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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112064
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】顧客来店促進システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240813BHJP
【FI】
G06Q30/0207 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016899
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】509115580
【氏名又は名称】株式会社NBSキオスク&サービス
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】加藤 航
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】店舗に来ていない顧客が顧客の通信端末でポイントの状況を確認できて、従来よりも顧客の来店を促進することができる顧客来店促進システムを提供する。
【解決手段】予め定めた特定日における店舗での支払いに応じてポイントが付与されて、付与されたポイントが所定の条件を満たすと顧客に特典が提供されるポイントサービスを実施する。顧客来店促進システムは、ビンゴゲームを利用する。システム側サーバー2は、データ保存部201と、データ入出力部203と、ポイント更新部205Dと、条件判定部205Eと、通信部207とを備えている。システム側サーバー2から、顧客の通信端末3に、ポイントの付与の可否及び所定の条件の判定結果が送信され、店舗に来ていない顧客の通信端末3の表示画面305でそれらを確認することができる。表示画面305の表示により顧客に対して店舗に行くことを促す。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた特定日における店舗での支払いに応じてポイントが付与されて、付与されたポイントが所定の条件を満たすと顧客に特典が提供されるポイントサービスの実施に使用するために前記顧客の通信端末の画面に表示される顧客来店促進用の画像データと、前記顧客を特定する顧客識別情報と、前記特定日の情報と、前記顧客毎のポイントデータと、前記顧客毎に前記店舗で支払いをした日を含む支払い情報を少なくとも保存するデータ保存部と、
前記データ保存部に保存するデータを前記データ保存部に入力し且つ要求に応じて前記データ保存部に保存されたデータを出力するデータ入出力部と、
前記データ保存部に保存された前記顧客識別情報、前記特定日の情報及び前記支払い情報に基づいて、前記ポイントの付与の可否を判断し、前記ポイントを付与する判断がなされると前記顧客毎のポイントデータを更新するポイント更新部と、
前記顧客毎のポイントデータに基づいて前記所定の条件が満たされたか否かを判定し、判定結果を前記データ保存部に保存する条件判定部と、
少なくとも前記画像データと、前記顧客毎のポイントデータと、前記判定結果を前記顧客の前記通信端末に送信し且つ前記通信端末から前記顧客識別情報を含むデータ信号を受信する通信部を備え、
前記顧客の前記通信端末には、前記顧客識別情報を保持する識別情報保持機能と、前記通信部から送信されたデータを受信し且つ前記顧客識別情報を含むデータ信号を送信する通信機能と、前記通信部から送信された前記画像データに基づく画像を表示画面に表示する表示機能が含まれていることを特徴とする顧客来店促進システム。
【請求項2】
前記所定の条件は、ビンゴゲームを利用する場合、複数の前記特定日がビンゴカードのマトリックスの升目に指定されており、前記顧客が前記特定日に前記店舗に来店して支払いをしたときに前記升目に前記ポイントの付与を示す情報が挿入されてビンゴが成立する条件である請求項1に記載の顧客来店促進システム。
【請求項3】
前記通信端末は、前記顧客が支払いをしたときに前記店舗から受け取ったレシートに表示された情報を前記データ信号に含めて前記データ入出力部に送信することを特徴とする請求項1に記載の顧客来店促進システム。
【請求項4】
前記通信端末は、前記レシートに表示された情報を画像として読み取って前記データ信号に含める読み取り機能を有している請求項3に記載の顧客来店促進システム。
【請求項5】
前記通信端末の前記読み取り機能は、前記通信端末に搭載された撮像装置によって前記レシートを撮像して得た撮像データを前記データ信号に含める機能であり、
前記撮像データから支払い情報を抽出して前記データ保存部に保存する情報抽出部を更に備えている請求項4に記載の顧客来店促進システム。
【請求項6】
前記レシートには、前記支払い情報が二次元バーコードで表示されており、
前記通信端末の前記読み取り機能は、前記通信端末に搭載された撮像装置によって前記レシートに表示された前記二次元バーコードを撮像して得た前記撮像データを前記データ信号に含める機能であり、
前記撮像データから支払い情報を抽出して前記データ保存部に保存する情報抽出部を更に備えている請求項4に記載の顧客来店促進システム。
【請求項7】
前記データ入出力部は、前記顧客の支払い情報を保存する店舗側データベースから前記支払い情報を受け取って、前記データ保存部に入力する請求項1に記載の顧客来店促進システム。
【請求項8】
前記特定日から予め定めた日数前に、前記通信端末の前記表示画面に前記特定日を通知するための通知データを前記通信部から前記通信端末に送信する特定日予告部を更に備えている請求項1または2に記載の顧客来店促進システム。
【請求項9】
前記ポイントサービスが、前記特定日とは異なる特別日における前記店舗での支払いに応じて任意の前記升目に前記ポイントの付与を示す情報が挿入できるサービスであり、
前記データ保存部には、前記特別日の情報データが更に保存されており、
前記特別日から予め定めた日数前に、前記通信端末の前記表示画面に前記特別日を通知するための通知データを前記通信部から前記通信端末に送信する特別日予告部を更に備えている請求項2に記載の顧客来店促進システム。
【請求項10】
前記特別日に付与するポイントは、前記ビンゴカードのマトリックスの升目の任意の箇所に付与できるものであり、
前記ポイント更新部は、前記通信端末からの指示で前記任意の箇所を決定するかまたは早期にビンゴが成立するように前記任意の箇所を自動で選択する機能を有している請求項9に記載の顧客来店促進システム。
【請求項11】
前記ポイント更新部は、前記ポイントが付与されたことを通知するための通知データを前記通信部から前記通信端末に送信する機能を更に備えている請求項1または2に記載の顧客来店促進システム。
【請求項12】
前記条件判定部は、前記所定の条件が成立したら、前記所定の条件が成立したことを通知するための通知データを前記通信部から前記通信端末に送信する機能を更に備えている請求項1または2に記載の顧客来店促進システム。
【請求項13】
前記条件判定部は、過去に前記所定の条件が成立している数を、前記所定の条件が成立したことを通知するための通知データと一緒に前記通信部から前記通信端末に送信する機能を更に備えている請求項1または2に記載の顧客来店促進システム。
【請求項14】
前記通信端末は、前記表示機能を実現するための画像表示制御部を備えており、
前記画像表示制御部は、前記表示画面に前記ビンゴカードのマトリックスの升目と、前記ポイントが付与されたことを示すポイントマークと、ビンゴが成立している複数の升目を横切る線状のクロス線を表示する機能を有している請求項2に記載の顧客来店促進システム。
【請求項15】
前記ポイントマーク及び前記クロス線の少なくとも一方は、前記店舗毎に異なる請求項14に記載の顧客来店促進システム。
【請求項16】
前記通信端末は、前記表示機能を実現するための画像表示制御部を備えており、
前記画像表示制御部は前記表示画面のレイアウトを前記顧客が変更できる機能を有している請求項2に記載の顧客来店促進システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗に顧客が来店することを促進するための顧客来店促進システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2020-52567号公報(特許文献1)には顧客が再来店するためにビンゴゲームを利用した顧客来店促進のための従来の技術が開示されている。この従来の技術では、店内端末でサービスの注文を受け付けた後に、店舗が管理する複数のビンゴカードに割り当てられた複数の割当番号から選択した割当番号に対応する升目が選択されたことを示す態様で、取得した顧客識別情報に関連付けられているビンゴカードを表示装置に表示させている。これによって、この従来の技術では、顧客を楽しませる娯楽を提供することにより、顧客が再来店する確率を向上させることを狙っている。
【0003】
また特許第6374063号公報(特許文献2)には、来店した顧客に商品の購入を促すために、ビンゴゲームを導入し、店内に設置した端末装置の操作画面においてビンゴ成立の可能性が最大化されるように項目が配置された画面を利用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-52567号公報
【特許文献2】特許第6374063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、顧客が店舗に設置されている端末を利用するものであったため、店舗に来ていない顧客を来店させることを促進する効果は限定的であった。
【0006】
本発明の目的は、店舗に来ていない顧客が顧客の通信端末でポイントの状況を確認できて、従来よりも顧客の来店を促進することができる顧客来店促進システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の顧客来店促進システムは、データ保存部と、データ入出力部と、ポイント更新部と、条件判定部と、通信部と、顧客の通信端末とから構成される。データ保存部は、予め定めた特定日における店舗での支払いに応じてポイントが付与されて、付与されたポイントが所定の条件を満たすと顧客に特典が提供されるポイントサービスの実施に使用するために顧客の通信端末の画面に表示される顧客来店促進用の画像データと、顧客を特定する顧客識別情報と、特定日の情報及び顧客毎のポイントデータと、顧客毎に店舗で支払いをした日を含む支払い情報を少なくとも保存する。本願明細書で「店舗」とは、商品を販売する店舗の他に、スポーツクラブ等のサービスを提供する店舗も含まれるものである。また「支払い」には商品を購入して購入代金として支払うことのほか、サービスを利用して利用料を支払うことの両方を含むものである。さらに「支払い」には、現金支払い、クレジットカード支払い、電子マネー支払いのいずれも含まれる。
【0008】
データ出力部は、データ保存部に保存するデータをデータ保存部に入力し且つ要求に応じてデータ保存部に保存されたデータを出力するものである。またポイント更新部は、データ保存部に保存された顧客識別情報、特定日の情報及び支払い情報に基づいて、ポイントの付与の可否を判断し、ポイントを付与する判断がなされると顧客毎のポイントデータを更新する。更に条件判定部は、顧客毎のポイントデータに基づいて所定の条件が満たされたか否かを判定し、判定結果をデータ保存部に保存する。通信部は、少なくとも画像データと、顧客毎のポイントデータと、判定結果を顧客の通信端末に送信し且つ通信端末から顧客識別情報を含むデータ信号を受信する。そして顧客の通信端末には、顧客識別情報を保持する識別情報保持機能と、通信部から送信されたデータを受信し且つ顧客識別情報を含むデータ信号を送信する通信機能と、通信部から送信された画像データに基づく画像を表示画面に表示する表示機能が含まれている。
【0009】
本発明によれば、顧客の通信端末に、ポイントの付与の可否及び所定の条件の判定結果が送信され、店舗に来ていない顧客の通信端末の画面でそれらを確認することができるので、画面表示により顧客に対して店舗に行くことを促すことができ、従来よりも顧客の来店を促進することができる。
【0010】
所定の条件は、例えば、ビンゴゲームを利用する場合には、複数の特定日がビンゴカードのマトリックスの升目に指定されており、顧客が特定日に店舗に来店して支払いをしたときに升目にポイントの付与を示す情報が挿入されてビンゴが成立する条件である。このようにすると、顧客は、ゲーム感覚で本発明を利用するので、本発明のシステムの利用率が向上する。
【0011】
支払いには、殆どの場合、レシートが発行されるので、顧客は通信端末から、顧客が支払いをしたときに店舗から受け取ったレシートに表示された情報をデータ信号に含めてデータ入出力部に送信することができる。手入力で情報を入力するのは、顧客の負担が大きくなるので、通信端末は、レシートに表示された情報を画像として読み取ってデータ信号に含める読み取り機能を有しているのが好ましい。このような読み取り機能を利用すれば、顧客の負担は大幅に減る。なお通信端末の読み取り機能は、通信端末に搭載された撮像装置によってレシートを撮像して得た撮像データをデータ信号に含める機能である。この場合、システムが、撮像データから支払い情報を抽出してデータ保存部に保存する情報抽出部を更に備えていれば、システムの負担も大幅に軽減される。
【0012】
またレシートに支払い情報がQRコード(登録商標)等の二次元バーコードで表示されている場合の読み取り機能は、通信端末に搭載された撮像装置によってレシートに表示された二次元バーコードを撮像して得た撮像データをデータ信号に含める機能であればよい。
【0013】
また支払い情報を入手するために、データ入出力部が、顧客の支払い情報を保存する店舗側データベースから支払い情報を受け取って、データ保存部に入力するようにしてもよい。このようにすると顧客は何も入力手続をすることなく、ポイントの付与が自動で行われることになる。したがって顧客の負担は、大幅に軽減される。
【0014】
なお特定日から予め定めた日数前に、通信端末の表示画面に特定日を通知するための通知データを通信部から前信端末に送信する特定日予告部を更に備えていてもよい。特定日予告部を設けると、特定日を忘れた顧客にアラームを出して、顧客の来店を促進することができる。
【0015】
ポイントサービスとして、特定日とは異なる特別日に店舗に来店して買い物をしたときに任意の升目にポイントの付与を示す情報が挿入できるサービスとすることができる。この場合、データ保存部には、特別日の情報データが更に保存されており、特別日から予め定めた日数前に、通信端末の表示画面に特別日を通知するための通知データを通信部から通信端末に送信する特別日予告部を更に備えているのが好ましい。このようにすると、特定日を忘れた顧客にアラームを出して、顧客の来店を促進することができる。
【0016】
なお特別日に付与するポイントは、ビンゴカードのマトリックスの升目の任意の箇所に付与できるものとすることができる。この場合、ポイント更新部は,通信端末からの指示で任意の箇所を決定するかまたは早期にビンゴが成立するように任意の箇所を自動で選択する機能を有しているのが好ましい。特に、この自動選択する機能があれば、顧客は、常に一番多くのビンゴ成立条件を達成することができる。
【0017】
またポイント更新部は、ポイントが付与されたことを通知するための通知データを通信部から通信端末に送信する機能を更に備えていてもよい。更に条件判定部は、所定の条件が成立したら、所定の条件が成立したことを通知するための通知データを通信部から通信端末に送信する機能を更に備えていてもよい。ポイント付与や条件成立の通知は、顧客のポイント獲得意欲を増大させるので、顧客の来店を更に促進することができる。
【0018】
また条件判定部は、過去に所定の条件が成立している数を、所定の条件が成立したことを通知するための通知データと一緒に通信部から通信端末に送信する機能を更に備えているのが好ましい。このような通知も顧客のポイント獲得意欲を増大させるので、顧客の来店を更に促進することができる。
【0019】
通信端末は、表示機能を実現するための画像表示制御部を備えており、画像表示制御部は、表示画面にビンゴカードのマトリックスの升目と、ポイントが付与されたことを示すポイントマークと、ビンゴが成立している複数の升目を横切る線状のクロス線を表示する機能を有しているのが好ましい。特に、線状のクロス線を表記すると一目でビンゴの成立を確認することができる。なおポイントマーク及びクロス線の少なくとも一方は、店舗毎に異なる(色や形状を異ならせる)ようにするのが好ましい。このようにすると顧客に店舗を意識させることになり、顧客の来店を更に促進することができる。
【0020】
通信端末が、表示機能を実現するための画像表示制御部を備えている場合には、画像表示制御部は表示画面のレイアウトを顧客が変更できる機能を有しているのが好ましい。このようにすると顧客の嗜好にあった画面構成を作ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の顧客来店促進システムによれば、店舗に来ていない顧客が顧客の通信端末でポイントの状況を確認できて、従来よりも顧客の来店を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施の形態を適用した顧客来店促進システムの概略を示す概念図である。
図2】本発明の一実施の形態を適用した顧客来店促進システムに実現される機能の概略構成を示すブロック図である。
図3】特定日及び特別日の予告の動作のフローを示す図である。
図4】特定日又は特別日を予告する顧客来店促進用の画像の一例を示す図である。
図5】ポイント付与及び特典付与のフローを示す図である。
図6】ポイントが付与されたことを表す画像の一例を示す図である。
図7】ビンゴが達成したことを表す画像の一例を示す図である。
図8】表示画面に表示される画像の一例を示す図である。
図9】レイアウトが変更された表示画面の一例である。
図10】(A)乃至(C)は、マトリックスの升目の表示の変形例を示す図である。
図11】(A)乃至(C)は、マトリックスの升目の表示の変形例を示す図である。
図12】(A)乃至(C)は、マトリックスの升目の表示の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下図面参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の顧客来店促進システムの一実施の形態の概略を示す概念図であり、図2は顧客来店促進システムに実現される機能の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
本発明の顧客来店促進システムは、予め定めた特定日における店舗での支払いに応じてポイントが付与されて、付与されたポイントが所定の条件を満たすと顧客に特典が提供されるポイントサービスを実施するものである。本実施の形態の顧客来店促進システムは、ビンゴゲームを利用する。本実施の形態では、複数の特定日がビンゴカードの3×3のマトリックスの升目に指定されており、顧客が特定日に店舗に来店して支払いをしたときに升目にポイントの付与を示す情報が挿入されてビンゴが成立することを特定の条件とする。
【0025】
[全体構成]
図1に示すように、本実施形態の顧客来店促進システム1は、システム側サーバー2と、顧客の通信端末3と、店舗側端末4を備える。図1に示すように、本実施形態の顧客来店促進システム1は、複数の顧客の通信端末3と、複数の店舗側端末4を有している。また本実施の形態の顧客来店促進システムは、企業本部側端末5のような他のサーバー及び端末等を有することができるものである。
【0026】
[システム側サーバー]
図2に示すように、システム側サーバー2は、互いに通信可能に接続されたデータ保存部201、データ入出力部203、演算部205及び通信部207を有している。
【0027】
[データ保存部]
データ保存部201には、画像データD1と、顧客を特定する顧客識別情報D2と、予め定めた特定日の情報D3と、顧客毎のポイントデータD4と、支払い情報D5と、判定結果D6とが少なくとも保存されている。画像データD1は、顧客の来店を促進するために顧客の通信端末3の表示画面305に表示される画像のデータである。顧客識別情報D2は、店舗での支払いを行った顧客を識別するための情報であり、例えば会員番号とすることができる。顧客識別情報D2には、性別、年齢、ニックネーム等の情報を紐付けることができる。支払い情報D5は、顧客毎に店舗で支払いをした日の情報を含む。判定結果D6は、後述する条件判定部205Eの判定結果である。本実施形態のデータ保存部201には、予め定めた特別日の情報D7がさらに保存されている。
【0028】
なお、特定日及び特別日の定め方は任意であるが、複数の店舗毎に毎月変わるように定めてもよいが、全顧客に共通するように予め定めてもよく、特定日に関しては、例えば顧客の誕生日を含める等のように顧客ごとに異なるように予め定めてもよい。
【0029】
[データ入出力部]
データ入出力部203は、データ保存部201に保存するデータをデータ保存部201に入力する機能と、要求に応じてデータ保存部201に保存されたデータを出力する機能を果たすものである。本実施形態のデータ入出力部203は、支払い情報D5を保存する後述の店舗側端末4の店舗側データベース401から支払い情報D5を受け取って、データ保存部201に入力する。
【0030】
[演算部]
演算部205は、情報抽出部205A、特定日予告部205B、特別日予告部205C、ポイント更新部205D、条件判定部205E及び画像変更部205Fを備えている。情報抽出部205Aは、通信端末3が送信するデータ信号に後述の撮像データが含まれる場合に、撮像データから支払い情報を抽出してデータ保存部201に保存する。特定日予告部205Bは、特定日から予め定めた日数前に、顧客の通信端末3の表示画面305に特定日を通知するための通知データを通信部207から顧客の通信端末3に送信する。特別日予告部205Cは、特別日から予め定めた日数前に、顧客の通信端末3の表示画面305に特別日を通知するための通知データを通信部207から顧客の通信端末3に送信する。本実施形態のポイントサービスでは、この特別日予告部205Cを備えることにより、特定日とは異なる特別日における店舗での支払いに応じて任意の升目にポイントの付与を示す情報を挿入できる。
【0031】
ポイント更新部205Dは、データ保存部201に保存された顧客識別情報D2、特定日の情報D3及び支払い情報D5に基づいて、ポイントの付与の可否を判断する。そしてポイントを付与する判断がなされると、顧客毎のポイントデータD4を更新する。本実施形態のポイント更新部205Dは、ポイントが付与されたことを通知するための通知データを通信部207から顧客の通信端末3に送信する機能を更に備えている。なお本実施形態のポイントサービスは、後述するように特定日とは異なる特別日における店舗での支払いに応じて任意の升目にポイントの付与を示す情報を挿入できるサービスである。
【0032】
条件判定部205Eは、顧客毎のポイントデータD4に基づいて所定の条件が満たされたか否かを判定し、判定結果をデータ保存部201に保存する。本実施形態の条件判定部205Eは、所定の条件、即ちビンゴゲームにおけるビンゴが成立したら、所定の条件、即ちビンゴが成立したことを通知するための通知データを通信部207から顧客の通信端末3に送信する機能を更に備えている。また本実施形態の条件判定部205Eは、すでに所定の条件が成立している数、即ちビンゴが成立した数を、所定の条件、即ちビンゴが成立したことを通知するための通知データと一緒に通信部207から顧客の通信端末3に送信する機能を更に備えている。
【0033】
画像変更部205Fは、演算結果に基づいて、適宜画像データを変更する。通知データは、顧客の来店を促進するための画像データD1から選択することができる。また通知データは、特定日を通知するための通知データと同じであっても異なっていてもよい。
【0034】
通信部207は、少なくとも画像データD1と、顧客毎のポイントデータD4と、判定結果D6とを顧客の通信端末3に送信する。また通信部207は、顧客の通信端末3から顧客識別情報D2を含むデータ信号を受信する。
【0035】
[顧客の通信端末]
顧客の通信端末3は、演算部301、システム側サーバー2の通信部207から送信されたデータ及び/又は結果を受信し且つ顧客識別情報D2を含むデータ信号を送信する通信部303、表示画面305、撮像装置307を少なくとも備えている。演算部301は、顧客識別情報、撮像装置307で撮像した画像等を保持するメモリ301Aと、撮像装置307で撮影した画像から情報を読み取る読み取り部301Bと、画像表示制御部301Cを備えている。画像表示制御部301Cは、通信部207から送信された画像データD1に基づく画像を表示画面305に表示するための制御信号を出力する。このような通信端末3としては、それぞれ市販の通信端末を用いることができ、例えばスマートフォンを用いることができる。
【0036】
通信端末3では、メモリ301Aにより識別情報保持機能が実現されており、通信部303により通信機能が実現されており、画像表示制御部301Cにより表示機能が実現されている。メモリ301Aは、顧客ごとに割り当てられる顧客識別情報を保持する。画像表示制御部301Cは、表示画面305にビンゴカードのマトリックスの升目と、ポイントが付与されたことを示すポイントマークと、ビンゴが成立している複数の升目を横切る線状のクロス線等を含む画像情報を表示する。特に画像表示制御部301Cは、ポイントマーク及びクロス線の少なくとも一方が、店舗毎に異なるように表示する。なお、ポイントマーク及びクロス線は、一部または全部の店舗に共通としてもよい。また画像表示制御部301Cは、表示画面305のレイアウトを顧客が変更可能に構成されている。
【0037】
読み取り部301Bは、顧客が支払いをしたときに店舗から受け取ったレシートに表示された情報を画像として読み取って、メモリ301Aに保存する。そして、通信端末3は、通信部303が送信するデータ信号に含めて、画像として読み取ったレシートに表示された情報を含むデータ信号を、通信部207を介してデータ入出力部203に送信する。なお、レシートに表示された情報は、画像以外の形式でデータ信号に含めてもよい。なお読み取り部301Bとしては、例えば通信端末3に搭載された撮像装置307によってレシートを撮像して得た撮像データから必要な情報だけを読み取ってデータ信号に含めるように構成することもできる。なおレシートに支払い情報が二次元バーコードで表示されている場合、読み取り部301Bには、撮像装置307によってレシートに表示された二次元バーコードを撮像して得た撮像データから必要な情報を読み取ってデータ信号に含める機能を含めればよい。
【0038】
なお表示画面305及び撮像装置307としては、それぞれ公知の通信端末(例えばスマートフォン)が備える表示画面及びカメラを用いることができる。
【0039】
店舗側端末4及び企業本部側端末5の機能は任意であるが、店舗側端末4及び企業本部側端末5の機能に応じて、システム側サーバー2の機能を追加または変更してもよいのは勿論である。
【0040】
[特定日及び特別日の予告]
図3は、特定日及び特別日の予告の動作のフローを示す図である。
【0041】
まずSTEP1で、データ保存部201が保存する特定日の情報D3を参照して、特定日から予め定めた日数前に該当する顧客を抽出し、該当する顧客の顧客識別情報を特定する。
【0042】
STEP2で、データ保存部201が保存するデータから画像データD1の中から特定日を予告する顧客来店促進用の画像データを決定する。
【0043】
次にSTEP3で、データ保存部201が保存する特別日の情報D7を参照して、特別日から予め定めた日数前に該当する顧客を抽出し、該当する顧客の顧客識別情報を特定する。
【0044】
STEP4で、データ保存部201が保存する画像データD1の中から特別日を予告する顧客来店促進用の画像データを決定する。
【0045】
STEP5では、STEP2及びSTEP4で決定した画像データを、該当する顧客の通信端末3に送信する。
【0046】
STEP6では、送信した画像データに基づいて通信端末3の表示画面305に、図4に一例として示す特定日又は特別日を予告する顧客来店促進用の画像が表示される。
【0047】
図5は、ポイント付与及び特典付与のフローを示す図である。まず、商品等の購入に伴い顧客による支払いが発生し(STEP11)、支払いを処理した店舗側端末4の店舗側が、支払いに伴いレシートを発行するとともに、支払い情報を作成して店舗側データベースに保存する。
【0048】
次に顧客は通信端末3の撮像装置307を用いてレシートを撮像して撮像データを作成(STEP13)し、撮像データを読み取り部301Bは、メモリ301A(識別情報保持部)に保持された顧客識別情報を含むデータ信号に撮像データを含めて、当該データ信号をシステム側サーバー2に送信する(STEP14)。STEP12で、支払い情報が二次元バーコードで表示されたレシートが発行された場合には、データ信号に二次元バーコードを撮像して得た撮像データを含めることとなる。
【0049】
情報抽出部205Aは、撮像データから支払い情報を抽出して、データ信号に含まれる顧客識別情報に対応するように当該支払い情報をデータ保存部201に保存する(STEP15)。なおSTEP15では、情報抽出部205Aにより抽出された支払い情報の代わりに、店舗側データベースから受け取った支払い情報D5をデータ保存部201に保存することができる。
【0050】
ポイント更新部205Dは、データ保存部201に保存された顧客識別情報D2、特定日の情報D3及び支払い情報D5に基づいて、ポイントの付与の可否を判断する(STEP16)。
【0051】
STEP16でポイントを付与する判断がなされた場合、ポイント更新部205Dは、顧客毎のポイントデータD4を変更し、画像変更部205Fは、顧客ごとに準備されてデータ保存部に保存されたビンゴカードの画像データD1を、該当する特定日が指定されたビンゴカードのマトリックスの升目にポイントが付与された内容に変更してデータ保存部201に保存する(STEP17)。
【0052】
STEP16でポイントを付与しない判断がなされた場合、ポイント更新部205Dは、データ保存部201に保存された顧客識別情報D2、特別日の情報D7及び支払い情報D5に基づいて、ポイントの付与の可否を判断する(STEP18)。
【0053】
STEP18でポイントを付与しない判断がなされた場合、動作終了となる。このとき、通信端末3の表示画面305に、支払いに対する謝意を示す画像を表示してもよい。
【0054】
STEP18でポイントを付与する判断がなされた場合、ポイント更新部205Dは、通信端末3からポイントを付与する箇所の決定の入力の有無を判定する(STEP19)。
【0055】
STEP2-9で箇所の決定の入力があった場合、ポイント更新部205Dは、顧客毎のポイントデータD4を変更し、画像変更部205Fは、顧客ごとに準備されてデータ保存部に保存されたビンゴカードの画像データD1を、ビンゴカードのマトリックスの升目のうち決定が入力された箇所にポイントが付与された内容に変更してデータ保存部201に保存する(STEP20)。
【0056】
STEP19で箇所の決定の入力がなかった場合には、本実施の形態のポイント更新部205Dは、顧客毎のポイントデータD4を早期にビンゴが成立する箇所にポイントが付与された内容に変更し、画像変更部205Fは、顧客ごとに準備されてデータ保存部201に保存されたビンゴカードの画像データD1を、ビンゴカードのマトリックスの升目のうち早期にビンゴが成立する箇所にポイントが付与された内容に変更してデータ保存部201に保存する(STEP21)。
【0057】
STEP17、STEP20及びSTEP21で顧客毎のポイントデータD4が更新されると、ポイント更新部205Dは、ポイントが付与されたことを通知するための通知データを通信部207から通信端末3に送信する(STEP22)。通知データは例えば、図6に一例として示すような、ポイントが付与されたことを表す画像データD1とすることができる。
【0058】
STEP22での送信後、条件判定部205Eは、顧客毎のポイントデータD4に基づいてビンゴが達成されたか(所定の条件が満たされたか)否かを判定し、判定結果D6をデータ保存部201に保存するとともに、判定結果D6を通信端末3に送信する(STEP23)。
【0059】
STEP23でビンゴが達成していない場合、動作終了となる。このとき、通信端末3の表示画面305に、支払いに対する謝意及びポイントが付与されたことを示す画像を表示するようにしてもよい。
【0060】
STEP23でビンゴが達成した場合、条件判定部205Eは、過去にビンゴが達成している数を、ビンゴが達成したことを通知するための通知データと一緒に通信部207から通信端末3に送信する(STEP24)。通知データは例えば、図7に一例として示すような、ビンゴが達成したたことを表す画像データD1とすることができる。
【0061】
STEP24での送信後、画像変更部205Fは、顧客ごとに準備されてデータ保存部に保存されたビンゴカードの画像データD1を、ビンゴが達成した内容に変更してデータ保存部201に保存する(STEP25)。
【0062】
通信部207は、ポイントが付与された内容(及びビンゴが達成した内容)に変更された画像データD1を通信端末3に送信する(STEP26)。
【0063】
通信端末3の画像表示制御部301Cは、受信した画像データD1に基づいて、表示画面305にビンゴカードのマトリックスの升目と、ポイントが付与されたことを示すポイントマークと、ビンゴが成立している複数の升目を横切る線状のクロス線とを表示する(STEP27)。
【0064】
図8は、画像データD1に基づいて表示画面305に表示される画像の一例である。図8の例では、「指定日」の項目の下に、ビンゴカードを模した3×3のマトリックスの升目が示されており、各升目には予め定めた特定日が表示される。また「お助けデー(特別日)」の項目と、この「お助けデー」の項目の下に1×3のマトリックスの升目とがさらに示されており、各升目には予め定めた特定日が表示される。更に「カレンダー」の項目と、この「カレンダー」の項目の下に7×5のマトリックスの升目とがさらに示されており、7×5のマトリックスには、該当月のカレンダーが表示される。なお図8では、いずれの升目にも特定日、特別日及びカレンダーは示されてない。
【0065】
本実施形態の画像表示制御部301Cは、表示画面のレイアウトを顧客が変更できるように構成されている。図9は、顧客によりレイアウトが変更された表示画面305の一例である。
【0066】
図8及び図9の例では、「指定日」(特定日)の項目、「お助けデー」(特別日)の項目及び「カレンダー」の項目を操作することにより、各項目の下に設けられた升目を表示するか否かを切り替え可能となっている。
【0067】
図10乃至図12は、ビンゴカードを模した3×3のマトリックスの升目の表示の変形例を示す図である。図10(A)乃至(C)の例では、画像表示制御部301Cは、条件判定部205Eが送信する過去にビンゴが達成している数の情報に基づいて、過去に所定の条件が成立している数[1]、[3]及び[8]を、ビンゴカードを模した3×3のマトリックスの升目に隣接して表示している。
【0068】
図11(A)乃至(C)の例では、画像表示制御部301Cは、ポイントマークを、店舗ごとに異なるように表示している。
【0069】
図12(A)乃至(C)の例では、画像表示制御部301Cは、ビンゴが成立している複数の升目を横切る線状のクロス線を、店舗ごとに異なるように表示している。
【0070】
上記実施形態においては、データ保存部201、データ入出力部203、ポイント更新部205D、条件判定部205E及び通信部207をシステム側サーバー2内に実現しているが、これらは他のサーバー及び端末等の内部に実現してもよい。
【0071】
上記実施形態においては、ポイント更新部205D及び条件判定部205Eを演算部205内に実現しているが、これらは演算部205の外部に実現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、顧客の通信端末に、ポイントの付与の可否及び所定の条件の判定結果が送信され、店舗に来ていない顧客の通信端末の画面でそれらを確認することができるので、画面表示により顧客に対して店舗に行くことを促すことができ、従来よりも顧客の来店を促進することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 顧客来店促進システム
2 システム側サーバー
201 データ保存部
D1 画像データ
D2 顧客識別情報
D3 特定日の情報
D4 ポイントデータ
D5 支払い情報
D6 判定結果
D7 特別日の情報
203 データ入出力部
205 演算部
205A 情報抽出部
205B 特定日予告部
205C 特別日予告部
205D ポイント更新部
205E 条件判定部
205F 画像変更部
207 通信部
3 顧客の通信端末
301 演算部
301A メモリ(識別情報保持部)
301B 読み取り部
301C 画像表示制御部
303 通信部
305 表示画面
307 撮像装置
4 店舗側端末
5 企業本部側端末
図1
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図8
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図10
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図12