(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112115
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 15/64 20060101AFI20240813BHJP
B65G 43/02 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
B65G15/64
B65G43/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016989
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】592001333
【氏名又は名称】ライン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】中井 健滋
【テーマコード(参考)】
3F023
3F027
【Fターム(参考)】
3F023AA03
3F023BA02
3F023BB02
3F023GA04
3F027AA02
3F027CA01
3F027DA25
3F027EA01
(57)【要約】
【課題】安価に製造することができ、構造がシンプルで容易にメンテナンスすることができる上、駆動ロールが空転してしまう事態を高い精度で防止して、ベルトの脱落や搬送物の落下を生じさせない搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置1は、金属製の基台2、駆動装置4、左右一対の無端ベルト5a,5b、センサ12,12・・等によって構成されている。そして、前側の従動ロールである支軸体8aの係合ロール10,10の内側に、モータ4に装着されたスプロケット(駆動スプロケット)15が配置されており、無端ベルト5a,5bがスプロケット15と係合しているとともに、無端ベルト5a,5bの弛みを防止するための弛み防止ロール17が、無端ベルト5a,5bのスプロケット15に係合した部分の外面と所定の距離を隔てて隣接するように配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後の従動ロールまたは従動スプロケットに懸架させた無端ベルトを駆動装置により移動させることによって前記無端ベルト上に載置された物品を搬送する搬送装置であって、
前記前側あるいは後側の従動ロールまたは従動スプロケットの内側に、前記駆動装置に装着された駆動スプロケットが配置されており、前記無端ベルトが前記駆動スプロケットに係合しているとともに、
前記無端ベルトの弛みを防止するための弛み防止ロールが、前記無端ベルトの前記駆動スプロケットに係合した部分の外面と所定の距離を隔てて近接するように配置されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記駆動スプロケットに係合した前記無端ベルトの外面と前記弛み防止ロールとの距離が、1mm以上10mm以下に調整されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記無端ベルトが、合成樹脂製のものであることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記弛み防止ロールが、前記駆動スプロケットより内側に配置されており、
前記弛み防止ロールによって、前記駆動スプロケットに対する前記無端ベルトの抱き角が100°以上165°未満になるように調整されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の製造、輸送のラインにおいて用いられるベルト式の搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の搬送装置としては、駆動ロールと従動ロール(アイドルロール)との間に無端ベルト(エンドレス状のベルト)が掛け渡されており、当該無端ベルトを駆動ロールの駆動によって走行させる(移動させる)ことによって、ベルト上に載置された物品を搬送するもの(所謂、ベルトコンベア)が知られている。そのようなベルト式の搬送装置は、長期間に亘って使用されると、無端ベルトが弛んでしまい、駆動ロールの空転を誘発し、ベルトの脱落や搬送物の落下を招来してしまう。殊に、重量物搬送用の搬送装置においては、そのような傾向が顕著なものとなる。
【0003】
それゆえ、無端ベルトが弛まないように、特許文献1の如く、ロール間の無端ベルトの弛みを検知する弛み検知手段と、その弛み検知手段によって無端ベルトの弛みが検知されたときに、その弛みが矯正されるように無端ベルトのテンションを調整するための昇降可能なロールからなるテンション調整手段とを設けた搬送装置が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の搬送装置は、テンション調整手段としてロールを昇降可能に設けなければならず、安価に製造することが困難である。また、特許文献1に記載の搬送装置は、実際に無端ベルトの弛みが生じて弛み検知手段によって検知されなければテンション調整手段が作動しないため、駆動ロールが空転してしまう事態を完全に防止することはできなかった。
【0006】
本発明の目的は、上記特許文献1の如き従来の搬送装置が有する問題点を解消し、安価に製造することができ、構造がシンプルで容易にメンテナンスすることができる上、駆動ロールが空転してしまう事態を高い精度で防止して、ベルトの脱落や搬送物の落下を生じさせない実用性の高い搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内、請求項1に記載された発明は、前後の従動ロールまたは従動スプロケットに懸架させた無端ベルトを駆動装置により移動させることによって前記無端ベルト上に載置された物品を搬送する搬送装置であって、前記前側あるいは後側の従動ロールまたは従動スプロケットの内側に、前記駆動装置に装着された駆動スプロケットが配置されており、前記無端ベルトが前記駆動スプロケットに係合しているとともに、前記無端ベルトの弛みを防止するための弛み防止ロールが、(被搬送物を搬送していない状態において)前記無端ベルトの前記駆動スプロケットに係合した部分の外面と所定の距離を隔てて近接するように配置されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記駆動スプロケットに係合した前記無端ベルトの外面と前記弛み防止ロールとの距離が、1mm以上10mm以下に調整されていることを特徴とするものである。なお、駆動スプロケットに係合した無端ベルトの外面と弛み防止ロールとの距離とは、駆動スプロケットの周りで変形(屈曲)しながら移動する無端ベルトにおける駆動スプロケットの軸心から最も突出した部分(エレメント同士の接合部分)の外面と弛み防止ロールとの距離を意味する。また、当該無端ベルトの外面と弛み防止ロールとの距離は、1.5mm以上5.0mm以下であると、より好ましい。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記無端ベルトが、合成樹脂製のものであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載された発明は、請求項1~3のいずれかに記載された発明において、前記弛み防止ロールが、前記駆動スプロケットより内側に配置されており、前記弛み防止ロールによって、前記駆動スプロケットに対する前記無端ベルトの抱き角が100°以上165°未満になるように調整されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の搬送装置は、安価な構成によって、特に重量物を搬送する際に、伸張した無端ベルトが弛んで、懸架された駆動スプロケットから外れてしまい、駆動スプロケットが空転する事態を高い精度で効果的に防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の搬送装置は、駆動スプロケットに係合した無端ベルトの外面と弛み防止ロールとが適切な距離に調整されているので、伸張した無端ベルトが弛むことに起因した不具合を、きわめて高い精度で効果的に防止することができる。
【0013】
請求項3に記載の搬送装置は、搬送される物品(あるいはケースやコンテナ)が金属製のものである場合でも、適度な摩擦抵抗を発現させることによって、当該物品が、無端ベルト上でスリップしてしまう事態を防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の搬送装置は、無端ベルトが大幅に伸張した場合に、駆動スプロケットと噛合しなくなって駆動スプロケットと弛み防止ロールとの間に嵌まり込んで移動しなくなる事態を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】搬送装置のロールフォーメーションを示す説明図(右側面図)である。
【
図4】駆動スプロケットの設置部分を拡大して示す説明図(右側面図)である。
【
図5】弛み防止ロールの作動内容を示す説明図(右側面図)である(aは無端ベルトが弛んでいない状態を示したものであり、bは無端ベルトが弛んだ状態を示したものである)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る搬送装置の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
<搬送装置の構造>
図1、
図2は、搬送装置を示したものであり、搬送装置(ベルトコンベア)1は、金属製の基台2、駆動装置4、左右一対の無端ベルト5a,5b、センサ12,12・・等によって構成されている。
【0017】
基台2は、左右のサイドフレーム3a,3b、左右4本ずつの支柱6,6・・、6つの支承体7,7・・、5本の従動ロール13,13・・、前後の支軸体8a,8b、4本の補強フレーム9,9・・等によって一体的に組み付けられている。なお、当該基台2は、前後約3,000mm、左右約1,200mm、高さ約1,000mmの大きさを有している。
【0018】
左右の各サイドフレーム3a,3bは、上下の端縁際を一定幅で外向きに折り返したC字鋼であり、一定の距離を隔てて、板面が対向するように平行に配置されている。そして、それらの各サイドフレーム3a,3bの下端縁際には、所定の径(約・・mmφ)を有する4本の従動ロール13,13・・、および、それらの従動ロール13,13・・よりわずかに大径(約・・mmφ)の案内ロール14が装着されている。
【0019】
図3は、搬送装置のロールフォーメーションを示したものであり、従動ロール13,13・・および案内ロール14は、案内ロール14を前端に配置させて等間隔で平行になるように、同一の高さ位置に枢着されている(すなわち、回転可能に支持されている)。なお、前端の案内ロール14は、上面を他の従動ロール13,13・・の上面よりわずかに下側(約・・mm)に位置させた状態になっている。
【0020】
一方、それらの各サイドフレーム3a,3bの上端縁際には、6つの支承体7,7・・が、等間隔で平行になるように、同一の高さ位置に固着されている。各支承体7,7・・は、前後の端縁際を一定幅で下向きに折り返したC字鋼であり、それらの各支承体7,7・・の上面が、同一な水平面を形成した状態になっている。
【0021】
また、左右の各サイドフレーム3a,3bの上端縁際で前後両端の支承体7,7の外側には、それぞれ、支軸体8a,8bが、前後両端の支承体7,7と平行になるように同一の高さ位置に枢着されている。各支軸体8a,8bは、角柱状の支軸の左右の両端に、扁平な円柱状の複数の歯車体を左右方向に並べて固定させたものであり、それらの複数の歯車体が、無端ベルト5a,5bよりわずかに幅広な係合ロール(スプロケット)10,10を形成した状態になっている。そして、左右の係合ロール10,10の中心を貫通した角柱状の支軸の外側の部分が、左右の各サイドフレーム3a,3bに枢着された状態になっている。
【0022】
また、左右の各サイドフレーム3a,3bの下端の折り返し部分には、それぞれ、4本の支柱6,6・・が、等間隔で平行になるように、鉛直状に固着されている。さらに、同じ前後位置の左右一対の支柱6,6は、C字鋼である補強フレーム9によって、中央よりやや下側の高さ位置において連結されている。
【0023】
加えて、右側の各サイドフレーム3a,3bの前端際の下側には、駆動装置であるモータ4が固着されている。そして、モータ4の本体から内側に突出した駆動軸16が、案内ロール14と平行に配置された状態になっている(
図2参照)。当該モータ4の駆動軸16には、所定の左右幅(約150mm)のスプロケット(駆動スプロケット)15が固着されており、各支軸体8a,8bの右側に固着された係合ロール10と同じ左右位置に配置された状態になっている。
【0024】
そして、前後の支軸体8a,8bの左右両端際の係合ロール10,10には、それぞれ、所定の幅(約150mm)の無端ベルト5a,5bが、同一面を形成し、前後に長尺な環を描くように懸架されている。各無端ベルト5a,5bは、硬質の合成樹脂(ポリプロピレン)によって形成された所定の長さ(前後の結合部分同士の長さ=約35mm)の多数のエレメントE,E・・を、軸部材P,P・・によって枢着したものである。また、各エレメントE,E・・の裏面には、スプロケット(駆動スプロケット15、係合ロール10)の歯車と係合可能な複数の係合凹部が横方向に並べて形成されている。
【0025】
そのように前後の支軸体8a,8bに懸架された無端ベルト5a,5bの上側の部分は、各支承体7,7・・の上面の上側に配置された状態になっている。一方、無端ベルト5a,5bの下側の部分は、各従動ロール13,13・・および案内ロール14の上側に配置され、案内ロール14の前側に懸架されて、右側においてはZ字を描くように、左側においてはS字を描くように、モータ4の駆動軸16に固着されたスプロケット15の後側に懸架された状態になっている。そして、スプロケット15の前側に導かれた無端ベルト5a,5bが、前側の支持体8aの係合ロール10,10に案内されようになっている。
【0026】
図4は、モータ4の駆動軸16に固着されたスプロケット15の周囲を拡大して示したものである。スプロケット15の下側には、被搬送物の搬送中に、前側まで導かれた無端ベルト5a,5bが前方の支持体8aの係合ロール10,10との間で弛んでスプロケット15から外れてしまう事態(すなわち、スプロケット15が空転してしまう事態)を防止するための金属製の弛み防止ロール17が取り付けられている。当該弛み防止ロール17は、軸方向がモータ4の駆動軸16等と平行になるように、支柱6に固着された支持板18に枢着されている。
【0027】
そして、通常の状態(被搬送物を搬送していない状態、すなわち、スプロケット15に懸架された無端ベルト5a,5bが弛んでいない状態)においては、スプロケット15の上側の無端ベルト5a,5bとの接点Pと駆動軸16の軸心とを結ぶ直線と、弛み防止ロール17の軸心と駆動軸16の軸心とを結ぶ直線とが所定の角度(α=155°)を成した状態になっている(
図3参照)。また、弛み防止ロール17の外面とスプロケット15に懸架された無端ベルト5a,5bの外側面との間に、所定の間隔の隙間(G=2.0mm)が形成された状態になっている。
【0028】
一方、
図1の如く、懸架された左右の無端ベルト5a,5bの内側には、それぞれ、長尺なガイド板11が、6つの支承体7,7・・に跨がるように固着(垂設)されており、無端ベルト5a,5bの内端縁に沿って所定の高さの壁を形成した状態になっている。さらに、左右の各サイドフレーム3a,3bの前端際、および、左側のサイドフレーム3bの後端際には、無端ベルト5a、5b上の物品(被搬送物)Mの搬送状態を監視するためのセンサ12,12・・が装着されている。
【0029】
<搬送装置の利用方法および作用>
上記の如く構成された搬送装置1においては、外部からの電源を駆動装置であるモータ4へ供給して駆動軸16を回転させることによって無端ベルト5a,5bを(上側において)前方から後方へ移動させることによって、左右の無端ベルト5a,5bに跨がるように載置された物品M(コンテナ等)を前方から後方へ搬送する。
【0030】
また、搬送される物品Mが軽量物である場合には、
図5(a)の如く、駆動軸16に固着されたスプロケット15と支軸体8の係合ロール10,10との間に懸架された無端ベルト5a,5bは、弛むことなく直線状に保たれる。一方、物品Mが重量物である場合には、
図5(b)の如く、無端ベルト5a,5bが、駆動軸16に固着されたスプロケット15の前方で弛んでしまう。しかしながら、スプロケット15の後方に隣接するように設けられた弛み防止ロール17によって、無端ベルト5a,5bのスプロケット15への抱き角(スプロケット15の周囲の捲回量)が小さくなってスプロケット15から外れてしまう事態(すなわち、スプロケット15が空転する事態)が効果的に防止される。
【0031】
<搬送装置の効果>
搬送装置1は、上記の如く、前側の従動ロールである支軸体8aの係合ロール10,10の内側に、モータ4に装着されたスプロケット(駆動スプロケット)15が配置されており、無端ベルト5a,5bがスプロケット15と係合しているとともに、無端ベルト5a,5bの弛みを防止するための弛み防止ロール17が、(被搬送物を搬送していない状態において)無端ベルト5a,5bのスプロケット15に係合した部分の外面と所定の距離を隔てて近接するように配置されている。そのため、搬送装置1によれば、安価な構成によって、特に重量物を搬送する際に、伸張した無端ベルト5a,5bが弛んで、懸架されたスプロケット15から外れてしまう事態(すなわち、スプロケット15が空転してしまう事態)を高い精度で効果的に防止することができる。
【0032】
また、搬送装置1は、スプロケット15に係合した無端ベルト5a,5bの外面と弛み防止ロール17との距離が適切な距離(すなわち、2.0mm)に調整されているので、伸張した無端ベルト5a,5bが弛むことに起因した不具合を、きわめて高い精度で効果的に防止することができる。
【0033】
また、搬送装置1は、無端ベルト5a,5bが、合成樹脂製のものであるため、搬送される物品M(あるいはケースやコンテナ)が金属製のものである場合でも、適度な摩擦抵抗を発現させることによって、当該物品Mが、無端ベルト5a,5b上でスリップしてしまう事態を防止することができる。
【0034】
さらに、搬送装置1は、弛み防止ロール17が、スプロケット15より内側(後側)に配置されており、弛み防止ロール17によって、スプロケット15に対する無端ベルト5a,5bの抱き角が約155°になるように調整されているため、無端ベルト5a,5bが大幅に伸張した場合に、スプロケット15と噛合しなくなってスプロケット15と弛み防止ロール17との間に嵌まり込んで移動しなくなる事態を阻止することができる。
【0035】
<搬送装置の変更例>
本発明に係る搬送装置は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、基台、従動ロール、案内ロール、スプロケット(駆動スプロケット)、駆動装置、無端ベルト、センサ等の形状、構造、材質等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0036】
たとえば、本発明に係る搬送装置は、上記実施形態の如く、無端ベルトがポリプロピレンによって形成されているものに限定されず、無端ベルトの材質を、搬送する物品の種類等に応じて適宜変更することができる。
【0037】
また、本発明に係る搬送装置は、上記実施形態の如く、前後の従動ロールに懸架された環状の無端ロールの上側の部分が、同一平面を形成した複数の支承体によって案内されるものに限定されず、環状の無端ロールの上側の部分が、同一の高さ位置において平行に配置された(枢着された)複数の従動ロールによって案内されるもの等に変更することも可能である。
【0038】
さらに、本発明に係る搬送装置は、上記実施形態の如く、弛み防止ロールによって駆動スプロケットに対する無端ベルトの抱き角が155°に調整されているものに限定されず、弛み防止ロールによるスプロケットに対する無端ベルトの抱き角を適宜変更することができる。しかしながら、弛み防止ロールによるスプロケットに対する無端ベルトの抱き角を100°以上165°未満に調整すると、上記の如く、無端ベルトが大幅に伸張した場合に、駆動スプロケットと噛合しなくなって駆動スプロケットと弛み防止ロールとの間に嵌まり込んで移動しなくなる事態を阻止することが可能となる。なお、弛み防止ロールによるスプロケットに対する無端ベルトの抱き角は、120°以上160°未満であると、より好ましい。また、弛み防止ロールの取付位置(枢着位置)を上記した実施例よりも前方側に移動させて、駆動スプロケットに対する無端ベルトの抱き角を180°にした場合には、重量物の搬送時に、無端ベルトが張力による伸張に起因して駆動スプロケットに噛み合わなくなり、駆動スプロケットと弛み防止ロールとの間に嵌まり込んで移動しなくなる事態が発生し易いことが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る搬送装置は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、特に重量物を搬送するための手段として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1・・搬送装置
2・・基台
4・・駆動装置
5a,5b・・無端ベルト
8・・支軸体
10・・係合ロール
13・・従動ロール
14・・案内ロール
15・・スプロケット(駆動スプロケット)
16・・駆動軸
17・・弛み防止ロール