(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112209
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】区分システム及び区分方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/46 20060101AFI20240813BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240813BHJP
B65G 47/94 20060101ALI20240813BHJP
B65G 47/38 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
B65G47/46 B
B65G1/137 E
B65G47/94
B65G47/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017128
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】朝日 一隆
【テーマコード(参考)】
3F015
3F072
3F522
【Fターム(参考)】
3F015AA06
3F015FA02
3F015GA01
3F072AA09
3F072GB04
3F072GD01
3F072GD05
3F072KE06
3F072KE22
3F522BB01
3F522CC03
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD32
3F522DD33
3F522EE15
3F522FF02
3F522FF27
3F522FF32
3F522GG04
3F522GG05
3F522GG39
3F522GG45
3F522HH02
3F522JJ02
3F522KK05
3F522LL57
(57)【要約】
【課題】1又は複数の物品を収容する容器の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システムを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、区分システムは、ソータと容器載置部と、自動移動装置とを備える。ソータは、物品を選択された容器に区分するソート部と、区分された容器を所定の搬送方向に搬送する容器払い出し用の搬送部とを有する。容器載置部は、搬送部に対して搬送部の搬送方向に交差する方向に隣接して配置され、複数の容器が載置される。自動移動装置は、搬送部及び容器載置部に対して近接及び離間可能に移動する自動移動部と、搬送部及び容器載置部に対して近接する位置において、複数の容器のうちから選択された容器を搬送部に対して押し出し又は引き込んで選択された容器を搬送部に載せる可動部とを有する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に付されたコードに基づいて前記物品を複数の容器のうちから選択された容器に区分するソート部と、前記ソート部で前記物品が区分された前記容器を所定の搬送方向に搬送する容器払い出し用の搬送部とを有する、ソータと、
前記搬送部に対して前記搬送部の前記搬送方向に交差する方向に隣接して配置され、前記複数の容器が載置される容器載置部と、
前記搬送部に対して前記容器載置部とは反対側に隣接する位置、又は、前記搬送部との間に前記容器載置部を挟むように前記容器載置部に近接する位置と、前記搬送部及び前記容器載置部から離間する位置との間を移動する自動移動装置と
を備え、
前記自動移動装置は、
前記搬送部及び前記容器載置部に対して近接及び離間可能に移動する自動移動部と、
前記搬送部及び前記容器載置部に対して近接する位置において、前記複数の容器のうちから選択された容器を前記搬送部に対して押し出し又は引き込んで前記選択された容器を前記搬送部に載せる可動部と
を有する、
区分システム。
【請求項2】
前記容器載置部は、前記複数の容器を載置する水平位置と、前記搬送部に前記複数の容器を同時期に載せるように傾斜させて前記複数の容器を滑らせる傾斜位置との間を移動可能なテーブルを備え、
前記自動移動装置の前記可動部は、前記テーブルを前記水平位置と前記傾斜位置との間を移動させる、
請求項1に記載の区分システム。
【請求項3】
前記ソート部は、
前記搬送部よりも上方に設けられ、前記物品が搬送される上側搬送部と、
前記選択された容器に、前記上側搬送部で搬送される前記物品を区分する案内部と
を有し、
前記案内部は、前記選択された容器の開口よりも上側に設けられる、
請求項1又は請求項2に記載の区分システム。
【請求項4】
前記ソータは、前記ソート部に設けられ、前記複数の容器に対し前記物品の堆積状態がある設定高さを超えたか否かを出力するセンサを備え、
前記区分システムは、前記センサの出力に基づいて前記設定高さを超えて前記物品が堆積された容器を出力するプロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記自動移動装置の前記自動移動部及び前記可動部を制御し、前記プロセッサの出力に基づいて、
前記容器載置部に載置された前記容器に近接する位置に移動させ、前記可動部で前記容器を前記搬送部に押し出す、又は、
前記搬送部に近接し、前記容器載置部に載置された前記容器に前記搬送部を挟んで対向する位置に移動させ、前記可動部で前記容器を前記搬送部に引き込む
ように動作させる、
請求項1又は請求項2に記載の区分システム。
【請求項5】
容器載置部に並べられた複数の容器のうち、ある容器に所定量又は所定高さに物品を堆積させること、
前記ある容器に隣接する位置、又は、前記ある容器との間に前記ある容器を所定の搬送方向に搬送する搬送部を挟む位置に自動移動装置を移動させ、前記自動移動装置で押し出し又は引き込みによって前記ある容器を前記搬送部に載せること、
前記ある容器を載せた前記搬送部を動かし前記ある容器を所定の方向に払い出すこと、
を有する、区分方法。
【請求項6】
複数の容器が並べられて載置されたテーブルに自動移動装置を向かわせること、
前記自動移動装置を動作させて前記テーブルを傾斜させて、前記複数の容器を所定の方向に払い出す搬送部に対して前記テーブルに載置された前記複数の容器を同時期に載置させること、
前記複数の容器を載置した前記搬送部を動かし前記複数の容器を所定の方向に払い出すこと
を有する、区分方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、区分システム及び区分方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソータを用いて各シュートに物品を投入する区分システムが提供されている。そのような区分システムは、物品の宛先などに応じて、シュートを通じて物品をトートなどの容器に区分する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、1又は複数の物品を収容する容器の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システム及び区分方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、区分システムは、ソート部及び容器払い出し用の搬送部を有するソータと、容器載置部と、自動移動装置とを備える。ソート部は、物品に付されたコードに基づいて物品を複数の容器のうちから選択された容器に区分する。搬送部は、ソート部で物品が区分された容器を所定の搬送方向に搬送する。容器載置部は、搬送部に対して搬送部の搬送方向に交差する方向に隣接して配置され、複数の容器が載置される。自動移動装置は、搬送部に対して容器載置部とは反対側に隣接する位置、又は、搬送部との間に容器載置部を挟むように容器載置部に近接する位置と、搬送部及び容器載置部から離間する位置との間を移動する。自動移動装置は、自動移動部と、可動部とを有する。自動移動部は、搬送部及び容器載置部に対して近接及び離間可能に移動する。
可動部は、搬送部及び容器載置部に対して近接する位置において、複数の容器のうちから選択された容器を搬送部に対して押し出し又は引き込んで選択された容器を搬送部に載せる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る区分システムを示す概略図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す区分システムを矢印IIで示す方向から見た概略図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2に示す区分システムを矢印IIIで示す方向から見た概略図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す区分システムの自動移動装置の可動部の一部を示す概略的な斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す可動部のパドルの軸方向への移動機構及びパドルの回動機構を示す概略図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す可動部のパドルの回動動作を示す概略図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る区分システムの制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る区分制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係るソータ制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る自動移動装置の制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る自動移動装置の構成例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る区分先情報の構成例を示す図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る区分システムの物品投入処理を行う場合の動作例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係る区分システムの容器自動払出処理を行う場合の動作例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第1実施形態に係る自動移動装置の動作例を示す概略図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態に係る区分システムの複数の容器の払い出し時の動作例を説明するための図である。
【
図19】
図19は、第1実施形態に係る区分システムの容器自動一斉払出処理を行う場合の動作例を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、
図19中の自動移動装置側の一斉払出処理を行う場合の動作例を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、第1実施形態に係る自動移動装置で容器自動一斉払出処理を行う場合の動作例を示す概略図である。
【
図24】
図24は、第1実施形態の変形例に係る自動移動装置の動作例を示す概略図である。
【
図26】
図26は、第2実施形態に係る自動移動装置の動作例を示す概略図である。
【
図28】
図28は、第3実施形態に係る区分システムを示す概略的な上面図である。
【
図29】
図29は、
図28に示す区分システムのボンベイソータ上の物品を容器に投入する際の、ボンベイソータと容器との位置関係を示す概略的な斜視図である。
【
図30】
図30は、
図29に示すボンベイソータの開閉体を開いた状態を示す概略的な斜視図である。
【
図31】
図31は、
図28に示す区分システムにおいて、所定量又は所定高さとなった容器を払い出す一連の処理を説明するための概略図である。
【
図33】
図33は、ボンベイソータに於ける異なる実施例を説明するための概略図である。
【
図35】
図35は、ボンベイソータに於ける異なる実施例を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照していくつかの実施形態について説明する。
実施形態に係る区分システム100は、各物品を区分先であるトートやトレイなどの少なくとも上方が開口する箱状の容器8に区分する。そして、区分システム100は、満杯の容器8、例えば所定高さや所定量の物品が区分された容器8を所定の方向に搬送し、払い出す。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、実施形態に係る区分システム100の構成例を示す。
図1に示すように、区分システム100は、インダクション3、スキャナ4、ソータ5、容器載置部6、複数の自動移動装置7、複数の容器8などを備える。
【0009】
ここで、区分システム100は、インダクション3、スキャナ4、及び、ソータ5の順に物品を運搬する。
【0010】
インダクション3は、オペレータ又はロボットなどによって投入される物品を受領する。インダクション3は、コンベアなどを用いて、投入された物品を搬送してスキャナ4に投入した後、ソータ5に物品を投入する。
【0011】
スキャナ4は、インダクション3に投入され、搬送される物品に添付されているコードを読み取る。スキャナ4は、例えば、インダクション3に搬送される物品のコードを撮影可能な位置に設置される。
【0012】
コードは、物品を識別するIDをエンコードして得られる。また、スキャナ4は、文字認識処理(OCR(Optical Character Recognition)処理)などによって、物品に添付されているIDの文字列を読み取るものであってもよい。
【0013】
本実施形態では、ソータ5は、複数層に形成される。ここでは、ソータ5は、2層に形成される場合を例にして説明する。すなわち、ソータ5は、上側部5aと、下側部5bとを有する。
【0014】
本実施形態では、上側部5aは、上側搬送部51と、シュート(スライディングシューター)52と、プッシャー53と、を有する。
【0015】
上側搬送部51は、後述する下側搬送部(容器払い出し用の搬送部)55よりも上方に設けられ、インダクション3及びスキャナ4を通過した物品を受け取るコンベア等である。
【0016】
図1及び
図2中において、上側搬送部51は、実際には、オーバル型など、環状(無端状)に形成されることが好適である。すなわち、上側搬送部51に載置された物品は、区分されるまで、例えば水平な面を循環し得ることが好適である。
【0017】
シュート52は、上側搬送部51の搬送方向に交差する方向に上側搬送部51に隣接して設けられる。上述したように、上側搬送部51は環状に形成されることが好適であるが、シュート52の位置は、
図1及び
図2に示す領域など、適宜の範囲に設けられることが好適である。
【0018】
シュート52は、上側搬送部51上の物品の搬送方向に複数個設置されている。シュート52は、上側搬送部51に設けられるプッシャー53から押し出された物品が通過する搬送路である。シュート52は、上側搬送部51から下方に向かう斜面状に形成されている。
【0019】
なお、本実施形態では、シュート52は、上側搬送部51の搬送方向に交差する2つの方向(
図2の紙面の上方向及び下方向)に隣接する。
【0020】
プッシャー53は、上側搬送部51上を上側搬送部51の搬送方向に交差する方向に動き、上側搬送部51上の物品をシュート52に押し出す。このため、プッシャー53(投入機構)は、上側搬送部51で搬送されている物品を、シュート52を通してシュート52の下側に隣接する容器8に投入する。プッシャー53は、物品の区分先に応じて特定のシュート52に物品を押し出す。プッシャー53は、インダクション3が上側搬送部51に物品を載せる手前で、物品を押し出す方向の対向方向に位置する。
【0021】
プッシャー53は、シュート52が存在する、上側搬送部51の搬送方向に交差する2つの方向(
図2の紙面の上方向及び下方向)に物品を押し出し可能である。
【0022】
ソータ5は、上側搬送部51に載置され、搬送された物品が所定のシュート52の前に到着したタイミングでプッシャー53を動かし、上側搬送部51からシュート52に物品を押し出す。このとき、シュート52及びプッシャー53は、選択された容器8に上側搬送部51に搬送される物品を区分する案内部として用いられる。このため、案内部であるシュート52及びプッシャー53は、選択された容器8の上側の開口(物品出し入れ口)よりも上側に設けられる。
【0023】
このようにして、ソータ5は、上側部5aを介して後述する容器8に物品を投入する。この容器8は、後述するプロセッサ11により予め選択された容器8である。したがって、ソータ5の上側部5aは、例えば後述するプロセッサ11が指示する所望の容器8に物品を投入させるソート部として用いられる。すなわち、ソート部としての上側部5aは、物品に付されたコードに基づいて物品を複数の容器8のうちから選択された容器8に区分する。
【0024】
本実施形態では、上側搬送部51の搬送方向に沿って物品を搬送し、プッシャー53を用いて物品を、シュート52を介して目的の容器8に区分する例について説明する。例えば、搬送トレイを用いて物品を搬送し、搬送トレイが区分先である目的の区分容器8に到達したタイミングで搬送トレイを傾斜させて搬送トレイ上の物品を目的の区分容器8に向けて滑らせるようにしてもよい。なお、上側搬送部51として、搬送トレイを用いる場合、その搬送トレイは例えばレールに沿って所定方向に移動し得る。
【0025】
下側部5bは、上側部5aの上側搬送部51、シュート52及びプッシャー53よりも下側に設けられる。下側部5bは、下側搬送部(容器払い出し用の搬送部)55と、センサ56とを有する。
【0026】
下側搬送部55は、容器8を所定の方向に搬送し、払い出すコンベア等である。すなわち、下側搬送部55は、ソート部としての上側部5aで物品が区分された容器8を所定の搬送方向に搬送して払い出す。本実施形態では、下側搬送部55は、上側搬送部51の直下に設けられる。下側搬送部55は、例えば平行な2列に形成される。2列の下側搬送部55の搬送方向は、同じ方向でもよく、異なる(反対)方向であってもよく、容器8の行先により設定される。
【0027】
センサ56は、例えば上側部5aの上側搬送部51又はシュート52に支持され、容器8内の物品の量(堆積状態)を出力する。センサ56は、カメラ、光学センサ等、種々のものを用いることができる。本実施形態では、光学センサの一種として、反射センサを用いる例について説明する。
【0028】
なお、センサ56の数は、シュート52の数と同じ数であってもよく、複数の容器8内の物品の量(堆積状態)をそれぞれ出力可能であれば、シュート52の数よりも少なくてもよく、複数の容器8に対して1つであってもよい。
【0029】
容器載置部6は、ソータ5の下側搬送部55の搬送方向に交差する方向にソータ5の下側搬送部55に隣接して配置される。本実施形態では、1対の容器載置部6は、2列の下側搬送部55を挟むように配置される。
【0030】
図3に示すように、容器載置部6は、テーブル60aと、脚部60bと、ヒンジ部60cと、支持脚部60dとを有する。
【0031】
テーブル60aには、複数の容器8が載置される。複数の容器8は、下側搬送部55の搬送方向に並べられることが好適である。容器載置部6のテーブル60aに対して、容器8は、シュート52の数と同じ数、載置可能である。本実施形態では、テーブル60aは、シュート52からの物品を受領可能な所定の高さに容器8を支持する。このため、テーブル60a上の容器8は、プッシャー53及びシュート52を通して容器8に投入される物品を受領可能な位置に、配置される。
【0032】
なお、テーブル60aの上面(天板)は、水平な状態で、容器8を隣接する下側搬送部55に可動部704等の外力によりスライドさせて、移載可能な高さに設定される。また、テーブル60aの上面は、テーブル60aの上面を傾斜させたときに、容器8が重力により傾斜方向に沿って適宜に滑り、下側搬送部55に移載可能な適宜の平滑面として形成される。
【0033】
テーブル60aは、コード61及び容器8が配置される区画を形成するガイド62を備える。
【0034】
コード61は、対応するシュート52を示す識別子をエンコードして得られたコードである。例えば、コード61は、バーコード又は二次元コードなどである。コード61は、シュート52の下方に付されている。
【0035】
ガイド62は、容器8を所定の位置に配置し、又は、容器8の移動範囲を規制するために用いられる。ガイド62は、テーブル60aの上面から所定の高さに突出する突起状に形成されている。このため、容器8は、1対のガイド62間でテーブル60a上に載置される。
【0036】
脚部60bは、ヒンジ部60cを介してテーブル60aに連結される。ヒンジ部60cの回動軸は、下側搬送部55の搬送方向に平行であることが好適である。なお、ヒンジ部60cは、テーブル60aのうち、下側搬送部55に隣接する位置に配置される。このため、ヒンジ部60cにより、脚部60bに対してテーブル60aが回動し、テーブル60aの上面を傾斜可能である。そして、テーブル60aの上面の傾斜方向は、容器8を下側搬送部55に向かわせる方向である。
【0037】
したがって、テーブル60aは、複数の容器8を載置する水平位置と、下側搬送部55に複数の容器8を同時期に載せるように傾斜させて複数の容器8を滑らせる傾斜位置との間を移動可能である。
【0038】
支持脚部60dは、テーブル60aのうち、ヒンジ部60cが設けられた側とは反対側を下側から支持し、後述する容器自動払出処理中に、テーブル60aの上面を水平に保つ。また、後述する容器自動一斉払出処理中には、テーブル60aの下面は、支持脚部60dから離れる。なお、支持脚部60dは、容器自動一斉払出処理中であっても、脚部60bとの位置関係を保つように床面に支持される。
【0039】
本実施形態では、自動移動装置7は、下側搬送部55との間に容器8を載置する容器載置部6を挟むように容器載置部6に近接する位置と、下側搬送部55及び容器載置部6から離間する位置との間を移動する。そして、自動移動装置7は、容器載置部6のテーブル60a上の容器8を例えば押圧して下側搬送部(払い出しコンベヤ)55に載せて所定方向に搬送する。
【0040】
図3には、本実施形態に係る自動移動装置7の側面図を示す。
【0041】
図3に示すように、自動移動装置7は、自動移動部701と、支柱702と、容器ストック部703と、可動部704とを備える。
【0042】
自動移動部701は、自動移動装置7全体を移動させる移動機構として機能する。自動移動部701は、下側搬送部55及び容器載置部6に対して近接及び離間可能に移動する。自動移動部701は、後述するタイヤ70などを備える。なお、自動移動部701は、床面に貼付されているコード9などを読み取るカメラなどを備えることが好適である。このため、自動移動部701は、床面に貼付されているコード9を読み取りながら、所望の位置に所望の姿勢で移動する。
【0043】
また、自動移動部701の上部には、支柱702、容器ストック部703及び可動部704が設けられる。
【0044】
支柱702は、自動移動部701の上面から鉛直方向に沿って上方に突出するように延出する延出部材として形成される。支柱702には、容器ストック部703及び可動部704が設けられる。
【0045】
容器ストック部703は、例えば、
図3中の6段など、複数段にそれぞれ例えば1つの容器8を積むことができるように、自動移動部701上に鉛直方向に沿って並設されている。容器ストック部703は、それぞれ、個別に動作するベルトコンベアなどの移載部7031を有する。このため、容器ストック部703は、移載部7031を用いて可動部704に容器8を受け渡すことができる。また、容器ストック部703は、移載部7031を用いて図示しないステーションから容器8を受領することができる。したがって、容器ストック部703は、図示しないステーションから容器8を受領し、受領した容器8を1つずつ、可動部704に受け渡すことができる。
【0046】
なお、移載部7031は、駆動部7032(
図11参照)を有する。各移載部7031は、駆動部7032により駆動される。
【0047】
ここでは、支柱702には、6つの容器ストック部703が形成されているものとする。容器ストック部703が形成される個数は、特定の個数に限定されるものではない。
【0048】
支柱702に対して容器ストック部703とは反対側には、可動部704が設けられる。可動部704は、容器ストック部703が並べられる鉛直方向に沿って、駆動部7041(
図11参照)などにより支柱702に対して所定範囲内を上下に移動可能である。
【0049】
本実施形態では、可動部704は、下側搬送部55及び容器載置部6に対して近接する位置において、複数の容器8のうちから選択された容器8を下側搬送部55に対して押し出して選択された容器8を下側搬送部55に載せる。
【0050】
図4から
図6は、可動部704のそれぞれ一部の構造を示す概略図である。
【0051】
図4から
図6に示すように、可動部704は、1対の可動体770a,770bを有する。1対の可動体770a,770bは、本実施形態では、後述するシャフト775が直動可能であるとともに、シャフト775が所定範囲内を回動する。シャフト775は、伸縮可能であってもよい。1対の可動体770a,770bのシャフト775間の距離は、容器8が可動部704により押圧される押圧方向に交差(例えば直交)する幅方向の幅よりも大きい。一方、シャフト775に固定される後述する1対のパドル776をシャフト775間に配置したとき、1対のパドル776によって、協働して容器8を所定方向に押圧可能である。
【0052】
1対の可動体770a,770bは、同じ構造を有するため、一方の可動体770aについて説明する。
【0053】
図5に示すように、可動体770aは、支柱702から容器ストック部703とは反対側に延出される延出部(可動部ベース)771と、ボールネジ部772と、ボールネジ部772を回動させる回動機構774と、回動機構774により直動するシャフト775と、パドル(回動フック)776と、を有する。
【0054】
図4中、延出部771をブロック状に描いたが、例えば支柱702から容器ストック部703とは反対側に延出される矩形ロッド状や、支柱702から容器ストック部703とは反対側に延出される円柱状などであってもよい。
【0055】
延出部771は、互いに対して平行に配置されることが好適である。このため、1対の延出部771間の距離は、支柱702に近位の位置から遠位位置まで、同じであることが好適である。1対の延出部771は、容器8を移動させる方向に対して交差する容器8の幅方向の幅よりも離間して配置される。
【0056】
なお、可動部704は、支柱702及び容器ストック部703に対して延出部771が上下動されるように形成される。支柱702又は可動部704には、可動部704の延出部771を上下動作させる駆動部7041(
図11参照)が設けられる。
【0057】
駆動部7041は、延出部771の下端、シャフト775、及び、パドル776が、ガイド62に衝突しないように延出部771を上下動させる。また、シャフト775の支柱702に対する遠位端は、容器載置部6、容器8、及び、ソータ5に衝突しないように移動する。
【0058】
延出部771は、上端部771aを有する。上端部771aには、回動機構774が設けられる。回動機構774には、ボールネジ部772が支持されている。ボールネジ部772は、容器8を移動させる方向に沿って配置される。
【0059】
図5に示すように、回動機構774は、ボールネジ部772が配設され、シャフト775の回転軸Cの延長線上を支持する支持部781と、上端部771aに対して支持部781を回動させる回動駆動部782とを有する。
【0060】
ボールネジ部772は、ベース791と、ガイドレール792と、ネジ軸793と、ナット794と、駆動部795とを有する。ベース791、ガイドレール792、及び、ネジ軸793は、延出部771の長手方向に沿って延びる。ネジ軸793の一端及び他端は、ベース791に支持される。ネジ軸793は、駆動部795に接続されている。このため、駆動部795によりネジ軸793を回転させると、ガイドレール792に沿ってナット794がネジ軸793の軸方向に沿って移動する。駆動部795とネジ軸793との間にギヤが配設されていてもよい。
【0061】
ナット794には、シャフト775が固定されている。シャフト775は、本実施形態では、筒状又は柱状に形成されていることが好適である。シャフト775は、例えば円筒状に形成される。シャフト775の例えば先端部(遠位端)近傍には、
図4に示すようにパドル776が固定されている。このため、シャフト775及びパドル776は、ナット794の移動に伴ってネジ軸793の軸方向に沿って移動可能である。
【0062】
なお、ベース791は、回動機構774による動作により上端部771aに対して接離可能である。
【0063】
回動機構774の回動駆動部782を動作させると、支持部781とともにボールネジ部772の全体が、上端部771aに対して回動する。このため、パドル776は、
図6上図に示すように、パドル776を1対のシャフト775間に入れた位置と、
図6下図に示すように、パドル776を1対のシャフト775間の外側に退避させた位置との間を移動可能である。このとき、シャフト775の中心軸Cは変化しない。
【0064】
したがって、パドル776は、支柱702及び容器ストック部703から延出されるシャフト775の軸回りに回動し、容器載置部6上の容器8に接触させる位置と、容器8との接触から退避させる位置との間を移動する。
【0065】
そして、パドル776を1対のシャフト775間に入れた位置において、パドル776を容器8の支柱702に近接する側に接触させた状態でシャフト775を軸方向に移動させることにより、容器8を押圧して下側搬送部55に移載することが可能である。また、パドル776を容器8の支柱702とは離間する側に接触させた状態でシャフト775を軸方向に移動させることにより、容器8を引き込んで下側搬送部55に移載することが可能である。
【0066】
なお、駆動部782,795は、例えばプロセッサ11(
図11参照)の指示に従い、プロセッサ71(
図8参照)により制御される。
【0067】
したがって、プロセッサ71が、駆動部782を制御すると、
図6上図に示すように、パドル776が1対のシャフト775間と、
図6下図に示すように、1対のシャフト775間の外側との間を回動する。また、プロセッサ11が駆動部795を制御すると、1対のシャフト775の長手方向の移動によって、パドル776が1対のシャフト775の長手方向に沿って移動する。このため、プロセッサ71が駆動部782,795を制御すると、パドル776を1対のシャフト775の長手方向に沿って移動させながら、パドル776を1対のシャフト775間と、1対のシャフト775間の外側との間を回動させることができる。
【0068】
なお、1対のパドル776は、回動位置によって、協働して、容器8の側面を幅方向から押圧して保持(挟持)することが可能である。また、1対のパドル776は、シャフト775の軸方向に沿って移動可能である。このため、1対のパドル776で容器8を保持した状態で、その容器8を、容器ストック部703の所望の段に載置したり、1対のパドル776で保持した容器8で他の容器8を押圧することが可能である。また、パドル776の位置によっては、例えば容器ストック部703の移載部(コンベア)7031と協働して、容器ストック部703から容器8を取り出すことも可能である。
【0069】
図6に示すように、本実施形態では、1対の可動体770a,770bを同時期に動作させる例について説明するが、1対の可動体770a,770bを個別に動作させるようにしてもよい。
【0070】
支柱702又は可動部704には、カメラ705(
図11参照)が設けられる。カメラ705は、前方となる可動部704側(容器ストック部703側とは反対側)を撮影し、コード61,81を読み取るスキャナとして機能するように設置されている。すなわち、カメラ705は、容器載置部6のコード61、容器8のコード81などを撮影する。カメラ705は、照明などを備えるものであってもよい。カメラ705は、容器8の満杯度合を判定するためのセンサとして用いられることも好適である。
【0071】
各容器8は、上面が開放された直方体状の箱として形成されている。本実施形態に係る容器8は、例えば、規格化された同一の形状で同一の形状のものが用いられる。容器8は、ソータ5の下側部5bの下側搬送部55に投入される容器である。容器8は、ソータ5に隣接して複数個設置されていることが好適である。容器8は、シュート52を通過する物品を受領可能な位置に設置されている。
【0072】
各容器8は、コード81(
図1参照)などをそれぞれ備える。コード81は、容器8を示す識別子をエンコードして得られたコードである。例えば、コード81は、バーコード又は二次元コードなどである。コード81は、所定の面に付されていることが好適である。
【0073】
なお、シュート52の配置個数、容器8の配置個数は、適宜に設定可能であり、例えば数百以上となる場合もあり得る。
【0074】
次に、
図7から
図12を用いて区分システム100の制御系について説明する。
図7は、区分システム100の制御系のブロック図を示す。
図7に示すように、区分システム100は、上位装置2、インダクション3、スキャナ4、ソータ5、自動移動装置7、区分制御装置10、ソータ制御装置20及び自動移動装置7の制御装置30などを備える。
【0075】
区分制御装置10は、上位装置2、インダクション3、スキャナ4、ソータ制御装置20及び自動移動装置7の制御装置30に接続する。また、ソータ制御装置20は、ソータ5に接続する。また、自動移動装置7の制御装置30は、自動移動装置7に接続する。
【0076】
上位装置2は、物品と物品の区分先(行先)とを示す区分先情報を区分制御装置10に送信する。区分先情報については、後に詳述する。
例えば、上位装置2は、WMS(Warehouse Management System)である。例えば、上位装置2は、PCなどから構成される。
【0077】
区分制御装置10は、上位装置2からの区分先情報に従って、ソータ5及び自動移動装置7を制御する。区分制御装置10は、ソータ制御装置20を通じてソータ5を制御する。また、区分制御装置10は、自動移動装置7の制御装置30を通じて自動移動装置7を制御する。例えば、区分制御装置10は、WES(Warehouse Execution System)である。区分制御装置10については、後に詳述する。
【0078】
ソータ制御装置20は、区分制御装置10からの制御信号に従ってソータ5を制御する。ソータ制御装置20は、ソータ5のコントローラとして機能する。例えば、ソータ制御装置20は、WCS(Warehouse Control System)である。ソータ制御装置20については、後に詳述する。
【0079】
自動移動装置7の制御装置30は、区分制御装置10からの制御信号に従って自動移動装置7を制御する。自動移動装置7の制御装置30は、自動移動装置7のコントローラとして機能する。例えば、自動移動装置7の制御装置30は、WCSである。自動移動装置7の制御装置30については、後に詳述する。
【0080】
次に、
図8を用いて区分制御装置10について説明する。
図8は、区分制御装置10の構成例を示す概略的なブロック図である。
図8に示すように、区分制御装置10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM(Non-volatile memory)14、通信部15、操作部16及び表示部17などを備える。
【0081】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、操作部16及び表示部17と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、区分制御装置10は、
図8に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、区分制御装置10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0082】
プロセッサ11は、区分制御装置10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0083】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0084】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、区分制御装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0085】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0086】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、区分制御装置10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0087】
通信部15は、インダクション3、スキャナ4、上位装置2、ソータ制御装置20及び自動移動装置7の制御装置30などと通信するためのインターフェースである。例えば、通信部15は、ネットワークを通じてインダクション3、スキャナ4、上位装置2、ソータ制御装置20及び自動移動装置7の制御装置30などとデータを送受信するためのインターフェースである。通信部15は、ソータ制御装置20を介してソータ5に接続する。また、通信部15は、自動移動装置7の制御装置30を介して自動移動装置7に接続する。例えば、通信部15は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートするインターフェースである。
【0088】
なお、通信部15は、インダクション3と通信するためのインターフェース、スキャナ4と通信するためのインターフェース、上位装置2と通信するためのインターフェース、ソータ制御装置20と通信するためのインターフェース及び自動移動装置7の制御装置30と通信するためのインターフェースから構成されるものであってもよい。
【0089】
操作部16は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部16は、入力された操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。操作部16は、タッチパネルから構成されてもよい。
【0090】
表示部17は、プロセッサ11からの画像データを表示する。例えば、表示部17は、液晶モニタから構成される。操作部16がタッチパネルから構成される場合、表示部17は、操作部16と一体的に形成されてもよい。
【0091】
次に、ソータ制御装置20について、
図9を用いて説明する。
図9は、ソータ制御装置20の構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、ソータ制御装置20は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、ソータインターフェース26、操作部27及び表示部28などを備える。
【0092】
プロセッサ21と、ROM22、RAM23、NVM24、ソータインターフェース26、通信部25、操作部27及び表示部28と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、ソータ制御装置20は、
図9に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、ソータ制御装置20から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0093】
プロセッサ21は、ソータ制御装置20全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ21は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ21は、内部メモリ、ROM22又はNVM24が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0094】
なお、プロセッサ21がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0095】
ROM22は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM22に記憶される制御プログラム及び制御データは、ソータ制御装置20の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0096】
RAM23は、揮発性のメモリである。RAM23は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM23は、プロセッサ21からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM23は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0097】
NVM24は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM24は、例えば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM24は、ソータ制御装置20の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0098】
通信部25は、区分制御装置10などと通信するためのインターフェースである。例えば、通信部25は、ネットワークを通じて区分制御装置10などとデータを送受信するためのインターフェースである。例えば、通信部25は、有線又は無線のLAN接続をサポートするインターフェースである。
【0099】
ソータインターフェース26は、ソータ5と通信するためのインターフェースである。
【0100】
操作部27は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部27は、入力された操作を示す信号をプロセッサ21へ送信する。操作部27は、タッチパネルから構成されてもよい。
【0101】
表示部28は、プロセッサ21からの画像データを表示する。例えば、表示部28は、液晶モニタから構成される。操作部27がタッチパネルから構成される場合、表示部28は、操作部27と一体的に形成されてもよい。
【0102】
なお、通信部25とソータインターフェース26とは、一体的に形成されるものであってもよい。
【0103】
プロセッサ21は、区分制御装置10からの制御信号に従ってソータ5を制御する。例えば、プロセッサ21は、ソータ5の上側搬送部51に載置された所定の物品をプッシャー53により、所定のシュート52に区分させる。例えば、プロセッサ21は、当該物品が当該シュート52に到達するタイミングでプッシャー53を用いて当該物品を当該シュート52に押し出す。このため、当該シュート52に隣接する容器8に当該物品が収容される。
【0104】
次に、自動移動装置7の制御装置30について
図10を用いて説明する。
図10は、自動移動装置7の制御装置30の構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、自動移動装置7の制御装置30は、プロセッサ31、ROM32、RAM33、NVM34、通信部35、自動移動装置インターフェース36、操作部37及び表示部38などを備える。
【0105】
プロセッサ31と、ROM32、RAM33、NVM34、自動移動装置インターフェース36、通信部35、操作部37及び表示部38と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、自動移動装置7の制御装置30は、
図10に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、自動移動装置7の制御装置30から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0106】
プロセッサ31は、自動移動装置7の制御装置30全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ31は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ31は、内部メモリ、ROM32又はNVM34が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0107】
なお、プロセッサ31がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ31は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0108】
ROM32は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM32に記憶される制御プログラム及び制御データは、自動移動装置7の制御装置30の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0109】
RAM33は、揮発性のメモリである。RAM33は、プロセッサ31の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM33は、プロセッサ31からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM33は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0110】
NVM34は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM34は、例えば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM34は、自動移動装置7の制御装置30の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。例えば、NVM34は、容器8の在庫位置に関するデータベースを格納する。
【0111】
通信部35は、区分制御装置10などと通信するためのインターフェースである。例えば、通信部35は、ネットワークを通じて区分制御装置10などとデータを送受信するためのインターフェースである。例えば、通信部35は、有線又は無線のLAN接続をサポートするインターフェースである。
【0112】
自動移動装置インターフェース36は、自動移動装置7と通信するためのインターフェースである。自動移動装置インターフェース36は、有線又は無線で自動移動装置7に接続する。例えば、自動移動装置インターフェース36は、無線LAN接続をサポートするものであってもよい。
【0113】
操作部37は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部37は、入力された操作を示す信号をプロセッサ31へ送信する。操作部37は、タッチパネルから構成されてもよい。
【0114】
表示部38は、プロセッサ31からの画像データを表示する。例えば、表示部38は、液晶モニタから構成される。操作部37がタッチパネルから構成される場合、表示部38は、操作部37と一体的に形成されてもよい。
【0115】
なお、通信部35と自動移動装置インターフェース36とは、一体的に形成されるものであってもよい。
【0116】
プロセッサ31は、区分制御装置10からの制御信号に従って自動移動装置7を制御する。例えば、プロセッサ31は、自動移動装置7に、所定の位置に移動させる。また、プロセッサ31は、自動移動装置7に、容器8を取得させる。また、プロセッサ31は、自動移動装置7に、容器8をセットさせる。
【0117】
次に、自動移動装置7の制御系について
図11を用いて説明する。
【0118】
図11は、自動移動装置7の構成例を示すブロック図である。自動移動装置7は、プロセッサ71、ROM72、RAM73、NVM74、通信部75、駆動部76(駆動機構)、バッテリー78、充電機構79、タイヤ70、及びカメラ705などを備える。
【0119】
プロセッサ71は、自動移動装置7全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ71は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ71は、内部メモリ、ROM72又はNVM74が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0120】
例えば、プロセッサ71は、CPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサ71は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウエアにより実現されてもよい。
【0121】
ROM72は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する。また、ROM72は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。RAM73は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM73は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0122】
NVM74は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、NVM74は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ71での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0123】
通信部75は、無線LANアクセスポイントなどを通じて自動移動装置7の制御装置30などとデータを送受信するインターフェースである。例えば、通信部75は、無線LAN接続をサポートする。
【0124】
駆動部76は、タイヤ70を駆動する。駆動部76は、タイヤ70を回転させるモータ等であり、プロセッサ71から出力される駆動信号に基づきモータを回転又は停止する。モータの動力は、タイヤ70に伝達される。このようなモータからの動力により、自動移動装置7は、目的位置へ移動する。
【0125】
すなわち、タイヤ70は、駆動部76からの動力によって回転する。自動移動装置7は、タイヤ70の回転により、前進、後退又は方向転換などを行う。
【0126】
また、駆動部7041は、可動部704を上下の所定範囲内を移動させるように駆動する。また、駆動部782,795は、可動部704のパドル776の軸方向への移動動作及び回動動作を行わせる。駆動部782,795は、可動部704を駆動させる例えばモータ等である。
【0127】
バッテリー78は、駆動部76,7032,7041,782,795等に必要な電力を供給する。充電機構79は、充電ステーションとバッテリー78とを接続する機構であり、バッテリー78は、充電機構79を介して充電ステーションなどから供給される電力により充電される。
【0128】
なお、自動移動装置7は、
図10及び
図11に示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、自動移動装置7から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0129】
プロセッサ71は、加速、減速、停止、方向転換、及び、可動部704の動作に必要な演算及び制御などの処理を行う。プロセッサ71は、自動移動装置7の制御装置30などからの制御信号に基づき、ROM72又はNVM74等に記憶されたプログラムを実行することにより、駆動信号を生成し各部に出力する。
【0130】
自動移動装置7のプロセッサ71は、自動移動装置7の制御装置30から送信される制御信号に応じた駆動信号を出力する。これにより、自動移動装置7は、現在位置から所定の位置への移動、及び、容器8の把持、開放並びに積載などの動作を行う。
【0131】
次に、区分制御装置10が実現する機能について説明する。区分制御装置10が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0132】
まず、プロセッサ11は、区分先情報を取得する機能を有する。
前述の通り、区分先情報は、物品の区分先を示す。
【0133】
図12は、区分先情報の構成例を示す。
図12に示すように、区分先情報は、「ID」及び「行先」を対応付けたレコードを格納する。
【0134】
「ID」は、区分の対象となる物品を特定する識別子である。ここでは、「ID」は、数値である。
「行先」は、対応する物品の行先である。「行先」は、物品が格納される容器8に対応する。即ち、「行先」は、区分制御装置10のプロセッサ11が物品を投入する容器8を特定することができる情報である。
【0135】
例えば、「行先」は、住所(又は住所の一部)を示す情報であってもよい。
なお、区分先情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0136】
プロセッサ11は、通信部15を通じて区分先情報を上位装置2から受信する。プロセッサ11は、通信部15を通じて区分先情報を要求するリクエストを上位装置2に送信してもよい。
【0137】
ここでは、プロセッサ11は、ソータ5の上側搬送部51を通る物品をプッシャー53で押圧して、所望のシュート52を通して所望の容器8に投入させる。即ち、プロセッサ11は、物品をソータ5に1回投入してある容器8に区分する。
【0138】
プロセッサ11は、物品を投入するシュート52及び容器8を特定する情報を取得し、物品の識別子と、当該物品を容器8に投入するシュート52と、を対応付けた情報を、通信部15を通じてソータ制御装置20へ送信する。
【0139】
そして、プロセッサ11は、インダクション3、スキャナ4を介して、ソータ5への物品の投入を開始させる。
【0140】
次に、ソータ制御装置20が実現する機能について説明する。ソータ制御装置20が実現する機能は、プロセッサ21が内部メモリ、ROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0141】
プロセッサ21は、上述した対応付けた情報に基づいて、物品をシュート52に投入する機能を有する。
【0142】
まず、プロセッサ21は、通信部25を通じて上述した情報を区分制御装置10から受信する。上述した情報を受信すると、プロセッサ21は、その情報に基づいて、各物品を投入するシュート52を指定する区分指定情報を生成する。
【0143】
区分指定情報を生成すると、プロセッサ21は、ソータ5に、インダクション3から投入される物品を上側搬送部51へ積載させる。ソータ5が物品を上側搬送部51に積載すると、プロセッサ21は、スキャナ4が当該物品から読み取ったIDを取得する。
【0144】
例えば、プロセッサ21は、通信部25を通じて、スキャナ4が当該物品から読み取ったIDを区分制御装置10から取得する。なお、プロセッサ21は、スキャナ4からIDを取得してもよい。また、プロセッサ21は、スキャナ4からの画像を取得し、当該画像に写るコードをデコードしてIDを取得するものであってもよい。
【0145】
IDを取得すると、プロセッサ21は、区分指定情報を参照して、取得されたIDに対応するシュート52を特定する。シュート52を特定すると、プロセッサ21は、ソータインターフェース26を通じて、ソータ5に、上側搬送部51に積載されている物品を当該シュート52へ投入させる。
【0146】
例えば、プロセッサ21は、ソータ5に、上側搬送部51上の物品が当該シュート52に到達したタイミングでプッシャー53を用いて上側搬送部51から物品を当該シュート52に投入させる。物品は、当該シュート52を通過して、容器8に投入される。
【0147】
また、プロセッサ21は、センサ56の出力値を用いて、容器8が物品で満杯、例えば容器8内の物品が所定量又は所定高さになったことを検知する。例えば、プロセッサ21は、
図1に示すようにシュート52毎に取り付けられたセンサ(反射センサ)56により、ある容器8において、ある設定高さ位置以上に物品が堆積された場合、その情報に基づいて容器8の物品が所定量又は所定高さである、と判定/検知する。プロセッサ21は、所定量又は所定高さに物品が入れられた容器8を払い出し対象として出力する。
【0148】
また、プロセッサ21は、例えば、容器8が物品で満杯にならなくても、所定の個数の物品がその容器8に入れられたら、物品が所定量又は所定高さになった、と判定/検知してもよい。プロセッサ21は、所定量又は所定高さに物品が入れられた容器8を払い出し対象として出力する。
【0149】
また、プロセッサ21は、例えば、物品のコードに紐付いた体積情報が存在する場合は、容器8に投入された物品毎に体積を加算し、加算された体積の合計が容器8の内容積を基に予め設定した体積閾値以上となると、容器8に物品が所定量又は所定高さに入れられたと判定/検知してもよい。プロセッサ21は、所定量又は所定高さに物品が入れられた容器8を払い出し対象として出力する。
【0150】
また、例えば、プロセッサ21は、物品のコードに紐付いた重量情報が存在する場合は、容器8に投入された物品毎に重量を加算し、加算された重量の合計が容器8に予め設定される重量以上となると、容器8に物品が所定量又は所定高さに入れられたと判定/検知してもよい。プロセッサ21は、所定量又は所定高さに物品が入れられた容器8を払い出し対象として出力する。
【0151】
プロセッサ21は、これら1又は複数に基づいて、所定量又は所定高さに物品が容器8に入れられたと判定/検知する。
【0152】
本実施形態では、センサ56の出力値に基づいて、プロセッサ21が所定量又は所定高さに物品が入れられた容器8を、「容器8が物品で満杯である」として、払い出し対象として出力する例について説明する。センサ56の出力に基づいて、ある容器8に所定量又は所定高さに物品が入れられたことを検知すると、プロセッサ21は、容器8が所定量又は所定高さになったことを示す制御信号(所定量検知信号)を区分制御装置10に送信する。所定量検知信号は、区分制御装置10を介して、自動移動装置7の制御装置30へ送信される。
【0153】
次に、自動移動装置7の制御装置30が実現する機能について説明する。自動移動装置7の制御装置30が実現する機能は、プロセッサ31が内部メモリ、ROM32又はNVM34などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0154】
プロセッサ31は、例えば所定量又は所定高さに物品が投入された容器8を下側搬送部(払出コンベア)55に払い出す機能を有する。
【0155】
プロセッサ31は、通信部35を通じて区分制御装置10から所定量又は所定高さに物品が投入された容器8に関する情報(所定量検知信号)を受信する。その情報を受信すると、プロセッサ31は、各自動移動装置7の動作計画を策定する。
【0156】
所定量検知信号を受信すると、プロセッサ31は、動作計画に基づいて、物品が所定量又は所定高さになった容器8の位置まで自動移動装置7を移動させる。例えば、自動移動装置7のプロセッサ71は、カメラ705を用いて容器載置部6のコード61及び/又は容器8のコード81を読み取って、所定量又は所定高さになった容器8の正面まで移動する。
【0157】
すなわち、プロセッサ31は、自動移動装置7の1つを動作させ、所定量又は所定高さに物品が投入された容器8を下側搬送部55に向けて押圧し、下側搬送部55に当該容器8を移動させる。プロセッサ31は、当該自動移動装置7で当該容器8を下側搬送部55に移動させる。
【0158】
なお、プロセッサ31は、容器載置部6の空いた位置に、新たな空の容器8をセットする。
【0159】
プロセッサ31は、自動移動装置7を用いて、容器ストック部703に配置されている空の容器8を払い出した容器8に代えて、容器載置部6に載置させてもよい。これについて、
図24及び
図25を用いて後述する。
【0160】
また、自動移動装置7の制御装置30のプロセッサ31は、各自動移動装置7がぶつからないように動作させる。
【0161】
次に、区分システム100のインダクション3、スキャナ4、ソータ5、自動移動装置7の動作例について説明する。
区分システム100は、所定量又は所定高さに物品が堆積した容器8を下側搬送部55に自動的に払い出す容器自動払出処理、又は、所定量又は所定高さに物品が堆積しているか否かにかかわらず容器8を一斉に下側搬送部55に自動的に払い出す容器自動一斉払出処理を行うことができる。
【0162】
ここではまず、容器自動払出処理について
図13から
図18を用いて説明する。上述した区分制御装置10のプロセッサ11、ソータ制御装置20のプロセッサ21、自動移動装置7の制御装置30のプロセッサ31、自動移動装置7のプロセッサ71は、通信部15,25,35,75により互いに信号を送受信する。説明の簡略化のため、以後の処理は、区分制御装置10のプロセッサ11が行うものとして説明する。
【0163】
図13を用いて、区分システム100を用いた容器自動払出処理の物品投入処理について説明する。
【0164】
まず、区分制御装置10のプロセッサ11は、通信部15を通じて区分先情報を上位装置2から受信しながら、インダクション3に投入された物品を受領する(ステップS101)。
【0165】
インダクション3に投入された物品を受領すると、プロセッサ11は、スキャナ4で物品のコードを読み取り、物品のIDを取得する(ステップS102)。
【0166】
プロセッサ11は、物品のIDに基づいて、IDに対応するシュート52及び容器8を特定する(ステップS103)。
【0167】
プロセッサ11は、物品のIDを特定し、物品のIDに対応するシュート52及び容器8を特定した物品をソータ5の上側搬送部51に投入し、物品を上側搬送部51で所定方向に搬送させる(ステップS104)。
【0168】
プロセッサ11は、上側搬送部51で物品をIDに対応するシュート52位置に搬送するに際し、プッシャー53を動かして物品を押圧し、物品のIDに対応するシュート52を通して、物品のIDに対応する容器8に物品を投入する(ステップS105)。
【0169】
続いて、
図14を用いて、区分システム100を用いた容器自動払出処理について説明する。
【0170】
プロセッサ11は、例えばセンサ56の出力を用いて、その物品が入れられた容器8が物品で満杯であるか否か、出力する。
【0171】
ここでの「満杯である」とは、物品が所定量又は物品の堆積高さが所定の高さ未満であったその容器8に、所定量を超えるように、又は、所定高さを超えるように物品が堆積した状態をいう。物品は1つであってもよく、複数であってもよい。また、「満杯でない」とは、その容器8に所定量又は所定高さに物品が堆積していない状態をいう。
【0172】
プロセッサ11が、容器8が物品で満杯でない(ステップS11-No)と出力した場合、特定のシュート52を通して特定の容器8に物品を投入する、上述した物品投入処理(
図13参照)を行う。
【0173】
プロセッサ11が、容器8が物品で満杯である(ステップS11-Yes)と出力した場合、その満杯となった容器8を区分制御装置10に通知する(ステップS12)。このとき、プロセッサ11は、区分先情報の行先として、そのシュート52及び満杯と出力された容器8を選択できなくなる。
【0174】
なお、容器自動払出処理のバックグラウンドにおいて、物品投入処理(
図13参照)が行われ、上述したシュート52及び容器8とは異なる、満杯となっていないシュート52及び容器8を行先として物品の区分処理が行われる。このとき、プロセッサ11が、ある物品の行先(収容される容器8)が特定できない場合、その物品について、上側搬送部51上に循環させる。
【0175】
プロセッサ11は、満杯となった容器8を自動移動装置7に通知する(ステップS13)。このときの自動移動装置7は、複数から選択されるが、その容器8に最も近い、又は、その容器8を最も早く下側搬送部55に押圧可能なものが選択される。
【0176】
そして、プロセッサ11は、選択された自動移動装置7を満杯となった容器8の前に向かって移動させる(ステップS14)。
【0177】
プロセッサ11は、他の容器8が下側搬送部55上にあるか否か確認する(ステップS15)。
【0178】
他の容器8が下側搬送部55上にある場合(ステップS15-Yes)、プロセッサ11は、自動移動装置7の可動部704を動かす時間について、他の容器8とのタイミングを計る(ステップS16)。ステップS16の処理については後述する。
【0179】
他の容器8が下側搬送部55上にない場合(ステップS15-No)、プロセッサ11は、自動移動装置7の可動部704を動かし、容器載置部6上の容器8を下側搬送部55に向けて押圧し、容器8を容器載置部6から下側搬送部55に移載する(ステップS17)。
【0180】
ステップS17の処理について、
図15及び
図16を用いて説明する。
プロセッサ11は、パドル776を、例えば支柱702に近い位置に移動させる。そして、プロセッサ11は、パドル776をシャフト775間に配置し、可動部704のシャフト775間に払い出したい容器8を配置するように自動移動装置7の可動部704を移動させる。
【0181】
図15に示すように、プロセッサ11は、可動部704のシャフト775を動かし、パドル776を支柱702から離間するように動かす。このため、容器載置部6のテーブル60aに載置された容器8がテーブル60aから下側搬送部55に向けて押圧される。したがって、
図16に示すように、容器8は、容器載置部6のテーブル60a上の位置から、下側搬送部55に移動され、下側搬送部55上に載置される。すなわち、容器8は、下側搬送部55に払い出される。
【0182】
そして、プロセッサ11は、パドル776と容器8との接触を回避するように、シャフト775を動かした後、下側搬送部55を動かし、容器8をその容器8の目的地に向けて搬送する(ステップS18)。容器8の目的地は、棚や、荷物運搬のトラックなど、種々に設定可能である。
【0183】
プロセッサ11は、その容器8が目的地に着いたか否か出力する(ステップS19)。このとき、容器8が下側搬送部55に載置された位置と目的地との間の距離、及び、下側搬送部55の搬送速度に基づいて、プロセッサ11によるステップS19の処理の開始時間、処理の終了時間が算出される。
【0184】
プロセッサ11は、その容器8が目的地に着いていないと出力したとき(ステップS19-No)、下側搬送部55を動かし続ける。
【0185】
プロセッサ11は、その容器8が目的地に着いたと出力したとき(ステップS19-Yes)、その容器8とは別の他の容器8が下側搬送部55上にあるか再度、出力する(ステップS20)。
【0186】
プロセッサ11は、他の容器8が下側搬送部55上にあると判断したとき(ステップS20-Yes)、他の容器8が目的地に着いたか否か、出力する(ステップS21)。
【0187】
プロセッサ11は、他の容器8が目的地に着いていないと出力したとき(ステップS21-No)、下側搬送部55を動作させ続ける。
【0188】
プロセッサ11は、他の容器8が目的地に着いたと出力したとき(ステップS21-Yes)、下側搬送部55の動作を停止させる(ステップS22)。
【0189】
プロセッサ11は、満杯となった容器8があるか否か出力し、物品投入処理を行うとともに、一連の容器自動払出処理を行う。
【0190】
このように、本実施形態に係る、1又は複数の物品が区分される容器の区分方法は、容器載置部6に並べられた複数の容器8のうち、ある容器8に所定量又は所定高さに物品を堆積させること、そのある容器8に隣接する位置に自動移動装置7を移動させ、自動移動装置7で押し出してある容器8を下側搬送部55に載せること、ある容器8を載せた下側搬送部55を動かしある容器8を所定の方向に払い出すことを有する。
【0191】
ここで、ステップ16の処理について
図17及び
図18を用いて説明する。すなわち、自動移動装置7による容器8の払出動作を開始するタイミングについて説明する。
【0192】
プロセッサ11が既に第1の自動移動装置7を動かし、過去の時間に容器8aの払出動作を行い、下側搬送部(払出コンベア)の上流側から容器8aが流れてくるものとする。
【0193】
第1の自動移動装置7とは異なる第2の自動移動装置7は、適切な時間に払出動作を行わないと、容器8bが容器8aに衝突し、例えば容器8aが下側搬送部55の搬送路から外れる可能性がある。このため、プロセッサ11は、上流側から流れてくる容器8aの通過時間を勘案し、第2自動移動装置7を動かして、容器8a,8bが干渉(衝突)しないタイミングで容器8bの自動払出動作を行うことが必要となる。
【0194】
図17に示すように、下側搬送部55は、例えば所定の搬送方向に所定の搬送速度V(m/s)で動かされる。また、容器8a及び容器8bを下側搬送部55に払い出すものとする。ここで、容器8a及び容器8bの距離は、L(n)(m)である。
【0195】
図18に示すように、上流側の自動移動装置7による上流側の容器8aの下側搬送部55への載置時間をT(n)(nは0以上の整数)とする。
【0196】
下流側の自動移動装置7による下流側の容器8bの下側搬送部55への載置時間をTP(n)とする。このとき、載置時間TP(n)は、TP(n)=T(n)+(L(n)/V)と表すことができる。なお、L(n)は容器8a,8b間の距離、すなわち、シュート52間の距離であり、Vは下側搬送部55の搬送速度である。
【0197】
ここで、αを容器8aが容器8bを通過する前のマージン時間とする。βを容器8aが容器8bを通過した後のマージン時間とする。
このとき、上流側の容器8aが下側搬送部55に載置後、容器8aが容器8bに対して上流側を維持しながら、容器8bを下側搬送部55に載置可能な最小時間をTP(n)-αとして表すことができる。
同様に、上流側の容器8aが下側搬送部55に載置後、容器8aが容器8bに対して下流側となる状態に、容器8bを下側搬送部55に載置可能な最小時間をTP(n)+βとして表すことができる。
【0198】
したがって、プロセッサ11は、自動移動装置7による容器8bの自動払出動作を、
t<TP(n)-α(通過前)
又は、
t>TP(n)+β(通過後)
の時間に行うことができる。したがって、
図18中の「A」で示す時間tである場合、対象容器8bを下側搬送部55に払出可能である。また、
図18中の「B」で示す時間tである場合、対象容器8bを下側搬送部55に払出可能である。一方、
図18中の「C」で示す時間tである場合、対象容器8bを下側搬送部55に払出不可能なタイミングである。
【0199】
以上のように構成された区分システム100は、ソータ5を用いて、容器8に物品を投入する。ある容器8の物品の収容量が所定量又は所定高さに到達したとき、その容器8を、下側搬送部55を用いて所定の領域に搬送する。すなわち、例えば、プロセッサ11が、その容器8が物品で満杯(例えば物品が所定量堆積された)と判断した場合、その容器8を、下側搬送部55を用いて所定の領域(目的地)に自動的に搬送し、その容器8を払い出す。
【0200】
本実施形態に係る区分システム100は、容器8を払い出し処理する場合、容器載置部6上の容器8を、自動移動装置7を用いて押圧して下側搬送部55に配置し、下側搬送部55でその容器8を所定方向に搬送するだけでよい。このため、本実施形態に係る区分システム100では、自動移動装置7を払い出し処理する容器8に向けて移動させ、その容器8を取得させ、再び自動移動装置7を移動させて棚あるいはコンベアにその取得した容器を配置するといった時間がかかる作業を省略することができる。このため、本実施形態に係る区分システム100を用いると、1又は複数の物品を収容する容器8の自動払い出し時に、処理効率を向上させることができる。
【0201】
また、本実施形態に係る区分システム100は、下側搬送部55上を複数の容器8が搬送され、複数の容器8がソータ5から払い出されるときに、複数の容器8が干渉することがないように、タイミングを計って、自動移動装置7の自動移動部701を動作させることができる。
【0202】
ステップS18からステップS22の処理において、下側搬送部55は、常時動作させてもよい。また、下側搬送部55上に例えば反射センサや透過センサを配置して、上述したように、容器8が下側搬送部55上にある場合に動作させてもよい。また、自動移動装置7の可動部704を用いた下側搬送部55への容器8の積載タイミングと下側搬送部55の速度、容器8の現在地と目的地までの距離により、下側搬送部55の動作のオン/オフを算出してもよい。
【0203】
また、本実施形態に係る1対の可動体770a,770bは、支柱702及び容器ストック部703に対して動く例について説明した。1対の可動体770a,770bは、支柱702及び容器ストック部703に対して固定され、自動移動装置7の自動移動部701を動作させることにより、1対の可動体770a,770bがシャフト775の軸方向に沿って移動するようにしてもよい。
【0204】
次に、本実施形態に係る区分システム100を用いた容器自動一斉払出処理について
図19から
図23を用いて説明する。
【0205】
ここで、容器自動一斉払出処理を行う場合は、例えば以下の2つの例
(1)ソータ5への入力物品が無くなった場合(全ての区分処理を完了した場合)
(2)カットオフ時間となった場合
である。なお、上記(2)のカットオフ時間となった場合とは、例えば輸送便(トラック)の出発時間が決まっており、その時間前に区分終了分の物品をトラックへ積載する必要がある場合である。この場合、区分処理の中途であっても、そこまでの区分範囲をトラックに積載する。
【0206】
なお、本実施形態に係る区分システム100を用いた容器自動一斉払出処理は、各容器8が物品で満杯になっていなくても例えば全ての容器8について払い出し処理を実施する。
【0207】
図19には、区分システム100で容器自動一斉払出処理を行う際の区分システム100の動作を示す。
図20には、自動移動装置7で容器自動一斉払出処理を行う際の自動移動装置7の動作を示す。
図21から
図23は、自動移動装置7を用いて、容器載置部6のテーブル60a上の容器8を一斉に下側搬送部55に載置させる一連の動作を示す。
【0208】
図19に示すように、容器自動一斉払出処理を行う場合、プロセッサ11は、
図20に示すように、自動移動装置7を動かす。
図20に示す自動移動装置7の処理(ステップS211)については後述する。
【0209】
そして、ステップS211の処理により、下側搬送部55には、自動移動装置7により容器載置部6から下側搬送部55に一斉に払い出された複数の容器8が搬送方向に並べられる。
【0210】
プロセッサ11は、下側搬送部55を動作させ、下側搬送部55を目的地に搬送する(ステップS212)。
【0211】
プロセッサ11は、全ての容器8が目的地に着いたか否か出力する(ステップS213)。プロセッサ11は、全ての容器8のうち、例えば一部が目的地に着いていないと出力すると(ステップS213-No)、下側搬送部55を動作させ続ける。
【0212】
プロセッサ11は、全ての容器8が目的地に着いたと出力すると(ステップS213-Yes)、下側搬送部55の動作を停止させる(ステップS214)。
【0213】
図20に示すように、区分システム100を用いた容器自動一斉払出処理を行う場合の自動移動装置7の処理について説明する。
【0214】
まず、プロセッサ11は、容器載置部6のテーブル60aの数に応じた数の自動移動装置7をそれぞれの容器載置部6に向けて移動させる(ステップS2111)。このとき、各自動移動装置7のシャフト775及びパドル776を、テーブル60aの下側に配置する。
【0215】
プロセッサ11は、可動部704を上側に動かし、シャフト775及びパドル776によって、容器載置部6のテーブル60aを持ち上げる(ステップS2112)。このとき、テーブル60aと脚部60bとの間のヒンジ部60cにより、テーブル60aが下側搬送部55側の回転軸の軸回りに回動する。このため、テーブル60aが傾斜し、テーブル60aに載置された1又は複数の容器8がそれぞれ滑って、下側搬送部55に載置される。このため、下側搬送部55に隣接する容器載置部6のテーブル60a上の容器8が下側搬送部55の搬送方向に沿って並べられる。
【0216】
プロセッサ11は、全ての容器8がテーブル60aを滑って、下側搬送部55に載置されたか否か出力する(ステップS2113)。プロセッサ11は、テーブル60a上に容器8が存在しているか否かについて、例えば、各自動移動装置7のカメラ705を用いて得た像に基づいて出力することができる。
【0217】
プロセッサ11は、全ての容器8のうち、例えば一部が下側搬送部55に載置されていないと出力すると(ステップS2113-No)、可動部704をさらに上側に移動させる。このため、容器載置部6のテーブル60aの傾斜角度が大きくされる。プロセッサ11は、全ての容器8がテーブル60aを滑って、下側搬送部55に載置されたか否か出力する(ステップS2113)。
【0218】
プロセッサ11は、全ての容器8が下側搬送部55に載置されたと出力すると(ステップS2113-Yes)、
図19に示す区分システム100を用いた容器自動一斉払出処理に戻る。
【0219】
このように、本実施形態に係る、1又は複数の物品が区分される容器の区分方法は、複数の容器8が並べられて載置されたテーブル60aに自動移動装置7を向かわせること、自動移動装置7を動作させてテーブル60aを傾斜させて、複数の容器8を所定の方向に払い出す下側搬送部55に対してテーブル60aに載置された複数の容器8を同時期に載置させること、複数の容器8を載置した下側搬送部55を動かし複数の容器8を所定の方向に払い出すことを有する。
【0220】
なお、
図14に示すステップS17の処理において、容器8を下側搬送部55に払い出す際、又は、払い出した後、別の、空の容器8が下側搬送部55に払い出した容器8の代わりに、容器載置部6に載置されることも好適である。ここでは、容器8を下側搬送部55に払い出す際に、下側搬送部55に払い出した容器8の代わりに、別の空の容器8を容器載置部6に載置する例について
図24及び
図25を用いて簡単に説明する。
例えば、プロセッサ11は、可動部704を上下動させて、容器ストック部703にある容器8のうち、容器載置部6に載置させたい容器8を特定する。
【0221】
プロセッサ11は、パドル776を、シャフト775間の外側に退避させる(
図6下図参照)。また、プロセッサ11は、パドル776を、例えば支柱702に近い位置に移動させる。
【0222】
そして、プロセッサ11は、容器ストック部703の特定の移載部(コンベア)7031を駆動させて空の容器8の水平位置を維持した状態で、可動部704の回動駆動部782を駆動させてパドル776を
図6上図に示す位置に回動させ、パドル776間で空の容器8を挟持する。このとき、可動部704のパドル776は、可動部704を上下動させたときに、その空の容器8が、容器ストック部703の他の段や他の空の容器8に衝突しないような位置にキャッチする。
【0223】
そして、プロセッサ11は、可動部704を適宜に上下動させるとともに、可動部704のシャフト775を軸方向に動かし、容器載置部6のテーブル60aの上側にパドル776間で挟持した空の容器8を配置する。すなわち、プロセッサ11は、駆動部795を駆動させ、パドル776間で空の容器8を挟持した状態で、可動部704のシャフト775を直動させ、容器ストック部703にあった空の容器8の1つを、容器載置部6のテーブル60aに載せる。このように、プロセッサ11は、可動部704のパドル776を支柱702から離間するように動かす。このため、容器ストック部703にあった空の容器8で、容器載置部6に載置された満杯の容器8が下側搬送部55に向けて押圧される。したがって、
図25に示すように、満杯の容器8は、容器載置部6上の位置から、下側搬送部55に移動され、下側搬送部55上に載置される。すなわち、満杯の容器8は、下側搬送部55に払い出される。一方、容器ストック部703にあった空の容器8は、パドル776により、容器載置部6のテーブル60a上に載置される。
【0224】
そして、プロセッサ11は、回動駆動部782を駆動してパドル776を
図6下図に示すように回動させてパドル776間から空の容器8を開放する。そして、プロセッサ11は、駆動部795を駆動し、シャフト775の遠位端を容器8から後退させる。また、プロセッサ11は、自動移動部701の駆動部76を駆動し、自動移動装置7を、容器載置部6から離間させるようにしてもよい。
【0225】
図示しないが、パドル776を用いて払い出し対象の容器載置部6上の満杯の容器8を押圧して下側搬送部55に載置した後、プロセッサ11は、容器ストック部703にある空の容器8を、払い出した容器8の代わりに、自動移動装置7を用いて載置してもよい。又は、プロセッサ11は、払い出し対象の満杯の容器8を払い出した後、容器載置部6のテーブル60aの下側にストックする空の容器8を例えば自動移動装置7を用いて容器載置部6のテーブル60a上に載置してもよい。
【0226】
本実施形態によれば、容器8を区分システム100から払い出すときに、自動移動装置7を用いて容器8を押し出す、又は、容器載置部6を傾斜させるだけである。このため、例えば、自動移動装置7が、ソータ5側に可動部704が向き、ソータ5側とは反対側に容器ストック部703が向いた位置を維持することにより、自動移動装置7を複雑に移動させることなく、容器8を区分システム100から払い出すことができる。したがって、本実施形態によれば、物品を収容する容器8の自動払い出し時に、処理効率を向上させる区分システム100を提供することができる。
【0227】
本実施形態では、容器自動一斉払出処理を行う際、テーブル60aを自動移動装置7の可動部704を用いて傾斜位置に傾斜させる例について説明した。容器載置部6のヒンジ部60cにそれぞれモータ等のアクチュエータを設け、各テーブル60aを、アクチュエータを制御して傾斜させるようにしてもよい。また、下側搬送部55の両側の一方側の容器載置部6の複数のテーブル60aを、ギヤ等を用いて1つのアクチュエータで傾斜させるようにしてもよい。
【0228】
なお、本実施形態では、上側部5aと下側部5bとの2層で1組のソータ5を形成する例について説明した。例えばソータ5を上側に複数組に形成してもよい。ソータ5の組の数は、限りがないが、建屋の天井や、本実施形態に係る自動移動装置7の可動部704の可動範囲により設定される。
【0229】
本実施形態によれば、容器自動払出処理を行う際に、例えば満杯であるなど、プロセッサ11により選択され、容器載置部6に載置された容器8を、自動移動装置7を用いて押し出して、下側搬送部(容器払い出し搬送部)55に載せ、下側搬送部55で所定の目的地に搬送することができる。このため、1又は複数の物品を収容する容器の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システム100及び区分方法を提供することができる。
【0230】
また、本実施形態によれば、容器自動一斉払出処理を行う際に、容器載置部6に複数の容器8を並べて載置したテーブル60aを傾けて容器8を滑らせて下側搬送部55に載せ、下側搬送部55で所定の目的地に搬送することができる。このため、1又は複数の物品を収容する容器の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システム100及び区分方法を提供することができる。
【0231】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る区分システム100について
図26及び
図27を用いて説明する。第2実施形態は、第1実施形態の変形例であって、第1実施形態で説明した区分システム100と同じ部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0232】
図26及び
図27は、ソータ5の下側部5b、容器載置部6、及び、自動移動装置7を示し、ソータ5の上側部5aの図示を省略する。
【0233】
なお、本実施形態では、ソータ5の下側部5bの下側搬送部(容器払い出し用の搬送部)55は、1つ図示する。
【0234】
本実施形態に係る自動移動装置7は、下側搬送部55に対して容器載置部6とは反対側に隣接する位置と、下側搬送部55及び容器載置部6から離間する位置との間を移動する。
【0235】
本実施形態では、可動部704は、下側搬送部55及び容器載置部6に対して近接する位置において、複数の容器8のうちから選択された容器8を下側搬送部に対して引き込んで選択された容器8を下側搬送部55に載せる。
【0236】
このとき、プロセッサ11は、
図26及び
図27に示すように、シャフト775を軸方向に沿って動かすとともに、
図6上図及び
図6下図に示すように、パドル776を適宜に回動させて、
図6上図のようにパドル776を位置させ、自動移動装置7の支柱702に対して容器8の遠位側の面に接触させる。その後、プロセッサ11は、パドル776で自動移動装置7の支柱702に対して容器8の遠位側の面に接触させたまま、シャフト775を引き込むように動作させる。このため、プロセッサ11は、可動部704を動かして、例えば満杯となった容器8を、下側搬送部55に払い出すことができる。
【0237】
このように、本実施形態に係る、1又は複数の物品が区分される容器の区分方法は、容器載置部6に並べられた複数の容器8のうち、ある容器8に所定量又は所定高さに物品を堆積させること、ある容器8との間にある容器8を所定の搬送方向に搬送する下側搬送部55を挟む位置に自動移動装置7を移動させ、自動移動装置7で引き込みによってある容器8を下側搬送部55に載せること、ある容器8を載せた下側搬送部55を動かしある容器8を所定の方向に払い出すことを有する。
【0238】
本実施形態によれば、容器自動払出処理を行う際に、例えば満杯であるなど、プロセッサ11に選択され、容器載置部6に載置された容器8を、自動移動装置7を用いて引き込んで、下側搬送部(容器払い出し搬送部)55に載せ、下側搬送部55で所定の目的地に搬送することができる。このため、1又は複数の物品を収容する容器の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システム100及び区分方法を提供することができる。
【0239】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る区分システム100について、
図28から
図36を用いて説明する。第3実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態の変形例であって、第1実施形態及び第2実施形態で説明した区分システム100と同じ部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0240】
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、上側部(ソート部)5aとして、上側搬送部51に加えて、案内部として、シュート52及びプッシャー53を用いる例について説明した。本実施形態では、
図28から
図30に示すように、上側部5aのシュート52及びプッシャー53を用いる代わりに、案内部としていわゆるボンベイソータを用いる例について説明する。
【0241】
図28は、区分システム100を上側から見た部分断面図である。
図28中、ボンベイソータ54は、上側搬送部51により例えば下側搬送部55と同じ搬送方向に移動する。一方、容器載置部6は、床面に対して固定されている。なお、
図28中、自動移動装置7の図示を省略する。
【0242】
図29及び
図30は、区分システム100のソータ5の上側部5aのボンベイソータ54を示す概略的な斜視図である。
図29及び
図30に示すように、ボンベイソータ54は、底部が下方に向けて解放可能な搬送トレイとして形成される。ボンベイソータ54は、例えば矩形枠状のフレーム54aと、フレーム54aに支持される観音開きする1対の開閉体54bとを有する。1対の開閉体54bは、
図29に示す閉位置と、
図30に示す開位置との間に変形可能である。なお、1対の開閉体54bは、機械的に開閉させてもよく、モータ等のアクチュエータを用いて開閉させてもよい。
【0243】
ボンベイソータ54は、物品を開閉体54b上に載置して上側搬送部51により所定方向に搬送される。ボンベイソータ54は、物品が目的の区分容器8の直上に到達するタイミングで1対の開閉体54bを開放し、物品を目的の区分容器8内に滑らせる。このため、案内部であるボンベイソータ54は、選択された容器8の上側の開口(物品出し入れ口)よりも上側に設けられる。
【0244】
本実施形態では、
図28中の紙面の上下に隣接するボンベイソータ54は、紙面の左右方向、すなわち、上側搬送部51の搬送方向に沿って、並べて配置される。
【0245】
本実施形態に係る自動移動装置7は、下側搬送部55に対して容器載置部6とは反対側に隣接する位置、又は、下側搬送部55との間に容器載置部6を挟むように容器載置部6に近接する位置と、下側搬送部55及び容器載置部6から離間する位置との間を移動する。
【0246】
また、1対の可動体770a,770bは、個別に動くものとする。
【0247】
図28に示すように、本実施形態では、上側搬送部51の直下には、下側搬送部55ではなく、容器載置部6が設けられている。上述したように、本実施形態では、
図28中の紙面の上下に隣接するボンベイソータ54は、紙面の左右方向、すなわち、上側搬送部51の搬送方向に沿って並べて配置される。
【0248】
一方、容器載置部6上に配置される複数の容器8は、ボンベイソータ54の配置とは異なる。
図28中の紙面の上下に隣接する容器8は、紙面の左右方向、すなわち、下側搬送部55に沿う方向にずらして配置される。このため、
図28中の紙面の上下に隣接する容器8は、紙面の左右方向にずらして配置される。この場合、下側搬送部55に隣接する容器8を、下側搬送部55に離間する容器8間を通して自動移動装置7の可動体770a,770bの一方による押し出しにより、下側搬送部55に載置することができる。または、下側搬送部55に隣接する容器8を、下側搬送部55における容器載置部6とは反対側からの自動移動装置7の可動部704を用いた容器8の引き込みにより、下側搬送部55に載置することができる。
【0249】
本実施形態に係る区分システム100を用いた容器自動払出処理における動作について
図31から
図36を用いて説明する。なお、
図31から
図36では、ソータ5の上側部5aの図示を省略する。
【0250】
区分システム100は、下側搬送部55に近接する側のある容器8が物品で満杯になったとする。このとき、下側搬送部55に離間する側のある容器8が物品で満杯になっていてもよい。
【0251】
プロセッサ11は、
図31に示すように、自動移動装置7の可動部704の可動体770bのシャフト775及びパドル776を、下側搬送部55に対して離間する容器8間を通して、下側搬送部55に近接する上述したある容器8にパドル776を当接させる。
図32に示すように、プロセッサ11は、シャフト775を直動させて、パドル776に当接させた容器8を下側搬送部55に押し出す。そして、その容器8を下側搬送部55上に載置させる。プロセッサ11は、下側搬送部55を駆動させて、その容器8を目的地まで到達させる。
【0252】
このとき、下側搬送部55に離間する側の容器8を下側搬送部55の搬送方向に直交するように、下側搬送部55上に載置しようとすると、下側搬送部55に近接する側の容器8に衝突する可能性が高い。このため、区分システム100のプロセッサ11は、この時点では、下側搬送部55に離間する側の容器8を下側搬送部55に載置させる動作を行わない。
【0253】
下側搬送部55に近接する側のある容器8が物品で満杯になったとする。
プロセッサ11は、
図33に示すように、自動移動装置7を移動させ、
図34に示すように、可動部704を用いて容器8を下側搬送部55上に引き込む。そして、その容器8を下側搬送部55上に載置させる。プロセッサ11は、下側搬送部55を駆動させて、その容器8を目的地まで到達させる。
【0254】
なお、プロセッサ11は、自動移動装置7の選択によっては、
図31及び
図32を用いて説明したように、容器8を、自動移動装置7を用いて押し出して下側搬送部55上に載置してもよい。
【0255】
図35に示す例では、下側搬送部55に離間する側の容器8を下側搬送部55の搬送方向に直交するように、下側搬送部55上に載置しようとすると、一部の容器8は、下側搬送部55に近接する側の容器8に衝突することなく、下側搬送部55上に載置される。このため、区分システム100のプロセッサ11は、この時点では、下側搬送部55に離間する側の容器8のうち、特定の容器8を下側搬送部55に載置させる動作を行うことが可能となる。
【0256】
プロセッサ11は、
図35及び
図36に示すように、その特定の容器8が物品で満杯になり、下側搬送部55に払い出す動作を行うものとする、このとき、プロセッサ11は、自動移動装置7の可動部704のパドル776を用いて、その容器8を下側搬送部55に載置させる。この場合、自動移動装置7の位置に応じて、押し出しにより、容器載置部6のテーブル60a上の容器8を下側搬送部55に載置してもよく、引き込みにより、容器載置部6のテーブル60a上の容器8を下側搬送部55に載置してもよい。
【0257】
このようにして、本実施形態に係る区分システム100は、まず、下側搬送部55に近接する側の容器8が下側搬送部55に載置される。そして、下側搬送部55に離間する側の容器8は、満杯であっても、下側搬送部55に載置される経路が空くまで待機する。そして、下側搬送部55に離間する側の、満杯となった容器8は、下側搬送部55に載置される経路が空いたときに、自動移動装置7により下側搬送部55に載置される。
【0258】
本実施形態に係る区分システム100では、1つの容器載置部6に2列など、より多くの容器8を載置することができる。このため、1つの容器載置部6に物品の区分先をより多く設定することができる。
【0259】
なお、本実施形態では、上側搬送部51により搬送されるボンベイソータ54の配置を、容器8の配置と異なるものとして説明した。ボンベイソータ54の配置を、容器8の配置と同様にしてもよい。
一方、上述した第1実施形態で説明したシュート52は、上側搬送部51を挟んで
図2中の紙面の上下に離間するものとして説明した。
図2の紙面の上側のシュート52及びシュート52に対応する容器8は、
図2の紙面の下側のシュート52及びシュート52に対応する容器8に対して、上側搬送部51の搬送方向に沿ってずれていてもよい。
【0260】
図28に示すように、1つの容器載置部6は、分割された2つのテーブル60a1,60a2を有する。テーブル60a1は、下側搬送部55に近接する。テーブル60a2は、下側搬送部55に離間する。テーブル60a1,60a2は、それぞれ第1実施形態で説明したテーブル60a、脚部60b、ヒンジ部60c、支持脚部60d(
図21から
図23参照)を有するものとする。
【0261】
容器8が1つの容器載置部6のテーブル60a上に配置された容器自動一斉払出処理を行う場合について説明する。
【0262】
まず、下側搬送部55に近接するテーブル60a1を自動移動装置7の可動部704を用いて傾斜させる。このとき、自動移動装置7の可動部704は、
図28の紙面の下側からテーブル60a2の下側を通して、テーブル60a1の下側を持ち上げてもよく、
図28の紙面の例えば左側からテーブル60a1の下側を持ち上げてもよい。このようにして、下側搬送部55に近接するテーブル60a1に載置されていた容器8を、下側搬送部55上に載置する。そして、プロセッサ11は、下側搬送部55に近接するテーブル60a1に載置されていた容器8を先に所望の目的地に向けて搬送し、払い出す。このとき、下側搬送部55に近接するテーブル60a1の上面を、水平状態に戻す。
【0263】
その後、下側搬送部55に離間するテーブル60a2を自動移動装置7の可動部704を用いて傾斜させる。このため、テーブル60a2上に載置されていた容器8は、テーブル60a2から、テーブル60a1を通って、下側搬送部55上に載置される。テーブル60a1上に残った容器8は、テーブル60a1を再び傾斜させ、下側搬送部55に離間するテーブル60a2に載置されていた容器8を、下側搬送部55上に載置する。そして、プロセッサ11は、下側搬送部55に離間するテーブル60a2に載置されていた容器8を先に所望の目的地に向けて搬送し、払い出す。
【0264】
このため、プロセッサ11は、下側搬送部55に近接するテーブル60a1に載置されていた容器8を先に、下側搬送部55に離間するテーブル60a2に載置されていた容器8を後から、目的地に向けて搬送し、払い出す。
【0265】
本実施形態によれば、容器自動払出処理を行う際に、例えば満杯であるなど、プロセッサ11に選択され、容器載置部6に載置された容器8を、自動移動装置7を用いて押し出して、又は、引き込んで、下側搬送部(容器払い出し搬送部)55に載せ、下側搬送部55で所定の目的地に搬送することができる。このため、1又は複数の物品を収容する容器の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システム100及び区分方法を提供することができる。
【0266】
また、本実施形態によれば、容器自動一斉払出処理を行う際に、容器載置部6に複数の容器8を並べて載置したテーブル60a1を傾けて容器8を滑らせて下側搬送部55に載せ、下側搬送部55で所定の目的地に搬送することができる。そして、容器載置部6に複数の容器8を並べて載置したテーブル60a2を傾けて容器8を滑らせて下側搬送部55に載せ、下側搬送部55で所定の目的地に搬送することができる。このため、1又は複数の物品を収容する容器の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システム100及び区分方法を提供することができる。
【0267】
なお、上述した第1実施形態から第3実施形態では、案内部として、シュート52とプッシャー53の組み合わせ、ボンベイソータ54を用いる例について説明した。案内部としては、例えばクロスベルトソータを用いることも可能である。クロスベルトソータは、ベルトコンベアで構成された搬送トレイで物品を搬送し、ベルトコンベアの回動に伴う搬送方向の変化により、搬送トレイ上の物品を区分先である目的の区分容器8に区分する。
【0268】
上述した第1実施形態から第3実施形態によれば、容器自動払出処理を行う際に、例えば満杯であるなど、プロセッサ11により選択され、容器載置部6に載置された容器8を、自動移動装置7を用いて押し出し又は引き込んで、下側搬送部(容器払い出し搬送部)55に載せ、下側搬送部55で所定の目的地に搬送することができる。このため、1又は複数の物品を収容する容器の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システム100及び区分方法を提供することができる。
【0269】
また、上述した第1実施形態から第3実施形態によれば、容器自動一斉払出処理を行う際に、容器載置部6に複数の容器8を並べて載置したテーブル60a(60a1,60a2)を傾けて容器8を滑らせて下側搬送部55に載せ、下側搬送部55で所定の目的地に搬送することができる。このため、1又は複数の物品を収容する容器の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システム100及び区分方法を提供することができる。
【0270】
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、1又は複数の物品を収容する容器8の自動払い出し時に、処理効率を向上させる、区分システム100及び区分方法を提供することができる。
【0271】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0272】
2…上位装置、3…インダクション、4…スキャナ、5…ソータ、6…容器載置部、7…自動移動装置、8…容器(トート)、9…コード、10…区分制御装置、11…プロセッサ、20…ソータ制御装置、21…プロセッサ、30…自動移動装置の制御装置、31…プロセッサ、51…上側搬送部、52…シュート、53…プッシャー、55…下側搬送部、56…センサ、60a…テーブル、60b…脚部、60c…ヒンジ部、60d…支持脚部、61…コード、62…ガイド、71…プロセッサ、76…駆動部、81…コード、100…区分システム、701…自動移動部、702…支柱、703…容器ストック部、704…可動部、705…カメラ。