(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112247
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】ウインドレギュレータ
(51)【国際特許分類】
E05F 11/38 20060101AFI20240813BHJP
B60J 1/17 20060101ALI20240813BHJP
E05F 11/48 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
E05F11/38 B
B60J1/17 B
E05F11/48 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017198
(22)【出願日】2023-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149009
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 稔久
(72)【発明者】
【氏名】原田 和明
(72)【発明者】
【氏名】棚橋 英一
【テーマコード(参考)】
3D127
【Fターム(参考)】
3D127CB05
3D127CC05
3D127DF03
3D127DF10
3D127DF15
3D127DF26
3D127EE15
(57)【要約】
【課題】搬送および車両への取付けを容易に行うことが可能なウインドレギュレータを提供すること。
【解決手段】ウインドレギュレータ1は、一対の第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bと、駆動部3と、ケーブル4と、方向転換部材5と、一対の第1取付部材6aおよび第2取付部材6bと、を備える。第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bは、窓ガラスWに取り付けられる。ケーブル4は、第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bに接続され、駆動部3の駆動力を第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bに伝達する。方向転換部材5は、ケーブル4の配索方向を変える。第1取付部材6aおよび第2取付部材6bは、方向転換部材5が取り付けられ、互いに離間して配置される。第1取付部材6aおよび第2取付部材6bの少なくとも一方は窓ガラスをガイドするサッシュである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓ガラスに取り付けられる一対の第1移動部材および第2移動部材と、
前記第1移動部材および前記第2移動部材を移動する駆動力を発生する駆動部と、
前記第1移動部材および前記第2移動部材に接続され、前記駆動部の前記駆動力を前記第1移動部材および前記第2移動部材に伝達するケーブルと、
前記ケーブルの配索方向を変える方向転換部材と、
前記方向転換部材が取り付けられ、互いに離間して配置される一対の第1取付部材および第2取付部材と、を備え、
前記第1取付部材および前記第2取付部材の少なくとも一方は前記窓ガラスをガイドするサッシュである、
ウインドレギュレータ。
【請求項2】
前記駆動部は、前記サッシュに取り付けられている、
請求項1に記載のウインドレギュレータ。
【請求項3】
前記駆動部は、前記ケーブルを巻き取りまたは繰り出すドラムを有し、
前記方向転換部材は、
前記第1取付部材の上部に配置された第1方向転換部材と、
前記第2取付部材の上部に配置された第2方向転換部材と、
前記第1取付部材の下部に配置された第3方向転換部材と、
前記第2取付部材の下部に配置された第4方向転換部材と、を有し、
前記ケーブルは、
一端が前記第1移動部材に取り付けられ、前記第1方向転換部材を介して他端が前記ドラムに取り付けられた第1ケーブルと、
一端が前記第2移動部材に取り付けられ、前記第4方向転換部材を介して他端が前記ドラムに取り付けられた第2ケーブルと、
一端が前記第1移動部材に取り付けられ、前記第3方向転換部材、前記第4方向転換部材および前記第2方向転換部材を介して他端が前記第2移動部材に取り付けられた第3ケーブルと、を有する、
請求項1に記載のウインドレギュレータ。
【請求項4】
前記駆動部は、前記ドラムを収納するドラムハウジングを更に有し、
前記第3方向転換部材は、前記ドラムハウジングに設けられている、
請求項3に記載のウインドレギュレータ。
【請求項5】
前記第1取付部材は、前記サッシュであり、
前記第2取付部材は、可撓性を有する長尺部材である、
請求項1に記載のウインドレギュレータ。
【請求項6】
前記第2取付部材は、前記第1取付部材より車両の前方側に配置される、
請求項5に記載のウインドレギュレータ。
【請求項7】
前記第2移動部材は、回転を防止する回転防止部を有し、
前記回転防止部は、前記第2取付部材に接触可能に配置されている、
請求項5に記載のウインドレギュレータ。
【請求項8】
前記第1移動部材は、回転を防止する第1回転防止部を有し、
前記第2移動部材は、回転を防止する第2回転防止部を有し、
前記第1回転防止部は、前記ケーブルに接触可能に配置され、
前記第2回転防止部は、前記ケーブルに接触可能に配置されている、
請求項1に記載のウインドレギュレータ。
【請求項9】
前記第4方向転換部材は、
前記第3ケーブルが配置され、前記第3ケーブルの配索方向を変える第1溝と、
前記第2ケーブルが配置され、前記第2ケーブルの配索方向を変える第2溝と、を有し、
前記第1溝と前記第2溝は、前記第1取付部材と前記第2取付部材の配置方向に沿って離間して配置されている、
請求項3に記載のウインドレギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインドレギュレータに関する
【背景技術】
【0002】
車両の窓ガラスを昇降する装置としてウインドレギュレータが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に示すウインドレギュレータは、窓ガラスを保持するキャリアプレートと、キャリアプレートを案内するガイド機構と、キャリアプレートに一端が接続されたケーブルと、ケーブルの方向を変える複数の方向転換部材と、ケーブルの他端が接続されたドラムおよびドラムを回転駆動する駆動モータを含む駆動部と、を備える。駆動モータがドラムを回転駆動することによって、ケーブルを巻き取りまたは繰り出し、それにより、キャリアプレートを上昇または下降させることで窓ガラスを昇降させる。
【0003】
一方、キャリアプレートをガイド機構で案内することによる摺動ロスおよび異音リスクを軽減するためにガイドレールを設けないレールレスタイプのウインドレギュレータが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レールレスタイプのウインドレギュレータの場合、複数の方向転換部材および駆動部を固定するガイドレールが存在しないため、各部材がバラバラに存在し、搬送し難く、また車両に取り付け難かった。
【0006】
本開示は、搬送および車両への取付けを容易に行うことが可能なウインドレギュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のウインドレギュレータは、一対の第1移動部材および第2移動部材と、駆動部と、ケーブルと、方向転換部材と、一対の第1取付部材および第2取付部材と、を備える。一対の第1移動部材および第2移動部材は、窓ガラスに取り付けられる。駆動部は、第1移動部材および第2移動部材を移動する駆動力を発生する。ケーブルは、第1移動部材および第2移動部材に接続され、駆動部の駆動力を第1移動部材および第2移動部材に伝達する。方向転換部材は、ケーブルの配索方向を変える。一対の第1取付部材および第2取付部材は、方向転換部材が取り付けられ、互いに離間して配置される。第1取付部材および第2取付部材の少なくとも一方は窓ガラスをガイドするサッシュである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、搬送および車両への取付けを容易に行うことが可能なウインドレギュレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明にかかる実施形態1のウインドレギュレータを車両に取り付けた状態で車外側から視た図である。
【
図2】本発明にかかる実施形態1のウインドレギュレータを車両に取り付けた状態で車内側から視た図である。
【
図3】本発明にかかる実施形態1のウインドレギュレータの駆動部の近傍を車内側から視た斜視図である。
【
図4】本発明にかかる実施形態1の駆動部からモータハウジングおよびモータを取り除いた状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明にかかる実施形態1のウインドレギュレータの第4方向転換部材近傍を車外側から視た斜視図である。
【
図6】
図5の第4方向転換部材の近傍を下方から視た斜視図である。
【
図7】本発明にかかる実施形態1の第1キャリアプレートの近傍を車内側から視た斜視図である。
【
図8】本発明にかかる実施形態1の第2キャリアプレートの近傍を車内側から視た斜視図である。
【
図9】本発明にかかる実施形態2のウインドレギュレータを車両に取り付けた状態で車外側から視た図である。
【
図10】本発明にかかる実施形態2のウインドレギュレータを車両に取り付けた状態で車内側から視た図である。
【
図11】本発明にかかる実施形態2の駆動部の近傍を車内側から視た斜視図である。
【
図12】本発明にかかる実施形態2の第2キャリアプレートの近傍を車内側から視た斜視図である。
【
図13】本発明にかかる実施形態2の第2キャリアプレートの近傍を車外側から視た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる対象物移動装置の一例としてウインドレギュレータについて図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、ウインドレギュレータは以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
(実施形態1)
以下に、実施形態1におけるウインドレギュレータについて説明する。
【0012】
(ウインドレギュレータ1の概要)
ウインドレギュレータ1は、車両用ドアのドアパネルに配設される。ウインドレギュレータ1は、車両の窓ガラスWを昇降移動する機構である。
図1は、ウインドレギュレータ1を車両に取り付けた状態において車外側から視た図である。
図2は、ウインドレギュレータ1を車両に取り付けた状態において車内側から視た図である。
図1および
図2では、上下方向がAで示されている。上下方向Aのうち、上方向が矢印A1で示され、下方向が矢印A2で示されている。また、前後方向Bのうち前方向が矢印B1で示され、前後方向Bのうち後方向が矢印B2で示されている。ウインドレギュレータ1を車両の取り付けた状態における車両内外方向C(後述の
図6等)のうち車外方向がC1で示され、車内方向がC2で示されている。
【0013】
図1および
図2に示すように、ウインドレギュレータ1は、一対の第1キャリアプレート2a(第1移動部材の一例)および第2キャリアプレート2b(第2移動部材の一例)と、駆動部3と、ケーブル4と、方向転換部材5と、一対の第1取付部材6aおよび第2取付部材6bと、を備える。
【0014】
一対の第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bは、窓ガラスWに取り付けられる。駆動部3は、第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bを移動する駆動力を発生する。ケーブル4は、第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bに接続され、駆動部3の駆動力を第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bに伝達する。方向転換部材5は、ケーブル4の配索方向を変える。方向転換部材5は、第1取付部材6aおよび第2取付部材6bに取り付けられる。一対の第1取付部材6aおよび第2取付部材6bは、窓ガラスWをガイドする。
【0015】
(第1取付部材6a、第2取付部材6b)
第1取付部材6aおよび第2取付部材6bは、互いに離間して配置される。第1取付部材6aおよび第2取付部材6bの各々は、例えば、車両における窓枠の一部を構成するサッシュである。第1取付部材6aおよび第2取付部材6bの各々の内側には、ガラスランが取り付けられる。ガラスランの内側に窓ガラスWが配置される。このように第1取付部材6aおよびその内側に配置されたガラスランと、第2取付部材6bおよびその内側に配置されたガラスランとによって、窓ガラスWは昇降可能に保持される。第1取付部材6aは、後方向B2側に配置されている。第2取付部材6bは、第1取付部材6aの前方向B1側に配置されている。本実施形態では、第1取付部材6aおよび第2取付部材6bは、上方向A1に向かうに従って後方向B2に位置するように傾斜しているが、窓ガラスWの昇降軌跡に応じて傾斜していなくてもよい。
【0016】
(第1キャリアプレート2a、第2キャリアプレート2b)
第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bは、窓ガラスWの下端部を保持する。
図1および
図2では、第1キャリアプレート2aが後方向B2側に配置されている。第2キャリアプレート2bは、第1キャリアプレート2aよりも前方向B1側に配置されている。第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bは、駆動部3の駆動力によって昇降移動する。この昇降移動によって、第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bに保持されている窓ガラスWが昇降移動する。第1キャリアプレート2aは、第1取付部材6aの前方向B1側に配置されている。第2キャリアプレート2bは、第2取付部材6bの後方向B2側に配置されている。
【0017】
なお、第1キャリアプレート2aは、回転を防止する第1回転防止部22aを有する。第2キャリアプレート2bは、回転を防止する第2回転防止部22bを有する。第1回転防止部22aおよび第2回転防止部22bの詳細については後段にて説明する。
【0018】
(駆動部3)
図3は、駆動部3を車内方向C2側から視た拡大図である。駆動部3は、第1取付部材6aに取り付けられている。駆動部3は、ブラケット7cを介して第1取付部材6aの下端に取り付けられている。
【0019】
駆動部3は、ドラム31と、ドラムハウジング32と、モータ33と、モータハウジング34と、を有する。
図4は、駆動部3からモータハウジング34およびモータ33を取り除いた状態を示す図である。
図4は、モータハウジング34およびモータ33を取り除いた状態の駆動部3を車外方向C1側から視た斜視図である。
【0020】
図4に示すように、ドラム31には、ケーブル4が接続されている。ドラムハウジング32は、ドラム31を回転可能に収納する。
図3に示すモータ33は、ドラム31を回転駆動する。モータハウジング34は、モータ33を収納する。ドラムハウジング32とモータハウジング34は互いにボルトによって固定されている。駆動部3は、ブラケット7cを介して第1取付部材6aの下端に固定されている。ブラケット7cは、第1取付部材6aの下端に固定されている。ドラムハウジング32とモータハウジング34は、ブラケット7cを挟むように配置されている。ドラムハウジング32、ブラケット7c、およびモータハウジングの順にボルトが挿通し、ボルトの先端とナットが螺合している。これによって、駆動部3がブラケット7cに固定されている。なお、
図4では、ブラケット7cも省略している。
図3において、ボルトの1つを符号100で示す。
【0021】
モータ33の駆動によってドラム31が回転し、ケーブル4の巻き取り・繰り出しが行われる。これにより、ケーブル4が接続されている第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bが昇降する。
【0022】
(ケーブル4、方向転換部材5)
図1および
図2に示すように、方向転換部材5は、第1方向転換部材51と、第2方向転換部材52と、第3方向転換部材53と、第4方向転換部材54と、を含む。第1方向転換部材51、第2方向転換部材52、第3方向転換部材53、および第4方向転換部材54は、例えば、プーリーまたはワイヤガイドである。
【0023】
本実施形態1では、第1方向転換部材51は、プーリーである。第1方向転換部材51は、第1取付部材6aの上部に配置されている。第1方向転換部材51は、第1取付部材6aの前方向B1側に配置されている。第1方向転換部材51は、ブラケット7aを介して第1取付部材6aに固定されている。第1方向転換部材51は、ブラケット7aに回転可能に支持されている。ブラケット7aは、第1取付部材6aに固定されている。
【0024】
本実施形態1では、第2方向転換部材52は、プーリーである。第2方向転換部材52は、第2取付部材6bよりも後方向B2側に配置されている。第2方向転換部材52は、ブラケット7bを介して第2取付部材6bに固定されている。第2方向転換部材52は、ブラケット7bを介して第2取付部材6bに固定されている。第2方向転換部材52は、ブラケット7bに回転可能に支持されている。ブラケット7bは、第2取付部材6bに固定されている。
【0025】
第3方向転換部材53は、
図3に示すように、ドラムハウジング32に設けられている。第3方向転換部材53は、ワイヤガイドである。第3方向転換部材53は、
図4に示すように、溝53aを有する。溝53aは、ドラムハウジング32のモータハウジング34側の面32aに形成されている。溝53aは、ドラムハウジング32のうちドラム31が配置される部分よりも前方向B1側に設けられている。溝53aは、後方向B2に向かうに従って上方向A1に向かうように湾曲している。溝53aの内側にケーブル4が配置される。
【0026】
図5は、第4方向転換部材54を車外方向C1側から視た斜視図である。
図6は、第4方向転換部材54の近傍を下方から視た斜視図である。第4方向転換部材54は、
図5に示すように、ワイヤガイドである。第4方向転換部材54は、第2取付部材6bよりも後方向B2側に配置されている。第4方向転換部材54は、ブラケット7dを介して第2取付部材6bに固定されている。ブラケット7dは、第2取付部材6bの下部に固定されている。第4方向転換部材54は、ブラケット7dに固定されている。
【0027】
第4方向転換部材54は、ケーブル4をガイドする第1溝54aと第2溝54bを有する。第1溝54aと第2溝54bは、第1取付部材6aと第2取付部材6bの配置方向(前後方向B)に沿って離間して配置されている。第4方向転換部材54は、第1部分541と、第2部分542と、を有する。第1部分541は、第4方向転換部材54の車内方向C2側の部分である。第2部分542は、第4方向転換部材54の車外方向C1側の部分である。
【0028】
第1部分541は、車両内外方向Cに沿った厚みを有する板状の部分である。第1部分541は、車両内外方向Cに沿った端面541aを含む。端面541aは、前方向B1側の端面部分541bと、下方向A2側の端面部分541cとを含む。端面部分541bは、下方向A2に向かうに従って後方向B2に向かうように湾曲して、端面部分541cに繋がっている。第1溝54aは、端面部分541bから端面部分541cに亘って形成されている。
【0029】
第2部分542は、車両内外方向Cに沿った厚みを有する板状の部分である。第2部分542は、第1部分541の車外方向C1側の面541sの後方向B2側寄りに配置されている。第2部分542は、車両内外方向Cに沿った端面542aを含む。端面542aは、前方向B1側の端面部分542bと、下方向A2側の端面部分542cとを含む。端面部分542bは、下方向A2に向かうに従って後方向B2に向かうように湾曲して、端面部分542cに繋がっている。端面部分542bは、端面部分541bよりも後方向B2側に配置されている。車両内外方向Cにおいて、端面部分542bは、端面部分541bよりも車外方向C1側に配置されている。端面部分542cは、端面部分541cよりも車外方向C1側に配置されている。第2溝54bは、端面部分542bから端面部分542cに亘って形成されている。
【0030】
ケーブル4は、
図1に示すように、第1ケーブル41、第2ケーブル42、および第3ケーブル43を含む。第1ケーブル41は、一方の端41aが第1キャリアプレート2aに取り付けられている。第1ケーブル41は、第1方向転換部材51に巻き掛けられている。第1ケーブル41は、端41aから上方向A1に向かって配索され、第1方向転換部材51によって配索方向が下方向A2に転換される。下方向A2に向かって配索された第1ケーブル41の他方の端41bは、
図4に示すように、ドラム31に取り付けられている。
【0031】
第2ケーブル42は、
図5に示すように、一方の端42aが第2キャリアプレート2bに取り付けられている。第2ケーブル42は、第4方向転換部材54によって配索方向がガイドされている。第2ケーブル42は、端42aから下方向A2に向かって配索され、第4方向転換部材54によって配索方向が下方向A2から後方向B2に向かって転換される。第2ケーブル42は、第4方向転換部材54の第2溝54bに配置されて配索方向が転換される。後方向B2に向かって配索された第2ケーブル42の端42bは、
図4に示すようにドラム31に取り付けられている。
【0032】
第3ケーブル43は、
図1に示すように、一方の端43aが第1キャリアプレート2aに取り付けられている。第3ケーブル43は、第3方向転換部材53(
図2参照)、第4方向転換部材54、および第2方向転換部材52にガイドされている。
図2に示すように、第3ケーブル43は、端43aから下方向A2に向かって配索され、第3方向転換部材53によって配索方向が前方向B1に向かって転換される。第3ケーブル43は、第3方向転換部材53の溝53aの内側に配置されて配索方向が転換される。前方向B1に向かって配索された第3ケーブル43は、
図1に示すように、第4方向転換部材54によって配索方向が上方向A1に向かって転換される。第3ケーブル43は、
図5に示すように、第4方向転換部材54の第1溝54aに配置されて配索方向が転換される。上方向A1に向かって配索された第3ケーブル43は、
図1に示すように、第2方向転換部材52によって配索方向が下方向A2に向かって転換される。下方向A2に向かって配索された第3ケーブル43の他方の端43bは、第2キャリアプレート2bに取り付けられる。
【0033】
第1ケーブル41がドラム31に巻き取られると、第1ケーブル41がドラム31と第1キャリアプレート2aを接続しているため、第1キャリアプレート2aが上昇する。第1キャリアプレート2aと第2キャリアプレート2bは、第3ケーブル43によって接続されているため、第1キャリアプレート2aの上昇とともに第2キャリアプレート2bも上昇する。これにより、窓ガラスWが上昇する。
【0034】
第2ケーブル42がドラム31に巻き取られると、第2ケーブル42がドラム31と第2キャリアプレート2bを接続しているため、第2キャリアプレート2bが下降する。第1キャリアプレート2aと第2キャリアプレート2bは、第3ケーブル43によって接続されているため、第2キャリアプレート2bの下降ともに第1キャリアプレート2aも下降する。これにより、窓ガラスWが下降する。
【0035】
なお、第2ケーブル42のドラムハウジング32と第4方向転換部材54の間は、アウターケーシング8aによって覆われている。また、第3ケーブル43の第3方向転換部材53と第4方向転換部材54の間は、アウターケーシング8bによって覆われている。
【0036】
(第1回転防止部22a、第2回転防止部22b)
図7は、第1キャリアプレート2aの近傍を示す斜視図である。
図8は、第2キャリアプレート2bの近傍を示す斜視図である。
【0037】
第1キャリアプレート2aは、
図7に示すように、本体部21aと、回転を防止する第1回転防止部22aと、を含む。本体部21aは、第1キャリアプレート2aのうち窓ガラスWを保持する部分である。本体部21aは、第1ケーブル41の端41aと第3ケーブルの端43aが取り付けられる部分である。第1回転防止部22aは、本体部21aの回転を防止する部分である。第1回転防止部22aは、本体部21aの後方向B2側に配置されている。ここで、
図7において第1ケーブル41のうちドラム31と第1方向転換部材51の間のケーブル部分が41cで示され、第1キャリアプレート2aと第1方向転換部材51の間のケーブル部分が41dで示されている。ケーブル部分41cは、第1取付部材6aの前方向B1側に配置されている。ケーブル部分41dは、ケーブル部分41cよりも前方向B1側に配置されている。第1回転防止部22aは、ケーブル部分41cを囲むように配置されている。第1回転防止部22aは、第1防止部23aと、第2防止部24aと、第3防止部25aと、を含む。第1防止部23aは、本体部21aの後方向B2側の端面21aeの車外方向C1側の端から後方向B2に向かって延びている。第2防止部24aは、第1防止部23aの後方向B2側の端から車内方向C2に向かって延びている。第3防止部25aは、第2防止部24aの車内方向C2側の端から前方向B1側に向かって延びている。第3防止部25aは、第2防止部24aの端の一部に形成された突起である。
【0038】
これにより、第1ケーブル41のケーブル部分41cは、本体部21aの端面21aeと、第1防止部23aと、第2防止部24aと、第3防止部25aによって囲まれる。本体部21aがケーブル部分41dを中心として矢印D方向に回転した場合、ケーブル部分41cが第1回転防止部22aに接触するため、第1キャリアプレート2aの回転を防止することができる。
【0039】
第2キャリアプレート2bは、
図5および
図8に示すように本体部21bと、回転を防止する第2回転防止部22bと、を含む。本体部21bは、第2キャリアプレート2bのうち窓ガラスWを保持する部分である。本体部21bは、第2ケーブル42の端42aと第3ケーブル43の端43bが取り付けられる部分である。第2回転防止部22bは、本体部21bの回転を防止する部分である。第2回転防止部22bは、本体部21bの前方向B1側に配置されている。ここで、
図8において第3ケーブル43のうち第3方向転換部材53と第4方向転換部材54の間のケーブル部分が43cで示され、第2キャリアプレート2bと第3方向転換部材53の間のケーブル部分が43dで示されている。ケーブル部分43cは、第2取付部材6bの後方向B2側に配置されている。ケーブル部分43dは、ケーブル部分43cよりも後方向B2側に配置されている。第2回転防止部22bは、ケーブル部分43cを囲むように配置されている。第2回転防止部22bは、第1防止部23bと、第2防止部24bと、第3防止部25bと、を含む。第1防止部23bは、本体部21bの前端から、前方向B1に向かって延びている。第2防止部24bは、第1防止部23bの前方向B1側の端から車内方向C2に向かって延びている。第3防止部25bは、第2防止部24bの車内方向C2側の端から後方向B2側に向かって延びている。第3防止部25bは、第2防止部24bの端の一部に形成された突起である。
【0040】
これにより、第3ケーブル43のケーブル部分43cは、第1防止部23bと、第2防止部24bと、第3防止部25bによって囲まれる。本体部21bがケーブル部分43dを中心として矢印E方向に回転した場合、ケーブル部分43cが第2回転防止部22bに接触するため、第2キャリアプレート2bの回転を防止することができる。
【0041】
(特徴等)
本実施形態1のウインドレギュレータ1では、第1取付部材6aおよび第2取付部材6bは、方向転換部材5(第1方向転換部材51、第2方向転換部材52、第3方向転換部材53および第4方向転換部材54)が取り付けられ、互いに離間して配置される。
【0042】
このように、方向転換部材5が第1取付部材6aと第2取付部材6bに取り付けられているため、部品を一体化してまとめることができ、搬送および車両への取付け時の部品点数を減らすことができる。そのため、搬送および車両への取付けを容易に行うことが可能なウインドレギュレータ1を提供することができる。
【0043】
本実施形態1のウインドレギュレータ1では、駆動部3は第1取付部材6aに取り付けられている。
【0044】
このように、駆動部3が第1取付部材6aに取り付けられているため、部品を一体化することができ搬送および車両への取付けを容易に行うことができる。
【0045】
本実施形態1のウインドレギュレータ1では、第1ケーブル41、第2ケーブル42、および第3ケーブル43を第1取付部材6aと第2取付部材6bの間の空間を横切らせずに配置することができる。そのため、車両のドアの中央部分に部品を配置する必要がなく、ドアの厚みを薄くでき、車両の室内空間を大きく確保できる。
【0046】
本実施形態1のウインドレギュレータ1では、第3方向転換部材53がドラムハウジング32に設けられている。これによって、部品点数を削減することができる。
【0047】
本実施形態1のウインドレギュレータ1では、第1キャリアプレート2aは、第1回転防止部22aを有する。第2キャリアプレート2bは、第2回転防止部22bを有する。第1回転防止部22aはケーブル4に接触可能に配置されている。第2回転防止部22bはケーブル4に接触可能に配置されている。
【0048】
これにより、第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bの回転を抑制することができるため、窓ガラスWの第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレートへの取付けを容易に行うことができる。また、別部材を設けることになく第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bの回転を防止することができる。
【0049】
本実施形態1のウインドレギュレータ1では、第4方向転換部材54は、第3ケーブル43の配索方向を変える第1溝54aと、第2ケーブル42の配索方向を変える第2溝54bと、を有する。第1溝54aと第2溝54bは、第1取付部材6aと第2取付部材6bの配置方向に沿って離間して配置されている。
【0050】
このように、2本の第1ケーブル41および第2ケーブル42を一つの部材で方向転換することができる。また、第1溝54aおよび第2溝54bが第1取付部材6aと第2取付部材6bの配置方向に沿って離間して配置されているため、車両内外方向C(車幅方向)の厚みがある部分を少なくすることができる。
【0051】
本実施形態1のウインドレギュレータ1は、ガイドレールが設けられていないレールレスタイプである。このため、第1キャリアプレート2aおよび第2キャリアプレート2bがガイドレールに案内される際の摺動ロスおよび異音の発生を軽減することができる。
【0052】
(実施形態2)
以下に、実施形態2におけるウインドレギュレータについて説明する。
【0053】
実施形態2のウインドレギュレータ101は、実施形態1とは異なり、前方向B1側の第2取付部材として、サッシュではなく、長尺部材が設けられている。以下では、実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0054】
図9は、実施形態2のウインドレギュレータ101を車両に取り付けた状態において車外側から視た図である。
図10は、実施形態2のウインドレギュレータ101を車両に取り付けた状態において車内側から視た図である。
【0055】
実施形態2のウインドレギュレータ101は、一対の第1キャリアプレート102aおよび第2キャリアプレート102bと、駆動部103と、ケーブル4と、方向転換部材105と、第1取付部材6aと、第2取付部材106bと、を備える。
【0056】
一対の第1キャリアプレート102aおよび第2キャリアプレート102bは、窓ガラスWに取り付けられる。駆動部103は、第1キャリアプレート102aおよび第2キャリアプレート102bを移動する駆動力を発生する。ケーブル4は、第1キャリアプレート102aおよび第2キャリアプレート102bに接続され、駆動部103の駆動力を第1キャリアプレート102aおよび第2キャリアプレート102bに伝達する。方向転換部材105は、ケーブル4の配索方向を変える。方向転換部材105は、第1取付部材6aおよび第2取付部材106bに取り付けられる。第1取付部材6aは、窓ガラスWをガイドする。第1取付部材6aおよび第2取付部材106bは、互いに離間して配置される。第2取付部材106bは、第1取付部材6aの前方向B1側に配置されている。
【0057】
(第2取付部材106b)
本実施形態2では、実施形態1の第2取付部材6bの代わりに第2取付部材106bが配置されている。第2取付部材106bは、例えば、長尺部材である。ウインドレギュレータ101の車両への取付け易さの観点から、第2取付部材106bは、可撓性を有する部材である方が好ましい。第2取付部材106bは、例えば、柱状または筒状であってもよい。第2取付部材106bは、例えば、樹脂によって形成することができる。第2取付部材106bは、スプリングを含む筒状の部材である方が好ましい。第2取付部材106bとしては、例えば、実施形態1で説明したアウターケーシング8a、8b等を用いてもよい。
【0058】
(方向転換部材105)
方向転換部材105は、
図9に示すように、第1方向転換部材51と、第2方向転換部材152と、第3方向転換部材53(
図10参照)と、第4方向転換部材154と、を有する。第1方向転換部材51と第3方向転換部材53は、実施形態と同様である。
【0059】
第2方向転換部材152は、実施形態1の第2方向転換部材52と異なり、第2取付部材106bの延長上に配置されている。第2方向転換部材152は、第2取付部材106bの上部に回転可能に支持されている。
図9および
図10に示すように、第2方向転換部材152は、例えばプーリーである。第2方向転換部材152は、ブラケット107bを介して第2取付部材106bに固定されている。ブラケット107bは、第2取付部材106bの上端に固定されている。ブラケット107bは、第2取付部材106bの長手方向に沿って延びている。第2方向転換部材152は、ブラケット107bに回転可能に取り付けられている。本実施形態2では、第2方向転換部材152は、第2取付部材106bの長手方向に沿った位置に配置されている。
【0060】
第4方向転換部材154は、第2取付部材106bの下端に固定されている。第4方向転換部材154は、実施形態1の第4方向転換部材54と同様に、第1部分541と第2部分542を有し、第1部分541には、第1溝54aが形成され、第2部分542には第2溝54bが形成されている。本実施形態2の第4方向転換部材154は、実施形態1の第4方向転換部材54と異なりブラケット7dを介さずに第2取付部材106bに直接取り付けられている。例えば、第4方向転換部材154の上端面154bに取付穴が形成され、その取付穴に第2取付部材106bの下端が挿入されている。これによって、第4方向転換部材154が第2取付部材106bに固定されている。
【0061】
このように、第2取付部材106bの長手方向に沿った位置に、第2方向転換部材152と第4方向転換部材154が配置されている。このため、第3ケーブル43のうちケーブル部分43cは、第2取付部材106bよりも前方向B1側に配置されている。ケーブル部分43dは、第2取付部材106bよりも後方向B2側に配置されている。ケーブル部分43cとケーブル部分43dは、前後方向Bにおいて第2取付部材106bを挟むように配置されている。
【0062】
(駆動部103)
図11は、駆動部103の近傍を車内側から視た斜視図である。駆動部103は、ドラム31と、ドラムハウジング132と、モータ33と、モータハウジング34と、を有する。ドラム31、モータ33、およびモータハウジング34は、実施形態1と同様であるため説明を省略する。実施形態2のドラムハウジング132は、実施形態1のドラムハウジング32と同様にドラム31を回転可能に収納する。ドラムハウジング132は、実施形態1と同様に第3方向転換部材53を含む。実施形態2のドラムハウジング132は、実施形態1と異なり、第1取付部材6aの下部に固定されている。すなわち、実施形態1では駆動部3はブラケット7cを介して第1取付部材6aに固定されているが、実施形態2では、駆動部103は第1取付部材6aに直接固定されている。
【0063】
(第1キャリアプレート102a、第2キャリアプレート102b)
図11に示すように、第1キャリアプレート102aには、実施形態1の第1キャリアプレート2aと比較して、第1回転防止部22aが設けられていない。第1キャリアプレート102aは、実施形態1の第1キャリアプレート2aの本体部21aと同様に、窓ガラスWを保持する。また、第1キャリアプレート102aには、第1ケーブル41の端41aと第3ケーブルの端43aが取り付けられる。
【0064】
図12は、第2キャリアプレート102bの近傍を車内側から視た斜視図である。
図13は、第2キャリアプレート102bの近傍を車外側から視た斜視図である。
【0065】
図12および
図13に示すように、第2キャリアプレート102bは、本体部121bと、回転を防止する回転防止部122bと含む。本体部121bは、実施形態1の本体部21bと同様に、第2キャリアプレート2bのうち窓ガラスWを保持する部分である。本体部21bは、第2ケーブル42の端42aと第3ケーブル43の端43bが取り付けられる部分である。回転防止部122bは、本体部121bの前端面121e(
図12参照)の車外方向C1側の端から前方向B1に向かって延びている。回転防止部122bは、板状である。回転防止部122bは、車両内外方向Cに対して略垂直に配置されている。
図12および
図13に示すように、回転防止部122bは、車外方向C1側から第2取付部材106bに当接可能である。
図12および
図13に示すように、本体部121bが、矢印F方向に回転した場合、回転防止部122bが第2取付部材106bに当接することによって、本体部121bの回転を防止することができる。
【0066】
なお、上記実施形態1と本実施形態2の構成は適宜組み合わせてもよい。
【0067】
(特徴等)
本実施形態2のウインドレギュレータ101では、第1取付部材6aおよび第2取付部材106bは、方向転換部材5(第1方向転換部材51、第2方向転換部材52、第3方向転換部材53および第4方向転換部材54)が取り付けられ、互いに離間して配置される。
【0068】
このように、方向転換部材5が第1取付部材6aと第2取付部材106bに取り付けられているため、部品を一体化してまとめることができ、搬送および車両への取付け時の部品点数を減らすことができる。そのため、搬送および車両への取付けを容易に行うことが可能なウインドレギュレータ101を提供することができる。
【0069】
本実施形態2のウインドレギュレータ101では、駆動部103は第1取付部材6aに取り付けられている。
【0070】
駆動部103が第1取付部材6aに取り付けられているため、部品を一体化することができ搬送および車両への取付けを容易に行うことができる。
【0071】
本実施形態2のウインドレギュレータ101では、第1ケーブル41、第2ケーブル42、および第3ケーブル43を第1取付部材6aと第2取付部材106bの間の空間を横切らせずに配置することができる。そのため、車両のドアの中央部分に部品を配置する必要がなく、ドアの厚みを薄くでき、車両の室内空間を大きく確保できる。
【0072】
本実施形態2のウインドレギュレータ101では、第3方向転換部材53がドラムハウジング32に設けられている。これによって、部品点数を削減することができる。
【0073】
本実施形態2のウインドレギュレータ101では、第2取付部材106bが可撓性を有しているため、車両にウインドレギュレータ101を取り付ける際に車両のドア内に挿入し易く車両に取り付け易くなる。
【0074】
本実施形態2のウインドレギュレータ101では、第2取付部材106bは、第1取付部材6aよりも前方向B1側に配置されている。これにより、第3ケーブル43のケーブル部分43cよりも前方向B1側へ第2取付部材を用いる場合と比べて、前後方向の長さを短くすることができ、フロントピラー側の他の部材への干渉を防止することができる。
【0075】
本実施形態2のウインドレギュレータ101では、第2キャリアプレート102bは、回転防止部122bを有する。これにより、第2キャリアプレート102bの回転を抑制することができるため、窓ガラスWの第2キャリアプレート102bへの取付けを容易に行うことができる。また、別部材を設けることなく第2キャリアプレート102bの回転を防止することができる。
【0076】
本実施形態2のウインドレギュレータ101では、第4方向転換部材154は、第3ケーブル43の配索方向を変える第1溝54aと、第2ケーブル42の配索方向を変える第2溝54bと、を有する。第1溝54aと第2溝54bは、第1取付部材6aと第2取付部材106bの配置方向に沿って離間して配置されている。
【0077】
このように、2本の第1ケーブル41および第2ケーブル42を一つの部材で方向転換することができる。また、第1溝54aおよび第2溝54bが第1取付部材6aと第2取付部材106bの配置方向に沿って離間して配置されているため、車両内外方向C(車幅方向)の厚みがある部分を少なくすることができる。
【0078】
本実施形態2のウインドレギュレータ101は、ガイドレールが設けられていないレールレスタイプである。このため、第1キャリアプレート102aおよび第2キャリアプレート102bがガイドレールに案内される際の摺動ロスおよび異音の発生を軽減することができる。
【0079】
(他の実施の形態)
以上、本開示の一実施の形態について説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0080】
(A)
上記実施形態1では駆動部3は、第1取付部材6aの下部に取り付けられているが、第2取付部材6bの下部に取り付けられていてもよい。ただし、フロントピラー側の部品との干渉の観点からは、後方向B2側の第1取付部材6aの下部に取り付けられている方が好ましい。
【0081】
(B)
上記実施形態2では、第2取付部材106bが第1取付部材6aよりも前方向B1側に配置されているが、第2取付部材106bが第1取付部材6aよりも後方向B2側に配置されていてもよい。
【0082】
(C)
上記実施形態2では、第1キャリアプレート102aに回転防止部が設けられていないが、設けられていてもよい。また、実施形態2の第2キャリアプレート102bの回転防止部122bの形状は、実施形態1の回転防止部の形状であってもよい。
【0083】
(D)
上記実施形態1、2では、第1方向転換部材51および第2方向転換部材52、152は、プーリーであったが、これに限られるものではなく、ワイヤガイドであってもよい。
【0084】
(E)
上記実施形態1、2では、第3方向転換部材53および第4方向転換部材54,154は、ワイヤガイドであったが、これに限られるものではなく、プーリーであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明のウインドレギュレータは、搬送および車両への取付けを容易に行うことが可能な効果を有する。
【符号の説明】
【0086】
1:ウインドレギュレータ、2a:第1キャリアプレート、2b:第2キャリアプレート、3:駆動部、4:ケーブル、5:方向転換部材、6a:第1取付部材、6b:第2取付部材、7a:ブラケット、7b:ブラケット、7c:ブラケット、7d:ブラケット、8a:アウターケーシング、8b:アウターケーシング、21a:本体部、21ae:端面、21b:本体部、22a:第1回転防止部、22b:第2回転防止部、23a:第1防止部、23b:第1防止部、24a:第2防止部、24b:第2防止部、25a:第3防止部、25b:第3防止部、31:ドラム、32:ドラムハウジング、32a:面、33:モータ、34:モータハウジング、41:第1ケーブル、41a:端、41b:端、41c:ケーブル部分、41d:ケーブル部分、42:第2ケーブル、42a:端、42b:端、43:第3ケーブル、43a:端、43b:端、43c:ケーブル部分、43d:ケーブル部分、51:第1方向転換部材、52:第2方向転換部材、53:第3方向転換部材、53a:溝、54:第4方向転換部材、54a:第1溝、54b:第2溝、101:ウインドレギュレータ、102a:第1キャリアプレート、102b:第2キャリアプレート、103:駆動部、105:方向転換部材、106b:第2取付部材、107b:ブラケット、121b:本体部、121e:前端面、122b:回転防止部、132:ドラムハウジング、152:第2方向転換部材、154:第4方向転換部材、154b:上端面、541:第1部分、541a:端面、541b:端面部分、541c:端面部分、541s:面、542:第2部分、542a:端面、542b:端面部分、542c:端面部分、W:窓ガラス