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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112071
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0063 20190101AFI20240813BHJP
【FI】
F24F1/0063
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016912
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 懐瑞
(72)【発明者】
【氏名】粟野 真和
(72)【発明者】
【氏名】小栗 誠
(72)【発明者】
【氏名】島田 幸恵
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BE01
(57)【要約】
【課題】伝熱管内を通流する冷媒音が外部に漏れることを抑制する。
【解決手段】端部に折り曲げ部19を有する伝熱管15を複数備えた熱交換器6と、弾性部材で構成され前記伝熱管15を支持する第1の支持部21と、を備え、前記第1の支持部21は、複数の前記伝熱管15の前記折り曲げ部19のうち全ての前記折り曲げ部19を覆い、かつ前記折り曲げ部19の少なくとも一部に接触している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部に折り曲げ部を有する伝熱管を複数備えた熱交換器と、
弾性部材で構成され前記伝熱管を支持する第1の支持部と、を備え、
前記第1の支持部は、複数の前記伝熱管の前記折り曲げ部のうち全ての前記折り曲げ部を覆い、かつ前記折り曲げ部の少なくとも一部に接触している、
空気調和機。
【請求項2】
前記第1の支持部は、前記折り曲げ部の形状に沿って密着している、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記第1の支持部は、前記折り曲げ部の外側の形状よりやや小さい寸法または同一の寸法である、
請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
クロスフローファンの軸受を支持する第2の支持部を更に備え、
前記第1の支持部と前記第2の支持部とは接合されている
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項5】
クロスフローファンの軸受を支持する第2の支持部を更に備え、
前記第1の支持部と前記第2の支持部とは一体成形されている、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記弾性部材は、ゴム部材である、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記第2の支持部は、樹脂部材により形成されている、
請求項4または5に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内機に熱交換器を搭載した空気調和機が知られている。例えば特許文献1には、室内機に複数の伝熱管(冷媒配管)を有する熱交換器を搭載した空気調和機が記載されている。この特許文献1における熱交換器は、当該熱交換器の左端側に第1のエンドプレートと、当該熱交換器の右端側に第2のエンドプレートと、を有し、これらエンドプレートにより、空気調和機の左右方向に延びる複数の伝熱管を支持するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-081096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の熱交換器における伝熱管は、アルミニウムや銅を材料とするが、アルミニウムを材料とした場合、銅に比べて伝熱管内を通流する冷媒の冷媒音が室内等に響く可能性がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、伝熱管内を通流する冷媒の冷媒音が外部に漏れることを抑制可能な空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、端部に折り曲げ部を有する伝熱管を複数備えた熱交換器と、弾性部材で構成され前記伝熱管を支持する第1の支持部と、を備え、前記第1の支持部は、複数の前記伝熱管の前記折り曲げ部のうち全ての前記折り曲げ部を覆い、かつ前記折り曲げ部の少なくとも一部に接触しているものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、伝熱管内を通流する冷媒の冷媒音が外部に漏れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】空気調和機を示す外観構成図である。
図2】空気調和機の冷媒回路を示す図である。
図3】室内機の部分拡大図である。
図4】本実施形態における支持部(第1の支持部および第2の支持部)を説明するための図である。
図5】第1の支持部を説明するための図である。
図6】支持部を含む室内機の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態に係る空気調和機1を示す外観構成図である。空気調和機1は、冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)で冷媒を循環させることによって、空調を行う。図1に示すように、空気調和機1は、室内(被空調空間)に設置される室内機2と、屋外(室外)に設置される室外機3と、ユーザによって操作されるリモコン4とを備えている。
【0010】
室内機2は、リモコン通信部5を備えている。リモコン通信部5は、赤外線通信等によって、リモコン4との間で所定の信号を送受信する。例えば、リモコン通信部5は、運転指令、停止指令、設定温度の変更、運転モードの変更、もしくは、タイマの設定等の信号をリモコン4から受信する。また、リモコン通信部5は、室内温度の検出値等をリモコン4に送信する。なお、図1では省略しているが、室内機2と室外機3とは、冷媒配管を介して接続されるとともに、通信線を介して接続されている。
【0011】
図2は、実施形態に係る空気調和機1の冷媒回路Qを示す図である。なお、図2に示す実線の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示している。また、図2に示す破線の矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示している。
【0012】
室内機2は、リモコン通信部5の他に、室内熱交換器6と、クロスフローファン(貫流ファンや室内ファンとも称される)7とを備えている。室内熱交換器6においては、後述する伝熱管15を通流する冷媒と、クロスフローファン7から送り込まれる室内空気との間で熱交換が行われる。室内熱交換器6は、後述の四方弁13の切り替えにより凝縮器または蒸発器として動作する。クロスフローファン7は、室内熱交換器6の付近に設置されている。クロスフローファン7は、室内ファンモータ8の駆動によって、室内熱交換器6に室内空気を送り込む。この室内機2の具体的な構成については、後述する。
【0013】
室外機3は、圧縮機9と、室外熱交換器10と、室外ファン11と、室外膨張弁(膨張弁)12と、四方弁13とを備えている。圧縮機9は、圧縮機モータ14の駆動によって、低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒として吐出する。室外熱交換器10においては、伝熱管(図示せず)を通流する冷媒と、室外ファン11から送り込まれる外気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器10は、四方弁13の切り替えにより凝縮器または蒸発器として動作する。
【0014】
室外ファン11は、図1に示すように、室外熱交換器10の付近に設置されている。室外ファン11は、室外ファンモータ11aの駆動によって、室外熱交換器10に外気を送り込む。室外膨張弁12は、「凝縮器」(室外熱交換器10および室内熱交換器6の一方)で凝縮した冷媒を減圧する機能を有している。なお、室外膨張弁12において減圧された冷媒は、「蒸発器」(室外熱交換器10および室内熱交換器6の他方)に導かれる。
【0015】
四方弁13は、空気調和機1の運転モードに応じて、冷媒の流路を切り替える弁である。四方弁13の切り替えにより、冷房運転時には、破線矢印で示すように、圧縮機9、室外熱交換器(凝縮器)10、室外膨張弁12、および室内熱交換器(蒸発器)6の順に冷媒が循環する冷凍サイクルとなる。また、四方弁13の切り替えにより、暖房運転時には、実線矢印で示すように、圧縮機9、室内熱交換器(凝縮器)6、室外膨張弁12、および室外熱交換器(蒸発器)10の順に冷媒が循環する冷凍サイクルとなる。すなわち、圧縮機9、「凝縮器」、室外膨張弁12、および「蒸発器」を順次に介して冷媒が循環する冷媒回路Qにおいて、前記した「凝縮器」および「蒸発器」の一方は室外熱交換器10であり、他方は室内熱交換器6である。
【0016】
ここで、室内機2の構成についてより具体的に説明する。図3は、室内機2の一部分を拡大した斜視図であり、この図3の例は、室内機2を正面視した場合に、当該室内機2を左斜め上から見た状態を示している。室内機2は、筐体16と、当該筐体16内に配置される上述のクロスフローファン7、および、室内熱交換器6を備える。クロスフローファン7は、上述のように、室内からの空気を取り込み、取り込んだ空気を室内熱交換器6で熱交換し、当該熱交換した空気を室内に送り出すファンである。このクロスフローファン7は、筐体16内に収容されるように、室内機2の長手方向(図3の紙面左右方向)において所定の長さを有する円筒形状であって、クロスフローファン7の回転中心軸線は室内機2の長手方向と平行となっている。
【0017】
また、クロスフローファン7の左端側には、クロスフローファン7を回転可能に支持する軸受17が設けられている。そして、図示しないものの、当該クロスフローファン7を回転させるための上述の室内ファンモータが筐体16の端部(クロスフローファンの右端側)に設けられている。
【0018】
室内熱交換器6は、複数列に配列された伝熱管15と、フィン(図示せず)と、折り曲げ部19と、を備えたフィンチューブ型の熱交換器である。この室内熱交換器6は、本実施形態において、図3に示すように、クロスフローファン7を覆うように逆U字状(または逆V字状)の形状となっている。伝熱管15は、冷媒を通流させる管であり、円管状または扁平管状に形成されている。図3に示す例では、その伝熱管15が上述の逆U字状(または逆V字状)の形状に沿って、かつ室内機2の長手方向に配列されている。なお、伝熱管15は、上述のように、複数列に配列(例えばクロスフローファン7の半径方向に2列、3列等)されるが、この図3に示す例では、作図の都合上、当該半径方向において1列の表示となっている。また、図3以降の図において、伝熱管15および後述する折り曲げ部19は複数存在するが、これら伝熱管15および折り曲げ部19を指す符号は、代表的に2つずつ示している。
【0019】
フィンは、空気と伝熱管15との伝熱面積を増大させて空気と冷媒との熱交換を促進する伝熱促進部材であって、本実施形態では、薄板状のフィンが伝熱管15の長手方向に沿って複数積層されている。そして、上述の各伝熱管15は、フィンに対して掛け渡されるように(もしくは直交するように)フィンの貫通孔に挿入されて、フィンと伝熱管15とが互いに密着している。
【0020】
折り曲げ部19は、複数の伝熱管15の端部同士を接続するベント管であり、伝熱管15の端部に設けられている。この折り曲げ部19は、本実施形態ではU字状に形成されている。すなわち、折り曲げ部19が、複数の伝熱管同士の間に介在して、当該伝熱管同士を接続することにより、複数の伝熱管15を直列に接続して長い冷媒流路を構成している。なお、図3に示す例では、折り曲げ部19は、室内機2の長手方向に延在する伝熱管15のうち図示する一方の端部のみに形成されているが、図示しない他方の端部にも同様に折り曲げ部19が形成されている。
【0021】
また、これら伝熱管15、フィン、および、折り曲げ部19は、本実施形態においては、比較的安価で軽量なアルミニウム(またはアルミニウム合金)を材料として形成されている。
【0022】
そして、室内熱交換器6、および、クロスフローファン7は、室内機2の筐体16内に配置されるとともに、支持部20を介して当該筐体16に固定される。図4は、本実施形態における支持部20の一例を示す図である。図5は、第1の支持部21により、折り曲げ部19を覆って支持する場合の一例を示す図である。支持部20は、室内機2の長手方向に延在する複数の伝熱管15を当該伝熱管15の両端(言い換えれば室内熱交換器6の両端)で支持するサイドプレートである。本実施形態においては、両端のうちの一方(左端)のみの支持部20を図示し、両端のうちの他方(右端)の支持部については一方の支持部20と同様の構成であるため省略してある。支持部20は、折り曲げ部19を含む伝熱管15を支持する第1の支持部21と、クロスフローファン7の軸受17を支持する第2の支持部22と、を含む。本実施形態においては、伝熱管15を支持するように、伝熱管15の端部の形状(すなわち折り曲げ部19の形状)に沿った第1の支持部21が形成され、同様にクロスフローファン7の軸受17を支持するように、当該軸受17およびクロスフローファン7の形状に沿った第2の支持部22が形成されている。
【0023】
支持部20についてより具体的に説明する。先ず、第1の支持部21は、弾性部材である。例えばゴム材料(例えばシリコーンゴム)によって形成される。上述のように、伝熱管15、フィン、折り曲げ部19を含む室内熱交換器6は、アルミニウムにより構成されている。一方、アルミニウムは例えば銅に比べて軽量であるが、軽量であることにより銅により伝熱管15等を構成した場合に比べて伝熱管15内を通流する冷媒の冷媒音が室内に響くおそれがある。また、折り曲げ部19などの部品は、寸法公差が存在することから各折り曲げ部19の大きさに個体差がある。そのため、第1の支持部21は、冷媒音の発生を抑制でき、かつ折り曲げ部19の個体差に対応可能な部材であることが好ましい。そこで、本実施形態においては、これらの条件を満たす第1の支持部21としてゴム材料を用いるように構成されている。つまり、第1の支持部21としてゴム材料を採用することで、ゴムの伸び縮みする性質により、折り曲げ部19の個体差に対応でき、ゴムの弾性力によって、冷媒音の発生を抑制することができる。
【0024】
また、第1の支持部21は、各折り曲げ部19の形状に沿うように形成され、図4に示す例では、クロスフローファン7の半径方向に複数配列された折り曲げ部19の形状に沿うようにU字状(または半円状)の中空構造により形成されている。また、第1の支持部21は、図5に示すように、当該第1の支持部21で各折り曲げ部19を覆った際に、当該折り曲げ部19の形状に沿って密着するようになっている。すなわち、第1の支持部21は、折り曲げ部19の外側の形状よりやや小さい寸法、または、折り曲げ部19と同一の寸法となるように形成されている。このように、折り曲げ部19に密着した形状とすることで、冷媒音の発生を抑制する効果(言い換えれば防音効果)をより発揮させることができるためである。
【0025】
なお、この第1の支持部21の形状は、伝熱管15内を通流する冷媒の冷媒音を抑制できればよい。第1の支持部21の形状は、図5に示すように、必ずしも折り曲げ部19の形状に沿って密着する形状に限られない。すなわち、第1の支持部21で1つの折り曲げ部19を覆った際に、当該折り曲げ部19の外周面の全てに接触しない形状であってもよい。言い換えれば、第1の支持部21は、1つの折り曲げ部19を覆った際に、折り曲げ部19の少なくとも一部に接触していればよい。折り曲げ部19の少なくとも一部に第1の支持部21が接触していることで冷媒音を抑制することが可能なためである。
【0026】
また、本実施形態において、折り曲げ部19は、上述のように複数設けられているものの、第1の支持部21は、複数の折り曲げ部19のうち少なくとも1つの折り曲げ部19を覆うように形成されていればよい。すなわち図5に示すように、全ての折り曲げ部19を覆う他、複数存在する折り曲げ部19のうち一部の折り曲げ部19を覆うように構成してもよい。このような場合の例としては、例えば折り曲げ部19の付近に冷媒の温度を検出する温度センサ(図示せず)が設けられている場合に、当該温度センサを覆わないようにするために、温度センサの付近の折り曲げ部19は覆わない例が想定される。
【0027】
第2の支持部22は、少なくともクロスフローファン7の軸受17を支持する部材であり、本実施形態においては、図4に示すように、当該軸受17およびクロスフローファン7を支持するように形成されている。具体的には、第2の支持部22は、クロスフローファン7の端部の全体を覆うように形成されたファン支持部22aと、軸受17の外周面の一部の形状に沿って半円状に形成された軸受支持部22bと、を含む。この半円状の軸受支持部22bに、軸受17の外周面の一部が係合する。そして、これらファン支持部22aと軸受支持部22bとを含む第2の支持部22は、筐体16に固定する際の機械的強度を保持または担保するために、樹脂部材(例えばABS樹脂)によって形成されている。
【0028】
また、本実施形態においては、上述のように、第1の支持部21により伝熱管15を支持し、第2の支持部22によりクロスフローファン7およびクロスフローファン7の軸受17を支持する。すなわち第1の支持部21と第2の支持部22との位置関係は、クロスフローファン7の半径方向内側を第2の支持部22で支持し、クロスフローファン7の半径方向外側を第1の支持部21で支持する。
【0029】
さらに、本実施形態においては、第1の支持部21と第2の支持部22とが一体成形されている。一体成形の手段は種々の手法であってよく、例えばゴム部材である第1の支持部21をインサート品として、樹脂部材である第2の支持部22で第1の支持部21を覆うインサート成形によって成形される。これにより、第1の支持部21と第2の支持部22とが一体化される。図6は、このように第1の支持部21と第2の支持部22とを一体成形した支持部20を室内熱交換器6およびクロスフローファン7の端部に取り付けた場合の例である。
【0030】
なお、室内熱交換器6およびクロスフローファン7の筐体16への固定は、上述のように支持部20を介して行われ、当該固定方法は、本実施形態においては、ネジ23および爪部24による引っ掛けにより固定される。この固定方法は、その他、リベット加工、カシメ加工、溶接(例えばスポット溶接)など適宜の方法であってよい。
【0031】
以上、本実施形態においては、上述のように、室内機2に、室内熱交換器6およびクロスフローファン7を支持する支持部20を備えている。そして、この支持部20は、伝熱管15を支持する第1の支持部21と、クロスフローファン7の軸受17を支持する第2の支持部22と、を含む。第1の支持部21は、ゴム材料等の弾性部材により構成され、伝熱管15の折り曲げ部19を覆い、かつ当該折り曲げ部19の少なくとも一部に接触している。そのため、伝熱管15内を通流する冷媒の冷媒音が室内等の外部に漏れること抑制できる。すなわち第1の支持部21と折り曲げ部19とを接触させることで、伝熱管15内で発生する冷媒音が第1の支持部21で低減されるため、当該冷媒音が室内等の外部に漏れることを抑制できる。つまり、第1の支持部21により防音効果を発揮させることができる。そして、このように、室内への冷媒音が漏れることを抑制できることにより、室内において冷媒音が響く可能性を抑制でき、ひいては利用者に当該冷媒音が響くことによる不快感等を与える可能性を回避または抑制できる。
【0032】
また、本実施形態では、上述のように、第1の支持部21は、折り曲げ部19の形状に沿って密着している。すなわち、第1の支持部21は、折り曲げ部19の外側の形状よりやや小さい寸法または折り曲げ部19と同一の寸法となっている。第1の支持部21と折り曲げ部19との接触面積が大きいほど、防音効果を発揮できるため、冷媒音や振動が室内等の外部に漏れることを抑制できる。したがって、本実施形態においては、このように第1の支持部21を折り曲げ部19の形状に沿って密着させることにより、より冷媒音が室内等の外部に漏れることを抑制できる。
【0033】
また、第1の支持部21は、上述のように伸び縮みするゴム部材であり、当該ゴム材料により折り曲げ部19を覆うことで、例えば各折り曲げ部19において、寸法公差による個体差があった場合であっても、ゴムの伸び縮みする性質により例えば第1の支持部21がプラスチック等の部材により構成されている場合に比べて、折り曲げ部19を容易に覆うことができる。すなわち、第1の支持部21の折り曲げ部19への取り付けが容易となる。
【0034】
また、本実施形態では、第1の支持部21と第2の支持部22とが、第1の支持部21をインサート品としたインサート成形により一体成形されている。そのため、支持部20を製造する際に、例えば第1の支持部21と第2の支持部22とを別々に成形する場合に比べて部品点数の低減、および、製造工程の低減を図ることができる。すなわち、製造コストを低減することができる。また、第2の支持部22は、筐体16へ固定する際の機械的強度を保持または担保するために樹脂部材により形成されている。つまり、本実施形態では、ゴム部材である第1の支持部21と、樹脂部材である第2の支持部22と、を一体成形することにより、機械的強度を担保しつつ、支持部20を製造する際の部品点数の低減および製造工程の低減を図ることができる。
【0035】
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。すなわち特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、以下に説明する種々の変形や変更が可能である。例えば、上述の実施形態において、折り曲げ部19は、U字状に形成されていた例を説明したが、この折り曲げ部19の形状や当該折り曲げ部19を覆う第1の支持部21の形状は、U字状に限られず、例えば矩形状であってもよい。また、上述の第1の支持部21と第2の支持部22との、一体成形は、インサート成形に限らず、例えば二色成形などの複数成形であってもよい。さらに、第1の支持部21と第2の支持部22とは一体成形に限られず、各支持部を別々に成形した後に接合することで第1の支持部21と第2の支持部22とが一体になるように構成してもよい。
【0036】
また、上述の実施形態では、熱交換器として室内熱交換器6を例として説明したものの、当該熱交換器は室外熱交換器10であってもよい。室外熱交換器10に本発明を適用した場合には、室外熱交換器10における伝熱管内を通流する冷媒の冷媒音が外部に響く可能性を抑制できる。
【符号の説明】
【0037】
1 空気調和機
2 室内機
3 室外機
4 リモコン
5 リモコン通信部
6 室内熱交換器
7 クロスフローファン
8 室内ファンモータ
9 圧縮機
10 室外熱交換器
11 室外ファン
11a 室外ファンモータ
12 室外膨張弁
13 四方弁
14 圧縮機モータ
15 伝熱管
16 筐体
17 軸受
19 折り曲げ部
20 支持部
21 第1の支持部
22 第2の支持部
22a ファン支持部
22b 軸受支持部
23 ネジ
24 爪部
図1
図2
図3
図4
図5
図6