(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024111985
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240813BHJP
B65C 9/26 20060101ALI20240813BHJP
B65C 3/00 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H01L21/68 N
B65C9/26
B65C3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016772
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】上道 厚史
【テーマコード(参考)】
3E095
5F131
【Fターム(参考)】
3E095AA06
3E095AA20
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA24
3E095DA42
3E095DA48
3E095EA02
3E095EA09
3E095EA13
3E095EA24
3E095EA32
3E095FA03
3E095FA08
3E095FA12
3E095FA30
5F131AA02
5F131BA51
5F131CA12
5F131CA32
5F131EA07
5F131EC33
5F131EC34
5F131EC42
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC68
5F131KA12
5F131KA44
5F131KA60
(57)【要約】
【課題】被着体に貼付された接着シートの供給方向先端部や供給方向後端部が当該被着体から剥がれ易くなることを防止することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供すること。
【解決手段】所定の供給方向SDに沿って供給された接着シートASの当該供給方向SDに沿う一端側ASAおよび他端側ASBのうち少なくとも一方に、被着体WKの所定の一面WK3から接着シートASの一部がはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように、接着シートASを一面WK3に貼付する第1貼付手段20と、はみ出し領域ASHを被着体WKの別の面WK1、WK2方向に折り曲げて貼付する折り曲げ貼付手段30とを備えたシート貼付装置EAにおいて、はみ出し領域ASHが別の面WK1、WK2に貼付される前に、接着シートASの供給方向先端部ASFおよび供給方向後端部ASRのうち少なくとも一方を覆うように、当該接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておく第2貼付手段40をさらに備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の供給方向に沿って供給された接着シートの当該供給方向に沿う一端側および他端側のうち少なくとも一方に、被着体の所定の一面から前記接着シートの一部がはみ出したはみ出し領域が形成されるように、前記接着シートを前記一面に貼付する第1貼付手段と、
前記はみ出し領域を前記被着体の別の面方向に折り曲げて貼付する折り曲げ貼付手段とを備えたシート貼付装置において、
前記はみ出し領域が前記別の面に貼付される前に、前記接着シートの供給方向先端部および供給方向後端部のうち少なくとも一方を覆うように、当該接着シートに剥離防止シートを貼付しておく第2貼付手段をさらに備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記接着シートおよび剥離防止シートのうち少なくとも接着シートは、所定のエネルギーによって変形可能に設けられ、
前記折り曲げ貼付手段は、前記接着シートに前記エネルギーを付与するエネルギー付与手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記エネルギー付与手段は、前記剥離防止シートが貼付されている領域に対し、前記剥離防止シートが貼付されていない領域よりも単位面積あたりに多くの前記エネルギーを付与することを特徴とする請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項4】
前記折り曲げ貼付手段は、前記はみ出し領域を別の面毎に一括で押圧する一括押圧手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のシート貼付装置。
【請求項5】
所定の供給方向に沿って供給された接着シートの当該供給方向に沿う一端側および他端側のうち少なくとも一方に、被着体の所定の一面から前記接着シートの一部がはみ出したはみ出し領域が形成されるように、前記接着シートを前記一面に貼付する第1貼付工程と、
前記はみ出し領域を前記被着体の別の面方向に折り曲げて貼付する折り曲げ貼付工程とを実施するシート貼付方法において、
前記はみ出し領域が前記別の面に貼付される前に、前記接着シートの供給方向先端部および供給方向後端部のうち少なくとも一方を覆うように、当該接着シートに剥離防止シートを貼付しておく第2貼付工程をさらに行うことを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接着シートを被着体に貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたテープ貼り付けシステム(シート貼付装置)では、ウェハW(被着体)に貼付された保護テープ(接着シート)は、その供給方向先端部や供給方向後端部が被着体から剥がれ易くなるという不都合を発生する。
【0005】
本発明の目的は、被着体に貼付された接着シートの供給方向先端部や供給方向後端部が当該被着体から剥がれ易くなることを防止することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、はみ出し領域が別の面に貼付される前に、接着シートの供給方向先端部および供給方向後端部のうち少なくとも一方を覆うように、当該接着シートに剥離防止シートを貼付しておく(以下「構成1」ともいう)ので、被着体に貼付された接着シートの供給方向先端部や供給方向後端部が当該被着体から剥がれ易くなることを防止することができる。
なお、構成1を採用したことで、接着シートのはみ出し領域を被着体の別の面方向に折り曲げて貼付した後、当該接着シート上に貼付した剥離防止シートを再度被着体の別の面方向に折り曲げて貼付する必要がなくなるので、接着シートと剥離防止シートとを折り曲げて被着体に貼付する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)~(L)は、本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。(M)~(T)は、本発明の変形例に係る説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な矢印DR方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。なお、
図1(J)は、
図1(A)のAA矢視図。
【0010】
本発明のシート貼付装置EAは、接着シートAS(
図1(C)参照)および剥離防止シートAC(
図1(G)参照)を選択的に所定の供給方向SDに沿って供給する供給工程を実施する供給手段10と、供給方向SDに沿って供給された接着シートASの当該供給方向SDに沿う一端ASA側(
図1(D)参照)および他端ASB側の両方に、被着体WKの所定の一面としての外周面WK3から接着シートASの一部がはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように、接着シートASを外周面WK3に貼付する第1貼付工程を実施する第1貼付手段20と、はみ出し領域ASHを被着体WKの別の面としての一方の面WK1(
図1(D)参照)および他方の面WK2方向に折り曲げて貼付する折り曲げ貼付工程を実施する折り曲げ貼付手段30と、はみ出し領域ASHが一方の面WK1および他方の面WK2に貼付される前に、接着シートASの供給方向先端部ASF(
図1(C)参照)および供給方向後端部ASRの両方を覆うように、当該接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておく第2貼付工程を実施する第2貼付手段40とを備え、被着体WKとシート貼付装置EAとを相対移動させる移動工程を実施する移動手段50の近傍に配置されている。
なお、本実施形態の被着体WKは、被着体中心WKCを中心とする円形形状のものが採用されている。
【0011】
供給手段10は、当該供給手段10を構成する各部材を直接的または間接的に支持する支持部材11と、帯状の接着シート母材ABが帯状の剥離シートRLに仮着された原反RSを支持する支持ローラ12と、接着シート母材ABを第1の長さに切断して接着シートASを形成するとともに、当該接着シート母材ABを第2の長さに切断して剥離防止シートACを形成するシート切断手段13と、剥離縁14Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シートASまたは剥離防止シートACを剥離する剥離手段としての剥離板14と、駆動機器としての回動モータ15Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ15Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ15と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ15Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ16と、被着体WKに貼付される接着シートASまたは剥離防止シートACに張力を付与する張力付与手段17とを備えている。
シート切断手段13は、駆動機器としてのエアシリンダ13Aと、その出力軸13Bに支持されたカッター刃13Cとを備えている。
張力付与手段17は、トルク制御が可能な駆動機器としての回動モータ17Aと、その図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ17Bとで原反RSを挟み込む駆動ローラ17Cとを備えている。
なお、本実施形態では、熱によって変形する接着シート母材ABが採用されることで、当該接着シート母材ABから形成される接着シートASおよび剥離防止シートACの両方は、所定のエネルギーとしての熱によって変形可能となっている。
【0012】
第1貼付手段20は、駆動機器としての直動モータ21と、その出力軸21Aに回転可能に支持された押圧部材としての押圧ローラ22とを備えている。押圧ローラ22は、
図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された状態で、供給手段10から供給された接着シートASを当該被着体WKの外周面WK3に押圧する位置に配置可能に設けられている。
【0013】
折り曲げ貼付手段30は、接着シートASに熱としての熱風HAを付与するエネルギー付与工程を実施するエネルギー付与手段31と、はみ出し領域ASHを一方の面WK1および他方の面WK2に押圧する押圧工程を実施する押圧手段32と、はみ出し領域ASHを一方の面WK1および他方の面WK2毎に一括で押圧する一括押圧工程を実施する一括押圧手段33(
図1(B)参照)とを備えている。
エネルギー付与手段31は、コイルヒータやヒートパイプの加熱側等の図示しない加熱機器で加熱した熱風HAを吹き付ける熱風送風機31Aを備えている。熱風送風機31Aは、
図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された状態で、当該被着体WKの外周面WK3に貼付されている接着シートASおよび剥離防止シートACに、熱風HAを吹き付け可能な位置に配置されている。なお、本実施形態の熱風送風機31Aは、接着シートASに貼付された剥離防止シートACを検知する光電センサやリミットスイッチ等の検知機器を備えた図示しない剥離防止シート検知手段の検知結果を基にして、剥離防止シートACが貼付されている領域に対し、剥離防止シートACが貼付されていない領域よりも単位面積あたりに多くの熱風HAを付与するようになっている。
押圧手段32は、
図1(J)、(K)に示すように、押圧部材としての上下一対の第1押圧ローラ32Aと、上下一対の第2押圧ローラ32Bとを備えている。第1、第2押圧ローラ32A、32Bは、それぞれが駆動機器としての図示しないエアシリンダの出力軸に回転可能に支持され、
図1(A)に示すように、基準位置RPに離間接近するD1、D2方向に移動可能に設けられ、同図中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された状態で、当該被着体WKの外周面WK3に貼付されている接着シートASのはみ出し領域ASHおよび剥離防止シートACを、被着体WKに押圧する位置に配置可能に設けられている。
一括押圧手段33は、駆動機器としての直動モータ33Aと、その出力軸33Bに支持された上押圧部材33Cと、移動手段50に支持された駆動機器としての直動モータ33Dと、その出力軸33Eに支持された下押圧部材33Fとを備えている。なお、本実施形態の上押圧部材33Cおよび下押圧部材33Fの内部には、所定の第2エネルギーとしての熱を付与するコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の第2エネルギー付与手段33Gが配置されている。
【0014】
第2貼付手段40は、本実施形態では第1貼付手段20と兼用する構成となっており、当該第2貼付手段40と兼用される押圧ローラ22は、
図1(G)に示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された状態で、被着体WKの外周面WK3に貼付された接着シートASに、剥離防止シートACを押圧する位置に配置可能に設けられている。
【0015】
移動手段50は、駆動機器としてのリニアモータ51と、そのスライダ51Aに支持され、直動モータ33Dを支持するベースプレート52と、ベースプレート52に支持された駆動機器としての回動モータ53と、その出力軸53Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面54Aを有する支持テーブル54とを備えている。
なお、支持テーブル54は、回動モータ53によってテーブル中心54Cを中心に回転する構成となっている。
【0016】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、
図1(A)、(B)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、供給手段10が回動モータ15A、17Aを駆動し、原反RSを繰り出して
図1(A)に示すように、剥離板14の剥離縁14Aによって折り返された剥離シートRLの折返し部で、接着シート母材ABの供給方向先端部が当該剥離シートRLから所定長さ剥離されると、回動モータ15A、17Aの駆動を停止する。次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、
図1(A)に示すように、上方から見下ろした上面視で被着体中心WKCがテーブル中心54Cと重なるように、被着体WKを支持面54A上に載置すると、移動手段50が図示しない減圧手段を駆動し、当該支持面54Aでの吸着保持を開始する。その後、移動手段50がリニアモータ51を駆動し、支持テーブル54を左方へ移動させ、
図1(A)中二点鎖線で示すように、上面視でテーブル中心54C(被着体中心WKC)と基準位置RPとが一致すると、リニアモータ51の駆動を停止する。
【0017】
次に、第1貼付手段20が直動モータ21を駆動し、被着体WKの外周面WK3に接着シート母材ABを押圧する位置に押圧ローラ22を移動させた後、供給手段10および移動手段50が回動モータ15A、17A、53を駆動し、上面視で反時計回転方向RDに被着体WKを回転させつつ接着シート母材ABを供給する。これにより、接着シート母材ABは、剥離シートRLの折返し部で当該剥離シートRLから剥離され、
図1(A)中二点鎖線で示すように、押圧ローラ22によって被着体WKの外周面WK3に押圧されて貼付されていく。そして、
図1(C)に示すように、接着シート母材ABが所定長さ供給されると、供給手段10がエアシリンダ13Aを駆動し、カッター刃13Cを進退させて接着シート母材ABを第1の長さに切断し、供給方向先端部ASFと供給方向後端部ASRとを備えた接着シートASを形成する。このようにして形成された接着シートASは、
図1(D)に示すように、外周面WK3からはみ出したはみ出し領域ASHが形成された状態で当該外周面WK3に貼付され、当該接着シートASに続く接着シート母材ABの供給方向先端部が、剥離シートRLの折返し部で当該剥離シートRLから所定長さ剥離されると、供給手段10が回動モータ15A、17Aの駆動を停止する。
【0018】
その後、
図1(E)に示すように、接着シートASの供給方向後端部ASRが押圧ローラ22によって被着体WKに貼付された後、接着シートASの供給方向後端部ASRが押圧ローラ22の手前の所定位置に到達すると、供給手段10が回動モータ15A、17Aを駆動し、接着シート母材ABの供給を再開する。これにより、接着シート母材ABは、
図1(F)に示すように、第2貼付手段40としての押圧ローラ22によって押圧され、被着体WKの外周面WK3に貼付されている接着シートASに貼付されていく。次に、供給手段10がエアシリンダ13Aを駆動し、
図1(G)に示すように、カッター刃13Cを進退させて接着シート母材ABを第2の長さに切断し、剥離防止シートACを形成する。そして、剥離防止シートACに続く接着シート母材ABの供給方向先端部が、剥離シートRLの折返し部で当該剥離シートRLから所定長さ剥離されると、供給手段10が回動モータ15A、17Aの駆動を停止する。次いで、
図1(H)に示すように、剥離防止シートACの供給方向後端部が押圧ローラ22によって接着シートASに貼付されると、第2貼付手段40が直動モータ21を駆動し、押圧ローラ22を初期位置に復帰させる。これにより、剥離防止シートACは、接着シートASの供給方向先端部ASFおよび供給方向後端部ASRの両方を覆うように、当該接着シートASに貼付される。
【0019】
その後、折り曲げ貼付手段30が熱風送風機31Aを駆動し、外周面WK3に貼付された接着シートASおよび剥離防止シートACに向けて熱風HAを吹き付ける。これにより、熱風送風機41Aの熱風吹付領域を通過したはみ出し領域ASHおよび剥離防止シートACが熱風HAによって変形し、
図1(I)に示すように、当該はみ出し領域ASHおよび剥離防止シートACが一方の面WK1方向および他方の面WK2方向に折れ曲がっていく。なお、熱風送風機31Aは、接着シートASおよび剥離防止シートACに熱風HAを吹き付ける祭、図示しない剥離防止シート検知手段の検知結果を基にして、剥離防止シートACが貼付されている領域に対し、剥離防止シートACが貼付されていない領域よりも単位面積あたりに多くの熱風HAを付与するようになっている。これにより、接着シートASおよび剥離防止シートACを変形させるために必要とされる熱の容量が不足することを防止し、それら接着シートASおよび剥離防止シートACを所望の状態にまで折り曲げることができるようになる。次に、熱風HAによって変形したはみ出し領域ASHおよび剥離防止シートACが第1、第2押圧ローラ32A、32Bの押圧領域を通過すると、折り曲げ貼付手段30が図示しないエアシリンダを駆動し、
図1(A)中二点鎖線で示すように、第1、第2押圧ローラ32A、32BをD1、D2方向のうち基準位置RPに接近する方向に移動させる。これにより、はみ出し領域ASHおよび剥離防止シートACは、
図1(J)、(K)に示すように、第1、第2押圧ローラ32A、32Bによって2段階で折り曲げられ、被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2方に押圧されて貼付されていく。
【0020】
そして、外周面WK3に貼付された接着シートASおよび剥離防止シートAC全体に熱風HAが吹き付けられると、折り曲げ貼付手段30が熱風送風機31Aの駆動を停止する。次いで、接着シートASおよび剥離防止シートACが第1、第2押圧ローラ32A、32Bによって一方の面WK1および他方の面WK2の外縁部全周に亘って押圧され、一体物UPが形成されると、移動手段50が回動モータ53の駆動を停止するとともに、折り曲げ貼付手段30が図示しないエアシリンダを駆動し、第1、第2押圧ローラ32A、32Bを初期位置に復帰させる。その後、折り曲げ貼付手段30が直動モータ33A、33Dを駆動し、上押圧部材33Cを下降させるとともに下押圧部材33Fを上昇させ、
図1(L)に示すように、被着体WKに貼付された接着シートASおよび剥離防止シートACを被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2毎に一括で押圧する。この際、折り曲げ貼付手段30が第2エネルギー付与手段33Gを駆動し、接着シートASおよび剥離防止シートACに熱を付与してそれらの被着体WKへの密着性を向上させる。次に、一括押圧が行われて所定時間が経過すると、折り曲げ貼付手段30が第2エネルギー付与手段33Gの駆動を停止するとともに、直動モータ33A、33Dを駆動し、上、下押圧部材33C、33Fを初期位置に復帰させる。そして、移動手段50がリニアモータ51を駆動し、支持テーブル54を初期位置に復帰させた後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面54Aでの吸着保持を解除すると、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを支持して次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0021】
以上のような実施形態によれば、はみ出し領域ASHが一方の面WK1および他方の面WK2に貼付される前に、接着シートASの供給方向先端部ASFおよび供給方向後端部ASRの両方を覆うように、当該接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておくので、被着体WKに貼付された接着シートASの供給方向先端部ASFや供給方向後端部ASRが当該被着体WKから剥がれ易くなることを防止することができる。
【0022】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、折り曲げ貼付手段は、はみ出し領域を被着体の別の面方向に折り曲げて貼付可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0023】
供給手段10は、帯状の剥離シートRLに接着シートASと剥離防止シートACとが供給方向SDに沿って交互に仮着された原反RSから、それら接着シートASおよび剥離防止シートACを交互に供給してもよいし、剥離シートRLに仮着された接着シート母材ABに閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASや剥離防止シートACとされた原反RSからそれらを剥離して供給してもよいし、剥離シートRLに仮着された接着シート母材ABを繰り出す途中で、当該接着シート母材ABに閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASや剥離防止シートACとされた原反RSからそれらを剥離して供給してもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた原反RSから接着シートASや剥離防止シートACを剥離して供給してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、剥離シートRLに仮着されていない接着シート母材AB、接着シートASまたは剥離防止シートACが採用されてもよいし、上記の実施形態のように、接着シートASを供給するものと、剥離防止シートACを供給するものとが同じもので構成されていてもよいし、接着シートASを供給するものと、剥離防止シートACを供給するものとが別々のもので構成されていてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明のシート貼付装置EAに備わっていない場合、他の装置や使用者が所定の供給方向に沿って接着シートASや剥離防止シートACを供給すればよい。
張力付与手段17は、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して接着シートASに付与する所定の張力を使用者が任意に決定することができるし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0024】
第1貼付手段20は、供給方向SDに沿って供給された接着シートASの当該供給方向SDに沿う一端ASA側のみに、被着体WKの外周面WK3から接着シートASの一部がはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように、接着シートASを外周面WK3に貼付してもよいし、供給方向SDに沿って供給された接着シートASの当該供給方向SDに沿う他端ASB側のみに、被着体WKの外周面WK3から接着シートASの一部がはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように、接着シートASを外周面WK3に貼付してもよいし、第2貼付手段40と兼用されることなく、当該第2貼付手段40とは別体で構成されてもよいし、押圧ローラ22を移動させる駆動機器が備わっていなくてもよいし、移動手段50による被着体WKとの相対移動ではなく、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等による被着体WKとの相対移動によって、はみ出し領域ASHが形成されるように接着シートASを外周面WK3に貼付してもよいし、押圧ローラ22に代えてまたは併用して、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによって、はみ出し領域ASHが形成されるように接着シートASを外周面WK3に貼付してもよいし、
図1(M)に示すように、接着シートASの供給方向先端部ASF側の端縁と、供給方向後端部ASRの端縁とが接触するように突き合わせ、当該接着シートASを所定の一面に貼付してもよいし、
図1(N)、(O)、(R),(T)に示すように、接着シートASの供給方向先端部ASF側の端縁と、供給方向後端部ASRの端縁との間に隙間ができるように突き合わせ、当該接着シートASを所定の一面に貼付してもよいし、
図1(P)、(Q)、(S)に示すように、接着シートASの供給方向先端部ASFと供給方向後端部ASRとが重なり合うようにして当該接着シートASを所定の一面に貼付してもよいし、接着シートASを貼付する所定の一面が一方の面WK1や他方の面WK2等どのような面でもよく、例えば、所定の一面としての一方の面WK1からはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように、接着シートASを一方の面WK1に貼付してもよいし、所定の一面としての他方の面WK2からはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように、接着シートASを他方の面WK2に貼付してもよい。
【0025】
折り曲げ貼付手段30は、はみ出し領域ASHを被着体WKの別の面としての一方の面WK1方向のみ、または、別の面としての他方の面WK2方向のみに折り曲げて貼付してもよいし、エネルギー付与手段31、押圧手段32および一括押圧手段33のうち少なくとも1つではみ出し領域ASHを被着体WKの別の面に折り曲げて貼付してもよいし、エネルギー付与手段31、押圧手段32および一括押圧手段33のうち少なくとも1つに代えてまたは併用して、傾斜ローラ、ガイド板、回行ベルト、エアの吹付け、チャックシリンダやチャックモータ等を採用し、はみ出し領域ASHを被着体WKの別の面に折り曲げて貼付してもよいし、第1貼付手段20で接着シートASを貼付する所定の一面が一方の面WK1とされ、はみ出し領AS域を別の面としての外周面WK3や他方の面WK2方向に折り曲げて貼付してもよいし、第1貼付手段20で接着シートASを貼付する所定の一面が他方の面WK2とされ、はみ出し領AS域を別の面としての外周面WK3や一方の面WK1方向に折り曲げて貼付してもよく、はみ出し領域ASHを折り曲げて貼付する別の面は、所定の一面とは異なる別の面であればどのような面であってもよい。
折り曲げ貼付手段30は、張力付与手段17を備えていてもよい。この場合、接着シートASとして弾性変形が可能なものを採用し、駆動ローラ17Cを介して接着シートASに所定のトルクが加わるように回動モータ17Aを駆動し、内在する弾性復元力により、はみ出し領域ASHが一方の面WK1方向や他の面WK2方向に折れ曲がった折れ曲がり姿勢となるようにしてもよい。なお、弾性復元力によって折れ曲がり姿勢となったはみ出し領域ASHは、エネルギー付与手段31、押圧手段32および一括押圧手段33のうち少なくとも1つを介して一方の面WK1や他方の面WK2に貼付されてもよいし、エネルギー付与手段31、押圧手段32および一括押圧手段33を介さずに一方の面WK1や他方の面WK2に貼付されてもよい。このような張力付与手段17としては、原反RSや接着シートASを摺動可能に把持し、この把持力を調整して被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与したり、トルク制御ができない回動モータ17Aを採用し、被着体WKの回転速度と駆動ローラ17Cの回転速度との速度差によって、接着シートASに付与したりすることができる。なお、弾性変形が可能な接着シートASに加える張力は、当該接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して任意に決定することができる。
エネルギー付与手段31は、所定のエネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該接着シートを変形させることができるものであればどのようなエネルギーを付与するものであってもよいし、前記実施形態で示した位置以外の位置に設けられていてもよく、所定の一面に貼付された接着シートASのはみ出し領域ASHに所定のエネルギーを付与可能な位置であれば、どこに設けられていてもよいし、押圧手段32、一括押圧手段33または他の押圧部材等を介さずに、はみ出し領域ASHを被着体WKの別の面方向に折り曲げたり、貼付したりしてもよいし、はみ出し領域ASHに一括で所定のエネルギーを付与することで、当該はみ出し領域ASHを一括で別の面方向に折り曲げたり、貼付したりしてもよいし、接着シートASおよび剥離防止シートACに熱風HAを吹き付ける祭、回動モータ53の回転速度を変更することなく熱風送風機31Aの出力を高くして高温の熱風HAを付与したり、熱風送風機31Aの出力を高くせずに回動モータ53の回転速度を遅くしたりして、剥離防止シートACが貼付されている領域に対し、剥離防止シートACが貼付されていない領域よりも単位面積あたりに多くの熱風HAを付与してもよいし、剥離防止シート検知手段として回動モータ53の回転パルス信号を検知したり記憶したりするエンコーダやコンピュータ等のパルス検知機器が採用されてもよいし、剥離防止シートACが貼付されている領域に対し、剥離防止シートACが貼付されていない領域よりも単位面積あたりに多くの熱風HAを付与しなくてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
押圧手段32は、第1、第2押圧ローラ32A、32Bが上下一対でなく、被着体WKの一方の面WK1側のみや、被着体WKの他方の面WK2側のみに設けられていてもよいし、1体または1組の押圧部材を採用し、はみ出し領域ASHを1段階で一方の面WK1や他方の面WK2に押圧してもよいし、3体以上または3組以上の押圧部材を採用し、はみ出し領域ASHを3段階以上で一方の面WK1や他方の面WK2に押圧してもよいし、第1、第2押圧ローラ32A、32Bを移動させる駆動機器が備わっていなくてもよいし、第1、第2押圧ローラ32A、32Bに代えてまたは併用して、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによって、はみ出し領域ASHを一方の面WK1や他方の面WK2に押圧してもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
一括押圧手段33は、はみ出し領域ASHを一方の面WK1のみに一括で押圧してもよいし、はみ出し領域ASHを他方の面WK2のみに一括で押圧してもよいし、はみ出し領域ASHを外周面WK3のみに一括で押圧してもよいし、接着シートASや被着体WKの種類によって、はみ出し領域ASHを一括で被着体WKに押圧する強さや押圧する時間を変更してもよいし、上押圧部材33Cや下押圧部材33Fの形状は、例えば、円形、円環形、楕円形、楕円環形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよく、はみ出し領域ASHを別の面毎に一括で押圧できる形状であればどのような形状でもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
第2エネルギー付与手段33Gは、第2エネルギーとしてエネルギー付与手段31が付与するエネルギーと同種のエネルギーを付与するものでもよいし、異種のエネルギーを付与するものでもよく、例えば、第2エネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して、被着体WKに対する接着シートASの密着性を向上させることができるものであればどのようなエネルギーを付与するものであってもよいし、例えば、接着シートASが第2エネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等によって硬化したり、変形したり、化学変化したりするものである場合、それらエネルギーを接着シートASに付与して当該接着シートASを硬化させたり、変形させたり、化学変化させたりしてもよいし、上押圧部材33Cの内部のみに配置されていてもよいし、下押圧部材33Fの内部のみに配置されていてもよいし、上押圧部材33Cや下押圧部材33Fの内部以外の位置に配置されていてもよく、はみ出し領域ASHを別の面毎に一括で押圧する際に接着シートASに所定の第2エネルギーを付与可能な位置であれば、どこに配置されていてもよいし、はみ出し領域ASHを一括で被着体WKに押圧する祭、剥離防止シートACが貼付されている領域に対して出力を高くすることで、剥離防止シートACが貼付されていない領域よりも単位面積あたりに多くの熱を付与するようにしてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0026】
第2貼付手段40は、押圧ローラ22を移動させる駆動機器が備わっていなくてもよいし、移動手段50による被着体WKとの相対移動ではなく、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等による被着体WKとの相対移動によって、上記のようにように接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、押圧ローラ22に代えてまたは併用して、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによって、上記のように接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、剥離防止シートAC全体を接着シートASに貼付してもよいし、剥離防止シートACを部分的に接着シートASに貼付してもよいし、
図1(M)、(N)、(P)に示すように、接着シートASの供給方向先端部ASFや供給方向後端部ASRを剥離防止シートACで全体的に覆わないように、当該接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、
図1(O)、(Q)に示すように、接着シートASの供給方向先端部ASFや供給方向後端部ASRを剥離防止シートACで全体的に覆うように、当該接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、
図1(R)に示すように、接着シートASの供給方向先端部ASFや供給方向後端部ASRを覆うように、当該接着シートASに複数の剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、
図1(S)および
図1(T)中二点鎖線で示すように、接着シートASの供給方向後端部ASRのみを覆うように、当該接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、
図1(T)中実線で示すように、接着シートASの供給方向先端部ASFのみを覆うように、当該接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、接着シートASの供給方向先端部ASFおよび供給方向後端部ASRのうち少なくとも一方を覆うように、当該接着シートASの一端ASA側のみに剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、接着シートASの供給方向先端部ASFおよび供給方向後端部ASRのうち少なくとも一方を覆うように、当該接着シートASの他端ASB側のみに剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、接着シートASの供給方向先端部ASFおよび供給方向後端部ASRのうち少なくとも一方を覆うように、当該接着シートASの一端ASA側および他端ASB側の両方に、2枚または複数の剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよいし、接着シートAS全体を覆うように当該接着シートASに剥離防止シートACを貼付しておくようにしてもよい。
第2貼付手段40は、第1貼付手段20と兼用されることなく、当該第1貼付手段20とは別体で構成されてもよい。この場合、例えば、接着シートASおよび剥離防止シートACの両方を供給可能な供給手段を採用し、当該供給手段から供給された接着シートASを外周面WK3に貼付するものを第1貼付手段20とし、当該第1貼付手段20とは別体に設けられ、供給手段から供給された剥離防止シートACを接着シートASに貼付するものを第2貼付手段40としてもよいし、接着シートASのみを供給する1つ目の供給手段と、剥離防止シートACのみを供給する2つ目の供給手段とを別々に採用し、1つ目の供給手段から供給された接着シートASを外周面WK3に貼付するものを第1貼付手段20とし、当該第1貼付手段20とは別体に設けられ、2つ目の供給手段から供給された剥離防止シートACを接着シートASに貼付するものを第2貼付手段40としてもよい。
【0027】
移動手段50は、保持面54Aでの吸着保持ができない支持テーブル54が採用されてもよいし、リニアモータ51、回動モータ53および支持テーブル54に代えてまたは併用して、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等によって、第1貼付手段20や第2貼付手段40に対して被着体WKを移動させ、接着シートASや剥離防止シートACを被着体WKや接着シートASに貼付してもよいし、被着体WKを支持テーブル54とで挟み込む押え手段を備えていてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0028】
シート貼付装置EAは、1つまたは複数の被着体WKに1枚の接着シートASや1枚の剥離防止シートACを貼付したり、1つまたは複数の被着体WKに複数の接着シートASや複数の剥離防止シートACを貼付したりしてもよいし、被着体WKの一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、金属、硝子、樹脂、他の接着シート等の支持部材を配置したり貼付したりして、接着シートASや剥離防止シートACで当該被着体WKと支持部材とを一体化させてもよい。
次工程は、被着体WKや接着シートASを対象としためっき工程、エッチング工程、浸漬工程、切断工程、研削工程、研磨工程、塗装工程、積層工程、シート接着工程、表面処理工程、穴あけ工程、曲げ工程、検査工程、検証工程、照射工程等、どのような工程でもよい。
【0029】
接着シートASおよび剥離防止シートACは、同一の接着シート母材から形成されたり、同種の接着シート母材から形成されたり、異種の接着シート母材から形成されたりしてもよいし、所定のエネルギーによって変形するものである場合、収縮を伴って変形したり、膨張を伴って変形したり、収縮も膨張も伴うことなく変形したりするものでもよいし、接着シートASのみが所定のエネルギーによって変形するものでもよいし、剥離防止シートACのみが所定のエネルギーによって変形するものでもよいし、接着シートASのみが所定の第2エネルギーによって硬化したり、変形したり、化学変化したりするものでもよいし、剥離防止シートACのみが所定の第2エネルギーによって硬化したり、変形したり、化学変化したりするものでもよいし、接着シートASおよび剥離防止シートACの両方が所定の第2エネルギーによって硬化したり、変形したり、化学変化したりするものでもよい。
被着体WKは、一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、環状または非環状の凸部が形成されていてもよいし、一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、金属、硝子、樹脂、他の接着シート等の支持部材が取り付けられていてもよいし、一方の面WK1および他方の面WK2が外周面WK3に隣接していてもよいし、隣接していなくてもよい。
【0030】
本発明における接着シートAS、剥離防止シートAC、他の接着シート、支持部材および被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、剥離防止シートAC、他の接着シート、支持部材および被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートAS、剥離防止シートACおよび他の接着シートは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートAS、剥離防止シートACおよび他の接着シートが採用された場合は、当該接着シートAS、剥離防止シートACおよび他の接着シートを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートAS、剥離防止シートACおよび他の接着シートは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートAS、剥離防止シートACおよび他の接着シートは、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0031】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた所謂多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等が単体で採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等が直接的又は間接的に組み合わされたものが採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等の出力部に対するトルク制御や速度制御等が可能なものや不能なものが採用されてもよい。
【0032】
前記実施形態において、何らかの物体(以下「物体A」という)および当該物体Aに対して移動する物体(以下「物体B」という)すなわち、相対移動する物体Aおよび物体Bは、移動することのない物体Aに対して物体Bが移動してもよいし、移動することのない物体Bに対して物体Aが移動してもよいし、物体Aおよび物体Bの両方が移動してもよいく、移動によって達成される結果が同じであれば、物体Aおよび物体Bの何れが移動してもよいし、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や硝子等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
EA…シート貼付装置
20…第1貼付手段
30…折り曲げ貼付手段
31…エネルギー付与手段
33…一括押圧手段
40…第2貼付手段
AC…剥離防止シート
AS…接着シート
ASA…一端側
ASB…他端側
ASF…供給方向先端部
ASH…はみ出し領域
ASR…供給方向後端部
HA…熱風(エネルギー)
SD…供給方向
WK…被着体
WK1…一方の面(別の面)
WK2…他方の面(別の面)
WK3…外周面(一面)