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特開2024-112029追跡装置、追跡方法及び追跡プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112029
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】追跡装置、追跡方法及び追跡プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/215 20170101AFI20240813BHJP
【FI】
G06T7/215
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016840
(22)【出願日】2023-02-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 紘和
(72)【発明者】
【氏名】山足 光義
(72)【発明者】
【氏名】西濱 令
(72)【発明者】
【氏名】中尾 尭理
(72)【発明者】
【氏名】檜垣 宏策
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA02
5L096DA02
5L096FA69
5L096GA34
5L096HA05
5L096JA11
5L096JA25
(57)【要約】
【課題】適切な移動軌跡を対応付けする候補から外せるようにする。
【解決手段】追跡部25は、カメラ31によって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、移動軌跡を更新する。除外部26は、1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、追跡部25によって対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、撮影領域を含む追跡領域から対象物が退出する前に通る退出領域に対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を追跡部25による更新対象から外す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡部と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡部によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡部による更新対象から外す除外部と
を備える追跡装置。
【請求項2】
前記退出領域は、前記撮影領域の端部の一部分の周辺領域と、前記撮影領域の端部以外の領域との少なくともいずれかである
請求項1に記載の追跡装置。
【請求項3】
前記追跡装置は、さらに、
設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最初の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する領域設定部
を備える請求項1に記載の追跡装置。
【請求項4】
前記追跡装置は、さらに、
設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最後の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する領域設定部
を備える請求項1に記載の追跡装置。
【請求項5】
前記除外部は、時系列に連続する基準数の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡を前記追跡部による更新対象から外す
請求項1に記載の追跡装置。
【請求項6】
前記追跡部は、前記対象の画像データから検出された対象物の位置と、前記移動軌跡における前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置との間の距離を用いて、前記移動軌跡と前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けを行う
請求項1に記載の追跡装置。
【請求項7】
前記追跡部は、前記対象の画像データから検出された対象物の特徴量と、前記移動軌跡における前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の特徴量との間の距離を用いて、前記移動軌跡と前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けを行う
請求項1に記載の追跡装置。
【請求項8】
前記追跡部は、同じ属性の対象物同士を対応付けする
請求項1に記載の追跡装置。
【請求項9】
コンピュータが、カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新し、
コンピュータが、前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を更新対象から外す追跡方法。
【請求項10】
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡処理と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡処理によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡処理による更新対象から外す除外処理と
を行う追跡装置としてコンピュータを機能させる追跡プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像データに映った対象物を追跡する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
映像データを構成する画像データのうち、過去の画像データで得られたM個の移動軌跡と、新たな画像データから検出された対象物との対応付けを行うことにより、移動軌跡を更新することが行われている。
この時、新たな画像データから検出された対象物との対応付けする候補となる移動軌跡の数Mが多くなるほど、誤った対応付けがされる可能性が高くなる。また、数Mが多くなるほど、対応付けの処理に係る計算量が多くなる。したがって、対応付けする必要のない移動軌跡を対応付けする候補から外すことが、追跡の精度向上と、計算量の抑制とに繋がる。
【0003】
特許文献1には、車両の前方を撮影して得られた映像データに映ったオブジェクトを追跡することが記載されている。特許文献1では、追跡オブジェクトの現在位置が撮影領域の端部を含む所定領域内である場合、追跡オブジェクトに検出オブジェクトが関連付けられなければ、追跡オブジェクトが撮影領域の外へ移動したと推定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-117760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、映像データが車両の前方を撮影して得られるため、オブジェクトは撮影領域の端部からのみ撮影領域の外に出ると想定される。しかし、撮影領域の端部からのみ対象物が撮影領域の外に出るとは限らない。例えば、撮影領域が部屋の中であり、撮影領域の中央に部屋から出るための扉がある場合がある。この場合には、対象物は、撮影領域の中央にある扉から、撮影領域の外に移動する。
また、撮影領域の端部に位置した対象物が一時的に検出されなかったとしても、その対象物を追跡対象から外してよいとは限らない。例えば、撮影領域が部屋の中であり、部屋の端の方が少し撮影領域から出てしまっているような場合がある。撮影領域から出てしまっている部分には、部屋への出入口がないとする。この場合には、対象物が撮影領域の端から撮影領域の外に出たとしても、対象物は必ず撮影領域に戻ってくる。そのため、撮影領域の端から撮影領域の外に出た対象物を追跡対象から外すべきではない。
本開示は、適切な移動軌跡を対応付けする候補から外せるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る追跡装置は、
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡部と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡部によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡部による更新対象から外す除外部と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示では、追跡領域から対象物が退出する前に通る退出領域に対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を更新対象から外す。これにより、適切な移動軌跡を対応付けする候補から外せるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る追跡装置10の構成図。
図2】実施の形態1に係る領域設定処理の説明図。
図3】実施の形態1に係る追跡処理のフローチャート。
図4】実施の形態1に係る第1除外処理の説明図。
図5】実施の形態1に係る第2除外処理の説明図。
図6】変形例1に係る追跡処理のフローチャート。
図7】変形例2に係る追跡装置10の構成図。
図8】実施の形態2に係る設定期間における追跡処理のフローチャート。
図9】実施の形態2に係る設定期間における追跡処理の結果の説明図。
図10】実施の形態2に係る方法1の説明図。
図11】実施の形態2に係る方法2の説明図。
図12】実施の形態2に係る打たれた点を囲む方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る追跡装置10の構成を説明する。
追跡装置10は、コンピュータである。
追跡装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0010】
プロセッサ11は、プロセッシングを行うICである。ICはIntegrated Circuitの略である。プロセッサ11は、具体例としては、CPU、DSP、GPUである。CPUは、Central Processing Unitの略である。DSPは、Digital Signal Processorの略である。GPUは、Graphics Processing Unitの略である。
【0011】
メモリ12は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12は、具体例としては、SRAM、DRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略である。
【0012】
ストレージ13は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13は、具体例としては、HDDである。HDDは、Hard Disk Driveの略である。また、ストレージ13は、SD(登録商標)メモリカード、CompactFlash(登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記録媒体であってもよい。SDは、Secure Digitalの略である。DVDは、Digital Versatile Diskの略である。
【0013】
通信インタフェース14は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)のポートである。USBは、Universal Serial Busの略である。HDMIは、High-Definition Multimedia Interfaceの略である。
【0014】
追跡装置10は、通信インタフェース14を介してカメラ31と接続されている。
【0015】
追跡装置10は、機能構成要素として、領域設定部21と、画像取得部22と、検出部23と、特徴量計算部24と、追跡部25と、除外部26とを備える。追跡装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、追跡装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、追跡装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
【0016】
また、ストレージ13には、退出領域41が記憶される。
【0017】
図1では、プロセッサ11は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ11は、複数であってもよく、複数のプロセッサ11が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0018】
***動作の説明***
図2から図5を参照して、実施の形態1に係る追跡装置10の動作を説明する。
実施の形態1に係る追跡装置10の動作手順は、実施の形態1に係る追跡方法に相当する。また、実施の形態1に係る追跡装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る追跡プログラムに相当する。
【0019】
追跡装置10の動作は、領域設定処理と、追跡処理とを含む。領域設定処理は、退出領域41を設定する処理である。追跡処理は、対象物を追跡する処理である。実施の形態1では、対象物は人であるとする。但し、対象物は、人に限らず、車、鞄等他の種別の物体であってもよい。
【0020】
図2を参照して、実施の形態1に係る領域設定処理を説明する。
領域設定部21は、管理者の操作に従い、退出領域41を設定する。退出領域41は、ストレージ13に書き込まれる。退出領域41は、追跡領域42から対象物が退出する前に通る領域である。追跡領域42は、対象物を追跡する領域であり、カメラ31の撮影領域32を含む領域である。退出領域41は、任意の形状でよく、複数か所設定されてもよい。
図2に示す撮影領域32では、対象物である人は、床を通って移動するため、撮影領域32の端部のうち床部分の端部の周辺だけが退出領域41に設定されている。また、扉の前の床部分にも退出領域41が設定されている。カメラ31が監視カメラ等である場合には、このように退出領域41は、撮影領域32の端部の一部分の周辺領域と、扉の前のような撮影領域の端部以外の領域との少なくともいずれかとなることが想定される。
【0021】
図3を参照して、実施の形態1に係る追跡処理を説明する。
(ステップS11:画像取得処理)
画像取得部22は、カメラ31によって撮影領域32が撮影されて得られた映像データを構成する複数の画像データを、時刻順に対象の画像データとして取得する。
【0022】
(ステップS12:検出処理)
検出部23は、ステップS11で取得された対象の画像データから、1つ以上の対象物を検出する。
具体的には、検出部23は、ニューラルネットワーク等を用いて構成された、画像データから対象物を検出する物体検出モデルに対して、対象の画像データを入力することにより、対象物を検出する。ここでは、検出された対象物を囲む矩形の検出枠が得られるものとする。
【0023】
ステップS13及びステップS14の処理が、ステップS12で検出された各対象物を処理対象として実行される。
【0024】
(ステップS13:特徴量計算処理)
特徴量計算部24は、対象物の特徴量を計算する。特徴量の計算方法は既存技術を用いればよい。
【0025】
(ステップS14:対応付け処理)
追跡部25は、対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、対象の画像データから検出された処理対象の対象物との対応付けを行う。これにより、追跡部25は、移動軌跡を更新する。
なお、ここで対応付けをされる候補となる移動軌跡は、後述するステップS15又はステップS16の処理で更新対象から外されていない移動軌跡である。
【0026】
具体的には、追跡部25はステップS141からステップS143の処理を実行する。
(ステップS141:相違度計算処理)
追跡部25は、更新対象から外されていない各移動軌跡を対象の移動軌跡に設定する。追跡部25は、対象の移動軌跡における最近の対象物と、処理対象の対象物との相違度を計算する。対象の移動軌跡における最近の対象物とは、後述するステップS142又はステップS143の処理で対象の移動軌跡に最後に追加された対象物である。
具体的には、追跡部25は、最近の対象物の位置と処理対象の対象物の位置との間の距離である第1距離と、最近の対象物の特徴量と処理対象の対象物の特徴量との間の距離である第2距離との少なくともいずれかから相違度を計算する。例えば、追跡部25は、第1距離と第2距離との重み付け和を相違度として計算する。
実施の形態1では、対象物が接地していることが前提となる人であるため、対象物の位置は、ステップS12で得られた検知枠の下辺中央部の位置である。対象物によっては、対象物の位置は、ステップS12で得られた検知枠の中心としてもよい。位置の間の距離としては、ユークリッド距離が考えられる。特徴量の間の距離としては、コサイン距離が考えられる。
【0027】
追跡部25は、相違度が閾値以下の移動軌跡があった場合には、処理をステップS142に進める。一方、追跡部25は、相違度が閾値以下の移動軌跡がない場合には、処理をステップS143に進める。
【0028】
(ステップS142:追加処理)
追跡部25は、ステップS141で計算された相違度が最も小さい移動軌跡に、処理対象の対象物を追加する。
【0029】
(ステップS143:新規軌跡生成処理)
追跡部25は、新規に移動軌跡を生成して、処理対象の対象物を追加する。
【0030】
ステップS15及びステップS16の処理が、ステップS14で対象物が追加されなかった各移動軌跡を対象として実行される。
【0031】
(ステップS15:第1除外処理)
除外部26は、対象の移動軌跡が、時系列に連続する基準数の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった場合に、追跡部25による更新対象から外す。
【0032】
図4を参照して具体的に説明する。
図4では、基準数を3とする。また、対象の画像データを画像データtとする。基準数が3であるため、除外部26は、対象の画像データを含めて連続する3つの画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡を追跡部25による更新対象から外す。したがって、画像データtと、画像データt-1と、画像データt-2との3つ全てについて、検出された対象物と対応付けがされなかった移動軌跡が更新対象から外される。
移動軌跡Aは、対象の画像データである画像データtから検出された対象物と対応付けされている。そのため、移動軌跡Aは、そもそもステップS15の処理の対象にはならず、更新対象から外されることはない。
移動軌跡Bは、画像データt及び画像データt-1から検出された対象物と対応付けされていない。しかし、移動軌跡Bは、画像データt-2から検出された対象物と対応付けされている。そのため、移動軌跡Bは、更新対象から外されない。
移動軌跡Cは、画像データtと、画像データt-1と、画像データt-2との3つ全てについて、検出された対象物と対応付けがされていない。そのため、移動軌跡Cは、更新対象から外される。
【0033】
(ステップS16:第2除外処理)
除外部26は、対象の移動軌跡が、退出領域41に対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる場合に、追跡部25による更新対象から外す。対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置とは、対象の移動軌跡の直近の位置である。つまり、対象の画像データから検出された対象物と対応付けされず、かつ、直近の位置が退出領域41にある移動軌跡は、更新対象から外される。これは、対象の画像データから検出された対象物と対応付けされず、かつ、直近の位置が退出領域41にある場合には、移動軌跡が示す対象物は追跡領域42の外に出たと推定されるためである。
【0034】
図5を参照して具体的に説明する。
図5では、図2に示す通りに退出領域41が設定されている。
移動軌跡Dについて、対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置は、退出領域41に含まれている。しかし、移動軌跡Dは、対象の画像データである画像データtから検出された対象物と対応付けされている。そのため、移動軌跡Dは、そもそもステップS16の処理の対象にはならず、更新対象から外されることはない。
移動軌跡Eについて、対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置は、退出領域41に含まれていない。そのため、移動軌跡Eは、更新対象から外されない。
移動軌跡Fについて、対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置は、退出領域41に含まれている。そのため、移動軌跡Fは、更新対象から外される。
【0035】
処理はステップS11に戻され、時刻順に次の画像データが対象の画像データとして取得される。
【0036】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る追跡装置10は、追跡領域42から対象物が退出する前に通る退出領域43に対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を更新対象から外す。
これにより、移動軌跡が示す対象物が追跡領域42の外に出たと推定される移動軌跡を更新対象から外すことができる。そのため、適切な移動軌跡を対応付けする候補から外せるようになる。適切な移動軌跡を対応付けする候補から外すことにより、追跡の精度向上と、計算量の抑制とを実現することができる。
【0037】
***他の構成***
<変形例1>
変形例1として、追跡部25は、同じ属性の対象物同士を対応付けし、異なる属性の対象物同士を対応付けしないようにしてもよい。例えば、対象物が、人と車両とであるとする。この場合には、人の移動軌跡には、人だけが対応付けされ、車両の移動軌跡には、車両だけが対応付けされる。
【0038】
図6を参照して、変形例1に係る追跡処理を説明する。
ステップS13及びステップS14の処理が、各属性を対象として、ステップS12で検出された対象の属性の各対象物を処理対象として実行される。その結果、ステップS14では、追跡部25は、同じ属性の対象物同士を対応付けし、異なる属性の対象物同士を対応付けしないようになる。
【0039】
これにより、異なる対象物を誤って同一の対象物として追跡してしまう可能性を抑えることが可能になる。
【0040】
<変形例2>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例2として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例2について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0041】
図7を参照して、変形例2に係る追跡装置10の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、追跡装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路15を備える。電子回路15は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0042】
電子回路15としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、FPGAが想定される。GAは、Gate Arrayの略である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略である。
各機能構成要素を1つの電子回路15で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路15に分散させて実現してもよい。
【0043】
<変形例3>
変形例3として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0044】
プロセッサ11とメモリ12とストレージ13と電子回路15とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態2は、退出領域41を人手によらず設定する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
【0046】
***動作の説明***
図8から図12を参照して、実施の形態2に係る追跡装置10の動作を説明する。
実施の形態2に係る追跡装置10の動作手順は、実施の形態2に係る追跡方法に相当する。また、実施の形態2に係る追跡装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態2に係る追跡プログラムに相当する。
【0047】
退出領域41の設定方法として方法1と方法2とを説明する。
方法1及び方法2では、まず設定期間の間、図8に示すように、図3に示す追跡処理からステップS16の処理を除いた処理を実行する。設定期間は、追跡処理を稼働させる前の準備期間である。すると、図9に示すように、複数の移動軌跡が特定される。各移動軌跡は、ステップS143で新規に作成された際に追加された対象物から始まり、ステップS15で更新対象から除外される直前に追加された対象物まで続いている。
【0048】
<方法1>
図10を参照して方法1を説明する。
領域設定部21は、設定期間にカメラ31によって得られた画像データから生成された各移動軌跡における最初の位置に点を打つ。つまり、領域設定部21は、各移動軌跡における、ステップS143で新規に作成された際に追加された対象物の位置に点を打つ。この位置は、撮影領域32に対象物が入ってきた直後の位置を示すと推定される。なお、図10では点の数が少ないが、実際にはある程度の長さの期間を設定期間とすることで、多くの点が打たれるようにする。領域設定部21は、打たれた点を囲む領域の外縁部を退出領域41に設定する。打たれた点を囲む領域の特定方法としては、凸包を用いることが考えられる。
対象物が入ってきた場所は、対象物が出ていく前に通る場所と推定される。そのため、対象物が入ってきた位置を囲む領域の外縁部を退出領域41に設定することで、適切に退出領域41を設定可能である。
【0049】
<方法2>
図11を参照して方法2を説明する。
領域設定部21は、設定期間にカメラ31によって得られた画像データから生成された各移動軌跡における最後の位置に点を打つ。つまり、領域設定部21は、各移動軌跡における、ステップS15で更新対象から除外される直前に追加された対象物の位置に点を打つ。この位置は、撮影領域32から対象物が出る直前の位置を示すと推定される。なお、図11では点の数が少ないが、実際にはある程度の長さの期間を設定期間とすることで、多くの点が打たれるようにする。領域設定部21は、打たれた点を囲む領域の外縁部を退出領域41に設定する。
対象物が出る直前の場所は、対象物が出ていく前に通る場所と推定される。そのため、対象物が出る直前の位置を囲む領域の外縁部を退出領域41に設定することで、適切に退出領域41を設定可能である。
【0050】
なお、方法1と方法2とを組み合わせて、領域設定部21は、設定期間にカメラ31によって得られた画像データから生成された各移動軌跡における最初の位置と最後の位置との両方に点を打ってもよい。
【0051】
方法1及び方法2において、領域設定部21は、打たれた点を囲む際、近接する点毎にクラスタリングし、クラスター毎に点を囲んでもよい。そして、領域設定部21は、囲まれた範囲内又は囲まれた範囲の外縁を退出領域41としてもよい。例えば、図12の(A)のように、全ての点を1度に囲んだ場合には、対象物が出ていく前に通る場所以外のも退出領域41が設定される可能性がある。これに対して、図12の(B)に示すように、クラスタリングをすることで、対象物が出ていく前に通る場所以外に退出領域41が設定されることを防止できる可能性がある。
【0052】
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2に係る追跡装置10は、人手によらず退出領域41を設定する。これにより、カメラ31の設置位置毎に退出領域41を設定する作業を行う必要がなくなり、追跡装置10の運用負荷を軽減可能である。
【0053】
なお、領域設定部21は、方法1又は方法2で設定した退出領域41に対する修正を受け付けてもよい。例えば、管理者が、方法1又は方法2で設定した退出領域41を見て、形状を整えることが考えられる。
【0054】
以上の説明における「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「処理回路」に読み替えてもよい。
【0055】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡部と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡部によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡部による更新対象から外す除外部と
を備える追跡装置。
(付記2)
前記退出領域は、前記撮影領域の端部の一部分の周辺領域と、前記撮影領域の端部以外の領域との少なくともいずれかである
付記1に記載の追跡装置。
(付記3)
前記追跡装置は、さらに、
設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最初の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する領域設定部
を備える付記1に記載の追跡装置。
(付記4)
前記追跡装置は、さらに、
設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最後の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する領域設定部
を備える付記1に記載の追跡装置。
(付記5)
前記除外部は、時系列に連続する基準数の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡を前記追跡部による更新対象から外す
付記1から4までのいずれか1項に記載の追跡装置。
(付記6)
前記追跡部は、前記対象の画像データから検出された対象物の位置と、前記移動軌跡における前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置との間の距離を用いて、前記移動軌跡と前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けを行う
付記1から5までのいずれか1項に記載の追跡装置。
(付記7)
前記追跡部は、前記対象の画像データから検出された対象物の特徴量と、前記移動軌跡における前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の特徴量との間の距離を用いて、前記移動軌跡と前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けを行う
付記1から6までのいずれか1項に記載の追跡装置。
(付記8)
前記追跡部は、同じ属性の対象物同士を対応付けする
付記1から7までのいずれか1項に記載の追跡装置。
(付記9)
コンピュータが、カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新し、
コンピュータが、前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を更新対象から外す追跡方法。
(付記10)
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡処理と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡処理によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡処理による更新対象から外す除外処理と
を行う追跡装置としてコンピュータを機能させる追跡プログラム。
【0056】
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 追跡装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、15 電子回路、21 領域設定部、22 画像取得部、23 検出部、24 特徴量計算部、25 追跡部、26 除外部、31 カメラ、32 撮影領域、41 退出領域、42 追跡領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡部と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡部によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域の端部の一部分の周辺領域と、前記撮影領域の端部以外の領域との少なくともいずれかであり、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡部による更新対象から外す除外部と
を備える追跡装置。
【請求項2】
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡部と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡部によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡部による更新対象から外す除外部と
設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最初の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する領域設定部と
を備える追跡装置。
【請求項3】
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡部と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡部によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡部による更新対象から外す除外部と
設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最後の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する領域設定部と
を備える追跡装置。
【請求項4】
前記除外部は、時系列に連続する基準数の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡を前記追跡部による更新対象から外す
請求項1から3までのいずれか1項に記載の追跡装置。
【請求項5】
前記追跡部は、前記対象の画像データから検出された対象物の位置と、前記移動軌跡における前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置との間の距離を用いて、前記移動軌跡と前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けを行う
請求項1から3までのいずれか1項に記載の追跡装置。
【請求項6】
前記追跡部は、前記対象の画像データから検出された対象物の特徴量と、前記移動軌跡における前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の特徴量との間の距離を用いて、前記移動軌跡と前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けを行う
請求項1から3までのいずれか1項に記載の追跡装置。
【請求項7】
前記追跡部は、同じ属性の対象物同士を対応付けする
請求項1から3までのいずれか1項に記載の追跡装置。
【請求項8】
コンピュータが、カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新し、
コンピュータが、前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域の端部の一部分の周辺領域と、前記撮影領域の端部以外の領域との少なくともいずれかであり、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を更新対象から外す追跡方法。
【請求項9】
コンピュータが、カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新し、
コンピュータが、前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を更新対象から外し、
コンピュータが、設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最初の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する追跡方法。
【請求項10】
コンピュータが、カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新し、
コンピュータが、前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を更新対象から外し、
コンピュータが、設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最後の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する追跡方法。
【請求項11】
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡処理と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡処理によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域の端部の一部分の周辺領域と、前記撮影領域の端部以外の領域との少なくともいずれかであり、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡処理による更新対象から外す除外処理と
を行う追跡装置としてコンピュータを機能させる追跡プログラム。
【請求項12】
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡処理と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡処理によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡処理による更新対象から外す除外処理と
設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最初の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する領域設定処理と
を行う追跡装置としてコンピュータを機能させる追跡プログラム。
【請求項13】
カメラによって撮影領域が撮影されて得られた複数の画像データを時刻順に対象の画像データとして、前記対象の画像データよりも過去の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡と、前記対象の画像データから検出された1つ以上の対象物それぞれとの対応付けを行うことにより、前記移動軌跡を更新する追跡処理と、
前記1つ以上の対象物それぞれについての移動軌跡のうち、前記追跡処理によって前記対象の画像データから検出された対象物との対応付けがされなかった移動軌跡であって、前記撮影領域を含む追跡領域から前記対象物が退出する前に通る退出領域に前記対象の画像データの前の画像データから検出された対象物の位置が含まれる移動軌跡を前記追跡処理による更新対象から外す除外処理と
設定期間に前記カメラによって得られた画像データから生成された移動軌跡における最後の位置を示す点を囲む領域の外縁部を前記退出領域に設定する領域設定処理と
を行う追跡装置としてコンピュータを機能させる追跡プログラム。