(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112002
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】遮光装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20240813BHJP
E06B 9/56 20060101ALI20240813BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
E06B9/42 B
E06B9/56 A
E06B9/42 A
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016801
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】椎名 宣博
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA06
2E042BA01
2E042CA01
2E042DA01
(57)【要約】
【課題】 2つのファスナーが適切にスライダーにガイドされ得る遮光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 遮光装置1は、第1パイプ10と、第1パイプ10に対して所定の角度で配置された第2パイプ20と、第1パイプ10に巻き上げられ又は第1パイプ10から巻き下ろされる、側縁部に第1ファスナー14が設けられた第1スクリーン11と、第2パイプ20に巻き上げられ又は第2パイプ20から巻き下ろされる、側縁部に第2ファスナー24が設けられた第2スクリーン21と、第1ファスナー14と第2ファスナー24とをファスナー整列方向に整列させて結合又は分離させるスライダー50と、ファスナー整列方向から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角θ3が変化することを抑制する抑制部110と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パイプと、
高さ方向から見る場合に前記第1パイプに対して所定の角度で配置された第2パイプと、
前記第1パイプの回転に伴い前記高さ方向に沿って移動して前記第1パイプに巻き上げられ又は前記第1パイプから巻き下ろされる、側縁部に第1ファスナーが設けられた第1スクリーンと、
前記第2パイプの回転に伴い前記高さ方向に沿って移動して前記第2パイプに巻き上げられ又は前記第2パイプから巻き下ろされる、側縁部に第2ファスナーが設けられた第2スクリーンと、
前記第1パイプ及び前記第2パイプが回転した際に、前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとを前記高さ方向に垂直なファスナー整列方向に整列させて結合又は分離させるスライダーと、
前記第1パイプ及び前記第2パイプが回転した際に、前記ファスナー整列方向から見る場合における前記第1ファスナー及び前記第2ファスナーのそれぞれの前記スライダーへのアプローチ角が変化することを抑制する抑制部と、
を備える、遮光装置。
【請求項2】
前記抑制部は、前記高さ方向において前記スライダーと前記第1パイプとの間に配置されて前記第1パイプと平行に延在する第3パイプと、前記高さ方向において前記スライダーと前記第2パイプとの間に配置されて前記第2パイプと平行に延在する第4パイプとを含み、
前記第1パイプから巻き解かれた前記第1スクリーンは、前記第3パイプに巻き掛けられて前記スライダーへとガイドされ、
前記第2パイプから巻き解かれた前記第2スクリーンは、前記第4パイプに巻き掛けられて前記スライダーへとガイドされる、請求項1に記載に遮光装置。
【請求項3】
前記抑制部は、前記第1パイプが回転した際に、前記第3パイプに巻き掛けられて前記スライダーに向かって導出された前記第1スクリーンの前記第1ファスナーを前記スライダーに向かってガイドする第1ガイドレールと、前記第2パイプが回転した際に、前記第4パイプに巻き掛けられて前記スライダーに向かって導出された前記第2スクリーンの前記第2ファスナーを前記スライダーに向かってガイドする第2ガイドレールとを有するガイド部材を含む、請求項2に記載の遮光装置。
【請求項4】
前記抑制部は、前記高さ方向及び前記ファスナー整列方向の両方に垂直なスライド方向に沿って前記スライダーを移動させる第1スライド部を含む、請求項1に記載の遮光装置。
【請求項5】
前記第1スライド部は、前記高さ方向に平行な軸周りに前記スライダーを回動させる、請求項4に記載の遮光装置。
【請求項6】
前記抑制部は、
前記第1パイプが回転した際に前記第1スクリーンの前記第1ファスナーを前記スライダーに向かってガイドする第1ガイドレール及び前記第2パイプが回転した際に前記第2スクリーンの前記第2ファスナーを前記スライダーに向かってガイドする第2ガイドレールを有するガイド部材と、
前記スライド方向に沿って前記ガイド部材を移動させる第2スライド部と
を含む、請求項4に記載の遮光装置。
【請求項7】
前記所定の角度は、0°よりも大きく180°よりも小さく又は180°よりも大きく360°よりも小さい、請求項4に記載の遮光装置。
【請求項8】
前記第1スクリーンの前記第1ファスナーが設けられている側の側縁部及び前記第2スクリーンの前記第2ファスナーが設けられている側の側縁部の少なくとも一方は、前記スライド方向から見る場合に、巻き下ろされる側の部分ほど内側に位置するように傾斜している、請求項7に記載の遮光装置。
【請求項9】
前記第1スクリーンの前記高さ方向における前記第1パイプ側とは反対側の縁部に配置される第1フレームと、前記第2スクリーンの前記高さ方向における前記第2パイプ側とは反対側の縁部に配置される第2フレームと、前記第1フレームと前記第2フレームとを連結する連結部と、を含むフレーム材をさらに備える、請求項1に記載の遮光装置。
【請求項10】
前記連結部は、前記第1スクリーン及び前記第2スクリーンのそれぞれから離間して前記第1スクリーンと前記第2スクリーンとに跨っている、請求項9に記載の遮光装置。
【請求項11】
前記連結部は、前記高さ方向から見る場合における前記第1フレームと前記第2フレームとがなす角度を調整可能に構成されている、請求項10に記載の遮光装置。
【請求項12】
前記第1パイプと前記第2パイプとは、前記高さ方向において位置をずらして配置されている、請求項1から11のいずれか1項に記載の遮光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプが回転することによって巻き上げ又は巻き下げがされるスクリーンを並べて構成した遮光装置が知られている。このような遮光装置の中には、並べられた2つのスクリーンのそれぞれの側縁部にファスナーを設け、これらのファスナーを結合させることによって、スクリーン間に隙間が生じないようにした遮光装置がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたような遮光装置では、2つのスクリーンのそれぞれのファスナーを結合させるために、2つのファスナーを適切にスライダーにガイドする必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、2つのファスナーが適切にスライダーにガイドされ得る遮光装置を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遮光装置は、第1パイプと、高さ方向から見る場合に前記第1パイプに対して所定の角度で配置された第2パイプと、前記第1パイプの回転に伴い前記高さ方向に沿って移動して前記第1パイプに巻き上げられ又は前記第1パイプから巻き下ろされる、側縁部に第1ファスナーが設けられた第1スクリーンと、前記第2パイプの回転に伴い前記高さ方向に沿って移動して前記第2パイプに巻き上げられ又は前記第2パイプから巻き下ろされる、側縁部に第2ファスナーが設けられた第2スクリーンと、前記第1パイプ及び前記第2パイプが回転した際に、前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとを前記高さ方向に垂直なファスナー整列方向に整列させて結合又は分離させるスライダーと、前記第1パイプ及び前記第2パイプが回転した際に、前記ファスナー整列方向から見る場合における前記第1ファスナー及び前記第2ファスナーのそれぞれの前記スライダーへのアプローチ角が変化することを抑制する抑制部と、を備える。
【0007】
このような遮光装置は、以下の構成の少なくとも1つをさらに備えてもよい。
【0008】
前記抑制部は、前記高さ方向において前記スライダーと前記第1パイプとの間に配置されて前記第1パイプと平行に延在する第3パイプと、前記高さ方向において前記スライダーと前記第2パイプとの間に配置されて前記第2パイプと平行に延在する第4パイプとを含み、前記第1パイプから巻き解かれた前記第1スクリーンは、前記第3パイプに巻き掛けられて前記スライダーへとガイドされ、前記第2パイプから巻き解かれた前記第2スクリーンは、前記第4パイプに巻き掛けられて前記スライダーへとガイドされてもよい。
【0009】
前記抑制部は、前記第1パイプが回転した際に、前記第3パイプに巻き掛けられて前記スライダーに向かって導出された前記第1スクリーンの前記第1ファスナーを前記スライダーに向かってガイドする第1ガイドレールと、前記第2パイプが回転した際に、前記第4パイプに巻き掛けられて前記スライダーに向かって導出された前記第2スクリーンの前記第2ファスナーを前記スライダーに向かってガイドする第2ガイドレールとを有するガイド部材を含んでもよい。
【0010】
前記抑制部は、前記高さ方向及び前記ファスナー整列方向の両方に垂直なスライド方向に沿って前記スライダーを移動させる第1スライド部を含んでもよい。この場合、前記第1スライド部が前記高さ方向に平行な軸周りに前記スライダーを回動させてもよいし、前記抑制部が、前記第1パイプが回転した際に前記第1スクリーンの前記第1ファスナーを前記スライダーに向かってガイドする第1ガイドレール及び前記第2パイプが回転した際に前記第2スクリーンの前記第2ファスナーを前記スライダーに向かってガイドする第2ガイドレールを有するガイド部材と、前記スライド方向に沿って前記ガイド部材を移動させる第2スライド部とを含んでもよい。また、前記抑制部が前記高さ方向及び前記ファスナー整列方向の両方に垂直なスライド方向に沿って前記スライダーを移動させる第1スライド部を含む場合、前記所定の角度は、0°よりも大きく180°よりも小さく又は180°よりも大きく360°よりも小さくてもよい。そして、このような所定の角度の場合、前記第1スクリーンの前記第1ファスナーが設けられている側の側縁部及び前記第2スクリーンの前記第2ファスナーが設けられている側の側縁部の少なくとも一方は、前記スライド方向から見る場合に、巻き下ろされる側の部分ほど内側に位置するように傾斜していてもよい。
【0011】
また、上記遮光装置は、前記第1スクリーンの前記高さ方向における前記第1パイプ側とは反対側の縁部に配置される第1フレームと、前記第2スクリーンの前記高さ方向における前記第2パイプ側とは反対側の縁部に配置される第2フレームと、前記第1フレームと前記第2フレームとを連結する連結部と、を含むフレーム材をさらに備えてもよい。この場合、前記連結部は、前記第1スクリーン及び前記第2スクリーンのそれぞれから離間して前記第1スクリーンと前記第2スクリーンとに跨っていてもよい。また、連結部は、前記高さ方向から見る場合における前記第1フレームと前記第2フレームとがなす角度を調整可能に構成されていてもよい。
【0012】
前記第1パイプと前記第2パイプとは、前記高さ方向において位置をずらして配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、2つのファスナーが適切にスライダーにガイドされ得る遮光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示される遮光装置が備えるスライダー及びその近傍を床面側から見て概略的に示す図である。
【
図3】
図1に示される遮光装置が備える第1パイプ及び第3パイプを、ファスナー整列方向から見て模式的に示す図である。
【
図4】本発明の第2実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図5】
図4に示される遮光装置が備えるガイド部材を天井側かつ室内側から見た平面斜視図である。
【
図6】
図5に示されるガイド部材を床側から見た底面図である。
【
図7】
図5に示されるガイド部材をファスナー整列方向から見た側面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図9】
図8に示される遮光装置が備える抑制部を天井側から見た平面図である。
【
図10】
図9に示される抑制部をファスナー整列方向から見た側面図である。
【
図11】
図9に示される抑制部を床側から見た底面図である。
【
図13】本発明の第4実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図14】本発明の第5実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図15】
図14に示される遮光装置が備えるスライダー及びその近傍を床面側から見て概略的に示す図である。
【
図16】
図14に示される遮光装置の抑制部の効果を第1スクリーンに着目して説明する図である。
【
図17】
図14に示される遮光装置の抑制部の効果を第2スクリーンに着目して説明する図である。
【
図18】本発明の第6実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図19】
図18に示される遮光装置が備えるガイド部材を天井側かつ室内側から見た平面斜視図である。
【
図20】
図18に示されるガイド部材を床側かつ壁側から見た底面斜視図である。
【
図21】
図18に示されるガイド部材をスライダーとともに示す側面図である。
【
図22】
図18に示されるガイド部材をスクリーンの一部とともに示す底面図である。
【
図23】
図18に示されるガイド部材の変形例を天井側かつ室内側から見た平面斜視図である。
【
図24】本発明の第7実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図25】
図24に示される抑制部をファスナー整列方向から見た側面図である。
【
図26】
図24に示される遮光装置の第1スクリーン及び第2スクリーンのそれぞれの巻き下ろされた状態を同一方向に並べて示す図である。
【
図27】
図24に示される遮光装置の第1スクリーン及び第2スクリーンと抑制部との関係を説明するための図であり、
図24に示される遮光装置を天井側から見て概念的に示す図である。
【
図28】
図24に示される遮光装置の変形例を説明するための図である。
【
図29】本発明の第8実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図30】
図9に示される抑制部の変形例を天井側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遮光装置を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、上記添付図面では、理解を容易にするために各部材の寸法が誇張又は縮小して示されていたり、形状が簡略化されて示されていたり、ハッチングが省略されて示されていたりする場合がある。また、添付図面において、便宜上、透視により表された部分が破線で示されている場合がある。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。なお、
図1において、透視された部分が破線で示されている。
図1に示すように、本実施形態における遮光装置1は、第1パイプ10と、第1パイプ10に並んで配置された第2パイプ20と、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11と、第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21と、スライダー50と、第3パイプ103と、第4パイプ104とを主な構成として備えている。
【0017】
第1パイプ10と第2パイプ20とのそれぞれには、不図示のモータが組み込まれており、これらのモータは、不図示の操作装置が操作されることによって、同期して回転するように構成されている。したがって、操作装置に対する操作に応じて各モータが回転すると、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して回転する。そして、これに応じて、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11と、第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21とが、同期して、第1パイプ10及び第2パイプ20が位置する側である天井側に向かって巻き上げられ、又は、床側に向かって巻き下ろされる。なお、第1パイプ10及び第2パイプ20が巻き上げられ又は巻き下ろされる方向は概ね鉛直方向であり、以下、第1パイプ10及び第2パイプ20が巻き上げられ又は巻き下ろされる方向を第1方向又は高さ方向と記載する場合がある。
【0018】
本実施形態において、第1パイプ10と第2パイプ20とは、互いの長手方向が平行になるように並んでいる。別言すれば、第1方向(高さ方向)から見る場合に、第1パイプ10と第2パイプ20とは、いずれも第1方向に垂直な第2方向において延在しており、第2パイプ20は第1パイプ10に対して180°の角度で配置されている。すなわち、遮光装置1は、第1方向及び第2方向に延在する壁面90に沿って配置されており、この壁面90に設けられた窓などの透光部91を第1スクリーン11及び第2スクリーン21によって室内側で遮光するように配置されている。第2方向において、第1パイプ10の第2パイプ20側の端部10E1と第2パイプ20の第1パイプ10側の端部20E1とは、同じ位置にある。また、第1パイプ10及び第2パイプ20は、第1方向及び第2方向に垂直な(すなわち、壁面90に垂直な)第3方向において同じ位置にある。一方、第1方向において、第1パイプ10と第2パイプ20とは、位置をずらして配置されている。具体的には、本実施形態では、第1パイプ10が第2パイプ20よりも天井側に配置されている。なお、第2パイプ20を第1パイプ10よりも天井側に配置してもよい。このように第1方向において第1パイプ10と第2パイプ20とが位置をずらして配置されていることによって、第2方向において第1パイプ10の端部10E1と第2パイプ20の端部20E1とを同じ位置にすることができ、その結果、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11と第2パイプに巻回された第2スクリーン21とを互いにより近接させることが可能となる。
【0019】
本実施形態では、壁面90に板状部材30が取り付けられている。第1パイプ10の端部10E1と第2パイプ20の端部20E1とは、この板状部材30に固定されている(すなわち、壁面90に間接的に固定されている)。第1パイプ10の端部10E1とは反対側の端部10E2及び第2パイプ20の端部20E1とは反対側の端部20E2は、それぞれ、壁面90に直接的に固定されている。
【0020】
第1スクリーン11は、巻き下ろされた部分が長方形又は正方形になるように形成されており、本体部12と、可撓部13と、第1ファスナー14と含んでいる。第2スクリーン21は、巻き下ろされた部分が長方形又は正方形になるように形成されており、本体部22と、可撓部23と、第2ファスナー24とを含んでいる。本体部12及び本体部22のそれぞれは、透光部91を透過して室内に入った光を少なくとも一定程度遮光できる材料から形成されており、本体部12は第1スクリーン11の大部分を、本体部22は第2スクリーン21の大部分を、それぞれ占めている。本実施形態において、第1スクリーン11は第1パイプ10の中心軸に対して室内側で、第2スクリーン21は第2パイプ20の中心軸に対して室内側で、それぞれ巻き上げられ又は巻き下ろされるように配置されている。ただし、これに限定されず、第1スクリーン11及び第2スクリーン21がパイプ10,20の中心軸に対して壁面90側で巻き上げられ又は巻き下ろされるように配置してもよい。
【0021】
第1スクリーン11の第1ファスナー14は、第2方向における第1スクリーン11の一方側(第2スクリーン21側)の側縁部に第1方向に沿って形成されている。第1スクリーン11の可撓部13は、可撓性を有する材料で形成されており、第1ファスナー14と本体部12とを連結している。第1ファスナー14と本体部12との間に可撓部13が介在することによって、第1ファスナー14は、本体部12に対して柔軟に動くことができる。第2スクリーン21の第2ファスナー24は、第2方向における第2スクリーン21の他方側(第1スクリーン11側)の側縁部に第1方向に沿って形成されている。第2スクリーン21の可撓部23は、可撓性を有する材料で形成されており、第2ファスナー24と本体部22とを連結している。第2ファスナー24と本体部22との間に可撓部23が介在することによって、第2ファスナー24は本体部22に対して柔軟に動くことができる。
【0022】
スライダー50は、壁面90に間接的に固定されている。具体的には、板状部材30には、板状部材30から室内側に向かって第3方向に延びる連結部51が固定されており、スライダー50は、この連結部51の端部に、連結部51に対して概ね垂直な状態(すなわち、第1方向に概ね平行な状態)で固定されている。
図2は、スライダー50及びその近傍を床面側(下側)から見て概略的に示す図である。
図2に示すように、スライダー50には、スライダー50を第1方向に貫通する貫通空間50Pが形成されている。第1方向から見る場合に、貫通空間50Pは第2方向に沿って概ね直線状に延在している。貫通空間50Pの第3方向における厚みは、第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれの第3方向の厚みよりもやや大きい。第1スクリーン11及び第2スクリーン21が巻き下ろされる際、第1ファスナー14及び第2ファスナー24が、互いに近接する状態でかつ第2方向に延びる同一直線上に概ね位置する状態で貫通空間50Pを通過することによって、この貫通空間50Pにおいて両者が互いに結合され、ファスナー結合部FC(結合部)が形成される。反対に、第1スクリーン11及び第2スクリーン21が巻き上げられる場合、このスライダー50においてファスナー結合部FCが第1ファスナー14と第2ファスナー24とに分離される。すなわち、スライダー50は、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、第1ファスナー14と第2ファスナー24とを高さ方向に垂直な第2方向に整列させて結合又は分離させる。このように、本実施形態では、第2方向が、スライダー50によって第1ファスナー14と第2ファスナー24とが整列されるファスナー整列方向となっている。
【0023】
図1において、第1ファスナー14のうちスライダー50よりも床側の部分と、第2ファスナー24のうちスライダー50よりも床側の部分とは、互いに結合してファスナー結合部FCを形成している。したがって、ファスナー結合部FCにおいて、第1スクリーン11と第2スクリーン21とは一体化しており、第1スクリーン11と第2スクリーン21との間の隙間が塞がれている。本実施形態では、第1方向において、第1スクリーン11の床側の縁部(下端)と第2スクリーン21の床側の縁部(下端)とは同じ位置にあり、ファスナー結合部FCは、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端の位置まで延びている。ただし、ファスナー結合部FCは、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端の位置まで延びている必要はなく、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端よりも天井側(上側)にファスナー結合部FCの下端が位置してもよい。
【0024】
上記のように、第1パイプ10及び第2パイプ20のそれぞれは第2方向に平行に配置されており、かつ、第3方向における位置が同じである。このため、第1パイプ10から巻き下ろされた第1スクリーン11及び第2パイプ20から巻き下ろされた第2スクリーン21は、それぞれ、壁面90(及び透光部91)と平行であり、かつ、第3方向において概ね同じ位置にある。すなわち、第1パイプ10から巻き下ろされた第1スクリーン11及び第2パイプ20から巻き下ろされた第2スクリーン21は、ファスナー結合部FCを介して一体化しているとともに、壁面90に平行な概ね面一の状態にある。
【0025】
第3パイプ103は、第1方向(高さ方向)においてスライダー50と第1パイプ10との間に配置されており、かつ、第1パイプ10と平行に延在している。そして、第1パイプ10から巻き解かれた第1スクリーン11は、第3パイプ103に巻き掛けられてスライダー50へとガイドされている。
【0026】
第4パイプ104は、第1方向(高さ方向)においてスライダー50と第2パイプ20との間に配置されており、かつ、第2パイプ20と平行に延在している。そして、第2パイプ20から巻き解かれた第2スクリーン21は、第4パイプ104に巻き掛けられてスライダー50へとガイドされている。
【0027】
図3は、第1パイプ10及び第3パイプ103をファスナー整列方向である第2方向から見て模式的に示す図である。なお、第2パイプ20及び第4パイプ104を第2方向から見た場合も同様に視認されるため、第2パイプ20及び第4パイプ104を第2方向から見た場合については説明を省略する。
【0028】
図3に示すように、第1スクリーン11が第1パイプ10に最も巻き上げられた状態(すなわち、第1スクリーン11又は第2スクリーン21による遮光の度合いが最も低い低遮光状態)では、第1スクリーン11のうち第1パイプ10に巻かれている部分の比率が最大となる。すなわち、低遮光状態では、第1パイプ10(又は第2パイプ20)の半径をPRとし、第1スクリーン11(又は第2スクリーン21)のうち第1パイプ10(又は第2パイプ20)に巻かれている部分の径方向の長さSTとして、以下の式で算出されるパイプ径PDが最大となる。
PD=2(PR+ST)
図3において、低遮光状態における第1スクリーン11が実線で示されている。
図3に示すように、第3パイプ103は、第2方向(ファスナー整列方向)に垂直な第3方向において、その室内側の頂部103RTがスライダー50の貫通空間50Pと概ね同じ位置にあるように配置されている。したがって、低遮光状態において、第1パイプ10から巻き解かれた第1スクリーン11の第1ファスナー14のうち、第3パイプ103の外周面に巻き掛けられてからスライダー50の貫通空間50Pを通過するまでの区間は、第1方向に概ね平行に延在している。すなわち、ファスナー整列方向(第2方向)から見る場合における第1ファスナー14のスライダー50へのアプローチ角θ3は概ね180°である。
【0029】
第1パイプ10が回転して第1スクリーン11が第1パイプ10から巻き解かれている状態(すなわち、第1スクリーン11又は第2スクリーン21による遮光が進んでいる遮光状態)では、
図3において破線で示されているように、第1スクリーン11のうち第1パイプ10に巻かれている部分の比率が低遮光状態に比べて小さくなる。すなわち、
図3において破線で示すように、遮光状態では、パイプ径PDが低遮光状態に比べて小さくなる。したがって、仮に第3パイプ103が設けられていない場合、遮光状態では、
図3において一点鎖線で示すように、パイプ径PDが小さくなることによって、第1スクリーン11が第1パイプ10から巻き解かれる第3方向における位置が低遮光状態に比べて第3方向にずれる結果、第1ファスナー14のスライダー50へのアプローチ角θ3が、低遮光状態から変化する。しかし、本実施形態では、第3パイプ103が設けられているため、パイプ径PDが小さくなった場合でも、第1パイプ10から巻き解かれた第1ファスナー14は、第3パイプ103に巻き掛けられた状態でスライダー50へとガイドされる。このため、第1ファスナー14のうち、第3パイプ103の外周面に巻き掛けられてからスライダー50の貫通空間50Pを通過するまでの区間は、第1方向に概ね平行に延在するともに、その第3方向における位置も低遮光状態から殆ど変化しない。したがって、本実施形態によれば、遮光状態におけるアプローチ角θ3も概ね180°である。
【0030】
また、本実施形態では、第4パイプ104が設けられている。このため、上記と同様の理由により、低遮光状態において、ファスナー整列方向(第2方向)から見る場合における第2ファスナー24のスライダー50へのアプローチ角θ3は概ね180°であり、遮光状態における第2ファスナー24のスライダー50へのアプローチ角θ3も概ね180°である。
【0031】
したがって、本実施形態において、第3パイプ103及び第4パイプ104は、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、ファスナー整列方向(第2方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角θ3が変化することを抑制する抑制部110として機能している。
【0032】
第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端(パイプ側とは反対側の縁部)には、フレーム材60が取り付けられている。このフレーム材60は、第1スクリーン11の下端に配置される第1フレーム61と、第2スクリーン21の下端に配置される第2フレーム62と、第1フレーム61と第2フレーム62とを連結する連結部63とを含んでいる。第1フレーム61と第2フレーム62とは、第2方向に延びる同一直線上に配置されている。すなわち、第1方向から見る場合の第1フレーム61と第2フレーム62とがなす角度θ1は180°である。なお、角度θ1は、第1方向から見た場合の第1フレームと第2フレームとがなす角度のうち室内側の角度である。このようなフレーム材60が設けられることにより、第1スクリーン11及び第2スクリーン21にウエイトが付与されるとともに、第1スクリーン11と第2スクリーン21とが、壁面90に平行な面一の状態に維持されている。また、本実施形態において、連結部63は、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれから離間して第1スクリーン11と第2スクリーン21とに跨っている。すなわち、連結部63と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空間が介在している。このため、ファスナー結合部FCは、この連結部63に干渉されることなく、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端部まで延在している。
【0033】
第2方向において、第1スクリーン11の第1ファスナー14側とは反対側の側縁部の一部には、第1方向に沿って延びる側縁フレーム70Aが任意に取り付けられてもよい。同様に、第2方向において、第2スクリーン21の第2ファスナー24側とは反対側の側縁部の一部には、第1方向に沿って延びる側縁フレーム70Bが任意に取り付けられてもよい。これらの側縁フレーム70A,70Bは、同様の構成を有しており、内部に第1方向に延在するインナーレールが設けられている。第1スクリーン11の第1ファスナー14側とは反対側の側縁部及び第2スクリーン21の第2ファスナー24側とは反対側の側縁部は、このインナーレールを通過するように側縁フレーム70A,70Bに取り付けれている。したがって、これらの側縁部は、側縁フレーム70A,70Bによって第1方向にガイドされ、また、第1スクリーン11及び第2スクリーン21は、側縁フレーム70A,70Bによって安定して支持される。
【0034】
この遮光装置1を室内に設置する際には、第1パイプ10及び第2パイプ20を壁面90に上記のように第1方向においてずらして固定し、次いで、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11及び第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21を巻き下ろす。本実施形態では、第1スクリーン11及び第2パイプ20は、それぞれの下端部の第1方向における位置が低遮光状態における位置になるまで巻き下ろされる。次いで、巻き下ろされた第1スクリーン11の第1ファスナー14の下端部と巻き下ろされた第2スクリーン21の第2ファスナー24の下端部とを、スライダー50に通す(嵌め入れる)。この際、上記のように、フレーム材60の連結部63と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空隙がある。そのため、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部を、フレーム材60に干渉されることなくスライダー50に挿通させることができる。次いで、第1方向から見る場合に貫通空間50Pが第2方向に延在する状態を保ちつつスライダー50を上昇させ、第1ファスナー14と第2ファスナー24とを結合させていく。そして、スライダー50を所定の位置まで上昇させた後、スライダー50を壁面90に対して固定する。このようにスライダー50が取り付けられることにより、スライダー50よりも下側には第1方向から見る場合に第2方向に延在するファスナー結合部FCが形成され、また、スライダー50よりも上側の少なくともスライダー50近傍において、第1ファスナー14と第2ファスナー24とが第2方向に整列する。こうして、遮光装置1の設置が完了する。
【0035】
本実施形態の遮光装置1によれば、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転してパイプ径PDが変化した場合でも、上記のような抑制部110によって第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角θ3が変化することが抑制される。このため、本実施形態の遮光装置1によれば、スライダー50にアプローチする第1ファスナー14及び第2ファスナー24のかみ合わせがパイプ径PDの変化に伴って悪化すること等が抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置1によれば、2つのファスナーをスライダーに適切にガイドすることができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る遮光装置について説明する。
図4は、本実施形態の遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。なお、
図4において、透視された部分が破線で示されている。
図4に示すように、本実施形態の遮光装置2は、後述するガイド部材40を備える点のみが第1実施形態に係る遮光装置1と異なっている。そのため、本実施形態では、ガイド部材40について主に説明し、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を省略する。
【0037】
図4に示すように、第1方向において、ガイド部材40は、スライダー50に隣接して配置されており、スライダー50の直上であって、第3パイプ103よりも下側(床側)かつ第4パイプ104よりも下側(床側)に配置されている。また、本実施形態において、ガイド部材40及びスライダー50は、第1方向に延びる同一直線上に整列している。ガイド部材40は、不図示の構成により、板状部材30を介して又は直接的に壁面90に固定されている。なお、
図4では、ガイド部材40の形状は概略的にしか示されておらず、ガイド部材40の実際の形状は
図4に示すものとは異なっている。
【0038】
図5は、ガイド部材40を天井側(上側)かつ室内側から見た平面斜視図である。
図6は、ガイド部材40を床側(下側)から見た底面図である。
図7は、ガイド部材40を後述する第2ガイドレール42側から見た側面図である。
【0039】
図5から
図7に示すように、ガイド部材40は、本体部40Aと、連結部40Bと、固定部40Cと、を有している。
【0040】
本実施形態において、固定部40Cは、矩形の板状部材であり、具体的には、第3方向から見る場合に、第2方向を長辺が延びる方向かつ第1方向を短辺が延びる方向とする矩形に形成されている。固定部40Cの第2方向におけるそれぞれの縁部近傍には、ガイド部材40を壁面90に固定するためのネジ等の固定部材を挿通するための挿通孔40Hが形成されている。固定部40Cの第2方向における中央からは、連結部40Bが第3方向に沿って延在している。連結部40Bは、第1方向及び第3方向に延在する板状部材であり、側面視において、直角台形状に形成されている。すなわち、
図7に示すように、連結部40Bの上面40Buは、第3方向に沿って延在しており、固定部40Cの上面40Cu及び本体部40Aの上面40Auと面一に形成されている。一方、連結部40Bの下面40Bbは、第1方向に対して傾斜しており、固定部40Cの下面40Cbから下側に延びて本体部40Aの下面40Abに連結している。このように、連結部40Bは、固定部40Cと本体部40Aとを連結している。なお、連結部40B及び固定部40Cの構成はこれらに限定されるものではない。
【0041】
本体部40Aは、第3方向から見る場合に、第1方向を長辺が延びる方向かつ第2方向を短辺が延びる方向とする矩形状に形成されている。本体部40Aの第2方向における中央に連結部40Bが接続されている。本体部40Aは、本体部40Aの第2方向における中央を境界Brとして一方側にある第1ガイドレール41と、他方側にある第2ガイドレール42とを含んでいる。本実施形態では、第1ガイドレール41は第1パイプ10側にあり、第2ガイドレール42は第2パイプ20側にある。
図6には、便宜上、第1ガイドレール41と第2ガイドレール42との境界Brが破線で示されているが、本実施形態では、第1ガイドレール41と第2ガイドレール42とは、一体的に形成されている。第1ガイドレール41と第2ガイドレール42とは、境界Brに対して対称に形成されている。第1ガイドレール41及び第2ガイドレール42は、第1方向に沿って直線状に延在しており、また、第1方向から見る場合に、180°の角度をなして第2方向に延びる同一直線上に並んでいる。
【0042】
第1ガイドレール41は、第1方向から見る場合に扁平U字状の形状を有しており、この扁平U字状の形状が第1方向に沿って連続している。第1ガイドレール41の内面41iによって、第2方向における境界Br側が閉じられ、境界Br側とは反対側が開放されている第1内部空間45が画定されている。この第1内部空間45は、本体部40Aの上面40Auから下面40Abに亘って延在している。内面41iのうち開放されている側の縁部には、それぞれが第1内部空間45に向かって突出する1対の凸部43,43が形成されている。したがって、第1内部空間45のうち開放されている側の領域は、1対の凸部43,43によって、第1内部空間45の他の領域よりも狭隘な第1狭隘空間45Aとなっている。1対の凸部43,43のそれぞれにおける上端は、第1方向に対して滑らかに傾斜する傾斜面43A,43Aとなっている。したがって、第1内部空間45のうち開放されている側の上側には、この1対の傾斜面43A,43Aによって、第1ガイドレール41の上端から下側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第1狭隘空間45Aへと至るV字状の変化領域47Aが形成されている。また、1対の凸部43,43のそれぞれにおける下端は、第1方向に対して滑らかに傾斜する傾斜面43B,43Bとなっている。したがって、第1内部空間45のうち開放されている側には、この1対の傾斜面43B,43Bによって、第1ガイドレール41の下端から上側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第1狭隘空間45Aへと至る逆V字状の変化領域47Bが形成されている。
【0043】
上記のように、第2ガイドレール42は第1ガイドレール41と対称であるため、説明を簡略化する。すなわち、第2ガイドレール42の内面42iによって、境界Br側が閉じられ、境界Br側とは反対側が開放されている第2内部空間46が画定されている。なお、第2方向において、第2内部空間46の解放されている側は、第1内部空間45の解放されている側とは反対側である。
図7に示すように、内面42iのうち開放されている側の縁部には、1対の凸部44,44が形成されている。したがって、第2内部空間46のうち開放されている側の領域は、第2狭隘空間46Aとなっている。1対の凸部44,44の上端は傾斜面44A,44Aとなっており、これら傾斜面44A,44AによってV字状の変化領域48Aが形成されている。また、1対の凸部44,44のそれぞれにおける下端は傾斜面44B,44Bとなっており、第2ガイドレール42の下端から上側に行くに従って次第に第2狭隘空間46Aへと至る逆V字状の変化領域48Bが形成されている。
【0044】
図1に示すように、第1ガイドレール41の第1内部空間45には、第1スクリーン11の第1ファスナー14及び可撓部13が挿通されている。また、可撓部13における第1ファスナー14側とは反対側の縁部は、第1内部空間45の第1狭隘空間45Aから第1ガイドレール41の外にはみ出している。また、第2ガイドレール42の第2内部空間46には、第2スクリーン21の第2ファスナー24及び可撓部23が挿通されている。また、可撓部23における第2ファスナー24側とは反対側の縁部は、第2内部空間46の第2狭隘空間46Aから第2ガイドレール42の外にはみ出している。
【0045】
遮光装置2では、このようなガイド部材40がスライダー50の直上に配置されている。本実施形態では、第1ガイドレール41と第2ガイドレール42との境界Brと、スライダー50の第2方向における中央とが第1方向に延びる同一直線上にあるように、ガイド部材40及びスライダー50が配置されている。
【0046】
この遮光装置2を室内に設置する際には、第1パイプ10及び第2パイプ20を壁面90に上記のように第1方向においてずらして固定し、次いで、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11及び第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21を巻き下ろす。本実施形態では、第1スクリーン11及び第2パイプ20は、それぞれの下端部の第1方向における位置が低遮光状態における位置になるまで巻き下ろされる。次に、ガイド部材40を準備する。そして、巻き下ろされた第1スクリーン11の第1ファスナー14の下端部における第1ファスナー14及び可撓部13を、第1ガイドレール41の第1狭隘空間45Aを介してガイド部材40の第1内部空間45に嵌め入れる。また、巻き下ろされた第2スクリーン21の第2ファスナー24の下端部における第2ファスナー24及び可撓部23をガイド部材40の第2内部空間46に嵌め入れる。この際、上記のように、フレーム材60の連結部63が第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれから離間して第1スクリーン11と第2スクリーン21とに跨っているため、連結部63と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空隙がある。そのため、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部を、フレーム材60に干渉されることなくガイド部材40に嵌め入れることができる。次いで、このガイド部材40を所定の位置(例えば、窓などの透光部91の上端近傍)まで上昇させた後、第1方向におけるその位置において、ガイド部材40を壁面90に対して固定する。次いで、第1実施形態に係る遮光装置1の場合と同様にして、スライダー50を壁面に固定する。なお、スライダー50を固定する位置は、ガイド部材40の下側(好ましくは、直下)である。
【0047】
なお、上記では、ガイド部材40を取り付けた後にスライダー50を取り付ける例を説明した。しかし、この工程を逆にしてもよい。すなわち、第1方向の所定の位置において、第1ファスナー14及び可撓部13と第2ファスナー24及び可撓部23とをガイド部材40に嵌め入れて、そのガイド部材40を上記所定の位置に固定した後に、スライダー50を下側から上側に移動させて第1ファスナー14と第2ファスナー24とを結合させるようにしてもよい。
【0048】
このような遮光装置2において、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して一方側に回転すると、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれが天井側に巻き上げられていく。そして、このように巻き上げられる都度、ファスナー結合部FCの上端がスライダー50を下側から上側に向かって通過して、スライダー50において第1ファスナー14と第2ファスナー24とが分離される。ここで、スライダー50よりも上側には上述のガイド部材40が配置されているため、分離した第1ファスナー14は第1ガイドレール41によって第1方向に沿って上側へとスムーズにガイドされ、分離した第2ファスナー24は第2ガイドレール42によって第1方向に沿って上側へとスムーズにガイドされる。したがって、たとえ第1スクリーン11に第1ファスナー14が設けられていたとしても、第1ファスナー14の剛性や重量に起因する巻き乱れ等の発生が抑制された状態で、第1スクリーン11が第1パイプ10に巻回される。同様に、たとえ第2スクリーン21に第2ファスナー24が設けられていたとしても、第2ファスナー24の剛性や重量に起因する巻き乱れ等の発生が抑制された状態で、第2スクリーン21が第2パイプ20に巻回される。
【0049】
次に、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して他方側に回転すると、第1スクリーン11は第3パイプ103を介して(第3パイプ103に巻き掛けられて)、第2スクリーン21は第4パイプ104を介して(第4パイプ104に巻き掛けられて)、それぞれ床側に巻き下ろされていく。この際、ガイド部材40の直上に位置する第1ファスナー14は、ガイド部材40の第1ガイドレール41によって第1方向に沿って下側にスムーズにガイドされ、スライダー50に対する位置ずれが抑制された状態でスライダー50内に進入することができる。同様に、ガイド部材40の直上に位置する第2ファスナー24は、ガイド部材40の第2ガイドレール42によって第1方向に沿って下側にスムーズにガイドされ、スライダー50に対する位置ずれが抑制された状態でスライダー50内に進入することができる。
【0050】
このように、ガイド部材40は、第1パイプ10が回転した際に、第3パイプ103に巻き掛けられてスライダー50に向かって導出された第1スクリーン11の第1ファスナー14をスライダー50に向かってガイドする第1ガイドレール41と、第2パイプ20が回転した際に、第4パイプ104に巻き掛けられてスライダー50に向かって導出された第2スクリーン21の第2ファスナー24をスライダー50に向かってガイドする第2ガイドレール42とを含んでいる。
【0051】
本実施形態における遮光装置2によれば、第1ファスナー14及び第2ファスナー24は、ガイド部材40によってガイドされることによって、スライダー50に適切に進入することができ、スライダー50において適切にファスナー結合部FCが形成される。このように、ガイド部材40の第1ガイドレール41及び第2ガイドレール42は、第1ファスナー14と第2ファスナー24との位置関係を、第1ファスナー14と第2ファスナー24とがスライダー50において結合される位置関係に調整している。
【0052】
また、本実施形態における遮光装置2によれば、第1ファスナー14は、第3パイプ103に巻き掛けられた後にさらにガイド部材40によって上記のような位置関係に調整される。また、第2ファスナー24は、第4パイプ104に巻き掛けられた後にさらにガイド部材40によって上記のような位置関係に調整される。このように、本実施形態では、第3パイプ103と第4パイプ104とガイド部材40とが、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、ファスナー整列方向(第2方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角θ3が変化することを抑制する抑制部210として機能している。
【0053】
本実施形態の遮光装置2によれば、第1実施形態の遮光装置1と同様に、アプローチ角θ3が変化することが抑制される。さらに、ガイド部材40を備えることによって、第1ファスナー14と第2ファスナー24とがスライダー50の貫通空間50Pに至る前に、第1ファスナー14と第2ファスナー24との位置関係がスライダー50において結合される位置関係に調整されるため、アプローチ角θ3の変化をより効果的に抑制することができる。このため、本実施形態の遮光装置2によれば、スライダー50にアプローチする第1ファスナー14及び第2ファスナー24のかみ合わせがパイプ径PDの変化に伴って悪化すること等が抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置2によれば、2つのファスナーをスライダーに適切にガイドすることができる。
【0054】
さらに、本実施形態では、第1ガイドレール41には第1内部空間45の他の領域よりも間隔が狭い第1狭隘空間45Aが形成されているため、この第1狭隘空間45Aによって、第1ファスナー14がスライダー50を通過する際における第1ファスナー14の第3方向への位置ずれがより効果的に抑制される。同様に、第2狭隘空間46Aによって、第2ファスナー24がスライダー50を通過する際における第2ファスナー24の第3方向への位置ずれがより効果的に規制される。
【0055】
また、本実施形態では、第1ガイドレール41には上述の変化領域47A,47Bが形成されているため、第1ファスナー14及び可撓部13は傾斜面43A,43A又は傾斜面43B,43Bによって、より滑らかに第1内部空間45へとガイドされる。そのため、第1ファスナー14及び可撓部13が第1ガイドレール41に進入する際またはが第1ガイドレール41から出る際に第1ファスナー14及び可撓部13に過度な負荷がかかることが抑制される。同様に、第2ガイドレール42には上述の変化領域48A,48Bが形成されているため、傾斜面44A,44A又は傾斜面44B,44Bによって、より滑らかに第2内部空間46へとガイドされる。そのため、第2ファスナー24及び可撓部23が第2ガイドレール42に進入する際またはが第2ガイドレール42から出る際に第2ファスナー24及び可撓部23に過度な負荷がかかることが抑制される。
【0056】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る遮光装置について説明する。
図8は、本実施形態の遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。なお、
図8において、透視された部分が破線で示されている。
図8に示すように、本実施形態の遮光装置3は、第3パイプ103と第4パイプ104とを含んでいない点、及び、スライダー50に取り付けられる連結部351の構成が上述の連結部51と異なる点において、第1実施形態の遮光装置1と異なっている。したがって、本実施形態では、連結部351について主に説明し、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を省略する。
【0057】
図8に示すように、本実施形態において、スライダー50は、壁面90に間接的に固定されている。具体的には、板状部材30には、板状部材30から室内側に向かって第3方向に延びる連結部351が固定されており、スライダー50は、この連結部351の端部に、連結部351に対して概ね垂直な状態(すなわち、第1方向に概ね平行な状態)で固定されている。
【0058】
図9は、連結部351等を天井側から見た平面図である。
図10は、連結部351等の側面図である。
図11は、連結部351等を床側から見た底面図である。
図12は、
図9に示されるA-A線における断面図である。
図9から
図12に示すように、連結部351は、固定部353と、スライド部352とを含んでいる。
図10は、第2方向においてスライダー50に対して第2パイプ20側から見た側面図であり、便宜上、第2パイプ20の端部20E1が示されている。なお、第2方向においてスライダー50に対して第1パイプ10側から見た場合も同様の関係が成り立つため、第2方向においてスライダー50に対して第1パイプ10側から見た側面図の図示は省略する。また、
図9から
図12において、透視された部分が破線で示されている。
【0059】
固定部353は、側面視においてL字状の形状を有している。具体的には、側面視において、固定部353は、横方向Lを長手方向とする第1部分361と、横方向Lに垂直な第1方向に沿って延びる第2部分362と、概ね1/4円弧の形状に視認される第3部分363とを含んでいる。第3部分363は、第1部分361と第2部分362とを連結している。なお、横方向L及び第1方向の双方に垂直な方向が連結部351の幅方向Wである。
図11及び
図12に示すように、固定部353は、板状部材366と、板状部材366の幅方向Wにおける両縁部のそれぞれから板状部材366に対して垂直に延びる側壁365とを含んでいる。側壁365のそれぞれは、第1部分361、第2部分362、及び第3部分363に亘って形成されている。
【0060】
図9及び
図12に示すように、固定部353の第1部分361は、スライド部352の後述する主部356Bよりも天井側に位置するように、第1方向においてスライド部352に重ねられている。
【0061】
図10及び
図12に示すように、固定部353の第2部分362には、第2部分362を横方向Lに沿って貫通する少なくとも1つの貫通孔362Hが形成されている。本実施形態では、第2部分362の天井側の部分に幅方向Wに整列した2つの貫通孔362Hが形成されており、第2部分362の床側の部分には、天井側の2つの貫通孔362H間の幅方向Wにおける中間の位置に1つの貫通孔362Hが形成されている。このような貫通孔362Hにボルト等の締結具が挿通されて、固定部353が壁面に対して固定される。本実施形態では、固定部353は、板状部材30に固定されることにより、間接的に壁面90に固定される。このように固定部353が壁面90に固定されることにより、本実施形態では、横方向Lが第3方向に平行かつ幅方向Wが第2方向に平行になるように、連結部351が位置決めされている。
【0062】
幅方向Wにおいて、固定部353の第1部分361の概ね中央には、固定部353を第1方向に貫通する少なくとも1つの螺合部が形成されている。本実施形態では、横方向Lに延びる一直線上に2つの螺合部359A,359Bが形成されている。螺合部359A,359Bは概ね同一の形状及び寸法を有しているが、螺合部359Bは螺合部359Aよりも第3部分363側にある。なお、螺合部359A,359Bは必ずしも同一の形状及び寸法でなくてもよい。螺合部359A,359Bのそれぞれは内周面359iを有しており、この内周面359iによって、螺合部359A,359Bのそれぞれの内部空間が画定されている。内周面359iには、ボルトなどの締結具を締結するための溝が形成されている。本実施形態では、螺合部359A,359Bの内部空間にボルト360が挿通されて、内周面359iの溝と螺合している。なお、螺合部359A,359Bの第1方向の長さは、ボルト360の第1方向の長さよりも短い。
【0063】
螺合部359A,359Bのそれぞれは、第1部分359Lと、第2部分359Sとを含んでいる。第1部分359Lは、
図10及び
図12に示すように、第1部分359Lは板状部材366を基準にして第1方向における床側にあり、第2部分359Sは板状部材366を基準にして第1方向における天井側にある。ボルト360は、第1部分359L側から螺合部359A,359Bに挿入され、ボルト360の先端部は第2部分359Sよりも天井側に突出している。本実施形態では、第1部分359Lはストレートスリーブで構成されている。第1部分359L(ストレートスリーブ)の内周面は上述の内周面359iの一部を成しており、この第1部分359Lの内周面にボルト360が螺合可能な溝が形成されている。また、本実施形態において、第2部分359Sは、固定部353の第1部分361において板状部材366の一部をバーリング加工することによって形成されている。第2部分359Sは、板状部材366から第1方向における天井側に突出している。第2部分359Sの内周面は上述の内周面359iの一部を成しており、この第2部分359Sの内周面にボルト360が螺合可能な溝が形成されている。なお、螺合部の構成はこれに限定されるものではない。
【0064】
図9に示すように、スライド部352は、ベース356と、側壁355と、取付部357とを主な構成として含んでいる。
【0065】
ベース356は、長辺方向を横方向Lとし短辺方向を幅方向Wとする概ね矩形の板状部材である。ベース356は、主部356Bと、主部356Bに接続する先端部356Aとを含んでいる。主部356Bは、ベース356の大部分を占めており、主部356Bの横方向Lにおける一方側の端部に先端部356Aが接続されている。主部356Bの幅方向Wにおける長さは、先端部356Aの幅方向における長さよりもやや大きい。すなわち、主部356Bの幅方向Wにおける両端部は、先端部356Aよりも幅方向Wにおける外側に張り出している。そして、主部356Bの幅方向Wにおける両端部には、主部356Bに対して垂直な第1方向に延びる側壁355が形成されている。
図12に示すように、幅方向Wにおいて、1対の側壁355,355のそれぞれの内面間の幅w1は、固定部353の幅w2よりも僅かに大きい。また、第1方向において、1対の側壁355,355の高さは、固定部353の第1部分361における1対の側壁365の高さと概ね等しい。したがって、固定部353の第1部分361は、1対の側壁355,355と主部356Bとによって形成されるスライド部352の扁平U字状の空間内に配置されている。
【0066】
図11に示すように、主部356Bの幅方向における中央には、第1方向から見る場合に横方向Lを長手方向とするトラック形状のガイド孔356Gが形成されている。ガイド孔356Gは、第1方向において主部356Bを貫通している。ガイド孔356Gの幅方向Wにおける長さ(幅)GWは、螺合部359A,359Bの内周面359iの直径よりも大きく、螺合部359A,359Bの第1部分359Lの外周面の直径(外径)と実質的に等しい(僅かに大きい)。
【0067】
図11及び
図12に示すように、ベース356の主部356Bよりも床側には、第1方向から見る場合に矩形状の支持板354が配置されている。支持板354は、ガイド孔356Gの少なくとも一部を床側から覆うように配置されている。支持板354の幅方向Wにおける中央には、横方向Lと平行な一直線上に2つの貫通孔354Hが形成されている。本実施形態において、2つの貫通孔354Hは、概ね同一の形状及び寸法に形成されており、第1方向において支持板354を貫通している。2つの貫通孔354Hは、螺合部359A,359Bの内部空間に連通するように横方向Lにおいて間隔を空けて形成されている。
【0068】
支持板354は、単一の板状部材であってもよく、複数の板状部材からなってもよい。本実施形態では、2枚の板状部材354A,354Bからなっている。本実施形態では、板状部材354A,354Bは同一の寸法を有するが、これに限定されるものではない。板状部材354A,354Bの材料は特に限定されないが、板状部材354Aは樹脂からなってもよく、板状部材354Bは金属からなってもよい。板状部材354Aは、板状部材354Bとベース356とによって挟み込まれている。板状部材354Bには、上述のボルト360の胴部(内周面359iに螺合する部分)と実質的に同一の直径の貫通孔が形成されている。板状部材354Bの貫通孔の直径は、ガイド孔356Gの幅GWよりも小さい。板状部材354Aには、板状部材354Bの貫通孔よりも大きな直径の貫通孔が形成されている。板状部材354Aの貫通孔の直径は、螺合部359A,359Bの第1部分359Lの直径(外径)よりも僅かに大きく、また、ガイド孔356Gの幅GWと実質的に同一である。板状部材354Aの貫通孔と板状部材354Bの貫通孔とによって、上述の貫通孔354Hが形成されている。
【0069】
スライド部352は、固定部353に対して以下のようにして取り付けられる。まず、板状部材354Aの貫通孔と板状部材354Bの貫通孔とが連通するように板状部材354A,354Bを重ねて支持板354とする。次に、板状部材354Aの2つの貫通孔のそれぞれに上述の第1部分359L(ストレートスリーブ)を嵌め込む。なお、第1部分359Lは、板状部材354Aの貫通孔に嵌め込まれた際の第1部分359Lの内径が板状部材354Bの貫通孔の直径と等しくなるように形成されている。したがって、第1部分359Lが板状部材354Aの貫通孔に嵌め込まれたこの状態では、板状部材354Bの貫通孔を規定する内周面と第1部分359Lの内周面とが、面一になるように第1方向において整列している。次に、この状態を維持しつつ、2つの第1部分359Lのそれぞれをスライド部352のガイド孔359Gに通し、スライド部352のベース356と板状部材354Bとによって板状部材354Aを挟み込む。次に、この状態を維持しつつ、固定部353の第1部分361をスライド部352の扁平U字状の空間内に配置する(
図12参照)。ここで、上記のように、スライド部352の1対の側壁355,355のそれぞれの内面間の幅w1は固定部353の幅w2よりも僅かに大きいだけなので、固定部353の第1部分361をスライド部352の扁平U字状の空間内に配置すると、
図12に示すように、固定部353及びスライド部352の互いに対する幅方向Wへの移動が規制される。この状態では、螺合部359A,359Bの内部空間が第1方向においてガイド孔356G及び貫通孔354Hに連通している。そして、この連通状態を維持しつつ、2つの貫通孔354Hのそれぞれから螺合部359A,359Bの内部空間に向かって2つのボルト360を挿入し、ボルト360のそれぞれを螺合部359A,359Bに螺合する。こうして、スライド部352の固定部353に対する取り付けが完了する。この取付完了状態では、スライド部352は、第1方向において支持板354と固定部353とによって挟みこまれて支持される。すなわち、スライド部352が固定部353に対して第1方向において位置決めされる。また、この取付完了状態では、スライド部352の幅方向Wにおける固定部353に対する移動が規制された状態で、2つの第1部分359L(ストレートスリーブ)がのそれぞれが横方向Lに延びるガイド孔356Gを第1方向に沿って貫通している。このため、スライド部352は、ガイド孔356Gが延在する横方向Lに沿って固定部353に対して移動することができる。上記のように、本実施形態では、横方向Lは第3方向に平行である。したがって、スライド部352は、固定部353に対して第3方向に移動することができる。すなわち、本実施形態において、第3方向はスライド部352が移動するスライド方向である。なお、第3方向(スライド方向)は、第1方向(高さ方向)及び本実施形態のファスナー整列方向である第2方向の両方に垂直である。
【0070】
図9~
図11に示すように、取付部357は、スライド部352のベース356の先端部356Aにおける主部356B側とは反対側の端部に固定されている。取付部357は、少なくとも1枚の板状部材(本実施形態では2枚)の板状部材からなっている。第1方向から見る場合に、取付部357は、幅方向Wを長手方向とするトラック形状に形成されており、先端部356Aにおける主部356B側とは反対側の端部を天井側から全面的に覆っている。幅方向Wにおいて、取付部357の両側には、取付部357を第1方向に貫通する貫通孔357Hが形成されている。これら貫通孔357Hにボルト358が螺合されることによって、取付部357がベース356の先端部356Aに固定されている。取付部357の幅方向Wにおける中央には、横方向Lにおける主部356B側とは反対側に突出する凸部357Tが設けられている。凸部357Tの主部356B側とは反対側の端部357TFは、第1方向及び幅方向Wによって規定される平面となっている。この端部357TFがスライダー50の側面54の概ね中央に固定されている。すなわち、スライダー50は、第1方向から見る場合に貫通空間50Pが幅方向W(第2方向)に平行な状態で、スライド部352の端部357TFに固定されている。したがって、スライダー50は、第1方向から見る場合に貫通空間50Pが幅方向W(第2方向)に平行な状態で、横方向L(第3方向)に沿って移動することができる。
【0071】
図10に示すように、第2パイプ20が回転することによって、第2パイプ20のパイプ径PD(第3方向の長さ)が変化すると、これに伴い、第2方向(ファスナー整列方向)から見る場合における第2ファスナー24の第3方向における位置が変化する。また、第1パイプ10が第2パイプ20に同期して回転することによって、第2ファスナー24と同様に、第2方向(ファスナー整列方向)から見る場合における第1ファスナー14の第3方向における位置が変化する。
図10において、破線は低遮光状態における第2ファスナー24の様子を、実線は遮光状態における第2ファスナー24の様子を、それぞれ示している。本実施形態において、低遮光状態における第2ファスナー24のスライダー50へのアプローチ角θ3は概ね180°である。
【0072】
低遮光状態から遮光状態になることによって第2パイプ20のパイプ径PDが小さくなると、
図10に示すように、スクリーンがパイプから巻き解かれる位置である巻き解かれ位置FEが移動する。本実施形態では、第1スクリーン11の巻き解かれ位置FEと、第2スクリーン21の巻き解かれ位置FEとがそれぞれ第3方向における板状部材30側に移動する。この場合において、第3方向においてスライダー50が固定されていると、
図10において一点鎖線で示すように、第1スクリーン11(第1ファスナー14)及び第2スクリーン21(第2ファスナー24)は、第3方向において固定されたスライダー50に向かって(すなわち、第3方向における板状部材30側とは反対側に向かって)引っ張られる。その結果、第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのアプローチ角θ3が180°から変化する(
図10の例では180°よりも大きくなる)。これに対し、本実施形態では、スライダー50が第3方向(スライド方向)に沿って移動可能である。このため、
図10において実線で示されているように、パイプ10,20が回転することによって、スクリーン11,21の側縁部に設けられたファスナー14,24が第3方向に移動すると、ファスナー14,24を嵌め込んで保持しているスライダー50もまた、これに追随して第3方向に移動する。したがって、本実施形態によれば、アプローチ角θ3は実質的に変化せず、180°のままである。
【0073】
このように、本実施形態では、第1方向(高さ方向)及び第2方向(ファスナー整列方向)の両方に垂直な第3方向(スライダー移動方向)に沿ってスライダー50を移動させるスライド部352が、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、第2方向(ファスナー整列方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのアプローチ角θ3が変化することを抑制する抑制部310として機能している。
【0074】
このため、本実施形態の遮光装置3によれば、スライダー50にアプローチする第1ファスナー14及び第2ファスナー24のかみ合わせがパイプ径PDの変化に伴って悪化すること等が抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置4によれば、2つのファスナーをスライダーに適切にガイドすることができる。
【0075】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る遮光装置について説明する。
図13は、本実施形態の遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。なお、
図13において、透視された部分が破線で示されている。
図13に示すように、本実施形態の遮光装置4は、ガイド部材40を備えること、連結部351を2つ備えること、及び、2つの連結部351,351の一方の連結部351(第1連結部351)がスライダー50に取り付けられ、他方の連結部351(第2連結部351)がガイド部材40に取り付けられる点のみが第3実施形態における遮光装置3と異なっている。すなわち、遮光装置4では、スライダー50が第1連結部351のスライド部352(第1スライド部352)によって第3方向に沿って移動するとともに、ガイド部材40も第2連結部351のスライド部352(第2スライド部352)によって第3方向に移動する。なお、
図13の例では、第2連結部351も板状部材30に固定されている。
【0076】
このような構成によれば、パイプ10,20のそれぞれのパイプ径PDが変化した場合、ファスナー14,24の第3方向の移動に伴ってガイド部材40及びスライダー50も第3方向に移動するため、アプローチ角θ3が変化することが抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置4では、第1スライド部352及び第2スライド部352が、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、第2方向(ファスナー整列方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのアプローチ角θ3が変化することを抑制する抑制部410として機能している。
【0077】
このため、本実施形態の遮光装置4によれば、スライダー50にアプローチする第1ファスナー14及び第2ファスナー24のかみ合わせがパイプ径PDの変化に伴って悪化すること等が抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置4によれば、2つのファスナーをスライダーに適切にガイドすることができる。
【0078】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る遮光装置について説明する。
図14は、本実施形態の遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。なお、
図14において、透視された部分が破線で示されている。
図14に示すように、本実施形態の遮光装置5は、部屋のコーナーに配置できるように構成されている点において第1実施形態に係る遮光装置1と異なっている。以下、本実施形態では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0079】
本実施形態において、第1パイプ10と第2パイプ20とは、第1方向から見て互いの長手方向が垂直になるように並んでいる。具体的には、第1パイプ10は第2方向に沿って延在しており、第2パイプ20は第3方向に沿って延在している。このように、第1パイプ10と第2パイプ20とは、第1方向から見る場合に90°の角度で配置されている。遮光装置2は、第1方向及び第2方向に延在する第1壁面191と、第1方向及び第3方向に延在する第2壁面192と、第1壁面191と第2壁面192とが交わるコーナーとを覆うように配置されている。第1スクリーン11は、第1壁面191に設けられた窓などの透光部191Aを室内側(第3方向における第1壁面191を基準とする室外側とは反対側)で遮光するように配置されており、第2スクリーン21は、第2壁面192に設けられた窓などの透光部192Aを第2方向における室内側(第2方向におけるだい2へ壁面192を基準とする室外側とは反対側)で遮光するように配置されている。第1パイプ10及び第2パイプ20は、第1方向において位置をずらして配置されている。本実施形態では、第2パイプ20が第1パイプ10よりも天井側に配置されているが、第1パイプ10を第2パイプよりも天井側に配置してもよい。
【0080】
本実施形態では、第1壁面191には、第1板状部材131が取り付けられている。第1パイプ10の端部10E1は第1板状部材131に固定されており、第1パイプ10の端部10E2は第1壁面191に直接取り付けられている。また、第2壁面192には、第2板状部材132が取り付けられている。第2パイプ20の端部20E1は第2板状部材132に固定されており、第2パイプ20の端部20E2は第2壁面192に直接取り付けられている。
【0081】
本実施形態において、第1スクリーン11は第1パイプ10の中心軸に対して室内側で、第2スクリーン21は第2パイプ20の中心軸に対して室内側で、それぞれ巻き上げられ又は巻き下ろされるように配置されている。ただし、これに限定されず、第1スクリーン11が第1パイプ10の中心軸に対して第1壁面191側で、第2スクリーン21が第2パイプ20の中心軸に対して第2壁面192側で、それぞれ巻き上げられ又は巻き下ろされるように配置してもよい。
【0082】
スライダー50は、第1壁面191に間接的に固定されている。具体的には、第1板状部材131には、第1板状部材131から室内側に向かって第3方向に延びる連結部材180が固定されている。連結部材180は、第1板状部材131から第3方向に延びる第1部分181と、第1部分181の途中から第1方向の天井側(上側)に向かって延びる第2部分182と、第2部分182から室内側に向かって第3方向に延びる第3部分183とを含んでいる。スライダー50は、第1部分181の第1板状部材131側とは反対側の端部に、第1部分181に対して垂直に(すなわち、第1方向に平行に)固定されている。
【0083】
図15は、スライダー50及びその近傍を床面側(下側)から見て概略的に示す図である。
図15に示すように、第1方向(高さ方向)から見る場合に、スライダー50は、第1方向に垂直な第4方向に沿って延在している。この第4方向は、第1方向から見る場合に第2方向及び第3方向の双方に対して45°の角度をなしている。したがって、第1スクリーン11及び第2スクリーン21が巻き下ろされる際、第1ファスナー14及び第2ファスナー24が、互いに近接する状態でかつ第4方向に延びる同一直線上に概ね位置する状態で貫通空間50Pを通過することによって、この貫通空間50Pにおいて両者が互いに結合され、ファスナー結合部FCが形成される。反対に、第1スクリーン11及び第2スクリーン21が巻き上げられる場合、このスライダー50においてファスナー結合部FCが第1ファスナー14と第2ファスナー24とに分離される。すなわち、スライダー50は、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、第1ファスナー14と第2ファスナー24とを高さ方向に垂直な第4方向に整列させて結合又は分離させる。このように、本実施形態では、第4方向が、スライダー50によって第1ファスナー14と第2ファスナー24とが整列されるファスナー整列方向となっている。
【0084】
図14において、第1ファスナー14のうちスライダー50よりも床側の部分と、第2ファスナー24のうちスライダー50よりも床側の部分とは、互いに結合してファスナー結合部FCを形成している。したがって、ファスナー結合部FCにおいて、第1スクリーン11と第2スクリーン21とは一体化しており、第1スクリーン11と第2スクリーン21との間の隙間が塞がれている。本実施形態では、第1方向において、第1スクリーン11の床側の縁部(下端)と第2スクリーン21の床側の縁部(下端)とは同じ位置にある。ファスナー結合部FCは、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端の位置まで延びている。ただし、ファスナー結合部FCは、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端の位置まで延びている必要なく、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端よりも天井側(上側)にファスナー結合部FCの下端が位置してもよい。
【0085】
上記のように、第1パイプ10及び第2パイプ20は、第1方向から見る場合に垂直に配置されている。このため、第1パイプ10から巻き下ろされた第1スクリーン11及び第2パイプ20から巻き下ろされた第2スクリーン21は、第1方向から見る場合に90°の角度をなしており、第1スクリーン11は第1方向及び第2方向に延在し、第2スクリーン21は第1方向及び第3方向に延在している。より具体的には、
図15に示すように、ファスナー結合部FCは、第4方向に延在するスライダー50の貫通空間50Pを通って形成されたことに起因して、第1方向から見る場合に第4方向に延在している。そして、第1スクリーン11の可撓部13が概ね45°屈曲することによって、第1スクリーン11の本体部12が第1方向から見る場合に第2方向に延在している。また、第2スクリーン21の可撓部23が概ね45°屈曲することによって、第2スクリーン21の本体部22が第1方向から見る場合に第3方向に延在している。
【0086】
図14に示すように、第3パイプ103は、第1方向(高さ方向)においてスライダー50と第1パイプ10との間に配置されており、かつ、第1パイプ10と平行に延在している。そして、第1パイプ10から巻き解かれた第1スクリーン11は、第3パイプ103に巻き掛けられてスライダー50へとガイドされている。
【0087】
第4パイプ104は、第1方向(高さ方向)においてスライダー50と第2パイプ20との間に配置されており、かつ、第2パイプ20と平行に延在している。そして、第2パイプ20から巻き解かれた第2スクリーン21は、第4パイプ104に巻き掛けられてスライダー50へとガイドされている。
【0088】
図16は、第1パイプ10及び第3パイプ103をファスナー整列方向である第4方向から見て模式的に示す図である。なお、
図16において、第1スクリーン11及び第1ファスナー14の低遮光状態の様子が実線で、遮光状態の様子が破線で、それぞれ示されている。また、
図16において、透視された部分も破線で示されている。
【0089】
図16に示すように、本実施形態において、第3パイプ103は、低遮光状態において、第5方向における第1ファスナー14の位置と第5方向におけるスライダー50の貫通空間50Pの位置とを概ね一致させるように配置されている。このような配置によって、ファスナー整列方向(第4方向)から見る場合、低遮光状態における第1ファスナー14のスライダー50へのアプローチ角θ3は概ね180°となっている。なお、第5方向は第1方向(高さ方向)と第4方向(ファスナー整列方向)との両方に垂直な方向である。
【0090】
遮光状態では、第1スクリーン11において、第1パイプ10から巻き下ろされている部分が低遮光状態に比べて増えるため、
図16において破線で示すように、パイプ径PDが低遮光状態の場合に比べて小さくなる。すなわち、遮光状態では、第1スクリーン11の第1パイプ10からの巻き解かれ位置FEが、第5方向においてスライダー50側とは反対側に移動する。したがって、仮に第3パイプ103が設けられていない場合、遮光状態では、
図16において一点鎖線で示すように、第5方向にずれた巻き解かれ位置FEから導出された第1ファスナー14がスライダー50に対して斜めにアプローチすることになるため、アプローチ角θ3は、低遮光状態から変化して180°よりも小さくなる。しかし、本実施形態では、第3パイプ103が設けられているため、パイプ径PDが小さくなった場合でも、第1パイプ10から巻き解かれた第1ファスナー14は第3パイプ103に巻き掛けられてスライダー50へとガイドされる。このため、本実施形態によれば、低遮光状態から遮光状態になっても第1ファスナー14のアプローチ角θ3は概ね不変であり、概ね180°である。
【0091】
図17は、第2パイプ20及び第4パイプ104をファスナー整列方向である第4方向から見て模式的に示す図である。なお、
図17において、第2スクリーン21及び第2ファスナー24の低遮光状態の様子が実線で、遮光状態の様子が破線で、それぞれ示されている。また、
図17において、透視された部分も破線で示されている。
【0092】
図17に示すように、本実施形態において、第4パイプ104は、低遮光状態において、第5方向における第2ファスナー24の位置と第5方向におけるスライダー50の貫通空間50Pの位置とを概ね一致させるように配置されている。このような配置によって、ファスナー整列方向(第4方向)から見る場合、低遮光状態における第2ファスナー24のスライダー50へのアプローチ角θ3は概ね180°となっている。
【0093】
遮光状態では、第2スクリーン21において、第2パイプ20から巻き下ろされている部分が低遮光状態に比べて増えるため、
図17において破線で示すように、パイプ径PDが低遮光状態の場合に比べて小さくなる。すなわち、遮光状態では、第2スクリーン21の第2パイプ20からの巻き解かれ位置FEが、第5方向においてスライダー50側とは反対側に移動する。したがって、仮に第4パイプ104が設けられていない場合、遮光状態では、
図17において一点鎖線で示すように、第5方向にずれた巻き解かれ位置FEから導出された第1ファスナー14がスライダー50に対して斜めにアプローチすることになるため、アプローチ角θ3は、低遮光状態から変化して180°よりも小さくなる。しかし、本実施形態では、第3パイプ103が設けられているため、パイプ径PDが小さくなった場合でも、第1パイプ10から巻き解かれた第1ファスナー14は第3パイプ103に巻き掛けられてスライダー50へとガイドされる。このため、本実施形態によれば、低遮光状態から遮光状態になっても第1ファスナー14のアプローチ角θ3は概ね不変であり、概ね180°である。
【0094】
したがって、本実施形態では、第3パイプ103及び第4パイプ104は、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、ファスナー整列方向(第4方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角θ3が変化することを抑制する抑制部510として機能している。
【0095】
このため、本実施形態の遮光装置5によれば、スライダー50にアプローチする第1ファスナー14及び第2ファスナー24のかみ合わせがパイプ径PDの変化に伴って悪化すること等が抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置5によれば、2つのファスナーをスライダーに適切にガイドすることができる。
【0096】
図14に示すように、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端(パイプ側とは反対側の縁部)には、フレーム材160が取り付けられている。このフレーム材160は、第1スクリーン11の下端に配置される第1フレーム161と、第2スクリーン21の下端に配置される第2フレーム162と、第1フレーム161と第2フレーム162とを連結する連結部163とを含んでいる。第1フレーム161は第2方向に沿って延びており、第2フレーム162は第3方向に沿って延びている。すなわち、第1方向から見る場合の第1フレーム161と第2フレーム162とがなす角度θ1は90°である。このようなフレーム材160が設けられることにより、第1スクリーン11及び第2スクリーン21にウエイトが付与されるとともに、第1スクリーン11と第2スクリーン21とが、第1方向から見て90°の角度をなしている状態が維持されている。また、本実施形態において、連結部163は、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれから離間して第1スクリーン11と第2スクリーン21とに跨っている。すなわち、連結部163と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空間が介在している。このため、ファスナー結合部FCは、連結部163に干渉されることなく、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端部まで延在している。
【0097】
この遮光装置5を室内に設置する際には、第1パイプ10及び第2パイプ20を上記のように第1方向において位置をずらした状態にして、第1パイプ10を第1壁面191に、第2パイプ20を第2壁面192に、それぞれ固定する。次いで、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11及び第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21を巻き下ろす。本実施形態では、第1スクリーン11及び第2スクリーン21を、それぞれの下端部の第1方向における位置が低遮光状態における位置になるまで巻き下ろす。次いで、第1方向から見る場合に貫通空間50Pが第4方向に延在するようにスライダー50を配置して、巻き下ろした第1スクリーン11の第1ファスナー14の下端部と巻き下ろした第2スクリーン21の第2ファスナー24の下端部とを、スライダー50の貫通空間50Pに通す(嵌め入れる)。この際、上記のように、フレーム材60の連結部63と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空隙がある。そのため、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部を、フレーム材60に干渉されることなくスライダー50の貫通空間50Pに嵌め入れることができる。次いで、第1方向から見る場合に貫通空間50Pが第4方向に延在する状態を保ちつつスライダー50を上昇させ、第1ファスナー14と第2ファスナー24とを結合させていく。そして、スライダー50を所定の位置まで上昇させた後、貫通空間50Pが第4方向に延在する状態を維持して、スライダー50を壁面90に対して固定する。このようにスライダー50が取り付けられることにより、
図14に示すように、スライダー50よりも下側には第1方向から見る場合に第4方向に延在するファスナー結合部FCが形成されるとともに、スライダー50よりも上側の少なくともスライダー50近傍において、第1ファスナー14と第2ファスナー24とが第4方向に整列する。こうして、遮光装置5の設置が完了する。
【0098】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係る遮光装置について説明する。
図18は、本実施形態の遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。なお、
図18において、透視された部分が破線で示されている。
図18に示すように、本実施形態の遮光装置6は、ガイド部材340を備えている点において第5実施形態の遮光装置5と異なっている。そのため、本実施形態では、ガイド部材340について主に説明し、第5実施形態と共通する構成については、第5実施形態と同様の符号を付して説明を省略する。
【0099】
図18に示すように、ガイド部材340は、第1部分140と、第2部分240とを含んでいる。ガイド部材340の第1部分140は、スライダー50の直上かつ第1パイプ10よりも下側(床側)に配置されている。また、本実施形態において、ガイド部材340及びスライダー50は、第1方向に延びる同一直線上で整列している。ガイド部材340の第1部分140は、連結部材180の第3部分183の第2部分182側とは反対側の端部に固定されている。なお、
図18では、ガイド部材340の形状は概略的にしか示されておらず、ガイド部材340の実際の形状は
図8に示すものとは異なっている。
【0100】
図19は、ガイド部材340を天井側(上側)かつ室内側から見た平面斜視図である。
図20は、ガイド部材340を床側(下側)かつ第1壁面191側及び第2壁面192側から見た底面斜視図である。
図21は、ガイド部材340をスライダー50とともに示す側面図であり、後述する第1ガイドレール141側から見た側面図である。
図22は、ガイド部材340をファスナー結合部FC及びその近傍とともに示す底面図である。なお、
図19、
図20、及び
図22においては、便宜上、スライダー50の図示が省略されている。
【0101】
図19から
図22に示すように、ガイド部材340は、第1部分140と、第1部分140に接続されかつ第1部分140から下側に第1方向に延在する第2部分240とを含んでいる。
【0102】
ガイド部材340の第1部分140は、本体部140Aと、連結部140Bと、固定部140Cとを含んでいる。本実施形態において、固定部140Cは、板状部材であり、具体的には、第4方向を長辺が延びる方向としかつ第1方向を短辺が延びる方向とする矩形に形成されている。第1方向から見る場合に、固定部140Cの第4方向における中央からは、連結部140Bが、第1方向及び第4方向に垂直な第5方向に沿って延在している。固定部140Cのうち、連結部140Bが固定部140Cに連結する部分に対して両側の部分には、固定部140Cを第5方向に貫通する貫通孔140Hが形成されていてもよい。すなわち、この貫通孔140Hに締結具を挿通させることによって、ガイド部材340を壁面などに固定してもよい。連結部140Bは、第1方向及び第5方向に延在する板状部材であり、
図21に示すように、第4方向から見る場合に直角台形状に形成されている。連結部140Bの上面140Buは、第5方向に沿って延在しており、固定部140Cの上面140Cu及び本体部140Aの上面140Auと面一に形成されている。一方、連結部140Bの下面140Bbは、第1方向に対して傾斜しており、固定部140Cの下面140Cbから下側に延びて本体部140Aの下面140Abに連結している。このように、連結部140Bは、固定部140Cと本体部140Aとを連結している。なお、連結部140B及び固定部140Cの構成はこれらに限定されるものではない。
【0103】
本体部140Aは、第1方向の上側(天井側)から見る場合に略L字状の形成されており(
図19参照)、第1方向の下側(床側)から見る場合に略矩形状に形成されている(
図20参照)。すなわち、本体部140Aの上面140Auは、上面140Auの中心部140Auoを起点として、第2方向における室内側及び第3方向における室内側に延びている(
図19参照)。また、本体部140Aの下面140Abは、下面140Abの中心部140Aboを起点として第4方向の一方側(第1パイプ10側)及び第4方向における他方側(第2パイプ20側)に延びている(
図20及び
図22参照)。
【0104】
本体部140Aは、第1方向から見る場合に本体部140Aの中心部140Acに対して一方側(第1パイプ10側)にある第1ガイドレール141と、第1方向から見る場合に中心部140Acに対して他方側(第2パイプ20側)にある第2ガイドレール142とを含んでいる。第1ガイドレール141及び第2ガイドレール142のそれぞれは第1方向に沿って延在している。なお、本体部140Aの中心部140Acは、本体部140Aの上面140Auの中心部140Auoを上面として有し、本体部140Aの下面140Abの中心部140Aboを下面として有し、かつ、第1方向に延在している。
図19及び
図22では、便宜上、第1ガイドレール141と中心部140Acとの境界及び第2ガイドレール142と中心部140Acとの境界がそれぞれ点線で示されているが、本実施形態では、第1ガイドレール141と第2ガイドレール142と中心部140Acとは、一体的に形成されている。連結部140Bは、本体部140Aの中心部140Acに接続している。
【0105】
図19に示すように、第1方向の上側(天井側又は第1パイプ10側)から見る場合、第1ガイドレール141は、第2方向における室内側に延びる扁平U字状の形状をしている。また、第1方向の上側から見る場合、第1ガイドレール141では、第2方向における室内側が開放されており、開放されている側とは反対側が中心部140Acに接続している。一方、第1方向の上側(天井側又は第2パイプ20側)から見る場合、第2ガイドレール142は、第3方向における室内側に延びる扁平U字状の形状をしている。また、第1方向の上側から見る場合、第2ガイドレール142では、第3方向における室内側が開放され、開放されている側とは反対側が中心部140Acに接続している。第1方向の上側から見る場合、第1ガイドレール141の上側(第1パイプ10側)の端部と第2ガイドレール142の上側(第2パイプ20側)の端部とがなす角度θ2は、0°よりも大きく180°よりも小さい90°である。なお、角度θ2は、第1方向から見た場合の第1ガイドレールの上側の端部と第2ガイドレールの上側の端部とがなす角度のうち室内側の角度である。
【0106】
図20に示すように、第1方向の下側(床側)から見る場合、第1ガイドレール141は、第4方向における一方側(第1パイプ10側)に延びる扁平U字状の形状をしている。また、第1方向の下側から見る場合、第4方向における一方側(第1パイプ10側)が開放され、開放されている側とは反対側が中心部140Acに接続している。一方、第1方向の下側(床側)から見る場合、第2ガイドレール142は、第4方向における他方側(第2パイプ20側)に延びる扁平U字状の形状をしている。また、第1方向の下側から見る場合、第4方向における他方側(第2パイプ20側)が開放され、開放されている側とは反対側が中心部140Acに接続している。
図21に示すように、本体部140Aの下面140Ab(すなわち、第1ガイドレール141の下側の端部と、第2ガイドレール142の下側の端部と、中心部140Aboとを含む面)の直下には、スライダー50が配置されている。
図22に示すように、第1ガイドレール141の下側(スライダー50側)の端部と第2ガイドレール142の下側(スライダー50側)の端部とは、第4方向に延びる同一直線上に並んでいる。
【0107】
上記のような扁平U字状の形状の第1ガイドレール141の内側には、第1ガイドレール141の内面141iによって画定される第1内部空間145が形成されている。また、上記のような扁平U字状の形状の第2ガイドレール142の内側には、第2ガイドレール142の内面142iによって画定される第2内部空間146が形成されている。内部空間145,146のそれぞれは第1方向に沿って延在している。
【0108】
図19及び
図21に示すように、第1ガイドレール141の第1内部空間145は、本体部140Aの上面140Auから下面140Abに亘って延在している。第1内部空間145を画定する第1ガイドレール141の内面141iのうち開放されている側の縁部には、それぞれが第1内部空間145に向かって突出する1対の凸部143,143が形成されている。したがって、第1内部空間145のうち開放されている側の領域は、1対の凸部143,143によって、第1内部空間145の他の領域よりも狭隘な第1狭隘空間145Aとなっている。1対の凸部143,143のそれぞれにおける上端は、第1方向に対して滑らかに傾斜する傾斜面143A,143Aとなっている。したがって、第1内部空間145のうち開放されている側の上側の領域は、この1対の傾斜面143A,143Aによって、第1ガイドレール141の上端から下側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第1狭隘空間145Aへと至るV字状の変化領域147となっている。一方、本実施形態では、
図22に示すように、1対の凸部143,143のそれぞれの下端は、本体部140Aの下面140Abと面一になっている。ただし、1対の凸部143,143のそれぞれの下端を傾斜面とすることによって、1対の凸部143,143のそれぞれの下端に、上側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第1狭隘空間145Aへと至る逆V字状の変化領域を形成してもよい。
【0109】
図19及び
図20に示すように、第2ガイドレール142の第2内部空間146は、本体部140Aの上面140Auから下面140Abに亘って延在している。第2内部空間146を画定する第2ガイドレール142の内面142iのうち開放されている側の縁部には、それぞれが第2内部空間146に向かって突出する1対の凸部144,144が形成されている。したがって、第2内部空間146のうち開放されている側の領域は、1対の凸部144,144によって、第2内部空間146の他の領域よりも狭隘な第2狭隘空間146Aとなっている。1対の凸部144,144のそれぞれにおける上端は、第1方向に対して滑らかに傾斜する傾斜面144A,144Aとなっている。したがって、第2内部空間146のうち開放されている側の上側の領域は、この1対の傾斜面144A,144Aによって、第1ガイドレール141の上端から下側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第2狭隘空間146Aへと至るV字状の変化領域148となっている。一方、本実施形態では、
図22に示すように、1対の凸部144,144のそれぞれの下端は、本体部140Aの下面140Adと面一になっている。ただし、1対の凸部144,144のそれぞれの下端を傾斜面とすることによって、1対の凸部144,144のそれぞれの下端に、上側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第2狭隘空間146Aへと至る逆V字状の変化領域を形成してもよい。
【0110】
本実施形態では、
図19に示すように、第1方向から見る場合に、第1ガイドレール141(第1内部空間145)及び第2ガイドレール142(第2内部空間146)は、互いに対称にツイストしている。具体的には、ガイド部材340は、本体部140Aの上端において90°の角度をなしていた第1ガイドレール141及び第2ガイドレール142が、下側に行くに従って対称にツイストしていき、やがて本体部140Aの下端において同一直線上に並ぶ(180°の角度をなす)ように形成されている。
【0111】
図19及び
図20において便宜上一点鎖線で示すように、第1ガイドレール141の第1内部空間145には、第1スクリーン11の第1ファスナー14及び可撓部13が挿通されている。また、可撓部13における第1ファスナー14側とは反対側の縁部は、第1内部空間145の第1狭隘空間145Aから第1ガイドレール141の外にはみ出している。また、第2ガイドレール142の第2内部空間146には、第2スクリーン21の第2ファスナー24及び可撓部23が挿通されている。また、可撓部23における第2ファスナー24側とは反対側の縁部は、第2内部空間146の第2狭隘空間146Aから第2ガイドレール142の外にはみ出している。
【0112】
図21に示すように、遮光装置2では、ガイド部材340の第1部分140の本体部140Aの直下に、第1方向から見る場合に第4方向に延在するスライダー50が配置されている。
【0113】
このような遮光装置2において、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して一方側に回転すると、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれが天井側に巻き上げられていく。そして、このように巻き上げられる都度、第1方向から見る場合に第4方向に延在するファスナー結合部FC(
図15参照)の上端がスライダー50を下側から上側に向かって通過して、スライダー50において第1ファスナー14と第2ファスナー24とが分離される。ここで、スライダー50の直上には、第1ガイドレール141の下端及び第2ガイドレール142の下端がある。上記のように、第1ガイドレール141の下端及び第2ガイドレール142の下端は第4方向に沿って延びる同一直線上にある。このため、
図19において一点鎖線で示すように、第2ファスナー24から分離した第1ファスナー14は、第1ガイドレール141の下端から第1ガイドレール141の第1内部空間145に入り、第1ガイドレール141によってツイストしながら上側へとスムーズにガイドされ、やがて、第1ガイドレール141の上端に至ると、第1方向から見る場合に第2方向に延在するように45°方向転換される。また。
図19において一点鎖線で示すように、第1ファスナー14から分離した第2ファスナー24は、第2ガイドレール142の下端から第2ガイドレール142の第2内部空間146に入り、第2ガイドレール142によってツイストしながら上側へとスムーズにガイドされ、やがて、第2ガイドレール142の上端に至ると、第1方向から見る場合に第3方向に延在するように45°方向転換される。したがって、たとえ第1スクリーン11にファスナー14が設けられていたとしても、ファスナー14の剛性や重量に起因する巻き乱れ等の発生が抑制された状態で、第1スクリーン11が第1パイプ10に巻回される。同様に、たとえ第2スクリーン21にファスナー24が設けられていたとしても、ファスナー24の剛性や重量に起因する巻き乱れ等の発生が抑制された状態で、第2スクリーン21が第2パイプ20に巻回される。
【0114】
次に、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して他方側に回転すると、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれが床側に巻き下ろされていく。この際、ガイド部材340の第1部分140の直上に位置する第1ファスナー14は、第1方向から見る場合に第2方向における室内側に延在している。また、第1方向から見る場合に、第1ガイドレール141の上端は、第2方向における室内側に延在している。したがって、
図19において一点鎖線で示すように、第1部分140の直上に位置する第1ファスナー14は、第1ガイドレール141の上端から第1内部空間145へとスムーズに入っていく。そして、第1ファスナー14は、第1ガイドレール141によってツイストしながら下側へとスムーズにガイドされ、やがて、第1ガイドレール141の下端に至ると、第1方向から見る場合に第4方向における一方側(第1パイプ10側)に延在するように45°方向転換される。また、第1部分140の直上に位置する第2ファスナー24は、第1方向から見る場合に第3方向における室内側に延在している。また、第1方向から見る場合に、第2ガイドレール142の上端は、第3方向における室内側に延在している。したがって、
図19において一点鎖線で示すように、第1部分140の直上に位置する第2ファスナー24は、第2ガイドレール142の上端から第2内部空間146へとスムーズに入っていく。そして、第2ファスナー24は、第2ガイドレール142によってツイストしながら下側へとスムーズにガイドされ、やがて、第2ガイドレール142の下端に至ると、第1方向から見る場合に第4方向における他方側(第2パイプ20側)に延在するように45°方向転換される。したがって、第1ファスナー14及び第2ファスナー24は、ガイド部材340によってガイドされることによって、スライダー50に適切に進入することができ、スライダー50において適切にファスナー結合部FCが形成される。このように、ガイド部材340の第1ガイドレール141及び第2ガイドレール142は、第1ファスナー14と第2ファスナー24との位置関係を、第1ファスナー14と第2ファスナー24とがスライダー50において結合される位置関係に調整している。
【0115】
また、本実施形態における遮光装置6によれば、第1ファスナー14は、第3パイプ103に巻き掛けられた後にさらにガイド部材340によって上記のような位置関係に調整される。また、第2ファスナー24は、第4パイプ104に巻き掛けられた後にさらにガイド部材340によって上記のような位置関係に調整される。したがって、本実施形態によれば、第3パイプ103と第4パイプ104とガイド部材340とが、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、ファスナー整列方向(第4方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角θ3が変化することを抑制する抑制部610として機能している。
【0116】
本実施形態の遮光装置6によれば、第5実施形態の遮光装置5と同様に、アプローチ角θ3が変化することが抑制される。さらに、ガイド部材340を備えることにより、第1ファスナー14と第2ファスナー24とがスライダー50の貫通空間50Pに至る前に、第1ファスナー14と第2ファスナー24との位置関係がスライダー50において結合される位置関係に調整されるため、アプローチ角θ3が変化することがより効果的に抑制される。このため、本実施形態の遮光装置6によれば、スライダー50にアプローチする第1ファスナー14及び第2ファスナー24のかみ合わせがパイプ径PDの変化に伴って悪化すること等が抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置6によれば、2つのファスナーをスライダーに適切にガイドすることができる。
【0117】
また、本実施形態では、第1ガイドレール141に第1狭隘空間145Aが形成されており、第2ガイドレール142に第2狭隘空間146Aが形成されているため、第1ファスナー14が第1内部空間145を通過する際に第1ファスナー14が第1方向に垂直な方向にずれることがより効果的に抑制されるとともに、第2ファスナー24が第2内部空間146を通過する際に第2ファスナー24が第1方向に垂直な方向にずれることがより効果的に抑制される。
【0118】
また、本実施形態では、第1ガイドレール141に変化領域147が形成されるとともに、第2ガイドレール142に変化領域148が形成されているため、第1ファスナー14及び可撓部13は傾斜面143A,143Aによって、第2ファスナー24及び可撓部23は傾斜面144A,144Aによって、より滑らかに内部空間145,146へとガイドされる。そのため、第1ファスナー14及び可撓部13が第1ガイドレール141に進入及び第1ガイドレール141から出る際、かつ、第2ファスナー24及び可撓部23が第2ガイドレール142に進入及び第2ガイドレール142から出る際、第1ファスナー14及び可撓部13に過度な負荷がかかること、及び、第2ファスナー24及び可撓部23に過度な負荷がかかることが抑制される。
【0119】
次に、ガイド部材340の第2部分240について説明する。
【0120】
図19から
図22に示すように、ガイド部材340の第2部分240は、1対の板部241,241と、連結板部242とを含んでいる。
図21に示すように、第4方向から見る場合に、1対の板部241,241のそれぞれは、第1方向を長手方向とし第5方向を短手方向とする板状部材である。1対の板部241,241のそれぞれの上端部は、第1部分140の固定部140C側とは反対側の面(すなわち、室内側の面)に固定されている。
図19に示すように、第5方向から見る場合に、連結板部242は、第1方向を長辺方向とし第4方向を短辺方向とする矩形の板状部材であり、1対の板部241,241に連結している。連結板部242は、1対の板部241,241の第1方向における概ね中央から1対の板部241,241の下端まで延在している。
【0121】
図20に示すように、1対の板部241,241のうち連結板部242が連結される部分のそれぞれには、連結板部242に対して第5方向における固定部140C側に突出する突出部241A,241Aが形成されている。したがって、第2部分240の第5方向における固定部140C側には、連結板部242と1対の突出部241A,241Aとによって画定される第3ガイドレール243が形成されている。第5方向において、第3ガイドレール243の固定部140C側(連結板部242側とは反対側)は開放されている。
【0122】
図8及び
図21に示すように、第1方向における第1部分140と第3ガイドレール243との間であって、第5方向における1対の板部241,241よりも固定部140C側に、スライダー50が配置されている。本実施形態では、スライダー50の第4方向における中心と連結板部242の第4方向における中心(すなわち、第3ガイドレール243の第4方向における中心)とが第1方向に沿って延びる同一直線上にあるように、第2部分240及びスライダー50が配置されている。したがって、
図22に示すように、スライダー50の下端から下側に導出されるファスナー結合部FC又はスライダー50の下端に向かって上側に移動するファスナー結合部FCは、第3ガイドレール243の第4方向における概ね中央を通過する。そのため、ファスナー結合部FCは、スライダー50の下端から下側に向かう一定の区間において、第3ガイドレール243によって室内側から3方を囲まれた状態で下側(床側)又は上側(スライダー50側)にガイドされる。このように、本実施形態では、ガイド部材340が第3ガイドレール243を備えるため、スライダー50から出た又はスライダー50に入るファスナー結合部FCの位置ずれが抑制される。
【0123】
なお、第3ガイドレール243が固定部140C側(壁面側)からファスナー結合部を囲うようにしてもよい。また、連結板部242を省略して、1対の板部241,241によってファスナー結合部FCを2方向から囲うようにしてもよい。すなわち、第1方向から見る場合にファスナー結合部FCを第4方向における両側から囲うようにしてもよい。
【0124】
この遮光装置6を室内に設置する際には、第1パイプ10を第1壁面191に、第2パイプ20を第2壁面192に、上記のように第1方向において位置をずらして固定し、次いで、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11及び第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21を巻き下ろす。本実施形態では、第1スクリーン11及び第2パイプ20は、それぞれの下端部の第1方向における位置が低遮光状態における位置になるまで巻き下ろされる。次に、ガイド部材340を準備する。そして、巻き下ろされた第1スクリーン11の第1ファスナー14の下端部における第1ファスナー14及び可撓部13を、第1ガイドレール41の第1狭隘空間45Aを介してガイド部材40の第1内部空間45に嵌め入れる。また、巻き下ろされた第2スクリーン21の第2ファスナー24の下端部における第2ファスナー24及び可撓部23をガイド部材40の第2内部空間46に嵌め入れる。この際、上記のように、フレーム材60の連結部63が第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれから離間して第1スクリーン11と第2スクリーン21とに跨っているため、連結部63と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空隙がある。そのため、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部を、フレーム材60に干渉されることなくガイド部材40に嵌め入れることができる。次いで、このガイド部材40を所定の位置(例えば、窓などの透光部91の上端近傍)まで上昇させた後、第1方向におけるその位置において、ガイド部材40を壁面90に対して固定する。このようにガイド部材340を取り付けることによって、ガイド部材340よりも天井側において、第1方向から見る場合に、第1ファスナー14が第2方向を向くとともに第2ファスナー24が第3方向を向いた状態となり、かつ、ガイド部材340よりも床側において第1ファスナー14と第2ファスナー24とが第4方向に整列した状態となる。次いで、第1実施形態に係る遮光装置1の場合と同様にして、スライダー50を壁面に固定する。なお、スライダー50を固定する位置は、ガイド部材40の下側(好ましくは、直下)である。
【0125】
なお、本実施形態では、ガイド部材が第2部分240を備える例を説明したが、本実施形態において第2部分240(すなわち、第3ガイドレール243)を設けることは必須ではない。例えば、
図23に示すように、第2部分240を省略したガイド部材340Aを構成してもよい。一方、第2実施形態において、ガイド部材が第3ガイドレールを備えるようにしてもよい。
【0126】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態に係る遮光装置について説明する。
図24は、本実施形態の遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ第5方向における室内側から見て概略的に示す図である。なお、
図24において、透視された部分が破線で示されている。
図24に示すように、本実施形態の遮光装置7は、第3パイプ103と第4パイプ104とを含んでいない点、第3実施形態で説明した連結部351にスライダー50が取り付けられる点、及び、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの側縁部が斜めに形成されている点において、第5実施形態の遮光装置5と異なっている。したがって、本実施形態では、これら異なる点について主に説明し、第5実施形態と共通する構成については、第5実施形態と同様の符号を付して説明を省略する。
【0127】
図24に示すように、本実施形態において、スライダー50は、壁面191,192に対して間接的に固定されている。具体的には、本実施形態において、第1壁面191と第2壁面192とが交わるコーナー部には、第1方向及び第4方向によって規定される取付面137を有する補助部材が固定されている。
【0128】
図25は、本実施形態における連結部351を第4方向から見た側面図である。
図25に示すように、本実施形態では、連結部351の固定部353が取付面137に固定されている。これにより、横方向Lが第5方向に平行かつ幅方向Wが第4方向に平行になるように、連結部351が位置決めされている。したがって、本実施形態では、スライド部352は、第5方向に平行に延在しており、固定部353に対して第5方向に沿って移動することができる。すなわち、本実施形態では、第5方向がスライド方向である。なお、
図24では、スライド部352を示すために、便宜上、スライド部352を第5方向に対してやや傾けて図示している。
【0129】
図25に示すように、本実施形態では、スライド部352に固定された取付部357において、凸部357Tの端部357TFは、第1方向及び幅方向W(第4方向)によって規定される平面となっている。この端部357TFが、スライダー50の側面54の概ね中央に固定されている。すなわち、スライダー50は、第1方向から見る場合に貫通空間50Pが幅方向W(第4方向)に平行な状態で、スライド部352の端部357TFに固定されている。したがって、スライダー50は、第1方向から見る場合に貫通空間50Pが幅方向W(第4方向)に平行な状態で、横方向L(本実施形態では第5方向)に沿って移動することができる。
【0130】
図25に示すように、第2パイプ20が回転することによって、第2パイプ20のパイプ径PD(第5方向の長さ)が変化すると、これに伴い、第4方向(ファスナー整列方向)から見る場合における第2ファスナー24の第5方向における位置が変化する。また、第1パイプ10が第2パイプ20に同期して回転することによって、第2ファスナー24と同様に、第4方向(ファスナー整列方向)から見る場合における第1ファスナー14の第5方向における位置が変化する。
図25において、破線は低遮光状態における第2ファスナー24の様子を、実線は遮光状態における第2ファスナー24の様子を、それぞれ示している。また、
図25において、透視された部分も破線で示されている。本実施形態において、低遮光状態における第2ファスナー24のスライダー50へのアプローチ角θ3は概ね180°である。
【0131】
低遮光状態から遮光状態になることによって第2パイプ20のパイプ径PDが小さくなると、
図25に示すように、巻き解かれ位置FEが移動する。本実施形態では、第1スクリーン11の巻き解かれ位置FEと、第2スクリーン21の巻き解かれ位置FEとがそれぞれ第5方向における取付面137側に移動する。この場合において、第5方向においてスライダー50が固定されていると、
図25において一点鎖線で示されているように、第1スクリーン11及び第2スクリーン21(第1ファスナー14及び第2ファスナー24)は、第5方向において固定されたスライダー50に向かって(すなわち、第5方向における取付面137側とは反対側に向かって)引っ張られる。その結果、第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのアプローチ角θ3が180°から変化する(
図25の例では180°よりも大きくなる)。これに対し、本実施形態では、スライダー50が第5方向(スライド方向)に沿って移動可能である。このため、
図25において実線で示されているように、パイプ10,20が回転することによって、スクリーン11,21の側縁部に設けられたファスナー14,24が第5方向に移動すると、ファスナー14,24を嵌め込んで保持しているスライダー50もまた、これに追随して第5方向に移動する。したがって、本実施形態によれば、アプローチ角θ3は実質的に変化せず、180°のままである。
【0132】
このように、本実施形態では、第1方向(高さ方向)及び第4方向(ファスナー整列方向)の両方に垂直な第5方向(スライダー移動方向)に沿ってスライダー50を移動させるスライド部352が、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、第4方向(ファスナー整列方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのアプローチ角θ3が変化することを抑制する抑制部710として機能している。
【0133】
このため、本実施形態の遮光装置7によれば、スライダー50にアプローチする第1ファスナー14及び第2ファスナー24のかみ合わせがパイプ径PDの変化に伴って悪化すること等が抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置7によれば、2つのファスナーをスライダーに適切にガイドすることができる。
【0134】
図26は、遮光装置7の第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの巻き下ろされた状態を同一方向に並べて示す図である。より具体的には、
図26は、遮光装置7の第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれを遮光状態になるまで巻き下ろした上、第1スクリーン11及び第2スクリーン21をファスナー整列方向(第4方向)に並べてスライド方向(第5方向)から見た様子を示す図である。
図26に示すように、本実施形態では、第1スクリーン11及び第2スクリーン21をファスナー整列方向(第4方向)に並べてスライド方向(第5方向)から見ると、第1スクリーン11の第1ファスナー14が設けられている側の側縁部11E及び第2スクリーン21の第2ファスナー24が設けられている側の側縁部21Eのそれぞれは、第1方向における床側に行くに従って互いに第4方向において離間するように傾斜している。換言すれば、第1スクリーン11の側縁部11Eは、スライド方向(第5方向)から見る場合に、巻き下ろされる側の部分(床側の部分)ほど内側(第4方向における側縁部11E側とは反対側)位置するように傾斜しており、第2スクリーン21の側縁部21Eは、スライド方向(第5方向)から見る場合に、巻き下ろされる側の部分(床側の部分)ほど内側(第4方向における側縁部21E側とは反対側)位置するように傾斜している。
図26に示すように、低遮光状態において、側縁部11Eの上端11ET(第1パイプ10に最も近い端部)と下端11EB(床に最も近い端部)との間の第4方向における離間距離と、側縁部21Eの上端21ET(第2パイプ20に最も近い端部)と下端21EBとの間の第4方向における離間距離とは同じで長さX(離間距離X)である。
【0135】
図27の上段の図は、遮光装置7の第1スクリーン11及び第2スクリーン21と、連結部351との関係を説明するための図であり、遮光状態の一時点における遮光装置7を天井側から見て概念的に示す図である。上記のように、第1スクリーンの側縁部11E及び第2スクリーンの側縁部21Eのそれぞれは、巻き下ろされる側の部分ほど内側に位置するように、かつ、上記の離間距離Xとなるように傾斜している。したがって、
図27の上段の図に示すように、遮光状態に比べてスクリーン11,21がパイプ10,20に巻かれている低遮光状態では、第1スクリーン11は、側縁部11Eの上端11ETが径方向において第1パイプ10に最も近い側かつ第2方向において第1パイプ10の端部10E1に最も近い側に位置し、また、側縁部11Eの下端11EBが径方向において第1パイプ10から最も遠い側かつ第2方向において第1パイプ10の端部10E1から最も遠い側に位置するように、第1パイプ10に巻回される。同様に、遮光状態では、第2スクリーン21は、側縁部21Eの上端21ETが径方向において第2パイプ20の最も近い側かつ第3方向において第2パイプ20の端部20E1に最も近い側に位置し、側縁部21Eの下端21EBが径方向において第2パイプ20から最も遠い側かつ第3方向において第2パイプ20の端部20E1から最も遠い側に位置するように、第2パイプ20に巻回される。この遮光状態において、第1方向の天井側から見る場合における側縁部11Eの上端11ETから下端11EBまでの第2方向における長さと、第1方向の天井側から見る場合における側縁部21Eの上端21ETから下端21EBまでの第3方向における長さとは、いずれも同じ長さSで同じであり、この長さSは、上述の離間距離Xに等しい。
【0136】
図28の上段の図は、遮光装置7の変形例である遮光装置7Aを説明するための図であり、遮光装置7Aを
図27と同様の視点で示す概念図である。
図28の上段の図に示すように、遮光装置7Aでは、第1スクリーン11の側縁部11E及び第2スクリーン21の側縁部21Eのそれぞれが、傾斜していない(第1方向に沿って延在している)点においてのみ、遮光装置7と異なっている。すなわち、遮光装置7Aでは、側縁部11Eのうち第1パイプ10に巻かれている部分は第3方向に延在しており、側縁部21Eのうち第2パイプ20に巻かれている部分は第2方向に延在している。したがって、遮光装置7Aでは、低遮光状態及び遮光状態に関わらず、第1方向から見る場合の側縁部11Eの第2方向における位置及び側縁部21Eの第3方向における位置は不変である。
【0137】
このような遮光装置7Aによれば、遮光装置7と同様に連結部351(抑制部710)を備えるため、低遮光状態から遮光状態になることによって第1パイプ10及び第2パイプ20のパイプ径PDが変化しても、上述のように、スライダー50が第5方向における取付面137側に移動するため、第4方向(ファスナー整列方向)から見る場合におけるファスナー14,24のスライダー50へのアプローチ角θ3は実質的に変化せず180°のままである(
図25参照)。
【0138】
ところで、遮光装置7Aでは、上記のようにスライダー50が第5方向における取付面137側に移動する結果、
図28の上段の図に示すように、低遮光状態(一点鎖線の円aで示す)においてスライダー50に近接していた側縁部11E及び側縁部21Eのそれぞれが、遮光状態(一点鎖線の円bで示す)では、低遮光状態と比較してスライダー50に対して第4方向において離間する。ここで、
図28の下段の図のうち一点鎖線の円aで囲った図は、
図28の上段の図において一点鎖線の円aで囲った部分を第5方向において矢印Fに沿って見た図である。また、
図28の下段の図のうち一点鎖線の円bで囲った図は、
図28の上段の図において一点鎖線の円bで囲った部分を第5方向において矢印Fに沿って見た図である。
図28の下段の図に示すように、低遮光状態(一点鎖線の円aで示す)では、側縁部11E及び側縁部21Eは、上記のようにスライダー50に近接しているため、スライダー50よりも第1方向における天井側において、第1方向において互いに平行かつ第4方向において互いに近接している。すなわち、遮光装置7Aによれば、低遮光状態において、スライダー方向(第5方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角は概ね180°(第1方向に平行)である。
【0139】
一方、遮光装置7Aでは、遮光状態(一点鎖線の円bで示す)において、側縁部11E及び側縁部21Eは、上記のように第1方向から見る場合に第4方向においてスライダー50から離間した位置にあるため、第4方向に引っ張られた状態でスライダー50の貫通空間50Pに入る。
図28の上段の図において、スライダー50に引っ張られている側縁部11E及び側縁部21Eの様子が破線で示されている。このため、
図28の下段の図に示すように、遮光装置7Aによれば、遮光状態(一点鎖線の円bで示す)において、側縁部11E及び側縁部21Eは、スライダー50から第1方向における天井側に行くほど互いに第4方向において離間しており、第1方向に対して傾斜している。すなわち、遮光装置7Aでは、遮光状態において、スライダー方向(第5方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角が、非遮光状態から変化している。
【0140】
一方、遮光装置7では、第1スクリーン11の側縁部11E及び第2スクリーン21の側縁部21Eのそれぞれが上記のように傾斜している。このような構成によれば、
図27の上段の図に示すように、低遮光状態(一点鎖線の円aで示す)では、側縁部11Eの下端11EBと側縁部21Eの下端21EBとが第4方向においてスライダー50に近接する。したがって、
図27の下段の図のうち一点鎖線の円aで囲った図に示すように、低遮光状態では、第5方向において矢印Fに沿って見る場合、側縁部11E及び側縁部21Eは、スライダー50よりも第1方向における天井側において、第1方向において互いに平行かつ第4方向において互いに近接している。すなわち、遮光装置7によれば、低遮光状態において、スライダー方向(第5方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角は概ね180°(第1方向に平行)である。また、
図27の上段の図に示すように、側縁部11Eは、径方向において第1パイプ10に近い側ほど第2方向において第1パイプ10の端部10E1に近い側に位置し、側縁部21Eは、径方向において第2パイプ20に近い側ほど第3方向において第2パイプ20の端部20E1に近い側に位置している。このため、
図27の上段の図において一点鎖線の円bで示すように、遮光状態になることによってスライダー50が第5方向における取付面137側に移動しても、側縁部11E及び側縁部21Eが第4方向においてスライダー50に近接した状態が維持される。したがって、
図27の下段の図のうち一点鎖線の円bで囲った図に示すように、遮光状態になっても、第5方向において矢印Fに沿って見る場合、側縁部11E及び側縁部21Eは、スライダー50よりも第1方向における天井側において、第1方向において互いに平行かつ第4方向において互いに近接している。すなわち、遮光装置7によれば、遮光状態において、スライダー方向(第5方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角は概ね180°(第1方向に平行)である。
【0141】
したがって、遮光装置7によれば、スライダー方向(第5方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのスライダー50へのアプローチ角が変化することが抑制される。
【0142】
なお、遮光装置7では、第1スクリーン11の側縁部11E及び第2スクリーン21の側縁部21Eの両方が、スライド方向から見る場合に巻き下ろされる側の部分ほど内側に位置するように傾斜している例を説明したが、側縁部11E及び側縁部21Eの一方のみがスライド方向から見る場合に巻き下ろされる側の部分ほど内側に位置するように傾斜していてもよい。
【0143】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態に係る遮光装置について説明する。
図29は、本実施形態の遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ第5方向における室内側から見て概略的に示す図である。なお、
図29では、スライド部352を示すために、便宜上、スライド部352を第5方向に対してやや傾けて図示している。また、
図29において、透視された部分が破線で示されている。
図29に示すように、本実施形態の遮光装置8は、ガイド部材340を備えること、連結部351を2つ備えること、及び、2つの連結部351,351の一方の連結部351(第1連結部351)がスライダー50に取り付けられ、他方の連結部351(第2連結部351)がガイド部材340に取り付けられる点のみが第7実施形態における遮光装置7と異なっている。すなわち、遮光装置8では、スライダー50が第1連結部351のスライド部352(第1スライド部352)によって第5方向に沿って移動するとともに、ガイド部材40も第2連結部351のスライド部352(第2スライド部352)によって第5方向に移動する。なお、
図29の例では、第2連結部351も取付面137に固定されている。
【0144】
このような構成によれば、パイプ10,20のそれぞれのパイプ径PDが変化した場合、ファスナー14,24の第5方向の移動に伴ってガイド部材340及びスライダー50も第5方向に移動するため、アプローチ角θ3が変化することが抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置8では、第1スライド部352及び第2スライド部352が、第1パイプ10及び第2パイプ20が回転した際に、第5方向(ファスナー整列方向)から見る場合における第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれのアプローチ角θ3が変化することを抑制する抑制部810として機能している。
【0145】
このため、本実施形態の遮光装置8によれば、スライダー50にアプローチする第1ファスナー14及び第2ファスナー24のかみ合わせがパイプ径PDの変化に伴って悪化すること等が抑制される。したがって、本実施形態の遮光装置8によれば、2つのファスナーをスライダーに適切にガイドすることができる。
【0146】
以上、本発明について上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0147】
例えば、
図30に示すように、連結部351の変形例として、取付部357が回動可能に構成された連結部351Aを構成してもよい。なお、
図30において、透視された部分が破線で示されている。連結部351Aのスライド部352の取付部357は、第1方向(高さ方向)に延びる軸1310を介してスライド部352の主部356Bに連結されている。軸1310は主部356Bに固定されており、取付部357は軸1310周りに回動可能に軸1310に取り付けられている。したがって、連結部351Aにおいて、取付部357及び取付部357に固定されたスライダー50は、主部356Bに対して、高さ方向(第1方向)に平行な軸1310周りに回動することができる。すなわち、連結部351Aにおいて、スライド部352は、高さ方向に平行な軸周りにスライダー50を回動させる。このような構成によれば、例えば遮光装置を設置する工程においてスライダー50にファスナー14,24を嵌め入れる際に、スライダー50を回動させることができるため、ファスナー14,24のスライダー50への取り付けを容易にすることが可能である。
【0148】
また、上述のフレーム材60の連結部63やフレーム材160の連結部163を変形可能に構成して、第1フレーム61と第2フレーム62とがなす角度θ1や第1フレーム161と第2フレーム162とがなす角度θ1を適宜調整できるようにしてもよい。これにより、例えば、第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度に応じて、第1フレームと第2フレームとがなす角度を調整することが可能になり、第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度によらず1種類のフレーム材で対応可能となる。
【0149】
また、第1フレーム61及び第2フレーム62の少なくとも一方、あるいは、第1フレーム161及び第2フレーム162の少なくとも一方が、全長(長手方向の長さ)を調整可能に構成されてもよい。これにより、第1スクリーン11及び第2スクリーン21の少なくとも一方の幅(第1方向から見る場合のスクリーンの第1方向に垂直な方向における長さ)に応じて、第1フレーム及び第2フレームの少なくとも一方の全長を適宜調整することが可能となり、第1スクリーン11及び第2スクリーン21の幅に応じてフレームを交換する必要を無くし得る。
【0150】
また、上述の第2、第4、第6、及び第8実施形態では、1対の凸部43,44,143,144を設けることによって内部空間45,46,145,146に狭隘空間45A,46A,145A,146Aを形成する例を説明したが、このような狭隘空間は、1つの凸部によって形成してもよい。また、上述の実施形態では、第1内部空間と第2内部空間との双方(例えば、第1内部空間45と第2内部空間46との双方)に狭隘空間(例えば、第1狭隘空間45A及び第2狭隘空間46A)を形成する例を説明したが、第1内部空間及び第2内部空間の一方の内部空間のみに(例えば、第1内部空間45のみに)狭隘空間(例えば、狭隘空間45A)を形成してもよい。また、ガイド部材40,340の内部空間45,46,145,146に狭隘空間45A,46A,145A,146Aを形成することは必須ではない。
【0151】
また、上述の第2、第4、第6、及び第8実施形態では、凸部(例えば、凸部43)の少なくとも一方側の端部に傾斜面(例えば、傾斜面43A)を設ける例を示したが、このような傾斜面を設けることは必須ではない。すなわち、狭隘空間(例えば、狭隘空間45A)に変化領域(例えば、変化領域47A)を形成することは必須ではない。
【0152】
また、上述の第2、第4、第6、及び第8実施形態では、壁面にガイド部材40,340を固定した例を説明したが、室内側でガイド部材40,340を固定してもよい。
【0153】
また、上述の第5~第8実施形態では、第1方向から見る場合に、第1ガイドレール141の第1パイプ10側(上側)の端部と、第2ガイドレール142の第2パイプ20側(上側)の端部とがなす角度θ2が90°である例を説明したが、この角度θ2は、第1方向から見る場合の第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度に応じて適宜変更することができる。具体的には、第5~第8実施形態の変形例として、角度θ2は、0°<θ2<180°又は180°<θ2<360°の範囲で適宜変更することができる。例えば、第1方向から見る場合の第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度が45°である場合、第1ガイドレール141の第1パイプ10側(上側)の端部と、第2ガイドレール142の第2パイプ20側(上側)の端部とがなす角度θ2を45°にして、かつ、第1ガイドレール141のスライダー50側(上側)の端部と、第2ガイドレール142のスライダー50側(下側)の端部とを第1方向に垂直な方向に延びる同一直線上に配置してもよい。また、第1方向から見る場合の第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度が120°である場合、第1ガイドレール141の第1パイプ10側(上側)の端部と、第2ガイドレール142の第2パイプ20側(上側)の端部とがなす角度θ2を120°にして、かつ、第1ガイドレール141のスライダー50側(上側)の端部と、第2ガイドレール142のスライダー50側(下側)の端部とを第1方向に垂直な方向に延びる同一直線上に配置してもよい。また、第1方向から見る場合の第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度が210°である場合、第1ガイドレール141の第1パイプ10側(上側)の端部と、第2ガイドレール142の第2パイプ20側(上側)の端部とがなす角度θ2を210°にして、かつ、第1ガイドレール141のスライダー50側(上側)の端部と、第2ガイドレール142のスライダー50側(下側)の端部とを第1方向に垂直な方向に延びる同一直線上に配置してもよい。
【0154】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のガイド部材及び遮光装置を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0155】
1~8…遮光装置、10…第1パイプ、11…第1スクリーン、14…第1ファスナー、20…第2パイプ、21…第2スクリーン、40,340,340A…ガイド部材、41,141…第1ガイドレール、42,142…第2ガイドレール、50…スライダー、60,160…フレーム材、61,161…第1フレーム、62,162…第2フレーム、63,163…連結部、103…第3パイプ、104…第4パイプ、110,210,310,410,510,610,710,810…抑制部、352…第1スライド部(第2スライド部)、1310…軸、FC…ファスナー結合部(結合部)、θ3…アプローチ角