(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112117
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】蓄電装置の製造装置及び蓄電装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/209 20210101AFI20240813BHJP
H01G 13/00 20130101ALI20240813BHJP
B23P 19/04 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
H01M50/209
H01G13/00 371Z
H01G13/00 371B
B23P19/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016991
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】316014102
【氏名又は名称】株式会社ブルーエナジー
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】四方 忠輝
(72)【発明者】
【氏名】久保 則文
【テーマコード(参考)】
3C030
5E082
5H040
【Fターム(参考)】
3C030BC08
3C030BC13
3C030BC21
3C030CA00
5E082LL00
5H040AA03
5H040AT02
5H040JJ10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】蓄電装置を容易に製造できる蓄電装置の製造装置及び蓄電装置の製造方法を提供する。
【解決手段】蓄電装置の製造装置は、蓄電素子500を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を保持する、第一方向Xに並ぶ少なくとも2つの保持部2A、2Bと、2つの保持部を接続するリンク機構部3と、リンク機構部の変形を制限する制限部材4と、を備え、リンク機構部は、制限部材による変形の制限が解除された場合に、2つの保持部の第一方向の間隔が狭まるように変形する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を保持する、第一方向に並ぶ少なくとも2つの保持部と、
前記2つの保持部を接続するリンク機構部と、
前記リンク機構部の変形を制限する制限部材と、を備え、
前記リンク機構部は、前記制限部材による変形の制限が解除された場合に、前記2つの保持部の前記第一方向の間隔が狭まるように変形する
蓄電装置の製造装置。
【請求項2】
前記制限部材は、前記第一方向と交差する第二方向において前記リンク機構部と接触することで、前記リンク機構部の変形を制限する
請求項1に記載の蓄電装置の製造装置。
【請求項3】
前記制限部材は、前記リンク機構部に対して前記第一方向に移動することで、前記リンク機構部の変形の制限を解除する
請求項2に記載の蓄電装置の製造装置。
【請求項4】
前記2つの保持部のうちの一方の保持部を他方の保持部に向けて前記第一方向に押す押圧部をさらに備える
請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置の製造装置。
【請求項5】
前記蓄電装置の製造装置は、前記2つの保持部の前記第一方向と交差する第二方向の両側に、一対の前記リンク機構部を備える
請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置の製造装置。
【請求項6】
蓄電素子を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を、第一方向に並ぶ少なくとも2つの保持部で保持することと、
前記2つの保持部を接続するリンク機構部の変形を制限部材で制限することと、
前記制限部材による前記リンク機構部の変形の制限を解除することで、前記2つの保持部の前記第一方向の間隔が狭まるように前記リンク機構部が変形することと、
を含む蓄電装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置の製造装置及び蓄電装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電装置を製造する装置が広く知られている。特許文献1には、電池回転手段と枠体回転手段とを備え、回転する電池と回転する枠体とが対向したときに電池と枠体とを組付ける電池組付け装置が開示されている。電池回転手段は、回転アームと、電池を把持する把持治具と、把持治具に向けて押圧して電池の姿勢を矯正する姿勢矯正機構と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の電池組付け装置は、電池回転手段と枠体回転手段とを備え、電池回転手段が、回転アームと把持治具と姿勢矯正機構とを有しており、構成が複雑である。このため、蓄電装置を容易に製造できる装置が望まれる。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、蓄電装置を容易に製造できる蓄電装置の製造装置及び蓄電装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電装置の製造装置は、蓄電素子を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を保持する、第一方向に並ぶ少なくとも2つの保持部と、前記2つの保持部を接続するリンク機構部と、前記リンク機構部の変形を制限する制限部材と、を備え、前記リンク機構部は、前記制限部材による変形の制限が解除された場合に、前記2つの保持部の前記第一方向の間隔が狭まるように変形する。
【0007】
本発明の一態様に係る蓄電装置の製造方法は、蓄電素子を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を、第一方向に並ぶ少なくとも2つの保持部で保持することと、前記2つの保持部を接続するリンク機構部の変形を制限部材で制限することと、前記制限部材による前記リンク機構部の変形の制限を解除することで、前記2つの保持部の前記第一方向の間隔が狭まるように前記リンク機構部が変形することと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明における蓄電装置の製造装置等によれば、蓄電装置を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る蓄電素子の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るスペーサの構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る蓄電装置の製造装置の構成を示す側面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る蓄電装置の製造装置の構成を示す平面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る蓄電装置の製造装置の構成を示す正面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る蓄電装置の製造装置の構成を示す断面斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る蓄電装置の製造装置が備える保持部に蓄電素子とスペーサとが保持された状態を示す断面斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの蓄電素子及びスペーサを保持部で保持する工程を示す平面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの制限部材によるリンク機構部の変形の制限を解除する工程を示す平面図である。
【
図10】
図10は、実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの保持部同士の間隔が狭まるようにリンク機構部が変形する工程を示す平面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの保持部同士の間隔が狭まるようにリンク機構部が順に変形する工程を示す平面図である。
【
図12】
図12は、実施の形態の変形例に係る蓄電装置の製造装置の構成を示す平面図である。
【
図13】
図13は、実施の形態の変形例に係る蓄電装置の製造装置の構成を示す平面図である。
【
図14】
図14は、実施の形態の変形例に係る蓄電装置の製造装置の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)本発明の一態様に係る蓄電装置の製造装置は、蓄電素子を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を保持する、第一方向に並ぶ少なくとも2つの保持部と、前記2つの保持部を接続するリンク機構部と、前記リンク機構部の変形を制限する制限部材と、を備え、前記リンク機構部は、前記制限部材による変形の制限が解除された場合に、前記2つの保持部の前記第一方向の間隔が狭まるように変形する。
【0011】
これによれば、蓄電装置の製造装置において、制限部材によるリンク機構部の変形の制限を解除することで、2つの保持部の第一方向の間隔を狭めることができる。これにより、2つの保持部が保持する2つの部材を第一方向に容易に配列できるため、蓄電装置を容易に製造できる。
【0012】
(2)上記(1)に記載の蓄電装置の製造装置において、前記制限部材は、前記第一方向と交差する第二方向において前記リンク機構部と接触することで、前記リンク機構部の変形を制限する、としてもよい。
【0013】
これによれば、蓄電装置の製造装置において、制限部材を第二方向でリンク機構部と接触させることで、リンク機構部の変形を容易に制限できる。
【0014】
(3)上記(2)に記載の蓄電装置の製造装置において、前記制限部材は、前記リンク機構部に対して前記第一方向に移動することで、前記リンク機構部の変形の制限を解除する、としてもよい。
【0015】
これによれば、蓄電装置の製造装置において、制限部材をリンク機構部に対して第一方向に移動させることで、リンク機構部の変形の制限を容易に解除できる。
【0016】
(4)上記(1)から(3)のいずれかひとつに記載の蓄電装置の製造装置は、前記2つの保持部のうちの一方の保持部を他方の保持部に向けて前記第一方向に押す押圧部をさらに備える、としてもよい。
【0017】
これによれば、蓄電装置の製造装置において、押圧部によって一方の保持部を他方の保持部に向けて押すことで、リンク機構部の変形の制限が解除された場合に、2つの保持部の第一方向の間隔を狭めることができる。
【0018】
(5)上記(1)から(4)のいずれかひとつに記載の蓄電装置の製造装置は、前記2つの保持部の前記第一方向と交差する第二方向の両側に、一対の前記リンク機構部を備える、としてもよい。
【0019】
これによれば、蓄電装置の製造装置において、2つの保持部の第二方向の両側に一対のリンク機構部が配置されることで、2つの保持部の第一方向の間隔を安定した状態で狭めることができる。
【0020】
(6)本発明の一態様に係る蓄電装置の製造方法は、蓄電素子を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を、第一方向に並ぶ少なくとも2つの保持部で保持することと、前記2つの保持部を接続するリンク機構部の変形を制限部材で制限することと、前記制限部材による前記リンク機構部の変形の制限を解除することで、前記2つの保持部の前記第一方向の間隔が狭まるように前記リンク機構部が変形することと、を含む。
【0021】
これによれば、蓄電装置の製造方法において、制限部材によるリンク機構部の変形の制限を解除することで、2つの保持部の第一方向の間隔を狭めることができる。これにより、2つの保持部が保持する2つの部材を第一方向に容易に配列できるため、蓄電装置を容易に製造できる。
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置の製造装置及び蓄電装置の製造方法について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0023】
以下の説明及び図面中において、蓄電素子の容器における一対の長側面の対向方向、蓄電素子若しくはスペーサの厚み方向(扁平方向)、複数の蓄電素子の並び方向、または、蓄電素子とスペーサとの並び方向を、X軸方向と定義する。蓄電素子が有する一対の端子の並び方向、または、蓄電素子の容器における一対の短側面の対向方向を、Y軸方向と定義する。蓄電素子の端子の突出方向、蓄電素子の容器本体と容器蓋部との並び方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0024】
以下の説明において、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。単にX軸方向という場合は、X軸プラス方向及びX軸マイナス方向の双方向またはいずれか一方の方向を示す。X軸方向の一方側及び他方側という場合は、X軸プラス方向及びX軸マイナス方向のうちの一方及び他方を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。以下では、X軸方向を第一方向とも呼び、Y軸方向を第二方向とも呼び、Z軸方向を第三方向とも呼ぶ。平行及び直交等の、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行であるとは、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。
【0025】
(実施の形態)
[1 蓄電装置の説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置の製造装置(後述する蓄電装置の製造装置1)が製造する蓄電装置について、説明する。本実施の形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施の形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0026】
蓄電装置の製造装置1は、蓄電素子を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材(配列対象物、ワーク)を並べる(配列する)配列装置である。本実施の形態では、蓄電装置の製造装置1は、蓄電素子(後述する蓄電素子500)とスペーサ(後述するスペーサ600)とを交互に並べる(配列する)ことで、蓄電装置を製造する。つまり、蓄電装置の製造装置1が製造する蓄電装置は、蓄電素子500とスペーサ600とが交互に並べられて構成される。
【0027】
このように、蓄電装置の製造装置1が製造する蓄電装置は、蓄電素子500を備えており、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる装置である。蓄電装置は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される。蓄電装置は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、及び、化石燃料(ガソリン、軽油、液化天然ガス等)自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電装置は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0028】
蓄電装置は、蓄電素子500及びスペーサ600の他に、蓄電素子500を直列または並列に接続するバスバー、バスバーを保持するバスバーフレーム、これらを収容するケース、外部の装置と電気的に接続するための外部端子(正極外部端子及び負極外部端子)、蓄電素子500の充電状態及び放電状態等を監視または制御する回路基板及びリレー等の電気機器等も備えていてもよい。蓄電装置は、複数の蓄電素子500及び複数のスペーサ600を拘束する拘束部材(エンドプレート、サイドプレート等)を備えていてもよい。以下に、蓄電装置が備える蓄電素子500及びスペーサ600の構成について具体的に説明する。
【0029】
[1.1 蓄電素子500の説明]
まず、蓄電素子500の構成について詳細に説明する。蓄電素子500は、電気を充電し、また、電気を放電できる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子500は、X軸方向に扁平な直方体形状(角形、角型)を有している。本実施の形態では、蓄電装置は、複数の蓄電素子500を備えているが、蓄電装置が備える蓄電素子500の個数は特に限定されない。蓄電素子500の大きさ及び形状も特に限定されず、長円柱形状、楕円柱形状、円柱形状、直方体以外の多角柱形状等でもよい。蓄電素子500は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子500は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子500は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子500は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。
【0030】
図1は、本実施の形態に係る蓄電素子500の構成を示す斜視図である。蓄電装置が備える複数の蓄電素子500は、全て同様の構成を有しているため、
図1では、1つの蓄電素子500を示し、以下では1つの蓄電素子500の構成について詳細に説明する。
【0031】
図1に示すように、蓄電素子500は、容器501と、一対(正極及び負極)の端子502と、を有している。容器501の内方には、電極体と、一対(正極及び負極)の集電体と、電解液(非水電解質)とが収容され、端子502及び集電体と容器501との間にはガスケットが配置されているが、これらの図示は省略する。当該電解液としては、蓄電素子500の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。ガスケットは、絶縁性を有していればどのような素材で形成されていてもよい。蓄電素子500は、上記の構成要素の他、電極体の側方に配置されるスペーサ、電極体等を包み込む絶縁フィルム、及び、容器501の外面を覆う絶縁フィルム(シュリンクチューブ等)等を有していてもよい。
【0032】
容器501は、開口が形成された容器本体503と、容器本体503の当該開口を閉塞する容器蓋部504と、を有する扁平な直方体形状(角形または箱形)のケースである。容器本体503は、容器501の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Z軸プラス方向側に開口が形成されている。容器蓋部504は、容器501の蓋部を構成するY軸方向に長い矩形状の板状部材であり、容器本体503のZ軸プラス方向に配置されている。容器501(容器蓋部504)には、容器501内方の圧力が過度に上昇した場合に当該圧力を開放するガス排出弁、及び、容器501内方に電解液を注液するための注液部等が設けられている。容器501(容器本体503及び容器蓋部504)の材質は、特に限定されず、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能(接合可能)な金属とすることができるが、樹脂を用いることもできる。
【0033】
容器501は、電極体等を容器本体503の内方に収容後、容器本体503と容器蓋部504とが溶接等によって接合されることにより、内部が密閉(密封)される。容器501(容器本体503)は、Z軸マイナス方向側に底壁505を有し、X軸方向両側の側面に一対の長側壁507を有し、Y軸方向両側の側面に一対の短側壁508を有している。底壁505は、容器501の底面を形成する平板状かつ矩形状の部位である。底壁505は、長側壁507及び短側壁508に隣接して配置される。長側壁507は、容器501の長側面を形成する平板状かつ矩形状の部位であり、スペーサ600とX軸方向において対向して配置される。長側壁507は、底壁505及び短側壁508に隣接し、短側壁508よりも面積が大きい。短側壁508は、容器501の短側面を形成する平板状かつ矩形状の部位である。短側壁508は、底壁505及び長側壁507に隣接し、長側壁507よりも面積が小さい。一対の長側壁507と一対の短側壁508とが接続されて、底壁505の周縁に接続される扁平な角筒状の胴部(周壁)506が形成される。
【0034】
端子502は、容器蓋部504に配置される、蓄電素子500の電極端子(正極端子及び負極端子)である。具体的には、端子502は、容器蓋部504の上面(端子配置面)からZ軸プラス方向に突出した状態(少なくとも一部が容器501の外側に露出した状態)で配置される。端子502は、集電体を介して、電極体の正極板及び負極板に電気的に接続されている。つまり、端子502は、電極体に蓄えられている電気を蓄電素子500の外部空間に導出し、また、電極体に電気を蓄えるために蓄電素子500の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。端子502は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等で形成されている。
【0035】
電極体は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる集電箔上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる集電箔上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートまたは不織布等を用いることができる。本実施の形態では、電極体は、極板(正極板及び負極板)がX軸方向に積層されて形成されている。電極体は、極板(正極板及び負極板)が巻回されて形成された巻回型の電極体、複数の平板状の極板が積層されて形成された積層型(スタック型)の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体等、どのような形態の電極体でもよい。
【0036】
集電体は、端子502と電極体とに電気的及び機械的に接続される導電性の集電部材(正極集電体及び負極集電体)である。正極集電体は、電極体の正極板の集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等で形成され、負極集電体は、電極体の負極板の集電箔と同様、銅または銅合金等で形成されている。
【0037】
[1.2 スペーサ600の説明]
次に、スペーサ600の構成について詳細に説明する。スペーサ600は、X軸方向(第一方向)において蓄電素子500と並んで配置され、蓄電素子500と他の部材とを絶縁及び/又は断熱する、X軸方向に扁平な部材である。スペーサ600は、蓄電素子500のX軸プラス方向またはX軸マイナス方向に配置されて、蓄電素子500同士または蓄電素子500とケース等とを絶縁及び/又は断熱する絶縁板または断熱板である。スペーサ600は、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミド(PA)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、マイカ等の断熱性を有する部材等により形成されている。
【0038】
スペーサ600は、蓄電素子500のY軸方向両側及びZ軸方向両側に壁部を有することで、蓄電素子500を保持し、蓄電素子500の位置決めを行うホルダの機能も有している。
図2は、本実施の形態に係るスペーサ600の構成を示す斜視図である。蓄電装置が備える複数のスペーサ600は、全て同様の構成を有しているため、
図1では、1つのスペーサ600を示し、以下では1つのスペーサ600の構成について詳細に説明する。
【0039】
図2に示すように、スペーサ600は、Y軸方向における両端部が同様の形状を有している。つまり、スペーサ600は、中心位置を通りXZ平面に平行な面に対して対称となる形状を有している。スペーサ600は、スペーサ本体601と、スペーサ壁部602と、を有している。
【0040】
スペーサ本体601は、スペーサ600の本体部を構成する平板状かつ矩形状の部位であり、YZ平面に平行に配置されている。スペーサ本体601は、X軸方向(第一方向)で蓄電素子500と対向して配置される。本実施の形態では、スペーサ本体601は、蓄電素子500のX軸プラス方向またはX軸マイナス方向に、蓄電素子500の容器501の長側壁507の全面を覆うように、X軸方向において長側壁507と対向し、かつ、長側壁507に接触した状態で配置される。スペーサ本体601には、蓄電素子500との間に冷却用の気体(空気等)が通る流路を形成する、Y軸方向に延びる複数の溝が形成されている。
【0041】
スペーサ壁部602は、蓄電素子500のY軸方向両側及びZ軸方向両側に配置される壁である。スペーサ壁部602は、スペーサ本体601に隣接する蓄電素子500のY軸方向両端部及びZ軸方向両端部に位置する4つの角部(容器501の四つ角)の外側に配置される。具体的には、スペーサ本体601のY軸方向両端部及びZ軸方向両端部に、スペーサ本体601からX軸方向両側に延びる4つのスペーサ壁部602が配置されている。これらスペーサ壁部602が蓄電素子500(容器501)と接触することで、蓄電素子500のスペーサ本体601に対する移動(スペーサ本体601に沿った相対移動)が制限される。本実施の形態では、スペーサ本体601のZ軸マイナス方向端部に位置するY軸方向両端部のスペーサ壁部602は、Y軸方向に延びる壁部によって接続されている。
【0042】
[2 蓄電装置の製造装置1の説明]
次に、蓄電装置の製造装置1の構成について、詳細に説明する。
図3は、本実施の形態に係る蓄電装置の製造装置1の構成を示す側面図である。
図4は、本実施の形態に係る蓄電装置の製造装置1の構成を示す平面図である。
図5は、本実施の形態に係る蓄電装置の製造装置1の構成を示す正面図である。具体的には、
図3は、蓄電装置の製造装置1をY軸マイナス方向から見た図であり、
図4は、蓄電装置の製造装置1をZ軸プラス方向から見た図であり、
図5は、蓄電装置の製造装置1をX軸マイナス方向から見た図である。
図6は、本実施の形態に係る蓄電装置の製造装置1の構成を示す断面斜視図である。具体的には、
図6は、
図4に示した蓄電装置の製造装置1をVI-VI線を通りYZ平面に平行な面で切断した場合の、蓄電装置の製造装置1の一部の構成を示している。
図7は、本実施の形態に係る蓄電装置の製造装置1が備える保持部2に蓄電素子500とスペーサ600とが保持された状態を示す断面斜視図である。具体的には、
図7は、
図6に示した蓄電装置の製造装置1の保持部2が、蓄電素子500とスペーサ600とを保持した状態を示している。
【0043】
図3~
図7に示すように、蓄電装置の製造装置1は、保持部2と、リンク機構部3と、制限部材4と、押圧部5と、ガイド部6と、を備えている。これらの部材は、ステンレス鋼またはアルミニウム等の金属で形成されるが、樹脂で形成されてもよい。
図3及び
図4にはガイド部6を図示しているが、
図5~
図7では、ガイド部6の図示は省略している。
【0044】
[2.1 保持部2の説明]
保持部2は、蓄電素子500を含む複数の部材のうちのいずれかの部材を保持する部位である。本実施の形態では、複数の保持部2がX軸方向(第一方向)に並べられている。つまり、蓄電装置の製造装置1は、蓄電素子500を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を保持する、X軸方向(第一方向)に並ぶ少なくとも2つの保持部2を備えている。本実施の形態では、X軸方向(第一方向)は、水平面に沿った方向(水平方向)であり、複数の保持部2は、X軸方向(第一方向)である水平方向に並ぶ複数の蓄電素子500及び複数のスペーサ600を保持する。
【0045】
それぞれの保持部2は、ベース部21と、一対のチャック部22と、を有している。保持部2は、高さ調整部材23を有していてもよい。以下では、蓄電素子500を保持する保持部2を保持部2Aとも称し、スペーサ600を保持する保持部2を保持部2Bとも称する(
図6及び
図7参照)。
図6では、保持部2Aは、ベース部21と一対のチャック部22と高さ調整部材23とを有し、保持部2Bは、ベース部21と一対のチャック部22とを有している構成が図示されている。保持部2Aが高さ調整部材23を有していなくてもよいし、保持部2Bが高さ調整部材23を有していてもよい。
【0046】
ベース部21は、保持部2の本体部であり、YZ平面に平行かつY軸方向に延びる板状部材である。ベース部21は、蓄電素子500またはスペーサ600のZ軸マイナス方向に配置される。これにより、ベース部21上に蓄電素子500またはスペーサ600が載せ置かれ、ベース部21が蓄電素子500またはスペーサ600を下方から支持する。ベース部21は、ガイド部6がX軸方向に貫通する貫通孔(図示省略)を有しており、ガイド部6にガイド(案内)されて、X軸方向に移動可能な構成となっている。
【0047】
一対のチャック部22は、蓄電素子500またはスペーサ600のY軸方向両側に配置され、蓄電素子500またはスペーサ600をY軸方向において狭持(保持)する。一対のチャック部22は、ベース部21のY軸方向両側においてY軸方向に間隔をあけて配置され、ベース部21のZ軸プラス方向端部からZ軸プラス方向に向けて延びる。具体的には、一対のチャック部22のそれぞれは、Z軸方向(第三方向)に延びる板状のチャック部本体221と、チャック部本体221からY軸方向内側(蓄電素子500またはスペーサ600が配置される側)に延びる係止片222と、を有している。係止片222は、チャック部22が蓄電素子500またはスペーサ600を狭持した場合に、蓄電素子500またはスペーサ600を係止する。
【0048】
蓄電素子500を保持する保持部2Aにおいては、一対のチャック部22は、容器蓋部504をZ軸プラス方向に向けた姿勢の容器501が有する一対の短側壁508を、Y軸方向両側から挟み込む(
図7参照)。スペーサ600を保持する保持部2Bにおいては、一対のチャック部22は、X軸方向を向いた姿勢のスペーサ本体601を、Y軸方向の両側から挟み込む(
図7参照)。
【0049】
一対のチャック部22は、姿勢を、蓄電素子500またはスペーサ600をベース部21に固定する保持位置(または保持姿勢)と、蓄電素子500またはスペーサ600をベース部21から離間させることができる解放位置(または解放姿勢)と、に切替可能である。上記保持位置は、一対のチャック部22の間に蓄電素子500またはスペーサ600と対応する間隔が形成された状態で、一対のチャック部22がベース部21からZ軸プラス方向に延びた位置である。上記保持位置は、一対のチャック部22の間に蓄電素子500またはスペーサ600が配置された場合に、一対のチャック部22が蓄電素子500またはスペーサ600を挟み込む位置である。上記解放位置は、チャック部22(チャック部本体221)同士の間隔が保持位置より広がった位置である。この解放位置では、チャック部本体221から延びる各係止片222が、保持されていた蓄電素子500またはスペーサ600とX軸方向に重ならない位置まで、一対のチャック部本体221の間隔が広がる。
【0050】
本実施の形態では、リンク機構部3が変形し、X軸方向で隣り合う2つの保持部2が接近した場合でも、当該2つの保持部2が有するチャック部22同士が接触しないように構成されている。具体的には、チャック部22が有するチャック部本体221に凹部が形成されていたり、保持部2Aのチャック部22が有する係止片222と、保持部2Bのチャック部22が有する係止片222とが、Z軸方向において異なる位置に配置されたりしている。これにより、保持部2Aのチャック部22と保持部2Bのチャック部22とがX軸方向において接近した場合でも、保持部2Aのチャック部22と保持部2Bのチャック部22とが接触するのが抑制される。
【0051】
高さ調整部材23は、ベース部21のZ軸プラス方向に配置される、Y軸方向に延びる板状部材である。具体的には、高さ調整部材23は、保持部2が蓄電素子500またはスペーサ600を保持した場合に蓄電素子500またはスペーサ600とベース部21との間に位置するように、ベース部21に取り付けられる。高さ調整部材23は、取り外し可能にベース部21に取り付けられている。保持部2が保持する蓄電素子500またはスペーサ600の大きさによって、高さ調整部材23がベース部21から取り外されたり、複数の高さ調整部材23がZ軸方向に重ねられた状態でベース部21に取り付けられたりしてもよい。
【0052】
[2.2 リンク機構部3の説明]
リンク機構部3は、2つの保持部2を接続する部位である。リンク機構部3は、X軸方向(第一方向)に隣り合う2つの保持部2を接続する。リンク機構部3は、制限部材4による変形の制限が解除された場合に、2つの保持部2のX軸方向(第一方向)の間隔が狭まるように変形する。本実施の形態では、2つの保持部2のY軸方向(第一方向と交差する第二方向)の両側に、一対のリンク機構部3が配置されている。一対のリンク機構部3は、X軸方向に隣り合う2つの保持部2(ベース部21)のY軸方向における一方側の端部同士と他方側の端部同士とを接続する。
【0053】
上述の通り、2つの保持部2である保持部2A及び保持部2BがX軸方向で隣り合っており、一対のリンク機構部3は、保持部2Aと保持部2Bとを接続する。保持部2Aは蓄電素子500を保持し、保持部2Bはスペーサ600を保持している。このため、一対のリンク機構部3は、制限部材4による変形の制限が解除された場合に、保持部2Aと保持部2Bとの間隔が狭まるように変形することで、蓄電素子500とスペーサ600との間隔が狭まる。
【0054】
それぞれのリンク機構部3は、第一リンク31と、一対の第二リンク32と、第一ジョイント33と、第二ジョイント34と、第三ジョイント35と、を有している。第一リンク31は、保持部2AのY軸方向の端部の第一ジョイント33から、第三ジョイント35に向けてY軸方向外側に延びる、板状かつ矩形状の部材である。第一リンク31は、保持部2Aに対して第一ジョイント33を回転中心にして回動可能である。一対の第二リンク32は、保持部2BのY軸方向の端部の第二ジョイント34から、第三ジョイント35に向けてY軸方向外側に延びる、断面が矩形の棒状の部材である。一対の第二リンク32は、Z軸方向(第三方向)に第一リンク31と対応する間隔をあけた状態で配置される。一対の第二リンク32は、保持部2Bに対して第二ジョイント34を回転中心にして回動可能であり、かつ、第一リンク31に対して第三ジョイント35を回転中心にして回動可能である。第一ジョイント33は、Z軸方向に延びる棒状の部材であり、第一リンク31と保持部2Aとを接続する。第二ジョイント34は、Z軸方向に延びる棒状の部材であり、第二リンク32と保持部2Bとを接続する。第三ジョイント35は、Z軸方向に延びる棒状の部材であり、第一リンク31と第二リンク32とを接続する。
【0055】
以上のリンク機構部3によって、第一リンク31と第二リンク32との第三ジョイント35による接続部であるジョイント部30が、Y軸方向の内側に移動する(保持部2に近付く)にしたがって、保持部2Aと保持部2BとのX軸方向の間隔が広がる。ジョイント部30がY軸方向の外側に移動する(保持部2から遠ざかる)にしたがって、保持部2Aと保持部2BとのX軸方向の間隔が狭まる。
【0056】
このように、上述のリンク機構部3の変形とは、第一リンク31及び第二リンク32の一端部同士が第三ジョイント35を中心に回転して、第一リンク31及び第二リンク32の他端部同士の距離が変化することを言う。つまり、リンク機構部3を構成する2つの部位(第一リンク31及び第二リンク32)が、その接続部分(第三ジョイント35)を中心に回転して、X軸方向に広がったり狭まったり(Y軸方向に狭まったり広がったり)することにより、リンク機構部3が変形する。制限部材4によるリンク機構部3の変形の制限が解除された場合に、ジョイント部30がY軸方向の外側に移動する(リンク機構部3がY軸方向に広がる)ことで、第一リンク31及び第二リンク32の他端部同士が近付く(リンク機構部3がX軸方向に狭まる)。これにより、保持部2Aと保持部2Bとの間隔が狭まり、蓄電素子500とスペーサ600とが近付くことで、蓄電素子500とスペーサ600とが配列される。
【0057】
[2.3 制限部材4の説明]
制限部材4は、リンク機構部3の変形を制限する部材である。制限部材4は、Y軸方向(第一方向と交差する第二方向)においてリンク機構部3と接触することで、リンク機構部3の変形を制限する。具体的には、制限部材4は、Y軸方向(第二方向)の外側からリンク機構部3と接触することで、リンク機構部3の変形を制限する。制限部材4は、リンク機構部3に対してX軸方向(第一方向)に移動することで、リンク機構部3の変形の制限を解除する。具体的には、制限部材4は、リンク機構部3に対してX軸方向に引き抜かれることで、リンク機構部3と接触(摺動)しながらX軸方向に移動し、リンク機構部3から離間して、リンク機構部3の変形の制限を解除する。
【0058】
本実施の形態では、制限部材4は、X軸方向に延びる板状部材であり、Y軸方向の外側から各リンク機構部3のジョイント部30と接触することで、リンク機構部3(ジョイント部30)のY軸方向の外側への広がりを制限する。制限部材4は、X軸方向に移動可能である。具体的には、一対の制限部材4が、Y軸方向に間隔をあけて平行となるように配置される。一対の制限部材4のうち、Y軸マイナス方向の制限部材4を制限部材4Aと称し、Y軸プラス方向の制限部材4を制限部材4Bと称する(
図6及び
図7参照)。制限部材4Aは、Y軸マイナス方向のリンク機構部3の各ジョイント部30と接触する。制限部材4Bは、Y軸プラス方向のリンク機構部3の各ジョイント部30と接触する。これにより、Y軸方向両側の一対のリンク機構部3の各ジョイント部30のY軸方向の外側への移動が制限される。
【0059】
一対の制限部材4のY軸方向の間隔は、保持部2のY軸方向両側に配置された一対のリンク機構部3(ジョイント部30)に一対の制限部材4が外側から接触した場合に、X軸方向に隣り合う保持部2がX軸方向に所定間隔をあけた状態となるように設定されている。
【0060】
一対の制限部材4のそれぞれ(制限部材4A及び制限部材4B)は、制限部材本体41と、2つの摺接部42と、を有している。制限部材本体41は、X軸方向に延びるXZ平面に平行な長尺な板状(帯状)の部位である。摺接部42は、制限部材本体41からY軸方向内側(保持部2側)に突出し、かつ、X軸方向に延びるXZ平面に平行な長尺な板状(帯状)の部位である。本実施の形態では、Z軸方向に並ぶ2つの摺接部42が、制限部材本体41のY軸方向内側(保持部2側)の面に接合(接触して固定)されている。摺接部42は、制限部材4がX軸方向に移動した際にリンク機構部3(ジョイント部30)に接触した状態で摺れながら移動する(摺動する)。
【0061】
一対の制限部材4は、初期位置では、全てのリンク機構部3(ジョイント部30)に2つの摺接部42を接触させている(
図4参照)。この状態では、各保持部2が所定間隔をあけて配置されている。一対の制限部材4は、初期位置からX軸マイナス方向に向けて、X軸プラス方向の端部同士のX軸方向における位置を揃えた状態で移動する。この際、摺接部42は、リンク機構部3(ジョイント部30)に接触した状態で摺れながら移動する。この一対の制限部材4の移動に伴って、X軸方向に並ぶ複数のリンク機構部3のうちのX軸プラス方向端部に位置するものからX軸マイナス方向に向けて順に、ジョイント部30がY軸方向外側に移動可能となり、リンク機構部3がY軸方向外側に広がる(X軸方向に狭まる)。
【0062】
[2.4 押圧部5、ガイド部6の説明]
押圧部5は、2つの保持部2のうちの一方の保持部2を他方の保持部2に向けてX軸方向(第一方向)に押す。押圧部5は、X軸方向(第一方向)に隣り合う2つの保持部2の間隔が狭くなる方向に、少なくとも1つの保持部2を押す。X軸プラス方向端部に保持部2Aが配置され、保持部2AのX軸マイナス方向に保持部2Bが配置されている場合、押圧部5は、保持部2Bを保持部2Aに向けてX軸プラス方向に押す。具体的には、押圧部5は、X軸マイナス方向端部に位置する保持部2をX軸プラス方向に押すことにより、リンク機構部3を介して保持部2Bに力が加わり、保持部2Bを保持部2Aに向けてX軸プラス方向に押す。
【0063】
このように、押圧部5は、複数の保持部2のうちの少なくとも1つの保持部2を、X軸プラス方向に向けて押圧する。この押圧部5による押圧力は、各リンク機構部3を介して各保持部2に伝わる。そのため、一対の制限部材4が初期位置からX軸マイナス方向に移動して、リンク機構部3が順に解放されると、X軸プラス方向端部に位置する保持部2に向けて他の保持部2が順に接近する。
【0064】
ガイド部6は、X軸方向に延びる棒状の部材であり、複数の保持部2のそれぞれをX軸方向に案内(ガイド)する。ガイド部6は、X軸方向に並ぶ複数の保持部2(ベース部21)のそれぞれを挿通する、いわゆるシャフトガイドである。ガイド部6は、Y軸方向に間隔をあけて互いに平行となるように複数配置されている。この複数のガイド部6によって各保持部2(ベース部21)が案内されることで、X軸方向に隣り合う保持部2(ベース部21)同士が互いに平行な状態を維持しつつ間隔を変更できる。
【0065】
[3 蓄電装置の製造方法の説明]
次に、蓄電装置の製造方法(蓄電素子500を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を配列する方法)について、詳細に説明する。
図8は、本実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの蓄電素子500及びスペーサ600を保持部2で保持する工程を示す平面図である。
図9は、本実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの制限部材4によるリンク機構部3の変形の制限を解除する工程を示す平面図である。
図10は、本実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの保持部2同士の間隔が狭まるようにリンク機構部3が変形する工程を示す平面図である。
図11は、本実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの保持部2同士の間隔が狭まるようにリンク機構部3が順に変形する工程を示す平面図である。
図8~
図11は、説明の便宜のため、蓄電装置の製造装置1が備える押圧部5及びガイド部6等の図示を省略した模式図を示している。
【0066】
蓄電装置の製造の際には、まず、保持部2でスペーサ600を保持した状態で、スペーサ600間の間隔をあけておく。そして、一対のチャック部22で蓄電素子500を挟んだ(掴んだ)状態で、Z軸プラス方向からスペーサ600間に蓄電素子500を挿入して、当該一対のチャック部22をベース部21に接続する。一対のチャック部22でスペーサ600を挟んだ(掴んだ)状態で、Z軸プラス方向から蓄電素子500間にスペーサ600を挿入して、当該一対のチャック部22をベース部21に接続してもよい。または、その他の手法によって、蓄電素子500とスペーサ600とを交互に配置してもよい。
【0067】
これにより、
図8に示すように、X軸方向に並ぶ複数の保持部2が、蓄電素子500とスペーサ600とを交互に保持した状態となる。つまり、蓄電素子500を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を、X軸方向(第一方向)に並ぶ少なくとも2つの保持部2で保持している。この際、一対の制限部材4は、初期位置の状態(Y軸方向の両側からリンク機構部3と接触することでリンク機構部3の変形を制限し、各保持部2間に間隔が形成されている状態)となっている。2つの保持部2を接続するリンク機構部3の変形を、制限部材4で制限している。
【0068】
続いて、
図9に示すように、押圧部5が保持部2をX軸プラス方向に押圧しつつ(X軸プラス方向に向いた矢印参照)、一対の制限部材4が同期した状態で初期位置からX軸マイナス方向に向けて移動する(X軸マイナス方向に向いた矢印参照)。この際、制限部材4(摺接部42)は、リンク機構部3(ジョイント部30)に接触した状態で摺れながらX軸マイナス方向に移動する。これにより、X軸プラス方向端部に位置するリンク機構部3(ジョイント部30)が、制限部材4(摺接部42)から離間する(制限部材4との接触が解除される)。このように、制限部材4によるリンク機構部3の変形の制限を解除することで、
図10に示すように、2つの保持部2のX軸方向(第一方向)の間隔が狭まるようにリンク機構部3が変形する。
図10では、X軸プラス方向端部に位置する2つの保持部2である保持部2A及び保持部2BのX軸方向の間隔が狭まるように、保持部2A及び保持部2Bに接続されたリンク機構部3が変形する。
【0069】
このようにして、
図11に示すように、X軸方向に並ぶ複数のリンク機構部3において、制限部材4による制限(Y軸方向の外側へのジョイント部30の移動(リンク機構部3の外側への広がり)が抑えられた状態)から解放されたリンク機構部3から、順に外側に広がる。これにより、X軸プラス方向端部のリンク機構部3から順に変形し、X軸プラス方向端部に位置する保持部2から順に保持部2同士の間隔が狭まっていく。
【0070】
つまり、X軸プラス方向の一番端の保持部2(保持部2A)に二番目の保持部2(保持部2B)が接近して、一番端の保持部2(保持部2A)が保持する蓄電素子500に、二番目の保持部2(保持部2B)が保持するスペーサ600が接触する。続いて、二番目の保持部2に三番目の保持部2が接近して、二番目の保持部2が保持するスペーサ600に三番目の保持部2が保持する蓄電素子500が接触する。この動作が順に繰り返され、隣り合う蓄電素子500とスペーサ600とが互いに接触(嵌合)した状態で、蓄電素子500とスペーサ600とが交互に並ぶ(配列される)。
【0071】
全ての蓄電素子500及びスペーサ600の配列が終了すると、各保持部2のチャック部22が解放位置となり、配列された蓄電素子500及びスペーサ600が蓄電装置の製造装置1から取り外し可能となる。配列された蓄電素子500及びスペーサ600に対しては、バスバー及びバスバーフレーム等が配置されたり、ケースに収容されたりして、蓄電装置が製造される。
【0072】
[4 効果の説明]
以上のように、本実施の形態に係る蓄電装置の製造装置1によれば、制限部材4によるリンク機構部3の変形の制限を解除することで、2つの保持部2のX軸方向(第一方向)の間隔を狭めることができる。これにより、2つの保持部2が保持する2つの部材(本実施の形態では、蓄電素子500及びスペーサ600)を、X軸方向(第一方向)に容易に配列できるため、蓄電装置を容易に製造できる。
【0073】
複数の部材を互いに接触した状態で所定方向(並び方向)に並べる(配列する)場合、同時に複数の部材同士が接触するように並べると、各部材に加わる並び方向の荷重に偏り(詳しくは、並び方向に対する部材の傾き等に起因する荷重の偏り)が生じる場合がある。このため、複数の部材を並べる際には、部材同士を順に接触させるように順次配列していくことが好ましい。このような複数の部材を配列する装置としては、搬送用ロボット(ロボットアーム)によって部材を積層(縦積み)していく構成のものがあるが、この構成では、アームの長さ等に起因する部材の積層数(配列数、部材を積み重ねる高さ)に制限がある。部材の積層数を増やす場合には、搬送用ロボットを交換等しなければならず、部材の積層数の変更が容易ではない。これに対し、本実施の形態における蓄電装置の製造装置1では、部材を水平面に沿ったX軸方向(第一方向)に並べる構成であるため、水平面に沿って配置される保持部2の数とリンク機構部3の数とを増減することで部材の積層数(配列数)を容易に変更できる。すなわち、蓄電装置の製造装置1では、ロボットアームを用いて部材を積み重ねる構成のようにアームの長さ等に起因する部材の積層数(配列数)の制限がないため、部材の積層数(配列数)を容易に変更できる。ロボットアームを用いて部材を積み重ねる場合、部材の位置を画像処理で認識することが必要な場合があるが、蓄電装置の製造装置1では、リンク機構を用いて部材の配列を行うため、画像処理を行うことなく部材を配列できる。
【0074】
蓄電装置の製造装置1において、制限部材4をY軸方向(第二方向)でリンク機構部3と接触させることで、リンク機構部3の変形を容易に制限できる。
【0075】
蓄電装置の製造装置1において、制限部材4をリンク機構部3に対してX軸方向(第一方向)に移動させることで、リンク機構部3の変形の制限を容易に解除できる。つまり、制限部材4が初期位置からX軸マイナス方向に移動し、制限部材4との接触がなくなったリンク機構部3が順に広がることで、所定の保持部2に他の保持部2が順に接近する。これにより、各保持部2に保持された蓄電素子500及びスペーサ600を、X軸方向に並べる(配列する)ことができる。
【0076】
蓄電装置の製造装置1において、押圧部5によって一方の保持部2を他方の保持部2に向けて押すことで、リンク機構部3の変形の制限が解除された場合に、2つの保持部2のX軸方向(第一方向)の間隔を狭めることができる。つまり、押圧部5によって保持部2が押されることで、制限部材4による変形の制限が解除された(制限部材4との接触がなくなった)リンク機構部3が順に広がることで、所定の保持部2に他の保持部2が順に接近し、各保持部2に保持された部材がX軸方向(第一方向)に配列される。
【0077】
蓄電装置の製造装置1において、2つの保持部2のY軸方向(第二方向)の両側に一対のリンク機構部3が配置されることで、2つの保持部2のX軸方向(第一方向)の間隔を安定した状態で狭めることができる。
【0078】
蓄電装置の製造装置1において、保持部2は、部材を下側から支持するベース部21と、保持部2が部材を保持したときに部材とベース部21との間に位置しかつ取り外し可能にベース部21に取り付けられる高さ調整部材23と、を有している。このように、高さ調整部材23がベース部21に取り外し可能に取り付けられているため、ベース部21に対して高さ調整部材23が着脱されることで、保持部2に保持されたときの部材(蓄電素子500及びスペーサ600)の高さ位置を調整できる。すなわち、高さ調整部材23がベース部21に着脱されることで、ベース部21に対する部材(蓄電素子500及びスペーサ600)のZ軸方向の位置を調整できる。
【0079】
蓄電装置の製造方法において、制限部材4によるリンク機構部3の変形の制限を解除することで、2つの保持部2のX軸方向(第一方向)の間隔を狭めることができる。これにより、2つの保持部2が保持する2つの部材(本実施の形態では、蓄電素子500及びスペーサ600)を、X軸方向(第一方向)に容易に配列できるため、蓄電装置を容易に製造できる。
【0080】
[5 変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置の製造装置1及び蓄電装置の製造方法について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であり、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0081】
上記実施の形態では、制限部材4がX軸マイナス方向に移動することで制限部材4がリンク機構部3の変形の制限を解除することとしたが、リンク機構部3等がX軸プラス方向に移動することで制限部材4がリンク機構部3の変形の制限を解除してもよい。つまり、制限部材4は、リンク機構部3に対してX軸方向に相対的に移動すればよく、リンク機構部3等が移動するのであれば、制限部材4自体は移動しなくてもよい。
【0082】
または、制限部材は、リンク機構部3に対してY軸方向(第二方向)に相対的に移動してもよい。
図12~
図14は、本実施の形態の変形例に係る蓄電装置の製造装置の構成を示す平面図である。具体的には、
図12~
図14は、
図8~
図10に対応する図である。
図12に示すように、本変形例では、上記実施の形態における制限部材4に代えて、リンク機構部3ごとに制限部材7が配置される。制限部材7は、それぞれのリンク機構部3に対応して、リンク機構部3のY軸方向(第二方向)の外側に配置される、ブロック状の部材である。制限部材7の形状は、特に限定されない。制限部材7は、初期位置の状態(リンク機構部3の変形を制限し、各保持部2間に間隔が形成されている状態)として、リンク機構部3にY軸方向外側から接触している。つまり、2つの保持部2を接続するリンク機構部3の変形を、制限部材7で制限している。このような構成において、
図13に示すように、押圧部5が保持部2をX軸プラス方向に押圧しつつ(X軸プラス方向に向いた矢印参照)、Y軸方向両側の一対の制限部材7が同期した状態で初期位置からY軸方向外側に向けて移動する(Y軸プラス方向及びY軸マイナス方向に向いた矢印参照)。これにより、当該一対の制限部材7が、一対のリンク機構部3から離間する。このように、制限部材7によるリンク機構部3の変形の制限を解除することで、
図14に示すように、2つの保持部2(保持部2A及び保持部2B)のX軸方向(第一方向)の間隔が狭まるように、リンク機構部3が変形する。このようにして、X軸方向に並ぶ複数のリンク機構部3において、制限部材7による制限から解放されたリンク機構部3から、順に外側に広がる。これにより、保持部2同士の間隔が順に狭まっていき、蓄電素子500とスペーサ600とが交互に並ぶ(配列される)。
【0083】
上記実施の形態では、制限部材4は、Y軸方向においてリンク機構部3と接触することでリンク機構部3の変形を制限することとしたが、これには限定されない。制限部材4は、Z軸方向等からリンク機構部3に接触することで、リンク機構部3の変形を制限してもよい。リンク機構部3及び制限部材4に、互いに嵌合または係合する凹部及び凸部を形成して、当該凹部及び凸部を嵌合または係合することにより、制限部材4でリンク機構部3の変形を制限してもよい。その他、どのような構成によって制限部材4でリンク機構部3の変形を制限してもよい。
【0084】
上記実施の形態では、蓄電装置の製造装置1は、保持部2のY軸方向の両側に一対のリンク機構部3を備えていることとしたが、保持部2のY軸方向の一方側にしかリンク機構部3を備えていなくてもよい。この場合、保持部2は、Y軸方向の一方側にしかチャック部22を有していなくてもよい。同様に、蓄電装置の製造装置1は、Y軸方向の一方側にしか制限部材4を備えていなくてもよい。
【0085】
上記実施の形態では、蓄電装置の製造装置1は、X軸方向に並ぶ複数のリンク機構部3を備えていることとしたが、X軸方向において1つのリンク機構部3しか備えていなくてもよい。この場合、蓄電装置の製造装置1は、当該1つのリンク機構部3に接続される2つの保持部2しか備えていなくてもよい。
【0086】
上記実施の形態において、蓄電装置の製造装置1は、リンク機構部3がY軸方向の外側に広がるようにリンク機構部3を変形させるバネ等の弾性部材を備えていてもよい。または、蓄電装置の製造装置1は、リンク機構部3のジョイント部30をY軸方向の外側に引っ張る機構を備えていてもよい。このような場合、押圧部5によってリンク機構部3を変形させる必要がないため、蓄電装置の製造装置1は、押圧部5を備えていなくてもよい。
【0087】
上記実施の形態では、複数の保持部2は、複数の蓄電素子500及び複数のスペーサ600を保持することとしたが、リンク機構部3に接続される少なくとも2つの保持部2が、蓄電素子500を含む複数の部材のうちの少なくとも2つの部材を保持すればよい。当該2つの部材には、蓄電素子500が含まれていなくてもよいし、スペーサ600が含まれていなくてもよい。つまり、当該2つの部材は、2つの蓄電素子500でもよいし、2つのスペーサ600でもよいし、蓄電素子500及びスペーサ600以外の2つの部材でもよい。このように、当該2つの保持部2は、2つの蓄電素子500を保持してもよいし、2つのスペーサ600を保持してもよいし、蓄電素子500及びスペーサ600以外の2つの部材を保持してもよい。当該2つの保持部2は、X軸方向で隣り合う2つの部材ではなく、X軸方向において少し離れた位置に配置される2つの部材を保持してもよい。
【0088】
上記実施の形態では、複数の保持部2が配列される方向であるX軸方向(第一方向)は、水平面に沿った方向(水平方向)であることとしたが、水平方向から傾斜した方向でもよいし、鉛直方向でもよい。
【0089】
上記実施の形態において、蓄電装置の製造装置1が備える全ての保持部2が上記の構成を有していることとしたが、いずれかの保持部2が上記の構成を有していなくてもよい。例えば、チャック部22の具体的な構成は上記に限定されず、チャック部22は、蓄電素子500またはスペーサ600の保持(固定)と解放(取り外し可能な状態にする)とができる構成であればよい。蓄電装置の製造装置1が備える他の構成(リンク機構部3、制限部材4、押圧部5、及び、ガイド部6)についても同様に、全てが上記の構成を有していることには限定されず、いずれかが上記の構成を有していなくてもよい。上記実施の形態において、蓄電装置の製造装置1は、ガイド部6を備えていなくてもよい。
【0090】
上記実施の形態において、スペーサ600は、スペーサ本体601とスペーサ壁部602とを有していることとしたが、スペーサ壁部602を有していなくてもよい。つまり、スペーサ600は、板状部材等でもよく、蓄電素子500を保持するホルダの機能を有していなくてもよい。
【0091】
上記実施の形態では、隣り合う全ての蓄電素子500の間にスペーサ600が配置されるが、いずれかの蓄電素子500の間にスペーサ600が配置されなくてもよい。
【0092】
上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子を備えた蓄電装置の製造装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0094】
1 蓄電装置の製造装置
2、2A、2B 保持部
3 リンク機構部
4、4A、4B、7 制限部材
5 押圧部
6 ガイド部
21 ベース部
22 チャック部
23 高さ調整部材
30 ジョイント部
31 第一リンク
32 第二リンク
33 第一ジョイント
34 第二ジョイント
35 第三ジョイント
41 制限部材本体
42 摺接部
221 チャック部本体
222 係止片
500 蓄電素子
501 容器
502 端子
600 スペーサ
601 スペーサ本体
602 スペーサ壁部