(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112149
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ロードポート装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017033
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小番 達裕
(72)【発明者】
【氏名】上嶋 明尭
(72)【発明者】
【氏名】下條 恭
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131DA05
5F131DA32
5F131GA14
5F131GA33
5F131GA74
5F131GA92
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA13
5F131JA04
5F131JA12
5F131JA24
(57)【要約】
【課題】容器のポートと流路との接続を検出できるロードポート装置を提供する。
【解決手段】容器を載置する載置部を有するロードポート装置が、上昇位置に移動することにより前記載置部に載置された前記容器の底部に設けられるポートに接触可能であって、前記ポートを介して前記容器内と連通可能な流路を有する可動部と、前記可動部が、前記上昇位置と前記上昇位置より下方の下降位置との間で移動が可能となるように、前記可動部を支持するベース部と、前記可動部の前記移動の方向に対して略垂直に前記可動部から延出し、前記可動部と一体に移動する被検出部と、前記被検出部の位置を検出する検出部と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を載置する載置部を有するロードポート装置であって、
上昇位置に移動することにより前記載置部に載置された前記容器の底部に設けられるポートに接触可能であって、前記ポートを介して前記容器内と連通可能な流路を有する可動部と、
前記可動部が、前記上昇位置と前記上昇位置より下方の下降位置との間で移動が可能となるように、前記可動部を支持するベース部と、
前記可動部の前記移動の方向に対して略垂直に前記可動部から延出し、前記可動部と一体に移動する被検出部と、
前記被検出部の位置を検出する検出部と、
を有するロードポート装置。
【請求項2】
前記可動部の移動軸周りの回転を抑止する回転抑止部をさらに有する請求項1に記載のロードポート装置。
【請求項3】
前記回転抑止部は、前記被検出部の前記移動の方向に沿って前記被検出部が通過可能な間隙を形成する一対の間隙形成部材を有し、前記一対の間隙形成部材は、前記被検出部の前記移動の方向および前記被検出部の前記延出する方向に略垂直な方向に沿って前記被検出部の両側に対向して配置される請求項2に記載のロードポート装置。
【請求項4】
前記回転抑止部は、前記可動部の外周面の近傍に向き合うように配置される回転防止ガイドを有する請求項2に記載のロードポート装置。
【請求項5】
前記被検出部は、ロッド状であり、前記可動部に対して着脱可能である請求項1に記載のロードポート装置。
【請求項6】
前記可動部は、前記可動部の前記移動の方向に対して略垂直な複数の方向に前記被検出部を装着可能な複数の装着部を有する請求項5に記載のロードポート装置。
【請求項7】
前記可動部は、少なくとも前記下降位置において、前記ベース部の下表面より下方に配置される底部ブロックを有し、
前記被検出部は、前記底部ブロックに装着してある請求項1に記載のロードポート装置。
【請求項8】
前記流路に接続される配管は、前記被検出部が装着される位置とは異なる位置で、前記底部ブロックに装着してある請求項7に記載のロードポート装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記被検出部が装着された前記装着部に対応して取り付け位置を変更可能に前記ベース部に取り付けられる請求項6に記載のロードポート装置。
【請求項10】
前記検出部は、光を生じる発光部と、前記発光部からの光を直接または反射光として受光して信号を出力する受光部と、を有する光学式センサである請求項1に記載のロードポート装置。
【請求項11】
前記被検出部が、前記可動部の移動の少なくとも一部において前記発光部と前記受光部との間に位置することにより、前記検出部が前記可動部の位置を検出する請求項10に記載のロードポート装置。
【請求項12】
前記ロードポート装置は、前記流路に清浄化ガスを供給するガス供給部と、前記検出部の信号が入力される制御部とを有し、
前記制御部は、前記検出部からの前記信号により、前記可動部が前記上昇位置にあることを認識した後、前記ガス供給部を制御して前記流路に前記清浄化ガスを供給し、前記ポートを介して前記容器内に前記清浄化ガスを導入する請求項1から請求項11のいずれかに記載のロードポート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体工場等で容器の受け渡し等を行うロードポート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工場等では、シリコンウエハ等の基板が収容された容器を半導体処理装置等に受け渡すための装置として、ロードポート装置が用いられる。ロードポート装置では、たとえば載置部に載置された容器が、半導体処理装置に繋がるEFEM(イーフェム)等へ密封に接続され、EFEM内のウエハ搬送アームが容器内の基板にアクセス可能となる。
【0003】
近年、基板を酸化や汚染から守るために、基板を収容する環境の清浄度を高めることが求められている。このようなニーズに対応したロードポート装置として、載置部に載置された容器の内部に、容器の底部に設けられたポートを介して清浄化ガスを導入し、容器の内部を清浄化する装置がある。たとえば、容器の底部に対して接触・離間するように上下動するノズルを介して、容器の内部に清浄化ガスが導入される(たとえば特許文献1)。
【0004】
容器の底部のポートに対してノズルを上下動させる機構を有するロードポート装置では、動作誤差や、動作不良等により、ポートとノズルとの接続が完全でない場合がある。ポートとノズルとの接続が完全でない状態で清浄化動作を行うと、清浄化ガスを容器内に導入できず、また、工場内に清浄化ガスが漏洩する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、容器のポートと流路との接続を検出できるロードポート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るロードポート装置は、
容器を載置する載置部を有するロードポート装置であって、
上昇位置に移動することにより前記載置部に載置された前記容器の底部に設けられるポートに接触可能であって、前記ポートを介して前記容器内と連通可能な流路を有する可動部と、
前記可動部が、前記上昇位置と前記上昇位置より下方の下降位置との間で移動が可能となるように、前記可動部を支持するベース部と、
前記可動部の前記移動の方向に対して略垂直に前記可動部から延出し、前記可動部と一体に移動する被検出部と、
前記被検出部の位置を検出する検出部と、を有する。
【0008】
本発明に係るロードポート装置は、可動部から延出した被検出部の位置を検出する検出部を有するため、上昇位置と下降位置との間の可動部の移動を検出することができ、容器のポートと流路とが適切に接続されているか否かを検出できる。また、被検出部は、可動部の移動の方向に対して略垂直に可動部から延出しているため、可動部の移動方向において被検出部および検出部が占めるスペースを小さくすることができる。その結果、可動部の上下移動に伴う載置部内部のスペース確保を最小限にとどめることができる。換言すれば、ロードポート装置において可動部の移動方向のスペースが狭くても、可動部の上下方向の動きを検出する被検出部および検出部を適切に配置できる。
【0009】
前記ロードポート装置は、前記可動部の移動軸周りの回転を抑止する回転抑止部をさらに有していてもよい。
【0010】
可動部の移動軸周りの不要な回転は可動部が移動方向に対して傾くことにもつながるため、上下方向の移動にあたってのがたつきやポートとの接触の際の接触精度にも影響を及ぼす。回転抑止部によると、そのような回転による種々の影響を低減することができる。
【0011】
また、前記ロードポート装置において、前記回転抑止部は、前記被検出部の前記移動の方向に沿って前記被検出部が通過可能な間隙を形成する一対の間隙形成部材を有し、前記一対の間隙形成部材は、前記被検出部の前記移動の方向および前記被検出部の前記延出する方向に略垂直な方向に沿って前記被検出部の両側に対向して配置されていてもよい。
【0012】
また、前記ロードポート装置において、前記回転抑止部は、前記可動部の外周面の近傍に向き合うように配置される回転防止ガイドを有していてもよい。
【0013】
また、前記ロードポート装置において、前記被検出部は、ロッド状であり、前記可動部に対して着脱可能であってもよい。
【0014】
また、前記ロードポート装置において、前記可動部は、前記可動部の前記移動の方向に対して略垂直な複数の方向に前記被検出部を装着可能な複数の装着部を有していてもよい。
【0015】
また、前記ロードポート装置において、前記可動部は、少なくとも前記下降位置において、前記ベース部の下表面より下方に配置される底部ブロックを有し、
前記被検出部は、前記底部ブロックに装着してあってもよい。
【0016】
また、前記ロードポート装置において、前記流路に接続される配管は、前記被検出部が装着される位置とは異なる位置で、前記底部ブロックに装着してあってもよい。
【0017】
また、前記ロードポート装置において、前記検出部は、前記被検出部が装着された前記装着部に対応して取り付け位置を変更可能に前記ベース部に取り付けられていてもよい。
【0018】
また、前記ロードポート装置において、前記検出部は、光を生じる発光部と、前記発光部からの光を直接または反射光として受光して信号を出力する受光部と、を有する光学式センサであってもよい。
【0019】
また、前記ロードポート装置において、前記被検出部が、前記可動部の移動の少なくとも一部において前記発光部と前記受光部との間に位置することにより、前記検出部が前記可動部の位置を検出してもよい。
【0020】
また、前記ロードポート装置において、前記ロードポート装置は、前記流路に清浄化ガスを供給するガス供給部と、前記検出部の信号が入力される制御部とを有し、
前記制御部は、前記検出部からの前記信号により、前記可動部が前記上昇位置にあることを認識した後、前記ガス供給部を制御して前記流路に前記清浄化ガスを供給し、前記ポートを介して前記容器内に前記清浄化ガスを導入していてもよい。
【0021】
このようなロードポート装置は、容器のポートとロードポート装置のノズルとの接続が完全でない状態で清浄化動作が開始されることを防止し、清浄化ガスを容器内に確実に導入するとともに、工場内に清浄化ガスが漏洩する問題を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るロードポート装置およびロードポート装置に載置される容器の概略図である。
【
図2】
図2は、ロードポート装置が有するボトムパージユニットの1つの配置を示す部分拡大図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すボトムパージユニットを上方から見た斜視図であり、可動が上昇位置にある状態を表している図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すボトムパージユニットを下方から見た斜視図であり、可動が下降位置にある状態を表している図である。
【
図5】
図5は、
図2に示すボトムパージユニットの底面図である。
【
図6】
図6は、
図2に示すボトムパージユニットに含まれる可動部の正面図である。
【
図7】
図7は、
図2に示すボトムパージユニットの正面図であり、可動部が上昇位置にある状態を表している図である。
【
図8】
図8は、
図2に示すボトムパージユニットの正面図であり、可動部が下降位置にある状態を表している図である。
【
図9】
図9は、
図2に示すボトムパージユニットにおいて、被検出部および検出部の装着位置を変更した状態のボトムパージユニットの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るロードポート装置10と、ロードポート装置10の載置部12に載置された容器としてのフープ80とを示す外観図である。ロードポート装置10は、通常、EFEMの壁部に設置され、EFEMの一部を構成する。EFEMは、ウエハ搬送用のロボットアーム等が設けられるミニエンバイロメントを形成し、ロボットアームは、ロードポート装置10によってミニエンバイロメントに接続されたフープ80内から、フープ80内に収容されるシリコンウエハ等の基板を取り出し、半導体処理装置等へ搬送する。
【0024】
図1に示すように、ロードポート装置10は、載置部12、ドア14、フレーム16、ボトムパージユニット20、ガス供給部60、制御部70等を有する。ロードポート装置10の載置部12には、基板を密封して収容および搬送するフープ(FOUP)80が、着脱自在に載置可能になっている。
【0025】
載置部12には、フープ80が載置される。載置部12は、フープ80を上部に載置した状態でY軸方向に移動する移動テーブル等を有し、フープ80の主開口86を、フレーム16のフレーム開口16aに接続することができる。なお、図面において、Y軸が載置部12の移動方向を示し、Z軸が鉛直方向の上下方向を示し、X軸がこれらのY軸およびZ軸に垂直な方向を示す。
【0026】
フレーム16は、載置部12から上方(Z軸正方向)に延びており、載置部12および載置部12に設置されたフープ80は、フレーム16に対して接近・離間するように移動する。フレーム16には、フープ80の主開口86に対向するようにフレーム開口16aが形成されており、フレーム開口16aは、ドア14によって開閉される。
【0027】
ドア14は、フレーム開口16aを開閉するとともに、フープ80の主開口86に着脱自在に設けられる蓋部に係合し、主開口86を開閉する。ロードポート装置10では、載置部12がフープ80をフレーム16に接触する位置まで移動させた後、ドア14がフープ80の蓋部を係合してミニエンバイロメント内に引き込むことにより、フープ80内とミニエンバイロメントとを、フープ80の主開口86を介して気密に連結することができる。
【0028】
ボトムパージユニット20は、載置部12に設けられている。ボトムパージユニット20は、載置部12に載置されたフープ80の底部82に備えられるポート84を介して、フープ80内に清浄化ガスを供給する。
図1では、ロードポート装置10が有するボトムパージユニット20のうち1つのみが表示されているが、ロードポート装置10は複数のボトムパージユニット20を有していてもよい。
【0029】
ガス供給部60は、ボトムパージユニット20の流路32(
図6参照)に清浄化ガスを供給する。ガス供給部60は、ボトムパージユニット20への清浄化ガスの供給・供給停止を切り換える弁等を有する。
【0030】
制御部70は、ボトムパージユニット20、載置部12、ガス供給部60およびドア14等を制御する。制御部70は、各部を制御するための演算処理を行うプロセッサ等を有する。
【0031】
ボトムパージユニット20の構成について、さらに
図2~
図8を参照して詳細に説明する。
【0032】
図2は、ロードポート装置10におけるボトムパージユニット20の配置を示す概念図である。ボトムパージユニット20は、フープ80の底部82に備えられるポート84に対向するように配置される。
図2に示すように、フープ80の底部82に備えられるポート84と載置部12との間には隙間が形成されている。
【0033】
図3に示すように、ボトムパージユニット20は、可動部30と、ベース部40と、検出部50とを有する。
【0034】
可動部30は、ロードポート装置10の載置部12の設置部12aに形成される設置部開口12bと、ボトムパージユニット20のベース部40に形成される開口部44(
図7および
図8参照)を上下方向に挿通するとともに、開口部44の内部を上下方向に移動する。すなわち、可動部30は、筒状の開口部44の開口軸の方向に沿って、
図7に示す上昇位置P2と、
図8に示す下降位置P1との間で移動する。可動部30は、
図7に示すように上昇位置P2に移動することにより、載置部12に載置されたフープ80(
図2参照)の底部82に設けられるポート84に接触可能である。可動部30がポート84に接触したとき、
図3に示す可動部30の流路32は、ポート84を介してフープ80内と連通する。
【0035】
図3、
図5,
図7および
図8における設置部12aの形状は、ボトムパージユニット20の説明のために載置部12の一部を表示したものである。なお、載置部12の設置部12aは、載置部12の他の部分から分離可能であってもよく、一体であってもよい。
【0036】
図6に示すように、可動部30は、内部に流路32が形成される中空円筒状のノズル部34と、ノズル部34から外径方向に突出するノズル鍔部35とを有する。ノズル鍔部35は、ノズル部34の上部に接続しており、
図7および
図8に示すように、ベース部40の開口部44から上方に露出する。
図3に示すように、ノズル鍔部35はリング状である。ただし、ノズル部34およびノズル鍔部35の形状は、円筒状やリング状に限定されない。
【0037】
図3に示すように、ノズル鍔部35の上表面には、リング状の接触部37が設けられている。接触部37は、樹脂等の弾力のある材質で構成されることが好ましく、流路32とポート84(
図1および
図2参照)との接続部分の気密性を高め、可動部30の流路32とポート84内を流れる流体が、外部へ流出することを防止する。
【0038】
図6に示すように、ノズル部34の下端には、底部ブロック38が設置されている。
底部ブロック38は、所望の断面形状の柱状部材であり、ノズル部34の下端にノズル部34と略同軸に設置されている。本実施形態では、底部ブロック38は略正方形の断面形状を有し、したがって、底部ブロック38は、上面38a、下面38bおよび4つの側面38c1~38c4を有する四角柱(直方体または立方体)形状である。
【0039】
底部ブロック38の上面38aは、流路32を有するノズル部34の下端と接続されている。また、底部ブロック38の4つの側面38c1~38c4のいずれか1つには、継ぎ手部36が取り付けられている(説明の為に、継ぎ手部36が取り付けられた側面を第1の側面38c1と称する)。継ぎ手部36の内部にはガス供給流路が形成されており、底部ブロック38を介してノズル部34内の流路32につながっている。したがって、底部ブロック38の内部には、ノズル部34の流路32と継ぎ手部36のガス供給流路とを接続するL字形状の図示せぬ流路(L字流路)が形成されている。
【0040】
図4に示すように、継ぎ手部36には、ガス供給部60(
図1参照)の接続経路62が接続されている。このような構成により、ノズル部34の流路32には、継ぎ手部36を介して接続するガス供給部60の接続経路62から、清浄化ガスが供給される。
【0041】
図6に示すように、底部ブロック38の4つの側面のうち、継ぎ手部36が取り付けられた第1の側面38c1以外の3つの側面38c2~38c4には、それぞれ、その略中央部に、ロッド設置用ねじ穴39が形成されており、3つの側面38c2~38c4のいずれかのロッド設置用ねじ穴39に、位置検出用ロッド33が係合設置される。本実施形態においては、継ぎ手部36が取り付けられた第1の側面38c1に対して反対側の面となる第3の側面38c3に、位置検出用ロッド33が装着されている。
【0042】
位置検出用ロッド33は、ベース部40の開口部44に沿って上下方向に移動する可動部30において、可動部30がベース部40に対して上昇位置にあるのか下降位置にあるのかを検出するための被検出部である。位置検出用ロッド33は、可動部30の移動の方向に対して略垂直に底部ブロック38から(可動部30から)延出し、可動部30と一体に移動する。位置検出用ロッド33は、後述する検出部50により所定の位置に存在するか否かが検出され、可動部30の位置が検出される。
【0043】
位置検出用ロッド33は、断面が円形のロッド状(棒状、柱状)の部材であり、底部ブロック38に着脱可能に設置される。位置検出用ロッド33を着脱可能とするために、位置検出用ロッド33の一端部は、図示省略するが、底部ブロック38のロッド設置用ねじ穴39にねじ込まれる雄ねじに形成されている。また、位置検出用ロッド33を底部ブロック38に設置したときに外方向に延出した部分の先端部となる位置検出用ロッド33の他端部には、位置検出用ロッド33を軸周りに回転させてロッド設置用ねじ穴39にねじ込むときに使用する溝33aが形成されている。
【0044】
位置検出用ロッド33を底部ブロック38のどの側面38c1~38c4設置するかは、ロードポート装置10の載置部12の内部のスペース、底部ブロック38に接続される継ぎ手部36および接続経路62の配置、複数のボトムパージユニット20が設置される場合における他のボトムパージユニット20との配置関係等に基づいて、ロードポート装置10の他の構成と干渉せず、ロードポート装置10の載置部12の内部スペースを有効に利用できるように、適宜決定される。
【0045】
換言すれば、本発明のロードポート装置10においては、上述したような条件に応じて、底部ブロック38の側面のうち、継ぎ手部36が設置される第1の側面38c1を除く任意の側面38c2~38c4に位置検出用ロッド33を設置できるので、ロードポート装置10の載置部12の内部スペースを有効に利用できるとともに、ボトムパージユニット20の設置スペースが狭い場合や、周囲の構成との関係でボトムパージユニット20の配置形態に制限がある場合にも、適切にボトムパージユニット20を載置部12に設置することができる。
【0046】
なお、位置検出用ロッド33は、底部ブロック38に対して着脱可能とせず、いずれかの側面に固定設置されていてもよい。また、底部ブロック38の形状も四角柱(直方体または立方体)形状に限られるものではなく、三角形、六角形、八角形などの任意の多角形の断面を有する柱状部材、円形の断面形状を有する円柱状部材であってもよい。そのような構成において、継ぎ手部36および位置検出用ロッド33(ロッド設置用ねじ穴39)は、それぞれ任意の側面に、あるいは外周面の任意の位置に配置してよい。
【0047】
位置検出用ロッド33は、
図7に示すように可動部30が上昇位置P2にあるときは、可動部30と一体に上側に(ベース部40に近い位置に)配置される。また、位置検出用ロッド33は、
図8に示すように可動部30が下降位置P1にあるときは、可動部30と一体に下側に、すなわちベース部40から離れたボトムパージユニット20の最下部近く(Z軸方向下側の端部付近)に配置される。
【0048】
この可動部30が下降位置P1にあるときに位置検出用ロッド33が配置される位置、すなわち、ベース部40から離れたボトムパージユニット20の最下部近くには、位置検出用ロッド33の有無を検出する検出部50が設置されており、検出部50により位置検出用ロッド33の有無が検出されることにより、可動部30の位置が検出される。
【0049】
ベース部40は、可動部30が上昇位置P2(
図7参照)と、上昇位置P2より下方の下降位置P1との間で上下方向に移動できるように、可動部30を相対移動可能に支持する。
図3に示すように、ベース部40は、上ベース部42と下ベース部43との2つの部材を、上下に組み合わせて構成されている。
【0050】
図7および
図8に示すように、ベース部40には、可動部30のノズル部34が上下方向に挿通する開口部44が形成されている。開口部44は、ベース部40を上下方向に貫通する貫通孔である。開口部44の開口形状は円形であり、開口部44の内径はノズル部34の外径とほぼ同じか僅かに大きい。したがって、ノズル部34は、開口部44の内部をスライドして、上下方向に円滑に移動することができる。開口部44の開口径は、ノズル鍔部35の外径より小さくなっているため、可動部30が下方に抜け落ちることは防止される。
【0051】
ベース部40の内部には、可動部30に動力を伝える圧力室が形成されており、上ベース部42と下ベース部43には、ベース部40の内部の圧力室に圧力を伝えるための第1接続部42aと第2接続部43aとが形成されている。ベース部40と可動部30とは、シリンダとピストンの関係になっており、第1接続部42aおよび第2接続部43aからベース部40内の圧力室に圧力が伝えられることにより、可動部30を上下方向に移動させることができる。なお、各図では、第1接続部42aおよび第2接続部43aに圧力を伝える配管については、図示していない。また、可動部30の圧力室への圧力の伝達は、
図1に示す制御部70によって制御される。
【0052】
図4および
図5に示すように、ベース部40の下表面40bには、一対の回転防止ロッド48a,48b(回転防止ロッド対48)および回転防止ガイド49が設置されている。回転防止ロッド対48および回転防止ガイド49は、それぞれ、可動部30の移動軸周りの回転(可動部30の移動の方向を回転軸の方向とする回転)を抑止する回転抑止部である。
【0053】
一対の回転防止ロッド48a,48bは、それぞれ、断面が円形のロッド状(棒状)部材であり、位置検出用ロッド33の両側に設置されている。一方の回転防止ロッド48aと他方の回転防止ロッド48bとの間には、位置検出用ロッド33が通過可能な間隙が形成されている。すなわち、一対の回転防止ロッド48a,48bは、位置検出用ロッド33を挟んでベース部40の下表面40bに対して下向きに(Z軸方向下向きに)立設されており、その延伸方向は、可動部30の上下移動の方向と平行である。
【0054】
一対の回転防止ロッド48a,48bの長さは、可動部30が上昇位置P2(
図7参照)と下降位置P1(
図8参照)との間を移動することに伴う位置検出用ロッド33の上下移動の全範囲にわたり、位置検出用ロッド33の両側に回転防止ロッド48a,48bが配置されるに足りる長さである。換言すれば、一対の回転防止ロッド48a,48bは、可動部30が上下移動する全範囲において、位置検出用ロッド33が、常に、回転防止ロッド48a,48bにより形成される間隙を通過するように設置されている。
【0055】
このような一対の回転防止ロッド48a,48bを有することにより、可動部30が移動軸周りに回転をすると、位置検出用ロッド33が一対の回転防止ロッド48a,48bのいずれかに接触することとなり、可動部30の回転が抑止される。その結果、可動部30の不要な回転が防止される。
【0056】
一方、回転防止ガイド49も、回転防止ロッド対48とともに可動部30の回転を防止する部材である。回転防止ガイド49は、可動部30の回転防止ロッド対48の第4の側面38c4に沿って、第4の側面38c4に近接して配置された板状部材である。
【0057】
このような回転防止ガイド49を有することにより、可動部30が移動軸周りに回転をすると、可動部30の底部ブロック38の第4の側面38c4が回転防止ガイド49に接触することとなり、可動部30の回転が抑止される。その結果、回転防止ガイド49によっても、可動部30の不要な回転が防止される。
【0058】
なお、回転防止ロッド対48と回転防止ガイド49とは、いずれか一方のみ具備する構成であってもよいし、本実施形態のように両方を具備する構成であってもよい。また、ボトムパージユニット20あるいはロードポート装置10として、他に可動部30の回転軸周りの回転を抑止する手段を具備する場合いは、回転防止ロッド対48および回転防止ガイド49は具備しなくてもよい。
【0059】
また、回転防止ロッド48a,48bは、断面円柱状のロッドに限られず、可動部30の街道軸周りの回転に伴う位置検出用ロッド33の移動を規制する間隙が、位置検出用ロッド33の移動全範囲にわたり形成可能な部材あるいは構成であれば、任意の形状の部材を用いてよく、また、任意の形態で構成してよい。
【0060】
また、回転防止ガイド49においても、単一の板状部材に限られず、たとえば、棒状の部材であってもよく、また、複数設置してもよい。回転防止ガイド49は、底部ブロック38の側面38c1~38c4のうち、継ぎ手部36および位置検出用ロッド33が取り付けられる箇所を除く任意の位置に、任意の数、任意の形状で配置してよい。回転防止ガイド49は、底部ブロック38の側面(可動部30の移動軸に平行な外周面)のうち、可動部30の移動軸周りの回転に伴い位置が変化する任意の部分に対して、その近傍に、その部分の位置が変化した場合に接触するように形成してあれば、任意の形状の任意の形態の構成であってよい。
【0061】
検出部50は、位置検出用ロッド33の有無を検出する。換言すれば、検出部50は、位置検出用ロッド33の位置を検出する。
図3に示すように、検出部50は、ボトムパージユニット20の最下部に設置されている。より具体的には、検出部50は、
図8に示すように、可動部30が下降位置P1にあるときに位置検出用ロッド33が配置される位置に設置されている。
【0062】
検出部50は、検出部設置部材47を介して、ベース部40の下表面40bに取り付けられている。検出部設置部材47は、スペーサとしての機能を有し、所望の厚み(高さ、Z軸方向の長さ)の検出部設置部材47を用いることにより、検出部50を取り付け高さ(Z軸方向の位置)を、可動部30が下降位置P1にあるときの位置検出用ロッド33の高さ(Z方向の位置)に正確に位置合わせすることができる。
【0063】
また、検出部設置部材47は、水平面内における検出部50の取り付け位置を容易に変更可能とするための中間部材としての機能を有する。すなわち、前述したように可動部30の位置検出用ロッド33は、底部ブロック38の周囲側面の異なる複数の位置に対して取り付けることが可能であるところ、たとえば
図9を参照して後述するように位置検出用ロッド33の位置が変更された場合には、検出部50の取り付け位置も変更する必要が生じる。このようなとき、検出部50をベース部40に接取り付けるのではなく、検出部設置部材47を介して取り付けることとしておけば、構成が複雑なベース部40を加工せずとも、検出部設置部材47に形成する検出部50を取り付けるためのねじ穴(ボルト穴)の位置を変更あるいは追加するのみで対応可能となる。検出部設置部材47は、このような機能のためにも使用可能である。
【0064】
たとえば、本実施形態のように位置検出用ロッド33が底部ブロック38の3つの側面38c2~38c4のいずれかに取り付けられる構成の場合には、検出部設置部材47に対して、位置検出用ロッド33の各位置(3形態)に対応した3カ所の位置のそれぞれに予め設置用のねじ穴などを形成しておいてもよい。このようにしておけば、底部ブロック38のロッド設置用ねじ穴39に対するねじ込み位置を変更するだけで可能な位置検出用ロッド33の取り付け位置の変更に加えて、検出部50の位置の変更も、容易に行うことができる。
【0065】
図5に示すように、検出部50は、光を生じる発光部52と、発光部52からの光を受光して信号を出力する受光部54とを有する光学式センサである。発光部52と受光部54との間には、位置検出用ロッド33が通過可能な隙間56が形成されている。検出部50は、発光部52と受光部54との対向方向が、位置検出用ロッド33の延出方向に対して垂直であり、可動部30の移動の方向(移動軸方向)に対しても垂直となるような姿勢で、ベース部40に対して設置されている。
【0066】
また、検出部50は、可動部30が下降位置P1(
図8参照)となったときに位置検出用ロッド33が隙間56内に位置するように、また、少なくとも可動部30が上昇位置P2(
図7参照)となったときに位置検出用ロッド33が隙間56内に位置しないように、その高さ(Z方向位置)が調整されて設置されている。
【0067】
このように検出部50を設置することにより、
図7に示すように、可動部30が上昇位置P2にある場合、位置検出用ロッド33も可動部30と一体に上昇している。これにより、位置検出用ロッド33は検出部50より上方に移動し、検出部50の隙間56(
図5参照)内には位置検出用ロッド33(位置検出用ロッド33の先端部)が位置しない。したがって、発光部52からの光は被検出部33によって遮蔽されることなく受光部54に到達し、受光部54は、可動部30が上昇位置P2にあることを検出する。
【0068】
これに対して、
図8に示すように、可動部30が下降位置P1にある場合、位置検出用ロッド33も可動部30と一体に下降している。これにより、位置検出用ロッド33は検出部50と同じ高さ(Z方向位置)となり、検出部50の隙間56(
図5参照)内に位置検出用ロッド33(位置検出用ロッド33の先端部)が位置することとなる。したがって、発光部52からの光は位置検出用ロッド33によって遮蔽されて受光部54に到達せず、受光部54は、可動部30が下降位置P1にあることを検出する。
【0069】
検出部50は、前述したような可動部30の位置情報に関する信号を、制御部70(
図1参照)へ出力する。検出部50による信号は、配線部58(
図1参照)を介して、制御部70へ入力される。
【0070】
位置検出用ロッド33のZ軸方向の取り付け位置に関して、
図6に示すように、ノズル鍔部35の下表面から位置検出用ロッド33までの上下方向の長さL1は、ノズル鍔部35の下表面から底部ブロック38の下面38bまでの上下方向の長さL2より短い。これにより、位置検出用ロッド33の設置のために可動部30の高さ方向のサイズが大きくなることが防止され、ボトムパージユニット20の全体サイズをコンパクトにできる。
【0071】
また、ノズル鍔部35の下表面から位置検出用ロッド33までの上下方向の長さL1は、
図8に示す上表面40aから下表面40bまでの上下方向の長さL3より長い。これにより、可動部30が上昇位置(P2)に移動したときも位置検出用ロッド33とベース部40とが干渉することはなく、ロードポート装置10によるフープ80の内部の清浄化処理、および、位置検出用ロッド33の位置の検出は、ともに適切に実行される。
【0072】
このような構成のロードポート装置10により、載置部12に載置されたフープ80の内部へ清浄化ガスを導入する手順について説明する。
まず、第1の工程として、ロードポート装置10の制御部70は、フープ80が載置部12に載置されたことを検出する。この際、ボトムパージユニット20の可動部30は、
図8に示す下降位置P1に位置しており、位置検出用ロッド33は検出部50の隙間56内に位置している。そのため、検出部50は、発光部52による光を受光部54で受光できず、位置検出用ロッド33が隙間56に位置していること、換言すれば可動部30が下降位置P1にあることを検出する。検出部50は、位置検出用ロッド33が隙間56内に位置すること(可動部30が下降位置P1にあること)を示す検出信号を、制御部70へ出力する。
【0073】
次に、第2の工程として、ロードポート装置10の制御部70は、ボトムパージユニット20を制御し、可動部30を
図7に示す上昇位置P2に移動させる。可動部30が上昇位置P2に移動したことにより、位置検出用ロッド33は検出部50の隙間56内に位置しない状態となり、検出部50は、発光部52による光を受光部5dで受講できる状態となり、位置検出用ロッド33が隙間56に位置していないこと、換言すれば可動部30が上昇位置P2にあることを検出する。検出部50は、位置検出用ロッド33が隙間56内に位置しないこと(可動部30が上昇位置P2にあること)を示す検出信号を、制御部70へ出力する。
【0074】
次に、第3の工程として、ロードポート装置10の制御部70は、検出部50からの検出信号により、可動部30が上昇位置P2にあることを認識した後、
図1に示すガス供給部60を制御して、ボトムパージユニット20の流路32に清浄化ガスを供給し、フープ80の底部82のポート84を介して、フープ80内に清浄化ガスを導入する。
【0075】
このような手順により、制御部70がボトムパージユニット20を制御し、載置部12に載置されたフープ80の内部へ、清浄化ガスを導入する。
【0076】
このように、本実施形態のロードポート装置10は、可動部30が行う上昇位置P2と下降位置P1との間の移動を検出する検出部50を有するため、フープ80のポート84とノズル部34の流路32との接続を、適切に検出できる。検出部50がベース部40の上表面40aより下方に配置されているため、たとえ載置部12とフープ80の底部82との隙間を狭くしたとしても、検出部50の設置に支障がない。したがって、ロードポート装置10は、可動部30のストロークを短くしてボトムパージユニット20を小型化することと、ポート84と流路32との接続の検出とを、両立させることができる。
ロードポート装置10では、以上のような工程により、載置部12に載置されたフープ80の内部へ清浄化ガスを導入する。
【0077】
このように、本実施形態に係るロードポート装置10では、ボトムパージユニット20において、フープ80のポート84とロードポート装置10のノズル部34の流路32との接続が適切か否かを、可動部30に取り付けられた被検出部たる位置検出用ロッド33と、ベース部40に取り付けられた検出部50とにより正確に検出することができる。その結果、フープ80のポート84とロードポート装置10のノズル部34の流路32との接続が完全でない状態で清浄化動作が開始されることを防止することができ、清浄化ガスをフープ80内に確実に導入できるとともに、工場内に清浄化ガスが漏洩すること等を防止することができる。
【0078】
また、本実施形態に係るボトムパージユニット20では、検出部50はベース部40の下表面40bより下方の位置で被検出部たる位置検出用ロッド33の移動を検出する。このようなボトムパージユニット20は、平面方向のサイズを小さくすることができ、小型化に対して有利である。
【0079】
また、特に本実施形態に係るボトムパージユニット20では、可動部30の位置を検出する位置検出用ロッド33を、可動部30の下部に形成される底部ブロック38から、水平方向(可動部30の移動の方向に対して垂直な方向)に延出して形成している。これにより、たとえば位置検出用ロッド33をノズル鍔部35の下面に設置した場合等と比較して、ボトムパージユニット20において、ノズル鍔部35の下側の空間に占める構成を少なくすることができる。その結果、ノズル鍔部35の下側の高さ方向の空間を開放することができ、ボトムパージユニット20の全体構成を小型化することができる。また、ロードポート装置10の載置部12において、狭い空間にボトムパージユニット20を設置することができ、ロードポート装置10全体の小型化に有効である。
【0080】
また、本実施形態のロードポート装置10においては、位置検出用ロッド33に対して一対の回転防止ロッド48a,48bを設け、また、可動部30の底部ブロック38に対して回転防止ガイド49を設けており、可動部30の移動軸周りの回転を適切に抑止することができる。
【0081】
また、本実施形態のロードポート装置10においては、検出部がベース部の下表面に取り付けられているため、検出部とベース部と可動部とを一体のユニット(すなわち本実施形態に係るボトムパージユニット20)とすることができ、装置構成の簡単化、取り扱いの容易化、あるいは、構成の小型化等の点で有効である。
【0082】
以上、実施形態を示して本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、他の多くの実施形態および変形例を有するものであることは言うまでもない。
【0083】
たとえば、位置検出用ロッドおよび検出部は、前述した実施形態のように底部ブロックの継ぎ手部の反対側に設置される構成に限定されるものではなく、たとえば
図9に示すように、継ぎ手部36が設置された底部ブロック38の第1の側面38c1に隣接する底部ブロック38の第4の側面38c4に設置してもよい。なお、位置検出用ロッド33、検出部50、あるいは、一対の回転防止ロッド48a,48b、回転防止ガイド49の具体的の位置の変更方法は、前述した実施形態の中で説明をした通りである。
【0084】
これら位置検出用ロッド33、検出部50、一対の回転防止ロッド48a,48bあるいは回転防止ガイド49を底部ブロック38のどの側面38c1~38c4のどの位置に設置するかは、ロードポート装置10の載置部12の内部のスペース、底部ブロック38に接続される継ぎ手部36および接続経路の配置、複数のボトムパージユニット20が設置される場合における他のボトムパージユニット20との配置関係等に基づいて、ロードポート装置10の他の構成と干渉せず、ロードポート装置10の載置部12の内部スペースを有効に利用できるように、任意に決定してよい。
【0085】
また、前述した実施形態では、可動部30の移動軸周りの回転を抑止する一対の回転防止ロッド48a,48bおよび回転防止ガイド49は、ベース部40に設置するものとした。しかしながら、前述したように、位置検出用ロッド33および検出部50が可動部30の底部ブロック38の外周に沿った任意の位置に変更可能な構成においては、一対の回転防止ロッド48a,48bおよび回転防止ガイド49も、その設置位置が容易に変更可能であった方が好ましい。このような点から、一対の回転防止ロッド48a,48bおよび回転防止ガイド49を、検出部50をベース部40に設置するための検出部設置部材47に形成するようにしてもよい。このようにすれば、継ぎ手部36、位置検出用ロッド33および検出部50を、可動部30の底部ブロック38の外遊周りの任意の位置に配置したときに、同時に可動部30の移動軸周りの回転を抑止する手段も設置位置を容易に変更可能であり、好適だる。
【0086】
また、可動部をベース部に対して相対移動させる方法は、エアシリンダ方式に限定されず、モータによる駆動等、他の駆動方式を用いてもよい。また、可動部が移動する移動方向は、上下方向のみに限定されず、斜め方向や、回転方向、およびこれらと他の移動方向との組み合わせであってもよい。可動部は、前述した実施形態における下降位置および上昇位置に対応する所定の第1の位置と第2の位置との間で位置を変化させることができればよく、その移動方向や移動方法は任意でよい。
【0087】
また、前述した実施形態では、可動部が下降位置にあるときの被検出部たる位置検出用ロッドの位置を検出部で検出する構成としたが、可動部が上昇位置にあるときの被検出部の位置を検出部で検出する構成としてもよい。
【0088】
また、前述した実施形態では、検出部は検出部設置部材を介してベース部に取り付けるものとしたが、検出部を直接ベース部に取り付ける構成であってもよい。また、検出部は、ベース部ではなく、ベース部が固定される載置部に取り付けられてもよい。検出部をベース部に取り付けせず、載置部に取り付けることにより、ベース部に検出部の取り付け部を設けなくてよくなるため、ベース部を小型化することができる。
【0089】
また、前述した実施形態では、被検出部として棒状(ロッド状)の位置検出用ロッドを例示したが、これに限定されず、被検出部は板状であってもよい。被検出部は、可動部の移動の少なくとも一部において、発光部と受光部との間を通るものであればよい。
【0090】
その他、たとえば可動部は、流路が形成されるノズル部から外径方向に突出するノズル鍔部を有する構成であってもよい。
また、検出部の受光部は、被検出部が反射した光を検出するものであってもよい。
また、可動部の移動を検出する検出部としては、たとえば、磁気センサや接触式センサであってもよい。なお、センサの信頼性・耐久性等の観点からは、光学式センサを用いることが好ましい。
【符号の説明】
【0091】
10…ロードポート装置
12…載置部
12a…設置部
12b…設置部開口
14…ドア
16…フレーム
16a…フレーム開口
20…ボトムパージユニット
30…可動部
32…流路
33…被検出部(位置検出用ロッド)
34…ノズル部
35…ノズル鍔部
36…継ぎ手部
37…接触部
38…底部ブロック
38a…上面
38b…下面
38c1~38c4…側面
39…ロッド設置用ねじ穴
P1…下降位置
P2…上昇位置
40…ベース部
40a…上表面
40b…下表面
42…上ベース部
42a…第1接続部
43…下ベース部
43a…第2接続部
44…開口部
47…検出部設置部材
48a,48b…回転防止ロッド(間隙形成部材)
49…回転防止ガイド
50…検出部
52…発光部
54…受光部
56…隙間
58…配線部
60…ガス供給部
62…接続経路
70…制御部
80…フープ
82…底部
84…ポート
86…主開口