0112】
先端面G22は、傾斜面G21の装着方向の下流端から下流側に向けて延びている。
基準面G23は、先端面G22の装着方向の下流端から下に向けて延びている。基準面G23は、第3方向、つまり移動部材220の移動方向と直交する。基準面G23は、装着方向において、突起G2の下流側に位置する。基準面G23は、定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、基準シャフト120と接触する。
【0113】
第1凹部G3は、突起G2の先端面G22から凹んでいる。定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、基準シャフト120は第1凹部G3内に入る。第1凹部G3は、前述した基準面G23と、第2基準面G31と、ストッパ面G32とを有する。
【0114】
第2基準面G31は、基準面G23と交差している。詳しくは、第2基準面G31は、基準面G23と直交している。第2基準面G31は、基準面G23の下端から装着方向の下流側に向けて延びる。第2基準面G31は、第2方向に直交する。第2基準面G31は、定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、基準シャフト120と接触する。
【0115】
ストッパ面G32は、第2基準面G31の装着方向の下流端から上に向けて延びる。ストッパ面G32は、定着装置80の装着の際に基準シャフト120と接触することで、基準シャフト120が装着方向の下流側に移動するのを抑制する。
【0116】
第2凹部G4は、定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、回転止め部130が入る凹部である。第2凹部G4は、装着方向の上流側に開口している。第2凹部G4は、規制面G41と、底面G42と、第2規制面G43とを有する。
【0117】
規制面G41は、基準シャフト120を中心に回転止め部130が回転するのを止めるための面である。規制面G41は、第2方向に直交する。規制面G41は、定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、回転止め部130と下から接触する。規制面G41は、第2規制面G43よりも装着方向の上流側に延びる。
【0118】
底面G42は、規制面G41の装着方向の下流端から上に延びる。
第2規制面G43は、底面G42の上端から装着方向の上流側に延びる。第2規制面G43は、回転止め部130と接触することで、回転止め部130が上に移動するのを抑制する。
【0119】
画像形成装置1は、取付バネSPをさらに備える。
取付バネSPは、定着装置80を本体筐体10に取り付けるためのバネである。本実施形態では、取付バネSPは、トーションバネである。取付バネSPは、定着装置80を本体筐体10に付勢する。
【0120】
詳しくは、取付バネSPの一端部は、基準シャフト120に接触する。取付バネSPの他端部は、本体筐体10に接触する。取付バネSPは、基準シャフト120を、基準面G23と第2基準面G31に付勢する。
【0121】
次に、定着装置80を本体筐体10に対して着脱するときにおける各部材の動作等について説明する。
【0122】
図2に示すように、定着装置80が本体筐体10から外れた状態において、各移動部材220は第1位置に位置する。図14(a)に示すように、定着装置80を本体筐体10に取り付ける過程において、基準シャフト120は、ガイド面G1と接触して、ガイド面G1で案内される。
【0123】
図14(b)に示すように、定着装置80を本体筐体10に取り付ける過程において、回転止め部130は、規制面G41と接触して、規制面G41で案内される。基準シャフト120が傾斜面G21に接触すると、基準シャフト120は、傾斜面G21によって、装着方向の下流側および上側に向けて斜めに移動する。これにより、定着装置80は、図15(a)に示すように、装着方向の下流側の面が斜め上方を向いた姿勢で本体筐体10に挿入されていく。
【0124】
基準シャフト120は、傾斜面G21で案内された後、先端面G22で第3方向に沿った方向に案内される。基準シャフト120が先端面G22から外れると、図15(b)および図12(b)に示すように、基準シャフト120が、重力および取付バネSPの付勢力によって、第1凹部G3内に入る。詳しくは、定着装置80を本体筐体10に取り付ける過程において、基準シャフト120が取付バネSPと接触することで、取付バネSPが変形する。これにより、基準シャフト120は、先端面G22から外れた後、重力および取付バネSPの付勢力によって、下に付勢され、第1凹部G3内に入る。この際、回転止め部130は、第2凹部G4内に入っている。
【0125】
ユーザが定着装置80から手を離すと、取付バネSPの付勢力によって基準シャフト120が基準面G23に付勢されるとともに、重力および取付バネSPの付勢力によって基準シャフト120が第2基準面G31に付勢される。このように基準シャフト120が基準面G23および第2基準面G31に押し付けられることで、基準シャフト120が、第2方向および第3方向に位置決めされる。以上の動作により、定着装置80の本体筐体10への装着作業が完了する。
【0126】
図10(a)に示すように、定着装置80を本体筐体10に取り付ける過程において、各移動部材220は、シャフト16に接触する。各移動部材220がシャフト16に接触した後、さらに定着装置80を本体筐体10の奥に押し込むと、図10(a)~(c)の順に示すように、シャフト16が、各移動部材220を第1位置から第2位置に動かすことで、シャッタ230がシャッタ用バネ260および各移動用バネ270の付勢力に抗して開く。
【0127】
詳しくは、各移動部材220は、各移動用バネ270の付勢力に抗して、第1シャッタ240の回動軸線AXとともに、第1位置から第2位置に移動する。回動軸線AXが第1位置から第2位置に移動する過程において、対向部211は、シャッタ用バネ260の付勢力に抗して、第1シャッタ240を第3方向の他方側に押す。これにより、第1シャッタ240は、第1姿勢から第2姿勢に回動する。
【0128】
また、第1シャッタ240に対して回動可能となる第2シャッタ250は、第1シャッタ240が第1姿勢から第2姿勢に回動する間、重力により、上下方向に沿った姿勢を保つ。これにより、第1シャッタ240が第2姿勢になったときには、第2シャッタ250は、第1シャッタ240に対して90°折れ曲がった姿勢となる。
【0129】
定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、各移動部材220は、シャフト16に接触することで、第2位置に保持される。この際、各移動用バネ270は、各移動部材220を第3方向の他方側に付勢する。そのため、各移動部材220からシャフト16に加わる力の向きは、プロセスユニットPUからシャフト16に加わる力の向きとは逆向きになっている。
【0130】
図12(b)に示すように、定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、定着装置80の定着筐体100は、シャフト16から第3方向の一方側に向かう反力を受けている。詳しくは、各移動用バネ270は、定着装置80の基準シャフト120より上の部分を第3方向の一方側に付勢している。
【0131】
これにより、定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、各移動用バネ270は、基準シャフト120を、第3方向の一方側に付勢して、基準面G23に押し付けている。このように各移動用バネ270によっても基準シャフト120が基準面G23に押し付けられるので、基準シャフト120を第3方向により精度よく位置決めすることができる。
【0132】
また、各移動用バネ270は、基準シャフト120が基準面G23に接触した状態で定着装置80の基準シャフト120より上の部分を押すことで、定着装置80を図示反時計回りに回すように定着装置80を付勢する。そのため、定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、各移動用バネ270は、回転止め部130を規制面G41に付勢する。このように各移動用バネ270によって回転止め部130が規制面G41に押し付けられることで、回転止め部130が第2方向に位置決めされる。
【0133】
定着装置80を本体筐体10から外す過程においては、シャッタ用バネ260および各移動用バネ270の付勢力によって、シャッタ230が閉じるようになっている。詳しくは、定着装置80を本体筐体10から外す場合には、図15(b),(a)の順に示すように、ユーザは、定着装置80の装着方向の下流側の面が斜め上方を向くように定着装置80を傾けることで、基準シャフト120を第1凹部G3から外す。その後、ユーザは、第3方向の一方側に定着装置80を移動させることで、定着装置80を本体筐体10から外す。
【0134】
定着装置80を本体筐体10から外す過程において、図10(c)~(a)の順に示すように、各移動部材220は、シャフト16から離れる方向に移動することで、各移動用バネ270の付勢力によって、第2位置から第1位置に移動する。各移動部材220が第2位置から第1位置に移動する過程において、第1シャッタ240は、シャッタ用バネ260の付勢力によって、第2姿勢から第1姿勢に回動する。
【0135】
また、第1シャッタ240に対して回動可能となる第2シャッタ250は、第1シャッタ240が第2姿勢から第1姿勢に回動する間、重力により、上下方向に沿った姿勢を保つ。これにより、第1シャッタ240が第1姿勢になったときには、第1シャッタ240と第2シャッタ250がともに上下方向に沿った姿勢となる。
【0136】
以上、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
移動部材220がシャッタ230を回動可能に支持する構成とすることで、移動部材220を第1位置から第2位置に移動させた場合に、シャッタ230の回動軸線AXを定着筐体100内に引き込むことができる。そのため、シャッタ230が開いた状態において、シャッタ230が定着筐体100の外側に突出する量を小さくすることができる。
【0137】
シャッタ用バネ260でシャッタ230を付勢する構成とすることで、シャッタ用バネ260によってシャッタ230を閉めることができる。
【0138】
移動用バネ270で移動部材220を付勢する構成とすることで、移動用バネ270によって移動部材220を第1位置に戻すことができる。
【0139】
第1位置に位置する移動部材220が定着筐体100の外面102から突出する構成とすることで、移動部材220を定着筐体100の外側から押しやすくすることができる。
【0140】
第1シャッタ240に対して第2シャッタ250が回動可能となる構成とすることで、シャッタ230が開いた状態のときに第1シャッタ240に対して第2シャッタ250が折り曲げられるので、定着筐体100からのシャッタ230の突出量をより小さくすることができる。
【0141】
シャッタ230が開いた状態においてシャッタ230の貫通孔241Bが上下に貫通する構成とすることで、定着装置80内の熱をシャッタ230の貫通孔241Bから上方に逃がすことができる。
【0142】
定着装置80を本体筐体10に取り付けるときと本体筐体10から外すときのみでシャッタ230が開閉するので、シャッタ230を動かすための可動機構の摩耗を抑えることができる。
【0143】
シャフト16がプロセスユニットPUに接触する構成とすることで、各移動部材220と接触させるシャフト16を、プロセスユニットPUの位置決めにも利用できる。
【0144】
各移動部材220からシャフト16に加わる力の向きが、プロセスユニットPUからシャフト16に加わる力の向きとは逆向きとなることで、各移動用バネ270の付勢力とプロセスユニットPUからの力を相殺できるので、シャフト16が撓むのを抑制できる。
【0145】
第1方向に延びるシャフト16に各移動部材220を接触させることで、各移動部材220の第1方向の位置を、第1方向の内側に寄せることができるので、定着装置80が第1方向に大型化するのを抑制できる。
【0146】
シャフト16が第1サイドフレーム14と第2サイドフレーム15とを連結する構成とすることで、シャフト16がプロセスユニットPU等からの力を受けても変形しにくくなるので、プロセスユニットPU等を精度よく位置決めできる。
【0147】
基準シャフト120、基準面G23、第2基準面G31および規制面G41を有する構成とすることで、定着装置80が本体筐体10に装着された状態において、基準シャフト120が基準面G23と第2基準面G31に接触し、基準シャフト120が2つの方向に位置決めされる。各移動用バネ270が、基準シャフト120を基準面G23に付勢することで、基準シャフト120が確実に基準面G23に接触する。各移動用バネ270が、回転止め部130を規制面G41に付勢することで、各移動用バネ270の付勢力によって回転止め部130が規制面G41に確実に接触し、定着装置80の姿勢が決まる。以上により、定着装置80を本体筐体10に精度よく位置決めすることができる。
【0148】
突起G2が傾斜面G21を有する構成とすることで、基準シャフト120が突起G2をスムーズに乗り越えることができるので、基準シャフト120をスムーズに基準面G23に案内することができる。
【0149】
取付バネSPが基準シャフト120を基準面G23に付勢するので、取付バネSPの付勢力によって、定着装置80を本体筐体10に精度よく位置決めすることができる。
【0150】
取付バネSPが基準シャフト120を基準面G23と第2基準面G31に付勢するので、取付バネSPの付勢力によって基準シャフト120を基準面G23と第2基準面G31に確実に接触させることができ、定着装置80を本体筐体10に対して2つの方向に精度よく位置決めすることができる。
【0151】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0152】
図16(a),(b)に示すように、基準シャフト320は、断面形状がD形状となるD形状部321を有していてもよい。D形状部321は、曲面F1と、平面F2とを有する。
【0153】
曲面F1は、基準シャフト320の中心軸を中心とする円弧状の面である。曲面F1は、基準面G23および第2基準面G31と接触する。
【0154】
平面F2は、曲面F1の周方向の一端と他端とを繋ぐ。平面F2は、取付バネSPと接触する。
【0155】
なお、D形状部321は、図に示すように基準シャフト320の少なくとも一部にあればよい。基準シャフトは、全体がD形状部であってもよい。
【0156】
定着筐体の開口は、定着筐体内から定着筐体の外に出るシートが通過する開口であってもよい。
【0157】
シャッタは、1つの部材または3つ以上の部材で構成されていてもよい。シャッタが1つの部材で構成される場合、シャッタは、以下の構造であってもよい。
シャッタは、第1部位と、第2部位と、第3部位とを有する。
第1部位は、移動部材に回動可能に支持される。
第2部位は、第1部位から延びる。第2部位は、シャッタが閉まった状態において、移動部材の移動方向と交差する方向に延びる。
第3部位は、シャッタが閉まった状態において、第2部位の第1部位とは反対の端部から定着筐体の内側に向けて延びる。
これによれば、シャッタの第3部位が第2部位から定着筐体の内側に向けて延びることで、シャッタが開いた状態において、シャッタが定着筐体の外側に突出する量をより小さくすることができる。
【0158】
移動部材は、1つまたは3つ以上であってもよい。移動部材が1つである場合、移動部材は、シャッタの第1方向の中央に位置していてもよい。
【0159】
移動部材は、第1位置に位置するとき、定着筐体の外面から突出していなくてもよい。移動部材は、第2位置に位置するとき、定着筐体の外面から突出していてもよいし、突出していなくてもよい。
【0160】
対向部は、シャッタが閉まった状態において、シャッタから離れていてもよい。
【0161】
対向部は、定着筐体に形成されていてもよい。この場合、支持部材は、対向部を有さずに、移動部材を移動可能に支持するだけの構成であってもよい。
【0162】
支持部材はなくてもよい。この場合、移動部材は、例えば、定着筐体に移動可能に支持されていてもよい。
【0163】
2つの部材を回動可能または移動可能に連結する凹凸の関係は、前記実施形態とは逆であってもよい。例えば、シャッタがボスを有し、当該ボスが入る穴を移動部材が有していてもよい。また、例えば、第1シャッタがボスを有し、当該ボスが入る穴を第2シャッタが有していてもよい。また、例えば、支持部材が凸部を有し、当該凸部が入る第3方向に長い長孔を移動部材が有していてもよい。
【0164】
加熱部材は、加熱ローラに限らず、例えば、セラミックヒータであってもよいし、ベルトと、ベルトの内周面に接触するニップ板と、ベルトおよびニップ板を加熱する熱源とを備える構成などであってもよい。
【0165】
加圧部材は、加圧ローラに限らず、例えば、ベルトと、ベルトの内側に配置されるゴムパッドとを備える構成などであってもよい。
【0166】
移動部材と接触する本体筐体の接触部は、シャフトに限らず、例えばサイドフレームの一部などであってもよい。
【0167】
画像形成装置は、モノクロのプリンタ、複合機、複写機などであってもよい。
【0168】
基準シャフトおよび回転止め部は、円柱状でなくてもよく、例えば多角柱状であってもよい。
【0169】
取付バネは、トーションバネに限らず、例えば板バネや線バネなどであってもよいし、金属製ではなく樹脂製のバネであってもよい。
移動用バネは、コイルバネに限らず、例えば板バネや線バネなどであってもよいし、金属製ではなく樹脂製バネであってもよい。
また、移動用バネに代えて磁石で付勢する構成であってもよい、
【0170】
バネは、シャッタが閉まる方向にシャッタを付勢するバネであればよい。バネは、例えば前記実施形態におけるシャッタ用バネおよび移動用バネのいずれか一方で構成されていてもよい。なお、移動用バネがない場合には、例えば、移動部材を手動または電動で動かしてもよい。シャッタ用バネがない場合には、例えば、移動部材が第2位置から第1位置に移動する際に、シャッタが重力で回動して閉まるように構成されていてもよい。なお、この場合も、バネは、移動部材を第1位置に付勢することで、シャッタの回動軸線周りの部位を付勢するので、シャッタが閉まる方向にシャッタを付勢している。
例えば、前記実施形態におけるシャッタ用バネおよび移動用バネがない構成でもよい。移動用バネもシャッタ用バネもない構成では、シャッタが重力で回動して閉まるにつれて、移動部材が第2位置から第1位置に移動するように構成されていてもよい。
【0171】
シャッタは、移動部材とともに動けばよく、例えば、移動部材とシャッタが一体に形成されていてもよい。移動部材およびシャッタは、直線に沿って移動可能であってもよいし、曲線に沿って移動可能であってもよいし、回動可能であってもよい。
【0172】
シャッタ用バネは、移動部材を第2位置から第1位置に向けて付勢するように機能してもよい。例えば、シャッタ用バネの付勢力で回動するシャッタが、対向部を第3方向の一方側に押し、対向部から反力を受けることで、移動部材とともに移動するように構成されていてもよい。
【0173】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0174】
1 画像形成装置
10 本体筐体
16 シャフト
80 定着装置
100 定着筐体
101 開口
220 移動部材
230 シャッタ
260 シャッタ用バネ
270 移動用バネ
S シート
図1
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