(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011215
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】クレジットカードシステム及び店舗サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20240118BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113042
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】白崎 隆一
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB36
(57)【要約】
【課題】使い捨てのクレジットカードによる決済から正規のクレジットカードによる決済へ円滑に移行することができるクレジットカードシステム及び店舗サーバを提供する。
【解決手段】
クレジットカードシステム1は、第1のクレジットカードのカード会員に対して使い捨ての第2のクレジットカードが発行される場合において、仮想店舗での前記カード会員による前記第2のクレジットカードの利用後、前記カード会員側のユーザ端末2から取得した提供要求に応じて、前記第1のクレジットカードのカード番号を前記仮想店舗側の店舗サーバ3に提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のクレジットカードのカード会員に対して使い捨ての第2のクレジットカードが発行される場合において、仮想店舗での前記カード会員による前記第2のクレジットカードの利用後、前記カード会員からの提供要求に応じて、前記第1のクレジットカードのカード番号を前記仮想店舗側に提供する提供部
を備える、クレジットカードシステム。
【請求項2】
前記カード会員からの発行要求に応じて、前記第2のクレジットカードを発行する発行部をさらに備える、
請求項1に記載のクレジットカードシステム。
【請求項3】
前記発行部は、前記カード会員が前記仮想店舗でクレジットカードを利用する場合において、前記カード会員から前記発行要求を受け付けたときに、前記第2のクレジットカードを発行する、
請求項2に記載のクレジットカードシステム。
【請求項4】
前記第1のクレジットカード及び前記第2のクレジットカードの何れを使用するのかの選択を前記カード会員に対して要求する選択要求部
をさらに備え、
前記発行部は、前記カード会員によって前記第2のクレジットカードの使用が選択された場合、前記カード会員から前記発行要求を受け付けたものとして、前記第2のクレジットカードを発行する、
請求項3に記載のクレジットカードシステム。
【請求項5】
前記第2のクレジットカードのカード番号を前記仮想店舗に通知する通知部
をさらに備える、
請求項2に記載のクレジットカードシステム。
【請求項6】
前記発行部は、前記仮想店舗での前記カード会員による前記第2のクレジットカードの利用後に、前記カード会員からさらに発行要求を受け付けた場合、前記第2のクレジットカードとは異なる使い捨ての第3のクレジットカードをさらに発行し、
前記提供部は、前記仮想店舗での前記カード会員による前記第3のクレジットカードの利用後、前記カード会員からの提供要求に応じて、前記第1のクレジットカードのカード番号を前記仮想店舗側に提供する、
請求項2に記載のクレジットカードシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のクレジットカードシステムと通信可能に接続される前記仮想店舗側の店舗サーバであって、
前記クレジットカードシステムから提供された前記第1のクレジットカードのカード番号を保存する保存部と、
前記カード番号の保存後に前記カード会員が前記仮想店舗を利用する場合に、前記カード番号を用いることにより前記第1のクレジットカードによる支払いを受け付ける受付部と
を備える、店舗サーバ
【請求項8】
請求項1に記載のクレジットカードシステムと通信可能に接続される前記仮想店舗側の店舗サーバであって、
前記クレジットカードシステムから、前記第1のクレジットカード及び前記第2のクレジットカードのカード番号を受信する受信部と、
前記クレジットカードシステムから受信したカード番号が、前記第1のクレジットカード及び前記第2のクレジットカードの何れに係るものかを判定する判定部と、
前記第1のクレジットカードのカード番号であると判定した場合、当該カード番号を保存する保存部と、
前記カード番号の保存後に前記カード会員が前記仮想店舗を利用する場合に、前記カード番号を用いることにより前記第1のクレジットカードによる支払いを受け付ける受付部と
を備える、店舗サーバ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードに関する各種処理を実行するクレジットカードシステム、及び仮想店舗を運営する店舗サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレジットカードのカード会員からの依頼に基づいて使い捨てのクレジットカード(ワンタイム・クレジットカード)を発行し、その使い捨てのクレジットカードによりオンラインショッピングでの支払いを受け付けるオンラインショッピングシステムが開示されている。これにより、カード会員は、使い捨てではない正規のクレジットカードを使用する必要がなくなるため、そのクレジットカードのカード番号の漏洩などを気に掛けることなく安心してオンラインショッピングを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ある仮想店舗について信用できないためにカード会員が使い捨てのクレジットカードの利用を希望する場合であっても、その仮想店舗を利用した結果、当該仮想店舗が信用できる店舗であると認識したとき、それ以降は正規のクレジットカードの利用を希望することが想定される。そのため、使い捨てのクレジットカードによる決済から正規のクレジットカードによる決済への移行を支援する技術があると、カード会員の利便性が高まる。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、使い捨てのクレジットカードによる決済から正規のクレジットカードによる決済へ円滑に移行することができるクレジットカードシステム及び店舗サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一の態様のクレジットカードシステムは、第1のクレジットカードのカード会員に対して使い捨ての第2のクレジットカードが発行される場合において、仮想店舗での前記カード会員による前記第2のクレジットカードの利用後、前記カード会員からの提供要求に応じて、前記第1のクレジットカードのカード番号を前記仮想店舗側に提供する提供部を備える。
【0007】
前記態様において、前記カード会員からの発行要求に応じて、前記第2のクレジットカードを発行する発行部をさらに備えてもよい。
【0008】
また、前記態様において、前記発行部は、前記カード会員が前記仮想店舗でクレジットカードを利用する場合において、前記カード会員から前記発行要求を受け付けたときに、前記第2のクレジットカードを発行してもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記第1のクレジットカード及び前記第2のクレジットカードの何れを使用するのかの選択を前記カード会員に対して要求する選択要求部をさらに備え、前記発行部は、前記カード会員によって前記第2のクレジットカードの使用が選択された場合、前記カード会員から前記発行要求を受け付けたものとして、前記第2のクレジットカードを発行してもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記第2のクレジットカードのカード番号を前記仮想店舗に通知する通知部をさらに備えてもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記発行部は、前記仮想店舗での前記カード会員による前記第2のクレジットカードの利用後に、前記カード会員からさらに発行要求を受け付けた場合、前記第2のクレジットカードとは異なる使い捨ての第3のクレジットカードをさらに発行し、前記提供部は、前記仮想店舗での前記カード会員による前記第3のクレジットカードの利用後、前記カード会員からの提供要求に応じて、前記第1のクレジットカードのカード番号を前記仮想店舗側に提供してもよい。
【0012】
本発明の一の態様の店舗サーバは、前記態様のクレジットカードシステムと通信可能に接続される前記仮想店舗側の店舗サーバであって、前記クレジットカードシステムから提供された前記第1のクレジットカードのカード番号を保存する保存部と、前記カード番号の保存後に前記カード会員が前記仮想店舗を利用する場合に、前記カード番号を用いることにより前記第1のクレジットカードによる支払いを受け付ける受付部とを備える。
【0013】
また、本発明の他の態様の店舗サーバは、前記態様のクレジットカードシステムと通信可能に接続される前記仮想店舗側の店舗サーバであって、前記クレジットカードシステムから、前記第1のクレジットカード及び前記第2のクレジットカードのカード番号を受信する受信部と、前記クレジットカードシステムから受信したカード番号が、前記第1のクレジットカード及び前記第2のクレジットカードの何れに係るものかを判定する判定部と、前記第1のクレジットカードのカード番号であると判定した場合、当該カード番号を保存する保存部と、前記カード番号の保存後に前記カード会員が前記仮想店舗を利用する場合に、前記カード番号を用いることにより前記第1のクレジットカードによる支払いを受け付ける受付部とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、使い捨てのクレジットカードによる決済から正規のクレジットカードによる決済へ円滑に移行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】クレジットカードシステム、店舗亜サーバ及びその通信先の構成を示すブロック図。
【
図2A】クレジットカードを用いた決済処理の手順を示すフローチャート。
【
図2B】クレジットカードを用いた決済処理の手順を示すフローチャート。
【
図2C】クレジットカードを用いた決済処理の手順を示すフローチャート。
【
図7】クレジットカードを用いた決済処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0017】
(クレジットカードシステムの構成)
図1は、本実施の形態のクレジットカードシステム、店舗サーバ及びその通信先の構成を示すブロック図である。クレジットカードシステム(以下、単に「カードシステム」という)1は、クレジットカードのカード会員によって操作されるユーザ端末2及び仮想店舗(オンラインショップ)を運営する店舗サーバ3とインターネット101を介して通信する。
【0018】
カードシステム1は、CPU、RAM、及びROMを含む制御部を備えるコンピュータを含んで構成されており、この制御部によって後述する各処理が実行される。また、カードシステム1は、会員データベース(DB)11及び利用実績DB12の各データベースを有している。
【0019】
会員DB11は、カード会員に関する各種情報を格納するためのデータベースである。具体的には、各カード会員のクレジットカード番号、氏名、及び連絡先(電話番号・電子メールアドレス等)、並びに、カード会員がカードシステム1を利用するためのログインID及びパスワード等の情報が会員DB11に格納されている。
【0020】
また、会員DB11には、後述するようにして発行される使い捨てのクレジットカードであるワンタイム・クレジットカード(以下「ワンタイムカード」という)に関する情報が格納されている。なお、以下では、カード会員が所有している正規のクレジットカードを「正規カード」と呼び、ワンタイムカードと区別する。
【0021】
利用実績DB12は、各クレジットカードの利用実績を格納するためのデータベースである。この利用実績には、正規カードの他、ワンタイムカードを利用して支払いが行われた場合の支払い実績も含まれる。
【0022】
(ユーザ端末の構成)
ユーザ端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯電話機及びタブレット端末等の情報端末で構成される。各カード会員は、ユーザ端末2を用いて店舗サーバ3にアクセスし、オンラインショッピングを行う。また、各カード会員は、ユーザ端末2を用いてクレジットカードシステム1にアクセスし、クレジットカードに関する各種処理を行う。
【0023】
ユーザ端末2は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等で構成される表示部を備えている。
図3乃至
図6を参照して後述する各表示画面は、この表示部に表示されるものである。
【0024】
(店舗サーバの構成)
店舗サーバ3は、クレジットカードを利用可能な仮想店舗を運営するウェブサーバであって、CPU、RAM、及びROMを含む制御部を備えるコンピュータを含んで構成される。この制御部によって後述する各処理が実行される。
【0025】
店舗サーバ3は、顧客DB31を有している。顧客DB31は、仮想店舗を利用する顧客に関する情報を格納するためのデータベースである。後述するように、この顧客DB31には、顧客であるカード会員が所有する正規カードに関する情報が格納される。
【0026】
(カードシステム、ユーザ端末、及び店舗サーバの動作)
一般的に、カード会員は、利用実績がない又は少ない仮想店舗を信用できず、その仮想店舗での正規カードの利用を躊躇することがある。そこで、本実施の形態では、そのように信用できない仮想店舗にて利用するワンタイムカードを発行するとともに、ワンタイムカードでの利用実績の結果信用できる仮想店舗であるとカード会員が判断した場合に、その仮想店舗に対してカードシステム1から正規カードに関する情報が提供される。これにより、正規カードに関する情報の漏洩リスクの低減化などを図りつつ、カード会員の利便性を高めることができる。以下、カードシステム1、ユーザ端末2及び店舗サーバ3の動作について説明する。
【0027】
図2A乃至
図2Cは、カード会員がオンラインショッピングを行う場合に実行されるクレジットカードを用いた決済処理の手順を示すフローチャートである。この決済処理は、カードシステム1、ユーザ端末2及び店舗サーバ3によって実行される
【0028】
仮想店舗にて商品の購入を希望するカード会員は、ユーザ端末2を用いてその仮想店舗を運営する店舗サーバ3にアクセスし、商品の購入をユーザ端末2に対して指示する。ユーザ端末2は、この指示を受け付けると、その商品の購入要求を店舗サーバ3に対して送信する(S101)。なお、この購入要求には、クレジットカードでの決済を希望する旨の情報が含まれているものとする。
【0029】
店舗サーバ3は、ユーザ端末2から購入要求を受信すると(S201)、商品代金の支払いに利用するクレジットカードの発行会社(カード会社)の選択要求をユーザ端末2に対して送信する(S202)。
【0030】
ユーザ端末2は、店舗サーバ3からカード会社選択要求を受信すると(S102)、カード会社を選択するためのカード会社選択画面を表示部に表示する(S103)。
【0031】
図3は、カード会社選択画面の一例を示す図である。
図3に示す例では、カード会社選択画面21に、各カード会社の名称が表示された複数の表示欄、クレジットカードのカード番号を入力する入力欄、及び選択が完了したことを示す完了ボタン211が示されている。なお、上記の各表示欄はユーザ端末2の操作によって選択可能に構成されている。
【0032】
カード会員は、今回利用する仮想店舗に対する信用度が十分ではない場合、又は、その仮想店舗は信用できるものの、ここでカード番号を入力することによって第三者にカード情報が漏洩するおそれがあるなどと判断した場合、ユーザ端末2を操作して自身が所有する正規カードの発行会社を選択する。他方、その仮想店舗は信用でき、しかも第三者への漏洩リスクは低いなどと判断した場合、カード会員は、ユーザ端末2を操作して正規カードのカード番号や有効期限などを入力欄に入力する。このように、本実施の形態では、正規カードの入力によってカードシステムにログインするだけでなく、カード会員が利用したいカード会社を選択してカードシステムにログインする機能を実現している。カード会社の選択又はカード番号の入力が行われた後、カード会員は完了ボタン211を押下する。
【0033】
なお、カード会社選択画面21に対して正規カードのカード番号が入力された場合、そのカード番号がユーザ端末2から店舗サーバ3に渡され、その後店舗サーバ3にてそのカード番号を用いた決済処理が行われる。これは正規カードによる通常の決済処理であって、従来のものと同様であるため、説明を省略する。以下、カード会員によってカード会社の選択が行われたものとして説明を続ける。
【0034】
ユーザ端末2は、上述したようにしてカード会員からカード会社の選択を受け付けた場合(S104)、選択されたカード会社を示すカード会社選択情報を店舗サーバ3に対して送信する(S105)。
【0035】
店舗サーバ3は、ユーザ端末2からカード会社選択情報を受信すると(S203)、選択されたカード会社のカードシステム1に対して、カード会員により選択された旨を示す情報を送信する(S204)。なお、この情報を受けたカードシステム1は、後述するように、カード会員からの発行要求に応じてワンタイムカードを発行する。そのため、ステップS204にて店舗サーバ3からカードシステム1へ送信される情報は、カードシステム1に対してカード会員からの発行要求の受付を要求する情報(ワンタイムカード発行要求の受付要求)に該当する。
【0036】
カードシステム1は、店舗サーバ3からワンタイムカード発行要求の受付要求を受信すると(S301)、カードシステム1へのログイン要求をユーザ端末2に対して送信する(S302)。ユーザ端末2は、このログイン要求を受けると(S106)、ログイン処理を実行する(S107)。このログイン処理には、ログイン画面を表示部に表示する処理、そのログイン画面を介してカード会員からログインID及びパスワードの入力を受け付ける処理、並びに、そのログインID及びパスワードをカードシステム1に対して送信する処理が含まれる。
【0037】
ユーザ端末2からログインID及びパスワードを受けたカードシステム1は、会員DB11に格納されているログインID及びパスワードと照合することによりログイン処理を実行する(S303)。
【0038】
上記のログイン処理が完了すると、ユーザ端末2は、今回の商品購入の決済を正規カード及びワンタイムカードの何れで行うのかを選択するためのカード選択画面を表示部に表示する(S108)。
【0039】
図4は、カード選択画面の一例を示す図である。
図4に示す例では、カード選択画面22に、正規カード(所有しているクレジットカード)及びワンタイムカードのそれぞれを選択するためのチェックボックス、及び選択が完了したことを示す完了ボタン221が示されている。
【0040】
カード会員は、今回利用する仮想店舗に対する信用度が十分ではないために正規カードの使用を希望しない場合、ワンタイムカードを選択する。その仮想店舗を初めて利用するなどの場合、通常はこのようにワンタイムカードが選択される。これに対し、カード会員は、今回利用する仮想店舗は信用できるため当該仮想店舗によってカード情報が悪用されることはないなどと判断した場合、カード選択画面22において正規カードを選択する。これまでにワンタイムカードを用いて利用したところ特段の問題が生じなかったために、当該仮想店舗に対する信用度が高くなった場合などに、正規カードが選択される。このように、カード会員は、ワンタイムカードまたは正規カードの選択を行った後、完了ボタン221を押下する。
【0041】
ユーザ端末2は、カード会員によって選択されたのがワンタイムカード及び正規カードの何れであるのかを判定する(S109)。ここで、ワンタイムカードが選択されたと判定した場合(S109で「ワンタイム」)、ユーザ端末2は、ワンタイムカードの発行要求をカードシステム1に対して送信する(S110)。このように、本実施の形態の場合、カードシステム1が正規カード及びワンタイムカードの何れかを使用するのかの選択をカード会員に対して要求し、ワンタイムカードの使用が選択された場合に、ワンタイムカードの発行要求がなされることになる。
【0042】
カードシステム1は、ユーザ端末2からワンタイムカードの発行要求を受信すると(S304)、カード番号の採番などの所定の処理を実行することによりワンタイムカードを発行し(S305)、そのワンタイムカードのカード番号を含むワンタイムカード情報を店舗サーバ3に対して送信する(S306)。このワンタイムカード情報には、当該ワンタイムカード情報が正規カードではなくワンタイムカードに関するカード情報であることを示す識別情報が付与される。なお、ここでは物理的なカード媒体の発行はせず、カード番号の採番をもってワンタイムカードの発行を行っているが、物理的なカード媒体の発行を行っても構わない。
【0043】
店舗サーバ3は、カードシステム1からワンタイムカード情報を受信する(S205)。このワンタイムカード情報には上記の識別情報が付与されているため、店舗サーバ3は、ワンタイムカードが発行されたこと、及びそのワンタイムカードでの決済をカード会員が希望していることを把握することができる。そのため、店舗サーバ3は、今回発行されたワンタイムカードを用いて商品の購入代金を決済するための決済承認要求をカードシステム1に対して送信する(S206)。
【0044】
カードシステム1は、店舗サーバ3から送信された決済承認要求を受信すると(S307)、購入代金の額などに基づいて当該決済の承認を行い、決済の承認が完了したことを示す承認完了情報を店舗サーバ3に送り返す(S308)。なお、購入代金がワンタイムカードの上限額を超えるなどの理由で決済が承認できない場合、そのことを示す情報がカードシステム1から店舗サーバ3へ渡され、処理が終了する。
【0045】
店舗サーバ3は、カードシステム1から承認完了情報を受信すると(S207)、商品の購入手続が完了したことを示す購入完了情報をユーザ端末2に対して送信する(S208)。ユーザ端末2は、この購入完了情報を受信した場合(S111)、購入手続が完了したことを示す購入完了画面を表示部に表示し(S112)、処理が終了する。
【0046】
図5は、ワンタイムカードが利用された場合の購入完了画面の一例を示す図である。
図5に示す例では、購入完了画面23において、購入商品・代金・店舗名・決済方法に加えて、今回はワンタイムカードが使用されたため、正規カードに関する情報は仮想店舗側に通知されていないことを示すメッセージが示されている。カード会員は、この購入完了画面23を参照することにより、今回のオンラインショッピングでは新たに発行されたワンタイムカードで決済が行われたこと、及び正規カードに関する情報は仮想店舗側に提供されていないことを確認できる。
【0047】
ステップS109に戻り、カード会員によって正規カードが選択されたと判定した場合(S109で「正規」)、ユーザ端末2は、正規カードのカード番号を含む正規カード情報の仮想店舗側への提供要求をカードシステム1に対して送信する(S113)。カードシステム1は、この提供要求を受信すると(S309)、正規カード情報を店舗サーバ3に対して送信する(S310)。なお、この正規カード情報には、当該正規カード情報がワンタイムカードではなく正規カードに関するカード情報であることを示す識別情報が付与される。
【0048】
店舗サーバ3は、カードシステム1から正規カード情報を受信する(S209)。この正規カード情報には上記の識別情報が付与されているため、店舗サーバ3は、当該仮想店舗での決済に正規カードを用いることをカード会員が希望していることを把握することができる。そのため、店舗サーバ3は、今後当該カード会員が商品を購入する場合に正規カードを利用可能とするために、その正規カードのカード番号を顧客DB31に保存する(S210)。この場合、カード番号の他にも、有効期限などの決済に必要な情報が併せて顧客DB31に保存される。なお、カード番号を含むこれらの情報が店舗サーバ3に保存されるタイミングはこれに限られるわけではなく、例えば、後述する承認完了情報を受信(S212)した後であってもよい。
【0049】
次に、店舗サーバ3は、今回カードシステム1から取得した正規カード情報に基づき、正規カードを用いて商品の購入代金を決済するための決済承認要求をカードシステム1に対して送信する(S211)。
【0050】
カードシステム1は、店舗サーバ3から送信された決済承認要求を受信すると(S311)、上述したステップS308と同様にして決済の承認を行い、決済の承認が完了したことを示す承認完了情報を店舗サーバ3に送り返す(S312)。
【0051】
店舗サーバ3は、カードシステム1から承認完了情報を受信すると(S212)、商品の購入手続が完了したことを示す購入完了情報をユーザ端末2に対して送信する(S213)。ユーザ端末2は、この購入完了情報を受信した場合(S114)、購入手続が完了したことを示す購入完了画面を表示部に表示し(S115)、処理が終了する。
【0052】
図6は、正規カードが利用された場合の購入完了画面の一例を示す図である。
図6に示す例では、購入完了画面24において、購入商品・代金・店舗名・決済方法に加えて、今回使用された正規カードが仮想店舗で登録されたため、これ以降同じ店舗にてこの正規カードを利用する場合はカード番号の入力が不要であることを示すメッセージが示されている。カード会員は、この購入完了画面24を参照することにより、今回のオンラインショッピングでは正規カードで決済が行われたこと、及びこの正規カードが仮想店舗に登録されたことを確認できる。
【0053】
なお、店舗サーバ3は、上記のカード会員がその後に同仮想店舗を利用する場合、顧客DB31に保存された正規カードのカード番号を用いて決済を行う。そのため、カード会員によるカード番号の入力は不要となる。
【0054】
上述したように、本実施の形態では、信頼度が低い仮想店舗をカード会員が利用する場合に、まずはワンタイムカードを用いてリスクを最小化し、その後にその仮想店舗の信頼度が高くなった場合に正規カードを利用することになる。そして、このように正規カードを利用する場合、カードシステム1から店舗サーバ3にカード番号が提供されるため、カード会員がカード番号を入力する作業が不要となる。そのため、本実施の形態では、漏洩リスクを高めるカード番号の入力作業を排除した上で、ワンタイムカードによる決済から正規カードによる決済へ円滑に移行することができる。
【0055】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、カードシステム1がワンタイムカードの発行を行っているが、これに限定されるわけではない。例えば、カードシステム1以外の他のシステムがカード会員からの発行要求に応じてワンタイムカードを発行し、その後にカード会員からの提供要求に応じてカードシステム1が正規カードのカード番号を店舗サーバ3に提供するようにしてもよい。
【0056】
また、上記の実施の形態では、カード会員からの発行要求に応じてワンタイムカードが発行されているが、これに限定されるわけではない。例えば、カード会員が利用実績のない又は少ない仮想店舗を利用する場合に、カードシステム1が当該カード会員の利用実績などに基づいてそのことを検知したとき、カードシステム1がワンタイムカードを発行するようにしてもよい。また、カードシステム1が、カード会員が利用しようとしている仮想店舗にてカード番号の不正利用のおそれがあると判断した場合、ワンタイムカードを発行するようにしてもよい。これらの場合に、注意喚起のメッセージをカード会員に対して表示してもよい。また、カードシステム1が自動でワンタイムカードを発行する場合、その旨をカード会員に対して通知してもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態では、ワンタイムカードを新たに発行しているが、カード会員に対して発行済みのワンタイムカードを用いるようにしてもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態では、カード会員は、ある仮想店舗でワンタイムカードを利用した後、自らの判断で当該仮想店舗にて利用するカードを正規カードに切り替えているが、カードシステム1がこれを支援する機能を有していてもよい。具体的には、クレジットカードの利用実績などに基づいて定められる各仮想店舗の信頼度をカードシステム1が有しており、カード会員がある仮想店舗でワンタイムカードを利用した場合、カードシステム1がその仮想店舗の信頼度を当該カード会員に通知するようにしてもよい。この場合、カード会員は、カードシステム1から提供を受けた信頼度を活用して、同仮想店舗における今後の利用を正規カードに切り替えるべきか否かを判断することができる。
【0059】
また、上記の実施の形態では、カードシステム1から店舗サーバ3に対してカード番号などのカード情報が提供される場合、そのカード情報がワンタイムカード及び正規カードの何れのものであるのかを識別可能な識別情報が付されているが、これに限定されるわけではない。例えばカード番号によってこれらのカードを識別できる場合は、上記の識別情報を用いずに店舗サーバ3が両カードの判別を行うことができる。以下、その場合のカードシステム1及び店舗サーバ3の動作例について説明する。なお、上記の実施の形態と同様の処理については適宜説明を省略する。
【0060】
図7は、クレジットカードを用いた決済処理の手順の他の例を示すフローチャートである。カードシステム1は、店舗サーバ3からワンタイムカードの発行要求を受信した場合はワンタイムカードに関するカード情報を、同じく正規カード情報の提供要求を受信した場合は正規カードに関するカード情報を、それぞれ店舗サーバ3に対して送信する(S401)。
【0061】
店舗サーバ3は、カードシステム1からカード情報を受信すると(S501)、そのカード情報に含まれるカード番号にしたがってカード種別(正規カード又はワンタイムカード)を識別する(S502)。次に、店舗サーバ3は、その識別結果に基づいて、カードシステム1から取得したカード情報が正規カード及びワンタイムカードの何れのものであるのかを判定する(S503)。ここで、正規カードのものであると判定した場合(S503で「正規」)、店舗サーバ3は、上記の実施の形態におけるステップS210と同様にカード番号を顧客DB31に保存する(S504)。それ以降は、上記の実施の形態におけるステップS211乃至S213及びS311乃至S312と同様に、ステップS505乃至S507及びS402乃至S403が実行される。
【0062】
他方、カードシステム1から取得したカード情報がワンタイムカードのものであると判定した場合(S503で「ワンタイム」)、店舗サーバ3は、カード番号の保存を実行せず、上記の実施の形態におけるステップS206乃至S208及びS307乃至S308と同様に、ステップS505乃至S507及びS402乃至S403が実行される。
【0063】
(付記)
本発明の上記態様のクレジットカードシステムにおいて、前記発行部は、前記仮想店舗から前記発行要求の受付要求を受け付けた場合であって、前記カード会員から前記発行要求を受け付けたとき、前記第2のクレジットカードを発行してもよい。
【0064】
また、本発明の上記態様のクレジットカードシステムにおいて、前記提供部は、第1のクレジットカードのカード番号が使い捨てのクレジットカードのカード番号ではないことを前記仮想店舗が識別可能な態様で、前記第1のクレジットカードのカード番号を前記仮想店舗側に提供してもよい。
【0065】
さらに、本発明の一の態様の店舗サーバは、前記態様のクレジットカードシステムと通信可能に接続される前記仮想店舗側の店舗サーバであって、通常のカード番号の入力を受け付ける機能に加えて前記カード会員が利用したいクレジットカード会社を選択してクレジットカードシステムにログインできる機能を保有し、前記カード会員からの指示に従って、前記発行要求の受付要求を前記クレジットカードシステムに対して送信する送信部を備える。
【符号の説明】
【0066】
1 クレジットカードシステム
11 会員データベース
12 利用実績データベース
2 ユーザ端末
3 店舗サーバ
31 顧客データベース
21 カード会社選択画面
22 カード選択画面
23,24 購入完了画面
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