IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロジスティード株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図1
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図2
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図3
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図4
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図5
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図6
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図7
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図8
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図9
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図10
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図11
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図12
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図13
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図14A
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図14B
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図15
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図16
  • 特開-運行支援方法及び運行支援システム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112205
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】運行支援方法及び運行支援システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
G08G1/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017123
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】324001734
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 奈桜
(72)【発明者】
【氏名】田中 毅
(72)【発明者】
【氏名】三幣 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】李 云
(72)【発明者】
【氏名】栗山 裕之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公則
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC27
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL08
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】主観情報の入力の特性の相違のため、主観情報に基づいて事故リスクを高精度に推定することが困難であった。
【解決手段】運行支援システムが実行する運行支援方法であって、運行支援システムは、プロセッサと、記憶装置と、を有し、記憶装置は、ユーザが過去に自身の状態に関して入力した過去の主観情報を保持し、運行支援方法は、プロセッサが、過去の主観情報と、新たな主観情報と、に基づいて、主観情報の入力の特性を推定する手順と、プロセッサが、過去の主観情報と、新たな主観情報との間の変化の程度を算出する手順と、プロセッサが、新たな主観情報と、主観情報の入力の特性と、主観情報の変化の程度と、に基づいて、事故リスクを推定する手順と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運行支援システムが実行する運行支援方法であって、
前記運行支援システムは、プロセッサと、記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、ユーザが過去に自身の状態に関して入力した過去の主観情報を保持し、
前記運行支援方法は、
前記プロセッサが、前記過去の主観情報と、新たな主観情報と、に基づいて、前記主観情報の入力の特性を推定する第1手順と、
前記プロセッサが、前記過去の主観情報と、前記新たな主観情報との間の変化の程度を算出する第2手順と、
前記プロセッサが、前記新たな主観情報と、前記主観情報の入力の特性と、前記主観情報の変化の程度と、に基づいて、事故リスクを推定する第3手順と、を含むことを特徴とする運行支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載の運行支援方法であって、
前記記憶装置は、前記主観情報から前記主観情報の入力の特性を算出する主観入力特性算出モデルをさらに保持し、
前記第1手順において、前記プロセッサは、前記新たな主観情報を前記主観入力特性算出モデルに入力することによって、前記主観情報の入力の特性を推定することを特徴とする運行支援方法。
【請求項3】
請求項2に記載の運行支援方法であって、
前記記憶装置は、前記ユーザの過去の生体情報と、前記ユーザの過去の勤務に関する過去の勤務情報と、をさらに保持し、
前記運行支援方法は、前記プロセッサが、前記過去の主観情報と、前記過去の生体情報と、前記過去の勤務情報と、に基づいて、前記主観情報から、前記主観情報の変動特性、前記主観情報と前記生体情報との連動性、前記主観情報と前記勤務情報との連動性、及び前記主観情報と前記生体情報と前記勤務情報との連動性、の少なくともいずれかを算出するモデルを生成して、前記主観入力特性算出モデルとして保持する第4手順をさらに含み、
前記第1手順において、前記プロセッサは、前記新たな主観情報を前記主観入力特性算出モデルに入力することによって、前記主観情報の変動特性、前記主観情報と前記生体情報との連動性、前記主観情報と前記勤務情報との連動性、及び前記主観情報と前記生体情報と前記勤務情報との連動性、の少なくともいずれかを、前記主観情報の入力の特性として推定することを特徴とする運行支援方法。
【請求項4】
請求項3に記載の運行支援方法であって、
前記第4手順において、前記プロセッサは、前記主観情報と、前記生体情報及び前記勤務情報の少なくとも一方と、から、前記主観情報の変動特性、前記主観情報と前記生体情報との連動性、前記主観情報と前記勤務情報との連動性、及び前記主観情報と前記生体情報と前記勤務情報との連動性、の少なくともいずれかを算出するモデルを前記主観入力特性算出モデルとして生成し、
前記第1手順において、前記プロセッサは、前記新たな主観情報と、前記ユーザの新たな生体情報及び新たな勤務情報の少なくとも一方とを前記主観入力特性算出モデルに入力することによって、前記主観情報の入力の特性を推定することを特徴とする運行支援方法。
【請求項5】
請求項3に記載の運行支援方法であって、
前記主観情報は、前記ユーザが自身の疲労の程度を主観的に評価した情報を含み、
前記主観情報と前記生体情報との連動性は、前記疲労の程度を主観的に評価した情報と、前記生体情報に基づいて算出された疲労の程度を示す情報との連動性であることを特徴とする運行支援方法。
【請求項6】
請求項1に記載の運行支援方法であって、
前記記憶装置は、前記主観情報と、前記主観情報の入力の特性とから事故リスクを推定する事故リスク推定モデルをさらに保持し、
前記第3手順において、前記プロセッサは、前記新たな主観情報と、前記主観情報の入力の特性とを前記事故リスク推定モデルに入力することによって、事故リスクを推定することを特徴とする運行支援方法。
【請求項7】
請求項6に記載の運行支援方法であって、
前記記憶装置は、前記ユーザの過去の生体情報と、前記ユーザの過去の勤務に関する過去の勤務情報と、をさらに保持し、
前記過去の勤務情報は、事故、及び、事故には至らないが事故につながる可能性がある事象の少なくともいずれかの発生を示す情報を含み、
前記運行支援方法は、前記プロセッサが、前記過去の主観情報と、前記過去の生体情報と、前記過去の勤務情報と、に基づいて、前記主観情報と、前記主観情報の変動特性、前記主観情報と前記生体情報との連動性、前記主観情報と前記勤務情報との連動性、及び前記主観情報と前記生体情報と前記勤務情報との連動性、の少なくともいずれかと、から事故リスクを推定するモデルを生成して、前記事故リスク推定モデルとして保持する第5手順をさらに含み、
前記第3手順において、前記プロセッサは、前記新たな主観情報と、前記主観情報の入力の特性と、を前記事故リスク推定モデルに入力することによって、前記事故リスクを推定することを特徴とする運行支援方法。
【請求項8】
請求項1に記載の運行支援方法であって、
前記第2手順において、前記プロセッサは、前記過去の主観情報の代表値と、前記新たな主観情報の代表値との間の変化の程度を算出し、
前記変化の程度に基づいて、前記主観情報が所定の基準より悪化する傾向にあると判定された場合に、前記プロセッサが前記第3手順を実行することを特徴とする運行支援方法。
【請求項9】
請求項1に記載の運行支援方法であって、
前記プロセッサが、前記新たな主観情報と、前記推定された事故リスクと、を表示するための情報を出力する第6手順をさらに含むことを特徴とする運行支援方法。
【請求項10】
請求項9に記載の運行支援方法であって、
前記記憶装置は、前記ユーザの過去の生体情報と、前記ユーザの過去の勤務に関する過去の勤務情報と、過去の主観情報の入力の特性を示す情報と、前記主観情報、前記生体情報及び前記勤務情報の少なくともいずれかに対応するアラートを保持するアラート辞書と、をさらに保持し、
前記第6手順において、前記プロセッサは、
前記推定された主観情報の入力の特性と類似する前記過去の主観情報の入力の特性の区間及び当該区間における前記過去の主観情報、前記過去の生体情報及び前記過去の勤務情報の少なくともいずれかを抽出し、
抽出された前記過去の主観情報、前記過去の生体情報及び前記過去の勤務情報の少なくともいずれかに対応するアラートを前記アラート辞書から抽出し、
抽出された前記過去の主観情報、前記過去の生体情報及び前記過去の勤務情報の少なくともいずれかと、前記アラートと、を表示するための情報を出力することを特徴とする運行支援方法。
【請求項11】
運行支援システムであって、
プロセッサと、記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、ユーザが過去に自身の状態に関して入力した過去の主観情報を保持し、
前記プロセッサは、
前記過去の主観情報と、新たな主観情報と、に基づいて、前記主観情報の入力の特性を推定し、
前記過去の主観情報と、前記新たな主観情報との間の変化の程度を算出し、
前記新たな主観情報と、前記主観情報の入力の特性と、前記主観情報の変化の程度と、に基づいて、事故リスクを推定することを特徴とする運行支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通手段の安全運行を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運送業の運転者の状態に起因する事故の予防へ向け、種々のデータに基づいて運転者の状態に起因する事故リスクを推定する技術が検討されている。例えば、特開2022-051216号公報(特許文献1)には、「プロセッサとメモリを有する計算機が、車両の運行を支援する方法であって、前記計算機が、過去に収集した車両の走行状態を示す第1の車載センサデータと、予め設定された危険発生データを入力して、危険事象が発生する確率を事故リスクとして推定する事故リスク定義モデルを生成し、第2の車載センサデータを事故リスク定義モデルへ入力して、危険事象が発生する確率を事故リスク推定データとして生成し、第2の車載センサデータを収集したときのドライバの第1の生体データと、事故リスク推定データを入力して、所定時間後の事故リスクを予測する事故リスク予測モデルを生成し、第3の生体データを入力して、当人深刻度を算出する生体状態推定モデルを生成する」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-051216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、運転者を対象とする計測によって取得した生体情報に加えて、運転者に対する問診によって得られた運転者自身が認識している自身の状態(すなわち主観情報)に基づいて事故リスクを予測する技術が記載されている。しかし、主観情報は、例えば各運転者が感じている疲労の程度を各運転者自身が主観的に評価したものであるため、運転者ごとの評価の傾向(すなわち主観情報の入力の特性)の相違が大きく、それに対して各運転者の主観情報の経時的な変化が小さいために、事故リスクにつながる変化を検出することが困難な場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題の少なくとも一つを解決するため、本発明は、運行支援システムが実行する運行支援方法であって、前記運行支援システムは、プロセッサと、記憶装置と、を有し、前記記憶装置は、ユーザが過去に自身の状態に関して入力した過去の主観情報を保持し、前記運行支援方法は、前記プロセッサが、前記過去の主観情報と、新たな主観情報と、に基づいて、前記主観情報の入力の特性を推定する第1手順と、前記プロセッサが、前記過去の主観情報と、前記新たな主観情報との間の変化の程度を算出する第2手順と、前記プロセッサが、前記新たな主観情報と、前記主観情報の入力の特性と、前記主観情報の変化の程度と、に基づいて、事故リスクを推定する第3手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、運転者による主観情報の入力の特性に基づいて、主観情報からの事故リスクの推定を高精度に行うことができる。
【0007】
本明細書において開示される主題の、少なくとも一つの実施の詳細は、添付されている図面と以下の記述の中で述べられる。開示される主題のその他の特徴、態様、効果は、以下の開示、図面、請求項により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例に係る運行支援システムの主要な構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施例に係る運行支援システムにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する生体情報の一例を示す説明図である。
図4】本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する第1の勤務情報の一例を示す説明図である。
図5】本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する第2の勤務情報の一例を示す説明図である。
図6】本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する第3の勤務情報の一例を示す説明図である。
図7】本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する主観情報の一例を示す説明図である。
図8】本発明の実施例に係る運行支援システムの主観入力特性算出モデル訓練部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する主観情報の一例を示す説明図である。
図10】本発明の実施例に係る運行支援システムが取得する心拍間隔情報の一例を示す説明図である。
図11】本発明の実施例に係る運行支援システムが取得する心拍変動情報の一例を示す説明図である。
図12】本発明の実施例に係る運行支援システムが取得する自律神経指標の一例を示す説明図である。
図13】本発明の実施例に係る運行支援システムの事故リスク推定モデル訓練部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図14A】本発明の実施例に係る運行支援システムの主観入力特性情報算出部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図14B】本発明の実施例に係る運行支援システムの主観変化情報算出部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図15】本発明の実施例に係る運行支援システムの事故リスク推定部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図16】本発明の実施例に係る運行支援システムの事故リスク提示部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図17】本発明の実施例に係る運行支援システムの事故リスク提示部が提示する情報の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施例に係る運行支援システムの主要な構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
本実施例の運行支援システム100は、ネットワーク190に接続された運行支援サーバ110を含む。ネットワーク190には、勤務情報サーバ150と、生体情報収集装置160と、主観情報収集装置170と、予測結果表示端末180と、が接続され、それぞれがネットワーク190を介して運行支援サーバ110と通信を行うことができる。
【0012】
勤務情報サーバ150は、生体情報及び主観情報の取得対象の人物の勤務に関する情報を保持するサーバであり、例えば一般的な計算機システムによって構成される。本実施例では、生体情報及び主観情報の取得対象の人物が、物流事業者が運行する車両の運転者(例えばトラックのドライバー)である例を示す。勤務情報サーバ150は、運転者の勤務に関する情報として、例えば、運行実績情報151、環境情報152、繁忙情報153、出勤情報154、事故関連情報155及び運転情報156を保持する。
【0013】
運行実績情報151は、例えば運転者の運行における遅延の有無のような実績を記録した情報を含む。環境情報152は、運転者が勤務した地域の天候等を記録した情報を含む。繁忙情報153は、運転者が勤務した拠点等の繁忙の程度を記録した情報を含む。出勤情報154は、運転者の勤務の状況(例えば勤務した日ごとの勤務時間等)を記録した情報を含む。事故関連情報155は、運転者の運行において発生した事故を記録した情報を含み、事故には至らないいわゆるヒヤリハットの発生を記録した情報を含んでもよい。ここで、ヒヤリハットは、脇見又は眠気など、ドライバーの挙動に起因して発生するものを含んでもよい。運転情報156は、運転者による車両の運転の状況(例えば時刻ごとの車速、加速度及び周囲の車両との車間距離等)を記録した情報を含む。
【0014】
運行支援サーバ110は、勤務情報サーバ150に保持された上記の情報のうち少なくとも後述する処理に必要な部分を、ネットワーク190を介して取得することができる。
【0015】
生体情報収集装置160は、種々のセンサによって計測された運転者の生体情報を収集して、ネットワーク190を介して運行支援サーバ110に送信する。本実施例において、生体情報を計測するセンサは、例えば、心拍データを検出する心拍計161と、運転者の体温を検出する体温計162と、運転者の血圧を検出する血圧計163と、運転者の動脈血酸素飽和度を検出するパルスオキシメーター164と、を含む。ただし、生体情報収集装置160が生体情報を収集するセンサは上記の全てを含まなくてもよいし、上記に限定されるものでもない。例えば、発汗量、まばたき、眼球運動又は脳波等を検出するセンサを採用することができる。また、生体情報収集装置160は、運転者を特定する識別子を設定して各種センシングデータに識別子を付加することができる。
【0016】
生体情報収集装置160は、例えば運転者が車両の運行の前後に立ち寄る事業所等に設置されていてもよいし、運転者が運行中に持ち運ぶことが可能なものであってもよい。前者の場合、生体情報収集装置160は、運転者がその日の運行を開始する前及び運行を終了した後の少なくとも一方にセンサが計測したデータを収集して、運行支援サーバ110に送信する。後者の場合、生体情報収集装置160は、運転者が装着可能なウェアラブルデバイスの他、ハンドル、シート、シートベルト等、車両8の内部に付属したセンシングデバイスや、運転者の表情や挙動を撮像して画像を解析する画像認識システム等を用いることができる。
【0017】
例えば、心拍計161は複数種類のセンサとして、例えば事業所等に設置され、心電図波形を計測可能な精密なセンサ、及び、運転者が運行中に手首などに常時装着して脈波を計測可能なセンサなど、複数種類のセンサを含んでもよい。後者の場合、生体情報収集装置160は、例えばスマートフォンのような、運転者が携帯する情報端末装置であってもよい。心拍計161の種類によって、計測の精度が異なる場合がある。
【0018】
主観情報収集装置170は、運転者が主観情報、すなわち運転者自身の健康状態等に関する主観的な情報を主観情報入力部171に入力すると、それを収集して、ネットワーク190を介して運行支援サーバ110に送信する。例えば、主観情報収集装置170は、運転者が車両の運行の前後に立ち寄る事業所等に設置された計算機システムであってもよいし、運転者が携帯する情報端末装置であってもよい。主観情報入力部171は、例えば、主観情報収集装置170の入出力装置(図示省略)によって提供されるユーザインターフェースである。
【0019】
予測結果表示端末180は、運行支援サーバ110の処理の結果として取得された事故リスクの予測結果等を出力部181に表示する。予測結果表示端末180は、例えば、運転者が車両の運行の前後に立ち寄る事業所等に設置された計算機システムであってもよいし、運転者が携帯するスマートフォンのような情報端末装置であってもよいし、運転者が運行する車両に設置されたカーナビゲーション装置等であってもよい。出力部181は、例えば、予測結果表示端末180の画像表示装置又は音声出力装置といった出力装置(図示省略)によって提供されるユーザインターフェースである。
【0020】
なお、生体情報収集装置160、主観情報収集装置170及び予測結果表示端末180は、それぞれ独立した装置であってもよいし、一つの装置によって実現されてもよい。
【0021】
運行支援サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112と、補助記憶装置113と、通信インターフェース114と、入力装置115と、出力装置116と、を含む計算機である。メモリ112は、事故リスク推定モデル訓練部121と、主観入力特性算出モデル訓練部122と、主観入力特性情報算出部123と、主観変化情報算出部124と、事故リスク推定部125と、事故リスク提示部126と、の各機能部をプログラムとしてロードする。各プログラムはプロセッサ111によって実行される。なお、各機能部の詳細については後述する。
【0022】
プロセッサ111は、各機能部のプログラムに従って処理を実行することによって、所定の機能を提供する機能部として稼働する。例えば、プロセッサ111は、事故リスク推定モデル訓練プログラムを実行することで事故リスク推定モデル訓練部121として機能する。他の機能部についても同様である。さらに、プロセッサ111は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれの機能を提供する機能部としても稼働する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
【0023】
補助記憶装置(すなわちストレージ装置)113は、上記各機能部が使用するデータを格納する。補助記憶装置113は、過去の勤務情報131と、過去の生体情報132と、過去の主観情報133と、主観情報134と、主観入力特性情報135と、主観変化情報136と、事故リスク情報137と、過去の主観入力特性情報138と、事故リスク推定モデル139と、主観入力特性算出モデル140と、の各データを格納する。各データの詳細については後述する。
【0024】
入力装置115は、マウス、キーボード及びタッチパネル等の少なくともいずれかを含んでもよい。出力装置116は、ディスプレイ装置及びスピーカ等の少なくともいずれかを含んでもよい。通信インターフェース114は、ネットワーク190に接続されて、勤務情報サーバ150、生体情報収集装置160、主観情報収集装置170及び予測結果表示端末180との通信を行う。
【0025】
図2は、本発明の実施例に係る運行支援システムにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0026】
最初に、事故リスク推定モデル訓練部121及び主観入力特性算出モデル訓練部122が、過去の勤務情報131、過去の生体情報132及び過去の主観情報133を訓練データとして使用して、それぞれ、事故リスク推定モデル139及び主観入力特性算出モデル140を生成する(ステップS201)。過去の勤務情報131、過去の生体情報132及び過去の主観情報133の詳細については、図3から図7を参照して後述する。また、ステップS201の処理の詳細については、図8及び図13等を参照して後述する。
【0027】
その後、運行支援サーバ110が主観情報収集装置170から新たに主観情報134を取得すると(ステップS202)、主観入力特性情報算出部123が、取得した主観情報134と、主観入力特性算出モデル140とに基づいて、取得した主観情報の特性情報を推定する(ステップS203)。この処理の詳細については、図14A等を参照して後述する。
【0028】
次に、主観変化情報算出部124が、取得した主観情報134と、過去の主観情報134とに基づいて、特定の区間(例えば特定の時間幅の区間、例えば1週間等)における主観情報の変化を示す主観変化情報136を算出する(ステップS204)。この処理の詳細については、図14B等を参照して後述する。
【0029】
次に、事故リスク推定部125が、主観情報134と、主観変化情報136と、主観入力特性情報135と、過去の主観入力特性情報138と、に基づいて、特定の区間の終点における事故リスク情報137を算出する(ステップS205)。この処理の詳細については図15等を参照して後述する。
【0030】
次に、事故リスク提示部126が、主観情報134と、事故リスク情報137とを提示し、さらに、過去の主観情報133と、過去の生体情報132と、過去の勤務情報131とから、算出された事故リスクと関連性の高い要素を提示する(ステップS206)。この処理の詳細については図16等を参照して後述する。
【0031】
図3は、本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する生体情報の一例を示す説明図である。
【0032】
図3に示す生体情報300は、運行支援サーバ110が生体情報収集装置160から取得して過去の生体情報132として保持する情報の一例である。具体的には、生体情報300は、ユーザID301、計測時刻302、平均心拍間隔303、TP304、LF/HF305、血圧306、体温307及びSpO2_308を含む。
【0033】
ユーザID301は、ユーザの識別情報である。ここで、ユーザとは、計測対象の生体に該当する人物であり、本実施例では車両の運転者である。計測時刻302は、生体情報の値が計測された時刻を示す。平均心拍間隔303、TP304、LF/HF305、血圧306、体温307及びSpO2_308は、それぞれ、計測された生体情報の値を示す。TP304及びLF/HF305は、心拍計161によって計測された心拍情報に基づく心拍変動パラメータであり、一般に自律神経指標として用いられる。SpO2_308は、パルスオキシメーター164によって計測された動脈血酸素飽和度である。上記の生体情報は一例であり、上記以外の生体情報が保持されてもよい。
【0034】
図4は、本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する第1の勤務情報の一例を示す説明図である。
【0035】
図4に示す第1の勤務情報400は、ユーザの勤務に関する情報のうち、勤務自体の内容に関する情報を含む。具体的には、第1の勤務情報400は、拠点ID401、ユーザID402、日付403、連勤日数404、前回残業時間405、運行実績406及びヒヤリハット回数407を含む。
【0036】
拠点ID401は、ユーザが勤務した拠点(例えば物流事業者の事業所)を識別する情報である。ユーザID402は、ユーザを識別する情報であり、生体情報300のユーザID301に対応する。日付403は、ユーザが勤務した日を示す。連勤日数404は、ユーザが勤務した日までの連続勤務日数を示す。前回残業時間405は、ユーザが前回勤務したときの残業時間を示す。
【0037】
運行実績406は、ユーザによる当該勤務日の車両の運行の実績を示す。例えば、運行実績406は、遅延が少ないこと、事故の発生が少ないこと、事故には至らないが事故につながる可能性がある事象の発生が少ないこと、などに基づく運行実績の評価の情報を含んでもよい。またこのような運行実績の評価は、図4に示すように10段階評価として数値化してもよい。当該10段階評価は、例えば、遅延、事故発生等の事象が発生した場合、10段階スコアから適宜減点される方式である。
【0038】
ヒヤリハット回数407は、当該勤務日における、事故には至らないが事故につながる可能性がある事象(いわゆるヒヤリハット)の発生回数を示す。これは、運転者が自覚した事象だけでなく、後述する運転情報を解析することによって抽出された事象(例えば急停止、前後の車両との異常な接近等)を含んでもよい。
【0039】
図5は、本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する第2の勤務情報の一例を示す説明図である。
【0040】
図5に示す第2の勤務情報500は、ユーザの勤務に関する情報のうち、勤務の環境等に関する情報を含む。具体的には、第2の勤務情報500は、拠点ID501、日付502、天候503、気温504、気圧505及び繁忙期506を含む。
【0041】
拠点ID501は、拠点を識別する情報であり、第1の勤務情報400の拠点ID401に対応する。拠点ID501に対応する日付502、天候503、気温504、気圧505及び繁忙期506は、拠点ID501によって識別される拠点の、日付502が示す日の天候、気温、気圧及びその日が当該拠点の繁忙期に該当するかを示す。
【0042】
図6は、本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する第3の勤務情報の一例を示す説明図である。
【0043】
図6に示す第3の勤務情報600は、ユーザの勤務に関する情報のうち、勤務中のユーザによる車両の運転に関する情報を含む。具体的には、第3の勤務情報600は、ユーザID601、計測時刻602、位置情報603、車速604、加速度605及び車間距離606を含む。
【0044】
ユーザID601は、ユーザを識別する情報であり、生体情報300のユーザID301に対応する。計測時刻602は、運転に関する情報が取得された時刻を示す。位置情報603、車速604、加速度605及び車間距離606は、各時刻に計測された、各ユーザが運行する車両の位置、走行速度、加速度及び前後の車両との距離を示す。
【0045】
なお、図4から図6に示す勤務情報は、例えば運行支援サーバ110が勤務情報サーバ150から取得して補助記憶装置113に過去の勤務情報131として格納される情報の一例である。例えば、図4に示した第1の勤務情報400のうち連勤日数404及び前回残業時間405は出勤情報154から抽出され、運行実績は運行実績情報151から抽出され、ヒヤリハット回数407は事故関連情報155から抽出される。図5に示した第2の勤務情報500のうち天候503、気温504及び気圧505は環境情報152から抽出され、繁忙期506は繁忙情報153から抽出される。図6に示した第3の勤務情報600は、運転情報156から抽出される。
【0046】
図7は、本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する主観情報の一例を示す説明図である。
【0047】
図7に示す主観情報700は、主観情報収集装置170が取得して運行支援サーバ110に送信した情報を含む。具体的には、主観情報700は、ユーザID701、日付702及び複数の問診情報(図7の例では問診1_703及び問診2_704)を含む。
【0048】
ユーザID601は、ユーザを識別する情報であり、生体情報300のユーザID301に対応する。日付702は、主観情報が取得された日、すなわち、ユーザが問診情報を入力した日を示す。複数の問診情報のうち問診1_703は、「どのくらい元気ですか」という問診に対する回答を示す。この回答として、例えば、最も元気である場合に100、最も元気がない場合に0が入力される。問診2_704は、「昨晩はよく眠れましたか」という問診に対する回答を示す。この回答として、例えば、最もよく眠れた場合に100、最もよく眠れなかった場合に0が入力される。上記の問診情報は一例であり、ユーザが感じている疲労の程度を示す情報のような、体調、健康状態等を主観的に評価する任意の情報が含まれ得る。
【0049】
なお、図1では説明の便宜上過去の主観情報133と主観情報134とを区別して記載しているが、実際にはそれらをまとめて主観情報700として管理してもよい。その場合、主観情報700に含まれる情報のうち新たに取得されたものを主観情報134として扱い、過去に取得されたもの(例えば過去の指定された期間に取得されたもの)を過去の主観情報133として扱うことができる。
【0050】
図8は、本発明の実施例に係る運行支援システムの主観入力特性算出モデル訓練部122が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
主観入力特性算出モデル訓練部122は、処理を開始すると、過去の主観情報133を指定された時間幅ごとに抽出し、それをモデル入力データ811とする(ステップS801)。ここで、時間幅は、例えば1週間程度であってもよいが、それに限定されず、例えば1か月など他の値であってもよい。
【0052】
次に、主観入力特性算出モデル訓練部122は、過去の主観情報133、過去の勤務情報131及び過去の生体情報132を参照して、ステップS801と同じ時間幅ごとに、主観情報単体の変動特性、及び、主観情報と他の情報との連動性を算出して、それらを教師ラベル812とする(ステップS802)。
【0053】
ここで、主観情報単体の変動特性は、例えば、当該時間幅の主観情報の平均値、中央値、標準偏差、周波数特性、自己回帰性、及び、それぞれの日の主観情報とその前日主観情報との差分の平均値、のいずれか又はそれらのいくつかの組合せであってもよいが、主観情報の変動を示す指標であればそれ以外のものであってもよい。
【0054】
また、主観情報と他の情報との連動性は、例えば、主観情報と勤務情報との連動性、主観情報と生体情報との連動性、及び、主観情報と勤務情報と生体情報との連動性のいずれかであってもよい。また、連動性は、例えば、絶対値の相関、経時的差分の相関、経時的変化率の相関、ユークリッド距離及びピアソンの積率相関係数のいずれか又はそれらのいくつかの組合せであってもよいが、それらの情報間の連動を示す指標であればそれ以外のものであってもよい。
【0055】
さらに、運転者の性格を示す情報を取得できる場合は、その情報を教師ラベル812に含めてもよい。また、運転者をその特性(例えば年齢、性別、経歴、性格等)に基づいてクラスタリングした結果を取得できる場合は、そのクラスタリング結果を教師ラベル812に含めてもよい。
【0056】
次に、主観入力特性算出モデル訓練部122は、モデル入力データ811及び教師ラベル812を用いて、過去に計測された主観情報から、主観情報単体の変動特性、及び、主観情報と他の情報との連動性を算出する、主観入力特性算出モデル140を訓練する(ステップS803)。訓練の具体的な方法については、一般的な機械学習等の方法を採用することができるため、詳細な説明を省略する。後述するステップS1303等も同様である。
【0057】
以上で主観入力特性算出モデルを訓練する処理が終了する。
【0058】
上記のようにして訓練された主観入力特性算出モデル140は、運転者が入力した主観情報から、その運転者の主観情報の入力の特性を算出するためのモデルである。例えば、主観情報として疲労の程度を示す情報が入力される場合に、自身の疲労の程度を過大に申告する、あるいは過少に申告するといった各運転者の主観情報の入力の癖、傾向など(すなわち主観情報入力特性)が、運転者によって異なる場合がある。上記のように、過去の主観情報自体の変動、及び、主観情報と生体情報及び勤務情報といった客観的な情報との連動を主観情報の入力の特性として推定するモデルを生成し、そのモデルに基づいて主観情報の入力の特性を推定することができる。
【0059】
なお、図8には主観情報をモデル入力データとして、主観情報単体の変動特性、及び、主観情報と他の情報との連動性を教師ラベルとして、主観入力特性算出モデル140を訓練する処理を記載した。これによって、主観情報を説明変数とし、主観情報単体の変動特性及び主観情報と他の情報との連動性といった主観情報入力特性を目的変数とするモデルが生成される。ここで、主観情報だけでなく、対応する生体情報及び勤務情報の少なくともいずれかをモデル入力データに追加してもよい。これによって、主観情報と、対応する生体情報及び勤務情報の少なくとも一部とを説明変数とし、主観情報単体の変動特性及び主観情報と他の情報との連動性といった主観情報入力特性を目的変数とするモデルが生成される。これによって、より精度の高い主観情報入力特性の推定が可能になることが期待できる。
【0060】
図9は、本発明の実施例に係る運行支援システムが保持する主観情報の一例を示す説明図である。
【0061】
図9には、ある時間幅(例えばある1週間又はある1か月等)の主観情報の変化の一例を示す。ここで、主観情報例901は、過去の主観情報133のうち、問診1_703の値の一例を示す。勤務情報例902は、過去の勤務情報131のうち、運行実績406の値の一例を示す。生体情報例903は、過去の生体情報132のうち、TP304の値の一例を示す。
【0062】
例えば、ステップS801において主観情報例901がモデル入力データ811として抽出された場合、ステップS802において、主観情報例901の変動特性、及び、主観情報例901と勤務情報例902及び生体情報例903の少なくともいずれかとの連動性が算出される。ここで算出される変動特性及び連動性は、図8のステップS802において説明したものと同様のものであってもよい。このような主観情報の変動特性及び主観情報と勤務情報及び生体情報の少なくともいずれかとの連動性の算出が時間幅毎に行われ、モデル入力データ811及び教師ラベル812として蓄積される。
【0063】
ステップS803では、モデル入力データ811及び教師ラベル812を用いて、主観情報から主観情報の変動特性を算出するモデル、及び、主化情報から主観情報と勤務情報及び生体情報の少なくともいずれかとの連動性を算出するモデルが訓練される。
【0064】
次に、生体情報の一例である自律神経指標について、図10から図12を参照して説明する。
【0065】
図10は、本発明の実施例に係る運行支援システムが取得する心拍間隔情報の一例を示す説明図である。
【0066】
具体的には、図10は、心拍計161によって取得される心拍計測結果に基づく心拍間隔の取得の例を示す。図10のグラフの横軸は時間、縦軸は計測された電位である。運行支援サーバ110は、図10に示す心拍データ1000から心拍間隔データを心拍変動時系列データ1100(図11参照)として算出し、さらに心拍変動時系列データ1100からゆらぎを算出する。ここで、心拍データ1000として心電図波形が得られる場合には、R-R interval(RRI)を心拍間隔として取得してもよい。あるいは、例えば手首等の脈波を計測したデータが得られる場合には、その脈波のPeak-to-Peak interval(PPI)を心拍間隔として取得してもよい。
【0067】
図11は、本発明の実施例に係る運行支援システムが取得する心拍変動情報の一例を示す説明図である。
【0068】
具体的には、図11は、図10に示すように取得された心拍間隔データのゆらぎ(心拍変動)を示す心拍変動時系列データ1100の一例を示すグラフである。グラフの横軸は時間、縦軸は心拍間隔である。心拍間隔は一定ではなく、自律神経の活動等によって変動している。
【0069】
運行支援サーバ110は、生体情報収集装置160から取得した心拍間隔データから、所定の長さ(例えば2秒間)の解析窓ごとに心拍変動時系列データ1100を算出し、周波数スペクトル解析を行って、パワースペクトル密度(PSD:Power Spectral density)を算出する。パワースペクトル密度の算出は、周知の手法を適用すればよい。生体情報収集装置160は、パワースペクトル密度の低周波成分の強度LFと高周波成分の強度HFを算出する。
【0070】
図12は、本発明の実施例に係る運行支援システムが取得する自律神経指標の一例を示す説明図である。
【0071】
具体的には、図12には、心拍変動のパワースペクトル密度の周波数領域のグラフを示す。パワースペクトルの低周波成分の領域(0.05Hz~0.15Hz)の強度(積分値)LFと、高周波成分の領域(0.15Hz~0.40Hzまで)の強度(積分値)HFとを合計(LF+HF)した値が、自律神経トータルパワー(TP)として算出される。また、パワースペクトルの低周波成分の強度LFと高周波成分の強度HFの比(自律神経LF/HF)が算出される。
【0072】
高周波成分は、副交感神経が活性化(緊張)している場合に心拍変動に出現し、低周波成分は交感神経が活性化(緊張)しているときも、副交感神経が活性化(緊張)しているときも心拍変動に出現する。
【0073】
交感神経が活性化している場合はストレス状態であり、副交感神経が活性化している場合はリラックス状態にあることが知られているので、低周波成分の強度LFと高周波成分の強度HFから、運転者がストレス状態であるかリラックス状態であるかを判定することができる。一方、自律神経トータルパワー(TP)は、自律神経機能全体の働きを示す指標であり、この値が低下した場合に慢性疲労の状態にあることを示す指標として用いられる。
【0074】
図13は、本発明の実施例に係る運行支援システムの事故リスク推定モデル訓練部121が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0075】
事故リスク推定モデル訓練部121は、処理を開始すると、過去の勤務情報131から、指定された時間幅ごとに事故関連情報を抽出し、それを事故リスク情報に変換して、教師ラベル1311とする(ステップS1301)。例えば、事故リスク推定モデル訓練部121は、事故関連情報としてヒヤリハット回数407を抽出し、それに基づいて、指定された時間幅のヒヤリハット件数の1日当たりの平均値、増加率、又はその時間幅に含まれる各日のヒヤリハット件数の最大値と最小値の差分、等を事故リスク情報として算出してもよい。
【0076】
次に、事故リスク推定モデル訓練部121は、過去の主観情報133、過去の勤務情報131及び過去の生体情報132を参照して、指定された時間幅ごとに、主観情報単体の変動特性、及び、主観情報と他の情報との連動性を算出して、算出した変動特性、連動性、及び、当該時間幅の主観情報をモデル入力データ1312とする(ステップS1302)。ここで、主観情報単体の変動特性、及び、主観情報と他の情報との連動性は、図8のステップS802と同様の算出することができる。
【0077】
次に、事故リスク推定モデル訓練部121は、モデル入力データ1312及び教師ラベル1311を用いて、過去に計測された主観情報と、主観情報単体の変動特性と、主観情報と他の情報との連動性と、から、事故リスク情報を算出する、事故リスク推定モデル139を訓練する(ステップS1303)。
【0078】
以上で事故リスク推定モデルを訓練する処理が終了する。
【0079】
上記のように訓練された事故リスク推定モデル139は、主観情報と、主観情報入力特性とを説明変数とし、事故リスクを目的変数とするモデルである。このモデルを使用することで、主観情報だけでなく、推定された運転者による主観情報の入力の特性に基づいて事故リスクが推定される。これによって、各運転者が入力した主観情報から高精度に事故リスクを推定することができる。
【0080】
図14Aは、本発明の実施例に係る運行支援システムの主観入力特性情報算出部123が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0081】
主観入力特性情報算出部123は、処理を開始すると、取得した主観情報134を、訓練済みの主観入力特性算出モデルへ入力し、主観入力特性情報135を推定する(ステップS1401)。以上で主観入力特性情報算出部123の処理が終了する。
【0082】
図14Bは、本発明の実施例に係る運行支援システムの主観変化情報算出部124が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0083】
主観変化情報算出部124は、処理を開始すると、主観情報134と、過去の特定の時間幅の主観情報と、のそれぞれから代表値を算出し、両者の差分又は変化率を主観変化情報136として算出する(ステップS1411)。これは、主観情報の変化の程度を示す情報の一例である。ここで、代表値は、例えば平均値又は中央値等である。以上で主観変化情報算出部124の処理が終了する。
【0084】
図15は、本発明の実施例に係る運行支援システムの事故リスク推定部125が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
事故リスク推定部125は、処理を開始すると、主観変化情報136を参照して、主観変化情報136の値が所定の閾値を超え、かつ、その変化が主観情報の悪化傾向を示すものであるかを判定する(ステップS1501)。主観変化情報136の値が所定の閾値を超え、かつ、その変化が主観情報の悪化傾向を示す場合、事故リスク推定部125は、主観情報134と、主観入力特性情報135と、を事故リスク推定モデル139に入力して、事故リスク情報137を推定する(ステップS1502)。以上で事故リスク推定部125の処理が終了する。
【0086】
図16は、本発明の実施例に係る運行支援システムの事故リスク提示部126が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0087】
事故リスク提示部126は、処理を開始すると、過去の主観入力特性情報138から、現在の主観入力特性情報135と類似する指標及び区間をピックアップする(ステップS1601)。ここで、類似するか否かの判断の対象となる指標は、例えば主観情報単体の変動特性、及び、主観情報と他の情報との連動性の少なくともいずれかである。また、ここでのピックアップの対象となる過去の主観入力特性情報は、現在の主観入力特性情報に対応する運転者と同一の運転者の過去の主観入力特性情報であってもよいし、それとは別の運転者の過去の主観入力特性情報であってもよい。ピックアップされた過去の主観入力特性情報は、ピックアップ主観入力特性情報1611として保持される。
【0088】
次に、事故リスク提示部126は、主観情報134と、推定された事故リスク情報137と、を提示する(ステップS1602)。具体的には、事故リスク提示部126は、これらの情報を提示するための情報を生成して、通信I/F114からネットワーク190を介して予測結果表示端末180に送信し、出力部181に表示させてもよい。あるいは、事故リスク提示部126は、これらの情報を出力装置116に対して出力し、表示させてもよい。
【0089】
事故リスク提示部126は、ステップS1602において、さらに、ピックアップ主観入力特性情報1611と、それに関連する情報とを提示する。ここで、ピックアップ主観入力特性情報1611に関連する情報とは、例えば、過去の勤務情報131、過去の生体情報132及び過去の主観情報133の少なくともいずれかから、ピックアップ主観入力特性情報1611の区間に相当する区間の情報を抽出したものであってもよい。
【0090】
事故リスク提示部126は、ステップS1602において、さらに、ピックアップ主観入力特性情報1611に対応するメッセージをアラート文辞書1612から抽出して提示する。アラート文辞書1612は、例えば、ピックアップ主観入力特性情報とそれに対応する過去の勤務情報、生体情報及び主観情報として想定される値との組合せに応じて運転者に提示されるアラート文の情報を含むように予め生成されて、補助記憶装置113に保持されていてもよい。
【0091】
以上で事故リスク提示部126の処理が終了する。
【0092】
図17は、本発明の実施例に係る運行支援システムの事故リスク提示部126が提示する情報の一例を示す説明図である。
【0093】
事故リスク提示部126は、図16のステップS1602において、例えば図17に示す事故リスク提示画面1700を出力装置116に提示させる。事故リスク提示画面1700は、メッセージ提示部1701、本人情報提示部1702及び類似情報提示部1703を含む。
【0094】
メッセージ提示部1701には、図16のステップS1602で抽出されたアラート文を含むメッセージが提示される。図17の例では、推定された事故リスクの高さを示す値と、「ここ〇カ月間、問診1の回答内容が徐々に悪化しています。慢性疲労指標も同様に悪化しています。しっかりと休めていますか?」というメッセージが表示される。これは、後述するように、問診への回答として得られた値(例えば、0~100の値)が低下し、それとともに慢性疲労の指標であるTP、及び、運行実績の評価スコア(例えば10段階スコア)が低下したことが検出され、これらに基づいて事故リスクが上昇すると推定されたため、それに対応するアラート文がアラート文辞書1612から抽出されて表示されたものである。
【0095】
本人情報提示部1702には、図15の処理で事故リスク推定の対象となった運転者の主観情報と、それとの関連性が高いと判定された勤務情報及び生体情報の少なくともいずれかと、推定された事故リスクの高さを示す値と、が提示される。
【0096】
図17の例では、主観情報として問診1_703の回答として得られた値の推移が、それとの関連性が高い勤務情報及び生体情報としてそれぞれ運行実績406及びTP304の推移が、それぞれ提示される。この例は、ある区間において、対象の運転者の「どのくらい元気ですか」という問診への回答として得られた値が低下し(すなわち当該運転者の主観的な元気の程度が低下し)、それと関連して当該区間の運行実績406(10段階スコア)及びTP304が低下したことを示している。
【0097】
なお、メッセージ提示部1701及び本人情報提示部1702に提示される事故リスクの高さを示す値は、事故リスク推定の対象となった運転者について、主観情報134と主観入力特性情報135とを事故リスク推定モデル139に入力することによって推定され、事故リスク情報137として格納されたものである。
【0098】
類似情報提示部1703には、本人情報提示部1702に示したものと類似する情報の推移が表示される。図17の例では、過去に記録された情報から、問診1_703の回答として得られた値が低下し、それと関連して運行実績406(10段階スコア)及びTP304が低下した区間がピックアップされ、それらの情報が類似情報提示部1703に提示される。これは、本人情報提示部1702に提示された情報に対応する運転者とは別の運転者の情報であってもよいし、同一の運転者の過去の情報であってもよい。
【0099】
なお、類似情報提示部1703には、ピックアップされた区間の事故関連情報がさらに提示されてもよい。例えば主観情報の低下に伴ってヒヤリハット回数が増加する傾向を運転者に対して提示することによって、メッセージ提示部1701に提示したメッセージの説得力が増し、安全運行のための運転者による自己の状態の管理を促すことができる。
【0100】
また、本発明の実施形態のシステムは次のように構成されてもよい。
【0101】
(1)運行支援システム(例えば運行支援システム100又はそれを構成する運行支援サーバ110)が実行する運行支援方法であって、運行支援システムは、プロセッサ(例えばプロセッサ111)と、記憶装置(例えばメモリ112及び補助記憶装置113の少なくともいずれか)と、を有し、記憶装置は、ユーザが過去に自身の状態に関して入力した過去の主観情報(例えば過去の主観情報133)を保持し、運行支援方法は、プロセッサが、過去の主観情報と、新たな主観情報(例えば主観情報134)と、に基づいて、主観情報の入力の特性を推定する第1手順(例えばステップS203)と、プロセッサが、過去の主観情報と、新たな主観情報との間の変化の程度を算出する第2手順(例えばステップS204)と、プロセッサが、新たな主観情報と、主観情報の入力の特性と、主観情報の変化の程度と、に基づいて、事故リスクを推定する第3手順(例えばステップS205)と、を含む。
【0102】
これによって、運転者の主観情報に基づいて運転者の状態(すなわち運転者の主観情報の入力の特性)を推定し、その状態に基づいて事故リスクの推定を高精度に行うことができる。
【0103】
(2)上記(1)において、記憶装置は、主観情報から主観情報の入力の特性を算出する主観入力特性算出モデル(例えば主観入力特性算出モデル140)をさらに保持し、第1手順において、プロセッサは、新たな主観情報を主観入力特性算出モデルに入力することによって、主観情報の入力の特性を推定する(例えばステップS1401)。
【0104】
これによって、ユーザ(例えば運転者)の主観情報の入力の特性を適切に推定することができる。
【0105】
(3)上記(2)において、記憶装置は、ユーザの過去の生体情報(例えば過去の生体情報132)と、ユーザの過去の勤務に関する過去の勤務情報(例えば過去の勤務情報131)と、をさらに保持し、運行支援方法は、プロセッサが、過去の主観情報と、過去の生体情報と、過去の勤務情報と、に基づいて、主観情報から、主観情報の変動特性、主観情報と生体情報との連動性、主観情報と勤務情報との連動性、及び主観情報と生体情報と前記勤務情報との連動性、の少なくともいずれかを算出するモデルを生成して、主観入力特性算出モデルとして保持する第4手順(例えばステップS201、S801~S803)をさらに含み、第1手順において、プロセッサは、新たな主観情報を主観入力特性算出モデルに入力することによって、主観情報の変動特性、主観情報と生体情報との連動性、主観情報と勤務情報との連動性、及び主観情報と生体情報と勤務情報との連動性、の少なくともいずれかを、主観情報の入力の特性として推定する(例えばステップS1401)。
【0106】
これによって、ユーザの主観情報の入力の特性を適切に推定することができる。
【0107】
(4)上記(3)の第4手順において、プロセッサは、主観情報と、生体情報及び勤務情報の少なくとも一方と、から、主観情報の変動特性、主観情報と生体情報との連動性、主観情報と勤務情報との連動性、及び主観情報と生体情報と勤務情報との連動性、の少なくともいずれかを算出するモデルを主観入力特性算出モデルとして生成し、第1手順において、プロセッサは、新たな主観情報と、ユーザの新たな生体情報及び新たな勤務情報の少なくとも一方とを主観入力特性算出モデルに入力することによって、主観情報の入力の特性を推定する。
【0108】
これによって、ユーザの主観情報の入力の特性をより高精度に推定することができる。
【0109】
(5)上記(3)において、主観情報は、ユーザが自身の疲労の程度を主観的に評価した情報(例えば問診1_703)を含み、主観情報と生体情報との連動性は、疲労の程度を主観的に評価した情報と、生体情報に基づいて算出された疲労の程度を示す情報(例えばTPのような自律神経指標等)との連動性である。
【0110】
これによって、ユーザの主観的な疲労の程度と、生体情報に基づく客観的な疲労の程度との連動性を、主観情報の入力の特性として推定することができる。
【0111】
(6)上記(1)において、記憶装置は、主観情報と、主観情報の入力の特性とから事故リスクを推定する事故リスク推定モデル(例えば事故リスク推定モデル139)をさらに保持し、第3手順において、プロセッサは、新たな主観情報と、主観情報の入力の特性とを事故リスク推定モデルに入力することによって、事故リスクを推定する(例えばステップS1502)。
【0112】
これによって、主観情報だけでなく主観情報の入力の特性も考慮して高精度に事故リスクを推定することができる。
【0113】
(7)上記(6)において、記憶装置は、ユーザの過去の生体情報(例えば過去の生体情報132)と、ユーザの過去の勤務に関する過去の勤務情報(例えば過去の勤務情報131)と、をさらに保持し、過去の勤務情報は、事故、及び、事故には至らないが事故につながる可能性がある事象の少なくともいずれかの発生を示す情報(例えばヒヤリハット回数407)を含み、運行支援方法は、プロセッサが、過去の主観情報と、過去の生体情報と、過去の勤務情報と、に基づいて、主観情報と、主観情報の変動特性、主観情報と生体情報との連動性、主観情報と勤務情報との連動性、及び主観情報と生体情報と勤務情報との連動性、の少なくともいずれかと、から事故リスクを推定するモデルを生成して、事故リスク推定モデルとして保持する第5手順(例えばステップS201、S1301~S1303)をさらに含み、第3手順において、プロセッサは、新たな主観情報と、主観情報の入力の特性と、を事故リスク推定モデルに入力することによって、事故リスクを推定する。
【0114】
これによって、主観情報だけでなく主観情報の入力の特性も考慮して高精度に事故リスクを推定することができる。
【0115】
(8)上記(1)の第2手順において、プロセッサは、過去の主観情報の代表値(例えば平均値又は中央値)と、新たな主観情報の代表値との間の変化の程度を算出し(例えばステップS1501)、変化の程度に基づいて、主観情報が所定の基準より悪化する傾向にあると判定された場合に、プロセッサが第3手順を実行する。
【0116】
これによって、事故リスクの増加を予測することができる。
【0117】
(9)上記(1)において、プロセッサが、新たな主観情報と、推定された事故リスクと、を表示するための情報を出力する第6手順(例えばステップS206)をさらに含む。
【0118】
これによって、推定された事故リスクをユーザに対して提示することができる。
【0119】
(10)上記(9)において、記憶装置は、ユーザの過去の生体情報(例えば過去の生体情報132)と、ユーザの過去の勤務に関する過去の勤務情報(例えば過去の勤務情報131)と、過去の主観情報の入力の特性を示す情報(例えば過去の主観入力特性情報138)と、主観情報、生体情報及び勤務情報の少なくともいずれかに対応するアラートを保持するアラート辞書(例えばアラート文辞書1612)と、をさらに保持し、第6手順において、プロセッサは、推定された主観情報の入力の特性と類似する過去の主観情報の入力の特性の区間及び当該区間における過去の主観情報、過去の生体情報及び過去の勤務情報の少なくともいずれかを抽出し(例えばステップS1601)、抽出された過去の主観情報、過去の生体情報及び過去の勤務情報の少なくともいずれかに対応するアラートをアラート辞書から抽出し(例えばステップS1602)、抽出された過去の主観情報、過去の生体情報及び過去の勤務情報の少なくともいずれかと、アラートと、を表示するための情報を出力する(例えばステップS1602)。
【0120】
これによって、推定された事故リスクを、ユーザに理解しやすい形で提示することができる。
【0121】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0122】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0123】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0124】
100 運行支援システム
110 運行支援サーバ
111 プロセッサ
112 メモリ
113 補助記憶装置
114 通信インターフェース
115 入力装置
116 出力装置
150 勤務情報サーバ
160 生体情報収集装置
170 主観情報収集装置
180 予測結果表示端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17