(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112246
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】植物の成長促進方法
(51)【国際特許分類】
A01G 7/04 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
A01G7/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017197
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】515105896
【氏名又は名称】株式会社エムエスコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】521213152
【氏名又は名称】赤崎 啓一
(71)【出願人】
【識別番号】508230466
【氏名又は名称】小林 延行
(71)【出願人】
【識別番号】521213163
【氏名又は名称】小林 延守
(71)【出願人】
【識別番号】523043577
【氏名又は名称】木下 龍之
(74)【代理人】
【識別番号】100195970
【弁理士】
【氏名又は名称】本夛 伸介
(72)【発明者】
【氏名】赤崎 啓一
(72)【発明者】
【氏名】小林 延行
(72)【発明者】
【氏名】小林 延守
(57)【要約】
【課題】本発明は、ゼロ磁場を構成する導電性のコイルまたはその利用によるゼロ磁場波動水であって、特に植物成長促進用の観点から見いだされた理論に基づき、広く農業物の生産に資する新規なコイルを提供する技術を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明の植物成長促進用コイルは、連続する1本の導線からなり、かつ、右に旋回する螺旋状部分と左に旋回する螺旋状部分とが上下方向に対して一体的に合体した個体を基本の構成単位とするものであり、当該構成単位の個体を1個または2個以上の選択によって独立成型もしくはエネルギー集積または放射効率を高めるために最適配置されたものとするか、又は当該最適に配置されたコイルをシートまたはコースターに埋め込み成型した成型品を単一でまたは重畳的に構成して対象の植物体に適用し、極めて早く外部環境にも強い植物を量産することを可能ならしめる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼロ磁場を構成する導電性コイルを使用した植物の成長促進用波動水。
【請求項2】
ゼロ磁場を構成する導電性コイルが、連続する1本の導線からなり、かつ、右に旋回する螺旋状部分と左に旋回する螺旋状部分とが上下方向に対して一体的に合体した個体を基本の構成単位とすることを特徴とする請求項1に記載の植物の成長促進用波動水。
【請求項3】
植物の成長促進用に用いるゼロ磁場を構成する導電性コイル。
【請求項4】
ゼロ磁場を構成する導電性コイルが、連続する1本の導線からなり、かつ、右に旋回する螺旋状部分と左に旋回する螺旋状部分とが上下方向に対して一体的に合体した個体を基本の構成単位とすることを特徴とする請求項3に記載のゼロ磁場を構成する導電性コイル。
【請求項5】
ゼロ磁場を構成する導電性コイルを、基本の構成単位として少なくとも1個、植物の成長促進用に最適な位置に配置することを特徴とする請求項3及び請求項4いずれかに記載のゼロ磁場を構成する導電性コイル。
【請求項6】
ゼロ磁場を構成する導電性コイルを、基本の構成単位として少なくとも1個、植物の成長促進用のコースター又はシートの最適な位置に配置することを特徴とする請求項5に記載のゼロ磁場を構成する導電性コイル。
【請求項7】
植物の成長促進用のコースター又はシートの最適な位置にゼロ磁場を構成する導電性コイルを、基本の構成単位として少なくとも1個を配置した該コースターまたはシートを植物栽培用の容器底面に使用することによって、前記植物の成長を促進する方法。
【請求項8】
請求項1に記載した植物の成長促進用波動水を併用することを特徴とする請求項7に記載した植物の成長を促進する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼロ磁場を構成する導電性コイルを新規な用途に使用するものであって、特に植物の成長促進用に見出した知見に基づくゼロ磁場波動水およびゼロ磁場型コイルに関するものである。
さらに詳細には、特有のコイル構造によって生じるパルス波の微弱電流の仕組みを応用し、全く新しい植物の生育促進に係る技術を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今の異常気象の農業作物にもたらす影響は極めて深刻であり、特に日照時間、降雨量および温湿度の極端な変化は植物の生育に致命的である。
【0003】
気象庁の公表データによれば、予期せぬ降雪や風雨もしくは高温高湿の状態は今後も続くことが明らかであり、もはや昨今の異常は常態化したものともいえ、これからも農作物への影響は計り知れない。
【0004】
災害による不作はもとよりであるが、環境変化のもたらす病害や農業経営上においても深刻な問題である。通気不良や高い温湿度の影響で、農作物一般に、病原菌の活動が活発化し、感染と枯死等の被害が拡大傾向にある。
【0005】
これらの問題に対し、種々の取り組みがなされているのも事実ではあるが、安定な収穫を得るための方法として思うような効果が上がっていない。特に、地域性や土地柄によることなく安定な収穫が期待できる抜本的な農産物生産の対策が喫緊の課題である。
【0006】
日本農業の特徴の一つとして、近年、化学肥料や農薬の使い過ぎが指摘されている。日本は、ヨーロッパに比べて農薬使用の規制が緩いので、農薬への依存度が高く、結果的に土壌活力の低い事態を招来している。
【0007】
最近の由々しき問題としてネオニコチノイド系農薬による環境被害の報告例もあり、規制強化や全廃運動へと波及している。
【0008】
一方、農業領域においては、土壌微生物、本来の力価を復活・回復すべく技術提供が待たれているところ、できるだけ農薬を使用しない方法によって安心で安全な食材を提供することが喫緊の課題である。そして、これは、農業を営む規模の大小にかかわらず、いわゆるSDGs上の観点からも大変重要な課題である。
【0009】
上記の課題に鑑み、小規模ながらもその手軽さが人気を博し、自ら必要な分を安心して食するべく家庭菜園や、土耕栽培の改良や効率化の追求のもとでの水耕栽培の技術が進んでいる。水耕栽培とは、土を使わずに水で植物を育てる栽培方法をいうが、栄養は、水に溶かして与える。すなわち、水耕栽培は、養液栽培のうち、固形培地を使わない方法を指すものである。
【0010】
家庭菜園は、農薬を使っていない安心安全な野菜が食べたいという消費者ニーズに適っている。一方の前記水耕栽培は、土地の耕し、或いは草むしりなどの畑作業が必要なく、水と液体肥料しか使わないために、設置条件も含めて効率的な方法である。
【0011】
上記のとおり、植物生育の問題は、本来土壌中に備わる栄養素や微生物活性の観点から広く考える必要があり、技術的にも古くからこれらに着目した新しい試みがなされてきた。例えば、特許文献1乃至3が挙げられる。
【0012】
特許文献1には、磁場内に生きた植物を置くことを特徴とした植物の活性化方法が開示されている、磁場形成の手段として、永久磁石の利用が挙げられている。
【0013】
特許文献2には、複雑に変化する赤外線、低周波の交番磁気若しくは超低周波音波又は放出過程が複雑に変化するイオン、フォトン等の微粒子若しくは静電気の全部又は一部からなる情報信号を直接又は一定の物質を介して植物に供与することを特徴とする植物の生長促進方法を供する技術が開示されている。当該発明の目的は、従来の方法とは全く別異の方法により増収を図り、併せて従来農法の有する弊害、即ち植物の奇形、異常繁殖、土壌の枯渇など薬品漬けによる弊害の除去を図ることとされている。
【0014】
特許文献3には、植物の成長を促進し又、水、特定栄養物質の植物内部への取り込みを人為的に調節できる植物の促進方法が開示されている。具体的な手段として、植物、水、特定物質に周期的な変動磁場を1方向以上から作用させる方法であって、その作用させる交流磁界の周波数は0.01Hz~300Hzと100μT以下の直流磁界を交差させることを特徴とする旨の開示がある。
【0015】
このように、これら特許文献1乃至3は、いずれも農薬や化学肥料によらず、無害とされる磁場を活用する農法として共通の着想を有しており、一定の評価がされ得るものではあるが、その効果が局所的であり、持続性という点ではいまだ不十分であった。
また、農薬を使用しない場合の問題として、害虫による被害が挙げられるところ、この点に関しては、上記各技術では未解決の課題である。
さらに、エネルギー供給の面からは、特定の装置を要せずとも持続できる簡易な機構での方法の提供が待たれている。
【0016】
前記の持続性という点に関して考察するに、磁石の利用による外的な付加のみでは限界があると思われたことから、寧ろ、外的な付加エネルギーのみ利用の発想を逆転させ、本出願人らは、特定構造のゼロ磁場型のコイルに備わる特性により、空間のエネルギーを取り込んだ機構の応用によって植物の生育を活性化する関係で捉えることを試みた。
【0017】
つまり、特許文献1乃至特許文献3に開示された技術とは全く異なり、いわゆるゼロ磁場を環境として与え、その環境下で、特定構造のコイル由来によるパルス波の微弱電流によって、所望の効果を期待する着想である。
【0018】
この点、より具体的には、特定の構造を有するゼロ磁場型のコイルとそのコイルを利用した波動水が所望の効果を発揮するという知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開昭56-169524号公報
【特許文献2】特開平3-183419号公報
【特許文献3】特開2014-14297号公報
【特許文献4】特開2010-29518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上記の未達の問題に鑑みてなされたものであり、ゼロ磁場を構成する導電性の特殊コイルに基づく応用であって、当該コイル特有の構造によって生じるパルス波の微弱電流の仕組みを応用し、全く新しい植物の生育促進に係る技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、特許文献4における特徴を活かしつつも、さらにヒト以外の生命体への応用に着手し、鋭意研究を継続したところ、植物への予想外の異質効果を見出して本発明を完成するに至ったものである。
【0022】
すなわち、本発明によれば、次の特殊なコイル構造によって生じるパルス波の微弱電流の仕組みを応用した全く新しい植物の生育促進に係る技術が提供されるものである。
(1)ゼロ磁場を構成する導電性コイルを使用した植物の成長促進用波動水。
(2)ゼロ磁場を構成する導電性コイルが、連続する1本の導線からなり、かつ、右に旋回する螺旋状部分と左に旋回する螺旋状部分とが上下方向に対して一体的に合体した個体を基本の構成単位とすることを特徴とする(1)に記載の植物の成長促進用波動水。
(3)植物の成長促進用に用いるゼロ磁場を構成する導電性コイル。
(4)ゼロ磁場を構成する導電性コイルが、連続する1本の導線からなり、かつ、右に旋回する螺旋状部分と左に旋回する螺旋状部分とが上下方向に対して一体的に合体した個体を基本の構成単位とすることを特徴とする(3)に記載のゼロ磁場を構成する導電性コイル。
(5)ゼロ磁場を構成する導電性コイルを、基本の構成単位として少なくとも1個、植物の成長促進用に最適な位置に配置することを特徴とする(3)及び(4)いずれかに記載のゼロ磁場を構成する導電性コイル。
(6)ゼロ磁場を構成する導電性コイルを、基本の構成単位として少なくとも1個、植物の成長促進用のコースター又はシートの最適な位置に配置することを特徴とする(5)に記載のゼロ磁場を構成する導電性コイル。
(7)植物の成長促進用のコースター又はシートの最適な位置にゼロ磁場を構成する導電性コイルを、基本の構成単位として少なくとも1個を配置した該コースターまたはシートを植物栽培用の容器底面に使用することによって、前記植物の成長を促進する方法。
(8)(1)に記載した植物の成長促進用波動水を併用することを特徴とする(7)に記載した植物の成長を促進する方法。
【0023】
本発明における特殊コイルは、1つのコイルの巻方向を逆にする2つのコイル構造で構成したコイルであり、本発明者らが見出した人への適用に始まったもの(特許文献4)であるところ、生体内由来の微弱電流を拾って発生する磁力を相殺するものである。
そして、外部からの電流を何ら印加しないことから、フレミングの左手の法則によって生じる磁場を打ち消し合い、ゼロ磁場を構成するものである。コイル単体においては、右巻きと左巻きのコイルが合体していることから、各コイルに流れる電流は相殺され平衡状態であると思われるが、内部エネルギーがパルス波として潜在することにより、特別な磁場が構成されるものであると考えられている。
【0024】
一方で、本発明のように、生体への適用ではなく、植物体等の人以外の生命体への適用においては、対象物に直接適用しないため、ゼロ磁場構成のためのエネルギー原資が問題となる。
この点、本発明者らは、例えば、いわゆる気功にみる「気」のように、宇宙からの空間エネルギーが原資となり得るという仮説を立てて検討した結果、驚くべき効果を得るに至り、本発明を完成したものである。
【0025】
ここで、宇宙からの空間エネルギーは、目視できないことから、その存在につき、直ちに理解がされない性質があるが、太陽エネルギーと同様、宇宙エネルギーは、高密度で大量に集積或いは放射することで、例えば電気として利用することもできる他、少量であれば、健康回復や成長促進などの様々なライフサイクルに応じた用途活用が可能であることが知られている。
特に、前者においては、二酸化炭素の排出等を抑えるべく化石燃料に変わる代替エネルギーへの転換が世界規模で喫緊の課題ある中、宇宙エネルギーの応用にはその期待が大きい。一方の後者では、ストレス社会への適応性が日常生活において求められる中、正常なホメオスタシス維持のために必要なエネルギー源泉である。
【0026】
宇宙エネルギーの集積放射能が強い基本図形として、例えば、五芒星、六芒星、メビウス、三重円及び中心に点のある円等平面的図形のほか、当該平面的図形の組合せによる三次元空間、例えばピラミッドなどが知られている。三次元空間となす理由は、平面的図形よりも宇宙エネルギーの接触面が増大し、その宇宙エネルギーの集積・放射力が強化されやすいからである。
【0027】
この点、本発明で使用する特殊形状のコイルは、円形であり、宇宙の空間エネルギー集積と放射上、理にかなっていると思われ、植物に適用した成長育成効果とも符合していた。
すなわち、後述する実施例によれば、宇宙エネルギーを集積した本発明のゼロ磁場構成の伝導性コイルそのもの、または当該伝導性コイルを使用して製造したゼロ磁場水の適用によって、植物の成長が促進する効果が認められた。
請求項1によれば、ゼロ磁場を構成する導電性コイルを使用した植物の成長促進用波動水が提供され、請求項3によれば、植物の成長促進用に用いるゼロ磁場を構成する導電性コイルが提供されるものである。
【0028】
前記で使用のゼロ磁場を構成する導電性コイルは、
図1乃至
図3で例示のとおり、連続する1本の導線からなり、かつ、右に旋回する螺旋状部分と左に旋回する螺旋状部分とが上下方向に対して一体的に合体した個体を基本の構成単位とすることを特徴とするものである。
よって、本発明の請求項4によれば、ゼロ磁場を構成する導電性コイルが、連続する1本の導線からなり、かつ、右に旋回する螺旋状部分と左に旋回する螺旋状部分とが上下方向に対して一体的に合体した個体を基本の構成単位とすることを特徴とする植物の成長促進用コイルが提供される。
【0029】
本発明のゼロ磁場水は、当該コイルを、好適には一昼夜(12時間~24時間)、容器に充填した精製水に浸漬または容器の底面に配置して製造することができ、単一コイル1個に対し、水500MLが目安である。
すなわち、本発明の請求項2によれば、ゼロ磁場を構成する導電性コイルが、連続する1本の導線からなり、かつ、右に旋回する螺旋状部分と左に旋回する螺旋状部分とが上下方向に対して一体的に合体した個体を基本の構成単位とすることを特徴とする植物の成長促進用コイルを利用したゼロ磁場水が提供されるものである。
【0030】
ここで、上記のとおり、本発明の伝導性コイルの応用においては、特に複数のコイルを使用する場合に、宇宙エネルギーの集積と放射の点から、最適な配置が問題となる。
既に段落[0026]に開示したように、宇宙エネルギーの集積放射能が強い基本図形としては、例えば、
図4に示したような五芒星、六芒星、メビウス、三重円及び中心に点のある円等平面的図形のほか、当該平面的図形の組合せによる三次元空間、例えばピラミッドなどが知られている。
本発明においては、コイル形状が円形であり、それ自体もエネルギー集積や放射の観点から合理性を備えているが、さらには、その配置にも配慮することが好ましい。
【0031】
平面配置であれば、五芒星、六芒星、メビウス、円状に据え、円状の場合には二重円、三重円等の多重円構成または同心円状の構成配置が好ましい。
これらの配置は、予めシートやコースター形態として埋め込み加工したものが便宜であるので、適用する植物の生育目的に応じて適宜選択するのが好ましい。成型加工することで、水耕栽培時にも、土耕栽培時にも適用の便宜が広がる。
【0032】
また、三次元空間となすことによって、平面的図形よりも宇宙エネルギーの接触面が増大し、その宇宙エネルギーの集積・放射力が強化されやすい点についてもすでに言及したとおりであるが、この点、前記シートやコースター形態にすることによって所望の構成を取りやすくなる。三次元空間は、予め、成型加工した容器や機材空間の外部又は内部に、ゼロ磁場を構成する伝導性コイルを配置しても良く、埋め込んでも良い。安定にエネルギーを集約し、放射する観点からも、このように一定の空間位置にコイルを配置する意義は大きい。
【0033】
すなわち、本発明の請求項5乃至請求項6によれば、ゼロ磁場を構成する導電性コイルを、基本の構成単位として少なくとも1個、植物の成長促進用に最適な位置に配置することを特徴とするゼロ磁場を構成する導電性コイル若しくはこれらをシートやコースタタイプの形態に成型した加工品が提供され、さらに、本発明の請求項7によれば、前記ゼロ磁場を構成する導電性コイルのシート若しくはコースター等を植物栽培用の容器底面に使用することによって、所望の植物成長を促進させる方法が提供されるものである。
【0034】
以上のように、本発明では、宇宙からの集積エネルギー原資とし、そのエネルギーを植物体全体に放射・循環させて維持し、結果、植物体内のエネルギー利用を効率化させるために、特定のゼロ磁場コイルおよびその利用によるゼロ磁場水した技術を提供するものであり、使用しやすい形態に成型する実施の態様と方法を広く含むものである。
【0035】
なお、本発明のゼロ磁場コイルにおける導線は、熱伝導性と加工処理性に優れる銅が好ましいが、放射させるエネルギー効率等のバランスによって、例えば、アルミニウムを選択し得る。
シートやコースターに成型する基材は、特段の制約はないが、例えば、ウレタンやシリコーン素材による支持体で成型し使用できるものである。
【発明の効果】
【0036】
本発明の植物の成長促進用コイルは、連続する1本の導線からなり、かつ、右に旋回する螺旋状部分と左に旋回する螺旋状部分とが上下方向に対して一体的に合体した個体を基本の構成単位とするものであり、当該構成単位の個体を少なくとも1個、独立成型もしくは配置されたものとするか、又は当該構成単位の個体を連続的に2個以上含んで最適な配置構成を図ることで、パルス波電流・電磁場によるエネルギーが植物の生育促進のために有用な刺激を与える結果、極めて早く外部環境に強い植物量産がかなうものである。
また、前記特定構造のコイルとその最適配置によって製造されたゼロ磁場水の利用によって、土耕栽培のみならず、水耕栽培においても同様の植物生育効果を得ることができる。
無駄で有害な農薬の使用も不要であり、食に対するヒトへの安全性及びSDGSの観点から環境にも適した技術である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図3】本願発明のゼロ磁場コイルとパルス電流の発生モデル
【
図4】宇宙エネルギーをゼロ磁場コイルで集積する際の効果的平面配置の例
【0038】
前述のとおり、本発明は、ゼロ磁場を構成する導電性のコイルおよびその使用方法であって、特に農業分野への応用の観点から見いだされた理論に基づき、完成された発明を構成するものである。
【0039】
以下、本発明に係る植物成長促進の実施の形態について具体的に説明するが、本発明の範囲は当該実施形態の例に限定されるものではない。
【0040】
<性能試験1>ゼロ磁場波動水を使用した植物の成長速度試験
(1)試験概要
本発明の特性源であるゼロ磁場コイルによって製造したゼロ磁場波動水について、植物の成長過程(目視変化)を追跡することで成長促進作用の有無を確認した。
(ゼロ磁場波動水の製造)
本発明のゼロ磁場コイルをペットボトル500ml容器の横に単体4個、底に単体1個張り付け、24時間放置し、ゼロ磁場波動水を得た。
(比較観察)
栽培容器を4つ準備し、そのうち2つには水道水、他の2つにはゼロ磁場波動水を入れ、ブロッコリーの芽の育成過程を一定期間(芽を蒔いて1日目、2日目、5日目及び7日目)観察し、写真撮影によって両者の変化を比較した。
【0041】
(2)観察結果および考察
いずれの比較検体についても、ゼロ磁場波動水で育てたブロッコリーの発芽生育が高く、7日目では顕著な違いが観察された。生育の状態も明らかな違いがみられ、ゼロ磁場波動水の方が、まっすぐに勢いよく成長する結果を得ることができた。
【0042】
<性能試験2>ゼロ磁場コイルコースターを使用した植物の成長速度試験
(1)試験概要
本発明の特性源であるゼロ磁場コイル3個を配置した円形のコースターを準備し、その使用効果をかいわれスプラウトで確認した。
(比較観察)
栽培容器を6つ準備し、そのうち3つは通常の方法で育て、他の3つには、前記のゼロ磁場コイルコースターを容器下にそれぞれ敷き、かいわれスプラウトの成長過程を一定期間(設置後1日目、2日目、5日後及び7日後)観察し、写真撮影とその発芽率(7日目)によって、両者の変化を比較した。
【0043】
(2)観察結果および考察
いずれの比較検体についても、ゼロ磁場コイルコースターで育てたかいわれスプラウトの発芽率か高く、7日目では顕著な違いが観察された(コースター使用なしとコースター使用とでは、それぞれ53.8%、79.4%)。また、コースター使用の場合が、まっすぐと勢いよく成長する結果を得ることができた。商品価値としても大きく差が出る結果となった。
【0044】
<性能試験3>ゼロ磁場コイルを使用した植物の成長速度試験
(1)試験概要
本発明の特性源であるゼロ磁場コイルを使用し、栽培鉢土壌上に配置した効果を、医療用の大麻を使って確認した。
試験は、タイ国バンコクで、2022 年 12 月 5 日~2022 年 12 月 26 日の期間、医療用大麻の苗木栽培に於いておこなった。
(比較観察)
苗木栽培スタート時、鉢の土壌部分に本発明に係るコイルを4個、苗木周辺に配置したものと、前記コイルを置かないものとで3週間までの観察比較を行った。
【0045】
(2)観察結果および考察
苗木栽培スタート時から、2週間経過した時点および3週間経過した時点いずれにおいても、本発明に係るコイルを配したものが、配置しないものよりも圧倒的に成長度合いが高く(葉数が多く)、外観的にも葉部の色つやが良かった。さらに、驚いたことに、コイルを使用しない大麻の葉には、白い斑点が現れ、虫による被害が見られた。一方のコイル配置の苗木は、このような被害が全く認められなかった。